JP2005003286A - 溶融炉の出湯装置 - Google Patents

溶融炉の出湯装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005003286A
JP2005003286A JP2003167942A JP2003167942A JP2005003286A JP 2005003286 A JP2005003286 A JP 2005003286A JP 2003167942 A JP2003167942 A JP 2003167942A JP 2003167942 A JP2003167942 A JP 2003167942A JP 2005003286 A JP2005003286 A JP 2005003286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
furnace body
induction heating
furnace
heating coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003167942A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Oura
武 大浦
Takeo Ishijima
武雄 石島
Keishin Machida
敬信 町田
Shigeaki Yamashita
繁昭 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Nissei Ltd
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Nissei Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp, Nissei Ltd filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2003167942A priority Critical patent/JP2005003286A/ja
Priority to TW092118942A priority patent/TWI271500B/zh
Priority to CNB031503063A priority patent/CN100343577C/zh
Priority to KR1020030051504A priority patent/KR20040010397A/ko
Priority to HK04108125A priority patent/HK1065354A1/xx
Publication of JP2005003286A publication Critical patent/JP2005003286A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】溶湯を安全かつ容易に排出する。
【解決手段】炉壁に設けた排出筒100の溶湯の流路111の周囲に、炉体外部側は水冷方式の誘導加熱コイル191を配置し、炉体内部側は空冷方式の誘導加熱コイル192を配置して、これら誘導加熱コイル191、192を、溶湯の流路111の周囲に、炉体2内部に対して遠い位置から可及的に近い位置まで配置する。排出筒100の溶湯の流路111上の黒鉛電極200を装着し、誘導加熱コイル191、192により誘導加熱して、溶湯の流路111を加熱する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却灰(主焼却灰、飛灰)、廃棄物、雑固体、さらに金属などの溶融に使用する溶融炉に備え、炉体内部の溶湯を炉体外部に排出する溶融炉の出湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アーク方式灰溶融炉、プラズマ方式灰溶融炉など、電気溶融方式の溶融炉では、溶融メタルはプラズマアークを安定させるのに必要不可欠であるものの、溶融メタルが溜まり過ぎ、溶融スラグの量が過少になると、焼却灰の溶融に支障をきたすため、溶湯から溶融メタルを必要量だけ抜き出す必要がある。
【0003】
従来、この種の出湯装置としては、誘導加熱方式を利用した出滓装置が知られている。この出滓装置では、灰溶融炉の炉壁に設けられた排出筒が、被溶融物を通す黒鉛製の筒状発熱材と、その外側を保護材を介して包囲する、誘導加熱コイルを埋め込んだ出滓管とにより構成され、誘導加熱コイルに交流電流を通電することにより発熱材が加熱され、排出筒内に固化した溶融物を溶解して、炉体内部の溶湯を排出するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この誘導加熱方式では、一般に、誘導加熱コイルに銅製の水冷管を使用するため、排出筒を炉壁に炉体内部(溶湯の溶融部)に近づけて設けると、炉体周壁の内面が溶湯により侵食され、溶湯が誘導加熱コイルに接触した場合に、水冷管の誘導加熱コイルは水蒸気爆発の危険に晒されることになる。このため、誘導加熱コイルに水冷管を用いる場合には、排出筒を炉体周壁の溶湯に侵食されやすい位置に設けることは難しい。そこで、図5に示すように、炉体の周壁51に適宜厚みを持たせて溶湯を排出するための排出口(穴)52を貫通形成し、その外部端に排出筒53を接続して、排出筒53の誘導加熱コイル54を炉体内部から離間する必要がある。他面、このようにすると、排出筒53内の固化されたメタルを誘導加熱コイル54により加熱溶融することができるが、周壁51の排出口52内に固化されたメタルは炉体内部の溶湯からの熱伝導と排出筒53内の溶融メタルからの熱伝導とにより加熱する他なく、この炉壁の排出口52に固化されたメタルを確実に溶融するためには、この加熱できない排出口52の長さを極力短くする必要がある。
一方、炉体の周壁51は煉瓦などの耐火物で形成されているが、この周壁51は、図6に示すように、溶湯の熱や化学反応により侵食される。この溶湯による浸食は溶融メタルよりも溶融スラグの方で激しいことが、耐火物(煉瓦)の傷み具合から明らかであるが、耐火物の材質や炉体内部で溶かされるものによって差があり、いずれにしても炉体周壁51の浸食は避けられない。そこで周壁51に対する補修などメンテナンスの間隔を延ばすためには、耐火物の厚さを増加せざるを得ない。ところが、周壁51の厚みは増すが、既述のとおり排出筒53の誘導加熱コイル54は炉体内部に近接して配置できないとなれば、図5から明らかなように、周壁51の排出口52の距離は長くなり、この排出口52の内部は加熱できないから、特に排出口52の中間部は炉体内部からも排出筒53からも離れて、この中間部に固化されたメタルは炉体内部の溶湯からの熱伝導と排出筒53内の溶融メタルからの熱伝導では加熱できない。このため、溶湯の流路は開通されず、炉体内部の溶湯を排出できない。
【0005】
この対策として、従来は、誘導加熱方式の加熱手段の他に抵抗加熱方式の加熱手段を併用することが提案されている。これは、図7に示すように、炉体の周壁51の厚みを増大して誘導加熱方式の排出筒53を炉体内部から離して接続し、炉体の周壁51の排出口52の周囲に抵抗加熱を用いるもので、誘導加熱を用いる排出筒53では、誘導加熱コイル54を流れる電流による磁界内に存在する磁性物体を加熱することにより、コイル54と被加熱物との間にある耐火物に関係なく、被加熱物を加熱し、抵抗加熱を用いる部分では、発熱体のコイル55に電流を流し抵抗発熱によりコイル55自体を発熱させ、このコイル55の発熱により耐火物の温度を上昇させることにより、またこの電熱により耐火物への熱の移動を少なくすることにより、被加熱物を昇温し易くして、炉体内部の溶融物と誘導加熱による排出筒53内の溶融物の両方から非加熱部へ熱を伝導し、この被加熱物を加熱溶融する。また、炉壁の溶湯による浸食により炉壁の厚みが減少し、溶湯が発熱体のコイル55に接触しても、水蒸気爆発の危険性はない。
この誘導加熱と抵抗加熱の2方式を用いることで、炉壁の厚みを増大させても、炉壁内部の排出口52の加熱を容易にするとともに、水蒸気爆発の危険をなくして安全を確保することができる(例えば、特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−297921公報
【特許文献2】
特開2002−122383公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように誘導加熱方式に抵抗加熱方式を併用した場合、抵抗加熱方式では、コイルを発熱させて耐火物の温度を上昇させるため、この温度の上昇により耐火物の損耗が大きく、耐火物の寿命は短くならざるを得ない。また、抵抗加熱では、被加熱物を直接加熱できないため、被加熱物を効率的に加熱溶融することができない。
本発明はこのような従来の問題を解決するもので、炉壁に設けられた溶湯の排出筒又は排出口の周囲に、炉体内部に対して遠い位置から可及的に近い位置まで、誘導加熱コイルを水蒸気爆発が発生することなく、安全を確保して配置し、溶湯の流路全体の被加熱物を有効に加熱し、被加熱物を効率的に溶融することのできる優れた溶融炉の出湯装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の溶融炉の出湯装置は、被溶融物を加熱溶融する炉体の炉壁に設けられ、炉体内部の溶湯を炉体外部に排出するための溶湯の流路と、溶湯の流路上の溶湯を加熱する加熱手段とを備え、炉体内部の溶湯を誘導し、炉体外部に排出する溶融炉の出湯装置において、加熱手段は、前記溶湯の流路上に交換可能に配置される黒鉛電極と、前記溶湯の流路の周囲に誘導加熱コイルを巻装配置され、前記溶湯の流路上の黒鉛電極を間接誘導加熱する誘導加熱装置とを備え、前記炉体外部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルと前記炉体内部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルとを異なる冷却方式により構成される。
この構成により、炉壁に設けられた溶湯の排出筒又は排出口などの溶湯の流路の周囲に、異なる冷却方式の誘導加熱コイルが巻装配置され、炉体内部に対して遠い位置に水冷方式の誘導加熱コイルが採用され、炉体内部に対して近い位置に非水冷方式の誘導加熱コイルが採用されることで、誘導加熱コイルを、炉体内部に対して遠い位置から可及的に近い位置まで、水蒸気爆発が発生することなく、安全を確保して配置することができる。すなわち、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が炉体内部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルに接近又は接触しても、この炉体内部側の誘導加熱コイルが非水冷方式により冷却されていることにより、水蒸気爆発の危険はなく、安全を充分に確保することができる。
なお、この炉体内部側の誘導加熱コイルが溶湯に接近した場合は、この誘導加熱コイルと高周波電源との接続を切ってその動作を停止させ、この誘導加熱コイルに溶湯が接触した場合には、そのまま消耗すればよい。炉壁の溶湯による浸食で、溶湯が炉体内部側の誘導加熱コイルに接近又は接触したときには、炉壁の厚みは減少し、炉体内部側の溶湯の流路上の被加熱物は炉体内部の溶湯からの熱伝導と誘導加熱による炉体外部側の溶湯の流路上の被加熱物からの熱伝導とにより、加熱されるため、炉体内部側の誘導加熱コイルによる誘導加熱は不要となる。
また、誘導加熱コイルは全体が冷却されているので、炉体内部のおよそ1300度の高温環境に隣接していても、各誘導加熱コイルの機能を維持することができ、これによって溶湯の流路上で黒鉛電極を誘導加熱し、溶湯の流路上の溶湯を加熱しながら誘導し、溶湯を溶湯の流路の途中で固化することなしに、確実に排出することができる。この出湯方式によれば、溶湯の流路全体の被加熱物を有効に加熱できるので、被加熱物を効率的に溶融することができる。
さらに、この誘導加熱コイルの冷却により、溶湯の流路の周囲が冷却されるので、溶湯の流路を形成する耐火物(キャスタブル)の劣化などにより耐火物の内部で溶湯の流路から溶湯が漏れ出した場合でも、この溶湯を耐火物の内部で低温の耐火物に接触させて凝固させることができる。
【0009】
本発明はまた、次のように具体化される。
第1に、前記溶湯の流路は耐火物からなる筒体により形成され、該筒体は炉体の炉壁にその外部から炉体内部に向けて差し込まれた状態に一体的に接続されて、前記溶湯の流路が炉壁に形成された排出口を通じて炉体内部に連通される。
これにより、出湯装置を炉体の炉壁に交換可能に取り付けることができる。
第2に、前記炉体外部側の誘導加熱コイルに水冷方式が採用され、前記炉体内部側の誘導加熱コイルに空冷方式が採用される。
これにより、炉体内部から遠い炉体外部側の誘導加熱コイルを水冷方式により冷却するので、溶湯の流路を形成する耐火物(キャスタブル)の温度の上昇を抑え、さらに、耐火物の劣化により耐火物の内部で溶湯の流路から溶湯が漏れ出した場合でも、この溶湯は耐火物の内部で低温の耐火物に接触して凝固され、出湯装置周囲の作業環境に高度の安全性を確保することができる。また、炉体内部に近い炉体内部側の誘導加熱コイルを空冷方式により冷却するので、溶湯の流路を形成する耐火物(キャスタブル)の温度の上昇を抑え、さらに、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が炉体内部側の誘導加熱コイルに接近又は接触しても、水蒸気爆発の危険はなく、安全を充分に確保することができる。
第3に、前記炉体外部側の誘導加熱コイルは水冷管により形成されて冷却水源に接続され、前記炉体内部側の誘導加熱コイルは空冷管により形成されて冷却空気源に接続される。
これにより、炉体内部から遠い炉体外部側の誘導加熱コイルを水冷管により形成して水冷方式により冷却するので、溶湯の流路を形成する耐火物(キャスタブル)の温度の上昇を抑え、さらに、耐火物の劣化により耐火物の内部で溶湯の流路から溶湯が漏れ出した場合でも、この溶湯は耐火物の内部で低温の耐火物に接触して凝固され、出湯装置周囲の作業環境に高度の安全性を確保することができる。また、炉体内部に近い炉体内部側の誘導加熱コイルを空冷管により形成して空冷方式で冷却するので、溶湯の流路を形成する耐火物(キャスタブル)の温度の上昇を抑え、さらに、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が炉体内部側の誘導加熱コイルに接近又は接触しても、水蒸気爆発の危険はなく、安全を充分に確保することができる。
第4に、前記水冷管に吸引式のポンプが連結され、冷却水源を吸引して、水冷管に冷却水が循環される。
これにより、水冷管に水が吸引されるので、水冷管から万が一水が漏れ出した場合でも、この漏れ出した水もまた吸引により水冷管から排出され、水漏れが水冷管周囲の耐火物に浸透して広がるのを防止することができ、高い安全性を確保することができる。
第5に、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルが共通の高周波電源に接続されるとともに、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルとの電気的な接続を切り離し、該炉体外部側の誘導加熱コイルのみを高周波電源に接続する切替スイッチが併設される。
これにより、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が炉体内部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルに接近したときに、切替スイッチで炉体内部側の誘導加熱コイルの電源を切断することができる。
第6に、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルが共通の高周波電源に接続されるとともに、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルとを高周波電源に対して直列接続又は並列接続する切替スイッチを具備する。
これにより、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が炉体内部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルに接近したときに、切替スイッチで炉体外部側の誘導加熱コイルと炉体内部側の誘導加熱コイルとを高周波電源に対して並列接続することにより、炉体内部側の誘導加熱コイルから炉体外部側の誘導加熱コイルを切り離すことができ、炉体内部側の誘導加熱コイルにのみ通電することができる。
第7に、前記溶湯の流路の周囲に、該周囲の温度変化を検出する温度センサを備える。
これにより、溶湯の流路の周囲の温度変化を検出することにより、溶湯の流路周囲の耐火物の冷却状態を把握することができる。
第8に、炉壁の内部で、炉体中心を中心として誘導加熱コイルが配設された位置と略同一円周上の位置に、炉壁の内面が溶湯により侵食され、溶湯が接近することによる該炉壁の温度変化を検出する温度センサを備える。
これにより、炉壁の温度変化を検出することで、炉壁の溶湯の浸食の程度を推定することができ、この炉壁の温度管理により、溶湯が炉体内部側の誘導加熱コイルに接触する前に、誘導加熱コイルの電源を切断することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は灰溶融炉であり、プラズマ方式の電気炉として構成され、電極(負極側)を設置された炉体2と、電極(正極側)を垂下された天壁(図示省略)とを備える。炉体2には、その周壁(炉壁)20に炉底(炉壁)21から所定の高さに図示されない溶湯の出滓口が形成されている。灰溶融炉1の運転により、焼却灰が1300℃〜1600℃の高温で加熱溶融されるとともに、その溶湯の湯面が上昇され、出滓口からオーバーフローすることにより、溶湯6上層の溶融スラグが連続滴下により取り出されるようになっている。
【0011】
図1において、10はこの灰溶融炉1の出湯装置で、多層構造の排出筒100と間接誘導加熱方式の加熱装置(溶湯加熱装置)19と、排出筒用の複数の温度センサ31と、炉体炉壁用の温度センサ32とを備え、排出筒100が炉体2の周壁20に接続され、この排出筒100により炉体2の内部と外部が連通されている。
【0012】
排出筒100はそれ自体、溶湯の流路111を有する第1の耐火層110と、第1の耐火層110の周囲に被覆され、第1の耐火層110の熱を遮断可能な断熱層120と、断熱層120の周囲に被覆され、溶湯6を遮断可能な第2の耐火層130とにより形成されていて、この排出筒100自体は発熱体として構成されるものではない。
【0013】
なお、この排出筒100の第1の耐火層110は強度の高い炭化珪素系の耐火物により略中空円筒状に形成され、溶湯6の高熱(1300℃〜1600℃)や被溶融物の膨張による内圧の変化に対して長期間の使用に耐え得る処理が施されている。断熱層120は、第1の耐火層110の周囲に被覆され、第1の耐火層110の熱を遮断可能に形成されている。この断熱層120は、断熱性、耐火性、さらに弾力性に優れたセラミックファイバなどの軟質の耐火断熱材により形成され、この軟質の耐火断熱材が第1の耐火層110の周面に被せられている。また、この軟質の断熱耐火材の周囲を、さらに硬質の断熱材で被覆してもよい。この場合、硬質の断熱材に耐火性、断熱性に優れたセラミック多孔質チューブが採用され、このセラミック多孔質チューブがセラミックファイバの上から被せ付けられる。第2の耐火層130は、断熱層120の周囲に被覆され、第1の耐火層110から漏れて断熱層120からしみ出された溶湯を遮断可能に形成されている。この耐火層130は、耐火度、熱伝導度の高いアルミナ系の耐火物により形成され、断熱層120の周囲に全体が直方体状又は立方体状のブロックに形成して被せ付けられている。
また、この排出筒100においては、第1の耐火層110と第2の耐火層130との間、すなわち断熱層120が、第1の耐火層110と第2の耐火層130との間に蒸気が発生した場合にこの蒸気を排出するための排蒸路になっていて、第2の耐火層130中にこの排蒸路と排出筒100外部とを連通する排蒸路が形成され、その外部排蒸口が第2の耐火層130表面に設けられている。この灰溶融炉1では、排蒸手段で蒸気を検知した場合に出湯装置10の出湯動作を停止する緊急停止装置が併せて設置される。
【0014】
一方、加熱装置19は、黒鉛電極200と、黒鉛電極200を間接誘導加熱する誘導加熱装置190Uとを備え、排出筒100の内層を発熱させるのではなく、排出筒100内に装着された黒鉛電極200を加熱する間接誘導加熱方式が採用されている。この加熱装置19では、黒鉛電極200は排出筒100の内部、第1の耐火層110の溶湯の流路111上に交換可能に配置されている。この場合、黒鉛電極200は、その外径が排出筒100の溶湯の流路111の内径よりも小さく、その長さが排出筒100の溶湯の流路111の長さよりも長く形成され、その挿入端が炉体2内部付近に達する程度の長さに設定されていて、図示されない搬器により保持されて、排出筒100の溶湯の流路111上に炉体2内部に押し出し可能に挿入されている。なお、この黒鉛電極200は排出筒100の溶湯の流路111上に抜き差し可能に挿入されていてもよい。このようにして排出筒100内に黒鉛電極200が装着され、溶湯の流路111の内周面と黒鉛電極200との間を溶湯の通路とする。
【0015】
誘導加熱装置190Uは、誘導加熱コイル190と、誘導加熱コイル190に通電する高周波電源とを備え、誘導加熱コイル190が複数に分割され、各分割部が異なる冷却方式により構成されて、排出筒100の溶湯の流路111の周囲に巻装配置されている。ここで誘導加熱コイル190は2分割され、(炉体2内部の溶湯から遠い)炉体2外部側の溶湯の流路111の周囲に巻装され、水冷方式が採用される第1のコイル191と、(炉体2内部の溶湯に近い)炉体2内部側の溶湯の流路111の周囲に巻装され、空冷方式が採用される第2のコイル192とにより構成される。なお、この誘導加熱コイル190は2分割以上にしてもよく、炉体2の大きさや炉壁の厚さに応じて適宜決定される。
【0016】
第1のコイル191は水冷管により形成され、断熱層120の上から巻装され、第2の耐火層130の中に埋設されている。ここで、水冷管191には銅製の中空パイプが使用される。このパイプは冷却水源として炉体2の周辺に設置された冷却水槽193(図2参照)に接続され、パイプ内に冷却水が循環されて水冷される。この場合、水冷管191に吸引式のポンプ194(図2参照)が連結され、このポンプ194により冷却水槽193から冷却水が水冷管191に吸引されて循環され、冷却水槽193に戻し入れられる吸引方式が採用される。また、水冷管191には、この水冷管191が破損した場合にその周囲の高熱により発生する蒸気の圧力よりも低い圧力、ここでは水道圧程度の水圧で水が通される。なお、この水冷管191には、図示されない水温監視装置が接続され、この水冷管191内の水の温度が常時監視されていて、予め設定した温度に達すると、水温の上昇を知らせる警報を発するようになっている。このようにして第1のコイル191は高周波電源(電源装置197)に接続される。
第2のコイル192は空冷管により形成され、断熱層120の上から巻装され、第2の耐火層130の中に埋設されている。ここで、空冷管192には耐熱性に優れた例えばステンレス(SUS)製の中空パイプが使用される。なお、炉壁の溶湯による浸食により、溶湯が第2のコイル192に接近した場合、このコイル192周辺の温度は1100℃〜1200℃になると推定されることから、このコイル192には無冷却で前記温度に耐え得る材質の材料が選定される。このパイプは冷却空気源として炉体2の周辺に設置された圧縮空気用のエアコンプレッサ195(図2参照)に接続され、パイプ内に圧縮空気が圧送されて空冷される。なお、このコイル192には、パイプの膨張を吸収するため、図3に示すように、パイプの表面が断熱フェルトなどの断熱材196で被覆されている。このようにして第2のコイル192は高周波電源(電源装置197)に接続される。
【0017】
またここで、第1のコイル191と第2のコイル192は、図2に示すように、(1台の)共通の電源装置197に接続されている。この場合、第1のコイル191と第2のコイル192に電源装置197に対して直列接続又は並列接続を取り得る回路構成とその切替スイッチ198が採用されている。なお、第1、第2のコイル191、192、電源装置197間の回路構成は任意であるが、第1のコイル191と第2のコイル192との電気的な接続を切り離し、第1コイル191のみを電源装置197に接続する切替スイッチを備えることが好ましい。勿論、第1のコイル191と第2のコイル192とを各別の電源装置に接続して、個別に制御しても差し支えない。
このようにして誘導加熱コイル190は電源装置197に接続され、この誘導加熱装置190Uの通電により排出筒100内部の黒鉛電極200が間接誘導加熱され、1600℃〜1800℃まで加熱可能である。
【0018】
図1において、排出筒用の温度センサ31は、排出筒100の溶湯の流路111の周囲の温度変化を検出するもので、排出筒100の溶湯の流路111の周囲に埋設される。
炉体炉壁用の温度センサ32は、炉体2の周壁20内面が溶湯により侵食され、溶湯が接近することによる周壁20の温度変化を検出するもので、周壁20又は排出筒100の内部で、炉体2中心を中心として排出筒100の第2のコイル192が配設された位置と略同一円周上の位置に埋設される。
【0019】
この出湯装置10は、排出筒100が(第2のコイル192側を接続端として)炉体2の周壁20にその外部から炉体2内部に向けて差し込まれた状態に一体的に接続されて、その溶湯の流路111が炉体2の周壁20に形成された排出口23を通じて炉体2内部に連通される。この場合、炉体2の周壁20は、溶湯による浸食を考慮して予め決められたメンテナンス間隔が維持できるように、最低限必要な厚さまで増大されているが、排出筒100を炉体2の周壁20に(水蒸気爆発が起こり得ない)空冷式の第2のコイル192側を炉体2内部に近づけて接続するので、炉体2の周壁20の排出口23の長さ(距離)を周壁20の溶湯による浸食を考慮した上で可及的に短くすることができる。したがって、この排出口23の長さは可及的に短くなっている。この排出口23の周囲には誘導加熱コイルが設けられないために、この排出口23まで通された黒鉛電極200の挿入端側を誘導加熱により加熱することが期待できず、この非加熱部分は炉体2内部で加熱された溶湯と排出筒100内で加熱された黒鉛電極200及び溶湯からの熱伝導に依拠せざるを得ないが、この排出口23の長さが短くなったことで、この非加熱部分への熱伝導を確実にし、この排出口23の長さが短くなったことで短時間での出湯を可能にする。
【0020】
なお、ここでは特に図示していないが、この出湯装置10には、排出筒100先端に黒鉛電極200を押さえ、その飛び出しを防止する押さえ装置が併設される。また、炉体2の周囲で、排出筒100の出湯口101の下方に、排出筒100から排出された溶湯6を処理する溶湯排出設備が設置される。
【0021】
次に、この出湯装置10による灰溶融炉1の出湯方式について図1を用いて説明する。
まず、図示されない制御盤の制御に基いて、灰溶融炉1が運転される。焼却灰供給装置から焼却灰が連続的に炉体2内部に投入されると、焼却灰は徐々に加熱溶融されて、その溶湯6が上層の溶融スラグと下層の溶融メタルとに分離されながら炉体2内部に貯えられ、湯面を徐々に上昇していく。溶湯6の湯面が出滓口まで上がり、オーバーフローすると、上層の溶湯6、すなわち溶融スラグが出滓口から連続滴下により取り出されていく。一方、この焼却灰の連続溶融とともに、溶融メタルが出湯装置10の排出筒100へ誘導されていく。
【0022】
この時点(溶融メタルの誘導時点)で又は灰溶融炉1の運転開始と同時に加熱装置19が作動され、第1、第2のコイル191、192が切替スイッチ198により電源装置197に対して直列接続で、通電されると、排出筒100内の黒鉛電極200が誘導加熱され、排出筒100内の溶湯6の有無に拘わらず、炉体2内部から溶融メタルが排出筒100へ誘導される。このようにして溶融メタルは排出筒100内に固化することなしに、確実に進入していく。炉体2内部で溶融メタル層が漸次増加し、そのレベルが上昇していくとともに、炉体2内部から下層の溶融メタルが排出筒100へ漸次流入し、出湯口101に向けて上昇していく。炉体2内部で溶湯6の湯面が出滓口レベルに上がり、排出筒100内の溶融メタルが出湯口101レベルに達して、両者が均衡する。引き続き炉体2内部で溶融メタルが増加されると、これに応じて排出筒100の出湯口101から溶融メタル62が連続的に滴下され、その下方の溶湯排出設備に入れられる。
【0023】
なお、溶融メタルの誘導時点では加熱装置19をОFFのままにして、炉体2内部の溶融メタルの層の高さを累積的に増加させていき、例えば溶融メタルの層が予め設定された厚さ(溶融メタルの湯面制限レベル)に達し、溶融スラグの層が予め設定された所定の厚さ(溶融スラグの最小限必要な厚さ)まで減少した時点で、加熱装置をОNにしてもよい。この場合、排出筒100上の第1、第2のコイル190の通電により、排出筒100の溶湯の流路111上に配置された黒鉛電極200が誘導加熱され、排出筒100内(の黒鉛電極200の周り)に固化されたスラグやメタルが簡単に溶融し、流動化され、炉体2内部から溶融メタルが排出筒100へ誘導される。同様にして溶融メタルは排出筒100の内周面と黒鉛電極200との間を通路にして、排出筒100内で固化することなしに、排出筒100の上部出湯口101まで導かれ、オーバーフローにより排出され、その下方の溶湯排出設備に入れられることになる。
【0024】
このようにして、炉体2内部の溶融メタルは一度に所定量が排出されて、炉体2内部の溶融メタルの層が減量調整され、溶融スラグの層の厚さが維持されながら、溶湯6全体の湯面が出滓口の下方に下げられる。この溶融メタルが排出された時点で、排出筒100上の誘導加熱コイル190の通電が止められ、炉体2内部の溶融メタルの流出が停止される。溶融メタルは、排出筒100の内周面と黒鉛電極200との間(つまり黒鉛電極200の周り)で固化されて、これが排出筒100のストッパーとなる。このような工程が繰り返され、一回の工程ごとに炉体2内部に増加された溶融メタルが一度にまとめて排出され、溶融メタル及び溶融スラグの各層が被溶融物の溶融に適した量と割合に調整される。
【0025】
この運転中、作動中の第1のコイル191は水冷方式により冷却され、第2のコイル192は空冷方式により冷却されているので、炉体2内部のおよそ1300℃の高温環境に隣接していても、各コイル191、192の機能は良好に維持される。また、これら第1、第2のコイル191、192で、排出筒100の溶湯の流路111周囲の耐火物(キャスタブル)が2次的に冷却されるので、排出筒100全体の温度の上昇が抑えられ、さらに、排出筒100の耐火物の劣化により排出筒100内部で溶湯の流路111から溶湯が漏れ出した場合でも、この溶湯は排出筒100の内部で低温の耐火物に接触して凝固される。この場合、溶湯の流路111の周囲の温度変化は、排出筒用の温度センサ31により検出される。また、第1のコイル191の水冷管に冷却水が吸引式のポンプ194で吸引されるので、この水冷管から万が一水が漏れ出した場合でも、この水もまた吸引されて水冷管から水冷管の外部に排出され、水漏れが水冷管周囲の耐火物に浸透して広がることがない。
【0026】
また、灰溶融炉1の使用の繰り返しにより、図4に示すように、炉壁(炉体2の周壁20)が溶湯により浸食され、溶湯が第2のコイル192に接近したときには、第2のコイル192と高周波電源との接続を切ってその動作を停止する。この場合、炉体2の周壁20の溶湯による浸食で、炉壁の厚みは減少しており、排出筒100の炉体2内部側の溶湯の流路111上の溶融メタルは、炉体2内部の溶湯6からの熱伝導と排出筒100の誘導加熱による炉体2外部側の溶湯の流路111上の溶融メタルからの熱伝導とにより、加熱できるため、第2のコイル192による誘導加熱は不要となる。この加熱装置19の場合、炉体炉壁用の温度センサ32により、炉体2の周壁20の温度変化を検出することにより、炉壁の溶湯6による浸食の程度を把握でき、炉壁の損耗が予め定められた位置に達した時点を設定することにより、溶湯6が第2のコイル192に接触する前に第2のコイル192の電源を確実に切断することができる。この場合、既述の切替スイッチ198で第1のコイル191と第2のコイル192とを電源装置197に対して並列接続することにより、電流は抵抗の小さい系統(電源装置197と第1のコイル191との間)に集中して流れ、抵抗の大きい第2のコイル192は電気的に切り離される。
また、炉体2の周壁20が溶湯6によりさらに浸食され、溶湯6が第2のコイル192に達し、接触しても、このコイル192に空冷方式が採用されていることから、水蒸気爆発の危険性はない。なお、第2のコイル192に溶湯6が接触した場合には、このコイル192はそのまま消耗すればよい。
【0027】
なお、排出筒100内の黒鉛電極200は1回の使用で若干の消耗が発生し、数回の使用により徐々に消耗していき、次第に縮径されていく。この黒鉛電極200は複数回使用され、消耗が進んだ時点で、新たな黒鉛電極と交換される。
【0028】
このように上記実施の形態によれば、排出筒100の溶湯の流路111の周囲に巻装された誘導加熱コイル190が2分割されて、(炉体2内部の溶湯から遠い)炉体2外部側の溶湯の流路111の周囲に配置された第1のコイル191と、(炉体2内部の溶湯に近い)炉体2内部側の溶湯の流路111の周囲に配置された第2のコイル192とにより構成され、第1、第2のコイル191、192がそれぞれ異なる冷却方式により冷却されるので、誘導加熱コイル190を、炉壁に接続された排出筒100の溶湯の流路111の周囲に、炉体2内部に対して遠い位置から可及的に近い位置まで、水蒸気爆発を引き起こすことなく、安全を確保して配置することができる。すなわち、炉壁が溶湯により浸食され、溶湯が第2のコイル192に接近又は接触しても、このコイル192が空冷方式により冷却されているので、水蒸気爆発の危険性はなく、安全を充分に確保することができる。また、溶湯が第2のコイル192に接近した場合は、このコイル192と高周波電源との接続を切ってその動作を停止させ、このコイル192に溶湯が接触した場合には、そのまま消耗してもよい。この場合、炉壁の溶湯による浸食で、炉壁の厚みは減少しており、排出筒100の炉体2内部側の溶湯の流路111上のメタルやスラグは炉体2内部の溶湯からの熱伝導と排出筒100の誘導加熱による炉体2外部側の溶湯の流路111上の溶湯からの熱伝導とにより、加熱することができる。また、この出湯装置10の場合、炉体2の周壁20に設けた温度センサ32により、炉壁の温度変化を検出することにより、炉壁の溶湯による浸食の程度を把握することができ、溶湯が第2のコイル192に接近し、第2のコイル192に接触する前に第2のコイル192の電源を切断することができる。さらに、第1のコイル191と第2のコイル192とを高周波電源に対して直列接続又は並列接続する切替スイッチ198を設けているので、この切替スイッチ198で第1のコイル191と第2のコイル192とを高周波電源に対して並列接続することにより、第2のコイル192を高周波電源から簡単に切り離すことができ、高い安全性を確保することができる。
また、第1のコイル191は水冷により、第2のコイル192は空冷によりそれぞれ冷却されているので、炉体2内部のおよそ1300度の高温環境に隣接していても、第1、第2のコイル191、192の機能を維持することができ、これによって排出筒100内の溶湯の流路111上で黒鉛電極200を誘導加熱し、この排出筒100の溶湯の流路111上の溶湯を加熱しながら誘導し、溶湯を溶湯の流路111の途中で固化することなしに、確実に排出することができる。この出湯方式によれば、溶湯の流路111全体のメタルやスラグを有効に加熱できるので、メタルやスラグを効率的に溶融することができる。
また、第1のコイル191は水冷方式により冷却され、第2のコイル192が空冷方式により冷却されることで、排出筒100全体の温度の上昇が抑えられ、さらに、排出筒100の耐火物の劣化により排出筒100の内部で溶湯の流路111から溶湯が漏れ出した場合でも、この溶湯は排出筒100の内部で低温の耐火物に接触して凝固され、出湯装置10周囲の作業環境に高度の安全性を確保することができる。この場合、排出筒100の溶湯の流路111の周囲に設けた温度センサ31により、溶湯の流路111の周囲の温度変化を検出することができ、溶湯の流路111周囲の耐火物の冷却状態を把握することができる。
さらに、第1のコイル192は水冷管により形成されて冷却水源に接続され、吸引式のポンプ194により冷却水が吸引されるので、万が一水冷管から水が漏れ出した場合でも、この水もまた吸引されて水冷管から外部に排出され、水漏れが水冷管周囲の耐火物に浸透して広がるのを防止することができ、安全性の向上を図ることができる。
また、排出筒100が炉体2の周壁20にその外部から炉体2内部に向けて差し込まれた状態に一体的に接続されて、その溶湯の流路111が周壁20に形成された排出口23を通じて炉体2内部に連通されるので、出湯装置10を炉体2の炉壁に交換可能に取り付けることができる。
【0029】
(実施の形態2)
第1の実施の形態として例示した加熱装置19を、独立した装置として構成し、既存の各種溶融炉の排出筒又は排出口(溶湯の流路)の周囲に後付けで同様に装着したり、新規の各種溶融炉に排出筒又は排出口(溶湯の流路)を形成するときにその周囲に同様にして装着することができる。このようにして、この加熱装置19を、既存の溶融炉や新規の溶融炉に採用することにより、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、この加熱装置19の場合、既設の、誘導加熱用耐火物を用いた発熱体としての排出筒が脱炭により、加熱し難くなったり、加熱されなくなった場合に、この排出筒が溶湯の排出路として使用できる限り、このような排出筒にも補助的に利用することができ、同様にして溶湯を排出することができる。
【0030】
なお、第1、第2の実施の形態において、間接誘導加熱方式に採用する磁性体に、黒鉛電極に代えて丸鋼など金属材料を使用してもよいが、加熱途中に磁性力が弱まるなど特性変化の少ない材料を用いることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の溶融炉の出湯装置においては、炉壁に設けた排出筒又は排出口の溶湯の流路の周囲に、炉体外部側と炉体内部側とで異なる冷却方式の誘導加熱コイルを巻装配置し、該炉体外部側の誘導加熱コイルに水冷方式を採用し、該炉体内部側の誘導加熱コイルに空冷方式を採用したので、誘導加熱コイルを、溶湯の流路の周囲に、炉体内部に対して遠い位置から可及的に近い位置まで、水蒸気爆発を引き起こすことなく、安全を確保して配置することができる。
また、この出湯装置の場合、誘導加熱方式により溶湯の流路上の黒鉛電極を誘導加熱するので、溶湯の流路上の溶湯を有効に加熱溶融することができ、炉体内部の溶湯を溶湯の流路に誘導して、途中で固化させることなしに、炉体外部に確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における灰溶融炉の出湯装置を示す概略断面図
【図2】同出湯装置の誘導加熱装置の構成を示す概略回路図
【図3】同出湯装置の誘導加熱コイル(第2のコイル)の概略断面図
【図4】同出湯装置を設けた炉体の炉壁が溶湯により浸食され、同出湯装置に溶湯が接近する状態を示す概略断面図
【図5】従来の灰溶融炉の出湯装置を示す概略断面図
【図6】同出湯装置を設けた炉体の炉壁が溶湯により浸食された状態を示す概略断面図
【図7】従来の、別の灰溶融炉の出湯装置を示す概略断面図
【符号の説明】
1 灰溶融炉
2 炉体
20 周壁(炉壁)
21 炉底(炉壁)
23 排出口
6 溶湯
10 出湯装置
100 排出筒
101 出湯口
110 第1の耐火層
111 溶湯の流路
120 断熱層
130 第2の耐火層
19 加熱装置(溶湯加熱装置)
190 誘導加熱コイル
190U 誘導加熱装置
191 第1のコイル(水冷管)
192 第2のコイル(空冷管)
193 冷却水槽
194 吸引式のポンプ
195 エアコンプレッサ
196 断熱材
197 電源装置
198 切替スイッチ
200 黒鉛電極
31 温度センサ
32 温度センサ

Claims (9)

  1. 被溶融物を加熱溶融する炉体の炉壁に設けられ、炉体内部の溶湯を炉体外部に排出するための溶湯の流路と、溶湯の流路上の溶湯を加熱する加熱手段とを備え、炉体内部の溶湯を誘導し、炉体外部に排出する溶融炉の出湯装置において、
    加熱手段は、
    前記溶湯の流路上に交換可能に配置される黒鉛電極と、
    前記溶湯の流路の周囲に誘導加熱コイルを巻装配置され、前記溶湯の流路上の黒鉛電極を間接誘導加熱する誘導加熱装置とを備え、
    前記炉体外部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルと前記炉体内部側の溶湯の流路の周囲に配置された誘導加熱コイルとを異なる冷却方式により構成されることを特徴とする溶融炉の出湯装置。
  2. 前記溶湯の流路は耐火物からなる筒体により形成され、該筒体は炉体の炉壁にその外部から炉体内部に向けて差し込まれた状態に一体的に接続されて、前記溶湯の流路が炉壁に形成された排出口を通じて炉体内部に連通される請求項1に記載の溶融炉の出湯装置。
  3. 前記炉体外部側の誘導加熱コイルに水冷方式が採用され、前記炉体内部側の誘導加熱コイルに空冷方式が採用される請求項1又は2に記載の溶融炉の出湯装置。
  4. 前記炉体外部側の誘導加熱コイルは水冷管により形成されて冷却水源に接続され、前記炉体内部側の誘導加熱コイルは空冷管により形成されて冷却空気源に接続される請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融炉の出湯装置。
  5. 前記水冷管に吸引式のポンプが連結され、冷却水源を吸引して、水冷管に冷却水が循環される請求項4に記載の溶融炉の出湯装置。
  6. 前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルが共通の高周波電源に接続されるとともに、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルとの電気的な接続を切り離し、該炉体外部側の誘導加熱コイルのみを高周波電源に接続する切替スイッチが併設される請求項1乃至5のいずれかに記載の溶融炉の出湯装置。
  7. 前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルが共通の高周波電源に接続されるとともに、前記炉体外部側の誘導加熱コイルと前記炉体内部側の誘導加熱コイルとを高周波電源に対して直列接続又は並列接続する切替スイッチを具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の溶融炉の出湯装置。
  8. 前記溶湯の流路の周囲に、該周囲の温度変化を検出する温度センサを備える請求項1乃至7のいずれかに記載の溶融炉の出湯装置。
  9. 炉壁の内部で、炉体中心を中心として誘導加熱コイルが配設された位置と略同一円周上の位置に、炉壁の内面が溶湯により侵食され、溶湯が接近することによる該炉壁の温度変化を検出する温度センサを備える請求項1乃至8のいずれかに記載の溶融炉の出湯装置。
JP2003167942A 2002-07-26 2003-06-12 溶融炉の出湯装置 Pending JP2005003286A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003167942A JP2005003286A (ja) 2003-06-12 2003-06-12 溶融炉の出湯装置
TW092118942A TWI271500B (en) 2002-07-26 2003-07-11 Molten material discharge device and molten material heating device of a molten furnace
CNB031503063A CN100343577C (zh) 2002-07-26 2003-07-24 熔融炉之出水装置及熔水加热装置
KR1020030051504A KR20040010397A (ko) 2002-07-26 2003-07-25 용융로의 출탕장치 및 용탕 가열장치
HK04108125A HK1065354A1 (en) 2002-07-26 2004-10-18 Discharge device and liquid melt heating device for furnace

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003167942A JP2005003286A (ja) 2003-06-12 2003-06-12 溶融炉の出湯装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005003286A true JP2005003286A (ja) 2005-01-06

Family

ID=34093598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003167942A Pending JP2005003286A (ja) 2002-07-26 2003-06-12 溶融炉の出湯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005003286A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501701A (ja) * 2007-10-12 2011-01-13 エイジャックス トッコ マグネサーミック コーポレーション 半液体金属の加工・検出装置、並びに該装置を用いた加工・検出方法
JP2012180573A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Nippon Steel Corp 誘導加熱装置の冷却方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501701A (ja) * 2007-10-12 2011-01-13 エイジャックス トッコ マグネサーミック コーポレーション 半液体金属の加工・検出装置、並びに該装置を用いた加工・検出方法
JP2012180573A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Nippon Steel Corp 誘導加熱装置の冷却方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20150135261A (ko) 보관될 금속 폐기물을 처리하기 위한 유도로 및 방법
RU2766939C2 (ru) Способ и устройство для определения различных переменных в носке металлургического конвертера
US10799949B2 (en) Slide closure on the spout of a metallurgical vessel
RU2333254C2 (ru) Способ и устройство охлаждения продувочной фурмы
JP2005003286A (ja) 溶融炉の出湯装置
TW200401876A (en) Molten material discharge device and molten material heating device of a molten furnace
JP2002336942A (ja) 連続鋳造用浸漬ノズルおよび連続鋳造方法
JP3746921B2 (ja) 電気溶融炉の運転方法
JP2005205479A (ja) はんだ付け装置
KR20120073643A (ko) 주조장치
KR101242086B1 (ko) 몰드플럭스 주입노즐
JP2005030605A (ja) 溶融炉の出湯装置及び溶湯加熱装置
JP3480786B2 (ja) 誘導溶解炉の湯漏れ検出装置
JP2003120924A (ja) 溶融炉の出湯装置
JP2002122383A (ja) メタルタップ装置および出湯方法
JPS6143827B2 (ja)
JP2004061033A (ja) 溶融炉の出湯装置
JP4095774B2 (ja) プラズマ灰溶融炉の再起動方法
JP2002195543A (ja) 灰溶融炉
KR100698552B1 (ko) 주조 보온로
JP5346625B2 (ja) 溶融炉のレベル測定装置
JP2007163031A (ja) 誘導加熱溶解炉
JP2000035288A (ja) 炉体冷却装置及び冷却方法
JPH1123164A (ja) プラズマ溶融炉の炉壁損傷検知方法
JP2008218375A (ja) 非導電性物質用誘導加熱設備

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050930

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070306

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070604

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070703

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02