JP2005001433A - 棚下作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転操作が簡単で、誤操作をしにくく、衝突や転倒の危険を低減して安全性を向上させると共に方向転換等の機動性を向上させた棚下作業車を提供する。
【解決手段】棚下作業車(A)は、人力による走行が可能であり、ハンドル(24)で操縦される前輪(21)と、駆動車輪である後輪(41)を備えている。ハンドル(24)は角度調整により後部側の高さが調整可能である。後輪(41)は、足漕ぎペダル(36)によって正逆方向に駆動可能で、前進後進が可能である。後輪(41)の車軸(40)には、差動歯車装置を備えている。座席(33)は、高さ、前後の位置及び水平方向の向きが調整可能である。座席(33)と足漕ぎペダル(36)の間隔は調整可能であり、座席(33)は足漕ぎペダル(36)との間隔を維持したまま昇降調整できる。
【選択図】 図1
【解決手段】棚下作業車(A)は、人力による走行が可能であり、ハンドル(24)で操縦される前輪(21)と、駆動車輪である後輪(41)を備えている。ハンドル(24)は角度調整により後部側の高さが調整可能である。後輪(41)は、足漕ぎペダル(36)によって正逆方向に駆動可能で、前進後進が可能である。後輪(41)の車軸(40)には、差動歯車装置を備えている。座席(33)は、高さ、前後の位置及び水平方向の向きが調整可能である。座席(33)と足漕ぎペダル(36)の間隔は調整可能であり、座席(33)は足漕ぎペダル(36)との間隔を維持したまま昇降調整できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は棚下作業車に関するものである。更に詳しくは、梨や葡萄等の果樹棚の下で行う、例えば芽かき、摘心、誘引、摘房、摘粒、笠かけ、袋掛け、収穫、運搬等の作業において、操作が容易で安全性に優れ、作業者にかかる身体的負担を軽減することができる棚下作業車に関する。
【0002】
【従来技術】
梨や葡萄等の棚栽培においては、各種作業、例えば、芽かき、摘心、誘引、摘房、摘粒、笠かけ、袋掛け、収穫、運搬等の作業が行われている。
これらの作業は、いずれも果樹棚の下で行う手作業であり、作業者は顔を上向きにし、腕を肩より上に上げ、更に、棚の高さによっては中腰になる等、相当に無理な姿勢で行われている。
このため、作業者の首、腕肩、腰及び足等には大きな負担がかかり、疲労度は極めて高かった。
【0003】
そこで、棚下作業において作業者にかかる身体的な負担を軽減するために、従来より電動式の棚下作業車が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−298750号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−256523号公報
【0006】
これらの棚下作業車は、作業者が、車体フロアの上面に設けられた座席に座ったまま作業を行うことができるようにして、作業姿勢の改善を図るものである。更に、手作業をしながら作業車の移動や方向転換ができるように、前進、後退、旋回等を足によるスイッチ操作で行うことができるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献1及び2記載の電動式の棚下作業車には次のような課題があった。
すなわち、棚下作業車の使用対象地となる果樹園等の地面は、平坦なところばかりでなく、むしろ凹凸があったり傾斜しているところが多い。従って、モーターやバッテリーを備えており相当な重量を有する電動式の棚下作業車は、特に地面が柔らかい場合等、スムーズに移動することが難しい。
また、重量が重いため、傾斜地等で誤って転倒させてしまうと、作業者が下敷きになって怪我をする危険性が極めて高く、運転操作には十分な注意を要する。
【0008】
足でスイッチ操作することによる運転操作は、手操作に比べて加減が難しく、しかも足操作によって直に動かすわけではなく、モーターの駆動力を利用するので、棚下作業車に誤って作業者の意に反する動きをさせてしまい、衝突や転倒してしまう危険性も大きい。
また、棚下作業において作業をしやすくするためには、前後進だけでなく、その場で回転(ターン)するような動きも必要であるが、従来の作業車ではこのような動きはできない。
【0009】
更に、座席の高さを調整すると、座席と足操作スイッチの距離が変化してしまう構造であり、座席の高さは作業がしやすい高さに調整できても、足が窮屈であったり届きにくくなるというような不都合が生じやすい。また、このように運転操作がしにくいことが、上記したように操作を誤って棚下作業車に作業者の意に反する動きをさせてしまう要因の一つともなっている。
【0010】
作業者は、座席に座って、体格に合わせた高さで作業を行うようになっているので、首や足、腰にかかる身体的負担は解消されているが、作業中は腕を常に上に上げておかなければならないので、腕及び肩にかかる負担が大きいという点は本質的には改善されていない。
【0011】
そして、一台当たりの価格が高価であり、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するには、経済的負担が大きすぎる。
【0012】
(本発明の目的)
本発明の目的は、梨や葡萄等の棚栽培において使用される棚下作業車であって、運転操作が簡単で、誤操作をしにくく、衝突や転倒の危険を低減して安全性を向上させた棚下作業車を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性を向上させ、凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面において移動しやすいようにした棚下作業車を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、棚下における作業中は常に上に上げておかなければならない腕及び肩にかかる身体的負担を解消し、作業者の疲労をより低減できるようにした棚下作業車を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、低価格化することによって、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も、比較的導入しやすいようにした棚下作業車を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と、
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
座席とペダルとの位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席とペダルとの位置関係を保ったままで地面からの座席の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0017】
第2の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構を設け、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0018】
第3の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構を設け、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
座席とペダルとの位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席とペダルとの位置関係を保ったままで、地面からの座席の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0019】
第4の発明にあっては、
ペダルの回転軸は、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあることを特徴とする、
第1、第2または第3の発明に係る棚下作業車である。
【0020】
第5の発明にあっては、
肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段(24)を備えていることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る棚下作業車である。
【0021】
車輪が三輪の配置は、例えば作業車の前部に一輪、後部に二輪の構成でもよいし、逆に作業車の前部に二輪、後部に一輪の構成でもよい。操縦される車輪は、前部側の車輪でもよいし、後部側の車輪でもよく、また、一輪側でもよいし二輪側でもよい。
なお、本明細書にいう「操縦」の用語は、進行方向を変えるために操作または操舵する意味で使用している。
【0022】
本明細書にいう「ペダル」とは、いわゆる足漕ぎ式のペダルであり、ペダルを回転させる回転式の他、前後揺動式または上下揺動式のものも採用できる。また、ペダルが回転式の場合では、スプロケットとチェーンを介して駆動車軸に動力を伝える構造の他、例えばチェーンではなくドライブシャフトを使用した構造、あるいはギヤとタイミングベルトを使用した構造等が採用できる。
【0023】
差動歯車機構が設けられる車軸は、駆動側の車軸であってもよいし、従動側の車軸であってもよい。また、操縦側の車輪であってもよいし、操縦しない側の車輪であってもよい。
【0024】
(作用)
本発明に係る棚下作業車は次のように作用する。
棚下作業車を棚下作業に使用する場合、まず、座席の高さを調整し、作業者が棚下で作業しやすい高さに設定する。棚下作業車は、ペダルを使用した動力伝達機構を足操作して直接駆動することにより、前後方向に走行できるようになっているので、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作しにくい。
【0025】
足踏み位置調整機構と高さ調整機構を備え、座席とペダルの間隔が調整可能であり、座席はペダルとの間隔を維持したままで昇降調整できるよう構成してあるものは、座席の高さを変える際、座席とペダルとの間隔を、その作業者に適した間隔に維持したままで調整できる。
従って、例えば場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、ペダルと遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0026】
棚下作業車は、従来の作業車と相違して、重量が重く高価なモータやバッテリーあるいはそれらの制御装置等を使用しない構造である。従って、構造が簡単であると共に、作業車の軽量化が可能になり、低価格で製造できる。
また、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性が向上し、棚下作業車は凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてもスムーズな移動が可能になる。更に、低価格化できるので、例えば、標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も比較的導入しやすい。
【0027】
左右に配置された車輪間に差動歯車機構を備えているものは、両車輪の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
これにより、棚下作業時に、作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
【0028】
また、上記理由から、差動歯車機構を備えている側の両車輪の間隔をより広く設定することが可能になる。両車輪の間隔を広く設定すれば、棚下作業車の走行時の安定性及び停止時の安定性を向上させることができ、走行時あるいは作業時において転倒する危険を低減できる。また、座席の調整によって、作業者が座ったときに多少重心の位置が高くなったとしても、安定性を維持しやすい。
【0029】
ペダルの回転軸は、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあるものは、例えば動力伝達機構にチェーンを使用している場合では、座席の高さを変えるときの調整の前後においてチェーンの張り(または弛み)に差が生じにくい。
従って、チェーンに適度な張りを付与するテンション付加装置を簡単な構造にすることができる等、チェーンの張りを維持調整するための制御がしやすい。また、前後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0030】
肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段を備えているものは、肘受け手段の高さを作業しやすい所要の高さに調整し、作業者は肘を載せて作業することができる。これにより、腕、肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る棚下作業車の一実施の形態を示す斜視図、
図2は棚下作業車の右側面図、
図3は棚下作業車の上面図、
図4は棚下作業車の正面図、
図5は棚下作業車の背面図、
図6はガススプリング装置によって座席を上昇させた状態の説明図、
図7は座席構造を示し、(a)は左側面図、(b)は背面図、
図8はチェーンの掛け構造を示し、(a)は前進している状態の説明図、(b)は後進している状態の説明図である。
なお、以下の説明では、前輪22が設けられている側(正面側)を前部とし、これを基準として方向や位置を説明する。
【0032】
棚下作業車Aは、フレーム1、フレーム1の前部に設けてある操縦部2、フレーム1の中間部に設けてある座席調整部3、フレーム1の後部に設けてある走行駆動部4を備えている。
(フレーム1)
フレーム1は金属製であり、前後方向に設けられ中間部分が低くなるよう形成された主部材10を有している。
主部材10の前端部には、上下方向にハンドル軸受11が設けてあり、ハンドル軸受11には、後述するようにハンドル軸20が装着される。
【0033】
主部材10の中間部分には、上下方向にガイド支柱部材12が設けてある。ガイド支柱部材12は角管状(横断面形状が四角形)であり、上端部は開口し、上部側が後方へやや傾斜して形成してある。ガイド支柱部材12の下部側には、上下方向に等間隔で複数箇所(本実施の形態では三箇所)にピン孔16(図8参照)が設けてある。ピン孔16は、後述するように、ガススプリング装置300を所要高さで固定するためのものである。
なお、ガイド支柱部材12の傾斜角については、後述するチェーン駆動構造の説明において詳しく述べる。
【0034】
主部材10の後端部には、車輪取付部材13が設けてある。車輪取付部材13は、左右両側が前方へ伸ばされ、各先端部は左右両方向へ更に伸ばされて、ステップ14が設けてある。ステップ14は、車輪取付部材13の先端部に、ゴム製の滑止部材(符号省略)を装着して構成してある。ステップ14は、棚下作業車Aを停止させて作業する際、例えば作業者が身体の向きを変えるようなとき、あるいは後述するようにガススプリング装置300により座席33を昇降させる操作を行うとき等に、足を載せて身体を安定させるための足置きとなる。
【0035】
車輪取付部材13の左右両側の下側及び主部材10の下側には、それぞれ軸受17(図4、図5参照)が合計三箇所に設けてある。各軸受17には、後述する後輪41の車軸40が取り付けられる。また、符号15は、車輪取付部材13と主部材10を連結し補強する補強部材であり、上下動の際の支えとなる。
【0036】
(操縦部2)
フレーム1の前端部には、操縦部2が設けてある。操縦部2は、上記したように、主部材10のハンドル軸受11に装着してある金属製のハンドル軸20を有している。ハンドル軸20の下部にはフォーク21が設けてあり、フォーク21には操縦輪となる前輪22が取り付けてある。
【0037】
ハンドル軸20の上部側は、入子構造となっており、円管で形成されたガイド管201の上部に六角管で形成された調整管202がスライド可能に挿通してある。調整管202は、ガイド管201の側部を貫通して設けられたノブボルト203の締め付けによって任意の高さで固定が可能である。これにより、ガイド管201と調整管202の軸周方向のずれ(回転)も止めることができる。
また、ハンドル軸20の上部前部側には、スチール製の篭29が取り付けてある。なお、篭29以外に、例えばフレーム1の補強部材15後部に篭を設けて、収穫時の収容量を増やすこともできる。
【0038】
ハンドル軸20の上端部には、水平方向に軸受管23(図1、図3に図示)が設けてある。軸受管23には、金属製のハンドル24が上下方向の角度調整ができるようにして取り付けてある。ハンドル24は、各角部を円弧状に形成したほぼ長方形状の枠状に形成してあり、後述するように作業者が作業中に肘を載せるための肘受け手段を構成する。
ハンドル24の後部側の約半分は、発泡プラスチック製の緩衝部材25で被覆されている。緩衝部材25は、作業者がハンドル24の後部側に肘を載せたときに痛くないようにするものである。
【0039】
符号200はブレーキレバー(図2、図4参照)であり、ブレーキ(符号省略)は上記前輪22を制動する内拡式構造(公知構造であるので、詳細については説明を省略する)である。なお、ブレーキ(制動装置)の構造は、特に限定しない。例えば、ハンドルに設けたレバーの操作により車輪の回転を止めるようにしたもの、あるいは地面に棒体を突き刺すようにしたもの等の採用または併用が可能である。
【0040】
ブレーキレバー200はロックレバー204によるロック式であり、操作後はロックして制動状態を維持できる。また、ブレーキは、ロックレバー204によるロックの解除により、通常の使用ができる。なお、ブレーキの構造は上記構造に限定されるものではなく、公知技術を含む他の構造も採用できる。
【0041】
ハンドル24の取付構造の詳細は次のとおりである。
軸受管23の一端側には、金属製で扇形の板体であるガイド板26が縦方向に固着されている。ガイド板26には、後部縁の円弧部分に沿うようにガイド長孔260が設けてある。
また、ハンドル24のうちガイド板26のごく近い位置には、ガイド板26と擦れ合って移動できるように、金属製の係止板27が固着して設けてある。
【0042】
係止板27の先端部は、ガイド板26の後部縁まで伸ばされている。係止板27の先部には、ガイド長孔260を貫通してガイド板26と係止板27を締付固定できる固定具28(図2、図3、図5参照)が設けてある。
なお、係止板27の角度は、ハンドル24が水平のときに固定具28がガイド長孔260の下端部に位置するように設定されている。これにより、ハンドル24の角度は、水平状態からほぼ垂直になる範囲で調整可能である。
【0043】
(座席調整部3)
フレーム1の中間部には、上記ガイド支柱部材12を含み構成される座席調整部3が設けてある。座席調整部3は、ガイド支柱部材12にスライド可能に外嵌めされる角管状の支持部材30を有している。支持部材30は、ガイド支柱部材12よりやや長くなるよう設定してある。
【0044】
ガイド支柱部材12の内部には、ガススプリング装置300(図6参照)が内蔵されている。ガイド支柱部材12の下部側には、上記したようにピン孔16が複数設けてあり、固定用ピン31を所要のピン孔16に差し込むことにより、ガススプリング装置300を所要の高さに固定できる。
【0045】
ガススプリング装置300のロッド301の先端部には、上記支持部材30の上部がボルト(符号省略)で固定してある。そして、支持部材30は、上部側に設けてある操作レバー39によって昇降操作が可能であり、これにより、後述する座席33の高さが調整できる。
なお、この機構部と、次に説明する足漕ぎペダル36の取付構造は、座席33とペダル36との位置関係を保ったままで地面からの座席33の高さを調整できる高さ調整機構を構成する。
【0046】
支持部材30の下端部には、前方へほぼ水平に突出して、ペダル取付部材35が設けてある。ペダル取付部材35の先端部の軸受350(図3参照)には、回転式の足漕ぎペダル36が取り付けてある。足漕ぎペダル36の回転軸360には、スプロケット361が設けてある。スプロケット361と後述するスプロケット42の間には、チェーン44が掛けてある。
【0047】
なお、支持部材30を案内するガイド支柱部材12の角度は、ガイド支柱部材12の高さ方向の各点(足漕ぎペダル36の回転軸360の高さ調整範囲内)において、後述する駆動車軸40との距離が本質的に同じになるように設定してある(ガイド支柱部材12が直線的であるので、厳密には同一にならない)。
【0048】
これにより、座席33を昇降調整するときに、足漕ぎペダル36の回転軸360が、後述する駆動車軸40との距離を半径とし、駆動車軸40を中心とする円弧に本質的に沿うように(具体的には、接線方向または接線方向と平行な方向に)昇降移動できる。
従って、座席33の高さ調整の前後においてチェーン44の張り(または弛み)に差が生じにくい(変動幅が比較的小さい)ので、チェーン44にテンションを付与する装置(後述するテンションプーリ装置47)も簡単な構造とすることができる。また、前進、後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0049】
支持部材30上部の後部側には、角管状のガイド部材37が沿うように固着してある。ガイド部材37の上部側には、角管状の後部側支持部材38がスライド可能に内嵌めしてある。ガイド部材37の上部には、左右方向に貫通して固定用ピン370が抜き差し可能に設けてある。
【0050】
また、後部側支持部材38には、ピン孔380が長さ方向へ等間隔で所要数(本実施の形態では三箇所)設けてあり、固定用ピン370を所要のピン孔380に差し込むことにより、後部側支持部材38を所要の高さに固定できる。
なお、この機構部は、座席33とペダル36との位置関係を調整する足踏み位置調整機構(または足漕ぎ位置調整機構)を構成する。
【0051】
後部側支持部材38の上端部には、ガイド台部材32がほぼ水平になるよう取り付けてある。ガイド台部材32には、座席33が前後方向の位置の調整ができるようにして取り付けてある。
詳しくは、座席33の下部に設けてある移動体34がガイド台部材32に前後方向にスライドできるようにして取り付けてある。
【0052】
ガイド台部材32の一方の側部には、左右方向に貫通して、バネ321で付勢された固定用ピン320(いずれも図7に図示)が抜き差し可能に設けてある。また、移動体34には、ピン孔340が前後方向へ等間隔で所要数(本実施の形態では三箇所)設けてあり、固定用ピン320を所要のピン孔340に差し込むことにより、座席33を所要の前後位置に固定できる。
【0053】
また、移動体34の後部側には軸受管341が設けてあり、座席33の下部側には、軸受管341に回転可能に挿通される回転軸330が設けてある。座席33は、軸受管341に回転軸330を中心として軸周方向に回動できるようにして取り付けてあり、ノブボルト331によって所要の回動位置で固定できる構造である。これにより、座席33は、水平方向の向きを作業がしやすい方向へ向けることができる。
【0054】
なお、ノブボルト331はややきつく締め付けてあり、ボルト先端部と回転軸330表面との摩擦力により座席33の回転に適度な抵抗を与えるようにしている。これによれば、足漕ぎペダル36を漕いで走行しているときに座席33が動いて漕ぎにくくなることが防止できる。また、座席33の水平方向の向きを調整するときも、ノブボルト331を緩めてまた締めるという面倒な操作をしなくても、抵抗力に抗してそのまま回せば簡単に調整できる利点がある。
【0055】
上記したように、座席33は、高さと水平方向の位置、向きの調整が可能な構成である。その調整手段については上記に限定するものではなく、公知の各種手段が採用できる。
【0056】
(走行駆動部4)
フレーム1の後部側には、走行駆動部4が設けてある。走行駆動部4は、車輪取付部材13の両軸受17に設けてある車軸40を有している。車軸40の両端部には、駆動車輪となる後輪41が固着して取り付けてある。各後輪41は、上記前輪22より太くしてあり、更に外周部に滑り止めのためのラグ410が等間隔で設けてある。
この構造により、地面が柔らかい場合でも、車輪が沈み込むことを防止でき、走行しやすくなる。なお、前輪22を後輪41と同様に太くしたり、二輪ある後輪41側を前輪22より細くした構造とすることもできる。また、各車輪22、41の直径も特に限定するものではなく、適宜設定可能である。
【0057】
また、車軸40には、上記足漕ぎペダル36のスプロケット361と相対する位置に、スプロケット361より径大(歯数が多い)のスプロケット42が固着して取り付けてある。なお、スプロケット361、42の歯数の差による減速比は特に限定するものではなく、適宜設定可能である。
上記したように、スプロケット361とスプロケット42間にはチェーン44が掛けられている。これにより、足漕ぎペダル36を正逆方向に回転させることによって、前進、後進が可能である。
【0058】
スプロケット42の両側部には、チェーン44が外れないようにする円板状の側部材43、43aが取り付けてある。符号46は、チェーン44の外側をカバーするチェーンカバーである。なお、動力伝達機構は、足漕ぎペダル36、スプロケット361、スプロケット42、及びチェーン44で構成されている。
【0059】
また、図8に示すように、スプロケット42より外側には、テンションプーリ装置47が設けてある。テンションプーリ装置47は、車軸40の右回転軸401に上下方向に回動可能に設けてある揺動体470、471を有している。揺動体470、471のそれぞれの先端部にはローラ472、472aが設けてある。
揺動体470、471のそれぞれの中間部間には、ねじりコイルバネ473が掛けてあり、各ローラ472、472aでスプロケット42近傍のチェーン44を外側から内方へ押さえてテンションをかけるようにしている。
【0060】
車軸40は、右側の後輪41に固着してありスプロケット42が固着してある右回転軸401と、左側の後輪41に固着してある左回転軸402(いずれも図5参照)により構成され、各軸間には、スプロケット42が固着してある差動歯車装置45(図5参照:ディファレンシャルギヤ:differentialgear)が介在させてある。
差動歯車装置45によれば、両後輪41の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができる。
【0061】
(作 用)
図9は棚下作業車の使用状態を示す説明図である。
図1ないし図9を参照して、本実施の形態に係る棚下作業車Aの作用を説明する。
【0062】
まず、棚下で作業する場合、作業者の体格に合わせて、棚下作業車Aの座席33の位置を調整する必要がある。棚下作業車Aにおいては、この位置の調整には、二種類ある。すなわち、▲1▼座席33と足漕ぎペダル36との間隔の調整、▲2▼座席33の地面からの高さの調整である。
上記▲1▼は、走行時にペダルを漕ぐ際の作業者の姿勢に関係するものである。また、上記▲2▼は、言い換えれば座席33と棚の間隔の調整であり、棚下で作業をする際の作業者の姿勢に関係するものである。
【0063】
上記▲1▼の調整は次のように行う。固定用ピン370を抜いて後部側支持部材38を上下に調整し、座席33の高さを決めて固定用ピン370を所要のピン孔380に係止し、作業者の体格に合わせて座席33と足漕ぎペダル36との間隔を調整する。
また、必要に応じて、固定用ピン320を所要のピン孔340に差し込んで座席33の前後位置を調整し、座席33の水平方向の向きを調整する。
【0064】
上記▲2▼の調整は、操作レバー39を操作して行う。座席33を高くしたいときは、例えば図2に示すように座席33が下がった状態から操作レバー39を上へ引いて操作すると、ガススプリング装置300が作動し、ロッド301が伸びて、座席33の高さは一定の範囲で無段階に調整できる(図6参照)。
【0065】
また、座席33を低くしたいときは、作業者が座席33に腰掛ける等して荷重をかけ、操作レバー39を上へ引いて操作する。この場合も同様に無段階に調整可能である。
更に、ガススプリング装置300のガイド支柱部材12に対する固定高さを変えれば、座席33の最低位置と最高位置の調整が可能であり、体格の異なる作業者に対し、より柔軟に対応できる。
【0066】
このとき、上記したように座席33の高さ調整の前後において、チェーン44の張り(または弛み)に差が生じにくい。更に、テンションプーリ装置27によりチェーン44に所要の張力が付与されていることとも相まって、前進、後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0067】
また、上記したように座席33と足漕ぎペダル36の間隔が調整可能であり、更に、座席33は足漕ぎペダル36との間隔を維持したままで昇降調整できる。従って、場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席33の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、逆に足漕ぎペダル36と遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0068】
そして、棚下作業車Aは、足漕ぎペダル36を使用し、足操作によって後輪41を駆動することにより人力で前後進走行できるようになっている。すなわち、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作もしにくい。従って、棚下で走行する場合において衝突や転倒の危険を低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0069】
棚下作業車Aは、重量が重く高価なモータやバッテリー等を使用しないので、構造が簡単であると共に軽量であり低価格で製造できる。
軽量であることにより、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性を向上させることができ、凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてスムーズな移動が可能になる。また、万一転倒しても、怪我をする危険を低減することができる。
更には、低価格であることにより、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も、比較的導入しやすい。
【0070】
また、棚下作業車Aは、後輪41が設けてある側の車軸40に差動歯車装置45を備えている。差動歯車装置45を備えることにより、走行時において、両後輪41の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御される。
すなわち、進路を変える場合に、外輪側が速く回り、内輪側が遅く回って、スムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
また、棚下作業時に、棚下作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
【0071】
また、棚下作業車Aを止めて作業を行う際、固定具28を操作し、ハンドル24の角度を調整して、ハンドル24後部側の高い部分に作業者が肘を載せて作業することができる(図9参照)。
これによれば、作業しやすい所要の高さに調整されたハンドル24後部に作業者が作業中に肘を載せることにより、腕や肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【0072】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)棚下作業車は、ペダルを足操作して動力伝達機構を介し直接駆動することにより、前後方向に走行できるようになっているので、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作しにくいので、衝突や転倒の危険が低減され、安全に作業できる。
【0074】
(b)足踏み位置調整機構と高さ調整機構を備え、座席とペダルの間隔が調整可能であり、座席はペダルとの間隔を維持したままで昇降調整できるよう構成してあるので、座席の高さを変える際、座席とペダルとの間隔を、その作業者に適した間隔に維持したままで調整できる。
従って、例えば場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、ペダルと遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0075】
(c)棚下作業車は、従来の作業車と相違して、重量が重く高価なモータやバッテリーあるいはそれらの制御装置等を使用しない構造である。従って、構造が簡単であると共に、作業車の軽量化が可能になり、低価格で製造できる。
また、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性が向上し、棚下作業車は凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてもスムーズな移動が可能になる。更に、低価格化できるので、例えば、標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も比較的導入しやすい。
【0076】
(d)左右に配置された車輪間に差動歯車機構を備えているものは、両車輪の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
これにより、棚下作業時に、作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
また、上記理由から、差動歯車機構を備えている側の両車輪の間隔をより広く設定することが可能になる。両車輪の間隔を広く設定すれば、棚下作業車の走行時の安定性及び停止時の安定性を向上させることができ、走行時あるいは作業時において転倒する危険を低減できる。また、座席の調整によって、作業者が座ったときに多少重心の位置が高くなったとしても、安定性を維持しやすい。
【0077】
(e)ペダルの回転軸が、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあるものは、例えば動力伝達機構にチェーンを使用している場合では、座席の高さを変えるときの調整の前後においてチェーンの張り(または弛み)に差が生じにくい。
従って、チェーンに適度な張りを付与するテンション付加装置を簡単な構造にすることができる等、チェーンの張りを維持調整するための制御がしやすい。また、前後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0078】
(f)肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段を備えているものは、肘受け手段の高さを作業しやすい所要の高さに調整し、作業者は肘を載せて作業することができる。これにより、腕、肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棚下作業車の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】棚下作業車の右側面図。
【図3】棚下作業車の上面図。
【図4】棚下作業車の正面図。
【図5】棚下作業車の背面図。
【図6】ガススプリング装置によって座席を上昇させた状態の説明図。
【図7】座席構造を示し、(a)は左側面図、(b)は背面図。
【図8】チェーンの掛け構造を示し、(a)は前進している状態の説明図、(b)は後進している状態の説明図。
【図9】棚下作業車の使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
A 棚下作業車
1 フレーム
10 主部材
11 ハンドル軸受
12 ガイド支柱部材
13 車輪取付部材
14 ステップ
15 補強部材
16 ピン孔
17 軸受
2 操縦部
20 ハンドル軸
201 ガイド管
202 調整管
203 ノブボルト
204 ロックレバー
21 フォーク
22 前輪
23 軸受管
24 ハンドル
200 ブレーキレバー
25 緩衝部材
26 ガイド板
260 ガイド長孔
27 係止板
28 固定具
29 篭
3 座席調整部
30 支持部材
300 ガススプリング装置
301 ロッド
31 固定用ピン
32 ガイド台部材
320 固定用ピン
321 バネ
33 座席
330 回転軸
331 ノブボルト
34 移動体
340 ピン孔
341 軸受管
35 ペダル取付部材
350 軸受
36 足漕ぎペダル
360 回転軸
361 スプロケット
37 ガイド部材
370 固定用ピン
38 後部側支持部材
380 ピン孔
39 操作レバー
4 走行駆動部
40 車軸
401 右回転軸
402 左回転軸
41 後輪
410 ラグ
42 スプロケット
43、43a 側部材
44 チェーン
45 差動歯車装置
46 チェーンカバー
47 テンションプーリ装置
470、471 揺動体
472、472a ローラ
473 ねじりコイルバネ
【発明の属する技術分野】
本発明は棚下作業車に関するものである。更に詳しくは、梨や葡萄等の果樹棚の下で行う、例えば芽かき、摘心、誘引、摘房、摘粒、笠かけ、袋掛け、収穫、運搬等の作業において、操作が容易で安全性に優れ、作業者にかかる身体的負担を軽減することができる棚下作業車に関する。
【0002】
【従来技術】
梨や葡萄等の棚栽培においては、各種作業、例えば、芽かき、摘心、誘引、摘房、摘粒、笠かけ、袋掛け、収穫、運搬等の作業が行われている。
これらの作業は、いずれも果樹棚の下で行う手作業であり、作業者は顔を上向きにし、腕を肩より上に上げ、更に、棚の高さによっては中腰になる等、相当に無理な姿勢で行われている。
このため、作業者の首、腕肩、腰及び足等には大きな負担がかかり、疲労度は極めて高かった。
【0003】
そこで、棚下作業において作業者にかかる身体的な負担を軽減するために、従来より電動式の棚下作業車が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−298750号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8−256523号公報
【0006】
これらの棚下作業車は、作業者が、車体フロアの上面に設けられた座席に座ったまま作業を行うことができるようにして、作業姿勢の改善を図るものである。更に、手作業をしながら作業車の移動や方向転換ができるように、前進、後退、旋回等を足によるスイッチ操作で行うことができるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許文献1及び2記載の電動式の棚下作業車には次のような課題があった。
すなわち、棚下作業車の使用対象地となる果樹園等の地面は、平坦なところばかりでなく、むしろ凹凸があったり傾斜しているところが多い。従って、モーターやバッテリーを備えており相当な重量を有する電動式の棚下作業車は、特に地面が柔らかい場合等、スムーズに移動することが難しい。
また、重量が重いため、傾斜地等で誤って転倒させてしまうと、作業者が下敷きになって怪我をする危険性が極めて高く、運転操作には十分な注意を要する。
【0008】
足でスイッチ操作することによる運転操作は、手操作に比べて加減が難しく、しかも足操作によって直に動かすわけではなく、モーターの駆動力を利用するので、棚下作業車に誤って作業者の意に反する動きをさせてしまい、衝突や転倒してしまう危険性も大きい。
また、棚下作業において作業をしやすくするためには、前後進だけでなく、その場で回転(ターン)するような動きも必要であるが、従来の作業車ではこのような動きはできない。
【0009】
更に、座席の高さを調整すると、座席と足操作スイッチの距離が変化してしまう構造であり、座席の高さは作業がしやすい高さに調整できても、足が窮屈であったり届きにくくなるというような不都合が生じやすい。また、このように運転操作がしにくいことが、上記したように操作を誤って棚下作業車に作業者の意に反する動きをさせてしまう要因の一つともなっている。
【0010】
作業者は、座席に座って、体格に合わせた高さで作業を行うようになっているので、首や足、腰にかかる身体的負担は解消されているが、作業中は腕を常に上に上げておかなければならないので、腕及び肩にかかる負担が大きいという点は本質的には改善されていない。
【0011】
そして、一台当たりの価格が高価であり、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するには、経済的負担が大きすぎる。
【0012】
(本発明の目的)
本発明の目的は、梨や葡萄等の棚栽培において使用される棚下作業車であって、運転操作が簡単で、誤操作をしにくく、衝突や転倒の危険を低減して安全性を向上させた棚下作業車を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性を向上させ、凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面において移動しやすいようにした棚下作業車を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、棚下における作業中は常に上に上げておかなければならない腕及び肩にかかる身体的負担を解消し、作業者の疲労をより低減できるようにした棚下作業車を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、低価格化することによって、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も、比較的導入しやすいようにした棚下作業車を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と、
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
座席とペダルとの位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席とペダルとの位置関係を保ったままで地面からの座席の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0017】
第2の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構を設け、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0018】
第3の発明にあっては、
人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪を後方に後輪を配置して三輪または四輪構成とし、前輪と後輪のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構を設け、更に、
前輪と後輪の間に設けてある座席と
座席に座った作業者が踏むペダルと、
ペダルを踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、
座席とペダルとの位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席とペダルとの位置関係を保ったままで、地面からの座席の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車である。
【0019】
第4の発明にあっては、
ペダルの回転軸は、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあることを特徴とする、
第1、第2または第3の発明に係る棚下作業車である。
【0020】
第5の発明にあっては、
肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段(24)を備えていることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る棚下作業車である。
【0021】
車輪が三輪の配置は、例えば作業車の前部に一輪、後部に二輪の構成でもよいし、逆に作業車の前部に二輪、後部に一輪の構成でもよい。操縦される車輪は、前部側の車輪でもよいし、後部側の車輪でもよく、また、一輪側でもよいし二輪側でもよい。
なお、本明細書にいう「操縦」の用語は、進行方向を変えるために操作または操舵する意味で使用している。
【0022】
本明細書にいう「ペダル」とは、いわゆる足漕ぎ式のペダルであり、ペダルを回転させる回転式の他、前後揺動式または上下揺動式のものも採用できる。また、ペダルが回転式の場合では、スプロケットとチェーンを介して駆動車軸に動力を伝える構造の他、例えばチェーンではなくドライブシャフトを使用した構造、あるいはギヤとタイミングベルトを使用した構造等が採用できる。
【0023】
差動歯車機構が設けられる車軸は、駆動側の車軸であってもよいし、従動側の車軸であってもよい。また、操縦側の車輪であってもよいし、操縦しない側の車輪であってもよい。
【0024】
(作用)
本発明に係る棚下作業車は次のように作用する。
棚下作業車を棚下作業に使用する場合、まず、座席の高さを調整し、作業者が棚下で作業しやすい高さに設定する。棚下作業車は、ペダルを使用した動力伝達機構を足操作して直接駆動することにより、前後方向に走行できるようになっているので、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作しにくい。
【0025】
足踏み位置調整機構と高さ調整機構を備え、座席とペダルの間隔が調整可能であり、座席はペダルとの間隔を維持したままで昇降調整できるよう構成してあるものは、座席の高さを変える際、座席とペダルとの間隔を、その作業者に適した間隔に維持したままで調整できる。
従って、例えば場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、ペダルと遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0026】
棚下作業車は、従来の作業車と相違して、重量が重く高価なモータやバッテリーあるいはそれらの制御装置等を使用しない構造である。従って、構造が簡単であると共に、作業車の軽量化が可能になり、低価格で製造できる。
また、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性が向上し、棚下作業車は凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてもスムーズな移動が可能になる。更に、低価格化できるので、例えば、標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も比較的導入しやすい。
【0027】
左右に配置された車輪間に差動歯車機構を備えているものは、両車輪の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
これにより、棚下作業時に、作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
【0028】
また、上記理由から、差動歯車機構を備えている側の両車輪の間隔をより広く設定することが可能になる。両車輪の間隔を広く設定すれば、棚下作業車の走行時の安定性及び停止時の安定性を向上させることができ、走行時あるいは作業時において転倒する危険を低減できる。また、座席の調整によって、作業者が座ったときに多少重心の位置が高くなったとしても、安定性を維持しやすい。
【0029】
ペダルの回転軸は、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあるものは、例えば動力伝達機構にチェーンを使用している場合では、座席の高さを変えるときの調整の前後においてチェーンの張り(または弛み)に差が生じにくい。
従って、チェーンに適度な張りを付与するテンション付加装置を簡単な構造にすることができる等、チェーンの張りを維持調整するための制御がしやすい。また、前後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0030】
肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段を備えているものは、肘受け手段の高さを作業しやすい所要の高さに調整し、作業者は肘を載せて作業することができる。これにより、腕、肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る棚下作業車の一実施の形態を示す斜視図、
図2は棚下作業車の右側面図、
図3は棚下作業車の上面図、
図4は棚下作業車の正面図、
図5は棚下作業車の背面図、
図6はガススプリング装置によって座席を上昇させた状態の説明図、
図7は座席構造を示し、(a)は左側面図、(b)は背面図、
図8はチェーンの掛け構造を示し、(a)は前進している状態の説明図、(b)は後進している状態の説明図である。
なお、以下の説明では、前輪22が設けられている側(正面側)を前部とし、これを基準として方向や位置を説明する。
【0032】
棚下作業車Aは、フレーム1、フレーム1の前部に設けてある操縦部2、フレーム1の中間部に設けてある座席調整部3、フレーム1の後部に設けてある走行駆動部4を備えている。
(フレーム1)
フレーム1は金属製であり、前後方向に設けられ中間部分が低くなるよう形成された主部材10を有している。
主部材10の前端部には、上下方向にハンドル軸受11が設けてあり、ハンドル軸受11には、後述するようにハンドル軸20が装着される。
【0033】
主部材10の中間部分には、上下方向にガイド支柱部材12が設けてある。ガイド支柱部材12は角管状(横断面形状が四角形)であり、上端部は開口し、上部側が後方へやや傾斜して形成してある。ガイド支柱部材12の下部側には、上下方向に等間隔で複数箇所(本実施の形態では三箇所)にピン孔16(図8参照)が設けてある。ピン孔16は、後述するように、ガススプリング装置300を所要高さで固定するためのものである。
なお、ガイド支柱部材12の傾斜角については、後述するチェーン駆動構造の説明において詳しく述べる。
【0034】
主部材10の後端部には、車輪取付部材13が設けてある。車輪取付部材13は、左右両側が前方へ伸ばされ、各先端部は左右両方向へ更に伸ばされて、ステップ14が設けてある。ステップ14は、車輪取付部材13の先端部に、ゴム製の滑止部材(符号省略)を装着して構成してある。ステップ14は、棚下作業車Aを停止させて作業する際、例えば作業者が身体の向きを変えるようなとき、あるいは後述するようにガススプリング装置300により座席33を昇降させる操作を行うとき等に、足を載せて身体を安定させるための足置きとなる。
【0035】
車輪取付部材13の左右両側の下側及び主部材10の下側には、それぞれ軸受17(図4、図5参照)が合計三箇所に設けてある。各軸受17には、後述する後輪41の車軸40が取り付けられる。また、符号15は、車輪取付部材13と主部材10を連結し補強する補強部材であり、上下動の際の支えとなる。
【0036】
(操縦部2)
フレーム1の前端部には、操縦部2が設けてある。操縦部2は、上記したように、主部材10のハンドル軸受11に装着してある金属製のハンドル軸20を有している。ハンドル軸20の下部にはフォーク21が設けてあり、フォーク21には操縦輪となる前輪22が取り付けてある。
【0037】
ハンドル軸20の上部側は、入子構造となっており、円管で形成されたガイド管201の上部に六角管で形成された調整管202がスライド可能に挿通してある。調整管202は、ガイド管201の側部を貫通して設けられたノブボルト203の締め付けによって任意の高さで固定が可能である。これにより、ガイド管201と調整管202の軸周方向のずれ(回転)も止めることができる。
また、ハンドル軸20の上部前部側には、スチール製の篭29が取り付けてある。なお、篭29以外に、例えばフレーム1の補強部材15後部に篭を設けて、収穫時の収容量を増やすこともできる。
【0038】
ハンドル軸20の上端部には、水平方向に軸受管23(図1、図3に図示)が設けてある。軸受管23には、金属製のハンドル24が上下方向の角度調整ができるようにして取り付けてある。ハンドル24は、各角部を円弧状に形成したほぼ長方形状の枠状に形成してあり、後述するように作業者が作業中に肘を載せるための肘受け手段を構成する。
ハンドル24の後部側の約半分は、発泡プラスチック製の緩衝部材25で被覆されている。緩衝部材25は、作業者がハンドル24の後部側に肘を載せたときに痛くないようにするものである。
【0039】
符号200はブレーキレバー(図2、図4参照)であり、ブレーキ(符号省略)は上記前輪22を制動する内拡式構造(公知構造であるので、詳細については説明を省略する)である。なお、ブレーキ(制動装置)の構造は、特に限定しない。例えば、ハンドルに設けたレバーの操作により車輪の回転を止めるようにしたもの、あるいは地面に棒体を突き刺すようにしたもの等の採用または併用が可能である。
【0040】
ブレーキレバー200はロックレバー204によるロック式であり、操作後はロックして制動状態を維持できる。また、ブレーキは、ロックレバー204によるロックの解除により、通常の使用ができる。なお、ブレーキの構造は上記構造に限定されるものではなく、公知技術を含む他の構造も採用できる。
【0041】
ハンドル24の取付構造の詳細は次のとおりである。
軸受管23の一端側には、金属製で扇形の板体であるガイド板26が縦方向に固着されている。ガイド板26には、後部縁の円弧部分に沿うようにガイド長孔260が設けてある。
また、ハンドル24のうちガイド板26のごく近い位置には、ガイド板26と擦れ合って移動できるように、金属製の係止板27が固着して設けてある。
【0042】
係止板27の先端部は、ガイド板26の後部縁まで伸ばされている。係止板27の先部には、ガイド長孔260を貫通してガイド板26と係止板27を締付固定できる固定具28(図2、図3、図5参照)が設けてある。
なお、係止板27の角度は、ハンドル24が水平のときに固定具28がガイド長孔260の下端部に位置するように設定されている。これにより、ハンドル24の角度は、水平状態からほぼ垂直になる範囲で調整可能である。
【0043】
(座席調整部3)
フレーム1の中間部には、上記ガイド支柱部材12を含み構成される座席調整部3が設けてある。座席調整部3は、ガイド支柱部材12にスライド可能に外嵌めされる角管状の支持部材30を有している。支持部材30は、ガイド支柱部材12よりやや長くなるよう設定してある。
【0044】
ガイド支柱部材12の内部には、ガススプリング装置300(図6参照)が内蔵されている。ガイド支柱部材12の下部側には、上記したようにピン孔16が複数設けてあり、固定用ピン31を所要のピン孔16に差し込むことにより、ガススプリング装置300を所要の高さに固定できる。
【0045】
ガススプリング装置300のロッド301の先端部には、上記支持部材30の上部がボルト(符号省略)で固定してある。そして、支持部材30は、上部側に設けてある操作レバー39によって昇降操作が可能であり、これにより、後述する座席33の高さが調整できる。
なお、この機構部と、次に説明する足漕ぎペダル36の取付構造は、座席33とペダル36との位置関係を保ったままで地面からの座席33の高さを調整できる高さ調整機構を構成する。
【0046】
支持部材30の下端部には、前方へほぼ水平に突出して、ペダル取付部材35が設けてある。ペダル取付部材35の先端部の軸受350(図3参照)には、回転式の足漕ぎペダル36が取り付けてある。足漕ぎペダル36の回転軸360には、スプロケット361が設けてある。スプロケット361と後述するスプロケット42の間には、チェーン44が掛けてある。
【0047】
なお、支持部材30を案内するガイド支柱部材12の角度は、ガイド支柱部材12の高さ方向の各点(足漕ぎペダル36の回転軸360の高さ調整範囲内)において、後述する駆動車軸40との距離が本質的に同じになるように設定してある(ガイド支柱部材12が直線的であるので、厳密には同一にならない)。
【0048】
これにより、座席33を昇降調整するときに、足漕ぎペダル36の回転軸360が、後述する駆動車軸40との距離を半径とし、駆動車軸40を中心とする円弧に本質的に沿うように(具体的には、接線方向または接線方向と平行な方向に)昇降移動できる。
従って、座席33の高さ調整の前後においてチェーン44の張り(または弛み)に差が生じにくい(変動幅が比較的小さい)ので、チェーン44にテンションを付与する装置(後述するテンションプーリ装置47)も簡単な構造とすることができる。また、前進、後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0049】
支持部材30上部の後部側には、角管状のガイド部材37が沿うように固着してある。ガイド部材37の上部側には、角管状の後部側支持部材38がスライド可能に内嵌めしてある。ガイド部材37の上部には、左右方向に貫通して固定用ピン370が抜き差し可能に設けてある。
【0050】
また、後部側支持部材38には、ピン孔380が長さ方向へ等間隔で所要数(本実施の形態では三箇所)設けてあり、固定用ピン370を所要のピン孔380に差し込むことにより、後部側支持部材38を所要の高さに固定できる。
なお、この機構部は、座席33とペダル36との位置関係を調整する足踏み位置調整機構(または足漕ぎ位置調整機構)を構成する。
【0051】
後部側支持部材38の上端部には、ガイド台部材32がほぼ水平になるよう取り付けてある。ガイド台部材32には、座席33が前後方向の位置の調整ができるようにして取り付けてある。
詳しくは、座席33の下部に設けてある移動体34がガイド台部材32に前後方向にスライドできるようにして取り付けてある。
【0052】
ガイド台部材32の一方の側部には、左右方向に貫通して、バネ321で付勢された固定用ピン320(いずれも図7に図示)が抜き差し可能に設けてある。また、移動体34には、ピン孔340が前後方向へ等間隔で所要数(本実施の形態では三箇所)設けてあり、固定用ピン320を所要のピン孔340に差し込むことにより、座席33を所要の前後位置に固定できる。
【0053】
また、移動体34の後部側には軸受管341が設けてあり、座席33の下部側には、軸受管341に回転可能に挿通される回転軸330が設けてある。座席33は、軸受管341に回転軸330を中心として軸周方向に回動できるようにして取り付けてあり、ノブボルト331によって所要の回動位置で固定できる構造である。これにより、座席33は、水平方向の向きを作業がしやすい方向へ向けることができる。
【0054】
なお、ノブボルト331はややきつく締め付けてあり、ボルト先端部と回転軸330表面との摩擦力により座席33の回転に適度な抵抗を与えるようにしている。これによれば、足漕ぎペダル36を漕いで走行しているときに座席33が動いて漕ぎにくくなることが防止できる。また、座席33の水平方向の向きを調整するときも、ノブボルト331を緩めてまた締めるという面倒な操作をしなくても、抵抗力に抗してそのまま回せば簡単に調整できる利点がある。
【0055】
上記したように、座席33は、高さと水平方向の位置、向きの調整が可能な構成である。その調整手段については上記に限定するものではなく、公知の各種手段が採用できる。
【0056】
(走行駆動部4)
フレーム1の後部側には、走行駆動部4が設けてある。走行駆動部4は、車輪取付部材13の両軸受17に設けてある車軸40を有している。車軸40の両端部には、駆動車輪となる後輪41が固着して取り付けてある。各後輪41は、上記前輪22より太くしてあり、更に外周部に滑り止めのためのラグ410が等間隔で設けてある。
この構造により、地面が柔らかい場合でも、車輪が沈み込むことを防止でき、走行しやすくなる。なお、前輪22を後輪41と同様に太くしたり、二輪ある後輪41側を前輪22より細くした構造とすることもできる。また、各車輪22、41の直径も特に限定するものではなく、適宜設定可能である。
【0057】
また、車軸40には、上記足漕ぎペダル36のスプロケット361と相対する位置に、スプロケット361より径大(歯数が多い)のスプロケット42が固着して取り付けてある。なお、スプロケット361、42の歯数の差による減速比は特に限定するものではなく、適宜設定可能である。
上記したように、スプロケット361とスプロケット42間にはチェーン44が掛けられている。これにより、足漕ぎペダル36を正逆方向に回転させることによって、前進、後進が可能である。
【0058】
スプロケット42の両側部には、チェーン44が外れないようにする円板状の側部材43、43aが取り付けてある。符号46は、チェーン44の外側をカバーするチェーンカバーである。なお、動力伝達機構は、足漕ぎペダル36、スプロケット361、スプロケット42、及びチェーン44で構成されている。
【0059】
また、図8に示すように、スプロケット42より外側には、テンションプーリ装置47が設けてある。テンションプーリ装置47は、車軸40の右回転軸401に上下方向に回動可能に設けてある揺動体470、471を有している。揺動体470、471のそれぞれの先端部にはローラ472、472aが設けてある。
揺動体470、471のそれぞれの中間部間には、ねじりコイルバネ473が掛けてあり、各ローラ472、472aでスプロケット42近傍のチェーン44を外側から内方へ押さえてテンションをかけるようにしている。
【0060】
車軸40は、右側の後輪41に固着してありスプロケット42が固着してある右回転軸401と、左側の後輪41に固着してある左回転軸402(いずれも図5参照)により構成され、各軸間には、スプロケット42が固着してある差動歯車装置45(図5参照:ディファレンシャルギヤ:differentialgear)が介在させてある。
差動歯車装置45によれば、両後輪41の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができる。
【0061】
(作 用)
図9は棚下作業車の使用状態を示す説明図である。
図1ないし図9を参照して、本実施の形態に係る棚下作業車Aの作用を説明する。
【0062】
まず、棚下で作業する場合、作業者の体格に合わせて、棚下作業車Aの座席33の位置を調整する必要がある。棚下作業車Aにおいては、この位置の調整には、二種類ある。すなわち、▲1▼座席33と足漕ぎペダル36との間隔の調整、▲2▼座席33の地面からの高さの調整である。
上記▲1▼は、走行時にペダルを漕ぐ際の作業者の姿勢に関係するものである。また、上記▲2▼は、言い換えれば座席33と棚の間隔の調整であり、棚下で作業をする際の作業者の姿勢に関係するものである。
【0063】
上記▲1▼の調整は次のように行う。固定用ピン370を抜いて後部側支持部材38を上下に調整し、座席33の高さを決めて固定用ピン370を所要のピン孔380に係止し、作業者の体格に合わせて座席33と足漕ぎペダル36との間隔を調整する。
また、必要に応じて、固定用ピン320を所要のピン孔340に差し込んで座席33の前後位置を調整し、座席33の水平方向の向きを調整する。
【0064】
上記▲2▼の調整は、操作レバー39を操作して行う。座席33を高くしたいときは、例えば図2に示すように座席33が下がった状態から操作レバー39を上へ引いて操作すると、ガススプリング装置300が作動し、ロッド301が伸びて、座席33の高さは一定の範囲で無段階に調整できる(図6参照)。
【0065】
また、座席33を低くしたいときは、作業者が座席33に腰掛ける等して荷重をかけ、操作レバー39を上へ引いて操作する。この場合も同様に無段階に調整可能である。
更に、ガススプリング装置300のガイド支柱部材12に対する固定高さを変えれば、座席33の最低位置と最高位置の調整が可能であり、体格の異なる作業者に対し、より柔軟に対応できる。
【0066】
このとき、上記したように座席33の高さ調整の前後において、チェーン44の張り(または弛み)に差が生じにくい。更に、テンションプーリ装置27によりチェーン44に所要の張力が付与されていることとも相まって、前進、後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0067】
また、上記したように座席33と足漕ぎペダル36の間隔が調整可能であり、更に、座席33は足漕ぎペダル36との間隔を維持したままで昇降調整できる。従って、場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席33の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、逆に足漕ぎペダル36と遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0068】
そして、棚下作業車Aは、足漕ぎペダル36を使用し、足操作によって後輪41を駆動することにより人力で前後進走行できるようになっている。すなわち、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作もしにくい。従って、棚下で走行する場合において衝突や転倒の危険を低減することができ、安全性を向上させることができる。
【0069】
棚下作業車Aは、重量が重く高価なモータやバッテリー等を使用しないので、構造が簡単であると共に軽量であり低価格で製造できる。
軽量であることにより、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性を向上させることができ、凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてスムーズな移動が可能になる。また、万一転倒しても、怪我をする危険を低減することができる。
更には、低価格であることにより、例えば標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も、比較的導入しやすい。
【0070】
また、棚下作業車Aは、後輪41が設けてある側の車軸40に差動歯車装置45を備えている。差動歯車装置45を備えることにより、走行時において、両後輪41の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御される。
すなわち、進路を変える場合に、外輪側が速く回り、内輪側が遅く回って、スムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
また、棚下作業時に、棚下作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
【0071】
また、棚下作業車Aを止めて作業を行う際、固定具28を操作し、ハンドル24の角度を調整して、ハンドル24後部側の高い部分に作業者が肘を載せて作業することができる(図9参照)。
これによれば、作業しやすい所要の高さに調整されたハンドル24後部に作業者が作業中に肘を載せることにより、腕や肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【0072】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0073】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)棚下作業車は、ペダルを足操作して動力伝達機構を介し直接駆動することにより、前後方向に走行できるようになっているので、日常的に利用される自転車と同じように運転操作が簡単であり、誤操作しにくいので、衝突や転倒の危険が低減され、安全に作業できる。
【0074】
(b)足踏み位置調整機構と高さ調整機構を備え、座席とペダルの間隔が調整可能であり、座席はペダルとの間隔を維持したままで昇降調整できるよう構成してあるので、座席の高さを変える際、座席とペダルとの間隔を、その作業者に適した間隔に維持したままで調整できる。
従って、例えば場所によって地面と棚の間隔が変わる等、作業途中で座席の高さを変える必要が生じた場合も、足が窮屈になったり、ペダルと遠くなって漕ぎにくくなるというような不都合は生じない。
【0075】
(c)棚下作業車は、従来の作業車と相違して、重量が重く高価なモータやバッテリーあるいはそれらの制御装置等を使用しない構造である。従って、構造が簡単であると共に、作業車の軽量化が可能になり、低価格で製造できる。
また、軽量化することによって、柔らかい地面での走行性や方向転換等の機動性が向上し、棚下作業車は凹凸部や傾斜部が多い棚栽培の地面においてもスムーズな移動が可能になる。更に、低価格化できるので、例えば、標準的な栽培農家や観光農園等において、各作業者や客用に多数台導入するような場合も比較的導入しやすい。
【0076】
(d)左右に配置された車輪間に差動歯車機構を備えているものは、両車輪の回転数が、地面から受ける負荷の違いにより制御され、進路を変える場合にスムーズに曲がることができ、小回りも利くので運転操作しやすい。
これにより、棚下作業時に、作業車をその場で回転(ターン)させて方向を変えるような従来の作業車ではできなかった操作も簡単にでき、作業性をより向上させることができる。
また、上記理由から、差動歯車機構を備えている側の両車輪の間隔をより広く設定することが可能になる。両車輪の間隔を広く設定すれば、棚下作業車の走行時の安定性及び停止時の安定性を向上させることができ、走行時あるいは作業時において転倒する危険を低減できる。また、座席の調整によって、作業者が座ったときに多少重心の位置が高くなったとしても、安定性を維持しやすい。
【0077】
(e)ペダルの回転軸が、従動側のスプロケットの中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあるものは、例えば動力伝達機構にチェーンを使用している場合では、座席の高さを変えるときの調整の前後においてチェーンの張り(または弛み)に差が生じにくい。
従って、チェーンに適度な張りを付与するテンション付加装置を簡単な構造にすることができる等、チェーンの張りを維持調整するための制御がしやすい。また、前後進を頻繁に行う場合等においても、良好なペダル操作感を維持できる。
【0078】
(f)肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段を備えているものは、肘受け手段の高さを作業しやすい所要の高さに調整し、作業者は肘を載せて作業することができる。これにより、腕、肩にかかる身体的負担を解消することができ、作業者の疲労をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棚下作業車の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】棚下作業車の右側面図。
【図3】棚下作業車の上面図。
【図4】棚下作業車の正面図。
【図5】棚下作業車の背面図。
【図6】ガススプリング装置によって座席を上昇させた状態の説明図。
【図7】座席構造を示し、(a)は左側面図、(b)は背面図。
【図8】チェーンの掛け構造を示し、(a)は前進している状態の説明図、(b)は後進している状態の説明図。
【図9】棚下作業車の使用状態を示す説明図。
【符号の説明】
A 棚下作業車
1 フレーム
10 主部材
11 ハンドル軸受
12 ガイド支柱部材
13 車輪取付部材
14 ステップ
15 補強部材
16 ピン孔
17 軸受
2 操縦部
20 ハンドル軸
201 ガイド管
202 調整管
203 ノブボルト
204 ロックレバー
21 フォーク
22 前輪
23 軸受管
24 ハンドル
200 ブレーキレバー
25 緩衝部材
26 ガイド板
260 ガイド長孔
27 係止板
28 固定具
29 篭
3 座席調整部
30 支持部材
300 ガススプリング装置
301 ロッド
31 固定用ピン
32 ガイド台部材
320 固定用ピン
321 バネ
33 座席
330 回転軸
331 ノブボルト
34 移動体
340 ピン孔
341 軸受管
35 ペダル取付部材
350 軸受
36 足漕ぎペダル
360 回転軸
361 スプロケット
37 ガイド部材
370 固定用ピン
38 後部側支持部材
380 ピン孔
39 操作レバー
4 走行駆動部
40 車軸
401 右回転軸
402 左回転軸
41 後輪
410 ラグ
42 スプロケット
43、43a 側部材
44 チェーン
45 差動歯車装置
46 チェーンカバー
47 テンションプーリ装置
470、471 揺動体
472、472a ローラ
473 ねじりコイルバネ
Claims (5)
- 人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪(22)を後方に後輪(41)を配置して三輪または四輪構成とし、前輪(22)と後輪(41)のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、更に、
前輪(22)と後輪(41)の間に設けてある座席(33)と、
座席(33)に座った作業者が踏むペダル(36)と、
ペダル(36)を踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪(41)に伝達する動力伝達機構と、
座席(33)とペダル(36)との位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席(33)とペダル(36)との位置関係を保ったままで地面からの座席(33)の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車。 - 人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪(22)を後方に後輪(41)を配置して三輪または四輪構成とし、前輪(22)と後輪(41)のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪(41)は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構(45)を設け、更に、
前輪(22)と後輪(41)の間に設けてある座席(33)と
座席(33)に座った作業者が踏むペダル(36)と、
ペダル(36)を踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪(41)に伝達する動力伝達機構と、
を備えていることを特徴とする、
棚下作業車。 - 人力を動力源として果樹園の棚の下で作業を行うための作業車であって、
車体の前方に前輪(22)を後方に後輪(41)を配置して三輪または四輪構成とし、前輪(22)と後輪(41)のうち一方は操縦輪、他方は駆動輪となっており、駆動輪(41)は車体の左右に車輪を配置すると共に車輪間に差動歯車機構(45)を設け、更に、
前輪(22)と後輪(41)の間に設けてある座席(33)と
座席(33)に座った作業者が踏むペダル(36)と、
ペダル(36)を踏むことから生じる前進および後退の動力を駆動輪(41)に伝達する動力伝達機構と、
座席(33)とペダル(36)との位置関係を調整する足踏み位置調整機構と、
座席(33)とペダル(36)との位置関係を保ったままで、地面からの座席の高さを調整できる高さ調整機構を備えていることを特徴とする、
棚下作業車。 - ペダル(36)の回転軸(360)は、従動側のスプロケット(42)の中心との距離を半径とする円弧に沿うか本質的に沿うように昇降移動できるよう構成してあることを特徴とする、
請求項1、2または3記載の棚下作業車。 - 肘を所要の高さで受けることができる肘受け手段(24)を備えていることを特徴とする、
請求項1、2、3または4記載の棚下作業車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164324A JP2005001433A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 棚下作業車 |
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---|---|---|---|
JP2003164324A JP2005001433A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 棚下作業車 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001433A true JP2005001433A (ja) | 2005-01-06 |
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JP2003164324A Pending JP2005001433A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 棚下作業車 |
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JP (1) | JP2005001433A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1997643A2 (de) | 2007-06-01 | 2008-12-03 | OVD Kinegram AG | Sicherheitsdokument und Verfahren zu dessen Herstellung |
JP2011057150A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Kanto Auto Works Ltd | 揺動車両 |
CN109018129A (zh) * | 2018-08-28 | 2018-12-18 | 平湖市新仑童车制造有限公司 | 一种可调节童车 |
CN113016343A (zh) * | 2021-03-03 | 2021-06-25 | 刘旭东 | 一种大棚蔬菜种植用辣椒垄沟采摘运输车 |
CN113875397A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-01-04 | 建德市里叶十里荷生态旅游发展有限公司 | 亲子式荷塘采荷机 |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003164324A patent/JP2005001433A/ja active Pending
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CN113875397B (zh) * | 2021-12-07 | 2022-03-01 | 建德市里叶十里荷生态旅游发展有限公司 | 亲子式荷塘采荷机 |
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