JP2005002404A - 高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張強さ980MPa以上を達成するとともに、強度−延性バランスや伸びフランジ性等の加工性に優れる高強度冷延鋼板とその製造方法とについて提供する。
【解決手段】C:0.05〜0.20mass%、Si:0.2〜0.8mass%、Mn:2.0〜4.0mass%、P:0.02mass%以下、S:0.0030mass%以下、Al:0.05mass%以下、Ni:0.10〜1.2mass%およびTi:0.005〜0.030mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、フェライト相の体積分率が30〜60%、ベイナイト相の体積分率が20〜40%、残留オーステナイト相の体積分率が2.0〜8.0%、そしてマルテンサイト相と残留オーステナイト相との体積分率の合計が10〜20%であって、さらにベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが1.5以下、マルテンサイト相および/または残留オーステナイト相からなるM−A相のナノ硬さHnMとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnM/HnFが3.0以下である組織とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてプレス成形される自動車部品などに用いて好適な引張強さが980MPa以上で、かつ伸びフランジ性などの加工性に優れる高強度冷延鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の燃費向上あるいは乗員の安全性向上を図るため、引張強さが980MPa以上の高強度冷延鋼板が、自動車車体の補強材を中心に積極的に活用されている。このような背景から、高強度冷延鋼板の加工性に対する要求は次第に厳しくなってきている。しかしながら、種々の強化方法によって材料強度は確保することが可能であるが、高強度化に伴い加工性が低下するというのが実情であった。特に、従来の高強度鋼板では、組織が不均一になったり、硬質相と軟質相とが局所的に混在するなどにより、加工中に、亀裂の発生起点となる箇所が多く存在することになり、これが加工性の低下原因であると言われている。しかも、このような加工性は、高強度鋼板になればなるほど大きく低下するのが一般的であり、このため従来の鋼板製造技術では、高強度化と、延性、曲げ特性および伸びフランジ性などの加工性との両立は困難であった。
【0003】
ここに、高強度鋼板の技術として、例えば特許文献1には引張強さ980MPa以上の鋼板についての開示があるが、十分な加工性を有するものであるとは言い難い。また、特許文献2には伸びフランジ性に優れた熱延鋼板が開示されているが、強度−延性バランスは低い。さらに、特許文献3には、伸びフランジ性に優れた鋼板について開示されているが、引張強さが780MPaに満たないレベルのものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−277742号公報
【特許文献2】
特開昭61−19733号公報
【特許文献3】
特開平4−350号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、強度と加工性は相反する傾向を示すのが一般的であり、現状では良好な加工性を有し、しかも引張強さが980MPa以上である高強度冷延鋼板並びにその製造方法については知られていない。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来技術の問題を解決するための方途を提案するものであり、引張強さ980MPa以上を達成するとともに、強度−延性バランスや伸びフランジ性等の加工性に優れる高強度冷延鋼板とその製造方法とについて提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記の目的を達成するために、鋼成分、製造条件および金属組織などの多方面から種々実験を行って検討を重ねた。その結果、所定量のフェライト相、ベイナイト相を有し、さらにマルテンサイト相および一定量の残留γ相を有し、さらにフェライト相とベイナイト相およびマルテンサイト相と残留γ相のナノ硬さを制御した鋼板とすることにより、はじめて、局所的な変形能の差を解消し異相間の歪の分配調整を容易にして、巨視的に均一変形させることにより強度を低下させることなく、従来にはない優れた伸びフランジ性と高い強度−延性バランスを満足することが可能となり、特にプレス成形性の改善がはかられることを知見した。
ただし、マルテンサイト相と残留オーステナイト相は、硬度測定時には別々の組織とは判別できないため、マルテンサイト相および/または残留オーステナイト相からなるM−A相の硬さとして規定する。
また、伸びフランジ性は、極限変形能で評価した。すなわち、極限変形能は、JIS Z2201に準拠した引張試験片を用いてJIS Z2241に準拠した引張試験を行って、破断後の破断面から板厚tおよび板幅wを測定し、引張試験片の初期板厚tおよび初期板幅wから
極限変形能(%)=−{ln(t/t)+ln(w/w)}×100
に従って求められるものである。
ここで、伸びフランジ性の評価は、穴拡げ率で簡易に評価されることが多いが、引張強さ(TS、強度ともいう)、全伸び(El、伸びともいう)とともに同一の組織について評価するため、引張り試験1回にて引張強さ、伸びおよび伸びフランジ性を同時に評価できる、極限変形能での評価とした。
また、上記鋼板は、成分組成と製造条件、特に連続焼鈍における加熱温度、冷却停止温度およびそこでの保持時間を適正に制御することにより、製造可能であることを見出した。
【0008】
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)C:0.05〜0.20mass%、Si:0.2〜0.8mass%、Mn:2.0〜4.0mass%、P:0.02mass%以下、S:0.0030mass%以下、Al:0.05mass%以下、Ni:0.10〜1.2mass%およびTi:0.005〜0.030mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、
フェライト相の体積分率が30〜60%、ベイナイト相の体積分率が20〜40%、残留オーステナイト相の体積分率が2.0〜8.0%、そしてマルテンサイト相と残留オーステナイト相との体積分率の合計が10〜20%であって、さらにベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが1.5以下、マルテンサイト相および/または残留オーステナイト相からなるM−A相のナノ硬さHnMとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnM/HnFが3.0以下である組織と、
を有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0009】
(2)上記(1)において、成分組成として、さらに
Cu:0.50mass%以下、
Mo:0.50mass%以下および
Cr:0.50mass%以下
のうちから選んだ1種あるいは2種以上を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0010】
(3)上記(1)または(2)において、成分組成として、さらに
Nb:0.010mass%以下
を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0011】
(4)上記(1)、(2)または(3)において、成分組成として、さらに
V:0.010mass%以下および
Zr:0.010mass%以下
のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0012】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、成分組成として、さらに
B:0.0050mass%以下
を含有する組成になることを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0013】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかにおいて、成分組成として、さらに
Ca:0.0050mass%以下および
REM:0.0050mass%以下
のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
【0014】
(7)C:0.05〜0.20mass%、Si:0.2〜0.8mass%、Mn:2.0〜4.0mass%、P:0.02mass%以下、S:0.0030mass%以下、Al:0.05mass%以下、Ni:0.10〜1.2mass%およびTi:0.005〜0.030mass%を含有する鋼片に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施し、その後(Ac−50)〜(Ac+50)℃の温度域に加熱する連続焼鈍を施した後、10℃/s以上の冷却速度で350〜550℃の温度域まで冷却し、この温度域に15秒以上保持することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の高強度冷延鋼板について、詳しく説明する。
まず、成分組成の限定理由を、成分毎に説明する。
C:0.05〜0.20mass%
Cは、低温変態生成相を利用して鋼を強化するのに必要不可欠である。すなわち、引張強さ980MPa以上を達成するためには、0.05mass%以上の含有が必要である。一方、0.20mass%を超えると、溶接性が著しく劣化するため、上限は0.20mass%とする。
【0016】
Si:0.2〜0.8mass%
Siは、強度向上に寄与する元素であり、その効果は0.2mass%未満では発揮されない。一方、0.8mass%を超えて含有させると、フェライト変態が促進され、低温変態生成相による強化が不十分となる。また、Siはオーステナイト中へのCの濃化を促進する作用があり、第2相が硬化すること、そして最終的に得られる鋼板組織中に硬質な残留オーステナイト相が多量に存在しやすくなることにより、伸びフランジ性を劣化させる。本発明では、低Si含有量で高加工性を発揮させるため、Si量は0.2〜0.8mass%の範囲とした。
【0017】
Mn:2.0〜4.0mass%
Mnは、変態点を下げ、またオーステナイトの焼入れ性を向上させる元素であり、Ar変態点を低下させる作用を通じて、結晶粒の微細化に寄与し、強度−延性バランスを高める効果を有する。ここで、所定の強度を確保するために低温変態生成相を安定的に得るには、2.0mass%以上の含有が必要であるが、一方で4.0mass%を超えて含有させると、鋳造時の偏析に伴うバンド状組織の発達が著しくなり、加工性に悪影響を及ぼすことから、上限を4.0mass%とした。
【0018】
P:0.02mass%以下
Pは、内部割れや鋼板の加工性の低下を招くことから、低減することが好ましいが、0.02mass%までは許容できるため0.02mass%以下とした。
【0019】
S:0.0030mass%以下
Sは、鋼中で非金属介在物(MnS)として存在し、伸びフランジ成形時の応力集中源となるため、その含有量は低いことが望ましい。しかし、S量が0.030mass%以下の範囲では、高強度であっても伸びフランジ特性に大きな悪影響を及ぼさないため、0.0030mass%を上限とした。
【0020】
Al:0.05mass%以下
Alは、鋼の脱酸のために使用されるが、概ね0.01mass%未満では介在物が残り加工性が劣化する場合があるために、0.01mass%以上とすることが好ましい。しかし0.05mass%を超えると、効果が飽和するだけでなく、表面形状の劣化にもつながるため、上限は0.05mass%とした。
【0021】
Ni:0.10〜1.2mass%
Niは、伸びを低下させることなく強度を向上させるのに有効な元素であり、0.10mass%以上でその効果を発揮する。しかし、1.2mass%を超えて含有させても、効果が飽和して含有量に見合う効果が期待できないため、上限は1.2mass%とした。
【0022】
Ti:0.005〜0.030mass%
Tiは、組織の微細均一化をもたらし、伸びおよび伸びフランジ性を向上させるために有効な元素である。これらの効果は、0.005mass%以上の添加で見られる。一方、0.030mass%を超えるTiを含有させると、硬質な炭化物を形成し、伸びフランジ性を低下させるため、上限は0.030mass%とする。
【0023】
以上が必須成分であるが、さらに必要に応じて、以下の成分を選択的に添加することができる。
Cu:0.50mass%以下
Mo:0.50mass%以下
Cr:0.50mass%以下
のうちから選んだ1種あるいは2種以上
Cu、MoおよびCrは、伸びを低下させることなく強度を向上させるのに有効な元素である。いずれもその効果を得るためには0.01mass%以上で含有することが好ましい。一方0.50mass%を超えて多量に含有させても、更なる効果はなく経済的に不利となるためCu、Mo、Crの含有量はそれぞれ0.50mass%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.50mass%とする。
【0024】
Nb:0.010mass%以下
Nbは、NbCなどの析出形態、再結晶温度に影響する元素である。特に、本発明のおいてNbは組織の微細均一化に有効に作用する。よって高強度にも関わらず高い伸びおよび伸びフランジ性をもたらすという効果を有している。このような効果を得るには、0.005mass%以上で含有することが好ましい。一方0.010mass%を超えると鋼中に硬質な析出物を多量に形成し、伸びフランジ性を低下させるため、0.010mass%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.010mass%である。
【0025】
V:0.010mass%以下
Zr:0.010mass%以下
のうちから選んだ少なくとも1種
これらの元素は、炭化物の結晶粒径粗大化の抑制などを通じて、鋼板の強度を上昇させるのに有効な元素である。このような効果を得るためには、いずれも0.005mass%以上の含有が好ましい。一方、0.010mass%を超えると鋼中に硬質な析出物を多量に形成し、伸びフランジ性を低下させるので、VおよびZrは0.010mass%以下として含有させることが好ましい。より好ましくは、それぞれ0.005mass%〜0.010mass%の範囲とする。これら元素は、単独でも複合添加でも同様の挙動を示す。
【0026】
B:0.0050mass%以下
Bも強度上昇に有効な元素であり、焼入れ性の向上に寄与する。また、Bを添加することにより、低温変態生成相を形成することが容易となる。このような効果を得るためには0.0003mass%以上の含有が好ましい。一方、0.0050mass%を超えて含有させても更なる効果が得らず経済的に不利となるため、0.0050mass%を上限として含有させるとよい。
【0027】
Ca:0.0050mass%以下
REM:0.0050mass%以下
のうちから選んだ少なくとも1種
CaおよびREMは、硫化物などの析出物、例えばMnSなどを球状化して鋭角な析出物を減少させることにより、応力集中を減少させて伸びフランジ性の低下を抑制する効果を有している。上記効果を得るためには、それぞれ0.0003mass%以上含有させることが好ましい。一方これら元素の含有量がそれぞれ0.0050mass%を超えると、その効果が飽和し経済的に不利となる。よって、CaおよびREMともに0.0050mass%以下であることが好ましく、より好ましくは、それぞれ0.0003〜0.0050mass%の範囲とする。
なお、上記した成分以外の残部は実質的にFeの組成、すなわちFeおよび不可避的不純物の組成になる。
【0028】
さらに、鋼板の組織について説明する。
本発明の鋼板は、フェライト相の体積分率が30〜60%、ベイナイト相の体積分率が20〜40%、マルテンサイト相および残留オーステナイト相の体積分率の合計が10〜20%、そして前記残留オーステナイト相の組織全体に対する体積分率が2.0〜8.0%であり、さらに、ベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが1.5以下、フェライト相および/または残留オーステナイト相からなるM−A相のナノ硬さHnMとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが3.0以下である組織を有することが肝要である。
【0029】
フェライト相体積分率:30〜60%
軟質なフェライト相の分率が30%未満になると、伸びが低下し、一方60%を超えると、軟質なフェライト相が増加するために引張強さが低下する。従って、強度−伸びバランスを最適とするためにフェライト体積分率を30〜60%の範囲とする。
【0030】
ベイナイト相体積分率:20〜40%
ベイナイト相の存在によって、成形中に生じるボイド(変形量が大きくなると鋼中に発生する空隙)に起因した亀裂の成長および進展を抑制することが可能である。このベイナイト相の体積分率が20%未満では、亀裂の成長および進展を抑制する効果に乏しくなり、一方40%を超えると伸びが低下するため、ベイナイト体積分率は20〜40%の範囲とした。
【0031】
マルテンサイト相および残留オーステナイト相の体積分率の合計:10〜20%
硬質な相であるマルテンサイト相および加工中にマルテンサイトに変態し硬質となる残留オーステナイト相は、成形中の亀裂発生源となるため、マルテンサイト相と残留オーステナイト相の体積分率の合計で20%以下とする。一方、体積分率の合計が10%未満では、引張強さが低下してしまうため、10〜20%を最適範囲とした。
【0032】
残留オーステナイト相の体積分率:2.0〜8.0%
残留オーステナイト相を組織全体に対する体積分率で2.0〜8.0%の範囲で含むことにより、変態誘起塑性が起こり伸びが向上する。すなわち、この体積分率が2.0%未満では、変態誘起塑性の効果がなく、一方8.0%を超えると、伸びフランジ性が低下するため、2.0〜8.0%とする。
【0033】
nB/HnF≦1.5
nMB/HnF≦3.0
ベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが1.5を超えるか、あるいはM−A相のナノ硬さHnMと前記フェライト相のナノ硬さHnFの比:HnM /HnFが3.0を超えると、極限変形態が低下する。この理由は軟質なフェライト相と硬質なベイナイト相やM−A相の硬度差が大きいと、軟質な相と硬質な相との変形能の差が大きいため、界面でボイドが容易に発生し、亀裂の進展、そして伝播が容易に起こることから、伸びフランジ性が低下する。複数の硬質相を有する本発明においては、ベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFの比:HnB/HnF≦1.5、M−A相のナノ硬さHnMとフェライト相のナノ硬さHnFの比:HnM /HnF≦3.0で良好な強度伸びバランスおよび伸びフランジ性を示した。
なお、フェライト相に比べて、ベイナイト相およびM−A相は硬質なため、必然的にHnB/HnF>1、HnM/HnF>1となる。
【0034】
ここで、ナノ硬さとは、直径1μm以下の微小領域について測定した硬さである。このナノ硬さを採用することにより、微細な第2相を有する複合組織鋼では、従来測定されているようなビッカース硬さよりも、組織の硬さをより正確に評価することができ、従来にない組織制御を達成して、高強度および加工性を両立させた鋼板とすることができる。
【0035】
このナノ硬さは、Hysitron社のTRIBOSCOPEを用い測定することができる。また、一般に圧痕サイズが極めて小さい時には、硬さの圧痕サイズ依存性が生じる場合があるが、それを避けるために、圧痕サイズをほぼ同一にして測定を行うことができる。具体的には、圧痕の大きさと比例関係にある圧痕の深さ(=Contact Depth)が所定範囲となるように荷重調整し、このときの荷重を基に硬さHnを決定すればよい。
【0036】
次に、上記の鋼板を製造する方法について説明する。
本発明の製造方法は、上記した必須成分を含有する、あるいはさらに選択的に添加できる成分を含有する、鋼片を鋳造後、直ちにまたは一旦冷却後に加熱し、その後熱間圧延、次いで冷間圧延を施したのち、連続焼鈍を行う。
この際、連続焼鈍とその後の熱処理の条件を、後述するように規制することが肝要である。残る工程の条件は、特に限定する必要はないが、鋼片の加熱、熱間圧延の際の仕上圧延終了温度、巻取り温度については、次に示す条件とすることが好ましい。
【0037】
鋼片の加熱温度(SRT):1100〜1250℃
熱間圧延前の鋼片の加熱温度は、初期オーステナイト粒を微細化するために、1250℃以下、より好ましくは1200℃以下することが好ましい。また、仕上圧延温度を確保するためには、加熱温度を1100℃以上とすることが好ましい。
【0038】
仕上圧延終了温度(FDT):850〜950℃
上記鋼片を熱間圧延するにあたり、熱間圧延における仕上圧延終了温度が850℃未満では、圧延時の変形抵抗が大きく、また組織の不均一化が起こり層状組織となり、冷間圧延焼鈍後も不均一な組織となりやすく、加工性が低下する傾向にある。一方、950℃を超える高温では、オーステナイト粒が粗大化し、均一微細な組織が得られず、やはり加工性が低下する傾向にある。よって、仕上圧延終了温度は850〜950℃の範囲とすることが好ましい。
【0039】
巻取り温度(CT):450〜650℃
巻取り温度が450℃より低すぎると、硬質なマルテンサイト相が多量に生成し冷間圧延時の圧延負荷が増大し、熱延後の冷間圧延性が低下するため生産性が低下する。一方650℃を超えると、炭化物が粗大化する。このため、巻取り温度は450〜650℃の範囲とすることが好ましい。
【0040】
本発明では、熱間圧延後、冷間圧延を施し、冷延板とする。冷間圧延条件は特に限定する必要はなく、常法に従えばよい。なお、冷延圧下率としては概ね30%〜60%程度とすることが、製造しやすさの観点から好ましい。
【0041】
次に、製造における必須条件について説明する。
連続焼鈍の焼鈍温度:(Ac−50)〜(Ac+50)℃
冷延板の焼鈍は、連続焼鈍とし、(Ac−50)〜(Ac+50)℃の温度域の焼鈍温度に加熱して焼鈍を行う必要がある。すなわち、焼鈍温度をこのように狭い範囲に高度に制御することにより、結晶粒の粗大化を阻止することができ、所望の組織を有する冷延焼鈍板とすることができる。焼鈍温度が(Ac−50)℃未満では、十分なベイナイト相が得られない。また、冷延組織の影響が残りバンド状組織となるため、目的となる組織が得られない上、伸びフランジ持性を著しく低下させる。一方、(Ac+50)℃を超えると、結晶粒の急激な粗大化が生じ、均一微細な組織が得られなくなり、所望の組織特性、すなわち高い強度−伸びバランスおよび伸びフランジ性を得ることが困難となる。
なお、Ac変態点は、示差熱膨張計などにより求めることができる。
【0042】
350℃〜550℃の温度域までの冷却速度:10℃/s以上
焼鈍温度から350℃〜550℃の温度域までの冷却速度については、遅すぎると結晶粒の粗大化が起こりやすく、組織にパーライトが含まれるため、強度−延性バランスの確保が困難になる。従って、ここでの冷却速度は10℃/s以上とした。
【0043】
保持温度:350℃〜550℃
冷却停止後の保持温度が550℃より高い温度では、パーライトなどの軟質相が生成し、一方350℃よりも低い温度ではマルテンサイト相が過多に生成して加工性が低下するために、保持温度は350〜550℃とした。
【0044】
保持時間:15秒以上
上記温度域での保持は、オーステナイトからベイナイト相への変態を十分に行うために重要であり、この保持時間が15秒に満たないと、硬質なマルテンサイト相が多量に生成し伸びフランジ性を低下させるため、15秒以上は必要である。なお、10分を超えて保持しても効果が飽和し、生産コストが上昇するだけであるため、10分以下とすることが好ましい。
【0045】
【実施例】
表1に示す成分組成の鋼片(鋼スラブ)を用い、表2に示す各条件で、冷延圧下率50%で冷延鋼板(厚さ1.2mm)を製造した。
なお、Ac変態点(℃)は、表1に示す成分組成の鋼スラブから試験片を採取して測定した。すなわち、試験片を室温から1200℃付近まで加熱速度1℃/sで加熱し、示差熱膨張計でAc変態点を測定した。得られたAc変態点を併せて表1に示す。
かくして得られた冷延鋼板について、下記の方法で材料特性等の評価を行った。なお、極限変形能については、上記の通りであり、機械的特性の調査を行った試験片を用いて求めた。その評価結果を、表2に併記する。
【0046】

[機械的特性]
圧延直角方向を長手方向とするJIS 5号試験片を用いて、JIS Z2241に準拠した引張試験を行って、測定した。
[フェライト相、ベイナイト相およびマルテンサイト相の体積分率]
鋼板の表面から板厚1/4の深さ部分における、板厚断面(圧延方向に平行な断面)5000倍のSEM像を10視野撮像し、これを基に画像解析により2階調化し、体積分率を求めた。なお、10視野の各々で求めた体積分率の平均をもって各相の体積分率とした。
[残留オーステナイト相の体積分率]
鋼板の表面から板厚1/4の深さ部分まで研削し、次いで研削面をエッチングした後にX線分析を行うことによって、残留オーステナイト量を測定した。
[ナノ硬さ]
測定位置は鋼板の表面から板厚1/4の深さ部分であり、Hysitron社のTRIBOSCOPEを用い、各相の硬さを測定した。ここで、圧痕サイズが極めて小さい時には、硬さの圧痕サイズ依存性が生じる場合がある。従って、それを避けるために、圧痕サイズをほぼ同一にして測定を行った。具体的には、圧痕の大きさと比例関係にある圧痕の深さ(=Contact Depth)が50nm±10nmとなるように荷重調整し、当該荷重をもとに、硬さHnを測定した。このとき、圧痕の一区は約350nmとなる。ナノ硬さ比は、このように得られた他の比との間で算出した。
【0047】
【表1】
Figure 2005002404
【0048】
【表2】
Figure 2005002404
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、引張強さが980MPa以上であり、加工性とりわけ強度−伸び(TS×El)がバランスし伸びフランジ性に優れるために、プレス成形の際に割れが生じない高強度冷延鋼板を提供することができる。従って、本発明の冷延鋼板を自動車部品用素材として適用することにより、自動車の軽量化や低燃費化が可能となり、自動車乗員の安全性向上に大きく貢献する。

Claims (7)

  1. C:0.05〜0.20mass%、
    Si:0.2〜0.8mass%、
    Mn:2.0〜4.0mass%、
    P:0.02mass%以下、
    S:0.0030mass%以下、
    Al:0.05mass%以下、
    Ni:0.10〜1.2mass%および
    Ti:0.005〜0.030mass%
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、
    フェライト相の体積分率が30〜60%、ベイナイト相の体積分率が20〜40%、残留オーステナイト相の体積分率が2.0〜8.0%、そしてマルテンサイト相と残留オーステナイト相との体積分率の合計が10〜20%であって、さらにベイナイト相のナノ硬さHnBとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnB/HnFが1.5以下、マルテンサイト相および/または残留オーステナイト相からなるM−A相のナノ硬さHnMとフェライト相のナノ硬さHnFとの比:HnM/HnFが3.0以下である組織と、
    を有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
  2. 請求項1において、成分組成として、さらに
    Cu:0.50mass%以下、
    Mo:0.50mass%以下および
    Cr:0.50mass%以下
    のうちから選んだ1種あるいは2種以上を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
  3. 請求項1または2において、成分組成として、さらに
    Nb:0.010mass%以下
    を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
  4. 請求項1、2または3において、成分組成として、さらに
    V:0.010mass%以下および
    Zr:0.010mass%以下
    のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、成分組成として、さらに
    B:0.0050mass%以下
    を含有する組成になることを特徴とする高強度冷延鋼板。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、成分組成として、さらに
    Ca:0.0050mass%以下および
    REM:0.0050mass%以下
    のうちから選んだ少なくとも1種を含有することを特徴とする高強度冷延鋼板。
  7. C:0.05〜0.20mass%、
    Si:0.2〜0.8mass%、
    Mn:2.0〜4.0mass%、
    P:0.02mass%以下、
    S:0.0030mass%以下、
    Al:0.05mass%以下、
    Ni:0.1〜1.2mass%および
    Ti:0.005〜0.030mass%
    を含有する鋼片に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施し、その後(Ac−50)〜(Ac+50)℃の温度域に加熱する連続焼鈍を施した後、10℃/s以上の冷却速度で350〜550℃の温度域まで冷却し、この温度域に15秒以上保持することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
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