JP2005001701A - プラスチック製包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収容凹部2及びフランジ部3を有する複数個の小分けトレー4がそれらのフランジ部3によって接続されるとともに、それら小分けトレー4を接続しているフランジ部3に、断続するスリットSでなる分離用ミシン目Mが形成されたプラスチック製包装容器1であって、フランジ部3のミシン目Mが通る位置に略球面状凸部5が所要間隔おきに形成され、略球面状凸部5の頂部にミシン目Mの繋ぎ目が形成され、略球面状凸部5からフランジ部3の平坦面に至る連接部が、滑らかな曲面によって形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍食品等を収容する小分けトレーの複数個をミシン目によって分離可能に接続したプラスチック製包装容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のプラスチック製容器は、一般に、複数の小分けトレーをフランジ部に設けたミシン目によって接続している。そして、持ち上げた時にミシン目のところで折れ曲がりにくくするため、ミシン目を波形にしたもの(例えば、特許文献1参照)、或いは、フランジ部にリブを形成しているものがある(例えば、特許文献2〜6参照)。このうち、リブを形成したものは、ミシン目のところで折れ曲がりにくくする効果に加えて強度を向上させる効果を併せ持つ。この種のプラスチック製包装容器は、製造される際、プラスチック材を型成形した後、ミシン目用カット刃によって分離用ミシン目が形成される(例えば、特許文献6参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−301632号公報
【0004】
【特許文献2】
特許第3101576号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2000−296829号公報
【0006】
【特許文献4】
特開平11−321838号公報
【0007】
【特許文献5】
特開平11−227735号公報
【0008】
【特許文献6】
実用新案登録第3055599号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のようなリブを形成したものは、保形性と耐折れ曲がり性に優れるが、次のような問題があった。
【0010】
この種のプラスチック製包装容器は、製造される際、プラスチック材を型成形した後、ミシン目用カット刃によって分離用ミシン目を形成するが、ミシン目形成時にミシン目用カット刃がリブの角に当たる際に、リブの角のところで変形又は型くずれし、或いはミシン目が不揃いとなることがあった。
【0011】
ミシン目は、プラスチック等で形成され刃の通るスリットが形成された支持台上に、収容凹部を上にしフランジ部を下にした状態で、上方から、一定間隔毎にスリットを有するたミシン目用カット刃を、下降させることによって形成される。
【0012】
しかしながら、図7に示すように、リブ10の角にミシン目用カット刃Nの刃先が当たる際、角の頂点に該刃先による外力が集中し、素材の許容応力を超えるために、上記した変形、型くずれ、及びこれらの変形及び型くずれに伴うミシン目の不揃い(直線からずれる不揃い)が生じると考えられる。なお、図7では、斜めの刃先を有するミシン目カット刃を例として説明したが、刃先が水平方向に揃うものでも同様である。
【0013】
そこで、本発明は、ミシン目形成時において、ミシン目用カット刃が当たっても、変形、型くずれ、或いはミシン面の不揃いが生じ難い形状を有するプラスチック製包装容器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、収容凹部及びフランジ部を有する複数個の小分けトレーがそれらのフランジ部によって接続されるとともに、それら小分けトレーを接続しているフランジ部に、断続するスリットでなる分離用ミシン目が形成されたプラスチック製包装容器であって、前記フランジ部の前記ミシン目が通る位置に略球面状凸部が所要間隔おきに形成され、該略球面状凸部の頂部に前記ミシン目の繋ぎ目が形成され、前記略球面状凸部から前記フランジ部の平坦面に至る連接部が、滑らかな曲面によって形成されていることを特徴とするプラスチック製包装容器によって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態について以下に図1〜6を参照して説明する。なお、従来技術を含め、全図を通し、同様の構成部分には同符号を付した。
【0016】
プラスチック製包装容器1は、収容凹部2及びフランジ部3を有する複数個の小分けトレー4が各々のフランジ部3で接続されている。フランジ部3には、断続するスリットで形成された分離用ミシン目Mが形成されている。
【0017】
フランジ部3のミシン目Mが通る位置に、略球面状凸部5が所要間隔おきに形成されている。図3に拡大して示すように、ミシン目Mの繋ぎ目Jは、略球面状凸部5の頂部に形成されている。図4に逆向きで拡大して示すように、略球面状凸部5からフランジ部3の平坦面に至る連接部6は、滑らかな曲面によって形成されており、略球面状凸部5とフランジ部3の平坦部との間に角が無いことが重要である。
【0018】
上記構成を有するプラスチック製包装容器1では、ミシン目Mを形成する際に、従来のような変形、型くずれ、ミシン目の不揃い等の不具合が解消されており、それは後述する理由によるものと考えられる。
【0019】
ミシン目を形成する際、図4に示すように、上方からミシン目用カット刃Nを下降させると、略球面状凸部5からフランジ部3の平坦部に至る連接部6にミシン目用カット刃Nの刃先が当たる際、連接部6が曲面で形成され且つ略球面状凸部5も略球面によって形成されているので、図4に仮想線で示すように、連接部6に撓みが生じるとともに、ミシン目用カット刃Nの刃先と線接触に近似する接触をすると考えられる。そのため、従来のようなリブの角において点接触状に接触する場合に比べて、ミシン目用カット刃Nの刃先から連接部6に加えられる内部応力が減少すると考えられる。更に、ミシン目用カット刃Nの刃先と連接部6とは、接触始めは点接触状の接触であると考えられるが、撓みによって線接触状の接触に移行し、その移行の際にミシン目用カット刃Nの刃先と連接部6との間に滑りが生じ、その滑りによって切れやすく作用すると考えられる。
【0020】
略球面状凸部5は、その最大外径L(図5参照)は、ミシン目Mによって接続されているフランジ部3の全幅Wより小さく、即ち、ミシン目Mによって接続されているフランジ部3の幅W内に収まる大きさに形成されている。例えば図6に平面図で示すように、略球面状凸部5’の最大外径Lがフランジ部3の幅Wより大きいと、フランジ部3、略球面状凸部5、及び収容凹部2の側壁とが交わる部位に鋭角な角Kが出来てしまい、ミシン目加工の際に応力集中によって変形等を生じる要因となるからである。
【0021】
また、略球面状凸部5の曲率半径R(図4参照)は、最大外径Lの1/2値(即ち、L/2に相当する。)に対して1.2〜2.0倍の大きさとすることが好ましい。曲率半径Rが、最大外径Lの1/2値(=L/2)に対して1.2倍より小さくなると、略球面状凸部5の最大高さH(図4)が大きくなることによって、略球面状凸部5とフランジ部3の面とのなす角度αが小さくなり、上記したミシン目用カット刃Nとの線接触状接触による効果が減少する。一方、曲率半径Rが、最大外径Lの1/2値(=L/2)に対して2.0倍より大きくなると、略球面状凸部5の最大高さHが小さくなるため、上記従来の技術において説明した、耐折れ曲がり性が減少することになるからである。
【0022】
すなわち、ミシン目Mの繋ぎ目Jが略球面状凸部5の頂部に形成されていることは、従来と同様、持ち上げた時にミシン面Mところで折れ曲がりにくくする耐折れ曲がり性を付与するためのである。
【0023】
ただし、本発明に係るプラスチック製包装容器では、略球面状凸部5の頂部にのみミシン目の繋ぎ目Jを形成し、それ以外の箇所には繋ぎ目を形成しないこととしている。それによって、図5(b)のX方向への曲げモーメントに対しては折れ曲がりにくくなっており、略球面状凸部5を上側にしてプラスチック製包装容器1を持ち上げた時にはミシン目のところで折れ曲がりにくくなっている。
【0024】
しかしながら、図2に示すように、その逆向きの曲げモーメントが外部から付与されたときには折れ曲がりやすくなっており、従って、略球面状凸部5を下側にしてプラスチック製包装容器1を持ち上げた時にはミシン目Mのところで折れ曲がれ易くなっている。
【0025】
これは、プラスチック容器1に冷凍食品等が収容されて商品として店頭に並んでいるときは、内容物が見えるようにするために略球面状凸部5が上側になって並べられ、消費者は略球面状凸部5が上側になっている状態で小分けトレー4の一つのフランジ部3を指で摘むことにより手に取って見るのが通常であるから、その状態でミシン目Mのところで折れ曲がりにくくしておく必要がある。
【0026】
一方、逆向きの状態では、ミシン目Mの繋ぎ目が切れなければ、折れ曲がっても良く、繋ぎ目の数を減らすことができるので切り離し易くすることができる。なお、前記逆向きの状態でも、収容凹部に冷凍食品等が収容されていない状態であれば、本体自体が軽量であるので、持ち上げただけでミシン目のところで折れ曲がることはない。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るプラスチック製包装容器によれば、ミシン目形成時において、ミシン目用カット刃が当たっても、変形、型くずれ、或いはミシン面の不揃いが生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック製包装容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のプラスチック製包装容器を折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図3】図1のプラスチック製包装容器の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1のプラスチック製包装容器の構成要素である略球面状凸部を、ミシン目用カット刃とともに拡大して示す縦断面図である。
【図5】図1のプラスチック製包装容器を示し、図5(a)は平面図、図5(b)は正面である。
【図6】本発明とは異なる態様の略球面状凸部を示す平面図である。
【図7】従来のプラスチック製包装容器のリブをミシン目用カット刃とともに拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック製包装容器
2 収容凹部
3 フランジ部
4 小分けトレー
5 略球面状凸部
6 連接部
S スリット
M ミシン目
Claims (1)
- 収容凹部及びフランジ部を有する複数個の小分けトレーがそれらのフランジ部によって接続されるとともに、それら小分けトレーを接続しているフランジ部に、断続するスリットでなる分離用ミシン目が形成されたプラスチック製包装容器であって、
前記フランジ部の前記ミシン目が通る位置に略球面状凸部が所要間隔おきに形成され、該略球面状凸部の頂部に前記ミシン目の繋ぎ目が形成され、前記略球面状凸部から前記フランジ部の平坦面に至る連接部が、滑らかな曲面によって形成されていることを特徴とするプラスチック製包装容器。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2003165987A JP4200296B2 (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | プラスチック製包装容器 |
Publications (2)
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ID=34092273
Family Applications (1)
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JP2003165987A Expired - Lifetime JP4200296B2 (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | プラスチック製包装容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4200296B2 (ja) |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003165987A patent/JP4200296B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP4200296B2 (ja) | 2008-12-24 |
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