JP2005006364A - 回転電機のu字状セグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法 - Google Patents

回転電機のu字状セグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】U字状セグメントのコイルインピーダンスを低減し、電気絶縁性を改善可能な回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】U字状セグメント100の頭部先端部101を頭部斜行部102、103の展開方向へ所定角度だけ捻る。これにより、頭部側コイルエンドの電気抵抗及び漏れインダクタンスが減少し、電気絶縁性を従来より格段に改善することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のU字状セグメント順次接合型ステータコイルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータコアのスロットに挿通された多数のU字状セグメント導体を順次接合して形成されたU字状セグメント順次接合型ステータコイルが提案、生産されている。たとえば、本出願人が所有する特許文献1は、略U字形状を有する導体片であるU字状セグメントを順次接合して形成されたU字状セグメント順次接合型コイルの製造について開示している。このU字状セグメント順次接合型ステータコイルの製造は、U字状セグメントの一対の脚部を回転子の略磁極ピッチだけ互いに離れた一対のスロットに個別に挿通し、スロットから飛び出したU字状セグメントの両端部を周方向へ曲げ、各U字状セグメントの両脚部の先端を順次接合して形成されている。
【0003】
U字状セグメントは、製造完了状態において、略U字状(最終的には略V字状)の頭部と、この頭部の両端からコアの互いに異なる二つのスロットにコアの軸方向一側から個別に挿入、収容されている部分である一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からコアの軸方向他側へ飛び出して周方向へ延在する一対の飛び出し端部とに区分される。各飛び出し端部の先端部(端部先端部ともいう)は、一対づつ接合されて、多数のU字状セグメントにより一つの相コイルが構成される。
【0004】
したがって、各U字状セグメントの頭部はステータコイルの頭部側コイルエンドを構成し、各U字状セグメントの飛び出し端部はステータコイルの端部側コイルエンドを構成する。U字状セグメントの上記頭部は、略U字状の頭部先端部と、この頭部先端部の両端から周方向反対向きかつそれぞれ軸方向に延在する一対の頭部直線部(頭部斜行部ともいう)とからなる。これら頭部直線部はステータコアのスロット内に収容されたスロット導体部の各一端に連なる。U字状セグメントの上記飛び出し端部は、スロット導体部から周方向かつ軸方向に延在する端部直線部(端部斜行部ともいう)と、端部斜行部から軸方向に曲げられて互いに接合される端部先端部とからなる。
【0005】
このU字状セグメント順次接合型ステータコイルの従来の製造方法の一例について、以下に説明する。
【0006】
まず、略U字状のU字部と、このU字部の両端から互いに平行に延在する一対の直線部とをもつ展開前のU字状セグメントである未展開セグメントを製造する。次に、同軸相対回動可能な複数の回動リングを準備し、未展開セグメントの一対の直線部のうちスロット導体部となるべきスロット導体部予定部分を互いに異なる回動リングにより保持しつつ回動リングを所定角度相対回動することによりスロット導体部予定部分を周方向に変位させて頭部斜行部予定部分を周方向に展開して未展開セグメントを半展開セグメントとなす。
【0007】
次に、半展開セグメントの一対の直線部のうちスロット導体部予定部分と飛び出し端部予定部分とをステータコアのスロットに挿通した後、半展開セグメントの直線部のうちスロットから飛び出した部分である飛び出し端部を周方向に展開して半展開セグメントを展開済みのU字状セグメントに変形し、その後、径方向に隣接する一対の飛び出し端部の先端部分同士を接続する。
【0008】
上記従来の製造方法によれば、すべての未展開セグメントの頭部斜行部予定部分を一斉に必要な周方向ピッチだけ正確に展開(捻る)ことができる利点がある。
【0009】
その他、上記展開済みのU字状セグメントをプレス成形などにより個別に製作することも当然可能である。
【0010】
【特許文献1】特許第3118837号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のU字状セグメント順次接合型ステータコイルでは、以下に説明する問題があった。
【0012】
この問題を図21を参照して説明する。なお、この図は、不図示のステータコアに挿通された一本のU字状セグメントの頭部をステータコアの軸方向にみた展開図であり、紙面左右方向は周方向を示し、紙面上下方向は径方向を示している。100は頭部展開済みのU字状セグメント、101はその略U字状の頭部先端部、102、103はその頭部斜行部、104、105はそのスロット導体部である。U字状セグメント100の二本のスロット導体部104、105は、周方向に略1磁極ピッチ(電気角π)離れた二つのスロットの互いに異なる導体収容位置に収容される。この図では、スロット導体部104は径方向最内側(一番目)の導体収容位置に、スロット導体部105は径方向最外側(四番目)の導体収容位置に収容され、大曲セグメントとも呼ばれる。同様に、この図では示さないが、一対のスロット導体部が互いに略磁極ピッチ離れた二つのスロットの略二番目の導体収容位置と三番目の導体収容位置に収容される小曲セグメントも用いられる。この種のあるいはその他のセグメント構造自体はもはや公知となっているので、これ以上の説明は省略する。
【0013】
図21において、軸方向にみると、略U字状の頭部先端部101は径方向に延在し、頭部斜行部102、103は、周方向に延在することがわかる。これは主として、頭部斜行部102、103の展開に際して、略U字状の頭部先端部101を周方向両側から爪により挟持し、略U字状の頭部先端部101の周方向位置を保持することにより、頭部斜行部102、103のそれぞれの展開角度がばらつかないようにするためである。
【0014】
しかし、このように形成されたU字状セグメント100は、図21に示されるように、軸方向にみてクランク状に屈曲しているために、延長距離が長くなりその分だけ、頭部側コイルエンドの電気抵抗及び漏れインダクタンスが増大し、更に使用銅量が増大するという問題があった。そのうえ、略U字状の頭部先端部101と頭部斜行部102、103との境界部である肩部106、107において、セグメントの曲率半径が非常に小さくなるため、展開工程などにおいて絶縁樹脂被膜に大きなストレスが掛かり、この部分の電気絶縁性が低下する可能性が生じた。
【0015】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、U字状セグメントのコイルインピーダンスを低減し、電気絶縁性を改善可能な回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法を提供することをその目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、径方向へ順番に並んだ偶数個の導体収容位置を有するステータコアのスロットに収容され、順次接続されてM(Mは3以上の整数)相電機子コイルの相コイルの1ターンを構成する多数のU字状セグメントを有し、
前記U字状セグメントは、周方向に互いに所定ピッチ離れた一対の前記スロットの互いに異なる導体収容位置に個別に収容される一対のスロット導体部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの一端側へ突出して頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの他端側へ突出して端部側コイルエンドを構成する一対の飛び出し端部とを有し、前記頭部は、略U字状の頭部先端部と、前記頭部先端部の両端から周方向かつ軸方向へ延在して前記一対のスロット導体部に個別に連なる一対の頭部斜行部とからなり、前記飛び出し端部は、前記一対のスロットから周方向かつ軸方向へ延在する一対の端部斜行部と、前記端部斜行部の先端に形成されて異なる前記U字状セグメントの前記端部斜行部の先端に接合される端部先端部とからなる回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
前記略U字状の頭部先端部は、径方向を基準として所定の頭部先端部斜角だけ前記頭部斜行部の展開方向へ傾斜していることを特徴としている。
【0017】
このようにすれば、U字状セグメントの略U字状の頭部先端部は、周方向に倒れることにより斜めに配置されることになり、その延長距離が短縮されて頭部側コイルエンドの電気抵抗及び漏れインダクタンスが減少する。更に使用銅量を低減することができるとともに、略U字状の頭部先端部と頭部斜行部との境界部である肩部における曲率半径が大きくなって、展開工程などにおいて絶縁樹脂被膜に大きなストレスが掛かることがなく、この部分の電気絶縁性を従来より格段に改善することができる。
【0018】
上記頭部先端部斜角をθ(径方向は0度)、U字状セグメントの一対のスロット導体部間の径方向間隔(ここでいう径方向とはステータコアの径方向を言う)をD、略U字状の頭部先端部の周方向幅(ここでいう周方向とはステータコアの周方向を言う)をW、とする場合に、tanθ=W/Dとなる。θは4〜30度の範囲にすることが好適である。
【0019】
なお、略U字状の頭部先端部が頭部先端部斜角θだけ周方向へ倒れる分、頭部斜行部の周方向展開長さは短縮されて、頭部全体としての周方向展開長さは略1磁極ピッチとされるべきである。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法であって、前記U字状セグメントの前記略U字状の頭部先端部を前記ステータコアの周方向に前記頭部先端部斜角だけ傾斜させた後、前記頭部斜行部予定部分と前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを含む前記U字状セグメントの一対の脚部のうち前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを前記スロットに挿通し、前記スロット導体部予定部分を前記スロットに収容して前記スロット導体部となし、前記飛び出し端部予定部分を前記スロットから飛び出させて前記飛び出し端部となすことを特徴としている。このようにすれば、少なくともU字状セグメントをステータコアのスロットに挿通する以前に略U字状の頭部先端部を周方向へ頭部先端部斜角だけ倒すため、製造工程を簡素化することができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法において更に、略U字状のU字部と、前記U字部の両端から互いに平行に延在する一対の直線部とをもつ展開前のU字状セグメントである未展開セグメントを製造する未展開セグメント製造工程と、同軸相対回動可能な複数の回動リングを準備し、前記未展開セグメントの前記一対の直線部のうち前記スロット導体部となるべきスロット導体部予定部分を互いに異なる前記回動リングにより保持しつつ前記回動リングを所定角度相対回動することにより前記スロット導体部予定部分を周方向に変位させて前記頭部斜行部予定部分を周方向に展開して前記未展開セグメントを半展開セグメントとなす頭部展開工程と、前記半展開セグメントの前記一対の直線部のうち前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを前記ステータコアの前記スロットに挿通した後、前記半展開セグメントの前記直線部のうち前記スロットから飛び出した部分である飛び出し端部を周方向に展開して前記半展開セグメントを展開済みのU字状セグメントに変形し、その後、径方向に隣接する一対の前記飛び出し端部の先端部分同士を接続する飛び出し端部展開接続工程と、前記頭部展開工程の前、又は、前記頭部展開工程と同時に、前記頭部先端部を前記頭部先端部斜角だけ予捻りする頭部先端部予捻り工程とを実施することを特徴としている。
【0022】
このようにすれば、優れたU字状セグメント製造技術である相対回動リングを用いた従来のU字状セグメントの頭部斜行部の一斉展開技術を採用することができるので、製造工程の複雑化を抑止しつつ、上記作用効果を奏することができる。また、頭部斜行部の周方向捻り量(展開量)を減らすことができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法において更に、前記頭部先端部予捻り工程を前記頭部展開工程の開始前に完了することを特徴とする。このようにすれば、頭部斜行部の捻りよりも大きな力を必要とする略U字状の頭部先端部の捻りを頭部斜行部の捻りとは独立に実施することができるので、略U字状の頭部先端部の捻りを頭部斜行部の捻り(展開)とともに実施するのに比較して作業が容易となる。
【0024】
(他の態様)
頭部先端部に捻りを与える具体的な製造方法としては、たとえば以下の実施例に記載するように公知である種々の機械的捻り技術を採用することができる。頭部先端部の捻り(すなわち、上記でいう予捻り工程)は、頭部斜行部の捻り(すなわち、上記でいう頭部展開工程)とともに実施してもよく、この場合には、同一の捻り装置を用いることもできるため、製造作業が簡素となる。予捻り工程と頭部展開工程とは同時になされてもよく、あるいは、予捻り工程を完了した後、頭部展開工程を実施してもよく、さらには頭部展開工程を完了した後、予捻り工程を実施してもよい。予捻り工程はプレス成形技術などによりセグメントごとに頭部展開工程前に実施してもよく、公知の頭部展開工程用の相対回動リングを用いて行ってもよく、あるいはこの頭部展開工程用の相対回動リング装置と一体あるいは別体の予捻り工程専用の捻り装置を用いて一斉に実施してもよい。また、略U字状の頭部先端部の捻りに際して、頭部斜行部を保持して略U字状の頭部先端部を捻ってもよく、その他、略U字状の頭部先端部の中心部分を固定して一対の頭部斜行部の先端を互いに逆方向へ展開してもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のU字状セグメント順次接合型ステータコイルを有する高電圧車両用回転電機の例を図に示す各実施形態に基づいて説明する。図1は車両の走行動力発生用の走行モータとして使用されるこの回転電機の軸方向断面図である。ただし、ステータコイルのコイルエンド部分は模式図示されている。図2はステータコイルの一部をなすU字状セグメントの斜視図、図3はスロット内におけるU字状セグメントの収容状態を示す部分断面図である。
(全体構成の説明)
図1において、走行モータは、ステータコア1、ロータ2、ステータコイル3、ハウジング4、回転軸7を有している。ステータコア1は、ハウジング4の周壁内周面に固定され、ステータコイル3はステータコア1の各スロットに巻装されている。ロータ2は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたIPM型ロータであり、ステータコア1の径内側に配置されている。ステータコイル3は三相電機子巻線であって、外部の約300Vのバッテリから給電される三相インバータから給電されている。
【0026】
この走行モータは、二次電池車又は燃料電池車又はハイブリッド車の走行動力を発生する永久磁石型三相ブラシレスDCモータ(同期モータ)であるが、ロータ構造としては、公知の種々の形式に置換可能である。このような種々の形式の同期機自体は周知であるので説明を省略する。
(ステータコイル3の説明)
ステータコイル3は、図2に示す所定数のU字状セグメント(U字状セグメントセットとも言う)33をステータコア1の一側からステータコア1の各スロットに挿通し、スロットから各U字状セグメント33の飛び出し端部をステータコア1の他側に必要長さだけ突出させ、各U字状セグメント33の飛び出し端部を周方向に略電気角π/2だけそれぞれ捻り、各U字状セグメント33の飛び出し端部の先端部(接合部あるいは端部先端部)を所定の組み合わせで溶接して構成されている。U字状セグメント33は、溶接部分すなわち上記飛び出し端部の先端部(端部先端部)を除いて樹脂皮膜で被覆された長板U字形状を有している。この種のU字状セグメント順次接合型のステータコイル自体は、上述したようにもはや公知となっている。
【0027】
U字状セグメント33の詳細を更に詳しく説明する。
【0028】
一つのU字状セグメント33は、略V字状の頭部と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の飛び出し端部とをそれぞれ有する一つの大U字状セグメント331と一つの小U字状セグメント332とからなるセグメントセットである。ステータコイル3は、ステータコア1の一側に全体としてリング状に存在する第一のコイルエンド部(頭部側コイルエンド)311と、ステータコア1の他側に全体としてリング状に存在する第二のコイルエンド(端部側コイルエンド)部312と、スロット内に存在するスロット導体部とに区分される。つまり、図1において、頭部側コイルエンド311は各U字状セグメント33の上記頭部により構成され、端部側コイルエンド312は各U字状セグメント33の上記飛び出し端部により構成されている。
【0029】
図1において、4セットのU字状セグメントセット33が径方向へ順番に挿通されている。3301は最も径方向内側のU字状セグメントセット群S1の一つのU字状セグメントセット33の頭部、3302は径方向内側から数えて2番目のU字状セグメントセット群S2の一つのU字状セグメントセット33の頭部、3303は径方向内側から数えて3番目のU字状セグメントセット群S3の一つのU字状セグメントセット33の頭部、3302は最も径方向外側のU字状セグメントセット群S3の一つのU字状セグメントセット33の頭部であり、径方向へ順番に4個並んだ頭部は、前述した頭部側コイルエンド311を構成している。ただし、図1では、図示簡単化のために端部側コイルエンド312は2つのU字状セグメントセット群の径方向へ並んだ合計8本(4対)の飛び出し端部しか図示していない。
(U字状セグメント33の説明)
U字状セグメント33を図2を参照して説明する。
【0030】
U字状セグメント33は、大きい大U字状セグメント(大回りU字状セグメントあるいは大曲セグメントともいう)331と、小さい小U字状セグメント(小回りU字状セグメントあるいは小曲セグメントともいう)332とを有している。この大U字状セグメント331とこの大U字状セグメント331が囲む小U字状セグメント332とをU字状セグメントセット33と称する。
【0031】
大U字状セグメント331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部、331f、331gは飛び出し端部である。飛び出し端部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部331aを最内層のスロット導体部と称し、スロット導体部331bを最外層のスロット導体部と称する。
【0032】
小U字状セグメント332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは飛び出し端部である。飛び出し端部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部332aを中内層のスロット導体部と称し、スロット導体部332bを中外層のスロット導体部と称する。
【0033】
符号’は、図示しない大U字状セグメント又は小U字状セグメントの符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0034】
図2では、最内層のスロット導体部331aと中内層のスロット導体部332aが、ロータコア71の所定のスロットに収容される場合、同一のU字状セグメント331、332の最外層のスロット導体部331bと中外層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから略所定奇数磁極ピッチT(たとえば1磁極ピッチ(電気角度π))離れたスロットに収容される。小U字状セグメント332の頭部332cは大U字状セグメント331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
(スロット内のU字状セグメントセット配置)
スロットのU字状セグメントセットの配置状態を図3に示す。
【0035】
35はスロットである。スロット35には径方向へ16個の導体収容位置P1〜P16が設定され、各導体収容位置P1〜P16にはそれぞれ1個のスロット導体部が収容されている。各スロット35は、4セットのU字状セグメントセット群S1〜S4が径方向へ順番に収容し、導体収容位置P1〜P4はU字状セグメントセット群S1を、導体収容位置P4〜P8はU字状セグメントセット群S2を、導体収容位置P9〜P12はU字状セグメントセット群S3を、導体収容位置P13〜P16はU字状セグメントセット群S4を収容している。各U字状セグメントセット群S1〜S4はそれぞれ周方向へ配列された多数のU字状セグメント33からなる。
【0036】
この最も内側のU字状セグメントセット群S1を一例として詳しく説明すると、最内層のスロット導体部331aはステータコア32のスロット35の径方向最内側に配置され、以下、径方向外側へ順に、中内層のスロット導体部332a、中外層のスロット導体部332b’、最外層のスロット導体部331b’の順に配置され、結局、各スロット35は4本のスロット導体部を4層1列に収容する。図3において、スロット導体部332b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大U字状セグメント331、小U字状セグメント332とは異なる大U字状セグメント331、小U字状セグメント332に属している。他のU字状セグメントセットS2〜S4も上記と同様の配置、構成を持つことは言うまでもない。大U字状セグメント331と小U字状セグメント332とからなるU字状セグメント(U字状セグメントセット)33をスロット35に挿通する状態を図4に示す。
(三相ステータコイルの構成の説明)
径方向に4セット配列されたU字状セグメントセット群S1〜S4による三相ステータコイルの接続を図5を参照して以下に説明する。図5はU相の相コイルを示す。
【0037】
1磁極ピッチ当たり9スロット(同相3スロット、3相)、極数12、スロット数108とされる。隣接3スロットは、同相の相電圧が印加される同相スロット群を構成している。1スロットには上記したように16個の導体収容位置P1〜P16が径方向に形成され、各導体収容位置には1つのスロット導体部が収容される。
【0038】
各スロットの径方向最内側から数えて1〜4番目の4つの導体収容位置P1〜P4に収容されるU字状セグメントセット群S1は、波巻きなどにより接続されて第1の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図5に示すU11、U21、U31はこの第1の部分相コイルである。部分相コイルU11、U12、U13は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0039】
各スロットの径方向最内側から数えて5〜8番目の4つの導体収容位置P5〜P8に収容されるU字状セグメントセット群S2は、波巻きなどにより接続されて第2の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図5に示すU12、U22、U32はこの第2の部分相コイルである。部分相コイルU12、U22、U32は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0040】
各スロットの径方向最内側から数えて9〜12番目の4つの導体収容位置P9〜P12に収容されるU字状セグメントセット群S3は、波巻きなどにより接続されて第3の部分相コイルを各相当たり3個形成する。図5に示すU13、U23、U33はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU13、U23、U33は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0041】
各スロットの径方向最内側から数えて13〜16番目の4つの導体収容位置P13〜P16に収容されるU字状セグメントセット群S4は、波巻きなどにより接続されて第4部分相コイルを各相当たり3個形成する。図5に示すU14、U24、U34はこの第3の部分相コイルである。部分相コイルU14、U24、U34は、隣接する同相スロット群を構成する3つスロットのうち互いに異なるスロットに収容される。
【0042】
また、部分相コイルU11、U12、U13、U14は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最初のスロットに収容され、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて中央のスロットに収容され、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、同相スロット群をなす隣接3スロットのうちの周方向一方側から数えて最後のスロットに収容される。
【0043】
部分相コイルU11、U12、U13、U14は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U1を形成し、部分相コイルU21、U22、U23、U24は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U2を形成し、部分相コイルU31、U32、U33、U34は、隣接する部分相コイル同士が順番に接続されて直列相コイル回路U3を形成する。これらの径方向に隣接する部分相コイル同士の接続は、従来より公知であるように径方向に隣接する2つの部分相コイルの空きの導体収容位置の一つ同士に異形のU字状U字状セグメントを挿入して接続される。
【0044】
たとえば、部分相コイルU12は、通常のU字状セグメント(好ましくは大回りU字状セグメント)を一つ抜くことによりできた一対の空きの導体収容位置の一つと、同様に部分相コイルU13に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のU字状セグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0045】
また、部分相コイルU12の残りの一つの空きの導体収容位置と、同様に部分相コイルU11に形成された空きの導体収容位置の一つとにこの異形のU字状のU字状セグメントを挿入して、部分相コイルU12、U13を接続することができる。
【0046】
部分相コイルU11の残る一つの空きの導体収容位置には中性点用(引き出し端子用でも良い)の異形U字状セグメントが挿入され、同様に、部分相コイルU14の残る一つの空きの導体収容位置には引き出し端子用(中性点用でも良い)の異形U字状セグメントが挿入される。直列相コイル回路U1、U2、U3は、両端同士が接続されて並列接続され、U相の相コイルを形成する。
【0047】
以下、通常のU字状セグメント順次接合ステータコイルの標準製造プロセスをまず最初に説明し、その後、この実施例特有の製造工程を説明する。
(標準の頭部捻り工程(頭部展開工程))
まず、必要本数の小U字状セグメント332と大U字状セグメント331との展開前の形状をもつ2種類の松葉状U字状セグメント(未展開セグメント)を準備する。これらの松葉状U字状セグメントの両脚部は、互いに略隣接して直線状に延在しており、その頭部は鋭く屈曲している。次に、松葉状U字状セグメントをU字状セグメントに加工してU字状セグメントの一対のスロット導体部を周方向へ互いに略磁極ピッチ離れさせるともに必要数のU字状セグメントをステータコアの各スロットに同時挿通できるようにそれらを空間配置(周方向へ整列)させる工程が次のように行われる。
【0048】
この頭部捻り工程を図6、図7を参照して以下に説明する。
【0049】
この頭部捻り工程におけるU字状セグメントの回動リング挿入前の状態を図6に示す。図6において、10は頭部捻り装置、11は小リング、12は大リングであり、両リング11、12は相対回転可能に同軸配置されている。大リング11にはそれぞれ径方向へ並んだ一対の孔121、122が周方向所定ピッチで設けられ、小リング12には孔121、122と周方向等ピッチで径方向へ並んだ一対の孔111、112が設けられている。各孔は有底の凹部すなわち穴であってもよい。孔111〜114は径方向へ一列に並んでいる。大回りU字状セグメント(大U字状セグメント)331の両スロット導体部を、最も内側の孔111と最も外側の孔122に挿入し、小回りU字状セグメント(小U字状セグメント)332の両スロット導体部は、最も内側の孔111の外側の孔112と、最も外側の孔122の内側の孔121とに挿入する。
【0050】
図7は、すべての大U字状セグメント331とすべての小U字状セグメント332とを小リング11と大リング12との孔111、112、121、122に嵌挿した状態を示す。図7において、16は小リング11と大リング12の軸方向上方に配置された頭部押さえプレートである。頭部押さえプレート16の下端面には、同一周方向位置の大U字状セグメント331の頭部の頂部と小U字状セグメント332の頭部の頂部とのペアを、周方向両側から挟む一対の爪部(一つのみ図示)160を有している。すなわち、各U字状セグメント33を孔111、112、121、122に挿入した後、押さえプレート16が降下して、各対の爪部160が、周方向同位置の大U字状セグメント331の頭部の頂部と小U字状セグメント332の頭部の頂部とを周方向両側から挟む。
【0051】
なお、爪部160のセグメントに接する面は、径方向及び軸方向に延在しており、爪部160の径方向幅は、小U字状セグメント332の2つのスロット導体部間の間隔よりも小さく形成されている。したがって、爪部160は、頭部押さえプレート16の下面から軸方向下向きに突出する板状突起となっている。
【0052】
その後、大リング12及び小リング11とを、静止するこの頭部押さえプレート16に対して半磁極ピッチだけ互いに逆方向に回動する。これにより、すべてのU字状セグメント33の二本の脚部は周方向1磁極ピッチだけ周方向に展開される。リング11、12の回動時に、U字状セグメント33の頭部の頂部はリング11、12の回動とともにリング11、12にむけて軸方向下向き(リング11、12向き)に変位するので、頭部押さえプレート16をそれに合わせて軸方向に変位させる。17は、大U字状セグメント331、小U字状セグメント332が深く落下しないように規制する規制プレートである。規制プレート17を、径方向外側の2つの脚部が載置される外側規制プレートと、径方向内側の2つの脚部が載置される内側規制プレートとに分割し、この内側規制プレートをリング11に固定してリング11と一体に回動させ、この外側規制プレートをリング12に固定してリング12と一体に回動させてもよい。
【0053】
次に、頭部押さえプレート16により各U字状セグメント33を保持したまま、小リング11と大リング12とを各U字状セグメント33から離脱させる。
【0054】
このようにして頭部展開がなされた大U字状セグメント331を軸方向頭部側からみた場合の形状を図21に示す。これは既に従来のセグメント頭部形状として説明した通りである。
(標準の端部挿入工程)
次に、小回り状のU字状U字状セグメント332を上記両穴付きリングから抜き出して、図4に一部示すようにステータコア1のスロット35の中内層位置(径方向内側から数えて2番目の位置)及び中外層位置(径方向内側から数えて3番目の位置)に挿通し、大回り状のU字状U字状セグメント331を上記両穴付きリングから抜き出して、ステータコア1のスロット35の最内層位置(径方向内側から数えて1番目の位置)及び最外層位置(径方向内側から数えて4番目の位置)に挿通する。この時、上記頭部押さえプレート16で各U字状セグメントがばらけないように保持することにより、各U字状セグメントを一挙に各スロット35に挿通することができる。その後、この頭部押さえプレート16は取り外される。なお、同様にして他のセグメントセット33もステータコア1のスロット35の他の導体収容位置に挿通される。
【0055】
なお、上記した小回り状のU字状U字状セグメント332、大回り状のU字状U字状セグメント331のステータコアのスロット35へ挿通するまでの工程は上記に限られるものではなく、上記した他に種々採用することができる。
(標準の端部捻り工程)
上記のようにスロットに挿通されたU字状セグメント33の端部の捻り成形工程を以下に説明する。
【0056】
この実施例では、大U字状セグメント331の最外層スロット導体部331bに連なる端部331g(外層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、大U字状セグメント331の最内層スロット導体部331aに連なる端部331f(内層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。小U字状セグメント332の中内層のスロット導体部332aに連なる端部332f(内層側端部ともいう)は周方向一方側に捻られ、小U字状セグメント332の中外層のスロット導体部332bに連なる端部332g(外層側端部ともいう)は周方向他方側に捻られている。導体部331fと332fとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされ、導体部331gと332gとの周方向捻り量の合計は1磁極ピッチとされている。
【0057】
上記した大U字状セグメント331および小U字状セグメント332からなるU字状セグメントセットの捻り加工を図8、図9を参照して更に詳しく説明する。図8はステータコイル捻り装置5の模式縦断面図、図9は図8におけるAーA断面矢視図である。
【0058】
まず、ステータコイル捻り装置5の構成を説明する。
【0059】
ステータコイル捻り装置5は、ステータコア1の外周部を受けるワーク受け51、ステータコア32の径方向の動きを規制して保持するクランパ52、ステータコア32の浮き上がりを防止するワーク押さえ53、ステータコア32の一端から出たU字状セグメント33の飛び出し脚部を捻るための捻り整形部54、捻り整形部54を軸方向に駆動するための昇降用シャフト54a、捻り整形部54を周方向に回転駆動する回転駆動機構541a〜544a、昇降用シャフト54aを軸方向に移動するための昇降駆動機構54b、及び、回転駆動機構541a〜544aと昇降駆動機構54bとを制御するコントローラ55を備えている。
【0060】
捻り整形部54は、同心状に配置された4つの円筒状の捻り治具541〜544がそれらの先端面を揃えて配置されている。各捻り治具541〜544は回転駆動機構541a〜544aにより独立に回転可能とされ、かつ、昇降駆動機構54bにより昇降用シャフト54aを昇降することにより同時に昇降可能となっている。
【0061】
図9に示されているように、捻り治具541〜544の先端面には、挿入されたU字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gの各先端(接合部)を保持するU字状セグメント挿入部541b〜544bが穿設されている。このU字状セグメント挿入部541b〜544bは、ステータコア1のスロット35の総数に等しい数だけ各捻り治具541〜544の周方向に並べて形成されている。
【0062】
U字状セグメント挿入部541b〜544bは、図9に示すように、互いに径方向に隣接するU字状セグメント挿入部541b〜544b同士の連通を防止するための隔壁541c〜544c、542d、543dが設けられている。隔壁541c〜544c、542d、543dの厚みは、径方向外側から数えて1層目と2層目との間の隔壁541c、542cで形成される間隔d1及び3層目と4層目の間の隔壁543c、544cで形成される間隔d3よりも、2層目と3層目との間の隔壁542d、543dで形成される間隔d2の方が大きくなるように設定されている。
【0063】
次に、ステータコイル捻り装置5の作動を説明する。
【0064】
スロット35内にU字状セグメント33が配置されたステータコア32をワーク受け51にセットする。次に、ステータコア32の外周部をクランパ52に固定する。その後、ワーク押さえ53でステータコア32の上部及び大U字状セグメント331の頭部331cを押さえることにより、ステータコア32及びU字状セグメント33の上下方向の動きを規制する。
【0065】
U字状セグメント33が配置されたステータコア32をクランパ52及びワーク受け53により固定した後、昇降用シャフト54aによって捻り整形部54を上昇させ、各捻り治具541〜544に形成されたU字状セグメント挿入部541b〜544bにU字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを挿入する。
【0066】
U字状セグメント挿入部541b〜544bにはU字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gの先端すなわち後に接合部となる部分だけが挿入可能となっている。U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gはテーパ状に形成されているため、U字状セグメント挿入部541b〜544bにスムーズに挿入されることができる。
【0067】
U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを捻り整形部54のU字状セグメント挿入部541b〜544bに挿入した後、捻り整形部54は、回転駆動機構541a〜544aおよび昇降駆動機構54bにより回動され、昇降される。
【0068】
次に、捻り整形部54の回転について説明する。
【0069】
捻り治具541および治具543を時計回り方向に第一の角度だけ回転させ、捻り治具542および捻り治具544を反時計回り方向に第二の角度だけ回転させる。この時、第一の角度と第二の角度の大きさは等しくなくてもよく、両者の合計が必要なスロットピッチとなればよい。
【0070】
その後、U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうちスロット35の出口からU字状セグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分の長さを一定に保つように、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを制御しながら捻り整形部54を回転しながら上昇させる。この時、U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gは円弧状の軌跡を描くように回転しながら上昇することが好ましい。この円弧状の軌跡を描く捻りは、スプリングバックによるU字状セグメント33の変形を防止するため、半磁極ピッチ(T/2)に相当する角度を所定量超えた角度まで行われることが好ましい。
【0071】
その後、昇降駆動機構54bおよび回転駆動機構541a〜544aを上記前工程と逆向きの回転させ、下降させる。このようにして、U字状セグメント33の捻り行程を終了し、捻り整形部54を下降させて捻り治具541〜544のU字状セグメント挿入部541b〜544bからU字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gを取り外す。U字状セグメント33が外された捻り整形部54は回転駆動機構541a〜544aによって回転され、原位置に戻される。最後に、クランパ52及びワーク押さえ53が外され、U字状セグメント33に捻りが加えられたステータが取り出される。
【0072】
結局、この捻り工程は、まずU字状セグメント33の端部を周方向にのみ回転変位させてU字状セグメント33を周方向に倒し、続いてU字状セグメント33の端部を周方向並びに軸方向に変位させてU字状セグメント33を深く傾け、その後、所定の加工量を超えてU字状セグメント33の端部を周方向ならびに軸方向に変位させてU字状セグメント33を過剰に深く傾け、その後でU字状セグメント33の端部を所定の加工量まで戻すことにより行われる。
【0073】
捻り整形部54はステータコア32に対して周方向だけでなく軸方向にも相対移動する。そのため、U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gのうち、スロット35の出口からU字状セグメント挿入部541b〜544bの入口までの部分、すなわち、端部331f、331g、332f、332gからその端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eの長さを差し引いた長さを一定に保つように、U字状セグメント33の端部331f、331g、332f、332gが円弧状の軌跡を描くように捻じることができ、これにより、U字状セグメント33がU字状セグメント挿入部541b〜544bから抜け出るのを防止することができる。
【0074】
また、U字状セグメント33の端部先端(接合部)331d、331e、332d、332eのみが、U字状セグメント挿入部541b〜544bに挿入されており、また、前述と同様にU字状セグメント33がU字状セグメント挿入部541b〜544bから抜け出ることはない。
(標準の溶接工程)
次に行う標準の溶接工程を以下に説明する。この工程は本質的に従来と同じである。
【0075】
上記U字状セグメントの端部の捻りの後、図1、図2に示すように、径方向内側から1層目と2層目の端部先端部(接合部)が溶接され、径方向内側から3層目と4層目の端部先端部(接合部)が溶接されて、ステータコイル31が完成される。溶接には、アーク溶接が用いられる。
(頭部展開工程の更なる説明)
図10を参照して、頭部捻り工程(頭部展開工程)を更に説明する。この工程は、頭部コイルエンドをステータコアの径方向外側へ倒す工程を含むものである。
【0076】
1000は、図5、図6に示す頭部捻り装置と基本的に同一の頭部捻り加工を行う頭部捻り装置であり、基本的な動作は同じであるので、異なる点のみを以下に説明する。この実施態様では、頭部押さえプレート16の形状のみが図5、図6のものと異なっている。
【0077】
この実施例における頭部押さえプレート16は、大U字状セグメント331と小U字状セグメント332とからなるU字状セグメントセットの頭部が挿入されるリング状の溝部161をもつ。
【0078】
この溝部161は、図16に示す径方向断面において、切頭円錐面からなる内側テーパ面162をもち、溝部161の径方向外側には円筒状の周壁部163が形成されて、また、溝部161の底部(図13では上方)には前述したU字状セグメントセットの頭部を周方向に挟持するための爪部が、各頭部の両側に垂下している。
【0079】
この実施態様における頭部加工動作を以下に説明する。
【0080】
まず、予めU字状セグメントセットを図13に示すように、頭部コイルエンドとなる頭部予定部分1001とスロット導体部予定部分1002との境界位置で図13に示す形状にある程度、屈曲させた後、頭部予定部分1001が径方向外側へ向くように各U字状セグメントセットの頭部先端部を溝部161に挿入し、各爪部16の隙間に挿入する。スロット導体部予定部分1002はリング11、12に挿入されている。次に、図5、図6の装置の場合と同じく、リング11、12を逆方向に回動しつつ、頭部押さえプレート16を降下させる。
【0081】
この降下に際して、溝部161内のU字状セグメントセットの頭部が傾斜しているために、小U字状セグメント332の頭部が大U字状セグメント331の頭部の外側へはみ出そうとする。しかし、図11では、内側テーパ面162が大U字状セグメント331および小U字状セグメント332の頭部の径方向内側への倒れ込みを規制し、周壁部163が大U字状セグメント331および小U字状セグメント332の頭部の径方向外側への倒れ込みを規制するため、U字状セグメントセットの傾斜角度の確保と、大U字状セグメント331の頭部よりの小U字状セグメント332の頭部の径方向へのはみ出しを良好に抑止することができる。
【0082】
なお、この実施態様では、図13に示すように、展開前のU字状セグメントセットの頭部傾斜角は、軸方向を基準とした場合に、内側テーパ面162の傾斜角ほどには傾斜していないが、展開前のU字状セグメントセットの頭部傾斜角を軸方向を基準とした場合に内側テーパ面162の傾斜角とほぼ等しく設定し、図13の装置では頭部捻り(展開)加工だけを行うようにしてもよい。また、この内側テーパ面162を用いると、径方向へみた場合に、頭部予定部分1001がこの内側テーパ面162に沿いつつ捻られるので、できあがった頭部側コイルエンド311の頭部斜行部が形成されてステータコア1の内周面よりも径方向内側へ逸脱しないという効果も期待することができる。
(この実施例の特徴をなす頭部側コイルエンド311の形状の説明)
次に、この実施例の特徴をなす頭部側コイルエンド311の形状を図11を参照して以下に説明する。図11は、不図示のステータコアに挿通された一本の大U字状セグメント331に相当するU字状セグメント100を軸方向頭部側からみた場合の展開形状を示す。紙面左右方向は周方向を示し、紙面上下方向は径方向を示している。理解簡単化のために、図21に示すセグメントの符号と共通の符号を用いるものとする。100は頭部展開済みのU字状セグメント、101はその略U字状の頭部先端部、102、103はその頭部斜行部、104、105はそのスロット導体部である。U字状の頭部先端部101と略直線上の頭部斜行部102、103とは、既に説明したように、本発明で言うセグメントの頭部を構成している。U字状セグメント100の二本のスロット導体部104、105は、周方向に略1磁極ピッチ(電気角π)離れた二つのスロットの互いに異なる導体収容位置に収容される。図10では、スロット導体部104は径方向最内側(一番目)の導体収容位置に、スロット導体部105は径方向最外側(四番目)の導体収容位置に収容され、大曲セグメントとも呼ばれる。
【0083】
図11に示すU字状セグメント100の特徴は、頭部先端部101が、径方向を基準として所定の頭部先端部斜角θだけ頭部斜行部102、103の展開向きに傾斜している点である。当然、頭部先端部101のこの傾斜の分だけ頭部斜行部102、103の周方向展開量は低減されている。
【0084】
このようにすれば、略U字状の頭部先端部101と頭部斜行部102、103との境界部である肩部106、107において、セグメントの曲率半径を大きくすることができるために、この肩部106、107における絶縁樹脂被膜の引っ張りストレスや圧縮ストレスを低減することができ、その破損や電気絶縁性能の低下を減らすことができる。また、U字状セグメント100の頭部の総延長距離を短縮することができるので、頭部側コイルエンドの電気抵抗及び漏れインダクタンスを低減して、発熱低減、出力増大を実現することができる。また、頭部側コイルエンドの体積低下分だけ、頭部側コイルエンド内の冷却空気通路を拡大することができるので、頭部側コイルエンドの冷却を向上することができる。
【0085】
次に、U字状セグメント100の頭部先端部に傾斜(捻り)を与える種々の方法すなわち本発明で言う頭部先端部予捻り工程について以下に説明する。なお、この明細書でいう予捻りとは、頭部先端部を頭部斜行部より先に捻る(周方向に傾斜させる場合を含む)加工を言い、頭部先端部予捻り工程とはこの加工を言う。
(第一の方法)
第一の方法を図12、図13を参照して以下に説明する。
【0086】
この方法は、頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程前に実施する方法の一つであり、更に詳しくはこの予捻りを、頭部展開工程のための回動リングに挿入する前の未展開のU字状セグメントに行う方法の一つである。この方法では、U字状セグメント100の頭部先端部101をあらかじめプレス成形することにより(頭部先端部予捻り工程を予め実施することにより)、図12に示すように頭部先端部の予捻りを行い、頭部先端部斜角θを与えておく。
【0087】
このU字状セグメント100の頭部先端部101を一対の爪部160により周方向に挟持し、両スロット導体部104、105を既述した一対の回動リング(図示せず)により個別に保持し、これら回動リングを相対回動することにより(頭部展開工程を実施することにより)、両頭部斜行部102、103を周方向に必要量だけ展開すれば、図11に示す頭部先端部101が予捻りされたU字状セグメント100を得ることができる。
【0088】
したがって、この方法では、一対の爪部160は、予め傾斜した頭部先端部101を挟持することができるように図13に示すように径方向に対して傾斜している必要がある。なお、傾斜した頭部先端部101が一対の爪部160の間にはめこみ可能であれば、一対の爪部160の頭部先端部101に接する面1600は径方向に延在していてもよい。
【0089】
なお、ステータコアの各スロットはそれぞれ同一形状の頭部をもつU字状セグメント100を収容しているので、あるひとつのスロットに収容されるべきU字状セグメント100の頭部を上記のように傾斜させる場合、傾斜量が大きくなると、この一つのスロットに隣接するスロットに収容されるべきU字状セグメント100の頭部の傾斜により邪魔されるすなわち相互に干渉するという問題が発生する。頭部先端部101が傾斜したU字状セグメント100の頭部先端部101の可能傾斜量(頭部先端部斜角)は、傾斜後の頭部先端部101の周方向幅が1スロットピッチを超えないようにすることにより達成される。
(第二の方法)
第二の方法を図14、図15を参照して以下に説明する。この方法は、頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程と同時に実施する方法の一つである。
【0090】
この方法では、未展開時のU字状セグメント100の頭部先端部101は、図14に示すように従来同様に径方向(U字状セグメントがその後に挿入されるステータコアにおける径方向)に延在している。ただし、この頭部先端部101を周方向に挟持する一対の爪部160は、図7に示す頭部押さえプレート16の下面に自転自在に枢支されている。1602は爪部160の枢支軸心である。ただし、頭部押さえプレート16の下面には、爪部160のある角度(頭部先端部斜角)以上の自転を禁止するストッパ(図示せず)が設けられている。このようにすれば、図7に示す回動リング11,12を相対回動すると、爪部160は予めストッパにより規定される頭部先端部斜角までは連れ回りするため、既述の頭部展開工程により頭部先端部101に捻り(傾斜)を与えることができる。
(第三の方法)
第三の方法を図7、図8を参照して以下に説明する。この方法は、頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程の前に実施する方法の一つである。
【0091】
この方法では、まず最初に頭部先端部101に予捻り(傾斜)を与える頭部先端部予捻り工程を実施し、その後、頭部斜行部102、103を周方向に展開する頭部展開工程を実施する。
【0092】
まず、図7、図8の頭部展開装置において、未展開のU字状セグメント100(図7ではセグメント331、332)の頭部斜行部102、103となる部分(頭部斜行部予定部分)まで深く、回動リング11、12の孔111,112、121、122に差し込む。したがって、この状態では、頭部先端部101だけが回動リング11、12の上方へ突出していることになる。この状態にて、上記頭部先端部斜角だけ回動リング11、12を相対回動させる。その結果、頭部斜行部102、103となるべき部分が回動リング11、12に収容されているため、頭部先端部101が周方向に予捻りされて頭部先端部101に頭部先端部斜角が与えられ、頭部先端部予捻り工程が完了される。この時、爪部160は頭部先端部の頂部を保持していてもよく、あるいは保持していなくても良い。
【0093】
次に、U字状セグメント100(図7ではセグメント331、332)の頭部斜行部102、103となるべき部分を回動リング11、12から抜き出し、更に回動リング11、12を相対回動させる。これにより、U字状セグメント100(図7ではセグメント331、332)の頭部斜行部102、103となるべき部分が周方向に展開され、上記で言う頭部展開工程が完了する。
【0094】
(変形態様)
なお、この方法では、同一の装置を用いて頭部先端部101の予捻りと頭部斜行部102、103の展開とを行ったが、別の装置を用いて行っても良い。ただし、製造装置、作業の簡素化を考えると、同一装置を用いて行うのが最も好適である。
(第四の方法)
第四の方法を図16、図17を参照して以下に説明する。頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程と同時に実施する方法の一つであり、図7、図8に示す従来の頭部展開工程のみにて頭部先端部101に傾斜を与える(予捻りを行う)方法である。
【0095】
この方法では、爪部160の径方向幅は図7に示すように非常に狭くされる。爪部160の径方向幅は、頭部先端部101の径方向全長さの1/3以下とされ、頭部先端部101の頂部(径方向中心部)のみを保持するものとする。
【0096】
この条件にて既述した未展開セグメント100の頭部先端部101の中央部のみを図16により狭幅の爪部160により挟持しつつ、頭部展開工程を実施すると図17に示すように、頭部先端部101のうち、爪部160により挟持されない両端部分は回動リング11、12の相対回動により周方向に付勢されて傾斜する。これにより、頭部先端部101の両端部において周方向に傾斜するので、上記した効果を同様に奏することができる。
(第五の方法)
第五の方法を以下に説明する。この方法は、頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程の前に行う方法の一つであって、未展開セグメントの材料となる長い導体線の所定位置にて、この導体線を所定長さごとに切断して未展開U字状セグメント(松葉状セグメント)とする以前に、予め曲げ、将来、この曲げ部を頭部先端部とすることにより頭部先端部に予捻りを与えるものである。
【0097】
もしくは、非常に長い樹脂被覆導線である上記導体線(略長方形断面とすることが好適である)を処置長さごとに切断し、松葉状に曲げる加工を行う際に未展開のU字状セグメントの頭部先端部となる予定部分に予捻り加工を施すことができる。この曲げる前に樹脂被覆導線の将来において頭部先端部101となるべき部分を捻ること、あるいは、切断された直線状の導体線を未展開のU字状セグメントに曲げ加工する際に頭部先端部101となるべき部分を捻る(曲げる)ことは、比較的簡単に実施できるため好適である。当然、この場合には第一の方法において説明した方法にて頭部展開工程を行うことが望ましい。
(第六の方法)
第六の方法を図18〜図20を参照して説明する。この方法は、頭部先端部予捻り工程を頭部展開工程の前後か同時に実施する方法の一つである。
1 000は、大U字状セグメント331と小U字状セグメント332とからなるU字状セグメントセットであって、図18はその頭部先端部予捻り前の状態を示し、図19はその頭部先端部予捻り加工を示す図であり、図20は頭部先端部予捻り済みのU字状セグメントセット1000を示している。各図において、(a)はU字状セグメントセット1000をその頭部先端部側(この明細書では軸方向という)からみた模式図であり、(b)はU字状セグメントセット1000を(a)と直角(この明細書では周方向という)にみた模式図であり、(c)はU字状セグメントセット1000を(a)、(b)と直角(この明細書では径方向という)にみた模式図である。
【0098】
101は大U字状セグメント331の頭部先端部、102、103は大U字状セグメント331の頭部斜行部、101’は小U字状セグメント332の頭部先端部、102’、103’は小U字状セグメント332の頭部斜行部である。ただし、図18では、頭部先端部101、101’は未だ予捻りされて完成形となっておらず、正確には頭部先端部予定部分ともいうべきものであるが、呼称を簡略化するために頭部先端部と呼ぶ。同様に、頭部斜行部102、103、102’、103’は、周方向に展開されて完成形となっておらず、正確には頭部斜行部予定部分ともいうべきものであるが、呼称を簡略化するために頭部斜行部と呼ぶ。
【0099】
この方法では、頭部先端部101、101’を一括して一対の爪部160により周方向に挟持する。一対の爪部160により頭部先端部を周方向に挟持することは、爪部160を用いて頭部先端部予捻り工程を実施する他の方法と本質的に同じである。ただし、この方法では、U字状セグメントセット1000の頭部斜行部102、103、102’、103’を固定しておき、一対の爪部160を両者の中間点(頭部先端部の中央位置に相当する)を中心として図19に示すように自転させる。ただし、図19の(b)に示す爪部160とU字状セグメントセット1000との空間関係は高さつまり、頭部斜行部の長さ方向の関係を示すだけのものであり、実際には爪部160の一つはU字状セグメントセット1000の裏側(紙面裏側)に位置する。これにより、頭部先端部101、101’が頭部斜行部102、103、102’、103’に対して所定の傾斜角だけ捻る頭部先端部予捻り工程を実施することができる。上記爪部160の自転は、図19に示す天板部を回動させて行うことが簡単である。
【0100】
この実施例によれば、頭部先端部の予捻りと頭部斜行部の展開加工を同時的に行うことができるため、加工時間を短縮することができる。また、頭部先端部の予捻りを頭部斜行部の展開加工の前に行う場合には予捻りされた頭部がその後の上記展開加工にて更に捻られることになるため、頭部先端部の頂部から頭部斜行部の端部にいたる部分は「く」の字状に曲がることになるが、頭部斜行部の導体間の干渉や皮膜ダメージは頭部先端部を予捻りしない場合に比較して少なくなる。なお、予め捻ったU字状導体をスロット溝に挿入する場合、頭部先端部すなわち予捻り部分がコア周方向に拡大(展開、傾斜)するが、互いに周方向に隣接する各U字導体の頭部の捻りによる頭部の周方向幅は1スロットピッチ以内に収められて、互いに隣接する予捻り済みの頭部同士の相互干渉が抑止される。
【0101】
なお、上記方法では、一対の爪部160をそれぞれ自転させることにより各U字状セグメントセット1000の頭部先端部を個々に捻ったが、この場合、各U字状セグメントセット1000の頭部斜行部は、後で実施する頭部展開工程用の相対回動リングの孔に挿入して回動しないようにしたり、あるいは、同様の回動阻止機能をもつ治具により固定してその回動を禁止することが好ましい。
【0102】
その他、各U字状セグメントセット1000の頭部斜行部を頭部斜行部捻り(頭部展開)用の一対の相対回動リングに挿入保持した状態にて、各U字状セグメントセット1000の頭部先端部を個別に挟持する各爪部160を一斉に自転させてもよい。この一斉自転は、たとえば、図19に示す天板部に各爪部160をそれぞれ自転可能に保持し、各爪部160を自転させる回動板を設けるなどして行うことができる。
【0103】
(変形態様1)
いずれにせよ、金属部材の曲げ加工においては、金属部材の弾性に起因するスプリングバックは避けられない現象であり、このスプリングバックを加味してその分だけ余分に捻り又は展開を行うことは機械加工上当然である。ただし、銅は比較的塑性変形性に富むため、このようなスプリングバックは比較的小さい。その他、上記説明した以外の公知の曲げ加工技術を用いて頭部先端部101に傾斜を与えることも当然可能である。
【0104】
(変形態様2)
なお、上記説明した頭部先端部予捻り工程の各方法において、爪部は頭部先端部101を周方向に挟持したが、頭部先端部101を径方向に挟持してもよく、頭部先端部101の両肩部106、107をそれぞれ爪部により挟持し、これら爪部を回動することにより頭部先端部101に上記傾斜を与えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用走行モータの縦断面図である。
【図2】図1のU字状セグメントの模式斜視図である。
【図3】図1のステータコアの径方向部分断面図である。
【図4】U字状セグメントセットをスロットに挿通する直前の状態を示す模式斜視図である。
【図5】ステータコイルのU相結線図である。
【図6】U字状セグメントの頭部捻り装置のリングに挿通する状態を示す模式断面図である。
【図7】頭部捻り装置の模式縦断面図である。
【図8】端部捻り装置の模式縦断面図である。
【図9】端部捻り装置のリングの平面図である。
【図10】頭部捻り装置の模式断面図である。
【図11】本発明のU字状セグメントの形状を示す展開図である。
【図12】頭部先端部に傾斜を与える方法の例を説明するための展開前模式図である。
【図13】図12のセグメントの展開後模式図である。
【図14】頭部先端部に傾斜を与える方法の例を説明するための展開前模式図である。
【図15】図14のセグメントの展開後模式図である。
【図16】頭部先端部に傾斜を与える方法の例を説明するための展開前模式図である。
【図17】図16のセグメントの展開後模式図である。
【図18】U字状セグメントの頭部先端部を予捻りする方法の一つとして、頭部先端部を挟持する爪部を強制自転させる方法を示すための工程図であって、予捻り前のU字状セグメントの状態を示す模式図である。
【図19】U字状セグメントの頭部先端部を予捻りする方法の一つとして、頭部先端部を挟持する爪部を強制自転させる方法を示すための工程図であって、予捻り状態を示す模式図である。
【図20】U字状セグメントの頭部先端部を予捻りする方法の一つとして、頭部先端部を挟持する爪部を強制自転させる方法を示すための工程図であって、予捻り後のU字状セグメントの状態を示す模式図である。
【図21】従来のセグメントの頭部先端部形状を示す展開後模式図である。
【符号の説明】
1 ステータコア
3 ステータコイル
33 U字状セグメント(U字状セグメントセット)
331 大U字状セグメント(大回りU字状セグメント)
331a、331b 大U字状セグメント331のスロット導体部
331c 大U字状セグメント331の頭部
331f、331g 大U字状セグメント331の飛び出し端部(端部斜行部)
331d、331e 大U字状セグメント331の端部先端部
332 小U字状セグメント(小回りU字状セグメント)
332a、332b 小回りU字状セグメント332のスロット導体部
332c 小回りU字状セグメント332の頭部
332f、332g 小回りU字状セグメント332の飛び出し端部
332d、332e 小回りU字状セグメント332の端部先端部
35 スロット
100 U字状セグメント
101 頭部先端部
102、103 頭部斜行部
104、105 スロット導体部
106、107 肩部
160 爪部

Claims (4)

  1. 径方向へ順番に並んだ偶数個の導体収容位置を有するステータコアのスロットに収容され、順次接続されてM(Mは3以上の整数)相電機子コイルの相コイルの1ターンを構成する多数のU字状セグメントを有し、
    前記U字状セグメントは、周方向に互いに所定ピッチ離れた一対の前記スロットの互いに異なる導体収容位置に個別に収容される一対のスロット導体部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの一端側へ突出して頭部側コイルエンドを構成する頭部と、前記両スロット導体部から前記ステータコアの他端側へ突出して端部側コイルエンドを構成する一対の飛び出し端部とを有し、
    前記頭部は、略U字状の頭部先端部と、前記頭部先端部の両端から周方向かつ軸方向へ延在して前記一対のスロット導体部に個別に連なる一対の頭部斜行部とからなり、
    前記飛び出し端部は、前記一対のスロットから周方向かつ軸方向へ延在する一対の端部斜行部と、前記端部斜行部の先端に形成されて異なる前記U字状セグメントの前記端部斜行部の先端に接合される端部先端部とからなる回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
    前記略U字状の頭部先端部は、径方向を基準として所定の頭部先端部斜角だけ前記頭部斜行部の展開方向へ傾斜していることを特徴とする回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイル。
  2. 請求項1記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
    前記U字状セグメントの前記略U字状の頭部先端部を前記ステータコアの周方向に前記頭部先端部斜角だけ傾斜させた後、前記頭部斜行部予定部分と前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを含む前記U字状セグメントの一対の脚部のうち前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを前記スロットに挿通し、前記スロット導体部予定部分を前記スロットに収容して前記スロット導体部となし、前記飛び出し端部予定部分を前記スロットから飛び出させて前記飛び出し端部となすことを特徴とする回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法。
  3. 請求項2記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
    略U字状のU字部と、前記U字部の両端から互いに平行に延在する一対の直線部とをもつ展開前のU字状セグメントである未展開セグメントを製造する未展開セグメント製造工程と、
    同軸相対回動可能な複数の回動リングを準備し、前記未展開セグメントの前記一対の直線部のうち前記スロット導体部となるべきスロット導体部予定部分を互いに異なる前記回動リングにより保持しつつ前記回動リングを所定角度相対回動することにより前記スロット導体部予定部分を周方向に変位させて前記頭部斜行部予定部分を周方向に展開して前記未展開セグメントを半展開セグメントとなす頭部展開工程と、
    前記半展開セグメントの前記一対の直線部のうち前記スロット導体部予定部分と前記飛び出し端部予定部分とを前記ステータコアの前記スロットに挿通した後、前記半展開セグメントの前記直線部のうち前記スロットから飛び出した部分である飛び出し端部を周方向に展開して前記半展開セグメントを展開済みのU字状セグメントに変形し、その後、径方向に隣接する一対の前記飛び出し端部の先端部分同士を接続する飛び出し端部展開接続工程と、
    前記頭部展開工程の前、又は、前記頭部展開工程と同時に、前記頭部先端部を前記頭部先端部斜角だけ予め捻る頭部先端部予捻り工程と、
    を有することを特徴とする回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法。
  4. 請求項3記載の回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法において、
    前記頭部先端部予捻り工程を前記頭部展開工程の開始前に完了することを特徴とする回転電機のU字状セグメント順次接合ステータコイルの製造方法。
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