JP2005007352A - 粒子の分離方法及び分離装置並びに検出装置 - Google Patents

粒子の分離方法及び分離装置並びに検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタが目詰まりすることなく、チップ上でアレルゲンタンパク質を高精度で分離、検出する方法及び装置を提供する。
【解決手段】アレルゲンタンパク質と不溶物質粒子とを含むサンプル液と、アレルゲンタンパク質の等電点のpH値を持つ緩衝液からなる測定液とを、サンプル液中の不溶物質粒子のサイズより孔径が小さいサイズのフィルタを介して互いにフィルタに対し平行に流して、測定液中に不溶物質が混入することなくアレルゲンタンパク質を測定液中に分離抽出することを特徴とするアレルゲンタンパク質の分離方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粒子の大きさによって粒子を分離する方法及び装置に関する。詳しくは不溶物質粒子とタンパク質粒子とが混合された溶液から、タンパク質粒子を分離する方法及び装置に関する。ただし、この用途だけに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】
近年、空気環境中の有害物質や人類の健康状態をチップ上で計測しようとする試みがなされている。これらの技術は、μTAS(micro total analysis systems)、MEMS(micro electro mechanical systems)等と称され、特に生体内に含まれる分子の特異的反応を用いて、測定対象物(例えばアレルゲンタンパク質)の分析を行うバイオセンサチップが注目を集めている。なかでも、マクロ系での前処理を行うことなく、チップ上でタンパク質の抽出、分離、認識、検出といった全ての分析操作を行う、所謂Lab−on−a−chip技術に対する期待が高まっている。
【0003】
特に、花粉、ダニ等によるアレルギー患者数は増加しており、これらのアレルゲンタンパク質を速やかに且つ高感度で分離・検出することが望まれている。
【0004】
ここで、花粉症の原因となる花粉のアレルゲンタンパク質を測定する方法として、マクロ系で抽出液により花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出し、遠心分離を行うことにより不溶物質粒子である花粉の殻と可溶物質粒子であるアレルゲンタンパク質を分離し、分離されたアレルゲンタンパク質(抗原)を抗原に対して特異的に反応する抗体を用いた抗原抗体反応を用いて測定するという技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
また、花粉を含む花粉検体液内の不溶物質粒子を除去するためにチップ内の流路に垂直にフィルタを設け、フィルタにより不溶物質粒子を除去した後、花粉のアレルゲンタンパク質を測定系に送液し抗原抗体反応により測定するという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
J.Jpn.For.Soc.81(4)1999(第318−324頁)
【特許文献1】
特開2000−35428号公報(第2−4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載の方法では、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出した後、遠心分離により不溶物質粒子である花粉の殻と可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質の分離を行うものであるが、花粉の殻と花粉のアレルゲンタンパク質との分離に遠心分離を必要とし、チップ上で全ての操作を行うことができない。
【0008】
また、特許文献1に記載の方法では、フィルタを用いて不溶物質粒子と可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質の分離を行うものであるが、フィルタを流路に対して垂直方向に配置しているため、使用とともにフィルタが不溶物質粒子によって目詰まりしてしまい、定期的なフィルタの交換が必要であるという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであって、フィルタが目詰まりすることなく、チップ上で花粉粒子や砂塵等からアレルゲンタンパク質等を高精度で分離する方法及び装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、複数種の粒子を含むサンプル液と、測定液とを、特定のサイズ以下の粒子のみを通過させ、特定のサイズより大きい粒子を通過させないフィルタを介して、互いにフィルタに対し平行に流して、特定のサイズ以下の粒子のみをサンプル液から測定液中に分離・抽出することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、特定のサイズよりも大きい粒子はフィルタを通過することができず、サンプル液中に残存するが、特定のサイズ以下の粒子はフィルタを通過して測定液へ混入する。したがって、遠心分離等の手段を用いることなくチップ上で粒子の分離、検出を行うことができる。
【0012】
また、フィルタが測定液及びサンプル液の流れに対して平行に設けられているため、特定のサイズよりも大きい粒子はフィルタに詰まることなく、サンプル液の流れにのって排出される。したがって、この分離方法を採用した装置は、定期的なフィルタ交換を必要としない。
【0013】
また、目的の粒子のみが測定液に分離抽出されるため、この分離方法を用いた検出装置の検出感度を高めることができる。
【0014】
ここで、本明細書中で用いる「可溶物質」とは、溶媒に溶解する物質はもちろんのこと、コロイド状態で溶媒中に分散する物質(例えば、タンパク質等)も含むものである。したがって、「溶解」という用語にはコロイド状態で分散という意味を含み、「溶液」という用語にはコロイド溶液を含むものである。
【0015】
また、本明細書中で用いる「平行に流す」とは、直線状に平行に流すものだけではなく、同心円やその他の平行な曲線状に流すものを含むものである。また、常に液を流し続けるものだけではなく、分離工程中において少なくとも一度平行に流している状態が存在すればよく、分離中に一つ以上の液がバルブを閉めること等により停止しているもの等を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、可溶物質粒子(コロイド状態で分散する粒子)である花粉のアレルゲンタンパク質粒子を、花粉の殻や砂塵等の不溶物質粒子から分離する方法及び装置を例として説明する。しかしながら、本発明は、花粉のアレルゲンタンパク質以外の可溶物質を不溶物質から分離する装置、または、不溶物質群から所定の径を有する不溶物質を分離する装置等にも適用できる。
【0017】
図1は、実施の形態1に係るタンパク質の分離装置の平面概略図である。図1に示すように、タンパク質の分離装置は、一つのチップ基板10上に花粉、砂塵等を含むサンプル液を導入するサンプル液導入部1と、サンプル液から可溶物質粒子を取り込む測定液を導入する測定液導入部2と、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を含むサンプル液中から可溶物質粒子を測定液内に取り込む分離部3と、サンプル液を導出するサンプル液導出部4と、測定液を導出する測定液導出部5と、分離部3と各導入部、導出部を連結する流路7a、8a、7c、8cとを形成することにより構成される。この装置は、例えばウェットエッチング等を用いて、基板を削るようにして作製される。
【0018】
チップ基板10としては、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、プラスチック材料を用いることができる。チップ基板10上に形成される流路7a、7c、8a、8cの断面の形は、長方形、台形形状等に形成することができ、流路の底は円の一部のように丸くなっていてもよい。
【0019】
サンプル液の溶媒としては、花粉粒子から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出できる抽出液を用いることができる。このような抽出液として、例えば弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム溶液、Coca液(NaCl、NaHCO、フェノールの混合溶液)、Trisバッファー(pH8.0のTris、EDTA、NaCl、2−メルカプトエタノールの混合溶液)等を用いることができる。
【0020】
上記の場合、花粉からアレルゲンタンパク質を抽出するために15分程度の時間がかかるが、速やかにアレルゲンタンパク質を分離する場合には、アレルゲンタンパク質を失活させない溶媒中で花粉粒子をボールミルや撹拌等によって機械的に破砕し、花粉の殻からアレルゲンタンパク質を分離した状態のサンプル液としてもよい。この場合、溶媒としてはタンパク質を失活・変性させないものであればどのようなものを用いてもよく、例えば緩衝液を用いることができる。
【0021】
サンプル液導入部1は、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出する抽出部(図示せず)と、または、花粉を含む空気中浮遊物質を捕集し抽出液中に取り込む捕集部(図示せず)と連結させて、サンプル液導入部1に、例えばマイクロポンプ等の送液手段(図示せず)を用いてサンプル液を導入することができる。また、上記のように、機械的に破砕された花粉粒子を含む溶液をマイクロポンプ等の送液手段を用いて導入してもよい。サンプル液導入部1に連結されるサンプル液導入部流路7aは、例えば、50μm〜1mmの流路幅、深さは50μmから1mmであり、分離部3の導入口11へと連結される。ただし、流路幅、深さは上記範囲内に限定されるものではない。
この流路7a中のサンプル液には、可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質と不溶物質粒子である花粉の殻、砂塵等が含まれている。
【0022】
前記捕集部は、自然落下によって粒子を捕集してもよく、吸引装置等を別途設け、空気中の粒子をより効率的に捕集してもよい。
【0023】
測定液の溶媒としては、花粉のアレルゲンタンパク質が失活・変性しないpH領域の緩衝液を用いることができる。測定液導入部2は、例えば測定液を貯蔵する測定液貯蔵部と連結され、測定液は例えばマイクロポンプ等の送液手段(図示せず)を用いて測定液導入部2に導入される。測定液導入部2に連結される測定液導入部流路8aは、例えば、10μm〜1mmの流路幅、深さは10μmから1mm、分離部3の導入口13へと連結される。ただし上記範囲内に限定されるものではない。また、流路7aとフィルタの延長線とのなす角α1、流路8aとフィルタの延長線とのなす角α2は、それぞれ0〜90°でよいが、サンプル液中のアレルゲンタンパク質を測定液中に効率よく分離するためには、前記α1が35〜55°であることがより望ましく、前記α1及びα2ともに35〜55°であることがさらに望ましい。
なお、例えばサンプル液導入部とサンプル液導入口とが曲線状のサンプル液導入部流路によって連結されている場合、流路7aの直線状流路の延長線とフィルタの延長線とのなす角度のことを示す。
【0024】
花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を分離する分離部3は、サンプル液の流れる流路7bと測定液の流れる流路8bと各流路の導入口、導出口11、12、13、14と流路に沿った方向に設けられたフィルタ6からなる。フィルタ6は、例えば、円柱状、直方体状、楕円錐状等の形状をもつ複数の突起物の集合体からなり、各突起物間の距離は、流路7bのサンプル液中の不溶物質粒子の径よりも小さく且つアレルゲンタンパク質の径よりも大きいことが望ましい。例えば杉花粉の場合、アレルゲンタンパク質は1μm以下であり、他方、砂塵、花粉の殻等は約10〜100μmであるので、1〜20μmの間隔で配置されることが好ましく、5〜10μmの間隔であることがさらに好ましい。流路7b、8b及び導入口、導出口11、12、13、14の断面の形は、長方形、台形形状等で、流路の底は円の一部のように丸くなっていてもよく、また各流路の幅、深さは一致していなくてもよい。
【0025】
流路7bは、例えば、50μm〜1mmの流路幅、深さは50μmから1mmであることが好ましく、流路8bは、例えば、10μm〜1mmの流路幅、深さは10μmから1mmであることが好ましい。ただし、上記範囲内に限定されることはない。
【0026】
分離部3の導出口12とサンプル液導出部4を連結するサンプル液導出部流路7cは、例えば、50μm〜1mmの流路幅、深さは50μmから1mmであることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。サンプル液導出部4は、サンプル液導入部1と連結させサンプル液を循環させる構成とすることによって、分離部3における花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子の分離効率を高めることができる。また、サンプル液導出部4と廃液部(図示せず)とを接続し、花粉の殻、砂塵等のサンプル液中の不溶物質粒子を取り除く構成としてもよい。
【0027】
分離部3の導出口14と測定液導出部5を連結する測定液導出部流路8cは、例えば、10μm〜1mmの流路幅、深さは10μmから1mmであれば好ましいが、この範囲内に限定されるものではない。流路8c中の測定液には、分離部3における分離の結果、花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子が取り込まれ、他方、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子は取り込まれない。
【0028】
測定液導出部5は、抗原抗体反応等を用いて花粉のアレルゲンタンパク質を認識し検出する測定部(図示せず)に接続されることが望ましい。測定液導出部5と測定液導入部2を連結させ測定液を循環させる構成(図示せず)とし、分離部3における花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子の分離効率を高める構成としてもよい。ここで、流路7cとフィルタの延長線とのなす角β1、流路8cとフィルタの延長線とのなす角β2は、それぞれ0〜90°でよいが、流路7aとフィルタの延長線とのなす角α1、流路8aとフィルタの延長線とのなす角α2と同様に35〜55°に設定することがさらに望ましい。また、分離中に外部からの粒子の混入を防止するためにチップ基板10に別の基板等で蓋をした構成としてもよい。
【0029】
実施の形態1に係る分離装置を用いて、可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質を、花粉の殻や砂塵等の不溶物質粒子から測定液中に抽出・分離する方法を、図1を用いて説明する。
【0030】
サンプル液導入部1に、花粉のアレルゲンタンパク質、花粉の殻、砂塵等を含むサンプル液が、マイクロポンプ等の送液手段(図示せず)を用いて導入される。花粉のアレルゲンタンパク質は花粉自体から分離された状態でもよいし、上記花粉を抽出することのできる溶媒中に花粉が存在している状態でもよい。
【0031】
上記サンプル液は、流路7aを通り、分離部3の導入口11から流路7bへと導かれる。一方で、測定液導入部2には、分離部3において花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を取り込み、測定系へと送液するための測定液(例えば緩衝液)がマイクロポンプ等の送液手段を用いて導入される。上記測定液は、流路8aを通り、分離部3の導入口13から流路8bへと導かれる。分離部3において流路7bの花粉のアレルゲンタンパク質、花粉の殻、砂塵等を含むサンプル液と、流路8bの測定液の混合がおこる。
【0032】
ここで、サンプル液中の粒子径10〜100μmである花粉の殻、砂塵等のサンプル液に不溶な物質は、各突起物間の距離がサンプル液中の不溶物質粒子の径よりも小さく且つアレルゲンタンパク質の径よりも大きいフィルタ6によって、測定液に入ることができない。他方、アレルゲンタンパク質等の可溶物質はフィルタ6を通過できるので、効率的にアレルゲンタンパク質を測定液中に取り込むことができる。
【0033】
また、突起物によるフィルタを流路に対して平行に配置したため、不溶物質粒子がフィルタにぶつかったとしても、不溶物質粒子はサンプル液の流れによってフィルタから取り除かれる。したがって、従来のフィルタのように分離する際にフィルタが目詰まりすることもなく、フィルタの交換なしに連続して使用することができる。
【0034】
また、サンプル液のアレルゲンタンパク質の濃度は、測定液のアレルゲンタンパク質の濃度よりも高いため、この濃度勾配によって、流路7bの高濃度のサンプル液から流路8bの低濃度の測定液に可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質の拡散が起こり、測定液中に効果的に可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質を取り込むことができる。また、測定液導入部2から導入される測定液を常に新しいものにして、サンプル液と測定液との濃度勾配を常に維持してもよい。
【0035】
また、異なる流速でサンプル液と測定液の送液を行うことによる圧力勾配、もしくは分離部3に電位差を設けることによる電気的な勾配を設けた場合においても、効果的にアレルゲンタンパク質を測定液中に取り込むことができる。
【0036】
また、サンプル液のpHと測定液のpHの間に差を設けることによって、花粉のアレルゲンタンパク質を測定液中に効率的に分離してもよい。
例えば、サンプル液の溶媒としては、杉花粉からアレルゲンタンパク質が抽出することができるpH7.5の弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム溶液を用い、測定液の溶媒には杉花粉のアレルゲンタンパク質の等電点に近いpH9.0のリン酸緩衝液を用いることができる。
【0037】
上記のようにpH差を設けることによって、サンプル液と測定液との界面での拡散速度が高まる。
また、一般に、等電点付近ではタンパク質の安定性は最も高いが、タンパク質の溶解度は最も低い。しかし、測定液中に分離されるアレルゲンタンパク質の濃度が低いため、溶解度が低いというデメリットよりも安定性が高いというメリットの方がはるかに上回る。
これらの相乗効果によって効率よくアレルゲンタンパク質を分離することができる。
【0038】
サンプル液は分離部3の流路7bを経て導出口12を通り、サンプル液導出部4に連結される流路7cへと導かれる。流路7cのサンプル液中には、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子が存在するが、分離部3を通過させてもサンプル液中に一部の花粉のアレルゲンタンパク質を含む可溶物質粒子が残留する可能性がある。この残留アレルゲンタンパク質を測定液中に取り込むために、サンプル液導出部4とサンプル液導入部1とを連結する構成を採用すると、測定系へ導入する花粉のアレルゲンタンパク質の量が増加し、高感度な花粉のアレルゲンタンパク質の測定ができる。
また、サンプル液導出部4と廃液部(図示せず)を接続させ、測定系には不要な花粉の殻、砂塵等を廃棄する構成としてもよい。
【0039】
他方、測定液は分離部3の流路8bを経て導出口14を通り、測定液導出部5に連結される流路8cへと導かれる。流路8cの測定液には、花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子のみが含まれる。前記角度α1を、より好ましくは角度α1とα2を、最も好ましくはα1、α2、β1及びβ2全ての角度を35〜55°に設定することにより、測定液の流速が一定となり、測定系へ導入する測定液の安定性、再現性が向上し、測定部における花粉のアレルゲンタンパク質を例えば、電気化学的に検出する際のS/N(シグナルとノイズの比)が向上し、安定性、再現性の高い花粉のアレルゲンタンパク質の検出ができる。
【0040】
花粉のアレルゲンタンパク質を認識し検出するために、測定液導出部5は測定部(図示せず)に接続される。測定部での検出方法としては、所謂サンドイッチ法を用いることができる。
【0041】
上記したように花粉の殻、砂塵等の測定液に不溶な物質を含まず、花粉のアレルゲンタンパク質等の測定液に可溶な物質のみを含む測定液を測定部に送液できるので、測定部および測定部へ連結される流路が不溶物質によって詰まらなくなる。したがって、送液が途中で止まることなく高精度な測定が可能となり、測定部および測定部へ連結される流路を微小にすることができ、測定用の液量を少なくして短時間で高感度な花粉のアレルゲンタンパク質の測定ができる。
【0042】
本発明の分離装置を用いることにより、遠心分離等のマクロ系での前処理を必要とせず、また、定期的なフィルタ交換を必要とせず、チップ上で送液を行うだけで自動的に分離ができる。また、サンプル液と測定液を一定方向に連続して送液する構成で十分な分離ができるため、バルブを必要とせず、分離装置のチップ構成を簡易化できる。
【0043】
[実施の形態2]
以下に、本発明の実施の形態2を、図2を参照して説明する。
【0044】
図2は上記抽出分離装置の概略図である。図2(a)〜(d)に示すように、タンパク質の分離装置は、3つの基板15a、15b、15cより構成される。図2(a)に示すように、基板15aは、測定液導入部17、導入口24c、分離部18a、導出口24d、測定液導出部20及びそれらを連結する流路23a、23bから構成される。また、図2(b)に示すように、基板15bには分離部18bから構成される。図2(c)に示すように、基板15cは、サンプル液導入部16、導入口24a、分離部18c、導出口24b、サンプル液導出部19及びそれらを連結する流路22a、22bから構成される。
【0045】
基板15aと基板15cの流路形成面が相対するように配置し、上記基板間に基板15bとフィルタ21を挟み込むことにより、実施の形態2に係る分離装置が構成される。図2(d)は、実施の形態2に係る分離装置の断面図であり、この図においてフィルタ21は、基板15bと基板15cとの間に挟み込まれているが、基板15aと基板15bとの間に挟み込まれていてもよい。図2において、基板15bは1枚であるが、同様の基板を2枚以上用いる構成としてもよい。
【0046】
チップ基板15a、15b、15cとしては、上記実施の形態1と同様の材料を用いることができる。チップ基板15a、15c上に形成される各流路の断面の形状、大きさ、流路幅、深さは、上記実施の形態1と同様のサイズ、形状を適用することができる。サンプル液導入・導出部、測定液導入・導出部は、例えば、直径100μm〜5mmの例えば円、長方形であり、深さは50μmから5mmであることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、各サンプル液導入・導出部、測定液導入・導出部を貫通孔とする構成としてもよい。分離部18a、18cは例えば、幅が50μmから5mmで長さは50μmから5cm、深さは100μmから5mmであることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、断面の形は、長方形、台形形状等である。
【0047】
また、測定液の溶媒としては、上記実施の形態1と同様に緩衝液を用いることができる。分離部18bには、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を分離するためのフィルタ21を設ける。フィルタ21は、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子の直径以下の、5〜20μmの、より好ましくは5〜10μmの細孔を有する薄膜フィルタ等を用いることができる。
分離部18bのサイズ、形状は、分離部18a、18cと同様であるが、貫通孔となっている。
【0048】
ここで、基板15aの測定液導入部17、測定液導出部20、基板15cのサンプル液導入部16、サンプル液導出部19に対応する貫通孔にそれぞれチューブ(図示せず)を差し込み、各チューブをチップ外の送液ポンプ(図示せず)に連結し、測定液、サンプル液の送液をチップ外のポンプにより行う構成とすることができる。また、各チューブにバルブ(図示せず)を設け、液の流れを制御する構成とすることもできる。
【0049】
この分離装置は、実施の形態1とは異なり、サンプル液と測定液とを上下に平行に流すことを特徴としている。この分離装置を用いた分離方法としては上記実施の形態1と同様の方法で行うことができる。また、上述したように装置にバルブを設けた場合、分離中にバルブを閉めて十分に分離させた後(約15分)、バルブを開放してサンプル液、測定液を排出し、分離する方法を用いることもできる。
【0050】
[実施の形態3]
以下に、本発明の実施の形態3を、図3を参照して説明する。図3(a)〜(e)に示すように上記抽出分離装置は、2つの基板25a、25bより構成される。図3(a)に示すように、基板25aは、測定液導入部27、導入口34c、分離部28a、導出口34d、測定液導出部30及びそれらを連結する流路33a、33bから構成される。また、図3(b)に示すように基板25bは、サンプル液導入部26、導入口34a、分離部28b、導出口34b、サンプル液導出部29及びそれらを連結する流路32a、32bから構成される。そして、基板25bを180°回転させ、基板25aと基板25bの流路形成面が相対するように重ね合わせ、上記両基板間にフィルタ31を挟み込むことにより実施の形態3に係る分離装置が構成される。
【0051】
図3(c)は、実施の形態3に係る分離装置の平面透視図であり、上記抽出分離装置において、基板25aの導入、導出部及び流路と、基板25bの導入、導出部及び流路の各形成位置が、上記抽出分離装置を上方から見た場合、重なっていないことが特徴である。
【0052】
図3(d)に図3(c)のX−X’断面矢視線透視図を、図3(e)に図3(c)のY−Y’断面矢視線図を示す。なお、図3(d)において、実線部は断面を示し、破線部は透視した形状を示す。これらの図の分離部18で、サンプル液中のアレルゲンタンパク質が、測定液中に分離される。
【0053】
チップ基板、各流路の断面の形、流路幅、深さは上記実施の形態1と同様、サンプル液導入部、サンプル液導出部、測定液導入部、測定液導出部等は上記実施の形態2と同様でよい。また、測定液の溶媒、サンプル液の溶媒についても同様である。
また、上記実施の形態2と同様に流路にバルブを形成してもよい。
【0054】
分離方法としては上記実施の形態2と同様の方法で行うことができるため、省略する。
【0055】
[実施の形態4]
以下に、本発明の実施の形態4を、図5を参照して説明する。図5は、実施の形態4に係るアレルゲン検出装置の平面概略図である。
【0056】
実施の形態4にかかるアレルゲン検出装置は、図5に示すように、チップ基板50上に花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出する抽出部51と、抽出部51から送液されるサンプル液から可溶物質粒子を取り込む緩衝液を導入する測定液貯蔵部52と、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を含むサンプル液中から可溶物質粒子を緩衝液内に取り込む分離部53と、サンプル液を導出するサンプル液導出部54と、分離部53から送液される緩衝液中の花粉のアレルゲンタンパク質を認識し検出する測定部55と、測定部55での花粉のアレルゲンタンパク質を検出するために必要な試薬を導入する試薬導入部56と、廃液部58とそれらを連結する流路57a、57b、57c、57d、57e、57fを形成することにより構成される。分離部53の構成は、例えば、実施の形態1、2または3の構成をそのまま用いることができる。
【0057】
チップ基板50としては、上記実施の形態1と同様の材料を用いることができ、チップ基板50上に形成される流路57a、57b、57c、57d、57e、57fの断面形状、大きさも、上記実施の形態1のサンプル液流路、測定液流路の断面形状、大きさと同様でよい。抽出部51には、花粉からアレルゲンタンパク質を抽出する抽出液が満たされており、抽出部51に花粉を導入することにより、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質が抽出される。または、抽出液とともに花粉を分離部53に送液し、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出する工程を分離部53で行う構成としてもよい。
【0058】
抽出部51は、例えば、直径100μmから1cmの円で深さは、100μmから1mmである。測定液貯蔵部52には、花粉のアレルゲンタンパク質を失活させずに測定部55に送液できるように、例えば緩衝液が貯蔵されている。測定液貯蔵部52は、例えば、直径100μmから5mmの円で深さは、100μmから1mmである。ただし、上記形状、範囲内に限定されるものではない。
【0059】
分離部53には、例えば、実施の形態1、2または3の構成がそのまま適用できる。また、サンプル液導出部54を廃液部として用いてもよいし、抽出部51と連結し、サンプル液を循環させ、分離部53における花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子の分離効率を高める構成としてもよい。
【0060】
また、流路57aに、上記実施の形態2と同様にバルブを設け、花粉からアレルゲンタンパク質を抽出している間はバルブを閉じておく構成としてもよい。流路57a中のサンプル液には、可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質と不溶物質粒子である花粉の殻、砂塵等が含まれる。分離部53における分離の結果、流路57d中の測定液には、花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子が含まれ、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子は含まれない。
【0061】
測定部55では、例えば、抗原抗体反応等を用いて花粉のアレルゲンタンパク質を認識し検出する。測定部55は、抗原抗体反応等を起こす認識部と抗原抗体反応の有無を検出する検出部を別々に設ける構成としてもよい。測定部55は、例えば、直径100μmから5mmの円で深さは、100μmから1mmである。ただし上記形状、範囲内に限定されるものではない。
【0062】
試薬導入部56は抗原抗体反応の検出に必要な試薬を貯蔵し、測定部55に導入するために設けられる。試薬としては例えば、蛍光標識のついた抗体、酵素標識のついた抗体等が挙げられる。酵素標識抗体を用いる場合は、酵素に対して特異的に反応する基質を導入する基質導入部を別途設ける必要がある。試薬導入部56は、例えば、直径100μmから5mmの円で深さは、100μmから1mmである。ただし上記形状、範囲内に限定されるものではない。
【0063】
抗原抗体反応終了後に試薬導入部56から測定部55に標識抗体を送液するため、流路57eにバルブを設ける構成とすることが望ましい。また、抗原抗体反応を効率的に進行させるため流路57fにバルブを設ける構成としてもよい。廃液部58は、例えば、直径100μmから5mmの円で深さは、100μmから1mmである。ただし、上記形状、範囲内に限定されるものではない。また、チップ基板50には別の基板で蓋をした構成としてもよい。ここで、上記バルブの形成方法は、上記実施の形態2と同様でよい。
【0064】
抗原抗体反応を用いる場合、測定部55には、抗体が固定化され、ブロッキング処理が施されている必要がある。また、検出精度を高めるためには、測定部に固定化された抗体と標識抗体の少なくとも一方が、アレルゲンタンパク質と特異的に反応するモノクローナル抗体であることが望ましい。
【0065】
実施の形態4に係るアレルゲン検出装置を用いた、可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質を抽出し、花粉の殻や砂塵等の不溶物質粒子から分離し、検出する方法を図5を用いて、詳細に説明する。抽出部51に、花粉の殻、砂塵等を含むサンプルが、例えば、空気中や空気中浮遊物質を捕集する捕集部(図示せず)から導入される。抽出部51には、弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム等の抽出液が満たされているため、抽出部51において、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質が抽出される。
【0066】
抽出部51の可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子を含むサンプル液は、例えば、マイクロポンプ等の送液手段(図示せず)を用いて、流路57aを経て、分離部53に送液される。未抽出の花粉、砂塵等を含むサンプル液を分離部53に送液し、分離部53において、花粉から花粉のアレルゲンタンパク質を抽出し、不溶物質粒子から分離する構成としてもよい。
【0067】
一方で、測定液貯蔵部52から、分離部53において花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を取り込み、測定部55へと送液するための測定液がマイクロポンプ等の送液手段を用いて分離部53に導入される。
【0068】
分離部53において実施の形態1〜3に示すように、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と、花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子との分離が起こる。分離部53を経て、サンプル液はサンプル液導出部54へと導かれる。サンプル液導出部54のサンプル液中には、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と一部の花粉の未分離アレルゲンタンパク質を含む可溶物質粒子が含まれる。分離効率を高めるため、サンプル液導出部54と抽出部51とを連結し、サンプル液を循環させ、分離部53において再分離することができる。サンプル液導出部54と廃液部(図示せず)を連結し、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子を廃棄する構成としてもよい。
【0069】
分離部53を経て、測定液は測定部55へと導かれる。測定部55の測定液には、花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子のみが含まれる。測定部55には、例えば予め花粉のアレルゲンタンパク質に反応する抗体を固定化し、花粉のアレルゲンタンパク質以外の物質が非特異的に吸着しないようブロッキング処理を施しておく。抗体が固定化された測定部55に、花粉のアレルゲンタンパク質等を含む測定液を導入すると、花粉のアレルゲンタンパク質(抗原)と抗体との間に抗原抗体反応が起こる。
【0070】
反応後、試薬導入部56から、例えば蛍光標識のついた抗体を導入し、花粉のアレルゲンタンパク質(抗原)と抗体との複合体に反応させる(サンドイッチ法)。反応後、例えば、測定液貯蔵部52から測定液を測定部55に導入することにより洗浄し、未反応の蛍光標識抗体を測定部55から取り去る。この場合、分離部53を経由して測定液を導入してもよい。また、測定液貯蔵部52から測定部55に直接測定液を送る構成としてもよい。次に、基板50上の測定部55に紫外線を照射し、蛍光標識による蛍光を、例えば蛍光リーダー等で測定し、花粉のアレルゲンタンパク質の検出を行う。
上記検出方法において、蛍光標識以外に、ラジオアイソトープ標識、酵素標識等の、公知の標識がなされた抗体を用いて検出することができる。
【0071】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0072】
(実施例1)
実施の形態1に対応する実施例1に係る分離装置を作製し、アレルゲンタンパク質の検出を行った。以下、図4を参照して説明する。
【0073】
まず、イソプロピルアルコールで超音波洗浄した52mm角のガラス基板上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、その後、フッ化水素及びフッ化アンモニウム水溶液によるウェットエッチングにより、サンプル液導入部41、サンプル液導出部44、測定液導入部42、測定液導出部45、分離部43及びそれらを連結する流路47a、47b、47c、48a、48b、48c、フィルタ(複数の突起物の集合群)46を形成した。サンプル液導入部41、サンプル液導出部44、測定液導入部42、測定液導出部45は直径3mmの円で、分離部43は幅280μm、長さ10mmであり、フィルタ46を構成する各突起物は幅30μm、長さ50μm、高さ100μm、各突起物間の距離10μmで、流路47a、47cは、幅150μm、長さ5mm、流路48a、48cは、幅100μm、長さ5mm、流路47bは幅150μm、長さ10mm、流路48bは幅100μm、長さ10mmであり、いずれも深さは100μmである。また、フィルタ46の延長線49aと流路47aとのなす角、フィルタ46の延長線49bと流路47cとのなす角、フィルタ46の延長線49aと流路48aとのなす角、フィルタ46の延長線49bと流路48cとのなす角は全て45°である。また、各導入部、導出部に対応した箇所に穴を空けたプラスチック基板で蓋をし、実施例1に係る分離装置を作製した。
【0074】
分離、検出試験
スギ花粉0.1gに、pH7.5の弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム溶液からなるアレルゲンタンパク質の抽出液(サンプル液)を加え、アレルゲンタンパク質を抽出し、アレルゲンタンパク質と不溶物質粒子である花粉の殻を含む溶液を用意した。その後、この溶液をサンプル液導入部41に5μl/分で導入するとともに、測定液にはpH7.5のリン酸緩衝液を用い測定液導入部42に5μl/分で導入した。
【0075】
5分経過した後、チップの顕微鏡観察を行ったところ、サンプル液導出部44に花粉の殻や砂塵の存在が確認されたが、測定液導出部45には花粉の殻は存在しなかった。また、分離部43の突起物46の間にも花粉の殻等は存在せず、フィルタの目詰まりがないことが確認された。
【0076】
次に、測定液導出部45の溶液を採取し、スギ花粉のアレルゲンタンパク質に対する抗体を固定化しブロッキング処理を施したプレート上に加え、30分反応させた(抗原抗体反応)。洗浄後、このプレート上にさらに蛍光標識の付いた抗体を加え30分反応させた後(サンドイッチ法)、洗浄し未反応の蛍光標識抗体をプレート上から取り除いた。このプレートの反応部位に紫外線を照射したところ、蛍光標識による蛍光が確認された。
【0077】
上記の結果から、花粉の殻や砂塵を含むサンプル液中から、アレルゲンタンパク質等の可溶物質のみが分離されたことが確認できた。
【0078】
以上の実験を複数回行ったが、いずれの場合もフィルタの目詰まりは見られず、花粉の殻等が測定液に混入することなく、花粉のアレルゲンタンパク質が測定液に効率よく分離されていることが確認された。
【0079】
(実施例2)
実施の形態2に対応する実施例2に係る分離装置を作製し、アレルゲンタンパク質の検出を行った。
【0080】
まず、基板15aは測定液導入部17、分離部18a、測定液導出部20及びそれらを連結する流路23a、23bに対応した凸形状のレジストパターンをガラス基板上にフォトリソグラフィー法により形成し、その後、PDMS(poly dimethylsiloxane)樹脂を流し込み、熱硬化させた後、測定液導入部17、測定液導出部20に対応した孔を基板を貫通させて形成することで作製した。
【0081】
また、基板15cは上記基板15aと同様にして、サンプル液導入部16、分離部18c、サンプル液導出部19及び流路22a、22bを形成したPDMS基板に、サンプル液導入部16、分離部18c、サンプル液導出部19に対応した孔を基板を貫通させて形成することで作製した。
【0082】
基板15aと基板15cの流路形成面を重ね合わせ、2つの基板間に、分離部18bに対応する位置に孔を設け、孔の上にフィルタ21をのせたフィルム基板15bを挟み込むことにより図2(d)に示す断面形状を有する分離装置を作製した。
【0083】
基板15aの測定液導入部17、測定液導出部20は、直径3mmの円で深さは100μmであり、分離部18aは10mm平方の四角形で深さは100μm、流路23a、23bは、幅100μm、長さ5mmで深さ100μmである。基板15aの測定液導入部17、測定液導出部20に対応する位置には測定液の導入および導出を行うため貫通孔を設けてある。
【0084】
基板15bには、分離部18bを形成した。分離部18bは、10mm平方の四角形であり、分離部18bは貫通孔となっている。フィルタ21には孔径5μmの薄膜フィルタを用いた。基板15cのサンプル液導入部16、サンプル液導出部19は、直径3mmの円で深さは100μmであり、分離部18cは10mm平方の四角形で貫通孔となっており、流路22a、22bは、幅150μm、長さ5mmで深さ100μmである。
【0085】
基板15cのサンプル液導入部16、サンプル液導出部19に対応する位置にはサンプル液の導入および導出を行うため貫通孔を設けてある。基板15aの測定液導入部17、測定液導出部20、基板15cのサンプル液導入部16、サンプル液導出部19に対応する貫通孔にそれぞれチューブ(図示せず)を差し込み、各チューブをチップ外の送液ポンプ(図示せず)に連結し、測定液、サンプル液の送液をチップ外のポンプにより行った。また、各チューブにバルブ(図示せず)を設け、液の流れを制御する構成とした。
【0086】
実施例2では、上記実施例1と同様に、花粉としてスギ花粉を用い、サンプル液としてアレルゲンタンパク質の抽出液であるpH7.5の弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム溶液を用い、測定液としてpH7.5のリン酸緩衝液を用いた。測定液導出部20に差し込んだチューブに設けたバルブ、サンプル液導出部19に差し込んだチューブに設けたバルブ、測定液導入部17に差し込んだチューブに設けたバルブを閉めた後、サンプル液導入部16からサンプル液を導入し、分離部18をサンプル液で満たし、サンプル液導入部16に差し込んだチューブに設けたバルブを閉じた。
【0087】
次に、分離部18cの上方からスギ花粉を導入した。15分経過後、測定液導入部17から測定液を導入し、測定液導入部17に差し込んだチューブに設けたバルブ、測定液導出部20に差し込んだチューブに設けたバルブを開放し、測定液導出部20から導出される溶液を採集した。5分経過後、サンプル液導入部16に差し込んだチューブに設けたバルブ、サンプル液導出部19に差し込んだチューブに設けたバルブを開放し、サンプル液導出部19から導出される溶液を採集した。サンプル液導出部19より採集された溶液を顕微鏡で観察したところ花粉の殻等が確認されたが、測定液導出部20に採集された溶液には花粉の殻等は存在しなかった。また、チップ上のフィルタ21の孔間にも花粉の殻等は存在せず、フィルタの詰まりがないことが確認された。
【0088】
次に、測定液導出部20から導出された溶液を、スギ花粉のアレルゲンタンパク質に対する抗体を固定化しブロッキング処理を行ったプレート上に加え、30分反応させた(抗原抗体反応)。洗浄後、このプレート上にさらに蛍光標識の付いた抗体を加え30分反応させた後(サンドイッチ法)、洗浄し未反応の蛍光標識抗体をプレート上から取り除いた。このプレートの反応部位に紫外線を照射したところ、蛍光標識による実施例1と同程度の蛍光が確認された。
【0089】
上記の結果から、花粉の殻や砂塵を含むサンプル液中から、アレルゲンタンパク質等の可溶物質のみが分離されたことが確認できた。
【0090】
以上の実験を複数回行ったが、いずれの場合もフィルタの目詰まりは見られず、花粉の殻等が測定液に混入することなく、花粉のアレルゲンタンパク質が測定液に効率よく分離が行われていることが確認された。
【0091】
(実施例3)
実施例3では、測定液に花粉のアレルゲンタンパク質にほぼ等しいpH9.0のリン酸緩衝液を用い、サンプル液と測定液の間にpH差を設けたこと以外は、上記実施例1と同様にして実験を行った。
【0092】
アレルゲンタンパク質と不溶物質粒子である花粉の殻等を含むpH7.5のサンプル液を一定量サンプル液導入部41に導入した。また、測定液にはpH9.0のリン酸緩衝液を測定液導入部42に導入した。
【0093】
5分経過後、測定液導出部45の溶液を採取し、スギ花粉のアレルゲンタンパク質に対する抗体を固定化したプレート上に加え、30分反応させた(抗原抗体反応)。洗浄後、このプレート上にさらに蛍光標識の付いた抗体を加え30分反応させた後(サンドイッチ法)、洗浄し未反応の蛍光標識抗体をプレート上から取り除いた。このプレート上の反応部位に紫外線を照射したところ、実施例1、2よりも高い強度の蛍光が確認された。
【0094】
以上の実験を繰り返し行ったが、いずれの場合も実施例1、2よりも高い蛍光強度が確認され、サンプル液と測定液とにpH差を設け、且つ測定液のpH値をアレルゲンタンパク質の等電点に近い値にすると、効率よく花粉のアレルゲンタンパク質の分離ができることが示された。
【0095】
この結果は次のように考えられる。pH差を設けることによって、サンプル液と測定液との界面での分散性が高まる。
また、一般に、等電点付近ではタンパク質の安定性は最も高いが、タンパク質の溶解度は最も低い。しかし、測定液中に分離されるアレルゲンタンパク質の濃度が低いため、溶解度が低いというデメリットよりも安定性が高いというメリットの方がはるかに上回る。
これらの相乗効果によって効率よくアレルゲンタンパク質を分離することができる。
【0096】
(実施例4)
実施の形態4に対応する実施例4に係るアレルゲンタンパク質検出装置を作製し、アレルゲンタンパク質の検出を行った。
【0097】
まず、イソプロピルアルコールで超音波洗浄した52mm角のガラス基板上に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、その後、フッ化水素及びフッ化アンモニウム水溶液によるウェットエッチングにより、抽出部51、測定液貯蔵部52、分離部53、サンプル液導出部54、測定部55、試薬導入部56、廃液部58及びそれらを連結する流路57a、57b、57c、57d、57e、57fを形成した。この分離部53は、上記実施例1と同様にして作製した。
【0098】
抽出部51、測定液貯蔵部52、サンプル液導出部54、測定部55、試薬導入部56、廃液部58は、直径3mmの円で、深さは100μmである。流路57a、57cは、幅150μm、長さ5mm、流路57b、57d、57e、57fは、幅100μm、長さ5mmであり、いずれも深さは100μmである。また、流路57a、流路57e、流路57fにバルブ(図示せず)を設けた。バルブの形成方法は、上記実施例2と同様である。また、抽出部51、測定液貯蔵部52、サンプル液導出部54、試薬導入部56、廃液部58に対応した位置に貫通孔を設けた別の基板で蓋をした。
【0099】
実施例4においても、花粉としてスギ花粉を用いた。アレルゲンタンパク質の抽出液としてpH7.5の弱アルカリ性炭酸水素アンモニウム溶液を用い、抽出部51に導入した。また、測定液にはpH9.0のリン酸緩衝液を用い測定液貯蔵部52に導入した。
【0100】
流路57a、流路57e、流路57fのバルブを閉めた後、抽出液で満たされた抽出部51にスギ花粉を導入した。15分経過後、流路57aのバルブを開放し、分離部53で不溶物質粒子である花粉の殻等と可溶物質粒子である花粉のアレルゲンタンパク質の分離を行った。分離部53で測定液中に取り込まれた花粉のアレルゲンタンパク質は、予め花粉のアレルゲンタンパク質に対する抗体を固定化しブロッキング処理を施した測定部55に送液した。
【0101】
測定部55に花粉のアレルゲンタンパク質を含む緩衝液が送液され30分経過した後、流路57eのバルブを開放し、試薬導入部56から蛍光標識の付いた抗体を測定部55に導入した。30分経過後、流路57fのバルブを開放し未反応の蛍光標識抗体を緩衝液により洗浄した。
【0102】
次に、測定部55に紫外線を照射したところ、上記実施例3と同程度の強度の蛍光標識による蛍光が確認され、花粉のアレルゲンタンパク質が抽出部51で抽出され分離部53で緩衝液中に取り込まれ測定部55に至り、抗体と反応し、検出されたことが確認された。
【0103】
また、チップ基板上の顕微鏡観察を行ったところ、サンプル液導出部54に花粉の殻等の存在が確認されたが、分離部53、測定部55には花粉の殻等は存在せず、抽出部51で花粉から花粉のアレルゲンタンパク質が抽出され、分離部53において、花粉の殻等と花粉のアレルゲンタンパク質の分離が行われたことが確認された。また、分離部53において花粉の殻等による詰まりが起こらないことが確認された。
【0104】
以上の実験を繰り返し行ったが、いずれの場合も分離部53を含めてチップ基板の詰まりは認められなかった。この結果から、流路に対して平行にフィルタを設けることを特徴とする分離部をチップ基板上に設けることにより、目的とするタンパク質の検出が、マクロ系での前処理なしにチップ上で自動的に行うことができる。
【0105】
また、検出感度が優れていたのは、上記実施例3と同様の理由によるものと考えられる。
【0106】
なお、実施の形態においては、スギ花粉のアレルゲンタンパク質の検出を例として行ったが、ヒノキ、ブタクサ等の花粉類や、ダニ等のアレルゲンタンパク質を、検出部の抗体の種類を変化させることによって検出することができる。
【0107】
また、不溶物質粒子を測定する場合には、公知の光散乱法等によって、粒子を検出することができる。
【0108】
また、上記実施の形態では2つの流路を有する分離装置を用いたが、例えば3つの流路を有し、特定のサイズより大きい粒子を除く第一分離部と、例えば半透膜等を用いてタンパク質粒子とタンパク質よりも粒子サイズが小さい粒子を分離する第二分離部とを備える構成を採用して、測定部にタンパク質以外の可溶物質が入り込まないようにして、さらに検出感度を高める構成としてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では水溶性の化合物の分離について説明したが、その他の有機溶媒中の可溶物質粒子を分離する方法、装置にも適用することができる。
【0110】
【発明の効果】
本発明によると、サンプル液と測定液を送液する流路に対してフィルタを平行に配置したため、分離を行った場合にフィルタが目詰まりすることがない。よって、本発明に係る分離装置はフィルタの交換なしに連続して使用できる。
【0111】
また、本発明によると、サンプル液と測定液を流路に対して平行に設けられたフィルタに沿って送液することにより、花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子の分離が可能となる。したがって、従来の遠心分離等の煩雑な操作による花粉の殻、砂塵等の不溶物質粒子と花粉のアレルゲンタンパク質等の可溶物質粒子を分離するマクロ系での前処理を必要とせず、チップ上で送液を行うだけで自動的に分離が可能となる。この結果、検出感度(S/N比)に優れたアレルゲンタンパク質の検出がチップ上で自動的に行うことができる。
【0112】
その他の効果は、上記実施の形態において記載したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実子の形態1に係る分離装置の平面概略図である。
【図2】図2(a)は、実施の形態2に係る分離装置の基板15aを示す図であり、図2(b)は、実施の形態2に係る分離装置の基板15bを示す図であり、図2(c)は、実施の形態2に係る分離装置の基板15cを示す図であり、図2(d)は実施の形態2に係る分離装置の断面概略図である。
【図3】図3(a)は、実施の形態3に係る分離装置の基板25aを示す図であり、図3(b)は、実施の形態3に係る分離装置の基板25bを示す図であり、図3(c)は実施の形態3に係る分離装置の平面概略図であり、図3(d)は、図3(c)のX−X’断面の矢視線概略断面透視図であり、図3(e)は、図3(c)のY−Y’断面の矢視線概略断面図である。
【図4】実施例1に係る分離装置の平面概略図。
【図5】実施の形態4に係るアレルゲン検出装置の平面概略図。
【符号の説明】
1、16、26、41 サンプル液導入部
2、17、27、42 測定液導入部
3、18、18a、18b、18c、28、28a、28b、43、53 分離部
4、19、29、44、54 サンプル液導出部
5、20、30、45 測定液導出部
11、13、24a、24c、34a、34c 導入口
12、14、24b、24d、34b、34d 導出口
6、21、31、46 フィルタ
51 抽出部
52 測定液貯蔵部
55 測定部
56 試薬導入部
58 廃液部
7a、7b、7c、8a、8b、8c、22a、22b、23a、23b、32a、32b、33a、33b、47a、47b、47c、48a、48b、48c、57a、57b、57c、57d、57e、57f 流路
10、15a、15b、15c、25a、25b、40、50 基板
49a、49b フィルタの延長線

Claims (15)

  1. 複数種の粒子を含むサンプル液と、測定液とを、特定のサイズよりも大きい粒子を通過させないフィルタを介して互いにフィルタに対し平行に流して、特定のサイズ以下の粒子をサンプル液から測定液中に分離することを特徴とする粒子の分離方法。
  2. 前記サンプル液または前記測定液の少なくとも一方を循環して流すことを特徴とする請求項1記載の粒子の分離方法。
  3. 前記サンプル液と前記測定液とのpH値が異なり、
    前記サンプル液は、不溶物質粒子と可溶物質粒子とを含む、
    ことを特徴とする請求項1記載の粒子の分離方法。
  4. 前記測定液のpH値が、前記可溶物質粒子の等電点のpH値の±0.5の範囲内であることを特徴とする請求項3記載の分離方法。
  5. 分離開始時と分離終了後で前記サンプル液の流速を変化させることを特徴とする請求項1記載の粒子の分離方法。
  6. 分離開始時は停止または遅い第一流速で、分離終了後は前記第一流速よりも速い第二流速で前記サンプル液を流すことを特徴とする請求項5記載の粒子の分離方法。
  7. 一方の端部に導入口を、他方の端部に導出口を有するサンプル液流路と、
    前記サンプル液流路に略平行に設けられ、且つ一方の端部に導入口を、他方の端部に導出口を有する測定液流路と、
    前記両流路の間に略平行に設けられ、サンプル液中の特定のサイズ以下の粒子が通過し、サンプル液中の特定のサイズより大きい粒子の通過が阻止されるフィルタと、
    を備えることを特徴とする粒子の分離装置。
  8. 前記フィルタが前記両流路に沿った方向に設けられた複数の突起物の集合体であることを特徴とする請求項7記載の分離装置。
  9. 前記サンプル液には可溶物質粒子と不溶物質粒子とが含まれ、
    前記突起物の間隔が前記不溶物質粒子の大きさより小さいことを特徴とする請求項8記載の粒子の分離装置。
  10. 前記サンプル液流路及び測定液流路はそれぞれ両端に接続された導入部と導入口とを連結する流路と、導出部と導出口とを連結する流路とを有し、
    前記フィルタの延長線と、サンプル液導入部と導入口とを連結する流路とのなす角が、35〜55°の範囲内である、
    ことを特徴とする請求項7記載の粒子の分離装置。
  11. 前記フィルタの延長線と、測定液導入部と導入口とを連結する流路とのなす角が、35〜55°の範囲内である、
    ことを特徴とする請求項10記載の粒子の分離装置。
  12. 流路と、サンプル液中の特定のサイズ以下の粒子を測定液中に分離する分離部とを形成した2枚の基板を、前記基板の流路形成面を相対するように配置し、前記両基板間にフィルタを挟み込んだ構成であることを特徴とする請求項7記載の粒子の分離装置。
  13. 流路と、サンプル液中の特定のサイズ以下の粒子を測定液中に分離する分離部とを形成した2枚の基板を、前記基板の流路形成面を相対するように配置し、前記両基板間に、サンプル液中の特定のサイズ以下の粒子を測定液中に分離する分離部を形成した少なくとも一つの基板と、フィルタと、を挟み込んだ構成であることを特徴とする請求項7記載の粒子の分離装置。
  14. 流路を形成した少なくとも2枚の基板の少なくとも1つの流路形成面とフィルタの面が同一平面上にあることを特徴とする請求項11または12記載の粒子の分離装置。
  15. 請求項7の分離装置と、
    前記測定液流路から排出される測定液中のアレルゲン成分を検出・測定する測定部と、
    を備えることを特徴とするアレルゲン検出装置。
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