JP2005000174A - オリゴヌクレオチドおよびdna分子のヌクレオチド配列の決定方法 - Google Patents

オリゴヌクレオチドおよびdna分子のヌクレオチド配列の決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 核酸配列の新規な解析方法の提供。
【解決手段】 次のステップ:
(a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
(b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への、蛍光成分を有する少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
(c) 蛍光成分から発生した蛍光シグナルを検出することにより該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、およびさらに該蛍光成分を除去することなく蛍光シグナルを破壊すること、
(d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
(e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
(f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
を含んでなるDNA配列決定法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、核酸配列の新規な解析方法に関する。この方法は、未知配列のDNA断片とオリゴヌクレオチドプライマーを含むテンプレート系への4種のそれぞれのデオキシヌクレオシド一リン酸(微量流動システムでデオキシヌクレオシド三リン酸として別個にかつ連続的に供給される)の、DNAポリメラーゼにより触媒される取込みのリアルタイム検出に基づくものである。プライマーへのデオキシヌクレオシド一リン酸(dNMP)の取込みはいろいろな方法で検出することができ、そうした方法として、限定するものではないが、蛍光および化学発光による検出がある。あるいはまた、伸長しつつあるプライマーへのdNMPの取込みにより発生した熱を、サーモパイル、サーミスターおよび屈折率測定を用いて微量熱量測定法により検出して、伸長反応を検出することができる。
本発明は、DNA断片の電気泳動分離を回避し、それゆえに、一本鎖DNAをヘアピンループへと自己ハイブリダイズさせる反復塩基配列または他の自己相補性配列によるDNAの変則的泳動に伴う諸問題を排除し、また、解読し得る断片の大きさに関する既存の制限を回避するDNA配列決定法を提供する。本発明の方法はゲノムもしくはcDNA断片のヌクレオチド配列を決定するために、または患者由来のDNAサンプルのヌクレオチド配列を決定するための診断用ツールとしても使用することができる。
現在、DNAの塩基配列決定には2つの方法が利用されている。すなわち、サンガー(Sanger)のジデオキシ・チェーン・ターミネーション法(1977, Proc. Natl. Acad. Sci. 74:5463-5674)およびマクサム(Maxam)の化学分解法(1977, Proc. Natl. Acad. Sci. 74:560-564)である。サンガーのジデオキシ・チェーン・ターミネーション法は最も広く使用されている方法で、自動DNAシークエンシング装置を使って読み取る方法である。このチェーン・ターミネーション法では、4つの別個の反応系にDNAポリメラーゼ酵素を添加し、各反応系に、鎖伸長が起こるデオキシリボース上に3'-OHをもたない1種類のヌクレオチドを加えておくことによって、あるセットの反応ではAの存在で、他のセットの反応ではそれぞれG、CまたはTの存在で伸長プロセスが停止された、多コピー数の鋳型DNA鎖を作製する。この方法は鎖長の異なる一連のDNA断片をもたらし、その伸長DNA断片の長さが4種の塩基のそれぞれが存在する位置を鋳型鎖に沿って知らせるのである。ヌクレオチド配列を決定するには、DNA断片を高分解能のゲル電気泳動で分離し、4種の塩基の順序をゲルから読み取る。
主な研究目標はヒトの全ゲノムのDNA配列を解読することである。この目標を達成するために、ゲル電気泳動の困難性を省き、塩基配列決定反応に要するコスト(試薬類のコストを含む)を低減させ、塩基配列決定の速度と精度を高め、しかもワンステップで読み取れる配列の長さを増大させる新しいゲノムシークエンシング技術の必要性が生じている。塩基配列決定速度は、MarshallおよびPennisis (1998, Science 280:994-995)に記載されるような市販の毛細管ゲル電気泳動技法によって迅速化される可能性がある。しかし、あらゆるゲル電気泳動法に共通する主要な問題点は、通常DNA断片の二次構造に起因するDNA配列圧縮体(compression)の存在であり、これはある種のDNA断片の変則的なゲル電気泳動をもたらす。
ゲノム情報が蓄積し、遺伝子の突然変異と特定疾患との関係が確立されるにつれて、突然変異を同定するための診断法の必要性が次第に高まるであろう。ヒトゲノムの大きなセグメントを配列決定するのに必要とされる大規模法とは対照的に、診断法において必要とされるものは、分離された小さな特定のゲノム領域の再シークエンシングを行なうための、反復的で、低コストで、高精度の技法である。そのような場合に、ゲル電気泳動解読に基づいた塩基配列決定法はあまりにも時間と費用がかかりすぎる。
新規なDNA塩基配列決定法を考慮する場合、サンガーのジデオキシヌクレオチド法のような間接的手法ではなく、セルが多くなるほど、塩基配列の直接解読を可能にすることが優先目標となる。これは個々のヌクレオチド塩基の形状を走査型プローブ顕微鏡により決定しようとする初期のころの目標であったが、成功しなかった。
さらに、ヌクレオチド配列を直接読み取るための別の手法は、Goodwinら(1995, Experimental Techniques of Physics 41:279-294)に記載されるような、DNAをエキソヌクレアーゼで処理し、連続的に放出された各ヌクレオチドを同定するための検出スキームと連結させた方法である。しかし、この手法を用いた研究者らは、1本のDNA鎖から消化された1個のヌクレオチド分子を検出して同定することに伴う大きな問題に直面してしまう。より大きなシグナルを得るための多数のDNA鎖の同時エキソヌクレアーゼ消化を実施することは不可能である。なんとなれば、この酵素は急速に同調的でなくなり、そのため異なるDNA鎖の異なる位置からのヌクレオチドが一緒に放出されてしまい、配列が解読不能となるからである。もしもエキソヌクレアーゼのなんらかの外的調節手段が発見されて、多数の酵素分子を同調的に働かせることができるのであれば、この方法は非常に有利であろう。しかし、ポリマー基質につながれたままで存在する酵素の外的調節は、不可能ではないにしても、きわめて困難である。その理由は、それぞれの消化後すぐに、次の基質セグメントが活性部位に存在するからである。かくして、どのような制御用シグナルも各反応の開始時に活性部位に存在する必要がある。
種々の方法を用いて、各テンプレート部位でのプライマーへのデオキシヌクレオシド一リン酸(dNMP)のポリメラーゼ触媒取込みを検出することができる。例えば、DNAポリメラーゼがプライマーの3'末端に4種のdNTPのうち1種を付加するたびに放出されるピロリン酸は、Hyman E.D. (1988, Analytical Biochemistry 174:423-436)および米国特許第4,971,903号に記載されるような、ピロリン酸の化学発光に基づく検出法で検出することができる。この手法は、Ronaghi (1996, Analytical Biochem. 242:84)およびRonaghi (1998, Science 281:363-365)に記載される「取込みによるシークエンシング(sequencing by incorporation)」と呼ばれる塩基配列決定法においてごく最近利用された。しかしながら、この手法に伴う重大な問題点が2つある。すなわち、取り込まれなかったヌクレオチドの破壊とピロリン酸の検出である。第1の問題点の解決策は、添加されたが取り込まれなかったヌクレオチドをアピラーゼのようなdNTP消化酵素を使って破壊することである。第2の問題点の解決策は、米国特許第4,971,903号およびRonaghi (1998, Science 281:363-365)に記載されるような、ピロリン酸をATP(ルシフェラーゼ化学発光反応により検出可能)に再変換するATPスルフリラーゼを用いてピロリン酸を検出することである。注入されたdATPとルシフェラーゼとの直接的相互作用を最小限にするために、dATPの代わりにデオキシアデノシンα-チオ三リン酸が使用される。
残念ながら、各サイクルで多数の酵素反応を完結させることの必要性は、この手法の速度に制限を課する一方で、取り込まれなかった非相補的ヌクレオチドを完全には破壊できないため、読み取れる配列の長さが制限される。あるヌクレオチドの新しいアリコートが次の伸長反応のために添加される時点で反応系中に別のヌクレオチドの若干量が残存するならば、プライマー鎖のある画分が2種類以上のヌクレオチド(ただし、添加したヌクレオチド種および残留する不純物種)によって伸長される可能性が存在し(これらがテンプレート配列と一致する場合)、こうしてプライマー鎖のこの画分は残りの画分とその後同調的でなくなるだろう。この非同調成分は各サイクルごとにより大きく伸長する誤った取込みシグナルをもたらし、最終的には配列を解読不能とする。
別の直接塩基配列決定法は、4種の異なる着色蛍光標識(4種のヌクレオチドのそれぞれにつき1つ)を3'OH位置に付加したdNTPを使用するもので、Metzger, M.L.ら(1994, Nucleic Acids Research 22:4259-4267)に記載されている。この手法では、プライマー/テンプレート二本鎖に4種すべてのdNTPを同時に接触させる。3'標識付きNMPの取込みにより、更なる鎖伸長がブロックされる。過剰の未反応dNTPを洗い流し、取り込まれたヌクレオチドを取り込まれた蛍光標識の色により同定する。蛍光標識は、後続の取込み反応が起こるようにするため、その後除去しなければならない。ピロリン酸検出法と同様に、ブロッキング蛍光標識の不完全な除去は次の反応サイクルで伸長が起こらないプライマー鎖を残すことになり、これらが後続のサイクルでアンブロックされるならば、この場合も、各サイクルごとにより大きく伸長する非同調シグナルをもたらし、読み取れる配列の長さが最終的に制限される。これまでのところ、この方法は単一塩基伸長の場合にしか働かないことが実証されている。こうして、この方法は速度が遅く、50塩基対を越えて読み取るためには標識の除去率99%を達成する必要があるという事実ゆえに、読み取れる配列の長さは非常に短く制限されると思われる。標識の不完全な除去は結果的に非同調的に伸長したDNA鎖をもたらす。
したがって、本発明の目的は、DNA断片の電気泳動による分離の必要性を省いたDNA断片の新規なヌクレオチド配列決定法を提供することである。本明細書中で「反応的シークエンシング(reactive sequencing)」と呼ばれる本発明方法は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)がDNAプライマー/テンプレート系に別個にかつ連続的に供給されるときの、4種のヌクレオチドのそれぞれのDNAポリメラーゼにより触媒される取込みを検出することに基づいている。DNAプライマー/テンプレート系は、未知の配列の一本鎖DNA断片、該一本鎖DNA断片の短い領域とマッチした二本鎖を形成するオリゴヌクレオチドプライマー、およびDNAポリメラーゼ酵素を含む。酵素はテンプレート系中にすでに存在していても、dNTP溶液と共に供給されてもよい。
典型的には、単一のデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)をDNAプライマー/テンプレート系に添加して、反応させる。本明細書中で用いるデオキシリボヌクレオチドとは、dGTP、dCTP、dATP、dTTPに加えて、これらのデオキシリボヌクレオチドまたはその類似体の化学修飾型を含むものである。そのような化学修飾型デオキシリボヌクレオチドとしては、蛍光または化学発光成分で標識したデオキシリボヌクレオチドが含まれるが、これらに限らない。使用できるデオキシリボヌクレオチドの類似体には7-デアザプリンが含まれるが、これらに限らない。伸長反応は、導入されるdNTP塩基がプライマーの3'末端を越えたDNAテンプレートの次の不対合塩基に相補的である場合にのみ起こるだろう。反応が起こっているうちに、または反応を起こさせるのに十分な時間の後に、添加したdNTPに由来する追加ヌクレオチドがDNAプライマー/テンプレート系に取り込まれたか否かを調べるために該系を試験する。プライマー/テンプレートに取り込まれたヌクレオチドは、反応セルに添加されたdNTPと取込みシグナルの検出との相関関係により同定される。取込みシグナルの大きさから取り込まれたヌクレオチドの数を同定し、それにより単一塩基反復の長さを、それらが存在する場合には、定量化する。4種のヌクレオチドのそれぞれを用いてこの方法を個々に繰り返すことにより、テンプレートの配列を1度に1ヌクレオチドずつ5'から3'方向に直接読み取ることができる。
ポリメラーゼ媒介伸長反応の検出および反応の程度の定量化は様々な方法を用いて行なうことができ、例えば、伸長しつつある二本鎖へのヌクレオチドの取込みにより発生した熱の微量熱量測定検出があるが、これに限らない。蛍光または化学発光による伸長反応の光学的検出を用いて、伸長しつつある二本鎖への蛍光または化学発光成分で標識したヌクレオチドの取込みを検出することもできる。取り込まれたヌクレオチドが蛍光団で標識されている場合は、取り込まれなかった過剰のヌクレオチドを除去し、テンプレート系を照明して、取り込まれたヌクレオチドからの蛍光を刺激する。その後蛍光標識は、後続の取込みサイクルを開始する前に開裂させて、DNAテンプレート系から除去する必要がある。化学発光標識の場合も同様の方法に従うが、化学発光反応を刺激するには、この場合も過剰の未反応標識dNTPを除去した後で、該系に適切な試薬を導入する。しかし、化学発光標識は典型的には読取りの過程で破壊され、こうして検出後の別個の開裂および除去ステップを行なう必要はない。蛍光または化学発光のいずれのタイプの標識についても、取込み後に標識を開裂し、蛍光または化学発光検出用の別の検出チャンバーに移すことができる。この方法では、単一塩基反復配列中に取り込まれた隣接蛍光団標識による蛍光消光を回避しうる。さらに、これは、蛍光検出の場合に起こりうる放射線損傷から、また、化学発光検出の場合に起こりうる化学的損傷からDNAテンプレート系を保護することができる。
本発明はさらに、2サイクル系を用いる反応的シークエンシング法を提供する。第1サイクルではエキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼを使用し、第2サイクルではエキソヌクレアーゼ活性を欠く酵素とエキソヌクレアーゼ活性のある酵素との混合物を用いる。第1サイクルにおいて、エキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼと一緒にテンプレート/プライマー系が4種のヌクレオチドのそれぞれと共に順次提供されるだろう。第2サイクルにおいては、正しいヌクレオチドの同定後、エキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼとエキソヌクレアーゼ活性のあるポリメラーゼの混合物、または両タイプの活性をもつポリメラーゼが第1サイクルで同定された正しいdNTPと一緒に添加され、プライマー伸長の完結とプルーフリーディング(校正)が行なわれるだろう。この方法では、正しいdNTPが存在する場合にのみ、反応セル中にエキソヌクレアーゼ活性のあるポリメラーゼが存在することとなり、正しい伸長鎖のエキソヌクレアーゼ分解は起こらないが、正しくない伸長鎖の分解および正しい再伸長が起こり、かくして非常に精度の高い鎖伸長が達成される。
本発明はさらに、DNA配列決定用の装置を提供し、該装置は、(a) DNAポリメラーゼ酵素がプライマー鎖の3'末端にデオキシリボヌクレオチド一リン酸を取り込むとき検出可能なシグナルをもたらすDNAテンプレート/プライマー系を収容する少なくとも1つのチャンバー、(b) バッファー、電解質、DNAテンプレート、DNAプライマー、デオキシリボヌクレオチド、およびポリメラーゼ酵素からなる群より選択される少なくとも1種を該反応チャンバーに導入し、かつ該反応チャンバーから排出するための手段、(c) 該シグナルの増幅手段、および(d) 該シグナルを電気的シグナルに変換する手段、を含んでなる。
本発明の目的および利点は、以下の図と関連させた説明を読むことによって明らかとなるであろう。
発明の実施するための最良の形態
本発明は、連続した単一のヌクレオチドDNAポリメラーゼが媒介する伸長反応の検出に基づいて、DNA分子の核酸配列を決定する方法を提供する。以下に詳細に記載するように、一実施形態においては、配列決定しようとするDNAのある領域に相補的でかつ該領域に結合するポリヌクレオチドプライマーを含んでなるDNAプライマー/テンプレート系を反応セルに封入し、そこにDNAポリメラーゼ反応が生じるのに必要な種々の試薬を含有するバッファー溶液を添加する。該反応セル中に、一種類のデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を添加する。DNAプライマー/テンプレート系内の次の相補的部位の一致性に依存して、該反応セル中に適切なヌクレオチドが存在する場合にのみ、伸長反応が生じることになる。反応セル中に存在するヌクレオチドと取込みシグナル検出との間の相関関係から、該テンプレートにおける次のヌクレオチドが同定される。各伸長反応に続いて、反応セルをdNTPを含有しないバッファーで洗浄してDNA プライマー/テンプレート系を維持し、全ヌクレオチド配列が同定されるまで該サイクルを繰り返す。
本発明は、添加したデオキシヌクレオチド三リン酸とテンプレート鎖におけるプライマー伸長部位上の塩基との相補的なフィットおよび非相補的なフィットを、かなり厳密に識別する(すなわち、配列を読み、そしてその部位に相補的なデオキシヌクレオチド一種類のみを取込む)DNAポリメラーゼの活性部位内にある制御シグナルの存在に基づく。これは、存在するヌクレオチド種が次のテンプレート部位に相補的でないならば、ポリメラーゼは不活性であり、しかるにテンプレート配列がDNAポリメラーゼ制御シグナルであるということである。従って、DNAポリメラーゼ系を4種すべてではなく単一のヌクレオチド種と接触させて反応が生じたか否かを検出することにより、該配列中の次の塩基を同定することができる。さらにまた、単一塩基の反復長は、反応の程度を定量することによって定量できる。
本発明の方法の実施における第1ステップとして、配列決定しようとする一本鎖テンプレートDNAを、当技術分野で公知の多様な方法のいずれかを用いて調製する。配列決定反応においては、2種のDNAをテンプレートとして使用することができる。組換えバクテリオファージから得られたものなど、純粋な一本鎖DNAを使用することができる。バクテリオファージの使用により、純粋な一本鎖テンプレートを大量に産生するための方法が提供される。あるいは、Chen および Subrung(1985, DNA 4: 165); Huttoi および Skaki (1986, Anal. Biochem.152: 232);ならびに Mierendorf および Pfeffer(1987, Methods Enzymol. 152: 556)に記載のように、一本鎖DNAは、熱またはアルカリ条件によって変性させた二本鎖DNAに由来するものでもよい。このような二本鎖DNAには、例えば、診断用の配列決定反応において使用するための、患者に由来するDNAサンプルが含まれる。
テンプレートDNAは、当業者に公知の種々の技術によって調製することができる。例えば、配列決定においてよく使用されるものを含めた通常のクローニング法のいずれかを用いて、テンプレートDNAをベクターインサートとして調製することができる。このような方法は、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Laboratories, New York, 1989)に見ることができる。本発明の好ましい実施形態においては、Innisら編、PCR Protocols (Academic Press, New York, 1990)に記載されるように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、テンプレートDNAとして使用するDNA断片を増幅しうる。
ポリメラーゼ反応の正確な検出のために必要なDNAテンプレートの量は、使用する検出法に依存することになる。例えば、光検出(例えば、蛍光検出または化学発光検出)においては、必要なDNAの量はフェムトモルレンジの比較的少量である。熱検出においては、DNAポリメラーゼ媒介伸長反応により生じる温度変化を検出するためには、1ピコモルに達する量が必要とされるであろう。
酵素的配列決定反応においては、テンプレートDNA配列上の特定の領域に相補的であり、それゆえ該領域に結合しうる塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを使用することによって、DNA合成の開始がなされる。テンプレートDNAをバクテリオファージから一本鎖DNAとして得た場合、またはプラスミドに由来する二本鎖DNAとして得た場合には、ベクター(すなわち、バクテリオファージ、コスミドおよびプラスミドベクター)内の配列に相補的でかつテンプレートDNAに隣接する「万能」プライマーを使用することができる。
テンプレートDNA配列に結合し、伸長サイクル中のどんな洗浄ステップにおいても無傷のままであるような、安定性の高い二重らせんが形成するように、プライマーオリゴヌクレオチドを選択する。好ましくは、プライマーオリゴヌクレオチドの長さは、18〜30ヌクレオチドであり、均衡のとれた塩基組成を有する。また、フォールディングおよびセルフアニーリングして2次構造を形成し、プライマーを無能化しうる2回転対称領域を含有しないことを確認するために、プライマーの構造も分析すべきである。テンプレート系におけるオリゴヌクレオチドプライマーの結合に適切なハイブリダイゼーション条件を選択するための条件は、プライマー配列に依存し、該条件は当業者に公知であろう。
本発明の反応的配列決定法の利用においては、テンプレートDNA分子にハイブリダイズするプライマーの3'末端にdNTPを取込むために、種々の異なるDNAポリメラーゼを用いうる。このようなDNAポリメラーゼとしては、限定するものではないが、Taqポリメラーゼ、T7またはT4ポリメラーゼ、および Klenowポリメラーゼが挙げられる。以下に詳細に記載する本発明の好ましい一実施形態においては、5'-3'-エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を欠いたDNAポリメラーゼを配列決定反応に使用する。最も高速な反応動力学のためには、ポリメラーゼの量は、反応中に各DNA分子が、非共有的に結合したポリメラーゼ分子を確実に担持するような量であれば足りる。解離平衡についての典型的な平衡定数を約50 nMとするためには、以下の式
Figure 2005000174
において条件、[Pol] 50nM + [DNA]、を満たすことが必要である。
さらに、RNAテンプレートからの一本鎖DNAの合成を触媒する逆転写酵素を、本発明の反応的配列決定法において使用し、メッセンジャーRNA(mRNA)を配列決定しうる。このような方法は、プライマーにアニーリングしたRNAテンプレート(RNAプライマー/テンプレート)を、逆転写酵素の存在下でdNTPと連続的に接触させることにより該RNAの配列を決定することを含む。mRNAは、RNAポリメラーゼに触媒される合成によってDNAテンプレートから産生され、DNAテンプレート鎖の配列情報を含むため、該mRNAを配列決定すると、転写されたもとのDNA遺伝子の配列が得られる。真核細胞mRNAはポリ(A)テイルを有し、そのため逆転写のためのプライマーはオリゴ(dT)でありうる。典型的には、末端ビオチンまたは末端アミノ基を有するオリゴ(dT)プライマーを合成するのが最も都合が良いであろう。該プライマーは末端ビオチンまたは末端アミノ基を介して基質上に捕獲され、続いてテンプレートmRNA鎖にハイブリダイズし、かくしてテンプレートmRNA鎖を獲得することができる。
該伸長反応は、ポリメラーゼ媒介伸長の進行に必要とされる適当な濃度の塩、dNTPおよびDNAポリメラーゼを含有するバッファー溶液中で実施する。このような条件に関する手引きについては、例えば、Sambrookら、(1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y.)および Ausubelら、(1989, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing AssociatesおよびWiley Interscience, N.Y.)を参照されたい。
典型的には、4種のdNTPの内の1種を含有するバッファーを反応セル中に添加する。プライマー/テンプレート系における次の対をなしていないテンプレート部位でのヌクレオシド塩基の一致性に依存して、反応セルが適切なdNTPを含有する場合に反応が起こることになる。反応セルがその他3種の不適切なdNTPのいずれかを含む場合は、反応が起こらない。
続いて反応セルをdNTPを含まないバッファーで洗浄し、該サイクルを全DNA配列が同定されるまで繰り返す。伸長反応の光検出および熱検出を含む、以下に詳細に記載する検出方法のいずれかを用いて、DNAポリメラーゼ媒介伸長を検出することができる。
本発明の好ましい一実施形態においては、プライマー/テンプレート系が固相支持体に結合したテンプレートDNAを含んでなり、各伸長反応に続く複雑かつ時間のかかる精製工程なしで、配列決定反応のための試薬を連続的に添加することが可能となる。好ましくは、テンプレートDNAを、反応フローセル、高分子ミクロスフェア、フィルター材料などの表面ような固相支持体に共有結合させることにより、各伸長反応に続く複雑かつ時間のかかる精製工程なしで、配列決定反応用試薬(すなわち、バッファー、dNTPおよびDNAポリメラーゼ)を連続的に添加することを可能にする。あるいは、同じベクターテンプレートまたは同じ遺伝子を含有する多くのサンプルの配列決定を要するような適用例、例えば、診断への適用のためには、万能プライマーを支持体に結合させて、テンプレートDNAを固定化したプライマーにハイブリダイズさせてもよい。
該DNAの固相支持体への共有結合または非共有的結合を促すために、該DNAを修飾してもよい。例えば、PCRを用いてDNA断片を増幅する場合は、産生された2種の相補的なDNA鎖の一方を固相支持体に結合させるためのリンカー部分を担持させるように、1セットのPCR プライマーオリゴヌクレオチド鎖の5'末端を修飾してもよい。このようなリンカー部分としては、例えば、ビオチンが挙げられる。ビオチンを用いる場合は、固相支持体に共有結合したストレプトアビジンに、ビオチン化DNA断片を非共有的に結合させうる。別法としては、アミノ基(-NH2)をPCRプライマー鎖の1つに化学的に組込み、N-ヒドロキシスクシンイミド活性化アガロース表面と反応させるなど、標準的な化学作用により、該アミノ基を用いてDNAテンプレートを固相支持体に共有結合させうる。
別の実施形態においては、配列決定するオリゴヌクレオチドプライマーの5'末端を、ストレプトアビジンで処理した支持体に非共有的に捕獲するためにビオチンで修飾するか、または固相支持体に化学結合させるためにアミノ基で修飾しうる。次にテンプレート鎖を、固定化したプライマーの塩基配列とテンプレート鎖上の相補的な配列との非共有的な結合引力によって捕獲する。DNAを固相支持体に固定化する方法は当業者に公知であり、選択した固相支持体に依存して異なることになる。
本発明の反応的配列決定法においては、DNAポリメラーゼを4種のdNTPそれぞれとともに連続的に供給する。反応サイクルの大部分において、不適切なdNTPのみが存在することになり、そのため不適切なヌクレオチドが伸長しつつあるDNAプライマー/テンプレート系に誤って取込まれる可能性が増加する。
従って、本発明はさらに、適切なヌクレオチドをDNAプライマー/テンプレート系に迅速かつ完全に取込み、一方、不適切なヌクレオチドの誤った取込みを抑制するために、反応的配列決定反応を最適化する方法を提供する。例えば、dNTP濃度を低下させることにより、不適切なヌクレオチドのDNAプライマーへの誤った取込みを減少させうる。不適切なdNTPに対するKm値は、適切なヌクレオチドに対するものより1000倍高いものでありえ、これはdNTP濃度を低下させることによってヌクレオチドが誤って取込まれる割合を減少させうることを示している。従って、本発明の好ましい実施形態においては、配列決定反応におけるdNTP濃度は、約5〜20μMである。この濃度において、取込み速度は、T4 DNAポリメラーゼについては、最大速度400ヌクレオチド/秒に可能な限り近い速度になる。
さらに、比較的短い反応時間を採用することにより、誤った取込みが起こる可能性を減じることができる。最大速度である約400ヌクレオチド/秒に近い取込み速度に対しては、プライマー鎖の99.99%の伸長を確実にするための反応時間はおよそ25ミリ秒(ms)で十分であろう。
本発明の特定の実施形態においては、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を欠いているDNAポリメラーゼを反応的配列決定のために用いることにより、適切なdNTPの不在下で起こるであろうプライマーのエキソヌクレアーゼ性の分解を抑制しうる。4種のdNTPすべての存在下において、エキソヌクレアーゼ分解性プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼによる誤った取込みの頻度は、EcholsおよびGoodman(1991.Annu. Rev. Biochem 60;477-511)、Goodmannら、(1993, Crit. Rev. Biochem Molec. Biol. 28:83-126)、ならびにLoebおよびKunkel(1982 Annu. Rev. Biochem. 52:429-457)において検討されたように、取込まれた106〜108個のヌクレオチド中に1つのエラーがある程度の低いものである。プルーフリーディングが欠如している場合は、DNAポリメラーゼのエラー率は典型的に、104〜106個に1個のオーダーである。エキソヌクレアーゼ活性はDNAポリメラーゼの正確さを増大させるが、プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼの使用は、本発明の反応的配列決定法に対する技術的困難性を提起しうる。エキソヌクレアーゼは、誤って取込まれたヌクレオチドを除去するだけでなく、隣接するテンプレート塩基に相補的である適切なdNTPの不在下では、エキソヌクレアーゼは反応セル中のdNTPに相補的な塩基が存在するテンプレート配列上の点に達するまで、正確に対をなしているヌクレオチドを連続的に除去することになる。この点に達したとき、ポリメラーゼが繰り返し適切なdNMPを取込み、続いてそれを除去するというアイドリング反応が確立される。適切なdNTPが存在する場合のみ、ポリメラーゼ活性速度がエキソヌクレアーゼの速度を上回ることになり、その適切なヌクレオチドのプライマーの3'末端への取込みを継続させるアイドリング反応が確立される。
特定のアミノ酸置換を含む多くのT4 DNAポリメラーゼ突然変異体は、野生型酵素に比べて最大10,000分の1倍のレベルまで低減したエキソヌクレアーゼ活性を有する。例えば、Reha-KranzおよびNonay(1993, J. Biol. Chem. 268: 27100-17108)は、T4 ポリメラーゼ中のAsp 112をAlaで置換し、Gly 114をAlaで置換した場合(Dl12A/E114A)、これら2個のアミノ酸置換が2本鎖DNAに対するエキソヌクレアーゼ活性を、野生型の酵素と比較して約300分の1に減じることを報告している。このような突然変異体を、本発明の実施においてDNAプライマー/テンプレート系へのヌクレオチドの取込みのために使用してもよい。
本発明のまた別の実施形態においては、適切なヌクレオチドをDNAプライマー/テンプレート中に取込む点において野生型ポリメラーゼよりも正確なDNAポリメラーゼを使用しうる。例えば、 (D112A/E114A)突然変異T4ポリメラーゼに、Ile 417をValに置換する第3の突然変異を行うと(I417V/D112A/E114A)、I417V突然変異がポリメラーゼに対するアンチミューテーター表現型がもたらされる (Reha-KrantzおよびNonay, 1994, J. Biol. Chem. 269: 5635-5643; Stockiら、1995, Mol. Biol. 254: 15-28)。該ポリメラーゼは、プライマー末端をポリメラーゼ部位からエキソヌクレアーゼ部位により頻繁に移動させる傾向があり、そのため野生型ポリメラーゼよりも高い頻度でプルーフリーディングを行い、その結果、合成の精度が上がることから、このアンチミューテーター表現型が現われる。
本発明のまた別の実施形態においては、蛍光標識ヌクレオチドをテンプレートDNA系分子により効率的に取込む能力があるポリメラーゼ突然変異体を、本発明の実施において使用しうる。蛍光標識ヌクレオチドの取込み効率は、該ポリメラーゼの活性部位におけるdNTPとの相互作用を阻害しうる嵩高い蛍光団の存在によって低下しうる。蛍光標識dNTPのDNAへの取込みに有利に使用しうるポリメラーゼ突然変異体としては、限定するものではないが、1996年4月16日出願の米国特許出願第08/632,742号(参照により本明細書に組み入れられる)に記載されたものが挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態においては、反応的配列決定法は2種のサイクル系を利用する。エキソヌクレアーゼ活性を欠いたポリメラーゼを第1サイクルにおいて使用し、エキソヌクレアーゼ活性を欠いた酵素とエキソヌクレアーゼ活性を有する酵素との混合物を第2サイクルにおいて使用する。第1サイクルにおいては、エキソヌクレアーゼ活性を欠いたポリメラーゼを伴うプライマー/テンプレート系に、4種の候補ヌクレオチドをそれぞれ連続的に供給することになる。反応時間および反応条件は、十分な割合のプライマー(約98%)が伸長して、多数の単一塩基の反復を正確に定量するためのヌクレオチド取込みの検出および定量が可能になるようなものとする。第2サイクルにおいては、適切なヌクレオチドを同定した後、エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼとエキソヌクレアーゼ活性を欠いたポリメラーゼとの混合物、または両方の種類の活性を有するポリメラーゼを、第1サイクルで同定された適切なdNTPとともに第2サイクルにおいて添加することにより、プライマー伸長の達成およびプルーフリーディングがなされることになる。この方法においては、エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼは、適切なdNTPが存在するときにのみ反応セル中に存在するため、正確に伸長した鎖のエキソヌクレアーゼ性の分解は起こらないが、一方、既に誤って伸長した鎖の分解および正確な再伸長は起こり、従って、非常に正確な鎖伸長が達成される。
DNA ポリメラーゼ媒介伸長反応の検出は、多くの方法で達成できる。例えば、伸長反応によって発生した熱はサーモパイル、サーミスターおよび屈折率測定を使用するものなど様々な異なる技術を用いて測定することができる。
本発明の一実施形態においては、DNAポリメラーゼ媒介伸長反応によって発生した熱を測定することができる。例えば、唯一のサーマルマス(thermal mass)としての水1μgとセル内に結合された2 x 1011個のDNAテンプレート分子(300 fmol)とを含有する体積100μm3の反応セルにおいて、プライマーをヌクレオシチド一リン酸1個分伸長するポリメラーゼ反応に対して、水の温度は1 x 103℃ずつ上昇する。この計算は、DNA鎖における1塩基対の伸長が発熱反応であり、この反応にともなうエンタルピー変化が塩基1モルあたり3.5kcalであるという実験による測定に基づいている。従って、プライマー鎖300 fmolにおける1塩基の伸長は、300 fmol x 3.5 kcal/molまたは1 x 10-9 calの熱を生じさせる。これは1μgの水の温度を1 x 10-3℃上昇させるのに足りる。このような温度変化は、サーミスター(感度10-4℃)、サーモパイル(感度10-5℃)および屈折率測定(感度10-6℃)を用いて容易に検出することができる。
本発明の特定の実施形態においては、サーモパイルを用いて温度変化を検出しうる。このようなサーモパイルは温度に対して高感度であることが知られており、いくつかの第2時定数(several second time constants)で十万分の1度のレンジにて測定できる。サーモパイルは、異なる2種の金属からなる連続した接合部のセットを構築し、該接合部を交互に空間的に分離されるように物理的に配置することによって製造することができる。一方の接合部セットは一定の基準温度に維持し、別の接合部セットはその温度を読み取ろうとしている領域に配置する。2つの接合部セット間の温度差が接合部セット全体に電位差を生じさせる。この電位差は、温度差、接合部の熱電気係数および接合部の数に比例している。光応答に対しては、ビスマスとアンチモニーのような熱電気係数の大きいバイメタルペアが望ましい。サーモパイルは、金属蒸気を特別に製造したマスクを通して絶縁した物質上に蒸着させる薄膜蒸着技術を用いて製造しうる。本発明の実施において使用しうるサーモパイルとしては、 米国特許第4,935,345,号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されるものが含まれる。
本発明の特定の実施形態においては、米国特許第4,935,345号(参照により本明細書に組み入れる)に記載されたような、金属蒸発技術によって製造したミニチュア薄膜サーモパイルを使用してエンタルピー変化を検出しうる。このようなデバイスは、約10mm平方のマスクを通した真空蒸着によって作製されている。フォトリソグラフィー法、スパッタエッチング法およびリバースリフトオフ(reverse lift off)法を用いて、最新のミクロリソグラフィー技術を用いずに、2mm平方のデバイスを構築しうる。これらのデバイスは150個の熱電気接合部を含有し、12ミクロンの線幅を採用しており、酵素が好ましくはサーモパイルの表面に固定されている場合にはフローストリーム中で酵素触媒反応による発熱を測定することができる。
反応性配列決定装置にサーモパイル検出技術を組み込むために、図1に示すような薄膜ビスマス-アンチモンサーモパイル2を製造しうる。該サーモパイルは、フォトリソグラフィーによって作製した2つの異なるマスクを通してビスマス金属とアンチモン金属を連続的に電子ビーム蒸着して、細いビスマスワイヤとアンチモンワイヤが交互になったジグザグアレイ(前記ビスマスワイヤとアンチモンワイヤは接続されて2セットのビスマス−アンチモン熱電対接合部を形成している)を製造することにより製造しうる。最新のミクロリソグラフィー技術により、これまでに作られたものより少なくとも一桁小さいデバイス、すなわち線幅が1μmで全体の寸法が100μm2のオーダーであるようなデバイスの製造が可能になるであろう。一方の接合部(センサー接合部)セット4は反応セル6内に配置し(すなわち反応セルの壁に溶着させ)、第2の基準接合部セット8はセル外部の温度が一定に維持される基準点に配置する。センサー接合部と基準接合部間の温度差によりデバイス全体に電位が生じ、該電位はデバイスのいずれかの端部にある測定点12に連結された高分解能デジタル電圧計10によって測定することができる。ポリメラーゼ反応が生じない場合に反応セルと基準接合部の温度が同一である必要はなく、ポリメラーゼ反応事象によるセンサー接合部における温度変化をサーモパイル全体に生じる電圧変化として検出可能であることだけが必要である。
また、サーモパイルに加えて、図2に示すように、サーミスター14を使用して、DNAポリメラーゼが媒介するdNTPのDNAプライマー鎖への取込みによって生じる反応セル6内の温度変化を検出しうる。サーミスターはマンガン酸化物、ニッケル酸化物、およびコバルト酸化物などの金属酸化物の焼結混合物からなる半導体である。これらの材料は抵抗の温度係数が大きく、典型的には1℃あたり約4%であり、そのため抵抗をデジタル電圧計(例えばKeithley Instruments Model 2002)のような、安定で高分解能の抵抗測定装置でモニターすれば、非常にわずかな温度変化も感知することができる。図2に示したようなサーミスター14は、ホットプレスしたニッケル、コバルトおよびマンガンの酸化物からなる単一の標的から、活性なサーミスター材料の薄膜を反応セルの表面にスパッタ蒸着することにより、反応的配列決定反応セル中に作製しうる。また、反応セルの壁を突き抜けて伸びる金属の相互連結部16も、サーミスターの抵抗を外部測定装置18を用いて測定しうるように、別の工程において作製しうる。
温度変化はまた、屈折率測定技術を用いても感知しうる。例えば、Bornhop (1995, Applied Optics 34: 3234-323) および米国特許第5,325,170号に記載のような技術を用いて、キャピラリー内の液体についての屈折率の変化を検出しうる。このような技術においては、低電力のHe-Neレーザーをキャピラリーに対して直角に偏心して向けて、繰返し内部反射を行う。ビームの一部は液体内を通過するが、残りはキャピラリーの外壁で反射するのみである。2種のビームは、液体とキャピラリー間の屈折率の差に依存して、異なる位相シフトを示す。結果は、温度起因性の屈折率変化に対して非常に感度の高いフリンジ位置を有する干渉縞となる。
本発明のさらなる実施形態においては、dNTP溶液をともなうテンプレート系に接触させた無機ピロホスファターゼ酵素の存在により、系の熱応答が増加しうる。さらに、熱は、テンプレート系への取込みの際にdNTPから放出されるピロリン酸が無機ピロホスファターゼ酵素によって加水分解されるときに放出される。
別の実施形態においては、dNTPの取込みの際に放出されるピロリン酸をテンプレート系から除去して加水分解し、生じた熱を下流にある別の反応セル中で、サーモパイル、サーミスターまたは屈折率法を用いて検出しうる。この反応セルにおいては、無機ピロホスファターゼ酵素はDNAテンプレート系から取り除かれたdNTPとともに溶液中に混在していてもよいし、あるいは無機ピロホスファターゼ酵素は反応セルの壁に共有結合させてもよい。
あるいは、ヌクレオチド塩基のポリメラーゼにより触媒される取込みを、蛍光および化学発光検出スキームを用いて検出することができる。DNAポリメラーゼが仲介する伸長は、伸長しつつあるDNAプライマー鎖への蛍光または化学発光で標識されたdNMPの取込みに際して、蛍光または化学発光シグナルが発生する時に検出される。そのようなタグを、ポリメラーゼの作用を妨げないような方法でヌクレオチドに結合させる。例えば、酵素の活性部位から巨大蛍光団を遠ざけるのに十分な長さのリンカーアームによって、該タグを該ヌクレオチド塩基に結合させうる。
前記検出スキームの使用のために、ヌクレオチド塩基を、伸長しつつあるDNAプライマー/テンプレートへのdNTPの取込みに続いて蛍光または化学発光シグナルを発するように、化合物と共有結合で結合させることによって標識する。dNTPを標識するための蛍光化合物の例としては、限定するものではないが、フルオレセイン、ローダミンおよびBODIPY(4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(indacene))がある。「Handbook of Molecular Probes and Fluorescent Chemicals available from Molecular Probes, Inc.(Molecular Probes, Inc.より入手可能な分子プローブおよび蛍光化学物質のハンドブック)」(Eugene, OR)を参照のこと。本発明の配列決定法で用いることのできる化学発光に基づく化合物の例としては、限定するものではないが、ルミノールおよびジオキセタノン(dioxetanone)がある(GundermanおよびMcCapra、「Chemiluminescence in Organic Chemistry(有機化学における化学発光)」Springer-Verlag, Berlin Heidleberg, 1987を参照のこと)。
蛍光または化学発光で標識したdNTPをそれぞれに、プライマーにアニーリングさせたテンプレートDNA、DNAポリメラーゼおよび適切なバッファー条件を含むDNAテンプレート系に添加する。反応時間後、過剰なdNTPを除去し、そして蛍光または化学発光タグを付したヌクレオチドが該DNAテンプレートに取り込まれたか否かを検出するために、その系をプローブする。取り込まれたヌクレオチドの検出は、使用するタグのタイプによって異なる方法を用いて達成することができる。
蛍光でタグを付したdNTPについて、前記DNAテンプレート系は、タグの存在により強力に吸収される波長において、光の照射で輝光しうる。例えば、励起波長で散乱光をすべて排除する光学フィルターと共に光検出器を用いて、タグからの蛍光を検出する。
既に取り込まれたヌクレオチドの標識は、最も新しく取り込まれたヌクレオチドによって生じるシグナルを妨げるだろうから、蛍光タグを各伸長反応の完了時に除去することが必須である。蛍光タグの除去を容易にするために、Metzger, M.L.ら、(1994, Nucleic Acids Research 22: 4259-4267)およびBurgess, K.ら、(1997,J. Org. Chem. 62: 5165-5168)により記載されているような方法を用いて、化学的または光化学的に切断可能なリンカーを介して該タグをヌクレオチドに結合させ、新しく伸長反応を行う前にその蛍光タグをDNAテンプレート系から除去してもよい。
蛍光検出を利用する更なる実施形態において、蛍光タグを、光切断可能なリンカーまたは化学的に切断可能なリンカーによりdNTPに結合させ、該タグを伸長反応後に切り離して、テンプレート系から検出セルに移す。該検出セルでは、タグの存在およびその量を、適切な波長での光学励起および蛍光の検出により測定する。本実施形態において、該テンプレートの単一塩基リピート領域に相補的に伸長したプライマー鎖上での、互いに直接隣接している複数の蛍光タグの存在による蛍光消失の可能性は最小限に抑えられ、そのリピート数を決定できる精度が最適化される。更に、別のチャンバーでの蛍光の励起により、DNAプライマー/テンプレート系への光分解性損傷の可能性が最小化される。
前記方法の更なる実施形態において、DNAポリメラーゼが仲介する伸長反応により発生した反応を増幅することができる。本実施形態において、化学的または光分解的に切断されうるリンカーを介したシグナリングタグの共有結合によりdNTPを化学的に修飾する。dNTPをプライマー/テンプレート系に曝露し、取込まれなかった化学的に修飾されたdNTPを全て洗い流した後に、組み込まれたシグナリングタグを化学的または光分解性の反応で全て切り離し、そして反応チャンバーから増幅チャンバーへ洗い流して、そこで増幅されたシグナルを発生させ検出することができる。
多様な方法を用いて、増幅されたシグナルを発生させることができる。そのような方法の1つでは、シグナリングタグが触媒性機能を有する。該触媒性タグを切断し、その基質と反応させると、多くの化学反応サイクルを行うことによって、触媒性タグ1モル当り多モルの生成物が生成されることになり、それに伴って反応エンタルピーが増加する。色もしくは吸収性などのいくつかの性質によって反応生成物を検出するか、または増幅された熱発生を熱センサーで検出する。例えば、前記酵素がポリメラーゼ酵素の活性部位を妨害しないように十分な長さの切断可能なリンカーアームを介して、該酵素がdNTPに共有結合で結合している場合がある。DNAプライマー鎖への取込みに続いて該酵素を切り離し、それを第2の反応容量中に移して、その中で該酵素をその特異的基質と相互作用させると、各酵素分子が反応サイクルを数多く行うのにつれて増幅された反応が得られる。例えば、酵素カタラーゼ(CAT)は次の反応を触媒する:
Figure 2005000174
dNMP取込み後に切り離し、過酸化水素と下流で反応させるカタラーゼ分子で各dNTPにタグを付す場合、ヌクレオチドの各取込みは、約25kcal/mol×N(Nはカタラーゼにより分解される過酸化水素分子数である)の熱を発生するだろう。過酸化水素の分解熱は、ヌクレオチド取込みに必要な熱よりもすでに約6〜8倍大きい(すなわち、3.5〜4kcal/mol)。約100〜150個の過酸化水素分子の分解について、1塩基の取込み当り発生する熱量は、増幅されていない反応のものの1000倍近い。同様に、酵素結合型免疫吸着アッセイ(ELISA)において一般的に用いられているような有色生成物を生成する酵素を、切り離し可能なタグとして取り込ませてもよい。例えば、酵素アルカリホスファターゼは、無色のp−ニトロフェニルリン酸を有色生成物(p−ニトロフェノール)に変換させ、酵素西洋ワサビペルオキシダーゼは無色のo−フェニレンジアミン塩酸塩を褐色生成物に変換させる。これらの酵素を抗体などのタンパク質に連結させる化学は当業者に公知であり、ポリメラーゼ酵素の活性部位から間隔を置いて酵素を保持するリンカーアームを介して、前記酵素をヌクレオチド塩基に連結させるのに適用させることができる。
更なる実施形態において、シグナリングタグが、サーモパイルもしくはサーミスターなどの熱センサーに取り付けたかまたはその近傍に保持した細胞において活性応答を誘導しうる存在である場合、増幅された熱シグナルを発生させうる。PizziconiおよびPage(1997, Biosensors and Bioelectronics 12: 457-466)は、回収および培養したマスト細胞群が、カルシウムイオノフォアにより活性化され、エキソサイトーシスを起こして1細胞当り最高10〜30pg(100〜300fmol)のヒスタミンを放出しうることについて報告している。エキソサイトーシスを導く複数の細胞の反応は、それ自体が発熱性である。このプロセスを、酵素ジアミンオキシダーゼを用いてヒスタミンを過酸化水素とイミダゾールアセトアルデヒドに酸化し、カタラーゼを用いて過酸化水素を不均化させて、更に増幅させる。2つの反応は共に、ヒスタミン1モル当り100kJ以上の熱を放出する。例えば、連結されたカルシウムイオノフォアをポリメラーゼ酵素の活性部位から遠ざけるものであって、かつ化学的または光化学的に切断可能であるリンカーアームを介して、カルシウムイオノフォアを共有結合でdNTP塩基に結合させる。DNAポリメラーゼにより触媒される取込みステップおよび取り込まれなかったヌクレオチドの洗い流しの後に、取り込まれたヌクレオチドに結合したままのカルシウムイオノフォアは全て切断され、PizziconiおよびPage(1997, Biosensors and Bioelectronics 12: 457-466)により記載されているようなマスト細胞に基づくセンサーを含む検出チャンバーへと下流へ洗い流される。カルシウムイオノフォアは、熱の発生を伴うヒスタミン放出を刺激するマスト細胞上の受容体に結合するだろう。その熱発生を、酵素ジアミンオキシダーゼを導入して該ヒスタミンを過酸化水素およびイミダゾールアセトアルデヒドに酸化し、カタラーゼを導入して該過酸化水素を不均化することにより更に増幅することができる。従って有意に増幅された熱シグナルが発生し、それは反応チャンバー内の、または反応チャンバーと接触させたサーモパイルもしくはサーミスターセンサーにより、容易に検出することができるだろう。
化学発光検出を使用する更なる実施形態において、化学発光タグを、光切断可能なリンカーまたは化学的に切断可能なリンカーによりdNTPに結合させる。該タグを、伸長反応の後に切り離し、前記テンプレート系から検出セル中に移し、そこで該タグの存在およびその量を、適切な化学反応および発生した光の感度の良い光学的検出により測定する。本実施形態において、テンプレートの単一塩基リピート領域に相補的に伸長したプライマー鎖上での、互いに直接隣接した複数の化学発光タグの存在による非線形光学的反応の可能性は最小限に抑えられ、リピート数を決定できる精度は最適化される。更に、別のチャンバーにおける化学発光の発生により、DNA プライマー/テンプレート系への化学的損傷が最小化され、そうしないとDNAプライマー/テンプレートに化学的に損傷を与えうる厳しい化学的条件下での検出が可能となる。このようにして、化学発光反応条件とDNAプライマー/テンプレートとの適合性を考慮することなしに、タグを付したdNTPとポリメラーゼ酵素との適合性、または化学発光反応速度を最適化するように、化学発光タグを選択することができる。
本発明の更なる実施形態において、各伸長反応の後に前記テンプレート系から移されたdNTP溶液の濃度は、dNTPの濃度変化による、または蛍光でタグを付したdNTPの蛍光反応変化によるUV吸収の変化を検出することによって測定することができる。伸長したテンプレートへのヌクレオチドの取込みにより、該テンプレート系から移されるヌクレオチドの濃度が低下するだろう。そのような変化を、各伸長サイクルの後にテンプレート系から移されたバッファーのUV吸収を測定することにより検出することができる。
本発明の更なる実施形態において、プライマー鎖の伸長は、1個のDNA分子からの蛍光を感知できるデバイス、または1個のDNA分子の画像を解像できるデバイスにより感知しうる。一分子からの蛍光を感知することのできるデバイスには、共焦点顕微鏡および近接場光学顕微鏡が含まれる。一分子の画像を解像することのできるデバイスには、走査トンネル顕微鏡(STM)および原子間力顕微鏡(AFM)が含まれる。
本発明の本実施形態において、ポリメラーゼ酵素と他に必要な電解質溶液と共に1種類のdNTPを含有するバッファー溶液に曝露する前後に、結合したプライマーを有する1個のDNAテンプレート分子を表面上に固定化し、光学顕微鏡またはSTMもしくはAFMで観察する。光学顕微鏡を使用する場合には、該一分子を蛍光でタグを付したdNTP溶液に連続的に曝露し、前述の通り、過剰の未反応dNTPを除去した後で、蛍光タグを検出することにより取込みを感知する。再度前述の通り、次のタグが検出される前に、取り込まれた蛍光タグを切断し排除しなければならない。STMもしくはAFMを使用して、プライマー鎖の長さの変化を画像化し、dNTPの取込みを検出する。あるいは、該dNTPを物理的に巨大な分子でタグを付して、STMもしくはAFMにおいてより容易に見えるようにし、そしてそれぞれの新たな取込み反応の前にこの巨大タグを除去し廃棄する。
このようにして一分子テンプレートを配列決定する場合、誤ったシグナルおよび位相の異なる鎖の伸長を生ずる不完全反応の可能性は存在せず、結果的に読み取り長において制限はかけられない。一分子テンプレートについて、反応が起こることも起こらないこともあるが、起こらない場合には、伸長が終了しさらに終了が認められるか、あるいは次のサイクルで正しいdNTPにより正確な伸長が起こるかのいずれかである。誤ったヌクレオチドが取り込まれるという事象において、そのことには以前に記載された複数鎖のプロセスを上回る可能性があり、例えば、1/1,000の割合で誤りが配列に記録されるが、この誤りは次の読み取りに伝播または影響せず、従ってその読み取り長は誤った取込みによって制限されない。
本発明の特定の実施形態の段取りについてこれより更に詳細に記載する。以下の実施例は説明を意図するものであり、本発明は、これらの実施形態に記載されている特定の材料および方法に限定されない。
マイクロ熱量計測試験を実施し、DNAポリメラーゼ反応の好結果の熱検出を初めて示した。その結果を図3に示す。約20ユニットのT7シークエナーゼを、約20nmolのDNAテンプレートおよび相補的プライマーならびに過剰量のdNTPsを含む3mLの反応容量中に注入した。該プライマーを、テンプレートのサイズとして見積もられる長さの52塩基対まで伸長させた。市販のマイクロ熱量計(TAM Model 2273; Thermometrics, Sweden)を使用して、塩基1モル当り3.5〜4kcalの反応エンタルピーが測定された(図3)。この測定値は十分に、DNAポリメラーゼ活性の熱検出に必要な値の範囲内にある。またこの測定値は、反応セル中の最大温度上昇として、サーモパイル検出の感度が1×10−3Cであったことを示している。図3に見られる下の線は、参照細胞からのもので、テンプレート系を含有しないバッファー中への無酵素注入に対しての注入による人為的結果を示している。
突然変異型T4ポリメラーゼの有用性を説明するために、いずれもエキソヌクレアーゼ活性を欠く、2種の異なる突然変異型T4ポリメラーゼを用いて、2つのプライマー伸長アッセイを実施した。一方の突然変異体において、Asp 112がAlaで置換され、そしてGlu 114がAlaで置換されている(D112A/E114A)。二本鎖DNAに対するこの突然変異体のエキソヌクレアーゼ活性は、Reha-KrantzおよびNonay(1993, J. Biol. Chem. 268: 27100-27108)により記載されているように、野生型酵素と比較して、約300の要因により減少させられる。もう一方のポリメラーゼ突然変異体では、D112A/E114Aアミノ酸置換に加えて、第3の置換によってIle417がValに置き換わる(I417V/D112A/E114A)。該I417V突然変異によって、このポリメラーゼによる合成の精度が上昇する(Stocki, S. A.およびReha-Krantz, L. J, 1995, J. Mol. Biol. 245: 15-28;Reha-Krantz, L. J.およびNonay, R. L., 1994, J. Biol. Chem. 269: 5635-5643)。
2つの別々のプライマー伸長反応を、それぞれのポリメラーゼ突然変異体を用いて実施した。初めに、テンプレートCに対応して単一の正確なヌクレオチドdGTPのみが付加された。次の対合していないテンプレート部位はGであり、従って誤った取込みはG・G誤対合を形成するだろう。G・G誤対合は、ポリメラーゼにとって形成が最も難しい誤対合のうちの1つであることが多い。第2のプライマー伸長反応では、2つのヌクレオチドdGTPおよびdCTPが、最初の3つの対合していないテンプレート部位に相補的に付加された。dGMPおよびdCMPの正確な取込みに続く、次の利用可能なテンプレート部位はTである。C・T誤対合の形成は、G・T誤対合がポリメラーゼにより最も頻繁に形成される誤対合である傾向がある限りは、非常に困難であることが多い。
両方の突然変異型T4ポリメラーゼによるプライマー伸長反応の時間経過を図4に示す。プライマー/テンプレート(p/t)と比較して低濃度のT4ポリメラーゼを使用して、取込み反応を都合のよいタイムスケール(60分)で測定することができる。64分までに、プライマーの98%が伸長された。dGTPのみを含む反応では、Gの反対鎖へのdGMPの検出可能な取込みなしに、両方のポリメラーゼがdGMPによってほぼ完全にプライマー末端を伸長させた。dGMPおよびdCMPの両方を含む反応では、1個のdGMPおよび2個のdCMPの付加によって、両方のポリメラーゼがほぼ完全にプライマー末端を伸長させた。D112A/E114A 突然変異体により触媒される反応において、誤った取込みが低パーセンテージ(約1%)で検出できた。重大なことに、I417V/D112A/E114A突然変異体により触媒される反応において、検出可能な誤った取込みは全くみられなかった。
本発明に従って、蛍光タグを、糖部分の3’位以外の部位でヌクレオチド塩基に結合させることができる。DNAポリメラーゼの活性を妨げることのないそのようなタグに関する化学は、Goodwinら(1995, Experimental Technique of Physics 41: 279-294)により記載されているように開発されている。一般的には、取込みの際に、酵素の活性部位から巨大タグを離れさせるだけの十分な長さのリンカーアームによって、該タグを前記塩基に結合させる。
図5に図示するように、ヌクレオチドを、例えばベンゾインエステルなどの光切断可能なリンカーによって蛍光団に連結することができる。タグを付したdNMPがDNAプライマー鎖の3’末端に取込まれた後に、該DNAテンプレート系を、該蛍光団の吸収極大に相当する波長の光で照らし、蛍光団の存在を、該蛍光団の発光極大における蛍光を検出することによりシグナル化する。蛍光団の検出の後で、該リンカーを光切断し、化合物2を生成しうる。その結果として、修飾されているが、蛍光が結合していないヌクレオチドを有するDNA分子が伸長される。例えばダンシル基もしくはアクリジン基などを含む多くの蛍光団は、図5に図示されるような方法で使用されるだろう。
あるいは、前記DNAテンプレート系を照らさずに、蛍光を誘発する。代わりに光切断反応を行なって、化合物2を分離した蛍光団を生成させ、この蛍光団を該テンプレート系から別の検出チャンバー中に移す。そこで蛍光団の存在を、前述の通り、蛍光団の吸収極大での照光および蛍光団の発光極大付近の発光の検出によって検出する。
本発明の特定の実施形態では、化学発光性のタグを付したdNTPからなる連結系は、図6に記載のように、化学発光基(化合物4のジオキセタン部分)、化学的に切断可能なリンカー(シリルエーテル)および光学的に光切断可能な基(ベンゾインエステル)からなることがあり得る。シリルエーテルのフッ化物イオンによる切断により、Schaapら、(1991,「Chemical and Enzymatic Triggering of 1,2-dioxetanes: Structural Effects on Chemiluminescence Efficiency(1,2−ジオキセタンの化学的および酵素的誘導:化学発光能に対する構造的効果)」、Bioluminescence & Chemiluminescence, Stanley, P. E.およびKnicha, L. J.(編) Wiley, N. Y. 1991, pp. 103-106)に記載のように、検出可能な化学発光が生ずる。更に、ヌクレオシド三リン酸をシリルリンカーに連結させるベンゾインエステルは、RockおよびChan(1996, J. Org. Chem. 61: 1526-1529);およびFelderら(1997,First International Electronic Conference on Synthetic Organic Chemistry, Sept. 1-30)に記載のように光で切断可能である。化学発光タグおよび光切断可能なリンカーの両方を常に有する必要はなく、該シリルエーテルを直接ヌクレオチド塩基に結合させることができ、そして化学発光タグを前述のように破壊する。
化合物3に関して図6に図示するように、フッ化物イオンでの処理によって、アダマンチルジオキセタンのフェノラートイオンが放出され、それは高効率の化学発光であると知られている(Bronsteinら、1991「Novel Chemiluminescent Adamantyl 1,2-dioxetane Enzyme Substrates(新規化学発光性アダマンチル1,2−ジオキセタン酵素基質)」Bioluminescence & Chemiluminescence, Stanley, P. E.およびKricka, R. J.(編)Wiley, N. Y. 1991 pp. 73-82)。この反応の他の生成物は化合物4であり、それはもはや化学発光性ではない。化合物4の308〜366nmでの光分解の際に、化合物2が放出される。
化合物1の合成は、α−ケトヒドロキシル基を9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)により保護したベンゾインのカルボキシル基に前記蛍光団を結合させ、続いてFMOC保護基を除去して、活性化炭酸誘導体を3’末端に有するヌクレオチドに結合させることにより達成される。化合物4は、アダマンチルフェノールのビニルエーテル形態と、クロロ(3−シアノプロピル)ジメチルシランとの結合、シアノ基のアミンへの還元、オキセタンの生成、およびこの化学発光前駆体と活性化炭酸誘導体を3’末端に有するヌクレオチドとの結合によって調製される。
また化学発光性タグを切断可能な結合によりdNTPに結合させ、化学発光の検出の前に切断してもよい。図7で示すように、化合物3におけるベンゾインエステル結合を光分解的に切断して、遊離化学発光性化合物 5を生成することができる。続いて、化学発光を生じさせるための化合物5とフッ化物イオンとの反応を、化合物5を反応チャンバー中のDNAテンプレート/プライマーから流した後に行なうことができる。光分解性の切断に代わるものとして、化学発光反応を引き起こさない化学的プロセシングで切断される化学的に切断可能なリンカーにより、前記タグを結合させてもよい。
本実施例では、配列未知のDNAの一部分を有するテンプレート分子のヌクレオチド配列を決定する。配列未知のDNAを、M13などの一本鎖ベクター中にクローニングする。外来DNAのすぐ上流に位置する該ベクターの一本鎖領域に相補的なプライマーを、該ベクターにアニーリングさせて、それを利用して反応性配列決定における合成を開始する。アニーリング反応では、等モル比のプライマーおよびテンプレート(DNAポリマーの分子量として、1塩基が330g/molであるという近似値に基づいて計算される)を、67 mM TrisHCl pH 8.8、16.7 mM (NH4)2SO4、および0.5 mM EDTAからなるバッファー中で混合する。このバッファーは、DNAのアニーリングおよびそれに続くポリメラーゼ伸長反応のどちらにも好適である。アニーリングは、バッファー中でDNAサンプルを80℃に加熱し、そしてゆっくりと室温へと冷却させることにより達成される。サンプルは、マイクロ遠心分離機中で簡単に遠心し、チューブの蓋および壁からの結露を取り除く。0.2mol当量のT4ポリメラーゼ突然変異体I417V/D112A/E114Aおよびバッファー成分を該DNAに添加し、最終反応細胞は67 mM TrisHCl pH 8.8、16.7 mM (NH4)2SO4、6.7 mM MgC12および0.5 mMジチオトレイトールを含有するようにする。次いで該ポリメラーゼを、最終濃度10μMの一度に1種のdNTPを用いて検索試験する。該ヌクレオチドをポリメラーゼと共に37℃で10秒間インキュベートする。dNTPの取込みは、蛍光、化学発光もしくは温度変化を測定することを含む上述の方法のうちの1つにより検出することができる。この反応サイクルを、DNA分子の完全配列が決定されるまで、4種のdNTPそれぞれを用いて繰り返す。
図8は、本発明の機械的な蛍光配列決定法を図示している。図8(a)のステップ1で示すように、DNAテンプレートおよびプライマーを、例えばアビジン−ビオチンまたは-NH2/n-ヒドロキシスクシンイミド化学を利用して、ビーズ18上に捕捉し、それをマイクロピペット22の先端にある多孔質性フリットもしくはフィルター20または他の吸引デバイスの後方に導入する。エキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼ酵素を添加し、該ピペットの先端を、蛍光で標識したdNTP溶液の入っている小貯槽24に沈める。図8(a)のステップ2に図示するとおり、該フィルターを通して少量のdNTP溶液が吸引され、固定化DNAと反応できるようになる。また該dNTP溶液は、洗い流される損失分を補給するのに十分な約100nMのポリメラーゼ酵素を含有する。反応後、ステップ3で示すように、過剰なdNTP溶液24をフリット20を通してdNTP貯槽24中に押し戻される。このプロセスのステップ4では、ピペットをバッファー溶液の入っている貯槽に移動させ、フリットを通してバッファー溶液を数アリコート吸引し、該ビーズから過剰な未結合dNTPをすすぐ。次いでピペット内のバッファーを、廃棄物26に押し出して廃棄する。該ピペットを、取込まれたdNTPから蛍光タグを切断するのに必要な化学物質を含有する第2のバッファー貯槽(バッファー2)に移動させる。その反応は該タグの切断が起こるようにさせる。ステップ5で示すように、溶液中の切り離された蛍光タグを有するビーズ/バッファースラリーを、蛍光タグを励起するよう選択された波長でレーザーまたは光源28により照らして、その蛍光を蛍光検出器30で検出し、取込みが起きている場合にはそれを定量する。
続くステップは使用する酵素方法による。図8(b)に図示されるようなエキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼを用いた1段階方法を使用する場合には、切り離した蛍光タグを含有する溶液を廃棄物に廃棄し(ステップ6)それは排出され、続いて更にバッファー1を用いるすすぎステップ(ステップ7)を行ない、そのすすぎ液は廃棄して(ステップ8)、そして該ピペットを異なるdNTPの入っている第2の貯槽に移動させる(ステップ9)。このプロセスを、ステップ3から始めて、4種のdNTP全てを通じて一巡するよう繰り返す。
2段階方法では、ステップ5で正確なdNTPを同定し、リピートの長さを定量化した後、該反応混合物を図8(b)のステップ6、7および8で示すようにすすぎ、さらに図9のステップ(a)で示すように、該ピペットを、ある程度の量のエキソヌクレアーゼ活性のあるポリメラーゼを添加した、同じdNTP(例えばdNTP1)の入っている別の貯槽に戻し、その溶液を、前の伸長を校正して伸長を正確に完了する更なる反応段階のために吸引する。dNTPが同一であることは分かっており、またこの校正ステップでは配列情報は全く得られないので、この第2バッチのdNTPには蛍光でタグを付さなくてもよい。タグを付したdNTPを使用する場合には、蛍光タグを、好ましくは、バッファー2を用いて図8(a)のステップ5のように切断し廃棄する。あるいは、図8(a)のステップ2に示す最初の取込み反応を十分に長く実施し、また最初のポリメラーゼが十分に正確であれば、図9のステップaでdNTP 1に組み込まれる蛍光タグの追加量は少なく、続くdNTPの定量化を妨げない。図9のステップaにおける校正の後、過剰なdNTPを押し出し(ステップb)、その反応混合物を高塩バッファーですすいで(ステップc、d)、exo+ポリメラーゼを前記DNAプライマー/テンプレートから解離させる。該DNAプライマー/テンプレートを正しくないdNTPに曝露する場合には、エキソヌクレアーゼ活性のある酵素を存在させないことが重要である。次いで前記ピペットを、ステップeの、異なるdNTPの入っている貯槽に移動させ、このプロセスを繰り返し行なって、再度4種のdNTP全てについて一巡させる。
本明細書において、特定の実施形態に関して本発明を記載してきたが、本発明の多数の変更および変形が当業者により容易に為されるであろう。従って、そのような変更および変形も全て、本発明の意図している範囲内に含まれる。
図1は、薄膜状のビスマス-アンチモンサーモパイルを含有する本発明の反応的シークエンシング装置を図示する概略図である。 図2は、サーミスターを含有する本発明の反応的シークエンシング装置の概略図である。 図3は、DNAポリメラーゼ反応の微量熱量計測検出の本発明における代表的な実施形態を図示する概略図である。 図4は、T4 DNAポリメラーゼ突然変異体によって触媒されるプライマー伸長アッセイについての時間経過を示す電気泳動ゲルである。 図5は、本発明において使用するために、光で切断可能なリンカーであるベンゾインエステルによって蛍光団と結合させたヌクレオチドを図示する概略図である。 図6は、本発明で使用するために化学発光性のタグに結合させたヌクレオチドの図式である。 図7は、切断可能な結合によって化学発光性のタグに結合させたヌクレオチドの概略図である。 図8(a)および8(b)は、本発明の機械的な蛍光配列決定法の概略図であり、該方法では、DNAテンプレートおよびプライマーが多孔性フリットの反対側に捕獲されたビーズ上に吸着される。 図9は2サイクル系を利用する本発明の配列決定法の概略図である。

Claims (9)

  1. 次のステップ:
    (a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への、蛍光成分を有する少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) 蛍光成分から発生した蛍光シグナルを検出することにより該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、およびさらに該蛍光成分を除去することなく蛍光シグナルを破壊すること、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  2. 次のステップ:
    (a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドの濃度の変化を検出することにより該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  3. 次のステップ:
    (a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への、発熱可能な少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) 発熱可能なデオキシリボヌクレオチドを取り込むことにより発生した熱を検出することによって該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  4. 発生した熱を検出するためにサーモパイルを用いる、請求項3記載の方法。
  5. 発生した熱を検出するためにサーミスターを用いる、請求項3記載の方法。
  6. 次のステップ:
    (a) バッファー、およびエキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への、バッファーにより吸収される熱を発生可能な少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) バッファーの屈折率を測定することによって該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  7. 次のステップ:
    (a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備すること、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) 該プライマーの3'末端へのデオキシリボヌクレオチドの付加により放出されるピロリン酸の濃度を検出することによって、該プライマーの伸長が起こったかを検出することであって、ピロリン酸濃度は、ピロリン酸を加水分解し、該ピロリン酸の加水分解により生じた熱を測定することによって検出される、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  8. 次のステップ:
    (a) エキソヌクレアーゼ活性の低いDNAポリメラーゼの存在下でプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた未知配列の核酸分子を少なくとも1つ含むテンプレート系を準備することであって、該DNAポリメラーゼが、アミノ酸残基Asp112のAlaによる置換およびGlu114のAlaによる置換を有するT4 DNAポリメラーゼである、
    (b) 該テンプレート系と1種のデオキシリボヌクレオチドとを、該プライマーの3'末端への少なくとも1個のデオキシリボヌクレオチドの取込みによる該プライマーの伸長を可能にして伸長プライマーを形成させる条件下で接触させること、
    (c) 該プライマーの伸長が起こったかを検出すること、
    (d) 該プライマーに取り込まれたデオキシリボヌクレオチドの数を検出すること、
    (e) 取り込まれなかったデオキシリボヌクレオチドを除去すること、および
    (f) ステップ(a)から(e)を繰り返して該核酸分子のヌクレオチド配列を決定すること、
    を含んでなるDNA配列決定法。
  9. DNAポリメラーゼが、アミノ酸残基Ile417のValによる置換を有するT4 DNAポリメラーゼをさらに含む、請求項6記載の方法。
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