JP2005007389A - ハイドロサイクロン分級装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化したり高価になったりすることなく、分級点の変更できる範囲をより大きくすることが可能なハイドロサイクロン分級装置を提供する。
【解決手段】ハイドロサイクロン分級装置であって、上方の円筒状の中空部と、その下方の下部が小径となる円錐状の中空部とを組み合わせた形状のサイクロン本体と、円筒状の中空部に接線方向からスラリーを供給する供給口と、円錐状の中空部の下端に位置し、粗粉を媒体の一部とともに排出する下部排出口と、サイクロン本体の中央に上方から垂下して配置され、微粉を媒体の残部とともに排出する上部排出口と、円筒状の中空部の上端に位置し、前記スラリー供給方向に回転する天板とを有することを特徴とするもの。天板には、促流または整流用の部材を設けることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、スラリー中に分散した固体粒子を粒度の大きさまたは比重の大きさによって分級するハイドロサイクロン分級装置に関するものである。
ハイドロサイクロン分級装置は、固体粒子を分散した流体(以下、スラリーという)中に分散した固体粒子を、粒度の大きさまたは比重の大きさによって分級するものであって、固体粒子を分散する媒体として液体を使用するものである。このため、媒体である液体とこの液体に分散される固体粒子との比重差を小さくすることができ、また、液体の粘性は気体に比較すると著しく大きいので、同じ粒度の固体粒子を分級する場合には、気体を媒体とする乾式サイクロン分級装置に比べて、サイクロン本体の胴径を著しく小さくすることができる長所を有している。
乾式サイクロン分級装置では、回転羽根を設置して、この回転羽根の回転数を変えることによって分級点を変えることが知られている。しかし、ハイドロサイクロン分級装置では、サイクロン本体の胴径が小さいので回転羽根の径も極端に小さくなり、加工が困難になるとともに、媒体の粘性が高いので、供給口から供給されるスラリーの流れを乱す結果となり、高い精度で分級することが困難になって、乾式サイクロン分級装置と同様に回転羽根を設置して、これで分級点を変えることは実用上困難であった。
一方、ハイドロサイクロン分級装置では、分級点が供給口から供給れされるスラリーの流速の平方根に比例するので、供給口から供給されるスラリーの量を増減することによってスラリーの流速を増減して、分級点を変えることができることが知られている。しかし、スラリーの流速を大幅に増減すると分級装置の性能が極端に低下するので、この方法でも分級点を大幅に変えることは実用上困難であった。
このため、ハイドロサイクロン分級装置では、サイクロン本体の胴径を変えることによって分級点を変えることが一般的であった。すなわち、供給されるスラリーの流速が同じときには、胴径が小さくなるに従って旋回流の半径が小さくなって角速度が大きくなり、固体粒子に大きな遠心力を与えることになるので分級点が小さくなることが知られている。しかしながら、分級点を変えるためにサイクロン本体の胴径を変えるのでは、分級点の変更に手間が掛かるばかりでなく、分級点を変更するたびにサイクロン本体を新たに製造しなければならず、非常に高価で面倒なものとならざるを得なかった。
このため、ハイドロサイクロン分級装置に付加的な装置を追加することによって分級点を変える試みが行われてきた。例えば、非特許文献1に開示されている液体サイクロンが、その一例である。
図13は、このような試みの一例を示す実験装置として、上述の非特許文献1に開示されている装置の概要を示すものである。この装置では、サイクロン本体60の形状は、従来技術と同様に、上方に配置された円筒状の中空部62と、その下方に配置され、下部が小径となる円錐状の中空部64とを組み合わせた形状であって、円筒状の中空部62の上部に接線方向からスラリーを供給する供給口66が、円錐状の中空部64の下端に粒度または比重の大きな固体粒子をスラリーの媒体の一部とともに排出する下部排出口68が、円筒状の中空部62の上端に粒度または比重の小さな固体粒子をスラリーの媒体の残部とともに排出する上部排出口70が配置されている。
そして、このサイクロン本体60の下方に配置された円錐状の中空部64のさらに下方に、第2のサイクロン本体72が配置されている。この第2のサイクロン本体72は、サイクロン本体60と同様に、円筒状の中空部と円錐状の中空部とを組み合わせた形状であって、サイクロン本体60の下端に配置された下部排出口68との接合部に、上下方向に位置を調節可能な円錐型障害物74が配置されており、この円錐型障害物74のほぼ下端に相当する位置に、円筒状の中空部に接線方向からブローアップ用の媒体(水)を供給する第2の供給口76を設け、円錐状の中空部の下端に第2の下部排出口78を設けたものである。
この従来技術のハイドロサイクロン分級装置では、実験装置なので、分級するために供給されるスラリーはスラリー槽80に貯留されており、ポンプ82でサイクロン本体60の供給口66に供給され、第2のサイクロン本体72の第2の供給口76からは、ブローアップ用の媒体(水)のみがポンプ84によって供給される。そして、分級された微粉を含む媒体は上部排出口70から排出されて貯留槽86に貯留され、分級された粗粉を含む媒体は第2の下部排出口78から排出されて貯留槽88に貯留されて、濾過された媒体のみがスラリー槽80に戻される。ここで、符号90と92は、それぞれ供給されるスラリーと媒体の流量を測定する流量計、94はスラリー槽80内のスラリーの固体粒子の量を一定に制御して供給する固体粒子の供給装置である。
この実験装置では、スラリーの媒体として水を使用し、固体粒子としてシリカ(質量中位径20μm、真密度2.2g/cm3 )を使用したものであって、水にシリカを分散したスラリーをスラリー槽80に貯留し、ポンプ82でサイクロン本体60の供給口66に供給する。そして、サイクロン本体60で分級された固体粒子は、粒度の小さな固体粒子が微粉として上部排出口70から排出され、粒度の大きな固体粒子は粗粉として流下して、第2のサイクロン本体72に供給される。
第2のサイクロン本体72では、円錐型障害物74を上下することによって第2のサイクロン本体72に供給されるスラリーの流下量が制御されるとともに、円錐型障害物74によって外周方向に向かって拡げられ、第2の供給口76から供給される追加の媒体によってスラリーの流速が加速されるので、微粉を含む媒体の一部がサイクロン本体60に戻され、粗粉を含む媒体のみが第2のサイクロン本体72の第2の下部排出口78から排出される。
このように構成されたハイドロサイクロン分級装置は、サイクロン本体60の円錐状の中空部64の下側に、円錐型障害物74と第2の供給口76とを有する第2のサイクロン本体72を設け、この第2のサイクロン本体72に設けられた円錐型障害物74を上下して円錐状の中空部64の下端に挿入する挿入量を変化させ、あるいは第2の供給口76から供給される媒体(水)の流速を変化させることによって分級点を変更することができる。
しかしながら、上述のハイドロサイクロン分級装置においては、円錐型障害物74や第2の供給口76を有する第2のサイクロン本体72を追加して設けなければならないので、大型化するとともに高価になることは避けられず、また、分級点の変更できる範囲も1〜2μm程度と非常に狭いので、依然として、分級点を変更することができるハイドロサイクロン分級装置として好適なものということはできない。
粉体工学会誌 vol.34(1997年) No.9.690-696頁
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、前述の問題点を解決して、第2のサイクロン本体を設けることなく、大型化したり高価になったりすることを避けるとともに、分級点の変更できる範囲をより大きくした、分級点を変更することが可能なハイドロサイクロン分級装置を提供することにある。
これらの課題を解決するために、本発明のハイドロサイクロン分級装置は、スラリー中に分散した固体粒子を粒度の大きさまたは比重の大きさによって分級するハイドロサイクロン分級装置であって、上方に配置された円筒状の中空部と、その下方に配置され、下部が小径となる円錐状の中空部とを組み合わせた形状の中空部を有するサイクロン本体と、このサイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部に、接線方向から前記固体粒子を分散した前記スラリーを供給する供給口と、前記サイクロン本体の下方に配置された前記円錐状の中空部の下端に位置し、粒度または比重の大きな固体粒子を前記スラリーの媒体の一部とともに排出する下部排出口と、前記サイクロン本体の中央に上方から垂下して配置され、粒度または比重の小さな固体粒子を前記スラリーの媒体の残部とともに排出する上部排出口と、前記サイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部の上端に位置し、前記スラリー供給方向に回転する天板とを有することを特徴とするものである。
ここで、前記天板が円盤状であって、独立した駆動源によって駆動されることが好ましく、その回転速度が可変であることが好ましい。
なお、前記上部排出口は固定されていてもよく、また、前記天板と一体的に回転するように構成されていてもよい。
さらに、前記天板には、その下面に複数の促流部材が配設されていることが好ましい。なお、ここで、促流部材とは、前記天板の回転に伴って形成されるスラリーの流れを効果的に増強するための部材であって、その配設枚数,形状・寸法等は、特に限定されない。
さらに、前記天板の下面には、前記サイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部との間に所定の間隙を有するとともに、前記天板の下方向に所定の高さを有する円筒状の整流部材が配設されていることが好ましい。なお、ここで、整流部材とは、前記促流部材と同様に、前記天板の回転に伴って形成されるスラリーの流れをより効果的に増強するための部材である。
なお、前記サイクロン本体の上方に配置された円筒状の中空部の内径dと、前記整流部材の回転円筒部の外径D並びにその高さH、前記スラリーの供給口の内径hの間に、下記の関係が成立することが好ましい。
≧h ……(1)
0.7d≦D≦0.95d ……(2)
本発明は、天板とその駆動源を追加することによって分級点を変更するものであり、これによれば、装置が大型化したり高価になったりすることを避けるとともに、分級点を変更できる範囲をより大きくすることが可能なハイドロサイクロン分級装置を提供することができる。なお、本発明に係るハイドロサイクロン分級装置においては、上記天板の下面に後述するような促流部材もしくは整流部材を付加することにより、その分級精度をさらに向上させることが可能であるという効果もある。
以下、本発明に係るハイドロサイクロン分級装置について、添付の図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置を示す正面断面図であり、図2は図1のハイドロサイクロン分級装置における要部の詳細を示す拡大断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は本実施例に係るハイドロサイクロン分級装置を採用した実験装置の全体を示す模式図、図5は天板の回転数と分級点との関係を示すグラフである。
図1および図2に示すように、本実施例に係るハイドロサイクロン分級装置10は、スラリー中に分散させた固体粒子を粒度の大きさまたは比重の大きさによって分級するハイドロサイクロン分級装置であって、サイクロン本体12として、従来技術として周知のハイドロサイクロン分級装置と同様に、上方に配置された円筒状の中空部14と、その下方に配置され、下部が小径となる円錐状の中空部16とを組み合わせた形状の中空部を有している。
そして、このサイクロン本体12の上方に配置された円筒状の中空部14の上端には、図3に示すように、円筒状の中空部14の接線方向からスラリーを供給する供給口18が設けられており、サイクロン本体12の下方に配置された円錐状の中空部16の下端には、粒度または比重の大きな固体粒子を媒体となる液体の一部とともに排出する下部排出口20が設けられている。
さらに、サイクロン本体12の中心には、上方から垂下して配置され、粒度または比重の小さな固体粒子を媒体となる液体の残部とともに排出する上部排出口22が設けられている。なお、ここでは、上述の上部排出口22は、架台24に固定されたプーリ・カバー26に固定されており、回転しないように構成されている。一方、サイクロン本体12の上方に配置された円筒状の中空部14の上端には、独立した駆動源によって駆動される天板28が設けられている。
この天板28は円盤状に形成されており、上部排出口22の外周にボールベアリング30で回転可能に支持された従動プーリ32に、従動プーリ32とともに回転するように固定されている。この従動プーリ32は、図1の右側に描かれたモータ34で駆動される駆動プーリ36によって、ベルト38を介して駆動されるものであって、天板28を任意の速度で駆動するために、モータ34を可変速モータとして、天板28の回転数を任意に調整できるように構成されている。
なお、上述の、上部排出口22と従動プーリ32との間、および、この従動プーリ32とサイクロン本体12(実際には、その上方に配置された円筒状の中空部14)との間は、それぞれ、シール部材29a,29bにより、サイクロン本体12内にスラリーが導入されても、これが駆動機構部側に漏洩しないように構成されている。
ここで、図示の上部排出口22は、ボールベアリング30の支持部22aと上部排出口22となる中空の管22bとが一体に描かれているが、製作を容易にするために、ボールベアリング30の支持部22aに中空の管22bを圧入して構成することができる。さらに、サイクロン本体12に挿入された上部排出口22の挿入端(中空の管22bの下端)の高さを最適な高さに調整することを可能にするためには、上部排出口22の支持部22aと中空の管22bとを軸方向に移動可能にして、挿入端の高さを調整可能とすることが望ましい。
天板28は、任意の速度で、スラリー供給方向に沿って回転してスラリーの回転移動速度を加速するものであり、この天板28と媒体(スラリー)との摩擦を大きくして効率的にスラリーの供給速度を加速するために、天板28の下面を粗面としたり、さらには、より積極的に凹凸を形成したりすることができる。
図4は、本実施形態に係るハイドロサイクロン分級装置10を採用した実験装置の全体構成を示す模式図である。なお、ここでは、天板28としては、図3に示した、天板28の下面が平滑なものを用いている。
ここで、サイクロン本体12を下記の寸法で製作して実験を行った。
円筒状の中空部14の直径 :φ40mm
円筒状の中空部14の長さ :40mm
円錐状の中空部16の下端の直径 :φ10mm
円錐状の中空部16の長さ :86mm
供給口18の内寸法 :10mm×10mm
下部排出口20および上部排出口22の内径:φ7mm
また、この実験では、スラリーの媒体として水道水を使用し、固体粒子としてシリカ(質量中位径20μm、真密度2.2g/cm)を使用した。そして、前述の、非特許文献1における実験と同様の実験装置を構成して実験を行った。すなわち、図4に示すように、水道水にシリカを分散したスラリーをスラリー槽40に貯留し、ポンプ42でこのスラリーをサイクロン本体12に供給する。
スラリーは、流量計44で流量を測定してサイクロン本体12の供給口18に供給され、サイクロン本体12で分級された粗粉とともに下部排出口20から排出される媒体(水道水)は貯留槽46に、分級された微粉とともに上部排出口22から排出される媒体は貯留槽48に貯留される。そして、スラリー槽40内のスラリーに固体粒子を投入(補充)するために、固体粒子の供給装置50が設置されている。なお、サンプリングは、貯留槽46,48において行い、濾過・乾燥後に捕集した粉体の重量と粒度分布を測定した。
この実験装置を使用して、供給するスラリーの濃度を5wt%、供給口18に供給されるスラリーの入口流量を500l/hr、下部排出口20から排出される流量を入口流量の10%として実験した結果を図5に示す。図5は、天板28の回転数と固体粒子(シリカ)の分級点との関係を示すものであって、天板の回転数を0(すなわち停止)としたときには固体粒子の分級点が約14μmとなり、天板の回転数を3000min−1としたときには分級点が約11μm、天板の回転数を5000min−1としたときには分級点が約9.5μmとなることを示している。
この実験結果によれば、サイクロン本体12の円筒状の中空部14の上端に天板28を追加して配置し、この天板28を任意の0〜5000min-1の回転数で回転させるのみで、分級点を約9.5μm〜約14μmの約1.5倍の範囲で変更することができることを示している。そして、このハイドロサイクロン分級装置によれば、サイクロン本体12の大きさを変える必要は全くなく、天板28とその駆動源を追加するのみなので、図13に示す従来技術に比較すると、大型化することはなく、コストの上昇も大幅に抑えることができる。
なお、上記実施例に示したハイドロサイクロン分級装置は、本発明の一例を示したものであって、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、各種の改良や変更を行ってもよいことはいうまでもないことである。
例えば、前記促流部材としては、具体的には、図6,図7に示すような、板状またはブロック状の突起を設けたものを用いることができる。この促流部材は、天板28の円周上に縁に沿って、円周の概ね4等分以上の数を設けることができる。材質等は特に限定されることはなく、処理対象となるスラリーの性状に基づいて適宜選定すればよい。
図6((a)は側面図、(b)は下面図)に示す例は、天板28aの下面の円周を4等分する位置に、高さH,半径方向の長さLを有する四角形の板状の促流部材28bを設ける例を示している。ここで、促流部材28bの高さHは、天板28aの半径方向の有効長さLの1倍以下とするのが好ましく、また、半径方向の長さLは、天板28aの縁部から、その半径方向の有効長さLの1/5倍〜1倍とするのが好ましい。
また、図7((a)は側面図、(b)は下面図)に示す例は、促流部材として、三角形板状のものを設ける例を示している。ここでは、天板28cの下面の円周を4等分する位置に、半径方向に対して角度θだけ傾けた方向に、促流部材28dを設ける例を示している。ここで、上述の傾き角θは、0°〜45°の範囲とすることが好ましい。
図8に、図7に示した促流部材28dを設けた天板28cを、実験装置に適用した状況を示す。このような促流部材28dを設けた天板28cを用いることにより、サイクロン本体内でのスラリーの流れが確実に加速され、また、これに従ってサイクロンによる分級点を変更できる範囲を大きくすることができると考えられる。
本発明においては、これ以外にも、例えば、前述のように、前記上部排出口22は装置本体に固定されておらず、前記天板と一体的に回転するように構成されていてもよいこと、また、前記天板28の下面に配設されている促流部材の配設枚数,形状(形だけでなく、例えば、実施例に示した板状以外に、ブロック状のもの等も利用できる)・寸法等は、効果を得られるような範囲内で、任意に選定してよいこと等、変更してよい部分が多い。
図9は本発明の第2の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置における要部の詳細を示す拡大断面図、図10は図9のB−B線断面図、図11は本実施例に係るハイドロサイクロン分級装置の特徴的構成である整流部材の拡大断面図、図12は上述の整流部材の高さと分級精度との関係を示すグラフである。
図9に示す第2の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置と、先に説明した第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置との構成上の相違点は、第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置が、促流部材として、天板28単体、またはこれに図6,図7に示したような、板状またはブロック状の突起を設けたものを用いたのに対して、第2の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置では、同様の整流部材として、天板58aに回転円筒部58bを設けたものを用いるようにした点にある。これ以外の構成については、両者は同一である。
具体的には、図10,図11に示すように、天板58aに回転円筒部58bを設けた整流部材58を用いる。ここで、本実施例に係るハイドロサイクロン分級装置においては、サイクロン本体12の上方に配置された円筒状の中空部14の内径dと、上記整流部材58の回転円筒部58bの外径D並びにその高さH、スラリー供給口18の内径hの間に、下記の関係が成立するように構成することが好ましい。
≧h ……(1)
0.7d≦D≦0.95d ……(2)
このような寸法関係は、適切な天板(整流部材)の回転数,スラリー供給量と相俟って、好適な分級精度を与えるものである。
以下に説明する実験では、一例として、h=10mm、d=40mm、D=38mmとしているが、本発明はこれに拘束されるものではない。
上述のように、促流部材を整流部材に置き換えた以外は第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置と同様の、本実施例に係るハイドロサイクロン分級装置を用いて図4に示したものと同じ実験装置を組み立て、上記整流部材58の回転円筒部58bの高さHを変化させて以下のような実験を行った。
なお、サイクロン本体の寸法は段落0031に記載した通りである。
この実験では、スラリーの媒体として水道水を、固体粒子としてシリカ(質量中位径10.3μm、真密度2.2g/cm)を使用した。すなわち、図4に示すように、水道水にシリカを分散したスラリーをスラリー槽40に貯留し、ポンプ42でこのスラリーをサイクロン本体12に供給する。
この実験装置を使用して、供給するスラリーの濃度を2wt%、供給口18に供給されるスラリーの入口流量を700l/hr、下部排出口20から排出される流量を入口流量の10%、整流部材58の回転数を6000min−1として実験した結果を図12に示す。図12に示した例では、整流部材58の回転円筒部58bの高さHを、0(すなわち、回転円筒部58bなし。天板58aのみ),10,15,40mmと変化させたときの分級結果を、分級精度指数κで示している。
ここで、分級精度指数κ(無次元数)とは、
κ=Dp75/Dp25 ……(3)
で定義されるものであり、Dp25,Dp75はそれぞれ、25%分級径,75%分級径を示している。なお、この分級精度指数κが1に近づくほど、精度のよい分級であるといえるものである。
図12に示した結果では、整流部材58の回転円筒部58bの高さHを高くするほど、上述の分級精度指数κが1に近づく方向であり、分級精度が向上することが示されている。この理由は、整流部材58の回転円筒部58bの高さHを高くすることが、整流部材58の回転による流速向上作用、並びに固体粒子を外周方向へ押しやる整流作用に繋がっていることが一因とも考えられる。
なお、上記実施例に示したハイドロサイクロン分級装置も、本発明の一例を示したものであって、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、各種の改良や変更を行ってもよいことはいうまでもないことは、前述の通りである。
前記整流部材としては、例えば金属板等の表面が滑らかな材料で構成したものに限らず、流れの乱れが生じない程度に表面を意識的に粗らしたもの,凹凸を設けたもの等、種々の変更が可能であり、また、天板と上記整流部材とを一体的に鋳造したもの等も使用可能である。
本発明の第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置の構成を示す正面断面図である。 図1のハイドロサイクロン分級装置における要部の詳細を示す拡大断面図である。 図2のA−A線断面図である。 第1の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置を採用した実験装置の全体を示す模式図である。 天板の回転数と分級点との関係を示すグラフである。 天板の他の実施例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は下面図である。 天板のさらに他の実施例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は下面図である。 図7に示した天板を実験装置に適用した状況を示す要部断面図である。 第2の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置の要部の詳細を示す拡大断面図である。 図9のB−B線断面図である。 第2の実施例に係るハイドロサイクロン分級装置の特徴的構成である整流部材の拡大断面図である。 整流部材の高さと分級精度との関係を示すグラフである。 ハイドロサイクロン分級装置に付加的な装置を追加することによって分級点を変える、従来技術の試みの一例を示す実験装置の模式図である。
符号の説明
10 ハイドロサイクロン分級装置
12 サイクロン本体
14 円筒状の中空部
16 円錐状の中空部
18 供給口
20 下部排出口
22 上部排出口
22a 支持部
22b 中空の管
24 架台
26 プーリ・カバー
28,28a,28c 天板
28b,28d 促流部材
30 ボールベアリング
32 従動プーリ
34 モータ
36 駆動プーリ
38 ベルト
40 スラリー槽
42 ポンプ
44 流量計
46,48 貯留槽
50 固体粒子の供給装置
58 整流部材
58a 天板
58b 回転円筒部

Claims (6)

  1. スラリー中に分散した固体粒子を粒度の大きさまたは比重の大きさによって分級するハイドロサイクロン分級装置であって、
    上方に配置された円筒状の中空部と、その下方に配置され、下部が小径となる円錐状の中空部とを組み合わせた形状の中空部を有するサイクロン本体と、
    このサイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部に、接線方向から前記固体粒子を分散した前記スラリーを供給する供給口と、
    前記サイクロン本体の下方に配置された前記円錐状の中空部の下端に位置し、粒度または比重の大きな固体粒子を前記スラリーの媒体の一部とともに排出する下部排出口と、
    前記サイクロン本体の中央に上方から垂下して配置され、粒度または比重の小さな固体粒子を前記スラリーの媒体の残部とともに排出する上部排出口と、
    前記サイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部の上端に位置し、前記スラリー供給方向に回転する天板とを有することを特徴とするハイドロサイクロン分級装置。
  2. 前記天板が円盤状であって、独立した駆動源によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載のハイドロサイクロン分級装置。
  3. 前記天板の回転速度が可変であることを特徴とする請求項1または2に記載のハイドロサイクロン分級装置。
  4. 前記天板には、その下面に複数の促流部材が配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイドロサイクロン分級装置。
  5. 前記天板の下面には、前記サイクロン本体の上方に配置された前記円筒状の中空部との間に所定の間隙を有するとともに、前記天板の下方向に所定の高さを有する円筒状の整流部材が配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイドロサイクロン分級装置。
  6. 前記サイクロン本体の上方に配置された円筒状の中空部の内径dと、前記整流部材の回転円筒部の外径D並びにその高さH、前記スラリーの供給口の内径hの間に、下記の関係が成立することを特徴とする請求項5に記載のハイドロサイクロン分級装置。
    ≧h ……(1)
    0.7d≦D≦0.95d ……(2)
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