JP2005007615A - 自動車用燃料タンク - Google Patents

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西村  透
Mitsushige Hamaguchi
美都繁 濱口
Hideo Matsuoka
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、自動車用燃料タンクに関する。さらに詳しくは、機械的性質、特に−40℃もの低温雰囲気下で優れた柔軟性及び耐衝撃性を有し、燃料バリア性にも優れる自動車用燃料タンクに関する。
【解決手段】(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%と、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%を含有する樹脂組成物からなる自動車用燃料タンクであって、単層射出成形によって形成されることを特徴とする自動車用燃料タンク。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用燃料タンクに関する。さらに詳しくは、機械的性質、特に−40℃もの低温雰囲気下で優れた柔軟性及び耐衝撃性を有し、燃料バリア性にも優れる自動車用燃料タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用燃料タンクにおいて、軽量化、防錆性、形状の自由度、成形加工性などの観点から、金属製から樹脂製への置き換えが進められている。従来、樹脂製の自動車用燃料タンクの材質としては、耐低温衝撃性および耐薬品性に優れ、かつ、低コストである高密度ポリエチレン(以下HDPEと略す)が適用されてきた。しかし、HDPEは、燃料透過性が大きいという問題があり、環境規制の一環として燃料の飛散抑制が求められている。
【0003】
燃料バリア性を有する樹脂製自動車用燃料タンクの検討も検討されている。例えば特許文献1や特許文献2では、燃料バリア性を有するポリメタキシリレンアジパミドと変性ポリオレフィンからなるガスバリア樹脂層と変性ポリオレフィンからなる層を積層してなる積層体を自動車部品として用いる提案がなされている。
【0004】
また、特許文献3では、燃料バリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリアミド樹脂、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体またはその金属塩および特定の溶解性パラメーターを有する熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物を用いた単層の射出成形品が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−1770号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−326326号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【特許文献3】
特開2000−313749号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や2に記載の積層体を用いる方法では、成形方法が複雑になり、部品の製造コストが高くなるという課題を有している。一方、特許文献3に記載の単層成形品を用いる方法では成形方法の複雑さは回避できるものの、自動車用燃料タンクに要求される機械的特性、特に低温雰囲気下でHDPE並の500J/m以上の耐衝撃性を有するような組成物までは得られておらず、より高度な低温特性を満足し、かつ経済的にも有利な材料の開発が求められている。本発明は、従来の材料より優れた低温雰囲気下での柔軟性及び耐衝撃性を有し、かつ耐透過性、成形加工性にも優れた自動車用燃料タンクを得ることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく検討した結果、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂と耐衝撃性改良材を含有する樹脂組成物を単層射出成形し自動車用燃料タンクを形成することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%と、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%を含有する樹脂組成物からなる自動車用燃料タンクであって、単層射出成形によって形成されることを特徴とする自動車用燃料タンク、
(2)(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%と、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%を含有する樹脂組成物からなる自動車用燃料タンクであって、前記自動車用燃料タンクを構成する2つ以上の分割体を単層射出成形によって形成し、次いでこれらを相互に接合することによって形成されることを特徴とする自動車用燃料タンク、
(3)さらに(c)高バリア性成分を全樹脂組成物100重量%中に1〜30重量%含有することを特徴とする前記(1)または(2)記載の自動車用燃料タンク、
(4)(c)高バリア性成分が液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、不飽和ニトリル単量体含有量が50〜95重量%の高ニトリル樹脂、単層レベルに分散した層状珪酸塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする前記(3)記載の自動車用燃料タンク、
(5)前記(b)耐衝撃性改良材が、オレフィン系重合体にカルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基およびエポキシ基の内から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する単量体成分を導入して得られるオレフィン共重合体であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の自動車用燃料タンク、
(6)温度−40℃においてASTM−D638に準じて測定した引張り破断伸度が20〜400%であり、燃料((トルエン/イソオクタン=50/50体積%)とエタノールを90対10重量比に混合したアルコールガソリン混合物)の60℃での透過係数が50g・mm/m・24hr以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の自動車用燃料タンク、
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明で用いる(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂とはメタキシリレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られるポリアミドである。
【0012】
本発明において、上記ポリメタキシリレンアジパミド樹脂の数平均分子量に特に制限は無いが、好ましくは6,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜20,000である。数平均分子量が6,000未満であると、自動車用燃料タンクに必要な衝撃強度が低下する場合があり、逆に40,000を超えると自動車用燃料タンクを成形する際に流動性が不足する場合があるために好ましくない。
【0013】
本発明において、上記ポリメタキシリレンアジパミド樹脂のアミノ末端基濃度には特に制限は無いが、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。また、カルボキシル末端基濃度にも特に制限は無いが、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。
【0014】
本発明で用いる(b)耐衝撃性改良材は、(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂とアロイ化した際に耐衝撃性を改良する成分を言い、例えばオレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物を重合して得られる(共)重合体やポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。これらの耐衝撃性改良材は2種以上併用することも可能である。
【0015】
このような耐衝撃性改良材の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリトリメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリトリメチレングリコール共重合体などを挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体がさらに好ましく、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体が特に好ましい。
【0016】
さらに、樹脂組成物中の上記耐衝撃性改良材の分散粒子径を微細に制御するために、さらに種々の不飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体をグラフト反応あるいは共重合して得られる(共)重合体も好ましく使用できる。耐衝撃性改良剤に対して、グラフト反応あるいは共重合されている不飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体の量は0.01〜20重量%が好ましい。グラフト反応あるいは共重合に用いる不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられる。また、それらの誘導体としては、アルキルエステル、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有するエステル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、中では、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する不飽和カルボン酸エステル、酸無水物、イミドが好ましい。
【0017】
不飽和カルボン酸またはその誘導体の好ましい例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドなどであり、特にメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸イミドが好ましく使用できる。また、ビニル単量体の例としてはスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン化合物を例示することができ、これらの不飽和カルボン酸またはその誘導体あるいはビニル単量体は2種以上を併用してもよい。なお、これら不飽和カルボン酸またはその誘導体あるいはビニル単量体をグラフトさせる方法については公知の手法を用いることができる。
【0018】
本発明において(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂と(b)耐衝撃性改良材の配合比率は、(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%であり、好ましくは、(a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂85〜70重量%、(b)耐衝撃性改良材15〜30重量%である。耐衝撃性改良材が5重量%より小さすぎると柔軟性及び耐衝撃性の改良効果が得にくく、逆に、40重量%より多すぎるとポリメタキシリレンアジパミド樹脂本来の熱安定性、耐薬品性が損なわれるばかりでなく、溶融混練時の増粘が大きくなるため、好ましくない。
【0019】
本発明ではさらに(c)高バリア性成分を含有することが好ましい。高バリア性成分としては、燃料バリア性がポリメタキシリレンアジパミド樹脂よりも優れる成分であれば、有機成分、無機成分のいずれでもよい。高バリア性成分として好ましい有機成分としては、液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、不飽和ニトリル単量体含有量が50〜95重量%の高ニトリル樹脂などが挙げられ、好ましい無機成分としては単層レベルに分散した層状珪酸塩などが挙げられる。
【0020】
前記の不飽和ニトリル単量体が50〜95重量%の高ニトリル樹脂とは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル単量体が50〜95重量%、好ましくは55〜75重量%と、不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体5〜50重量%、好ましくは25〜45重量%の共重合体である。不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体としては、不飽和カルボン酸やその誘導体に代表されるビニル系単量体やブタジエンなどのジエン系単量体が好ましい。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル、スチレン、αメチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンが挙げられ、これらの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
(c)高バリア成分を添加する場合は、全樹脂組成物を100重量%とした時に、1〜30重量%となるように配合することが好ましい。
【0022】
本発明の自動車用燃料タンクを形成する樹脂組成物は、温度−40℃の条件下、ASTM−D638に従って測定した引張り破断伸度20〜400%、燃料((トルエン/イソオクタン=50/50体積%)とエタノールを90対10重量比に混合したアルコールガソリン混合物)の60℃での透過係数が50g・mm/m2・24hr以下であることが好ましく、更に好ましくは、引張り破断伸度30〜400%、燃料((トルエン/イソオクタン=50/50体積%)とエタノールを90対10重量比に混合したアルコールガソリン混合物)の60℃での透過係数が30g・mm/m・24hr以下である。それによって、ASTM−D256に従って測定したアイゾット衝撃強度が500〜2000J/mさらにはノッチ付きアイゾット衝撃強度600〜2000J/mである樹脂が得られるのであり、上記特性を有する樹脂組成物を成形して得られる自動車用燃料タンクは、車両追突時などの衝撃破壊性に優れると共に、ガソリンの耐透過性にも優れることから、非常に有用なガソリンタンクを得ることが可能となる。
【0023】
本発明の自動車用燃料タンクを形成する樹脂組成物の製造に用いる混練機は、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に供給してポリメタキシリレンアジパミド樹脂の融点以上の加工温度で混練する方法などを代表例として挙げることができるが、自動車用燃料タンクに求められる低温での衝撃強度を得るためには、せん断力を比較的強くすることが必要であり、また、混練時の滞留時間を短くする必要がある。具体的には、2軸押出機を使用して、混練温度をポリメタキシリレンアジパミド樹脂の融点+0〜20℃とし、滞留時間を1〜5分にする。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも勿論可能である。
【0024】
本発明の自動車用燃料タンクは単層射出成形によって形成される。ここで単層とは、単一の可塑化装置で溶融された樹脂組成物をキャビティに充填して得られる成形品層を言う。また、射出成形とは金型キャビティに溶融樹脂を加圧状態で注入し、金型内で固化させて成形品を得るもの全てを指し、通常の射出成形に加え例えば射出圧縮成形も含む。
【0025】
本発明の自動車燃料タンクの好ましい成形方法は、自動車用燃料タンクを構成する2つ以上の分割体を単層射出成形によって形成し、次いでこれらを相互に接合することによって形成する方法である。分割体同士を接合する方法は特に限定されず公知の方法(熱板溶着、振動溶着、射出溶着、超音波溶着、レーザー溶着、マイクロ波溶着)を用いることが可能である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性については下記の方法により行った。
【0027】
[燃料透過係数]射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度285℃、金型温度80℃)により1mm厚の円盤状試験片(直径6cm)を作成した。得られた試験片をGTR−30XATK(ヤナコ分析工業社製)に取り付けて、試験片上部のセルにモデルガソリン((イ)トルエンとイソオクタンの体積比50/50の混合物と(ロ)エタノールを90対10重量比に混合したアルコールガソリン混合物)を仕込み、JIS K7126 A法(差圧法)に従って、測定温度60℃で測定した。
【0028】
[−40℃アイゾット衝撃強度]温度雰囲気を−40℃にした以外はASTM−D256に従ってノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0029】
[−40℃引張り破断伸度]温度雰囲気を−40℃にした以外はASTM−D638に従って引張破断伸度を測定した。
【0030】
[落下試験]射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度285℃、金型温度80℃)により、直径12cm、厚み3mmの半球形状の成形品を成形した。この成形品2個を熱板溶着法で接合して球状のモデル燃料タンクを得た。接合の前に片側の成形品には切削加工によって金属製注入口を装着した。このモデル燃料タンク(内容積約900ml)にモデルガソリン800mlを金属製注入口より注入し、密封した。この後、−40℃の高温槽に12h放置した後取り出し、直ちに高さ1mから自由落下させて破壊状態を観察し、下記の判定を行った。
【0031】
○:割れや変形は認められない
△:変形やひび割れが生じ、内容物の漏洩が認められる
×:脆性的に破壊が発生し、内容物の漏洩が認められる。
【0032】
[実施例1〜5]、[比較例1〜2]
下に示す各成分を表1に記載の各割合でドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機で、シリンダー温度を260〜280℃に設定し、200rpmのスクリュー回転にて溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。90℃で12時間真空乾燥したペレットを用い、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度285℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの特性評価結果は表1に示すとおりであった。本実施例が低温特性(柔軟性、耐衝撃性等)、耐燃料透過性に優れ、極めて実用性が高く、ガソリンタンクとして適した材料である。比較例においては低温特性、耐燃料透過性に劣るものであった。
【0033】
本実施例および比較例に用いた原料は下記のとおりである。
(a−1):数平均分子量15,700、アミド基濃度15.4meq/kgのポリメタキシリレンアジパミド樹脂(東洋紡績(株)製T−600)。
(b−1):無水マレイン酸で変性されたエチレン/1−ブテン共重合体(三井化学(株)製”タフマー”MH5020)。
(b−2):MFR=0.5、密度0.860のエチレン/α−オレフィン共重合体(三井化学(株)製”タフマー”TX−610)。
(c−1):融点280℃、MFR100g/10分(315℃、5000g荷重)、Mw70,000、溶融粘度170Pa・s(320℃、剪断速度1000sec−1)のPPS樹脂(東レ(株)製)。
(c−2):p−ヒドロキシ安息香酸901重量部、4,4´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト346重量部及び無水酢酸884重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、150℃で2時間、150℃から250℃まで3時間かけて昇温し、250℃から300℃まで2時間かけて昇温し、300℃で1.5時間反応させた後、300℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、さらに10分間反応させ重合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位72.5モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位20モル当量、芳香族ジカルボン酸単位27.5モル当量からなる融点265℃、275℃の溶融粘度13Pa・s(オリフィス0.5φ×10mm、剪断速度1000sec−1)の液晶性樹脂(c−2)を得た。
【0034】
(HDPE):高密度ポリエチレン(三井化学(株)製”ハイゼックス”8200B)。
【0035】
[比較例3]
実施例1に用いた(a−1)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂と比較例2で用いたHDPEさらに接着性樹脂(無水マレイン酸変性LDPE、三井化学(株)製”アドマー”GT5A)を用い、3種3層の多層ブロー成形を行い、内容積約1Lのボトル形状の成形品を得た。HDPE/接着性樹脂/ポリメタキシリレンアジパミド樹脂=2500/250/250μmであった。得られたブロー成形品から切削加工で評価用のテストピースを作製し、評価を行った。また、落下試験はこのボトル形状の成形品を用いて実施した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2005007615
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的性質、特に−40℃もの低温雰囲気下で優れた柔軟性及び耐衝撃性を有する自動車用燃料タンクが容易に得られる。

Claims (6)

  1. (a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%と、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%を含有する樹脂組成物からなる自動車用燃料タンクであって、単層射出成形によって形成されることを特徴とする自動車用燃料タンク。
  2. (a)ポリメタキシリレンアジパミド樹脂95〜60重量%と、(b)耐衝撃性改良材5〜40重量%を含有する樹脂組成物からなる自動車用燃料タンクであって、前記自動車用燃料タンクを構成する2つ以上の分割体を単層射出成形によって形成し、次いでこれらを相互に接合することによって形成されることを特徴とする自動車用燃料タンク。
  3. さらに(c)高バリア性成分を全樹脂組成物100重量%中に1〜30重量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の自動車用燃料タンク。
  4. (c)高バリア性成分が液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、不飽和ニトリル単量体含有量が50〜95重量%の高ニトリル樹脂、単層レベルに分散した層状珪酸塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3記載の自動車用燃料タンク。
  5. 前記(b)耐衝撃性改良材が、オレフィン系重合体にカルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基およびエポキシ基の内から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する単量体を共重合して得られるオレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用燃料タンク。
  6. 樹脂組成物が、温度−40℃においてASTM−D638に従って測定した引張り破断伸度が20〜400%であり、トルエン/イソオクタン=50/50体積%混合物とエタノールを90対10重量比に混合したアルコールガソリン混合物からなる燃料の60℃での透過係数が50g・mm/m・24hr以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用燃料タンク。
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