JP2005004576A - 音楽検索システムおよび方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の音楽をより簡単かつ確実に検索できるようにする。
【解決手段】周波数変換部181で検索装置から送信されたクエリーの音片を周波数スペクトルに分解し、検索候補絞込み部184が、店舗DB105、放送メディアDB104、および音楽DB103の中から検索対象となる音楽情報を抽出する。パターンマッチング部182において、クエリーの音片との類似度を表す評価値を演算し、スコアソート部183で検索結果を出力する。本発明はサーバに適用することができる。
【選択図】 図13
【解決手段】周波数変換部181で検索装置から送信されたクエリーの音片を周波数スペクトルに分解し、検索候補絞込み部184が、店舗DB105、放送メディアDB104、および音楽DB103の中から検索対象となる音楽情報を抽出する。パターンマッチング部182において、クエリーの音片との類似度を表す評価値を演算し、スコアソート部183で検索結果を出力する。本発明はサーバに適用することができる。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽検索システムおよび方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に所望の音楽をより簡単かつ確実に検索できるようにする音楽検索システムおよび方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンテンツとして音楽が放送された場合、放送された音楽の曲名、アーティスト名などの情報を取得するニーズが高まってきている。この場合、ユーザは、音楽が放送された放送局と放送日時に基づいて、音楽の情報を取得する必要がある。
【0003】
そこで、本出願人は、音声で入力されたメロディに基づいて、そのメロディを有する可能性のある音楽を検索し、その情報をユーザに提供する技術を先に提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−60099号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、検索したい音楽のメロディをユーザが発声して入力して、音楽を検索するため、その音楽のメロディを、ユーザが記憶している必要がある。そのため、例えば、街中で初めて聞いた音楽などを検索することができないという課題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、所望の音楽をより簡単かつ確実に検索できるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の音楽検索システムは、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムであって、第1の情報処理装置は、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、生成手段により生成された検索データを、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信し、第2の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する取得手段と、取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段とを備え、第2の情報処理装置は、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択する選択手段と、選択手段により選択された音データの音楽の情報を第1の情報処理装置にネットワークを介して提供する提供手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の音楽検索方法は、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムの音楽検索方法であって、第1の情報処理装置は、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録し、検索すべきデータの生成を指令し、検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段に記録されている音データから検索データを生成し、生成された検索データを、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信し、第2の情報処理装置は、第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出し、記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込み、抽出された検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換し、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算し、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択し、選択された音データの音楽の情報を第1の情報処理装置にネットワークを介して提供し、第1の情報処理装置は、第2の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得し、取得された検索結果を表示することを特徴とする。
【0009】
本発明の音楽検索システムおよび方法においては、第1の情報処理装置により、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データが記録され、検索すべきデータの生成が指令され、記録手段に記録されている音データから検索データが生成され、生成された検索データが、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信される。また、第2の情報処理装置により、第1の情報処理装置から送信された検索データが取得され、検索データの音のデータが抽出され、記憶されている音楽の情報から、検索候補が絞り込まれ、抽出された検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データが周波数スペクトルに変換され、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルが生成され、ベクトルを比較することにより、検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値が演算され、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データが選択され、選択された音データの音楽の情報が第1の情報処理装置にネットワークを介して提供される。第1の情報処理装置により、第2の情報処理装置による検索結果が、ネットワークを介して取得され、取得された検索結果が表示される。
【0010】
本発明の第1の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、生成手段により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する検索結果取得手段と、検索結果取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記情報処理装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段とをさらに備え、生成手段は、検索データに、位置情報取得手段により取得された位置情報と、時刻取得手段により取得された時刻を付加して他の情報処理装置に送信するようにすることができる。
【0012】
前記検索結果は、音楽の曲名およびアーティスト名、並びに音楽の取得に必要な情報を含むようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置の情報処理方法であって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録する記録ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かを判定する指令判定ステップと、指令判定ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録ステップの処理により記録されている音データから検索データを生成する生成ステップと、生成ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する検索結果取得ステップと、検索結果取得ステップの処理により取得された検索結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムであって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、生成制御ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、生成制御ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップとをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の情報処理装置および方法、並びに第1のプログラムにおいては、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データが記録され、検索すべきデータの生成を指令されたか否かが判定され、検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録されている音データから検索データが生成され、生成された検索データが、他の情報処理装置にネットワークを介して送信され、他の情報処理装置による検索結果が、ネットワークを介して取得され、取得された検索結果が表示される。
【0017】
本発明の第2の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択する選択手段と、選択手段により選択された音データの音楽の情報を他の情報処理装置にネットワークを介して提供する提供手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
前記記憶手段は、音楽が演奏された店舗の情報と、音楽が放送された放送メディアの情報を記憶するようにすることができる。
【0019】
前記記憶手段は、店舗の情報として、店舗の位置を表す位置情報と、音楽が演奏された時刻を表す時刻情報とを記憶し、絞込み手段は、位置情報と、時刻情報に基づいて、音楽の情報を絞り込むようにすることができる。
【0020】
前記記憶手段は、放送メディアの情報として、音楽が放送された時刻を表す時刻情報を記憶し、絞込み手段は、時刻情報に基づいて、音楽の情報を絞り込むようにすることができる。
【0021】
本発明の第2の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置の情報処理方法であって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込みステップと、抽出ステップの処理により抽出された音データと、絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換ステップと、変換ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出ステップの処理により抽出された音データと、絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算ステップと、演算ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択ステップとを含み、選択ステップの処理により選択された音データの音楽の情報を他の情報処理装置にネットワークを介して提供することを特徴とする。
【0022】
本発明の第2のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データの選択を制御する選択制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データの選択を制御する選択制御ステップとをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0024】
本発明の第2の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、他の情報処理装置から送信された検索データが取得され、検索データの音のデータが抽出され、記憶されている音楽の情報から、検索候補が絞り込まれ、抽出された音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データが周波数スペクトルに変換される。また、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルが生成され、ベクトルを比較して、抽出された音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値が演算され、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データが選択され、選択された音データの音楽の情報が他の情報処理装置にネットワークを介して提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0026】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0027】
請求項1に記載の音楽検索システムは、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置(例えば、図1の検索装置装置1)と第2の情報処理装置(例えば、図1のサーバ3)からなる音楽検索システムであって、前記第1の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段(例えば、図2の音バッファ62)と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段(例えば、図1の検索ボタン41)と、前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段(例えば、図3のクエリー作成部91)と、前記生成手段により生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する取得手段(例えば、図3の検索実行部92)と、前記取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段(例えば、図1の表示部26)とを備え、前記第2の情報処理装置が、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段(例えば、図4の音楽DB103乃至店舗DB105)と、前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段(例えば、図4の検索部102)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段(例えば、図13の検索候補絞込み部184)と、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段(例えば、図13の周波数変換部181)と、前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段(例えば、図13のパターンマッチング部182)と、前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段(例えば、図13のスコアソート部183)と、前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段(例えば、図4の通信部110)とを備えることを特徴とする。
【0028】
請求項2に記載の音楽検索方法は、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置(例えば、図1の検索装置装置1)と第2の情報処理装置(例えば、図1のサーバ3)からなる音楽検索システムの音楽検索方法であって、前記第1の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録し(例えば、図7の音データバッファ処理)、検索すべきデータの生成を指令し(例えば、図5のステップS1)、検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段に記録されている音データから検索データを生成し(例えば、図5のステップS2)、生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し(例えば、図6のステップS23)、前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出し(例えば、図14のステップS91)、記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込み(例えば、図15のステップS114または図17のステップS133)、抽出された前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換し(例えば、図14のステップS92)、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算し(例えば、図22のパターンマッチング処理)、演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択し(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、または図19のステップS154)、選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供し、前記第1の情報処理装置は、前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得し(例えば、図6のステップS25)、取得された前記検索結果を表示する(例えば、図6のステップS27)ことを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段(例えば、図2の音バッファ62)と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段(例えば、図1の検索ボタン41)と、前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段(例えば、図3のクエリー作成部91)と、前記生成手段により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得手段(例えば、図3の検索実行部92)と、前記検索結果取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段(例えば、図1の表示部26)とを備えることを特徴とする。
【0030】
請求項4に記載の情報処理装置は、前記情報処理装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段(例えば、図2のGPS部70)と、時刻を取得する時刻取得手段(例えば、図2の時計65)とをさらに備え、前記生成手段は、前記検索データに、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記時刻取得手段により取得された時刻を付加して前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0031】
請求項6に記載の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置の情報処理方法であって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録する記録ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かを判定する指令判定ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録ステップの処理により記録されている音データから検索データを生成する生成ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得ステップの処理により取得された検索結果を表示する表示ステップ(例えば、図6のステップS27)とを含むことを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムであって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップ(例えば、図6のステップS27)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0033】
請求項8に記載の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップ(例えば、図6のステップS27)とをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0034】
請求項9に記載の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段(例えば、図4の音楽DB103乃至店舗DB105)と、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段(例えば、図4の検索部102)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段(例えば、図13の検索候補絞込み部184)と、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段(例えば、図13の周波数変換部181)と、前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段(例えば、図13のパターンマッチング部182)と、前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段(例えば、図13のスコアソート部183)と、前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段(例えば、図4の通信部110)とを備えることを特徴とする。
【0035】
請求項10に記載の情報処理装置は、前記記憶手段が、音楽が演奏された店舗の情報(例えば、図4の店舗DB105)と、音楽が放送された放送メディアの情報(例えば、図4の放送メディアDB104)を記憶することを特徴とする。
【0036】
請求項13に記載の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置の情報処理方法であって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込みステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とを含み、前記選択ステップの処理により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供することを特徴とする。
【0037】
請求項14に記載のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
請求項15に記載の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明を適用した音楽検索システムの構成例を示す図である。この構成例においては、インターネットなどに代表されるネットワーク4を介して、サーバ3と受信装置2が接続されている。受信装置2と検索装置1とは、無線により接続されており、検索装置1は、受信装置2とネットワーク4を介してサーバ3と通信を行う。
【0040】
例えば、PDA(Personal Digital Assistants)で構成される検索装置1の上部には、受信装置2と無線による通信を行う通信アンテナ21、複数個のGPS(Global Positioning System)衛星から電波で地上に放射されるGPS信号を受信するGPSアンテナ22、および検索装置1の周辺の音を入力(収音)するマイクロフォン23が設けられている。マイクロフォン23は、必要に応じて検索装置1から取り外せるように構成されている。
【0041】
検索装置1の右下には、操作パネルなどにより構成される入力インタフェース24が設けられ、その左側には、音声信号に基づいて音を発生するスピーカ25が設けられている。入力インタフェース24には、音楽の検索を行うとき操作される検索ボタン41が設けられている。
【0042】
入力インタフェース24の上方には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成される表示部26が設けられている。ユーザが入力インタフェース24を操作して音楽の検索を指令すると、検索結果が表示部26に表示される。また、表示部26には必要に応じてGUI(Graphical User Interface)が表示され、ユーザは、GUIに基づいて入力インタフェース24を操作し、必要に応じて、表示部26に音楽の情報を表示し、スピーカ25から音を出力させる。
【0043】
図2は、検索装置1の構成例を示すブロック図である。マイクロフォン23により入力された音のデータは音バッファ62に蓄積され、入力部61は、音バッファ62を制御して、音データを読み出し、バス63を介して各部に出力する。出力部64は、スピーカ25または表示部26へのデータの出力を制御する。時計65は、常に計時動作を行っており、時刻情報を出力する。クエリーバッファ66は、検索を行うとき必要なクエリーを蓄積し、CPU67の制御に基づいて、クエリーを各部に出力する。
【0044】
CPU67は、バス63を介して各部を制御し、必要に応じて、RAM68にデータを一時的に記憶する。ROM69には、検索装置1を動作させるために必要なプログラム、初期値などのデータが記憶される。
【0045】
GPS部70は、GPSアンテナ22と接続されており、GPSアンテナ22により受信されたGPS信号を解析し、現在時刻、現在位置(緯度、経度、高度など)の情報を演算する。通信部80は、通信アンテナ21と接続されており、CPU67の制御に基づいて、データの送受信を行う。
【0046】
図3は、図2のCPU67の機能的構成例を示すブロック図である。クエリー作成部91は、音楽を検索するとき必要なデータであるクエリーを作成し、検索実行部92は、クエリーをサーバ3に送信し、サーバ3により検索された音楽の情報を取得する。
【0047】
図4は、サーバ3の構成例を示すブロック図である。入力部101は、キーボード、マウスなどにより構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。検索部102は、検索装置1から送信されたクエリーに基づいて、音楽情報の検索を行う。音楽DB(データベース)103には、各種の音楽がA/D変換されディジタルデータとして記憶されている。放送メディアDB104には、各放送局において放送されたコンテンツ(音楽)の内容が記憶されている。店舗DB105には、各店舗(例えば、ディスコやクラブ)において、使用された音楽の内容が記憶されている。音楽DB103乃至店舗DB105に記憶されたデータは、バス106を介して各部へ提供される。
【0048】
CPU(Central Processing Unit)107は、ROM(Read Only Memory)109に記憶されているプログラム、または図示せぬハードディスクなどの記憶部からRAM(Random Access Memory)108にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM108にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。通信部110は、ネットワーク4を介しての通信処理を行う。
【0049】
次に、図5を参照して、検索装置1による検索前処理について説明する。この処理は、例えば、ユーザが街中で検索したい音楽を聴いたとき、検索装置1の入力インタフェース24を操作することにより実行される。
【0050】
ステップS1において、クエリー作成部91は、検索ボタン41が押下されたか否かを判定し、検索ボタン41が押下されたと判定されるまで待機する。検索ボタン41が押下されたと判定されたと判定された場合、ステップS2において、クエリー作成部91は、図9を参照して後述する検索用音片生成処理を実行する。これにより、クエリーの一部となる音データが生成される。
【0051】
ステップS3において、クエリー作成部91は、GPS部70から提供される現在位置の情報Pを取得し、ステップS4において、時計65(または、GPS部70)から提供される現在時刻の情報を変数Timeに設定する。ステップS5において、クエリー作成部91は、ステップS2で生成された検索用の音片、ステップS3で取得された現在位置の情報P、およびステップS4で取得された現在時刻Timeを組み合わせてクエリーを作成する。作成されたクエリーは、ステップS6においてクエリーバッファ66に格納される。その後、処理はステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0052】
このようにして、ユーザが検索ボタン41を操作すると、音楽を検索するために必要なデータであるクエリーが作成される。
【0053】
次に、図6を参照して、検索装置1による検索実行処理について説明する。この処理は、図5を参照して上述した検索前処理により、クエリーバッファ66にクエリーが所定の数(例えば5個)だけ蓄えられたとき、実行されるようにしてもよいし、ユーザが、入力インタフェース24を操作することにより実行されるようにしてもよい。
【0054】
ステップS21において、検索実行部92は、サーバ3との通信が可能であるか否かを判定し、サーバ3との通信が可能であると判定されるまで待機する。ステップS21において、サーバ3との通信が可能であると判定された場合、ステップS22に進み、検索実行部92は、クエリーバッファ66の中にクエリーがあるか否かを判定する。ステップS22において、クエリーバッファ66の中にクエリーがあると判定された場合、ステップS23に進み、検索実行部92は、バッファ内のクエリーを、ネットワーク4を介して、サーバ3に送信する。この結果、サーバ3において、ステップS23で送信されたクエリーに基づいて、音楽の検索が行われる。一方、ステップS22において、クエリーバッファ66の中にクエリーがないと判定された場合、ステップS23の処理はスキップされる。
【0055】
ステップS24において、検索実行部92は、ネットワーク4を介して、サーバ3にアクセスし、サーバ3に検索結果があるか否か(サーバ3が検索結果を出力したか否か)を判定し、検索結果があると判定されるまで(すなわち、サーバ3で音楽の検索が終了するまで)待機する。ステップS24において、検索結果があると判定された場合、ステップS25に進み、検索実行部92は、検索結果をサーバ3から取得し、ステップS26において、取得済の検索結果をサーバ3のデータから削除する。そして、ステップS27において、検索実行部92は、ステップS25で取得された検索結果を表示部26に表示する。その後、処理はステップS21に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0056】
このようにして、音楽の検索が行われる。その結果、ユーザは、例えば、街中で偶然音楽を聞いた場合、検索ボタン41を操作するだけで、その音楽の情報(曲名、アーティスト名など)を取得することができる。
【0057】
次に、図7を参照して、検索装置1による音データバッファ処理について説明する。この処理は、特にユーザから指示のない限り、検索装置1が動作している間(例えば、検索装置1の電源がオンの状態の間)、繰り返し実行される。
【0058】
ステップS41において、入力部61は、時刻パラメータt(0)乃至t(2)を作成し、ステップS42において音データバッファb(0)乃至b(2)を作成する。これにより音バッファ62の中に、図8に示されるような3つのバッファが作成される。
【0059】
図8の例においては、音データバッファとしてバッファ131乃至133が作成されており、例えば、バッファ131は、音データバッファb(0)に対応し、バッファ132は、音データバッファb(1)に対応し、バッファ133は音データバッファb(2)に対応する。
【0060】
ステップS43において、入力部61は、変数nに値0をセットし、ステップS44において時刻パラメータt(n)に現在時刻をセットする。ステップS45において、入力部61は、マイクロフォン23から入力された音をA/D変換して、音データを生成し、音データを音データバッファb(n)に記録する。
【0061】
いま、nが0なので、図8のバッファ131(b(0))に音データ151が記録される。図8の例では、音データ151が、バッファ131の左端の(時間的に前の)矢印141を先頭にして、バッファ131の途中の(時間的に後の)矢印153で示される位置まで音データ151が記録されており、時間が経過するとともに、記録位置153は図中右方向に移動する。また、時刻パラメータt(0)として、矢印141の時点の時刻、すなわちバッファ131の記録開始時刻がセットされる。
【0062】
ステップS46において、入力部61は、音データバッファb(n)が一杯になったか否かを判定し、まだb(n)が一杯になっていないと判定された場合、ステップS45に戻る。ステップS46において、音データバッファb(n)が一杯になったと判定された場合、ステップS47に進み、入力部61は、変数nに、(n+1)を3で割った余りをセットし、ステップS44に戻る。
【0063】
図8の例では、記録位置153が、バッファ131の右端まで移動したとき、バッファ131(b(0))は、一杯になったと判定される。この場合、音データ130を、バッファに供給するスイッチ134が切り替わり、バッファ132(b(1))に、その後の音データが入力される。そして、ステップS47において(0+1)を3で割った余り、すなわち1が変数nの値としてセットされる。そして、ステップS44において時刻パラメータt(1)に現在時刻、すなわちバッファ132の記録開始時刻がセットされ、ステップS45において、バッファ131に記録された音データに続く音データが、バッファ132に記録される。
【0064】
同様に、バッファ132が一杯になると、スイッチ134は、バッファ133(b(2))に切り替わり、バッファ133に、その後に続く音データが記録される。さらに、バッファ133が一杯になると、スイッチ134は、再びバッファ131に切り替わり、バッファ131に、その後に続く音データが記録される。このとき、過去に記録されていた音データの上に、新たな音データが記録され(上書きされ)、過去の音データは消去される。このようにして、3つのバッファ131乃至133(b(0)乃至b(2))に順番に最新の音データが記録更新され、それぞれのバッファの記録開始時刻t(0)乃至t(2)が記憶される。
【0065】
次に、図9を参照して、図5のステップS2の検索用音片生成処理について説明する。ステップS61において、クエリー作成部91は、メモリ領域m(0)乃至m(2)をクエリーバッファ66の中に生成する。ステップS62において、クエリー作成部91は、変数aに値0をセットし、ステップS63において、変数cに値nをセットする。変数nは、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる変数nと同じであり(すなわち、バッファ131乃至133のうちのそのとき記録中のバッファを表し)、入力部61からバス63を介して取得される。
【0066】
ステップS64において、クエリー作成部91は、変数iに(c+2)を3で割った余りをセットする。これにより変数iの値は0,1,2のいずれかとなり、c(=n)が2のときiは1とされ、cが1のときiは0とされ、cが0のときiは2とされる。
【0067】
ステップS65において、クエリー作成部91は、変数aが0と等しいか否かを判定し、変数aが0と等しいと判定された場合、ステップS66に進み、時刻を表す変数Tに時刻パラメータt(i)をセットする。時刻パラメータt(i)(i=0,1,2)は、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる、各バッファの記録開始時刻がセットされたパラメータであり(図7では、t(n)(n=0,1,2)とされたもの)、入力部61からバス63を介して取得される。
【0068】
ステップS67において、クエリー作成部91は、メモリ領域m(a)にバッファb(i)の内容をコピーする。バッファb(i)(i=0,1,2)の内容は、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる、各バッファの記録内容(図7では、b(n)(n=0,1,2)とされたもの)、すなわち各バッファに蓄積された音データであり、音バッファ62からバス63を介して、その内容が取得され、メモリ領域にコピーされる。
【0069】
ステップS68において、クエリー作成部91は、変数cが変数nと等しいか否か、すなわち、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる変数nの値が変化したか否かを判定し、変数cが変数nと等しくないと判定されるまで待機する。ステップS68において、変数cが変数nと等しくないと判定された場合、ステップS69に進み、クエリー作成部91は、変数aの値を1だけインクリメントし、ステップS70において、変数aが3より小さいか否かを判定し、変数aが3より小さいと判定された場合、ステップS63に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0070】
ここで、図10乃至図12を参照してステップS62乃至S70の処理を詳細に説明する。図10乃至図12は、図8と同様に、音バッファ62の中に作成された3つのバッファ131乃至133に音データが記録される様子を表す。図10において、音データの記録位置153は、バッファ132(b(1))の途中にあり、このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は1と設定されている。図10に示される状態で、検索ボタン41が押下されたとき、ステップS62で変数aに0がセットされ、ステップS63で変数c(=n)に1がセットされ、ステップS64で変数i((c+2)を3で割った余り)に0がセットされる。
【0071】
ステップS65において、変数aは0と等しいと判定され、ステップS66で変数Tに時刻パラメータt(0)の値がセットされる。時刻パラメータt(0)の値は、バッファ131のデータの先頭である矢印171で示される部分のデータが書き込まれた時刻を表す。ステップS67で、メモリ領域m(0)にバッファb(0)(バッファ131)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0072】
図11は、図10に示される状態から時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ133の途中に移動した状態を示す図である。このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は2と設定されているので、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに1がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さいと判定され、処理はステップS63に戻る。
【0073】
次に、ステップS63で変数cに2がセットされ、ステップS64で変数iに1がセットされる。ステップS65において、変数aは0と等しくないと判定され、ステップS66の処理はスキップされる。すなわち、変数Tには、時刻パラメータt(0)の値がセットされたままである。ステップS67で、メモリ領域m(1)にバッファb(1)(バッファ132)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0074】
図12は、図11に示される状態からさらに時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ131の途中に移動した状態を示す図である。このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は0と設定されているので、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに2がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さいと判定され、処理はステップS63に戻る。
【0075】
次に、ステップS63で、変数cに0がセットされ、ステップS64で変数iに2がセットされる。ステップS65において、変数aは0と等しくないと判定され、ステップS66の処理はスキップされる。すなわち、変数Tには、時刻パラメータt(0)の値がセットされたままである。ステップS67で、メモリ領域m(2)にバッファb(2)(バッファ133)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0076】
図12に示される状態からさらに時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ132の途中に移動すると、変数nの値は再び1と設定され、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに3がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さくないと判定され、処理は、図9のステップS71に進む。
【0077】
そして、ステップS71において、クエリー作成部91は、時刻Tおよびメモリ領域m(0)乃至m(2)に記憶されたデータを音片として出力する。
【0078】
このようにして、検索用の音片が生成される。検索用の音片は、ユーザが検索ボタン41を押下する以前に記録されていた音データを含めて、バッファ3つ分の音データ(例えば、10秒間分の音のデータ)に基づいて生成される。図10乃至図12の例では、検索ボタン41が押下されたとき、記録中のバッファ132の、1つ前のバッファ131に記録された音データ、およびその後(検索ボタン41が押下された後)、バッファ132とバッファ133に記録された音データに基づいて、音片が生成されている。
【0079】
このようにすることで、ユーザが、偶然、検索したい音楽を聞いたとき、検索ボタンを押下するまでに、ある程度時間がかかっても(ユーザは、音楽をある程度以上の長さだけ聞かないと、検索するか否かを決断することができない)、予め(検索ボタンを押下する以前に)音バッファに記録された音データを用いて、検索用のクエリーが生成されるので、所望の音楽を検索するために、充分な長さの音データを含むクエリーが生成され、より正確に所望の音楽を検索することができる。
【0080】
次に、サーバ3における音楽情報の検索について説明する。図13は、図4の検索部102の機能的構成例を示すブロック図である。検索装置1から送信されたクエリーは、ネットワーク4を介してサーバ3で受信され、分離部180で、音片と現在位置の情報P、時刻情報Timeに分離され、音片は周波数変換部181に入力され、周波数スペクトルに変換される。一方、現在位置の情報P、時刻情報Timeは、検索候補絞込み部184に入力され、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104、店舗DB105、および音楽DB103の中から検索すべき情報の絞込みを行う。
【0081】
周波数変換部181は、周波数スペクトルをパターンマッチング部182に出力し、パターンマッチング部182は、検索候補絞込み部184から検索すべき情報を取得し、周波数スペクトルに基づいて、マッチングを行い、クエリーの音片と検索候補絞込み部184から取得した情報に基づく音片の類似度を表す評価値を演算し、演算した結果をスコアソート部183に出力する。なお、評価値は、類似度が高いほど小さい値となる。
【0082】
スコアソート部183は、検索候補絞込み部184から取得した情報に基づく音片のうち、評価値をソートして、閾値以下となったものを出力する。
【0083】
勿論、評価値は、類似度が高いほど大きい値とすることもできる。この場合は、閾値以上のものが出力される。すなわち、所定の基準が満足されたもの(類似度が高いもの)が選択され、出力される。
【0084】
次に、図14を参照して、サーバ3による音楽データ検索処理について説明する。この処理は、検索装置1から送信されたクエリーを受信したとき(図6のステップS23の後)、実行される。
【0085】
ステップS91において、分離部180は、クエリーを取得し、音片と現在位置の情報P、時刻情報Timeに分離し、音片を周波数変換部181に入力し、現在位置の情報Pと時刻情報Timeを、検索候補絞込み部184に入力する。
【0086】
ステップS92において、周波数変換部181は、クエリーの音片に含まれる音データを周波数変換し、周波数スペクトルを生成する。ステップS93において、パターンマッチング部182は、図15を参照して後述する店舗DBデータチェック処理を実行する。ステップS94において、パターンマッチング部182は、店舗DBデータチェック処理の結果リストが空か否か、すなわち類似度の高いデータが検出されたか否かを判定し、結果リストが空であると判定された場合(類似度の高いデータが検出されなかった場合)、ステップS95に進み、図17を参照して後述する放送メディアDBデータチェック処理を実行する。
【0087】
ステップS96において、パターンマッチング部182は、放送メディアDBデータチェック処理の結果リストが空か否か、すなわち類似度の高いデータが検出されたか否かを判定し、結果リストが空であると判定された場合(類似度の高いデータが検出されなかった場合)、ステップS97に進み、図20を参照して後述する音楽DBデータチェック処理を実行する。
【0088】
ステップS98において、スコアソート部183は、結果リストを評価値の低い順に(類似度が高い順に)ソートし、ステップS99で出力する。ここで、出力された結果リストは、サーバ6の図示せぬ記憶部に記憶され、検索装置1にネットワーク4を介して提供される(図6のステップS25で、検索装置1に取得される)。
【0089】
ステップS94において、結果リストが空ではないと判定された場合(類似度の高いデータが検出された場合)、ステップS95乃至S97の処理は、スキップされる。また、ステップS96において、結果リストが空ではないと判定された場合(類似度の高いデータが検出された場合)、ステップS97の処理はスキップされる。
【0090】
すなわち、店舗DB、放送メディアDB、音楽DBの順に検索が行われ、類似度の高いデータが検出された場合、後の順番のDBの検索は行われない。これにより、検索処理を迅速に実行することができる。また、DBの検索は、データ量が少ない順に行われる。これによっても、迅速な検索が可能となる。
【0091】
このようにして、サーバ3で、クエリーに基づく音楽が検索され、検索結果が検索装置1に提供される。
【0092】
次に、図15を参照して、図14のステップS93の店舗DBデータチェック処理について説明する。ステップS111において、検索候補絞込み部184は、店舗DB105からデータを1つ抽出する。店舗DB105には、例えば、図16に示されるようなデータが記憶されている。
【0093】
図16は、ある店舗において演奏(再生)された1曲の音楽についての情報が記述されたデータを表し、このデータは、フィールド211乃至214により構成されている。フィールド211には、店舗名、位置情報、および広告情報が記述されている。この例では、店舗名「a」、位置情報「x=“E128.32.13.33” y=“N46.28.36.02”」、および広告情報「prog1_channel1.Ad」が記述されている。ここで、位置情報は、この店舗が存在する位置を表す情報であり、GPSデータに基づいて記述される。また、広告情報は、他のサーバへのURL(Uniform Resource Locator)とされる。
【0094】
フィールド212には、音楽の演奏開始時刻と終了時刻が記述されている。この例では、「<music start=”2003/2/20 12:24:21”, end=”2003/2/20 12:27:25”>」と記述されている。これは、2003年2月20日12時24分21秒に音楽の演奏が開始され、2003年2月20日12時27分25秒に演奏が終了したことを表す。ステップS111においては、クエリーの時刻情報Timeが演奏開始時刻と終了時刻の間にあるデータが選択されて抽出される。
【0095】
フィールド213は、音楽ファイルのアドレスを記述するフィールドであり、この例では、「<sound file=”2003_2_20_12_24.wav” />」と記述されている。サーバ3は、このアドレスにアクセスすることにより、音楽ファイルを取得することができる。
【0096】
フィールド214は、この音楽に関連する情報(例えば、アーティスト名(歌手名、演奏者名など)、アルバム名など)へのリンクが記述されており、この例では、「<refmusicInfo href=”001.info” />」と記述されている。
【0097】
ステップS112において、検索候補絞込み部184は、店舗DB105にデータがあるか(ステップS111でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS113において、そのデータに記述された位置情報と、クエリーから取得された現在位置の情報Pとの距離を比較し、両者の距離が、予め設定された閾値以下か否かを判定し、距離が閾値以下ではないと判定された場合、その店舗で演奏された音楽がユーザにより聞かれた可能性は低いので、ステップS111に戻り、次のデータを抽出する。
【0098】
ステップS113において、距離が閾値以下であると判定された場合、その店舗で演奏された音楽が、ユーザにより聞かれた可能性が高いので、ステップS114において、検索候補絞込み部184は、参照用音片を取得する。参照用音片としては、フィールド213の記述に基づいて、音楽ファイルが取得され、取得された音楽ファイルの一部分が音片として取得される。このとき、クエリーの時刻情報Timeとクエリーの音片に含まれる時刻Tに基づいて、音楽ファイルの中で音片として取得される部分が決定される。
【0099】
ステップS115において、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0100】
ステップS116において、パターンマッチング部182は、ステップS115の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下である(類似度が高い)と判定された場合、ステップS117に進み、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、フィールド214の記述に基づいて、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0101】
ステップS117の処理の後、または、ステップS116で、評価値が閾値以下ではない(類似度が低い)と判定された場合、処理はステップS111に戻りそれ以降の処理が繰り返し実行される。
【0102】
ステップS112において、データがないと判定された場合(全てのデータのチェックが完了した場合)、処理は終了される。
【0103】
このようにして、店舗DB105に基づいて、音楽情報が検索される。店舗DB105のデータには、その店舗の位置情報と、音楽の演奏開始時刻および終了時刻が記述されているので、クエリーに含まれる時刻情報Timeと現在位置の情報Pを用いて、検索対象データを絞り込むことにより、より早く所望の音楽を検索することができる。
【0104】
次に、図17を参照して、図14のステップS95の放送メディアDBデータチェック処理について説明する。ステップS131において、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104からデータを1つ抽出する。放送メディアDB104には、例えば、図18に示されるようなデータが記憶されている。
【0105】
図18は、ある放送局において放送された1曲の音楽についての情報が記述されたデータを表し、このデータは、フィールド231乃至235により構成されている。フィールド231には、放送メディアの種類およびチャネルが記述されている。この例では、放送メディア「TV(テレビジョン)」、およびチャネル「1」が記述されている。
【0106】
フィールド232には、音楽の演奏開始時刻と終了時刻が記述されている。この例では、「<music start=”2003/2/20 12:24:21”, end=”2003/2/20 12:27:25”>」と記述されている。これは、2003年2月20日12時24分21秒に音楽の演奏が開始され、2003年2月20日12時27分25秒に演奏が終了したことを表す。ステップS131においては、クエリーの時刻情報Timeが演奏開始時刻と終了時刻の間にあるデータが選択されて抽出される。
【0107】
フィールド233は、音楽ファイルのアドレスを記述するフィールドであり、この例では、「<sound file=”2003_2_20_12_24.wav” />」と記述されている。サーバ3は、このアドレスにアクセスすることにより、音楽ファイルを取得することができる。
【0108】
フィールド234は、この音楽に関連する情報(例えば、アーティスト名(歌手名、演奏者名等)、アルバム名など)へのリンクが記述されており、この例では、「<refmusicInfo href=”001.info” />」と記述されている。
【0109】
フィールド235は、広告情報であり、他のサーバへのURLが記述される。この例では、「prog1_channel1.Ad」と記述されている。
【0110】
ステップS132において、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104にデータがあるか(ステップS111でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS133に進み、参照用音片を取得する。参照用音片としては、フィールド233の記述に基づいて、音楽ファイルが取得され、取得された音楽ファイルの一部分が音片として取得される。このとき、クエリーの時刻情報Timeとクエリーの音片に含まれる時刻Tに基づいて、音楽ファイルの中で音片として取得される部分が決定される。
【0111】
ステップS134において、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0112】
ステップS135において、パターンマッチング部182は、ステップS134の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下であると判定された場合(基準を満足する評価である場合)、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、フィールド234の記述に基づいて、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0113】
ステップS136の処理の後、または、ステップS135で評価値は閾値以下ではないと判定された場合、処理はステップS131に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0114】
ステップS132において、データがないと判定された場合(全てのデータのチェックが完了した場合)、処理は終了される。
【0115】
このようにして、放送メディアDB104に基づいて、音楽情報が検索される。放送メディアDB104には、図19に示されるように、各放送メディア(テレビ251、ラジオ252、有線放送253など)における各チャネルの放送データが記憶されており、全ての放送メディアの全てのチャネルの放送データの中で、クエリーの時刻情報に基づいて決定された時刻271と272の間の音データが参照用の音片とされ、パターンマッチングが行われる。
【0116】
放送メディアDB104には、音楽の演奏開始時刻および終了時刻が記述されているので、クエリーに含まれる時刻情報Timeを用いて、検索対象データを絞り込むことにより、より早く所望の音楽を検索することができる。しかし、放送メディアDB104のデータには、位置情報が含まれていないため、店舗DB105の場合と比べると検索する対象が広くなり、検索時間が長くなる。このため、本発明では、店舗DBデータチェック処理が先に実行され、放送メディアDBデータチェック処理は、店舗DBデータチェック処理で類似度の高いデータが検出できなかった場合に実行される。
【0117】
次に、図20を参照して、ステップS97の音楽DBデータチェック処理について説明する。ステップS151において、検索候補絞込み部184は、音楽DB103からデータを1つ抽出する。音楽DB103には、例えば、各種の音楽の音楽ファイルが記憶されている。
【0118】
ステップS152において、検索候補絞込み部184は、音楽DB103にデータがあるか(ステップS151でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS153に進み、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0119】
このとき、図21に示されるように、音楽ファイル291の中で、クエリーの音片292と同じ時間(長さ)の音データ291−1,291−2,・・・が参照用音片として抽出され、評価値が演算される。そして参照用音片のうち、最も評価値の低い(類似度が高い)音片の評価値が、このデータ(音楽ファイル)の評価値として出力される。
【0120】
ステップS154において、パターンマッチング部182は、ステップS153の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下であると判定された場合(類似度が高い場合)、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、音楽DB103を参照して、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0121】
ステップS155の処理の後、または、ステップS154で評価値は閾値以下ではない(類似度が低い)と判定された場合、処理はステップS151に戻りそれ以降の処理が繰り返し実行される。
【0122】
ステップS152において、データがない(全てのデータのチェックが完了した)と判定された場合、処理は終了される。
【0123】
このようにして、音楽DB103に基づいて、音楽情報が検索される。音楽DB103には、店舗DB105および放送メディアDB104と異なり、時刻情報や位置情報が記述されていないため、検索対象が広くなり(データ量が多くなり)検索時間が長くなる。このため、本発明では、店舗DBデータチェック処理、および放送メディアDBデータチェック処理が先に実行され、音楽DBデータチェック処理は、店舗DBデータチェック処理および放送メディアDBデータチェック処理で類似度の高いデータが検出できなかった場合に実行される。
【0124】
次に、図22を参照して、図15のステップS115、図17のステップS134、または図20のステップS153のパターンマッチング処理について説明する。ステップS191において、パターンマッチング部182は、クエリーの音片(音データ)の周波数スペクトルを時間と周波数でメッシュ分解する。
【0125】
ここで、図23乃至図26を参照して、音片の周波数スペクトルがメッシュ分解される原理を説明する。図23は、音片の音データの信号を、縦軸を出力レベルとし、横軸を時間として波形で示した図である。音片の音データは、周波数変換部181により周波数変換され(図14のステップS92)、図24に示されるような周波数スペクトルに変換される。この例では、横軸を時間、縦軸を周波数として、周波数スペクトルが表示されている。そして、図24に示される周波数スペクトルが、図25に示されるように、所定の時間(t1,t2,t3,・・・tn)と、所定の周波数(f1,f2,f3,・・・fm)を単位としてメッシュ分解される。
【0126】
図26は、このとき生成されるメッシュデータの例を示す図である。この例では、時間t1,t2,・・・tnにおける周波数の値f1,f2,・・・fmが、データ数と時間または周波数の間隔を表す刻み幅とともに記述されている。
【0127】
図22に戻って、ステップS192において、パターンマッチング部182は、ステップS191と同様にして、参照用音片の周波数スペクトルを時間と周波数でメッシュ分解する。これにより参照用音片についても、図26と同様のメッシュデータが生成される。
【0128】
ステップS193において、パターンマッチング部182は、クエリーの音片のメッシュデータと参照用音片のメッシュデータをベクトルとして比較する。
【0129】
このとき、図27に示されるように、参照用音片のメッシュデータ311の中から時間t1に対応する周波数成分(f1,f2,・・・fm)が抽出され、所定の重み(a1,a2,・・・am)で重み付けされて、m次元のベクトルであるベクトルt1(a1・f1,a2・f2,・・・am・fm)が生成される。同様にクエリーの音片のメッシュデータの時間r1に対応する周波数成分(f’1,f’2,・・・f’m)が抽出され、やはり所定の重み(a’1,a’2,・・・a’m)で重み付けされて、m次元のベクトルであるベクトルr1(a’1・f’1,a’2・f’2,・・・a’m・f’m)が生成される。なお、図27において、ベクトルt1とr1は、f1、f2、およびf3の3次元で表されているが、実際には、m次元となる。
【0130】
同様に、参照用音片のメッシュデータ311の中から時間t2,t3,・・・tnに対応する周波数成分が抽出され、所定の重みで重み付けされ、ベクトルt2,t3,・・・tnが生成され、クエリーの音片のメッシュデータの時間r2,r3,・・・rnに対応する周波数成分が抽出され、所定の重みで重み付けされ、ベクトルr2,r3,・・・rnが生成される。
【0131】
ステップS194において、パターンマッチング部182は、図27に示されるベクトルt1とr1がなす角度331、ベクトルt2とr2がなす角度、・・・ベクトルtnとrnがなす角度の総和を求めて評価値を演算する。各ベクトル間の角度の総和は、次式により求められる。
【0132】
【数1】
【0133】
なお、評価値は、ベクトルt1とr1の距離332、ベクトルt2のr2距離、・・・ベクトルtnとrnの距離の総和により演算されるようにしてもよい。各ベクトル間の距離の総和は、次式により求められる。
【0134】
【数2】
【0135】
このようにして、評価値が演算される。評価値は、音片の周波数スペクトルが時間と周波数でメッシュ分解され、ベクトル化されて演算されるので、より精度の高い類似度を表すことができる。
【0136】
上述したように、サーバ3により検索された音楽情報は検索装置1により取得され、検索結果が表示される(図6のステップS27)。このとき表示される画面の例を図28乃至図31に示す。
【0137】
最初に、図28に示されるような画面が、検索装置1の表示部26に表示される。この例では、3件の検索結果が表示されている。図28において日付と時刻(2003/2/20 13:35:26など)の記述511−1乃至511−3は、検索ボタン41が押下された日付と時刻を表している。入力インタフェース24を操作して画面中央のアイコン512−1乃至512−3のいずれかをダブルクリックすると、そのクエリーの音片の音データが再生され、スピーカ25から再生された音が出力される。
【0138】
図中右側の「検索結果」と表示されたアイコン513−1乃至513−3は、検索結果の有無を表している。アイコン513−1とアイコン513−2は濃く(実線で)表示されており、サーバ3による検索結果が、すでに検索装置1により取得されていることを表す。アイコン513−3は淡く(破線で)表示されており、サーバ3による検索結果が、まだ検索装置1により取得されていないことを表す。検索結果の詳細を表示させるとき、ユーザは、入力インタフェース24を操作して、アイコン513−1乃至513−3をダブルクリックする。
【0139】
図29は、アイコン513−1がダブルクリックされた場合の画面の表示例を示す図である。この例では、検索ボタン41が押下された日付と時刻(2003/2/20 13:35:26)の記述521と、クエリーの音片の音データを再生するためのアイコン522が表示されている。
【0140】
また、検索された音楽情報として、曲名と歌手名の記述523−1と523−2が表示されている。検索された音楽情報が複数ある場合は、図22を参照して上述したパターンマッチング処理により、演算された評価値が小さい順(類似度が高い順)に音楽情報が表示される。
【0141】
入力インタフェース24を操作して、アイコン524−1または、アイコン524−2をダブルクリックすると、パターンマッチング処理で用いられた参照用音片の音データが再生され、スピーカ25からその音が出力される。
【0142】
アイコン525−1とアイコン525−2は、この音楽情報が検索されたソースを表示するアイコンであり、例えば、アイコン525−1がダブルクリックされると、音楽情報523−1を検索するたに用いられた情報として、店舗名、放送局名などが表示される。
【0143】
また、ユーザは、入力インタフェース24を操作して、図28に示される表示画面において、音楽情報523−1を選択し、詳細表示を指示することにより、図30に示されるような画面を表示することができる。図30の例では、曲名、歌手名の記述531の後ろにアイコン532とアイコン533が表示されている。
【0144】
図30の表示画面においてアイコン532がダブルクリックされると、この音楽(コンテンツ)を視聴するためのデータが取得されて再生され、スピーカ25から再生された音が出力される。また、アイコン523がダブルクリックされると、この音楽のコンテンツが購入可能となる。音楽の視聴または購入は、ネットワーク4に接続される所定のサーバにアクセスすることにより行われる。
【0145】
また、図30の表示画面の下部の参考情報表示部534には、この音楽を検索した他のユーザがよく検索する音楽情報が必要に応じて表示される。
【0146】
また、検索された音楽情報に広告情報が含まれている場合、例えば、図16の記述211に基づいて、広告データが取得され表示される。図31は、この場合の表示例を示す図である。この例では、検索ボタンを押下した日付と時刻の記述541とともに、店舗名542が表示されており、画面中央の広告表示部543には、広告データに基づいて広告が表示される。
【0147】
なお、上述した一連の処理をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図32に示されるような汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0148】
図32において、CPU(Central Processing Unit)901は、ROM(Read Only Memory)902に記憶されているプログラム、または記憶部908からRAM(Random Access Memory)903にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0149】
CPU901、ROM902、およびRAM903は、バス904を介して相互に接続されている。このバス904にはまた、入出力インタフェース905も接続されている。
【0150】
入出力インタフェース905には、キーボード、マウスなどよりなる入力部906、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ(表示部)、並びにスピーカなどよりなる出力部907、ハードディスクなどより構成される記憶部908、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部909が接続されている。通信部909は、インターネットなどのネットワークを介しての通信処理を行う。
【0151】
入出力インタフェース905にはまた、必要に応じてドライブ910が接続され、ドライブ910には、本発明のプログラムが記録された記録媒体として、例えば、リムーバブルメディア911が装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部908にインストールされる。
【0152】
なお、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0153】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、所望の音楽を検索することができる。特に、より簡単かつ確実に、音楽を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音楽検索システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の検索装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のCPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
【図5】検索前処理を説明するフローチャートである。
【図6】検索実行処理を説明するフローチャートである。
【図7】音データバッファ処理を説明するフローチャートである。
【図8】音バッファの構成例を示す図である。
【図9】検索用音片生成処理を説明するフローチャートである。
【図10】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図11】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図12】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図13】図4の検索部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図14】音楽データ検索処理を説明するフローチャートである。
【図15】店舗DBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図16】店舗DBに記憶されているデータの例を示す図である。
【図17】放送メディアDBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図18】放送メディアDBに記憶されているデータの例を示す図である。
【図19】各放送メディアの放送データと、放送データのパターンマッチングが行われる部分を示す図である。
【図20】音楽DBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図21】音楽データの中でパターンマッチングが行われる部分を示す図である。
【図22】パターンマッチング処理を説明するフローチャートである。
【図23】音片の波形を示す図である。
【図24】周波数スペクトルに分解された音片の例を示す図である。
【図25】図24の周波数スペクトルスペクトルをメッシュ分解した例を示す図である。
【図26】図24でメッシュ分解されたメッシュデータの構成例を示す図である。
【図27】クエリーの音片と参照用音片をベクトル化する例を示す図である。
【図28】音楽情報の検索結果の表示画面の例を示す図である。
【図29】図28の検索結果の内容を表示する画面の表示例を示す図である。
【図30】音楽情報の詳細を表示する画面の表示例を示す図である。
【図31】広告情報を表示する画面の表示例を示す図である。
【図32】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 検索装置, 3 サーバ, 61 入力部, 62 音バッファ, 67CPU, 91 クエリー作成部, 92 検索実行部, 102 検索部,181 周波数変換部, 182 パターンマッチング部, 183 スコアソート部, 184 検索候補絞込み部
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽検索システムおよび方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に所望の音楽をより簡単かつ確実に検索できるようにする音楽検索システムおよび方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンテンツとして音楽が放送された場合、放送された音楽の曲名、アーティスト名などの情報を取得するニーズが高まってきている。この場合、ユーザは、音楽が放送された放送局と放送日時に基づいて、音楽の情報を取得する必要がある。
【0003】
そこで、本出願人は、音声で入力されたメロディに基づいて、そのメロディを有する可能性のある音楽を検索し、その情報をユーザに提供する技術を先に提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−60099号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、検索したい音楽のメロディをユーザが発声して入力して、音楽を検索するため、その音楽のメロディを、ユーザが記憶している必要がある。そのため、例えば、街中で初めて聞いた音楽などを検索することができないという課題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、所望の音楽をより簡単かつ確実に検索できるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の音楽検索システムは、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムであって、第1の情報処理装置は、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、生成手段により生成された検索データを、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信し、第2の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する取得手段と、取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段とを備え、第2の情報処理装置は、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択する選択手段と、選択手段により選択された音データの音楽の情報を第1の情報処理装置にネットワークを介して提供する提供手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の音楽検索方法は、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムの音楽検索方法であって、第1の情報処理装置は、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録し、検索すべきデータの生成を指令し、検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段に記録されている音データから検索データを生成し、生成された検索データを、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信し、第2の情報処理装置は、第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出し、記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込み、抽出された検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換し、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算し、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択し、選択された音データの音楽の情報を第1の情報処理装置にネットワークを介して提供し、第1の情報処理装置は、第2の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得し、取得された検索結果を表示することを特徴とする。
【0009】
本発明の音楽検索システムおよび方法においては、第1の情報処理装置により、第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データが記録され、検索すべきデータの生成が指令され、記録手段に記録されている音データから検索データが生成され、生成された検索データが、第2の情報処理装置にネットワークを介して送信される。また、第2の情報処理装置により、第1の情報処理装置から送信された検索データが取得され、検索データの音のデータが抽出され、記憶されている音楽の情報から、検索候補が絞り込まれ、抽出された検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データが周波数スペクトルに変換され、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルが生成され、ベクトルを比較することにより、検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値が演算され、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データが選択され、選択された音データの音楽の情報が第1の情報処理装置にネットワークを介して提供される。第1の情報処理装置により、第2の情報処理装置による検索結果が、ネットワークを介して取得され、取得された検索結果が表示される。
【0010】
本発明の第1の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、生成手段により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する検索結果取得手段と、検索結果取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記情報処理装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、時刻を取得する時刻取得手段とをさらに備え、生成手段は、検索データに、位置情報取得手段により取得された位置情報と、時刻取得手段により取得された時刻を付加して他の情報処理装置に送信するようにすることができる。
【0012】
前記検索結果は、音楽の曲名およびアーティスト名、並びに音楽の取得に必要な情報を含むようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置の情報処理方法であって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録する記録ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かを判定する指令判定ステップと、指令判定ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録ステップの処理により記録されている音データから検索データを生成する生成ステップと、生成ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得する検索結果取得ステップと、検索結果取得ステップの処理により取得された検索結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムであって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、生成制御ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、生成制御ステップの処理により生成された検索データを、他の情報処理装置にネットワークを介して送信し、他の情報処理装置による検索結果を、ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップとをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の情報処理装置および方法、並びに第1のプログラムにおいては、情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データが記録され、検索すべきデータの生成を指令されたか否かが判定され、検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、記録されている音データから検索データが生成され、生成された検索データが、他の情報処理装置にネットワークを介して送信され、他の情報処理装置による検索結果が、ネットワークを介して取得され、取得された検索結果が表示される。
【0017】
本発明の第2の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出手段により抽出された音データと、絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データを選択する選択手段と、選択手段により選択された音データの音楽の情報を他の情報処理装置にネットワークを介して提供する提供手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
前記記憶手段は、音楽が演奏された店舗の情報と、音楽が放送された放送メディアの情報を記憶するようにすることができる。
【0019】
前記記憶手段は、店舗の情報として、店舗の位置を表す位置情報と、音楽が演奏された時刻を表す時刻情報とを記憶し、絞込み手段は、位置情報と、時刻情報に基づいて、音楽の情報を絞り込むようにすることができる。
【0020】
前記記憶手段は、放送メディアの情報として、音楽が放送された時刻を表す時刻情報を記憶し、絞込み手段は、時刻情報に基づいて、音楽の情報を絞り込むようにすることができる。
【0021】
本発明の第2の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置の情報処理方法であって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータを抽出する抽出ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込みステップと、抽出ステップの処理により抽出された音データと、絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換ステップと、変換ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出ステップの処理により抽出された音データと、絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算ステップと、演算ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択ステップとを含み、選択ステップの処理により選択された音データの音楽の情報を他の情報処理装置にネットワークを介して提供することを特徴とする。
【0022】
本発明の第2のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データの選択を制御する選択制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、ベクトルを比較して、抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データの選択を制御する選択制御ステップとをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0024】
本発明の第2の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、他の情報処理装置から送信された検索データが取得され、検索データの音のデータが抽出され、記憶されている音楽の情報から、検索候補が絞り込まれ、抽出された音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データが周波数スペクトルに変換される。また、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルが生成され、ベクトルを比較して、抽出された音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値が演算され、演算された評価値が予め設定された基準を満足する音データが選択され、選択された音データの音楽の情報が他の情報処理装置にネットワークを介して提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0026】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0027】
請求項1に記載の音楽検索システムは、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置(例えば、図1の検索装置装置1)と第2の情報処理装置(例えば、図1のサーバ3)からなる音楽検索システムであって、前記第1の情報処理装置が、前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段(例えば、図2の音バッファ62)と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段(例えば、図1の検索ボタン41)と、前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段(例えば、図3のクエリー作成部91)と、前記生成手段により生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する取得手段(例えば、図3の検索実行部92)と、前記取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段(例えば、図1の表示部26)とを備え、前記第2の情報処理装置が、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段(例えば、図4の音楽DB103乃至店舗DB105)と、前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段(例えば、図4の検索部102)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段(例えば、図13の検索候補絞込み部184)と、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段(例えば、図13の周波数変換部181)と、前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段(例えば、図13のパターンマッチング部182)と、前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段(例えば、図13のスコアソート部183)と、前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段(例えば、図4の通信部110)とを備えることを特徴とする。
【0028】
請求項2に記載の音楽検索方法は、ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置(例えば、図1の検索装置装置1)と第2の情報処理装置(例えば、図1のサーバ3)からなる音楽検索システムの音楽検索方法であって、前記第1の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録し(例えば、図7の音データバッファ処理)、検索すべきデータの生成を指令し(例えば、図5のステップS1)、検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段に記録されている音データから検索データを生成し(例えば、図5のステップS2)、生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し(例えば、図6のステップS23)、前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出し(例えば、図14のステップS91)、記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込み(例えば、図15のステップS114または図17のステップS133)、抽出された前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換し(例えば、図14のステップS92)、変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算し(例えば、図22のパターンマッチング処理)、演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択し(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、または図19のステップS154)、選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供し、前記第1の情報処理装置は、前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得し(例えば、図6のステップS25)、取得された前記検索結果を表示する(例えば、図6のステップS27)ことを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段(例えば、図2の音バッファ62)と、検索すべきデータの生成を指令する指令手段(例えば、図1の検索ボタン41)と、前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段(例えば、図3のクエリー作成部91)と、前記生成手段により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得手段(例えば、図3の検索実行部92)と、前記検索結果取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段(例えば、図1の表示部26)とを備えることを特徴とする。
【0030】
請求項4に記載の情報処理装置は、前記情報処理装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段(例えば、図2のGPS部70)と、時刻を取得する時刻取得手段(例えば、図2の時計65)とをさらに備え、前記生成手段は、前記検索データに、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記時刻取得手段により取得された時刻を付加して前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0031】
請求項6に記載の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置の情報処理方法であって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録する記録ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かを判定する指令判定ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録ステップの処理により記録されている音データから検索データを生成する生成ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得ステップの処理により取得された検索結果を表示する表示ステップ(例えば、図6のステップS27)とを含むことを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムであって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップ(例えば、図6のステップS27)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0033】
請求項8に記載の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップ(例えば、図7の音データバッファ処理)と、検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップ(例えば、図5のステップS1)と、前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップ(例えば、図5のステップS2)と、前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップ(例えば、図6のステップS25)と、前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップ(例えば、図6のステップS27)とをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0034】
請求項9に記載の情報処理装置は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段(例えば、図4の音楽DB103乃至店舗DB105)と、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段(例えば、図4の検索部102)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段(例えば、図13の検索候補絞込み部184)と、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段(例えば、図13の周波数変換部181)と、前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段(例えば、図13のパターンマッチング部182)と、前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段(例えば、図13のスコアソート部183)と、前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段(例えば、図4の通信部110)とを備えることを特徴とする。
【0035】
請求項10に記載の情報処理装置は、前記記憶手段が、音楽が演奏された店舗の情報(例えば、図4の店舗DB105)と、音楽が放送された放送メディアの情報(例えば、図4の放送メディアDB104)を記憶することを特徴とする。
【0036】
請求項13に記載の情報処理方法は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置の情報処理方法であって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込みステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とを含み、前記選択ステップの処理により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供することを特徴とする。
【0037】
請求項14に記載のプログラムは、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
請求項15に記載の記録媒体は、ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップ(例えば、図14のステップS91)と、前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップ(例えば、図15のステップS114、または図17のステップS133)と、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップ(例えば、図14のステップS92)と、前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップ(例えば、図22のパターンマッチング処理)と、前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップ(例えば、図15のステップS116、図17のステップS135、図19のステップS154)とをコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする。
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明を適用した音楽検索システムの構成例を示す図である。この構成例においては、インターネットなどに代表されるネットワーク4を介して、サーバ3と受信装置2が接続されている。受信装置2と検索装置1とは、無線により接続されており、検索装置1は、受信装置2とネットワーク4を介してサーバ3と通信を行う。
【0040】
例えば、PDA(Personal Digital Assistants)で構成される検索装置1の上部には、受信装置2と無線による通信を行う通信アンテナ21、複数個のGPS(Global Positioning System)衛星から電波で地上に放射されるGPS信号を受信するGPSアンテナ22、および検索装置1の周辺の音を入力(収音)するマイクロフォン23が設けられている。マイクロフォン23は、必要に応じて検索装置1から取り外せるように構成されている。
【0041】
検索装置1の右下には、操作パネルなどにより構成される入力インタフェース24が設けられ、その左側には、音声信号に基づいて音を発生するスピーカ25が設けられている。入力インタフェース24には、音楽の検索を行うとき操作される検索ボタン41が設けられている。
【0042】
入力インタフェース24の上方には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成される表示部26が設けられている。ユーザが入力インタフェース24を操作して音楽の検索を指令すると、検索結果が表示部26に表示される。また、表示部26には必要に応じてGUI(Graphical User Interface)が表示され、ユーザは、GUIに基づいて入力インタフェース24を操作し、必要に応じて、表示部26に音楽の情報を表示し、スピーカ25から音を出力させる。
【0043】
図2は、検索装置1の構成例を示すブロック図である。マイクロフォン23により入力された音のデータは音バッファ62に蓄積され、入力部61は、音バッファ62を制御して、音データを読み出し、バス63を介して各部に出力する。出力部64は、スピーカ25または表示部26へのデータの出力を制御する。時計65は、常に計時動作を行っており、時刻情報を出力する。クエリーバッファ66は、検索を行うとき必要なクエリーを蓄積し、CPU67の制御に基づいて、クエリーを各部に出力する。
【0044】
CPU67は、バス63を介して各部を制御し、必要に応じて、RAM68にデータを一時的に記憶する。ROM69には、検索装置1を動作させるために必要なプログラム、初期値などのデータが記憶される。
【0045】
GPS部70は、GPSアンテナ22と接続されており、GPSアンテナ22により受信されたGPS信号を解析し、現在時刻、現在位置(緯度、経度、高度など)の情報を演算する。通信部80は、通信アンテナ21と接続されており、CPU67の制御に基づいて、データの送受信を行う。
【0046】
図3は、図2のCPU67の機能的構成例を示すブロック図である。クエリー作成部91は、音楽を検索するとき必要なデータであるクエリーを作成し、検索実行部92は、クエリーをサーバ3に送信し、サーバ3により検索された音楽の情報を取得する。
【0047】
図4は、サーバ3の構成例を示すブロック図である。入力部101は、キーボード、マウスなどにより構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。検索部102は、検索装置1から送信されたクエリーに基づいて、音楽情報の検索を行う。音楽DB(データベース)103には、各種の音楽がA/D変換されディジタルデータとして記憶されている。放送メディアDB104には、各放送局において放送されたコンテンツ(音楽)の内容が記憶されている。店舗DB105には、各店舗(例えば、ディスコやクラブ)において、使用された音楽の内容が記憶されている。音楽DB103乃至店舗DB105に記憶されたデータは、バス106を介して各部へ提供される。
【0048】
CPU(Central Processing Unit)107は、ROM(Read Only Memory)109に記憶されているプログラム、または図示せぬハードディスクなどの記憶部からRAM(Random Access Memory)108にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM108にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。通信部110は、ネットワーク4を介しての通信処理を行う。
【0049】
次に、図5を参照して、検索装置1による検索前処理について説明する。この処理は、例えば、ユーザが街中で検索したい音楽を聴いたとき、検索装置1の入力インタフェース24を操作することにより実行される。
【0050】
ステップS1において、クエリー作成部91は、検索ボタン41が押下されたか否かを判定し、検索ボタン41が押下されたと判定されるまで待機する。検索ボタン41が押下されたと判定されたと判定された場合、ステップS2において、クエリー作成部91は、図9を参照して後述する検索用音片生成処理を実行する。これにより、クエリーの一部となる音データが生成される。
【0051】
ステップS3において、クエリー作成部91は、GPS部70から提供される現在位置の情報Pを取得し、ステップS4において、時計65(または、GPS部70)から提供される現在時刻の情報を変数Timeに設定する。ステップS5において、クエリー作成部91は、ステップS2で生成された検索用の音片、ステップS3で取得された現在位置の情報P、およびステップS4で取得された現在時刻Timeを組み合わせてクエリーを作成する。作成されたクエリーは、ステップS6においてクエリーバッファ66に格納される。その後、処理はステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0052】
このようにして、ユーザが検索ボタン41を操作すると、音楽を検索するために必要なデータであるクエリーが作成される。
【0053】
次に、図6を参照して、検索装置1による検索実行処理について説明する。この処理は、図5を参照して上述した検索前処理により、クエリーバッファ66にクエリーが所定の数(例えば5個)だけ蓄えられたとき、実行されるようにしてもよいし、ユーザが、入力インタフェース24を操作することにより実行されるようにしてもよい。
【0054】
ステップS21において、検索実行部92は、サーバ3との通信が可能であるか否かを判定し、サーバ3との通信が可能であると判定されるまで待機する。ステップS21において、サーバ3との通信が可能であると判定された場合、ステップS22に進み、検索実行部92は、クエリーバッファ66の中にクエリーがあるか否かを判定する。ステップS22において、クエリーバッファ66の中にクエリーがあると判定された場合、ステップS23に進み、検索実行部92は、バッファ内のクエリーを、ネットワーク4を介して、サーバ3に送信する。この結果、サーバ3において、ステップS23で送信されたクエリーに基づいて、音楽の検索が行われる。一方、ステップS22において、クエリーバッファ66の中にクエリーがないと判定された場合、ステップS23の処理はスキップされる。
【0055】
ステップS24において、検索実行部92は、ネットワーク4を介して、サーバ3にアクセスし、サーバ3に検索結果があるか否か(サーバ3が検索結果を出力したか否か)を判定し、検索結果があると判定されるまで(すなわち、サーバ3で音楽の検索が終了するまで)待機する。ステップS24において、検索結果があると判定された場合、ステップS25に進み、検索実行部92は、検索結果をサーバ3から取得し、ステップS26において、取得済の検索結果をサーバ3のデータから削除する。そして、ステップS27において、検索実行部92は、ステップS25で取得された検索結果を表示部26に表示する。その後、処理はステップS21に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0056】
このようにして、音楽の検索が行われる。その結果、ユーザは、例えば、街中で偶然音楽を聞いた場合、検索ボタン41を操作するだけで、その音楽の情報(曲名、アーティスト名など)を取得することができる。
【0057】
次に、図7を参照して、検索装置1による音データバッファ処理について説明する。この処理は、特にユーザから指示のない限り、検索装置1が動作している間(例えば、検索装置1の電源がオンの状態の間)、繰り返し実行される。
【0058】
ステップS41において、入力部61は、時刻パラメータt(0)乃至t(2)を作成し、ステップS42において音データバッファb(0)乃至b(2)を作成する。これにより音バッファ62の中に、図8に示されるような3つのバッファが作成される。
【0059】
図8の例においては、音データバッファとしてバッファ131乃至133が作成されており、例えば、バッファ131は、音データバッファb(0)に対応し、バッファ132は、音データバッファb(1)に対応し、バッファ133は音データバッファb(2)に対応する。
【0060】
ステップS43において、入力部61は、変数nに値0をセットし、ステップS44において時刻パラメータt(n)に現在時刻をセットする。ステップS45において、入力部61は、マイクロフォン23から入力された音をA/D変換して、音データを生成し、音データを音データバッファb(n)に記録する。
【0061】
いま、nが0なので、図8のバッファ131(b(0))に音データ151が記録される。図8の例では、音データ151が、バッファ131の左端の(時間的に前の)矢印141を先頭にして、バッファ131の途中の(時間的に後の)矢印153で示される位置まで音データ151が記録されており、時間が経過するとともに、記録位置153は図中右方向に移動する。また、時刻パラメータt(0)として、矢印141の時点の時刻、すなわちバッファ131の記録開始時刻がセットされる。
【0062】
ステップS46において、入力部61は、音データバッファb(n)が一杯になったか否かを判定し、まだb(n)が一杯になっていないと判定された場合、ステップS45に戻る。ステップS46において、音データバッファb(n)が一杯になったと判定された場合、ステップS47に進み、入力部61は、変数nに、(n+1)を3で割った余りをセットし、ステップS44に戻る。
【0063】
図8の例では、記録位置153が、バッファ131の右端まで移動したとき、バッファ131(b(0))は、一杯になったと判定される。この場合、音データ130を、バッファに供給するスイッチ134が切り替わり、バッファ132(b(1))に、その後の音データが入力される。そして、ステップS47において(0+1)を3で割った余り、すなわち1が変数nの値としてセットされる。そして、ステップS44において時刻パラメータt(1)に現在時刻、すなわちバッファ132の記録開始時刻がセットされ、ステップS45において、バッファ131に記録された音データに続く音データが、バッファ132に記録される。
【0064】
同様に、バッファ132が一杯になると、スイッチ134は、バッファ133(b(2))に切り替わり、バッファ133に、その後に続く音データが記録される。さらに、バッファ133が一杯になると、スイッチ134は、再びバッファ131に切り替わり、バッファ131に、その後に続く音データが記録される。このとき、過去に記録されていた音データの上に、新たな音データが記録され(上書きされ)、過去の音データは消去される。このようにして、3つのバッファ131乃至133(b(0)乃至b(2))に順番に最新の音データが記録更新され、それぞれのバッファの記録開始時刻t(0)乃至t(2)が記憶される。
【0065】
次に、図9を参照して、図5のステップS2の検索用音片生成処理について説明する。ステップS61において、クエリー作成部91は、メモリ領域m(0)乃至m(2)をクエリーバッファ66の中に生成する。ステップS62において、クエリー作成部91は、変数aに値0をセットし、ステップS63において、変数cに値nをセットする。変数nは、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる変数nと同じであり(すなわち、バッファ131乃至133のうちのそのとき記録中のバッファを表し)、入力部61からバス63を介して取得される。
【0066】
ステップS64において、クエリー作成部91は、変数iに(c+2)を3で割った余りをセットする。これにより変数iの値は0,1,2のいずれかとなり、c(=n)が2のときiは1とされ、cが1のときiは0とされ、cが0のときiは2とされる。
【0067】
ステップS65において、クエリー作成部91は、変数aが0と等しいか否かを判定し、変数aが0と等しいと判定された場合、ステップS66に進み、時刻を表す変数Tに時刻パラメータt(i)をセットする。時刻パラメータt(i)(i=0,1,2)は、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる、各バッファの記録開始時刻がセットされたパラメータであり(図7では、t(n)(n=0,1,2)とされたもの)、入力部61からバス63を介して取得される。
【0068】
ステップS67において、クエリー作成部91は、メモリ領域m(a)にバッファb(i)の内容をコピーする。バッファb(i)(i=0,1,2)の内容は、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる、各バッファの記録内容(図7では、b(n)(n=0,1,2)とされたもの)、すなわち各バッファに蓄積された音データであり、音バッファ62からバス63を介して、その内容が取得され、メモリ領域にコピーされる。
【0069】
ステップS68において、クエリー作成部91は、変数cが変数nと等しいか否か、すなわち、図7を参照して上述した音データバッファ処理で用いられる変数nの値が変化したか否かを判定し、変数cが変数nと等しくないと判定されるまで待機する。ステップS68において、変数cが変数nと等しくないと判定された場合、ステップS69に進み、クエリー作成部91は、変数aの値を1だけインクリメントし、ステップS70において、変数aが3より小さいか否かを判定し、変数aが3より小さいと判定された場合、ステップS63に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0070】
ここで、図10乃至図12を参照してステップS62乃至S70の処理を詳細に説明する。図10乃至図12は、図8と同様に、音バッファ62の中に作成された3つのバッファ131乃至133に音データが記録される様子を表す。図10において、音データの記録位置153は、バッファ132(b(1))の途中にあり、このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は1と設定されている。図10に示される状態で、検索ボタン41が押下されたとき、ステップS62で変数aに0がセットされ、ステップS63で変数c(=n)に1がセットされ、ステップS64で変数i((c+2)を3で割った余り)に0がセットされる。
【0071】
ステップS65において、変数aは0と等しいと判定され、ステップS66で変数Tに時刻パラメータt(0)の値がセットされる。時刻パラメータt(0)の値は、バッファ131のデータの先頭である矢印171で示される部分のデータが書き込まれた時刻を表す。ステップS67で、メモリ領域m(0)にバッファb(0)(バッファ131)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0072】
図11は、図10に示される状態から時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ133の途中に移動した状態を示す図である。このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は2と設定されているので、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに1がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さいと判定され、処理はステップS63に戻る。
【0073】
次に、ステップS63で変数cに2がセットされ、ステップS64で変数iに1がセットされる。ステップS65において、変数aは0と等しくないと判定され、ステップS66の処理はスキップされる。すなわち、変数Tには、時刻パラメータt(0)の値がセットされたままである。ステップS67で、メモリ領域m(1)にバッファb(1)(バッファ132)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0074】
図12は、図11に示される状態からさらに時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ131の途中に移動した状態を示す図である。このとき、図7を参照して上述した音データバッファ処理では、変数nの値は0と設定されているので、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに2がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さいと判定され、処理はステップS63に戻る。
【0075】
次に、ステップS63で、変数cに0がセットされ、ステップS64で変数iに2がセットされる。ステップS65において、変数aは0と等しくないと判定され、ステップS66の処理はスキップされる。すなわち、変数Tには、時刻パラメータt(0)の値がセットされたままである。ステップS67で、メモリ領域m(2)にバッファb(2)(バッファ133)の記録内容がコピーされる。そして、ステップS68において、変数nの値が変化したか否かが判定される。
【0076】
図12に示される状態からさらに時間が経過し、音データの記録位置153がバッファ132の途中に移動すると、変数nの値は再び1と設定され、ステップS68において、変数nの値が変化したと判定され、ステップS69で変数aに3がセットされ、ステップS70で、変数aは3より小さくないと判定され、処理は、図9のステップS71に進む。
【0077】
そして、ステップS71において、クエリー作成部91は、時刻Tおよびメモリ領域m(0)乃至m(2)に記憶されたデータを音片として出力する。
【0078】
このようにして、検索用の音片が生成される。検索用の音片は、ユーザが検索ボタン41を押下する以前に記録されていた音データを含めて、バッファ3つ分の音データ(例えば、10秒間分の音のデータ)に基づいて生成される。図10乃至図12の例では、検索ボタン41が押下されたとき、記録中のバッファ132の、1つ前のバッファ131に記録された音データ、およびその後(検索ボタン41が押下された後)、バッファ132とバッファ133に記録された音データに基づいて、音片が生成されている。
【0079】
このようにすることで、ユーザが、偶然、検索したい音楽を聞いたとき、検索ボタンを押下するまでに、ある程度時間がかかっても(ユーザは、音楽をある程度以上の長さだけ聞かないと、検索するか否かを決断することができない)、予め(検索ボタンを押下する以前に)音バッファに記録された音データを用いて、検索用のクエリーが生成されるので、所望の音楽を検索するために、充分な長さの音データを含むクエリーが生成され、より正確に所望の音楽を検索することができる。
【0080】
次に、サーバ3における音楽情報の検索について説明する。図13は、図4の検索部102の機能的構成例を示すブロック図である。検索装置1から送信されたクエリーは、ネットワーク4を介してサーバ3で受信され、分離部180で、音片と現在位置の情報P、時刻情報Timeに分離され、音片は周波数変換部181に入力され、周波数スペクトルに変換される。一方、現在位置の情報P、時刻情報Timeは、検索候補絞込み部184に入力され、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104、店舗DB105、および音楽DB103の中から検索すべき情報の絞込みを行う。
【0081】
周波数変換部181は、周波数スペクトルをパターンマッチング部182に出力し、パターンマッチング部182は、検索候補絞込み部184から検索すべき情報を取得し、周波数スペクトルに基づいて、マッチングを行い、クエリーの音片と検索候補絞込み部184から取得した情報に基づく音片の類似度を表す評価値を演算し、演算した結果をスコアソート部183に出力する。なお、評価値は、類似度が高いほど小さい値となる。
【0082】
スコアソート部183は、検索候補絞込み部184から取得した情報に基づく音片のうち、評価値をソートして、閾値以下となったものを出力する。
【0083】
勿論、評価値は、類似度が高いほど大きい値とすることもできる。この場合は、閾値以上のものが出力される。すなわち、所定の基準が満足されたもの(類似度が高いもの)が選択され、出力される。
【0084】
次に、図14を参照して、サーバ3による音楽データ検索処理について説明する。この処理は、検索装置1から送信されたクエリーを受信したとき(図6のステップS23の後)、実行される。
【0085】
ステップS91において、分離部180は、クエリーを取得し、音片と現在位置の情報P、時刻情報Timeに分離し、音片を周波数変換部181に入力し、現在位置の情報Pと時刻情報Timeを、検索候補絞込み部184に入力する。
【0086】
ステップS92において、周波数変換部181は、クエリーの音片に含まれる音データを周波数変換し、周波数スペクトルを生成する。ステップS93において、パターンマッチング部182は、図15を参照して後述する店舗DBデータチェック処理を実行する。ステップS94において、パターンマッチング部182は、店舗DBデータチェック処理の結果リストが空か否か、すなわち類似度の高いデータが検出されたか否かを判定し、結果リストが空であると判定された場合(類似度の高いデータが検出されなかった場合)、ステップS95に進み、図17を参照して後述する放送メディアDBデータチェック処理を実行する。
【0087】
ステップS96において、パターンマッチング部182は、放送メディアDBデータチェック処理の結果リストが空か否か、すなわち類似度の高いデータが検出されたか否かを判定し、結果リストが空であると判定された場合(類似度の高いデータが検出されなかった場合)、ステップS97に進み、図20を参照して後述する音楽DBデータチェック処理を実行する。
【0088】
ステップS98において、スコアソート部183は、結果リストを評価値の低い順に(類似度が高い順に)ソートし、ステップS99で出力する。ここで、出力された結果リストは、サーバ6の図示せぬ記憶部に記憶され、検索装置1にネットワーク4を介して提供される(図6のステップS25で、検索装置1に取得される)。
【0089】
ステップS94において、結果リストが空ではないと判定された場合(類似度の高いデータが検出された場合)、ステップS95乃至S97の処理は、スキップされる。また、ステップS96において、結果リストが空ではないと判定された場合(類似度の高いデータが検出された場合)、ステップS97の処理はスキップされる。
【0090】
すなわち、店舗DB、放送メディアDB、音楽DBの順に検索が行われ、類似度の高いデータが検出された場合、後の順番のDBの検索は行われない。これにより、検索処理を迅速に実行することができる。また、DBの検索は、データ量が少ない順に行われる。これによっても、迅速な検索が可能となる。
【0091】
このようにして、サーバ3で、クエリーに基づく音楽が検索され、検索結果が検索装置1に提供される。
【0092】
次に、図15を参照して、図14のステップS93の店舗DBデータチェック処理について説明する。ステップS111において、検索候補絞込み部184は、店舗DB105からデータを1つ抽出する。店舗DB105には、例えば、図16に示されるようなデータが記憶されている。
【0093】
図16は、ある店舗において演奏(再生)された1曲の音楽についての情報が記述されたデータを表し、このデータは、フィールド211乃至214により構成されている。フィールド211には、店舗名、位置情報、および広告情報が記述されている。この例では、店舗名「a」、位置情報「x=“E128.32.13.33” y=“N46.28.36.02”」、および広告情報「prog1_channel1.Ad」が記述されている。ここで、位置情報は、この店舗が存在する位置を表す情報であり、GPSデータに基づいて記述される。また、広告情報は、他のサーバへのURL(Uniform Resource Locator)とされる。
【0094】
フィールド212には、音楽の演奏開始時刻と終了時刻が記述されている。この例では、「<music start=”2003/2/20 12:24:21”, end=”2003/2/20 12:27:25”>」と記述されている。これは、2003年2月20日12時24分21秒に音楽の演奏が開始され、2003年2月20日12時27分25秒に演奏が終了したことを表す。ステップS111においては、クエリーの時刻情報Timeが演奏開始時刻と終了時刻の間にあるデータが選択されて抽出される。
【0095】
フィールド213は、音楽ファイルのアドレスを記述するフィールドであり、この例では、「<sound file=”2003_2_20_12_24.wav” />」と記述されている。サーバ3は、このアドレスにアクセスすることにより、音楽ファイルを取得することができる。
【0096】
フィールド214は、この音楽に関連する情報(例えば、アーティスト名(歌手名、演奏者名など)、アルバム名など)へのリンクが記述されており、この例では、「<refmusicInfo href=”001.info” />」と記述されている。
【0097】
ステップS112において、検索候補絞込み部184は、店舗DB105にデータがあるか(ステップS111でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS113において、そのデータに記述された位置情報と、クエリーから取得された現在位置の情報Pとの距離を比較し、両者の距離が、予め設定された閾値以下か否かを判定し、距離が閾値以下ではないと判定された場合、その店舗で演奏された音楽がユーザにより聞かれた可能性は低いので、ステップS111に戻り、次のデータを抽出する。
【0098】
ステップS113において、距離が閾値以下であると判定された場合、その店舗で演奏された音楽が、ユーザにより聞かれた可能性が高いので、ステップS114において、検索候補絞込み部184は、参照用音片を取得する。参照用音片としては、フィールド213の記述に基づいて、音楽ファイルが取得され、取得された音楽ファイルの一部分が音片として取得される。このとき、クエリーの時刻情報Timeとクエリーの音片に含まれる時刻Tに基づいて、音楽ファイルの中で音片として取得される部分が決定される。
【0099】
ステップS115において、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0100】
ステップS116において、パターンマッチング部182は、ステップS115の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下である(類似度が高い)と判定された場合、ステップS117に進み、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、フィールド214の記述に基づいて、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0101】
ステップS117の処理の後、または、ステップS116で、評価値が閾値以下ではない(類似度が低い)と判定された場合、処理はステップS111に戻りそれ以降の処理が繰り返し実行される。
【0102】
ステップS112において、データがないと判定された場合(全てのデータのチェックが完了した場合)、処理は終了される。
【0103】
このようにして、店舗DB105に基づいて、音楽情報が検索される。店舗DB105のデータには、その店舗の位置情報と、音楽の演奏開始時刻および終了時刻が記述されているので、クエリーに含まれる時刻情報Timeと現在位置の情報Pを用いて、検索対象データを絞り込むことにより、より早く所望の音楽を検索することができる。
【0104】
次に、図17を参照して、図14のステップS95の放送メディアDBデータチェック処理について説明する。ステップS131において、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104からデータを1つ抽出する。放送メディアDB104には、例えば、図18に示されるようなデータが記憶されている。
【0105】
図18は、ある放送局において放送された1曲の音楽についての情報が記述されたデータを表し、このデータは、フィールド231乃至235により構成されている。フィールド231には、放送メディアの種類およびチャネルが記述されている。この例では、放送メディア「TV(テレビジョン)」、およびチャネル「1」が記述されている。
【0106】
フィールド232には、音楽の演奏開始時刻と終了時刻が記述されている。この例では、「<music start=”2003/2/20 12:24:21”, end=”2003/2/20 12:27:25”>」と記述されている。これは、2003年2月20日12時24分21秒に音楽の演奏が開始され、2003年2月20日12時27分25秒に演奏が終了したことを表す。ステップS131においては、クエリーの時刻情報Timeが演奏開始時刻と終了時刻の間にあるデータが選択されて抽出される。
【0107】
フィールド233は、音楽ファイルのアドレスを記述するフィールドであり、この例では、「<sound file=”2003_2_20_12_24.wav” />」と記述されている。サーバ3は、このアドレスにアクセスすることにより、音楽ファイルを取得することができる。
【0108】
フィールド234は、この音楽に関連する情報(例えば、アーティスト名(歌手名、演奏者名等)、アルバム名など)へのリンクが記述されており、この例では、「<refmusicInfo href=”001.info” />」と記述されている。
【0109】
フィールド235は、広告情報であり、他のサーバへのURLが記述される。この例では、「prog1_channel1.Ad」と記述されている。
【0110】
ステップS132において、検索候補絞込み部184は、放送メディアDB104にデータがあるか(ステップS111でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS133に進み、参照用音片を取得する。参照用音片としては、フィールド233の記述に基づいて、音楽ファイルが取得され、取得された音楽ファイルの一部分が音片として取得される。このとき、クエリーの時刻情報Timeとクエリーの音片に含まれる時刻Tに基づいて、音楽ファイルの中で音片として取得される部分が決定される。
【0111】
ステップS134において、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0112】
ステップS135において、パターンマッチング部182は、ステップS134の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下であると判定された場合(基準を満足する評価である場合)、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、フィールド234の記述に基づいて、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0113】
ステップS136の処理の後、または、ステップS135で評価値は閾値以下ではないと判定された場合、処理はステップS131に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0114】
ステップS132において、データがないと判定された場合(全てのデータのチェックが完了した場合)、処理は終了される。
【0115】
このようにして、放送メディアDB104に基づいて、音楽情報が検索される。放送メディアDB104には、図19に示されるように、各放送メディア(テレビ251、ラジオ252、有線放送253など)における各チャネルの放送データが記憶されており、全ての放送メディアの全てのチャネルの放送データの中で、クエリーの時刻情報に基づいて決定された時刻271と272の間の音データが参照用の音片とされ、パターンマッチングが行われる。
【0116】
放送メディアDB104には、音楽の演奏開始時刻および終了時刻が記述されているので、クエリーに含まれる時刻情報Timeを用いて、検索対象データを絞り込むことにより、より早く所望の音楽を検索することができる。しかし、放送メディアDB104のデータには、位置情報が含まれていないため、店舗DB105の場合と比べると検索する対象が広くなり、検索時間が長くなる。このため、本発明では、店舗DBデータチェック処理が先に実行され、放送メディアDBデータチェック処理は、店舗DBデータチェック処理で類似度の高いデータが検出できなかった場合に実行される。
【0117】
次に、図20を参照して、ステップS97の音楽DBデータチェック処理について説明する。ステップS151において、検索候補絞込み部184は、音楽DB103からデータを1つ抽出する。音楽DB103には、例えば、各種の音楽の音楽ファイルが記憶されている。
【0118】
ステップS152において、検索候補絞込み部184は、音楽DB103にデータがあるか(ステップS151でデータを抽出できたか)否かを判定し、データがあると判定された場合、ステップS153に進み、パターンマッチング部182は、図22を参照して後述するパターンマッチング処理を実行する。これにより、クエリーの音片と参照用音片の類似度が評価値として演算される。
【0119】
このとき、図21に示されるように、音楽ファイル291の中で、クエリーの音片292と同じ時間(長さ)の音データ291−1,291−2,・・・が参照用音片として抽出され、評価値が演算される。そして参照用音片のうち、最も評価値の低い(類似度が高い)音片の評価値が、このデータ(音楽ファイル)の評価値として出力される。
【0120】
ステップS154において、パターンマッチング部182は、ステップS153の処理により演算された評価値が予め設定された閾値以下か否か、すなわち類似度が高いか否かを判定し、評価値が閾値以下であると判定された場合(類似度が高い場合)、このデータの音楽情報をリストに保存する。このとき、音楽DB103を参照して、この音楽に関連する情報が取得され音楽情報としてリストに保存される。
【0121】
ステップS155の処理の後、または、ステップS154で評価値は閾値以下ではない(類似度が低い)と判定された場合、処理はステップS151に戻りそれ以降の処理が繰り返し実行される。
【0122】
ステップS152において、データがない(全てのデータのチェックが完了した)と判定された場合、処理は終了される。
【0123】
このようにして、音楽DB103に基づいて、音楽情報が検索される。音楽DB103には、店舗DB105および放送メディアDB104と異なり、時刻情報や位置情報が記述されていないため、検索対象が広くなり(データ量が多くなり)検索時間が長くなる。このため、本発明では、店舗DBデータチェック処理、および放送メディアDBデータチェック処理が先に実行され、音楽DBデータチェック処理は、店舗DBデータチェック処理および放送メディアDBデータチェック処理で類似度の高いデータが検出できなかった場合に実行される。
【0124】
次に、図22を参照して、図15のステップS115、図17のステップS134、または図20のステップS153のパターンマッチング処理について説明する。ステップS191において、パターンマッチング部182は、クエリーの音片(音データ)の周波数スペクトルを時間と周波数でメッシュ分解する。
【0125】
ここで、図23乃至図26を参照して、音片の周波数スペクトルがメッシュ分解される原理を説明する。図23は、音片の音データの信号を、縦軸を出力レベルとし、横軸を時間として波形で示した図である。音片の音データは、周波数変換部181により周波数変換され(図14のステップS92)、図24に示されるような周波数スペクトルに変換される。この例では、横軸を時間、縦軸を周波数として、周波数スペクトルが表示されている。そして、図24に示される周波数スペクトルが、図25に示されるように、所定の時間(t1,t2,t3,・・・tn)と、所定の周波数(f1,f2,f3,・・・fm)を単位としてメッシュ分解される。
【0126】
図26は、このとき生成されるメッシュデータの例を示す図である。この例では、時間t1,t2,・・・tnにおける周波数の値f1,f2,・・・fmが、データ数と時間または周波数の間隔を表す刻み幅とともに記述されている。
【0127】
図22に戻って、ステップS192において、パターンマッチング部182は、ステップS191と同様にして、参照用音片の周波数スペクトルを時間と周波数でメッシュ分解する。これにより参照用音片についても、図26と同様のメッシュデータが生成される。
【0128】
ステップS193において、パターンマッチング部182は、クエリーの音片のメッシュデータと参照用音片のメッシュデータをベクトルとして比較する。
【0129】
このとき、図27に示されるように、参照用音片のメッシュデータ311の中から時間t1に対応する周波数成分(f1,f2,・・・fm)が抽出され、所定の重み(a1,a2,・・・am)で重み付けされて、m次元のベクトルであるベクトルt1(a1・f1,a2・f2,・・・am・fm)が生成される。同様にクエリーの音片のメッシュデータの時間r1に対応する周波数成分(f’1,f’2,・・・f’m)が抽出され、やはり所定の重み(a’1,a’2,・・・a’m)で重み付けされて、m次元のベクトルであるベクトルr1(a’1・f’1,a’2・f’2,・・・a’m・f’m)が生成される。なお、図27において、ベクトルt1とr1は、f1、f2、およびf3の3次元で表されているが、実際には、m次元となる。
【0130】
同様に、参照用音片のメッシュデータ311の中から時間t2,t3,・・・tnに対応する周波数成分が抽出され、所定の重みで重み付けされ、ベクトルt2,t3,・・・tnが生成され、クエリーの音片のメッシュデータの時間r2,r3,・・・rnに対応する周波数成分が抽出され、所定の重みで重み付けされ、ベクトルr2,r3,・・・rnが生成される。
【0131】
ステップS194において、パターンマッチング部182は、図27に示されるベクトルt1とr1がなす角度331、ベクトルt2とr2がなす角度、・・・ベクトルtnとrnがなす角度の総和を求めて評価値を演算する。各ベクトル間の角度の総和は、次式により求められる。
【0132】
【数1】
【0133】
なお、評価値は、ベクトルt1とr1の距離332、ベクトルt2のr2距離、・・・ベクトルtnとrnの距離の総和により演算されるようにしてもよい。各ベクトル間の距離の総和は、次式により求められる。
【0134】
【数2】
【0135】
このようにして、評価値が演算される。評価値は、音片の周波数スペクトルが時間と周波数でメッシュ分解され、ベクトル化されて演算されるので、より精度の高い類似度を表すことができる。
【0136】
上述したように、サーバ3により検索された音楽情報は検索装置1により取得され、検索結果が表示される(図6のステップS27)。このとき表示される画面の例を図28乃至図31に示す。
【0137】
最初に、図28に示されるような画面が、検索装置1の表示部26に表示される。この例では、3件の検索結果が表示されている。図28において日付と時刻(2003/2/20 13:35:26など)の記述511−1乃至511−3は、検索ボタン41が押下された日付と時刻を表している。入力インタフェース24を操作して画面中央のアイコン512−1乃至512−3のいずれかをダブルクリックすると、そのクエリーの音片の音データが再生され、スピーカ25から再生された音が出力される。
【0138】
図中右側の「検索結果」と表示されたアイコン513−1乃至513−3は、検索結果の有無を表している。アイコン513−1とアイコン513−2は濃く(実線で)表示されており、サーバ3による検索結果が、すでに検索装置1により取得されていることを表す。アイコン513−3は淡く(破線で)表示されており、サーバ3による検索結果が、まだ検索装置1により取得されていないことを表す。検索結果の詳細を表示させるとき、ユーザは、入力インタフェース24を操作して、アイコン513−1乃至513−3をダブルクリックする。
【0139】
図29は、アイコン513−1がダブルクリックされた場合の画面の表示例を示す図である。この例では、検索ボタン41が押下された日付と時刻(2003/2/20 13:35:26)の記述521と、クエリーの音片の音データを再生するためのアイコン522が表示されている。
【0140】
また、検索された音楽情報として、曲名と歌手名の記述523−1と523−2が表示されている。検索された音楽情報が複数ある場合は、図22を参照して上述したパターンマッチング処理により、演算された評価値が小さい順(類似度が高い順)に音楽情報が表示される。
【0141】
入力インタフェース24を操作して、アイコン524−1または、アイコン524−2をダブルクリックすると、パターンマッチング処理で用いられた参照用音片の音データが再生され、スピーカ25からその音が出力される。
【0142】
アイコン525−1とアイコン525−2は、この音楽情報が検索されたソースを表示するアイコンであり、例えば、アイコン525−1がダブルクリックされると、音楽情報523−1を検索するたに用いられた情報として、店舗名、放送局名などが表示される。
【0143】
また、ユーザは、入力インタフェース24を操作して、図28に示される表示画面において、音楽情報523−1を選択し、詳細表示を指示することにより、図30に示されるような画面を表示することができる。図30の例では、曲名、歌手名の記述531の後ろにアイコン532とアイコン533が表示されている。
【0144】
図30の表示画面においてアイコン532がダブルクリックされると、この音楽(コンテンツ)を視聴するためのデータが取得されて再生され、スピーカ25から再生された音が出力される。また、アイコン523がダブルクリックされると、この音楽のコンテンツが購入可能となる。音楽の視聴または購入は、ネットワーク4に接続される所定のサーバにアクセスすることにより行われる。
【0145】
また、図30の表示画面の下部の参考情報表示部534には、この音楽を検索した他のユーザがよく検索する音楽情報が必要に応じて表示される。
【0146】
また、検索された音楽情報に広告情報が含まれている場合、例えば、図16の記述211に基づいて、広告データが取得され表示される。図31は、この場合の表示例を示す図である。この例では、検索ボタンを押下した日付と時刻の記述541とともに、店舗名542が表示されており、画面中央の広告表示部543には、広告データに基づいて広告が表示される。
【0147】
なお、上述した一連の処理をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図32に示されるような汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0148】
図32において、CPU(Central Processing Unit)901は、ROM(Read Only Memory)902に記憶されているプログラム、または記憶部908からRAM(Random Access Memory)903にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0149】
CPU901、ROM902、およびRAM903は、バス904を介して相互に接続されている。このバス904にはまた、入出力インタフェース905も接続されている。
【0150】
入出力インタフェース905には、キーボード、マウスなどよりなる入力部906、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ(表示部)、並びにスピーカなどよりなる出力部907、ハードディスクなどより構成される記憶部908、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部909が接続されている。通信部909は、インターネットなどのネットワークを介しての通信処理を行う。
【0151】
入出力インタフェース905にはまた、必要に応じてドライブ910が接続され、ドライブ910には、本発明のプログラムが記録された記録媒体として、例えば、リムーバブルメディア911が装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部908にインストールされる。
【0152】
なお、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0153】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、所望の音楽を検索することができる。特に、より簡単かつ確実に、音楽を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音楽検索システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の検索装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のCPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
【図5】検索前処理を説明するフローチャートである。
【図6】検索実行処理を説明するフローチャートである。
【図7】音データバッファ処理を説明するフローチャートである。
【図8】音バッファの構成例を示す図である。
【図9】検索用音片生成処理を説明するフローチャートである。
【図10】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図11】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図12】音バッファに音データが記録される例を示す図である。
【図13】図4の検索部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図14】音楽データ検索処理を説明するフローチャートである。
【図15】店舗DBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図16】店舗DBに記憶されているデータの例を示す図である。
【図17】放送メディアDBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図18】放送メディアDBに記憶されているデータの例を示す図である。
【図19】各放送メディアの放送データと、放送データのパターンマッチングが行われる部分を示す図である。
【図20】音楽DBデータチェック処理を説明するフローチャートである。
【図21】音楽データの中でパターンマッチングが行われる部分を示す図である。
【図22】パターンマッチング処理を説明するフローチャートである。
【図23】音片の波形を示す図である。
【図24】周波数スペクトルに分解された音片の例を示す図である。
【図25】図24の周波数スペクトルスペクトルをメッシュ分解した例を示す図である。
【図26】図24でメッシュ分解されたメッシュデータの構成例を示す図である。
【図27】クエリーの音片と参照用音片をベクトル化する例を示す図である。
【図28】音楽情報の検索結果の表示画面の例を示す図である。
【図29】図28の検索結果の内容を表示する画面の表示例を示す図である。
【図30】音楽情報の詳細を表示する画面の表示例を示す図である。
【図31】広告情報を表示する画面の表示例を示す図である。
【図32】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 検索装置, 3 サーバ, 61 入力部, 62 音バッファ, 67CPU, 91 クエリー作成部, 92 検索実行部, 102 検索部,181 周波数変換部, 182 パターンマッチング部, 183 スコアソート部, 184 検索候補絞込み部
Claims (15)
- ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、
検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、
前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、
前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、
前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、
前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段と
を備えることを特徴とする音楽検索システム。 - ネットワークを介して相互に接続される第1の情報処理装置と第2の情報処理装置からなる音楽検索システムの音楽検索方法であって、
前記第1の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録し、
検索すべきデータの生成を指令し、
検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段に記録されている音データから検索データを生成し、
生成された前記検索データを、前記第2の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出し、
記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込み、
抽出された前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換し、
変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記検索データの音データと、絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算し、
演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択し、
選択された音データの音楽の情報を前記第1の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供し、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得し、
取得された前記検索結果を表示する
ことを特徴とする音楽検索方法。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、
周囲の音のデータであって、予め設定された時間分の最新の音データを記録する記録手段と、
検索すべきデータの生成を指令する指令手段と、
前記指令手段により検索すべきデータの生成が指令された場合、前記記録手段により記録されている音データから検索データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得手段と、
前記検索結果取得手段により取得された検索結果を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記情報処理装置の位置を表す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
時刻を取得する時刻取得手段とをさらに備え、
前記生成手段は、前記検索データに、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記時刻取得手段により取得された時刻を付加して前記他の情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記検索結果は、音楽の曲名およびアーティスト名、並びに前記音楽の取得に必要な情報を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録する記録ステップと、
検索すべきデータの生成を指令されたか否かを判定する指令判定ステップと、
前記指令判定ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録ステップの処理により記録されている音データから検索データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得する検索結果取得ステップと、
前記検索結果取得ステップの処理により取得された検索結果を表示する表示ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムであって、
前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、
検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、
前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、
前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、
前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、
前記情報処理装置の周囲の音のデータであって、予め設定された時間分だけ最新の音データを記録するように制御する記録制御ステップと、
検索すべきデータの生成を指令されたか否かの判定を制御する指令判定制御ステップと、
前記指令判定制御ステップの処理により検索すべきデータの生成が指令されたと判定された場合、前記記録制御ステップの処理により記録されている音データから検索データの生成を制御する生成制御ステップと、
前記生成制御ステップの処理により生成された前記検索データを、前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して送信し、前記他の情報処理装置による検索結果を、前記ネットワークを介して取得するように制御する検索結果取得制御ステップと、
前記検索結果取得制御ステップの処理により取得された検索結果の表示を制御する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする記録媒体。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続される情報処理装置であって、
複数の音楽の情報を記憶する記憶手段と、
前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出手段と、
前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込み手段と、
前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出手段により抽出された音データと、前記絞込み手段により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する提供手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記記憶手段は、音楽が演奏された店舗の情報と、音楽が放送された放送メディアの情報を記憶する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。 - 前記記憶手段は、前記店舗の情報として、前記店舗の位置を表す位置情報と、前記音楽が演奏された時刻を表す時刻情報とを記憶し、
前記絞込み手段は、前記位置情報と、前記時刻情報に基づいて、前記音楽の情報を絞り込む
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。 - 前記記憶手段は、前記放送メディアの情報として、前記音楽が放送された時刻を表す時刻情報を記憶し、
前記絞込み手段は、前記時刻情報に基づいて、前記音楽の情報を絞り込む
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置の情報処理方法であって、
前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータを抽出する抽出ステップと、
前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補を絞り込む絞込みステップと、
前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換する変換ステップと、
前記変換ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込みステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値を演算する演算ステップと、
前記演算ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データを選択する選択ステップとを含み、
前記選択ステップの処理により選択された音データの音楽の情報を前記他の情報処理装置に前記ネットワークを介して提供する
ことを特徴とする情報処理方法。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムであって、
前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、
前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、
前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、
前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、
前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - ネットワークを介して他の情報処理装置と接続され、複数の音楽の情報を記憶する記憶手段を備える情報処理装置のプログラムが記録される記録媒体であって、
前記他の情報処理装置から送信された検索データを取得し、前記検索データの音のデータの抽出を制御する抽出制御ステップと、
前記記憶手段に記憶されている音楽の情報から、検索候補の絞り込みを制御する絞込み制御ステップと、
前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データを周波数スペクトルに変換するように制御する変換制御ステップと、
前記変換制御ステップの処理により変換された周波数スペクトルに基づいて、ベクトルを生成し、前記ベクトルを比較して、前記抽出制御ステップの処理により抽出された音データと、前記絞込み制御ステップの処理により絞り込まれた音楽の情報に基づく音データの類似度を表す評価値の演算を制御する演算制御ステップと、
前記演算制御ステップの処理により演算された評価値が予め設定された基準を満足する前記音データの選択を制御する選択制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録されることを特徴とする記録媒体。
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |