JP2005006905A - 脈波データの処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脈波検知センサから検知された人体の脈波データをハイパスフィルターでハイパス処理し、これを増幅したものをアナログ/デジタル変換するにあたり、脈波データがハイパスフィルター処理される際、ローカット部分が発生しないようにする。
【解決手段】脈波データをハイパスフィルター回路3で処理するハイパス処理をするにあたり、前記ハイパスフィルター回路3に、脈波データにロウカット部分が生じないよう必要な印加電圧を付与する電圧印加回路6を設けたもの。
【選択図】 図2
【解決手段】脈波データをハイパスフィルター回路3で処理するハイパス処理をするにあたり、前記ハイパスフィルター回路3に、脈波データにロウカット部分が生じないよう必要な印加電圧を付与する電圧印加回路6を設けたもの。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサによる脈波を計測するための装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、人間の体調を判定するにあたり、人体の脈波を検出し、該検出した脈波に基づいてストレス、眠気、そして疲労等の判定をし、これらによって体調判定をすることが提唱されている。ところで人体の脈波は、赤外線を発光する発光体と受光体とを用いて測定されるが、発光体は、例えば720nmに発光ピークの波長を有した赤外線を発光する短波長側のものと、800nmに発光ピークを有した赤外線を発光する長波長側のものが設定される。そして、血中のヘモグロビンは、酸素を担持したものと担持しないものとがあり、酸素を担持したヘモグロビンは長波長側の赤外線を反射し、酸素を担持しないヘモグロビンは短波長側の赤外線を反射する性質があり、このため、脈波検出センサは、酸素担持のヘモグロビンと、酸素非担持のヘモグロビンとをそれぞれ検出するように設定されている。
そしてこの脈波検出センサで検出された脈波データはアナログ信号として出力され、これをコンピュータを用いて解析するには増幅したものをデジタル変換(A/D変換)する必要がある。その場合、脈波データにおける振幅の中央値(振幅の1/2)を0値化するようオフセット補正をしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−113311号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のものでは、オフセット補正した脈波データを単電源ハイパスフィルターで処理すると脈波成分の下半分の部分(ロウカット部分)がカットされたものとなって解析に用いる脈波データとしては不足が生じるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、人体の脈波データを検出する脈波検出手段と、該脈波データをハイパスフィルターで処理するハイパス処理手段と、該ハイパス処理された脈波データを増幅して制御部に出力する増幅手段とを備え、該増幅した脈波データをアナログ/デジタル変換するにあたり、前記ハイパス処理手段に、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与する印加電圧付与手段を設けたことを特徴とする脈波データの処理装置である。
そしてこのようにすることで、脈波データがハイパスフィルターで処理される場合に、ロウカット分が生じることがなく、脈波データ全体が増幅処理されたものが逝去部に入力することになって、脈波全体を用いての人体調整の判定ができることになる。
請求項2の発明は、請求項1において、印加電圧付与手段の印加電圧は、少なくとも予め設定した脈波データの最高振幅の1/2に相当する電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置である。
請求項3の発明は、請求項2において、印加電圧は、前記最高振幅の1/2に相当する電圧に補正電圧を加算した電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置であり、このようにすることで、脈波データにバラツキがあっても、ローカットをなくす補正ができる。
請求項4の発明は、請求項1、2または3において、増幅手段は、予め設定した脈波データの最小振幅から増幅率が決定されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置である。
請求項5の発明は、請求項4において、測定しようとする最高血圧と最低血圧との差をA、目標血圧測定精度の分解能をB、電源電圧をC、制御部でのアナログ/デジタル分解能をF、脈波データの最小振幅をLとしたときに、増幅倍率Yは、
Y=(A×C)/(B×F×L)
で算出されることを特徴とする脈波データの処理装置であり、このようにすることで、好ましい増幅倍率を簡単に算出できることになる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかにおいて、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与されたデータは、脈拍数計測をするため矩形波処理回路を介して矩形波処理されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は脈波検出センサであって、該脈波検出センサ1は、前述した発光体(発光素子、LED)1aと受光体(受光素子:フォトトランジスタ)1bとを備えて構成されたものであり、例えば指先、耳朶、指根等、人体の適宜位置の脈波データを測定できるようにしたものであるが、その構造の詳細については公知のものを採用できるので省略する。
【0007】
脈波検出センサ1の検出データは、マイクロコンピュータを用いて構成される制御部2に入力することになるが、このものでは、制御部2に脈波出力電圧として直接入力する回路2aと、後述するハイパスフィルター(HPF:ハイパス処理手段)3および増幅回路(増幅手段)4を経由して入力して脈波データの高いピーク値Vpと低いピーク値Vbとを計測すると共に、脈波の波形を解析する回路2bと、前記増幅回路3から後述の矩形波処理回路(矩形波処理手段)5を経由して入力して脈拍数を計測する回路2cとに分岐されることになるが、前記増幅回路5において、本発明では次のように設定して増幅している。
因みに、脈波検出センサ1によって検出される脈波データは、図4(P)に示す如く、大きなうねりがある信号に脈波データが載った形で測定され、この大きなうねりをハイパスフィルター3で除去し、これを増幅することになるが、前記ハイパスフィルター3に電圧印加回路6を接続してハイパスフィルター処理を受ける脈波データにロウカット部がないよう処理をすることで図4(Q)に示すような脈波データとなり、これが増幅されて図4(R)に示すように一つの波形に高い波と低い並の二段の波が生じることになるが、次に、この波形を得るため電圧印加回路6がどのようにして具体的な電圧印加をするかについて説明する。また、前記脈波検知センサ1は制御部2からの検知指令が発光素子切換え回路7を経由して入力し、必要な脈波検知をするようになっている。
【0008】
まず、社会生活を送る通常の人間の最高血圧と最低血圧との差は50mmHg(水銀柱ミリメートル)以上であり、そこで最高血圧と最低血圧の差の測定範囲をこれよりも大きく見て70mmHg(測定しようとする最高血圧と最低血圧との差値A)と設定する。さらに、目標血圧測定の精度を±5mmHg、そのときの要求分解能を0.5mmHg(目標血圧測定精度の分解能B)、電源電圧を5V(電源電圧C)、オペアンプからの出力範囲を1〜4V(ボルト:最小出力値D、最大出力値E)、制御部2でのアナログ/デジタル変換の分解能(デジタル分解能F)を1024(=210)とした場合、1Vに相当するデジタル値Gは205(=1024÷5×1=G=F÷C×D)、4Vに相当するデジタル値は819(=1024÷5×4=H=F÷C×E)となるから、その差の614(=819−205=I=H−G)のデジタル値を測定(測定デジタル値I)できれば事実上よいことになる。また、このときの分解能としては、最大出力値の4Vに相当する最大デジタル値(デジタル値の分解能J)となるから4.9(≒4000mV÷819=J=E÷H)mVとなる。
【0009】
この結果、前記0.5mmHgの目標分解能を得るためには、前記測定範囲である70mmHgを0.5mmHgで除した140電圧分に換算することができ、この140電圧分にデジタル値の分解能の4.9mVを乗した684mV(≒140×4.9)になればよいことになる。
一方、前記脈波検出センサ1を、ある被験者の指先、耳朶、指根に実際にあてて脈波データを検出したところ、指先での振幅は60mV(最大振幅K)、耳朶での振幅は30mV、指根での振幅は20mV(最小振幅L)となった。
脈波データを増幅する場合、前記検出された振幅のうちの最小振幅である20mVを684mVに増幅することで、最小振幅について前記0.5mmHgの分解能を得ることができ、そうすると、その増幅の倍率Yは、凡そ34倍(≒684÷20)となる。
つまり、増幅率(増幅倍率)をYとした場合に、増幅倍率Yは、一般式
で与えられる。
【0010】
一方、脈波データを単電源ハイパスフィルターで処理した場合に、ロウカット部分で除去されないよう脈波データに印加電圧を付与すればよいが、この印加電圧の大きさは、理論的には実測される最大振幅の半分でよいことになる。しかしながら実際には脈波データに多少のバラツキがあり、そこで補正分としてα(例えば最大振幅の5%)を加算電圧として設定する。つまり、ロウカット部分を除去しないため印加電圧を付与してオフセットするための印加電圧yは、一般式
で与えられる。そして前述した被験者の脈波データの最大振幅Kを60mV、αを0.05としてこれを前式に代入すると、
となる。
【0011】
このようにして脈波データの増幅倍率、印加電圧を算出することができ、これに基づいて前記被験者の脈波データについて実際に数値を入れてみると表6に示す表図のようになる。これによると、出力合計は指先で3162mV、耳朶で2142mV、指根で1802mVとなり、このような増幅および印加電圧を加算することで脈波データはロウカットされる部分のないものが制御部2に入力し、これがデジタル化されて表示され、これに基づいて脈波データの解析ができ、体調診断に使用できることになる。
そして制御部2では入力した図4(R)の脈波データをアナログ/デジタル変換したものが、図4(S)に示すような波形となって表示部2dで表示される。
【0012】
前記ハイパスフィルター3の回路としては、例えば図3に示すような回路があり、このものでは、1次、2次、3次、4次のハイパス処理を行う回路3a〜3dが設けられており、二次のハイパス処理回路3bから第一のコンパレータ3eに至る回路と第四のハイパス処理回路3dから第二のコンパレータ3fに至る回路に印加電圧を供給するようになっている。
また、前記矩形波処理回路5は、前記増幅された図4(R)に示される脈波データが入力することになるが、該矩形波処理回路5は、図5(P)に示すように前記入力する脈波データをコンパレータ5aに対し、遅延のない信号(a)とコンデンサにより遅延された信号(b)とをコンパレートし、図5(Q)に示すように遅延のない信号(a)が正となる間をハイ(H)の信号、負となる間をロウ(L)の信号となるよう矩形波を出力し、これを制御部2に出力するようになっており、このようにすることで脈波が大小二段の山となって観測される場合の誤計数をなくすように配慮されている。
【0013】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、検知された被験者の脈波データは、ハイパスフィルター回路でハイパス処理される場合に、ロウカット部分のない状態でのハイパス処理がなされた波形処理が実行され、これが電源電圧の範囲で最大限増幅されたものが制御部2に入力することになって、精度の高い脈波データを得ることができる。
【0014】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特に、具体的な数値については本発明を判り易くするため使用したもので、これに限定されるものではないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】脈波検知センサの概略図である。
【図2】脈波データの処理回路のブロック回路図である。
【図3】電圧印加回路を含むハイパスフィルター回路図である。
【図4】(P)(Q)(R)(S)は脈波データである。
【図5】(P)は矩形波処理回路、(Q)は矩形波処理の状態を示す説明図である。
【図6】被験者の脈波データを示す表図である。
【符号の説明】
1 脈波検知センサ
2 制御部
3 ハイパスフィルター回路
4 増幅回路
5 矩形波処理回路
6 電圧印加回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサによる脈波を計測するための装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、人間の体調を判定するにあたり、人体の脈波を検出し、該検出した脈波に基づいてストレス、眠気、そして疲労等の判定をし、これらによって体調判定をすることが提唱されている。ところで人体の脈波は、赤外線を発光する発光体と受光体とを用いて測定されるが、発光体は、例えば720nmに発光ピークの波長を有した赤外線を発光する短波長側のものと、800nmに発光ピークを有した赤外線を発光する長波長側のものが設定される。そして、血中のヘモグロビンは、酸素を担持したものと担持しないものとがあり、酸素を担持したヘモグロビンは長波長側の赤外線を反射し、酸素を担持しないヘモグロビンは短波長側の赤外線を反射する性質があり、このため、脈波検出センサは、酸素担持のヘモグロビンと、酸素非担持のヘモグロビンとをそれぞれ検出するように設定されている。
そしてこの脈波検出センサで検出された脈波データはアナログ信号として出力され、これをコンピュータを用いて解析するには増幅したものをデジタル変換(A/D変換)する必要がある。その場合、脈波データにおける振幅の中央値(振幅の1/2)を0値化するようオフセット補正をしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−113311号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のものでは、オフセット補正した脈波データを単電源ハイパスフィルターで処理すると脈波成分の下半分の部分(ロウカット部分)がカットされたものとなって解析に用いる脈波データとしては不足が生じるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、人体の脈波データを検出する脈波検出手段と、該脈波データをハイパスフィルターで処理するハイパス処理手段と、該ハイパス処理された脈波データを増幅して制御部に出力する増幅手段とを備え、該増幅した脈波データをアナログ/デジタル変換するにあたり、前記ハイパス処理手段に、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与する印加電圧付与手段を設けたことを特徴とする脈波データの処理装置である。
そしてこのようにすることで、脈波データがハイパスフィルターで処理される場合に、ロウカット分が生じることがなく、脈波データ全体が増幅処理されたものが逝去部に入力することになって、脈波全体を用いての人体調整の判定ができることになる。
請求項2の発明は、請求項1において、印加電圧付与手段の印加電圧は、少なくとも予め設定した脈波データの最高振幅の1/2に相当する電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置である。
請求項3の発明は、請求項2において、印加電圧は、前記最高振幅の1/2に相当する電圧に補正電圧を加算した電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置であり、このようにすることで、脈波データにバラツキがあっても、ローカットをなくす補正ができる。
請求項4の発明は、請求項1、2または3において、増幅手段は、予め設定した脈波データの最小振幅から増幅率が決定されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置である。
請求項5の発明は、請求項4において、測定しようとする最高血圧と最低血圧との差をA、目標血圧測定精度の分解能をB、電源電圧をC、制御部でのアナログ/デジタル分解能をF、脈波データの最小振幅をLとしたときに、増幅倍率Yは、
Y=(A×C)/(B×F×L)
で算出されることを特徴とする脈波データの処理装置であり、このようにすることで、好ましい増幅倍率を簡単に算出できることになる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかにおいて、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与されたデータは、脈拍数計測をするため矩形波処理回路を介して矩形波処理されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は脈波検出センサであって、該脈波検出センサ1は、前述した発光体(発光素子、LED)1aと受光体(受光素子:フォトトランジスタ)1bとを備えて構成されたものであり、例えば指先、耳朶、指根等、人体の適宜位置の脈波データを測定できるようにしたものであるが、その構造の詳細については公知のものを採用できるので省略する。
【0007】
脈波検出センサ1の検出データは、マイクロコンピュータを用いて構成される制御部2に入力することになるが、このものでは、制御部2に脈波出力電圧として直接入力する回路2aと、後述するハイパスフィルター(HPF:ハイパス処理手段)3および増幅回路(増幅手段)4を経由して入力して脈波データの高いピーク値Vpと低いピーク値Vbとを計測すると共に、脈波の波形を解析する回路2bと、前記増幅回路3から後述の矩形波処理回路(矩形波処理手段)5を経由して入力して脈拍数を計測する回路2cとに分岐されることになるが、前記増幅回路5において、本発明では次のように設定して増幅している。
因みに、脈波検出センサ1によって検出される脈波データは、図4(P)に示す如く、大きなうねりがある信号に脈波データが載った形で測定され、この大きなうねりをハイパスフィルター3で除去し、これを増幅することになるが、前記ハイパスフィルター3に電圧印加回路6を接続してハイパスフィルター処理を受ける脈波データにロウカット部がないよう処理をすることで図4(Q)に示すような脈波データとなり、これが増幅されて図4(R)に示すように一つの波形に高い波と低い並の二段の波が生じることになるが、次に、この波形を得るため電圧印加回路6がどのようにして具体的な電圧印加をするかについて説明する。また、前記脈波検知センサ1は制御部2からの検知指令が発光素子切換え回路7を経由して入力し、必要な脈波検知をするようになっている。
【0008】
まず、社会生活を送る通常の人間の最高血圧と最低血圧との差は50mmHg(水銀柱ミリメートル)以上であり、そこで最高血圧と最低血圧の差の測定範囲をこれよりも大きく見て70mmHg(測定しようとする最高血圧と最低血圧との差値A)と設定する。さらに、目標血圧測定の精度を±5mmHg、そのときの要求分解能を0.5mmHg(目標血圧測定精度の分解能B)、電源電圧を5V(電源電圧C)、オペアンプからの出力範囲を1〜4V(ボルト:最小出力値D、最大出力値E)、制御部2でのアナログ/デジタル変換の分解能(デジタル分解能F)を1024(=210)とした場合、1Vに相当するデジタル値Gは205(=1024÷5×1=G=F÷C×D)、4Vに相当するデジタル値は819(=1024÷5×4=H=F÷C×E)となるから、その差の614(=819−205=I=H−G)のデジタル値を測定(測定デジタル値I)できれば事実上よいことになる。また、このときの分解能としては、最大出力値の4Vに相当する最大デジタル値(デジタル値の分解能J)となるから4.9(≒4000mV÷819=J=E÷H)mVとなる。
【0009】
この結果、前記0.5mmHgの目標分解能を得るためには、前記測定範囲である70mmHgを0.5mmHgで除した140電圧分に換算することができ、この140電圧分にデジタル値の分解能の4.9mVを乗した684mV(≒140×4.9)になればよいことになる。
一方、前記脈波検出センサ1を、ある被験者の指先、耳朶、指根に実際にあてて脈波データを検出したところ、指先での振幅は60mV(最大振幅K)、耳朶での振幅は30mV、指根での振幅は20mV(最小振幅L)となった。
脈波データを増幅する場合、前記検出された振幅のうちの最小振幅である20mVを684mVに増幅することで、最小振幅について前記0.5mmHgの分解能を得ることができ、そうすると、その増幅の倍率Yは、凡そ34倍(≒684÷20)となる。
つまり、増幅率(増幅倍率)をYとした場合に、増幅倍率Yは、一般式
で与えられる。
【0010】
一方、脈波データを単電源ハイパスフィルターで処理した場合に、ロウカット部分で除去されないよう脈波データに印加電圧を付与すればよいが、この印加電圧の大きさは、理論的には実測される最大振幅の半分でよいことになる。しかしながら実際には脈波データに多少のバラツキがあり、そこで補正分としてα(例えば最大振幅の5%)を加算電圧として設定する。つまり、ロウカット部分を除去しないため印加電圧を付与してオフセットするための印加電圧yは、一般式
で与えられる。そして前述した被験者の脈波データの最大振幅Kを60mV、αを0.05としてこれを前式に代入すると、
となる。
【0011】
このようにして脈波データの増幅倍率、印加電圧を算出することができ、これに基づいて前記被験者の脈波データについて実際に数値を入れてみると表6に示す表図のようになる。これによると、出力合計は指先で3162mV、耳朶で2142mV、指根で1802mVとなり、このような増幅および印加電圧を加算することで脈波データはロウカットされる部分のないものが制御部2に入力し、これがデジタル化されて表示され、これに基づいて脈波データの解析ができ、体調診断に使用できることになる。
そして制御部2では入力した図4(R)の脈波データをアナログ/デジタル変換したものが、図4(S)に示すような波形となって表示部2dで表示される。
【0012】
前記ハイパスフィルター3の回路としては、例えば図3に示すような回路があり、このものでは、1次、2次、3次、4次のハイパス処理を行う回路3a〜3dが設けられており、二次のハイパス処理回路3bから第一のコンパレータ3eに至る回路と第四のハイパス処理回路3dから第二のコンパレータ3fに至る回路に印加電圧を供給するようになっている。
また、前記矩形波処理回路5は、前記増幅された図4(R)に示される脈波データが入力することになるが、該矩形波処理回路5は、図5(P)に示すように前記入力する脈波データをコンパレータ5aに対し、遅延のない信号(a)とコンデンサにより遅延された信号(b)とをコンパレートし、図5(Q)に示すように遅延のない信号(a)が正となる間をハイ(H)の信号、負となる間をロウ(L)の信号となるよう矩形波を出力し、これを制御部2に出力するようになっており、このようにすることで脈波が大小二段の山となって観測される場合の誤計数をなくすように配慮されている。
【0013】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、検知された被験者の脈波データは、ハイパスフィルター回路でハイパス処理される場合に、ロウカット部分のない状態でのハイパス処理がなされた波形処理が実行され、これが電源電圧の範囲で最大限増幅されたものが制御部2に入力することになって、精度の高い脈波データを得ることができる。
【0014】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特に、具体的な数値については本発明を判り易くするため使用したもので、これに限定されるものではないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】脈波検知センサの概略図である。
【図2】脈波データの処理回路のブロック回路図である。
【図3】電圧印加回路を含むハイパスフィルター回路図である。
【図4】(P)(Q)(R)(S)は脈波データである。
【図5】(P)は矩形波処理回路、(Q)は矩形波処理の状態を示す説明図である。
【図6】被験者の脈波データを示す表図である。
【符号の説明】
1 脈波検知センサ
2 制御部
3 ハイパスフィルター回路
4 増幅回路
5 矩形波処理回路
6 電圧印加回路
Claims (6)
- 人体の脈波データを検出する脈波検出手段と、
該脈波データをハイパスフィルターで処理するハイパス処理手段と、
該ハイパス処理された脈波データを増幅して制御部に出力する増幅手段とを備え、
該増幅した脈波データをアナログ/デジタル変換するにあたり、
前記ハイパス処理手段に、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与する印加電圧付与手段を設けたことを特徴とする脈波データの処理装置。 - 請求項1において、印加電圧付与手段の印加電圧は、少なくとも予め設定した脈波データの最高振幅の1/2に相当する電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置。
- 請求項2において、印加電圧は、前記最高振幅の1/2に相当する電圧に補正電圧を加算した電圧であることを特徴とする脈波データの処理装置。
- 請求項1、2または3において、増幅手段は、予め設定した脈波データの最小振幅から増幅率が決定されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置。
- 請求項4において、測定しようとする最高血圧と最低血圧との差をA、目標血圧測定精度の分解能をB、電源電圧をC、制御部でのアナログ/デジタル分解能をF、脈波データの最小振幅をLとしたときに、増幅倍率Yは、
Y=(A×C)/(B×F×L)
で算出されることを特徴とする脈波データの処理装置。 - 請求項1乃至5の何れかにおいて、脈波データにロウカット部分が生じないよう印加電圧を付与されたデータは、脈拍数計測をするため矩形波処理回路を介して矩形波処理されるものであることを特徴とする脈波データの処理装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7246360B2 (ja) | 2017-07-21 | 2023-03-27 | ナイキ イノベイト シーブイ | カスタム矯正具、および個人向けの履物 |
US11861673B2 (en) | 2017-01-06 | 2024-01-02 | Nike, Inc. | System, platform and method for personalized shopping using an automated shopping assistant |
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174615A patent/JP2005006905A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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