JP2005003455A - 実験シミュレーション装置及び実験シミュレーションプログラム - Google Patents
実験シミュレーション装置及び実験シミュレーションプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】分注装置を駆動するための駆動プログラムの作成に費やされる手間を軽減すること。
【解決手段】仮想実験用パーツ400が載置される仮想実験テーブル101及び仮想実験テーブル101の上側に移動可能に配設された仮想アーム部200を含む仮想分注装置の情報を記憶する装置情報記憶部11と、シミュレーション対象となる分注装置及び仮想分注装置の駆動プログラムを記憶する駆動プログラム記憶部12と、駆動プログラムに従って、仮想実験テーブル101上に仮想実験用パーツ400を配置する配置部22と、駆動プログラムに従って仮想アーム部200を駆動させる仮想アーム駆動部23と、仮想アーム部200と仮想実験用パーツ400及び仮想実験テーブル101との仮想空間上での衝突の有無を判定する衝突判定部25とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】仮想実験用パーツ400が載置される仮想実験テーブル101及び仮想実験テーブル101の上側に移動可能に配設された仮想アーム部200を含む仮想分注装置の情報を記憶する装置情報記憶部11と、シミュレーション対象となる分注装置及び仮想分注装置の駆動プログラムを記憶する駆動プログラム記憶部12と、駆動プログラムに従って、仮想実験テーブル101上に仮想実験用パーツ400を配置する配置部22と、駆動プログラムに従って仮想アーム部200を駆動させる仮想アーム駆動部23と、仮想アーム部200と仮想実験用パーツ400及び仮想実験テーブル101との仮想空間上での衝突の有無を判定する衝突判定部25とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
分注装置を用いた実験をシミュレーションする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医薬やバイオ等の分野では、安全性等の観点から、試験管等に貯溜され試薬を吸引し、他の試験管に吐出する分注作業を分注装置に行わせる実験形態が広く採用されている。分注装置は、試薬を貯溜する試験管、電動ピペットに装着されるチップ等が載置される実験テーブルと、先端部に電動ピペットが装着され、上下、左右、前後等の方向に移動可能に構成されたアームとから主に構成されている。
【0003】
オペレータは、実験テーブル上に種々の液体を貯溜する容器のレイアウトや実験開始から終了に至るまでのアームの動作パターンを予め分注装置にプログラミングしておき、分注装置はプログラミングされた駆動プログラムに基づいてアームを動作させ実験を実行していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる実験は非常に複雑な過程から構成されるのが一般的であり、アームの動作パターンも多岐に亘るため、実際に実験を開始した後に、アームが実験テーブル又は実験テーブル上に載置された容器等の実験用パーツに衝突するといったトラブルが発生する可能性がある。かかるトラブルを回避するためには、オペレータは、アームの動作パターン及び実験テーブルに載置された実験用パーツのレイアウト等を正確に把握し、緻密に駆動プログラムを作成することが要求される。実際には、始めから完璧なプログラムを得ることは困難であるため、駆動プログラムの作成作業は、仮実験を繰り返しながら試行錯誤によって行われる。そのため、駆動プログラムの作成には多大な労力がかかるという問題があった。また、このようにして作成された駆動プログラムであっても、実際に実験を行った場合、トラブルが発生するというケースもしばしばあり、作成した駆動プログラムによって、分注装置が正確に稼動するか否かを実際の実験の前に確認したいという要望が高かった。
【0005】
本発明の目的は、分注装置の駆動プログラムの作成に費やされる手間を大幅に低減させることができる実験シミュレーション装置及び実験シミュレーションプログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本実験シミュレーション装置は、分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置であって、前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、前記仮想実験テーブル及び前記仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、前記仮想実験用パーツの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する実験用パーツ記憶手段と、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に前記仮想実験用パーツを配置する配置手段と、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段と、前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、現実の分注装置を駆動させるためのプログラムを用いて仮想分注装置を仮想的に駆動させ、仮想空間上で、アームと仮想実験用パーツ等との衝突が判定されるため、実際に実験を行う前に、駆動プログラムの問題点を把握することが可能となる。すなわち、実際の分注装置を用いて仮実験を行うことなく、駆動プログラムの問題点を把握することができるため、プログラム作成作業に費やされる労力を軽減することができる。
【0008】
また、前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルと前記仮想アームとの距離が閾値以下となった場合、衝突する危険性が高いことを報知する報知手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、アームと実験テーブル等との衝突に余裕量を持たせることができる。
【0010】
また、前記閾値を調節する調節手段をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、閾値を調整することにより、アームと実験テーブル等との衝突の余裕量を任意に設定することができる。
【0011】
また、前記仮想分注装置に実験シミュレーションを開始させてから実験シミュレーションが終了するまでの間、所定の動作単位毎に前記仮想分注装置の動作状況を記した履歴を作成する履歴作成手段をさらに備え、前記報知手段は、衝突が生じたときに前記履歴の該当する欄に衝突の発生を記載することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、所定の動作単位毎に仮想分注装置の動作状況が記された履歴に、衝突が発生したことが記載されるため、衝突が発生した動作を速やかに特定することができる。
【0013】
本実験シミュレーションプログラムは、分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置としてコンピュータを機能させる実験シミュレーションプログラムであって、前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、前記仮想実験テーブル及び仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段、前記仮想実験用パーツの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する仮想実験用パーツ記憶手段、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に仮想実験用パーツを配置する配置手段、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段、前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記実験用パーツ及び前記実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す実験シミュレーション装置は、通常のコンピュータから構成され、入力装置1、ROM(リードオンリメモリ)2、CPU(中央演算処理装置)3、RAM(ランダムアクセスメモリ)4、外部記憶装置5、表示装置6、記録媒体駆動装置7及び入出力インターフェイス(I/F)9を備えている。各ブロックは内部のバスに接続され、このバスを介して種々のデータ等が入出力され、CPU3の制御の下、種々の処理が実行される。
【0016】
入力装置1は、キーボード、マウス等から構成され、操作者が種々のデータ及び操作指令等を入力するために使用される。
【0017】
ROM2には、BIOS(Basic Input/Output System)等のシステムプログラム等が記憶されている。外部記憶装置5は、ハードディスクドライブ等から構成され、所定のOS(Operating System)及び後述する実験シミュレーションプログラム等が記憶されている。RAM4は、CPU3の作業領域等として用いられる。
【0018】
記録媒体駆動装置7は、CD−ROMドライブ、フレキシブルディスクドライブ等から構成される。なお、実験シミュレーションプログラムを、CD−ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8に記録し、記録媒体駆動装置7により記録媒体8から実験シミュレーションプログラムを読み出して外部記憶装置5にインストールして実行するようにしてもよい。また、実験シミュレーション装置が通信装置等を備え、実験シミュレーションプログラムが通信ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶されている場合、当該コンピュータからネットワークを介して実験シミュレーションプログラムをダウンロードして実行するようにしてもよい。
【0019】
表示装置6は、液晶表示装置、CRT(陰極線管)等から構成され、本実験シミュレーション装置によるシミュレーション画面などを表示する。
【0020】
図2は、本実験シミュレーション装置の機能を説明するためのブロック図である。本実験シミュレーション装置は、記憶部10及び処理部20を備えている。記憶部10は外部記憶装置5等から構成され、装置情報記憶部11、駆動プログラム記憶部12、外部ファイル記憶部13及びログファイル記憶部14を備えている。
【0021】
装置情報記憶部11は、以下に示す分注装置を仮想空間上でモデリングすることで得られた仮想分注装置の仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する。図3は、仮想分注装置の外観図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は前面図を示している。この仮想分注装置は、本出願人によって製造された文中装置「VFX−2100」に基づいてモデリングされたものであり、仮想本体部100、仮想アーム部200を備えている。仮想分注装置を含む仮想空間は、仮想実験テーブル101の重心を原点Oとし、上下方向にz軸、仮想実験テーブル101の長辺方向にx軸、仮想実験テーブル101の短辺方向にy軸からなる座標系が設定され、仮想分注装置を構成する各部品等は、この座標系によって仮想空間内の位置が特定される。仮想本体部100は、略直方体状であり、底面の4隅を含む適所には、8個のストッパ102が仮想的に配設されている。仮想本体部100の上面部分が仮想実験テーブル101であり、仮想実験テーブル101には、種々の仮想実験用パーツ400が載置される。
【0022】
仮想実験テーブル101の略中央部には、仮想アーム部200が仮想的に立設されている。仮想実験テーブル101は、仮想アーム部200を中心として左右に2つの領域に分けられており、両領域はさらに3×3の9個の矩形状の小ステージ領域に分けられている。したがって、仮想実験テーブル101は、合計18個の小ステージ領域から構成されている。各小ステージ領域には、それぞれ1〜18のステージ番号が付されている。
【0023】
仮想アーム部200は、仮想支柱アーム201、仮想上下アーム202、仮想前後アーム203及び仮想先端アーム204を備えている。仮想支柱アーム201は、円筒状であり、仮想実験テーブル101の略中央部に仮想的に固定されている。仮想上下アーム202は、その中心軸を回転軸として、仮想支柱アーム201に対し図中Aで示す方向に仮想的に回転可能に取り付けられ、かつ、仮想支柱アーム201に対し図中Bで示す上下方向に仮想的にスライド可能に取り付けられている。仮想上下アーム202から前側に向けて仮想的に取り付けられた仮想前後アーム203は、水平方向に長尺の直方体形状を有し、中心軸を回転軸として、仮想上下アーム202に対し、図中Dで示す方向に仮想的に回転可能に取り付けられている。仮想前後アーム203の先端側に取り付けられた仮想先端アーム204は、上下方向に長尺の直方体形状を有し、仮想前後アーム203に対し、図中Cで示す左右方向に仮想的にスライド可能に取り付けられている。
【0024】
仮想先端アーム204の仮想実験テーブル101側の先端部EPには、仮想電動ピペット406、種々の仮想物体を把持するための仮想電動ハンド(図略)等の種々の仮想実験用パーツ400が取り付け可能である。また、仮想電動ピペット406の先端には仮想チップ(図略)が装着される。仮想チップは、円錐状であり、仮想電動ピペット406が仮想試薬を仮想的に吸引及び吐出する際に用いられ、仮想的に吸引された仮想試薬を内部に仮想的に貯溜する。
【0025】
仮想実験テーブル101には種々の仮想実験用パーツ400が仮想的に載置される。仮想実験用パーツ400としては、仮想電気泳動槽401、仮想試薬を仮想的に吸入及び吐出する際に用いられる仮想チップ402、仮想チップ402を仮想的に収納する仮想チップトレイ403、仮想試薬を仮想的に貯溜する仮想試験管404、仮想試験管404を仮想的に収納する仮想試験管トレイ405、仮想試験管404に仮想的に貯溜された仮想試薬を仮想的に吸引及び吐出する仮想電動ピペット406、仮想電動ピペット406を仮想的に格納する仮想ピペットホルダ407、仮想物体を仮想的に把持する仮想電動ハンド(図略)等が含まれる。
【0026】
図3(a)の場合、仮想実験テーブル101の左奥側に仮想的に載置された箱状のものが仮想電気泳動槽401であり、仮想電気泳動槽401の手前に仮想的に埋設された2個の矩形状のものが仮想チップトレイ403であり、仮想チップトレイ403内部に所定行所定列で仮想的に埋設されたものが仮想チップ402であり、仮想実験テーブル101の右側の前列に仮想的に6本配列され、先端部が窄まった円筒状のものが仮想試験管404であり、この仮想試験管404を仮想的に支持するものが仮想試験管トレイ405であり、仮想支柱アーム201の手前位置に仮想的に立設されたものが仮想ピペットホルダ407であり、仮想ピペットホルダ407が仮想的に支持する3本の円筒状のものが仮想電動ピペット406である。
【0027】
図2に示す駆動プログラム記憶部12は、現実の分注装置を駆動するための駆動プログラムを記憶する。この駆動プロラムは、現実の分注装置を動作させるためにオペレータにより作成されたプログラムである。
【0028】
外部ファイル記憶部13は、仮想分注装置に実験のシミュレーションを行わせるにあたり、必要な情報を記憶する種々のファイルを記憶する。これら種々のファイルは、本実験シミュレーションプログラムの製作会社によって予め作成されたファイルであり、本実験シミュレーションプログラムのインストール時に取り込まれる又は記録媒体若しくはインターネット等によって装置の外部から取り込まれるファイルである。また、このファイルは、オペレータが自ら作成することも可能である。
【0029】
詳細には、実験シミュレーションに使用される種々の仮想実験用パーツ400を記憶する実験用パーツファイル(実験用パーツ情報記憶手段に相当する)等が含まれている。
【0030】
ログファイル記憶部14は、後述する履歴作成部24によって作成されたログファイルを記憶する。
【0031】
処理部20は、CPU3が本実験シミュレーションプログラムを実行することにより実現され、表示制御部21、配置部22、仮想アーム駆動部23、履歴作成部24、衝突判定部25、報知部26、調節部27及び駆動プログラム作成部28を備えている。
【0032】
表示制御部21は、装置情報記憶部11から仮想分注装置の情報を読み出すことにより仮想分注装置を表示装置6に表示させるとともに、仮想アーム駆動部23によって駆動された仮想アーム部200の動作状況を、表示装置6にリアルタイムで表示する。図4は、表示制御部21が表示装置6に表示する仮想分注装置を示した画面図(シミュレーション画面図)である。この画面図は、4つの表示エリアA1〜A4から構成されている。表示エリアA1は仮想分注装置の正面図が、表示エリアA2には、仮想分注装置の側面図が、表示エリアA3には仮想分注装置の上面図が、表示エリアA4には仮想分注装置の稼動状況を示すシミュレーション情報が表示されている。表示エリアA1〜A3には、仮想実験テーブル101に仮想的に載置された種々の仮想実験用パーツ400や仮想アーム部200等が表示されている。表示エリアA4の上段には、仮想先端アーム204の先端部EPのx、y及びz軸上のそれぞれの位置を示す欄R1〜R3、仮想前後アーム203の回転角度を示す欄R4、例えば、上昇/下降等の仮想先端アーム204の移動状況を示す欄R5、仮想先端アーム204に装着された仮想電動ピペット406によって仮想的に吸引又は吐出された仮想試薬の量を表示する欄R6及び実験シミュレーションの開始からの経過時間を示す欄R7が表示されている。さらに、表示エリアA4の下段には、仮想分注装置の所定の動作単位毎の動作状況を示した動作履歴表示欄L1が表形式で表示され、動作履歴表示欄L1の上側には、動作履歴をログファイルに保存するための「ログ保存」ボタン及びログを消去するための「ログクリア」ボタンが表示されている。「ログクリア」ボタンがクリックされると、動作履歴表示欄L1に表示されている動作履歴が消去される。
【0033】
ここで、所定の動作単位とは、例えば仮電動ハンドを装着した仮想先端アーム204が、仮想実験テーブル101に仮想的に載置された物体を仮想的に把持する動作、仮想アーム部200を構成するいずれか一つの仮想アームが所定の移動開始位置から所定の停止位置まで仮想的に移動する動作が1つの動作単位に該当する。以下、この「所定の動作単位」のことを「1ステップの動作」という。
【0034】
配置部22は、駆動プログラムに基づいて、外部ファイル記憶部13から仮想実験テーブル101上に載置するための仮想実験用パーツ400を読み出し、各仮想実験用パーツ400を指定された仮想実験テーブル101上のレイアウト位置に配置する。
【0035】
仮想アーム駆動部23は、駆動プログラム記憶部12に記憶された駆動プログラムに従って、仮想アーム部200を仮想的に駆動させる。
【0036】
履歴作成部24は、例えば、仮想アーム部200の1ステップの動作毎に、仮想分注装置の動作状況を記した動作履歴を作成し、作成した動作履歴をログファイルとして、ログファイル記憶部14に記憶する。
【0037】
衝突判定部25は、仮想先端アーム204と仮想実験テーブル101及び仮想実験テーブル101に載置された仮想実験用パーツ400との衝突の有無を判定する。詳細には、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400の仮想空間上の領域内に仮想アーム部200の領域が侵入したときに衝突したと判定する。
【0038】
報知部26は、仮想先端アーム204の仮想空間上での領域を含み、かつ、仮想先端アーム204の仮想空間上での領域よりも広範囲の領域を危険領域として設定し、仮想先端アーム204が仮想空間上を移動することにより、設定した危険領域が、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400の仮想空間上の領域に侵入したとき、仮想アーム部200と、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400とが接近し、衝突する蓋然性が高いことをオペレータに報知する。ここで、報知部26は、衝突する蓋然性が高いことを、表示装置6に表示させる、又は、履歴作成部24によって履歴に記載させる等してオペレータに報知する。
【0039】
調節部27は、入力装置1を介してオペレータによって入力された情報にしたがって、上記危険領域の範囲を設定する。危険領域の設定は、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)形式で表示された図略の危険領域設定画面において、数値を記入する等することにより危険領域の範囲が設定される。本実施形態では、危険領域は、仮想先端アーム204を含み、かつ、仮想先端アーム204よりも大きな体積を有する直方体の領域を想定している。したがって、危険領域は、仮想先端アーム204の長尺方向をZ軸と平行に置いたときの、z軸と平行な一辺に対し+z軸側にz1、−z軸側にz2、x軸と平行な一辺に対し+x軸側x1、−x軸側にx2、y軸と平行な一辺に対し+y軸側にy1、−y軸側にy2というように、x1、x2、y1、y2、z1及びz2のそれぞれの値を決定することで設定される。また、本実施形態では、仮想先端アーム204の先端部EPに仮想電動ピペット406が装着されるときは、円筒状である仮想電動ピペット406の形状を考慮して、z2の値をz1等よりも大きく設定することが可能である。
【0040】
駆動プログラム作成部28は、オペレータが駆動プログラムを作成するために用いるプログラム作成支援ツールを起動し、このプログラム作成支援ツールを用いて作成された駆動プログラムを受け付け、駆動プログラム記憶部12に記憶させる。
【0041】
図5は、本実験シミュレーション装置の動作を示したフローチャートである。まず、ステップS1において、オペレータによって本実験シミュレーションプログラムが起動されると、外部ファイル記憶部13から外部ファイルが読み込まれ、装置情報記憶部11から仮想分注装置の情報が読み込まれ、さらに、駆動プログラム記憶部12から駆動プログラムが読み出され、読み出された外部ファイル、仮想分注装置の情報及び駆動プログラムに基づいて、表示装置6に仮想分注装置が表示される。
【0042】
この場合、上述した図4で示すように、実験用ファイルから読み出された仮想実験用パーツ400は、駆動プログラムよって指定された仮想実験テーブル101上のレイアウト位置に配置される。
【0043】
ステップS2において、オペレータが入力装置1からシミュレーションの開始が指令されると、仮想アーム駆動部23は、仮想アームを駆動させる。シミュレーションの開始指令は、以下のようにして行われる。図4の上側に示されたメニューバーから「ファイル」がクリックされて表示されたプルダウンメニューから、シミュレーションの開始がクリックされると、図6に示すシミュレーションダイアログ画面が表示され、このシミュレーションダイアログ画面の左上側に表示された右矢印マークが記されたシミュレーション開始ボタンT1がクリックされることにより、実験シミュレーションが開始される。シミュレーション開始ボタンT1の右隣に表示された四角印が記されたボタンは実験シミュレーションを一時停止するためのシミュレーション一時停止ボタンT2であり、シミュレーション一時停止ボタンの右隣に表示された四角印が記されたボタンは、実験シミュレーションを停止するためのシミュレーション停止ボタンT3である。
【0044】
これら3つのボタンの下側に表示されたスライドバーT4は、シミュレーションの進行状況を示すものであり、例えばシミュレーション開始直後は、スライドバーT4は左端に位置し、シミュレーションが進行するにつれて、このスライドバーT4は右側にスライドしていく。
【0045】
スライドバーT4の下側には、シミュレーションの速度を示すシミュレーション速度表示欄T6が表示されている。シミュレーション速度は、シミュレーション速度表示欄T6の右隣に表示された2個のボタンによって調節可能であり、上矢印が記されたボタンをクリックするとシミュレーション速度は0.1倍単位で増大し、下矢印が記されたボタンをクリックするとシミュレーション速度は0.1倍単位で減少する。なお、シミュレーション速度は、0.1倍から100.0倍の範囲で調節することができる。
【0046】
その他、シミュレーションダイアログ画面は、シミュレーション速度表示欄T6の下側に表示された危険領域設定欄T7と、図4の表示エリアA1に示す上面図の表示倍率を設定するための上面図表示倍率欄T8と、図4の表示エリアA2に示された側面図の視点を設定するためのラジオボタンT10と、図4の表示エリアA3に表示された上面図の視点を設定するためのラジオボタンT9と、シミュレーションダイアログ画面を閉じるためのボタンT11とを備えている。ラジオボタンT9により側面図の視点を「左」に設定すると、仮想分注装置が左方向からの視点で表示され、視点を「右」に設定すると、仮想分注装置が右方向の視点で表示される。
【0047】
ステップS3において、仮想アーム駆動部23は、駆動プログラムに基づいて、仮想アーム部200を駆動させ、仮想アーム部200が所定の1ステップの動作を行うと(ステップS4)、衝突判定部25は、仮想アーム部200と仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400との仮想空間上での衝突の有無を判定する。そして、仮想空間上での衝突が発生した場合(ステップS4でYES)、履歴作成部24は、動作履歴に当該1ステップの動作において衝突が発生した旨を記載する。一方、ステップS4において、衝突が発生しなかった場合(ステップS4でNO)、履歴作成部24は、動作履歴に当該1ステップの動作は正常に動作したこと(例えば「正常」あるいは「OK」)を記載する。この場合、図4の表示エリアA4に示す動作履歴表示欄L1に当該1ステップの動作に対する動作状況(稼動状況)が表示される。表示される稼動状況としては、仮想先端アーム204の先端部EPの仮想実験テーブル101上での位置を示す「位置」と、仮想先端アーム204の仮想空間上での座標を示す「座標」と、仮想分注装置の動作の内容を示す「動作」と、仮想電動ピペット406が仮想的に吸引又は吐出した仮想試薬の量を示す「液量」と、仮想空間上での衝突の有無、その他のエラーが発生したことを示す「備考」とが含まれる。「位置」の欄には、仮想先端アーム204の先端部EPがステージ番号が12番の小ステージ領域上に存在する場合、例えば「12小ステージ領域」と表示され、仮想先端アーム204の先端部EPが仮想実験テーブル101に仮想的に設けられた仮想液廃棄孔上にある場合、例えば「廃液」と表示される。
【0048】
「座標」の欄には、仮想先端アーム204の先端部EPの仮想空間上での座標(x,y,z)が表示される。
【0049】
「動作」の欄には、仮想先端アーム204が上昇した場合は、例えば「上昇」と表示され、仮想先端アーム204が下降した場合は、例えば「下降」と表示され、仮想先端アーム204が仮想電動ピペット406を装着した場合は、例えば「ピペット着」と表示される。
【0050】
「備考」の欄には、仮想先端アーム204が水平方向(x軸,y軸平面)移動中に仮想的に衝突した場合、例えば「水平衝突」と表示され、仮想先端アーム204が垂直方向(z軸方向)に移動中に仮想的に衝突した場合、例えば「垂直衝突」と表示され、仮想チップ402の仮想的な装着に失敗した場合、例えば「チップの着失敗」と表示される。さらに、仮想先端アーム204が仮想実験用パーツ400に仮想的に衝突していないものの、危険領域に侵入した場合、仮想的に衝突する蓋然性が高いことが表示される。
【0051】
ステップS6において、実験シミュレーションの全てのステップが終了した場合(ステップS6でYES)、処理を終了し、全てのステップが終了していない場合(ステップS6でNO)、ステップS3に戻り、次のステップが実行され、このステップに対して同様の処理が施される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、現実の分注装置を動作するために作成された駆動プログラムを用いて、仮想分注装置の仮想アーム部200を動作させ、仮想空間上での衝突の発生の有無が判定されるため、実際の分注装置を用いて仮実験することなく、駆動プログラムの問題点を把握することが可能となるため、駆動プログラム作成作業に費やされる労力を大幅に軽減することができる。
【0053】
上記実施形態では、仮想空間上で衝突が発生した場合、動作履歴に衝突が発生したことを記載することで衝突の発生を報知したが、衝突が発生した旨の警報を鳴らすなどする、あるいは、図4に示すシミュレーション画面の背景を赤色で表示する、さらには、実験シミュレーションを中止することにより衝突の発生を報知してもよい。
【0054】
上記実施形態では、述べなかったが、報知部26は、衝突する可能性が高いことを仮想アーム部200と仮想実験テーブル101と距離に応じて、複数段階、例えば3段階に分けて報知してもよい。この場合、報知部26は、衝突する蓋然性が高くなるにつれて、例えばビープ音の周波数を上げるなどすればよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、実際の分注装置を駆動させることなく、衝突の有無を判定することができるため、駆動プログラムの作成に費やされる手間を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本実験シミュレーション装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図3】仮想分注装置の外観図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は前面図を示した図である。
【図4】実験シミュレーション装置が表示するシミュレーション画面を示した図である。
【図5】本実験シミュレーション装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】シミュレーションダイアログ画面を示した図である。
【符号の説明】
10 記憶部
11 装置情報記憶部
12 駆動プログラム記憶部
13 外部ファイル記憶部
20 処理部
21 表示制御部
22 配置部
23 仮想アーム駆動部
24 履歴作成部
25 衝突判定部
26 報知部
27 調節部
28 駆動プログラム作成部
100 本体部
101 仮想実験テーブル
102 ストッパ
200 仮想アーム部
201 仮想支柱アーム
202 仮想上下アーム
203 仮想前後アーム
204 仮想先端アーム
400 仮想実験用パーツ
401 仮想電気泳動槽
402 仮想チップ
403 仮想チップトレイ
404 仮想試験管
405 仮想試験管トレイ
406 仮想電動ピペット
407 仮想ピペットホルダ
【発明の属する技術分野】
分注装置を用いた実験をシミュレーションする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医薬やバイオ等の分野では、安全性等の観点から、試験管等に貯溜され試薬を吸引し、他の試験管に吐出する分注作業を分注装置に行わせる実験形態が広く採用されている。分注装置は、試薬を貯溜する試験管、電動ピペットに装着されるチップ等が載置される実験テーブルと、先端部に電動ピペットが装着され、上下、左右、前後等の方向に移動可能に構成されたアームとから主に構成されている。
【0003】
オペレータは、実験テーブル上に種々の液体を貯溜する容器のレイアウトや実験開始から終了に至るまでのアームの動作パターンを予め分注装置にプログラミングしておき、分注装置はプログラミングされた駆動プログラムに基づいてアームを動作させ実験を実行していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる実験は非常に複雑な過程から構成されるのが一般的であり、アームの動作パターンも多岐に亘るため、実際に実験を開始した後に、アームが実験テーブル又は実験テーブル上に載置された容器等の実験用パーツに衝突するといったトラブルが発生する可能性がある。かかるトラブルを回避するためには、オペレータは、アームの動作パターン及び実験テーブルに載置された実験用パーツのレイアウト等を正確に把握し、緻密に駆動プログラムを作成することが要求される。実際には、始めから完璧なプログラムを得ることは困難であるため、駆動プログラムの作成作業は、仮実験を繰り返しながら試行錯誤によって行われる。そのため、駆動プログラムの作成には多大な労力がかかるという問題があった。また、このようにして作成された駆動プログラムであっても、実際に実験を行った場合、トラブルが発生するというケースもしばしばあり、作成した駆動プログラムによって、分注装置が正確に稼動するか否かを実際の実験の前に確認したいという要望が高かった。
【0005】
本発明の目的は、分注装置の駆動プログラムの作成に費やされる手間を大幅に低減させることができる実験シミュレーション装置及び実験シミュレーションプログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本実験シミュレーション装置は、分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置であって、前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、前記仮想実験テーブル及び前記仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、前記仮想実験用パーツの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する実験用パーツ記憶手段と、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に前記仮想実験用パーツを配置する配置手段と、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段と、前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、現実の分注装置を駆動させるためのプログラムを用いて仮想分注装置を仮想的に駆動させ、仮想空間上で、アームと仮想実験用パーツ等との衝突が判定されるため、実際に実験を行う前に、駆動プログラムの問題点を把握することが可能となる。すなわち、実際の分注装置を用いて仮実験を行うことなく、駆動プログラムの問題点を把握することができるため、プログラム作成作業に費やされる労力を軽減することができる。
【0008】
また、前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルと前記仮想アームとの距離が閾値以下となった場合、衝突する危険性が高いことを報知する報知手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、アームと実験テーブル等との衝突に余裕量を持たせることができる。
【0010】
また、前記閾値を調節する調節手段をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、閾値を調整することにより、アームと実験テーブル等との衝突の余裕量を任意に設定することができる。
【0011】
また、前記仮想分注装置に実験シミュレーションを開始させてから実験シミュレーションが終了するまでの間、所定の動作単位毎に前記仮想分注装置の動作状況を記した履歴を作成する履歴作成手段をさらに備え、前記報知手段は、衝突が生じたときに前記履歴の該当する欄に衝突の発生を記載することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、所定の動作単位毎に仮想分注装置の動作状況が記された履歴に、衝突が発生したことが記載されるため、衝突が発生した動作を速やかに特定することができる。
【0013】
本実験シミュレーションプログラムは、分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置としてコンピュータを機能させる実験シミュレーションプログラムであって、前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、前記仮想実験テーブル及び仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段、前記仮想実験用パーツの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する仮想実験用パーツ記憶手段、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に仮想実験用パーツを配置する配置手段、前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段、前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記実験用パーツ及び前記実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す実験シミュレーション装置は、通常のコンピュータから構成され、入力装置1、ROM(リードオンリメモリ)2、CPU(中央演算処理装置)3、RAM(ランダムアクセスメモリ)4、外部記憶装置5、表示装置6、記録媒体駆動装置7及び入出力インターフェイス(I/F)9を備えている。各ブロックは内部のバスに接続され、このバスを介して種々のデータ等が入出力され、CPU3の制御の下、種々の処理が実行される。
【0016】
入力装置1は、キーボード、マウス等から構成され、操作者が種々のデータ及び操作指令等を入力するために使用される。
【0017】
ROM2には、BIOS(Basic Input/Output System)等のシステムプログラム等が記憶されている。外部記憶装置5は、ハードディスクドライブ等から構成され、所定のOS(Operating System)及び後述する実験シミュレーションプログラム等が記憶されている。RAM4は、CPU3の作業領域等として用いられる。
【0018】
記録媒体駆動装置7は、CD−ROMドライブ、フレキシブルディスクドライブ等から構成される。なお、実験シミュレーションプログラムを、CD−ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8に記録し、記録媒体駆動装置7により記録媒体8から実験シミュレーションプログラムを読み出して外部記憶装置5にインストールして実行するようにしてもよい。また、実験シミュレーション装置が通信装置等を備え、実験シミュレーションプログラムが通信ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶されている場合、当該コンピュータからネットワークを介して実験シミュレーションプログラムをダウンロードして実行するようにしてもよい。
【0019】
表示装置6は、液晶表示装置、CRT(陰極線管)等から構成され、本実験シミュレーション装置によるシミュレーション画面などを表示する。
【0020】
図2は、本実験シミュレーション装置の機能を説明するためのブロック図である。本実験シミュレーション装置は、記憶部10及び処理部20を備えている。記憶部10は外部記憶装置5等から構成され、装置情報記憶部11、駆動プログラム記憶部12、外部ファイル記憶部13及びログファイル記憶部14を備えている。
【0021】
装置情報記憶部11は、以下に示す分注装置を仮想空間上でモデリングすることで得られた仮想分注装置の仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する。図3は、仮想分注装置の外観図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は前面図を示している。この仮想分注装置は、本出願人によって製造された文中装置「VFX−2100」に基づいてモデリングされたものであり、仮想本体部100、仮想アーム部200を備えている。仮想分注装置を含む仮想空間は、仮想実験テーブル101の重心を原点Oとし、上下方向にz軸、仮想実験テーブル101の長辺方向にx軸、仮想実験テーブル101の短辺方向にy軸からなる座標系が設定され、仮想分注装置を構成する各部品等は、この座標系によって仮想空間内の位置が特定される。仮想本体部100は、略直方体状であり、底面の4隅を含む適所には、8個のストッパ102が仮想的に配設されている。仮想本体部100の上面部分が仮想実験テーブル101であり、仮想実験テーブル101には、種々の仮想実験用パーツ400が載置される。
【0022】
仮想実験テーブル101の略中央部には、仮想アーム部200が仮想的に立設されている。仮想実験テーブル101は、仮想アーム部200を中心として左右に2つの領域に分けられており、両領域はさらに3×3の9個の矩形状の小ステージ領域に分けられている。したがって、仮想実験テーブル101は、合計18個の小ステージ領域から構成されている。各小ステージ領域には、それぞれ1〜18のステージ番号が付されている。
【0023】
仮想アーム部200は、仮想支柱アーム201、仮想上下アーム202、仮想前後アーム203及び仮想先端アーム204を備えている。仮想支柱アーム201は、円筒状であり、仮想実験テーブル101の略中央部に仮想的に固定されている。仮想上下アーム202は、その中心軸を回転軸として、仮想支柱アーム201に対し図中Aで示す方向に仮想的に回転可能に取り付けられ、かつ、仮想支柱アーム201に対し図中Bで示す上下方向に仮想的にスライド可能に取り付けられている。仮想上下アーム202から前側に向けて仮想的に取り付けられた仮想前後アーム203は、水平方向に長尺の直方体形状を有し、中心軸を回転軸として、仮想上下アーム202に対し、図中Dで示す方向に仮想的に回転可能に取り付けられている。仮想前後アーム203の先端側に取り付けられた仮想先端アーム204は、上下方向に長尺の直方体形状を有し、仮想前後アーム203に対し、図中Cで示す左右方向に仮想的にスライド可能に取り付けられている。
【0024】
仮想先端アーム204の仮想実験テーブル101側の先端部EPには、仮想電動ピペット406、種々の仮想物体を把持するための仮想電動ハンド(図略)等の種々の仮想実験用パーツ400が取り付け可能である。また、仮想電動ピペット406の先端には仮想チップ(図略)が装着される。仮想チップは、円錐状であり、仮想電動ピペット406が仮想試薬を仮想的に吸引及び吐出する際に用いられ、仮想的に吸引された仮想試薬を内部に仮想的に貯溜する。
【0025】
仮想実験テーブル101には種々の仮想実験用パーツ400が仮想的に載置される。仮想実験用パーツ400としては、仮想電気泳動槽401、仮想試薬を仮想的に吸入及び吐出する際に用いられる仮想チップ402、仮想チップ402を仮想的に収納する仮想チップトレイ403、仮想試薬を仮想的に貯溜する仮想試験管404、仮想試験管404を仮想的に収納する仮想試験管トレイ405、仮想試験管404に仮想的に貯溜された仮想試薬を仮想的に吸引及び吐出する仮想電動ピペット406、仮想電動ピペット406を仮想的に格納する仮想ピペットホルダ407、仮想物体を仮想的に把持する仮想電動ハンド(図略)等が含まれる。
【0026】
図3(a)の場合、仮想実験テーブル101の左奥側に仮想的に載置された箱状のものが仮想電気泳動槽401であり、仮想電気泳動槽401の手前に仮想的に埋設された2個の矩形状のものが仮想チップトレイ403であり、仮想チップトレイ403内部に所定行所定列で仮想的に埋設されたものが仮想チップ402であり、仮想実験テーブル101の右側の前列に仮想的に6本配列され、先端部が窄まった円筒状のものが仮想試験管404であり、この仮想試験管404を仮想的に支持するものが仮想試験管トレイ405であり、仮想支柱アーム201の手前位置に仮想的に立設されたものが仮想ピペットホルダ407であり、仮想ピペットホルダ407が仮想的に支持する3本の円筒状のものが仮想電動ピペット406である。
【0027】
図2に示す駆動プログラム記憶部12は、現実の分注装置を駆動するための駆動プログラムを記憶する。この駆動プロラムは、現実の分注装置を動作させるためにオペレータにより作成されたプログラムである。
【0028】
外部ファイル記憶部13は、仮想分注装置に実験のシミュレーションを行わせるにあたり、必要な情報を記憶する種々のファイルを記憶する。これら種々のファイルは、本実験シミュレーションプログラムの製作会社によって予め作成されたファイルであり、本実験シミュレーションプログラムのインストール時に取り込まれる又は記録媒体若しくはインターネット等によって装置の外部から取り込まれるファイルである。また、このファイルは、オペレータが自ら作成することも可能である。
【0029】
詳細には、実験シミュレーションに使用される種々の仮想実験用パーツ400を記憶する実験用パーツファイル(実験用パーツ情報記憶手段に相当する)等が含まれている。
【0030】
ログファイル記憶部14は、後述する履歴作成部24によって作成されたログファイルを記憶する。
【0031】
処理部20は、CPU3が本実験シミュレーションプログラムを実行することにより実現され、表示制御部21、配置部22、仮想アーム駆動部23、履歴作成部24、衝突判定部25、報知部26、調節部27及び駆動プログラム作成部28を備えている。
【0032】
表示制御部21は、装置情報記憶部11から仮想分注装置の情報を読み出すことにより仮想分注装置を表示装置6に表示させるとともに、仮想アーム駆動部23によって駆動された仮想アーム部200の動作状況を、表示装置6にリアルタイムで表示する。図4は、表示制御部21が表示装置6に表示する仮想分注装置を示した画面図(シミュレーション画面図)である。この画面図は、4つの表示エリアA1〜A4から構成されている。表示エリアA1は仮想分注装置の正面図が、表示エリアA2には、仮想分注装置の側面図が、表示エリアA3には仮想分注装置の上面図が、表示エリアA4には仮想分注装置の稼動状況を示すシミュレーション情報が表示されている。表示エリアA1〜A3には、仮想実験テーブル101に仮想的に載置された種々の仮想実験用パーツ400や仮想アーム部200等が表示されている。表示エリアA4の上段には、仮想先端アーム204の先端部EPのx、y及びz軸上のそれぞれの位置を示す欄R1〜R3、仮想前後アーム203の回転角度を示す欄R4、例えば、上昇/下降等の仮想先端アーム204の移動状況を示す欄R5、仮想先端アーム204に装着された仮想電動ピペット406によって仮想的に吸引又は吐出された仮想試薬の量を表示する欄R6及び実験シミュレーションの開始からの経過時間を示す欄R7が表示されている。さらに、表示エリアA4の下段には、仮想分注装置の所定の動作単位毎の動作状況を示した動作履歴表示欄L1が表形式で表示され、動作履歴表示欄L1の上側には、動作履歴をログファイルに保存するための「ログ保存」ボタン及びログを消去するための「ログクリア」ボタンが表示されている。「ログクリア」ボタンがクリックされると、動作履歴表示欄L1に表示されている動作履歴が消去される。
【0033】
ここで、所定の動作単位とは、例えば仮電動ハンドを装着した仮想先端アーム204が、仮想実験テーブル101に仮想的に載置された物体を仮想的に把持する動作、仮想アーム部200を構成するいずれか一つの仮想アームが所定の移動開始位置から所定の停止位置まで仮想的に移動する動作が1つの動作単位に該当する。以下、この「所定の動作単位」のことを「1ステップの動作」という。
【0034】
配置部22は、駆動プログラムに基づいて、外部ファイル記憶部13から仮想実験テーブル101上に載置するための仮想実験用パーツ400を読み出し、各仮想実験用パーツ400を指定された仮想実験テーブル101上のレイアウト位置に配置する。
【0035】
仮想アーム駆動部23は、駆動プログラム記憶部12に記憶された駆動プログラムに従って、仮想アーム部200を仮想的に駆動させる。
【0036】
履歴作成部24は、例えば、仮想アーム部200の1ステップの動作毎に、仮想分注装置の動作状況を記した動作履歴を作成し、作成した動作履歴をログファイルとして、ログファイル記憶部14に記憶する。
【0037】
衝突判定部25は、仮想先端アーム204と仮想実験テーブル101及び仮想実験テーブル101に載置された仮想実験用パーツ400との衝突の有無を判定する。詳細には、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400の仮想空間上の領域内に仮想アーム部200の領域が侵入したときに衝突したと判定する。
【0038】
報知部26は、仮想先端アーム204の仮想空間上での領域を含み、かつ、仮想先端アーム204の仮想空間上での領域よりも広範囲の領域を危険領域として設定し、仮想先端アーム204が仮想空間上を移動することにより、設定した危険領域が、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400の仮想空間上の領域に侵入したとき、仮想アーム部200と、仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400とが接近し、衝突する蓋然性が高いことをオペレータに報知する。ここで、報知部26は、衝突する蓋然性が高いことを、表示装置6に表示させる、又は、履歴作成部24によって履歴に記載させる等してオペレータに報知する。
【0039】
調節部27は、入力装置1を介してオペレータによって入力された情報にしたがって、上記危険領域の範囲を設定する。危険領域の設定は、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)形式で表示された図略の危険領域設定画面において、数値を記入する等することにより危険領域の範囲が設定される。本実施形態では、危険領域は、仮想先端アーム204を含み、かつ、仮想先端アーム204よりも大きな体積を有する直方体の領域を想定している。したがって、危険領域は、仮想先端アーム204の長尺方向をZ軸と平行に置いたときの、z軸と平行な一辺に対し+z軸側にz1、−z軸側にz2、x軸と平行な一辺に対し+x軸側x1、−x軸側にx2、y軸と平行な一辺に対し+y軸側にy1、−y軸側にy2というように、x1、x2、y1、y2、z1及びz2のそれぞれの値を決定することで設定される。また、本実施形態では、仮想先端アーム204の先端部EPに仮想電動ピペット406が装着されるときは、円筒状である仮想電動ピペット406の形状を考慮して、z2の値をz1等よりも大きく設定することが可能である。
【0040】
駆動プログラム作成部28は、オペレータが駆動プログラムを作成するために用いるプログラム作成支援ツールを起動し、このプログラム作成支援ツールを用いて作成された駆動プログラムを受け付け、駆動プログラム記憶部12に記憶させる。
【0041】
図5は、本実験シミュレーション装置の動作を示したフローチャートである。まず、ステップS1において、オペレータによって本実験シミュレーションプログラムが起動されると、外部ファイル記憶部13から外部ファイルが読み込まれ、装置情報記憶部11から仮想分注装置の情報が読み込まれ、さらに、駆動プログラム記憶部12から駆動プログラムが読み出され、読み出された外部ファイル、仮想分注装置の情報及び駆動プログラムに基づいて、表示装置6に仮想分注装置が表示される。
【0042】
この場合、上述した図4で示すように、実験用ファイルから読み出された仮想実験用パーツ400は、駆動プログラムよって指定された仮想実験テーブル101上のレイアウト位置に配置される。
【0043】
ステップS2において、オペレータが入力装置1からシミュレーションの開始が指令されると、仮想アーム駆動部23は、仮想アームを駆動させる。シミュレーションの開始指令は、以下のようにして行われる。図4の上側に示されたメニューバーから「ファイル」がクリックされて表示されたプルダウンメニューから、シミュレーションの開始がクリックされると、図6に示すシミュレーションダイアログ画面が表示され、このシミュレーションダイアログ画面の左上側に表示された右矢印マークが記されたシミュレーション開始ボタンT1がクリックされることにより、実験シミュレーションが開始される。シミュレーション開始ボタンT1の右隣に表示された四角印が記されたボタンは実験シミュレーションを一時停止するためのシミュレーション一時停止ボタンT2であり、シミュレーション一時停止ボタンの右隣に表示された四角印が記されたボタンは、実験シミュレーションを停止するためのシミュレーション停止ボタンT3である。
【0044】
これら3つのボタンの下側に表示されたスライドバーT4は、シミュレーションの進行状況を示すものであり、例えばシミュレーション開始直後は、スライドバーT4は左端に位置し、シミュレーションが進行するにつれて、このスライドバーT4は右側にスライドしていく。
【0045】
スライドバーT4の下側には、シミュレーションの速度を示すシミュレーション速度表示欄T6が表示されている。シミュレーション速度は、シミュレーション速度表示欄T6の右隣に表示された2個のボタンによって調節可能であり、上矢印が記されたボタンをクリックするとシミュレーション速度は0.1倍単位で増大し、下矢印が記されたボタンをクリックするとシミュレーション速度は0.1倍単位で減少する。なお、シミュレーション速度は、0.1倍から100.0倍の範囲で調節することができる。
【0046】
その他、シミュレーションダイアログ画面は、シミュレーション速度表示欄T6の下側に表示された危険領域設定欄T7と、図4の表示エリアA1に示す上面図の表示倍率を設定するための上面図表示倍率欄T8と、図4の表示エリアA2に示された側面図の視点を設定するためのラジオボタンT10と、図4の表示エリアA3に表示された上面図の視点を設定するためのラジオボタンT9と、シミュレーションダイアログ画面を閉じるためのボタンT11とを備えている。ラジオボタンT9により側面図の視点を「左」に設定すると、仮想分注装置が左方向からの視点で表示され、視点を「右」に設定すると、仮想分注装置が右方向の視点で表示される。
【0047】
ステップS3において、仮想アーム駆動部23は、駆動プログラムに基づいて、仮想アーム部200を駆動させ、仮想アーム部200が所定の1ステップの動作を行うと(ステップS4)、衝突判定部25は、仮想アーム部200と仮想実験テーブル101及び仮想実験用パーツ400との仮想空間上での衝突の有無を判定する。そして、仮想空間上での衝突が発生した場合(ステップS4でYES)、履歴作成部24は、動作履歴に当該1ステップの動作において衝突が発生した旨を記載する。一方、ステップS4において、衝突が発生しなかった場合(ステップS4でNO)、履歴作成部24は、動作履歴に当該1ステップの動作は正常に動作したこと(例えば「正常」あるいは「OK」)を記載する。この場合、図4の表示エリアA4に示す動作履歴表示欄L1に当該1ステップの動作に対する動作状況(稼動状況)が表示される。表示される稼動状況としては、仮想先端アーム204の先端部EPの仮想実験テーブル101上での位置を示す「位置」と、仮想先端アーム204の仮想空間上での座標を示す「座標」と、仮想分注装置の動作の内容を示す「動作」と、仮想電動ピペット406が仮想的に吸引又は吐出した仮想試薬の量を示す「液量」と、仮想空間上での衝突の有無、その他のエラーが発生したことを示す「備考」とが含まれる。「位置」の欄には、仮想先端アーム204の先端部EPがステージ番号が12番の小ステージ領域上に存在する場合、例えば「12小ステージ領域」と表示され、仮想先端アーム204の先端部EPが仮想実験テーブル101に仮想的に設けられた仮想液廃棄孔上にある場合、例えば「廃液」と表示される。
【0048】
「座標」の欄には、仮想先端アーム204の先端部EPの仮想空間上での座標(x,y,z)が表示される。
【0049】
「動作」の欄には、仮想先端アーム204が上昇した場合は、例えば「上昇」と表示され、仮想先端アーム204が下降した場合は、例えば「下降」と表示され、仮想先端アーム204が仮想電動ピペット406を装着した場合は、例えば「ピペット着」と表示される。
【0050】
「備考」の欄には、仮想先端アーム204が水平方向(x軸,y軸平面)移動中に仮想的に衝突した場合、例えば「水平衝突」と表示され、仮想先端アーム204が垂直方向(z軸方向)に移動中に仮想的に衝突した場合、例えば「垂直衝突」と表示され、仮想チップ402の仮想的な装着に失敗した場合、例えば「チップの着失敗」と表示される。さらに、仮想先端アーム204が仮想実験用パーツ400に仮想的に衝突していないものの、危険領域に侵入した場合、仮想的に衝突する蓋然性が高いことが表示される。
【0051】
ステップS6において、実験シミュレーションの全てのステップが終了した場合(ステップS6でYES)、処理を終了し、全てのステップが終了していない場合(ステップS6でNO)、ステップS3に戻り、次のステップが実行され、このステップに対して同様の処理が施される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、現実の分注装置を動作するために作成された駆動プログラムを用いて、仮想分注装置の仮想アーム部200を動作させ、仮想空間上での衝突の発生の有無が判定されるため、実際の分注装置を用いて仮実験することなく、駆動プログラムの問題点を把握することが可能となるため、駆動プログラム作成作業に費やされる労力を大幅に軽減することができる。
【0053】
上記実施形態では、仮想空間上で衝突が発生した場合、動作履歴に衝突が発生したことを記載することで衝突の発生を報知したが、衝突が発生した旨の警報を鳴らすなどする、あるいは、図4に示すシミュレーション画面の背景を赤色で表示する、さらには、実験シミュレーションを中止することにより衝突の発生を報知してもよい。
【0054】
上記実施形態では、述べなかったが、報知部26は、衝突する可能性が高いことを仮想アーム部200と仮想実験テーブル101と距離に応じて、複数段階、例えば3段階に分けて報知してもよい。この場合、報知部26は、衝突する蓋然性が高くなるにつれて、例えばビープ音の周波数を上げるなどすればよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、実際の分注装置を駆動させることなく、衝突の有無を判定することができるため、駆動プログラムの作成に費やされる手間を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による実験シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本実験シミュレーション装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図3】仮想分注装置の外観図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は前面図を示した図である。
【図4】実験シミュレーション装置が表示するシミュレーション画面を示した図である。
【図5】本実験シミュレーション装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】シミュレーションダイアログ画面を示した図である。
【符号の説明】
10 記憶部
11 装置情報記憶部
12 駆動プログラム記憶部
13 外部ファイル記憶部
20 処理部
21 表示制御部
22 配置部
23 仮想アーム駆動部
24 履歴作成部
25 衝突判定部
26 報知部
27 調節部
28 駆動プログラム作成部
100 本体部
101 仮想実験テーブル
102 ストッパ
200 仮想アーム部
201 仮想支柱アーム
202 仮想上下アーム
203 仮想前後アーム
204 仮想先端アーム
400 仮想実験用パーツ
401 仮想電気泳動槽
402 仮想チップ
403 仮想チップトレイ
404 仮想試験管
405 仮想試験管トレイ
406 仮想電動ピペット
407 仮想ピペットホルダ
Claims (5)
- 分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置であって、
前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、
前記仮想実験テーブル及び仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、
前記仮想実験用パーツの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する実験用パーツ情報記憶手段と、
前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に前記仮想実験用パーツを配置する配置手段と、
前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段と、
前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段とを備えることを特徴とする実験シミュレーション装置。 - 前記仮想実験用パーツ及び前記仮想実験テーブルと前記仮想アームとの距離が閾値以下となった場合、衝突する危険性が高いことを報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の実験シミュレーション装置。
- 前記閾値を調節する調節手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の実験シミュレーション装置。
- 前記仮想分注装置に実験シミュレーションを開始させてから実験シミュレーションが終了するまでの間、所定の動作単位毎に前記仮想分注装置の動作状況を記した履歴を作成する履歴作成手段をさらに備え、
前記報知手段は、衝突が生じたときに前記履歴の該当する欄に衝突の発生を記載することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の実験シミュレーション装置。 - 分注装置を駆動させるための駆動プログラムを、仮想空間上でモデリングされた仮想分注装置に実行させることにより、分注装置を用いた実験を仮想的に実行する実験シミュレーション装置としてコンピュータを機能させる実験シミュレーションプログラムであって、
前記仮想分注装置は、仮想実験用パーツが載置される仮想実験テーブル及び前記仮想実験テーブルの上側に移動可能に配設された仮想アームを含み、
前記仮想実験テーブル及び仮想アームのそれぞれの仮想空間上での少なくとも位置、形状及び機能を特定するための装置情報を記憶する装置情報記憶手段、
前記仮想実験用パーツの仮想空間上における少なくとも位置、形状及び機能を特定するための情報を記憶する実験用パーツ情報記憶手段、
前記駆動プログラムに基づいて前記仮想実験テーブル上に仮想実験用パーツを配置する配置手段、
前記駆動プログラムに基づいて前記仮想アームを動作させる仮想アーム駆動手段、
前記仮想実験テーブル及び前記仮想実験用パーツの仮想空間上における領域に前記仮想アームの仮想空間上における領域が侵入したとき、前記仮想アームと前記実験用パーツ及び前記実験テーブルとが仮想空間上で衝突したと判定する衝突判定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする実験シミュレーションプログラム。
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