JP2005005021A - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン溜内におけるイオンビームの偏向現象を、改善ないし緩和することのできる飛行時間型質量分析装置を提供する。
【解決手段】外部イオン源と、外部イオン源で発生したイオンを滞在させる空間と、該空間からイオンをパルス的に加速して取り出すために該空間を挟んで対向配置されるイオン押し出しプレートとグリッドにより構成されるイオン溜と、グリッドを介して取り出されたイオンを質量分離する飛行時間型分光部と、質量分離されたイオンを検出するイオン検出器と、イオン溜の最奥部に設置され、イオン溜に導入されたイオンビームの位置をモニターする位置モニター手段とを備えた。
【選択図】 図4
【解決手段】外部イオン源と、外部イオン源で発生したイオンを滞在させる空間と、該空間からイオンをパルス的に加速して取り出すために該空間を挟んで対向配置されるイオン押し出しプレートとグリッドにより構成されるイオン溜と、グリッドを介して取り出されたイオンを質量分離する飛行時間型分光部と、質量分離されたイオンを検出するイオン検出器と、イオン溜の最奥部に設置され、イオン溜に導入されたイオンビームの位置をモニターする位置モニター手段とを備えた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン源により生成された試料イオンを分析する飛行時間型質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
質量分析装置は、試料から生成するイオンを真空中で飛行させ、飛行の過程で質量の異なるイオンを分離して、スペクトルとして記録する装置である。質量分析装置には、扇形磁場を用いてイオンの質量分散を行なわせる磁場型質量分析装置、四重極電極を用いて質量によるイオンの選別(フィルタリング)を行なわせる四重極質量分析装置(QMS)、質量によるイオンの飛行時間の違いを利用してイオンを分離する飛行時間型質量分析装置(TOFMS;time of flight MS)などが知られている。
【0003】
これらの質量分析装置の内、磁場型質量分析装置とQMSは、連続的にイオンを生成するタイプのイオン源に適合しているのに対し、TOFMSは、パルス状にイオンを生成するタイプのイオン源に適合している。従って、連続型のイオン源をTOFMSに利用しようとすれば、イオン源の利用のしかたに工夫が必要である。直交加速型飛行時間型質量分析装置(OA−TOFMS;orthogonal acceleration TOFMS)は、連続型のイオン源からパルス状のイオンを射出することができるように工夫されたTOFMSの一例である。
【0004】
図1に、典型的なOA−TOFMSの構成を示す。OA−TOFMSは、電子衝撃(EI)イオン源、化学イオン化(CI)イオン源、電界脱離(FD)イオン源、エレクトロスプレイ(ESI)イオン源、高速原子衝撃(FAB)イオン源などの連続型の外部イオン源1と、第1および第2の隔壁および図示しない真空ポンプによって構成される差動排気壁10と、該差動排気壁10の第1の隔壁上に設けられた第1のオリフィス2と、該差動排気壁10内に置かれたリングレンズ3と、該差動排気壁10を構成する第2の隔壁上に設けられた第2のオリフィス4と、イオンガイド5が置かれた中間室11と、収束レンズおよび偏向器から成るレンズ群6、イオン押し出しプレートと加速レンズ(グリッド)から成るランチャー7、イオンを反射するリフレクター8、およびイオン検出器9などのイオン光学系を構成する構成物が置かれた測定室13とを備えている。
【0005】
このような構成において、外部イオン源1において試料から生成したイオンは、まず最初に、第1のオリフィス2を通って差動排気壁10に導入される。そして、差動排気壁10内で拡散しようとするイオンは、差動排気壁10内のリングレンズ3によって集束され、第2のオリフィス4を通って中間室11に導入される。中間室11に導入されたイオンは、中間室11内で運動エネルギーを落とし、イオンガイド5から発生する高周波電界によってイオンビーム径を小さくして、高真空な測定室13へと誘導される。中間室11と測定室13を仕切る隔壁には、第3のオリフィス12が設けられている。イオンガイド5から誘導されてきたイオンは、この第3のオリフィス12によって、丸い一定の径を持ったイオンビームに整形されて、測定室13に導入される。
【0006】
測定室13の入口には、収束レンズと偏向器とから成るレンズ群6、および図示しない入射ビーム規制スリットが設置されている。測定室13に入ってきたイオンビームは、レンズ群6によりビームの拡散や偏向を是正され、入射ビーム規制スリットでビームの断面形状を整えられた後、ランチャー7に導入される。ランチャー7内には、イオン押し出しプレートとグリッドが対向配置されて成るイオン溜と、該イオン溜の軸方向に対して直交する方向に並ぶ加速レンズとが設置されている。
【0007】
イオンビームは、最初、図2に示すように、20〜50eVの低エネルギー状態で、イオン押し出しプレート14とグリッド15および加速レンズ16によって挟まれたイオン溜17に向けて、平行に進入する。イオン溜17内を平行に移動する一定の長さを持ったイオンビーム18は、イオン押し出しプレート14に、図3に示すような、イオンの極性と同じ極性の、数kV程度のパルス状の加速電圧を印加することにより、イオンビーム18の進入軸方向(X軸方向)とは垂直な方向(Z軸方向)にパルス状に加速され、イオンパルス19となって、イオン溜17と対向する位置に設けられた図示しないリフレクターに向けて飛行を開始する。
【0008】
垂直方向に加速されたイオンは、測定室13に導入されたときのX軸方向の速度と、それとは垂直な方向にイオン押し出しプレート、グリッド、及び加速レンズによって与えられたZ軸方向の速度とが足し合わされるため、完全なZ軸方向ではなく、わずかに斜めを向いたZ軸方向に飛行し、リフレクター8で反射されて、イオン検出器9に到達する。
【0009】
イオンの加速の過程では、イオンの質量の大小にかかわらず、同じ電位差がイオンに作用するため、軽いイオンほど速度が速くなり、重いイオンほど速度が遅くなる。その結果、イオンの質量の違いがイオン検出器8に到達するまでの到達時間の違いとなって現れ、イオンの質量の違いをイオンの飛行時間の違いとして分離することができる。
【0010】
このようにして、連続型のイオン源1から生成したイオンビームを、イオン押し出しプレート、グリッド、及び加速レンズから成るランチャー7によってパルス状に加速することにより、連続型のイオン源を、パルス状のイオン源に対して適合性を持つTOFMSに適用することができる(特許文献1)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−117802号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、イオン溜17に、20〜50eV程度の、低い加速エネルギーのイオンが導入された際、イオン溜17を構成しているイオン押し出しプレート14とグリッド15に汚れがある場合は、そこにイオンの持つ電荷が蓄積されて、帯電状態になる。そうなると、その帯電した部位に、本来のイオン光学系に想定しなかった、異常な電位が形成され、そこに生じた電界が、低速のイオンを、イオン溜の中心軸からずれた方向へと偏向し、イオン溜17への正常なイオン導入の妨げとなってしまう。
【0013】
また、従来、イオン押し出しプレート14に印加される電圧は、イオン溜17へのイオンビームの導入期間は、本来、正確に、0Vの値に設定されるべきものが、電気回路的に0.3〜0.6V程度のオフセット電圧が残った状態にあったため、イオン溜17の空間が、自由飛行空間ではなくなって、イオンビームが偏向され、イオン溜の中心軸に対して、入射イオンビーム軸がずれる、という問題が起きていた。
【0014】
この状況を、シミュレーションした例を、図3に示す。イオン押し出しプレート14に、+0.3V、あるいは、−0.3Vのオフセット電圧が印加された状態では、イオンビームの入射軌道は、BやCのように曲げられてしまう。
【0015】
もし、イオン溜17内で、入射イオンビームの偏向が起きると、マススペクトルの分解能が低下する。この現象は、イオンの持つ加速エネルギーが、20〜50eV程度と低いことと関係しており、低加速エネルギーのイオンを扱う場合には、微弱な電位の異常形成に、確実に対処する必要があった。
【0016】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、イオン溜内におけるイオンビームの偏向現象を、改善ないし緩和することのできる飛行時間型質量分析装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の飛行時間型質量分析装置は、
外部イオン源と、
外部イオン源で発生したイオンを滞在させる空間と、
該空間からイオンをパルス的に加速して取り出すために該空間を挟んで対向配置されるイオン押し出しプレートとグリッドにより構成されるイオン溜と、
グリッドを介して取り出されたイオンを質量分離する飛行時間型分光部と、
質量分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
イオン溜の最奥部に設置され、イオン溜に導入されたイオンビームの位置をモニターする位置モニター手段と
を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、更に、前記イオン押し出しプレートにオフセット電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
また、前記オフセット電圧は、前記位置モニター手段で、イオン溜内のイオンビームの位置をモニターしながら、可変できることを特徴としている。
【0020】
また、前記位置モニター手段は、MCPと蛍光板を組み合わせたものであることを特徴としている。
【0021】
また、前記位置モニター手段は、イオン溜の厚さ方向に分割された分割電極であることを特徴としている。
【0022】
また、前記位置モニター手段でモニターされたイオン溜内のイオンビームの位置情報を表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜近傍の一実施例を示した図である。図中、21は、図示しないイオン生成・輸送部から入射してくる、イオンビームの輪郭を規制する、入射ビーム規制スリットである。入射ビーム規制スリット21を通過したイオンビーム(a)は、平行に配置された2つの電極、イオン押し出し電極23と、第1のグリッド24とで構成された、イオン溜22に導入される。
【0024】
イオン溜22の最奥部には、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、第2のグリッド25を介して、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するようにして、感度を高めるため、二重に重ねられた、板状のマルチ・チャンネル・フォトディテクター(MCP)26が置かれている。
【0025】
尚、第2のグリッド25は、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の誘導を、シールドするために、設けられているもので、通常、接地電位に設定されている。
【0026】
イオン溜22に入射してくるイオンビーム(a)は、このMCP26で、電子流に変換された後、MCP26の後段の、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された蛍光板27に衝突して、光に変換され、観察窓28から、イメージとして観察される。
【0027】
MCP26のイオン溜22側表面には、イオンの極性とは逆の極性を持った、数百V程度の直流電圧が印加されており、第2のグリッド25との間に、順方向の電界の勾配を発生させ、入射するイオンのエネルギーを高め、MCP26内での、電子への変換効率を高めるように、構成されている。
【0028】
また、MCP26の観察窓28側表面は、接地電位に設定されるとともに、蛍光板27のイオン溜22側表面には、電子の極性と同じ極性を持った数百V程度の直流電圧が印加されており、MCP26と第2のグリッド25との間に、逆方向の電界の勾配を発生させ、入射する電子のエネルギーを下げ、蛍光板27表面のスパッタリングを防止するように、構成されている。
【0029】
観察窓28で観察される、イオンビーム(a)のイメージの位置と断面形状とに基づいて、イオンビーム(a)のビーム軸が、イオン溜22の中心光軸から、どの程度ずれているかをモニターし、イオン溜22を構成している2つの電極、イオン押し出し電極23や第1のグリッド24の帯電の状況や、電気回路的に残ったオフセット電圧などによる、イオンビーム(a)の偏向の度合いを、知ることができる。
【0030】
尚、イオン押し出し電極23のオフセット電圧を、補正できるようにするために、イオン押し出し電極23には、オフセット電源が設けられている。図5は、オフセット電源が、どのように設けられているかを説明する図である。通常、オフセット電圧は、イオンビームのイオン溜22への導入期間にのみ、印加されれば良い。従って、図5(a)のように、オフセット電源29と、パルス電源30を、切り換え手段31を介して、イオン押し出し電極23に接続する方法が採用される。
【0031】
イオン導入期間中は、切り換え手段31により、イオン押し出し電極23を、オフセット電源29側に接続させる。逆に、イオン溜22から、グリッド24側に向けて、イオンを吐き出す瞬間には、切り換え手段31の切り換えにより、イオン押し出し電極23を、パルス電源30側に接続させる。
【0032】
尚、オフセット電源29は、図5(b)のように、パルス電源30全体の電位を浮かせるように、配置しても良い。
【0033】
もし、イオンビーム(a)のビーム軸に、イオン溜22の中心光軸からの、ずれが観察される場合は、観察窓28から、ビームの位置をモニターしながら、オフセット電源29を使って、イオン押し出し電極23に、オフセット電圧を印加し、イオンビーム(a)のビーム軸と、イオン溜22の中心光軸とが一致するように、印加するオフセット電圧の強さを微調節する。これにより、イオン押し出し電極23の表面電位は、第1のグリッド24の表面電位に対して、±0.1V以下の精度に、補正することができる。
【0034】
このような補正をした上で、パルス電源30から、イオン押し出し電極23に、パルス電圧を印加するようにしてやれば、マススペクトルの分解能の低下を招くことはない。
【0035】
この様子を図示したものが、図6に示す、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の模式図である。図6(a)から明らかなように、イオン溜22にイオンビームを導入している期間中(Ts)は、ビーム軸の偏向を避けるために、イオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)の値は、極力、小さい方が好ましい。それにもかかわらず、従来、帯電の影響や、電気回路的に残された電圧成分により、図6(a)のように、±0.3〜0.6V程度のオフセット電圧が残存していた。
【0036】
そのイオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)を、イオン溜22の最奥部に設けられた、蛍光板27を使って、観察窓28から、ビーム軸をモニターしながら、補正すれば、図6(b)に示すように、±0.1V以下の水準と、イオンビーム(a)の偏向が、極めて少ない状態になるように、制御することが可能になる。
【0037】
図7は、本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜近傍の別の実施例を示した図である。図中、22は、イオン溜である。イオン溜22は、平行に配置された2つの電極、イオン押し出し電極23と、第1のグリッド24とで構成されている。このイオン溜22の中心光軸に沿って、イオンビーム(a)が入射する。
【0038】
イオン溜22の最奥部には、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、第2のグリッド25を介して、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、複数の検出電極32から成る、イオン溜の厚さ方向に分割された分割電極が、置かれている。
【0039】
尚、第2のグリッド25は、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の誘導を、シールドするために、設けられているもので、通常、接地電位に設定されている。
【0040】
イオン溜22に入射してくるイオンビーム(a)は、この検出電極32の表面で、微小電流として検出された後、検出電極32の後段の、フィードスルー33を介して、微小電流電圧変換増幅器34で、電圧として増幅される。この電圧の分布を、指示器35に表示させることによって、イオンビーム(a)の、分割電極上での位置情報を、知ることができる。
【0041】
その表示された位置情報をモニターしながら、イオン押し出し電極23のオフセット電圧を補正すれば、イオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)を、±0.1V以下に制御し、イオンビーム(a)のビーム軸を、イオン溜22の中心光軸に、ほぼ一致させることが、可能になる。
【0042】
尚、フィードスルー33は、真空中に置かれている検出電極32の電極部と、大気圧下に置かれている、微小電流電圧変換増幅器34などの電気回路部とを、気密性を保って分けるために、設けられているものである。
【0043】
また、微小電流電圧変換増幅器34などの電気回路部は、ノイズ等を考慮して、その一部を、真空中に置いても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明の結果、イオン溜内におけるイオンビームの偏向現象を、改善ないし緩和することのできる飛行時間型質量分析装置を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の飛行時間型質量分析装置を示す図である。
【図2】従来の飛行時間型質量分析装置を示す図である。
【図3】イオン溜内のイオンビームの偏向の様子を示す図である。
【図4】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の一実施例を示す図である。
【図6】イオン押し出し電極への印加電圧を示す図である。
【図7】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・外部イオン源、2・・・第1のオリフィス、3・・・リングレンズ、4・・・第2のオリフィス、5・・・イオンガイド、6・・・レンズ群、7・・・ランチャー、8・・・リフレクター、9・・・イオン検出器、10・・・差動排気壁、11・・・中間室、12・・・第3のオリフィス、13・・・測定室、14・・・イオン押し出しプレート、15・・・グリッド、16・・・加速レンズ、17・・・イオン溜、18・・・イオンビーム、19・・・イオンパルス、21・・・入射ビーム規制スリット、22・・・イオン溜、23・・・イオン押し出し電極、24・・・第1のグリッド、25・・・第2のグリッド、26・・・MCP、27・・・蛍光板、28・・・観察窓、29・・・オフセット電源、30・・・パルス電源、31・・・切り換え手段、32・・・検出電極、33・・・フィードスルー、34・・・微小電流電圧変換増幅器、35・・・指示器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン源により生成された試料イオンを分析する飛行時間型質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
質量分析装置は、試料から生成するイオンを真空中で飛行させ、飛行の過程で質量の異なるイオンを分離して、スペクトルとして記録する装置である。質量分析装置には、扇形磁場を用いてイオンの質量分散を行なわせる磁場型質量分析装置、四重極電極を用いて質量によるイオンの選別(フィルタリング)を行なわせる四重極質量分析装置(QMS)、質量によるイオンの飛行時間の違いを利用してイオンを分離する飛行時間型質量分析装置(TOFMS;time of flight MS)などが知られている。
【0003】
これらの質量分析装置の内、磁場型質量分析装置とQMSは、連続的にイオンを生成するタイプのイオン源に適合しているのに対し、TOFMSは、パルス状にイオンを生成するタイプのイオン源に適合している。従って、連続型のイオン源をTOFMSに利用しようとすれば、イオン源の利用のしかたに工夫が必要である。直交加速型飛行時間型質量分析装置(OA−TOFMS;orthogonal acceleration TOFMS)は、連続型のイオン源からパルス状のイオンを射出することができるように工夫されたTOFMSの一例である。
【0004】
図1に、典型的なOA−TOFMSの構成を示す。OA−TOFMSは、電子衝撃(EI)イオン源、化学イオン化(CI)イオン源、電界脱離(FD)イオン源、エレクトロスプレイ(ESI)イオン源、高速原子衝撃(FAB)イオン源などの連続型の外部イオン源1と、第1および第2の隔壁および図示しない真空ポンプによって構成される差動排気壁10と、該差動排気壁10の第1の隔壁上に設けられた第1のオリフィス2と、該差動排気壁10内に置かれたリングレンズ3と、該差動排気壁10を構成する第2の隔壁上に設けられた第2のオリフィス4と、イオンガイド5が置かれた中間室11と、収束レンズおよび偏向器から成るレンズ群6、イオン押し出しプレートと加速レンズ(グリッド)から成るランチャー7、イオンを反射するリフレクター8、およびイオン検出器9などのイオン光学系を構成する構成物が置かれた測定室13とを備えている。
【0005】
このような構成において、外部イオン源1において試料から生成したイオンは、まず最初に、第1のオリフィス2を通って差動排気壁10に導入される。そして、差動排気壁10内で拡散しようとするイオンは、差動排気壁10内のリングレンズ3によって集束され、第2のオリフィス4を通って中間室11に導入される。中間室11に導入されたイオンは、中間室11内で運動エネルギーを落とし、イオンガイド5から発生する高周波電界によってイオンビーム径を小さくして、高真空な測定室13へと誘導される。中間室11と測定室13を仕切る隔壁には、第3のオリフィス12が設けられている。イオンガイド5から誘導されてきたイオンは、この第3のオリフィス12によって、丸い一定の径を持ったイオンビームに整形されて、測定室13に導入される。
【0006】
測定室13の入口には、収束レンズと偏向器とから成るレンズ群6、および図示しない入射ビーム規制スリットが設置されている。測定室13に入ってきたイオンビームは、レンズ群6によりビームの拡散や偏向を是正され、入射ビーム規制スリットでビームの断面形状を整えられた後、ランチャー7に導入される。ランチャー7内には、イオン押し出しプレートとグリッドが対向配置されて成るイオン溜と、該イオン溜の軸方向に対して直交する方向に並ぶ加速レンズとが設置されている。
【0007】
イオンビームは、最初、図2に示すように、20〜50eVの低エネルギー状態で、イオン押し出しプレート14とグリッド15および加速レンズ16によって挟まれたイオン溜17に向けて、平行に進入する。イオン溜17内を平行に移動する一定の長さを持ったイオンビーム18は、イオン押し出しプレート14に、図3に示すような、イオンの極性と同じ極性の、数kV程度のパルス状の加速電圧を印加することにより、イオンビーム18の進入軸方向(X軸方向)とは垂直な方向(Z軸方向)にパルス状に加速され、イオンパルス19となって、イオン溜17と対向する位置に設けられた図示しないリフレクターに向けて飛行を開始する。
【0008】
垂直方向に加速されたイオンは、測定室13に導入されたときのX軸方向の速度と、それとは垂直な方向にイオン押し出しプレート、グリッド、及び加速レンズによって与えられたZ軸方向の速度とが足し合わされるため、完全なZ軸方向ではなく、わずかに斜めを向いたZ軸方向に飛行し、リフレクター8で反射されて、イオン検出器9に到達する。
【0009】
イオンの加速の過程では、イオンの質量の大小にかかわらず、同じ電位差がイオンに作用するため、軽いイオンほど速度が速くなり、重いイオンほど速度が遅くなる。その結果、イオンの質量の違いがイオン検出器8に到達するまでの到達時間の違いとなって現れ、イオンの質量の違いをイオンの飛行時間の違いとして分離することができる。
【0010】
このようにして、連続型のイオン源1から生成したイオンビームを、イオン押し出しプレート、グリッド、及び加速レンズから成るランチャー7によってパルス状に加速することにより、連続型のイオン源を、パルス状のイオン源に対して適合性を持つTOFMSに適用することができる(特許文献1)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−117802号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、イオン溜17に、20〜50eV程度の、低い加速エネルギーのイオンが導入された際、イオン溜17を構成しているイオン押し出しプレート14とグリッド15に汚れがある場合は、そこにイオンの持つ電荷が蓄積されて、帯電状態になる。そうなると、その帯電した部位に、本来のイオン光学系に想定しなかった、異常な電位が形成され、そこに生じた電界が、低速のイオンを、イオン溜の中心軸からずれた方向へと偏向し、イオン溜17への正常なイオン導入の妨げとなってしまう。
【0013】
また、従来、イオン押し出しプレート14に印加される電圧は、イオン溜17へのイオンビームの導入期間は、本来、正確に、0Vの値に設定されるべきものが、電気回路的に0.3〜0.6V程度のオフセット電圧が残った状態にあったため、イオン溜17の空間が、自由飛行空間ではなくなって、イオンビームが偏向され、イオン溜の中心軸に対して、入射イオンビーム軸がずれる、という問題が起きていた。
【0014】
この状況を、シミュレーションした例を、図3に示す。イオン押し出しプレート14に、+0.3V、あるいは、−0.3Vのオフセット電圧が印加された状態では、イオンビームの入射軌道は、BやCのように曲げられてしまう。
【0015】
もし、イオン溜17内で、入射イオンビームの偏向が起きると、マススペクトルの分解能が低下する。この現象は、イオンの持つ加速エネルギーが、20〜50eV程度と低いことと関係しており、低加速エネルギーのイオンを扱う場合には、微弱な電位の異常形成に、確実に対処する必要があった。
【0016】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、イオン溜内におけるイオンビームの偏向現象を、改善ないし緩和することのできる飛行時間型質量分析装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の飛行時間型質量分析装置は、
外部イオン源と、
外部イオン源で発生したイオンを滞在させる空間と、
該空間からイオンをパルス的に加速して取り出すために該空間を挟んで対向配置されるイオン押し出しプレートとグリッドにより構成されるイオン溜と、
グリッドを介して取り出されたイオンを質量分離する飛行時間型分光部と、
質量分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
イオン溜の最奥部に設置され、イオン溜に導入されたイオンビームの位置をモニターする位置モニター手段と
を備えたことを特徴としている。
【0018】
また、更に、前記イオン押し出しプレートにオフセット電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
また、前記オフセット電圧は、前記位置モニター手段で、イオン溜内のイオンビームの位置をモニターしながら、可変できることを特徴としている。
【0020】
また、前記位置モニター手段は、MCPと蛍光板を組み合わせたものであることを特徴としている。
【0021】
また、前記位置モニター手段は、イオン溜の厚さ方向に分割された分割電極であることを特徴としている。
【0022】
また、前記位置モニター手段でモニターされたイオン溜内のイオンビームの位置情報を表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜近傍の一実施例を示した図である。図中、21は、図示しないイオン生成・輸送部から入射してくる、イオンビームの輪郭を規制する、入射ビーム規制スリットである。入射ビーム規制スリット21を通過したイオンビーム(a)は、平行に配置された2つの電極、イオン押し出し電極23と、第1のグリッド24とで構成された、イオン溜22に導入される。
【0024】
イオン溜22の最奥部には、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、第2のグリッド25を介して、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するようにして、感度を高めるため、二重に重ねられた、板状のマルチ・チャンネル・フォトディテクター(MCP)26が置かれている。
【0025】
尚、第2のグリッド25は、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の誘導を、シールドするために、設けられているもので、通常、接地電位に設定されている。
【0026】
イオン溜22に入射してくるイオンビーム(a)は、このMCP26で、電子流に変換された後、MCP26の後段の、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された蛍光板27に衝突して、光に変換され、観察窓28から、イメージとして観察される。
【0027】
MCP26のイオン溜22側表面には、イオンの極性とは逆の極性を持った、数百V程度の直流電圧が印加されており、第2のグリッド25との間に、順方向の電界の勾配を発生させ、入射するイオンのエネルギーを高め、MCP26内での、電子への変換効率を高めるように、構成されている。
【0028】
また、MCP26の観察窓28側表面は、接地電位に設定されるとともに、蛍光板27のイオン溜22側表面には、電子の極性と同じ極性を持った数百V程度の直流電圧が印加されており、MCP26と第2のグリッド25との間に、逆方向の電界の勾配を発生させ、入射する電子のエネルギーを下げ、蛍光板27表面のスパッタリングを防止するように、構成されている。
【0029】
観察窓28で観察される、イオンビーム(a)のイメージの位置と断面形状とに基づいて、イオンビーム(a)のビーム軸が、イオン溜22の中心光軸から、どの程度ずれているかをモニターし、イオン溜22を構成している2つの電極、イオン押し出し電極23や第1のグリッド24の帯電の状況や、電気回路的に残ったオフセット電圧などによる、イオンビーム(a)の偏向の度合いを、知ることができる。
【0030】
尚、イオン押し出し電極23のオフセット電圧を、補正できるようにするために、イオン押し出し電極23には、オフセット電源が設けられている。図5は、オフセット電源が、どのように設けられているかを説明する図である。通常、オフセット電圧は、イオンビームのイオン溜22への導入期間にのみ、印加されれば良い。従って、図5(a)のように、オフセット電源29と、パルス電源30を、切り換え手段31を介して、イオン押し出し電極23に接続する方法が採用される。
【0031】
イオン導入期間中は、切り換え手段31により、イオン押し出し電極23を、オフセット電源29側に接続させる。逆に、イオン溜22から、グリッド24側に向けて、イオンを吐き出す瞬間には、切り換え手段31の切り換えにより、イオン押し出し電極23を、パルス電源30側に接続させる。
【0032】
尚、オフセット電源29は、図5(b)のように、パルス電源30全体の電位を浮かせるように、配置しても良い。
【0033】
もし、イオンビーム(a)のビーム軸に、イオン溜22の中心光軸からの、ずれが観察される場合は、観察窓28から、ビームの位置をモニターしながら、オフセット電源29を使って、イオン押し出し電極23に、オフセット電圧を印加し、イオンビーム(a)のビーム軸と、イオン溜22の中心光軸とが一致するように、印加するオフセット電圧の強さを微調節する。これにより、イオン押し出し電極23の表面電位は、第1のグリッド24の表面電位に対して、±0.1V以下の精度に、補正することができる。
【0034】
このような補正をした上で、パルス電源30から、イオン押し出し電極23に、パルス電圧を印加するようにしてやれば、マススペクトルの分解能の低下を招くことはない。
【0035】
この様子を図示したものが、図6に示す、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の模式図である。図6(a)から明らかなように、イオン溜22にイオンビームを導入している期間中(Ts)は、ビーム軸の偏向を避けるために、イオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)の値は、極力、小さい方が好ましい。それにもかかわらず、従来、帯電の影響や、電気回路的に残された電圧成分により、図6(a)のように、±0.3〜0.6V程度のオフセット電圧が残存していた。
【0036】
そのイオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)を、イオン溜22の最奥部に設けられた、蛍光板27を使って、観察窓28から、ビーム軸をモニターしながら、補正すれば、図6(b)に示すように、±0.1V以下の水準と、イオンビーム(a)の偏向が、極めて少ない状態になるように、制御することが可能になる。
【0037】
図7は、本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜近傍の別の実施例を示した図である。図中、22は、イオン溜である。イオン溜22は、平行に配置された2つの電極、イオン押し出し電極23と、第1のグリッド24とで構成されている。このイオン溜22の中心光軸に沿って、イオンビーム(a)が入射する。
【0038】
イオン溜22の最奥部には、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、第2のグリッド25を介して、イオンビーム(a)の軸方向と垂直に交差するように配置された、複数の検出電極32から成る、イオン溜の厚さ方向に分割された分割電極が、置かれている。
【0039】
尚、第2のグリッド25は、イオン押し出し電極23に印加されるパルス電圧の誘導を、シールドするために、設けられているもので、通常、接地電位に設定されている。
【0040】
イオン溜22に入射してくるイオンビーム(a)は、この検出電極32の表面で、微小電流として検出された後、検出電極32の後段の、フィードスルー33を介して、微小電流電圧変換増幅器34で、電圧として増幅される。この電圧の分布を、指示器35に表示させることによって、イオンビーム(a)の、分割電極上での位置情報を、知ることができる。
【0041】
その表示された位置情報をモニターしながら、イオン押し出し電極23のオフセット電圧を補正すれば、イオン押し出し電極23のオフセット電圧(g)を、±0.1V以下に制御し、イオンビーム(a)のビーム軸を、イオン溜22の中心光軸に、ほぼ一致させることが、可能になる。
【0042】
尚、フィードスルー33は、真空中に置かれている検出電極32の電極部と、大気圧下に置かれている、微小電流電圧変換増幅器34などの電気回路部とを、気密性を保って分けるために、設けられているものである。
【0043】
また、微小電流電圧変換増幅器34などの電気回路部は、ノイズ等を考慮して、その一部を、真空中に置いても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明の結果、イオン溜内におけるイオンビームの偏向現象を、改善ないし緩和することのできる飛行時間型質量分析装置を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の飛行時間型質量分析装置を示す図である。
【図2】従来の飛行時間型質量分析装置を示す図である。
【図3】イオン溜内のイオンビームの偏向の様子を示す図である。
【図4】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の一実施例を示す図である。
【図6】イオン押し出し電極への印加電圧を示す図である。
【図7】本発明にかかる飛行時間型質量分析装置のイオン溜周辺の別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・外部イオン源、2・・・第1のオリフィス、3・・・リングレンズ、4・・・第2のオリフィス、5・・・イオンガイド、6・・・レンズ群、7・・・ランチャー、8・・・リフレクター、9・・・イオン検出器、10・・・差動排気壁、11・・・中間室、12・・・第3のオリフィス、13・・・測定室、14・・・イオン押し出しプレート、15・・・グリッド、16・・・加速レンズ、17・・・イオン溜、18・・・イオンビーム、19・・・イオンパルス、21・・・入射ビーム規制スリット、22・・・イオン溜、23・・・イオン押し出し電極、24・・・第1のグリッド、25・・・第2のグリッド、26・・・MCP、27・・・蛍光板、28・・・観察窓、29・・・オフセット電源、30・・・パルス電源、31・・・切り換え手段、32・・・検出電極、33・・・フィードスルー、34・・・微小電流電圧変換増幅器、35・・・指示器。
Claims (6)
- 外部イオン源と、
外部イオン源で発生したイオンを滞在させる空間と、
該空間からイオンをパルス的に加速して取り出すために該空間を挟んで対向配置されるイオン押し出しプレートとグリッドにより構成されるイオン溜と、
グリッドを介して取り出されたイオンを質量分離する飛行時間型分光部と、
質量分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
イオン溜の最奥部に設置され、イオン溜に導入されたイオンビームの位置をモニターする位置モニター手段と
を備えた飛行時間型質量分析装置。 - 更に、前記イオン押し出しプレートにオフセット電圧を印加する電圧印加手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の飛行時間型質量分析装置。
- 前記オフセット電圧は、前記位置モニター手段で、イオン溜内のイオンビームの位置をモニターしながら、可変できることを特徴とする請求項2記載の飛行時間型質量分析装置。
- 前記位置モニター手段は、MCPと蛍光板を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1記載の飛行時間型質量分析装置。
- 前記位置モニター手段は、イオン溜の厚さ方向に分割された分割電極であることを特徴とする請求項1記載の飛行時間型質量分析装置。
- 前記位置モニター手段でモニターされたイオン溜内のイオンビームの位置情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の飛行時間型質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164838A JP2005005021A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 飛行時間型質量分析装置 |
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JP2003164838A JP2005005021A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 飛行時間型質量分析装置 |
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ID=34091500
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JP2003164838A Withdrawn JP2005005021A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 飛行時間型質量分析装置 |
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JP (1) | JP2005005021A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007242426A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Hitachi High-Technologies Corp | 飛行時間型質量分析装置 |
CN110534394A (zh) * | 2018-05-23 | 2019-12-03 | 塞莫费雪科学(不来梅)有限公司 | 用于飞行时间(tof)质谱仪的离子前沿倾斜校正 |
-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003164838A patent/JP2005005021A/ja not_active Withdrawn
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