JP2005008905A - ガラス溶射材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄自動車用窓ガラスの有効利用を図る。
【解決手段】廃棄自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を添加混合することにより、粉末式ガスフレーム式溶射装置によるガラス溶射皮膜の形成を可能にした。
【選択図】 図１
【解決手段】廃棄自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を添加混合することにより、粉末式ガスフレーム式溶射装置によるガラス溶射皮膜の形成を可能にした。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射用材料としてリサイクルする技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、廃棄自動車用窓ガラス、即ち、フロントガラス、リヤガラス及びサイドガラスなどの廃棄ガラスの廃棄量は、年間約１３万トン以上に上っている。
しかしながら、廃棄自動車用窓ガラスの有効な利用方法がなく、その大半がシュレッダーダストとして埋め立て処分されているのが現状である。
したがって、廃棄自動車用窓ガラスの処理問題は、資源確保・環境保全の問題から社会的な課題になっており、廃棄自動車用窓ガラスを、新たな製品の原料や素材として再資源化を図ることが求められている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射材料として有効に利用する新たなリサイクル方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を混合して、溶射材料としたものである。
【０００５】
自動車用窓ガラスは、軟化点、融点が共に高く、粉砕して粉末化しても、溶射材料として使用することは困難である。
本発明者らは、鋭意工夫を凝らし、自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を添加することにより、溶射皮膜の形成が可能になることを見出したのである。
【０００６】
ほう珪酸ガラスは、融点が低く、また、熱膨張係数が、工業的に広く使用されている材料であるＳＳ４００の熱膨張係数（１１×１０−６／℃）と差が少ないため、ほう珪酸ガラスの添加により、自動車用窓ガラス特有の性質が消え、ぬれ性が増して、あめ状の表面状態が滑らかで、剥離の生じにくい良好なガラス溶射皮膜の形成が可能になるものと考えられる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
廃棄自動車用窓ガラスを溶射材料として使用する場合、ボールミル回転式粉砕装置を用いて２００μｍから２０μｍまで粉砕する。好ましい粒径は、３０μｍから９０μｍの範囲である。粒径が９０μｍ以上であれば溶射ガンの材料供給出口付近で詰まるおそれがあり、また、フュージング処理を行なう場合に、ガラス材料の溶解が不十分となり、平滑な溶射皮膜の形成が困難になる。一方、３０μｍ以下の場合は、流動性が不十分になりやすく、材料供給装置で材料が供給されにくい。
【０００８】
溶射装置としては、粉末式ガスフレーム式溶射装置を用いることができる。この粉末式ガスフレーム式溶射装置は、図１の概略図に示すように、酸素と炭化水素系燃料ガス（アセチレンガス）を溶射ガンに送ってフレーム（燃焼炎）を作り、このフレーム中に、粉末供給装置から粉末を供給することにより、粉末を溶融状態にして、被覆対象物に吹き付けて、被覆対象物に皮膜を形成する装置である。図１において、符号１は、溶射ガン、２は、粉末供給装置、３は制御部、４はエアーコンプレッサーを示している。
【０００９】
自動車用窓ガラスは、軟化点が高いので、フレームの長さを長くし、フレーム中への滞留時間を長くした方が、溶射皮膜の形成がよくなるので、溶射ガンに供給するアセチレンの量を多くし、フレーム速度が遅くなるように制御することが好ましい。
【００１０】
溶射皮膜を形成する被覆対象物、即ち、基材は、特に、限定はされないが、溶射皮膜との膨張係数に差がないものが好ましい。その例としては、ＳＳ４００（熱膨張係数：１１×１０−６／℃）がある。
【００１１】
溶射皮膜を形成する場合、溶射皮膜の密着性をよくするために、基材を予熱し、ブラスト処理（例えば、ＪＩＳ９３００−１９９９）を行うことが好ましい。
【００１２】
なお、この発明における溶射材料に、適宜、顔料を添加して着色溶射皮膜を形成するようにしてもよい。
【００１３】
【実験例】
下記表１に示す組成、物性を有する自動車用窓ガラスを、ボールミル回転式粉砕装置を用いて、粒径を７５μｍ±１５μｍにした廃棄ガラス粉末と、下記表２に示す組成、物性を有するほう珪酸ガラス粉末を、混合比を変えて混合したものを溶射材料にして、ＳＳ４００基材（熱膨張係数：１１×１０−６／℃）に、溶射を行った結果を表３に示す。皮膜の評価方法は、皮膜の付着量、ポロシティの有無によって、判断した。
なお、溶射条件、基材のブラスト条件は、表４、表５に示すとおりである。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【表３】
【００１７】
【表４】
【００１８】
【表５】
【００１９】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射材料として有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】粉末式ガスフレーム溶射装置の概略図である。
【符号の説明】
１ 溶射ガン
２ 粉末供給装置
３ 制御部
４ エアーコンプレッサー
【発明の属する技術分野】
この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射用材料としてリサイクルする技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、廃棄自動車用窓ガラス、即ち、フロントガラス、リヤガラス及びサイドガラスなどの廃棄ガラスの廃棄量は、年間約１３万トン以上に上っている。
しかしながら、廃棄自動車用窓ガラスの有効な利用方法がなく、その大半がシュレッダーダストとして埋め立て処分されているのが現状である。
したがって、廃棄自動車用窓ガラスの処理問題は、資源確保・環境保全の問題から社会的な課題になっており、廃棄自動車用窓ガラスを、新たな製品の原料や素材として再資源化を図ることが求められている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射材料として有効に利用する新たなリサイクル方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、廃棄自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を混合して、溶射材料としたものである。
【０００５】
自動車用窓ガラスは、軟化点、融点が共に高く、粉砕して粉末化しても、溶射材料として使用することは困難である。
本発明者らは、鋭意工夫を凝らし、自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を添加することにより、溶射皮膜の形成が可能になることを見出したのである。
【０００６】
ほう珪酸ガラスは、融点が低く、また、熱膨張係数が、工業的に広く使用されている材料であるＳＳ４００の熱膨張係数（１１×１０−６／℃）と差が少ないため、ほう珪酸ガラスの添加により、自動車用窓ガラス特有の性質が消え、ぬれ性が増して、あめ状の表面状態が滑らかで、剥離の生じにくい良好なガラス溶射皮膜の形成が可能になるものと考えられる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
廃棄自動車用窓ガラスを溶射材料として使用する場合、ボールミル回転式粉砕装置を用いて２００μｍから２０μｍまで粉砕する。好ましい粒径は、３０μｍから９０μｍの範囲である。粒径が９０μｍ以上であれば溶射ガンの材料供給出口付近で詰まるおそれがあり、また、フュージング処理を行なう場合に、ガラス材料の溶解が不十分となり、平滑な溶射皮膜の形成が困難になる。一方、３０μｍ以下の場合は、流動性が不十分になりやすく、材料供給装置で材料が供給されにくい。
【０００８】
溶射装置としては、粉末式ガスフレーム式溶射装置を用いることができる。この粉末式ガスフレーム式溶射装置は、図１の概略図に示すように、酸素と炭化水素系燃料ガス（アセチレンガス）を溶射ガンに送ってフレーム（燃焼炎）を作り、このフレーム中に、粉末供給装置から粉末を供給することにより、粉末を溶融状態にして、被覆対象物に吹き付けて、被覆対象物に皮膜を形成する装置である。図１において、符号１は、溶射ガン、２は、粉末供給装置、３は制御部、４はエアーコンプレッサーを示している。
【０００９】
自動車用窓ガラスは、軟化点が高いので、フレームの長さを長くし、フレーム中への滞留時間を長くした方が、溶射皮膜の形成がよくなるので、溶射ガンに供給するアセチレンの量を多くし、フレーム速度が遅くなるように制御することが好ましい。
【００１０】
溶射皮膜を形成する被覆対象物、即ち、基材は、特に、限定はされないが、溶射皮膜との膨張係数に差がないものが好ましい。その例としては、ＳＳ４００（熱膨張係数：１１×１０−６／℃）がある。
【００１１】
溶射皮膜を形成する場合、溶射皮膜の密着性をよくするために、基材を予熱し、ブラスト処理（例えば、ＪＩＳ９３００−１９９９）を行うことが好ましい。
【００１２】
なお、この発明における溶射材料に、適宜、顔料を添加して着色溶射皮膜を形成するようにしてもよい。
【００１３】
【実験例】
下記表１に示す組成、物性を有する自動車用窓ガラスを、ボールミル回転式粉砕装置を用いて、粒径を７５μｍ±１５μｍにした廃棄ガラス粉末と、下記表２に示す組成、物性を有するほう珪酸ガラス粉末を、混合比を変えて混合したものを溶射材料にして、ＳＳ４００基材（熱膨張係数：１１×１０−６／℃）に、溶射を行った結果を表３に示す。皮膜の評価方法は、皮膜の付着量、ポロシティの有無によって、判断した。
なお、溶射条件、基材のブラスト条件は、表４、表５に示すとおりである。
【００１４】
【表１】
【表２】
【表３】
【表４】
【表５】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、廃棄自動車用窓ガラスを、溶射材料として有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】粉末式ガスフレーム溶射装置の概略図である。
【符号の説明】
１ 溶射ガン
２ 粉末供給装置
３ 制御部
４ エアーコンプレッサー
Claims (2)
- 廃棄自動車用窓ガラスを粉砕して粉末化した廃棄ガラス粉末に、ほう珪酸ガラス粉末を添加混合したガラス溶射材料。
- 上記廃棄ガラス粉末の粒径が、３０μｍ〜９０μｍの範囲である請求項１記載のガラス溶射材料。
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|---|---|---|---|
| JP2003170992A JP4144868B2 (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | ガラス溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003170992A JP4144868B2 (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | ガラス溶射材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005008905A true JP2005008905A (ja) | 2005-01-13 |
| JP4144868B2 JP4144868B2 (ja) | 2008-09-03 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003170992A Expired - Fee Related JP4144868B2 (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | ガラス溶射材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4144868B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20120225297A1 (en) * | 2011-02-04 | 2012-09-06 | Magna International Inc. | Gas/plasma spray coating |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170992A patent/JP4144868B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20120225297A1 (en) * | 2011-02-04 | 2012-09-06 | Magna International Inc. | Gas/plasma spray coating |
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| JP4144868B2 (ja) | 2008-09-03 |
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