JP2005003226A - 熱交換器のコア部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張した座板の壁部によるチューブの付け根の亀裂・破損を防止できる熱交換器のコア部構造の提供。
【解決手段】所定間隔を置いて対向配置される座板1の間に、チューブ2とコルゲートフィン3が交互に配置され、前記チューブ2の内部に仕切り部8が形成されると共に、該チューブ2の先端が座板2に形成されたチューブ穴5に嵌挿固定され、前記チューブ穴5に向かって傾斜した壁部6を有する接続部7が形成された熱交換器のコア部構造において、前記仕切り部8に、前記壁部6の熱応力による該チューブ2の内方向への変形を許容するように変形する変形部X(切欠部9、脆弱部10)を形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】所定間隔を置いて対向配置される座板1の間に、チューブ2とコルゲートフィン3が交互に配置され、前記チューブ2の内部に仕切り部8が形成されると共に、該チューブ2の先端が座板2に形成されたチューブ穴5に嵌挿固定され、前記チューブ穴5に向かって傾斜した壁部6を有する接続部7が形成された熱交換器のコア部構造において、前記仕切り部8に、前記壁部6の熱応力による該チューブ2の内方向への変形を許容するように変形する変形部X(切欠部9、脆弱部10)を形成した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器のコア部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器のコア部構造は、座板の間にチューブとコルゲートフィンが交互に配置され、該座板の両端部がレインフォースにより連結補強されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
また、図9、10に示すように、座板01にはチューブ02を嵌挿固定するためのチューブ穴05及び該チューブ穴05に向かって傾斜した壁部06を有する接続部07がバーリング加工により形成されている。
【0004】
さらに、近年のチューブ02は内部に仕切り部08を有するチューブが主流になりつつある(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−318292号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−14285号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献3】
特開2002−303496号公報 (第1−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱交換器のコア部構造では、チューブに流入する水が低温から急激に高温になった場合、チューブ及び座板が共に大きく熱膨張し、前述した接続部の壁部がチューブを圧迫して該チューブの付け根が亀裂・破損する虞があるという問題点があった。
【0007】
また、前述したような仕切り部が形成されたチューブは該仕切り部が障害になって外圧に対する許容変形量が特に少ないため、座板の接続部によるチューブの衝撃対策が急務となっていた。
【0008】
なお、エンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になる例としては、寒冷地でのエンジン始動時に、エンジンの水の温度が徐々に上昇するが、サーモスタットの開弁温度に達するまでは、ラジエータに水が流れず、該水の温度が高温となり、サーモスタットの開弁により始めて高温の水がラジエータに流入する場合、あるいは寒冷地を走行中にサーモスタットが開閉を繰り返す、いわゆるハンチング現象時に発生する。
【0009】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、熱膨張した座板の壁部によるチューブの付け根の亀裂・破損を防止できる熱交換器のコア部構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に配置され、前記チューブの内部に仕切り部が形成されると共に、該チューブの先端が座板に形成されたチューブ穴に嵌挿固定され、前記チューブ穴に向かって傾斜した壁部を有する接続部が形成された熱交換器のコア部構造において、前記仕切り部に、前記壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容するように変形する変形部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、変形部が仕切り部の先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置まで切欠された切欠部であることを特徴とする熱交換器のコア部構造。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、変形部が仕切り部の厚みを一部薄くして形成された脆弱部であることを特徴とする。
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、チューブの内部に仕切り部が形成されると共に、該チューブの先端が座板に形成されたチューブ穴に嵌挿固定され、前記チューブ穴に向かって傾斜した壁部を有する接続部が形成される。
【0014】
そして、前記仕切り部に、前記壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容する変形部が形成される。
【0015】
従って、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、チューブ及び座板は大きく熱膨張し、該接続部の壁部はチューブを圧迫するが、この際、変形部が壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容するように変形するため、該チューブの付け根の亀裂・破損を防止でき、チューブの耐久性、ひいては熱交換器の耐久性を向上できる。
【0016】
請求項2記載の発明にあっては、変形部が仕切り部の先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置まで切欠された切欠部としたため、壁部のチューブに及ぼす熱応力によるチューブの内方向への変形を切欠部で許容することができ、結果、チューブの先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置までを内方へ変形させてチューブの付け根の亀裂・破損を防止できる。
【0017】
また、変形部としての切欠部は仕切り部の先端を切欠するという簡便な作業で形成できるため、必要最小限の加工でもってチューブを保護できる。
【0018】
請求項3記載の発明にあっては、変形部が仕切り部の厚みを一部薄くして形成された脆弱部としたため、壁部の熱応力によるチューブの内方向への変形を脆弱部の屈曲で許容させてチューブの保護を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱交換器のコア部構造の実施の形態を説明する。
なお、実施の形態では熱交換器をラジエータに適用した場合について説明する。
【0020】
<実施の形態1>
以下、実施の形態1を説明する。
図1は本発明の実施の形態1の熱交換器の全体図、図2は図1の矢印Cによる平面図、図3は図2のS3−S3線による側断面図、図4は本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【0021】
図1、2に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、座板1の間にチューブ2とコルゲートフィン3が交互に配置され、該座板1の両端部がレインフォース4により連結補強されている。
【0022】
また、図2に示すように、前記座板1にはチューブ2を嵌挿固定するためのチューブ穴5及び該チューブ穴5に向かって傾斜した壁部6を有する接続部7がバーリング加工により形成されている。
【0023】
さらに、前記壁部6にはバーリング加工と同時に形成され、かつ壁部6の他の部分に比べて厚みが薄く形成された薄肉部20が形成されている。
【0024】
そして、図3に示すように、前記チューブ2の内部には、チューブ2内を2つの部屋に隔成する仕切り部8が形成されると共に、該仕切り部8の先端側には後述する変形部Xとしての切欠部9が形成されている。
【0025】
前記切欠部9は熱交換器のコア部の組立工程においてチューブ2を座板のチューブ穴5に嵌挿固定した後に仕切り部8の略中央一部を図外の切欠工具を用いて切欠加工されたものであり、仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)に角度θを有してV字形状に形成されている。
【0026】
以下、図4を用いて本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aの作用・効果を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aでは、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、座板1及びチューブ2は共に大きく熱膨張し、結果、図4(a)に示すように、座板1の熱応力によって壁部6が矢印方向にチューブ2を圧迫するように作用する。
【0027】
しかしながら、前述したようにチューブ2の仕切り部8には切欠部9が形成されているため、図4(b)に示すように、該切欠部9が前記熱応力に応じて角度θを小さくするように変形し、結果、チューブ2の先端が内方に変形してチューブの付け根の亀裂・破損を防止する。
【0028】
さらに、この際、壁部2は薄肉部20で屈曲して変形することによりチューブ2への熱応力を緩和する。
なお、座板1及びチューブ2の温度低下に伴って切欠部9の角度θは元の角度まで復元する。
また、図4(b)は角度θが0°となる切欠部9の変形の許容量の限界を示した状態であり、通常は図3のW1で示した範囲内で変形して角度θが変化する。
【0029】
従って、本実施の形態の熱交換器のコア部構造にあっては、ハンチング現象時の壁部6によるチューブ2の内方向への変形を切欠部9で許容させることができ、従来のようにチューブが破損・亀裂することがなく、チューブの耐久性、ひいては熱交換器の耐久性を向上させることができる。
【0030】
また、チューブ2の先端を切欠加工するという簡便な作業でもって変形部Xを形成することができ、コストをかけることなくチューブ2の付け根の保護を実現できる。
【0031】
<実施の形態2>
以下、実施の形態1を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bは、前記実施の形態1で説明した仕切り部を切欠部に代えて脆弱部を形成したこと以外は前記実施の形態1と同様であるため、同一部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
図5は本発明の実施の形態2の熱交換器の全体図、図6は図5の矢印Vによる平面図、図7は図6のS7−S7線による側断面図、図8は本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【0032】
図5〜7に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bは、チューブ2内の仕切り部8の先端側に後述する変形部Xとしての脆弱部10が形成されている。
【0033】
前記脆弱部10は熱交換器のコア部の組立工程においてチューブ2を座板1のチューブ穴5に嵌挿固定した後に仕切り部8の略中央一部を図外の圧着工具を用いて潰し加工されたものであり、仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)に形成される。
【0034】
以下、図8を用いて本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bの作用・効果を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bでは、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、座板1及びチューブ2は大きく熱膨張し、結果、図8(a)に示すように、座板1の熱応力によって壁部6が矢印方向にチューブ2を圧迫するように作用する。
【0035】
しかしながら、チューブ2の仕切り部8には脆弱部10が形成されているため、図8(b)に示すように、該脆弱部10が前記熱応力に応じてチューブ2の内方へ屈曲して変形し、結果、チューブ2の先端が内方に変形して該チューブ2の亀裂・破損を防止する。
なお、座板1及びチューブ2の温度低下に伴って脆弱部10は元の状態に復元する。
【0036】
従って、本実施の形態の熱交換器のコア部構造にあっては、ハンチング現象時の壁部6によるチューブ2の変形を脆弱部10の屈曲で許容させることができ、チューブ2の破損・亀裂を防止できる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0038】
例えば、切欠部及び脆弱部の形状、形成数については適宜設定することができる。
【0039】
また、本実施の形態では切欠部及び脆弱部の形成範囲を仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)としたが、チューブ2の剛性に悪影響がない場合には形成範囲をさらに下方に広げても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換器の全体図である。
【図2】図1の矢印Cによる平面図である。
【図3】図2のS3−S3線による側断面図である。
【図4】本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態2の熱交換器の全体図である。
【図6】図5の矢印Vによる平面図である。
【図7】図7は図6のS7−S7線による側断面図である。
【図8】本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【図9】従来のチューブの平面図である。
【図10】従来の座板とチューブの側断面図である。
【符号の説明】
A、B 熱交換器のコア部構造
X 変形部
1 座板
2 チューブ
3 コルゲートフィン
4 レインフォース
5 チューブ穴
6 壁部
7 接続部
8 仕切り部
9 切欠部
10 脆弱部
20 薄肉部
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器のコア部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器のコア部構造は、座板の間にチューブとコルゲートフィンが交互に配置され、該座板の両端部がレインフォースにより連結補強されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
また、図9、10に示すように、座板01にはチューブ02を嵌挿固定するためのチューブ穴05及び該チューブ穴05に向かって傾斜した壁部06を有する接続部07がバーリング加工により形成されている。
【0004】
さらに、近年のチューブ02は内部に仕切り部08を有するチューブが主流になりつつある(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−318292号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−14285号公報 (第1−3頁、第1図)
【特許文献3】
特開2002−303496号公報 (第1−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱交換器のコア部構造では、チューブに流入する水が低温から急激に高温になった場合、チューブ及び座板が共に大きく熱膨張し、前述した接続部の壁部がチューブを圧迫して該チューブの付け根が亀裂・破損する虞があるという問題点があった。
【0007】
また、前述したような仕切り部が形成されたチューブは該仕切り部が障害になって外圧に対する許容変形量が特に少ないため、座板の接続部によるチューブの衝撃対策が急務となっていた。
【0008】
なお、エンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になる例としては、寒冷地でのエンジン始動時に、エンジンの水の温度が徐々に上昇するが、サーモスタットの開弁温度に達するまでは、ラジエータに水が流れず、該水の温度が高温となり、サーモスタットの開弁により始めて高温の水がラジエータに流入する場合、あるいは寒冷地を走行中にサーモスタットが開閉を繰り返す、いわゆるハンチング現象時に発生する。
【0009】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、熱膨張した座板の壁部によるチューブの付け根の亀裂・破損を防止できる熱交換器のコア部構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に配置され、前記チューブの内部に仕切り部が形成されると共に、該チューブの先端が座板に形成されたチューブ穴に嵌挿固定され、前記チューブ穴に向かって傾斜した壁部を有する接続部が形成された熱交換器のコア部構造において、前記仕切り部に、前記壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容するように変形する変形部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、変形部が仕切り部の先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置まで切欠された切欠部であることを特徴とする熱交換器のコア部構造。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、変形部が仕切り部の厚みを一部薄くして形成された脆弱部であることを特徴とする。
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1記載の発明にあっては、チューブの内部に仕切り部が形成されると共に、該チューブの先端が座板に形成されたチューブ穴に嵌挿固定され、前記チューブ穴に向かって傾斜した壁部を有する接続部が形成される。
【0014】
そして、前記仕切り部に、前記壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容する変形部が形成される。
【0015】
従って、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、チューブ及び座板は大きく熱膨張し、該接続部の壁部はチューブを圧迫するが、この際、変形部が壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容するように変形するため、該チューブの付け根の亀裂・破損を防止でき、チューブの耐久性、ひいては熱交換器の耐久性を向上できる。
【0016】
請求項2記載の発明にあっては、変形部が仕切り部の先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置まで切欠された切欠部としたため、壁部のチューブに及ぼす熱応力によるチューブの内方向への変形を切欠部で許容することができ、結果、チューブの先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置までを内方へ変形させてチューブの付け根の亀裂・破損を防止できる。
【0017】
また、変形部としての切欠部は仕切り部の先端を切欠するという簡便な作業で形成できるため、必要最小限の加工でもってチューブを保護できる。
【0018】
請求項3記載の発明にあっては、変形部が仕切り部の厚みを一部薄くして形成された脆弱部としたため、壁部の熱応力によるチューブの内方向への変形を脆弱部の屈曲で許容させてチューブの保護を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱交換器のコア部構造の実施の形態を説明する。
なお、実施の形態では熱交換器をラジエータに適用した場合について説明する。
【0020】
<実施の形態1>
以下、実施の形態1を説明する。
図1は本発明の実施の形態1の熱交換器の全体図、図2は図1の矢印Cによる平面図、図3は図2のS3−S3線による側断面図、図4は本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【0021】
図1、2に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aは、座板1の間にチューブ2とコルゲートフィン3が交互に配置され、該座板1の両端部がレインフォース4により連結補強されている。
【0022】
また、図2に示すように、前記座板1にはチューブ2を嵌挿固定するためのチューブ穴5及び該チューブ穴5に向かって傾斜した壁部6を有する接続部7がバーリング加工により形成されている。
【0023】
さらに、前記壁部6にはバーリング加工と同時に形成され、かつ壁部6の他の部分に比べて厚みが薄く形成された薄肉部20が形成されている。
【0024】
そして、図3に示すように、前記チューブ2の内部には、チューブ2内を2つの部屋に隔成する仕切り部8が形成されると共に、該仕切り部8の先端側には後述する変形部Xとしての切欠部9が形成されている。
【0025】
前記切欠部9は熱交換器のコア部の組立工程においてチューブ2を座板のチューブ穴5に嵌挿固定した後に仕切り部8の略中央一部を図外の切欠工具を用いて切欠加工されたものであり、仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)に角度θを有してV字形状に形成されている。
【0026】
以下、図4を用いて本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aの作用・効果を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Aでは、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、座板1及びチューブ2は共に大きく熱膨張し、結果、図4(a)に示すように、座板1の熱応力によって壁部6が矢印方向にチューブ2を圧迫するように作用する。
【0027】
しかしながら、前述したようにチューブ2の仕切り部8には切欠部9が形成されているため、図4(b)に示すように、該切欠部9が前記熱応力に応じて角度θを小さくするように変形し、結果、チューブ2の先端が内方に変形してチューブの付け根の亀裂・破損を防止する。
【0028】
さらに、この際、壁部2は薄肉部20で屈曲して変形することによりチューブ2への熱応力を緩和する。
なお、座板1及びチューブ2の温度低下に伴って切欠部9の角度θは元の角度まで復元する。
また、図4(b)は角度θが0°となる切欠部9の変形の許容量の限界を示した状態であり、通常は図3のW1で示した範囲内で変形して角度θが変化する。
【0029】
従って、本実施の形態の熱交換器のコア部構造にあっては、ハンチング現象時の壁部6によるチューブ2の内方向への変形を切欠部9で許容させることができ、従来のようにチューブが破損・亀裂することがなく、チューブの耐久性、ひいては熱交換器の耐久性を向上させることができる。
【0030】
また、チューブ2の先端を切欠加工するという簡便な作業でもって変形部Xを形成することができ、コストをかけることなくチューブ2の付け根の保護を実現できる。
【0031】
<実施の形態2>
以下、実施の形態1を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bは、前記実施の形態1で説明した仕切り部を切欠部に代えて脆弱部を形成したこと以外は前記実施の形態1と同様であるため、同一部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
図5は本発明の実施の形態2の熱交換器の全体図、図6は図5の矢印Vによる平面図、図7は図6のS7−S7線による側断面図、図8は本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【0032】
図5〜7に示すように、本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bは、チューブ2内の仕切り部8の先端側に後述する変形部Xとしての脆弱部10が形成されている。
【0033】
前記脆弱部10は熱交換器のコア部の組立工程においてチューブ2を座板1のチューブ穴5に嵌挿固定した後に仕切り部8の略中央一部を図外の圧着工具を用いて潰し加工されたものであり、仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)に形成される。
【0034】
以下、図8を用いて本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bの作用・効果を説明する。
本実施の形態の熱交換器のコア部構造Bでは、ハンチング現象によってエンジンからラジエータに流入する水が低温から急激に高温になった場合、座板1及びチューブ2は大きく熱膨張し、結果、図8(a)に示すように、座板1の熱応力によって壁部6が矢印方向にチューブ2を圧迫するように作用する。
【0035】
しかしながら、チューブ2の仕切り部8には脆弱部10が形成されているため、図8(b)に示すように、該脆弱部10が前記熱応力に応じてチューブ2の内方へ屈曲して変形し、結果、チューブ2の先端が内方に変形して該チューブ2の亀裂・破損を防止する。
なお、座板1及びチューブ2の温度低下に伴って脆弱部10は元の状態に復元する。
【0036】
従って、本実施の形態の熱交換器のコア部構造にあっては、ハンチング現象時の壁部6によるチューブ2の変形を脆弱部10の屈曲で許容させることができ、チューブ2の破損・亀裂を防止できる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0038】
例えば、切欠部及び脆弱部の形状、形成数については適宜設定することができる。
【0039】
また、本実施の形態では切欠部及び脆弱部の形成範囲を仕切り部8の先端から壁部6のチューブ2に接した下端位置まで(W2の高さ範囲)としたが、チューブ2の剛性に悪影響がない場合には形成範囲をさらに下方に広げても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換器の全体図である。
【図2】図1の矢印Cによる平面図である。
【図3】図2のS3−S3線による側断面図である。
【図4】本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態2の熱交換器の全体図である。
【図6】図5の矢印Vによる平面図である。
【図7】図7は図6のS7−S7線による側断面図である。
【図8】本実施の形態の熱交換器のコア部構造の作用を説明する図である。
【図9】従来のチューブの平面図である。
【図10】従来の座板とチューブの側断面図である。
【符号の説明】
A、B 熱交換器のコア部構造
X 変形部
1 座板
2 チューブ
3 コルゲートフィン
4 レインフォース
5 チューブ穴
6 壁部
7 接続部
8 仕切り部
9 切欠部
10 脆弱部
20 薄肉部
Claims (3)
- 所定間隔を置いて対向配置される座板の間に、チューブとコルゲートフィンが交互に配置され、
前記チューブの内部に仕切り部が形成されると共に、該チューブの先端が座板に形成されたチューブ穴に嵌挿固定され、
前記チューブ穴に向かって傾斜した壁部を有する接続部が形成された熱交換器のコア部構造において、
前記仕切り部に、前記壁部の熱応力による該チューブの内方向への変形を許容するように変形する変形部を形成したことを特徴とする熱交換器のコア部構造。 - 請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、
前記変形部が仕切り部の先端から少なくとも壁部の該チューブに接した下端位置まで切欠された切欠部であることを特徴とする熱交換器のコア部構造。 - 請求項1記載の熱交換器のコア部構造において、
前記変形部が仕切り部の厚みを一部薄くして形成された脆弱部であることを特徴とする熱交換器のコア部構造。
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JP2003164301A JP2005003226A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 熱交換器のコア部構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014513264A (ja) * | 2011-05-02 | 2014-05-29 | ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー | 熱交換器、特に給気冷却器 |
JP2016109358A (ja) * | 2014-12-08 | 2016-06-20 | 株式会社デンソー | 熱交換器及び熱交換器の製造方法 |
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KR20200043289A (ko) * | 2018-10-17 | 2020-04-27 | 한온시스템 주식회사 | 라디에이터 적용을 위한 유연한 b-튜브 |
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003164301A patent/JP2005003226A/ja active Pending
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