JP2005001895A - 再生骨材の改質方法 - Google Patents
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
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Abstract
【課題】再生骨材を用いて再生コンクリートを製造する際に問題となるコンクリートの乾燥収縮を低減させる。
【解決手段】解体コンクリートを所定粒径に破砕して得た再生骨材を気乾状態となるように水分調整する。所定時間だけ水性シラン系吸水防止剤のエマルジョン溶液中に浸漬して表面被膜を形成する。槽内から再生粗骨材を取り出し後、骨材表面に形成させた被膜を乾燥させ、表面撥水性を有するように改質させる。これにより、この再生粗骨材を利用して製造したコンクリートの乾燥収縮を低減させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】解体コンクリートを所定粒径に破砕して得た再生骨材を気乾状態となるように水分調整する。所定時間だけ水性シラン系吸水防止剤のエマルジョン溶液中に浸漬して表面被膜を形成する。槽内から再生粗骨材を取り出し後、骨材表面に形成させた被膜を乾燥させ、表面撥水性を有するように改質させる。これにより、この再生粗骨材を利用して製造したコンクリートの乾燥収縮を低減させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は再生骨材の改質方法に係り、再生骨材を用いて再生コンクリートを製造する際に問題となるコンクリートの乾燥収縮を低減させることのできる再生骨材を提供する再生骨材の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、建設廃棄物処理の問題がクローズアップされている。建設廃棄物の中でも特にコンクリートがらと呼ばれる解体コンクリートのコンクリート廃材は発生量が多く、資源循環型のコンクリートリサイクルの確立が求められている。このため、従来のコンクリートがらの再利用の用途が種々検討されている。そのなかで、コンクリートがらを再生した骨材(以下、再生骨材)を利用した再生コンクリートの開発が多く進められている。
【0003】
一般に、再生骨材は、解体したコンクリート塊を破砕、粒度調整をして製造され、原骨材とそれに付着したセメントペースト・モルタル分(以下、付着モルタル)とからなる。再生骨材の表面に付着しているモルタルの品質が低下していたり、付着量が多い場合には、再生骨材自体の品質が低下し、コンクリート品質の1つの指標となる吸水率が3〜8%程度まで大きくなってしまう。このように普通骨材に比べて吸水率が大きく、すり減り減量が大きな再生骨材を使用した再生コンクリートは、施工性がある程度確保できても乾燥収縮が大きくなる。このため、使用する再生骨材の品質を一定に保つためにプレウェッティング等の前処理が必要な上、再生コンクリート製造時における水量の管理が難しくなるため、再生コンクリートの実用的な利用は拡大していなかった。
【0004】
これに対して、再生コンクリートの利用拡大と高品質化を図るために、加熱すりもみ法(特許文献1参照)やスクリュー磨砕法などの処理によって付着モルタルを可能な限り除去する試みがなされている。しかしながら、再生骨材製造コストや製造時の環境負荷等の観点から、通常の破砕方法で製造した再生骨材の品質を高め、乾燥収縮を十分低減させることのできる再生骨材の改質技術の開発が望まれている。
【0005】
また、再生骨材に残存する微細ひび割れに、ポゾラン反応性の液体を吸収させて再生骨材を利用したコンクリートの強度改善を図る研究もある(非特許文献1参照)。この研究によれば、コロイダルシリカの希釈溶液中に再生骨材を一定時間浸漬し、再生骨材の微細ひび割れ中に浸透したコロイダルシリカのポゾラン反応により閉塞することが期待され、強度改善が認められた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−2724公報[0004],[0010]記載。
【非特許文献1】
辻正哲他,土木学会第55回年次学術講演会,「コロイダルシリカを用いた再生骨材コンクリート強度の改善方法に関する研究」,平成12年9月,土木学会編,V−120
【0007】
ところが、上述の実験では再生骨材をコロイダルシリカの希釈溶液中に数十分のオーダーで浸漬しなければならず、実用的な再生骨材の改質方法として採用しにくいという問題がある。
【0008】
そこで、本提案の目的は、コンクリートがら等のコンクリート廃材から製造した、吸水率の大きい再生骨材を、実用的な条件下で改質でき、改質後の再生骨材を再生コンクリート等に使用した場合に、コンクリートの乾燥収縮を十分低減することができる再生骨材の改質方法を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は解体コンクリートを所定粒径に破砕して得た再生骨材を気乾状態とし、所定時間だけ浸透性吸水防止剤溶液中に浸漬して表面被膜を形成し、取り出し後骨材表面に形成させた被膜を乾燥させ、表面撥水性を有するように改質させることを特徴とする。
【0010】
このとき、前記浸透性吸水防止剤は、水性シラン系吸水防止剤のエマルジョン溶液とし、この溶液中に、前記再生骨材を、1秒〜10分だけ浸漬することが好ましい。
【0011】
特に、前記再生骨材としては、粒径5mm以上の粗骨材を対象とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の再生骨材の改質方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、再生骨材の改質方法の手順の作業フローチャートである。まず、建物等を解体して得られたコンクリート塊を、各種クラッシャ等の公知破砕手段、鉄筋除去手段を経て、所定粒径を有する再生骨材まで破砕する。本実施の形態では、再生骨材は粒径が5mm以上の再生粗骨材を対象とするものとして、以下の説明を進める。通常、再生粗骨材は吸水率が3〜8%程度にあるが、破砕後においても骨材表面にさまざまな品質のモルタル分等が付着しているため、モルタル分、骨材自体の状況により、骨材の吸水状態のバラツキが大きい。特に再生粗骨材が、完全な湿潤状態にある場合や表面乾燥状態以上の吸水状態にある場合、後述する浸透性吸水防止剤が骨材表面から内部に浸透できない場合がある。この状態を防止するため、再生粗骨材の吸水状態に応じて水分調整し、気乾状態とする。
【0013】
次いで、気乾状態の再生粗骨材を、浸透性吸水防止剤がエマルジョン状態で貯留された液槽内に所定時間浸漬し、表面から浸透性吸水防止剤を骨材の表層に浸透させる。その後、所定の乾燥時間をかけて骨材表面を乾燥させる。この浸透性吸水防止剤としては、水性シラン系吸水防止剤が好適である。水性シラン系吸水防止剤を用いた場合、骨材乾燥時に骨材表面を濡らした状態の浸透性吸水防止剤被膜のエマルジョンから水分が蒸発し、その結果、基材密着性の優れたシラノール基被膜が骨材表面に生成され、再生骨材の表面撥水性を高めることができ、結果、表面からの吸水をほとんど遮断することができる。
【0014】
再生骨材の浸透性吸水防止剤への浸漬時間は、ごく短い時間で、たとえば1秒程度から長くとも10分程度の範囲とし、また浸漬方法も、骨材全体を所定の短時間だけ浸透性吸水防止剤液に浸すだけのいわゆるどぶ漬け程度でよい。浸漬時間は1秒としたが、骨材全体に溶液が付着すれば骨材表面に被覆が十分形成される。一方、10分以上浸漬しても撥水効果の向上はほとんどみられず、しかもコンクリート骨材として利用した際に、コンクリートとの付着が不十分となるおそれがある。このため上述の時間範囲での浸漬が好ましい。なお、十分な浸漬時間を確保することで、骨材内に吸水防止剤を浸透させるとともに、骨材表面に安定した被膜を形成することができる。
【0015】
図2は、再生粗骨材を、無処理の場合と水性シラン系浸透性吸水防止剤に10秒間程度浸漬した場合における骨材吸水率の変化を示したグラフである。同図に示したように、再生粗骨材の表面状態、骨材品質にもよるが、再生粗骨材表面に被膜を形成させることにより、1〜3%程度の吸水率を低下させることができる。なお、グラフ中の骨材の区分において、低品質再生骨材とは、一般のコンクリートがらから得られた再生骨材をさし、高品質再生骨材とは上述した加熱すりもみ法によって製造された再生骨材をさしている。
【0016】
再生粗骨材は所定時間浸漬後に液槽から取り出した後、表面乾燥させる。この表面乾燥は骨材表面を覆う浸透性吸水防止剤の被膜エマルジョンの水分蒸発を促す目的で行うが、浸漬直後の濡れた状態での被膜エマルジョンは除去されてしまう可能性があるので、降雨に曝されない状態で1日以上自然乾燥させて被膜を骨材表面に定着させることが好ましい。これにより、再生骨材は撥水性を発揮させることができる。
【0017】
浸透性吸水防止剤被膜を有する再生粗骨材は、通常の天然骨材と同様の計量、混練りによりコンクリート骨材として使用することができる。図3は、浸透性吸水防止剤被膜処理を施した再生粗骨材と、無処理の再生粗骨材を用いて製造したコンクリートの乾燥収縮の経時変化性状を示したグラフである。同図に示したように、低品質再生骨材を使用した場合にも、浸透性吸水防止剤による被膜形成した再生骨材は、無処理の高品質再生骨材を使用した場合に比べても乾燥収縮ひずみを十分低減することが確認できた。
【0018】
【発明の効果】
以上に述べたよう、再生骨材を浸透性吸水防止剤に浸漬して被膜形成することで、骨材表面に撥水性を持たせることができ、これによりコンクリート製造に使用した際にも、吸水性を有しないので、適正な水量でのコンクリート製造が可能となり、コンクリートの乾燥収縮を確実に低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による再生骨材の改質方法の一実施の形態を示したフローチャート。
【図2】本発明の再生骨材の改質方法によって得られた再生粗骨材の吸水率の低減状態を示したグラフ。
【図3】本発明によって得られた再生粗骨材を用いて製造したコンクリートの乾燥収縮状態を、無処理骨材を用いた場合と比較したグラフ。
【発明の属する技術分野】
本発明は再生骨材の改質方法に係り、再生骨材を用いて再生コンクリートを製造する際に問題となるコンクリートの乾燥収縮を低減させることのできる再生骨材を提供する再生骨材の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、建設廃棄物処理の問題がクローズアップされている。建設廃棄物の中でも特にコンクリートがらと呼ばれる解体コンクリートのコンクリート廃材は発生量が多く、資源循環型のコンクリートリサイクルの確立が求められている。このため、従来のコンクリートがらの再利用の用途が種々検討されている。そのなかで、コンクリートがらを再生した骨材(以下、再生骨材)を利用した再生コンクリートの開発が多く進められている。
【0003】
一般に、再生骨材は、解体したコンクリート塊を破砕、粒度調整をして製造され、原骨材とそれに付着したセメントペースト・モルタル分(以下、付着モルタル)とからなる。再生骨材の表面に付着しているモルタルの品質が低下していたり、付着量が多い場合には、再生骨材自体の品質が低下し、コンクリート品質の1つの指標となる吸水率が3〜8%程度まで大きくなってしまう。このように普通骨材に比べて吸水率が大きく、すり減り減量が大きな再生骨材を使用した再生コンクリートは、施工性がある程度確保できても乾燥収縮が大きくなる。このため、使用する再生骨材の品質を一定に保つためにプレウェッティング等の前処理が必要な上、再生コンクリート製造時における水量の管理が難しくなるため、再生コンクリートの実用的な利用は拡大していなかった。
【0004】
これに対して、再生コンクリートの利用拡大と高品質化を図るために、加熱すりもみ法(特許文献1参照)やスクリュー磨砕法などの処理によって付着モルタルを可能な限り除去する試みがなされている。しかしながら、再生骨材製造コストや製造時の環境負荷等の観点から、通常の破砕方法で製造した再生骨材の品質を高め、乾燥収縮を十分低減させることのできる再生骨材の改質技術の開発が望まれている。
【0005】
また、再生骨材に残存する微細ひび割れに、ポゾラン反応性の液体を吸収させて再生骨材を利用したコンクリートの強度改善を図る研究もある(非特許文献1参照)。この研究によれば、コロイダルシリカの希釈溶液中に再生骨材を一定時間浸漬し、再生骨材の微細ひび割れ中に浸透したコロイダルシリカのポゾラン反応により閉塞することが期待され、強度改善が認められた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−2724公報[0004],[0010]記載。
【非特許文献1】
辻正哲他,土木学会第55回年次学術講演会,「コロイダルシリカを用いた再生骨材コンクリート強度の改善方法に関する研究」,平成12年9月,土木学会編,V−120
【0007】
ところが、上述の実験では再生骨材をコロイダルシリカの希釈溶液中に数十分のオーダーで浸漬しなければならず、実用的な再生骨材の改質方法として採用しにくいという問題がある。
【0008】
そこで、本提案の目的は、コンクリートがら等のコンクリート廃材から製造した、吸水率の大きい再生骨材を、実用的な条件下で改質でき、改質後の再生骨材を再生コンクリート等に使用した場合に、コンクリートの乾燥収縮を十分低減することができる再生骨材の改質方法を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は解体コンクリートを所定粒径に破砕して得た再生骨材を気乾状態とし、所定時間だけ浸透性吸水防止剤溶液中に浸漬して表面被膜を形成し、取り出し後骨材表面に形成させた被膜を乾燥させ、表面撥水性を有するように改質させることを特徴とする。
【0010】
このとき、前記浸透性吸水防止剤は、水性シラン系吸水防止剤のエマルジョン溶液とし、この溶液中に、前記再生骨材を、1秒〜10分だけ浸漬することが好ましい。
【0011】
特に、前記再生骨材としては、粒径5mm以上の粗骨材を対象とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の再生骨材の改質方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、再生骨材の改質方法の手順の作業フローチャートである。まず、建物等を解体して得られたコンクリート塊を、各種クラッシャ等の公知破砕手段、鉄筋除去手段を経て、所定粒径を有する再生骨材まで破砕する。本実施の形態では、再生骨材は粒径が5mm以上の再生粗骨材を対象とするものとして、以下の説明を進める。通常、再生粗骨材は吸水率が3〜8%程度にあるが、破砕後においても骨材表面にさまざまな品質のモルタル分等が付着しているため、モルタル分、骨材自体の状況により、骨材の吸水状態のバラツキが大きい。特に再生粗骨材が、完全な湿潤状態にある場合や表面乾燥状態以上の吸水状態にある場合、後述する浸透性吸水防止剤が骨材表面から内部に浸透できない場合がある。この状態を防止するため、再生粗骨材の吸水状態に応じて水分調整し、気乾状態とする。
【0013】
次いで、気乾状態の再生粗骨材を、浸透性吸水防止剤がエマルジョン状態で貯留された液槽内に所定時間浸漬し、表面から浸透性吸水防止剤を骨材の表層に浸透させる。その後、所定の乾燥時間をかけて骨材表面を乾燥させる。この浸透性吸水防止剤としては、水性シラン系吸水防止剤が好適である。水性シラン系吸水防止剤を用いた場合、骨材乾燥時に骨材表面を濡らした状態の浸透性吸水防止剤被膜のエマルジョンから水分が蒸発し、その結果、基材密着性の優れたシラノール基被膜が骨材表面に生成され、再生骨材の表面撥水性を高めることができ、結果、表面からの吸水をほとんど遮断することができる。
【0014】
再生骨材の浸透性吸水防止剤への浸漬時間は、ごく短い時間で、たとえば1秒程度から長くとも10分程度の範囲とし、また浸漬方法も、骨材全体を所定の短時間だけ浸透性吸水防止剤液に浸すだけのいわゆるどぶ漬け程度でよい。浸漬時間は1秒としたが、骨材全体に溶液が付着すれば骨材表面に被覆が十分形成される。一方、10分以上浸漬しても撥水効果の向上はほとんどみられず、しかもコンクリート骨材として利用した際に、コンクリートとの付着が不十分となるおそれがある。このため上述の時間範囲での浸漬が好ましい。なお、十分な浸漬時間を確保することで、骨材内に吸水防止剤を浸透させるとともに、骨材表面に安定した被膜を形成することができる。
【0015】
図2は、再生粗骨材を、無処理の場合と水性シラン系浸透性吸水防止剤に10秒間程度浸漬した場合における骨材吸水率の変化を示したグラフである。同図に示したように、再生粗骨材の表面状態、骨材品質にもよるが、再生粗骨材表面に被膜を形成させることにより、1〜3%程度の吸水率を低下させることができる。なお、グラフ中の骨材の区分において、低品質再生骨材とは、一般のコンクリートがらから得られた再生骨材をさし、高品質再生骨材とは上述した加熱すりもみ法によって製造された再生骨材をさしている。
【0016】
再生粗骨材は所定時間浸漬後に液槽から取り出した後、表面乾燥させる。この表面乾燥は骨材表面を覆う浸透性吸水防止剤の被膜エマルジョンの水分蒸発を促す目的で行うが、浸漬直後の濡れた状態での被膜エマルジョンは除去されてしまう可能性があるので、降雨に曝されない状態で1日以上自然乾燥させて被膜を骨材表面に定着させることが好ましい。これにより、再生骨材は撥水性を発揮させることができる。
【0017】
浸透性吸水防止剤被膜を有する再生粗骨材は、通常の天然骨材と同様の計量、混練りによりコンクリート骨材として使用することができる。図3は、浸透性吸水防止剤被膜処理を施した再生粗骨材と、無処理の再生粗骨材を用いて製造したコンクリートの乾燥収縮の経時変化性状を示したグラフである。同図に示したように、低品質再生骨材を使用した場合にも、浸透性吸水防止剤による被膜形成した再生骨材は、無処理の高品質再生骨材を使用した場合に比べても乾燥収縮ひずみを十分低減することが確認できた。
【0018】
【発明の効果】
以上に述べたよう、再生骨材を浸透性吸水防止剤に浸漬して被膜形成することで、骨材表面に撥水性を持たせることができ、これによりコンクリート製造に使用した際にも、吸水性を有しないので、適正な水量でのコンクリート製造が可能となり、コンクリートの乾燥収縮を確実に低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による再生骨材の改質方法の一実施の形態を示したフローチャート。
【図2】本発明の再生骨材の改質方法によって得られた再生粗骨材の吸水率の低減状態を示したグラフ。
【図3】本発明によって得られた再生粗骨材を用いて製造したコンクリートの乾燥収縮状態を、無処理骨材を用いた場合と比較したグラフ。
Claims (4)
- 解体コンクリートを所定粒径に破砕して得た再生骨材を気乾状態とし、所定時間だけ浸透性吸水防止剤溶液中に浸漬して表面被膜を形成し、取り出し後骨材表面に形成させた被膜を乾燥させ、表面撥水性を有するように改質させることを特徴とする再生骨材の改質方法。
- 前記浸透性吸水防止剤は、水性シラン系吸水防止剤のエマルジョン溶液であることを特徴とする請求項1に記載の再生骨材の改質方法。
- 前記再生骨材を、前記溶液中に1秒〜10分だけ浸漬することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生骨材の改質方法。
- 前記再生骨材は、粒径5mm以上の粗骨材を対象とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の再生骨材の改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163583A JP2005001895A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 再生骨材の改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163583A JP2005001895A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 再生骨材の改質方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001895A true JP2005001895A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34090661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003163583A Pending JP2005001895A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 再生骨材の改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005001895A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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