JP2005002903A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Soichiro Kadota
聡一郎 門田
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Calsonic Compressor Manufacturing Inc
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Abstract

【課題】気体圧縮機からシステム側へ排出される異物を低減させること。
【解決手段】バッフル板30aを油貯留室20に溜められた潤滑油の油面と対向するように配置する。このバッフル板30aは、バッフル板30aの排気口19方向への投影面によって、排気口19が十分に隠れる程の軸方向側端の長さを有している。さらに、バッフル板31aがバッフル板30aの下流側に配置されている。バッフル板30aおよびバッフル板31aの表面には、それぞれろ網30bおよびろ網31bが覆設されている。排気口19から吐出される気体は、バッフル板30aおよびバッフル板31aによって形成された気体の迂路を通過する。排気口19方向へ流れている気体に含まれている潤滑油や異物は、この気体が迂路を通過する際に、バッフル板30a、バッフル板31aおよび捕捉板32aの気体の迂路を形成する領域で捕捉される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の空調設備や冷凍等に使用される気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の空調システムや冷凍等に使用される気体圧縮機には、部材の摩擦や摩耗、焼き付けを防ぐために潤滑油が用いられている。
この潤滑油は、圧縮された気体が吐出される吐出室に設けられたオイル溜まりから、吐出室の圧力によって作用する潤滑油の油圧と被供給箇所との圧力差を利用して、気体圧縮機の内部に設けられているオイル通路を介して、ロータの軸受や圧縮室などの各摺動部分に供給されるようになっている。
【0003】
このような潤滑油には、装置の施工時に生じた金属粉や、運転時の各摺動部分の摩擦に伴って生じる金属粉等の異物が混入している。このような異物が混入した潤滑油が、気体圧縮装置の摺動部分に供給されてしまうと、装置内部でこれらの異物が凝着し、ロック故障の原因となるおそれがあった。
従来、このような異物の混入により、気体圧縮機やシステム内で生じる不具合を解消するための技術が下記の特許文献に開示されている。
【特許文献1】
特開平9−68179号公報
【特許文献2】
特開平10−148421号公報
【0004】
特許文献1には、オイル溜まりにフィルタを配置し、オイル通路に潤滑油が流入する際に、このフィルタによって潤滑油に含まれている異物を捕捉する技術が開示されている。
また、特許文献2には、気体圧縮機の外部に、潤滑油に含まれている異物を沈殿分離させる装置を設け、異物が分離された潤滑油を気体圧縮機に供給する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、気体圧縮機内部の異物は、摺動部分のロック故障の原因となるだけでなく、システム内を循環する冷媒ガスに過剰に混入した場合にも、システムの性能や耐久性の低下を招くおそれがある。
また、オイル溜まりが設けられている吐出室には、圧縮室で圧縮された高圧の気体が吐出されるため、その吐出噴流によってオイル溜まりに溜められた異物が巻き上げられてしまうおそれがあった。
そして、この巻き上げられた異物が圧縮気体と共に排気され、システム側へ流出してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、気体圧縮機から排気される気体に混入する異物を低減させることができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、圧縮室を形成するシリンダと、前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、前記排気口と対向するように前記吐出室に配置され、前記排気口の投影面積に対して同等以上の面積を有する捕捉板と、を備えることにより前記目的を達成する。
この捕捉板は、例えば、固定端と自由端を有した邪魔板によって構成され、固定手段を用いて固定端を当該気体圧縮機に固定されている。固定手段とは、例えば、溶接、接着剤、ボルト、かしめ処理などを示す。
また、例えば、捕捉板を複数備える場合には、それぞれの固定端と自由端の方向が互い違いになるように、配置されることが望ましい。
なお、捕捉板には、例えば、縁部から中心に向けて上り勾配が設けられていることが好ましい。
【0007】
請求項2記載の発明では、圧縮室を形成するシリンダと、前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、前記圧縮室側に対向している前記筐体の内側面と隙間を介して配置された、開口部を有する捕捉板と、を備えることにより前記目的を達成する。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記筐体と前記捕捉板との間に配置されたフィルタ部材を備えることにより前記目的を達成する。
なお、フィルタ部材は、例えば、金網によって形成されることが好ましい。
【0009】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記開口部は、前記吐出室に吐出された圧縮気体が吹きつけられる領域に配置され、前記開口部から流入した前記圧縮気体が排出される気体排出部を備えることにより前記目的を達成する。
なお、開口部は、例えば、油貯留部に貯留された潤滑油の油面に影響をおよぼさない位置に形成されることが望ましい。
開口部は、圧縮気体が吹きつけられる領域、例えば、吐出された圧縮気体が、気体の流れを変えること無く、直接吹きつけられる領域、つまり、圧縮気体が吐出される部分と対向する領域に形成されることが望ましい。
【0010】
請求項5記載の発明では、圧縮室を形成するシリンダと、前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、前記筐体に形成され、前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、前記油貯留部を油面側と底部側の領域に分割した、開口部を有する捕捉板と、前記捕捉板と前記筐体との間に配置されたフィルタ部材と、を備えることにより前記目的を達成する。
なお、捕捉板には、例えば、縁部から開口部に向けて下り勾配が設けられていることが好ましい。
【0011】
請求項6記載の発明では、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の発明において、前記捕捉板の表面の少なくとも1部に配置された、圧縮気体に含まれた異物を捕捉する捕捉部材を備えることにより前記目的を達成する。
なお、捕捉部材は、例えば、圧縮気体に含まれる潤滑油および異物を捕捉する部材であり、細かい網目を有する金属製のろ網によって構成されることが好ましい。
例えば、請求項2に記載されている捕捉板に捕捉部材が配置される場合には、捕捉板の圧縮室側の面に捕捉部材が配置されていることが望ましい。
また、例えば、請求項3に記載されている捕捉板に捕捉部材が配置される場合には、捕捉板の油面と対面する面に捕捉部材が配置されていることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の気体圧縮機における好適な実施の形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る気体圧縮機の縦断面を示した図である。
また、図2は、図1のX−X線断面から見た気体圧縮機本体の断面図である。
まず、図1および図2を参照しながら本実施の形態に係る気体圧縮機の構成について説明する。
図1に示すように、気体圧縮機は、筐体であるケーシング1と、ケーシング1の開口端を閉塞するフロントヘッド2と、ケーシング1内に収納される圧縮機本体3とを備えている。
圧縮機本体3は、シリンダブロック7とリヤサイドブロック6とフロントサイドブロック5とで形成されるシリンダと、ロータ9及びベーン13とを含んでいる。
なお、フロントサイドブロック5とリヤサイドブロック6は、シリンダブロック7の開口部を閉塞する閉塞部材である。
【0013】
このシリンダブロック7は、断面が楕円形状の中空部を有する筒状の部材であり、シリンダブロック7の両端面のうちフロントヘッド2側の一方にフロントサイドブロック5が固着され、他方にリヤサイドブロック6が固着されている。
そして、シリンダブロック7の中空部が、フロントサイドブロック5とリヤサイドブロック6とによって閉塞されて、図2に示すように、内周略楕円筒状のシリンダ室8が形成されている。
シリンダ室8の内部には、略円柱状のロータ9が収容されている。このロータ9は、その径方向に外周面側から穿設された5つのベーン溝4を有しており、各ベーン溝4にはベーン13が出没自在に保持されている。
【0014】
また、図1に示すように、ロータ9からは、その軸線方向にロータ軸9a、9bが延設されている。ロータ軸9a、9bは、フロントサイドブロック5およびリヤサイドブロック6に形成された軸受5a、6aに、それぞれ回転自在に支持されている。
フロントサイドブロック5の軸受5aに支持されるロータ軸9aの端部は、図示しない原動機からの駆動力が伝達されるようになっており、この駆動力がロータ軸9aを介してロータ9に伝達され、ロータ9が回転駆動されるようになっている。
【0015】
フロントヘッド2には、圧縮する気体(例えば、冷媒ガス)を吸引する吸入口16が形成されており、フロントヘッド2とフロントサイドブロック5との間には、吸入口16からの気体が導入される吸入室15が形成されている。
フロントサイドブロック5には、吸入室15とシリンダ室8とを連通する吸気孔5bが形成されており、外部から導入された気体が、吸入口16、吸入室15、吸気孔5bの順に経由してシリンダ室8に吸入されるようになっている。
また、吸気孔5bは、シリンダブロック7に形成された吸入路7bによって、リヤサイドブロック6に設けられた吸気室6bと連通している。吸気室6bは、シリンダ室8に連通可能となっており、外部から吸気孔5bに至った気体は、直接シリンダ室8に吸入される他、吸入路7bおよび吸気室6bを順に経由しても、シリンダ室8へ吸入されるようになっている。
【0016】
図2に示すように、シリンダブロック7は、シリンダ室8の断面で見た回転対称位置にある短径の両端部それぞれの近傍に、外周側から切欠き状に形成された吐出弁取り付け部7cを有しており、各吐出弁取り付け部7cには、吐出孔7aが穿設されている。吐出孔7aは、シリンダブロック7を貫通して、シリンダ室8と吐出弁室24とを連通している。
シリンダ室8の短径の両端部近傍は、シリンダ室8内部の気体の圧縮行程の終了位置であり、吐出孔7aからシリンダ室8内の圧縮された気体が吐出されるようになっている。
【0017】
また、それぞれの吐出弁取り付け部7cには、吐出孔7aを開閉する薄板状の吐出弁22が、吐出弁室24内にシリンダブロック7の周回り方向に沿って取り付けられている。
吐出弁22の背面側(ロータ9の径方向における外方側)には弁サポート23が重ねられており、吐出弁22および弁サポート23のそれぞれの後端部(ロータ9の回転方向と逆側の端部)がボルト28により吐出弁取り付け部7cに一体に取り付けられ固定されている。
【0018】
リヤサイドブロック6には、吐出孔7aから吐出され吐出弁室24内に流入した気体の吐出連絡路6cが形成されている。この吐出連絡路6cは、圧縮気体を吐出室18へ導く連絡路を構成している。
リヤサイドブロック6の吐出室18側には、油分離器17が固定されている。吐出孔7aからの気体は、吐出弁室24を経由し吐出連絡路6cを通って油分離器17に至り、この油分離器17で油が分離されるようになっている。
【0019】
吐出室18は、圧縮機本体3とケーシング1との間に形成されており、油分離器17で分離された気体はこの吐出室18に吐出される。なお、この吐出室18の詳細については後述する。
ケーシング1には、排気口19(図1参照)が形成されており、吐出室18内の気体は、この排気口19を経由して外部へと吐出されるようになっている。
一方、油分離器17で分離された潤滑油は、リヤサイドブロック6とケーシング1との間に形成される油貯留室20内に収容される。この油貯留室20には、吐出室18に吐出される気体の圧力が作用する。
【0020】
リヤサイドブロック6には、軸受6aの内周面にリング状の油溝6gが形成され、さらに、油貯留室20と油溝6gとを連通するオイル通路6dが形成されている。そして、油貯留室20の潤滑油がオイル通路6dから油溝6gを介して軸受6aに供給されるようになっている。
フロントサイドブロック5の軸受5aの内周面にはリング状の油溝5gが形成されている。そして、油貯留室20と連通するオイル通路6dは、リヤサイドブロック6中で分岐している。
潤滑油は、分岐通路6eから、シリンダブロック7の油供給路7e、フロントサイドブロック5に形成されている油供給路5e、および油溝5gを経由して、フロントサイドブロック5の軸受(軸受5a)に供給されるようになっている。
【0021】
フロントサイドブロック5およびリヤサイドブロック6のそれぞれのロータ9側端面には、扇型をしたサライ溝25が設けられている。これらのサライ溝25は、ロータ9のベーン背圧室4a(図2参照)と連通可能な位置に形成されている。
そして、サライ溝25には、オイル通路6d、油溝6g、および、分岐通路6e、油供給路7e、油供給路5e、油溝5gから軸受5a,6aを介して、潤滑油が供給される。
このサライ溝25に供給される潤滑油は、軸受5a、6aで減圧されている。この減圧供給された潤滑油が、ベーン背圧室4aに供給され、潤滑油の油圧によりベーン13がシリンダ室8の周壁へ押圧されるようになっている。
【0022】
リヤサイドブロック6は、オイル通路6dが連通している油溝6gに一端が連通する高圧供給路6fを備えている。この高圧供給路6fの他端は、リヤサイドブロック6のシリンダ室8側の中央に開口されており、油貯留室20からの潤滑油が軸受6aを介すことなく(軸受6aで減圧されることなく)供給されるようになっている。
リヤサイドブロック6の高圧供給路6fは、ロータ9の回転方向から見てサライ溝25の下流であって、シリンダブロック7の吐出孔7a近傍に開口されている(図2参照)。そして、高圧供給路6fは、吐出孔7a近傍の所定位置に到達したベーン背圧室4aに、サライ溝25よりも高い圧力で潤滑油を供給するようになっている。
【0023】
図3は、本実施の形態に係る気体圧縮機の吐出室18周辺の拡大図である。
また、図4は、吐出室18の内部に配置されている、バッフル板30a、バッフル板31a、捕捉板32a、捕捉板33aの概略構成を示す斜視図である。
図3および図4を用いて吐出室18内部の構成について説明する。
図3に示すように、吐出室18の内部には、油分離器17から吐出された気体の下流方向に、バッフル板30aおよびバッフル板31aによって気体の迂路が形成されている。
なお、バッフル板30aおよびバッフル板31aは、排気口19から排気されてしまう前に、圧縮気体に含まれる異物を捕捉するための捕捉板である。
ここでは、油分離器17から吐出された気体が、排気口19に至るまでの流路において、油分離器17側、つまり、圧縮室14側を上流方向、排気口19側を下流方向とする。
また、気体の迂路は、吐出室18に流入された気体の流れの方向を変えて、気体が排気口19から排気されるまでにたどる経路の長さを強制的に延長させた気体の流路である。
【0024】
バッフル板30aは、図3および図4に示すように、油貯留室20に溜められた潤滑油の油面と対向するように、つまり、排気口19と対向するように配置されている。
なお、このバッフル板30aは、油分離器17と排気口19との間に、油分離器17を介して吐出される圧縮気体の流路を遮るように配置されている。
このバッフル板30aは、ロータ9の軸線方向に延びた側端(以下、軸方向側端とする)と、ロータ9の軸線方向と直交する方向に延びた側端(以下、径方向側端とする)を有する方形の金属板である。
バッフル板30aの軸方向側端の長さは、バッフル板30aの排気口19方向への投影面によって、排気口19が十分に隠れる程度である。
バッフル板30aの径方向側端の長さは、ケーシング1と内接する、または、ケーシング1の内面と近接する程度である。
バッフル板30aの面積は、排気口19の投影面積よりも大きくなっている。
詳しくは、バッフル板30aに対して排気口19を投影させた場合の投影像の面積よりも、バッフル板30aの面積が大きくなっている。そして、このバッフル板30aは、圧縮気体が排気口19から流出する際の邪魔板として機能している。
バッフル板30aの面積は、排気口19の投影面積よりも小さくてはいけないのであり、排気口19の投影面積と同じでも良い。すなわち、バッフル板30aの面積は、排気口19の投影面積に対して同等かもしくはそれ以上の大きさとする。
【0025】
このバッフル板30aの径方向側端の両側端のうち、圧縮室14側の側端は、圧縮機本体3に固定され、他側端は、開放された自由端となっている。
詳しくは、バッフル板30aの圧縮室14側の側端が、リヤサイドブロック6、または、油分離器17に、例えば、溶接、接着剤、ボルト、かしめ処理などの固定手段を用いて固定されている。
また、バッフル板30aには、ロータ9の軸線方向に油貯留室20側への反りが若干設けられている。
【0026】
バッフル板31aは、バッフル板30aの下流側に油貯留室20に溜められた潤滑油の油面と対向するように配置されている。
このバッフル板31aも、バッフル板30aと同様に、軸方向側端と、径方向側端を有する方形の金属板である。
このバッフル板31aの径方向側端の両側端のうち、圧縮室14側の側端は、開放された自由端となっており、他側端は、ケーシング1、または、後述する捕捉板32aに固定されている。
詳しくは、バッフル板31aの圧縮室14側の側端と対向する側端が、ケーシング1、または、後述する捕捉板32aに、例えば、溶接、接着剤、ボルト、かしめ処理などの固定手段を用いて固定されている。
【0027】
バッフル板31aの径方向側端の長さも、バッフル板30aと同様に、ケーシング1と内接する、または、ケーシング1の内面と近接する程度である。
バッフル板31aの軸方向側端の長さは、バッフル板30aおよびバッフル板31aの排気口19方向への投影面において、バッフル板31aの自由端となっている方の側端が、バッフル板30aと十分に重なり合う程度である。
即ち、バッフル板30aおよびバッフル板31aは、排気口19方向から見ると、自由端である側端部分を含む領域が、お互いに重なり合うように配置されている。
【0028】
また、吐出室18の内部には、圧縮機本体3と対向するケーシング1の内面に金網フィルタ45が敷設され、この金網フィルタ45を挟装するように捕捉板32aが配置されている。
さらに、油貯留室20の底面を形成するケーシング1の内側面にも、金網フィルタ46が敷設され、この金網フィルタ46を挟装するように捕捉板33aが配置されている。
金網フィルタ45および金網フィルタ46は、吐出室18内で捕捉された潤滑油や異物(以下、捕捉物とする)を、再び排気口19から排出される気体に混入させないようにするために、またオイル通路を介して摺動箇所への流入を防ぐために、これらの捕捉物を吐出室19内に留めておくための、つまり、保持するためのフィルタ部材である。
金網フィルタ45で保持された異物は、自重によって鉛直下向きに移動し、最終的に金網フィルタ46に保持されるようになっている。
【0029】
捕捉板32aは、圧縮機本体3と対向するように配置されている。
この捕捉板32aは、鉛直方向(垂直方向)に延びた側端(以下、鉛直側端とする)と、径方向側端を有する方形の金属板である。
この捕捉板32aは、金網フィルタ45を挟装するようにケーシング1に、例えば、溶接、接着剤、ボルト、かしめ処理などの固定手段を用いて固定されている。
捕捉板32aには、油分離器17を介して吐出される気体が吹きつけられる、油分離器17と対向する領域に、短辺が垂直方向に延び、長辺が水平方向に延びる開口部41が形成されている。
この開口部41を介して、捕捉板32aで捕捉された捕捉物が、金網フィルタ45に導入されて保持されるようになっている。
【0030】
また、捕捉板32aには、開口部41の上下方向に、それぞれガス孔42およびガス孔43が複数形成されている。
開口部41から、金網フィルタ45に流入した気体は、金網フィルタ45の一部を通って、ガス孔42およびガス孔43から戻されるように構成されている。
さらに、この捕捉板32aには、これらのガス孔42およびガス孔43から出てくる気体を排気口19方向(詳しくは、バッフル板30a、バッフル板31aによって形成される気体の迂路の方向)に誘導するための誘導板42aおよび誘導板43aが設けられている。
誘導板42aおよび誘導板43aは、ガス孔42およびガス孔43の縁部に固定された方形の金属板によって形成されている。
これらの誘導板42aおよび誘導板43aは、ガス孔42およびガス孔43を形成する際に除かれる捕捉板32aの部分を圧縮機本体3側に折り曲げるようにして形成するようにしてもよい。
【0031】
捕捉板33aは、油貯留室20に溜められた潤滑油の油面と対向するように、油貯留室20の底面に配置されている。
この捕捉板33aは、軸方向側端と、径方向側端を有する方形の金属板である。
この捕捉板33aも捕捉板32aと同様に、金網フィルタ46を挟装するようにケーシング1に、例えば、溶接、接着剤、ボルト、かしめ処理などの固定手段を用いて固定されている。
この捕捉板33aによって、油貯留室20は、油面側の領域と底面側の領域に分割されるようになっている。
捕捉板33aには、その中央付近の領域に、短辺がロータ9の軸線方向と直交する方向に延び、長辺が軸線方向に延びる開口部44が形成されている。
この開口部44を介して、捕捉板33aで捕捉された捕捉物が、金網フィルタ46に導入されて保持されるようになっている。なお、捕捉板33aは、油貯留室20の底部に配置されているため、ここでの捕捉物は、油貯留室20に沈殿した異物を示す。
【0032】
また、上述した、バッフル板30a、バッフル板31a、捕捉板32a、捕捉板33a、誘導板42aおよび誘導板43a(以下、金属板部材とする)には、その表面にそれぞれ、ろ網30b、ろ網31b、ろ網32b、ろ網33b、ろ網42bおよびろ網43bが覆設されている。
この金属板部材に覆設されているろ網とは、メッシュサイズが100程度の目の細かい金属製の網状の捕捉部材である。このろ網を覆設することによって、潤滑油や異物の捕捉可能領域(表面積)を拡大することができ、金属板部材に衝突(接触)した潤滑油や異物の捕捉率を向上させることができる。
【0033】
なお、図3に示されているこれらのろ網は、それぞれの金属板部材の片側の面にのみ覆設されているが、これらのろ網をそれぞれの金属板部材の両面、または、側面を含む全ての面に覆設するようにしてもよい。
また、これらのろ網は、金属板部材の全てに覆設するようにしても、また、金属板部材のうちの単数、あるいは、複数の特定した部材にのみ覆設するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、バッフル板31a、捕捉板32aおよび捕捉板33aの各部材を別々に配置するようにしているが、これらの3部材が一体形成された、コの字型の部材を配置するようにしてもよい。
【0034】
次に、このように構成された気体圧縮機の動作について説明する。
本実施形態の気体圧縮機では、図示しない原動機によってロータ9が回転駆動されると、外部の気体が吸入口16から吸入室15等を経由して圧縮室14へと吸い込まれる。
圧縮室14は、ロータ9の回転に伴ってベーン13がシリンダ室8の形状に沿って出没することにより、吸入口16側から吐出孔7a側へ行くに従って縮小され、圧縮室14内の気体は圧縮される。
【0035】
そして、圧縮室14が圧縮行程の終了側の領域に位置し、圧縮室14内の圧力がシリンダブロック7外周部の圧力より大きくなると、圧縮された気体がこのときの内部の圧力によって吐出弁22を押し上げて、吐出孔7aから噴出する。噴出した気体は吐出連絡路6cを介して油分離器17に送られて潤滑油が分離される。
油分離後の高圧気体は排気口19から外部に吐出される。分離された潤滑油は、油貯留室20に貯留される。
なお、油分離器17で潤滑油の分離された高圧気体が排気口19から外部に吐出されるまでの詳細についは後述する。
【0036】
油貯留室20に貯留している潤滑油は、吐出室18に吐出される気体の圧力によって、オイル通路6dおよび油溝6gに押し出され、油溝6gからリヤサイドブロック6の軸受6aを通ってサライ溝25に供給される。また、オイル通路21から分岐通路6e、油供給路7e、油供給路5e、油溝5g、フロントサイドブロック5の軸受5aを通ってサライ溝25に供給される。
これらのサライ溝25は、ロータ9の回転に伴い所定位置の範囲にあるベーン溝4と連通し、潤滑油は、サライ溝25から、ベーン溝4のベーン背圧室4aに供給される。
そして潤滑油の油圧と、ロータ9の回転に伴って生じる遠心力によって、ベーン13がシリンダ室8の外壁に押圧される。このため、ベーン13は、その収納されているベーン溝4のベーン背圧室4aがサライ溝25と連通している間は、ロータ9の回転による遠心力とベーン背圧室4aに作用する圧力により、シリンダ室8の内周壁に密着しながら回転する。
【0037】
また、潤滑油は、リヤサイドブロック6においてオイル通路6dから油溝6gを介して高圧供給路6fへ供給される。
ベーン溝4のベーン背圧室4aがサライ溝25と連通している状態から、ロータ9がさらに回転すると、ベーン背圧室4aがサライ溝25から切断される。この状態では、ベーン背圧室4aには外部からの圧力は加わらないが、ベーン13がシリンダ室8の周壁に押されることによりベーン背圧室4aの容積が縮小されるため、ベーン背圧室4aの圧力は微少に上昇し、ベーン13を押圧するための十分な背圧が保持される。
【0038】
さらにロータ9が回転すると、ベーン背圧室4aは、リヤサイドブロック6の高圧供給路6fと連通する。この状態では、ベーン背圧室4aに、高圧供給路6fから、サライ溝25よりも大きな圧力で潤滑油が供給される。そのため潤滑油による圧力と遠心力によって、圧縮室14の縮小に伴い増加する圧縮室14の室圧に抗して、ベーン13がシリンダ室8の周壁に押圧される。
これにより、ベーン13は、ロータ9の回転による遠心力および高圧供給路6fからベーン背圧室4aに作用する圧力(ベーン背圧)によって、シリンダ室8の内周壁に密着しながら回転する。
【0039】
その後さらにロータ9が回転を続けると、ベーン背圧室4aと高圧供給路6fとが切断され、吐出孔7aから圧縮気体が噴出され圧縮室14内の圧力が低下する。
以降、ロータ9の回転に伴って、気体の圧縮室14への吸入、圧縮室14内での圧縮、圧縮室14からの吐出が繰り返され、またこのサイクルに伴って、ベーン背圧室4aは、サライ溝25との連通、サライ溝25との切断、高圧供給路6fとの連通、高圧供給路6fとの切断が繰り返される。
【0040】
ここで、油分離器17で潤滑油と分離された気体が排気口19から外部に吐出されるまでの気体の流れについて説明する。
油分離器17では、気体に含まれる潤滑油および異物を全て分離することはできない。そのため、油分離器17を通過した気体には、油分離器17で捕捉されなかったミスト状の潤滑油や金属粉等の異物が含まれている。
また、吐出室18内の気体には、吐出される高圧の気体の吐出噴流によって巻き上げられた、油貯留室20に溜められている潤滑油や異物が含まれている。
【0041】
本実施の形態に係る気体圧縮機では、吐出室18内の気体に含まれている潤滑油や異物を、バッフル板30a、バッフル板31a、捕捉板32a、捕捉板33a、誘導板42aおよび誘導板43aを用いて捕捉している。
例えば、圧縮機本体3方向から吐出される気体をバッフル板31aに衝突(接触)させ、その衝突部に設けられたろ網31bよって衝突した気体に含まれる潤滑油や異物を捕捉する。そして、ろ網31bに付着した捕捉物は、自重によって移動し油貯留室20に貯められる。
【0042】
捕捉物の移動途中に開口部41が存在する場合には、この開口部41から捕捉物が金網フィルタ45に取り込まれて保持されるようになっている。金網フィルタ45に保持された捕捉物も自重によって移動し、油貯留室20に貯められる。
同様に、誘導板42a(ろ網42bを含む)および誘導板43a(ろ網42bを含む)で捕捉された捕捉物も油貯留室20に貯められるようになっている。
また、開口部41から、金網フィルタ45に流入した気体は、金網フィルタ45によって潤滑油や異物が捕捉された後、ガス孔42およびガス孔43から排出される。
【0043】
油貯留室20に貯められた金属粉等の異物は、捕捉板33a(ろ網33bを含む)によって捕捉され、開口部44から金網フィルタ46に、つまり、底面側の領域に取り込まれて保持されるようになっている。
そして、この底面側の領域は、捕捉板33aによって蓋をされたような状態であるため、金網フィルタ46に保持された異物が、容易に油面側の領域に戻されないようになっている。
また、異物が金網フィルタ46に保持されることにより、圧縮機本体3の軸受部などの各摺動部分には、異物が除去されたオイルがオイル通路21を介して供給される。
排気口19から吐出される気体は、バッフル板30aおよびバッフル板31aによって形成された気体の迂路を通過する。
そこで、排気口19方向へ流れている気体に含まれている潤滑油や異物は、この気体の迂路を通過する際に、バッフル板30a(ろ網30bを含む)、バッフル板31a(ろ網31bを含む)および捕捉板32a(ろ網32bを含む)の気体の迂路を形成する領域で捕捉される。
【0044】
本実施の形態によれば、気体の流路に迂路を設け、この迂路を通過させた後に、圧縮気体を排気口19から排気させることができる。従って、圧縮気体に含まれる潤滑油や異物が迂路を形成する領域で捕捉されるため、吐出室18における潤滑油や異物の捕捉率を向上させることができる。
従来は、排気口19から排気される気体に混入されてしまっていた、油貯留室20から巻き上げられた潤滑油や異物であっても、本実施の形態によれば、排気口19から排気される前に捕捉することができる。
また、本実施の形態によれば、油貯留室20に貯められた異物を、捕捉板33a(ろ網33bを含む)において捕捉し、さらに、底部側の領域に設けられた金網フィルタ46で保持することによって、油貯留室20に貯められた潤滑油の油面側の領域で浮遊する異物の量を低減することができる。これにより、巻き上げられる異物の量を低減することができる。
【0045】
次に、本実施の形態に係る気体圧縮機の変形例について説明する。
図5は、本実施の形態に係る気体圧縮機の気体の迂路の変形例を示した図である。
なお、図5では、上述した実施例と同一の部分には同一の番号を付し、変形箇所についてのみ説明する。
図5に示す変形例では、さらにバッフル板47がバッフル板30aの下流側に、油貯留室20に溜められた潤滑油の油面と対向するように配置されている。
このバッフル板47は、バッフル板31aと同様に、軸方向側端と、径方向側端を有する方形の金属板である。
このバッフル板47の径方向側端の両側端のうち、圧縮室14側の側端は、開放された自由端となっており、他側端は、捕捉板32aに固定されている。
【0046】
バッフル板47の径方向側端の長さは、バッフル板31aと同様に、ケーシング1と内接する、または、ケーシング1の内面と近接する程度である。
また、バッフル板47は、速やかに、捕捉物が捕捉板32a(ろ網32bを含む)側へ移動するように、自由端側の側端が固定端側の側端よりも高い位置になるように傾斜が設けられている。
バッフル板47の軸方向側端の長さは、バッフル板30aおよびバッフル板31aの排気口19方向への投影面において、バッフル板31aの自由端となっている方の側端が、バッフル板47と十分に重なり合う程度である。
即ち、バッフル板47、バッフル板30aおよびバッフル板31aは、排気口19方向から見ると、自由端である側端部分を含む領域が、お互いに重なり合うように配置されている。
図5に示す変形例では、バッフル板31aとバッフル板47とが対向する、つまり、これらの部材で挟まれた領域にバッフル板30aが介在するように、これらの部材を配置することによって、気体の迂路が形成されている。
【0047】
このように、バッフル板47を追加して迂路を形成することにより、気体の流路をさらに延ばすことができる。従って、圧縮気体に含まれる潤滑油や異物が捕捉可能な領域が増加するため、さらに、吐出室18における潤滑油や異物の捕捉率を向上させることができる。
また、バッフル板47においても、その表面にろ網を覆設するようにしてもよい。なお、このろ網は、バッフル板47の片側の面、両面、または、側面を含む全ての面の何れの領域に覆設するようにしてもよい。
なお、このバッフル板47は、ガス孔42から出てくる気体を誘導するための誘導板42aの代わりに配置させるようにしてもよい。
【0048】
図6(a)は、気体の迂路を形成するバッフル板の形状の変形例を示した図である。
なお、この変形例の対象となるバッフル板は、バッフル板30a、バッフル板31aおよび、図5に示す変形例で示したバッフル板47であり、これら全てのバッフル板に変形例を採用するようにしても、また、バッフル板のうちの単数、あるいは、複数の特定した部材にのみ採用するようにしてもよい。
図6(a)に示すように、バッフル板は、ロータ9の軸方向の中心線上に稜線が形成されるように法線方向の異なる2つの面によって構成されている。これらの2つの面は、稜線部分において若干の角をなすように接合または折り曲げ成形されている。
【0049】
バッフル板は、バッフル板の軸方向側端が、バッフル板における軸方向の中心線の位置よりも低くなるように形成されている。
このような傾斜をバッフル板に設けることにより、速やかに捕捉物を軸方向側端に移動させて、軸方向側端から油貯留室20に滴下させることができる。
軸方向側端から滴下した捕捉物は、その物理的位置関係から、吐出噴流の影響を受けにくくなっているため、油貯留室20の液面まで滴下する間に捕捉物が、吐出噴流によって巻き上げられてしまうことを抑制することができる。
【0050】
図6(b)および(c)は、油貯留室20の底部に配置される捕捉板33aの形状の変形例を示した図である。
まず、図6(b)に示すように、開口部44が捕捉板33aの中央付近の領域にあり、短辺がロータ9の軸線方向と直交する方向に延び、長辺が軸線方向に延びるように形成されている捕捉板33aの変形例について説明する。
捕捉板33aは、ロータ9の軸方向の中心線上に谷線が形成されるように法線方向の異なる2つの面によって構成されている。これらの2つの面は、谷線部分において若干の角をなすように接合または折り曲げ成形されている。
捕捉板33aは、捕捉板33aの軸方向側端が、捕捉板33aにおける軸方向の中心線の位置よりも高くなるように形成されている。
このような傾斜を捕捉板33aに設けることにより、速やかに、捕捉物を捕捉板33aの中央付近に移動させ、開口部44を介して金網フィルタ46に導入し保持させることができる。つまり、異物の捕捉を促進させることができ、吐出室18における異物の捕捉性をより向上させることができる。
【0051】
次に、図6(c)に示すように、開口部44が捕捉板33aの中央付近の領域にあり、短辺が軸線方向に延び、長辺がロータ9の軸線方向と直交する方向に延びるように形成されている捕捉板33aの変形例について説明する。
捕捉板33aは、ロータ9の軸方向と直交する方向の中心線上に谷線が形成されるように法線方向の異なる2つの面によって構成されている。これらの2つの面は、谷線部分において若干の角をなすように接合または折り曲げ成形されている。
捕捉板33aは、捕捉板33aの径方向側端が、捕捉板33aにおける軸方向と直交する方向の中心線の位置よりも高くなるように形成されている。
このような傾斜を捕捉板33aに設けることにより、速やかに、捕捉物を捕捉板33aの中央付近に移動させ、開口部44を介して金網フィルタ46に導入し保持させることができる。つまり、異物の捕捉を促進させることができ、吐出室18における異物の捕捉性をより向上させることができる。
【0052】
本実施の形態では、捕捉板32aおよび捕捉板33aを、油貯留室20の底面部および圧縮機本体3と対向するケーシング1の内側面部に配置するようにしているが、このような潤滑油や異物の捕捉板を吐出室18を形成するその他の内側面にも配置するようにしてもよい。この場合にも、配置する捕捉板の表面にろ網を覆設するようにしてもよく、さらに、捕捉板32aおよび捕捉板33aと同様に、捕捉板とケーシング1に金網フィルタを介在させるようにしてもよい。
本実施の形態では、捕捉板33aを油貯留室20の底部に配置するようにしているが、この捕捉板33aを、定常運転時における潤滑油の油面の位置に配置するようにしてもよい。なお、この場合においても、金網フィルタ46は、捕捉板33aとケーシング1とで挟装されるように配置することができる。
このように、捕捉板33aをより高い位置に配置することによって、底部側領域の底部に保持されている捕捉物と捕捉板33aとの距離を広げることができる。これにより、捕捉物が捕捉板33aの開口部44から巻き上げられることを抑制することができる。
【0053】
また、リヤサイドブロック6の油貯留室20を形成する領域に、捕捉板32aと対向するように捕捉板を配置し、捕捉板32aと同様に、捕捉板とリヤサイドブロック6とによって挟装するように金属フィルタを配置するようにしてもよい。
なお、この金属フィルタが配置される領域は、前述した油貯留室20の底部側領域と連続している。さらに、金属フィルタは、油分離器17で捕捉された潤滑油や異物が滴下する箇所に配置されるように構成する。
このように配置された、捕捉板および金属フィルタを設けることにより、油分離器17で捕捉された異物は、油貯留室20の油面側の領域を通過することなく、底部側領域に保持させることができるため、これにより、油貯留室20に貯められた潤滑油の油面側の領域で浮遊する異物の量をさらに低減することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出室における潤滑油や異物の捕捉率を向上させることができるため、排気口から排気される気体に含まれる異物の量を減少させることができる。
また、捕捉された吐出室内の気体に含まれる潤滑油や異物が保持されるため、捕捉物が再び、吐出室において気体に混入することを抑制することができる。
さらに、油貯留部に溜まった異物は、油貯留部の底部側の領域に保持されるため、油貯留部の油面側の領域に存在する異物の量を低減させることができる。これにより、吐出噴流によって巻き上げられる異物の量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る気体圧縮機の縦断面を示した図である。
【図2】図1のX−X線断面から見た気体圧縮機本体の断面図である
【図3】本実施の形態に係る気体圧縮機の吐出室周辺の拡大図である。
【図4】吐出室の内部に配置されている、バッフル板および捕捉板の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本実施の形態に係る気体圧縮機の気体の迂路の変形例を示した図である。
【図6】(a)は、気体の迂路を形成するバッフル板の形状の変形例を示した図であり、(b)および(c)は、油貯留室の底部に配置される捕捉板の形状の変形例を示した図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 フロントヘッド
3 圧縮機本体
4 ベーン溝
5 フロントサイドブロック
6 リヤサイドブロック
7 シリンダブロック
8 シリンダ室
9 ロータ
13 ベーン
14 圧縮室
15 吸入室
16 吸入口
17 油分離器
18 吐出室
19 排気口
20 油貯留室
21 オイル通路
22 吐出弁
23 弁サポート
24 吐出弁室
25 サライ溝

Claims (6)

  1. 圧縮室を形成するシリンダと、
    前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、
    前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、
    前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、
    前記排気口と対向するように前記吐出室に配置され、前記排気口の投影面積に対して同等以上の面積を有する捕捉板と、
    を備えたことを特徴とする気体圧縮機。
  2. 圧縮室を形成するシリンダと、
    前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、
    前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、
    前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、
    前記圧縮室側に対向している前記筐体の内側面と隙間を介して配置された、開口部を有する捕捉板と、
    を備えたことを特徴とする気体圧縮機。
  3. 前記筐体と前記捕捉板との間に配置されたフィルタ部材を備えたことを特徴とする請求項2記載の気体圧縮機。
  4. 前記開口部は、前記吐出室に吐出された圧縮気体が吹きつけられる領域に配置され、
    前記開口部から流入した前記圧縮気体が排出される気体排出部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の気体圧縮機。
  5. 圧縮室を形成するシリンダと、
    前記圧縮室で圧縮された気体が吐出される吐出室を形成する筐体と、
    前記吐出室に設けられた、潤滑油を貯留する油貯留部と、
    前記筐体に形成され、前記吐出室から当該気体圧縮機の外部へ前記圧縮気体を排気する排気口と、
    前記油貯留部を油面側と底部側の領域に分割した、開口部を有する捕捉板と、前記捕捉板と前記筐体との間に配置されたフィルタ部材と、
    を備えたことを特徴とする気体圧縮機。
  6. 前記捕捉板の表面の少なくとも1部に配置された、圧縮気体に含まれた異物を捕捉する捕捉部材
    を備えたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の気体圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018171150A1 (zh) * 2017-03-23 2018-09-27 珠海格力电器股份有限公司 油分桶、螺杆压缩机及空调机组

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