JP2005000631A - 歯科口腔測色写真システム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影画像データ、術者データ、撮影対象データ、撮影条件データ、規格撮影データを歯科口腔撮影用デジタルカメラから歯科口腔画像管理ソフトウェア間で共有することにより、撮影支援し操作性を向上するものである。
【解決手段】歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにより術者支援、証明価値の認証を行い、操作性の向上を実現。撮影距離に比例した照明光量制御や、被写体距離を一定に保ちながら照明方向を変えたり、光ファイバを用いた照明システムにより、被写体反射光量を安定化し色再現性を向上するものである。
【選択図】図2
【解決手段】歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにより術者支援、証明価値の認証を行い、操作性の向上を実現。撮影距離に比例した照明光量制御や、被写体距離を一定に保ちながら照明方向を変えたり、光ファイバを用いた照明システムにより、被写体反射光量を安定化し色再現性を向上するものである。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科口腔内撮影用のデジタルカメラを用いた歯科口腔測色写真システム、および測色計や色標識を用いて歯の色の測色を行なう歯科口腔測色システム、および色標識および/またはデジタルカメラを使って画面表示や印刷出力された画像の色を補正する測色写真システム、および測色写真システムに使用する照明装置に関するものである。歯科口腔測色写真システムにおいては、撮影画像の分類整理や再利用の便の向上、規格撮影・再現撮影・フリー撮影時の被写体反射光量の的確なコントロールにより、撮影画像の的確な色表現等を簡便な機構・操作・機能により実現し、もって操作性の向上および色再現性の向上をもたらすものであり、さらに色を含む画像の改変がなされていないことまたは一定の改変がなされたことを確認支援・認証・保証するものである。また、歯科口腔測色システムにおいては、測色結果の色表現を改善し正確で解りやすい色表現を行ない、さらに正確な色表現を色情報として歯科口腔測色写真システムに伝達するものである。また、測色写真システムは、一般に画像モニタ出力や印刷出力において被写体の色を測色および/または再現するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず歯科口腔測色写真システムに関する従来技術について述べる。操作性の向上技術および色再現性の向上に関し、従来の歯科用カメラには規格撮影が簡単にできる技術が見られる。例えば某社の歯科用カメラは歯科の近接撮影専用のレンズシステムや照明システムを備えて規格撮影の被写体反射光量を安定化し色再現性を向上している。
また、新たな某社の歯科用デジタルカメラMS−3は専用の照明システムに加えていくつかの撮影倍率ごとに焦点固定を設定するなどの工夫をして操作性の向上および被写体反射光量の最適化を行ない色再現性を向上を図っている。また、歯の表面にフラッシュの反射が映ってしまう問題に関して、従来の例えば某社の歯科用カメラではレンズの周囲に円環状に配置したリングフラッシュの内部より撮影前に発光させて、歯の表面にフラッシュが映りこまない様なカメラアングルに術者が調節し易い様にしている。
また、プラスチック棒のフラッシュ光のガイドの様に、リングフラッシュタイプが持つ歯面中央部へのフラッシュの映りこみそのものを、防止する様な工夫も見られる。
【0003】
操作性の向上に関し、従来の歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトの歯科用デジタルカメラはいずれも単体での操作性向上技術しか投入されていない。これは歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトが、画像データファイルの画像データのみを共通に扱い、それ以外の両者で連携する様な相互インターフェースを持たないからである。
また、口腔内の歯をカメラで撮影するにあたり、直接カメラの視野に入らない部位の撮影に用いる鏡が市販されている。
また、商品名や商品の一般的分類上は歯科用デジタルカメラの部類には属さないが、いわゆる口腔内カメラの部類には、カメラで動画像を撮影しながら撮影位置や方向を操作し、その一瞬の静止画像をとりこみ保存するものがある。
同じく、商品名や商品の一般的分類上は歯科用デジタルカメラの部類には属さないが、シェードビジョンの様に、歯牙のデジタルの静止画を撮影してその歯牙各部の色を判定表示するものがある。
色表現または色再現性技術に関し、従来の歯科用カメラは被写体反射光量の最適化以外に手段を持たない。また従来の歯科用色標識においては、商品名キャスマッチの様に全色空間の色を再現すべく、全色空間を代表する複数の色票をもった歯科用色標識を被写体と同時撮影し、画像管理ソフトでの画像処理において、各色票の色を手動で調整し再現する方法で被写体の色を再現している。
【0004】
画像の改変の有無についての確認支援・認証・保証の技術に関して、従来の歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにおいては特にこの様な技術は過去に見られない。
次に歯科用口腔測色システムに関する従来技術について述べる。色表現または色再現性技術に関し、従来、松風社の歯科用測色計シェードアイNCCや歯科用色標識NCCシェードガイドの様に人間天然歯の色分布の中心付近を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に色を3次元的に分割して表現したものが市販されている。ちなみに松風社では分布の長さ方向をシェード方向、分布の幅方向をバリュー方向、奥行き方向または位相角をヒュー方向またはヒュー位相角として表現している。
次に一般の測色写真システムに関する従来技術について述べる。色再現性技術に関し、従来よりデジタルカメラ、画面モニタ、プリンタ等がsRGB等の規格により色再現性を向上するものが見られる。これらの規格はそれぞれの装置の色再現特性を統一した規格で表現し、装置ごとに補正を行なうものである。また、某社の製品に色空間全体を代表する色見本データを画像モニタに出力し、その再現色をモニタ上で測色する測色計で測色して、測色結果が色見本本来の色となる様にモニタの色補正を行なうシステムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
まず歯科口腔測色写真システムの課題について述べる。
操作性と色再現性に関し、従来の歯科用カメラまたは歯科用デジタルカメラにおける固定焦点撮影における被写体反射光量の安定化は、撮影距離を術者が厳密に合わさなければならず非常に操作性が悪い。またその操作困難性から結果的に色再現性が確保できないという課題を持っている。つまり、歯科の規格撮影においては被写体の歯牙を含むレイアウトも操作性上の重要な要素で、撮影距離を合わしながら同時に構図も安定させなければならない。これは、カメラの操作に不慣れな歯科医師や歯科衛生士には難しい操作であり、撮影に時間を要するだけでなく習得にも時間を必要とする。結果として撮影距離は不確定となり、フラッシュ光量は安定せず、固定焦点であれば撮影画像がぼけてしまう。また、従来の簡単操作の一般用カメラの自動露出や自動焦点機能を歯科のフラッシュを使用した近接撮影に使用した場合、目的とする歯牙を対象とする自動露出と自動焦点機能は同時には実現できないのが現状である。これは、自動露出が特定の歯牙の様な撮影領域の特定の微小部分を対象とした機能をもたないからであり、これら機能を使って簡単撮影しても、撮影画像の被写体反射光量は過多か不足となり易い。また自動焦点機能についても特に口を開けての近接撮影の場合、目的とする歯に自動的に焦点を合わすのは困難である。
【0006】
操作性の向上に関し、従来の歯科用デジタルカメラは、一般的な画像管理ソフトウェアで撮影画像を扱うことができる様にたとえばJPEG形式の様な一般的な画像の形式で画像を出力する様に構成されているため、歯科に必要な患者や撮影部位、さらに画像の色補正に必要な情報に関して、歯科用デジタルカメラ側と歯科用画像管理ソフトとの間で情報共有し活用する方法が無いのが現状である。結果として、従来の歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトの組み合わせでは、歯科用デジタルカメラの出力した画像ファイル以外に、患者名や撮影部位・撮影条件等のメモや術者記憶等の情報を別途必要とし、歯科用画像管理ソフト上でこれらの画像以外のメモや術者記憶等の情報をもとに患者名と撮影部位・撮影条件を確認し、画像ファイルを手動で整理しなければならない。これらの手間は画像一枚につき熟練者で1分、コンピュータに不慣れな初心者の場合3分以上を要する場合もある。歯科口腔写真を必要としているホワイトニングや審美補綴を行っている歯科医院もしくは歯科技工所では年間2000人以上、一人一回あたり5〜6枚の写真を扱う場合を考慮すると、画像の整理に100〜200時間の時間を費やすことになる。また、撮影から時間が経過するにしたがって、撮影した写真がどの患者の写真か、術者ですら忘れる場合が生じるし、ましては術者以外の診療従事者が撮影画像を整理する場合を考慮すると患者名を判定するのは特別の手間と判断ミスのリスクを負うこととなる。
【0007】
特に操作性の向上に関して、歯科用デジタルカメラの典型的な使用方法として歯科用デジタルカメラ単独で複数の患者の複数の部位を複数の術者が撮影し、診療終了時等の適当な時点でパーソナルコンピュータに撮影画像を取り込んで画像を整理するという使用方法が最も便利な使用方法として望ましい。
この点において歯科用デジタルカメラという一般的分類には属さない歯科用測色器に分類される従来の前述シェードビジョンは、あらかじめパーソナルコンピュータと接続された状態で特定かつ一人の患者名を指定し、次にパーソナルコンピュータと切り離した状態でその特定かつ一人の患者の複数の歯牙画像を部位を指定しながら撮影し、その後再びパーソナルコンピュータに接続したうえでパーソナルコンピュータに撮影画像を自動的に取り込み、あらかじめ指定してある患者の画像として患者別に階層的に保存し、撮影した複数の歯牙画像を表示しながら歯牙各部位の色を分析表示するものであるが、このシェードビジョンが歯科用デジタルカメラではなくむしろ歯科用測色器として発表発売されていることを考慮せず歯科用デジタルカメラと見なしたうえで上記操作性向上の観点で評価するに、パーソナルコンピュータとは非接続の撮影状態において各撮影画像とその画像が歯牙のどの部位であるかの情報が関連付けられた状態で、シェードビジョンに一旦未整理で保存されるが、その後撮影画像がパーソナルコンピュータに取り込み保存された以降、この関連付けられた撮影部位の情報が撮影画像を自動的に整理するための情報として使用されることは無い。シェードビジョンにおいてはこの撮影部位の情報は術者が手動で撮影部位情報をもとに所定の撮影部位順に画像を並べて表示するという操作に使用されるのみである。この動作仕様においてシェードビジョンは、撮影画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示または保存するために撮影部位の情報を使用するものではなく、本発明の目指す操作性の向上には遠く及ばないものと考える。
【0008】
また、シェードビジョンにおいては、撮影後パーソナルコンピュータに接続されたときに、患者名の情報をもとに自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示しかつ保存する動作を行なうものであるが、シェードビジョンは、撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点まで特定の唯一の患者の画像を撮影することを前提としており、患者名の情報が、撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点までの間に複数の患者の画像を区別する情報としてシェードビジョンの内部に関連付けて保存される訳では無い。つまり、シェードビジョンにおいては撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点までの間に複数の患者の画像が未整理の状態では存在しない。従ってあらかじめ設定された患者名の情報は複数の患者の未整理の画像を階層的に整理するために使用されているとは言い難い。患者名と撮影画像の関連付けは、あらかじめ撮影前にパーソナルコンピュータにおいて患者名を特定し、その患者の画像のみを撮影するという術者の操作に完全に依存する動作仕様条件のもとで機能しているのみである。そしてこの複数の患者の画像を区別する情報として患者名と撮影画像の関連付けはパーソナルコンピュータに撮影画像を取り込んだ時点で行なわれ、かつ少なくとも術者もしくは術者以外の任意の人間の操作者からみて、パーソナルコンピュータに画像を取り込んだ時点と、複数の患者を区別する患者名情報が関連付けられる時点と、自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示しかつ保存する時点の3つの時点は同時であるか、少なくとも同時操作時点で3つの動作が行なわれる。つまり、患者名が関連付けられた時点から自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示される時点の間に複数の患者の複数の撮影画像が名未整理である状態は存在しない。
患者名を自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示するシェードビジョンのこの動作仕様は、一般市販のデジタルカメラにおいても術者が意図すれば容易になし得ることである。つまり、あらかじめ患者名を決めてパーソナルコンピュータにその患者の画像を保存するフォルダを作成しておき、次にデジタルカメラの撮影画像データを空にしておき、術者が名前を把握している特定の患者の歯牙のみを複数枚撮影し、その後パーソナルコンピュータに接続してあらかじめ作成しておいた患者名のフォルダに保存すれば良い。
【0009】
この様なデジタルカメラの使用方法は、複数の術者による複数の患者の複数の撮影部位の複数の未整理の画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示するデジタルカメラと画像管理ソフトウェアの連繋機能が実現されていないがゆえに、多くの手間と時間をかけて一般の歯科医院で広くおこなわれている方法である。それというのも、口腔内部の歯牙を撮影した複数の術者・複数の患者・複数の部位の歯科口腔撮影画像を、一日の診療後の残務として撮影を担当しなかったかもしれない歯科医もしくは歯科衛生士もしくは歯科助手が分類整理することは不可能だからである。さらに一般のデジタルカメラにおいては、必ずしも撮影前にパーソナルコンピュータとデジタルカメラを接続した状態で患者名を特定または指定する必要はなく撮影後でも同様の作業は可能であり、そのことによって操作性はシェードビジョンより簡便である。つまり、シェードビジョンにおいてはあらかじめ撮影前にパーソナルコンピュータ上で患者名を指定または特定しなければならず、一般のデジタルカメラよりもこの点で操作性に劣るといえる。ましてや、術者が歯科医院とは別の技工所であり、歯科医院に出張して患者の歯牙を撮影する場合においては、シェードビジョンを使用するのは不可能に近い。この様な点から鑑みて、シェードビジョンにおける唯一1名の患者名情報と撮影画像を関連付ける動作仕様および患者名情報に基づいて唯一1名の患者の撮影画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示する動作仕様は、一般市販のデジタルカメラと比較して操作性を向上しているとは言い難い。以上、シェードビジョンを歯科用デジタルカメラと見なして本発明の目的である操作性向上の観点から評価した。
【0010】
歯科用デジタルカメラは、歯科医院において診療の最中に患者の口腔内、特に歯牙の撮影を一定の構図で撮影するのに使用される。歯科医院には通常多くの患者が訪れ、一般的にこの撮影を行なうのは複数の歯科衛生士である場合が多い。少なくとも日本国内の歯科医院においては周知のごとく、多くの患者がひっきりなしにやってきて秒単位で診療は進められている。さらに、歯科の口腔内撮影は、撮影距離15〜30cmの熟練を要する近接撮影であり、さらに構図をぴったりと決めなければならない規格撮影であり、さらに焦点を合わすために撮影距離をぴったりと決めなければならない。ちなみに自動焦点調節機構では撮影距離が不定になり易く、構図が安定しないばかりかフラッシュによる露光量を不定にし、色の再現性を損なう。自動露出機能は口腔内の様に暗い背景にくっきりと位置する小さな白っぽい歯牙の撮影には著しく不向きであり露光量は全く安定しない。この様な理由により従来の歯科用カメラもしくは歯科用デジタルカメラは、マクロ撮影が可能でマニュアル焦点・マニュアル露出の可能な外部フラッシュマウント対応のカメラである必要があり、結果として大きく重い一般向けの高級品を歯科用に改造したものが使用されている。この様な、写真撮影を業とするか趣味とする様な操作者でも難しい撮影を、写真撮影においては素人であり一般的には力が弱く多くは女性である歯科衛生士が、歯科医師による治療の間隙をぬって診療椅子に寝ている患者の上から覆い被さる様にして短時間にピタリと構図を決め、再現性よく安定した撮影を行なうには、多大の訓練と知識習得とを要する。そして撮影時には、目的とする規格撮影の撮影条件を術者自身が自覚してその条件の通りに撮影しなければならない。現在の歯科用デジタルカメラはこれらの操作を、歯科衛生士が訓練を要せず、短時間に失敗無く撮影するための操作性を備えているとはいいがたい。
【0011】
また、口腔内の撮影において鏡を用いた撮影では画像が反転し、患者や術者、術者以外の歯料診療関係者を混乱させる場合が生じる。
画像の非改変または一定の改変についての確認支援・認証・保証の技術に関しては、従来歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにおいてこの様な技術は見られず、この技術を投入する技術進展そのものが課題となる。
測色および色再現性に関し、従来のキャスマッチの様な全色空間を対象とした歯料用色標識を用いた歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアの色補正システムでは人間の天然歯の様な狭い領域に分布する色を補正するのに誤差が生じ易い。また、某社の歯科用カメラの様なリングフラッシュでは、最も色再現が重要な歯の中央部にフラッシュが映り込んでしまって不都合である。またプラスチック棒で出来たフラッシュ光ガイドは、固定した位置が投光位置となり、異なる歯牙や歯列の撮影に対して再現性のある投光が困難である。
また、sRGB等の装置毎の色補正のための規格については、これらはあくまで装置単体の機能であり、歯科口腔測色写真システムにおいてはパーソナルコンピュータのモニタやプリンタ等は外部の機器であり、術者がsRGB等対応の機器をそろえていることを前提にはできないし、事実sRGB等対応でなければ所望の色再現性は得られない。また、sRGB等の色補正技術は「被写体に任意の照明があたって発生した色」の再現性を向上するものであり、例えば人間天然歯に紫色の照明があたっていれば、紫色に照明された歯の色を忠実に再現しようとするものである。これに対し、歯科口腔測色写真システムにおいては照明に関わらない色に関する被写体固有の色の性質を取得し、それに昼光色照明等の一定の条件の照明がなされた場合の色を再現しようとするものであり、sRGB等の色再現技術とは色再現性の目的が本質的に異なるものである。
【0012】
また、モニタの画面に出力した色見本データの画像をモニタ上測色計で測色して色見本の色となる様に補正する色補正システムもあるが、これはモニタ専用の測色計が必要であり、撮影時カメラや照明条件によって発生する照明と無関係な被写体固有の色に対する色誤差を補正するものではない。また、プリンタ出力の色補正をするものではない。この技術をプリンタ出力の色補正に実用化することも考えられるが、これはモニタ用とは別のプリンタ用測色計が別途必要となる。つまり、歯科における歯もしくは歯肉の色とは照明条件に因らない被写体である歯もしくは歯肉の表面の色特性を指すものであり、sRGB等の規格による補正やモニタやプリンタ上で色見本データの画像を測色して補正する技術は被写体への照明の影響を補正するものではない。ただし、これらの技術は歯科でない一般の測色写真システムにおいては有用な場合があり、この分野での課題は後述の「測色写真システムの課題」で述べる。
次に、歯科口腔測色システムの課題について述べる。色表現に関し、松風社の従来の様な歯料用測色計シェードアイNCCや歯科用色標識NCCシェードガイドは、人間天然歯の色分布の中心付近を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向に色を3次元的に複数の領域に分割して表現したものであり、領域の分割は目視で色の差が十分判別できることが前提である歯科用色標識の分割またはそれと対応させたものであり、分割の境界領域において計測上の誤差が生じた場合に隣の分割領域色に誤って表現してしまう場合が生じる。これは被測色対象物の色の真値が解っていれば大きくても1/2領域分の誤差として認識されるが、真値が解っていないからこそ測色する圧倒的多くの場合において、領域の境界付近のごく近接した目視では見分けのつかない2つの色を、隣り合った異なる領域の目視で十分判別のつく異なる色に判定してしまい、1領域分の比較的大きな誤差と誤って認識されることとなる。これを見かけの誤差とここでは表現する。このことは同一の測色計または色標識システムによる異なる2つの測色対象に対する測色においても、1つの測色対象を2回測色する場合においても、2つの異なる同種測色計または色標識システムによる1つの測色対象に対する測色においても起こり得ることであり、いかに高精度の測色計もしくは色標識であっても最大1/2領域分の真の誤差と最大1領域分の見かけの誤差を必然的に持つことで、術者に対して測色結果に対する信頼性に疑問を生じさせる場合が生じる。これは測色計や色標識が本来持っている精度と無関係に測色結果を領域で表現するがゆえに生じる必然的な誤差であり、歯科診療における天然歯の色表現に悪影響を及ぼすだけでなく、それを元に作成する補綴物の色に狂いを生じるかまたは狂いを生じているとの誤解を招く。
【0013】
同じく色表現に関し、近年、審美歯科はもちろん一般の歯科医院においてもホワイトニング治療等、女性患者を中心に歯の色を重視する傾向が強まっており、何らかの方法で患者に治療過程での歯の色の変化の経過を報告する必要が生じており、従来の領域表現では微妙な変化を表現しきれない。反面、従来行われている領域表現は歯科界で定着しているのみならず、大まかな色を把握・表現するのに適しているし、保険診療による補綴物作成の診療形態では、領域表現で十分満足な結果をもたらすものである。これらの事情は従来の歯科界で用いられてきた領域表現と測色システムの本来の精度・分解能による値表現の双方の表現が必要であることを意味する。
次に、測色写真システムの課題について述べる。sRGB等の装置毎の色補正のための規格やモニタ専用測色計と色見本データ画像を用いたモニタ補正技術については、これらはあくまでモニタやプリンタ、カメラ装置単体の機能であり、これらを統合して被写体から画像データ、さらにはモニタ出力やプリンタ出力、さらにプリンタ出力が印刷された環境とは異なる場所に運ばれて評価される様なケースを含む包括的かつ柔軟性のある色補正システムを提供するものではない。つまり、これら技術はカメラは特定のカメラ、モニタは特定のモニタ、プリンタは特定のプリンタのみであり、sRGB以外の規格や各装置メーカーでまちまちであり、これらを組み合わせて包括的な色補正を実現するのは、これら単体の装置の規格や色再現方法に精通する専門的な知識や術者の学習および試行錯誤が必要となる。また、sRGB規格等の色再現技術はこれを搭載した機器でなければ実現できない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。
先ず、歯科口腔測色写真システムの操作性の向上の手段について述べる。
データ管理の便等のためには、歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、デジタルカメラによる歯科口腔撮影に必要な機能の少なくとも一部を担う撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる撮影データ記憶管理手段およびこれらを関連付け整理された形式で出力する撮影データ出力手段の何れかを備える構成が有効である。
操作性の向上を目的として一般のデジタルカメラの洗練された操作性技術を歯科口腔測色写真システムとして活用するのは有効である。このために、プログラム記憶部は、歯科以外の撮影時に動作する非歯科撮影用プログラム部分と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分を内蔵し、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分を内蔵するか読み込み可能であり、デジタルカメラは、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作するようにしておくことが望ましい。また、起動時に歯科口腔撮影状態で動作するとともに、歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を撮影補助手段に備えるようにしておくことが歯科目的により適合し得る。
【0015】
また、操作性向上等のためには、デジタルカメラに内蔵された情報処理装置と、デジタルカメラの外部に設置された情報処理装置とが、通信手段を介して接続されるか、記録メディアを介して間接的に接続され、共動するようにしておくことが有効となる。
撮影画像の取り扱いの便を向上させるためには、撮影管理手段は、撮影データ記憶管理手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で出力するものであることが望ましい。
撮影画像の識別のためには、撮影画像データファイルに歯科口腔撮影における撮影属性データを付加するか、または撮影属性データファイルの特定情報を付加することが有効である。
撮影画像を撮影画像ファイルとして術者自身が扱ったり、術者が技工所や患者と撮影画像データをやりとりするための操作性の向上策として、撮影データ記憶管理手段は、撮影属性データと撮影画像データを同一ファイルに記憶させるか、または撮影属性データと撮影画像データを互いに対応する別々のファイルに記憶させ、さらに少なくともどちらかのファイルに対応ファイル特定情報を記憶させることにより、または撮影属性データや撮影画像データに加えて、これら特定の撮影画像および撮影属性データを閲覧するための閲覧ソフトウェアをこれらのファイルに内蔵させるかまたは別のファイルとして生成することにより撮影画像データおよび撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを撮影データ記憶部に記録・保存することが有効である。さらに、撮影画像データの一部を撮影属性データにより、画像閲覧の際に撮影属性データが明示される様に、または画像閲覧の際に撮影属性データの存在が隠匿される様に、またはさらに目視によっては画像改変が確認できぬ様に隠匿され、またはさらに撮影属性データを暗号化して、置きかえることにより、またはこれに加えて閲覧ソフトウェアプログラムにより隠匿または暗号化して置きかえることにより、歯科口腔撮影における撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを一般的なまたは専用の画像データファイルの形式で記録するか、または表示または印刷された画像を目視または再度光学的手段により撮影または読み取った際に撮影属性データおよび閲覧ソフトウェアも同時に読み取られ、解読可能ならしめることで、歯科口腔撮影画像はその撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを含めて一般の画像と同等に扱うことができまた、本歯科口腔測色写真システムによって、いつでも撮影画像および撮影属性データを再現活用・改変活用・編集活用可能であり、さらに本歯科口腔写真システムの閲覧ソフトウェアによって一般に普及しているコンピュータシステムでいつでも撮影画像および撮影属性データを再現閲覧可能とすることが出来る。
【0016】
撮影の平易化等のためには、撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段が、撮影補助手段内部に備えられていることが望ましい。具体的態様としては、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、術者支援手段が、術者支援データに基づきあらかじめ決められた手順に従って報知する出力をなすようにしたものが挙げられる。
撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、歯科口腔写真撮影において患者の顔写真または患者を特定する情報を含む書類または物品または事物の撮影又はこれに関する音声報知を歯科口腔写真撮影ステップとすることにより患者を区別または特定し、撮影属性データとすることが好ましい。この場合、情報処理装置に内蔵または接続されたプリンタまたは表示装置または投影装置により患者を特定する情報または書類または物品を含む事物を作成表示し、歯科口腔写真撮影ステップにおいてこの事物の撮影またはこれに関する音声報知を行うことにより患者を区別または特定し、撮影属性データとすることもできる。 撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影属性データが、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データと、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データと、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している既得撮影属性データの少なくとも1種類以上のデータより構成されていてもよい。
撮影属性データ設定選択手段の構成としては、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段と、術者入力撮影属性データを術者より入力する操作入力部の少なくとも1種類以上の入力部を備えているものが挙げられる。
【0017】
撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影属性データが、予め決められた規格に従って撮影を行う規格撮影に必要な既定撮影属性データまたは既に行った撮影と同一手順、条件で再度撮影を行う再現撮影に必要な既得撮影属性データであってもよい。
既得撮影属性データとしては、既得の撮影画像データであってもよく、それを改変した画像データであってもよい。
術者支援データおよび術者支援手段の具体的な態様としては、以下のようなものが挙げられる。術者支援データが、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に選択させ又は順番設定させるための出力をなすものが挙げられる。
【0018】
撮影属性データと撮影補助手段の具体的な態様としては、以下のようなものが挙げられる。撮影属性データが、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいて何れの撮影属性データを選択するかを術者に求めるものが挙げられる。あるいは、撮影属性データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求めるものが挙げられる。
術者支援手段の具体的な実施の態様としては、カメラの構成要素であるファインダー又はモニターの少なくとも一方に照準を表示する機能をも備えるものであり、その照準が、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化するものが挙げられる。
再現撮影の場合、操作容易性の観点からすれば、照準が、既得撮影属性データの輪郭情報とするのが好ましい。
的確な支援のためには、術者支援データは、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの適正方向を報知するためのものが望ましい。
複数の患者から連続して複数の撮影画像を取得する場合には、撮影属性データの一部に、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を用いることが有効である。
【0019】
診療開始前または最終診療後の撮影画像であるか否か、あるいは特定の診療途中の段階の撮影画像かどうか、つまりそれらが改変されていないかどうかを容易に識別可能とするためには、撮影属性データの一部に、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたかどうかを示す画像改変識別情報を用いることが有効である。
撮影属性データはあらかじめ決まったものに限らず、患者にユニークな撮影対象データ、それ以外の撮影条件データ、術者データの少なくとも一部を予め初期設定し、術者に変更選択のための出力をなした上で、撮影属性データ設定選択手段による入力を受け付けるものであってもよい。
撮影属性データ設定選択手段が少なくとも音声入力または操作入力を受け付けるものである場合には、撮影属性データに、患者名または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含めておけばよい。
撮影画像をセンターで一括管理するような場合、あるいは取引先の技工所別に管理したり、あるいは逆に技工所で複数の歯科医院の画像を管理するには、撮影属性データの一部に、撮影歯科医院または歯科技工所に関するデータを含めておくことが便利である。
【0020】
口腔撮影には鏡を使った撮影が効率的であるが、この場合、錯誤を避けるためには、撮影属性データに、鏡を使った撮影であるか否かの情報を含め、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力のための手段を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転して表示・出力することが好ましい。さらにミラーを介した撮影において、口腔内を広角に撮影するためには、当該ミラーに凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分を情報処理装置に読み込むことにより演算手段を構成して、前記ミラーを介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段を介して平面データに展開するようにしておくことが効果的である。
次に、歯科口腔測色写真システムの操作性の向上と色再現性の向上を同時に実現するための手段について述べる。以下は術者の操作の良し悪しが色再現性に影響する様な項目であり、操作性を向上することで色再現性の向上も同時に実現するものである。
色補正や撮影し直し等を考えた場合、撮影管理手段は、撮影データ記憶管理手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で出力するものであることが望ましい。
【0021】
被写体からの入射光量と露出時間が被写体の画像上の明度を中心とする色再現性を決定付ける。フラッシュ撮影の場合、被写体からの入射光量はフラッシュと被写体までの距離およびカメラと被写体までの距離によって決定付けられる。したがってフラッシュがカメラに固定される撮影の場合に、歯科口腔撮影用プログラム部分が少なくともプログラム記憶部と撮影データ記憶部を備え照明システムが接続された情報処理装置に読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、前記照明を制御する照明制御手段を構成して、この照明制御手段に、被写体表面までの距離に応じて撮影のための照明の光量を調節する機能を備えておくことが望ましい。あるいは、被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を照明システム側に内蔵しておいてもよい。ミラー撮影をすると被写体までの距離が遠くなるため、この場合は前記照明制御手段が、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正する機能を備えておくことが望ましい。歯の表面の直接反射光はフラッシュの光源の形状を歯の表面に映しこんでしまう。この様な悪影響を排除するためには、撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変としておくことが望ましい。
照明位置を適切に選択可能とするためには、撮影のための照明が光ファイバによりガイドされることが望ましく、特に光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変であることが望ましい。
【0022】
適切な照明を実現するためには、光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えておくことが有効となる。
次に、歯科口腔測色写真システムの色再現性の向上を実現するための手段について述べる。
撮影画像の色再現性を向上するためには、歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、デジタルカメラによる歯科口腔撮影に必要な機能の少なくとも一部を担う撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、デジタルカメラが出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を備えるようにしておくことが有効である。
【0023】
色補正支援手段を適切に機能させるためには、歯科用測色計または歯科用色標識による測色結果または歯科用色判定票に示された測色結果を入力し、撮影属性データとして用いることが好ましい。
色再現をより正確に行なうためには、歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能として、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備えておくことが望ましい。
次に歯科口腔測色システムの色表現を正確で解りやすくするための手段について述べる。
色判定のための客観的で解りやすいデータを提供するためには、歯科用測色計、歯科用色標識、色判定票の少なくとも何れかを備え、これらにより、3次元の表色系において表した人間の天然歯または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向(シェード方向とする)および幅方向および(ばりゅー方向とする)および奥行き方向(ひゅー方向またはヒュー位相角とする)に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯または補綴物または歯肉の色表現を備えておくことが好ましい。
歯科用色標識または色判定票の具体的な実施の態様としては、該人間天然歯表色系の彩度方向、色の鮮やかさ方向、色合い方向の少なくともいずれかの代表的な位置に相当する単数または複数の色票を備え、色票はその位置を示す表示を備えているものが挙げられる。
【0024】
色補正または色表現に資する有効な手法としては、次のようなものが挙げられる。
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、歯科用色標識または歯科用色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を補正再現する手法が挙げられる。
情報処理装置間で撮影画像の転送を行なった際に、転送先で的確な色補正を可能とするためには、色標識または異なる3色以上の色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つの色特性データを異なる情報処理装置に有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介して送付することが有効である。
【0025】
治療過程を患者等に明示できるようにするためには、治療の過程で患者の歯または歯肉の色の変化の過程を画像または定型の印刷物上で再現するか、または人間天然歯表色系で表示することが効果的である。これは、通信先のパーソナルコンピュータ画面上に再現してもよい。
目視では同じ色に見えてもカメラで撮ると異なった色になる場合に対処する構成としては、紫外領域または赤外領域をカットするフィルタを備えておくことが好ましい。また、う蝕の発見にも役立つ撮影も可能であり、このためには赤外領域または紫外領域を照明光に含むか、可視光領域をカットするフィルタを備えておくことが好ましい。
反射光の影響を排除し、う蝕の発見や歯の内部構造の観察にも役立つ構成としては、カメラによる撮影において、照明の方向から偏光板を介して撮影光を照射するか、レンズの手前に偏光板を介して撮影を行なうか少なくともいずれかの偏光板を有することが好ましい。あるいは、少なくともひとつの偏光板が回転可能であり、フラッシュ光または撮影光の中心軸まわりに0度から90度の範囲の角度位置に設定できるような構成も効果的である。
本発明は情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、または撮影画像データと撮影属性データを関連付けた形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0026】
歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる撮影データ記憶管理手段またはこれらを関連付け可能な形式で出力する撮影データ出力手段の何れかを備えることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
情報処理装置は歯科口腔撮影用プログラム部分を有するプログラム記憶部を備えるかまたは撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続されていることが好ましい。
撮影データ記憶部は、撮影画像データと撮影属性データが記憶される。
プログラム記憶部には、プログラム部分(歯科口腔撮影用プログラム部分)を有することが好ましい。
【0027】
プログラム部分には、歯科口腔撮影用プログラムを含むものである。
撮影補助手段または撮影管理手段は、情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されていることが好ましい。
撮影属性データは撮影に関するデータであることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段は撮影補助手段中に有することが好ましい。
撮影データ出力手段は撮影管理手段中に有することが好ましい。
撮影属性データには、すくなくとも被写体に属する情報である名前や部位情報を含むことが好ましい。更に、被写体の分類情報であることが好ましい。
関連付けた形式とは、階層的に追加、分類、整理、管理、表示することである。
本発明はプログラム部分は歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分とどの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分と歯科口腔撮影用プログラム部分を有し、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態または、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかを選択できる歯科口腔測色写真システムである。
【0028】
プログラム記憶部が、歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分を内蔵し、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分を内蔵するか読み込み可能であり、デジタルカメラは、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作する歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
プログラム部分は歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分とどの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分と歯科口腔撮影用プログラム部分で構成されていることが好ましい。
基本撮影プログラム部分は、カメラ撮影時において、カメラ本体の機構部分を作動させるために用いられれるプログラム部分を含むことが好ましい。
非歯科撮影用プログラム部分は、汎用撮影用に設計されたプログラム部分のことである。
歯科口腔撮影用プログラム部分は、歯科口腔撮影用に設計されたプログラム部分のことである。
本発明は報処理装置がデジタルカメラに内蔵されて動作するか、またはデジタルカメラの外部に設置されて動作するか、またはデジタルカメラに内蔵された情報処理装置とデジタルカメラの外部に設置された情報処理装置が通信手段を介して共動することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0029】
情報処理装置が、デジタルカメラに内蔵されて動作するか、デジタルカメラの外部に設置されて動作するか、デジタルカメラに内蔵された情報処理装置とデジタルカメラの外部に設置された情報処理装置が通信手段を介して接続されるか記録メディアを介して間接的に接続され共動するかのいずれかで動作することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることも好ましい。
通信手段とは、無線、有線で接続されることにより情報がやりとりされる通信手段と、記録メディアが術者等により運搬されることにより情報がやりとりされる通信手段も含む。
起動時に歯科口腔撮影状態で動作するとともに、歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を撮影補助手段に備えるようにした歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
本発明は起動時に歯科口腔撮影状態で動作することが好ましい。
本発明は歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を有することが好ましい。
本発明は撮影属性データが撮影画像の補正改変情報であることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0030】
撮影管理手段が、撮影画像データを、補正または改変可能な形式で撮影属性データと関連付け、撮影データ記憶管理手段が、撮影画像データを補正または改変可能な形式で撮影属性データとともに撮影データ記憶部に記憶するかまたは、撮影データ出力手段が、撮影画像データを補正または改変可能な形式で撮影属性データとともに出力する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
補正改変情報とは、補正改変されていない情報や治療シュミレーション情報、改ざん情報、被写体の色を再現する色補正等を含む情報である。
本発明は撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
撮影管理手段が、撮影画像データを、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データと関連付け、撮影データ記憶管理手段が、撮影画像データを階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データとともに撮影データ記憶部に記憶するかまたは、撮影データ出力手段が、撮影画像データを階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データとともに出力する歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
【0031】
撮影画像データが未整理の撮影画像データであることが好ましい。
階層的に分類、整理および管理において、追加および削除作業を含むことができる。
被写体の分類情報とは、患者名、撮影部位であることが好ましい。撮影日が撮影属性データの場合、撮影日の分類が従来のデジタルカメラでなされているが、撮影日および術者および医院名および技工所名は撮影画像データの分類情報であるが、被写体の分類情報ではない。
階層的に分類および整理および管理するとは、撮影画像データまたは撮影属性データを含むOS管理ファイルを撮影属性データで分類したOS管理フォルダに保存すること、または撮影画像データまたは撮影属性データを複数のキーとして分類可能なデータベースに保存することが好ましい。分類のキーとなる撮影属性データは下位階層から歯科口腔写真撮影ステップの種類の少なくとも1つ、撮影日、患者名、医院名または技工所名であることが好ましい。また分類とはソート作業を含む。
【0032】
歯科口腔写真撮影ステップの種類とは、歯科口腔写真撮影における個々の写真撮影の種類のことで、例えば7枚法の規格撮影による上顎右頬側、上顎咬合面ミラー撮影、上顎左頬側、下顎右頬側、下顎咬合面ミラー撮影、下顎頬側、上下顎前歯の撮影や患者の顔写真撮影、自由な部位を自由な構図で撮影するフリー撮影、患者を特定するためのバーコードの撮影等の種類のことをいう。
階層的に分類および整理し出力するとは、撮影画像データまたは撮影属性データが階層的に分類および整理されて印刷または表示されるべくプリンタ等の表示装置に送られることである。
階層的に分類および整理し表示するとは、撮影画像データまたは撮影属性データが階層的に分類および整理されて印刷または表示されることである。個々の表示は、最下位階層の撮影画像データまたは撮影属性データであっても、中位以上階層以下の撮影画像データまたは撮影属性データであっても良い。
未整理の撮影画像データとは、被写体の分類情報の撮影属性データに関連付けられてはいるが、階層的に分類および整理および管理、出力または表示されていない撮影画像データをいう。
本発明は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる方法として、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイル、の内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0033】
撮影データ記憶管理手段が、撮影属性データと撮影画像データを同一ファイルに記憶させるか、または撮影属性データと撮影画像データを互いに対応する別々のファイルに記憶させ、さらに少なくともどちらかのファイルに対応ファイル特定情報を記憶させることにより、または撮影属性データや撮影画像データに加えて、これら特定の撮影画像および撮影属性データを閲覧するための閲覧ソフトウェアをこれらのファイルに内蔵させるかまたは別のファイルとして生成することにより撮影画像データおよび撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを撮影データ記憶部に記録・保存・出力する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
同一ファイルとは、情報処理装置により管理可能な形式の1個のファイルのことである。
結合ファイルとは、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させたファイルのことである。
関連付け情報付ファイルとは、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させたファイルのことである。
明示結合ファイルとは、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
隠匿結合ファイルとは、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
暗号明示結合ファイルとは、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
暗号隠匿結合ファイルとは、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
【0034】
ファイル関連付け情報とは、2つ以上のファイルを関連付けるための情報で少なくともどちらかのファイルの存在場所とファイル名を含む。
暗号化した撮影属性データとは、隠匿・明示とは無関係に当事者以外は意味不明に変更された撮影属性データである。
明示とは、情報の存在が知れる状態であり、モニター表示や印刷物上で撮影属性データまたは撮影画像データが閲覧することができることである。
隠匿とは、情報の存在が知れない状態であり、画像閲覧上変化がわからないように撮影属性データを埋め込むことである。
同一ファィルに記憶の方法として、ExifTAG領域に付加することが好ましい。
明示や隠匿された情報は暗号化されていてもよい。
本発明は結合ファイル、明示結合ファイル、隠匿結合ファイル、暗号明示結合ファイルまたは暗号隠匿結合ファイルが閲覧するプログラム部分を有する閲覧プログラム付ファイルであることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0035】
撮影画像データの一部を撮影属性データにより、画像閲覧の際に撮影属性データが明示される様に、または画像閲覧の際に撮影属性データの存在が隠匿される様に、またはさらに目視によっては画像改変が確認できぬ様に隠匿され、またはさらに撮影属性データを暗号化して、置きかえることにより、またはこれに加えて閲覧ソフトウェアプログラムにより隠匿または暗号化して置きかえることにより、歯科口腔撮影における撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを一般的なまたは専用の画像データファイルの形式で記録するか、または表示または印刷された画像を目視または再度光学的手段により撮影または読み取った際に撮影属性データおよび閲覧ソフトウェアも同時に読み取られ、解読可能ならしめる歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
閲覧プログラム付ファイルとは、撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示するかまたは、撮影画像データとともに表示するプログラムを内蔵したファイルである。
本発明は撮影補助手段内に撮影属性データを表示、報知、出力、入力する術者支援手段を有する歯科口腔測色写真システムである。
撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段が、撮影補助手段内部に備えられている歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データを報知出力する方法として、表示や音声の報知手段を含む。
【0036】
撮影属性データを報知出力するタイミングは、撮影に伴い撮影方法、撮影の設定等を支援する機能を有することが好ましい。
撮影属性データを表示とは、撮影属性データを視覚的に報知することである。
撮影属性データを報知とは、撮影属性データを術者に知らせることである。
撮影属性データを出力とは、撮影属性データをモニタまたはプリンタまたは、別の情報処理装置またはコンピュータに転送することである。
撮影属性データを入力とは、術者支援するための情報を入力することであり、好ましい情報として患者を特定する情報を含むことである。入力方法としては、選択入力、設定入力、データ入力、撮影画像から入力、スイッチ入力等があげられる。
撮影属性データを報知の対応の一つとして、照準を表示する機能をファインダー又はモニター有し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
撮影属性データを報知の対応の一つとして、カメラの適正方向を報知する機能を有し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
【0037】
撮影属性データを表示の対応の一つとして、輪郭情報をファインダー又はモニターに表示し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
術者支援手段が、カメラの構成要素であるファインダー又はモニターの少なくとも一方に照準を表示する機能を備えるものであり、その照準が、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
照準が、既得撮影属性データの輪郭情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
規格撮影または再現撮影の術者支援データに応じて、術者にカメラの適正方向を報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影属性データに歯科口腔写真撮影ステップの特定情報である歯科口腔写真撮影ステップ特定情報、歯科口腔写真撮影ステップの撮影手順である歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順または、患者を特定する情報を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
撮影手順中の個々の撮影である歯科口腔写真撮影ステップの特定情報を撮影属性データとし、これを術者支援データとしてあらかじめ決められた手順に従って報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0038】
歯科口腔写真撮影ステップ特定情報とは、規格撮影の種別、またはフリー撮影やバーコードの撮影等であることを示す情報であることが好ましい。
歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順とは、規格撮影やフリー撮影、バーコード撮影等の順番であることが好ましい。
撮影手順とは単数または複数の歯科口腔写真ステップを支援する手順である。撮影属性データに歯科口腔写真撮影ステップの特定情報である歯科口腔写真撮影ステップ特定情報、歯科口腔写真撮影ステップの撮影手順である歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順または、患者を特定する情報を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムにおいて、歯科口腔写真撮影ステップ特定情報または歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順に従い報知することが好ましい。
患者の顔または顔写真または患者を区別または特定する情報を含む書類または物品や映像または事物の画像データを患者を区別または特定するための撮影属性データとし、さらにこれらの撮影手順を歯科口腔写真撮影ステップとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
歯科口腔写真撮影ステップの特定情報に用いる撮影属性データが、顔写真または患者を区別または特定する情報を含む画像データでることが好ましい。但し、画像データは書類または物品や映像または事物の画像であることを含むものである。区別または特定する情報にはバーコードの画像データを含むことが好ましい。
【0039】
情報処理装置により患者を特定する情報を患者の顔写真または書類または物品や映像または事物のデータとして作成し、これらデータを付与された事物の撮影手順を歯科口腔写真撮影ステップとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
患者を特定する情報とは、患者の顔写真、書類、物品、映像または事物であって、好ましくはバーコード、カルテの番号、患者の特定情報の音声である。
本発明は撮影属性データが、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データと、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データと、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している既得撮影属性データの少なくとも1種類以上のデータより構成されている歯科口腔測色写真システムである。
既定撮影属性データとは、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない撮影属性データである。
術者入力撮影属性データとは、術者より選択入力またはデータ入力されるデータのことである。
【0040】
既得撮影属性データとは、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している撮影属性データである。
撮影属性データ設定選択手段が、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段および/または術者入力撮影属性データを入力する術者入力手段を含むことをと特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段は、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段と、術者入力撮影属性データを術者より入力する術者入力手段の少なくとも1種類以上の入力手段をハードウェア上またはソフトウェア上で備える歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
既得撮影属性データ入力手段とは、術者が再現撮影選んだ場合に既得撮影データの一覧の表示、およびそれと連動した術者所望の既得撮影データを選択するためのセレクタスイッチであることが好ましい。
術者入力手段とは、術者が術者入力撮影属性データの一覧の表示、およびそれと連動した術者所望の術者入力撮影属性データを選択または入力するためのセレクタスイッチであることが好ましい。
セレクタスイッチとは上下左右4個の方向キーと選択キーの5個のスイッチより成り、複数のメニューが表示された場合に、方向キーによって選択スタンバイのメニュー項目が移動し、選択キーによりメニュー項目が選択されるのが好ましい。
【0041】
撮影属性データが、規格撮影に必要な既定撮影属性データまたは既に行った撮影と同一手順、条件で再度撮影を行う再現撮影に必要な既得撮影属性データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
規格撮影はあらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度等で撮影することである。
再現撮影とは、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で撮影することである。
既得撮影属性データが既得の撮影画像データまたはそれを改変した画像データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は歯科口腔写真撮影ステップが規格撮影または再現撮影であり、術者支援手段が歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順を報知または選択または報知する歯科口腔測色写真システムである。
歯科口腔写真撮影ステップが規格撮影または再現撮影であり、術者支援手段が歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順を報知または選択または報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0042】
撮影属性データが、規格撮影するためのものであり、術者支援手段が、撮影属性データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
報知とは、選択の余地のない情報を表示または出力することである。
選択報知とは、選択する情報を表示または出力することであり、更にその情報により術者の選択や入力を受付けることである。
撮影属性データが、再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
再現撮影とは、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定して撮影することである。
撮影属性データが、規格撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいて何れの撮影属性データを選択するかを術者に求める歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、再現撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求める歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0043】
撮影属性データが、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影するためのものであり、術者支援手段が、撮影属性データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
既定撮影属性データが、歯科医院名、技工所名、術者名、撮影手順、輪郭、輪郭を含む照準を術者が設定することができることが好ましい。
撮影属性データが、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報であることが好ましい。
撮影属性データが、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0044】
撮影属性データが、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報であることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段が少なくとも音声入力または操作入力を受け付けるものである場合において、撮影属性データが、患者名または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含む歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、撮影歯科医院または歯科技工所に関する術者データを含む歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、鏡を使った撮影であるか否かの情報であり、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力のための手段を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影のための照明から被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節することにより被写体からの露光量を制御する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0045】
照明制御手段は、被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節することにより被写体からの露光量を制御することが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を照明システムに内蔵するかまたはデジタルカメラに内蔵したことを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部が照明システムまたはデジタルカメラに内蔵することが好ましい。
照明制御手段が、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有する歯科口腔測色写真システムである。
撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0046】
入射角度可変機構とは、被写体への入射角度を可変とすることができる機構のことである。
撮影属性データが、凹面鏡に写った被写体を撮影する歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と凹面の形状データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
ミラーを介した撮影において、当該ミラーに凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分を情報処理装置に読み込むことにより演算手段を構成して、前記ミラーを介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段を介して平面データに展開するようにしている歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
凹面データ展開手段とは、凹面に射影された被写体の画像を平面に射影された被写体への画像に変換する手段である。
光ファイバが、光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影のための照明が光ファイバによりガイドされる歯科口腔測色写真システムである。
光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えた歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0047】
投光手段は、光ファイバの投光部に有することが好ましい。
本発明は情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段は出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、デジタルカメラが出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を備えることを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影画像はデジタルカメラから出力されることが好ましい。
色補正情報とは、歯科用色彩計、歯科用色標識による色情報である。
色補正支援手段とは、色補正に際して術者を支援する手段である。
色補正支援手段が、歯科用測色計または歯科用色標識または歯科用色判定票を入力し、撮影属性データとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
色補正方式情報を、歯肉の色再現または色表現、天然歯の色再現または色表現または、補綴物の色再現から切り替えることができる。
歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能であって、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備える歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は区分表現および値表現が表現されていることを特徴とする歯科口腔測色システムである。
【0048】
歯科用測色計、歯科用色標識、色判定票の少なくとも何れかを備え、これらにより、3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の幅方向および/または彩度方向および長さ方向および/または色の鮮やかさ方向および奥行きおよび/または色合い方向に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯および/または補綴物および/または歯肉の色表現を備えることを特徴とする歯科口腔測色システムであることが好ましい。
区分表現とは、数値表現、グラフ表現、記号表現が例示される。
値表現とは、数値表現、グラフ表現が例示される。
区分表現および値表現が表現とは、区分表現および値表現の双方が表現されることである。
歯科用色標識または色判定票が、該人間天然歯表色系の彩度方向、色の鮮やかさ方向、色合い方向の少なくともいずれかの代表的な位置に相当する単数または複数の色票を備え、色票はその位置を示す表示を備えている歯科口腔測色システムであることが好ましい。
歯科用測色計、歯科用色標識または色判定票に区分表現および値表現が表現されていることが好ましい。
色判定票に、色判定結果を当該色判定票の中心からの距離の変位として表すかまたは、色票の誤差範囲を表示している歯科口腔測色システムであることが好ましい。
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正および/または区分表現および値表現が表現されている色表現する歯科口腔測色システムであることが好ましい。
測色計による測色結果を、該人間天然歯表色系での複数の代表的色または目盛に囲まれた領域の代表的色または歯科用色標識の代表的色と、その色からの変位で表すことを特徴とする歯科口腔測色システムであることが好ましい。
代表的色とは従来より歯科で使用されている複数のシェードガイドの色や該人間天然歯表色系の3次元の目盛上の交点の色または3次元の目盛で囲まれた領域の中心の色であることが望ましい。
測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうかまたは撮影した画像の各部の色判定結果を表す歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、撮影した被写体の色を3次元的に表現または画像上再現する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真システムである。
【0049】
色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現する測色写真システムであることが好ましい。
色票を撮影は色標識または異なる3色以上色の色票にて行うことが好ましい。撮影画像を再度撮影する方法として、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することが好ましい。
色再現方法として、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することが好ましい。
表示物を撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真システムであることが好ましい。
色標識または異なる3色以上の色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つの色特性データをコンピュータに有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介して送付する測色写真システムであることが好ましい。
色特性データとは、色標識または色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つまたはその組み合わせデータのことである。
色特性データを異なる情報処理装置に送付することが好ましい。
コンピュータに送付する方法は有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介してすることが好ましい。
表示物とは、印刷物やモニタへ表示された映像のことである。
表示物とは、被写体の印刷や表示されたものである必要はない。
コンピュータとは一般的なコンピュータおよび本発明の歯科口腔測色写真システムを内蔵するコンピュータのことである。
治療の過程で患者の歯および/または歯肉の色の変化の過程を画像および/または定型の印刷物上で再現するか、および/または人間天然歯表色系で表示する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は紫外領域または赤外領域をカットするフィルタを備えた歯科口腔測色写真システムである。
カメラによる撮影において、赤外領域または紫外領域を照明光に含むか、または紫外領域または可視光領域または赤外領域をカットするフィルタを備えた歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
フィルタはレンズと被写体の間に存在することが重要である。
フィルタは赤外領域をカットするものであることが好ましい。
フィルタは可視光領域をカットするものである場合、齲蝕検知することができる。
【0050】
本発明は撮影光と被写体の間に偏光板を有し、レンズと被写体の間に偏光板を介することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
カメラによる撮影において、照明の方向から偏光板を介して撮影光を照射し且つ、レンズの手前に偏光板を介して撮影する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
少なくともひとつの偏光板が回転可能であり、フラッシュ光または撮影光の中心軸まわりに0度から90度の範囲の角度位置に設定できる歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影光と被写体の間に偏光板またはレンズと被写体の間に偏光板が回転可能する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、または撮影画像データと撮影属性データを関連付けた形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段で、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイルの内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
【0051】
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影補助手段内に撮影属性データを表示、報知、出力、入力する術者支援手段を有する歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段は出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真プログラムである。
本発明は、被写体の撮影時において付与される撮影属性データによって、撮影された撮影画像データを整理することに特徴がある。よって、撮影属性データは歯科口腔写真撮影ステップの種類のみや撮影日のみ、仮に付けられた番号で整理することを含まないが、表示時等において、それらのデータを基に定まった表示場所等に表示させるで初めて発明をなす。
撮影属性データは歯科口腔写真撮影ステップの種類の少なくとも1つ、撮影日、患者名を含むことが好ましい。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
<システム説明>
図1に示す本実施形態の歯科口腔測色写真システムは、デジタルカメラ1に内蔵された情報処理装置10と、デジタルカメラ1の外部に設置されたパーソナルコンピュータ2に内蔵された情報処理装置20とがUSBその他の通信手段を介して接続されるか、フラッシュメモリー等の記録メディアを介して間接的に接続され、同時または異なる時間を隔てて共動する。無線とは、赤外線、超音波、電波、光などが例示される。有線とはケーブルで接続されていることをいう。対象とするデジタルカメラの範疇は、画像をCCD撮像素子で取得する装置である。なお、この実施形態では、デジタルカメラ1側、コンピュータ2側の双方に情報処理装置10,20が存在するが、デジタルカメラ1側にのみ情報処理装置10が存在し、あるいはコンピュータ2側にのみに報処理装置20が存在する態様も可能である。前者の場合はデジタルカメラ1が単独動作し、後者の場合は専ら通信を介してデジタルカメラ1が遠隔制御される。
【0052】
デジタルカメラ1に内蔵された情報処理装置10は、CPU10a、EEPROM10b、RAM10c、ハードウェアインターフェース10d、無線または有線または記録メディア接続用の通信インターフェース10eを備えた通常のマイクロコンピュータ部分により構成され、ハードウェアインターフェースを介してデジタルカメラ1の各種のハードウェアであるモニターM、ファインダーF、スピーカーSP、マイクMIC、セレクタスイッチSS、照明システム15、撮像装置CCD、各種駆動モーター等が接続される。なお、RAM10cはそれ自身がSDメモリカードやメモリスティック、コンパクトフラッシュメモリ等の可搬型の記録メディアである場合も含むものとする。
パーソナルコンピュータ2に内蔵された情報処理装置20は、CPU20a、ROM20b、RAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20c、ハードウェアインターフェース20d、通信インターフェース20eを備えた通常のマイクロコンピュータ部分により構成され、ハードウェアインターフェースを介してパーソナルコンピュータ2の各種のハードウェアであるモニタMN、プリンタP、キーボードK、照明システム15また、外部装置または物品である測色計3、色標識4、色判定票5も直接あるいはキーボードと術者のキーボード操作を通して間接的に接続されているものとする。ここに言う術者とは、歯科医師、歯科技工士或いはこれらの補助者等である。
図2に示す様に、デジタルカメラ1側の情報処理装置10においてはEEPROM10bは本発明のプログラム記憶部として機能し、RAM10cは本発明の撮影データ記憶部として機能する。パーソナルコンピュータ2側の情報処理装置20においてはRAM20cおよび接続された記憶装置・記録メディア20cが本発明のプログラム記憶部および撮影データ記憶部となる。なお、パーソナルコンピュータ2においてはメモリであるRAM20cに記憶されるプログラムやデータはハードウェアインターフェース20eを介したパーソナルコンピュータ2のハードディスクや、さらにCD−ROMドライブ等を介したCD−ROMやCD−R等の記憶メディアより転送されたり転送したりしてオペレーティングシステムの管理制御の下、一体的に連動することは周知のとおりであり、これらを総称してRAM10cおよび接続された記憶装置・記録メディア20cとする。
【0053】
図2にさらに示すように、デジタルカメラ1側の情報処理装置10においてEEPROM10bのプログラム記憶部10bAは、歯科以外の撮影時に動作する非歯科撮影用プログラム部分P1と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分P2、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を内蔵するか読み込み可能である。基本撮影プログラム部分P2とはどの様な撮影時でも共通に動作するプログラム部分をいい、非歯科口腔撮影用プログラム部分P1とは歯科以外の撮影時に動作する基本撮影プログラム部分以外のプログラムの部分をいい、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3とは歯科の撮影時に動作する基本撮影プログラム部分以外のプログラムの部分をいう。
またRAM10cは撮影画像や撮影画像に関連付けられた撮影属性データ(関連付け情報を含む)を記憶する撮影データ記憶部10cAを含む。RAM10cは外部より組み込まれた可搬型の記録メディアであってもよい。
パーソナルコンピュータ2側の情報処理装置20においてRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cのプログラム記憶部20cAは歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′を内蔵するか読込み可能である。歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′はパーソナルコンピュータ2側にのみ設けられ、デジタルカメラ1からの画像の取り込み、画像の階層的な追加、分類、整理、管理、表示、照準の作成、バーコードの印刷、画像改変有無の識別・確認・認証・保証、測色データによる画像の色補正等を行なう。
またRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cのプログラム記憶部20cAは歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′だけでなく、非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3をRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cに内蔵するか読込みあるいは書き出し可能であり、これらのデジタルカメラ1上で動作するプログラムを、デジタルカメラ1の情報処理装置10のEEPROM10bに転送するために恒久的または一時的に滞在させるか、またはデジタルカメラ1側のこれらのプログラムの有無に関わらず、コンピュータ2側からデジタルカメラを制御するために、動作させるものであっても良い。さらにRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cは撮影データ記憶部20cBを含む。
図2を前提に、本システムを設置する場合のプログラムインストールの流れの好適な例を説明する。まず本システムによらない一般のデジタルカメラまたは一般のパーソナルコンピュータがあり、本システムの導入にあたってこれはデジタルカメラ1またはパーソナルコンピュータ2となる。別の好適な例ではデジタルカメラ1、パーソナルコンピュータ2いずれか片方または両方が本歯科口腔測色写真システムであり、最初からデジタルカメラ1、パーソナルコンピュータ2である。デジタルカメラ1の情報処理装置10には製造時より非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2をあらかじめ内蔵しており、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′がバックアップ用またはバージョンアップ用の非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2を含んだ歯科口腔測色・写真システム・アプリケーションソフトウェアー式としてCD−ROMにより供給される。術者は装置導入時にこのCD−ROMより歯科口腔撮影用プログラム部分AP3、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′、非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2をパーソナルコンピュータのハードディスクにインストールする。次に、パーソナルコンピュータ2とデジタルカメラ1を無線または有線または記録メディアを介して接続し、パーソナルコンピュータからデジタルカメラ1へ歯科口腔撮影用プログラム部分AP3をインストールする。この際に非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2がバージョンアップ版であれば一緒にインストールすることも出来る。さらに本システムを稼動させる典型的な例は、デジタルカメラ1を単独で動作させて歯科口腔写真撮影を行ない、その後パーソナルコンピュータ2とデジタルカメラ1を無線または有線または記録メディアを介して接続し、パーソナルコンピュータ2上で歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′を起動する。歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′はそれ自身の動作仕様やパーソナルコンピュータ2のオペレーティングシステムの制御に従って一部もしくは全部がパーソナルコンピュータ2のハードディスクからRAM20cに読込まれて動作し、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′の術者操作の手順に従ってデジタルカメラ1からの画像の取り込み、画像の階層的な追加、分類、整理、管理、表示、照準の作成、バーコードの印刷、画像改変有無の識別・確認・認証・識別、測色データによる画像の色補正等を行なう。
【0054】
次に、撮影属性データについて説明を行う。撮影属性データは、個々の撮影に付加する撮影画像データ以外のあらゆるデータで、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データ、以前の撮影時から記憶し撮影時に撮影補助手段の外部から内部へ読み込まれる既得撮影属性データ、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データがある。撮影属性データは単一のデータであったり、複数の内部属性データがセットになっている。撮影属性データまたは内部属性データには個々の撮影動作を決定するデータや撮影画像データに関連付けて記録されるデータがある。逆に撮影属性データまたは内部属性データには個々の撮影動作の決定には関与しない場合や撮影画像データに関連付けて記憶されないデータがある。ある撮影属性データの動作上の存在形態としては撮影前に撮影補助手段の一部として術者に確認あるいは選択させるために報知する術者支援データのメニューとして存在する場合や、あるいは撮影時に術者の確認または選択の結果、該撮影属性データへの関連付け情報(該撮影属性データそのものではなく、その存在場所情報等)として存在する場合や、撮影後に撮影画像データに関連付けて記憶される撮影画像属性として存在する場合がある。撮影画像データと関連付けられた撮影属性データの記憶形態としては撮影画像データの一部と入れ替わる目視認証情報または目視隠匿情報として記憶する場合や、撮影画像データファイルの一部として記憶する場合や、撮影画像データファイルと関連付けられた撮影属性データファイルとして記憶する場合がある。これらの記憶形態には撮影画像データ自身は撮影前よりメニューとして不動に存在し、該撮影画像データとの関連付け情報(該撮影属性データそのものではなく、その存在場所情報等)として記憶される撮影属性データを含む。
既定撮影属性データのメニューとして例えば、規格撮影に関する撮影属性データのメニュー、標準の照準メニュー、標準の撮影手順のメニュー、術者の所属機関名、術者名メニュー、術者が設定するカスタム撮影手順メニュー、術者が設定するカスタム照準メニューが好適である。
既得撮影属性データのメニューとしては、既に撮影した単数または複数の患者の撮影画像データが好適である。
術者入力撮影属性データは、既定撮影属性データメニューや既得撮影属性データから術者により選ばれた撮影属性データおよび術者により直接入力され取得した撮影属性データである。
【0055】
規格撮影に関する既定撮影属性データは、あらかじめ決められた種類の歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた撮影距離・方向・配置角度で撮影する規格撮影に関する既定撮影属性データで、内部属性データは、撮影距離、被写体反射光量または被写体反射光強度、規格撮影の照準、ミラーの要不要、その規格撮影を特定する符号または番号情報を好適に含む多数のデータのセットである。規格撮影を特定する符号およびミラーの有無を撮影画像データに関連付け、他の内部属性データは撮影の際にフラッシュ発光量等でデジタルカメラを制御したり、撮影距離等で術者を支援する撮影条件として用いるのが好適である。
照準に関する既定撮影属性データは、規格撮影をする際に被写体の構図を合わしやすい様に規格撮影の種類に合わせてファインダーまたはモニターに表示する標準の照準と、術者が作成したり、既に撮影した画像から抽出した輪郭を登録したものが好適である。照準に関する規格撮影属性データの内部属性データはどの照準にするかの1項目だけである。撮影画像データへの関連付けは行わないのが好適である。
標準の撮影手順に関する撮影属性データは、例えば複数の規格撮影を決まった手順で撮影していく枚数と順番のことで、5枚法手順、11枚法手順等があり、さらにこれに患者の顔を撮影したり、バーコードを撮影したり、術者のフリー撮影を枚数に加えたものが好適である。また、各枚数毎にどの順番で撮影するかも内部属性となるが、これは両者を併せた枚数と順番毎に手順の種類とするので内部属性データは手順の種類1項目だけである。デジタルカメラが規格撮影の撮影手順を自動的に実行していくのに使用するが、規格撮影の種類を撮影画像データに関連付けても良い。
医院名、技工所名、術者名に関する既定撮影属性データについては項目はそれぞれ医院名、技工所名、術者名単一項目でありそれぞれ、医院名、技工所名、術者名を撮影画像データに関連付けるのが好適である。関連付けの形式は医院名、技工所名、術者名そのものを撮影画像データファイルに付加するのが好適である。医院名はただ一つ登録可能であり、撮影属性データのメニューを構成しない。技工所名、術者名は複数登録可能であり撮影属性データのメニューを構成する。医院名、技工所名、術者名に関する既定撮影属性データの内部属性データは設置時に術者により設定されるのが好適である。
日時に関する撮影属性データは情報処理装置1の持つ日時時刻カウント機能により自動的に更新され、撮影後撮影画像データファイルと関連付けられる。
カスタム撮影手順とカスタム照準はそれぞれ標準撮影手順とカスタム撮影手順と同じであるが、これらは術者によって設定登録される。
既得撮影属性データは、規格撮影によらない自由な撮影をある患者に既に行った場合にその後の同様の再現撮影のために、既に撮影した撮影画像データと関連付けられた撮影属性データおよび撮影画像データの輪郭データをセットにしたものであるかまたは、既に撮影した撮影画像データと関連付けられた撮影属性データの記憶場所を表すデータと撮影画像データの輪郭データをセットにしたものである。
【0056】
術者入力撮影属性データは、撮影属性データメニューの中から術者が選んだ撮影属性データおよび、術者が直接入力した撮影属性データで、直後に行われる撮影のための撮影条件や直後に撮影する撮影画像データに関連付けるデータとなる。
さらに図3、図4、図5において詳細な構成要素の説明を続ける。
図3において、パーソナルコンピュータ2側で動作する歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′は撮影補助手段120および撮影管理手段220より成り、撮影データ記憶部20cBは撮影画像データ記憶部20cB1および撮影属性データ記憶部20cB2より構成される。撮影属性データのメニューの一部(不変な既定撮影属性データ)は撮影補助手段120に、メニューの残りの部分(既定撮影属性データの変動データおよび設定データ)は撮影属性データ記憶部20cB2に、撮影画像および撮影画像に関連付けられた撮影画像データ(関連付け情報を含む)は撮影画像データ記憶部20cB1に記憶されることになる。さらに撮影補助手段120においては撮影画像データに関連付けられていないメニューとしての照準を術者がカスタマイズして作成する照準エディタ121、バーコード印刷手段122、撮影属性データ設定選択手段123、改変識別応用手段124、照明制御手段125、既定撮影属性データおよび既得撮影属性データよりなる撮影属性データA126を備える。照準エディタ121は、撮影時にファインダー等に表示する照準を予め編集しておくためのものであり、バーコード印刷手段122は撮影属性データとしてバーコードをデジタルカメラで撮影する際にバーコードをプリンターPで印刷するためのものであり、撮影属性データ設定選択手段123は患者の氏名等の属性データを撮影に先立って予め作成したり、後述するカスタムの撮影属性データメニューを撮影属性データから選択して作成しておくためのものである。改変識別応用手段124は撮影した撮影画像データに関連付けられた撮影属性データの中の改変識別情報の内容により、撮影した画像の改変と改変者を特定したり、改変の有無について認証をあたえたりする。特に改変については初診時の撮影時に治療シミュレーションを行うことは有用であり、画像がシミュレーション結果であることを示すのに用いたりする。
撮影管理手段220の構成は撮影データ記憶管理手段221、撮影データ出力手段222、撮影データ画像処理手段225が好適である。撮影データ画像処理部225は色補正支援手段227および輪郭抽出手段226が好適である。図3にはさらに撮影データ出力手段よりモニタまたはプリンタへ出力される出力イメージ例を記載しており、モニタ表示の例では歯科口腔規格撮影7枚法、つまり上顎右頬側、上顎咬合面ミラー撮影、上顎左頬側、下顎右頬側、下顎咬合面ミラー撮影、下顎頬側、上下顎前歯の7枚の写真に患者の顔写真を加えた撮影結果表示例を示している。また、プリンタ側では患者1の1/20日の撮影画像のサムネイル集、1/27の撮影画像のサムネイル集、患者2の1/21の撮影画像のサムネイル集、2/1の撮影画像のサムネイル集を階層構造にして印刷出力している。なお、この階層構造の印刷出力はパーソナルコンピュータに蓄積された画像データがこの様に階層的に整理された形で管理されていることを示す。モニタ出力の7枚法の結果表示にしろ、印刷出力に示した階層構造の画像整理管理にしろ、撮影画像データと撮影属性データを関連付けることにより、パーソナルコンピュータ2の歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′が、術者の手を煩わすことなく一瞬にして処理するものである。
【0057】
さらに図4、図5において、デジタルカメラ1側で動作する歯科口腔撮影用プログラム部分AP3は撮影補助手段110および撮影管理手段210より成り、撮影データ記憶部10cAは撮影画像データ記憶部10cA1と撮影属性データ記憶部10cA2により好適に構成される。撮影属性データのメニューの一部(不変な既定撮影属性データ)は撮影補助手段110に、メニューの残りの部分(既定撮影属性データの変動データおよび設定データ)は撮影属性データ記憶部10cA2に、撮影画像および撮影画像に関連付けられた撮影画像データ(関連付け情報を含む)は撮影画像データ記憶部10cA1に記憶されることになる。
撮影補助手段110は、術者による撮影に関してデータ設定、撮影順序、撮影の向き等を補助する役割を担うもので、撮影属性データ設定選択手段113a、既得撮影データ入力手段113b、術者支援手段114、既定撮影属性データA115の一部を有する。術者支援手段114は、撮影補助手段のうち特に術者に選択項目や操作手順、位置方向等を報知し術者からの入力を受け付ける手段を与えるもので、位置方向指示手段A114a、術者への報知手段A114bより構成され、これらは選択項目を表示・音声出力したり、デジタルカメラのあるべき位置方向を表示・音声出力して術者に報知するだけでなく、術者によるデジタルカメラの位置方向調整操作やセレクタスイッチSSの操作による選択入力等を受け付ける。撮影補助手段110に配置される既定撮影属性データA115の一部には、規格撮影に関する既定撮影属性データを集めた規格撮影データメニューA116、標準の照準に関する既定撮影属性データを集めた標準照準メニューA117(Z8)、標準の撮影手順に関する既定撮影属性データを集めた標準撮影手順メニューA118が存在する。
図4において規格撮影データメニューA116の例として下顎右歯列規格撮影属性データA、上顎右規格撮影属性データB、上顎歯列ミラー規格撮影属性データC等を記載しているが、もちろんこれは図4にシンボリックに記載してあるだけであり、実際に配置される内容は規格撮影に関する撮影属性データであり、それをメニュー化したものが配置される。標準照準メニューA117(Z8)(照準a、b、c等、規格撮影A、B、C等に対応して配置)、標準撮影手順メニューA118(Z3)(手順α:FACE→A→B→C→D→E→F→G→FREE等)も同様である。
これらの撮影属性データのメニューについて規格撮影データメニューA116を例にもう少し詳細に説明すると、あらかじめ決められた種類の歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するに際して、撮影補助手段110が特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップ(歯科口腔写真撮影ステップとは、ある1枚の口腔写真を撮影する際の一連の情報処理装置を通じた手順をいう。)において何れの撮影属性データを選択するかを術者に求め、撮影属性データ設定選択手段により制御検出されるセレクタスイッチSSを通じ術者により選択されるものである。下顎右歯列規格撮影Aが選択された場合、この既定撮影属性データは転送されて術者入力撮影属性データA128の一部となる。例えば図5の矢印Z4は歯列Aを選択した旨を表している。
【0058】
次に図5においてデジタルカメラ1側で記憶される撮影データ記憶部10cAは撮影属性データ記憶部10cA2と撮影画像データ記憶部10cA1が好適に配置される。撮影属性データ記憶部10cA2には、既定撮影属性データA115の一部がメニューとして、既得撮影属性データA127がメニューとして、術者入力撮影属性データA128が術者による設定/選択結果として、好適に配置される。撮影データ記憶部10cAに好適に配置される既定撮影属性データの一部には医院名A123a、技工所名メニューA123b、術者名メニューA123c、日時A124、カスタム撮影手順メニューA125、カスタム照準メニューA126が好適に配置される。術者入力撮影属性データA128の例として図5には、選択した規格撮影A、患者名、パワーON直後のフラグ、選択した術者名、選択した撮影手順が確定登録されている状態を示している。
これらの撮影属性データのメニューについて既得撮影データメニューA127を例にもう少し詳細に説明すると、これは例えば初診時に所定の撮影を済ましてある患者の再診時の治療過程を撮影する中でもっぱら初診時のフリー撮影を行う場合、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するために用いる既得の撮影画像データおよびその輪郭の画像データのメニューであり、撮影補助手段110が特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求めた際にセレクタスイッチSSを通じ術者により選択され、既得撮影データ入力手段113bを通じ術者入力撮影属性データA128に転送されるものである。
図4、5にはさらにデジタルカメラのモニタに表示された画面イメージとして規格撮影選択(例:A、B、C、D)、術者選択(例:1、2、3)、一般撮影状態への以降選択表示が示されている。また、今まさにデジタルカメラのレンズを通して入力されている画像のCCD上のイメージとして下顎前歯の画像を例示している。また、患者確認のために撮影されるバーコードの撮影イメージも記載してある。このバーコードはパーソナルコンピュータ1の歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′によりプリンタより出力されたバーコードの撮影イメージを示している。
以下の説明では、これらのプログラムはデジタルカメラ1側で動作するものとして説明する。以下ではデジタルカメラ1が先行して単独で動作し、後にパーソナルコンピュータ2に接続されて共動する典型的な例において説明する。
【0059】
デジタルカメラ1は、非歯科撮影用プログラム部分P1と基本撮影プログラム部分P2が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3と基本撮影プログラム部分P2が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作する。デジタルカメラ1は歯科口腔撮影状態で立ち上がるべく、パワーオンするとCPU10aは優先的に歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を読み込み動作するように歯科口腔撮影用プログラム部分AP3自身がプログラムされており、その後非歯科撮影状態への移行が可能とされている。
非歯科撮影状態とは非歯科撮影用プログラム部分P1と基本撮影プログラム部分P2が動作している状態をいい歯科口腔撮影状態とは歯科撮影用プログラム部分AP3と基本撮影プログラム部分P2が動作している状態をいう。
撮影属性データは、関連付けられた撮影画像データがいつ、どの医院または技工所で、どの術者により、パワーオンしてから何番目の患者の何枚目の撮影画像として、どこの規格撮影部位あるいはフリー撮影で、ミラーを使用したか否か、あるいは場合によっては患者名は誰であるかとう情報を含む。患者名の取得情報は、患者名(例えば図5における矢印z1参照)または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含み、これによりどの患者のものかを特定することができる。これら撮影属性データを利用して、パーソナルコンピュータ側において撮影画像を利用する場合に、患者、日付、撮影部位等が自動的に整理・管理可能となる。
患者の特定は、顔写真によるほか、カルテ等の書類、免許証等の物品等によってもなし得ることを意味する。図8の矢印z6はバーコードを読み込むことによって患者を特定する態様を示している。また、情報処理装置10,20に内蔵または接続されたプリンタPやモニターM等の表示装置または図示しないプロジェクタ等の投影装置により患者を特定する情報または書類または物品を含む事物を作成表示し、歯科口腔写真撮影ステップにおいてこの事物の撮影またはこれに関する音声報知を行うことにより患者を区別または特定し、撮影属性データとしてもよい。例えば、顔写真をプリントしあるいはモニター表示したものをデジタルカメラ1で撮影することにより患者を特定する場合等もあるからである。さらに、この実施形態は、撮影属性データの一部に、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定のステップにおいて最初または最後または特定のステップであることを示すマーク情報を含み、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報を含む。マーク情報は、数人の患者についてシリアルに撮影画像データが取得される場合に、各患者の撮影画像データ範囲がどこからどこまでであるか(例えばどこが区切りであるか)を特定するために付されるものであり、画像改変識別情報は、ある撮影画像データが治療開始前に撮影した撮影画像データであるか否かを認定するために利用するものである。マーク情報は図4の撮影属性データ設定選択手段113aにおいて設定および/または選択する。画像改変識別情報は、術者により初診時の撮影画像データに治療シミュレーションを施して表示・保存したり、術者により再現撮影するために輪郭画像に改変されたり、術者により色が補正されたり、術者または患者または第三者により、悪意をもって改ざんされたときに、画像が改変されたことを示すために、例えば撮影属性データとして図12(b)に示す様にjpg形式のExifタグ領域にExif規格にのっとって格納される。マーク情報もjpg形式のExifタグ領域にExif規格にのっとって格納される。
図3のパーソナルコンピュータ1側撮影補助手段120に設けられている改変識別応用手段124が撮影画像の改変についての確認支援・認証・保証を行なうためのものである。撮影属性データ設定選択手段113aは、術者に変更選択のための出力をモニター等になした上で、その入力を受け付ける。セレクタスイッチSSは操作入力を受け付けるものであるが、MICを選択入力操作部として音声入力により操作入力を受け付けるようにしてもよい。
【0060】
一方、図4に示す撮影補助手段110の内部には、撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段114が備わる。少なくとも術者支援手段114は、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、術者支援データに基づきあらかじめ決められた手順に従って報知する出力をなし、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの適正方向を知らせる。例えば、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。具体的には、次の撮影がどの歯牙あるいは歯列であるか、患者が変わる場合には次がどの患者であるのか(氏名や顔貌等)などをモニターMやファインダーF、スピーカSPで出力する。術者支援手段114は、デジタルカメラ1の構成要素であるファインダーF又はモニターMの少なくとも一方に照準を表示する機能を備え、その照準は、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化する構成となっている。図4における矢印z8はいくつかの照準データを示している。あるいは、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。再現撮影の場合には既得撮影データ入力手段113bから既得撮影データを取り込むことができるので、その既得撮影データから輪郭抽出したものを照準として用いて次の撮影部位や患者を特定することが有効となる。図3のパーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220には、既得撮影データを呼び出す際に輪郭抽出するための輪郭抽出手段226が設けられている。あるいは、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。再現撮影する場合等にも、特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に選択させ又は順番設定させる場合があり、このような場合に同様の出力をなすことは効果的である。
【0061】
撮影管理手段210,220は、撮影データ記憶管理手段211、221において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段212、222において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で出力する。ここで撮影データ出力手段212、222とは、撮影画像データと撮影属性データを関連可能な形式で出力する手段であり、撮影データ記憶管理手段211、221とは、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる手段である。また、「階層的に」とは、データがフォルダツリー構造に類する構造下に関連づけられており、患者単位、術者単位、歯科医院単位、歯科技工所単位等で撮影画像データを追加、分類、整理、管理、表示できることを意味する。また、撮影管理手段210、220は、撮影データ記憶管理手段211,221において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で記憶し、または撮影データ出力手段212,222において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で出力する。補正とは例えば撮影画像データの色補正等(後述する)を意味し、改変とは初診時の撮影画像データを治療計画に基づき、予定されている治療結果目標をシミュレーションする等を意味する。撮影データ記憶管理手段211,221は、撮影属性データを撮影画像のデータファイルまたは撮影画像データファイルではないデータファイルとして撮影データ記憶部に記録・保存する。撮影画像のデータファイルが例えばJPG形式である場合は、画像データ領域に付随するExf領域に撮影属性データを書き込んでもよいし、画像データ領域中に撮影属性データを埋め込んでもよい。また、撮影画像データファイルに撮影属性データを付加する以外に、撮影属性データファイルの特定情報を付加して撮影画像データファイルではないデータファイルとリンクさせる態様も可能である(図示省略)。図12(b)は撮影画像データの術者領域に書き込まれるデータを例示している。このデータは、JPG形式のファイルのExifタグへ情報追加されたもので、データのTag、TagName、Type、countに始まり、データ種別が記録されている。上から順に、AF/MF情報、距離、医院名、撮影者、規格撮影種別、ミラー有無、改変有無、改変Ver、改変者、パスワード、撮影日時、色票の色、患者などのデータを含んでいる。
また、上記以外の構成として、本実施形態は、図3に示す撮影補助手段120に照明制御手段125を備え、撮影管理手段220に撮影データ画像処理部225を備える。
【0062】
照明制御手段125は、照明システム15を制御するものである。この照明システム15は、図13および図14に示すように、被写体の周囲にフラッシュアーム152を配置してフラッシュ発光部151を取り付けるかまたは、同被写体の周囲一定距離上に光ファイバアーム154を配置し、かつ等角位置に光ファイバ固定具156を配置して、何れかの光ファイバ固定具156に位置変更可能に光ファイバ153を取り付けるようにしている。すなわち、撮影のためのフラッシュ発光部151による照明が図13では直接、図14では光ファイバ153によりガイドされ、被写体表面までの距離を変えずに照明光の被写体への入射角度を可変にできるようにしている。また、フラッシュ発光部151または光ファイバの先端の左右同位置の2箇所には、被写体から一定距離を保って、第2の投光手段であるパイロットランプ157が取り付けられている。このパイロットランプ157は、光ファイバ153によるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバ153にガイドされた先の投光部で光ファイバ153の投光方向と同一方向に非撮影時に投光するために用いられ、被写体表面からのフラッシュ光の非散乱反射が少なくあるいは目立たなくなる方向からフラッシュ光を当てるための撮影前カメラ位置合わせに使用される。なお、図中155で示すものはフラッシュ光反射用のミラーである。
一方、照明制御手段125は、前述した歯科口腔撮影用プログラム部分AP3が照明システムに接続されたデジタルカメラ1の情報処理装置10に読み込まれるかあらかじめ配置されることによっても構成される。照明制御手段125は、図15〜図17に示すように、デジタルカメラ1の距離センサ1aが検出するフラッシュ発光部1bから被写体までの距離データを照明制御手段125に入力することによって、フラッシュ発光部から被写体までの距離に影響されずに被写体からフラッシュ発光部への入射光量が一定となるように照明システムの発光量を制御するものである。図18に示すミラー155を使用する規格撮影の場合には、ミラーの反射時に発生する光量減衰とミラーと被写体間の光の往復による距離減衰が生じるが、これらは規格撮影に関する既定撮影属性データの内部属性データに盛り込むことによって自動的に補正することができる。
すなわち、カメラの受像部1xと、照明であるフラッシュの発光部1bと、自身と被写体間の距離(または位置)を測定する距離センサ1a(または位置検出部)が、固定または可変であるが確定的な3次元的位置関係にあり、距離センサ1aと被写体間の距離(または位置関係)からフラッシュ1bから被写体までの距離を算出する。そして、図17の特性を利用し、距離の2乗に比例して照明の光量を調整する。距離算出方法の例としては、距離センサ1a・被写体・フラッシュ発光部1bの3点の3角形の関係から算出する。
【0063】
照明の光量は例えば、フラッシュの電気エネルギーを調整すればよい。また、距離センサの例としては、超音波距離センサ、赤外線距離センサ等がある。この距離センサまたは距離検出部は、オートフォーカス機能付きのカメラには通常備わっているものであるが、本実施形態ではオートフォーカス機能の有無に関わらず距離センサと照明制御手段を連動させて使用する。
なお、照明システム15側に、被写体表面までの距離を測定する距離測定部たる距離センサと距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部とを内蔵してもよい。
また、ミラー155を介した撮影において、当該ミラー155に凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を情報処理装置に読み込むことにより演算手段300(図18参照)を構成して、前記ミラー155を介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段300を介して平面データに展開するようにすれば、広角画像を的確に撮影できる。また、ミラー155を使う場合は、ミラー155によって画像が反転するので、ミラー155を使った撮影であるか否かの操作入力部および/または検出入力部を撮影属性データ設定選択手段113a(図4参照)などに設け、ミラー155を使った撮影の場合には演算手段300で画像を上下または左右反転する演算を行ない、元の映像に戻すことが有効である。勿論、ミラーをもう1枚使用して撮影画像を元の映像に戻す構成をとることもできる。
また、図19に示すように、投光部とレンズの双方に偏光板400を配置して、直接反射光をカットする構成を採用するようにする。図示の偏向板400は、0°〜90°の間で回転可能とされ、反射光をカットする程度を調整可能とされている。
以上に加え、この実施形態の歯科口腔測色写真システムは、図1に示すように、歯科用測色計3、歯科用色標識4、歯科用色判定票5を備え、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′がコンピュータに読み込まれることにより図3の色補正支援手段227を含む撮影データ画像処理手段225を構成して、これらによりデジタルカメラ1で撮影した撮影画像に対して色補正や色判定の利用に供するようにしている。
歯科用測色計3は、撮影対象である歯牙や歯肉の測色を行なって測色値を得るものであり、後述するS、V、Hを目盛とする人間天然歯表色系上で結果を表示するものである。歯科用色標識4は、基準となる複数の色票からなるものであって、歯科用測色計の代わりに簡易的に歯牙の測色をおこなったり、歯科口腔撮影時に同時に撮影されるものであり、人間天然歯表色系上の色票の値が特定されているものである。歯科用色判定票5は患者への説明の際に用いる歯の色を現わした紙片のようなものであり人間天然歯表色系上の値が特定されているものである。
【0064】
図20(a)は人間天然歯の表現の構成について示す。任意の色は色に関する少なくとも3つの独立した値として表現できることが国際照明委員会で認められている。これを表色系というが、代表的な表色系として図20(a)に示すL*(明度を示す)、a*、b*(L*軸からの距離が彩度を表し、L*軸周りの位相角が色相を表す)がある。人間天然歯の色の分布は例えばこのL*a*b*表色系中に配置すると図中の楕円体付近の非常に狭い範囲にひしゃげたラグビーボール状に分布している。この狭い分布に内接する人間天然歯色空間とする表色系として同図にS、V、Hの表現で示す様な表色系が松風社より構成提案されている。これは人間の天然歯の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向(色の濃さ方向)S、幅方向(色の鮮やかさ方向)をV、奥行き方向(色合い方向)をVとし、S、V、Hの値に各ランクを設けて人間天然歯色空間を3次元的に分割して各立体区画毎に色の名称をつけて区画表現をおこない、S、V、Hの各ランクをShadeランク、Valueランク、Hueランクとしてランク表現した区画表現+ランク表現方法である。ちなみに出願人である松風社では測色結果のグラフを各ランクを3分割した分割ランク表現した測色計を発表発売している。本発明はこの区画の表現をそのまま継承し、ランク分けしないSVH票色系としてS、V、Hの目盛を配置し、S、V、Hの値表現を追加した区画表現+ランク表現+値表現を歯科用測色計3、歯科用色標識4、歯科用色判定票5に適用したものであり、区画表現+ランク表現にあった課題を解決し、色表現の向上をもたらすだけでなく、従来の区画表現+ランク表現には不可能であった色再現性を実現するものである。本明細書中ではこれを人間天然歯表色法と呼ぶことにする。測色計で測色することにより得られるS、V、Hの結果として、図20(b)に示す様なグラフ上の★印の様に、区画や目盛またはランクや分割ランクを測色器の分解能レベルまで分解表現した点として表示または印刷出力するものである。また同じ★点の測色結果として[区画2A、Shadeランク=3.5、Valueランク=3.5、Hueランク=1.5、S値=3.1、V値=3.9、H値=1.7]として表現するのも好適である。(ランクと値の表現が似通っているが同図を見ればわかる様に、値表現の方がこの場合10倍高分解能である。)さらに患者の疾患歯を人工の材料で補綴する場合の色の再現のためのデータにこの人間天然歯表色法を用いることは正確で高分解能な色を患者の口腔内の補綴物に再現するのに特に好適であり、例えばS、V、Hの各値から自動的に材料の発色のための配合比を算出することに適用される。
図20(b)中の☆1〜☆6は人間天然歯表色空間内の単一の平面上に無い少なくとも4つ以上の表色点で、この表色点の色を表わす歯科用色標識を使って歯科用測色計や歯科用口腔測色写真システムの色再現性を補正するのに使用する。
【0065】
図21は歯科用色標識の好適な例を実用のものの一部として示す。この色標識は、A1、A2、A3、C1、C2、C3の6つの色票により構成される。この各色票はA1、A2、A3、C1、C2、C3の色区画表現に対応した色を備えており、それは図20(b)においてS、V、Hの目盛で仕切られた区画の中心値の色を表わしているが、設計上・製造過程上その色が実現しない場合にそなえて、S、V、Hの設計値または出荷検査での実測値を図20(c)の様に現物または取扱説明書等の添付文書に記載している。図21a1、図21b1、図21c1、図21d1は歯科用色標識または歯科用色判定票に用いる色票の好適な例で、図21a1はシェードガイドと呼ばれるタイプの既製の分離型の診断用歯科用色標識の色票であり、図21b1、図21d1はミシン目に沿ってちぎりやすい様になっている既製の半分離型の歯科用色判定票に好適な色票で、図21c1は後述のカメラ・モニタ・プリンタの色補正に使用する既製の歯科用色標識の色票である。特に図21d1はミシン目を歯の形に切り取れる様に入れてあり、前述のシェードガイドや患者の天然歯の上に貼り付けて観察することにより、形や周囲の色に惑わされない色判定が出来る様に工夫したものである。図21(b)、図21(c)、図21(d)はこれらの色票を使って歯科用色標識や歯科用色判定票を構成したものである。図21(b)、図21(c)、図21(d)の歯科用色標識や歯科用色判定票は既製品だけでなく、例えば本発明による歯科用測色計3により高精度項分解能に測定した患者の天然歯の色、あるいはその治療シミュレーションの色をパーソナルコンピュータの画面上に表現したものや、プリンタで印刷したものも好適である。さらに図21(d)においては、天然歯により近く見える用に測色あるいはシミュレーションした色を基準に天然歯様のグラデュエーションを施せばさらに好適であり、さらに図21(e)、図21(f)の様に患者のカルテや治療レポート(画面表示、印刷)の一部に用いても良い。これらの図で斜線部は実際の色が表現されている部分を示す。
また、これらの歯科用色判定票または歯科用色標識については、実際の患者の歯の色はS、V、Hの具体的数値(例えば、(2.7、4.5、1.5)といった座標)が表示される。これらが既製品であれば、該当する色の区画の中心値または設計上、あるいは製造上の値からS方向、V方向、H方向にどれだけ当該患者の歯の色がずれているかを表示位置をずらして表示するようにしても良い。例えば、図21d1において斜線領域の中心が区画の中心を、C3の中心からA3よりにずれた位置に表した★印が患者の歯の色の位置を表わす。また、その際、システムに測色誤差が存在する場合には、±5%といった誤差表示をこの色判定票の裏に併記するようにする。
【0066】
したがって、単に患者の歯の色がどの区画に属するかではなく、実際の目盛上に印が付され、そこから予想される誤差をも表示して、歯科医師または技工士または患者に正確な情報を提供し、全ての判断を術者に委ね、システム側に判断または診断のプロセスが介在しないようにしたものである。図22は、ある患者について経時的に歯牙を撮影することにより取得した画像データのそれぞれについて、測色計が取得したS,V,H値を関連づけて記録したデータファイルまたは治療レポートを例示している。
次に本発明による色補正方法について述べる。本方法によると、歯科用色標識または異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、歯科用色標識または色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現したり、画像上再現することができる。
色補正支援手段227は、被写体の色の再現性を高めることを支援するためのもので、歯科用色標識4を被写体と同時に撮影し、歯科用色標識4の色を再現することにより被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正できるようにした機能や、測色計3で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより撮影した画像の色補正を行なう機能を備える。例えば、図23は被写体に照明を当て、カメラを介してコンピュータに取り込んだ画像をモニターやプリンターに画像Vm、Vpとして出力する際の色補正を行なう手法を示すもので、照明による色変換係数行列CLとカメラによる色変換係数Cc行列、モニターによる色変換係数行列Cm、プリンタによる色変換係数行列Cpを使ってコンピュータの補正変換係数行列Csを算出する原理式である。照明による色変換係数行列CLとカメラによる色変換係数Cc行列モニターによる色変換係数行列Cm、プリンタによる色変換係数行列Cpは歯科用色標識4を任意のデジタルカメラで撮影した色標識または歯科用色標識の画像または、パーソナルコンピュータに読み込んだ色標識または歯科用色標識の設計データによる画像を、任意のモニタに表示させるかまたは任意のプリンタで印刷したものを任意の照明と任意のデジタルカメラで再度撮影する本発明による図24に示す方法で求めることができるので、被写体の色Vをモニター画像Vmやプリント画像Vpに合致させるべく、コンピュータにおける補正値Csm、Cspを決定することができ、色補正を的確に行なうことができる。
再現性とは人間から見た被写体の色を、データとして再現する程度のこと、またはモニタやプリンタの出力として再現する程度のことを意味する。また、再現性は同じ被写体を複数回撮影した場合に最初の撮影で出力した色のデータやモニタ出力色やプリンタ出力の色がその後の撮影で同じ色として出力される程度のことを意味する。また、再現性とは、モニタで出力した被写体の色とプリンタ上で出力した被写体の色が同じ色である程度のことを意味する。
【0067】
この方法は、歯科用色標識または異なる3色以上の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することもでき、治療の過程で患者の歯および/または歯肉の色の変化の過程を画像や定型の印刷物上で再現するか、人間天然歯表色法で表示することにより色判定に資することもできる。また、撮影画像を補正せずに、本発明による方式や本発明によらない方式による画像補正のためのデータ(上述Cc・CL等)またはさらに画像補正のプログラム自体を例えば暗号化して撮影属性データとして撮影画像データと関連付けることにより、どの様なパーソナルコンピュータ、プリンタ、モニタ等の環境でも、色再現性の良い画像再現を実現するものである。
これらの方法は任意のデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、モニタ、プリンタ(一括して任意システムと表現する)を用いておこなうことが可能なので、図24に示す様に、本発明による撮影画像データファイルや撮影属性データファイルを本システムによらない技工所や歯科医院や患者自宅等の任意システムで色再現性の良い画像再現を実現することが出来るとともに、上述の暗号化により、任意システムにおいて、本発明による画像補正可能な撮影画像データを生成出来ない様にすることが可能である。
なお、歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能であって、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備えていてもよい。
<動作説明>
次に、図6〜図11の撮影シーケンスに基づき、本発明による歯科口腔測色写真システムによる撮影の手順について概説する。
各図は、上下方向に4つの帯からなっており、横軸が時間軸である。各帯は、下から順に、デジタルカメラ1側の撮影画像データ記憶部10cA1+撮影管理手段210、デジタルカメラ1側の撮影補助手段110+撮影属性データ記憶部10cA2、パーソナルコンピュータ2側の撮影補助手段120+撮影属性データ記憶部20cB2、パーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220+撮影画像データ記憶部20cB1である。
【0068】
先ず、図6において、デジタルカメラ1をパワーオンすると、撮影補助手段110がそれを検出して、起動画面を表示し、ユーザーによる選択(ここでは規格撮影の選択)後、撮影属性データ記憶部10cA2から撮影属性データメニューを呼び出し、モニターに撮影手順を表示する。図6に示した以外に撮影手順を表示する前に撮影手順のメニューを表示するのも好適である。図12(a)は簡単な状態分岐フローであり、非歯科撮影、規格撮影、自由撮影、再現撮影の何れの撮影状態によるか、規格撮影であれば5枚法、12枚法…の何れによるか、術者を誰にするかを順次選択させる画面をモニターMに表示する。例えば規格撮影状態と術者1をセレクタスイッチSSで選択したとすると、撮影補助手段110は図6に示すメニュー表示をする。A〜Dは規格撮影ステップの種別であり、アルファベットではなく撮影対象となる歯牙等をサムネイル表示するとより好適である。規格撮影では最初に撮影すべき歯牙が一応決まっているので、撮影補助手段110は暫定的にその歯牙Aを太枠で囲んだ状態で表示し、必要に応じて音声出力する。ただし、これは術者の操作によって変更可能である。例えば、図6は術者がBを選択した状態を示しており、撮影補助手段110は撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFに照準を表示する。術者がシャッターを切って1枚目の撮影を完了すると、撮影属性データ記憶部10cA2から対応する撮影属性データを受け取って、撮影管理手段210が撮影ステップPon1−1、日時、規格撮影B、術者1、歯科医院Mといった撮影属性データと、撮影画像データを関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。撮影補助手段110は、モニターMに図7に示す次の撮影手順を表示する。規格撮影では撮影補助手段110は暫定的に次に優先されるべき歯牙を太枠で囲んだ状態で表示し、必要に応じて音声出力する。ただし、これも術者の操作によって変更可能である。次に撮影すべき規格撮影Cを術者が決定すると、撮影補助手段110は撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFに照準を表示する。規格撮影Cはミラー撮影なので、規格撮影Cの撮影属性データの中からミラー撮影に必要なフラッシュ光量・距離補正データが撮影補助手段110に読み込まれミラー撮影による撮影が行なわれるべく撮影スタンバイ状態となる。術者がシャッターを押して2枚目の撮影を完了すると、撮影属性データ記憶部10cA2からミラー補正情報(たとえば上下反転など)を含む対応する撮影属性データを受け取って、撮影管理手段210が撮影ステップPon1−2、日時、歯牙C、術者1、歯科医院Mといった撮影属性データと、撮影画像データを関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。このようにして、5枚法であれば5枚、12枚法であれば12枚の撮影が実行されていく。各1枚ごとの撮影が本発明で言うところの歯科口腔写真撮影ステップである。規格撮影が全て完了すると、この撮影手順の場合、規格撮影は6枚で終了し、次がバーコード撮影となっているので図8に示す様にバーコード撮影の撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFにバーコードの照準を表示しモニターMにその旨を表示する。
術者がバーコードに照準を合わせてシャッターを押すと、撮影補助手段210がバーコード撮影に関する撮影属性データと関連付けてバーコード画像を撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。このとき、撮影補助手段210により撮影画像データ記憶部10cA1からパーソナルコンピュータ2にバーコードデータが無線転送され、パーソナルコンピュータ2側の撮影補助手段120が患者バーコードデータベースに関する撮影属性データからバーコードデータに対応した患者名を検索特定し、その患者のの撮影既得撮影属性データをデジタルカメラ1側に無線転送する。その患者の撮影既得撮影属性データが無い場合は、過去の撮影画像データの中から選択して既得撮影属性データを生成する様にしても好適である。この様にして撮影ステップPon1−1〜Pon1−6の撮影画像データに関連付けられた撮影属性データに患者名が付加される。この時点で、全ての撮影ステップPon1−1〜Pon1−6の撮影画像データが患者名を含む撮影属性データと関連付けられて記憶される。そして、これら記録されたデータは、図9(A)に示すように、デジタルカメラ1側の撮影管理手段210からパーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220に無線転送され、当該パーソナルコンピュータ2側の撮影画像データ記憶部20cB1に記憶される。パーソナルコンピュータが接続されていない場合は、ここでいったん起動画面に戻り、術者の操作に基づく他の動作中に、パーソナルコンピュータに接続された場合に画像転送は別途デジタルカメラ1またはパーソナルコンピュータ2に転送のメニューが表示され転送が可能となる。
【0069】
バーコード撮影に関して、パーソナルコンピュータ2が無線有線を問わず接続されていない場合は、デジタルカメラ1内にある患者バーコードデータベースに関する撮影属性データを検索する。検索して該当データがない場合やデジタルカメラ1内に患者バーコードデータベース自体が無ければそのままバーコード撮影をおこない。全ての画像をパーソナルコンピュータに転送後、パーソナルコンピュータ内で自動的にバーコードによる患者名検索がおこなわれ、患者名を確定して撮影属性データとして撮影画像データと関連付ける。
パーソナルコンピュータに転送されたると、撮影管理手段220により撮影画像データは自動的に図9(B)に示す概念の様に階層的に整理されて保存される。また、撮影管理手段220により、撮影画像データの管理情報として図9(B)の概念情報が具体的な図表として生成・表示されるのも好適である。また、自動的に整理されることにより、図9(C)の様に例えば5枚法なら5枚法の並べ方に自動的に並べて表示・印刷することも可能である。
次に、再現撮影のシーケンスについて図10をもとに概説する。先ず最初に起動画面より再現撮影を術者が選択すると、撮影補助手段110により撮影属性データ記憶部10cA2または(パーソナルコンピュータ2内の既得撮影属性データを含む)の既得撮影属性データを読み出して既得撮影メニューを表示する。通常既得撮影データには現在通院中の患者のデータが記憶されているので、そのメニューに所望の患者がいなかった場合、検索が選択される。検索が選択されると、撮影補助手段110はデジタルカメラ1およびパーソナルコンピュータ2の撮影画像データ記憶部10cA1、20cB1から既得撮影属性データに登録されていない撮影画像データファイルの一覧を転送表示する。この一覧表示はサムネイル画像表示を伴うのが好適である。この中から術者により再現撮影したい患者のフリー撮影画像が選択されると、今度は該当する画像データを関連づけられた撮影属性データとともに転送し、撮影補助手段110内で画像の輪郭を生成しそれを照準として既得撮影属性データとして撮影属性データ記憶部10cA2にメニュー項目として登録し、撮影条件を再現・輪郭照準を表示して撮影プリスタンバイする。検索が選択されず、既得撮影データのうちのひとつが選択されると、撮影属性データ記憶部10cA2または10cB2に登録されている既得撮影属性データが転送され撮影条件を再現・輪郭照準を表示して撮影プリスタンバイする。術者が再現撮影のためにデジタルカメラを構えると、図11に示すように、撮影補助手段110は輪郭をもとに構図判定を行い、「もっと右」といった構図のずれを検出して、構えや距離の支援データをファインダーFに表示し、必要に応じて音声により報知する。術者がそれに習って構えを正し、それがOKとなると、撮影補助手段110が撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFにその旨を表示する。術者がシャッターを押すと、撮影画像データが撮影データ記憶部に記録されるが、その際、撮影管理手段210は、撮影補助手段110から撮影属性データを受け取ってこれを撮影画像データに関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。撮影終了後に撮影データが再びパーソナルコンピュータ2の撮影管理手段220に送られて撮影画像データ記憶部20cB1に記憶される点は、上記規格撮影の場合と同様である。
【0070】
<発明の実施の動作および効果>
次に本発明の実施の動作および効果について説明する。
歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアおよび/または歯科用色標識および/または歯科用測色計および/または歯科用定型色判定票を構成要素とする本システムの実施の動作および効果としては、歯科口腔撮影用デジタルカメラにより患者の口腔・顔・カルテを撮影し、撮影画像データ、および診療所名を含む術者データ、または患者名・撮影部位・撮影順番を含む撮影対象データ、または絞り・シャッター速度・照明光量等の撮影条件データを歯科口腔撮影用デジタルカメラから歯科口腔画像管理ソフトウェアにUSB等の通信ケーブルまたはフラッシュメモリーカード等の記録メディアを介して転送し、歯科口腔画像管理ソフトウェアで術者データ・撮影対象データ・撮影条件データをもとに撮影画像データを自動的に整理することにより、術者を支援し操作性を向上するものである。
また、逆に既に撮影した特定の患者のこれらデータを歯科口腔撮影用デジタルカメラへ転送することにより、再診に訪れた患者の撮影を同じ条件で行なうことを撮影支援し操作性を向上するものである。また、歯科で行なわれている規格撮影の撮影対象データ・撮影条件データを内蔵し、術者に撮影指針を与え、かつ撮影準備を自動的に行ない操作性を向上するものである。
また、ファインダーまたは液晶モニタに撮影対象に応じた照準または、再診の患者であれば以前の画像データの輪郭を表示して撮影支援し操作性を向上するものである。また、口腔写真撮影に対応した照明をセットし、照明の最適な制御を行ない、撮影画像の被写体反射光量を最適化し、ミスの無い簡単撮影を実現し結果的に操作性を向上させるものである。また、歯の色の判定に関し、人間天然歯の表色系に基づく測色計、または歯科用色標識を用いて色の判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識を撮影対象と同時撮影することにより、撮影画像の色補正・色判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影することによって、歯科口腔撮影用デジタルカメラの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影し、歯科口腔画像管理ソフトウェアでコンピュータディスプレイに表示またはプリンタで印刷した歯科用色標識または一般の色票または色見本を再度撮影し、色データを照合することで歯科口腔撮影用デジタルカメラとコンピュータディスプレイまたはプリンタの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、画像が撮影時のオリジナルのものであるか、改変されたものであるかを判別して、診療の品質保証の支援を行なうものである。
【0071】
カメラまたは照明の全部または一部の制御を、通信手段を介して行なうか、制御のためのプログラムまたはデータの授受を記録メディアおよび/または通信手段を介して行なう歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作としては、カメラまたは照明の全部または一部の制御を、通信手段を介して行なうか、制御のためのプログラムまたはデータの授受を記録メディアまたは通信手段を介して行なうことにより操作性の向上についての条件、つまり歯科口腔撮影用デジタルカメラと歯科口腔画像管理ソフトウェアのデータの共有と機能的な結合を行なうものである。
歯科口腔撮影を行なう状態で起動し、歯科口腔撮影を行なわない状態に移行するための表示または操作入力をそなえたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作および効果としては、歯科口腔撮影を行なう状態で起動し、歯科口腔撮影を行なわない状態に移行するためのメニュー表示を行ない、このまま歯科口腔撮影を行なうか、一般の撮影に切り替えるか術者の操作入力により対応することで、歯科に特徴的な撮影以外の一般の撮影も可能にして操作性の向上をもたらすものである。
複数の撮影対象または複数の撮影条件または複数の術者名が、あらかじめ決められた順序または撮影条件に従って術者により撮影されるべく、表示または音声出力により術者に示される歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、上顎前歯部・下顎前歯部・上顎小臼歯部・下顎小臼歯部等の複数の撮影対象が、あらかじめ決められた順序で撮影部位に応じた撮影条件、あるいは前回撮影の術者名とともにファインダーまたは液晶モニタに表示または音声出力により術者に示すことにより術者支援とし、前回撮影と同一術者の場合はさらなる操作性の向上をもたらすものである。
特定の撮影対象または特定の撮影条件または特定の術者名が、術者により選択されるべく、表示または音声出力により術者に示され、撮影属性データ設定選択手段をそなえたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の撮影対象・撮影条件・術者名をファインダーまたは液晶モニターに選択メニューとして表示または音声出力し、そのなかから、特定の撮影対象または特定の撮影条件または特定の術者名を術者が選択すべく動作することにより、術者支援とし操作性の向上をもたらすものである。
【0072】
撮影対象または撮影条件または術者名を、撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、撮影対象または撮影条件または術者名を、撮影画像のデータファイル、例えばJPEG形式のデータファイルのデータ領域に記録するか、または撮影画像ではない専用のデータファイルに記録することにより、これらデータファイルのデータを歯科用画像管理ソフトが自動処理して術者支援とし操作性の向上をもたらすための前提を提供するものである。
あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影する歯科口腔撮影用デジタルカメラにおいて、および/または同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影する歯科口腔撮影用デジタルカメラにおいて、特定の規格撮影または再現撮影の手順を1つの口腔写真撮影ステップとし、口腔写真撮影ステップを術者に表示および/または音声出力するか、および/または術者による選択入力手段をそなえるか、および/または撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録するかおよび/または通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で撮影する規格撮影、または同一患者における同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再診時に再現撮影する場合に、規格撮影であればその撮影対象・撮影条件をあらかじめ口腔写真撮影ステップとして歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトに内蔵し、再現撮影であれば、その患者の以前の撮影対象・撮影条件・術者名・以前の撮影画像の輪郭を口腔写真撮影ステップとして、複数の口腔写真撮影ステップを表示または音声出力し選択入力することにより、さらにこれらデータを撮影後、画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するかまたは通信出力または入力することにより術者支援とし操作性の向上をもたらすものである。複数の規格撮影の口腔写真撮影ステップの中に患者の顔写真および/または書類を含む歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の規格撮影の口腔写真撮影ステップの中に患者を特定するための情報として患者の顔写真または書類を含むことにより、設計支援とし操作性の向上の前提とする。
【0073】
複数の口腔写真撮影ステップをあらかじめ決められた手順に従って音声および/または表示により術者に指示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の口腔写真撮影ステップをあらかじめ決められた手順に従って音声または表示により術者に指示することにより、術者が手順通りに撮影する場合において操作性の向上をもたらすものである。
ファインダーおよび/またはモニタに表示される照準が、口腔写真撮影ステップに応じて変化することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、ファインダーに表示される照準が、口腔写真撮影ステップに応じて変化することにより術者への撮影支援とし操作性の向上をもたらすものである。
口腔写真撮影ステップにおいて、該当する規格撮影および/または再現撮影に応じて、術者にカメラの位置方向を音声および/または表示により指示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、口腔写真撮影ステップにおいて、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの位置方向を音声または表示により指示することにより術者への撮影支援とし操作性の向上をもたらすものである。
ある患者の最初または最後または特定の場所の口腔写真撮影ステップにおいて、撮影画像のデータファイルに最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を付与するか、および/または撮影画像ではないデータファイルに最初または最後または特定の場所の撮影画像を特定する情報を記録するかまたは通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、ある患者の最初または最後または特定の場所の口腔写真撮影ステップにおいて、撮影画像のデータファイルに最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を付与するか、または撮影画像ではないデータファイルに最初または最後または特定の場所の撮影画像を特定する情報を記録するかまたは通信出力または入力することにより、そのマークを特定の患者の最初または最後または特定の場所のデータとして、歯科用画像管理ソフトでの撮影画像の自動整理・管理の前提情報とし、操作性の向上をもたらすものである。
【0074】
撮影対象・撮影条件を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、口腔写真撮影ステップを実行することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、上記歯科口腔写真システムの実施の動作により、撮影対象、撮影条件、術者名が確定した状態で、歯科口腔撮影用デジタルカメラが口腔写真撮影ステップを実行し、これらデータを自動記録することにより歯科用画像管理ソフトでの撮影画像の自動整理・管理の前提情報とし、操作性の向上をもたらすものである。
次の患者であるか引き続き撮影する患者か、診療所はどこかおよび/または術者は誰か、補綴物を扱う技工所はどこかおよび/または技工士は誰か、患者名は誰か、初診患者か再診か、規格撮影か自由撮影か、規格撮影の場合どの規格撮影か、術者が初心者か熟練者か、絞り、露光時間、照明光量、撮影距離、ズーム倍率、光学的撮影倍率、デジタルトリミング倍率、左列挙のいずれかすくなくとも1つ以上の撮影対象および/または撮影条件について、あらかじめいずれか初期設定したうえで、術者に変更選択のための表示か音声ガイド出力を行ない、メニュー操作および/またはスイッチ操作により変更可能とし、撮影後にこれらの撮影対象および/または撮影条件を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果については、次の患者であるか引き続き撮影する患者か、患者名は誰か、初診患者か再診か、規格撮影か自由撮影か、規格撮影の場合どの規格撮影か、術者が初心者か熟練者か、絞り、露光時間、照明光量、撮影距離、ズーム倍率、光学的撮影倍率、デジタルトリミング倍率、左列挙のいずれかすくなくとも1つ以上の撮影対象または撮影条件について、あらかじめいずれか初期設定したうえで、術者に変更選択のための表示か音声ガイド出力を行ない、メニュー操作またはスイッチ操作により変更可能とし、撮影後にこれらの撮影対象または撮影条件を撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または出力または入力することにより、操作性の向上をもたらすものである。
撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録されるか、または出力または入力することによって得た、撮影対象や撮影条件に基づき、撮影画像を階層的に整理し、管理し、表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科口腔撮影用デジタルカメラによる撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録されるか、または出力または入力することによって得た、撮影対象や撮影条件に基づき、歯科口腔画像管理ソフトウェアで撮影画像を階層的に自動的に整理し、管理し、表示することにより操作性の向上をもたらすものである。
【0075】
音声入力および/または操作入力においては患者名または患者に対応する番号、または画像入力においては患者名または患者に対応する番号または患者に対応する画像パターンを患者情報として入力する入力手段を備え、患者名を特定することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作および効果については、音声入力または操作入力においては患者名または患者に対応する番号、または画像入力においては患者名または患者に対応する番号または患者に対応する画像パターンを患者情報として入力する入力手段を備え、患者名を特定することにより操作性の向上をもたらすものである。
撮影画像を患者毎に、および/または撮影歯科医院毎に、および/または歯科技工所毎に、階層的に整理および/または追加し、管理し、表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、撮影画像を患者毎に、または撮影歯科医院毎に、または歯科技工所毎に、自動的に、階層的整理または追加し、管理し、表示することにより操作性の向上をもたらすものである。患者が再診である場合の再現撮影において、過去の患者の撮影画像および/またはその輪郭、撮影対象および/または撮影条件および/または術者名を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、過去の撮影画像と同じ撮影対象および/または撮影条件および/または術者名を表示するか、および/または過去の撮影画像の輪郭を照準としてファインダーおよび/またはモニタに表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、患者が再診である場合の再現撮影において、過去の患者の撮影画像またはその輪郭、撮影対象または撮影条件または術者名を撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、過去の撮影画像と同じ撮影対象または撮影条件または術者名を表示するか、または過去の撮影画像の輪郭を照準としてファインダーまたはモニタに表示することにより操作性の向上をもたらすものである。
鏡を使った撮影であるか否かの操作入力および/または検出入力を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転することにより、術者が反転した画像で混乱することを防止することにより操作性を向上するものである。
【0076】
被写体表面までの距離に応じて撮影のための照明の光量を調節することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果については、被写体表面までの距離を自動焦点機能等で取得し、その距離に応じて撮影のための照明の光量を調節することにより歯科用カメラの被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、ミラーを介した撮影では、ミラーの反射の時点で一定の光量低下があるので、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正することにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度が可変であることを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムの実施の動作と効果については、図13において、フラッシュ発光部151が、aまたはb、cあるいはその中間の位置に対に位置決めされるべく、フラッシュアーム152がカメラ本体11を中心に左右対象に伸び縮みする。このフラッシュアーム152は被写体を想定した位置を中心とする円上を移動する様に設計構成されている。この結果、被写体への照明の方向が変わっても照明から被写体への距離が変化せず、被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
ミラー撮影の場合に、ミラーを凹面鏡にするとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′をコンピュータに読み込むことにより演算手段を構成し、前記ミラーを通じて取得した撮影データを演算手段を介して平面上に展開するようにすれば、広角な撮影も好適に行なえるようになる。
撮影のための照明が光ファイバによりガイドされる歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムおよび光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変である歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本真システムの実施による動作と効果については、フラッシュ発光部151の発光をミラー155で反射して可撓性のある光ファイバ153に導き、光ファイバアーム154に固定された位置にて照明光が投射される。光ファイバアーム154は被写体を想定した位置を中心に円弧上に光ファイバ固定具156の位置を左右対象に調節する。また光ファイバ153を光ファイバ固定具156に固定せずに任意の場所に固定することが出来る。この様にして撮影のための照明が光ファイバによりガイドされることにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
【0077】
照明の方向から偏光板を介して撮影を行なうことにより、いわゆる照明によるてかりをなくして、エナメル層の下にある象牙層のうしょく(虫歯)を撮影できる効果をもたらすものである。
光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えることによる動作と効果については、上記の光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、上記の光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段(図14におけるパイロットランプ157)を備えることにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯および/または補綴物および/または歯肉の色表現を備えることを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアおよび/または歯科用測色計および/または歯科用色標識および/または色判定票よりなる本システムの実施による動作と効果については、3次元の表色系において表した人間の天然歯の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、および人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯または補綴物の色表現を備えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
人間天然歯表色系の分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角のそれぞれ代表的な位置に相当する単数または複数の色票をそなえたことを特徴とする歯科用色標識を含む本システムの実施による動作と効果については、人間天然歯表色系の分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角のそれぞれ代表的な位置に相当する単数または複数の色票による歯科用色標識を備えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
【0078】
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系で、歯科用色標識の色を基準に、被写体の各部の色を表現することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科用色標識の色を基準に、被写体の各部の色を人間天然歯表色系で表現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、請求項22記載の測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうことにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
赤外カットフィルタを備えたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムの実施による動作と効果については、赤外カットフィルタを備えたことにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、色標識または色票を撮影することなく撮影した画像の色を3次元的に表現する歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、上記の色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、色標識または色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
また、色補正支援等に関する上記の構成によれば、色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらし、治療の過程で患者の歯または歯肉の色の変化の過程を画像または印刷物上で再現するか、または請求項22に記載の色表現で表示することにより、色表現または色再現性の向上をもたらし、歯肉の色表現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
【0079】
さらに、撮影した画像データファイルまたは画像データでないファイルに撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報を付与し、パーソナルコンピュータ側で画像がオリジナルであることまたは改変されたことを確認支援・認証・保証情報を付与することにより、歯科用口腔画像の品質証明価値あるいは証拠価値の向上をもたらす。
【0080】
【発明の効果】
以上に示した構成・特性・動作により、本発明は術者データ・撮影対象データ・撮影条件データをもとに撮影画像データを自動的に整理・管理・表示・印刷・色補正・色表現・輪郭抽出し、術者を支援し操作性を向上するものである。また、逆に既に撮影した特定の患者のこれらデータを歯科口腔撮影用デジタルカメラへ転送することにより、再診に訪れた患者の撮影を同じ条件で行なうことで術者を支援し操作性を向上するものである。また、術者に撮影指針を与え、かつ撮影準備を自動的に行ない操作性を向上するものである。また、ファインダーまたは液晶モニタに撮影対象に応じた照準または、再診の患者であれば以前の画像データの輪郭を表示して撮影支援し操作性を向上するものである。
本発明は、歯科口腔測色写真システムに歯科口腔撮影用プログラム部分を組み込み、さらに規格撮影の種類等の撮影属性データを術者に選択させ、撮影画像データに被写体に属する情報撮影属性データを関連付けることにより、従来非常に困難であった歯科口腔写真撮影を誰でも簡単に失敗無く撮影可能とするばかりでなく、撮影後の撮影画像データの整理管理を容易ならしめるものである。つまり、どの部位を撮影するかの撮影属性データを撮影前にあらかじめ特定することにより、付加的な撮影属性データである撮影条件を撮影前にあらかじめ把握し、デジタルカメラの撮影動作条件とすることで術者を支援するものである。また、どの部位を撮影するかの撮影属性データとともに、患者を区別または識別するための撮影属性データを撮影画像データに関連付けることにより、複数の患者の複数の撮影部位、さらには複数の術者による未整理の撮影画像の撮影後の画像整理を自動化するものである。
また、撮影属性データとして撮影画像の補正または改変情報を組み込むことにより、再現撮影において、撮影画像を改変した輪郭画像を照準として再現撮影を容易ならしめたり、撮影画像に治療後のシミュレーションを施した画像を特定したりまた自動的に整理したり、撮影画像が悪意を持って改変されていることを特定したりすることを可能ならしめるものである。
【0081】
また、この様に撮影属性データを関連付けられた撮影画像データや撮影画像データを使って整理したり閲覧したりするための閲覧プログラムを撮影画像データファイルや関連付けられた撮影属性データファイルに内蔵することにより、撮影画像データまたは撮影属性データファイルを配布するだけで、本発明による撮影属性データの活用を可能ならしめるものである。
また、口腔写真撮影に対応した照明をセットし、撮影距離にもとづき照明の最適な制御を行ない、撮影画像の被写体反射光量を最適化し、ミスの無い簡単撮影を実現し結果的に操作性を向上させるものである。特に術者があらかじめ決められた規格撮影または再現撮影を選択した場合には、あらかじめ撮影距離が決まっているので、撮影距離を固定することで最適な照明の制御を行なうものである。口腔写真撮影における被写体の部位によっては照明をレンズに近い方向から照射したり、レンズとは離れた角度から照射したりする必要があり、撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有することにより、この様な場合においても撮影距離を的確に制御することが可能となる。この様な目的のために光ファイバにより照明光をガイドすることで、いろいろな方向から的確な照明を照射することが可能となる。
また、歯の色の判定に関し、人間天然歯の表色系に基づく測色計、または歯科用色標識を用いて色の判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識を撮影対象と同時撮影することにより、撮影画像の色補正・色判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影することによって、歯科口腔撮影用デジタルカメラの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。特に、色の表現に区分表現および値表現が表現を用いることにより、歯科診療、特に歯科補綴診療に必要な患者の歯の色の区分情報を与えるとともに、その歯の色が正確にはその区分のどこに位置するのかの情報としての値表現を与えることにより、歯科診療、特に歯科補綴診療によりきめ細かな治療の指針情報を与えるものである。
また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影し、歯科口腔画像管理ソフトウェアでコンピュータディスプレイに表示またはプリンタで印刷した歯科用色標識または一般の色票または色見本を再度撮影し、色データを照合することで歯科口腔撮影用デジタルカメラとコンピュータディスプレイまたはプリンタの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、画像が撮影時のオリジナルのものであるか、改変されたものであるかを判別して、診療の品質保証の支援を行なうものである。
【0082】
歯科用色標識の形態として、多角形板状、好ましくは円板形状、四角板形状、三角板形状、歯形状である。更に好ましくは歯形状である。色票が単体又は複数選べればよい。これらの形状が、複数接続されているか又は、全てが接続されていないか、全てが着脱できる接続機構を備えている事が好ましく、更には全てが着脱できる接続機構を備えている事が好ましい。
また、紫外領域または赤外領域をカットするフィルタをることにより、患者の歯の色をより目視に近く再現可能とするものである。
また、撮影光と被写体の間に偏光板を有し、レンズと被写体の間に偏光板を介することにより、照明の直接反射を抑えたり、歯面のより微細な構造や、歯面直下の内部構造も同時に撮影可能ならしめるものである。
本発明の好ましい対応として、汎用デジタルカメラを利用する態様があり、その態様について下記に説明する。
【0083】
[産業上の利用分野]
本発明は、カメラに接続可能な照明装置に関するものであり、特に、カメラが絞り値およびシャッタースピードを固定した状態で使用する場合に、更には被写体との距離が非常に近い場合に色再現に重点をおいた発明である。
本発明は、被写体との距離が非常に近い場合や撮影された画像の色再現に重点をおく歯科用カメラに用いることができる。
【0084】
[従来の技術]
デジタルカメラが広く普及し高機能化・高画素化が進むにつれて、特殊な用途での撮影や業務における記録撮影用としての利用が広がって来た。なかでも、画像データの取り扱いや管理の容易さから医科・歯科分野における診療経過や患部状態の記録撮影用や工業分野における電子部品の記録撮影用、耐久試験における部品または材料の経年変化の定点観察などに利用され始めている。
これらの記録用としては特定の部位を拡大して撮影する近接撮影において利用されることがあるが、デジタルカメラに内蔵されたストロボ装置は、被写体がカメラからある程度離れた遠距離にある場合でも被写体を照射できるに十分な発光量を有するものが装備されているので、近接領域においては露出オーバーになってしまうことが多く、満足な画像を得ることが出来ない。また、デジタルカメラのオート設定に関しても近接撮影を考慮されたものは少なく、近接撮影においては満足な画像を得られないのが現状で、適正な露出で撮影するためにはマニュアル設定にて絞り値やシャッタースピードの調整が必要となり、それなりの知識や経験が必要となってくる。また、カメラに内蔵されているストロボはレンズの上部のしかもレンズ先端部よりも後ろ側に位置しており、レンズ近傍に存在する被写体を撮影する場合、レンズ自体がストロボから照射された光を遮ってしまい、撮影画像の一部にレンズの影が写り込んでしまう場合もあった。
また、口腔内撮影に関して言えば、前歯から臼歯までを一望する正面観撮影においては前歯、臼歯ともにピントが合っている画像が好ましく、これを実現するためには絞り値は大きい方が好ましい。また、周囲環境の照明状態に依存しない画像を撮影するためには、できるだけ周囲光が入り込まない高速シャッター速度でかつ適正光量でのストロボ撮影という条件が好ましく、また、高速シャッター速度での撮影は手ぶれの影響を排除できるという利点ももつが、市販のデジタルカメラにおいてこれらをすべて満たして適正な露出で撮影できるものは皆無である。
そこで、複数のメーカーから近接撮影用のリングストロボや近接撮影に適した状態でシステム構築されたカメラシステムなどが市販されている。
特開2002−122936号広報記載のものは、多段階にガイドナンバー(発光量)を切替可能なリングストロボ装置と近接レンズをデジタルカメラに取り付け、デジタルカメラ本体のレンズ鏡筒に規格倍率目盛りを設けることで、規格倍率目盛りで設定された倍率に対してデジタルカメラ本体の焦点が合うように焦点距離を設定し、その焦点位置へ被写体を合わせることで、所定の倍率と最適な露出が得られるデジタルカメラセットが提案されている。
【0085】
[発明が解決しようとする課題]
しかし、上述の従来装置では焦点距離を固定にしなければならないことからカメラのオートフォーカス機能が使えず、術者はカメラを前後移動させて被写体を焦点位置に来るよう調整する必要があった。この際、デジタルカメラにおいては高価な一眼レフタイプのカメラ以外では光学ファインダが装備されていないため、液晶ファインダにより焦点を合わせる必要があったが、解像度の低さから合焦しているかどうかを判別するのが極めて困難でありピントがずれた画像が撮影されることがあった。光学ファインダが装備された高価な一眼レフタイプのデジタルカメラを用いた場合にも、口腔内撮影は被写体となる患者が歯科治療用チェアに横たわっている場合に行われることがほとんどで、術者の撮影姿勢はファインダをのぞいた状態で上方から下方を見下ろし、かつ横たわっている患者を避けつつ、重いカメラの上下移動により合焦位置を探さなければならないという非常に困難なものであった。
また、上述した従来装置ではリングストロボを使用している場合のものが多く、リングストロボを使用して口腔内写真を撮影した場合、撮影された画像には歯の表面にリングストロボの輪状の反射が写り込むことがあり、歯面中央部分が見えなくなるという問題が生じていた。この問題を回避するにはリングストロボによる輪状の写り込みが無いようにカメラの位置を決定しなくてはならないが、事前に被写体のどの部分に反射の写り込みが生じるかは撮影してみないと分からず、試行錯誤を繰り返す必要があった。
また、上述した従来装置の中には近接撮影に適したシステム構成が成されているとはいえ、絞り値、シャッタースピード、ガイドナンバーなどの設定が必要となり、ある程度のカメラの知識が要求され、また撮影状況によっては絞り値、シャッタースピード、ガイドナンバーそれぞれの設定を変えつつ撮影を行わなければならないようなものもあり、歯科の臨床における撮影状況においてカメラに不慣れな術者が撮影すると、撮影に時間がかかって患者に不快な思いをさせたり、何度も撮りなおしをしなければならなくなる場面があった。
【0086】
また、照明部1005にはキセノン管などが使われることが多いが、経年変化による光量の低下などが起こるにもかかわらず、発光量の補正手段を装備したストロボシステムは皆無で、たとえ絞り値やシャッタースピードやガイドナンバーを合わせて撮影を行っても、年月の経過に伴って撮影された画像の露出には微妙なズレを生じ、例えば患者の歯の色の経年変化を比べようとしても、撮影画像における色の変化が本来の歯の色の変化によるものなのか、撮影時の露出の微妙なズレによる変化なのかが分からなくなってしまう。
これらの状況を鑑み、本発明において解決しようとする課題は以下のとおりである。
本発明が解決しようとするひとつの課題は、照明装置を使用した場合の近接撮影において、カメラの焦点距離を固定しないオートフォーカス機能を使用した状態で、撮影ごとの絞り値およびシャッタースピードの調整を一切必要とせず、容易に一定露出で撮影することができる外部照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、重く高価な一眼レフタイプのカメラを使用しなくとも、絞り値とシャッタースピードがマニュアル設定可能な小型カメラに本発明による照明装置を取り付けることによって、軽量で安価でなおかつ最適な露出で近接領域撮影ができるようになる撮影システムの一部としての照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとするさらなる他の課題は、照明部1005の発光量を常に一定に保つために照明部1005の発光量を補正する手段を内蔵した照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとするさらなる他の課題は、照明装置の照明部1005によって被写体に写りこむ直接反射を撮影前に事前に確認できるようにした照明装置を提供することにある。
【0087】
[課題を解決するための手段]
本発明は絞り値およびシャッタースピードを固定しオートフォーカス機能を備えたカメラに装着される照明装置であって、照明部および測距部を有する照明装置において、測距部から得られた被写体との距離情報にて照射部の発光光量を算出し、撮影時に照明部が算出した発光光量を発光することを特徴とした照明装置である。
本発明は撮影前に照明部が断続的に発光し、照明光の反射の影響を確認する反射影響確認手段を有することを特徴とする照明装置であることが好ましい。
本発明は照射された光の反射光の光量を検知する検知手段を有し、検知手段により初期の光量情報との差を演算し、照明部1005の経時変化による発光量の増減を補正し常に最適な光量を発光することを特徴とした照明装置である。
本発明は撮影用の照明部1005と、被写体までの距離を測距する測距部と、測距部からの距離情報を処理し前記照明部1005の制御を行う制御手段とを備え、前記測距部からの距離情報にもとづき被写体へ照射される前記照明部1005の光量が常に一定になるように制御することで、照明装置と被写体との距離が変化しても撮影装置の絞り値・シャッタースピードを固定した状態で常に一定露出で撮影が実現できることを特徴とした照明装置である。
本発明は測距中の距離情報を保持する機構と撮影時に保持された距離情報を用いて照明部1005の制御を行う機能を備え、測距部によって測距できないような被写体の場合でも、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距した距離情報を使用することで適正な露出で撮影できることを特徴とした照明装置であることが好ましい。
本発明は照明部1005を連続的に微弱発光させることができる機構を備え、被写体に照明光を微弱発光させながら撮影装置のファインダより被写体を観察することで、被写体に写りこむ照明光の影響を撮影前に知ることができることを特徴とした照明装置である。
本発明は照明光補正状態へ移行するスイッチ機構と、照明光補正状態へ移行した際に照明部1005より被照射面に照射された光の反射光の光量を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された光量情報を保持する光量情報保持手段と、照明部1005の発光量に対する補正係数を保持する補正係数保持手段とを備え、製造時に前記光量情報保持手段に対して規定の被照射面−照明部1005間距離で規定の白色面に対して照明部1005を照射した場合の反射光の光量情報を光量情報保持手段に保持させておき、ある時間が経過した後に前記と同条件で同一白色面に照明部1005を照射した場合の反射光の光量を検知させ、光量情報保持手段に保持された光量情報との差を演算し、製造時の発光量と同じになるような補正係数を前記補正係数保持手段に保存し、次回発光時より前記補正係数保持手段に保存されている補正係数を用いて照明部1005の発光量を制御することで、照明部1005の経時変化による発光量の増減を補正し常に最適な光量で発光できるようにしたことを特徴とした照明装置であることが好ましい。本発明はデンタルミラーを使用した鏡像が被写体の場合や、照明部1005からの光が届きにくい影となる部分に位置する被写体を撮影することに対応して照明部1005の光量を段階的に補正する撮影対象切替機構を備え、鏡面に反射した被写体や照明部1005からの光が届きにくい影となる部分に位置する被写体においても適正な露出で撮影できることを特徴とする照明装置であることが好ましい。
本発明はカメラとは独立した外部装置として構成したことを特徴とする照明装置であることが好ましい。
【0088】
本発明は、測距部からの距離情報により照明部1005の発光量を制御する撮影用照明装置において、測距部を用いて被写体と照明部1005との距離を測距し被写体表面に照射される光量が常に一定になるよう制御することで、撮影装置の絞り値・シャッタースピードが固定の状態で被写体と照明装置との距離が変化しても容易に適正な露出で撮影することが可能な照明装置に関するものである。本発明の第1の基本的な課題解決手段は、撮影用の照明部1005と、被写体までの距離を測距する測距部と、測距部からの距離情報を処理し前記照明部1005の制御を行う制御手段とを備え、前記測距部からの距離情報にもとづき被写体へ照射される前記照明部1005の光量が常に一定になるように制御する照明装置を構成し、照明装置と被写体との距離が変化しても撮影装置の絞り値・シャッタースピードを固定した状態で常に適正な露出で撮影できるようにしたことである。
また、本発明の第2の基本的な課題解決手段は、第1の課題解決手段に加えて、測距中の距離情報を保持する機構と保持された距離情報によって撮影時に照明部1005の制御を行う機能を備えたことで、測距精度が確保できないような被写体の場合でも、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距した距離情報を保持し、保持した距離情報を使用して撮影することで適正な露出で撮影できるようにしたことである。
また、本発明の第3の基本的な課題解決手段は、第1、第2の課題解決手段に加えて、照明部1005を連続的に微弱発光させることができる機構を備えたことで、被写体に照明光を微弱発光させながら撮影装置のファインダより被写体を観察することで、被写体に写りこむ照明光の影響を撮影前に知ることができるようにしたことである。
また、本発明の第4の基本的な課題解決手段は、第1、第2、第3の課題解決手段に加えて、照明部1005を補正する手段を備えたことで、定期的に基準となる面へ照明部1005からの光を照射し、反射された光の光量を検知手段によって検知することで、発光量の補正を行うことができるようにしたことである。
【0089】
[発明の実施の形態]
絞り値およびシャッタースピードを固定しオートフォーカス機能を備えたカメラとは、絞り値およびシャッタースピードを固定する機能を有しオートフォーカス機能を有するカメラであれば何でもよい。
照明部とは、通常のフラッシュやストロボと呼ばれているものであれば何でもよい。
距離情報とは、測距部から得られた被写体との距離情報のことである。
照射部の発光光量(撮影時に照明部が算出した発光光量)は、測距部から得られた距離情報により、被写体との距離に関わらず撮影時の照明部からの発光光量を一定に保つように算出された発光光量である。
照明部が断続的に発光とは、微弱な光で断続的に複数回発光していることである。好ましくは連続的に発光している様に見える程度に短時間に断続的に発光させることである。
照明光の反射の影響を確認する反射影響確認手段とは、撮影装置の位置を変えることによって反射による影響を軽減するために、反射の程度や部位を撮影装置のファインダーより確認できる様に断続的に照明部が発光することである。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図25は本発明に係る照明装置の一実施例を示し、これらの図(図25(A)〜(C))において、本実施例では全体を照明装置1001として、カメラとは別の独立した装置としてカメラレンズ部前面に取り付けられるものとして例示している。
図25において照明部1005は、たとえばキセノン放電管からなるストロボ発光管とその周辺に配置される反射傘の組み合わせから構成されても良いし、LEDなどの光源とその周辺に配置される反射傘とレンズの組み合わせから構成されても良い。
照明部1005はレンズに対して左右に配置されており、これは口腔内撮影時においては、歯の断面形状が垂直方向の円筒形に近いので左右方向からの光は正面には反射せず、歯面の正面への照明部1005の写りこみを最小限にとどめる効果がある。また、照明部1005の発光部の形状はできるだけ小さいほうが写りこみが小さくなるので好ましい。
また、照明部1005は照明装置本体6から分離することが可能となっており、照明装置本体1006へは照明部1005の側面から伸びた連結継手1007を介して照明装置本体側の接続部1008へ接続される。この連結継手1007は照明部1005の左右両側面に長さの異なる2種類の継手が存在し、撮影条件に応じて長い側1007a、短い側1007bのどちらかを照明装置本体側の接続部1008へ接続する。
測距部は測距部を有する部分である。
図25中1009は被写体と照明装置との距離を測距する測距部であり、たとえば赤外線LEDとPSDセンサを用いた三角測量方式のもので構成されても良いし、超音波センサ方式などその他の非接触式の測距部であれば何を用いてもかまわない。或いはその他の器械的計測手段である計測用治具を用いることもできる。
【0090】
図25中1010は照明装置1より被写体へ照射された光が反射した光を検知し、かつ、カメラ3の内臓ストロボ1026の発光に同期して照明装置1の照明部1005を発光させるようにするための内臓ストロボ光を検知する光量検知部であり、照明装置1の前面、背面の光を検知できるように光ガイド11を介して光量検知を行う(図25(B))。
図25中1012は被写体によって照明部1005の発光量を補正する撮影対象切替機構であり、たとえば複数状態を切替設定可能なスイッチで構成されており、歯科口腔内撮影においてたとえると、正面観の撮影を基準として、ミラーを使用した撮影の場合や臼歯部のように頬によって照明部1005の光がさえぎられる条件での撮影の場合には、照明光の低下や距離センサーの誤差を補正するための発光量調整を行う(図25(C))。
図25中1013は照明部1005の発光量の強弱切替および照明光補正状態への移行を行う発光量調整切替機構であり、たとえば、複数状態を切替設定可能なスイッチで構成されており、たとえば若干発光量を多くする(Hi)と若干発光量を少なくする(Low)の発光量切替と照明光補正状態へ以降させる(Cal.)の3状態からなり、状況に応じて発光量を微調整することができる。
図25中1014は測距部1009によって測距された距離情報を一時的に保持する測距情報保持機構であり、たとえばプッシュ式のスイッチなどで構成されており、このスイッチを押すことで距離ロックランプ1015が点灯し、測距部1009による測距情報が一時的に保持され、この状態で照明部1005を発光させると保持された距離情報を元に最適な発光量が決定され発光が行われる。またこの保持状態はカメラ3のシャッターを押して照明装置1001の照明部1005を発光させた場合または測距情報保持機構1014を再び押すことによって解除され、距離ロックランプ1015は消灯する。
図25中1016は照明部1005が発光可能な状態であることを示すパイロットランプであり、ネオン管あるいはLEDなどにより構成される。
図25中1017は照明装置1の主電源スイッチである。
図25中1018は発光量調整切替機構1013が強弱いずれかの発光量調整状態を指示している場合は押している間連続微弱発光を行うテスト発光スイッチとなり、発光量調整切替機構1013が照明光補正状態を指示している場合は押すことで照明光の補正開始を示す補正開始スイッチとなり、たとえばプッシュ式のスイッチなどで構成されている。
【0091】
図25中1019は照明装置1の電池収納部である。
図25中1020はクローズアップレンズ取り付け用ネジであり、照明装置前面にクローズアップレンズ1004が取り付けられるように内周にネジ加工が施されている。
図25中1021は照明装置1をアダプターリング1002に取り付けるためのレバーであり、レバーを押すことによってアダプターリング固定用爪1024が一時的に広がり、アダプターリング1002の照明装置固定部22を咥え込む。
図25中1023はカメラレンズ固定用外周ネジであり、カメラレンズ部内周ネジ1025と結合する。
次に、図25中1001の照明装置に関して、図25以外の実施例を図27に示す。
図27に関しては照明部1005として光源収納部1039内に設置された光源1030から出た光を、ライトガイド1031によって左右へ分岐させている。ライトガイド1031は光ファイバーなどの導光デバイスを保護用のフレキシブルチューブなどで被覆した形態のものが好ましく、さらに好ましくは屈曲半径が50mm程度の柔軟なものが好ましい。
また、ライトガイド先端部1032は中央部に導光された光を照射する照射部1034が存在し、ネジ部1033をガイドアーム1037内の長穴部1038に通し、ワッシャ1035と固定ナット1036によって固定している。
ライトガイド1031は柔軟に変形させることができるので、ガイドアーム1037部の長穴部1038に沿ってライトガイド先端部32を移動させることができ、任意の位置にナット1036によって固定することができる。
その他の機能に関しては図25の実施例と同じであるのでここでは省略する。次に、図25中1の照明装置に関して、図25以外のさらなる実施例を図29に示す。
図29に関しては、電池収納部を照明装置から切り離した形態のもので、図29に示すように左手用グリップ1040のグリップ部1045に電池収納部1042を装備し、電池収納部カバー1041を開けることにより電池の収納を可能にしている。また、カメラ1003の底面の三脚取り付け用ネジに結合する左手グリップ固定用ネジ1044を用いて、アーム部1043をカメラ底面に固定している。アーム1043には長穴部1046が開けられており、左手グリップ固定用ネジ1044を左右に動かすことができるので、種々の大きさのカメラの取り付けに対応することができる。また、左手グリップをカメラ1003に設置することにより、無理な姿勢での安定した撮影を可能にしている。
【0092】
[発明の効果]
本発明によれば、被写体に照射される光量がカメラとの距離に依存せず常に一定になるように制御されているので、カメラ側の絞り値・シャッタースピードは任意の固定値で構わないことになる。また、カメラの焦点位置を固定する必要が無いので、カメラのオートフォーカス機能を使用することが可能となる。
また、本発明によれば、測距中の距離情報を保持し、保持された距離情報によって照明部1005の制御を行う機構が備えられているので、たとえば、微小な被写体のように測距部によって測距不可能な被写体の場合に、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距してその距離情報を保持し、保持した距離情報を使用して撮影することで適正な露出で撮影することが可能となる。
また、本発明によれば、照明部1005を連続的に微弱発光させる機構が備えられているので、撮影前に被写体に照明光を微弱発光させカメラのファインダより被写体を観察することで、とくに表面の光沢度か高い被写体に生じがちな反射の影響を事前に知ることができ、被写体へ向けるカメラの角度などを調整することで、反射の影響を最小限に抑えることができることになる。
また、本発明によれば、照明部1005の経年変化を補正することができ、定期的に補正を行うことで常に一定の露出の画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステムのハードウェア構成図
【図2】本発明のソフトウェア構成図
【図3】同実施形態の部分的な機能ブロック図
【図4】図3と組をなす部分的な機能ブロック図
【図5】図3および図4と組をなす部分的な機能ブロック図
【図6】規格撮影手順を示す部分的なシーケンス
【図7】図6と組をなす部分的なシーケンス
【図8】図6および図7と組をなす部分的なシーケンス
【図9】図6、図7および図8と組をなす部分的なシーケンス
【図10】再現撮影手順を示す部分的なシーケンス
【図11】図10と組をなす部分的なシーケンス
【図12】状態選択フローを例示する図および撮影属性データの記録例を示す図
【図13】同実施形態の照明システムの概要を示す図
【図14】図13と組をなす図
【図15】同実施形態における光量調整を説明する図
【図16】同前
【図17】同前
【図18】同前
【図19】同前
【図20】人間天然歯表色系の図
【図21】歯科用色標識の図
【図22】測色データを例示する図
【図23】色補正の考え方を説明する図
【図24】同実施形態における撮影方法を説明する図
【図25】本発明にかかる照明装置の第1実施形態を示す概略斜視図
【図26】本発明にかかる照明装置の第1実施形態の各部品の取り付け関係を示す側面切断図
【図27】本発明にかかる照明装置の第2実施形態を示す概略斜視図
【図28】本発明にかかる照明装置の第2実施形態のとくにライトガイド先端部の取り付け関係を示す側面切断図
【図29】本発明にかかる照明装置の第3実施形態を示す概略斜視図
【符号の説明】
1…歯科口腔撮影用デジタルカメラ
2…コンピュータ(パーソナルコンピュータ)
10…情報処理装置
20…情報処理装置
3…歯科用測色計
4…歯料用色標識
5…色判定票
P1、P2、P3、P3′…プログラム
1001…照明装置
1002…アダプターリング
1003…カメラ
1004…クローズアップレンズ
1005…照明部
1006…照明装置本体
1007…連結継手
1008…接続部
1009…測距部
1010…光量検知部
1011…光ガイド
1012…撮影対象切替機構
1013…発光量調整切替機構
1014…測距情報保持機構
1015…距離ロックランプ
1016…パイロットランプ
1017…主電源スイッチ
1018…テスト発光スイッチ/補正開始スイッチ
1019…電池収納部
1020…クローズアップレンズ取り付け用ネジ
1021…レバー
1022…照明装置固定部
1023…カメラレンズ固定用外周ネジ
1024…アダプターリング固定用爪
1025…カメラレンズ部内周ネジ
1026…内臓ストロボ
1030…光源
1031…ライトガイド
1032…ライトガイド先端部
1033…ライトガイド先端部のネジ部
1034…照射部
1035…ワッシャ
1036…固定ナット
1037…ガイドアーム
1038…長穴部
1039…光源収納部
1040…左手グリップ
1041…電池収納部カバー
1042…電池収納部
1043…アーム
1044…左手グリップ固定用ネジ
1045…グリップ
1046…長穴部
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科口腔内撮影用のデジタルカメラを用いた歯科口腔測色写真システム、および測色計や色標識を用いて歯の色の測色を行なう歯科口腔測色システム、および色標識および/またはデジタルカメラを使って画面表示や印刷出力された画像の色を補正する測色写真システム、および測色写真システムに使用する照明装置に関するものである。歯科口腔測色写真システムにおいては、撮影画像の分類整理や再利用の便の向上、規格撮影・再現撮影・フリー撮影時の被写体反射光量の的確なコントロールにより、撮影画像の的確な色表現等を簡便な機構・操作・機能により実現し、もって操作性の向上および色再現性の向上をもたらすものであり、さらに色を含む画像の改変がなされていないことまたは一定の改変がなされたことを確認支援・認証・保証するものである。また、歯科口腔測色システムにおいては、測色結果の色表現を改善し正確で解りやすい色表現を行ない、さらに正確な色表現を色情報として歯科口腔測色写真システムに伝達するものである。また、測色写真システムは、一般に画像モニタ出力や印刷出力において被写体の色を測色および/または再現するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず歯科口腔測色写真システムに関する従来技術について述べる。操作性の向上技術および色再現性の向上に関し、従来の歯科用カメラには規格撮影が簡単にできる技術が見られる。例えば某社の歯科用カメラは歯科の近接撮影専用のレンズシステムや照明システムを備えて規格撮影の被写体反射光量を安定化し色再現性を向上している。
また、新たな某社の歯科用デジタルカメラMS−3は専用の照明システムに加えていくつかの撮影倍率ごとに焦点固定を設定するなどの工夫をして操作性の向上および被写体反射光量の最適化を行ない色再現性を向上を図っている。また、歯の表面にフラッシュの反射が映ってしまう問題に関して、従来の例えば某社の歯科用カメラではレンズの周囲に円環状に配置したリングフラッシュの内部より撮影前に発光させて、歯の表面にフラッシュが映りこまない様なカメラアングルに術者が調節し易い様にしている。
また、プラスチック棒のフラッシュ光のガイドの様に、リングフラッシュタイプが持つ歯面中央部へのフラッシュの映りこみそのものを、防止する様な工夫も見られる。
【0003】
操作性の向上に関し、従来の歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトの歯科用デジタルカメラはいずれも単体での操作性向上技術しか投入されていない。これは歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトが、画像データファイルの画像データのみを共通に扱い、それ以外の両者で連携する様な相互インターフェースを持たないからである。
また、口腔内の歯をカメラで撮影するにあたり、直接カメラの視野に入らない部位の撮影に用いる鏡が市販されている。
また、商品名や商品の一般的分類上は歯科用デジタルカメラの部類には属さないが、いわゆる口腔内カメラの部類には、カメラで動画像を撮影しながら撮影位置や方向を操作し、その一瞬の静止画像をとりこみ保存するものがある。
同じく、商品名や商品の一般的分類上は歯科用デジタルカメラの部類には属さないが、シェードビジョンの様に、歯牙のデジタルの静止画を撮影してその歯牙各部の色を判定表示するものがある。
色表現または色再現性技術に関し、従来の歯科用カメラは被写体反射光量の最適化以外に手段を持たない。また従来の歯科用色標識においては、商品名キャスマッチの様に全色空間の色を再現すべく、全色空間を代表する複数の色票をもった歯科用色標識を被写体と同時撮影し、画像管理ソフトでの画像処理において、各色票の色を手動で調整し再現する方法で被写体の色を再現している。
【0004】
画像の改変の有無についての確認支援・認証・保証の技術に関して、従来の歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにおいては特にこの様な技術は過去に見られない。
次に歯科用口腔測色システムに関する従来技術について述べる。色表現または色再現性技術に関し、従来、松風社の歯科用測色計シェードアイNCCや歯科用色標識NCCシェードガイドの様に人間天然歯の色分布の中心付近を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に色を3次元的に分割して表現したものが市販されている。ちなみに松風社では分布の長さ方向をシェード方向、分布の幅方向をバリュー方向、奥行き方向または位相角をヒュー方向またはヒュー位相角として表現している。
次に一般の測色写真システムに関する従来技術について述べる。色再現性技術に関し、従来よりデジタルカメラ、画面モニタ、プリンタ等がsRGB等の規格により色再現性を向上するものが見られる。これらの規格はそれぞれの装置の色再現特性を統一した規格で表現し、装置ごとに補正を行なうものである。また、某社の製品に色空間全体を代表する色見本データを画像モニタに出力し、その再現色をモニタ上で測色する測色計で測色して、測色結果が色見本本来の色となる様にモニタの色補正を行なうシステムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
まず歯科口腔測色写真システムの課題について述べる。
操作性と色再現性に関し、従来の歯科用カメラまたは歯科用デジタルカメラにおける固定焦点撮影における被写体反射光量の安定化は、撮影距離を術者が厳密に合わさなければならず非常に操作性が悪い。またその操作困難性から結果的に色再現性が確保できないという課題を持っている。つまり、歯科の規格撮影においては被写体の歯牙を含むレイアウトも操作性上の重要な要素で、撮影距離を合わしながら同時に構図も安定させなければならない。これは、カメラの操作に不慣れな歯科医師や歯科衛生士には難しい操作であり、撮影に時間を要するだけでなく習得にも時間を必要とする。結果として撮影距離は不確定となり、フラッシュ光量は安定せず、固定焦点であれば撮影画像がぼけてしまう。また、従来の簡単操作の一般用カメラの自動露出や自動焦点機能を歯科のフラッシュを使用した近接撮影に使用した場合、目的とする歯牙を対象とする自動露出と自動焦点機能は同時には実現できないのが現状である。これは、自動露出が特定の歯牙の様な撮影領域の特定の微小部分を対象とした機能をもたないからであり、これら機能を使って簡単撮影しても、撮影画像の被写体反射光量は過多か不足となり易い。また自動焦点機能についても特に口を開けての近接撮影の場合、目的とする歯に自動的に焦点を合わすのは困難である。
【0006】
操作性の向上に関し、従来の歯科用デジタルカメラは、一般的な画像管理ソフトウェアで撮影画像を扱うことができる様にたとえばJPEG形式の様な一般的な画像の形式で画像を出力する様に構成されているため、歯科に必要な患者や撮影部位、さらに画像の色補正に必要な情報に関して、歯科用デジタルカメラ側と歯科用画像管理ソフトとの間で情報共有し活用する方法が無いのが現状である。結果として、従来の歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトの組み合わせでは、歯科用デジタルカメラの出力した画像ファイル以外に、患者名や撮影部位・撮影条件等のメモや術者記憶等の情報を別途必要とし、歯科用画像管理ソフト上でこれらの画像以外のメモや術者記憶等の情報をもとに患者名と撮影部位・撮影条件を確認し、画像ファイルを手動で整理しなければならない。これらの手間は画像一枚につき熟練者で1分、コンピュータに不慣れな初心者の場合3分以上を要する場合もある。歯科口腔写真を必要としているホワイトニングや審美補綴を行っている歯科医院もしくは歯科技工所では年間2000人以上、一人一回あたり5〜6枚の写真を扱う場合を考慮すると、画像の整理に100〜200時間の時間を費やすことになる。また、撮影から時間が経過するにしたがって、撮影した写真がどの患者の写真か、術者ですら忘れる場合が生じるし、ましては術者以外の診療従事者が撮影画像を整理する場合を考慮すると患者名を判定するのは特別の手間と判断ミスのリスクを負うこととなる。
【0007】
特に操作性の向上に関して、歯科用デジタルカメラの典型的な使用方法として歯科用デジタルカメラ単独で複数の患者の複数の部位を複数の術者が撮影し、診療終了時等の適当な時点でパーソナルコンピュータに撮影画像を取り込んで画像を整理するという使用方法が最も便利な使用方法として望ましい。
この点において歯科用デジタルカメラという一般的分類には属さない歯科用測色器に分類される従来の前述シェードビジョンは、あらかじめパーソナルコンピュータと接続された状態で特定かつ一人の患者名を指定し、次にパーソナルコンピュータと切り離した状態でその特定かつ一人の患者の複数の歯牙画像を部位を指定しながら撮影し、その後再びパーソナルコンピュータに接続したうえでパーソナルコンピュータに撮影画像を自動的に取り込み、あらかじめ指定してある患者の画像として患者別に階層的に保存し、撮影した複数の歯牙画像を表示しながら歯牙各部位の色を分析表示するものであるが、このシェードビジョンが歯科用デジタルカメラではなくむしろ歯科用測色器として発表発売されていることを考慮せず歯科用デジタルカメラと見なしたうえで上記操作性向上の観点で評価するに、パーソナルコンピュータとは非接続の撮影状態において各撮影画像とその画像が歯牙のどの部位であるかの情報が関連付けられた状態で、シェードビジョンに一旦未整理で保存されるが、その後撮影画像がパーソナルコンピュータに取り込み保存された以降、この関連付けられた撮影部位の情報が撮影画像を自動的に整理するための情報として使用されることは無い。シェードビジョンにおいてはこの撮影部位の情報は術者が手動で撮影部位情報をもとに所定の撮影部位順に画像を並べて表示するという操作に使用されるのみである。この動作仕様においてシェードビジョンは、撮影画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示または保存するために撮影部位の情報を使用するものではなく、本発明の目指す操作性の向上には遠く及ばないものと考える。
【0008】
また、シェードビジョンにおいては、撮影後パーソナルコンピュータに接続されたときに、患者名の情報をもとに自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示しかつ保存する動作を行なうものであるが、シェードビジョンは、撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点まで特定の唯一の患者の画像を撮影することを前提としており、患者名の情報が、撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点までの間に複数の患者の画像を区別する情報としてシェードビジョンの内部に関連付けて保存される訳では無い。つまり、シェードビジョンにおいては撮影直後からパーソナルコンピュータにその後接続される時点までの間に複数の患者の画像が未整理の状態では存在しない。従ってあらかじめ設定された患者名の情報は複数の患者の未整理の画像を階層的に整理するために使用されているとは言い難い。患者名と撮影画像の関連付けは、あらかじめ撮影前にパーソナルコンピュータにおいて患者名を特定し、その患者の画像のみを撮影するという術者の操作に完全に依存する動作仕様条件のもとで機能しているのみである。そしてこの複数の患者の画像を区別する情報として患者名と撮影画像の関連付けはパーソナルコンピュータに撮影画像を取り込んだ時点で行なわれ、かつ少なくとも術者もしくは術者以外の任意の人間の操作者からみて、パーソナルコンピュータに画像を取り込んだ時点と、複数の患者を区別する患者名情報が関連付けられる時点と、自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示しかつ保存する時点の3つの時点は同時であるか、少なくとも同時操作時点で3つの動作が行なわれる。つまり、患者名が関連付けられた時点から自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示される時点の間に複数の患者の複数の撮影画像が名未整理である状態は存在しない。
患者名を自動的にかつ階層的に撮影画像を分類整理し表示するシェードビジョンのこの動作仕様は、一般市販のデジタルカメラにおいても術者が意図すれば容易になし得ることである。つまり、あらかじめ患者名を決めてパーソナルコンピュータにその患者の画像を保存するフォルダを作成しておき、次にデジタルカメラの撮影画像データを空にしておき、術者が名前を把握している特定の患者の歯牙のみを複数枚撮影し、その後パーソナルコンピュータに接続してあらかじめ作成しておいた患者名のフォルダに保存すれば良い。
【0009】
この様なデジタルカメラの使用方法は、複数の術者による複数の患者の複数の撮影部位の複数の未整理の画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示するデジタルカメラと画像管理ソフトウェアの連繋機能が実現されていないがゆえに、多くの手間と時間をかけて一般の歯科医院で広くおこなわれている方法である。それというのも、口腔内部の歯牙を撮影した複数の術者・複数の患者・複数の部位の歯科口腔撮影画像を、一日の診療後の残務として撮影を担当しなかったかもしれない歯科医もしくは歯科衛生士もしくは歯科助手が分類整理することは不可能だからである。さらに一般のデジタルカメラにおいては、必ずしも撮影前にパーソナルコンピュータとデジタルカメラを接続した状態で患者名を特定または指定する必要はなく撮影後でも同様の作業は可能であり、そのことによって操作性はシェードビジョンより簡便である。つまり、シェードビジョンにおいてはあらかじめ撮影前にパーソナルコンピュータ上で患者名を指定または特定しなければならず、一般のデジタルカメラよりもこの点で操作性に劣るといえる。ましてや、術者が歯科医院とは別の技工所であり、歯科医院に出張して患者の歯牙を撮影する場合においては、シェードビジョンを使用するのは不可能に近い。この様な点から鑑みて、シェードビジョンにおける唯一1名の患者名情報と撮影画像を関連付ける動作仕様および患者名情報に基づいて唯一1名の患者の撮影画像を自動的にかつ階層的に分類整理し表示する動作仕様は、一般市販のデジタルカメラと比較して操作性を向上しているとは言い難い。以上、シェードビジョンを歯科用デジタルカメラと見なして本発明の目的である操作性向上の観点から評価した。
【0010】
歯科用デジタルカメラは、歯科医院において診療の最中に患者の口腔内、特に歯牙の撮影を一定の構図で撮影するのに使用される。歯科医院には通常多くの患者が訪れ、一般的にこの撮影を行なうのは複数の歯科衛生士である場合が多い。少なくとも日本国内の歯科医院においては周知のごとく、多くの患者がひっきりなしにやってきて秒単位で診療は進められている。さらに、歯科の口腔内撮影は、撮影距離15〜30cmの熟練を要する近接撮影であり、さらに構図をぴったりと決めなければならない規格撮影であり、さらに焦点を合わすために撮影距離をぴったりと決めなければならない。ちなみに自動焦点調節機構では撮影距離が不定になり易く、構図が安定しないばかりかフラッシュによる露光量を不定にし、色の再現性を損なう。自動露出機能は口腔内の様に暗い背景にくっきりと位置する小さな白っぽい歯牙の撮影には著しく不向きであり露光量は全く安定しない。この様な理由により従来の歯科用カメラもしくは歯科用デジタルカメラは、マクロ撮影が可能でマニュアル焦点・マニュアル露出の可能な外部フラッシュマウント対応のカメラである必要があり、結果として大きく重い一般向けの高級品を歯科用に改造したものが使用されている。この様な、写真撮影を業とするか趣味とする様な操作者でも難しい撮影を、写真撮影においては素人であり一般的には力が弱く多くは女性である歯科衛生士が、歯科医師による治療の間隙をぬって診療椅子に寝ている患者の上から覆い被さる様にして短時間にピタリと構図を決め、再現性よく安定した撮影を行なうには、多大の訓練と知識習得とを要する。そして撮影時には、目的とする規格撮影の撮影条件を術者自身が自覚してその条件の通りに撮影しなければならない。現在の歯科用デジタルカメラはこれらの操作を、歯科衛生士が訓練を要せず、短時間に失敗無く撮影するための操作性を備えているとはいいがたい。
【0011】
また、口腔内の撮影において鏡を用いた撮影では画像が反転し、患者や術者、術者以外の歯料診療関係者を混乱させる場合が生じる。
画像の非改変または一定の改変についての確認支援・認証・保証の技術に関しては、従来歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアにおいてこの様な技術は見られず、この技術を投入する技術進展そのものが課題となる。
測色および色再現性に関し、従来のキャスマッチの様な全色空間を対象とした歯料用色標識を用いた歯科口腔撮影用デジタルカメラまたは歯科口腔画像管理ソフトウェアの色補正システムでは人間の天然歯の様な狭い領域に分布する色を補正するのに誤差が生じ易い。また、某社の歯科用カメラの様なリングフラッシュでは、最も色再現が重要な歯の中央部にフラッシュが映り込んでしまって不都合である。またプラスチック棒で出来たフラッシュ光ガイドは、固定した位置が投光位置となり、異なる歯牙や歯列の撮影に対して再現性のある投光が困難である。
また、sRGB等の装置毎の色補正のための規格については、これらはあくまで装置単体の機能であり、歯科口腔測色写真システムにおいてはパーソナルコンピュータのモニタやプリンタ等は外部の機器であり、術者がsRGB等対応の機器をそろえていることを前提にはできないし、事実sRGB等対応でなければ所望の色再現性は得られない。また、sRGB等の色補正技術は「被写体に任意の照明があたって発生した色」の再現性を向上するものであり、例えば人間天然歯に紫色の照明があたっていれば、紫色に照明された歯の色を忠実に再現しようとするものである。これに対し、歯科口腔測色写真システムにおいては照明に関わらない色に関する被写体固有の色の性質を取得し、それに昼光色照明等の一定の条件の照明がなされた場合の色を再現しようとするものであり、sRGB等の色再現技術とは色再現性の目的が本質的に異なるものである。
【0012】
また、モニタの画面に出力した色見本データの画像をモニタ上測色計で測色して色見本の色となる様に補正する色補正システムもあるが、これはモニタ専用の測色計が必要であり、撮影時カメラや照明条件によって発生する照明と無関係な被写体固有の色に対する色誤差を補正するものではない。また、プリンタ出力の色補正をするものではない。この技術をプリンタ出力の色補正に実用化することも考えられるが、これはモニタ用とは別のプリンタ用測色計が別途必要となる。つまり、歯科における歯もしくは歯肉の色とは照明条件に因らない被写体である歯もしくは歯肉の表面の色特性を指すものであり、sRGB等の規格による補正やモニタやプリンタ上で色見本データの画像を測色して補正する技術は被写体への照明の影響を補正するものではない。ただし、これらの技術は歯科でない一般の測色写真システムにおいては有用な場合があり、この分野での課題は後述の「測色写真システムの課題」で述べる。
次に、歯科口腔測色システムの課題について述べる。色表現に関し、松風社の従来の様な歯料用測色計シェードアイNCCや歯科用色標識NCCシェードガイドは、人間天然歯の色分布の中心付近を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向に色を3次元的に複数の領域に分割して表現したものであり、領域の分割は目視で色の差が十分判別できることが前提である歯科用色標識の分割またはそれと対応させたものであり、分割の境界領域において計測上の誤差が生じた場合に隣の分割領域色に誤って表現してしまう場合が生じる。これは被測色対象物の色の真値が解っていれば大きくても1/2領域分の誤差として認識されるが、真値が解っていないからこそ測色する圧倒的多くの場合において、領域の境界付近のごく近接した目視では見分けのつかない2つの色を、隣り合った異なる領域の目視で十分判別のつく異なる色に判定してしまい、1領域分の比較的大きな誤差と誤って認識されることとなる。これを見かけの誤差とここでは表現する。このことは同一の測色計または色標識システムによる異なる2つの測色対象に対する測色においても、1つの測色対象を2回測色する場合においても、2つの異なる同種測色計または色標識システムによる1つの測色対象に対する測色においても起こり得ることであり、いかに高精度の測色計もしくは色標識であっても最大1/2領域分の真の誤差と最大1領域分の見かけの誤差を必然的に持つことで、術者に対して測色結果に対する信頼性に疑問を生じさせる場合が生じる。これは測色計や色標識が本来持っている精度と無関係に測色結果を領域で表現するがゆえに生じる必然的な誤差であり、歯科診療における天然歯の色表現に悪影響を及ぼすだけでなく、それを元に作成する補綴物の色に狂いを生じるかまたは狂いを生じているとの誤解を招く。
【0013】
同じく色表現に関し、近年、審美歯科はもちろん一般の歯科医院においてもホワイトニング治療等、女性患者を中心に歯の色を重視する傾向が強まっており、何らかの方法で患者に治療過程での歯の色の変化の経過を報告する必要が生じており、従来の領域表現では微妙な変化を表現しきれない。反面、従来行われている領域表現は歯科界で定着しているのみならず、大まかな色を把握・表現するのに適しているし、保険診療による補綴物作成の診療形態では、領域表現で十分満足な結果をもたらすものである。これらの事情は従来の歯科界で用いられてきた領域表現と測色システムの本来の精度・分解能による値表現の双方の表現が必要であることを意味する。
次に、測色写真システムの課題について述べる。sRGB等の装置毎の色補正のための規格やモニタ専用測色計と色見本データ画像を用いたモニタ補正技術については、これらはあくまでモニタやプリンタ、カメラ装置単体の機能であり、これらを統合して被写体から画像データ、さらにはモニタ出力やプリンタ出力、さらにプリンタ出力が印刷された環境とは異なる場所に運ばれて評価される様なケースを含む包括的かつ柔軟性のある色補正システムを提供するものではない。つまり、これら技術はカメラは特定のカメラ、モニタは特定のモニタ、プリンタは特定のプリンタのみであり、sRGB以外の規格や各装置メーカーでまちまちであり、これらを組み合わせて包括的な色補正を実現するのは、これら単体の装置の規格や色再現方法に精通する専門的な知識や術者の学習および試行錯誤が必要となる。また、sRGB規格等の色再現技術はこれを搭載した機器でなければ実現できない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。
先ず、歯科口腔測色写真システムの操作性の向上の手段について述べる。
データ管理の便等のためには、歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、デジタルカメラによる歯科口腔撮影に必要な機能の少なくとも一部を担う撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる撮影データ記憶管理手段およびこれらを関連付け整理された形式で出力する撮影データ出力手段の何れかを備える構成が有効である。
操作性の向上を目的として一般のデジタルカメラの洗練された操作性技術を歯科口腔測色写真システムとして活用するのは有効である。このために、プログラム記憶部は、歯科以外の撮影時に動作する非歯科撮影用プログラム部分と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分を内蔵し、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分を内蔵するか読み込み可能であり、デジタルカメラは、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作するようにしておくことが望ましい。また、起動時に歯科口腔撮影状態で動作するとともに、歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を撮影補助手段に備えるようにしておくことが歯科目的により適合し得る。
【0015】
また、操作性向上等のためには、デジタルカメラに内蔵された情報処理装置と、デジタルカメラの外部に設置された情報処理装置とが、通信手段を介して接続されるか、記録メディアを介して間接的に接続され、共動するようにしておくことが有効となる。
撮影画像の取り扱いの便を向上させるためには、撮影管理手段は、撮影データ記憶管理手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で出力するものであることが望ましい。
撮影画像の識別のためには、撮影画像データファイルに歯科口腔撮影における撮影属性データを付加するか、または撮影属性データファイルの特定情報を付加することが有効である。
撮影画像を撮影画像ファイルとして術者自身が扱ったり、術者が技工所や患者と撮影画像データをやりとりするための操作性の向上策として、撮影データ記憶管理手段は、撮影属性データと撮影画像データを同一ファイルに記憶させるか、または撮影属性データと撮影画像データを互いに対応する別々のファイルに記憶させ、さらに少なくともどちらかのファイルに対応ファイル特定情報を記憶させることにより、または撮影属性データや撮影画像データに加えて、これら特定の撮影画像および撮影属性データを閲覧するための閲覧ソフトウェアをこれらのファイルに内蔵させるかまたは別のファイルとして生成することにより撮影画像データおよび撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを撮影データ記憶部に記録・保存することが有効である。さらに、撮影画像データの一部を撮影属性データにより、画像閲覧の際に撮影属性データが明示される様に、または画像閲覧の際に撮影属性データの存在が隠匿される様に、またはさらに目視によっては画像改変が確認できぬ様に隠匿され、またはさらに撮影属性データを暗号化して、置きかえることにより、またはこれに加えて閲覧ソフトウェアプログラムにより隠匿または暗号化して置きかえることにより、歯科口腔撮影における撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを一般的なまたは専用の画像データファイルの形式で記録するか、または表示または印刷された画像を目視または再度光学的手段により撮影または読み取った際に撮影属性データおよび閲覧ソフトウェアも同時に読み取られ、解読可能ならしめることで、歯科口腔撮影画像はその撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを含めて一般の画像と同等に扱うことができまた、本歯科口腔測色写真システムによって、いつでも撮影画像および撮影属性データを再現活用・改変活用・編集活用可能であり、さらに本歯科口腔写真システムの閲覧ソフトウェアによって一般に普及しているコンピュータシステムでいつでも撮影画像および撮影属性データを再現閲覧可能とすることが出来る。
【0016】
撮影の平易化等のためには、撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段が、撮影補助手段内部に備えられていることが望ましい。具体的態様としては、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、術者支援手段が、術者支援データに基づきあらかじめ決められた手順に従って報知する出力をなすようにしたものが挙げられる。
撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、歯科口腔写真撮影において患者の顔写真または患者を特定する情報を含む書類または物品または事物の撮影又はこれに関する音声報知を歯科口腔写真撮影ステップとすることにより患者を区別または特定し、撮影属性データとすることが好ましい。この場合、情報処理装置に内蔵または接続されたプリンタまたは表示装置または投影装置により患者を特定する情報または書類または物品を含む事物を作成表示し、歯科口腔写真撮影ステップにおいてこの事物の撮影またはこれに関する音声報知を行うことにより患者を区別または特定し、撮影属性データとすることもできる。 撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影属性データが、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データと、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データと、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している既得撮影属性データの少なくとも1種類以上のデータより構成されていてもよい。
撮影属性データ設定選択手段の構成としては、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段と、術者入力撮影属性データを術者より入力する操作入力部の少なくとも1種類以上の入力部を備えているものが挙げられる。
【0017】
撮影画像の識別容易性等の観点からすれば、撮影属性データが、予め決められた規格に従って撮影を行う規格撮影に必要な既定撮影属性データまたは既に行った撮影と同一手順、条件で再度撮影を行う再現撮影に必要な既得撮影属性データであってもよい。
既得撮影属性データとしては、既得の撮影画像データであってもよく、それを改変した画像データであってもよい。
術者支援データおよび術者支援手段の具体的な態様としては、以下のようなものが挙げられる。術者支援データが、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなすものが挙げられる。あるいは、術者支援データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に選択させ又は順番設定させるための出力をなすものが挙げられる。
【0018】
撮影属性データと撮影補助手段の具体的な態様としては、以下のようなものが挙げられる。撮影属性データが、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいて何れの撮影属性データを選択するかを術者に求めるものが挙げられる。あるいは、撮影属性データが、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求めるものが挙げられる。
術者支援手段の具体的な実施の態様としては、カメラの構成要素であるファインダー又はモニターの少なくとも一方に照準を表示する機能をも備えるものであり、その照準が、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化するものが挙げられる。
再現撮影の場合、操作容易性の観点からすれば、照準が、既得撮影属性データの輪郭情報とするのが好ましい。
的確な支援のためには、術者支援データは、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの適正方向を報知するためのものが望ましい。
複数の患者から連続して複数の撮影画像を取得する場合には、撮影属性データの一部に、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を用いることが有効である。
【0019】
診療開始前または最終診療後の撮影画像であるか否か、あるいは特定の診療途中の段階の撮影画像かどうか、つまりそれらが改変されていないかどうかを容易に識別可能とするためには、撮影属性データの一部に、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたかどうかを示す画像改変識別情報を用いることが有効である。
撮影属性データはあらかじめ決まったものに限らず、患者にユニークな撮影対象データ、それ以外の撮影条件データ、術者データの少なくとも一部を予め初期設定し、術者に変更選択のための出力をなした上で、撮影属性データ設定選択手段による入力を受け付けるものであってもよい。
撮影属性データ設定選択手段が少なくとも音声入力または操作入力を受け付けるものである場合には、撮影属性データに、患者名または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含めておけばよい。
撮影画像をセンターで一括管理するような場合、あるいは取引先の技工所別に管理したり、あるいは逆に技工所で複数の歯科医院の画像を管理するには、撮影属性データの一部に、撮影歯科医院または歯科技工所に関するデータを含めておくことが便利である。
【0020】
口腔撮影には鏡を使った撮影が効率的であるが、この場合、錯誤を避けるためには、撮影属性データに、鏡を使った撮影であるか否かの情報を含め、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力のための手段を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転して表示・出力することが好ましい。さらにミラーを介した撮影において、口腔内を広角に撮影するためには、当該ミラーに凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分を情報処理装置に読み込むことにより演算手段を構成して、前記ミラーを介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段を介して平面データに展開するようにしておくことが効果的である。
次に、歯科口腔測色写真システムの操作性の向上と色再現性の向上を同時に実現するための手段について述べる。以下は術者の操作の良し悪しが色再現性に影響する様な項目であり、操作性を向上することで色再現性の向上も同時に実現するものである。
色補正や撮影し直し等を考えた場合、撮影管理手段は、撮影データ記憶管理手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で出力するものであることが望ましい。
【0021】
被写体からの入射光量と露出時間が被写体の画像上の明度を中心とする色再現性を決定付ける。フラッシュ撮影の場合、被写体からの入射光量はフラッシュと被写体までの距離およびカメラと被写体までの距離によって決定付けられる。したがってフラッシュがカメラに固定される撮影の場合に、歯科口腔撮影用プログラム部分が少なくともプログラム記憶部と撮影データ記憶部を備え照明システムが接続された情報処理装置に読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、前記照明を制御する照明制御手段を構成して、この照明制御手段に、被写体表面までの距離に応じて撮影のための照明の光量を調節する機能を備えておくことが望ましい。あるいは、被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を照明システム側に内蔵しておいてもよい。ミラー撮影をすると被写体までの距離が遠くなるため、この場合は前記照明制御手段が、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正する機能を備えておくことが望ましい。歯の表面の直接反射光はフラッシュの光源の形状を歯の表面に映しこんでしまう。この様な悪影響を排除するためには、撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変としておくことが望ましい。
照明位置を適切に選択可能とするためには、撮影のための照明が光ファイバによりガイドされることが望ましく、特に光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変であることが望ましい。
【0022】
適切な照明を実現するためには、光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えておくことが有効となる。
次に、歯科口腔測色写真システムの色再現性の向上を実現するための手段について述べる。
撮影画像の色再現性を向上するためには、歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、デジタルカメラによる歯科口腔撮影に必要な機能の少なくとも一部を担う撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、デジタルカメラが出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を備えるようにしておくことが有効である。
【0023】
色補正支援手段を適切に機能させるためには、歯科用測色計または歯科用色標識による測色結果または歯科用色判定票に示された測色結果を入力し、撮影属性データとして用いることが好ましい。
色再現をより正確に行なうためには、歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能として、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備えておくことが望ましい。
次に歯科口腔測色システムの色表現を正確で解りやすくするための手段について述べる。
色判定のための客観的で解りやすいデータを提供するためには、歯科用測色計、歯科用色標識、色判定票の少なくとも何れかを備え、これらにより、3次元の表色系において表した人間の天然歯または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向(シェード方向とする)および幅方向および(ばりゅー方向とする)および奥行き方向(ひゅー方向またはヒュー位相角とする)に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯または補綴物または歯肉の色表現を備えておくことが好ましい。
歯科用色標識または色判定票の具体的な実施の態様としては、該人間天然歯表色系の彩度方向、色の鮮やかさ方向、色合い方向の少なくともいずれかの代表的な位置に相当する単数または複数の色票を備え、色票はその位置を示す表示を備えているものが挙げられる。
【0024】
色補正または色表現に資する有効な手法としては、次のようなものが挙げられる。
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、歯科用色標識または歯科用色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色を3次元的に表現または補正再現する手法が挙げられる。あるいは、色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を補正再現する手法が挙げられる。
情報処理装置間で撮影画像の転送を行なった際に、転送先で的確な色補正を可能とするためには、色標識または異なる3色以上の色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つの色特性データを異なる情報処理装置に有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介して送付することが有効である。
【0025】
治療過程を患者等に明示できるようにするためには、治療の過程で患者の歯または歯肉の色の変化の過程を画像または定型の印刷物上で再現するか、または人間天然歯表色系で表示することが効果的である。これは、通信先のパーソナルコンピュータ画面上に再現してもよい。
目視では同じ色に見えてもカメラで撮ると異なった色になる場合に対処する構成としては、紫外領域または赤外領域をカットするフィルタを備えておくことが好ましい。また、う蝕の発見にも役立つ撮影も可能であり、このためには赤外領域または紫外領域を照明光に含むか、可視光領域をカットするフィルタを備えておくことが好ましい。
反射光の影響を排除し、う蝕の発見や歯の内部構造の観察にも役立つ構成としては、カメラによる撮影において、照明の方向から偏光板を介して撮影光を照射するか、レンズの手前に偏光板を介して撮影を行なうか少なくともいずれかの偏光板を有することが好ましい。あるいは、少なくともひとつの偏光板が回転可能であり、フラッシュ光または撮影光の中心軸まわりに0度から90度の範囲の角度位置に設定できるような構成も効果的である。
本発明は情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、または撮影画像データと撮影属性データを関連付けた形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0026】
歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる撮影データ記憶管理手段またはこれらを関連付け可能な形式で出力する撮影データ出力手段の何れかを備えることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
情報処理装置は歯科口腔撮影用プログラム部分を有するプログラム記憶部を備えるかまたは撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続されていることが好ましい。
撮影データ記憶部は、撮影画像データと撮影属性データが記憶される。
プログラム記憶部には、プログラム部分(歯科口腔撮影用プログラム部分)を有することが好ましい。
【0027】
プログラム部分には、歯科口腔撮影用プログラムを含むものである。
撮影補助手段または撮影管理手段は、情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されていることが好ましい。
撮影属性データは撮影に関するデータであることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段は撮影補助手段中に有することが好ましい。
撮影データ出力手段は撮影管理手段中に有することが好ましい。
撮影属性データには、すくなくとも被写体に属する情報である名前や部位情報を含むことが好ましい。更に、被写体の分類情報であることが好ましい。
関連付けた形式とは、階層的に追加、分類、整理、管理、表示することである。
本発明はプログラム部分は歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分とどの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分と歯科口腔撮影用プログラム部分を有し、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態または、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかを選択できる歯科口腔測色写真システムである。
【0028】
プログラム記憶部が、歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分を内蔵し、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分を内蔵するか読み込み可能であり、デジタルカメラは、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作する歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
プログラム部分は歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分とどの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分と歯科口腔撮影用プログラム部分で構成されていることが好ましい。
基本撮影プログラム部分は、カメラ撮影時において、カメラ本体の機構部分を作動させるために用いられれるプログラム部分を含むことが好ましい。
非歯科撮影用プログラム部分は、汎用撮影用に設計されたプログラム部分のことである。
歯科口腔撮影用プログラム部分は、歯科口腔撮影用に設計されたプログラム部分のことである。
本発明は報処理装置がデジタルカメラに内蔵されて動作するか、またはデジタルカメラの外部に設置されて動作するか、またはデジタルカメラに内蔵された情報処理装置とデジタルカメラの外部に設置された情報処理装置が通信手段を介して共動することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0029】
情報処理装置が、デジタルカメラに内蔵されて動作するか、デジタルカメラの外部に設置されて動作するか、デジタルカメラに内蔵された情報処理装置とデジタルカメラの外部に設置された情報処理装置が通信手段を介して接続されるか記録メディアを介して間接的に接続され共動するかのいずれかで動作することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることも好ましい。
通信手段とは、無線、有線で接続されることにより情報がやりとりされる通信手段と、記録メディアが術者等により運搬されることにより情報がやりとりされる通信手段も含む。
起動時に歯科口腔撮影状態で動作するとともに、歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を撮影補助手段に備えるようにした歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
本発明は起動時に歯科口腔撮影状態で動作することが好ましい。
本発明は歯科口腔撮影状態から非歯科撮影状態に移行するための状態分岐手段を有することが好ましい。
本発明は撮影属性データが撮影画像の補正改変情報であることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0030】
撮影管理手段が、撮影画像データを、補正または改変可能な形式で撮影属性データと関連付け、撮影データ記憶管理手段が、撮影画像データを補正または改変可能な形式で撮影属性データとともに撮影データ記憶部に記憶するかまたは、撮影データ出力手段が、撮影画像データを補正または改変可能な形式で撮影属性データとともに出力する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
補正改変情報とは、補正改変されていない情報や治療シュミレーション情報、改ざん情報、被写体の色を再現する色補正等を含む情報である。
本発明は撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
撮影管理手段が、撮影画像データを、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データと関連付け、撮影データ記憶管理手段が、撮影画像データを階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データとともに撮影データ記憶部に記憶するかまたは、撮影データ出力手段が、撮影画像データを階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影属性データとともに出力する歯科口腔測色写真システムである対応も好ましい。
【0031】
撮影画像データが未整理の撮影画像データであることが好ましい。
階層的に分類、整理および管理において、追加および削除作業を含むことができる。
被写体の分類情報とは、患者名、撮影部位であることが好ましい。撮影日が撮影属性データの場合、撮影日の分類が従来のデジタルカメラでなされているが、撮影日および術者および医院名および技工所名は撮影画像データの分類情報であるが、被写体の分類情報ではない。
階層的に分類および整理および管理するとは、撮影画像データまたは撮影属性データを含むOS管理ファイルを撮影属性データで分類したOS管理フォルダに保存すること、または撮影画像データまたは撮影属性データを複数のキーとして分類可能なデータベースに保存することが好ましい。分類のキーとなる撮影属性データは下位階層から歯科口腔写真撮影ステップの種類の少なくとも1つ、撮影日、患者名、医院名または技工所名であることが好ましい。また分類とはソート作業を含む。
【0032】
歯科口腔写真撮影ステップの種類とは、歯科口腔写真撮影における個々の写真撮影の種類のことで、例えば7枚法の規格撮影による上顎右頬側、上顎咬合面ミラー撮影、上顎左頬側、下顎右頬側、下顎咬合面ミラー撮影、下顎頬側、上下顎前歯の撮影や患者の顔写真撮影、自由な部位を自由な構図で撮影するフリー撮影、患者を特定するためのバーコードの撮影等の種類のことをいう。
階層的に分類および整理し出力するとは、撮影画像データまたは撮影属性データが階層的に分類および整理されて印刷または表示されるべくプリンタ等の表示装置に送られることである。
階層的に分類および整理し表示するとは、撮影画像データまたは撮影属性データが階層的に分類および整理されて印刷または表示されることである。個々の表示は、最下位階層の撮影画像データまたは撮影属性データであっても、中位以上階層以下の撮影画像データまたは撮影属性データであっても良い。
未整理の撮影画像データとは、被写体の分類情報の撮影属性データに関連付けられてはいるが、階層的に分類および整理および管理、出力または表示されていない撮影画像データをいう。
本発明は、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる方法として、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイル、の内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0033】
撮影データ記憶管理手段が、撮影属性データと撮影画像データを同一ファイルに記憶させるか、または撮影属性データと撮影画像データを互いに対応する別々のファイルに記憶させ、さらに少なくともどちらかのファイルに対応ファイル特定情報を記憶させることにより、または撮影属性データや撮影画像データに加えて、これら特定の撮影画像および撮影属性データを閲覧するための閲覧ソフトウェアをこれらのファイルに内蔵させるかまたは別のファイルとして生成することにより撮影画像データおよび撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを撮影データ記憶部に記録・保存・出力する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
同一ファイルとは、情報処理装置により管理可能な形式の1個のファイルのことである。
結合ファイルとは、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させたファイルのことである。
関連付け情報付ファイルとは、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させたファイルのことである。
明示結合ファイルとは、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
隠匿結合ファイルとは、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
暗号明示結合ファイルとは、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
暗号隠匿結合ファイルとは、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させたファイルのことである。
【0034】
ファイル関連付け情報とは、2つ以上のファイルを関連付けるための情報で少なくともどちらかのファイルの存在場所とファイル名を含む。
暗号化した撮影属性データとは、隠匿・明示とは無関係に当事者以外は意味不明に変更された撮影属性データである。
明示とは、情報の存在が知れる状態であり、モニター表示や印刷物上で撮影属性データまたは撮影画像データが閲覧することができることである。
隠匿とは、情報の存在が知れない状態であり、画像閲覧上変化がわからないように撮影属性データを埋め込むことである。
同一ファィルに記憶の方法として、ExifTAG領域に付加することが好ましい。
明示や隠匿された情報は暗号化されていてもよい。
本発明は結合ファイル、明示結合ファイル、隠匿結合ファイル、暗号明示結合ファイルまたは暗号隠匿結合ファイルが閲覧するプログラム部分を有する閲覧プログラム付ファイルであることを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
【0035】
撮影画像データの一部を撮影属性データにより、画像閲覧の際に撮影属性データが明示される様に、または画像閲覧の際に撮影属性データの存在が隠匿される様に、またはさらに目視によっては画像改変が確認できぬ様に隠匿され、またはさらに撮影属性データを暗号化して、置きかえることにより、またはこれに加えて閲覧ソフトウェアプログラムにより隠匿または暗号化して置きかえることにより、歯科口腔撮影における撮影属性データまたは閲覧ソフトウェアを一般的なまたは専用の画像データファイルの形式で記録するか、または表示または印刷された画像を目視または再度光学的手段により撮影または読み取った際に撮影属性データおよび閲覧ソフトウェアも同時に読み取られ、解読可能ならしめる歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
閲覧プログラム付ファイルとは、撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示するかまたは、撮影画像データとともに表示するプログラムを内蔵したファイルである。
本発明は撮影補助手段内に撮影属性データを表示、報知、出力、入力する術者支援手段を有する歯科口腔測色写真システムである。
撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段が、撮影補助手段内部に備えられている歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データを報知出力する方法として、表示や音声の報知手段を含む。
【0036】
撮影属性データを報知出力するタイミングは、撮影に伴い撮影方法、撮影の設定等を支援する機能を有することが好ましい。
撮影属性データを表示とは、撮影属性データを視覚的に報知することである。
撮影属性データを報知とは、撮影属性データを術者に知らせることである。
撮影属性データを出力とは、撮影属性データをモニタまたはプリンタまたは、別の情報処理装置またはコンピュータに転送することである。
撮影属性データを入力とは、術者支援するための情報を入力することであり、好ましい情報として患者を特定する情報を含むことである。入力方法としては、選択入力、設定入力、データ入力、撮影画像から入力、スイッチ入力等があげられる。
撮影属性データを報知の対応の一つとして、照準を表示する機能をファインダー又はモニター有し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
撮影属性データを報知の対応の一つとして、カメラの適正方向を報知する機能を有し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
【0037】
撮影属性データを表示の対応の一つとして、輪郭情報をファインダー又はモニターに表示し、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報や撮影手順毎に適宜変更されることが好ましい。
術者支援手段が、カメラの構成要素であるファインダー又はモニターの少なくとも一方に照準を表示する機能を備えるものであり、その照準が、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
照準が、既得撮影属性データの輪郭情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
規格撮影または再現撮影の術者支援データに応じて、術者にカメラの適正方向を報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影属性データに歯科口腔写真撮影ステップの特定情報である歯科口腔写真撮影ステップ特定情報、歯科口腔写真撮影ステップの撮影手順である歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順または、患者を特定する情報を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
撮影手順中の個々の撮影である歯科口腔写真撮影ステップの特定情報を撮影属性データとし、これを術者支援データとしてあらかじめ決められた手順に従って報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0038】
歯科口腔写真撮影ステップ特定情報とは、規格撮影の種別、またはフリー撮影やバーコードの撮影等であることを示す情報であることが好ましい。
歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順とは、規格撮影やフリー撮影、バーコード撮影等の順番であることが好ましい。
撮影手順とは単数または複数の歯科口腔写真ステップを支援する手順である。撮影属性データに歯科口腔写真撮影ステップの特定情報である歯科口腔写真撮影ステップ特定情報、歯科口腔写真撮影ステップの撮影手順である歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順または、患者を特定する情報を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムにおいて、歯科口腔写真撮影ステップ特定情報または歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順に従い報知することが好ましい。
患者の顔または顔写真または患者を区別または特定する情報を含む書類または物品や映像または事物の画像データを患者を区別または特定するための撮影属性データとし、さらにこれらの撮影手順を歯科口腔写真撮影ステップとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
歯科口腔写真撮影ステップの特定情報に用いる撮影属性データが、顔写真または患者を区別または特定する情報を含む画像データでることが好ましい。但し、画像データは書類または物品や映像または事物の画像であることを含むものである。区別または特定する情報にはバーコードの画像データを含むことが好ましい。
【0039】
情報処理装置により患者を特定する情報を患者の顔写真または書類または物品や映像または事物のデータとして作成し、これらデータを付与された事物の撮影手順を歯科口腔写真撮影ステップとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
患者を特定する情報とは、患者の顔写真、書類、物品、映像または事物であって、好ましくはバーコード、カルテの番号、患者の特定情報の音声である。
本発明は撮影属性データが、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データと、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データと、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している既得撮影属性データの少なくとも1種類以上のデータより構成されている歯科口腔測色写真システムである。
既定撮影属性データとは、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない撮影属性データである。
術者入力撮影属性データとは、術者より選択入力またはデータ入力されるデータのことである。
【0040】
既得撮影属性データとは、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している撮影属性データである。
撮影属性データ設定選択手段が、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段および/または術者入力撮影属性データを入力する術者入力手段を含むことをと特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段は、既得撮影属性データを導入する既得撮影属性データ入力手段と、術者入力撮影属性データを術者より入力する術者入力手段の少なくとも1種類以上の入力手段をハードウェア上またはソフトウェア上で備える歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
既得撮影属性データ入力手段とは、術者が再現撮影選んだ場合に既得撮影データの一覧の表示、およびそれと連動した術者所望の既得撮影データを選択するためのセレクタスイッチであることが好ましい。
術者入力手段とは、術者が術者入力撮影属性データの一覧の表示、およびそれと連動した術者所望の術者入力撮影属性データを選択または入力するためのセレクタスイッチであることが好ましい。
セレクタスイッチとは上下左右4個の方向キーと選択キーの5個のスイッチより成り、複数のメニューが表示された場合に、方向キーによって選択スタンバイのメニュー項目が移動し、選択キーによりメニュー項目が選択されるのが好ましい。
【0041】
撮影属性データが、規格撮影に必要な既定撮影属性データまたは既に行った撮影と同一手順、条件で再度撮影を行う再現撮影に必要な既得撮影属性データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
規格撮影はあらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度等で撮影することである。
再現撮影とは、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で撮影することである。
既得撮影属性データが既得の撮影画像データまたはそれを改変した画像データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は歯科口腔写真撮影ステップが規格撮影または再現撮影であり、術者支援手段が歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順を報知または選択または報知する歯科口腔測色写真システムである。
歯科口腔写真撮影ステップが規格撮影または再現撮影であり、術者支援手段が歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順を報知または選択または報知する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0042】
撮影属性データが、規格撮影するためのものであり、術者支援手段が、撮影属性データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
報知とは、選択の余地のない情報を表示または出力することである。
選択報知とは、選択する情報を表示または出力することであり、更にその情報により術者の選択や入力を受付けることである。
撮影属性データが、再現撮影するためのものであり、術者支援手段が、再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
再現撮影とは、前記撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定して撮影することである。
撮影属性データが、規格撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいて何れの撮影属性データを選択するかを術者に求める歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、再現撮影するためのものであり、撮影補助手段が、撮影属性データ設定選択手段を通じ特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求める歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0043】
撮影属性データが、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影するためのものであり、術者支援手段が、撮影属性データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
既定撮影属性データが、歯科医院名、技工所名、術者名、撮影手順、輪郭、輪郭を含む照準を術者が設定することができることが好ましい。
撮影属性データが、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定の場所において最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報であることが好ましい。
撮影属性データが、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0044】
撮影属性データが、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報であることが好ましい。
撮影属性データ設定選択手段が少なくとも音声入力または操作入力を受け付けるものである場合において、撮影属性データが、患者名または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含む歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、撮影歯科医院または歯科技工所に関する術者データを含む歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影属性データが、鏡を使った撮影であるか否かの情報であり、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力のための手段を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影のための照明から被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節することにより被写体からの露光量を制御する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0045】
照明制御手段は、被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節することにより被写体からの露光量を制御することが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部を照明システムに内蔵するかまたはデジタルカメラに内蔵したことを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
被写体表面までの距離を測定する距離測定部と距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部が照明システムまたはデジタルカメラに内蔵することが好ましい。
照明制御手段が、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有する歯科口腔測色写真システムである。
撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0046】
入射角度可変機構とは、被写体への入射角度を可変とすることができる機構のことである。
撮影属性データが、凹面鏡に写った被写体を撮影する歯科口腔写真撮影ステップ特定情報と凹面の形状データである歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
ミラーを介した撮影において、当該ミラーに凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分を情報処理装置に読み込むことにより演算手段を構成して、前記ミラーを介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段を介して平面データに展開するようにしている歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
凹面データ展開手段とは、凹面に射影された被写体の画像を平面に射影された被写体への画像に変換する手段である。
光ファイバが、光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変である歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は撮影のための照明が光ファイバによりガイドされる歯科口腔測色写真システムである。
光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えた歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
【0047】
投光手段は、光ファイバの投光部に有することが好ましい。
本発明は情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段は出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
歯科口腔撮影用プログラム部分が、少なくともプログラム記憶部を備えかつ撮影データ記憶部をそなえるかまたは術者により組み込まれるか接続された情報処理装置のプログラム記憶部に、読み込まれるかまたはあらかじめ内蔵されることにより、撮影補助手段または撮影管理手段が構築されるものであって、撮影補助手段は、少なくとも撮影に関するデータである撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を備え、撮影管理手段は、デジタルカメラが出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を備えることを特徴とする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影画像はデジタルカメラから出力されることが好ましい。
色補正情報とは、歯科用色彩計、歯科用色標識による色情報である。
色補正支援手段とは、色補正に際して術者を支援する手段である。
色補正支援手段が、歯科用測色計または歯科用色標識または歯科用色判定票を入力し、撮影属性データとする歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
色補正方式情報を、歯肉の色再現または色表現、天然歯の色再現または色表現または、補綴物の色再現から切り替えることができる。
歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能であって、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備える歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は区分表現および値表現が表現されていることを特徴とする歯科口腔測色システムである。
【0048】
歯科用測色計、歯科用色標識、色判定票の少なくとも何れかを備え、これらにより、3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の幅方向および/または彩度方向および長さ方向および/または色の鮮やかさ方向および奥行きおよび/または色合い方向に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯および/または補綴物および/または歯肉の色表現を備えることを特徴とする歯科口腔測色システムであることが好ましい。
区分表現とは、数値表現、グラフ表現、記号表現が例示される。
値表現とは、数値表現、グラフ表現が例示される。
区分表現および値表現が表現とは、区分表現および値表現の双方が表現されることである。
歯科用色標識または色判定票が、該人間天然歯表色系の彩度方向、色の鮮やかさ方向、色合い方向の少なくともいずれかの代表的な位置に相当する単数または複数の色票を備え、色票はその位置を示す表示を備えている歯科口腔測色システムであることが好ましい。
歯科用測色計、歯科用色標識または色判定票に区分表現および値表現が表現されていることが好ましい。
色判定票に、色判定結果を当該色判定票の中心からの距離の変位として表すかまたは、色票の誤差範囲を表示している歯科口腔測色システムであることが好ましい。
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正および/または区分表現および値表現が表現されている色表現する歯科口腔測色システムであることが好ましい。
測色計による測色結果を、該人間天然歯表色系での複数の代表的色または目盛に囲まれた領域の代表的色または歯科用色標識の代表的色と、その色からの変位で表すことを特徴とする歯科口腔測色システムであることが好ましい。
代表的色とは従来より歯科で使用されている複数のシェードガイドの色や該人間天然歯表色系の3次元の目盛上の交点の色または3次元の目盛で囲まれた領域の中心の色であることが望ましい。
測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうかまたは撮影した画像の各部の色判定結果を表す歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、撮影した被写体の色を3次元的に表現または画像上再現する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真システムである。
【0049】
色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現する測色写真システムであることが好ましい。
色票を撮影は色標識または異なる3色以上色の色票にて行うことが好ましい。撮影画像を再度撮影する方法として、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することが好ましい。
色再現方法として、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することが好ましい。
表示物を撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真システムであることが好ましい。
色標識または異なる3色以上の色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つの色特性データをコンピュータに有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介して送付する測色写真システムであることが好ましい。
色特性データとは、色標識または色票の撮影によって得たデータ、または照明、カメラ、プリンタ、モニタのうち少なくとも一つまたはその組み合わせデータのことである。
色特性データを異なる情報処理装置に送付することが好ましい。
コンピュータに送付する方法は有線、無線、情報メディア、書類のいずれかを介してすることが好ましい。
表示物とは、印刷物やモニタへ表示された映像のことである。
表示物とは、被写体の印刷や表示されたものである必要はない。
コンピュータとは一般的なコンピュータおよび本発明の歯科口腔測色写真システムを内蔵するコンピュータのことである。
治療の過程で患者の歯および/または歯肉の色の変化の過程を画像および/または定型の印刷物上で再現するか、および/または人間天然歯表色系で表示する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は紫外領域または赤外領域をカットするフィルタを備えた歯科口腔測色写真システムである。
カメラによる撮影において、赤外領域または紫外領域を照明光に含むか、または紫外領域または可視光領域または赤外領域をカットするフィルタを備えた歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
フィルタはレンズと被写体の間に存在することが重要である。
フィルタは赤外領域をカットするものであることが好ましい。
フィルタは可視光領域をカットするものである場合、齲蝕検知することができる。
【0050】
本発明は撮影光と被写体の間に偏光板を有し、レンズと被写体の間に偏光板を介することを特徴とする歯科口腔測色写真システムである。
カメラによる撮影において、照明の方向から偏光板を介して撮影光を照射し且つ、レンズの手前に偏光板を介して撮影する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
少なくともひとつの偏光板が回転可能であり、フラッシュ光または撮影光の中心軸まわりに0度から90度の範囲の角度位置に設定できる歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
撮影光と被写体の間に偏光板またはレンズと被写体の間に偏光板が回転可能する歯科口腔測色写真システムであることが好ましい。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、または撮影画像データと撮影属性データを関連付けた形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段で、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイルの内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
【0051】
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、撮影補助手段内に撮影属性データを表示、報知、出力、入力する術者支援手段を有する歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段は出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラムである。
本発明は歯科口腔測色写真システムであって、被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を再現する測色写真プログラムである。
本発明は、被写体の撮影時において付与される撮影属性データによって、撮影された撮影画像データを整理することに特徴がある。よって、撮影属性データは歯科口腔写真撮影ステップの種類のみや撮影日のみ、仮に付けられた番号で整理することを含まないが、表示時等において、それらのデータを基に定まった表示場所等に表示させるで初めて発明をなす。
撮影属性データは歯科口腔写真撮影ステップの種類の少なくとも1つ、撮影日、患者名を含むことが好ましい。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
<システム説明>
図1に示す本実施形態の歯科口腔測色写真システムは、デジタルカメラ1に内蔵された情報処理装置10と、デジタルカメラ1の外部に設置されたパーソナルコンピュータ2に内蔵された情報処理装置20とがUSBその他の通信手段を介して接続されるか、フラッシュメモリー等の記録メディアを介して間接的に接続され、同時または異なる時間を隔てて共動する。無線とは、赤外線、超音波、電波、光などが例示される。有線とはケーブルで接続されていることをいう。対象とするデジタルカメラの範疇は、画像をCCD撮像素子で取得する装置である。なお、この実施形態では、デジタルカメラ1側、コンピュータ2側の双方に情報処理装置10,20が存在するが、デジタルカメラ1側にのみ情報処理装置10が存在し、あるいはコンピュータ2側にのみに報処理装置20が存在する態様も可能である。前者の場合はデジタルカメラ1が単独動作し、後者の場合は専ら通信を介してデジタルカメラ1が遠隔制御される。
【0052】
デジタルカメラ1に内蔵された情報処理装置10は、CPU10a、EEPROM10b、RAM10c、ハードウェアインターフェース10d、無線または有線または記録メディア接続用の通信インターフェース10eを備えた通常のマイクロコンピュータ部分により構成され、ハードウェアインターフェースを介してデジタルカメラ1の各種のハードウェアであるモニターM、ファインダーF、スピーカーSP、マイクMIC、セレクタスイッチSS、照明システム15、撮像装置CCD、各種駆動モーター等が接続される。なお、RAM10cはそれ自身がSDメモリカードやメモリスティック、コンパクトフラッシュメモリ等の可搬型の記録メディアである場合も含むものとする。
パーソナルコンピュータ2に内蔵された情報処理装置20は、CPU20a、ROM20b、RAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20c、ハードウェアインターフェース20d、通信インターフェース20eを備えた通常のマイクロコンピュータ部分により構成され、ハードウェアインターフェースを介してパーソナルコンピュータ2の各種のハードウェアであるモニタMN、プリンタP、キーボードK、照明システム15また、外部装置または物品である測色計3、色標識4、色判定票5も直接あるいはキーボードと術者のキーボード操作を通して間接的に接続されているものとする。ここに言う術者とは、歯科医師、歯科技工士或いはこれらの補助者等である。
図2に示す様に、デジタルカメラ1側の情報処理装置10においてはEEPROM10bは本発明のプログラム記憶部として機能し、RAM10cは本発明の撮影データ記憶部として機能する。パーソナルコンピュータ2側の情報処理装置20においてはRAM20cおよび接続された記憶装置・記録メディア20cが本発明のプログラム記憶部および撮影データ記憶部となる。なお、パーソナルコンピュータ2においてはメモリであるRAM20cに記憶されるプログラムやデータはハードウェアインターフェース20eを介したパーソナルコンピュータ2のハードディスクや、さらにCD−ROMドライブ等を介したCD−ROMやCD−R等の記憶メディアより転送されたり転送したりしてオペレーティングシステムの管理制御の下、一体的に連動することは周知のとおりであり、これらを総称してRAM10cおよび接続された記憶装置・記録メディア20cとする。
【0053】
図2にさらに示すように、デジタルカメラ1側の情報処理装置10においてEEPROM10bのプログラム記憶部10bAは、歯科以外の撮影時に動作する非歯科撮影用プログラム部分P1と、どの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分P2、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を内蔵するか読み込み可能である。基本撮影プログラム部分P2とはどの様な撮影時でも共通に動作するプログラム部分をいい、非歯科口腔撮影用プログラム部分P1とは歯科以外の撮影時に動作する基本撮影プログラム部分以外のプログラムの部分をいい、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3とは歯科の撮影時に動作する基本撮影プログラム部分以外のプログラムの部分をいう。
またRAM10cは撮影画像や撮影画像に関連付けられた撮影属性データ(関連付け情報を含む)を記憶する撮影データ記憶部10cAを含む。RAM10cは外部より組み込まれた可搬型の記録メディアであってもよい。
パーソナルコンピュータ2側の情報処理装置20においてRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cのプログラム記憶部20cAは歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′を内蔵するか読込み可能である。歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′はパーソナルコンピュータ2側にのみ設けられ、デジタルカメラ1からの画像の取り込み、画像の階層的な追加、分類、整理、管理、表示、照準の作成、バーコードの印刷、画像改変有無の識別・確認・認証・保証、測色データによる画像の色補正等を行なう。
またRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cのプログラム記憶部20cAは歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′だけでなく、非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3をRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cに内蔵するか読込みあるいは書き出し可能であり、これらのデジタルカメラ1上で動作するプログラムを、デジタルカメラ1の情報処理装置10のEEPROM10bに転送するために恒久的または一時的に滞在させるか、またはデジタルカメラ1側のこれらのプログラムの有無に関わらず、コンピュータ2側からデジタルカメラを制御するために、動作させるものであっても良い。さらにRAMおよび接続された記憶装置・記録メディア20cは撮影データ記憶部20cBを含む。
図2を前提に、本システムを設置する場合のプログラムインストールの流れの好適な例を説明する。まず本システムによらない一般のデジタルカメラまたは一般のパーソナルコンピュータがあり、本システムの導入にあたってこれはデジタルカメラ1またはパーソナルコンピュータ2となる。別の好適な例ではデジタルカメラ1、パーソナルコンピュータ2いずれか片方または両方が本歯科口腔測色写真システムであり、最初からデジタルカメラ1、パーソナルコンピュータ2である。デジタルカメラ1の情報処理装置10には製造時より非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2をあらかじめ内蔵しており、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′がバックアップ用またはバージョンアップ用の非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2を含んだ歯科口腔測色・写真システム・アプリケーションソフトウェアー式としてCD−ROMにより供給される。術者は装置導入時にこのCD−ROMより歯科口腔撮影用プログラム部分AP3、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′、非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2をパーソナルコンピュータのハードディスクにインストールする。次に、パーソナルコンピュータ2とデジタルカメラ1を無線または有線または記録メディアを介して接続し、パーソナルコンピュータからデジタルカメラ1へ歯科口腔撮影用プログラム部分AP3をインストールする。この際に非歯科撮影用プログラム部分P1、基本撮影プログラム部分P2がバージョンアップ版であれば一緒にインストールすることも出来る。さらに本システムを稼動させる典型的な例は、デジタルカメラ1を単独で動作させて歯科口腔写真撮影を行ない、その後パーソナルコンピュータ2とデジタルカメラ1を無線または有線または記録メディアを介して接続し、パーソナルコンピュータ2上で歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′を起動する。歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′はそれ自身の動作仕様やパーソナルコンピュータ2のオペレーティングシステムの制御に従って一部もしくは全部がパーソナルコンピュータ2のハードディスクからRAM20cに読込まれて動作し、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′の術者操作の手順に従ってデジタルカメラ1からの画像の取り込み、画像の階層的な追加、分類、整理、管理、表示、照準の作成、バーコードの印刷、画像改変有無の識別・確認・認証・識別、測色データによる画像の色補正等を行なう。
【0054】
次に、撮影属性データについて説明を行う。撮影属性データは、個々の撮影に付加する撮影画像データ以外のあらゆるデータで、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データ、以前の撮影時から記憶し撮影時に撮影補助手段の外部から内部へ読み込まれる既得撮影属性データ、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データがある。撮影属性データは単一のデータであったり、複数の内部属性データがセットになっている。撮影属性データまたは内部属性データには個々の撮影動作を決定するデータや撮影画像データに関連付けて記録されるデータがある。逆に撮影属性データまたは内部属性データには個々の撮影動作の決定には関与しない場合や撮影画像データに関連付けて記憶されないデータがある。ある撮影属性データの動作上の存在形態としては撮影前に撮影補助手段の一部として術者に確認あるいは選択させるために報知する術者支援データのメニューとして存在する場合や、あるいは撮影時に術者の確認または選択の結果、該撮影属性データへの関連付け情報(該撮影属性データそのものではなく、その存在場所情報等)として存在する場合や、撮影後に撮影画像データに関連付けて記憶される撮影画像属性として存在する場合がある。撮影画像データと関連付けられた撮影属性データの記憶形態としては撮影画像データの一部と入れ替わる目視認証情報または目視隠匿情報として記憶する場合や、撮影画像データファイルの一部として記憶する場合や、撮影画像データファイルと関連付けられた撮影属性データファイルとして記憶する場合がある。これらの記憶形態には撮影画像データ自身は撮影前よりメニューとして不動に存在し、該撮影画像データとの関連付け情報(該撮影属性データそのものではなく、その存在場所情報等)として記憶される撮影属性データを含む。
既定撮影属性データのメニューとして例えば、規格撮影に関する撮影属性データのメニュー、標準の照準メニュー、標準の撮影手順のメニュー、術者の所属機関名、術者名メニュー、術者が設定するカスタム撮影手順メニュー、術者が設定するカスタム照準メニューが好適である。
既得撮影属性データのメニューとしては、既に撮影した単数または複数の患者の撮影画像データが好適である。
術者入力撮影属性データは、既定撮影属性データメニューや既得撮影属性データから術者により選ばれた撮影属性データおよび術者により直接入力され取得した撮影属性データである。
【0055】
規格撮影に関する既定撮影属性データは、あらかじめ決められた種類の歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた撮影距離・方向・配置角度で撮影する規格撮影に関する既定撮影属性データで、内部属性データは、撮影距離、被写体反射光量または被写体反射光強度、規格撮影の照準、ミラーの要不要、その規格撮影を特定する符号または番号情報を好適に含む多数のデータのセットである。規格撮影を特定する符号およびミラーの有無を撮影画像データに関連付け、他の内部属性データは撮影の際にフラッシュ発光量等でデジタルカメラを制御したり、撮影距離等で術者を支援する撮影条件として用いるのが好適である。
照準に関する既定撮影属性データは、規格撮影をする際に被写体の構図を合わしやすい様に規格撮影の種類に合わせてファインダーまたはモニターに表示する標準の照準と、術者が作成したり、既に撮影した画像から抽出した輪郭を登録したものが好適である。照準に関する規格撮影属性データの内部属性データはどの照準にするかの1項目だけである。撮影画像データへの関連付けは行わないのが好適である。
標準の撮影手順に関する撮影属性データは、例えば複数の規格撮影を決まった手順で撮影していく枚数と順番のことで、5枚法手順、11枚法手順等があり、さらにこれに患者の顔を撮影したり、バーコードを撮影したり、術者のフリー撮影を枚数に加えたものが好適である。また、各枚数毎にどの順番で撮影するかも内部属性となるが、これは両者を併せた枚数と順番毎に手順の種類とするので内部属性データは手順の種類1項目だけである。デジタルカメラが規格撮影の撮影手順を自動的に実行していくのに使用するが、規格撮影の種類を撮影画像データに関連付けても良い。
医院名、技工所名、術者名に関する既定撮影属性データについては項目はそれぞれ医院名、技工所名、術者名単一項目でありそれぞれ、医院名、技工所名、術者名を撮影画像データに関連付けるのが好適である。関連付けの形式は医院名、技工所名、術者名そのものを撮影画像データファイルに付加するのが好適である。医院名はただ一つ登録可能であり、撮影属性データのメニューを構成しない。技工所名、術者名は複数登録可能であり撮影属性データのメニューを構成する。医院名、技工所名、術者名に関する既定撮影属性データの内部属性データは設置時に術者により設定されるのが好適である。
日時に関する撮影属性データは情報処理装置1の持つ日時時刻カウント機能により自動的に更新され、撮影後撮影画像データファイルと関連付けられる。
カスタム撮影手順とカスタム照準はそれぞれ標準撮影手順とカスタム撮影手順と同じであるが、これらは術者によって設定登録される。
既得撮影属性データは、規格撮影によらない自由な撮影をある患者に既に行った場合にその後の同様の再現撮影のために、既に撮影した撮影画像データと関連付けられた撮影属性データおよび撮影画像データの輪郭データをセットにしたものであるかまたは、既に撮影した撮影画像データと関連付けられた撮影属性データの記憶場所を表すデータと撮影画像データの輪郭データをセットにしたものである。
【0056】
術者入力撮影属性データは、撮影属性データメニューの中から術者が選んだ撮影属性データおよび、術者が直接入力した撮影属性データで、直後に行われる撮影のための撮影条件や直後に撮影する撮影画像データに関連付けるデータとなる。
さらに図3、図4、図5において詳細な構成要素の説明を続ける。
図3において、パーソナルコンピュータ2側で動作する歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′は撮影補助手段120および撮影管理手段220より成り、撮影データ記憶部20cBは撮影画像データ記憶部20cB1および撮影属性データ記憶部20cB2より構成される。撮影属性データのメニューの一部(不変な既定撮影属性データ)は撮影補助手段120に、メニューの残りの部分(既定撮影属性データの変動データおよび設定データ)は撮影属性データ記憶部20cB2に、撮影画像および撮影画像に関連付けられた撮影画像データ(関連付け情報を含む)は撮影画像データ記憶部20cB1に記憶されることになる。さらに撮影補助手段120においては撮影画像データに関連付けられていないメニューとしての照準を術者がカスタマイズして作成する照準エディタ121、バーコード印刷手段122、撮影属性データ設定選択手段123、改変識別応用手段124、照明制御手段125、既定撮影属性データおよび既得撮影属性データよりなる撮影属性データA126を備える。照準エディタ121は、撮影時にファインダー等に表示する照準を予め編集しておくためのものであり、バーコード印刷手段122は撮影属性データとしてバーコードをデジタルカメラで撮影する際にバーコードをプリンターPで印刷するためのものであり、撮影属性データ設定選択手段123は患者の氏名等の属性データを撮影に先立って予め作成したり、後述するカスタムの撮影属性データメニューを撮影属性データから選択して作成しておくためのものである。改変識別応用手段124は撮影した撮影画像データに関連付けられた撮影属性データの中の改変識別情報の内容により、撮影した画像の改変と改変者を特定したり、改変の有無について認証をあたえたりする。特に改変については初診時の撮影時に治療シミュレーションを行うことは有用であり、画像がシミュレーション結果であることを示すのに用いたりする。
撮影管理手段220の構成は撮影データ記憶管理手段221、撮影データ出力手段222、撮影データ画像処理手段225が好適である。撮影データ画像処理部225は色補正支援手段227および輪郭抽出手段226が好適である。図3にはさらに撮影データ出力手段よりモニタまたはプリンタへ出力される出力イメージ例を記載しており、モニタ表示の例では歯科口腔規格撮影7枚法、つまり上顎右頬側、上顎咬合面ミラー撮影、上顎左頬側、下顎右頬側、下顎咬合面ミラー撮影、下顎頬側、上下顎前歯の7枚の写真に患者の顔写真を加えた撮影結果表示例を示している。また、プリンタ側では患者1の1/20日の撮影画像のサムネイル集、1/27の撮影画像のサムネイル集、患者2の1/21の撮影画像のサムネイル集、2/1の撮影画像のサムネイル集を階層構造にして印刷出力している。なお、この階層構造の印刷出力はパーソナルコンピュータに蓄積された画像データがこの様に階層的に整理された形で管理されていることを示す。モニタ出力の7枚法の結果表示にしろ、印刷出力に示した階層構造の画像整理管理にしろ、撮影画像データと撮影属性データを関連付けることにより、パーソナルコンピュータ2の歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′が、術者の手を煩わすことなく一瞬にして処理するものである。
【0057】
さらに図4、図5において、デジタルカメラ1側で動作する歯科口腔撮影用プログラム部分AP3は撮影補助手段110および撮影管理手段210より成り、撮影データ記憶部10cAは撮影画像データ記憶部10cA1と撮影属性データ記憶部10cA2により好適に構成される。撮影属性データのメニューの一部(不変な既定撮影属性データ)は撮影補助手段110に、メニューの残りの部分(既定撮影属性データの変動データおよび設定データ)は撮影属性データ記憶部10cA2に、撮影画像および撮影画像に関連付けられた撮影画像データ(関連付け情報を含む)は撮影画像データ記憶部10cA1に記憶されることになる。
撮影補助手段110は、術者による撮影に関してデータ設定、撮影順序、撮影の向き等を補助する役割を担うもので、撮影属性データ設定選択手段113a、既得撮影データ入力手段113b、術者支援手段114、既定撮影属性データA115の一部を有する。術者支援手段114は、撮影補助手段のうち特に術者に選択項目や操作手順、位置方向等を報知し術者からの入力を受け付ける手段を与えるもので、位置方向指示手段A114a、術者への報知手段A114bより構成され、これらは選択項目を表示・音声出力したり、デジタルカメラのあるべき位置方向を表示・音声出力して術者に報知するだけでなく、術者によるデジタルカメラの位置方向調整操作やセレクタスイッチSSの操作による選択入力等を受け付ける。撮影補助手段110に配置される既定撮影属性データA115の一部には、規格撮影に関する既定撮影属性データを集めた規格撮影データメニューA116、標準の照準に関する既定撮影属性データを集めた標準照準メニューA117(Z8)、標準の撮影手順に関する既定撮影属性データを集めた標準撮影手順メニューA118が存在する。
図4において規格撮影データメニューA116の例として下顎右歯列規格撮影属性データA、上顎右規格撮影属性データB、上顎歯列ミラー規格撮影属性データC等を記載しているが、もちろんこれは図4にシンボリックに記載してあるだけであり、実際に配置される内容は規格撮影に関する撮影属性データであり、それをメニュー化したものが配置される。標準照準メニューA117(Z8)(照準a、b、c等、規格撮影A、B、C等に対応して配置)、標準撮影手順メニューA118(Z3)(手順α:FACE→A→B→C→D→E→F→G→FREE等)も同様である。
これらの撮影属性データのメニューについて規格撮影データメニューA116を例にもう少し詳細に説明すると、あらかじめ決められた種類の歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影するに際して、撮影補助手段110が特定の規格撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップ(歯科口腔写真撮影ステップとは、ある1枚の口腔写真を撮影する際の一連の情報処理装置を通じた手順をいう。)において何れの撮影属性データを選択するかを術者に求め、撮影属性データ設定選択手段により制御検出されるセレクタスイッチSSを通じ術者により選択されるものである。下顎右歯列規格撮影Aが選択された場合、この既定撮影属性データは転送されて術者入力撮影属性データA128の一部となる。例えば図5の矢印Z4は歯列Aを選択した旨を表している。
【0058】
次に図5においてデジタルカメラ1側で記憶される撮影データ記憶部10cAは撮影属性データ記憶部10cA2と撮影画像データ記憶部10cA1が好適に配置される。撮影属性データ記憶部10cA2には、既定撮影属性データA115の一部がメニューとして、既得撮影属性データA127がメニューとして、術者入力撮影属性データA128が術者による設定/選択結果として、好適に配置される。撮影データ記憶部10cAに好適に配置される既定撮影属性データの一部には医院名A123a、技工所名メニューA123b、術者名メニューA123c、日時A124、カスタム撮影手順メニューA125、カスタム照準メニューA126が好適に配置される。術者入力撮影属性データA128の例として図5には、選択した規格撮影A、患者名、パワーON直後のフラグ、選択した術者名、選択した撮影手順が確定登録されている状態を示している。
これらの撮影属性データのメニューについて既得撮影データメニューA127を例にもう少し詳細に説明すると、これは例えば初診時に所定の撮影を済ましてある患者の再診時の治療過程を撮影する中でもっぱら初診時のフリー撮影を行う場合、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影するために用いる既得の撮影画像データおよびその輪郭の画像データのメニューであり、撮影補助手段110が特定の再現撮影の中の歯科口腔写真撮影ステップにおいていずれの撮影属性データを選択するかを術者に求めた際にセレクタスイッチSSを通じ術者により選択され、既得撮影データ入力手段113bを通じ術者入力撮影属性データA128に転送されるものである。
図4、5にはさらにデジタルカメラのモニタに表示された画面イメージとして規格撮影選択(例:A、B、C、D)、術者選択(例:1、2、3)、一般撮影状態への以降選択表示が示されている。また、今まさにデジタルカメラのレンズを通して入力されている画像のCCD上のイメージとして下顎前歯の画像を例示している。また、患者確認のために撮影されるバーコードの撮影イメージも記載してある。このバーコードはパーソナルコンピュータ1の歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′によりプリンタより出力されたバーコードの撮影イメージを示している。
以下の説明では、これらのプログラムはデジタルカメラ1側で動作するものとして説明する。以下ではデジタルカメラ1が先行して単独で動作し、後にパーソナルコンピュータ2に接続されて共動する典型的な例において説明する。
【0059】
デジタルカメラ1は、非歯科撮影用プログラム部分P1と基本撮影プログラム部分P2が動作している非歯科撮影状態と、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3と基本撮影プログラム部分P2が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかで動作する。デジタルカメラ1は歯科口腔撮影状態で立ち上がるべく、パワーオンするとCPU10aは優先的に歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を読み込み動作するように歯科口腔撮影用プログラム部分AP3自身がプログラムされており、その後非歯科撮影状態への移行が可能とされている。
非歯科撮影状態とは非歯科撮影用プログラム部分P1と基本撮影プログラム部分P2が動作している状態をいい歯科口腔撮影状態とは歯科撮影用プログラム部分AP3と基本撮影プログラム部分P2が動作している状態をいう。
撮影属性データは、関連付けられた撮影画像データがいつ、どの医院または技工所で、どの術者により、パワーオンしてから何番目の患者の何枚目の撮影画像として、どこの規格撮影部位あるいはフリー撮影で、ミラーを使用したか否か、あるいは場合によっては患者名は誰であるかとう情報を含む。患者名の取得情報は、患者名(例えば図5における矢印z1参照)または患者に対応する番号または符号またはパターンまたは既に同一患者から取得した撮影画像データの何れかを含み、これによりどの患者のものかを特定することができる。これら撮影属性データを利用して、パーソナルコンピュータ側において撮影画像を利用する場合に、患者、日付、撮影部位等が自動的に整理・管理可能となる。
患者の特定は、顔写真によるほか、カルテ等の書類、免許証等の物品等によってもなし得ることを意味する。図8の矢印z6はバーコードを読み込むことによって患者を特定する態様を示している。また、情報処理装置10,20に内蔵または接続されたプリンタPやモニターM等の表示装置または図示しないプロジェクタ等の投影装置により患者を特定する情報または書類または物品を含む事物を作成表示し、歯科口腔写真撮影ステップにおいてこの事物の撮影またはこれに関する音声報知を行うことにより患者を区別または特定し、撮影属性データとしてもよい。例えば、顔写真をプリントしあるいはモニター表示したものをデジタルカメラ1で撮影することにより患者を特定する場合等もあるからである。さらに、この実施形態は、撮影属性データの一部に、特定の患者の撮影画像データを構成する歯科口腔写真撮影ステップの最初または最後または特定のステップにおいて最初または最後または特定のステップであることを示すマーク情報を含み、撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報を含む。マーク情報は、数人の患者についてシリアルに撮影画像データが取得される場合に、各患者の撮影画像データ範囲がどこからどこまでであるか(例えばどこが区切りであるか)を特定するために付されるものであり、画像改変識別情報は、ある撮影画像データが治療開始前に撮影した撮影画像データであるか否かを認定するために利用するものである。マーク情報は図4の撮影属性データ設定選択手段113aにおいて設定および/または選択する。画像改変識別情報は、術者により初診時の撮影画像データに治療シミュレーションを施して表示・保存したり、術者により再現撮影するために輪郭画像に改変されたり、術者により色が補正されたり、術者または患者または第三者により、悪意をもって改ざんされたときに、画像が改変されたことを示すために、例えば撮影属性データとして図12(b)に示す様にjpg形式のExifタグ領域にExif規格にのっとって格納される。マーク情報もjpg形式のExifタグ領域にExif規格にのっとって格納される。
図3のパーソナルコンピュータ1側撮影補助手段120に設けられている改変識別応用手段124が撮影画像の改変についての確認支援・認証・保証を行なうためのものである。撮影属性データ設定選択手段113aは、術者に変更選択のための出力をモニター等になした上で、その入力を受け付ける。セレクタスイッチSSは操作入力を受け付けるものであるが、MICを選択入力操作部として音声入力により操作入力を受け付けるようにしてもよい。
【0060】
一方、図4に示す撮影補助手段110の内部には、撮影属性データの一部を術者支援データとして表示または音声により術者に報知出力する術者支援手段114が備わる。少なくとも術者支援手段114は、撮影手順中の個々の撮影を歯科口腔写真撮影ステップとし、術者支援データに基づきあらかじめ決められた手順に従って報知する出力をなし、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの適正方向を知らせる。例えば、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。具体的には、次の撮影がどの歯牙あるいは歯列であるか、患者が変わる場合には次がどの患者であるのか(氏名や顔貌等)などをモニターMやファインダーF、スピーカSPで出力する。術者支援手段114は、デジタルカメラ1の構成要素であるファインダーF又はモニターMの少なくとも一方に照準を表示する機能を備え、その照準は、歯科口腔写真撮影ステップに応じ術者支援データに基づいて変化する構成となっている。図4における矢印z8はいくつかの照準データを示している。あるいは、同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する撮影属性データおよび撮影データのうち、撮影画像、その輪郭、撮影対象、撮影条件、術者名の少なくとも何れかに基づいて特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。再現撮影の場合には既得撮影データ入力手段113bから既得撮影データを取り込むことができるので、その既得撮影データから輪郭抽出したものを照準として用いて次の撮影部位や患者を特定することが有効となる。図3のパーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220には、既得撮影データを呼び出す際に輪郭抽出するための輪郭抽出手段226が設けられている。あるいは、術者によって選択され又は順番設定された歯牙または歯列または顔貌を、術者によって選択され又は順番設定された距離・方向・配置角度で撮影する場合には、術者支援手段114は、これに関する術者支援データに基づいて特定の規格撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に報知するための出力をなす。再現撮影する場合等にも、特定の再現撮影の中の1以上の歯科口腔写真撮影ステップを順次術者に選択させ又は順番設定させる場合があり、このような場合に同様の出力をなすことは効果的である。
【0061】
撮影管理手段210,220は、撮影データ記憶管理手段211、221において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で撮影データ記憶管理手段に記憶し、または撮影データ出力手段212、222において撮影画像データを撮影属性データに基づき、階層的に追加、分類、整理、管理、表示可能な形式で出力する。ここで撮影データ出力手段212、222とは、撮影画像データと撮影属性データを関連可能な形式で出力する手段であり、撮影データ記憶管理手段211、221とは、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて撮影データ記憶部に記憶させる手段である。また、「階層的に」とは、データがフォルダツリー構造に類する構造下に関連づけられており、患者単位、術者単位、歯科医院単位、歯科技工所単位等で撮影画像データを追加、分類、整理、管理、表示できることを意味する。また、撮影管理手段210、220は、撮影データ記憶管理手段211,221において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で記憶し、または撮影データ出力手段212,222において撮影画像データを撮影属性データに基づき、補正または改変可能な形式で出力する。補正とは例えば撮影画像データの色補正等(後述する)を意味し、改変とは初診時の撮影画像データを治療計画に基づき、予定されている治療結果目標をシミュレーションする等を意味する。撮影データ記憶管理手段211,221は、撮影属性データを撮影画像のデータファイルまたは撮影画像データファイルではないデータファイルとして撮影データ記憶部に記録・保存する。撮影画像のデータファイルが例えばJPG形式である場合は、画像データ領域に付随するExf領域に撮影属性データを書き込んでもよいし、画像データ領域中に撮影属性データを埋め込んでもよい。また、撮影画像データファイルに撮影属性データを付加する以外に、撮影属性データファイルの特定情報を付加して撮影画像データファイルではないデータファイルとリンクさせる態様も可能である(図示省略)。図12(b)は撮影画像データの術者領域に書き込まれるデータを例示している。このデータは、JPG形式のファイルのExifタグへ情報追加されたもので、データのTag、TagName、Type、countに始まり、データ種別が記録されている。上から順に、AF/MF情報、距離、医院名、撮影者、規格撮影種別、ミラー有無、改変有無、改変Ver、改変者、パスワード、撮影日時、色票の色、患者などのデータを含んでいる。
また、上記以外の構成として、本実施形態は、図3に示す撮影補助手段120に照明制御手段125を備え、撮影管理手段220に撮影データ画像処理部225を備える。
【0062】
照明制御手段125は、照明システム15を制御するものである。この照明システム15は、図13および図14に示すように、被写体の周囲にフラッシュアーム152を配置してフラッシュ発光部151を取り付けるかまたは、同被写体の周囲一定距離上に光ファイバアーム154を配置し、かつ等角位置に光ファイバ固定具156を配置して、何れかの光ファイバ固定具156に位置変更可能に光ファイバ153を取り付けるようにしている。すなわち、撮影のためのフラッシュ発光部151による照明が図13では直接、図14では光ファイバ153によりガイドされ、被写体表面までの距離を変えずに照明光の被写体への入射角度を可変にできるようにしている。また、フラッシュ発光部151または光ファイバの先端の左右同位置の2箇所には、被写体から一定距離を保って、第2の投光手段であるパイロットランプ157が取り付けられている。このパイロットランプ157は、光ファイバ153によるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバ153にガイドされた先の投光部で光ファイバ153の投光方向と同一方向に非撮影時に投光するために用いられ、被写体表面からのフラッシュ光の非散乱反射が少なくあるいは目立たなくなる方向からフラッシュ光を当てるための撮影前カメラ位置合わせに使用される。なお、図中155で示すものはフラッシュ光反射用のミラーである。
一方、照明制御手段125は、前述した歯科口腔撮影用プログラム部分AP3が照明システムに接続されたデジタルカメラ1の情報処理装置10に読み込まれるかあらかじめ配置されることによっても構成される。照明制御手段125は、図15〜図17に示すように、デジタルカメラ1の距離センサ1aが検出するフラッシュ発光部1bから被写体までの距離データを照明制御手段125に入力することによって、フラッシュ発光部から被写体までの距離に影響されずに被写体からフラッシュ発光部への入射光量が一定となるように照明システムの発光量を制御するものである。図18に示すミラー155を使用する規格撮影の場合には、ミラーの反射時に発生する光量減衰とミラーと被写体間の光の往復による距離減衰が生じるが、これらは規格撮影に関する既定撮影属性データの内部属性データに盛り込むことによって自動的に補正することができる。
すなわち、カメラの受像部1xと、照明であるフラッシュの発光部1bと、自身と被写体間の距離(または位置)を測定する距離センサ1a(または位置検出部)が、固定または可変であるが確定的な3次元的位置関係にあり、距離センサ1aと被写体間の距離(または位置関係)からフラッシュ1bから被写体までの距離を算出する。そして、図17の特性を利用し、距離の2乗に比例して照明の光量を調整する。距離算出方法の例としては、距離センサ1a・被写体・フラッシュ発光部1bの3点の3角形の関係から算出する。
【0063】
照明の光量は例えば、フラッシュの電気エネルギーを調整すればよい。また、距離センサの例としては、超音波距離センサ、赤外線距離センサ等がある。この距離センサまたは距離検出部は、オートフォーカス機能付きのカメラには通常備わっているものであるが、本実施形態ではオートフォーカス機能の有無に関わらず距離センサと照明制御手段を連動させて使用する。
なお、照明システム15側に、被写体表面までの距離を測定する距離測定部たる距離センサと距離に応じた照明光量を出力する照明光量制御部とを内蔵してもよい。
また、ミラー155を介した撮影において、当該ミラー155に凹面鏡を用いるとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分AP3を情報処理装置に読み込むことにより演算手段300(図18参照)を構成して、前記ミラー155を介して被写体を撮影した際の撮影データを前記演算手段300を介して平面データに展開するようにすれば、広角画像を的確に撮影できる。また、ミラー155を使う場合は、ミラー155によって画像が反転するので、ミラー155を使った撮影であるか否かの操作入力部および/または検出入力部を撮影属性データ設定選択手段113a(図4参照)などに設け、ミラー155を使った撮影の場合には演算手段300で画像を上下または左右反転する演算を行ない、元の映像に戻すことが有効である。勿論、ミラーをもう1枚使用して撮影画像を元の映像に戻す構成をとることもできる。
また、図19に示すように、投光部とレンズの双方に偏光板400を配置して、直接反射光をカットする構成を採用するようにする。図示の偏向板400は、0°〜90°の間で回転可能とされ、反射光をカットする程度を調整可能とされている。
以上に加え、この実施形態の歯科口腔測色写真システムは、図1に示すように、歯科用測色計3、歯科用色標識4、歯科用色判定票5を備え、かつ歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′がコンピュータに読み込まれることにより図3の色補正支援手段227を含む撮影データ画像処理手段225を構成して、これらによりデジタルカメラ1で撮影した撮影画像に対して色補正や色判定の利用に供するようにしている。
歯科用測色計3は、撮影対象である歯牙や歯肉の測色を行なって測色値を得るものであり、後述するS、V、Hを目盛とする人間天然歯表色系上で結果を表示するものである。歯科用色標識4は、基準となる複数の色票からなるものであって、歯科用測色計の代わりに簡易的に歯牙の測色をおこなったり、歯科口腔撮影時に同時に撮影されるものであり、人間天然歯表色系上の色票の値が特定されているものである。歯科用色判定票5は患者への説明の際に用いる歯の色を現わした紙片のようなものであり人間天然歯表色系上の値が特定されているものである。
【0064】
図20(a)は人間天然歯の表現の構成について示す。任意の色は色に関する少なくとも3つの独立した値として表現できることが国際照明委員会で認められている。これを表色系というが、代表的な表色系として図20(a)に示すL*(明度を示す)、a*、b*(L*軸からの距離が彩度を表し、L*軸周りの位相角が色相を表す)がある。人間天然歯の色の分布は例えばこのL*a*b*表色系中に配置すると図中の楕円体付近の非常に狭い範囲にひしゃげたラグビーボール状に分布している。この狭い分布に内接する人間天然歯色空間とする表色系として同図にS、V、Hの表現で示す様な表色系が松風社より構成提案されている。これは人間の天然歯の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向(色の濃さ方向)S、幅方向(色の鮮やかさ方向)をV、奥行き方向(色合い方向)をVとし、S、V、Hの値に各ランクを設けて人間天然歯色空間を3次元的に分割して各立体区画毎に色の名称をつけて区画表現をおこない、S、V、Hの各ランクをShadeランク、Valueランク、Hueランクとしてランク表現した区画表現+ランク表現方法である。ちなみに出願人である松風社では測色結果のグラフを各ランクを3分割した分割ランク表現した測色計を発表発売している。本発明はこの区画の表現をそのまま継承し、ランク分けしないSVH票色系としてS、V、Hの目盛を配置し、S、V、Hの値表現を追加した区画表現+ランク表現+値表現を歯科用測色計3、歯科用色標識4、歯科用色判定票5に適用したものであり、区画表現+ランク表現にあった課題を解決し、色表現の向上をもたらすだけでなく、従来の区画表現+ランク表現には不可能であった色再現性を実現するものである。本明細書中ではこれを人間天然歯表色法と呼ぶことにする。測色計で測色することにより得られるS、V、Hの結果として、図20(b)に示す様なグラフ上の★印の様に、区画や目盛またはランクや分割ランクを測色器の分解能レベルまで分解表現した点として表示または印刷出力するものである。また同じ★点の測色結果として[区画2A、Shadeランク=3.5、Valueランク=3.5、Hueランク=1.5、S値=3.1、V値=3.9、H値=1.7]として表現するのも好適である。(ランクと値の表現が似通っているが同図を見ればわかる様に、値表現の方がこの場合10倍高分解能である。)さらに患者の疾患歯を人工の材料で補綴する場合の色の再現のためのデータにこの人間天然歯表色法を用いることは正確で高分解能な色を患者の口腔内の補綴物に再現するのに特に好適であり、例えばS、V、Hの各値から自動的に材料の発色のための配合比を算出することに適用される。
図20(b)中の☆1〜☆6は人間天然歯表色空間内の単一の平面上に無い少なくとも4つ以上の表色点で、この表色点の色を表わす歯科用色標識を使って歯科用測色計や歯科用口腔測色写真システムの色再現性を補正するのに使用する。
【0065】
図21は歯科用色標識の好適な例を実用のものの一部として示す。この色標識は、A1、A2、A3、C1、C2、C3の6つの色票により構成される。この各色票はA1、A2、A3、C1、C2、C3の色区画表現に対応した色を備えており、それは図20(b)においてS、V、Hの目盛で仕切られた区画の中心値の色を表わしているが、設計上・製造過程上その色が実現しない場合にそなえて、S、V、Hの設計値または出荷検査での実測値を図20(c)の様に現物または取扱説明書等の添付文書に記載している。図21a1、図21b1、図21c1、図21d1は歯科用色標識または歯科用色判定票に用いる色票の好適な例で、図21a1はシェードガイドと呼ばれるタイプの既製の分離型の診断用歯科用色標識の色票であり、図21b1、図21d1はミシン目に沿ってちぎりやすい様になっている既製の半分離型の歯科用色判定票に好適な色票で、図21c1は後述のカメラ・モニタ・プリンタの色補正に使用する既製の歯科用色標識の色票である。特に図21d1はミシン目を歯の形に切り取れる様に入れてあり、前述のシェードガイドや患者の天然歯の上に貼り付けて観察することにより、形や周囲の色に惑わされない色判定が出来る様に工夫したものである。図21(b)、図21(c)、図21(d)はこれらの色票を使って歯科用色標識や歯科用色判定票を構成したものである。図21(b)、図21(c)、図21(d)の歯科用色標識や歯科用色判定票は既製品だけでなく、例えば本発明による歯科用測色計3により高精度項分解能に測定した患者の天然歯の色、あるいはその治療シミュレーションの色をパーソナルコンピュータの画面上に表現したものや、プリンタで印刷したものも好適である。さらに図21(d)においては、天然歯により近く見える用に測色あるいはシミュレーションした色を基準に天然歯様のグラデュエーションを施せばさらに好適であり、さらに図21(e)、図21(f)の様に患者のカルテや治療レポート(画面表示、印刷)の一部に用いても良い。これらの図で斜線部は実際の色が表現されている部分を示す。
また、これらの歯科用色判定票または歯科用色標識については、実際の患者の歯の色はS、V、Hの具体的数値(例えば、(2.7、4.5、1.5)といった座標)が表示される。これらが既製品であれば、該当する色の区画の中心値または設計上、あるいは製造上の値からS方向、V方向、H方向にどれだけ当該患者の歯の色がずれているかを表示位置をずらして表示するようにしても良い。例えば、図21d1において斜線領域の中心が区画の中心を、C3の中心からA3よりにずれた位置に表した★印が患者の歯の色の位置を表わす。また、その際、システムに測色誤差が存在する場合には、±5%といった誤差表示をこの色判定票の裏に併記するようにする。
【0066】
したがって、単に患者の歯の色がどの区画に属するかではなく、実際の目盛上に印が付され、そこから予想される誤差をも表示して、歯科医師または技工士または患者に正確な情報を提供し、全ての判断を術者に委ね、システム側に判断または診断のプロセスが介在しないようにしたものである。図22は、ある患者について経時的に歯牙を撮影することにより取得した画像データのそれぞれについて、測色計が取得したS,V,H値を関連づけて記録したデータファイルまたは治療レポートを例示している。
次に本発明による色補正方法について述べる。本方法によると、歯科用色標識または異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、歯科用色標識または色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現したり、画像上再現することができる。
色補正支援手段227は、被写体の色の再現性を高めることを支援するためのもので、歯科用色標識4を被写体と同時に撮影し、歯科用色標識4の色を再現することにより被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正できるようにした機能や、測色計3で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより撮影した画像の色補正を行なう機能を備える。例えば、図23は被写体に照明を当て、カメラを介してコンピュータに取り込んだ画像をモニターやプリンターに画像Vm、Vpとして出力する際の色補正を行なう手法を示すもので、照明による色変換係数行列CLとカメラによる色変換係数Cc行列、モニターによる色変換係数行列Cm、プリンタによる色変換係数行列Cpを使ってコンピュータの補正変換係数行列Csを算出する原理式である。照明による色変換係数行列CLとカメラによる色変換係数Cc行列モニターによる色変換係数行列Cm、プリンタによる色変換係数行列Cpは歯科用色標識4を任意のデジタルカメラで撮影した色標識または歯科用色標識の画像または、パーソナルコンピュータに読み込んだ色標識または歯科用色標識の設計データによる画像を、任意のモニタに表示させるかまたは任意のプリンタで印刷したものを任意の照明と任意のデジタルカメラで再度撮影する本発明による図24に示す方法で求めることができるので、被写体の色Vをモニター画像Vmやプリント画像Vpに合致させるべく、コンピュータにおける補正値Csm、Cspを決定することができ、色補正を的確に行なうことができる。
再現性とは人間から見た被写体の色を、データとして再現する程度のこと、またはモニタやプリンタの出力として再現する程度のことを意味する。また、再現性は同じ被写体を複数回撮影した場合に最初の撮影で出力した色のデータやモニタ出力色やプリンタ出力の色がその後の撮影で同じ色として出力される程度のことを意味する。また、再現性とは、モニタで出力した被写体の色とプリンタ上で出力した被写体の色が同じ色である程度のことを意味する。
【0067】
この方法は、歯科用色標識または異なる3色以上の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することもでき、治療の過程で患者の歯および/または歯肉の色の変化の過程を画像や定型の印刷物上で再現するか、人間天然歯表色法で表示することにより色判定に資することもできる。また、撮影画像を補正せずに、本発明による方式や本発明によらない方式による画像補正のためのデータ(上述Cc・CL等)またはさらに画像補正のプログラム自体を例えば暗号化して撮影属性データとして撮影画像データと関連付けることにより、どの様なパーソナルコンピュータ、プリンタ、モニタ等の環境でも、色再現性の良い画像再現を実現するものである。
これらの方法は任意のデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、モニタ、プリンタ(一括して任意システムと表現する)を用いておこなうことが可能なので、図24に示す様に、本発明による撮影画像データファイルや撮影属性データファイルを本システムによらない技工所や歯科医院や患者自宅等の任意システムで色再現性の良い画像再現を実現することが出来るとともに、上述の暗号化により、任意システムにおいて、本発明による画像補正可能な撮影画像データを生成出来ない様にすることが可能である。
なお、歯肉の色再現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替え可能であって、何れを重視したかを撮影属性データとして扱う機能を備えていてもよい。
<動作説明>
次に、図6〜図11の撮影シーケンスに基づき、本発明による歯科口腔測色写真システムによる撮影の手順について概説する。
各図は、上下方向に4つの帯からなっており、横軸が時間軸である。各帯は、下から順に、デジタルカメラ1側の撮影画像データ記憶部10cA1+撮影管理手段210、デジタルカメラ1側の撮影補助手段110+撮影属性データ記憶部10cA2、パーソナルコンピュータ2側の撮影補助手段120+撮影属性データ記憶部20cB2、パーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220+撮影画像データ記憶部20cB1である。
【0068】
先ず、図6において、デジタルカメラ1をパワーオンすると、撮影補助手段110がそれを検出して、起動画面を表示し、ユーザーによる選択(ここでは規格撮影の選択)後、撮影属性データ記憶部10cA2から撮影属性データメニューを呼び出し、モニターに撮影手順を表示する。図6に示した以外に撮影手順を表示する前に撮影手順のメニューを表示するのも好適である。図12(a)は簡単な状態分岐フローであり、非歯科撮影、規格撮影、自由撮影、再現撮影の何れの撮影状態によるか、規格撮影であれば5枚法、12枚法…の何れによるか、術者を誰にするかを順次選択させる画面をモニターMに表示する。例えば規格撮影状態と術者1をセレクタスイッチSSで選択したとすると、撮影補助手段110は図6に示すメニュー表示をする。A〜Dは規格撮影ステップの種別であり、アルファベットではなく撮影対象となる歯牙等をサムネイル表示するとより好適である。規格撮影では最初に撮影すべき歯牙が一応決まっているので、撮影補助手段110は暫定的にその歯牙Aを太枠で囲んだ状態で表示し、必要に応じて音声出力する。ただし、これは術者の操作によって変更可能である。例えば、図6は術者がBを選択した状態を示しており、撮影補助手段110は撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFに照準を表示する。術者がシャッターを切って1枚目の撮影を完了すると、撮影属性データ記憶部10cA2から対応する撮影属性データを受け取って、撮影管理手段210が撮影ステップPon1−1、日時、規格撮影B、術者1、歯科医院Mといった撮影属性データと、撮影画像データを関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。撮影補助手段110は、モニターMに図7に示す次の撮影手順を表示する。規格撮影では撮影補助手段110は暫定的に次に優先されるべき歯牙を太枠で囲んだ状態で表示し、必要に応じて音声出力する。ただし、これも術者の操作によって変更可能である。次に撮影すべき規格撮影Cを術者が決定すると、撮影補助手段110は撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFに照準を表示する。規格撮影Cはミラー撮影なので、規格撮影Cの撮影属性データの中からミラー撮影に必要なフラッシュ光量・距離補正データが撮影補助手段110に読み込まれミラー撮影による撮影が行なわれるべく撮影スタンバイ状態となる。術者がシャッターを押して2枚目の撮影を完了すると、撮影属性データ記憶部10cA2からミラー補正情報(たとえば上下反転など)を含む対応する撮影属性データを受け取って、撮影管理手段210が撮影ステップPon1−2、日時、歯牙C、術者1、歯科医院Mといった撮影属性データと、撮影画像データを関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。このようにして、5枚法であれば5枚、12枚法であれば12枚の撮影が実行されていく。各1枚ごとの撮影が本発明で言うところの歯科口腔写真撮影ステップである。規格撮影が全て完了すると、この撮影手順の場合、規格撮影は6枚で終了し、次がバーコード撮影となっているので図8に示す様にバーコード撮影の撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFにバーコードの照準を表示しモニターMにその旨を表示する。
術者がバーコードに照準を合わせてシャッターを押すと、撮影補助手段210がバーコード撮影に関する撮影属性データと関連付けてバーコード画像を撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。このとき、撮影補助手段210により撮影画像データ記憶部10cA1からパーソナルコンピュータ2にバーコードデータが無線転送され、パーソナルコンピュータ2側の撮影補助手段120が患者バーコードデータベースに関する撮影属性データからバーコードデータに対応した患者名を検索特定し、その患者のの撮影既得撮影属性データをデジタルカメラ1側に無線転送する。その患者の撮影既得撮影属性データが無い場合は、過去の撮影画像データの中から選択して既得撮影属性データを生成する様にしても好適である。この様にして撮影ステップPon1−1〜Pon1−6の撮影画像データに関連付けられた撮影属性データに患者名が付加される。この時点で、全ての撮影ステップPon1−1〜Pon1−6の撮影画像データが患者名を含む撮影属性データと関連付けられて記憶される。そして、これら記録されたデータは、図9(A)に示すように、デジタルカメラ1側の撮影管理手段210からパーソナルコンピュータ2側の撮影管理手段220に無線転送され、当該パーソナルコンピュータ2側の撮影画像データ記憶部20cB1に記憶される。パーソナルコンピュータが接続されていない場合は、ここでいったん起動画面に戻り、術者の操作に基づく他の動作中に、パーソナルコンピュータに接続された場合に画像転送は別途デジタルカメラ1またはパーソナルコンピュータ2に転送のメニューが表示され転送が可能となる。
【0069】
バーコード撮影に関して、パーソナルコンピュータ2が無線有線を問わず接続されていない場合は、デジタルカメラ1内にある患者バーコードデータベースに関する撮影属性データを検索する。検索して該当データがない場合やデジタルカメラ1内に患者バーコードデータベース自体が無ければそのままバーコード撮影をおこない。全ての画像をパーソナルコンピュータに転送後、パーソナルコンピュータ内で自動的にバーコードによる患者名検索がおこなわれ、患者名を確定して撮影属性データとして撮影画像データと関連付ける。
パーソナルコンピュータに転送されたると、撮影管理手段220により撮影画像データは自動的に図9(B)に示す概念の様に階層的に整理されて保存される。また、撮影管理手段220により、撮影画像データの管理情報として図9(B)の概念情報が具体的な図表として生成・表示されるのも好適である。また、自動的に整理されることにより、図9(C)の様に例えば5枚法なら5枚法の並べ方に自動的に並べて表示・印刷することも可能である。
次に、再現撮影のシーケンスについて図10をもとに概説する。先ず最初に起動画面より再現撮影を術者が選択すると、撮影補助手段110により撮影属性データ記憶部10cA2または(パーソナルコンピュータ2内の既得撮影属性データを含む)の既得撮影属性データを読み出して既得撮影メニューを表示する。通常既得撮影データには現在通院中の患者のデータが記憶されているので、そのメニューに所望の患者がいなかった場合、検索が選択される。検索が選択されると、撮影補助手段110はデジタルカメラ1およびパーソナルコンピュータ2の撮影画像データ記憶部10cA1、20cB1から既得撮影属性データに登録されていない撮影画像データファイルの一覧を転送表示する。この一覧表示はサムネイル画像表示を伴うのが好適である。この中から術者により再現撮影したい患者のフリー撮影画像が選択されると、今度は該当する画像データを関連づけられた撮影属性データとともに転送し、撮影補助手段110内で画像の輪郭を生成しそれを照準として既得撮影属性データとして撮影属性データ記憶部10cA2にメニュー項目として登録し、撮影条件を再現・輪郭照準を表示して撮影プリスタンバイする。検索が選択されず、既得撮影データのうちのひとつが選択されると、撮影属性データ記憶部10cA2または10cB2に登録されている既得撮影属性データが転送され撮影条件を再現・輪郭照準を表示して撮影プリスタンバイする。術者が再現撮影のためにデジタルカメラを構えると、図11に示すように、撮影補助手段110は輪郭をもとに構図判定を行い、「もっと右」といった構図のずれを検出して、構えや距離の支援データをファインダーFに表示し、必要に応じて音声により報知する。術者がそれに習って構えを正し、それがOKとなると、撮影補助手段110が撮影スタンバイ状態に移行して、ファインダーFにその旨を表示する。術者がシャッターを押すと、撮影画像データが撮影データ記憶部に記録されるが、その際、撮影管理手段210は、撮影補助手段110から撮影属性データを受け取ってこれを撮影画像データに関連付けて撮影画像データ記憶部10cA1に記憶する。撮影終了後に撮影データが再びパーソナルコンピュータ2の撮影管理手段220に送られて撮影画像データ記憶部20cB1に記憶される点は、上記規格撮影の場合と同様である。
【0070】
<発明の実施の動作および効果>
次に本発明の実施の動作および効果について説明する。
歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアおよび/または歯科用色標識および/または歯科用測色計および/または歯科用定型色判定票を構成要素とする本システムの実施の動作および効果としては、歯科口腔撮影用デジタルカメラにより患者の口腔・顔・カルテを撮影し、撮影画像データ、および診療所名を含む術者データ、または患者名・撮影部位・撮影順番を含む撮影対象データ、または絞り・シャッター速度・照明光量等の撮影条件データを歯科口腔撮影用デジタルカメラから歯科口腔画像管理ソフトウェアにUSB等の通信ケーブルまたはフラッシュメモリーカード等の記録メディアを介して転送し、歯科口腔画像管理ソフトウェアで術者データ・撮影対象データ・撮影条件データをもとに撮影画像データを自動的に整理することにより、術者を支援し操作性を向上するものである。
また、逆に既に撮影した特定の患者のこれらデータを歯科口腔撮影用デジタルカメラへ転送することにより、再診に訪れた患者の撮影を同じ条件で行なうことを撮影支援し操作性を向上するものである。また、歯科で行なわれている規格撮影の撮影対象データ・撮影条件データを内蔵し、術者に撮影指針を与え、かつ撮影準備を自動的に行ない操作性を向上するものである。
また、ファインダーまたは液晶モニタに撮影対象に応じた照準または、再診の患者であれば以前の画像データの輪郭を表示して撮影支援し操作性を向上するものである。また、口腔写真撮影に対応した照明をセットし、照明の最適な制御を行ない、撮影画像の被写体反射光量を最適化し、ミスの無い簡単撮影を実現し結果的に操作性を向上させるものである。また、歯の色の判定に関し、人間天然歯の表色系に基づく測色計、または歯科用色標識を用いて色の判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識を撮影対象と同時撮影することにより、撮影画像の色補正・色判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影することによって、歯科口腔撮影用デジタルカメラの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影し、歯科口腔画像管理ソフトウェアでコンピュータディスプレイに表示またはプリンタで印刷した歯科用色標識または一般の色票または色見本を再度撮影し、色データを照合することで歯科口腔撮影用デジタルカメラとコンピュータディスプレイまたはプリンタの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、画像が撮影時のオリジナルのものであるか、改変されたものであるかを判別して、診療の品質保証の支援を行なうものである。
【0071】
カメラまたは照明の全部または一部の制御を、通信手段を介して行なうか、制御のためのプログラムまたはデータの授受を記録メディアおよび/または通信手段を介して行なう歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作としては、カメラまたは照明の全部または一部の制御を、通信手段を介して行なうか、制御のためのプログラムまたはデータの授受を記録メディアまたは通信手段を介して行なうことにより操作性の向上についての条件、つまり歯科口腔撮影用デジタルカメラと歯科口腔画像管理ソフトウェアのデータの共有と機能的な結合を行なうものである。
歯科口腔撮影を行なう状態で起動し、歯科口腔撮影を行なわない状態に移行するための表示または操作入力をそなえたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作および効果としては、歯科口腔撮影を行なう状態で起動し、歯科口腔撮影を行なわない状態に移行するためのメニュー表示を行ない、このまま歯科口腔撮影を行なうか、一般の撮影に切り替えるか術者の操作入力により対応することで、歯科に特徴的な撮影以外の一般の撮影も可能にして操作性の向上をもたらすものである。
複数の撮影対象または複数の撮影条件または複数の術者名が、あらかじめ決められた順序または撮影条件に従って術者により撮影されるべく、表示または音声出力により術者に示される歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、上顎前歯部・下顎前歯部・上顎小臼歯部・下顎小臼歯部等の複数の撮影対象が、あらかじめ決められた順序で撮影部位に応じた撮影条件、あるいは前回撮影の術者名とともにファインダーまたは液晶モニタに表示または音声出力により術者に示すことにより術者支援とし、前回撮影と同一術者の場合はさらなる操作性の向上をもたらすものである。
特定の撮影対象または特定の撮影条件または特定の術者名が、術者により選択されるべく、表示または音声出力により術者に示され、撮影属性データ設定選択手段をそなえたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の撮影対象・撮影条件・術者名をファインダーまたは液晶モニターに選択メニューとして表示または音声出力し、そのなかから、特定の撮影対象または特定の撮影条件または特定の術者名を術者が選択すべく動作することにより、術者支援とし操作性の向上をもたらすものである。
【0072】
撮影対象または撮影条件または術者名を、撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、撮影対象または撮影条件または術者名を、撮影画像のデータファイル、例えばJPEG形式のデータファイルのデータ領域に記録するか、または撮影画像ではない専用のデータファイルに記録することにより、これらデータファイルのデータを歯科用画像管理ソフトが自動処理して術者支援とし操作性の向上をもたらすための前提を提供するものである。
あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で規格撮影する歯科口腔撮影用デジタルカメラにおいて、および/または同一患者における治療過程の同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再現撮影する歯科口腔撮影用デジタルカメラにおいて、特定の規格撮影または再現撮影の手順を1つの口腔写真撮影ステップとし、口腔写真撮影ステップを術者に表示および/または音声出力するか、および/または術者による選択入力手段をそなえるか、および/または撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録するかおよび/または通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、あらかじめ決められた歯牙または歯列または顔貌を、あらかじめ決められた距離・方向・配置角度で撮影する規格撮影、または同一患者における同一歯牙または歯列または顔貌を同一距離・方向・配置角度で再診時に再現撮影する場合に、規格撮影であればその撮影対象・撮影条件をあらかじめ口腔写真撮影ステップとして歯科用デジタルカメラおよび歯科用画像管理ソフトに内蔵し、再現撮影であれば、その患者の以前の撮影対象・撮影条件・術者名・以前の撮影画像の輪郭を口腔写真撮影ステップとして、複数の口腔写真撮影ステップを表示または音声出力し選択入力することにより、さらにこれらデータを撮影後、画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するかまたは通信出力または入力することにより術者支援とし操作性の向上をもたらすものである。複数の規格撮影の口腔写真撮影ステップの中に患者の顔写真および/または書類を含む歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の規格撮影の口腔写真撮影ステップの中に患者を特定するための情報として患者の顔写真または書類を含むことにより、設計支援とし操作性の向上の前提とする。
【0073】
複数の口腔写真撮影ステップをあらかじめ決められた手順に従って音声および/または表示により術者に指示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、複数の口腔写真撮影ステップをあらかじめ決められた手順に従って音声または表示により術者に指示することにより、術者が手順通りに撮影する場合において操作性の向上をもたらすものである。
ファインダーおよび/またはモニタに表示される照準が、口腔写真撮影ステップに応じて変化することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、ファインダーに表示される照準が、口腔写真撮影ステップに応じて変化することにより術者への撮影支援とし操作性の向上をもたらすものである。
口腔写真撮影ステップにおいて、該当する規格撮影および/または再現撮影に応じて、術者にカメラの位置方向を音声および/または表示により指示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、口腔写真撮影ステップにおいて、該当する規格撮影または再現撮影に応じて、術者にカメラの位置方向を音声または表示により指示することにより術者への撮影支援とし操作性の向上をもたらすものである。
ある患者の最初または最後または特定の場所の口腔写真撮影ステップにおいて、撮影画像のデータファイルに最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を付与するか、および/または撮影画像ではないデータファイルに最初または最後または特定の場所の撮影画像を特定する情報を記録するかまたは通信出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、ある患者の最初または最後または特定の場所の口腔写真撮影ステップにおいて、撮影画像のデータファイルに最初または最後または特定の場所であることを示すマーク情報を付与するか、または撮影画像ではないデータファイルに最初または最後または特定の場所の撮影画像を特定する情報を記録するかまたは通信出力または入力することにより、そのマークを特定の患者の最初または最後または特定の場所のデータとして、歯科用画像管理ソフトでの撮影画像の自動整理・管理の前提情報とし、操作性の向上をもたらすものである。
【0074】
撮影対象・撮影条件を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、口腔写真撮影ステップを実行することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果としては、上記歯科口腔写真システムの実施の動作により、撮影対象、撮影条件、術者名が確定した状態で、歯科口腔撮影用デジタルカメラが口腔写真撮影ステップを実行し、これらデータを自動記録することにより歯科用画像管理ソフトでの撮影画像の自動整理・管理の前提情報とし、操作性の向上をもたらすものである。
次の患者であるか引き続き撮影する患者か、診療所はどこかおよび/または術者は誰か、補綴物を扱う技工所はどこかおよび/または技工士は誰か、患者名は誰か、初診患者か再診か、規格撮影か自由撮影か、規格撮影の場合どの規格撮影か、術者が初心者か熟練者か、絞り、露光時間、照明光量、撮影距離、ズーム倍率、光学的撮影倍率、デジタルトリミング倍率、左列挙のいずれかすくなくとも1つ以上の撮影対象および/または撮影条件について、あらかじめいずれか初期設定したうえで、術者に変更選択のための表示か音声ガイド出力を行ない、メニュー操作および/またはスイッチ操作により変更可能とし、撮影後にこれらの撮影対象および/または撮影条件を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または出力または入力することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果については、次の患者であるか引き続き撮影する患者か、患者名は誰か、初診患者か再診か、規格撮影か自由撮影か、規格撮影の場合どの規格撮影か、術者が初心者か熟練者か、絞り、露光時間、照明光量、撮影距離、ズーム倍率、光学的撮影倍率、デジタルトリミング倍率、左列挙のいずれかすくなくとも1つ以上の撮影対象または撮影条件について、あらかじめいずれか初期設定したうえで、術者に変更選択のための表示か音声ガイド出力を行ない、メニュー操作またはスイッチ操作により変更可能とし、撮影後にこれらの撮影対象または撮影条件を撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録するか、または出力または入力することにより、操作性の向上をもたらすものである。
撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルに記録されるか、または出力または入力することによって得た、撮影対象や撮影条件に基づき、撮影画像を階層的に整理し、管理し、表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科口腔撮影用デジタルカメラによる撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルに記録されるか、または出力または入力することによって得た、撮影対象や撮影条件に基づき、歯科口腔画像管理ソフトウェアで撮影画像を階層的に自動的に整理し、管理し、表示することにより操作性の向上をもたらすものである。
【0075】
音声入力および/または操作入力においては患者名または患者に対応する番号、または画像入力においては患者名または患者に対応する番号または患者に対応する画像パターンを患者情報として入力する入力手段を備え、患者名を特定することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作および効果については、音声入力または操作入力においては患者名または患者に対応する番号、または画像入力においては患者名または患者に対応する番号または患者に対応する画像パターンを患者情報として入力する入力手段を備え、患者名を特定することにより操作性の向上をもたらすものである。
撮影画像を患者毎に、および/または撮影歯科医院毎に、および/または歯科技工所毎に、階層的に整理および/または追加し、管理し、表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、撮影画像を患者毎に、または撮影歯科医院毎に、または歯科技工所毎に、自動的に、階層的整理または追加し、管理し、表示することにより操作性の向上をもたらすものである。患者が再診である場合の再現撮影において、過去の患者の撮影画像および/またはその輪郭、撮影対象および/または撮影条件および/または術者名を撮影画像のデータファイルおよび/または撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、過去の撮影画像と同じ撮影対象および/または撮影条件および/または術者名を表示するか、および/または過去の撮影画像の輪郭を照準としてファインダーおよび/またはモニタに表示することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、患者が再診である場合の再現撮影において、過去の患者の撮影画像またはその輪郭、撮影対象または撮影条件または術者名を撮影画像のデータファイルまたは撮影画像ではないデータファイルから読み出すか通信入力することより、過去の撮影画像と同じ撮影対象または撮影条件または術者名を表示するか、または過去の撮影画像の輪郭を照準としてファインダーまたはモニタに表示することにより操作性の向上をもたらすものである。
鏡を使った撮影であるか否かの操作入力および/または検出入力を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、鏡を使った撮影であるか否かの操作入力または検出入力を持ち、鏡を使った撮影の場合に画像を上下または左右反転することにより、術者が反転した画像で混乱することを防止することにより操作性を向上するものである。
【0076】
被写体表面までの距離に応じて撮影のための照明の光量を調節することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施の動作と効果については、被写体表面までの距離を自動焦点機能等で取得し、その距離に応じて撮影のための照明の光量を調節することにより歯科用カメラの被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、ミラーを介した撮影では、ミラーの反射の時点で一定の光量低下があるので、ミラーを介した撮影に対応して撮影のための照明の光量を補正することにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度が可変であることを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムの実施の動作と効果については、図13において、フラッシュ発光部151が、aまたはb、cあるいはその中間の位置に対に位置決めされるべく、フラッシュアーム152がカメラ本体11を中心に左右対象に伸び縮みする。このフラッシュアーム152は被写体を想定した位置を中心とする円上を移動する様に設計構成されている。この結果、被写体への照明の方向が変わっても照明から被写体への距離が変化せず、被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
ミラー撮影の場合に、ミラーを凹面鏡にするとともに、歯科口腔撮影用プログラム部分BP3′をコンピュータに読み込むことにより演算手段を構成し、前記ミラーを通じて取得した撮影データを演算手段を介して平面上に展開するようにすれば、広角な撮影も好適に行なえるようになる。
撮影のための照明が光ファイバによりガイドされる歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムおよび光ファイバの投光部の位置および/または方向が可変である歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本真システムの実施による動作と効果については、フラッシュ発光部151の発光をミラー155で反射して可撓性のある光ファイバ153に導き、光ファイバアーム154に固定された位置にて照明光が投射される。光ファイバアーム154は被写体を想定した位置を中心に円弧上に光ファイバ固定具156の位置を左右対象に調節する。また光ファイバ153を光ファイバ固定具156に固定せずに任意の場所に固定することが出来る。この様にして撮影のための照明が光ファイバによりガイドされることにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
【0077】
照明の方向から偏光板を介して撮影を行なうことにより、いわゆる照明によるてかりをなくして、エナメル層の下にある象牙層のうしょく(虫歯)を撮影できる効果をもたらすものである。
光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段を備えることによる動作と効果については、上記の光ファイバによるガイドに非撮影時に照明光を通すか、上記の光ファイバによるガイドの投光部に光ファイバの投光方向と同一の方向に非撮影時に投光すべく、第2の投光手段(図14におけるパイロットランプ157)を備えることにより被写体反射光量を最適化し、撮影ミスをなくすことで操作性向上をもたらすものである。
3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯および/または補綴物および/または歯肉の色表現を備えることを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアおよび/または歯科用測色計および/または歯科用色標識および/または色判定票よりなる本システムの実施による動作と効果については、3次元の表色系において表した人間の天然歯の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、および人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系による歯または補綴物の色表現を備えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
人間天然歯表色系の分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角のそれぞれ代表的な位置に相当する単数または複数の色票をそなえたことを特徴とする歯科用色標識を含む本システムの実施による動作と効果については、人間天然歯表色系の分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角のそれぞれ代表的な位置に相当する単数または複数の色票による歯科用色標識を備えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
【0078】
歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科用色標識を同時に撮影した場合に、歯科用色標識の色を再現することにより、被写体の画像の色を被写体の色に近似再現補正することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
3次元の表色系において表した人間の天然歯および/または歯肉の色の立体分布形状に応じてその中心を基準とし、分布の長さ方向および幅方向および奥行き方向または位相角に目盛を配置し、あるいはさらに人間の色差感覚に比例した目盛間隔を設定した人間天然歯表色系で、歯科用色標識の色を基準に、被写体の各部の色を表現することを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、歯科用色標識の色を基準に、被写体の各部の色を人間天然歯表色系で表現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、請求項22記載の測色計で測色した撮影対象の歯牙の測色データにより、撮影した画像の色補正を行なうことにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
赤外カットフィルタを備えたことを特徴とする歯科口腔撮影用デジタルカメラを含む本システムの実施による動作と効果については、赤外カットフィルタを備えたことにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、色標識または色票を撮影することなく撮影した画像の色を3次元的に表現する歯科口腔撮影用デジタルカメラおよび/または歯科口腔画像管理ソフトウェアよりなる本システムの実施による動作と効果については、上記の色標識または、異なる3色以上色の色票を単独または患者の被写体と同時撮影後の撮影において、色標識または色票を撮影することなく撮影した被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
また、色補正支援等に関する上記の構成によれば、色標識または異なる3色以上色の色票を撮影し、その撮影画像を表示したモニタ画面または印刷した印刷物上に再現された色標識または色票を再度撮影することにより、その後の撮影において、被写体の色を3次元的に表現するか、被写体の色を画像上再現することにより、色表現または色再現性の向上をもたらし、治療の過程で患者の歯または歯肉の色の変化の過程を画像または印刷物上で再現するか、または請求項22に記載の色表現で表示することにより、色表現または色再現性の向上をもたらし、歯肉の色表現または色表現を重視するか、天然歯の色再現または色表現を重視するか、補綴物の色再現または色表現を重視するかを切り替えることにより、色表現または色再現性の向上をもたらす。
【0079】
さらに、撮影した画像データファイルまたは画像データでないファイルに撮影した画像がオリジナルであるか改変されたことを示す画像改変識別情報を付与し、パーソナルコンピュータ側で画像がオリジナルであることまたは改変されたことを確認支援・認証・保証情報を付与することにより、歯科用口腔画像の品質証明価値あるいは証拠価値の向上をもたらす。
【0080】
【発明の効果】
以上に示した構成・特性・動作により、本発明は術者データ・撮影対象データ・撮影条件データをもとに撮影画像データを自動的に整理・管理・表示・印刷・色補正・色表現・輪郭抽出し、術者を支援し操作性を向上するものである。また、逆に既に撮影した特定の患者のこれらデータを歯科口腔撮影用デジタルカメラへ転送することにより、再診に訪れた患者の撮影を同じ条件で行なうことで術者を支援し操作性を向上するものである。また、術者に撮影指針を与え、かつ撮影準備を自動的に行ない操作性を向上するものである。また、ファインダーまたは液晶モニタに撮影対象に応じた照準または、再診の患者であれば以前の画像データの輪郭を表示して撮影支援し操作性を向上するものである。
本発明は、歯科口腔測色写真システムに歯科口腔撮影用プログラム部分を組み込み、さらに規格撮影の種類等の撮影属性データを術者に選択させ、撮影画像データに被写体に属する情報撮影属性データを関連付けることにより、従来非常に困難であった歯科口腔写真撮影を誰でも簡単に失敗無く撮影可能とするばかりでなく、撮影後の撮影画像データの整理管理を容易ならしめるものである。つまり、どの部位を撮影するかの撮影属性データを撮影前にあらかじめ特定することにより、付加的な撮影属性データである撮影条件を撮影前にあらかじめ把握し、デジタルカメラの撮影動作条件とすることで術者を支援するものである。また、どの部位を撮影するかの撮影属性データとともに、患者を区別または識別するための撮影属性データを撮影画像データに関連付けることにより、複数の患者の複数の撮影部位、さらには複数の術者による未整理の撮影画像の撮影後の画像整理を自動化するものである。
また、撮影属性データとして撮影画像の補正または改変情報を組み込むことにより、再現撮影において、撮影画像を改変した輪郭画像を照準として再現撮影を容易ならしめたり、撮影画像に治療後のシミュレーションを施した画像を特定したりまた自動的に整理したり、撮影画像が悪意を持って改変されていることを特定したりすることを可能ならしめるものである。
【0081】
また、この様に撮影属性データを関連付けられた撮影画像データや撮影画像データを使って整理したり閲覧したりするための閲覧プログラムを撮影画像データファイルや関連付けられた撮影属性データファイルに内蔵することにより、撮影画像データまたは撮影属性データファイルを配布するだけで、本発明による撮影属性データの活用を可能ならしめるものである。
また、口腔写真撮影に対応した照明をセットし、撮影距離にもとづき照明の最適な制御を行ない、撮影画像の被写体反射光量を最適化し、ミスの無い簡単撮影を実現し結果的に操作性を向上させるものである。特に術者があらかじめ決められた規格撮影または再現撮影を選択した場合には、あらかじめ撮影距離が決まっているので、撮影距離を固定することで最適な照明の制御を行なうものである。口腔写真撮影における被写体の部位によっては照明をレンズに近い方向から照射したり、レンズとは離れた角度から照射したりする必要があり、撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度を可変とすることができる入射角度可変機構を有することにより、この様な場合においても撮影距離を的確に制御することが可能となる。この様な目的のために光ファイバにより照明光をガイドすることで、いろいろな方向から的確な照明を照射することが可能となる。
また、歯の色の判定に関し、人間天然歯の表色系に基づく測色計、または歯科用色標識を用いて色の判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識を撮影対象と同時撮影することにより、撮影画像の色補正・色判定を行ない、色の再現を支援するものである。また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影することによって、歯科口腔撮影用デジタルカメラの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。特に、色の表現に区分表現および値表現が表現を用いることにより、歯科診療、特に歯科補綴診療に必要な患者の歯の色の区分情報を与えるとともに、その歯の色が正確にはその区分のどこに位置するのかの情報としての値表現を与えることにより、歯科診療、特に歯科補綴診療によりきめ細かな治療の指針情報を与えるものである。
また、歯科用色標識または一般の色票または色見本を撮影し、歯科口腔画像管理ソフトウェアでコンピュータディスプレイに表示またはプリンタで印刷した歯科用色標識または一般の色票または色見本を再度撮影し、色データを照合することで歯科口腔撮影用デジタルカメラとコンピュータディスプレイまたはプリンタの色補正を行ない、色の再現を支援するものである。また、画像が撮影時のオリジナルのものであるか、改変されたものであるかを判別して、診療の品質保証の支援を行なうものである。
【0082】
歯科用色標識の形態として、多角形板状、好ましくは円板形状、四角板形状、三角板形状、歯形状である。更に好ましくは歯形状である。色票が単体又は複数選べればよい。これらの形状が、複数接続されているか又は、全てが接続されていないか、全てが着脱できる接続機構を備えている事が好ましく、更には全てが着脱できる接続機構を備えている事が好ましい。
また、紫外領域または赤外領域をカットするフィルタをることにより、患者の歯の色をより目視に近く再現可能とするものである。
また、撮影光と被写体の間に偏光板を有し、レンズと被写体の間に偏光板を介することにより、照明の直接反射を抑えたり、歯面のより微細な構造や、歯面直下の内部構造も同時に撮影可能ならしめるものである。
本発明の好ましい対応として、汎用デジタルカメラを利用する態様があり、その態様について下記に説明する。
【0083】
[産業上の利用分野]
本発明は、カメラに接続可能な照明装置に関するものであり、特に、カメラが絞り値およびシャッタースピードを固定した状態で使用する場合に、更には被写体との距離が非常に近い場合に色再現に重点をおいた発明である。
本発明は、被写体との距離が非常に近い場合や撮影された画像の色再現に重点をおく歯科用カメラに用いることができる。
【0084】
[従来の技術]
デジタルカメラが広く普及し高機能化・高画素化が進むにつれて、特殊な用途での撮影や業務における記録撮影用としての利用が広がって来た。なかでも、画像データの取り扱いや管理の容易さから医科・歯科分野における診療経過や患部状態の記録撮影用や工業分野における電子部品の記録撮影用、耐久試験における部品または材料の経年変化の定点観察などに利用され始めている。
これらの記録用としては特定の部位を拡大して撮影する近接撮影において利用されることがあるが、デジタルカメラに内蔵されたストロボ装置は、被写体がカメラからある程度離れた遠距離にある場合でも被写体を照射できるに十分な発光量を有するものが装備されているので、近接領域においては露出オーバーになってしまうことが多く、満足な画像を得ることが出来ない。また、デジタルカメラのオート設定に関しても近接撮影を考慮されたものは少なく、近接撮影においては満足な画像を得られないのが現状で、適正な露出で撮影するためにはマニュアル設定にて絞り値やシャッタースピードの調整が必要となり、それなりの知識や経験が必要となってくる。また、カメラに内蔵されているストロボはレンズの上部のしかもレンズ先端部よりも後ろ側に位置しており、レンズ近傍に存在する被写体を撮影する場合、レンズ自体がストロボから照射された光を遮ってしまい、撮影画像の一部にレンズの影が写り込んでしまう場合もあった。
また、口腔内撮影に関して言えば、前歯から臼歯までを一望する正面観撮影においては前歯、臼歯ともにピントが合っている画像が好ましく、これを実現するためには絞り値は大きい方が好ましい。また、周囲環境の照明状態に依存しない画像を撮影するためには、できるだけ周囲光が入り込まない高速シャッター速度でかつ適正光量でのストロボ撮影という条件が好ましく、また、高速シャッター速度での撮影は手ぶれの影響を排除できるという利点ももつが、市販のデジタルカメラにおいてこれらをすべて満たして適正な露出で撮影できるものは皆無である。
そこで、複数のメーカーから近接撮影用のリングストロボや近接撮影に適した状態でシステム構築されたカメラシステムなどが市販されている。
特開2002−122936号広報記載のものは、多段階にガイドナンバー(発光量)を切替可能なリングストロボ装置と近接レンズをデジタルカメラに取り付け、デジタルカメラ本体のレンズ鏡筒に規格倍率目盛りを設けることで、規格倍率目盛りで設定された倍率に対してデジタルカメラ本体の焦点が合うように焦点距離を設定し、その焦点位置へ被写体を合わせることで、所定の倍率と最適な露出が得られるデジタルカメラセットが提案されている。
【0085】
[発明が解決しようとする課題]
しかし、上述の従来装置では焦点距離を固定にしなければならないことからカメラのオートフォーカス機能が使えず、術者はカメラを前後移動させて被写体を焦点位置に来るよう調整する必要があった。この際、デジタルカメラにおいては高価な一眼レフタイプのカメラ以外では光学ファインダが装備されていないため、液晶ファインダにより焦点を合わせる必要があったが、解像度の低さから合焦しているかどうかを判別するのが極めて困難でありピントがずれた画像が撮影されることがあった。光学ファインダが装備された高価な一眼レフタイプのデジタルカメラを用いた場合にも、口腔内撮影は被写体となる患者が歯科治療用チェアに横たわっている場合に行われることがほとんどで、術者の撮影姿勢はファインダをのぞいた状態で上方から下方を見下ろし、かつ横たわっている患者を避けつつ、重いカメラの上下移動により合焦位置を探さなければならないという非常に困難なものであった。
また、上述した従来装置ではリングストロボを使用している場合のものが多く、リングストロボを使用して口腔内写真を撮影した場合、撮影された画像には歯の表面にリングストロボの輪状の反射が写り込むことがあり、歯面中央部分が見えなくなるという問題が生じていた。この問題を回避するにはリングストロボによる輪状の写り込みが無いようにカメラの位置を決定しなくてはならないが、事前に被写体のどの部分に反射の写り込みが生じるかは撮影してみないと分からず、試行錯誤を繰り返す必要があった。
また、上述した従来装置の中には近接撮影に適したシステム構成が成されているとはいえ、絞り値、シャッタースピード、ガイドナンバーなどの設定が必要となり、ある程度のカメラの知識が要求され、また撮影状況によっては絞り値、シャッタースピード、ガイドナンバーそれぞれの設定を変えつつ撮影を行わなければならないようなものもあり、歯科の臨床における撮影状況においてカメラに不慣れな術者が撮影すると、撮影に時間がかかって患者に不快な思いをさせたり、何度も撮りなおしをしなければならなくなる場面があった。
【0086】
また、照明部1005にはキセノン管などが使われることが多いが、経年変化による光量の低下などが起こるにもかかわらず、発光量の補正手段を装備したストロボシステムは皆無で、たとえ絞り値やシャッタースピードやガイドナンバーを合わせて撮影を行っても、年月の経過に伴って撮影された画像の露出には微妙なズレを生じ、例えば患者の歯の色の経年変化を比べようとしても、撮影画像における色の変化が本来の歯の色の変化によるものなのか、撮影時の露出の微妙なズレによる変化なのかが分からなくなってしまう。
これらの状況を鑑み、本発明において解決しようとする課題は以下のとおりである。
本発明が解決しようとするひとつの課題は、照明装置を使用した場合の近接撮影において、カメラの焦点距離を固定しないオートフォーカス機能を使用した状態で、撮影ごとの絞り値およびシャッタースピードの調整を一切必要とせず、容易に一定露出で撮影することができる外部照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、重く高価な一眼レフタイプのカメラを使用しなくとも、絞り値とシャッタースピードがマニュアル設定可能な小型カメラに本発明による照明装置を取り付けることによって、軽量で安価でなおかつ最適な露出で近接領域撮影ができるようになる撮影システムの一部としての照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとするさらなる他の課題は、照明部1005の発光量を常に一定に保つために照明部1005の発光量を補正する手段を内蔵した照明装置を提供することにある。
本発明が解決しようとするさらなる他の課題は、照明装置の照明部1005によって被写体に写りこむ直接反射を撮影前に事前に確認できるようにした照明装置を提供することにある。
【0087】
[課題を解決するための手段]
本発明は絞り値およびシャッタースピードを固定しオートフォーカス機能を備えたカメラに装着される照明装置であって、照明部および測距部を有する照明装置において、測距部から得られた被写体との距離情報にて照射部の発光光量を算出し、撮影時に照明部が算出した発光光量を発光することを特徴とした照明装置である。
本発明は撮影前に照明部が断続的に発光し、照明光の反射の影響を確認する反射影響確認手段を有することを特徴とする照明装置であることが好ましい。
本発明は照射された光の反射光の光量を検知する検知手段を有し、検知手段により初期の光量情報との差を演算し、照明部1005の経時変化による発光量の増減を補正し常に最適な光量を発光することを特徴とした照明装置である。
本発明は撮影用の照明部1005と、被写体までの距離を測距する測距部と、測距部からの距離情報を処理し前記照明部1005の制御を行う制御手段とを備え、前記測距部からの距離情報にもとづき被写体へ照射される前記照明部1005の光量が常に一定になるように制御することで、照明装置と被写体との距離が変化しても撮影装置の絞り値・シャッタースピードを固定した状態で常に一定露出で撮影が実現できることを特徴とした照明装置である。
本発明は測距中の距離情報を保持する機構と撮影時に保持された距離情報を用いて照明部1005の制御を行う機能を備え、測距部によって測距できないような被写体の場合でも、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距した距離情報を使用することで適正な露出で撮影できることを特徴とした照明装置であることが好ましい。
本発明は照明部1005を連続的に微弱発光させることができる機構を備え、被写体に照明光を微弱発光させながら撮影装置のファインダより被写体を観察することで、被写体に写りこむ照明光の影響を撮影前に知ることができることを特徴とした照明装置である。
本発明は照明光補正状態へ移行するスイッチ機構と、照明光補正状態へ移行した際に照明部1005より被照射面に照射された光の反射光の光量を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された光量情報を保持する光量情報保持手段と、照明部1005の発光量に対する補正係数を保持する補正係数保持手段とを備え、製造時に前記光量情報保持手段に対して規定の被照射面−照明部1005間距離で規定の白色面に対して照明部1005を照射した場合の反射光の光量情報を光量情報保持手段に保持させておき、ある時間が経過した後に前記と同条件で同一白色面に照明部1005を照射した場合の反射光の光量を検知させ、光量情報保持手段に保持された光量情報との差を演算し、製造時の発光量と同じになるような補正係数を前記補正係数保持手段に保存し、次回発光時より前記補正係数保持手段に保存されている補正係数を用いて照明部1005の発光量を制御することで、照明部1005の経時変化による発光量の増減を補正し常に最適な光量で発光できるようにしたことを特徴とした照明装置であることが好ましい。本発明はデンタルミラーを使用した鏡像が被写体の場合や、照明部1005からの光が届きにくい影となる部分に位置する被写体を撮影することに対応して照明部1005の光量を段階的に補正する撮影対象切替機構を備え、鏡面に反射した被写体や照明部1005からの光が届きにくい影となる部分に位置する被写体においても適正な露出で撮影できることを特徴とする照明装置であることが好ましい。
本発明はカメラとは独立した外部装置として構成したことを特徴とする照明装置であることが好ましい。
【0088】
本発明は、測距部からの距離情報により照明部1005の発光量を制御する撮影用照明装置において、測距部を用いて被写体と照明部1005との距離を測距し被写体表面に照射される光量が常に一定になるよう制御することで、撮影装置の絞り値・シャッタースピードが固定の状態で被写体と照明装置との距離が変化しても容易に適正な露出で撮影することが可能な照明装置に関するものである。本発明の第1の基本的な課題解決手段は、撮影用の照明部1005と、被写体までの距離を測距する測距部と、測距部からの距離情報を処理し前記照明部1005の制御を行う制御手段とを備え、前記測距部からの距離情報にもとづき被写体へ照射される前記照明部1005の光量が常に一定になるように制御する照明装置を構成し、照明装置と被写体との距離が変化しても撮影装置の絞り値・シャッタースピードを固定した状態で常に適正な露出で撮影できるようにしたことである。
また、本発明の第2の基本的な課題解決手段は、第1の課題解決手段に加えて、測距中の距離情報を保持する機構と保持された距離情報によって撮影時に照明部1005の制御を行う機能を備えたことで、測距精度が確保できないような被写体の場合でも、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距した距離情報を保持し、保持した距離情報を使用して撮影することで適正な露出で撮影できるようにしたことである。
また、本発明の第3の基本的な課題解決手段は、第1、第2の課題解決手段に加えて、照明部1005を連続的に微弱発光させることができる機構を備えたことで、被写体に照明光を微弱発光させながら撮影装置のファインダより被写体を観察することで、被写体に写りこむ照明光の影響を撮影前に知ることができるようにしたことである。
また、本発明の第4の基本的な課題解決手段は、第1、第2、第3の課題解決手段に加えて、照明部1005を補正する手段を備えたことで、定期的に基準となる面へ照明部1005からの光を照射し、反射された光の光量を検知手段によって検知することで、発光量の補正を行うことができるようにしたことである。
【0089】
[発明の実施の形態]
絞り値およびシャッタースピードを固定しオートフォーカス機能を備えたカメラとは、絞り値およびシャッタースピードを固定する機能を有しオートフォーカス機能を有するカメラであれば何でもよい。
照明部とは、通常のフラッシュやストロボと呼ばれているものであれば何でもよい。
距離情報とは、測距部から得られた被写体との距離情報のことである。
照射部の発光光量(撮影時に照明部が算出した発光光量)は、測距部から得られた距離情報により、被写体との距離に関わらず撮影時の照明部からの発光光量を一定に保つように算出された発光光量である。
照明部が断続的に発光とは、微弱な光で断続的に複数回発光していることである。好ましくは連続的に発光している様に見える程度に短時間に断続的に発光させることである。
照明光の反射の影響を確認する反射影響確認手段とは、撮影装置の位置を変えることによって反射による影響を軽減するために、反射の程度や部位を撮影装置のファインダーより確認できる様に断続的に照明部が発光することである。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図25は本発明に係る照明装置の一実施例を示し、これらの図(図25(A)〜(C))において、本実施例では全体を照明装置1001として、カメラとは別の独立した装置としてカメラレンズ部前面に取り付けられるものとして例示している。
図25において照明部1005は、たとえばキセノン放電管からなるストロボ発光管とその周辺に配置される反射傘の組み合わせから構成されても良いし、LEDなどの光源とその周辺に配置される反射傘とレンズの組み合わせから構成されても良い。
照明部1005はレンズに対して左右に配置されており、これは口腔内撮影時においては、歯の断面形状が垂直方向の円筒形に近いので左右方向からの光は正面には反射せず、歯面の正面への照明部1005の写りこみを最小限にとどめる効果がある。また、照明部1005の発光部の形状はできるだけ小さいほうが写りこみが小さくなるので好ましい。
また、照明部1005は照明装置本体6から分離することが可能となっており、照明装置本体1006へは照明部1005の側面から伸びた連結継手1007を介して照明装置本体側の接続部1008へ接続される。この連結継手1007は照明部1005の左右両側面に長さの異なる2種類の継手が存在し、撮影条件に応じて長い側1007a、短い側1007bのどちらかを照明装置本体側の接続部1008へ接続する。
測距部は測距部を有する部分である。
図25中1009は被写体と照明装置との距離を測距する測距部であり、たとえば赤外線LEDとPSDセンサを用いた三角測量方式のもので構成されても良いし、超音波センサ方式などその他の非接触式の測距部であれば何を用いてもかまわない。或いはその他の器械的計測手段である計測用治具を用いることもできる。
【0090】
図25中1010は照明装置1より被写体へ照射された光が反射した光を検知し、かつ、カメラ3の内臓ストロボ1026の発光に同期して照明装置1の照明部1005を発光させるようにするための内臓ストロボ光を検知する光量検知部であり、照明装置1の前面、背面の光を検知できるように光ガイド11を介して光量検知を行う(図25(B))。
図25中1012は被写体によって照明部1005の発光量を補正する撮影対象切替機構であり、たとえば複数状態を切替設定可能なスイッチで構成されており、歯科口腔内撮影においてたとえると、正面観の撮影を基準として、ミラーを使用した撮影の場合や臼歯部のように頬によって照明部1005の光がさえぎられる条件での撮影の場合には、照明光の低下や距離センサーの誤差を補正するための発光量調整を行う(図25(C))。
図25中1013は照明部1005の発光量の強弱切替および照明光補正状態への移行を行う発光量調整切替機構であり、たとえば、複数状態を切替設定可能なスイッチで構成されており、たとえば若干発光量を多くする(Hi)と若干発光量を少なくする(Low)の発光量切替と照明光補正状態へ以降させる(Cal.)の3状態からなり、状況に応じて発光量を微調整することができる。
図25中1014は測距部1009によって測距された距離情報を一時的に保持する測距情報保持機構であり、たとえばプッシュ式のスイッチなどで構成されており、このスイッチを押すことで距離ロックランプ1015が点灯し、測距部1009による測距情報が一時的に保持され、この状態で照明部1005を発光させると保持された距離情報を元に最適な発光量が決定され発光が行われる。またこの保持状態はカメラ3のシャッターを押して照明装置1001の照明部1005を発光させた場合または測距情報保持機構1014を再び押すことによって解除され、距離ロックランプ1015は消灯する。
図25中1016は照明部1005が発光可能な状態であることを示すパイロットランプであり、ネオン管あるいはLEDなどにより構成される。
図25中1017は照明装置1の主電源スイッチである。
図25中1018は発光量調整切替機構1013が強弱いずれかの発光量調整状態を指示している場合は押している間連続微弱発光を行うテスト発光スイッチとなり、発光量調整切替機構1013が照明光補正状態を指示している場合は押すことで照明光の補正開始を示す補正開始スイッチとなり、たとえばプッシュ式のスイッチなどで構成されている。
【0091】
図25中1019は照明装置1の電池収納部である。
図25中1020はクローズアップレンズ取り付け用ネジであり、照明装置前面にクローズアップレンズ1004が取り付けられるように内周にネジ加工が施されている。
図25中1021は照明装置1をアダプターリング1002に取り付けるためのレバーであり、レバーを押すことによってアダプターリング固定用爪1024が一時的に広がり、アダプターリング1002の照明装置固定部22を咥え込む。
図25中1023はカメラレンズ固定用外周ネジであり、カメラレンズ部内周ネジ1025と結合する。
次に、図25中1001の照明装置に関して、図25以外の実施例を図27に示す。
図27に関しては照明部1005として光源収納部1039内に設置された光源1030から出た光を、ライトガイド1031によって左右へ分岐させている。ライトガイド1031は光ファイバーなどの導光デバイスを保護用のフレキシブルチューブなどで被覆した形態のものが好ましく、さらに好ましくは屈曲半径が50mm程度の柔軟なものが好ましい。
また、ライトガイド先端部1032は中央部に導光された光を照射する照射部1034が存在し、ネジ部1033をガイドアーム1037内の長穴部1038に通し、ワッシャ1035と固定ナット1036によって固定している。
ライトガイド1031は柔軟に変形させることができるので、ガイドアーム1037部の長穴部1038に沿ってライトガイド先端部32を移動させることができ、任意の位置にナット1036によって固定することができる。
その他の機能に関しては図25の実施例と同じであるのでここでは省略する。次に、図25中1の照明装置に関して、図25以外のさらなる実施例を図29に示す。
図29に関しては、電池収納部を照明装置から切り離した形態のもので、図29に示すように左手用グリップ1040のグリップ部1045に電池収納部1042を装備し、電池収納部カバー1041を開けることにより電池の収納を可能にしている。また、カメラ1003の底面の三脚取り付け用ネジに結合する左手グリップ固定用ネジ1044を用いて、アーム部1043をカメラ底面に固定している。アーム1043には長穴部1046が開けられており、左手グリップ固定用ネジ1044を左右に動かすことができるので、種々の大きさのカメラの取り付けに対応することができる。また、左手グリップをカメラ1003に設置することにより、無理な姿勢での安定した撮影を可能にしている。
【0092】
[発明の効果]
本発明によれば、被写体に照射される光量がカメラとの距離に依存せず常に一定になるように制御されているので、カメラ側の絞り値・シャッタースピードは任意の固定値で構わないことになる。また、カメラの焦点位置を固定する必要が無いので、カメラのオートフォーカス機能を使用することが可能となる。
また、本発明によれば、測距中の距離情報を保持し、保持された距離情報によって照明部1005の制御を行う機構が備えられているので、たとえば、微小な被写体のように測距部によって測距不可能な被写体の場合に、前もって被写体と同じ位置に測距可能な別物体をセットして測距してその距離情報を保持し、保持した距離情報を使用して撮影することで適正な露出で撮影することが可能となる。
また、本発明によれば、照明部1005を連続的に微弱発光させる機構が備えられているので、撮影前に被写体に照明光を微弱発光させカメラのファインダより被写体を観察することで、とくに表面の光沢度か高い被写体に生じがちな反射の影響を事前に知ることができ、被写体へ向けるカメラの角度などを調整することで、反射の影響を最小限に抑えることができることになる。
また、本発明によれば、照明部1005の経年変化を補正することができ、定期的に補正を行うことで常に一定の露出の画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステムのハードウェア構成図
【図2】本発明のソフトウェア構成図
【図3】同実施形態の部分的な機能ブロック図
【図4】図3と組をなす部分的な機能ブロック図
【図5】図3および図4と組をなす部分的な機能ブロック図
【図6】規格撮影手順を示す部分的なシーケンス
【図7】図6と組をなす部分的なシーケンス
【図8】図6および図7と組をなす部分的なシーケンス
【図9】図6、図7および図8と組をなす部分的なシーケンス
【図10】再現撮影手順を示す部分的なシーケンス
【図11】図10と組をなす部分的なシーケンス
【図12】状態選択フローを例示する図および撮影属性データの記録例を示す図
【図13】同実施形態の照明システムの概要を示す図
【図14】図13と組をなす図
【図15】同実施形態における光量調整を説明する図
【図16】同前
【図17】同前
【図18】同前
【図19】同前
【図20】人間天然歯表色系の図
【図21】歯科用色標識の図
【図22】測色データを例示する図
【図23】色補正の考え方を説明する図
【図24】同実施形態における撮影方法を説明する図
【図25】本発明にかかる照明装置の第1実施形態を示す概略斜視図
【図26】本発明にかかる照明装置の第1実施形態の各部品の取り付け関係を示す側面切断図
【図27】本発明にかかる照明装置の第2実施形態を示す概略斜視図
【図28】本発明にかかる照明装置の第2実施形態のとくにライトガイド先端部の取り付け関係を示す側面切断図
【図29】本発明にかかる照明装置の第3実施形態を示す概略斜視図
【符号の説明】
1…歯科口腔撮影用デジタルカメラ
2…コンピュータ(パーソナルコンピュータ)
10…情報処理装置
20…情報処理装置
3…歯科用測色計
4…歯料用色標識
5…色判定票
P1、P2、P3、P3′…プログラム
1001…照明装置
1002…アダプターリング
1003…カメラ
1004…クローズアップレンズ
1005…照明部
1006…照明装置本体
1007…連結継手
1008…接続部
1009…測距部
1010…光量検知部
1011…光ガイド
1012…撮影対象切替機構
1013…発光量調整切替機構
1014…測距情報保持機構
1015…距離ロックランプ
1016…パイロットランプ
1017…主電源スイッチ
1018…テスト発光スイッチ/補正開始スイッチ
1019…電池収納部
1020…クローズアップレンズ取り付け用ネジ
1021…レバー
1022…照明装置固定部
1023…カメラレンズ固定用外周ネジ
1024…アダプターリング固定用爪
1025…カメラレンズ部内周ネジ
1026…内臓ストロボ
1030…光源
1031…ライトガイド
1032…ライトガイド先端部
1033…ライトガイド先端部のネジ部
1034…照射部
1035…ワッシャ
1036…固定ナット
1037…ガイドアーム
1038…長穴部
1039…光源収納部
1040…左手グリップ
1041…電池収納部カバー
1042…電池収納部
1043…アーム
1044…左手グリップ固定用ネジ
1045…グリップ
1046…長穴部
Claims (28)
- 情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、および画像データと撮影属性データを関連付け整理された形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- プログラム部分は歯科以外の撮影時に好適に動作する非歯科撮影用プログラム部分とどの様な撮影時でも共通に動作する基本撮影プログラム部分と歯科口腔撮影用プログラム部分を有し、非歯科撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している非歯科撮影状態または、歯科口腔撮影用プログラム部分と基本撮影プログラム部分が動作している歯科口腔撮影状態のいずれかを選択できる請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 情報処理装置がデジタルカメラに内蔵されて動作するか、またはデジタルカメラの外部に設置されて動作するか、またはデジタルカメラに内蔵された情報処理装置とデジタルカメラの外部に設置された情報処理装置が通信手段を介して共動することを特徴とする請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 撮影属性データが撮影画像の補正改変情報であることを特徴とする請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段で、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイルの内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 請求項6記載の結合ファイル、明示結合ファイル、隠匿結合ファイル、暗号明示結合ファイルまたは暗号隠匿結合ファイルが閲覧するプログラム部分を有する閲覧プログラム付ファイルであることを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- 請求項1記載の撮影補助手段内に1または複数の撮影属性データを報知または出力し、術者による選択または確認の入力を受け付ける術者支援手段を有する歯科口腔測色写真システム。
- 請求項1〜8記載の撮影属性データが、歯科口腔写真撮影ステップの特定情報である歯科口腔写真撮影ステップ特定情報および/または歯科口腔写真撮影ステップの撮影手順である歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順および/または患者を特定する情報を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- 撮影属性データが、あらかじめ既定または設定または自動更新されて撮影時に変更されない既定撮影属性データと、術者より選択入力またはデータ入力される術者入力撮影属性データと、情報処理装置の外部から内部へ撮影時に導入されるか以前の撮影時から保持している既得撮影属性データの少なくとも1種類以上のデータより構成されている請求項1記載の歯科口腔測色写真システム。
- 歯科口腔写真撮影ステップが規格撮影または再現撮影であり、術者支援手段が1または複数の歯科口腔写真撮影ステップ特定情報および/または、1または複数の歯科口腔写真撮影ステップ撮影手順を報知または出力し、術者による選択または確認の入力を受け付ける請求項9記載の歯科口腔測色写真システム。
- 被写体表面までの距離に応じて照明の光量を調節する照明制御手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- 撮影のための照明から被写体表面までの距離を変えず、照明光の被写体への入射角度が可変である入射角度可変機構を有する歯科口腔測色写真システム。
- 撮影のための照明が光ファイバによりガイドされる歯科口腔測色写真システム。
- 情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段が出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- 歯の色の測色結果が、区分表現および値表現の双方で表現されていることを特徴とする歯科口腔測色システム。
- 被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を測色するかおよび/または再現する測色写真システム。
- 紫外領域または赤外領域をカットするフィルタを備えた歯科口腔測色写真システム。
- 撮影光と被写体の間および/またはレンズと被写体の間に偏光板を介することを特徴とする歯科口腔測色写真システム。
- 請求項1記載の歯科口腔測色写真システムの歯科口腔測色写真プログラムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影管理手段は撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段、または撮影画像データと撮影属性データを関連付けた形式で出力する撮影データ出力手段、を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラム。
- 請求項5記載の歯科口腔測色写真システムの歯科口腔測色写真プログラムであって、撮影属性データが被写体の分類情報であり、撮影管理手段が撮影画像データを撮影属性データにより階層的に分類および整理および管理し、表示または出力することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラム。
- 請求項6記載の歯科口腔測色写真システムの歯科口腔測色写真プログラムであって、撮影画像データと撮影属性データを関連付けて記憶させる撮影データ記憶管理手段で、撮影属性データと撮影画像データを同一のファイルとして記憶させた結合ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、どちらか1方のファイルにファイル関連付け情報と共に記憶させた関連付け情報付ファイル、撮影属性データと撮影画像データを別々のファイルとし、別のファイルにファイル関連付け情報を記憶させた関連付け情報ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた明示結合ファイル、撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた隠匿結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と明示して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号明示結合ファイル、暗号化した撮影属性データを撮影画像データの一部と隠匿して置換えて同一ファイルに記憶させた暗号隠匿結合ファイルの内の少なくとも一つとして、保存されることを特徴とする歯科口腔測色写真プログラム。
- 請求項6記載の歯科口腔測色写真システムの歯科口腔測色写真プログラムであって、撮影補助手段内に撮影属性データを表示、報知、出力、入力する術者支援手段を有する歯科口腔測色写真プログラム。
- 請求項15記載の歯科口腔測色写真システムの歯科口腔測色写真プログラムであって、情報処理装置に歯科口腔撮影用プログラム部分を有する歯科口腔測色写真システムであって、歯科口腔撮影用プログラム部分に撮影補助手段および/または撮影管理手段を有し、撮影補助手段は撮影属性データを設定および/または選択するための撮影属性データ設定選択手段を有し、撮影属性データが色補正情報を含み、撮影管理手段は出力する撮影画像の色を補正する色補正支援手段を含む撮影画像処理手段を有することを特徴とする歯科口腔測色写真プログラム。
- 請求項17記載の測色写真システムの測色写真プログラムであって、被写体、色標識または色票を撮影し、その撮影画像を再度撮影することにより、被写体の色を測色および/または再現する測色写真プログラム。
- 絞り値およびシャッタースピードをマニュアル設定可能なオートフォーカス機能を備えたカメラに装着される照明装置であって、照明部および測距部を有する照明装置において、測距部から得られた被写体との距離情報にて照射部の発光光量を算出し、算出した発光光量を照明部が撮影時に発光することを特徴とした照明装置。
- 撮影前に照明部が断続的に発光し、照明光の反射の影響を確認する反射影響確認手段を有することを特徴とする請求項26記載の照明装置。
- 照射された光の反射光の光量を検知する検知手段を有し、検知手段により初期の光量情報との差を演算し、照明手段の経時変化による発光量の増減を補正し常に最適な光量を発光することを特徴とした請求項26、27記載の照明装置。
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