JP2005003104A - ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途に使用されても、耐久寿命を十分に確保できるボールねじを提供する。
【解決手段】外周面に螺旋状のボール転動溝55を有するねじ軸52と、内周面に螺旋状のボール転動溝56を有するナット53と、ねじ軸52のボール転動溝55およびナット53のボール転動溝56が対向して形成される軌道57内に配置された複数のボール54と、を備え、前記軌道57のリード角θを15°以下にするとともに、前記ねじ軸52のボール転動溝55および前記ナット53のボール転動溝56の少なくとも一方にゴシックアーク溝を採用したボールねじ51であって、前記ボール54の直径をDwとするとき、前記ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径は、52%Dw以上55%Dw以下の範囲とした。また、ボール54同士の間に、スペーサ58を介在させた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールねじに係り、特に電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途に好適なボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールねじでは、ねじ軸またはナットと、ボールとの接触部分である接触楕円での接触面圧を低減することによる長寿命化が検討されている。
例えば特許文献1に記載の技術では、ねじ軸のボール転動溝の曲率半径を、ナットのボール転動溝の曲率半径より小さくすることによって、ねじ軸とボールとの接触面圧を低減している。そのため、ボール転動溝やボールの表面での摩耗や剥離の進展を抑えることができる。したがって、耐久寿命を延ばすことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−39052号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、高負荷が作用し、駆動ストロークが短い用途では好適であるものの、荷重条件がより厳しくなると、表面疲労剥離や白色剥離を生じる可能性がある。例えば電動射出成形機やプレス機械等、比較的大型で高荷重が負荷される用途などにおいては、いまだ検討の余地がある。
【0005】
すなわち、高負荷条件下で使用されるボールねじにおいては、ボール転動溝の曲率半径を小さくすることによって、ねじ軸とボール転動溝との接触面圧を低減した場合、かえって接触楕円が大きくなってしまう。そのため、逆に差動滑りが増大することとなり、ボール転動溝やボールの表面での摩耗や剥離の進展が改善されない場合がある。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、例えば電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途であっても、耐久寿命を十分に確保できるボールねじを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、この差動滑りに着目し、接触楕円のPVmax(面圧とすべり速度との積の最大値)の増加を抑制しうる条件を鋭意検討したところ、ねじ軸およびナットのボール転動溝の形状や、それらボール転動溝同士の間に形成される軌道とボールとを所定の関係とすることによって、特に電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途に使用した場合であっても、耐久寿命を十分に確保できることを見いだした。
【0007】
すなわち、上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、ねじ軸のボール転動溝およびナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内に配置された複数のボールと、を備え、前記軌道のリード角を15°以下にするとともに、前記ねじ軸のボール転動溝および前記ナットのボール転動溝の少なくとも一方にゴシックアーク溝を採用したボールねじであって、前記ボールの直径をDwとするとき、前記ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径は、52%Dw以上55%Dw以下の範囲であることを特徴としている。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、特に電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途であっても、差動滑りの増大を抑制することができる。そのため、ボール転動溝やボールの表面での摩耗や剥離の進展を抑えられる。
なお、ボールねじのリード角が15°を超えた場合は、後述する寿命試験等の結果に示すように、(例えば図6に示すグラフ参照)寿命比は、むしろ従来(基準値)より小さくなってしまうため、本発明のねらいとする十分な耐久寿命が得られない。そのため、本発明では、リード角を15°以下に規定している。
【0009】
なおまた、本発明のボールねじにおけるリード角の下限は、ボールねじとしての機能を維持可能な範囲であれば特に限定されないが、実用上は、通常用いられるボールねじのリード角の範囲として差し支えない。例えばリード角を5°としたボールねじに適用することができる。
また、リード角が15°以下であっても、後述する寿命試験等の結果に示すように、上記円弧の曲率半径が52%Dw未満になると、寿命比の低下傾向が大きく、寿命比も従来(基準値)に対して必ずしも有意であるとはいえない。また、上記円弧の曲率半径が55%Dwを超えると、やはり、寿命比の低下傾向が大きい。そのため、本発明では、リード角を15°以下にするとともに、前記円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲に規定している(図5参照)。
【0010】
なお、ゴシックアーク溝の円弧の曲率半径を、53%Dw以上54%Dw以下の範囲において本発明を適用すれば、より望ましい(図5参照)。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のボールねじであって、前記ボール同士の間に、スペーサを介在させたことを特徴としている。
請求項2に係る発明によれば、スペーサによってボール同士の競り合いが抑制されるので、摩擦トルクの発生をより安定して抑えることができる。そのため、請求項1に記載のボールねじをより好適に提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるボールねじの構成を説明する平面図であり、同図では、ナットの一部を破断して示している。
同図に示すように、このボールねじ51は、螺旋状のボール転動溝55を外周面に有するねじ軸52と、ねじ軸52のボール転動溝55に対向する螺旋状のボール転動溝56を内周面に有し、ねじ軸52に螺合される円筒状のナット53と、ねじ軸52のボール転動溝55とナット53のボール転動溝56とで形成される軌道57に転動自在に装填された複数のボール54と、複数のボール54同士の間にそれぞれ介装されたスペーサ58と、を備えている。なお、ナット53の軸方向一端には、ナット53をテーブル等に固定するためのフランジ62が設けてある。また、このフランジ62とねじ軸52との間、および、ナット53の軸方向他端部とねじ軸52との間は、図示しない防塵用シールで塞がれている。
【0012】
ナット53の外周面には切欠部61が形成され、この切欠部61に略コ字状に屈曲したチューブからなる循環通路59が配置されている。この循環通路59は、循環通路押え81で切欠部61に固定されている。この循環通路59の両端は、ナット53を貫通して軌道57に至り、軌道57内を転動するボール54が循環通路59を通って循環するようになっている。そして、ねじ軸52に螺合されているナット53と、ねじ軸52とが、ボール54の転動を介して軸方向への相対移動を可能にしている。
【0013】
本発明に係るボールねじ51のリード角θは、15°以下である。例えばリード角θを4.9°とする。なお、図1に示す符号50は、ナット53の軸線CL方向に垂直な方向の線を示す。
また、図2に示すように、ボールねじ51は、ボール転動溝55、56にそれぞれゴシックアーク溝を採用している。すなわち、ボール転動溝55、56の断面形状は曲率中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状である。そして、ボール54の直径をDwとするとき、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲としている。なお、ゴシックアーク溝の円弧の曲率半径を、53%Dw以上54%Dw以下の範囲において本発明を適用すれば、より望ましい。なお、ねじ軸52およびナット53のボール転動溝55、56を形成するゴシックアーク溝の円弧の曲率半径は、必ずしも同じ曲率半径にする必要はない。例えば前記円弧の曲率半径をそれぞれ53%Dw、54%Dwとして構成することができる。
【0014】
なお、予圧付加には、オーバーサイズボール予圧構造を採用している。すなわち、ボール転動溝55、56で形成される軌道57と、その軌道57内に配置された複数のボール54において、軌道57が形成する内径57dよりもボール54のボール直径Dwが僅かに大きいものを挿入して、ボールを4点接触させることによって予圧を与えている。
なおまた、このボールねじ51は、全てのボール54同士の間に、スペーサ58が配置されている。図3は、図1におけるボールとスペーサ部分を説明する要部拡大図である。
【0015】
図3に示すように、このスペーサ7には、円柱の両底面が凹面(ボール保持面)71になっている形状であり、この円柱の直径58dはボール54の直径Dwの90%としている。また、凹面71の形状は、同じ曲率半径の2つの球面を合わせた面形状となっており、その断面がゴシックアーク形状となっている。そして、この凹面71は、ボール54の半径(Dw/2)が凹面71の曲率半径より小さく、かつ、凹面71の曲率半径同士の中心位置がボール54の中心位置よりオフセットされて形成されている。そのため、このスペーサ7の凹面71とボール54は、線接触することができる。
【0016】
次に以上の構成からなるボールねじ51の作用・効果について説明する。
ボールねじ51は、接触楕円に生じるPVmax(面圧とすべり速度との積の最大値)の増加を抑制し、ボールねじ51を長寿命化することが可能となる構成である。
すなわち、本発明に係るボールねじ51は、リード角θを15°以下とし、ボール転動溝55、56の少なくとも一方(本実施形態では両方)にゴシックアーク溝を採用するとともに、ボール54の直径をDwとするとき、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲にしている。
【0017】
このボールねじ51によれば、後述する寿命試験等の結果から判るように、ボール54とボール転動溝55、56との接触楕円でのPVmax(面圧とすべり速度との積の最大値)の増加を抑制しうる。そのため、差動滑りによる摩擦トルクの発生が抑えられ、ボール転動溝55、56やボール54の表面での摩耗や剥離の進展が遅くなる。したがって、ボールねじ51を、例えば電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途など、使用条件が厳しい場合であっても、ボール転動溝55、56やボール54の表面での摩耗や剥離の進展を抑えた、寿命の長いボールねじ51を好適に提供することができる。
【0018】
そして、ゴシックアーク溝は対向する二つの円弧から構成されているから、ねじ軸52及びナット53の有効径を測定するための測定球がボール転動溝の溝形状に対して安定する。そのため、検査を行うに際し、定量的に精度良く測定できるという長所もある。したがって、ボールねじ51を安定した品質で提供することができる。
【0019】
また、予圧付加には、オーバーサイズボール予圧構造を採用している。そのため、例えばその他の予圧付加構造であるダブルナット予圧や、オフセットリード予圧に比べて、半分のボール数で構成することができる。したがって、ナット53の軸方向長さを半分にできるので、装置をコンパクトにすることができる。
また、ボールねじ51は、全てのボール54同士の間に、スペーサ58を介在させている。そのため、スペーサ4によってボール54同士の競り合いが抑制されるので、摩擦トルクの発生をより安定して抑えることができる。
【0020】
なお、以上説明した本発明のボールねじ51の各構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ボール転動溝55、56両方にゴシックアーク溝を採用するとともに、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲にしているが、これに限定されるものではなく、ボール転動溝55、56の少なくとも一方に対して、本発明に規定するように、その円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲としてもよい。しかし、本発明の効果を好適に奏するうえでは、上記実施形態の如く、ボール転動溝55、56両方にゴシックアーク溝を採用するとともに、その円弧の曲率半径を、それぞれ52%Dw以上55%Dw以下の範囲にすることが好ましい。
【0021】
また、上記実施形態では、全てのボール54同士の間にスペーサ58を配置しているが、本発明のボールねじ51は、スペーサ58が全てのボール54同士の間に配置されているものに限定されない。例えば、鋼鉄材、樹脂材の小球を挟む等の方法や、その他の保持器も使用可能である。
また、上記実施形態では、チューブ式の循環通路59を用いているが、これに限定されるものではなく、他の形式の循環通路を用いてもよい。
【0022】
また、上記実施形態では、予圧方法として、オーバーサイズボール予圧を用いているが、これに限定されるものではなく、ボールねじ51の予圧方法としては、その他の方法も適用可能であり、例えば、シングルナットの中央付近のリードを予圧量だけ大きくして予圧を与えることができる。また、ナットを2個使用し、ナットの間の隙間よりも予圧量だけ厚い間座(または、薄い間座)を入れてオフセットリード予圧構造としてもよい。また、多条ねじにおいて、ねじ軸の条間とナットの条間とをずらして予圧を与えることもできる。
また、上記実施形態では、予圧ボールねじの例を示したが、無予圧のボールねじであってもよい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明のボールねじに係るシミュレーション並びに寿命試験について説明する。
ところで、ボールねじを含めた転がり要素は、滑りを伴いながら転がっている。そして、ボールねじにおける滑りには、差動滑りとスキュー滑りが存在する。差動滑りは、ボールとボール転動溝との接点と、ボールの自転軸との距離がそれぞれ異なることによって生じる。また、スキュー滑りは、ねじ軸およびナットのボール転動溝によって形成される軌道がねじれていることによって生じる。そして、リード角が小さいボールねじ(例えばリード角が15°以下のボールねじ)においては、差動滑りが支配的となる。そのため、ボール転動溝の曲率半径を小さくすると、接触楕円に大きな摩擦トルクが発生し、ボール転動溝やボールの表面での摩耗や剥離の進展が早くなるものと考えられる。
【0024】
そこで、本発明者は、この差動滑りに着目し、リード角が小さくなっても接触楕円のPVmax(面圧とすべり速度との積の最大値)の増加を抑制しうる条件を見出すために、シミュレーションを行った。
シミュレーションの結果を図4に示す。なお、図4は、横軸をリード角θ、縦軸をPVmax比として、ボール直径Dwに対するボール転動溝55の曲率半径の割合を変化させた場合におけるシミュレーション結果を示すグラフであり、同図では、ボール54とボール転動溝55との接触楕円での面圧が2GPa付近となる荷重をかけたシミュレーション結果を示している。なおまた、PVmax比とは、ボール転動溝55の曲率半径の割合を54%Dw、かつリード角θを4.4°としたときを基準(1.0)とし、接触楕円内での面圧Pとすべり速度Vとを掛け合わせた値であるPV分布の最大値を示したものである。
【0025】
同図から判るように、リード角θを15°以下とした場合には、ボール転動溝55の曲率半径の割合が大きい方が、PVmax比が小さくなる傾向を示すことが判る。
すなわち、リード角θが小さい場合は、ボール転動溝の曲率半径を相対的に大きくすることによって、差動滑りを小さく抑えることができる。そのため、接触楕円中心に発生するPVmax(面圧とすべり速度との積の最大値)を小さくできるものと推察される。この結果から、リード角θを15°以下としたボールねじにおいて、ボール転動溝の曲率半径の割合を大きくすればPVmaxを抑えることができると考えられる。
【0026】
そこで、このシミュレーション結果を踏まえて寿命試験を行った。
まず、寿命試験用として(1)〜(5)の5種類のボールねじを用意した。5種類の各ボールねじの仕様は、それぞれ以下のとおりである。なお、図1に示したボールねじ51は、ナット53に循環通路59が1個配設されている、回路数:2.5巻×1列の例を示したものである。
【0027】
(1)NSK(日本精工株式会社製、以下同じ)ボールねじBS3610(ボール径6.35mm)、回路数:2.5巻×1列、回転数:5000min−1、ストローク:500mm、グリース:マルテンプPS2(協同油脂(株)製、商品名)、荷重:7kN
(2)NSKボールねじBS7040(ボール径12.7mm)、回路数:2.5巻×2列、回転数:1000min−1、ストローク:80mm、グリース:ルベールFS−2(リューベ(株)製、商品名)、荷重:55kN
【0028】
(3)NSKボールねじBS2520(ボール径4.7625mm)、回路数:2.5巻×1列、回転数:5000min−1、ストローク:500mm、グリース:マルテンプSRL(協同油脂(株)製、商品名、以下同じ)、荷重:3.5kN
(4)NSKボールねじBS2525(ボール径4.7625mm)、回路数:2.5巻×1列、回転数:5000min−1、ストローク:500mm、グリース:マルテンプSRL、荷重:3.5kN
(5)NSKボールねじBS2040(ボール径3.175mm)、回路数:0.75巻×2列、回転数:5000min−1、ストローク:500mm、グリース:マルテンプSRL、荷重:1.2kN
【0029】
そして、寿命試験用の各ボールねじは、上述した実施形態でのボールねじ51のボール54と軌道57との関係を、ボール54の直径をDwとしたとき、52%Dw〜55%Dwの範囲をねらい目として設定した。なお、上記寿命試験用のボールねじのうち、(4)〜(5)は、比較例用として寿命試験を行ったものである。各ボールねじごとの設定値の詳細およびスペーサの介装の有無を表1に示す。なお、同表に示すように、番号1〜16は、実施例として、また、番号17〜34は比較例として、それぞれ寿命試験を実施した。
【0030】
【表1】
Figure 2005003104
【0031】
また、寿命試験は、上記各試験体(番号1〜34)ごとにNSKボールねじ耐久寿命試験機を用いて行った。
寿命の判断は、ボール表面の観察、およびボール転動溝の観察を行い、転走面に剥離が生じるまでの時間を調査した。そして、各ボールねじは、それぞれのボールねじの仕様ごとに寿命が異なるため、各ボールねじ仕様のうち、スペーサを介装させ、かつボール転動溝の曲率半径を51.5%Dwとしたものを基準(1.0)として、それぞれの仕様ごとに寿命比を求めた。得られたそれぞれの寿命比を表1に合わせて示す。
【0032】
図5は、上記(1)の寿命試験用ボールねじBS3610において、表1に示す各試験体(実施例1〜12、比較例17〜22)ごとの寿命試験結果をプロットしたグラフである。同図では、横軸をボール直径Dwに対するねじ軸のボール転動溝の曲率半径の割合、縦軸を寿命比として示している。また、同図では、スペーサの介装の有無について、それぞれをグラフにしている。
【0033】
同図から判るように、スペーサを介装させていない試験体のグラフ(同図の下側のグラフ)から判るように、ボール転動溝の曲率半径が52%Dw以上55%Dw以下の範囲での寿命比は、従来のボールねじに相当する試験体(比較例21)の寿命比に対して大きい。すなわち、寿命の延長効果がみられる。特に、ボール転動溝の曲率半径が53%Dw以上54%Dw以下の範囲においては、寿命延長の効果が著しく、また、安定していることが判る。具体的には、53%Dw以上54%Dw以下の範囲において、比較例21に対し、少なくとも4倍の寿命延長の効果が得られている。
【0034】
そして、スペーサを介装させている試験体のグラフ(同図の上側のグラフ)から判るように、寿命延長の効果は、スペーサを介装させている場合であっても、寿命比が基準試験体(比較例18)に対して大きく、寿命の延長効果がみられる。寿命の延長効果が得られる範囲は、スペーサを介装させていない場合とほぼ同様であり、ボール転動溝の曲率半径が52%Dw以上55%Dw以下の範囲で寿命の延長効果を確認することができる。また、ボール転動溝の曲率半径が53%Dw以上54%Dw以下の範囲においても同様であり、本発明で規定している全ての範囲で、約1.5倍(以上)の寿命比が得られていることが判る。具体的には、例えば軌道57のリード角θを4.9°とし、ボール転動溝55、56のゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、それぞれ53%Dw、54%Dw(表1の実施例7参照)とすれば、同図および表1から判るように、その寿命比は、基準となる比較例18に対して、2.5倍の長寿命が得られている。また、スペーサを介装させた場合は、スペーサを介装させていない場合と比較して、グラフの全ての領域で、寿命延長がより顕著であり、スペーサによる寿命の延長効果についても確認された。
【0035】
図6は、上記の寿命試験用ボールねじにおいて、表1に示す試験体のうち、実施例1〜4、および実施例13〜16、並びに、比較例17〜19、および比較例23〜24を、それぞれのボール直径Dwに対するねじ軸のボール転動溝の曲率半径の割合ごとに整理して、その寿命試験結果をプロットしたグラフである。なお、同図では、横軸をリード角θ、縦軸を寿命比として示している。
【0036】
同図から判るように、この結果は、上述したシミュレーション(図4参照)における考察とよく合致していることが判る。すなわち、リード角θが15°以下の場合には、ボール転動溝の曲率半径を大きくすることによって、寿命の延長効果が得られることが判る。特に、前記円弧の曲率半径を、54%Dwとした場合に、寿命の延長効果が著しいことが判る。そして、リード角θが15°を超えると、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲としても寿命の延長効果が十分得られないことが判る。また、リード角θが15°以下であっても、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、56%Dwとすると寿命の延長効果が得られないことが判る。これは、ねじ軸のボール転動溝またはナットのボール転動溝と、ボールとの接触面圧が高くなったことにより、転がり疲労剥離を引き起こしたためである。
【0037】
以上説明したように、本発明に規定するように、リード角θを15°以下にするとともに、ねじ軸のボール転動溝およびナットのボール転動溝にゴシックアーク溝を採用し、ボールの直径をDwとするとき、ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径を、52%Dw以上55%Dw以下の範囲とすれば、その全ての範囲において寿命の延長効果が得られることが判る。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、特に電動射出成形機やプレス機械等に用いられる、比較的大型で高荷重が負荷される用途に使用されても、耐久寿命を十分に確保できるボールねじを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるボールねじの構成を説明する平面図であり、同図では、ナットの一部を破断して示している。
【図2】本発明のボールねじにおける、軌道とボールとの関係を拡大して示す説明図である。
【図3】本発明のボールねじにおける、ボールとスペーサ部分を説明する要部拡大図である。
【図4】横軸をリード角θ、縦軸をPVmax比として、ボール直径Dwに対するねじ軸のボール転動溝の曲率半径の割合を変化させた場合におけるシミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】横軸をボール直径Dwに対するねじ軸のボール転動溝の曲率半径の割合、縦軸を寿命比として、寿命試験の結果をプロットしたグラフである。
【図6】横軸をリード角θ、縦軸を寿命比として、寿命試験の結果をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
51・・・ボールねじ
52・・・ねじ軸
53・・・ナット
54・・・ボール
55・・・(ねじ軸の)ボール転動溝
56・・・(ナットの)ボール転動溝
57・・・軌道
58・・・スペーサ
59・・・循環通路
61・・・切欠部
62・・・フランジ
71・・・凹面
81・・・循環通路押え
Dw・・・ボール直径
θ・・・リード角

Claims (2)

  1. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、ねじ軸のボール転動溝およびナットのボール転動溝が対向して形成される軌道内に配置された複数のボールと、を備え、
    前記軌道のリード角を15°以下にするとともに、前記ねじ軸のボール転動溝および前記ナットのボール転動溝の少なくとも一方にゴシックアーク溝を採用したボールねじであって、
    前記ボールの直径をDwとするとき、前記ゴシックアーク溝を形成する円弧の曲率半径は、52%Dw以上55%Dw以下の範囲であることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記ボール同士の間に、スペーサを介在させたことを特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
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