JP2005004056A - Method of manufacturing endless belt, and cylindrical core bar - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置において、感光体、帯電体、転写ベルト、及び定着ベルトなどに使用される無端ベルトの製造方法および無端ベルトの製造に用いる筒状芯体に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記用途においては、金属やプラスチック、またはゴム製の回転体が使用されているが、装置の小型化あるいは高性能化のために、回転体は変形可能なものが好ましい場合があり、それには肉厚が薄い樹脂製のベルトが用いられる。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目はない方が好ましく、無端ベルトが用いられる。その材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド樹脂が好ましい(以後、ポリイミドを「PI」と略す場合がある)。
【0003】
無端ベルトを用いる定着装置については、いくつか知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、無端ベルトを用いる転写装置については、例えば、導電性粉体を分散して半導電性にしたPI樹脂から成る転写ベルトを、複数のロールに張架して回転させ、トナー像を感光体から用紙に転写する装置が挙げられる(例えば、特許文献3参照)。導電性粉体としては、カーボンブラックやグラファイト、酸化錫等が挙げられる。
【0004】
また、無端ベルトを用いる転写定着装置については、例えば、半導電性PI樹脂から成る無端ベルトを複数のロールに張架して回転させ、トナー像を感光体から無端ベルト上に転写した後、加熱してトナー像を用紙上に溶融定着させる装置が挙げられる(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
PI樹脂無端ベルトを作製する方法には、例えば、円筒体の内面にPI前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法(特許文献5参照)や、円筒体内面にPI前駆体溶液を展開する内面塗布法(特許文献6参照)があるが、これらの内面成膜方法では、円筒体の内部からPI前駆体溶液の溶剤を乾燥させる必要があるため、乾燥に時間がかかるという問題があった。
【0006】
他の無端ベルトの製造方法として、例えば、芯体の表面に、浸漬塗布法によってPI前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱した後、PI樹脂皮膜を芯体から剥離する方法もある(特許文献7参照)。この方法では、芯体の外面から溶剤を乾燥させるので、乾燥時間は短縮できる利点があるほか、芯体外面の形状が無端ベルトの内面に型取られる。
【0007】
ここで、PI前駆体溶液の溶剤としては、非プロトン系極性溶剤が用いられるが、非プロトン性極性溶剤は、いずれも沸点が高く、乾燥が非常に遅いという性質がある。また、PI樹脂皮膜はガス透過性が低いため、溶剤を乾燥させようとしても一部が残留しやすい。
【0008】
芯体表面にPI樹脂皮膜を形成した後で剥離する方法では、皮膜の加熱工程において、残留溶剤や、イミド化反応が進行する段階で発生する水が、皮膜内部や芯体と皮膜との間に滞留すると、熱で膨張して高圧のガスとなり、PI樹脂皮膜に膨れが生じて変形することがある。これは特に皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著である。
【0009】
一方、PI樹脂は加熱反応時の収縮力が大きいため、芯体の外周面に形成されたPI樹脂を含む皮膜は、無端ベルトの形成に際し収縮する。このような収縮は不均一に起こるものと考えられ、無端ベルトの膜厚むらを引き起こす。また導電性粉体を分散させた半導電性無端ベルトでは、さらに抵抗むらを引き起こす。
膜厚のむらは、ベルトを使用する場合、その程度が軽い場合には問題が生じることは少ないが、抵抗むらは、転写ベルトとして使用する場合、転写するトナー濃度のむらとなるので、問題が大きい。
このため、従来の無端ベルトの製造に際しては、特に導電性粉体を分散させた半導電性無端ベルトにおいて抵抗むらを極力小さくすることが求められており、また、程度の酷い膜厚むらの無い無端ベルトが確実に得られることが求められていた。
【0010】
【特許文献1】
特開平5−150679号公報
【特許文献2】
特開平8−262903号公報
【特許文献3】
特開平10−218850号公報
【特許文献4】
特開平10−20538号公報
【特許文献5】
特開昭57−74131号公報
【特許文献6】
特開昭62−19437号公報
【特許文献7】
特開昭61−273919号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、無端ベルトを作製する際に、筒状芯体外周面に形成された皮膜の芯体軸方向の収縮を抑えることにより、無端ベルトの膜厚むら等の発生が抑制できる無端ベルト製造方法および筒状芯体を提供することを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために、無端ベルトの形成に際し芯体の外周面に形成されたPI樹脂を含む皮膜の収縮について以下に説明するように更に詳しく検討した。
一般に、PI樹脂は加熱反応時の収縮力が大きいため、芯体外周面に形成されたPI樹脂を含む皮膜の収縮は、膜厚方向に収縮するのみならず、芯体の軸方向にも収縮すると考えられる。
【0013】
本発明者らがこのような収縮現象について鋭意検討したところ、その収縮量は芯体の外周面に形成された被膜の各部で均一ではなく、芯体の中央部近傍の被膜が、端部近傍の被膜より膜厚が薄くなり、特に、芯体表面に予め離型剤層を形成した場合には、より顕著であることを確認した。
このような膜厚むらは、芯体の端部では、皮膜は比較的に軸方向に移動しやすいので軸方向長さの収縮が起こりやすく、膜厚の減少が少ないのに対し、芯体の中央部では軸方向の移動が制限されるために、収縮は厚さ方向にしか起こりにくいためであると考えられる。
【0014】
また、上記したような不均一な被膜の収縮が起こる場合、導電性粉体を分散した半導電性無端ベルトを作製する場合には、軸方向の収縮が大きい部分では、導電性粉体同士の接触割合が比較的多くなって、抵抗が低くなり易くなり、相対的に軸方向の収縮が小さい部分では、抵抗が高くなり、結果として抵抗むらが発生するものと推測される。
従って、以上に説明したような知見に基き、本発明者らは芯体軸方向の皮膜を抑えるには、芯体の両端部において皮膜を固定できることが必要であると考え以下の本発明を想到するに到った。すなわち、本発明は、
【0015】
<1> 筒状芯体の少なくとも中央部の外周面に離型剤層を形成する離型剤層形成工程と、該離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の中央部および両端部の外周面に少なくともポリイミド前駆体溶液を塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥し加熱焼成することにより皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記皮膜を前記外周面から剥離して前記筒状芯体より抜き取る剥離・抜取り工程と、を少なくとも経てポリイミド樹脂層を含む無端ベルトを作製する無端ベルト製造方法において、
前記筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置することを特徴とする無端ベルト製造方法である。
【0016】
<2> 前記筒状芯体が、円筒状芯体であることを特徴とする<1>に記載の無端ベルト製造方法である。
【0017】
<3> 前記円筒状芯体の少なくとも一方の端部の外径が、前記円筒状芯体の中央部の外径よりも小さいことを特徴とする<2>に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0018】
<4> 前記筒状芯体の少なくとも一方の端部の外周面の少なくとも一部に、凹部が設けられていることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の無端ベルト製造方法である。
【0019】
<5> 前記筒状芯体の少なくとも一方の端部の外周面の少なくとも一部に、凸部が設けられていることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の無端ベルト製造方法である。
【0020】
<6> 筒状芯体の少なくとも中央部の外周面に離型剤層を形成する離型剤層形成工程と、該離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の中央部および両端部の外周面に少なくともポリイミド前駆体溶液を塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥し加熱焼成することにより皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記皮膜を前記外周面から剥離して前記筒状芯体より抜き取る剥離・抜取り工程と、を少なくとも経てポリイミド樹脂層を含む無端ベルトを作製する無端ベルト製造方法において、
前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部の表面粗さRaが、0.5μm以上であることを特徴とする無端ベルトの製造方法である。
【0021】
<7> 前記離型剤層形成工程が、筒状芯体の中央部および両端部の外周面に離型剤層を形成することにより行なわれ、前記離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の少なくとも両端部の外周面の少なくとも一部に紫外線を照射し、その後、前記塗膜形成工程を行うことを特徴とする<6>に記載の無端ベルト製造方法である。
【0022】
<8> 筒状芯体の中央部および両端部の外周面に塗膜を形成する工程を少なくとも経て無端ベルトを作製する際に用いられる筒状芯体において、
前記筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置することを特徴とする筒状芯体である。
【0023】
<9> 円筒状であることを特徴とする<8>に記載の筒状芯体である。
【0024】
<10> 少なくとも一方の端部の外径が、前記円筒状芯体の中央部の外径よりも小さいことを特徴とする<9>に記載の筒状芯体である。
【0025】
<11> 少なくとも一方の端部の外周面の少なくとも一部に、凹部が設けられていることを特徴とする<8>〜<10>のいずれか1つに記載の筒状芯体である。
【0026】
<12> 少なくとも一方の端部の外周面の少なくとも一部に、凸部が設けられていることを特徴とする<8>〜<11>のいずれか1つに記載の筒状芯体である。
【0027】
<13> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の無端ベルト製造方法に用いられる<8>〜<12>のいずれか1つに記載の筒状芯体である。
【0028】
<14> 筒状芯体の中央部および両端部の外周面に塗膜を形成する工程を少なくとも経て無端ベルトを作製する際に用いられる筒状芯体において、
前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部の表面粗さRaが、0.5μm以上であることを特徴とする筒状芯体である。
【0029】
<15> <6>に記載の無端ベルト製造方法に用いられる<14>に記載の筒状芯体である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の無端ベルト製造方法および筒状芯体を、第1の本発明、第2の本発明、第1および第2の本発明に共通する事項に大きく分けて順に説明する。
【0031】
(第1の本発明)
第1の本発明は、筒状芯体の少なくとも中央部の外周面に離型剤層を形成する離型剤層形成工程と、該離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の中央部および両端部の外周面に少なくともポリイミド前駆体溶液を塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥し加熱焼成することにより皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記皮膜を前記外周面から剥離して前記筒状芯体より抜き取る剥離・抜取り工程と、を少なくとも経てポリイミド樹脂層を含む無端ベルトを作製する無端ベルト製造方法において、前記筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置することを特徴とする。
【0032】
従って、第1の本発明によれば、筒状芯体(以下、「芯体」と略す場合がある)の両端部が皮膜を固定する機能を有するために、筒状芯体外周面に形成された皮膜の芯体軸方向の収縮を抑えることができ、結果的に無端ベルトの膜厚むらを抑制することができる。
また、無端ベルトが半導電性ベルトである場合には抵抗むらを抑制することができ、この無端ベルトを転写ベルトとして用いた場合には転写ベルトに転写されるトナー濃度を均一にすることができる。
【0033】
なお、本発明においては、皮膜が芯体外周面に形成された後のいずれかの時点において、所望の幅の無端ベルトを得るために皮膜の両端部が切除される。通常は、皮膜両端部の切断は、剥離・抜取り工程の前あるいは後のいずれかの段階で行うことができる。なお、いずれを選択するかは、皮膜の抜き取り方法(例えば、手を使ったり、皮膜と芯体との界面に治具を挿入して抜き取る等)や、皮膜両端部を切断しない状態で、皮膜を芯体から抜き取ることが容易か否か等を考慮して判断される。
【0034】
また、本発明において、芯体の「端部」とは、広義には芯体の軸方向の端の部分を意味するが、狭義には皮膜の両端を切断して無端ベルトを作製する際に、最終的に切除し、廃棄される(両端の)皮膜で覆われる部分(捨て代に相当する部分)を意味し、芯体の「中央部」とは、無端ベルトを作製する際に、最終的に無端ベルトとして利用される皮膜で覆われる部分を意味する。
【0035】
離型剤層は、芯体の少なくとも中央部の外周面に形成されていればよいが、端部における皮膜の剥離を容易にするために、いずれか一方の端部あるいは両端部に形成されていることが好ましい。
【0036】
第1の本発明に用いられる筒状芯体は、筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置するものであればその形状は特に限定されない。
【0037】
なお、以上に説明したような第1の本発明に用いられる筒状芯体の端部の具体的な形状としては、大きく分けると以下の3つが挙げられる。
すなわち、(1)芯体が円筒状である場合において、芯体端部の外径が、中央部の外径よりも小さい場合、(2)芯体端部の外周面の少なくとも一部に凹部が設けられている場合、(3)芯体端部の外周面の少なくとも一部に凸部が設けられている場合、以上の3つである。
【0038】
ここで、第1の本発明に用いられる芯体は、両端部のそれぞれが、上記(1)〜(3)のいずれかを満たしていればよい。この場合、両端部の形状は同一であってもよく異なっていてもよい。また端部の形状は、(1)〜(3)のうち2つ以上を組み合わせたものであってもよい。
【0039】
次に、上記(1)〜(3)に説明した形状の具体例について芯体の形状が円筒状である場合について図面を用いてさらに具体的に説明するが、第1の本発明に用いられる芯体の形状はこれに限定されるものではない。
【0040】
まず、(1)芯体が円筒状である場合において、芯体端部の外径が、中央部の外径よりも小さい場合について説明する。
この場合、例えば、図1に示すような芯体を例として挙げることができる。図1は第1の本発明に用いられる筒状芯体の一例を示す概略側面図である。図1中、100は筒状芯体、101は芯体中央部、102は芯体端部、103は芯体中央部101の外周面(基準面)、104は芯体端部102の外周面、105は外周面(基準面)103と同一面上に位置する直線を表す。
【0041】
芯体100において、端部102の外周面104は中央部101の外周面(基準面)103よりも内周側に位置しており、端部102は中央部101よりも外径が小さく、端部方向へ行くに従い連続的に外径が小さくなるような所謂テーパー状の形状となっている。なお、端部方向へ行くに従い、不連続的に外径が小さくなるような形状であってもよい。
図1に示す芯体100の具体的な寸法形状は特に限定されないが、皮膜の固定機能の確保および剥離・抜取り容易さの両方をバランスよく達成する上では、端部102の軸方向長さが芯体100の軸方向長さの5〜20%の範囲内であることが好ましく、端部102の最小外径は中央部101の外径の90〜95%程度の範囲内とすることが好ましい。
【0042】
次に、(2)芯体端部の外周面の少なくとも一部に凹部が設けられている場合について説明する。
この場合、例えば、図2に示すような芯体を例として挙げることができる。図2は第1の本発明に用いられる筒状芯体の他の例を示す概略側面図である。図2中、200は筒状芯体、201は芯体中央部、202は芯体端部、203は溝(凹部)を表す。
【0043】
芯体200は、軸方向に対していずれの部分の外径も基本的に同一であるが、端部202には、円周方向に連続する溝203が1本設けられている。なお、溝は、図2に示す例以外にも、例えば、円周方向に複数本設けられていてもよいし、円周方向に断続的に設けられたものであってもよい。
【0044】
溝203の断面形状は特に限定されないが、芯体外周面に形成された塗膜が加熱によって収縮する際に破断することを防ぐために、穏やかなV字型(V溝の角度が1度〜20度程度の範囲内)であることが好ましい。
また、溝203の具体的な寸法形状は特に限定されないが、皮膜の固定機能の確保および剥離・抜取り容易さの両方をバランスよく達成する上では、溝203の幅は、芯体200の軸方向長さの0.5〜5%の範囲内もしくは芯体200の外径の4〜15%の範囲内であることが好ましく、溝203の深さは芯体200の外径の0.5〜5%の範囲内であることが好ましい。
【0045】
次に、(3)芯体端部の外周面の少なくとも一部に凸部が設けられている場合について説明する。
この場合、例えば、図3に示すような芯体を例として挙げることができる。図3は第1の本発明に用いられる筒状芯体の他の例を示す概略側面図である。図3中、300は筒状芯体、301は芯体中央部、302は芯体端部、303は突起(凸部)を表す。
【0046】
芯体300は、軸方向に対していずれの部分の外径も基本的に同一であるが、端部302には、円周方向に等間隔に一列に突起303が設けられている。なお、突起は、図2に示す例以外にも、例えば、円周方向に複数列に設けられていてもよいし、突起が円周方向に連続的に繋がった形状であってもよい。
【0047】
なお、芯体300の軸方向長さや円周方向長さが大きい程、塗膜全体の加熱反応時の収縮力も大きくなる。このため、芯体300の軸方向長さや円周方向長さが大きくなればなる程、端部302に設けられる突起303の数も増やすことが好ましい。端部302に設けられる各々の突起303の形状・サイズは各々異なっていてもよいが同一であることが好ましく、また塗膜の破断を防ぐ為に突起303の頭頂部は尖っておらず、丸みを帯びた形状であることが好ましい。
【0048】
また、突起303の高さは特に限定されないが、高すぎる場合には塗膜の破断を引き起こし、低すぎる場合には、皮膜を十分に固定することができず、軸方向の収縮が大きくなってしまう場合がある。このため突起303の高さは乾燥前の塗膜厚みの20〜50%の範囲内とすることが好ましい。
【0049】
なお、第1の本発明に用いられる筒状芯体は、以上に説明したような少なくともポリイミド前駆体溶液を用いたポリイミド層を含む無端ベルトの作製に極めて好適なものである。
但し、第1の本発明に用いられる筒状芯体は、これに限定されるものではなく、筒状芯体の中央部および両端部の外周面に塗膜を形成する工程を少なくとも経て無端ベルトの作製する無端ベルトの製造方法であれば、無端ベルトを構成する層としてポリイミド層を含むものでなくても利用することができる。しかしながら、第1の本発明に用いられる筒状芯体は、無端ベルトの製造過程において芯体外周面上に形成された塗膜の収縮が起こる場合に特に好適である。
【0050】
(第2の本発明)
第1の本発明は、以上に説明したように芯体軸方向の立体的な形状の違いを利用して皮膜を端部の引っ掛け機能を有する形状部分に固定するものである。しかしながら、本発明者らは、芯体軸方向の立体的な形状の違いに拠らない方法についても検討し、以下に説明する第2の本発明を考案した。
【0051】
すなわち、第2の本発明は、筒状芯体の少なくとも中央部の外周面に離型剤層を形成する離型剤層形成工程と、該離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の中央部および両端部の外周面に少なくともポリイミド前駆体溶液を塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を乾燥し加熱焼成することにより皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記皮膜を前記外周面から剥離して前記筒状芯体より抜き取る剥離・抜取り工程と、を少なくとも経てポリイミド樹脂層を含む無端ベルトを作製する無端ベルト製造方法において、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部の表面粗さRaが、0.5μm以上であることを特徴とする。
【0052】
従って、第2の本発明によれば、筒状芯体の両端部が皮膜を固定する機能を有するために、筒状芯体外周面に形成された皮膜の芯体軸方向の収縮を抑えることができ、無端ベルトの膜厚むらを抑制する等、第1の本発明と同様の効果を得ることができる。
【0053】
第2の本発明は、芯体端部外周面に粗さを付与することにより、外周面と皮膜との間の摩擦力を大きくして皮膜を端部に固定するものであり、筒状芯体の両端部における外周面の少なくとも一部の表面粗さRaは大きければ大きい程好ましい。具体的には、0.7μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。なお、表面粗さRaの上限は特に限定されないが、実用上は2.0μm以下であることが好ましい。
また、芯体端部外周面の表面粗さRaが0.5μm以上である領域は、芯体端部外周面全体に渡って設けられていることが好ましい。
【0054】
なお、本発明において、表面粗さRaとはJISで規定される算術平均粗さを示すもので、本発明においては、触針式表面粗さ測定機(例えばサーフコム1400A、東京精密社製等)にて次のような条件で測定された値を意味する。すなわち測定条件としては、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとして求めたものである。
【0055】
なお、以上に具体例を挙げて説明した第1および第2の本発明を組合せて無端ベルトを作製することも勿論可能である。
【0056】
第2の本発明に用いられる筒状芯体は、以上に説明したような少なくともポリイミド前駆体溶液を用いたポリイミド層を含む無端ベルトの作製に極めて好適なものである。
但し、第2の本発明に用いられる筒状芯体は、これに限定されるものではない。第2の本発明に用いられる筒状芯体は、筒状芯体の中央部および両端部の外周面に塗膜を形成する工程を少なくとも経て無端ベルトの作製する無端ベルトの製造方法であれば、無端ベルトを構成する層としてポリイミド層を含むものでなくても利用することができる。
【0057】
しかしながら、第2の本発明に用いられる筒状芯体は、無端ベルトの製造過程において芯体外周面上に形成された塗膜の収縮が起こる場合に特に好適である。また、このようなポリイミド層を含まない無端ベルトの製造に際して第1および第2の本発明を組み合わせた筒状芯体を用いることも勿論可能である。
【0058】
(第1および第2の本発明の共通事項)
次に、上記に説明した第1および第2の本発明に共通するその他の事項について説明する。
−芯体−
本発明に用いられる筒状芯体の形状は、筒状であれば特に限定されず、例えば、断面形状が多角形の筒状芯体であってもよいが、実用上は円筒状であることが好ましい。
また、芯体には、塗膜の加熱時に発生するガスを塗膜外へと効率的に逃がし、ガスに起因する皮膜の膨らみ欠陥の発生を防止するために、少なくとも芯体中央部の外周面に粗面化加工が施されていることが好ましい。勿論、芯体端部の外周面も同様に粗面化加工を施すことができ、第2の本発明により無端ベルトを作製する場合には、中央部および端部の粗さをそれぞれ異なるものとすることもできる。
なお、塗膜が加熱時にガスを発生しない場合には、このようなガス抜き目的の粗面化加工を施さなくてもよい。
【0059】
粗面化加工の方法としては、粉体を吹き付けるブラストやホーニング加工、金属刃や金属やすり、金属ブラシ、サンドペーパー等の加工部材を芯体表面にこすり付ける切削あるいは筋目立て加工等、公知の方法が利用できる。加工時は、芯体を回転させながら、加工部材を芯体外周面に押し当てた状態で芯体軸方向に移動させる。加工方法/条件は芯体外径や、所望の粗さ、または粗面化形状により必要に応じて選択される。
【0060】
なお、ガス抜きを目的とした場合の芯体外周面への粗さの付与は、表面粗さRaで0.5〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。Raが0.5μmより小さいと、PI樹脂皮膜を形成する際に、PI樹脂皮膜に膨れを生じる場合がある。また、Raが3.0μmより大きいと、PI前駆体溶液の芯体への塗布または塗膜の乾燥時に塗膜中に気泡が発生する場合があるため好ましくない。
芯体表面の粗面化により、加熱時に塗膜が収縮する際、塗膜と芯体外周面の凹凸との間にずれが生じ、PI樹脂皮膜と芯体外周面との間に僅かながら隙間ができて、残留溶剤または水を効果的に逃がすことができるようになる。
【0061】
なお、芯体の材質は、特に限定されないがアルミニウムや亜鉛、銅、ステンレス、ニッケル等の金属が好ましい。芯体の材質がアルミニウムや亜鉛、銅の場合、外周面が傷が付きにくいよう、クロムやニッケルでメッキされていてもよい。
【0062】
−無端ベルトの作製−
本発明は、筒状芯体を用いて、離型剤層形成工程、塗膜形成工程、皮膜形成工程および剥離・抜取り工程の4つの工程を少なくとも経て、無端ベルトが作製され、必要に応じてその他の工程を有してもよい。
なお、本発明を利用して作製される無端ベルトは、少なくともポリイミド樹脂層を含む無端ベルトであり、ポリイミド層単体から構成されていてもよく、ポリイミド層を含む2層以上の層から構成されていてもよい。なお、後者の場合には、必ず芯体外周面にポリイミド層となる皮膜が形成されるように無端ベルトが作製される。
以下の説明においては、無端ベルトがポリイミド層単層である場合を前提にして個々の工程について説明するが、勿論、2層以上の場合も以下に説明する個々の工程を変更したり、工程の組み合わを見直したすることにより容易に作製することできる。
【0063】
−離型剤層形成工程−
本発明においては、芯体の外周面に接して形成されるPI樹脂皮膜と芯体外周面との剥離性を確保するために、芯体外周面の少なくとも中央部、好ましくは中央部および両端部に予め離型剤層が設けられる。
離型剤層の形成には、離型剤として公知のフッ素樹脂やシリコーン樹脂が用いることができ、例えば、シリコーンオイル等からなる離型剤を芯体外周面に塗布して、離型層を形成する。なお、離型剤としては、焼付け型のシリコーン系離型剤(例えば、KS−700(信越化学工業製))が最も好ましい。
【0064】
−塗膜形成工程(PI前駆体塗布工程)−
離型剤層形成工程後には、この離型剤層形成工程を経た後の筒状芯体の中央部および両端部の外周面に少なくともポリイミド前駆体溶液を塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程を行う。
なお、無端ベルトがポリイミド層のみからなる場合には後述するPI前駆体塗布工程のみを行なえばよいが、無端ベルトがポリイミド層を含む2層以上の無端ベルトである場合には、PI前駆体塗布工程の後に、ポリイミド層の外周側に形成される層の塗膜を必要に応じて形成する。以下にPI前駆体塗布工程について詳細に説明すする
【0065】
PI前駆体塗布工程においては、PI前駆体を含む溶液(PI前駆体溶液)を芯体外周面に塗布することにより塗膜を形成する。PI前駆体としては従来公知のものを用いることができる。
また、PI前駆体を溶解させるために用いる溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等、従来公知の非プロトン系極性溶剤である。溶液の濃度、粘度等は、適宜選択される。
【0066】
PI前駆体溶液を芯体外周面に塗布して塗膜を形成する方法としては、芯体をPI前駆体溶液に浸漬して引き上げる浸漬塗布法、芯体を水平方向に回転させながらその表面に溶液を吐出する流し塗り法、その際にブレードで塗膜をメタリングするブレード塗布法、既存の公知の方法が採用できる。上記流し塗り法やブレード塗布法では、塗布部を芯体の軸方向に水平移動させることにより、塗膜はらせん状に形成されるが、PI前駆体溶液の溶剤は常温での乾燥が遅いために、らせん状の継ぎ目は自然に平滑化される。
【0067】
なお、PI前駆体溶液は粘度が非常に高く、浸漬塗布法においては付着量が多くなり過ぎるので、特開2002−91027号公報に開示されている如く、芯体の外径よりも大きな円形の孔を設けた環状体を、PI前駆体溶液上に自由移動可能状態で設置し、環状体の孔を通して芯体を前記溶液から相対的に上昇させる方法をとることが好ましい。
【0068】
その塗膜形成方法について、図面を用いて説明する。図4は、本発明に用いられる塗膜形成方法の一例について示した模式断面図であり、一旦、PI前駆体溶液中に浸漬した芯体を上昇させることにより、前記芯体表面に、塗膜が形成されている状態を示したものである。なお、図4は、環状体を用いた浸漬塗布に関する主要部のみを示したものであり、浸漬/引き上げ装置等の周辺部については省略している。図4中、1は芯体を、2はPI前駆体溶液を、3は塗布槽を、4は塗膜(PI前駆体塗膜)を、5は環状体を、6は環状体の孔を表す。
【0069】
なお、本発明において、「芯体上に塗布する」とは、芯体の表面上、及び該表面に層を有する場合はその層上に塗布することを意味する。また、「芯体を上昇」とは、PI前駆体溶液の液面に対する相対的な上昇を意味し、「芯体を停止し、PI前駆体溶液の液面を下降」させる場合を含む。
図4に示す環状体を用いた浸漬塗布方法では、塗布槽3中のPI前駆体溶液2の液面に環状体5を自由に移動できるように浮設する。次に、芯体1を、環状体の孔6を通して、PI前駆体溶液2中へ浸漬し、次いで、矢印U方向へ上昇させることにより芯体1表面に塗膜4が形成される。また、塗膜4の膜厚は、芯体1の外径と、環状体の孔6の孔径との差に応じて調整される。
【0070】
環状体5は、PI前駆体溶液に用いられる溶剤により侵食されない種々の金属、プラスチック等から作られ、軽量化のために中空構造であってもよい。また、環状体5が、PI前駆体溶液2中に沈没するのを防止するために、環状体の外周面および/または塗布槽に、環状体5を支える足や腕を設けてもよい。
【0071】
芯体1の外径と、環状体の孔6の最小孔径と、の差を2で割った値(以下、「間隙幅」と略す)は、所望する塗膜4の塗布直後の厚み(以下、「濡れ膜厚」と略す)が得られるように調整される。乾燥後の塗膜4の膜厚(以下、「乾燥膜厚」と略す)は、濡れ膜厚およびPI前駆体溶液2の不揮発分濃度の積で表され、この関係から所望の濡れ膜厚が求められる。
但し、使用するPI前駆体溶液2の粘度及び/又は表面張力などにより、間隙幅が、そのまま濡れ膜厚として反映されるとは限らない。このため、使用するPI前駆体溶液2に応じて、間隙幅を、所望する濡れ膜厚の1倍〜2倍の範囲内にすることが好ましい。
【0072】
環状体5の孔6の形状は、図4に示すように、PI前駆体溶液2の液面に対して下部が広く、上部が狭い形状であれば特に限定されないが、下部から上部へと、直線的に徐々に狭くなる形状のほか、階段状や曲線状に徐々に狭くなる形状でもよい。
【0073】
次に、他の塗膜形成方法の他の例について説明する。図5は、本発明に用いられる塗膜形成方法の他の例を示した模式断面図であり、浸漬塗布槽に入れたPI前駆体溶液の中央部から芯体を上昇させることにより、前記芯体表面に、塗膜が形成されている状態を示したものである。図5中、符号1、2、4、5および6は図1中に符号で示したものと実質的に同等のものであり、7は環状塗布槽を、8は環状シール材を、9および9’は中間体をあらわす。
なお、図5に示す環状塗布方法は、図4に示す浸漬塗布方法と比較すると、必要とされるPI前駆体溶液2の液量が少なくてすむという利点がある。
【0074】
図5に示す環状体を用いた環状塗布方法では、環状塗布槽7の底部には、芯体1が通過する孔が設けられており、この孔からPI前駆体溶液が漏れないように、ポリエチレンやシリコーンゴム、フッ素樹脂等の柔軟性板材から成る環状のシール材8が取り付けられる。また、軸方向が垂直方向となるように配置された芯体1は、上側の端面が中間体9に固定され、また、下側の端面が中間体9’により固定され、不図示の昇降装置に設置された中間体9および9’を介して垂直方向に移動される。
【0075】
また、PI前駆体溶液2の液面に環状体5を浮設する。但し、図5においても、環状体5は、芯体の引き上げ時に際しては、図4に示すようにPI前駆体溶液2の液面に完全に自由に浮遊させてもよい。また、環状体5の外周面を、ロールやベアリングで支えたり、押圧体を介して空気圧をかけることにより支えたりしてもよいが、均一な膜厚の塗膜4が形成できるように、環状体5の液面垂直および水平方向に対して自由に移動することができるように支えることが好ましい。
環状体の孔6を通して、中間体9を介して芯体1をPI前駆体溶液2から矢印U’方向に上昇させると、PI前駆体溶液2の介在により、芯体1と環状体5との間に摩擦抵抗が生じ、環状体5には上昇力が作用し、環状体5は矢印U‘方向に少し持ち上げられる。
【0076】
このように環状体5が少し持ち上げられた際、環状体5は芯体1との摩擦抵抗が円周方向で一定になるように水平方向に移動し、間隙幅が一定になる。環状体5と芯体1との間隙幅が変化した場合、狭まろうとした部分では摩擦抵抗が大きくなり、その反対側では間隙幅が広がって摩擦抵抗が小さくなる不均衡状態が生じるが、摩擦抵抗が大きな部分は小さくなるよう、すなわち間隙幅が広くなるように環状体5が水平方向に移動するので、環状体5が芯体1と接触することはなく、常に一定の間隙幅が保たれる。
【0077】
芯体1を上昇させる際、芯体1が多少傾いていても、あるいは、芯体1の上昇手段にフレを有する場合でも、環状体5は芯体に追随して水平方向に動きうるので、濡れ膜厚が一定保たれるという利点もある。
【0078】
上記したように環状体5が機能するには、環状体5は、液面からある程度、持ち上げられなくてはならず、停止状態位置から2mm以上持ち上げられること好ましい。液面から持ち上げられる高さは、芯体1の上昇速度が速いほど大きくなる。但し、環状体5が持ち上げられて、その下端面が液面から離れてしまうと、芯体1の最下部が、環状体の孔6を通過し終えた時点で、環状体5が液面に落下することになる。この場合、PI前駆体溶液2中に泡が巻き込まれてしまうため、塗布作業を繰り返す際には非常に不都合である。
【0079】
以上のような理由により、芯体1を上昇させる際には、環状体5の液面に対する持ち上げ高さは、高すぎず低すぎず、一定の範囲内に保たれることが必要である。そのためには、環状体5の液面からの高さを検出して、芯体1の上昇速度を調節することが好ましい。すなわち、環状体5が高く持ち上げらて、液面から離れようとした場合には、上昇速度を遅くし、逆に環状体の持ち上げ高さが小さい場合には、上昇速度を速くする。環状体の液面からの高さを検出するには、機械式や光学式の各種検出装置を用いて行うことができ、簡便には、目視で環状体5の液面からの高さを判断し、手動で速度を調整することもできる。
【0080】
−皮膜形成工程−
皮膜形成工程は、PI前駆体塗膜を乾燥する乾燥工程と、加熱焼成する加熱工程とからなる。
芯体外周面上に形成されたPI前駆体塗膜の乾燥は、乾燥温度が50〜150℃、乾燥時間が30〜200分で行なうことが好ましい。乾燥までの間に重力の影響により、PI前駆体塗膜に垂れが生じる場合には、芯体の軸方向を水平にして、10〜60rpm程度で回転させるのがよい。
【0081】
乾燥後の時点では、PI前駆体塗膜には、溶剤が最初の含有量の10〜40%程度は含まれ、塗膜はまだ柔軟性を有している。そのため、塗膜は芯体から取り外せず、管状物としての強度を保持していない。また、溶剤の除去を促進するために、PI前駆体塗膜の乾燥前あるいは乾燥後に、PI前駆体塗膜を水中に浸漬し、溶剤と水を置換させてもよい。
【0082】
次いで、PI前駆体塗膜を加熱焼成して縮合反応させることによりPI前駆体皮膜を形成するための加熱条件は、350〜450℃の温度で20〜60分間行なわれることが好ましい。その際、皮膜に膨れが生じにくいよう、その温度に達するまでに、温度をすぐに上昇させるのではなく、段階的に上昇させたり、徐々に一定速度で上昇させることが好ましい。
【0083】
PI樹脂は、加熱して縮合反応する時点で、強い力で収縮する。本発明では、芯体外周面の両端部において、既述したようにPI前駆体皮膜の収縮を防止する機構が設けてある。よって、芯体軸方向において、膜厚が均一なPI樹脂皮膜を形成することができる。
【0084】
−剥離・抜取り工程等−
芯体の冷却後には、既述したように芯体から皮膜を取り外してから皮膜の両端部を切除するか、あるいは、芯体上の皮膜の両端部を切除してから芯体から皮膜を取り外すことによって無端ベルトを得ることができる。無端ベルトには、更に必要に応じて端部のスリット加工、パンチング穴あけ加工、テープ巻き付け加工等が施されることもある。
【0085】
−無端ベルトの層構成・用途−
本発明を利用して作製された無端ベルトを転写体として使用する場合、PI材料の中に導電性粒子を分散させる。導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In2O3複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
【0086】
また、無端ベルトを定着体として使用する場合、表面(外周面)に付着するトナーの融着防止のため、ベルト表面(外周面)に非粘着性の樹脂層を形成することが有効である。
この樹脂層を構成する材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が挙げられる。非粘着層には、耐摩耗性や静電オフセットの向上、トナーの付着防止用オイルとの親和性等のために、カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機化合物粉体等、フッ素樹脂以外の材料を含んでもよい。
定着ベルトとして好ましいPI樹脂層の厚さは、25〜200μm、非粘着層の厚さは5〜50μmの範囲である。
【0087】
無端ベルト外周面にフッ素樹脂層を形成するには、その水性分散液をベルト表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、フッ素樹脂層の密着性が不足する場合には、必要に応じて、無端ベルト表面にプライマー層を形成する方法がある。プライマー層を構成する材料としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらの誘導体が挙げられ、さらにフッ素樹脂から選ばれる少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。プライマー層の厚さは0.5〜10μmの範囲が好ましい。
【0088】
無端ベルト外周面上にプライマー層およびフッ素樹脂層を形成するには、芯体外周面に形成された(加熱処理後の)PI樹脂皮膜上にこれらの層を形成する材料を塗布形成することができる。あるいは芯体外周面に形成された(加熱処理前の)PI前駆体塗膜の上に、プライマー層を構成する材料ややフッ素樹脂層を構成する材料を含む分散液を塗布し、その後に加熱してイミド化縮合反応とフッ素樹脂の焼成処理を同時に行ってもよい。後者の場合には、プライマー層が無くてもPI樹脂層とフッ素樹脂層との密着性が十分に強固な場合もあるため、この場合にはプライマー層を形成する必要はない。
【0089】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0090】
(比較例1)
PI前駆体を含むN−メチルピロリドン溶液(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製、固形分濃度18重量%、粘度5Pa・s)に、カーボンブラック(商品名:Conductex975、コロンビヤンカーボン社製)を固形分重量比21%で混合し、サンドミルにより24時間分散した。さらにシリコーンレベリング剤(商品名:DC3PA)を固形分に対して200ppmとなるよう添加してよく混合し、塗布液とした。これを図5に示す環状塗布槽7に入れた。
【0091】
次に芯体として、外径68mm、長さ500mmのアルミニウム製円筒を用意し、その外周面全体を、球形アルミナ粒子を用いたブラスト処理により、表面粗さRaで1.0μmとなるように粗面化した後、更にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間の焼き付け処理を行ない離型剤層を形成した。
【0092】
一方、外径84.0mm、最小部の内径68.9mm、高さ25mmのステンレス製の環状体5を環状塗布層7内に満たされた溶液面に設置した後、両端に中間体9を嵌めた芯体の軸方向を垂直にして、環状塗布槽7の中を1m/minの速度で通過させた芯体の両端部および中央部に塗膜を形成した。塗膜の形成に際しては環状体5が芯体外周面に接触することはなく、芯体には濡れ膜厚が約450μmのPI前駆体塗膜が形成された。
【0093】
芯体を引き上げた後、芯体の軸方向を水平にして、120℃の乾燥炉に入れ、18rpmで回転させながら塗膜を1時間乾燥させた。その後、塗膜を340℃で30分間加熱して、ポリイミド樹脂皮膜を形成した。加熱後の皮膜は芯体から剥離していたため、皮膜をそのまま手で抜き取った。最後に皮膜の両端40mmを均等幅で切断し、幅が311mmの比較例1の無端ベルトを得た。
なお、塗膜を乾燥・加熱して皮膜とした際の芯体軸方向収縮率は2.8%前後と大きく、両端を切断して得られた無端ベルトの幅方向(芯体の軸方向に相当)の膜厚は、中央部で80μm、両端部でそれぞれ84μmであった。
【0094】
(実施例1)
比較例1で用いた芯体の代りに、比較例1で用いた芯体の両端部30mmに傾斜角5°のテーパー加工を施し、図1に示すような、両端部において、中央部から離れるに従い外径が徐々に小さくなる芯体を用いた。
このような芯体を用いた以外は比較例1と同様にして、幅318.7mmの実施例1の無端ベルトを作製した。
なお、塗膜を乾燥・加熱して皮膜とした際の芯体軸方向収縮率は0.4%前後となり、両端を切断して得られた無端ベルトの幅方向(芯体の軸方向に相当)の膜厚は、中央部から両端部にわたって80μmと均一であった。
【0095】
(実施例2)
比較例1で用いた芯体の代りに、比較例1で用いた芯体に、図2に示すように芯体の端の部分より軸方向に20mmの外周面上に幅3mm、深さ2mmの溝を芯体の両端部にそれぞれ1本づつ設けた芯体を用いた。
このような芯体を用いた以外は比較例1と同様にして、幅318.6mmの実施例2の無端ベルトを作製した。
なお、塗膜を乾燥・加熱して皮膜とした際の芯体軸方向収縮率は0.4%となり、両端を切断して得られた無端ベルトの幅方向(芯体の軸方向に相当)の膜厚は、中央部から両端部にわたって80μmと均一であった。
【0096】
(実施例3)
比較例1で用いた芯体の代りに、図3に示すような芯体を用いた。具体的には比較例1で用いた芯体に、芯体の端の部分より軸方向に20mmの外周面上に直径1mmの穴を円周方向に等間隔に8本(両端部合計で16本)形成し、この穴に同径のステンレスピンを外周面よりも0.3mm隆起するように差込んだ芯体を用いた。
このような芯体を用いた以外は比較例1と同様にして、芯体外周面上に皮膜を形成した。その後、皮膜の両端部を均等幅で切断してから芯体中央部上の皮膜を芯体から抜き取って、幅318.1mmの実施例3の無端ベルトを作製した。
なお、塗膜を乾燥・加熱して皮膜とした際の芯体軸方向収縮率は0.6%となり、両端を切断して得られた無端ベルトの幅方向(芯体の軸方向に相当)の膜厚は、中央部で80μm、両端部で82μmとほぼ均一であった。
【0097】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、無端ベルトを作製する際に、筒状芯体外周面に形成された皮膜の芯体軸方向の収縮を抑えることにより、無端ベルトの膜厚むら等の発生が抑制できる無端ベルト製造方法および筒状芯体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明に用いられる筒状芯体の一例を示す概略側面図である。
【図2】第1の本発明に用いられる筒状芯体の他の例を示す概略側面図である。
【図3】第1の本発明に用いられる筒状芯体の他の例を示す概略側面図である。
【図4】本発明に用いられる塗膜形成方法の一例について示した模式断面図である。
【図5】本発明に用いられる塗膜形成方法の他の例を示した模式断面図である。
【符号の説明】
1 芯体
2 PI前駆体溶液
3 塗布槽
4 塗膜(PI前駆体塗膜)
5 環状体
6 環状体の孔
7 環状塗布槽
8 環状シール材
9 中間体
100 筒状芯体
101 芯体中央部
102 芯体端部
103 芯体中央部101の外周面(基準面)
104 芯体端部102の外周面
105 外周面(基準面)103と同一面上に位置する直線
200 筒状芯体
201 芯体中央部
202 芯体端部
203 溝(凹部)
300 筒状芯体
301 芯体中央部
302 芯体端部
303 突起(凸部)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an endless belt used for a photoreceptor, a charging member, a transfer belt, a fixing belt, and the like in an image forming apparatus such as an electrophotographic copying machine and a laser printer, and a cylindrical core used for producing the endless belt. About the body.
[0002]
[Prior art]
In the above applications, a rotating body made of metal, plastic, or rubber is used. However, in order to reduce the size or increase the performance of the apparatus, the rotating body may be preferably deformable, and for this A thin resin belt is used. In this case, if the belt has a seam, a defect due to the seam occurs in the output image. Therefore, it is preferable that there is no seam, and an endless belt is used. The material is preferably a polyimide resin in terms of strength, dimensional stability, heat resistance, etc. (hereinafter, polyimide may be abbreviated as “PI”).
[0003]
Several fixing devices using an endless belt are known (see, for example, Patent Documents 1 and 2).
For a transfer device using an endless belt, for example, a transfer belt made of a PI resin in which conductive powder is dispersed and made semiconductive is stretched around a plurality of rolls and rotated to transfer a toner image to a photoreceptor. (For example, see Patent Document 3). Examples of the conductive powder include carbon black, graphite, and tin oxide.
[0004]
For a transfer fixing device using an endless belt, for example, an endless belt made of semiconductive PI resin is stretched around a plurality of rolls and rotated to transfer a toner image from the photoreceptor onto the endless belt, followed by heating. Thus, there is an apparatus that melts and fixes a toner image on a sheet (see, for example, Patent Document 4).
[0005]
The PI resin endless belt can be produced by, for example, applying a PI precursor solution to the inner surface of a cylindrical body and drying it while rotating (see Patent Document 5), or PI precursor solution on the inner surface of the cylindrical body. However, in these inner surface film forming methods, it is necessary to dry the solvent of the PI precursor solution from the inside of the cylindrical body, so that it takes time to dry. was there.
[0006]
Other endless belt manufacturing methods include, for example, a method in which a PI precursor solution is applied to the surface of a core body by a dip coating method, dried, heated, and then the PI resin film is peeled off from the core body (patent) Reference 7). In this method, since the solvent is dried from the outer surface of the core, the drying time can be shortened, and the shape of the outer surface of the core is molded on the inner surface of the endless belt.
[0007]
Here, as the solvent for the PI precursor solution, an aprotic polar solvent is used, and all of the aprotic polar solvents have a high boiling point and very slow drying. In addition, since the PI resin film has low gas permeability, a part of the film tends to remain even if the solvent is dried.
[0008]
In the method of peeling after forming the PI resin film on the surface of the core body, in the heating process of the film, residual solvent and water generated at the stage where the imidization reaction proceeds are caused between the inside of the film and between the core body and the film. If it stays in the film, it expands by heat and becomes a high-pressure gas, and the PI resin film may swell and deform. This is particularly noticeable when the film thickness is thicker than 50 μm.
[0009]
On the other hand, since the PI resin has a large shrinkage force during the heating reaction, the coating containing the PI resin formed on the outer peripheral surface of the core body shrinks when the endless belt is formed. Such shrinkage is considered to occur non-uniformly and causes uneven film thickness of the endless belt. Further, the semiconductive endless belt in which the conductive powder is dispersed further causes uneven resistance.
When the belt is used, the unevenness of the film thickness is less likely to cause a problem when the degree is light. However, when the unevenness of resistance is used as the transfer belt, the density of the toner to be transferred becomes uneven, which is a serious problem.
For this reason, when manufacturing a conventional endless belt, it is required to minimize resistance unevenness particularly in a semiconductive endless belt in which conductive powder is dispersed, and there is no severe unevenness in film thickness. There has been a demand for reliably obtaining an endless belt.
[0010]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-150679
[Patent Document 2]
JP-A-8-262903
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-218850
[Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-20538
[Patent Document 5]
JP-A-57-74131
[Patent Document 6]
Japanese Patent Laid-Open No. 62-19437
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 61-273919
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above problems. That is, when producing an endless belt, the present invention can suppress the occurrence of unevenness in the film thickness of the endless belt by suppressing the contraction of the coating formed on the outer peripheral surface of the cylindrical core in the core axis direction. It is an object of the present invention to provide a belt manufacturing method and a cylindrical core.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned problems, the present inventors have examined in more detail the shrinkage of the film containing the PI resin formed on the outer peripheral surface of the core body when forming the endless belt as described below.
In general, since PI resin has a large shrinkage force during heating reaction, the shrinkage of the coating containing PI resin formed on the outer peripheral surface of the core not only contracts in the film thickness direction but also contracts in the axial direction of the core body. I think that.
[0013]
When the present inventors diligently studied such a shrinkage phenomenon, the amount of shrinkage is not uniform in each part of the coating formed on the outer peripheral surface of the core, and the coating near the center of the core is near the end. It was confirmed that the film thickness was thinner than that of the coating film, particularly when the release agent layer was previously formed on the core surface.
Such film thickness unevenness is relatively easy to move in the axial direction at the end of the core, so the axial length tends to shrink, and the thickness of the core is small. It is considered that the contraction hardly occurs only in the thickness direction because the movement in the axial direction is limited in the central portion.
[0014]
In addition, when the non-uniform shrinkage of the coating as described above occurs, when producing a semiconductive endless belt in which the conductive powder is dispersed, in the portion where the axial shrinkage is large, the conductive powders It is presumed that the contact ratio becomes relatively large, the resistance is likely to be low, and the resistance is high in a portion where the axial contraction is relatively small, resulting in uneven resistance.
Therefore, based on the knowledge as described above, the present inventors considered that it is necessary to be able to fix the coating at both ends of the core body in order to suppress the coating in the axial direction of the core body. I arrived. That is, the present invention
[0015]
<1> A release agent layer forming step of forming a release agent layer on the outer peripheral surface of at least the central portion of the cylindrical core, and a central portion and both ends of the cylindrical core after the release agent layer forming step A coating film forming step of forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the outer peripheral surface of the part, a coating film forming step of forming a film by drying and baking the coating film, and the coating film In an endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a separation / extraction step that is separated from an outer peripheral surface and is extracted from the cylindrical core body,
When the outer peripheral surface of the central part of the cylindrical core is used as a reference surface, at both ends of the cylindrical core, at least a part of the outer peripheral surface is on the outer peripheral side and / or inner peripheral side of the reference surface. It is an endless belt manufacturing method characterized by being located.
[0016]
<2> The endless belt manufacturing method according to <1>, wherein the cylindrical core is a cylindrical core.
[0017]
<3> The method for producing an endless belt according to <2>, wherein an outer diameter of at least one end portion of the cylindrical core body is smaller than an outer diameter of a central portion of the cylindrical core body. is there.
[0018]
<4> Endless as described in any one of <1> to <3>, wherein a concave portion is provided in at least a part of the outer peripheral surface of at least one end of the cylindrical core. It is a belt manufacturing method.
[0019]
<5> As described in any one of <1> to <4>, a convex portion is provided on at least a part of the outer peripheral surface of at least one end of the cylindrical core. This is an endless belt manufacturing method.
[0020]
<6> A release agent layer forming step of forming a release agent layer on the outer peripheral surface of at least the central portion of the cylindrical core, and the central portion and both ends of the cylindrical core after the release agent layer forming step A coating film forming step of forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the outer peripheral surface of the part, a coating film forming step of forming a film by drying and baking the coating film, and the coating film In an endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a separation / extraction step that is separated from an outer peripheral surface and is extracted from the cylindrical core body,
In the endless belt manufacturing method, the surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface is 0.5 μm or more at both ends of the cylindrical core.
[0021]
<7> The cylinder after the release agent layer forming step is performed by forming a release agent layer on the outer peripheral surface of the central portion and both end portions of the cylindrical core, and after the release agent layer forming step. <6> The endless belt manufacturing method according to <6>, wherein at least a part of the outer peripheral surface of at least both ends of the core is irradiated with ultraviolet rays, and then the coating film forming step is performed.
[0022]
<8> In the cylindrical core used when producing an endless belt at least through the step of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central part and both ends of the cylindrical core,
When the outer peripheral surface of the central part of the cylindrical core is used as a reference surface, at both ends of the cylindrical core, at least a part of the outer peripheral surface is on the outer peripheral side and / or inner peripheral side of the reference surface. It is a cylindrical core characterized by being located.
[0023]
<9> The cylindrical core according to <8>, which is cylindrical.
[0024]
<10> The cylindrical core according to <9>, wherein the outer diameter of at least one end is smaller than the outer diameter of the central part of the cylindrical core.
[0025]
<11> The cylindrical core body according to any one of <8> to <10>, wherein a recess is provided in at least a part of the outer peripheral surface of at least one end.
[0026]
<12> The cylindrical core according to any one of <8> to <11>, wherein a convex portion is provided on at least a part of the outer peripheral surface of at least one end. .
[0027]
<13> The cylindrical core body according to any one of <8> to <12>, which is used in the endless belt manufacturing method according to any one of <1> to <5>.
[0028]
<14> In the cylindrical core used when producing an endless belt at least through the step of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central part and both ends of the cylindrical core,
At the both ends of the cylindrical core, the cylindrical core is characterized in that the surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface is 0.5 μm or more.
[0029]
<15> The cylindrical core according to <14>, which is used in the endless belt manufacturing method according to <6>.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The endless belt manufacturing method and the cylindrical core of the present invention will be described below by roughly dividing the matters common to the first invention, the second invention, and the first and second inventions.
[0031]
(First invention)
The first aspect of the present invention is a mold release agent layer forming step for forming a release agent layer on the outer peripheral surface of at least the central portion of the cylindrical core, and the cylindrical core after the mold release agent layer forming step. A coating film forming step of forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the outer peripheral surface of the central portion and both ends, and a film forming step of forming a coating film by drying and baking the coating film; In the endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a peeling / extracting step of peeling the film from the outer peripheral surface and extracting it from the cylindrical core, a central portion of the cylindrical core When the outer peripheral surface is used as a reference surface, at both ends of the cylindrical core body, at least a part of the outer peripheral surface is located on the outer peripheral side and / or the inner peripheral side with respect to the reference surface.
[0032]
Therefore, according to the first aspect of the present invention, since both ends of the cylindrical core body (hereinafter may be abbreviated as “core body”) have a function of fixing the film, they are formed on the outer peripheral surface of the cylindrical core body. The contraction of the coated film in the axial direction of the core can be suppressed, and as a result, the film thickness unevenness of the endless belt can be suppressed.
Further, when the endless belt is a semiconductive belt, uneven resistance can be suppressed, and when the endless belt is used as a transfer belt, the toner density transferred to the transfer belt can be made uniform. .
[0033]
In the present invention, at any point after the coating is formed on the outer peripheral surface of the core body, both ends of the coating are cut away to obtain an endless belt having a desired width. Usually, cutting of both ends of the film can be performed at any stage before or after the peeling / sampling process. Which one to select depends on the method of removing the film (for example, using a hand or by inserting a jig at the interface between the film and the core), or without cutting both ends of the film. It is determined in consideration of whether or not it is easy to pull out the core from the core.
[0034]
Further, in the present invention, the “end portion” of the core body means an end portion in the axial direction of the core body in a broad sense, but in a narrow sense, when both ends of the film are cut to produce an endless belt. This means the part (corresponding to the discarding margin) covered with the film (at both ends) that is finally cut off and discarded, and the “central part” of the core is the final part when making the endless belt It means the part covered with the film used as an endless belt.
[0035]
The release agent layer only needs to be formed on the outer peripheral surface of at least the central portion of the core body, but in order to facilitate the peeling of the coating film at the end portion, the release agent layer is formed on either one end portion or both end portions. Preferably it is.
[0036]
When the cylindrical core used in the first aspect of the present invention uses the outer peripheral surface of the central part of the cylindrical core as a reference surface, at least a part of the outer peripheral surface at the both ends of the cylindrical core is the above-mentioned The shape is not particularly limited as long as it is located on the outer peripheral side and / or the inner peripheral side with respect to the reference plane.
[0037]
The specific shapes of the end portions of the cylindrical core body used in the first invention as described above include the following three types.
That is, (1) in the case where the core body is cylindrical, when the outer diameter of the core body end portion is smaller than the outer diameter of the central portion, (2) a recess is formed in at least a part of the outer peripheral surface of the core body end portion. Are provided. (3) When a convex part is provided on at least a part of the outer peripheral surface of the end part of the core body, the above are three.
[0038]
Here, as for the core used for the 1st present invention, each of both ends should just satisfy any of the above (1)-(3). In this case, the shape of both ends may be the same or different. The shape of the end may be a combination of two or more of (1) to (3).
[0039]
Next, the specific examples of the shapes described in the above (1) to (3) will be described more specifically with reference to the drawings in the case where the shape of the core is cylindrical. The shape of the core is not limited to this.
[0040]
First, (1) when the core is cylindrical, the case where the outer diameter of the end of the core is smaller than the outer diameter of the center will be described.
In this case, for example, a core as shown in FIG. 1 can be mentioned as an example. FIG. 1 is a schematic side view showing an example of a cylindrical core used in the first invention. In FIG. 1, 100 is a cylindrical core body, 101 is a core body central part, 102 is a core body end part, 103 is an outer peripheral surface (reference surface) of the core body
[0041]
In the
The specific dimensional shape of the
[0042]
Next, (2) the case where the recessed part is provided in at least one part of the outer peripheral surface of a core body edge part is demonstrated.
In this case, for example, a core as shown in FIG. 2 can be cited as an example. FIG. 2 is a schematic side view showing another example of the cylindrical core used in the first present invention. In FIG. 2,
[0043]
The
[0044]
The cross-sectional shape of the
The specific dimensions and shape of the
[0045]
Next, (3) the case where a convex part is provided in at least one part of the outer peripheral surface of a core body edge part is demonstrated.
In this case, for example, a core as shown in FIG. 3 can be given as an example. FIG. 3 is a schematic side view showing another example of the cylindrical core used in the first invention. In FIG. 3,
[0046]
The
[0047]
In addition, the contraction force at the time of the heating reaction of the whole coating film becomes large, so that the axial direction length of the
[0048]
Further, the height of the
[0049]
The cylindrical core used in the first aspect of the present invention is extremely suitable for producing an endless belt including at least a polyimide layer using a polyimide precursor solution as described above.
However, the cylindrical core used in the first aspect of the present invention is not limited to this, and the endless belt undergoes at least a process of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central portion and both ends of the cylindrical core. If the manufacturing method of the endless belt manufactured by is used, it can be used even if it does not include a polyimide layer as a layer constituting the endless belt. However, the cylindrical core used in the first aspect of the present invention is particularly suitable when contraction of the coating film formed on the outer peripheral surface of the core occurs in the manufacturing process of the endless belt.
[0050]
(Second invention)
As described above, the first aspect of the present invention uses the difference in the three-dimensional shape in the core axis direction to fix the coating to the shape portion having the hooking function of the end portion. However, the present inventors also examined a method that does not depend on the difference in the three-dimensional shape in the core axis direction, and devised the second invention described below.
[0051]
That is, the second aspect of the present invention includes a release agent layer forming step of forming a release agent layer on at least the outer peripheral surface of the cylindrical core, and the cylindrical core after the release agent layer forming step. A coating film forming step for forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the outer peripheral surface of the center and both ends of the body, and a film forming process for forming a coating film by drying and heating and firing the coating film And an endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a separation / extraction step of separating the film from the outer peripheral surface and extracting the film from the cylindrical core. At both ends, the surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface is 0.5 μm or more.
[0052]
Therefore, according to the second aspect of the present invention, since both ends of the cylindrical core body have a function of fixing the film, the contraction of the film formed on the outer peripheral surface of the cylindrical core body in the axial direction of the core body is suppressed. The same effects as those of the first aspect of the present invention can be obtained, such as suppressing unevenness of the film thickness of the endless belt.
[0053]
The second aspect of the present invention is to fix the coating to the end by increasing the frictional force between the outer peripheral surface and the coating by imparting roughness to the outer peripheral surface of the core end. The surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface at both ends of the body is preferably as large as possible. Specifically, it is preferably 0.7 μm or more, and more preferably 1.0 μm or more. The upper limit of the surface roughness Ra is not particularly limited, but is practically 2.0 μm or less.
Moreover, it is preferable that the area | region where surface roughness Ra of a core body edge part outer peripheral surface is 0.5 micrometer or more is provided over the whole core body edge part outer peripheral surface.
[0054]
In the present invention, the surface roughness Ra indicates an arithmetic average roughness specified by JIS. In the present invention, a stylus type surface roughness measuring machine (for example, Surfcom 1400A, manufactured by Tokyo Seimitsu Co., Ltd.) Means the value measured under the following conditions. That is, the measurement conditions were determined based on JIS B0601-1994, with an evaluation length Ln = 4 mm, a reference length L = 0.8 mm, and a cutoff value = 0.8 mm.
[0055]
Of course, it is possible to produce an endless belt by combining the first and second aspects of the present invention described above with reference to specific examples.
[0056]
The cylindrical core used in the second aspect of the present invention is extremely suitable for the production of an endless belt including at least a polyimide layer using a polyimide precursor solution as described above.
However, the cylindrical core used in the second aspect of the present invention is not limited to this. The cylindrical core used in the second aspect of the present invention is an endless belt manufacturing method in which an endless belt is manufactured through at least a step of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central part and both ends of the cylindrical core. Even if the polyimide layer is not included as a layer constituting the endless belt, it can be used.
[0057]
However, the cylindrical core used in the second aspect of the present invention is particularly suitable when contraction of the coating film formed on the outer peripheral surface of the core occurs in the manufacturing process of the endless belt. Further, it is of course possible to use a cylindrical core body that combines the first and second aspects of the invention when manufacturing an endless belt that does not include such a polyimide layer.
[0058]
(Common matters of the first and second present inventions)
Next, other matters common to the first and second inventions described above will be described.
-Core-
The shape of the cylindrical core used in the present invention is not particularly limited as long as it is cylindrical. For example, the cylindrical core may have a polygonal cross-sectional shape, but is practically cylindrical. Is preferred.
In addition, in the core, in order to efficiently escape the gas generated when the coating film is heated to the outside of the coating film, and to prevent the occurrence of bulge defects of the film due to the gas, at least the outer peripheral surface of the core body central portion It is preferable that the surface is roughened. Of course, the outer peripheral surface of the end portion of the core body can be similarly roughened, and when the endless belt is produced according to the second invention, the roughness of the central portion and the end portion are different from each other. You can also
In addition, when a coating film does not generate | occur | produce a gas at the time of a heating, it is not necessary to give such a roughening process for the purpose of degassing.
[0059]
Roughening methods include known methods such as powder blasting and honing, metal blades, metal files, metal brushes, sandpaper, etc. Is available. At the time of processing, while rotating the core body, the processing member is moved in the axial direction of the core body while being pressed against the outer peripheral surface of the core body. The processing method / condition is selected as necessary according to the core outer diameter, desired roughness, or roughened shape.
[0060]
In addition, it is preferable that the provision of roughness to the outer peripheral surface of the core body for the purpose of degassing is in the range of 0.5 to 3.0 μm in terms of surface roughness Ra. When Ra is smaller than 0.5 μm, the PI resin film may be swollen when the PI resin film is formed. On the other hand, when Ra is larger than 3.0 μm, bubbles may be generated in the coating film when the PI precursor solution is applied to the core or when the coating film is dried.
When the coating film shrinks during heating due to the roughening of the core surface, a deviation occurs between the coating film and the irregularities on the outer peripheral surface of the core body, and a slight gap is formed between the PI resin film and the outer peripheral surface of the core body. And the residual solvent or water can be effectively released.
[0061]
The material of the core is not particularly limited, but metals such as aluminum, zinc, copper, stainless steel and nickel are preferable. When the material of the core is aluminum, zinc, or copper, it may be plated with chromium or nickel so that the outer peripheral surface is not easily damaged.
[0062]
-Production of endless belt-
In the present invention, an endless belt is produced through a cylindrical core body through at least four steps of a release agent layer forming step, a coating film forming step, a film forming step, and a peeling / extracting step. You may have another process.
The endless belt produced using the present invention is an endless belt including at least a polyimide resin layer, may be composed of a polyimide layer alone, or composed of two or more layers including a polyimide layer. May be. In the latter case, the endless belt is manufactured such that a film that becomes a polyimide layer is always formed on the outer peripheral surface of the core.
In the following description, the individual steps will be described on the assumption that the endless belt is a single polyimide layer. Of course, in the case of two or more layers, the individual steps described below may be changed, It can be easily manufactured by reviewing the combination.
[0063]
-Releasing agent layer forming step-
In the present invention, in order to ensure the peelability between the PI resin film formed in contact with the outer peripheral surface of the core body and the outer peripheral surface of the core body, at least the central portion, preferably the central portion and both end portions of the outer peripheral surface of the core body. Is previously provided with a release agent layer.
For forming the release agent layer, a known fluororesin or silicone resin can be used as the release agent. For example, a release agent made of silicone oil or the like is applied to the outer peripheral surface of the core body, and the release layer is formed. Form. As the release agent, a baking type silicone release agent (for example, KS-700 (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)) is most preferable.
[0064]
-Coating film formation process (PI precursor coating process)-
After the release agent layer forming step, a coating film is formed by applying at least a polyimide precursor solution to the outer peripheral surface of the central portion and both end portions of the cylindrical core after the release agent layer forming step. A film forming step is performed.
If the endless belt is composed only of the polyimide layer, only the PI precursor coating step described later may be performed. However, if the endless belt is an endless belt of two or more layers including the polyimide layer, the PI precursor coating is performed. After the step, a coating film of a layer formed on the outer peripheral side of the polyimide layer is formed as necessary. The PI precursor coating process will be described in detail below.
[0065]
In the PI precursor application step, a coating film is formed by applying a solution containing the PI precursor (PI precursor solution) to the outer peripheral surface of the core body. Conventionally known PI precursors can be used.
The solvent used for dissolving the PI precursor is a conventionally known aprotic polar solvent such as N-methylpyrrolidone, N, N-dimethylacetamide, acetamide, N, N-dimethylformamide or the like. The concentration, viscosity, etc. of the solution are appropriately selected.
[0066]
As a method of forming a coating film by applying the PI precursor solution to the outer peripheral surface of the core body, a dip coating method in which the core body is dipped in the PI precursor solution and pulled up, or on the surface while rotating the core body in the horizontal direction. A flow coating method in which a solution is discharged, a blade coating method in which a coating film is metalized with a blade, and an existing known method can be employed. In the above-mentioned flow coating method and blade coating method, the coating part is formed in a spiral shape by horizontally moving the coating part in the axial direction of the core, but the PI precursor solution solvent is slow to dry at room temperature. In addition, the spiral seam is naturally smoothed.
[0067]
The PI precursor solution has a very high viscosity, and the amount of adhesion in the dip coating method is too large. Therefore, as disclosed in JP-A-2002-91027, the PI precursor solution has a circular shape larger than the outer diameter of the core. It is preferable to adopt a method in which an annular body provided with holes is installed on the PI precursor solution in a freely movable state, and the core body is relatively raised from the solution through the holes of the annular body.
[0068]
The coating film forming method will be described with reference to the drawings. FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing an example of a coating film forming method used in the present invention, and once the core body immersed in the PI precursor solution is raised, the coating film surface is coated on the surface of the core body. This shows a state in which is formed. FIG. 4 shows only the main part related to the dip coating using the annular body, and the peripheral part of the dip / pull-up device is omitted. In FIG. 4, 1 is a core, 2 is a PI precursor solution, 3 is a coating tank, 4 is a coating (PI precursor coating), 5 is an annular body, and 6 is a hole in the annular body. To express.
[0069]
In the present invention, “apply on the core” means to apply on the surface of the core and, if the surface has a layer, on the layer. Further, “raising the core” means a relative rise with respect to the liquid level of the PI precursor solution, and includes the case of “stopping the core and lowering the liquid level of the PI precursor solution”.
In the dip coating method using the annular body shown in FIG. 4, the
[0070]
The
[0071]
A value obtained by dividing the difference between the outer diameter of the core body 1 and the minimum hole diameter of the hole 6 of the annular body by 2 (hereinafter abbreviated as “gap width”) is a thickness immediately after application of the desired coating film 4 (hereinafter referred to as “gap width”). , Abbreviated as “wet film thickness”). The film thickness of the
However, the gap width is not always reflected directly as the wet film thickness due to the viscosity and / or surface tension of the
[0072]
The shape of the hole 6 of the
[0073]
Next, another example of another coating film forming method will be described. FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing another example of the coating film forming method used in the present invention, and by raising the core from the center of the PI precursor solution placed in the dip coating tank, It shows a state in which a coating film is formed on the body surface. In FIG. 5,
The annular coating method shown in FIG. 5 has the advantage that the required amount of the
[0074]
In the annular coating method using the annular body shown in FIG. 5, a hole through which the core body 1 passes is provided at the bottom of the
[0075]
Further, the
When the core body 1 is raised from the
[0076]
When the
[0077]
When the core body 1 is raised, even if the core body 1 is slightly inclined or the raising means of the core body 1 has a flare, the
[0078]
In order for the
[0079]
For the above reasons, when the core body 1 is raised, the lifting height of the
[0080]
-Film formation process-
The film forming process includes a drying process for drying the PI precursor coating film and a heating process for heating and baking.
The PI precursor coating film formed on the outer peripheral surface of the core is preferably dried at a drying temperature of 50 to 150 ° C. and a drying time of 30 to 200 minutes. When dripping occurs in the PI precursor coating film due to the influence of gravity before drying, it is preferable to rotate the core in the axial direction at about 10 to 60 rpm.
[0081]
At the time after drying, the PI precursor coating film contains about 10 to 40% of the initial content of the solvent, and the coating film still has flexibility. Therefore, the coating film cannot be removed from the core and does not retain the strength as a tubular object. In order to accelerate the removal of the solvent, the PI precursor coating film may be immersed in water before or after the PI precursor coating film is dried to replace the solvent and water.
[0082]
Next, the heating conditions for forming the PI precursor film by heating and firing the PI precursor coating film to form a PI precursor film are preferably performed at a temperature of 350 to 450 ° C. for 20 to 60 minutes. At this time, it is preferable to raise the temperature stepwise or gradually at a constant rate, rather than immediately increasing the temperature until the temperature is reached so that the film is unlikely to swell.
[0083]
The PI resin contracts with a strong force when it undergoes a condensation reaction by heating. In the present invention, at both ends of the outer peripheral surface of the core body, as described above, a mechanism for preventing the shrinkage of the PI precursor film is provided. Therefore, a PI resin film having a uniform film thickness can be formed in the core axis direction.
[0084]
-Peeling and sampling processes-
After cooling the core body, remove the film from the core body as described above and then cut off both ends of the film, or cut both ends of the film on the core body and then remove the film from the core body. Thus, an endless belt can be obtained. The endless belt may be further subjected to slit processing, punching drilling processing, tape winding processing, or the like as required.
[0085]
-Layer structure and application of endless belt-
When using an endless belt produced by utilizing the present invention as a transfer body, conductive particles are dispersed in the PI material. Examples of the conductive particles include carbon-based materials such as carbon black, carbon fiber, and graphite, metals or alloys such as copper, silver, and aluminum, tin oxide, indium oxide, antimony oxide, and SnO. 2 -In 2 O 3 Examples thereof include conductive metal oxides such as complex oxides and conductive whiskers such as potassium titanate.
[0086]
When an endless belt is used as a fixing member, it is effective to form a non-adhesive resin layer on the belt surface (outer peripheral surface) in order to prevent adhesion of toner adhering to the surface (outer peripheral surface).
Examples of the material constituting the resin layer include fluorine resins such as polytetrafluoroethylene (PTFE), tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA), and tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer (FEP). Is mentioned. For non-adhesive layers, carbon powder, inorganic compound powders such as titanium oxide and barium sulfate, etc. are used to improve wear resistance, electrostatic offset, and compatibility with toner adhesion prevention oil. Materials other than resin may be included.
The PI resin layer preferable as the fixing belt has a thickness of 25 to 200 μm, and the non-adhesive layer has a thickness of 5 to 50 μm.
[0087]
In order to form the fluororesin layer on the outer peripheral surface of the endless belt, a method in which the aqueous dispersion is applied to the belt surface and baked is preferable. Moreover, when the adhesiveness of a fluororesin layer is insufficient, there is a method of forming a primer layer on the endless belt surface as necessary. Examples of the material constituting the primer layer include polyphenylene sulfide, polyethersulfone, polysulfone, polyamideimide, polyimide, and derivatives thereof, and it is preferable that at least one compound selected from fluororesins is included. The thickness of the primer layer is preferably in the range of 0.5 to 10 μm.
[0088]
In order to form the primer layer and the fluororesin layer on the outer peripheral surface of the endless belt, the material for forming these layers may be applied and formed on the PI resin film (after the heat treatment) formed on the outer peripheral surface of the core body. it can. Alternatively, a dispersion liquid containing a material constituting the primer layer or a material constituting the fluororesin layer is applied onto the PI precursor coating film (before the heat treatment) formed on the outer peripheral surface of the core body, and then heated. The imidization condensation reaction and the fluorocarbon resin firing treatment may be performed simultaneously. In the latter case, the adhesion between the PI resin layer and the fluororesin layer may be sufficiently strong even without the primer layer. In this case, it is not necessary to form the primer layer.
[0089]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0090]
(Comparative Example 1)
N-methylpyrrolidone solution containing PI precursor (trade name: U varnish, Ube Industries, Ltd., solid concentration 18 wt%,
[0091]
Next, an aluminum cylinder having an outer diameter of 68 mm and a length of 500 mm is prepared as a core, and the entire outer peripheral surface thereof is roughened to a surface roughness Ra of 1.0 μm by blasting using spherical alumina particles. After the surface formation, a silicone release agent (trade name: KS700, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) was further applied, and a baking treatment was performed at 300 ° C. for 1 hour to form a release agent layer.
[0092]
On the other hand, after the stainless steel
[0093]
After pulling up the core body, the axial direction of the core body was leveled, placed in a drying furnace at 120 ° C., and the coating film was dried for 1 hour while rotating at 18 rpm. Thereafter, the coating film was heated at 340 ° C. for 30 minutes to form a polyimide resin film. Since the film after heating was peeled off from the core, the film was directly removed by hand. Finally, both ends 40 mm of the film were cut with a uniform width to obtain an endless belt of Comparative Example 1 having a width of 311 mm.
The shrinkage ratio in the axial direction of the core when the coating is dried and heated is as large as around 2.8%, and the width direction of the endless belt obtained by cutting both ends (in the axial direction of the core) Equivalent) was 80 μm at the center and 84 μm at both ends.
[0094]
(Example 1)
Instead of the core body used in Comparative Example 1, both ends 30 mm of the core body used in Comparative Example 1 are tapered at an inclination angle of 5 °, and at both ends as shown in FIG. A core body whose outer diameter gradually decreased was used.
An endless belt of Example 1 having a width of 318.7 mm was produced in the same manner as in Comparative Example 1 except that such a core was used.
In addition, when the coating film is dried and heated to form a coating film, the shrinkage ratio in the axial direction of the core is about 0.4%, and the width direction of the endless belt obtained by cutting both ends (corresponding to the axial direction of the core body) ) Was as uniform as 80 μm from the center to both ends.
[0095]
(Example 2)
Instead of the core body used in Comparative Example 1, the core body used in Comparative Example 1 has a width of 3 mm and a depth of 2 mm on the outer peripheral surface of 20 mm in the axial direction from the end portion of the core body as shown in FIG. A core body having one groove at each end of the core body was used.
An endless belt of Example 2 having a width of 318.6 mm was produced in the same manner as in Comparative Example 1 except that such a core was used.
The shrinkage ratio in the axial direction of the core when the coating is dried and heated to 0.4% is the width direction of the endless belt obtained by cutting both ends (corresponding to the axial direction of the core) The film thickness was as uniform as 80 μm from the center to both ends.
[0096]
Example 3
Instead of the core used in Comparative Example 1, a core as shown in FIG. 3 was used. Specifically, in the core used in Comparative Example 1, eight holes with a diameter of 1 mm on the outer peripheral surface of 20 mm in the axial direction from the end portion of the core are equidistantly spaced in the circumferential direction (total of both ends is 16). This core was used, and a core body in which a stainless steel pin having the same diameter was inserted 0.3 mm above the outer peripheral surface was used.
A film was formed on the outer peripheral surface of the core in the same manner as in Comparative Example 1 except that such a core was used. Thereafter, both ends of the coating were cut at a uniform width, and then the coating on the center of the core was extracted from the core to produce an endless belt of Example 3 having a width of 318.1 mm.
In addition, when the coating film is dried and heated to form a coating film, the shrinkage ratio in the axial direction of the core body is 0.6%, and the width direction of the endless belt obtained by cutting both ends (corresponding to the axial direction of the core body) The film thickness was substantially uniform at 80 μm at the center and 82 μm at both ends.
[0097]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when an endless belt is produced, the film thickness unevenness of the endless belt is reduced by suppressing contraction of the coating formed on the outer peripheral surface of the cylindrical core in the core axis direction. It is possible to provide an endless belt manufacturing method and a cylindrical core that can suppress the occurrence of the above.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side view showing an example of a cylindrical core used in the first invention.
FIG. 2 is a schematic side view showing another example of a cylindrical core used in the first invention.
FIG. 3 is a schematic side view showing another example of a cylindrical core used in the first present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing an example of a coating film forming method used in the present invention.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view showing another example of a coating film forming method used in the present invention.
[Explanation of symbols]
1 core
2 PI precursor solution
3 Application tank
4 Coating (PI precursor coating)
5 Rings
6 Holes in the ring
7 Annular coating tank
8 annular sealing material
9 Intermediate
100 cylindrical core
101 center of core
102 Core end
103 Outer peripheral surface (reference surface) of core
104 Outer peripheral surface of
105 Straight line located on the same surface as the outer peripheral surface (reference surface) 103
200 Cylindrical core
201 center of core
202 core end
203 groove (concave)
300 Cylindrical core
301 center of core
302 Core end
303 Protrusion (convex part)
Claims (13)
前記筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置することを特徴とする無端ベルト製造方法。A release agent layer forming step for forming a release agent layer on the outer peripheral surface of at least the central portion of the cylindrical core, and the outer periphery of the central portion and both ends of the cylindrical core after the release agent layer forming step A coating film forming step for forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the surface, a film forming step for forming a film by drying and baking the coating film, and the coating film from the outer peripheral surface. In an endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a peeling / extraction step that is peeled off and extracted from the cylindrical core body,
When the outer peripheral surface of the central part of the cylindrical core is used as a reference surface, at both ends of the cylindrical core, at least a part of the outer peripheral surface is on the outer peripheral side and / or inner peripheral side of the reference surface. An endless belt manufacturing method, wherein the endless belt is positioned.
前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部の表面粗さRaが、0.5μm以上であることを特徴とする無端ベルトの製造方法。A release agent layer forming step for forming a release agent layer on the outer peripheral surface of at least the central portion of the cylindrical core, and the outer periphery of the central portion and both ends of the cylindrical core after the release agent layer forming step A coating film forming step for forming a coating film by applying at least a polyimide precursor solution to the surface, a film forming step for forming a film by drying and baking the coating film, and the coating film from the outer peripheral surface. In an endless belt manufacturing method for producing an endless belt including a polyimide resin layer through at least a peeling / extraction step that is peeled off and extracted from the cylindrical core body,
A method for producing an endless belt, wherein at both ends of the cylindrical core, the surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface is 0.5 μm or more.
前記筒状芯体の中央部の外周面を基準面とした場合に、前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部が前記基準面よりも外周側および/または内周側に位置することを特徴とする筒状芯体。In the cylindrical core used when producing an endless belt at least through the step of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central part and both ends of the cylindrical core,
When the outer peripheral surface of the central part of the cylindrical core is used as a reference surface, at both ends of the cylindrical core, at least a part of the outer peripheral surface is on the outer peripheral side and / or inner peripheral side of the reference surface. A cylindrical core body characterized by being positioned.
前記筒状芯体の両端部において、外周面の少なくとも一部の表面粗さRaが、0.5μm以上であることを特徴とする筒状芯体。In the cylindrical core used when producing an endless belt at least through the step of forming a coating film on the outer peripheral surface of the central part and both ends of the cylindrical core,
The cylindrical core body characterized in that at both ends of the cylindrical core body, the surface roughness Ra of at least a part of the outer peripheral surface is 0.5 μm or more.
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2003
- 2003-06-13 JP JP2003169353A patent/JP2005004056A/en active Pending
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