JP2005000353A - 透視撮影用圧迫装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操作性を低下させることなく被検体の負荷が過大になるのを防止できる透視撮影用圧迫装置を提供する。
【解決手段】伝達機構12は、圧迫力に応じた出力を発生するモータ11の動きを、被検体Hを圧迫する圧迫部材10に伝達する。入力装置13はモータ11の出力の設定値を制御装置14に入力する。制御装置14はモータ11の制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有する。圧迫モードにおけるモータ11は圧迫部材10が圧迫方向に移動するように制御される。保持モードにおけるモータ11は検出出力が設定値の変化に応じて変化する保持値になるように制御される。圧迫モードにおいて検出出力が設定値に達した時に制御モードが保持モードに変更される。
【選択図】図1
【解決手段】伝達機構12は、圧迫力に応じた出力を発生するモータ11の動きを、被検体Hを圧迫する圧迫部材10に伝達する。入力装置13はモータ11の出力の設定値を制御装置14に入力する。制御装置14はモータ11の制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有する。圧迫モードにおけるモータ11は圧迫部材10が圧迫方向に移動するように制御される。保持モードにおけるモータ11は検出出力が設定値の変化に応じて変化する保持値になるように制御される。圧迫モードにおいて検出出力が設定値に達した時に制御モードが保持モードに変更される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線により被験体の透視撮影を行う際に撮影部位を圧迫筒のような圧迫部材により圧迫する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体を圧迫する圧迫部材と、操作レバーと、その圧迫部材を被検体に対する圧迫方向と退避方向とに移動させる駆動部と、その圧迫部材の位置を機械的摩擦力により保持するブレーキとを備える透視撮影用圧迫装置が従来から用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
従来の圧迫装置においては、操作レバーを「圧迫」位置に変位させることで圧迫部材は圧迫方向に移動し、「退避」位置に変位させることで圧迫部材は退避方向に移動する。これにより、その操作レバーの往復操作により圧迫力を調整できる。また、操作レバーを「中立」位置に変位させることで、ブレーキにより機械的摩擦力を作用させて圧迫部材の移動を阻止する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−308828号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧迫装置によれば、圧迫部材の移動がブレーキにより阻止された状態で被検体が圧迫方向と反対方向の押し返し力を作用させた場合、その押し返し力がブレーキによる機械的摩擦力を超えると圧迫部材は押し返される。そのため、その機械的摩擦力が大き過ぎると被検体の負荷が過大になり、小さ過ぎると僅かの押し返し力でも圧迫部材が移動するために操作性が低下する。しかし、機械的摩擦力を可変制御するのは困難であるため、圧迫部材の移動を適正な力により阻止して位置保持するのが困難であった。
【0006】
また、従来の圧迫装置において圧迫部材を圧迫方向に移動させる場合、被検体に過大な負荷が作用しないようにオペレータは圧迫状態を目視確認しながら操作レバーを操作する必要があり、操作性の悪いものであった。
本発明は上記問題を解決することのできる透視撮影用圧迫装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の透視撮影用圧迫装置は、被検体に圧迫力を作用させる圧迫部材と、その圧迫力に応じた出力を発生するモータと、前記モータの動きを前記圧迫部材に伝達する伝達機構と、前記モータの制御装置と、前記モータの出力の設定値を前記制御装置に入力する入力装置と、前記モータの出力を検出する出力検出装置とを備え、前記制御装置は、前記モータの制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有し、前記圧迫モードにおけるモータは、前記圧迫部材が圧迫方向に移動するように制御され、前記保持モードにおけるモータは、検出出力が前記設定値の変化に応じて変化する保持値になるように制御され、前記圧迫モードにおいて検出出力が前記設定値に達した時に、前記制御モードが前記保持モードに変更される。
これにより制御装置は、入力装置により入力されたモータ出力の設定値と、出力検出装置により検出されたモータ出力とを比較する。検出出力が設定値に達するまで制御モードは圧迫モードになり、圧迫部材が圧迫方向に移動するようにモータは制御される。検出出力が設定値に達すると制御モードは保持モードになり、モータ出力が保持値になるようにモータは制御される。その保持モードにおいて、被検体から圧迫部材に作用する押し返し力がモータ出力の保持値に対応する値を超えると、圧迫部材は圧迫方向と反対方向に押し返される。その保持モードにおける保持値は設定値の変化に応じて変化するので、圧迫力に応じた押し返し力が作用した時に圧迫部材を押し返すことができる。すなわち、圧迫部材を押し返すのに必要な押し返し力を入力装置により入力した設定値に応じて変更でき、被検体に過大な圧迫力が作用したり、僅かの押し返し力で圧迫部材が押し返されるのを防止できる。
【0008】
前記保持値は前記設定値未満に設定されるのが好ましい。
伝達機構は、例えば減速機や巻き掛け伝動機構によりモータから圧迫部材への動きの伝達を、圧迫部材からモータへの動きの伝達よりも効率良く行えるように構成される。そのため、モータ出力の圧迫部材への伝達ロスよりも、被検体が圧迫部材に作用させる押し返し力のモータへの伝達ロスの方が大きくなる。よって、保持モードにおける保持値が設定値未満に設定されることで、圧迫部材を押し返すために必要な押し返し力が過大になるのを防止できる。これにより被検体に過大な負荷が作用するのを防止できる。
【0009】
前記圧迫部材の移動検出装置を備え、前記保持モードにおいて前記圧迫部材が圧迫方向に移動したのが検出された時、前記制御モードは前記圧迫モードに変更されるのが好ましい。
これにより、保持モードにおいて被検体からの押し返し力がなくなり圧迫部材が圧迫方向に移動すると、制御モードは保持モードから圧迫モードに変更される。よって、圧迫部材の保持状態を適正なタイミングで自動的に解除して圧迫方向に移動させることができる。
【0010】
前記保持モードにおいて前記設定値が変更された時、前記制御モードは前記圧迫モードに変更されるのが好ましい。
これにより、保持モードにおいて入力操作によりモータ出力の設定値を変更するだけで制御モードは自動的に保持モードから圧迫モードに変更される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示す透視撮影用圧迫装置1は、X線装置2による透視撮影に際して被検体Hの撮影部位を圧迫するために用いられる。被検体Hは載置台3に載置され、X線装置2のX線照射装置4から照射されて被検体Hを透過したX線がイメージインテンシファイアやX線フィルム等の受像装置5に到ることでX線透視画像が形成される。
【0012】
圧迫装置1は、被検体Hに圧迫力を作用させる圧迫筒(圧迫部材)10に、その圧迫力に応じた出力を発生するDCモータ11の動きを伝達機構12を介して伝達する。伝達機構12は、減速機12aを介してモータ11の出力シャフトの回転を原動プーリ12bに伝達し、原動プーリ12bと従動プーリ12cに巻き掛けられたチェーン12dを駆動する。そのチェーン12dに圧迫筒10が連結されている。
【0013】
モータ11の出力の設定値が入力装置13によりモータ11の制御装置14に入力される。入力装置13は、本実施形態ではジョイステック型レバー13aを有し、レバー13aの操作量に応じて設定値を変更することが可能とされている。その設定値は制御装置14に接続される表示装置(図示省略)により確認可能とされている。
【0014】
モータ11の出力を検出する出力検出装置として、モータ11の出力に応じたモータ電流を検出する電流検出回路15が設けられ、その検出値は制御装置14に入力される。
【0015】
圧迫筒10の移動量と移動方向を検出する移動検出装置として、モータ11の出力シャフトの回転量と回転方向を検出する検出器16が設けられ、その検出値は制御装置14に入力される。検出器16としては例えばエンコーダやポテンショメータを用いることができる。
【0016】
制御装置14は、モータ11の制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有する。
【0017】
圧迫モードにおいては、圧迫筒10が圧迫方向に移動するように、制御装置14は駆動回路17を介してモータ11を制御する。これにより圧迫筒10は被検体Hに圧迫力を作用させる。
【0018】
その圧迫モードにおいて、電流検出回路15により検出されたモータ電流に応じたモータ出力が、入力装置13により入力された設定値に達した時、制御モードは保持モードに変更される。
【0019】
その保持モードにおけるモータ11は、電流検出回路15により検出されるモータ電流に応じた出力が保持値になるように制御される。その保持値は、入力装置13により入力された設定値未満であって、その設定値の変化に応じて変化するように定められる。本実施形態では、その保持値は設定値の1/2とされるが、これに限定されるものではない。
【0020】
保持モードにおいて、検出器16により圧迫筒10が圧迫方向に移動したのが検出された時、モータ11の制御モードは圧迫モードに変更される。また、保持モードにおいて入力装置13により設定値が変更された時も制御モードは圧迫モードに変更される。
【0021】
図2のフローチャートを参照して制御装置14によるモータ11の制御手順を説明する。
まず、入力装置13によるモータ11の出力の現在の設定値が零か否かを判断する(ステップ1)。現在の設定値が零であれば圧迫筒10を退避させ(ステップ2)、ステップ1に戻る。ステップ1において現在の設定値が零でなければ、現在の設定値が前回の設定値と等しいか否か、すなわち設定値が変更されたか否かを判断する(ステップ3)。現在の設定値が前回の設定値と等しくなければ、保持モードフラグをオフし(ステップ4)、電流検出回路15により検出されるモータ電流に応じた検出出力が現在の設定値未満か否かを判断する(ステップ5)。検出出力が現在の設定値未満であれば、制御装置14は制御モードが圧迫モードになり、モータ11の出力を増大する(ステップ6)。しかる後にステップ1に戻る。ステップ5において検出出力が現在の設定値未満でなければ、保持モードフラグをオンする(ステップ7)。これにより制御装置14は制御モードが保持モードになる。次に、検出出力が現在の設定値未満であって、その設定値の変化に応じて変化するように定められる保持値を超えるか否かを判断する(ステップ8)。ステップ8において検出出力が保持値を超えていればモータ11の出力を減少する(ステップ9)。ステップ8において検出出力が保持値を超えなければモータ11の出力を現在値に維持する(ステップ10)。しかる後に検出器16からの信号により圧迫筒10が圧迫方向に移動したか否かを判断する(ステップ11)。ステップ11において圧迫筒10が移動していれば保持モードフラグをオフし(ステップ12)、ステップ1に戻る。ステップ11において圧迫筒10が移動していなければ保持モードフラグをオフすることなくステップ1に戻る。ステップ3において現在の設定値が前回の設定値と等しければ、保持モードフラグがオンかオフかを判断し(ステップ13)、保持モードフラグがオフであればステップ5に進み、保持モードフラグがオンであればステップ8に進む。
【0022】
上記圧迫装置1において、入力装置13によりモータ11の出力の設定値を当初は例えば60Nの圧迫力が作用するように設定する。すると、制御装置14の制御モードはまず圧迫モードになり、圧迫筒10は圧迫方向に移動して圧迫力が次第に増加する。そして、モータ11の出力が60Nの圧迫力に対応する値になると、制御装置14の制御モードは保持モードになり、モータ11の出力は設定値の1/2の30Nの圧迫力に対応する保持値になるまで減少する。この保持モードにおいて被検体Hから押し返し力が作用し、その押し返し力が保持値に対応する値と釣り合うと圧迫筒10は停止する。その押し返し力が保持値に対応する値を超えると圧迫筒10は圧迫方向と反対方向に押し返される。保持モードにおいて被検体Hが押し返し力を作用させることがなく、圧迫筒10が圧迫方向に移動すると、制御装置14の制御モードは再び圧迫モードになり、モータ11の出力電流が60Nの圧迫力に対応する値になるまで圧迫筒10は圧迫方向に移動し、しかる後に再び保持モードになる。保持モードにおいて、入力装置13によりモータ11の出力の設定値を例えば80Nの圧迫力が作用するように変更すると、制御装置14の制御モードは圧迫モードになり、圧迫筒10は圧迫方向に移動する。そして、モータ11の出力電流が80Nの圧迫力に対応する値になると、制御装置14の制御モードは保持モードになり、モータ11の出力は40Nの圧迫力に対応する保持値になるように減少する。
【0023】
上記実施形態の圧迫装置1によれば、制御装置14の制御モードが保持モードである時、被検体Hから圧迫筒10に作用する押し返し力がモータ出力の保持値に対応する値を超えると、圧迫筒10は圧迫方向と反対方向に押し返される。その保持モードにおける保持値は設定値の変化に応じて変化するので、圧迫力に応じた押し返し力が作用した時に圧迫筒10を押し返すことができる。すなわち、圧迫筒10を押し返すのに必要な押し返し力を入力装置13により入力した設定値に応じて変更でき、被検体Hに過大な圧迫力が作用したり、僅かの押し返し力で圧迫筒10が押し返されるのを防止できる。
また、モータ出力の圧迫筒10への伝達ロスよりも、被検体Hが圧迫筒10に作用させる押し返し力のモータ11への伝達ロスの方が大きくても、保持モードにおける保持値が設定値未満に設定されることで、圧迫筒10を押し返すために必要な押し返し力が過大になるのを防止できる。これにより被検体Hに過大な負荷が作用するのを防止できる。
その保持モードにおいて被検体Hからの押し返し力がなくなり圧迫筒10が圧迫方向に移動すると、制御モードは保持モードから圧迫モードに変更される。よって、圧迫筒10の保持状態を適正なタイミングで自動的に解除して圧迫方向に移動させることができる。さらに、保持モードにおいて入力操作によりモータ出力の設定値を変更するだけで制御モードは自動的に保持モードから圧迫モードに変更される。
【0024】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば圧迫部材の形状は特に限定されない。モータもDCモータに限定されず圧迫力に応じた出力を発生できればよい。伝達機構も巻き掛け伝動機構を用いるものに限定されず、モータの動きを圧迫部材に伝達できれば機械的な構成は特に限定されない。入力装置もジョイステック型レバーを用いるものに限定されず、例えば回転型ボリュームスイッチで設定値を設定するようにしてもよい。出力検出装置はモータ電流を検出するものに限定されず、モータの出力を検出できればよい。移動検出装置もモータの動きを検出するものに限定されず、例えば圧迫部材の動きを直接に検出するものでもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明の透視撮影用圧迫装置によれば、入力操作により設定したモータ出力に応じた圧迫力を被検体に作用させると共に、被検体が圧迫力に応じた押し返し力を作用させることで圧迫部材を押し返することができ、操作性を低下させることなく被検体の負荷が過大になるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の透視撮影用圧迫装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の透視撮影用圧迫装置における制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
H 被検体
10 圧迫筒(圧迫部材)
11 モータ
12 伝達機構
13 入力装置
14 制御装置
15 電流検出回路(出力検出装置)
16 検出器(移動検出装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線により被験体の透視撮影を行う際に撮影部位を圧迫筒のような圧迫部材により圧迫する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体を圧迫する圧迫部材と、操作レバーと、その圧迫部材を被検体に対する圧迫方向と退避方向とに移動させる駆動部と、その圧迫部材の位置を機械的摩擦力により保持するブレーキとを備える透視撮影用圧迫装置が従来から用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
従来の圧迫装置においては、操作レバーを「圧迫」位置に変位させることで圧迫部材は圧迫方向に移動し、「退避」位置に変位させることで圧迫部材は退避方向に移動する。これにより、その操作レバーの往復操作により圧迫力を調整できる。また、操作レバーを「中立」位置に変位させることで、ブレーキにより機械的摩擦力を作用させて圧迫部材の移動を阻止する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−308828号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧迫装置によれば、圧迫部材の移動がブレーキにより阻止された状態で被検体が圧迫方向と反対方向の押し返し力を作用させた場合、その押し返し力がブレーキによる機械的摩擦力を超えると圧迫部材は押し返される。そのため、その機械的摩擦力が大き過ぎると被検体の負荷が過大になり、小さ過ぎると僅かの押し返し力でも圧迫部材が移動するために操作性が低下する。しかし、機械的摩擦力を可変制御するのは困難であるため、圧迫部材の移動を適正な力により阻止して位置保持するのが困難であった。
【0006】
また、従来の圧迫装置において圧迫部材を圧迫方向に移動させる場合、被検体に過大な負荷が作用しないようにオペレータは圧迫状態を目視確認しながら操作レバーを操作する必要があり、操作性の悪いものであった。
本発明は上記問題を解決することのできる透視撮影用圧迫装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の透視撮影用圧迫装置は、被検体に圧迫力を作用させる圧迫部材と、その圧迫力に応じた出力を発生するモータと、前記モータの動きを前記圧迫部材に伝達する伝達機構と、前記モータの制御装置と、前記モータの出力の設定値を前記制御装置に入力する入力装置と、前記モータの出力を検出する出力検出装置とを備え、前記制御装置は、前記モータの制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有し、前記圧迫モードにおけるモータは、前記圧迫部材が圧迫方向に移動するように制御され、前記保持モードにおけるモータは、検出出力が前記設定値の変化に応じて変化する保持値になるように制御され、前記圧迫モードにおいて検出出力が前記設定値に達した時に、前記制御モードが前記保持モードに変更される。
これにより制御装置は、入力装置により入力されたモータ出力の設定値と、出力検出装置により検出されたモータ出力とを比較する。検出出力が設定値に達するまで制御モードは圧迫モードになり、圧迫部材が圧迫方向に移動するようにモータは制御される。検出出力が設定値に達すると制御モードは保持モードになり、モータ出力が保持値になるようにモータは制御される。その保持モードにおいて、被検体から圧迫部材に作用する押し返し力がモータ出力の保持値に対応する値を超えると、圧迫部材は圧迫方向と反対方向に押し返される。その保持モードにおける保持値は設定値の変化に応じて変化するので、圧迫力に応じた押し返し力が作用した時に圧迫部材を押し返すことができる。すなわち、圧迫部材を押し返すのに必要な押し返し力を入力装置により入力した設定値に応じて変更でき、被検体に過大な圧迫力が作用したり、僅かの押し返し力で圧迫部材が押し返されるのを防止できる。
【0008】
前記保持値は前記設定値未満に設定されるのが好ましい。
伝達機構は、例えば減速機や巻き掛け伝動機構によりモータから圧迫部材への動きの伝達を、圧迫部材からモータへの動きの伝達よりも効率良く行えるように構成される。そのため、モータ出力の圧迫部材への伝達ロスよりも、被検体が圧迫部材に作用させる押し返し力のモータへの伝達ロスの方が大きくなる。よって、保持モードにおける保持値が設定値未満に設定されることで、圧迫部材を押し返すために必要な押し返し力が過大になるのを防止できる。これにより被検体に過大な負荷が作用するのを防止できる。
【0009】
前記圧迫部材の移動検出装置を備え、前記保持モードにおいて前記圧迫部材が圧迫方向に移動したのが検出された時、前記制御モードは前記圧迫モードに変更されるのが好ましい。
これにより、保持モードにおいて被検体からの押し返し力がなくなり圧迫部材が圧迫方向に移動すると、制御モードは保持モードから圧迫モードに変更される。よって、圧迫部材の保持状態を適正なタイミングで自動的に解除して圧迫方向に移動させることができる。
【0010】
前記保持モードにおいて前記設定値が変更された時、前記制御モードは前記圧迫モードに変更されるのが好ましい。
これにより、保持モードにおいて入力操作によりモータ出力の設定値を変更するだけで制御モードは自動的に保持モードから圧迫モードに変更される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示す透視撮影用圧迫装置1は、X線装置2による透視撮影に際して被検体Hの撮影部位を圧迫するために用いられる。被検体Hは載置台3に載置され、X線装置2のX線照射装置4から照射されて被検体Hを透過したX線がイメージインテンシファイアやX線フィルム等の受像装置5に到ることでX線透視画像が形成される。
【0012】
圧迫装置1は、被検体Hに圧迫力を作用させる圧迫筒(圧迫部材)10に、その圧迫力に応じた出力を発生するDCモータ11の動きを伝達機構12を介して伝達する。伝達機構12は、減速機12aを介してモータ11の出力シャフトの回転を原動プーリ12bに伝達し、原動プーリ12bと従動プーリ12cに巻き掛けられたチェーン12dを駆動する。そのチェーン12dに圧迫筒10が連結されている。
【0013】
モータ11の出力の設定値が入力装置13によりモータ11の制御装置14に入力される。入力装置13は、本実施形態ではジョイステック型レバー13aを有し、レバー13aの操作量に応じて設定値を変更することが可能とされている。その設定値は制御装置14に接続される表示装置(図示省略)により確認可能とされている。
【0014】
モータ11の出力を検出する出力検出装置として、モータ11の出力に応じたモータ電流を検出する電流検出回路15が設けられ、その検出値は制御装置14に入力される。
【0015】
圧迫筒10の移動量と移動方向を検出する移動検出装置として、モータ11の出力シャフトの回転量と回転方向を検出する検出器16が設けられ、その検出値は制御装置14に入力される。検出器16としては例えばエンコーダやポテンショメータを用いることができる。
【0016】
制御装置14は、モータ11の制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有する。
【0017】
圧迫モードにおいては、圧迫筒10が圧迫方向に移動するように、制御装置14は駆動回路17を介してモータ11を制御する。これにより圧迫筒10は被検体Hに圧迫力を作用させる。
【0018】
その圧迫モードにおいて、電流検出回路15により検出されたモータ電流に応じたモータ出力が、入力装置13により入力された設定値に達した時、制御モードは保持モードに変更される。
【0019】
その保持モードにおけるモータ11は、電流検出回路15により検出されるモータ電流に応じた出力が保持値になるように制御される。その保持値は、入力装置13により入力された設定値未満であって、その設定値の変化に応じて変化するように定められる。本実施形態では、その保持値は設定値の1/2とされるが、これに限定されるものではない。
【0020】
保持モードにおいて、検出器16により圧迫筒10が圧迫方向に移動したのが検出された時、モータ11の制御モードは圧迫モードに変更される。また、保持モードにおいて入力装置13により設定値が変更された時も制御モードは圧迫モードに変更される。
【0021】
図2のフローチャートを参照して制御装置14によるモータ11の制御手順を説明する。
まず、入力装置13によるモータ11の出力の現在の設定値が零か否かを判断する(ステップ1)。現在の設定値が零であれば圧迫筒10を退避させ(ステップ2)、ステップ1に戻る。ステップ1において現在の設定値が零でなければ、現在の設定値が前回の設定値と等しいか否か、すなわち設定値が変更されたか否かを判断する(ステップ3)。現在の設定値が前回の設定値と等しくなければ、保持モードフラグをオフし(ステップ4)、電流検出回路15により検出されるモータ電流に応じた検出出力が現在の設定値未満か否かを判断する(ステップ5)。検出出力が現在の設定値未満であれば、制御装置14は制御モードが圧迫モードになり、モータ11の出力を増大する(ステップ6)。しかる後にステップ1に戻る。ステップ5において検出出力が現在の設定値未満でなければ、保持モードフラグをオンする(ステップ7)。これにより制御装置14は制御モードが保持モードになる。次に、検出出力が現在の設定値未満であって、その設定値の変化に応じて変化するように定められる保持値を超えるか否かを判断する(ステップ8)。ステップ8において検出出力が保持値を超えていればモータ11の出力を減少する(ステップ9)。ステップ8において検出出力が保持値を超えなければモータ11の出力を現在値に維持する(ステップ10)。しかる後に検出器16からの信号により圧迫筒10が圧迫方向に移動したか否かを判断する(ステップ11)。ステップ11において圧迫筒10が移動していれば保持モードフラグをオフし(ステップ12)、ステップ1に戻る。ステップ11において圧迫筒10が移動していなければ保持モードフラグをオフすることなくステップ1に戻る。ステップ3において現在の設定値が前回の設定値と等しければ、保持モードフラグがオンかオフかを判断し(ステップ13)、保持モードフラグがオフであればステップ5に進み、保持モードフラグがオンであればステップ8に進む。
【0022】
上記圧迫装置1において、入力装置13によりモータ11の出力の設定値を当初は例えば60Nの圧迫力が作用するように設定する。すると、制御装置14の制御モードはまず圧迫モードになり、圧迫筒10は圧迫方向に移動して圧迫力が次第に増加する。そして、モータ11の出力が60Nの圧迫力に対応する値になると、制御装置14の制御モードは保持モードになり、モータ11の出力は設定値の1/2の30Nの圧迫力に対応する保持値になるまで減少する。この保持モードにおいて被検体Hから押し返し力が作用し、その押し返し力が保持値に対応する値と釣り合うと圧迫筒10は停止する。その押し返し力が保持値に対応する値を超えると圧迫筒10は圧迫方向と反対方向に押し返される。保持モードにおいて被検体Hが押し返し力を作用させることがなく、圧迫筒10が圧迫方向に移動すると、制御装置14の制御モードは再び圧迫モードになり、モータ11の出力電流が60Nの圧迫力に対応する値になるまで圧迫筒10は圧迫方向に移動し、しかる後に再び保持モードになる。保持モードにおいて、入力装置13によりモータ11の出力の設定値を例えば80Nの圧迫力が作用するように変更すると、制御装置14の制御モードは圧迫モードになり、圧迫筒10は圧迫方向に移動する。そして、モータ11の出力電流が80Nの圧迫力に対応する値になると、制御装置14の制御モードは保持モードになり、モータ11の出力は40Nの圧迫力に対応する保持値になるように減少する。
【0023】
上記実施形態の圧迫装置1によれば、制御装置14の制御モードが保持モードである時、被検体Hから圧迫筒10に作用する押し返し力がモータ出力の保持値に対応する値を超えると、圧迫筒10は圧迫方向と反対方向に押し返される。その保持モードにおける保持値は設定値の変化に応じて変化するので、圧迫力に応じた押し返し力が作用した時に圧迫筒10を押し返すことができる。すなわち、圧迫筒10を押し返すのに必要な押し返し力を入力装置13により入力した設定値に応じて変更でき、被検体Hに過大な圧迫力が作用したり、僅かの押し返し力で圧迫筒10が押し返されるのを防止できる。
また、モータ出力の圧迫筒10への伝達ロスよりも、被検体Hが圧迫筒10に作用させる押し返し力のモータ11への伝達ロスの方が大きくても、保持モードにおける保持値が設定値未満に設定されることで、圧迫筒10を押し返すために必要な押し返し力が過大になるのを防止できる。これにより被検体Hに過大な負荷が作用するのを防止できる。
その保持モードにおいて被検体Hからの押し返し力がなくなり圧迫筒10が圧迫方向に移動すると、制御モードは保持モードから圧迫モードに変更される。よって、圧迫筒10の保持状態を適正なタイミングで自動的に解除して圧迫方向に移動させることができる。さらに、保持モードにおいて入力操作によりモータ出力の設定値を変更するだけで制御モードは自動的に保持モードから圧迫モードに変更される。
【0024】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば圧迫部材の形状は特に限定されない。モータもDCモータに限定されず圧迫力に応じた出力を発生できればよい。伝達機構も巻き掛け伝動機構を用いるものに限定されず、モータの動きを圧迫部材に伝達できれば機械的な構成は特に限定されない。入力装置もジョイステック型レバーを用いるものに限定されず、例えば回転型ボリュームスイッチで設定値を設定するようにしてもよい。出力検出装置はモータ電流を検出するものに限定されず、モータの出力を検出できればよい。移動検出装置もモータの動きを検出するものに限定されず、例えば圧迫部材の動きを直接に検出するものでもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明の透視撮影用圧迫装置によれば、入力操作により設定したモータ出力に応じた圧迫力を被検体に作用させると共に、被検体が圧迫力に応じた押し返し力を作用させることで圧迫部材を押し返することができ、操作性を低下させることなく被検体の負荷が過大になるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の透視撮影用圧迫装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の透視撮影用圧迫装置における制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
H 被検体
10 圧迫筒(圧迫部材)
11 モータ
12 伝達機構
13 入力装置
14 制御装置
15 電流検出回路(出力検出装置)
16 検出器(移動検出装置)
Claims (4)
- 被検体に圧迫力を作用させる圧迫部材と、
その圧迫力に応じた出力を発生するモータと、
前記モータの動きを前記圧迫部材に伝達する伝達機構と、
前記モータの制御装置と、
前記モータの出力の設定値を前記制御装置に入力する入力装置と、
前記モータの出力を検出する出力検出装置とを備え、
前記制御装置は、前記モータの制御モードとして圧迫モードと保持モードとを有し、
前記圧迫モードにおけるモータは、前記圧迫部材が圧迫方向に移動するように制御され、
前記保持モードにおけるモータは、検出出力が前記設定値の変化に応じて変化する保持値になるように制御され、
前記圧迫モードにおいて検出出力が前記設定値に達した時に、前記制御モードが前記保持モードに変更される透視撮影用圧迫装置。 - 前記保持値は前記設定値未満に設定される請求項1に記載の透視撮影用圧迫装置。
- 前記圧迫部材の移動検出装置を備え、
前記保持モードにおいて前記圧迫部材が圧迫方向に移動したのが検出された時、
前記制御モードは前記圧迫モードに変更される請求項1または2に記載の透視撮影用圧迫装置。 - 前記保持モードにおいて前記設定値が変更された時、前記制御モードは前記圧迫モードに変更される請求項1〜3の中の何れかに記載の透視撮影用圧迫装置。
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JP2003166190A JP2005000353A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 透視撮影用圧迫装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166190A patent/JP2005000353A/ja active Pending
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