JP2005007594A - 記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】論理回路における欠陥が原因となる記録ヘッドの不良率を低下させて歩留りを向上させる。
【解決手段】複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドにおいて、論理回路に、並列動作する少なくとも3系統の論理素子を含む経路(101〜103、104〜106)と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路(107)とを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドにおいて、論理回路に、並列動作する少なくとも3系統の論理素子を含む経路(101〜103、104〜106)と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路(107)とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板に関し、特に、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
インクジェット方式としては、発熱素子等の電気熱変換体を備え、熱エネルギーにより発熱素子近傍のインク内に気泡を生じさせてインクを吐出させる方式が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
このような方式の記録ヘッドには、発熱素子の駆動回路として、一般に、発熱素子への通電を制御するスイッチ素子と、このスイッチ素子を駆動するプリアンプと、記録データに基づいてパルス状の駆動信号を発生する論理回路とが設けられる。
【0006】
図11は、マトリクス駆動方式を採用した発熱素子とその駆動回路の構成を示すブロック図である。ここで示した例は、発熱素子と駆動回路とが同じシリコン基板のチップ内に形成される形態である。発熱素子H1と、スイッチ素子T1と、レベルコンバータLC1と、ANDゲートAND1から1つのセル1101が構成され、同様なセルが、S1からS160の列方向のセグメントラインと、C1からC44の行方向のコモンラインとのマトリクス配線の各部に配置されている。
【0007】
160の記録データが前段のラッチ606からセグメントラインS1からS160に並列に出力されるのと同期して、記録データに対応するコモンラインを選択する。このセグメントラインとコモンラインとの両方の条件が揃ったセルの発熱素子が駆動される。この160のセル内の発熱素子の駆動を44回繰り返すことにより、1ラインの7040個の発熱素子が全て駆動される。発熱素子の配置の観点から見ると、44ピッチで配置された発熱素子160個が同時に選択されて端から順に記録データに応じて駆動される。
【0008】
より具体的には、一回目の駆動は、H1、H45、H89、…、H6996に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC1を選択することにより行われる。二回目の駆動は、H2、H46、H90、…、H6997に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC2を選択することにより行われる。同様にして最後の44回目の駆動は、H44、H88、H132、…、H7040に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC44を選択することにより行われ、これにより1ラインの記録が完了する。このようにして、記録データであるセグメントライン及び選択走査するコモンラインの各マトリクスにANDゲートを備えたマトリクス方式における時分割駆動が行われる。
【0009】
一方、記録ヘッドの生産性の効率を向上させるためには、チップ(記録ヘッド素子基体)の製造工程における歩留りを向上させることが重要な課題である。製造プロセスにおいて様々な汚染(パーティクル)がある確率で発生し、これに起因する欠陥が発生して不良チップとなって歩留りを低下させる。歩留りを向上させるためには、製造プロセスでのパーティクルを押える工夫に加え、チップ面積が大きくなるほどパーティクルと遭遇する確率が増えることから、なるべくチップサイズを小さくするように設計する必要がある。
【0010】
駆動回路全体としては、レイアウトを効率的にすることや設計ルールの微細化によりサイズを小型にすることができる。
【0011】
【特許文献1】
特公昭61−059914号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなマトリクス方式の論理回路部は、もともと回路規模が小さく、一層小型化するのは困難である。一方、セグメントラインやコモンラインに信号を出力する論理回路に欠陥が発生すると、接続されている多数のセル内の発熱素子の駆動を制御することができなくなり、記録した画像内に線状または帯状のスジが周期的に発生してしまう。
【0013】
このような論理回路の欠陥に対して、回路規模を小型化することによりある程度効果は期待できるが、パーティクルの発生する確率を低下させるのは困難であるため、決定的な解決策とはならない。
【0014】
なお、このような問題は、発熱素子から発生される熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドのみに特有の問題ではなく、多数の記録素子を有する記録ヘッドに共通の問題である。
【0015】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、論理回路部の欠陥に対する許容率を増大させ、記録ヘッドの製造工程における歩留りを向上させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録ヘッドは、複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドであって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含んでいる。
【0017】
すなわち、本発明では、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドにおいて、論理回路に、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを設ける。
【0018】
このようにすると、論理回路においていずれかの経路内の素子に欠陥が生じても他の経路が正常に動作していれば、多数決回路からは正常に動作している時と同じ値が出力されるので、論理回路における欠陥に対する許容度が増大する。
【0019】
従って、論理回路における欠陥が原因となる記録ヘッドの不良率を低下させて歩留りを向上させることができると共に、検査における負荷を大幅に低減できる。
【0020】
論理回路が、並列に記録データが入力される端子を有するセグメント回路と、記録素子の数をセグメントラインの数で分割した数の走査信号で時分割駆動するコモン回路とを含むのが好ましい。
【0021】
この場合、セグメント回路が、各端子に対して、少なくとも3つのシフトレジスタを含むシフトレジスタ段と、該3つのシフトレジスタからの出力が入力される第1の多数決回路と、第1の多数決回路からの出力が並列に入力される少なくとも3つのラッチと、該3つのラッチからの出力が入力される第2の多数決回路とを含むと好適である。
【0022】
コモン回路が、各走査信号に対して、少なくとも3つのデコーダと、該3つのデコーダからの出力が入力される多数決回路とを含むのが好ましい。
【0023】
また、多数決回路は、入力される信号の2つが一致する場合にのみハイレベル信号を出力するエクスクルーシブOR回路と、各エクスクルーシブOR回路からの出力に応じて出力をハイインピーダンスにするインバータ回路とを含んで構成されるのがよい。
【0024】
記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドであるのが好適であり、より好適には、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、各記録素子が発熱素子を含む。
【0025】
上記目的を達成する本発明の別の態様としての記録ヘッドの素子基板は、複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、が半導体製造プロセスによって同一の素子基体上に作り込まれた記録ヘッドの素子基板であって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含んでいる。
【0026】
また、上記の記録ヘッドは、インクジェット記録装置に用いられるのが好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0028】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0029】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0030】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0031】
また、以下に用いる「素子基体」という語は、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線などが設けられた基体を示すものである。
【0032】
さらに、以下の説明で用いる「素子基体上」という表現は、単に素子基体の上を指し示すだけでなく、素子基体の表面、表面近傍の素子基体内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(ビルトイン(built−in))」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程などによって素子基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。
【0033】
始めに、以下で説明する本発明の記録ヘッドを用いる記録装置の代表的な全体構成及び制御構成について説明する。
【0034】
<装置本体の概略説明>
図12は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図12において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0035】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。
【0036】
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0037】
図13はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインターフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0038】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われる。
【0039】
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、インクジェットプリンタIJRAと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0040】
<インクカートリッジの説明>
図14は、インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図14に示すように、境界線Kの位置でインクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはこれがキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
【0041】
なお、図14において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
【0042】
<記録ヘッドの実施形態>
上述のように本発明は、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドであって、論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含む記録ヘッドであるが、以下に説明する実施形態は以下のような特徴をも有するものである。
【0043】
すなわち、論理回路が、並列に記録データが入力される端子を有するセグメント回路と、記録素子の数をセグメントラインの数で分割した数の走査信号で時分割駆動するコモン回路とを含む。
【0044】
セグメント回路が、各端子に対して、少なくとも3つのシフトレジスタを含むシフトレジスタ段と、該3つのシフトレジスタからの出力が入力される第1の多数決回路と、第1の多数決回路からの出力が並列に入力される少なくとも3つのラッチと、該3つのラッチからの出力が入力される第2の多数決回路とを含む。
【0045】
コモン回路が、各走査信号に対して、少なくとも3つのデコーダと、該3つのデコーダからの出力が入力される多数決回路とを含む。
【0046】
多数決回路は、入力される信号の2つが一致する場合にのみハイレベル信号を出力するエクスクルーシブOR回路と、各エクスクルーシブOR回路からの出力に応じて出力をハイインピーダンスにするインバータ回路とを含む。
【0047】
記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、詳細には、熱エネルギーを利用してインクを吐出すべく、各記録素子が発熱素子を含んでいる。
【0048】
以下、本発明に係る記録ヘッドについて詳細に説明する。
【0049】
図8は、本発明に係る記録ヘッドの構成を示す外観図である。ノズル列801と駆動回路802が作り込まれた素子基体としてのシリコン基板のチップ803が、支持基板505上に固定されている。本実施形態ではノズル列としてODD列とEVEN列の2列が配列されている。ODD列とEVEN列の2列のノズル列に対応するようにODD側とEVEN側それぞれに発熱素子と駆動回路とが配置されている。
【0050】
支持基板805を介してノズルへ供給するインクを貯留するサブタンク806が設けられており、サブタンク806のインクは、支持基板805を介してシリコン基板のチップ803に設けられたインク供給口を通してチップ内に形成されたインク流路に供給される。インク流路内には発熱素子が形成されており、発熱素子を通電駆動することによりノズルからインクが吐出される。インク供給チューブ807はインクタンクからインクを供給するチューブであり、ケーブル804は駆動回路用の信号及び電源と発熱素子用の電源を装置本体から供給する。
【0051】
以下、ODD側及びEVEN側の一方の駆動回路の構成について説明する。図9は駆動回路802の構成を示すブロック図である。
【0052】
H1からH7040の7040個のそれぞれの発熱素子の一方の端子には電流を供給する駆動電源が接続され、他方の端子にはスイッチ素子としてのMOSトランジスタが接続されている。前段のANDゲートマトリクス901で処理した印加信号は、レベルコンバータ902でスイッチ素子を駆動する電圧振幅信号に変換し、T1からT7040に選択的にゲート信号を与えて記録データに対応する発熱素子を駆動する。
【0053】
ここでは、スイッチ素子としてエンハンスメント型NMOSトランジスタを用い、また駆動電源を15V、ゲート信号を0V/8Vの電圧振幅を有するパルス信号としている。発熱素子H1からH7040は、その配列の順序で160個毎に44のグループに分割され、各グループ毎に駆動される。ANDゲートマトリクス601によって、この駆動のための160×44のグループが構成されている。
【0054】
ANDゲートマトリクスの構成及び動作は、上記で図11に関して説明したのと同様であり、1グループ160個の発熱素子の駆動を44グループに対して繰り返して片側の7040個の発熱素子が駆動される。全体としては、ODD側とEVEN側を同期させながら同時に駆動して、両側14080個の発熱素子が駆動される。
【0055】
図10は、チップ803に作り込んだ発熱素子と駆動回路のブロックのレイアウトを示す図である。インク供給口領域1001を中心に、発熱素子ブロック1002、スイッチ素子ブロック1003、レベルコンバータブロック1004、マトリクス配線ブロック1005、そしてセグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007が、ODD側、EVEN側それぞれにレイアウトされている。
【0056】
スイッチ素子ブロック1003、レベルコンバータブロック1004、マトリクス配線ブロック1005の短辺方向の寸法は、それぞれ約1.2mm、0.4mm、0.6mmである。セグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007の双方合わせた寸法は約0.5mm×10mmで、面積比にするとケーブル1004の接続パッド部と回路がない周辺ブランク部を除いたチップ全体面積の約2%を占める。
【0057】
図1は、本実施形態のセグメント回路に含まれるシフトレジスタ及びラッチの構成を示すブロック図である。記録データ入力信号D0に対して、パイプA101とパイプB102とパイプC103の3つのパイプが設けられ、各パイプは20bit分のシフトレジスタ機能と多数決演算機能とを備えている。20bitのパイプ出力は、ラッチA104とラッチB105とラッチC106の3つのラッチに共通に入力され、各ラッチは20bit分のデータを保持する。3つのラッチからの出力は多数決回路107に入力され、多数決演算した結果がマトリクス配線に出力される。D0〜D7の8つの記録データ入力信号から、全体として20bit×8bit=160bitの記録データが出力される。
【0058】
次に、これらセグメント回路の動作を説明する。パイプA101とパイプB102とパイプC103の3つのパイプは、D0から共通に入力された記録データをシフトクロックが入力されたタイミングでシフトしながら多数決演算を3ツのパイプで並列に実行する。各パイプに20bitの記録データが入力された後、ラッチパルスが入力されるタイミングで、ラッチA104とラッチB105とラッチC106の3つのラッチに並列に出力される。3つのラッチに保持された記録データを、多数決回路107で多数決演算してマトリクス配線に出力する。
【0059】
ここで、パイプA101とパイプB102とパイプC103の動作について詳細に説明する。図2は、記録データD0に対応するパイプA101、パイプB102及びパイプC103の詳細な構成を示すブロック図である。
【0060】
各パイプは、フリップフロップから成る20段のシフトレジスタ段と、20段の多数決回路段とが交互に縦列接続された構成となっている。記録データD0が最初のシフトレジスタ段201、202、203のデータ入力端子Dに共通に入力される。クロック端子Cに入力されたシフトクロックに同期して記録データがサンプリングされる。サンプリングされた信号は201、202、203の端子Qから出力され、多数決回路段204、205、206に並列に入力される。各パイプ毎に多数決演算が実行され、その演算結果は次段のシフトレジスタ段207、208、209のデータ入力端子Dに入力される。ここで、多数決回路段204の出力端子Qからの出力は、20bit目の記録データQ20として後段のラッチに入力される。このようなシフトレジスタ段と多数決回路段との組を20組縦列接続し、20bit分の記録データQ1〜Q20を後段のラッチへ出力する。
【0061】
次に、本実施形態における多数決回路段について説明する。図3に例として、図2における2段目のシフトレジスタ段と多数決回路段の構成をブロック図で示す。シフトレジスタ段301、302、303は、4つのクロックドインバータ回路と2つのインバータ回路からなるフリップフロップである。
【0062】
多数決回路段304、305、306は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフするハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成されている。シフトレジスタ段301の出力信号SQAはEX1とEX2に、シフトレジスタ段302の出力信号SQBはEX2とEX3に、そしてシフトレジスタ段303の出力信号SQCはEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0063】
EX1、EX2、EX3は入力される2つの信号が一致するか不一致であるかに応じてINV1、INV2、INV3の出力モードを制御する。ここでは、2つの入力信号が一致したら、各EXの出力はHレベルで各INV出力はオンモードとなり、不一致であるなら各EXの出力はLレベルで各INV出力はハイインピーダンスモードとなる。INV4は各INVの出力を受けて次段に出力する。多数決回路段305、306も多数決回路304と同様に並行して動作する。
【0064】
この多数決回路段304の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びA19からの出力との関係を以下の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
例えば、SQA、SQB、SQCの値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は入力信号と同じ0となる。
【0067】
また、SQA、SQB、SQCの値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号SQAを反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は、SQA及びSQBの値と同じ0となる。
【0068】
このように本実施形態の多数決回路は、3つの入力の内、少なくとも2つの入力信号と同じ値を出力する。なお、ここでは多数決回路304から出力される信号A19を取り上げて説明したが、多数決回路305及び306も同様に動作し、B19及びC19から信号を出力する。
【0069】
続いて、ラッチA104〜ラッチC106と多数決回路107の構成及び動作について説明する。図4は、ラッチ及び多数決回路の構成を示すブロック図である。パイプA101から出力された信号Q1は3つのフリップフロップ回路401、402、403の端子Dに共通に入力され、クロック端子Cにラッチパルスが入力されるタイミングで信号Q1を取り込む。取り込んだ信号はフリップフロップ401、402、402の端子Qから多数決回路404に入力され、3つのフリップフロップ回路の出力信号に対して多数決演算を実行してその演算結果をセグメントラインS1に出力する。信号Q2〜Q20も同じ構成のフリップフロップ回路と多数決回路で処理されて、セグメントラインS2〜S20に出力される。
【0070】
ここでの多数決回路の構成及び動作は、図3で説明したパイプAにおける多数決回路段と基本的に同じである。図5は、信号Q1に対する3つのフリップフロップ回路と多数決回路の構成を示すブロック図である。
【0071】
ラッチ501、502、503は、4つのクロックドインバータ回路と2つのインバータ回路からなるフリップフロップで構成される。多数決回路504は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフのハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成されている。フリップフロップ501の出力信号LQAはEX1とEX2に、フリップフロップ502の出力信号LQBはEX2とEX3に、フリップフロップ503の出力信号LQCはEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0072】
ここで実行される演算も図3で示した多数決回路段304と同じである。この多数決回路段504の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びA19からの出力との関係を以下の表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
例えば、LQA、LQB、LQCの値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は入力信号と同じ0となる。
【0075】
また、LQA、LQB、LQCの値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号SQAを反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号S1は、LQA及びLQBの値と同じ0となる。
【0076】
続いて、本実施形態のコモン回路の構成及び動作について説明する。図6は、コモン回路に含まれるデコーダと多数決回路の構成を示すブロック図である。デコーダとして、デコーダA601、デコーダB602、デコーダC603の3つの同一な回路を備えており、これら3つの回路は並列動作する。6bitのアドレスデータA0〜A5が3つのデコーダ回路に共通に入力され、各デコーダ毎に44bitのデータを出力する。3つのデコーダ回路の出力は多数決回路604に入力され、多数決演算の結果がマトリクス配線のコモンラインC1〜C44に出力される。
【0077】
更に、デコーダ回路601〜603と多数決回路604の構成及び動作についてより詳細に説明する。図7は、コモンラインC1に対応するデコーダ回路と多数決回路の構成を示すブロック図である。
【0078】
0番目のデコーダ回路701、702、703は6入力ANDゲートで構成され、各デコーダ回路出力A0、B0、C0は、アドレス“0”で選択される。A0、B0、C0は多数決回路704に入力され、多数決演算が実行されてその結果がコモンラインC1に出力される。他のコモンラインC2〜C44に対応するデコーダ回路及び多数決回路も同様に構成されている。
【0079】
ここでの多数決回路の構成及び動作は、図3及び図5で説明した多数決回路段と基本的に同じである。多数決回路704は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフするハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成される。デコーダ回路701の出力信号A0はEX1とEX2に、デコーダ回路702の出力信号B0はEX2とEX3に、そしてデコーダ回路703の出力信号C0はEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0080】
この多数決回路704の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びC1からの出力との関係を以下の表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
例えば、A0、B0、C0の値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号C1は入力信号と同じ0となる。
【0083】
また、A0、B0、C0の値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号A0を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号C1は、A0及びB0の値と同じ0となる。
【0084】
以上説明した本実施形態のセグメント回路において、製造過程でシフトレジスタ回路にパーティクルが付着してパイプ群の一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0085】
図2に示すシフトレジスタ段において、1つのシフトレジスタ、例えばシフトレジスタ段207に不良が発生した場合、他の2つのシフトレジスタ段208と209が正常に動作すれば、多数決回路段210〜212により正常に動作する2つのシフトレジスタの信号の値と同じ値が出力されて次段のシフトレジスタ段に転送されるので、シフトレジスタ全体としては正常に動作する。
【0086】
更に、ある多数決回路段において、1つの多数決回路、例えば多数決回路段211に不良が発生した場合にも、他の2つの多数決回路段210、211が正常に動作すれば、正常に動作する2つの多数決回路から出力される値が次段のシフトレジスタ段に転送されるので、次段の多数決回路段では正常な場合と同じ状態となる。但し、ラッチへ出力する信号Qnを発生する多数決回路段に不良が発生した場合には、その信号Qnから出力される値はエラーとなる。
【0087】
次に、上記で説明した本実施形態のセグメント回路において、製造過程でラッチ回路にパーティクルが付着してラッチの一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0088】
図5に示すフリップフロップ回路において、1つのフリップフロップ、例えばフリップフロップ501に不良が発生した場合、他の2つのフリップフロップ502と503が正常に動作すれば、多数決回路504により正常に動作する2つのフリップフロップから出力される値と同じ値がセグメントラインに出力され、全体としては正常に動作する。
【0089】
更に、本実施形態のコモン回路において、製造過程でコモン回路にパーティクルが付着して回路の一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0090】
図7に示すデコーダ回路において、1つのデコーダ回路、例えばデコーダ回路701に不良が発生した場合、他のデコーダ回路702と703が正常に動作すれば、多数決回路704により正常なデコーダから出力される値と同じ値がコモンラインに出力され、全体としては正常に動作する。
【0091】
ここで、本実施形態の構成による歩留り向上の効果について考察する。本実施形態によれば、チップ面積の2%を占めるセグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007において発生する大部分の欠陥を許容できるようになることから、製造工程における歩留りが向上するのは確実である。単純な面積効果で考えても最大2%の歩留り向上が期待できる。
【0092】
更に、本実施形態では多数決演算回路を備えることにより、誤った信号が出力されても自動的に誤った信号を排除して正常な信号を出力する、いわゆる自己修復機能も備えることから検査工程での負荷も大幅に低減することができる。
【0093】
<他の実施形態>
上記実施形態では、1つの記録データに対応するパイプや多数決回路の数を3としたが、この数に限られるものではなく、レイアウト可能な面積等に応じて3以上の適宜適切な数が選択される。
【0094】
また、上記の実施形態では多数決回路を、エクスクルーシブOR回路とインバータ回路とを用いて構成したが、本発明に係る多数決回路を、これ以外の構成の論理回路を用いて構成しても良い。
【0095】
更に、上記実施形態では、発熱素子が発生する熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドに本発明を適用したものを例に挙げて説明したが、本発明は、記録素子(本実施形態ではノズル及び発熱素子で構成される)を多数有する記録ヘッドであれば、これ以外の方式の記録ヘッドにも適用できる。
【0096】
なお、以上の実施形態では本発明に係る記録ヘッドに関して説明したが、記録ヘッドのみならず、上述の記録ヘッドを構成する素子基体及び上述の記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置も本発明に含まれる。
【0097】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、論理回路においていずれかの経路内の素子に欠陥が生じても他の経路が正常に動作していれば、多数決回路からは正常に動作している時と同じ値が出力されるので、論理回路における欠陥に対する許容度が増大する。
【0099】
従って、論理回路における欠陥が原因となる記録ヘッドの不良率を低下させて歩留りを向上させることができると共に、検査における負荷を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録ヘッドの実施形態のセグメント回路の構成を示すブロック図である。
【図2】記録データD0に対応するパイプAの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したシフトレジスタ段と多数決回路段の詳細な構成を示す回路図である。
【図4】図1のラッチ及び多数決回路の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したラッチ回路と多数決回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態のコモン回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図6のデコーダ回路と多数決回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図8】実施形態のインクジェット記録ヘッドの外観図である。
【図9】実施形態の駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図10】実施形態の記録ヘッドをシリコン基板のチップに作り込んだ場合のレイアウトを示す図である。
【図11】従来のマトリクス駆動回路のブロック図である。
【図12】本発明に係るプリンタの外観を示す図である。
【図13】図12のプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図14】図12のプリンタのインクジェットカートリッジを示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板に関し、特に、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
インクジェット方式としては、発熱素子等の電気熱変換体を備え、熱エネルギーにより発熱素子近傍のインク内に気泡を生じさせてインクを吐出させる方式が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
このような方式の記録ヘッドには、発熱素子の駆動回路として、一般に、発熱素子への通電を制御するスイッチ素子と、このスイッチ素子を駆動するプリアンプと、記録データに基づいてパルス状の駆動信号を発生する論理回路とが設けられる。
【0006】
図11は、マトリクス駆動方式を採用した発熱素子とその駆動回路の構成を示すブロック図である。ここで示した例は、発熱素子と駆動回路とが同じシリコン基板のチップ内に形成される形態である。発熱素子H1と、スイッチ素子T1と、レベルコンバータLC1と、ANDゲートAND1から1つのセル1101が構成され、同様なセルが、S1からS160の列方向のセグメントラインと、C1からC44の行方向のコモンラインとのマトリクス配線の各部に配置されている。
【0007】
160の記録データが前段のラッチ606からセグメントラインS1からS160に並列に出力されるのと同期して、記録データに対応するコモンラインを選択する。このセグメントラインとコモンラインとの両方の条件が揃ったセルの発熱素子が駆動される。この160のセル内の発熱素子の駆動を44回繰り返すことにより、1ラインの7040個の発熱素子が全て駆動される。発熱素子の配置の観点から見ると、44ピッチで配置された発熱素子160個が同時に選択されて端から順に記録データに応じて駆動される。
【0008】
より具体的には、一回目の駆動は、H1、H45、H89、…、H6996に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC1を選択することにより行われる。二回目の駆動は、H2、H46、H90、…、H6997に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC2を選択することにより行われる。同様にして最後の44回目の駆動は、H44、H88、H132、…、H7040に対応する記録データがセグメントライン群に揃ったところでコモンラインC44を選択することにより行われ、これにより1ラインの記録が完了する。このようにして、記録データであるセグメントライン及び選択走査するコモンラインの各マトリクスにANDゲートを備えたマトリクス方式における時分割駆動が行われる。
【0009】
一方、記録ヘッドの生産性の効率を向上させるためには、チップ(記録ヘッド素子基体)の製造工程における歩留りを向上させることが重要な課題である。製造プロセスにおいて様々な汚染(パーティクル)がある確率で発生し、これに起因する欠陥が発生して不良チップとなって歩留りを低下させる。歩留りを向上させるためには、製造プロセスでのパーティクルを押える工夫に加え、チップ面積が大きくなるほどパーティクルと遭遇する確率が増えることから、なるべくチップサイズを小さくするように設計する必要がある。
【0010】
駆動回路全体としては、レイアウトを効率的にすることや設計ルールの微細化によりサイズを小型にすることができる。
【0011】
【特許文献1】
特公昭61−059914号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなマトリクス方式の論理回路部は、もともと回路規模が小さく、一層小型化するのは困難である。一方、セグメントラインやコモンラインに信号を出力する論理回路に欠陥が発生すると、接続されている多数のセル内の発熱素子の駆動を制御することができなくなり、記録した画像内に線状または帯状のスジが周期的に発生してしまう。
【0013】
このような論理回路の欠陥に対して、回路規模を小型化することによりある程度効果は期待できるが、パーティクルの発生する確率を低下させるのは困難であるため、決定的な解決策とはならない。
【0014】
なお、このような問題は、発熱素子から発生される熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドのみに特有の問題ではなく、多数の記録素子を有する記録ヘッドに共通の問題である。
【0015】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、論理回路部の欠陥に対する許容率を増大させ、記録ヘッドの製造工程における歩留りを向上させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録ヘッドは、複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドであって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含んでいる。
【0017】
すなわち、本発明では、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいてスイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドにおいて、論理回路に、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを設ける。
【0018】
このようにすると、論理回路においていずれかの経路内の素子に欠陥が生じても他の経路が正常に動作していれば、多数決回路からは正常に動作している時と同じ値が出力されるので、論理回路における欠陥に対する許容度が増大する。
【0019】
従って、論理回路における欠陥が原因となる記録ヘッドの不良率を低下させて歩留りを向上させることができると共に、検査における負荷を大幅に低減できる。
【0020】
論理回路が、並列に記録データが入力される端子を有するセグメント回路と、記録素子の数をセグメントラインの数で分割した数の走査信号で時分割駆動するコモン回路とを含むのが好ましい。
【0021】
この場合、セグメント回路が、各端子に対して、少なくとも3つのシフトレジスタを含むシフトレジスタ段と、該3つのシフトレジスタからの出力が入力される第1の多数決回路と、第1の多数決回路からの出力が並列に入力される少なくとも3つのラッチと、該3つのラッチからの出力が入力される第2の多数決回路とを含むと好適である。
【0022】
コモン回路が、各走査信号に対して、少なくとも3つのデコーダと、該3つのデコーダからの出力が入力される多数決回路とを含むのが好ましい。
【0023】
また、多数決回路は、入力される信号の2つが一致する場合にのみハイレベル信号を出力するエクスクルーシブOR回路と、各エクスクルーシブOR回路からの出力に応じて出力をハイインピーダンスにするインバータ回路とを含んで構成されるのがよい。
【0024】
記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドであるのが好適であり、より好適には、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、各記録素子が発熱素子を含む。
【0025】
上記目的を達成する本発明の別の態様としての記録ヘッドの素子基板は、複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、が半導体製造プロセスによって同一の素子基体上に作り込まれた記録ヘッドの素子基板であって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含んでいる。
【0026】
また、上記の記録ヘッドは、インクジェット記録装置に用いられるのが好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0028】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0029】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0030】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0031】
また、以下に用いる「素子基体」という語は、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線などが設けられた基体を示すものである。
【0032】
さらに、以下の説明で用いる「素子基体上」という表現は、単に素子基体の上を指し示すだけでなく、素子基体の表面、表面近傍の素子基体内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(ビルトイン(built−in))」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程などによって素子基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。
【0033】
始めに、以下で説明する本発明の記録ヘッドを用いる記録装置の代表的な全体構成及び制御構成について説明する。
【0034】
<装置本体の概略説明>
図12は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図12において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0035】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。
【0036】
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0037】
図13はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインターフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0038】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われる。
【0039】
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、インクジェットプリンタIJRAと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0040】
<インクカートリッジの説明>
図14は、インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図14に示すように、境界線Kの位置でインクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはこれがキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
【0041】
なお、図14において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
【0042】
<記録ヘッドの実施形態>
上述のように本発明は、複数の記録素子と、各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドであって、論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含む記録ヘッドであるが、以下に説明する実施形態は以下のような特徴をも有するものである。
【0043】
すなわち、論理回路が、並列に記録データが入力される端子を有するセグメント回路と、記録素子の数をセグメントラインの数で分割した数の走査信号で時分割駆動するコモン回路とを含む。
【0044】
セグメント回路が、各端子に対して、少なくとも3つのシフトレジスタを含むシフトレジスタ段と、該3つのシフトレジスタからの出力が入力される第1の多数決回路と、第1の多数決回路からの出力が並列に入力される少なくとも3つのラッチと、該3つのラッチからの出力が入力される第2の多数決回路とを含む。
【0045】
コモン回路が、各走査信号に対して、少なくとも3つのデコーダと、該3つのデコーダからの出力が入力される多数決回路とを含む。
【0046】
多数決回路は、入力される信号の2つが一致する場合にのみハイレベル信号を出力するエクスクルーシブOR回路と、各エクスクルーシブOR回路からの出力に応じて出力をハイインピーダンスにするインバータ回路とを含む。
【0047】
記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、詳細には、熱エネルギーを利用してインクを吐出すべく、各記録素子が発熱素子を含んでいる。
【0048】
以下、本発明に係る記録ヘッドについて詳細に説明する。
【0049】
図8は、本発明に係る記録ヘッドの構成を示す外観図である。ノズル列801と駆動回路802が作り込まれた素子基体としてのシリコン基板のチップ803が、支持基板505上に固定されている。本実施形態ではノズル列としてODD列とEVEN列の2列が配列されている。ODD列とEVEN列の2列のノズル列に対応するようにODD側とEVEN側それぞれに発熱素子と駆動回路とが配置されている。
【0050】
支持基板805を介してノズルへ供給するインクを貯留するサブタンク806が設けられており、サブタンク806のインクは、支持基板805を介してシリコン基板のチップ803に設けられたインク供給口を通してチップ内に形成されたインク流路に供給される。インク流路内には発熱素子が形成されており、発熱素子を通電駆動することによりノズルからインクが吐出される。インク供給チューブ807はインクタンクからインクを供給するチューブであり、ケーブル804は駆動回路用の信号及び電源と発熱素子用の電源を装置本体から供給する。
【0051】
以下、ODD側及びEVEN側の一方の駆動回路の構成について説明する。図9は駆動回路802の構成を示すブロック図である。
【0052】
H1からH7040の7040個のそれぞれの発熱素子の一方の端子には電流を供給する駆動電源が接続され、他方の端子にはスイッチ素子としてのMOSトランジスタが接続されている。前段のANDゲートマトリクス901で処理した印加信号は、レベルコンバータ902でスイッチ素子を駆動する電圧振幅信号に変換し、T1からT7040に選択的にゲート信号を与えて記録データに対応する発熱素子を駆動する。
【0053】
ここでは、スイッチ素子としてエンハンスメント型NMOSトランジスタを用い、また駆動電源を15V、ゲート信号を0V/8Vの電圧振幅を有するパルス信号としている。発熱素子H1からH7040は、その配列の順序で160個毎に44のグループに分割され、各グループ毎に駆動される。ANDゲートマトリクス601によって、この駆動のための160×44のグループが構成されている。
【0054】
ANDゲートマトリクスの構成及び動作は、上記で図11に関して説明したのと同様であり、1グループ160個の発熱素子の駆動を44グループに対して繰り返して片側の7040個の発熱素子が駆動される。全体としては、ODD側とEVEN側を同期させながら同時に駆動して、両側14080個の発熱素子が駆動される。
【0055】
図10は、チップ803に作り込んだ発熱素子と駆動回路のブロックのレイアウトを示す図である。インク供給口領域1001を中心に、発熱素子ブロック1002、スイッチ素子ブロック1003、レベルコンバータブロック1004、マトリクス配線ブロック1005、そしてセグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007が、ODD側、EVEN側それぞれにレイアウトされている。
【0056】
スイッチ素子ブロック1003、レベルコンバータブロック1004、マトリクス配線ブロック1005の短辺方向の寸法は、それぞれ約1.2mm、0.4mm、0.6mmである。セグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007の双方合わせた寸法は約0.5mm×10mmで、面積比にするとケーブル1004の接続パッド部と回路がない周辺ブランク部を除いたチップ全体面積の約2%を占める。
【0057】
図1は、本実施形態のセグメント回路に含まれるシフトレジスタ及びラッチの構成を示すブロック図である。記録データ入力信号D0に対して、パイプA101とパイプB102とパイプC103の3つのパイプが設けられ、各パイプは20bit分のシフトレジスタ機能と多数決演算機能とを備えている。20bitのパイプ出力は、ラッチA104とラッチB105とラッチC106の3つのラッチに共通に入力され、各ラッチは20bit分のデータを保持する。3つのラッチからの出力は多数決回路107に入力され、多数決演算した結果がマトリクス配線に出力される。D0〜D7の8つの記録データ入力信号から、全体として20bit×8bit=160bitの記録データが出力される。
【0058】
次に、これらセグメント回路の動作を説明する。パイプA101とパイプB102とパイプC103の3つのパイプは、D0から共通に入力された記録データをシフトクロックが入力されたタイミングでシフトしながら多数決演算を3ツのパイプで並列に実行する。各パイプに20bitの記録データが入力された後、ラッチパルスが入力されるタイミングで、ラッチA104とラッチB105とラッチC106の3つのラッチに並列に出力される。3つのラッチに保持された記録データを、多数決回路107で多数決演算してマトリクス配線に出力する。
【0059】
ここで、パイプA101とパイプB102とパイプC103の動作について詳細に説明する。図2は、記録データD0に対応するパイプA101、パイプB102及びパイプC103の詳細な構成を示すブロック図である。
【0060】
各パイプは、フリップフロップから成る20段のシフトレジスタ段と、20段の多数決回路段とが交互に縦列接続された構成となっている。記録データD0が最初のシフトレジスタ段201、202、203のデータ入力端子Dに共通に入力される。クロック端子Cに入力されたシフトクロックに同期して記録データがサンプリングされる。サンプリングされた信号は201、202、203の端子Qから出力され、多数決回路段204、205、206に並列に入力される。各パイプ毎に多数決演算が実行され、その演算結果は次段のシフトレジスタ段207、208、209のデータ入力端子Dに入力される。ここで、多数決回路段204の出力端子Qからの出力は、20bit目の記録データQ20として後段のラッチに入力される。このようなシフトレジスタ段と多数決回路段との組を20組縦列接続し、20bit分の記録データQ1〜Q20を後段のラッチへ出力する。
【0061】
次に、本実施形態における多数決回路段について説明する。図3に例として、図2における2段目のシフトレジスタ段と多数決回路段の構成をブロック図で示す。シフトレジスタ段301、302、303は、4つのクロックドインバータ回路と2つのインバータ回路からなるフリップフロップである。
【0062】
多数決回路段304、305、306は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフするハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成されている。シフトレジスタ段301の出力信号SQAはEX1とEX2に、シフトレジスタ段302の出力信号SQBはEX2とEX3に、そしてシフトレジスタ段303の出力信号SQCはEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0063】
EX1、EX2、EX3は入力される2つの信号が一致するか不一致であるかに応じてINV1、INV2、INV3の出力モードを制御する。ここでは、2つの入力信号が一致したら、各EXの出力はHレベルで各INV出力はオンモードとなり、不一致であるなら各EXの出力はLレベルで各INV出力はハイインピーダンスモードとなる。INV4は各INVの出力を受けて次段に出力する。多数決回路段305、306も多数決回路304と同様に並行して動作する。
【0064】
この多数決回路段304の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びA19からの出力との関係を以下の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
例えば、SQA、SQB、SQCの値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は入力信号と同じ0となる。
【0067】
また、SQA、SQB、SQCの値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号SQAを反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は、SQA及びSQBの値と同じ0となる。
【0068】
このように本実施形態の多数決回路は、3つの入力の内、少なくとも2つの入力信号と同じ値を出力する。なお、ここでは多数決回路304から出力される信号A19を取り上げて説明したが、多数決回路305及び306も同様に動作し、B19及びC19から信号を出力する。
【0069】
続いて、ラッチA104〜ラッチC106と多数決回路107の構成及び動作について説明する。図4は、ラッチ及び多数決回路の構成を示すブロック図である。パイプA101から出力された信号Q1は3つのフリップフロップ回路401、402、403の端子Dに共通に入力され、クロック端子Cにラッチパルスが入力されるタイミングで信号Q1を取り込む。取り込んだ信号はフリップフロップ401、402、402の端子Qから多数決回路404に入力され、3つのフリップフロップ回路の出力信号に対して多数決演算を実行してその演算結果をセグメントラインS1に出力する。信号Q2〜Q20も同じ構成のフリップフロップ回路と多数決回路で処理されて、セグメントラインS2〜S20に出力される。
【0070】
ここでの多数決回路の構成及び動作は、図3で説明したパイプAにおける多数決回路段と基本的に同じである。図5は、信号Q1に対する3つのフリップフロップ回路と多数決回路の構成を示すブロック図である。
【0071】
ラッチ501、502、503は、4つのクロックドインバータ回路と2つのインバータ回路からなるフリップフロップで構成される。多数決回路504は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフのハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成されている。フリップフロップ501の出力信号LQAはEX1とEX2に、フリップフロップ502の出力信号LQBはEX2とEX3に、フリップフロップ503の出力信号LQCはEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0072】
ここで実行される演算も図3で示した多数決回路段304と同じである。この多数決回路段504の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びA19からの出力との関係を以下の表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
例えば、LQA、LQB、LQCの値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号A19は入力信号と同じ0となる。
【0075】
また、LQA、LQB、LQCの値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号SQAを反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号S1は、LQA及びLQBの値と同じ0となる。
【0076】
続いて、本実施形態のコモン回路の構成及び動作について説明する。図6は、コモン回路に含まれるデコーダと多数決回路の構成を示すブロック図である。デコーダとして、デコーダA601、デコーダB602、デコーダC603の3つの同一な回路を備えており、これら3つの回路は並列動作する。6bitのアドレスデータA0〜A5が3つのデコーダ回路に共通に入力され、各デコーダ毎に44bitのデータを出力する。3つのデコーダ回路の出力は多数決回路604に入力され、多数決演算の結果がマトリクス配線のコモンラインC1〜C44に出力される。
【0077】
更に、デコーダ回路601〜603と多数決回路604の構成及び動作についてより詳細に説明する。図7は、コモンラインC1に対応するデコーダ回路と多数決回路の構成を示すブロック図である。
【0078】
0番目のデコーダ回路701、702、703は6入力ANDゲートで構成され、各デコーダ回路出力A0、B0、C0は、アドレス“0”で選択される。A0、B0、C0は多数決回路704に入力され、多数決演算が実行されてその結果がコモンラインC1に出力される。他のコモンラインC2〜C44に対応するデコーダ回路及び多数決回路も同様に構成されている。
【0079】
ここでの多数決回路の構成及び動作は、図3及び図5で説明した多数決回路段と基本的に同じである。多数決回路704は、3つのエクスクルーシブOR回路EX1、EX2、EX3と、出力オフするハイインピーダンス機能を備える3つのインバータ回路INV1、INV2、INV3と、バッファ機能を有するインバータ回路INV4で構成される。デコーダ回路701の出力信号A0はEX1とEX2に、デコーダ回路702の出力信号B0はEX2とEX3に、そしてデコーダ回路703の出力信号C0はEX1とEX3にそれぞれ入力される。
【0080】
この多数決回路704の入力と、エクスクルーシブOR回路EX1〜EX3、インバータ回路INV1〜INV3、及びC1からの出力との関係を以下の表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
例えば、A0、B0、C0の値が(0、0、0)のように同じである時は、各EX出力は(1、1、1)となり、各INVはオンモードとなり、入力信号を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号C1は入力信号と同じ0となる。
【0083】
また、A0、B0、C0の値が(0、0、1)のように異なる時は、各EX出力は(0、1、0)となり、INV2だけがオンモードとなり、INV1及びINV3はハイインピーダンスモードになる。よってINV2だけが動作して、入力信号A0を反転して出力する。INV4はこの信号を再度反転して出力する。従って、この場合の多数決演算結果を示す信号C1は、A0及びB0の値と同じ0となる。
【0084】
以上説明した本実施形態のセグメント回路において、製造過程でシフトレジスタ回路にパーティクルが付着してパイプ群の一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0085】
図2に示すシフトレジスタ段において、1つのシフトレジスタ、例えばシフトレジスタ段207に不良が発生した場合、他の2つのシフトレジスタ段208と209が正常に動作すれば、多数決回路段210〜212により正常に動作する2つのシフトレジスタの信号の値と同じ値が出力されて次段のシフトレジスタ段に転送されるので、シフトレジスタ全体としては正常に動作する。
【0086】
更に、ある多数決回路段において、1つの多数決回路、例えば多数決回路段211に不良が発生した場合にも、他の2つの多数決回路段210、211が正常に動作すれば、正常に動作する2つの多数決回路から出力される値が次段のシフトレジスタ段に転送されるので、次段の多数決回路段では正常な場合と同じ状態となる。但し、ラッチへ出力する信号Qnを発生する多数決回路段に不良が発生した場合には、その信号Qnから出力される値はエラーとなる。
【0087】
次に、上記で説明した本実施形態のセグメント回路において、製造過程でラッチ回路にパーティクルが付着してラッチの一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0088】
図5に示すフリップフロップ回路において、1つのフリップフロップ、例えばフリップフロップ501に不良が発生した場合、他の2つのフリップフロップ502と503が正常に動作すれば、多数決回路504により正常に動作する2つのフリップフロップから出力される値と同じ値がセグメントラインに出力され、全体としては正常に動作する。
【0089】
更に、本実施形態のコモン回路において、製造過程でコモン回路にパーティクルが付着して回路の一部が不良になった場合の動作について説明する。
【0090】
図7に示すデコーダ回路において、1つのデコーダ回路、例えばデコーダ回路701に不良が発生した場合、他のデコーダ回路702と703が正常に動作すれば、多数決回路704により正常なデコーダから出力される値と同じ値がコモンラインに出力され、全体としては正常に動作する。
【0091】
ここで、本実施形態の構成による歩留り向上の効果について考察する。本実施形態によれば、チップ面積の2%を占めるセグメント回路ブロック1006とコモン回路ブロック1007において発生する大部分の欠陥を許容できるようになることから、製造工程における歩留りが向上するのは確実である。単純な面積効果で考えても最大2%の歩留り向上が期待できる。
【0092】
更に、本実施形態では多数決演算回路を備えることにより、誤った信号が出力されても自動的に誤った信号を排除して正常な信号を出力する、いわゆる自己修復機能も備えることから検査工程での負荷も大幅に低減することができる。
【0093】
<他の実施形態>
上記実施形態では、1つの記録データに対応するパイプや多数決回路の数を3としたが、この数に限られるものではなく、レイアウト可能な面積等に応じて3以上の適宜適切な数が選択される。
【0094】
また、上記の実施形態では多数決回路を、エクスクルーシブOR回路とインバータ回路とを用いて構成したが、本発明に係る多数決回路を、これ以外の構成の論理回路を用いて構成しても良い。
【0095】
更に、上記実施形態では、発熱素子が発生する熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドに本発明を適用したものを例に挙げて説明したが、本発明は、記録素子(本実施形態ではノズル及び発熱素子で構成される)を多数有する記録ヘッドであれば、これ以外の方式の記録ヘッドにも適用できる。
【0096】
なお、以上の実施形態では本発明に係る記録ヘッドに関して説明したが、記録ヘッドのみならず、上述の記録ヘッドを構成する素子基体及び上述の記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置も本発明に含まれる。
【0097】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、論理回路においていずれかの経路内の素子に欠陥が生じても他の経路が正常に動作していれば、多数決回路からは正常に動作している時と同じ値が出力されるので、論理回路における欠陥に対する許容度が増大する。
【0099】
従って、論理回路における欠陥が原因となる記録ヘッドの不良率を低下させて歩留りを向上させることができると共に、検査における負荷を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録ヘッドの実施形態のセグメント回路の構成を示すブロック図である。
【図2】記録データD0に対応するパイプAの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したシフトレジスタ段と多数決回路段の詳細な構成を示す回路図である。
【図4】図1のラッチ及び多数決回路の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したラッチ回路と多数決回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態のコモン回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図6のデコーダ回路と多数決回路の詳細な構成を示す回路図である。
【図8】実施形態のインクジェット記録ヘッドの外観図である。
【図9】実施形態の駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図10】実施形態の記録ヘッドをシリコン基板のチップに作り込んだ場合のレイアウトを示す図である。
【図11】従来のマトリクス駆動回路のブロック図である。
【図12】本発明に係るプリンタの外観を示す図である。
【図13】図12のプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図14】図12のプリンタのインクジェットカートリッジを示す図である。
Claims (9)
- 複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、を備えた記録ヘッドであって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含むことを特徴とする記録ヘッド。 - 前記論理回路が、並列に記録データが入力される端子を有するセグメント回路と、記録素子の数をセグメントラインの数で分割した数の走査信号で時分割駆動するコモン回路とを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記セグメント回路が、各端子に対して、少なくとも3つのシフトレジスタを含むシフトレジスタ段と、該3つのシフトレジスタからの出力が入力される第1の多数決回路と、前記第1の多数決回路からの出力が並列に入力される少なくとも3つのラッチと、該3つのラッチからの出力が入力される第2の多数決回路とを含むことを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
- 前記コモン回路が、各走査信号に対して、少なくとも3つのデコーダと、該3つのデコーダからの出力が入力される多数決回路とを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の記録ヘッド。
- 前記多数決回路は、入力される信号の2つが一致する場合にのみハイレベル信号を出力するエクスクルーシブOR回路と、各エクスクルーシブOR回路からの出力に応じて出力をハイインピーダンスにするインバータ回路とを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、各記録素子が発熱素子を含むことを特徴とする請求項6に記載の記録ヘッド。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の記録ヘッドによって記録を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 複数の記録素子と、
各記録素子の駆動を制御するスイッチ素子と、
記録データに基づいて前記スイッチ素子にパルス状の駆動信号を発生する論理回路と、が半導体製造プロセスによって同一の素子基体上に作り込まれた記録ヘッドの素子基板であって、
前記論理回路が、並列動作する少なくとも3系統の論理回路素子を含む経路と、前記3系統の経路からの出力のうち、少なくとも2つの出力の値と同じ値を出力する多数決回路とを含むことを特徴とする記録ヘッドの素子基板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170964A JP2005007594A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003170964A JP2005007594A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003170964A Withdrawn JP2005007594A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 記録ヘッド及び記録ヘッドの素子基板 |
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JP (1) | JP2005007594A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20060097869A (ko) * | 2005-03-07 | 2006-09-18 | 주식회사 비비비솔루텍 | 밸브 구동장치 |
JP2008544880A (ja) * | 2005-07-01 | 2008-12-11 | アーペーエス オルターナティブ プリンティング サービセズ ゲーエムベーハー | インクカートリッジの印字ヘッドを駆動する印字システム |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170964A patent/JP2005007594A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20060097869A (ko) * | 2005-03-07 | 2006-09-18 | 주식회사 비비비솔루텍 | 밸브 구동장치 |
JP2008544880A (ja) * | 2005-07-01 | 2008-12-11 | アーペーエス オルターナティブ プリンティング サービセズ ゲーエムベーハー | インクカートリッジの印字ヘッドを駆動する印字システム |
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