JP2005009371A - ガスタービンエンジン、ガスタービンエンジンのサージング防止装置およびガスタービンエンジンのサージング防止方法 - Google Patents

ガスタービンエンジン、ガスタービンエンジンのサージング防止装置およびガスタービンエンジンのサージング防止方法 Download PDF

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誠二 山本
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Abstract

【課題】機関効率を低下させることなく、稼動中の大気圧の変化によるサージングの発生を防止することができるガスタービンエンジンのサージング防止装置を提供する。
【解決手段】ガスタービンエンジン1のサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置35において、ガスタービンエンジン1が稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出器39と、ガスタービンエンジン1が稼動しているときに、ガスタービンエンジン1の圧縮機9によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出器41と、ガスタービンエンジン1が稼動しているとき、ガスタービンエンジン1のサージングを防止するために、上記各検出器によって検出された各圧力に応じて、ガスタービンエンジン1の燃焼器13への燃料の供給量を制御する燃料制御装置と37とを有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンエンジンのサージング防止装置等に係り、特に、大気圧の変化に応じて燃料等の供給量を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、ガスタービンエンジンの特性を示す図である。
【0003】
なお、図3の横軸(x軸)は、ガスタービンエンジンの稼動中に上記ガスタービンエンジンのタービンを流れる流体(空気や燃焼ガス)の流量(単位時間あたりの流量)Qを示し、図3の縦軸(y軸)は、上記ガスタービンエンジンの稼動中(運転中)における上記ガスタービンエンジンのコンプレッサの出口圧力poと、上記ガスタービンエンジンの稼動中における大気圧piとの圧力比po/piを示す。
【0004】
また、グラフSG1は上記ガスタービンエンジンのサージ曲線であり、グラフN1は、上記ガスタービンエンジンが回転数N1で回転して稼動しているときにおける上記流量Qと上記圧力比po/piとの関係を示す曲線である。したがって、たとえば、上記ガスタービンエンジンが回転数N1で回転して稼動しているときの上記ガスタービンエンジンの圧力比po/piが決まれば、上記ガスタービンエンジンの流量Qが定まる。
【0005】
また、上記x軸上では、上記圧力比po/piがたとえば「1」であり、上記y軸上では、上記流量Qがたとえば「0」であり、上記回転数N1は上記ガスタービンエンジンの定格回転数である。
【0006】
次に、上記ガスタービンエンジンが回転数N1で回転し稼動している場合について説明する。
【0007】
回転数N1で稼動している上記ガスタービンエンジンの流量Qは、常態においてはQ1になっている。上記流量Q1を示すx軸上の点P11を通りY軸に平行な直線L1と上記グラフN1との交点をP1とすると、この交点P1に対応した圧力比(y軸上の値)で、上記ガスタービンエンジンは稼動していることになる。
【0008】
ここで、上記直線L1と上記グラフSG1との交点をP12とすると、常態で稼動している(回転数N1、流量Q1で稼動している)上記ガスタービンエンジンのサージマージンは、たとえば、点P1と点P12とを互いに結ぶ線分P1P12の長さを、点P1と点P11とを互いに結ぶ線分P1P11の長さで除した値(線分P1P12/線分P1P11)で表される。
【0009】
常態で稼動している(回転数N1、流量Q1で稼動している)上記ガスタービンエンジンのサージマージンの値は、たとえば「0.1」程度になっている。
【0010】
なお、特許文献1には、多段燃焼法を用いた燃焼器を備えたガスタービンにおいて、たとえば、排ガス中のNOx(窒素酸化物)が低減するように、ガスタービン燃焼器への燃料流量制御を行うものが示されている。
【0011】
【特許文献1】
特願平10−159585号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガスタービンエンジンでは、上記サージマージンの値が小さいほど効率が良くなる。
【0013】
しかし、上記ガスタービンエンジンの運転中に、たとえば、低気圧が接近して大気圧piが下がると、圧力比po/piの値が上昇し、上記ガスタービンエンジンが、図3の点P2に対応した流量で稼動することになり、サージマージンが減少する。なお、上記減少したサージマージンは、上記常態におけるサージマージンと同様に、点P2と点P22とを互いに結ぶ線分P2P22の長さを、点P2と点P21とを互いに結ぶ線分P2P21の長さで除した値(線分P2P22/線分P2P21)で表される。
【0014】
さらに、大気圧が減少すると、圧力比po/piの値がさらに大きくなって、グラフN1がグラフSG1と交わり、回転数N1で回転し稼動している上記ガスタービンエンジンでサージングが発生するという問題がある。
【0015】
一方、常態において、サージマージンの値を大きくしておいて上記ガスタービンエンジンを稼動させること、すなわち、図3の点P3で上記ガスタービンエンジンを稼動させることもできる。上記点P3におけるサージマージンは、点P3と点P33とを互いに結ぶ線分P3P33の長さを、点P3と点P31とを互いに結ぶ線分P3P31の長さで除した値(線分P3P33/線分P3P31)で表される。
【0016】
なお、サージマージンの値を大きくする方法として、上記ガスタービンエンジンへの燃料の供給量を下げる方法、上記ガスタービンエンジンのタービンエリアを広げる方法、または、上記ガスタービンエンジンの回転数を下げる方法等が存在する。
【0017】
しかし、上述したように、サージマージンの値を大きくして上記ガスタービンエンジンを稼動すると、上記ガスタービンエンジンの機関としての効率が低下するという問題がある。
【0018】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機関効率を低下させることなく、稼動中の大気圧の変化によるサージングの発生を防止することができるガスタービンエンジン、ガスタービンエンジンのサージング防止装置、ガスタービンエンジンのサージング防止方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ガスタービンエンジンのサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置において、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御手段とを有するガスタービンエンジンのサージング防止装置である。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガスタービンエンジンのサージング防止装置において、上記ガスタービンエンジンの回転数を検出可能な回転数検出手段を有し、上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記燃料制御手段は、上記検出した回転数に応じて、供給する燃料の量を補正可能であるガスタービンエンジンのサージング防止装置である。
【0021】
請求項3に記載の発明は、燃焼ガスによって蒸気を生成可能な排熱ボイラによって生成された蒸気を燃料と共に燃焼器に供給可能なガスタービンエンジンのサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置において、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への蒸気の供給量を制御する蒸気制御手段とを有するガスタービンエンジンのサージング防止装置である。
【0022】
請求項4に記載の発明は、ガスタービンエンジンのサージング防止方法において、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出する大気圧検出段階と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出する圧縮機圧力検出段階と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出工程によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御段階とを有するガスタービンエンジンのサージング防止方法である。
【0023】
請求項5に記載の発明は、ガスタービンエンジンにおいて、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と、上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御手段とを有するガスタービンエンジンである。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るガスタービンエンジン1を用いた発電システム3の概略構成を示す正面図である。
【0025】
図2は、ガスタービンエンジン1を用いた発電システム3の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
発電システム3は、ガスタービンエンジン1が発生する回転力によって発電を行うものであり、通常は、床面FL1上に設置されて使用される。また、発電システム3は発電機5を備え、この発電機5の回転軸(回転力の入力軸)5Aは、カップリング7を介して、ガスタービンエンジン1の回転軸(回転力の出力軸)1Aに接続されており、ガスタービンエンジン1が稼動して上記回転軸1Aが回転すると、発電機5が発電を行うようになっている。
【0027】
ガスタービンエンジン1は、圧縮機(コンプレッサ)9とタービン11とを備え、上記圧縮機9と上記タービン11との間には、燃焼器13が設けられている。そして、上記圧縮機9で圧縮された空気に燃料を供給して上記燃焼器13で燃焼させ、この燃焼で発生した高温高圧のガスにより、上記タービン11が回転するようになっている。また、タービン11の回転力を回転軸15を介して圧縮機9に伝達し、上記圧縮機9が回転し空気を圧縮するようになっている。
【0028】
上記圧縮機9、上記タービン11、上記燃焼器13は、図示しない筒状の筐体内に設けられており、上記筐体内には、流体流路(上記ガスタービンエンジン内を流れる圧縮空気や燃焼ガスが流れる筒状のガス流路)が形成されている。
【0029】
また、たとえば、燃焼器13とは反対の側(圧縮機9の入口側)には、減速機17が設けられている。減速機17の回転力入力軸は、圧縮機9の回転軸に接続されており、タービン11の回転力が、回転軸15と圧縮機9とを介して、減速機17に伝達されるようになっている。また、減速機17の回転力の出力軸は、上記回転軸1Aを形成し、カップリング7を介して、発電機5の回転軸5Aに接続されている。
【0030】
さらに、ガスタービンエンジン1には、排熱ボイラ(HRSG)19が設けられている。この排熱ボイラ19は、給水された水と上記ガスタービンエンジン1のタービン11から排出された高温の燃焼ガスとを用いて蒸気を生成する装置であり、ダクト21を介してガスタービンエンジン1の排気口から排出されたガスが上記排熱ボイラ19に供給されるようになっている。
【0031】
排熱ボイラ19に供給され蒸気の生成に利用されたガスは、ダクト23を介して、エコノマイザ25に供給される。エコノマイザ25は、排熱ボイラ19から排出されたガスの熱を利用して、排熱ボイラ19に供給する水を温める装置である。エコノマイザ25に供給されて水を温めることに利用されたガスは、図示しない煙突を介して大気に排出される。
【0032】
ガスタービンエンジン1の圧縮機9の空気吸い込み口には、圧縮機9が吸い込む空気の流路を形成するためのインナムレット27が設けられている。そして、上記インナムレット27のたとえば上端部には開口部27Aが形成されている。
【0033】
また、上記ガスタービンエンジン1のたとえば上部側には、基端部側に開口部29Aを備え先端部側に開口部29Bを備え、水平方向に長く延伸した筒状のダクト29が設けられている。そして、上記インナムレット27の開口部27Aと上記ダクト29の開口部29Aとが互いに接続され、ダクト29の開口部29Bから吸入された空気が、上記ダクト29と上記インナムレット27の内部を通過してガスタービンエンジン1の圧縮機9に供給されるようになっている。
【0034】
ガスタービンエンジン1と発電機5とは、カバー部材であるエンクロージャ31の内部に設置され、ガスタービンエンジン1の運転中の音が外部に漏れることを防止している。なお、エンクロージャ31の上部の一端部には、エンクロージャの換気・排気ダクト33が設けられている。
【0035】
また、ガスタービンエンジン1には、ガスタービンエンジン1のサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置35(図2参照)が設けられている。
【0036】
サージング防止装置35は、燃料制御装置(燃料制御手段)37を備え、この燃料制御装置37は、ガスタービンエンジン1が稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出器(大気圧検出手段)39と、ガスタービンエンジン1が稼動しているときに、ガスタービンエンジン1の圧縮機9によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機出口圧力検出器(圧縮機圧力検出手段;)41とからの各信号を受け取って、ガスタービンエンジン1が稼動しているときのサージングを防止するために、上記各検出された各圧力に応じて、ガスタービンエンジン1の燃焼器13への燃料の供給量を制御するようになっている。
【0037】
上記大気圧検出器39は、検出した大気圧をたとえば電気的信号に変換し、この変換した上記電気的信号を、燃料制御装置37に対して出力できるように構成されており、また、上記大気圧検出器39は、ガスタービンエンジン1の運転中であっても、ガスタービンエンジン1の影響を受けることなく大気圧を測定できる部位に設けられている。
【0038】
具体的には、大気圧検出器39の設置場所として、ガスタービンエンジン1の圧縮機9の吸い込み口に通じている吸い込みダクト29内であって、空気の流れがほぼ均一になっている部位(インナムレット27の上流の部位;図1に示す位置PS1の部位)を採用することができる。
【0039】
また、大気圧検出器39の設置場所として、ガスタービンエンジン1のエンクロージャ31の外壁またはこの外壁の近くであって、上記エンクロージャ31の換気・排気ダクト33から離隔した部位(図1に示す位置PS3)を採用することができる。
【0040】
上記圧縮機出口圧力検出器41は、たとえば、圧縮機9の出口側における圧力を検出可能なっており、したがって、上記圧縮機出口圧力検出器41のセンサー部は、たとえば、ガスタービンエンジン1のガス流路における圧縮機9の出口近傍に設けられている。また、上記圧縮機出口圧力検出器41は、上記検出した圧縮機9の出口の圧力を、たとえば電気的信号に変換し、この変換した上記電気的信号を燃料制御装置37に対して出力できるようになっている。
【0041】
ここで、上記燃料制御装置37による制御について、図3を用いて説明する。なお、従来の技術の説明では、ガスタービンエンジンが点P1で示す条件で稼動している場合のサージマージンを10%(0.1)としたが、本実施形態では、ガスタービンエンジン1が点P1で示す条件で稼動している場合のサージマージンを5%(0.05)とする。
【0042】
上記燃料制御装置37の制御では、基準となる所定の大気圧(1013hPaの大気圧)のときにおける稼動中のガスタービンエンジン1のサージマージンをたとえば5%(0.05)にすべく、1013hPaの大気圧のときにおける燃料の供給量を予め決めておく。
【0043】
そして、大気圧が1013hPaよりも下がって、上記圧力比po/piが大きくなったときには、(図3で、点P1が点P2の位置に移動したときには、)燃料制御装置37による燃料の供給量を上記予め定めてある量よりも少なくしガスタービンエンジン1のタービン11の流路を流れる流体の流量Qを少なくして、(図3に示す点P1のところでガスタービンエンジン1が稼動するようにして、)サージマージンが減少することを防ぎ(サージマージンを5%に保ち)、上記ガスタービンエンジン1でサージングが発生することを防ぐ。
【0044】
一方、大気圧が1013hPaよりも上昇して、上記圧力比が小さくなったときには、(図3で、点P1が点P3の位置に移動したときには、)燃料制御装置37による燃料の供給量を上記予め決めてある量よりも増し、ガスタービンエンジン1のタービン11の流路を流れる流体の流量Qを多くして、(図3で、点P1のところでガスタービンエンジン1が稼動するようにして、)サージマージンが増加することを防ぎ(サージマージンを5%に保ち)、上記ガスタービンエンジン1の効率が低下することを防ぐ。
【0045】
なお、上記サージマージンの値を、5%で一定にする必要はなく、たとえば、1%〜10%の間(好ましくは3%〜5%の間)で一定の値にしてもよい。さらに、上記サージマージンの値を必ずしも一定にする必要はなく、たとえば、1%〜10%の範囲内(好ましくは3%〜5%の範囲内)になるように制御して、ガスタービンエンジンを稼動してもよい。
【0046】
上述のように制御することにより、ガスタービンエンジン1の稼動中に大気圧が変化しても、上記ガスタービンエンジン1の機関効率を低下させることなく、サージングの発生を抑えることができる。また、常態(大気圧が1013hPa)におけるガスタービンエンジン1のサージマージンを従来よりも小さくすれば、ガスタービンエンジン1の機関効率を上げることができる。
【0047】
なお、上記制御において、大気圧が下がった場合のみ燃料の供給量を少なくし、大気圧が上昇した場合には、燃料の供給量を増やすことを行わないようにしてもよい。
【0048】
また、上記圧縮機出口圧力検出器41を、上記圧縮機9の中間部に設け、上記圧縮機9の中段(上記圧縮機9の入り口との出口との中間)における圧力を検出し、この検出した圧力と検出した大気圧とに応じて、燃料制御装置37による燃料の供給量の制御を行ってもよい。
【0049】
また、既存のガスタービンエンジンに大気圧検出器39を設けさらに必要に応じて(圧縮機出口圧力検出器が設けられていない場合には)圧縮機出口圧力検出器41を設け上記既存のガスタービンエンジンの制御装置の動作プログラムを変更するだけで、換言すれば、上記既存のガスタービンエンジンのハードウェアに対して大幅な改造を行うことがなく簡単な改造を行うだけで、上記効果を奏し、上記実施形態の実行において、既存のガスタービンエンジンの有効利用を容易に図ることができる。
【0050】
また、上記ガスタービンエンジン1では、サージングを防止するために上記ガスタービンエンジン1の回転数を変更する必要がない。したがって、上記ガスタービンエンジン1を発電機の動力として好適に使用することができる。
【0051】
さらに、上記ガスタービンエンジン1が劣化し、たとえば、空気を圧縮するときの圧縮機9の漏れ量が多くなっても、圧縮機9の出口側の圧力を検出し、この検出した圧力と検出した大気圧とによって求まる圧力比po/piに応じて、燃料制御装置37が燃料の供給量を制御するので、上記ガスタービンエンジン1はサージマージンの値をほぼ一定に保ちつつ稼動し、したがって、効率のよい状態で、上記ガスタービンエンジン1が稼動する。
【0052】
ところで、ガスタービンエンジン1の運転中に回転数が何らかの要因で変化する場合があり、この変化によって上記ガスタービンエンジン1の流量Qと圧力比po/piとの関係が、図3に破線で示す各グラフN2、N3のようになることがある。なお、回転数N3の値は回転数N1の値よりも小さく、回転数N2の値は回転数N1の値よりも大きい。
【0053】
このように、ガスタービンエンジン1の回転数が変化した場合に対応すべく、上記ガスタービンエンジン1に、ガスタービンエンジン1の回転数(圧縮機9やタービン11の回転数)を検出可能な回転数検出手段を設け、そして、上記ガスタービンエンジン1が稼動しているとき、上記ガスタービンエンジン1のサージングを防止するために、上記燃料制御装置37が、上記検出した回転数に応じて、供給する燃料の量を補正するようにしてもよい。
【0054】
ここで、上記補正について図3を用いて詳しく説明する。
【0055】
ガスタービンエンジン1の回転数が上昇して、点P13のところでガスタービンエンジン1が稼動すると、サージマージンが5%よりも小さくなる。そこで、ガスタービンエンジン1への燃料の供給量を減らして、サージマージンが5%のところで、ガスタービンエンジン1を運転する。
【0056】
一方、ガスタービンエンジン1の回転数が低下して、点P14のところでガスタービンエンジン1が稼動すると、サージマージンが5%よりも大きくなる。そこで、ガスタービンエンジン1への燃料の供給量を増やして、サージマージンが5%のところで、ガスタービンエンジン1を運転する。
【0057】
上記回転数補正機能を備えたガスタービンエンジン1によれば、ガスタービンエンジン1の回転数の変化に応じて、燃料の供給量を適宜制御するので、ガスタービンエンジン1の稼動中にガスタービンエンジン1の回転数が変化しても、上記ガスタービンエンジン1の機関効率を低下させることなく、しかも、サージングの発生を抑えることができる。
【0058】
次に、燃料の供給量を制御することに代えて、ガスタービンエンジン1に設けられた排熱ボイラ19が生成した蒸気の燃焼器13への供給量を変えて、サージングを防止する場合について説明する。
【0059】
排熱ボイラ19は、上述したように、タービン11から排出された高温の燃焼ガスによって蒸気を生成可能になっている。そしてこの排熱ボイラ19によって生成された蒸気の一部が、燃料と共に燃焼器13に供給されるようになっている。
【0060】
そこで、ガスタービンエンジン1において、燃料の供給量を制御する場合と同様に、大気圧検出器39と圧縮機出口圧力検出器41とによって検出された圧力に応じて、ガスタービンエンジン1の燃焼器13への上記蒸気の供給量を制御するようにしてもよい。この場合、排熱ボイラ19と燃焼器13との間に、上記燃料制御装置37のように上記蒸気の供給量(流量)を適宜制御可能な制御装置を設ける。
【0061】
排熱ボイラ19が生成した蒸気の供給量を制御可能なガスタービンエンジン1によれば、燃料の代わりに、ガスタービンエンジン1の燃焼器13に供給する蒸気の量を制御して、燃料の供給量を制御する場合とほぼ同様の効果を奏することができる。なお、蒸気の供給量だけを制御するのではなく、燃料の供給量と蒸気の供給量とを制御して、燃料の供給量を制御する場合とほぼ同様の効果を奏するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、機関効率を低下させることなく、稼動中の大気圧の変化によるサージングの発生を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガスタービンエンジンを用いた発電システムの概略構成を示す正面図である。
【図2】ガスタービンエンジンを用いた発電システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】ガスタービンエンジンの特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ガスタービンエンジン
9 圧縮機
11 タービン
13 燃焼器
19 排熱ボイラ
27 インナムレット
29 ダクト
31 エンクロージャ
35 サージング防止装置
37 燃料制御装置
39 大気圧検出器
41 圧縮機出口圧力検出器

Claims (5)

  1. ガスタービンエンジンのサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置において、
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御手段と;
    を有することを特徴とするガスタービンエンジンのサージング防止装置。
  2. 請求項1に記載のガスタービンエンジンのサージング防止装置において、
    上記ガスタービンエンジンの回転数を検出可能な回転数検出手段を有し、
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記燃料制御手段は、上記検出した回転数に応じて、供給する燃料の量を補正可能であることを特徴とするガスタービンエンジンのサージング防止装置。
  3. 燃焼ガスによって蒸気を生成可能な排熱ボイラによって生成された蒸気を燃料と共に燃焼器に供給可能なガスタービンエンジンのサージングを防止するためのガスタービンエンジンのサージング防止装置において、
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への蒸気の供給量を制御する蒸気制御手段と;
    を有することを特徴とするガスタービンエンジンのサージング防止装置。
  4. ガスタービンエンジンのサージング防止方法において、
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出する大気圧検出段階と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出する圧縮機圧力検出段階と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出工程によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御段階と;
    を有することを特徴とするガスタービンエンジンのサージング防止方法。
  5. ガスタービンエンジンにおいて、
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときの大気圧を検出可能な大気圧検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているときに、上記ガスタービンエンジンの圧縮機によって圧縮された流体の圧力を検出可能な圧縮機圧力検出手段と;
    上記ガスタービンエンジンが稼動しているとき、上記ガスタービンエンジンのサージングを防止するために、上記各検出手段によって検出された各圧力に応じて、上記ガスタービンエンジンの燃焼器への燃料の供給量を制御する燃料制御手段と;
    を有することを特徴とするガスタービンエンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014098374A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Hitachi Ltd ガスタービン及びガスタービンの運転方法
CN107916999A (zh) * 2016-10-11 2018-04-17 通用电气公司 用以经由控制压缩机oll保护行动来控制性能的系统和方法

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