JP2004536135A - 真菌感染を処置するための方法および組成物 - Google Patents

真菌感染を処置するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

フェニルボロン酸およびその水溶性誘導体および関連ボロン酸化合物は、真菌および細菌感染を処置するために使用される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、真菌感染、さらに詳しくは、手指爪(fingernail)および足指爪(toenail)の皮膚糸状菌症爪真菌症、ならびに植物における真菌感染を処置するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび動物の、多くの真菌感染または真菌症は、皮膚の外層のみに影響を与える。これらの感染は、ときには治療困難であり得るが、それらは危険とはみなされない。たいていの皮膚感染は、皮膚糸状菌として知られる好ケラチン性真菌の同種の群により引き起こされる。皮膚糸状菌トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)は、足白癬および爪真菌症の主要な原因である。粘膜の真菌感染は、通常、口および膣および肛門領域に影響する、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)により主に引き起こされる。
【0003】
非病理学的ならびに病理学的細菌を殺し、その結果、真菌の侵入のためのきれいな領域を提供する、抗生物質の使用した後に、真菌感染が起こる場合がある。真菌の日和見感染は、真菌が易感染性宿主、例えばAIDSを患う患者に入った場合に起こる。
【0004】
体の他の部位と比べて、手指爪および足指爪の皮膚糸状菌症は、特に、薬物処置で、特に局所的処置で根絶させることが困難である。これは、固く保護的な爪甲(nail plate)、爪床と爪甲の間の病原体の隠退、および爪の遅い成長、ならびに初期の薬理学的剤の比較的不十分な効果のような爪に固有の要因の結果である。
【0005】
「爪真菌症」は、伝統的に、爪の非皮膚糸状菌感染を意味する。爪真菌症は、現在では、何らかの爪の真菌感染を示す一般用語として使用されている。爪白癬(tinea unguium)は、特に、爪甲への皮膚糸状菌の侵入を表す。この病状に関連した明らかに病的な外観にもかかわらず、爪真菌症は、極めてしばしば、ほとんど処置するに値しない比較的重要性の小さい単なる美容上の問題とみなされている。この考え方は、いくつかの初期の抗真菌剤に関連した薬物療法の有害作用および投薬の長期化により助長され得る。
【0006】
しかしながら、爪真菌症は、患者の感情的、社会的および職業的機能に対して重大な弊害を有し得る。該患者は社会的および労働状況において制約を受け得、彼らは不潔な感じを与え、そして彼らの手および足が見られることを嫌がる。患者は、彼らが自分の感染を家族、友人または同僚にうつすことを懸念し得、自尊心の減退および親しい関係の回避につながり得ることを恐れる。なかには、長時間立つこと、執筆することまたはタイピングすることのような仕事を避けるという不便を経験する患者もいる。
【0007】
免疫力がない、例えばヒト免疫不全ウイルスに感染した患者における、爪真菌症は、さらに深刻な健康上の問題を引き起こし得る。この感染は、患者に自分自身の悪い状態を常に思い出させるだけでなく、体の別の部位に非常に高力価の真菌病原体をうつす可能性も存在する。
【0008】
北米および一部の欧州において爪真菌症をよく引き起こす皮膚糸状菌種は、トリコフィトン・ルブルム(T. rubrum)、トリコフィトン・メンタグロファイテス(T. metagrophytes)、およびエピデルモフィトン・フロッコースム(Epidermophyton floccosum)である。最初の2つは、エピデルモフィトン・フロッコースム(E. floccosum)よりさらによく関係している。皮膚糸状菌および非皮膚糸状菌の両方、とりわけカンジダ(Candida Sp.)は、爪真菌症の病原因子として同定された。
【0009】
感染源との接触は、リスクファクターを構成する。靴、とりわけきつい、ハイヒールを履くこと;多くの人々によるロッカールームや屋内競技場のような湿気のある場所の使用の増大;老齢の米国人の健康の減退、および疾患(HIV)または治療剤による免疫力がない患者の増大(癌もしくは移植後に関連する免疫抑制治療、および広域スペクトルの抗生物質の大量使用)を含む、現代生活に特有のいくつかの要因は、爪真菌症の罹患率の上昇をもたらす。爪真菌症のリスクを増大させる他の要因は、一定のチック障害(咬爪癖)に由来するものを含む、爪への直接の外傷である。
【0010】
爪真菌症の処置は多くの世代のために試みられてきたが、成功は限られていた。病変が表面的要因を有するという認識のために、最初の治療は局所的であった。しかしながら、イミダゾール、アリルアミン、およびピリドン シクロピロクスオラミンのような局所薬は、爪ユニット全体(entire nail unit)を浸透し、そして感染を根絶させる能力がないために、爪の真菌感染に対して一般的に効果がないことが証明された。最近になって初めて、これらの感染の真菌的性質が認められた場合に、全身的に活性のある薬物が爪真菌症を処置するために利用可能になった。
【0011】
多くの現在利用可能な抗真菌剤は、爪真菌症を完全に処置するために、長期の、ときには1年以上の治療を必要とする。グリセオフルビンは、その活性が皮膚糸状菌に限られているので、限定された効力を有し、そして最大の効果を得るためには長期の治療が必要とされる。ケトコナゾールは、副作用の発生および重大な薬物相互作用のために、爪真菌症の長期治療に使用できない。従来から使用されている他の薬物として、イトラコナゾール、フルコナゾール、およびテルビナフィンが挙げられる。
【0012】
さらに、農作物に対する深刻な損害が、毎年、黒穂病菌(smut)、サビ菌(rust)、麦角菌(ergot)、およびウドンコ菌(mildew)のような植物の真菌感染により与えられる。
【0013】
ボトリチス灰色カビ病(Botrytis bunch rot)は、長い間、ブドウ園において問題であった。高窒素肥沃化(high nitrogen fertilization)は、ブドウのつるを、ボトリチス・シネレア(Botritis cinerea)による感染にかかりやすくし、そして疾患の重症度を増大させた。多くの殺真菌剤のインビトロ試験の結果が、R=Houmaらにより、Journal of Plant Pathology 80(2):1998、論文の要約(abstracts of papers)において記載された。試験された殺真菌剤のうち、ビンクロゾリン、クロロタロニル、およびジクロフルアニドは、分生子を完全に終息させるのに有効であった。イプロジオンおよびプロサイメドン(Procymedone)は、明らかに、真菌耐性の問題に直面していた。フォルペル(Folpel)、銅およびクロロタロニルは、分生子発芽と同程度に、有効に菌糸体増殖を制御できない。
【0014】
小穀禾穀類の「尖端枯れ病」およびトウモロコシの「雌穂腐敗病(ear rot)」の病因として、禾穀類に世界中に生息するいくつかのフザリウム属菌は、感染したカーネル中にマイコトキシンを蓄積することが可能である。禾穀類に対する損害のほかに、これらのマイコトキシンの中には、動物および/またはヒトの健康にとって危険なものもある。穀粒中においてよく認められるフザリウムトキシンの主なグループは、トリコテセン:T−2トキシン(T2)、ジアセトキシスシルペノール(diacetoxyscirpenol)、デオキシニバレノール、フザレノンX、およびニバレノール;ゼアラレノン類、主にゼアラレノン;およびフモニシン類、特にフモニシンBである。さらにモニリフォルミン、ビューベリシン(beauvericine)、およびフザプロリフェリン(fusaproliferin)もまた、フザリウム感染禾穀類腐敗病において見出された。
【0015】
ボロン酸、例えばフェニルボロン酸は、酸性リパーゼを阻害することが知られている。フェニルボロン酸のこの性質は、Thronfeldtら、米国特許第6,190,894号において開示されたように、局所的に適用された活性成分の浸透を促進する上皮バリア機能を崩壊するために開発された。
【0016】
ボロン酸および一定のフェニルボロン酸は、また、一定のβ−ラクタマーゼのインヒビターである。Shoichetら、米国特許第6,075,014および6,184,363号は、多くのフェニルボロン酸がポリンの変異の結果としてのβ−ラクタム抗生物質耐性細菌に対して有効であることを記載している。これらの化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩は、β−ラクタム抗生物質よりも高い濃度では、それ自体抗菌性である。この抗菌活性はβ−ラクタマーゼに似ているペニシリン結合タンパク質(PBP)に対するインヒビターへの結合によるものと信じられている。PBPはβ−ラクタム抗生物質に感受性の全ての細菌種において見出されるので、これらの化合物がβ−ラクタム抗生物質と同程度に、細菌に対して有効であると期待されている。
【0017】
本発明者らが知る限りにおいて、PBAまたはその誘導体の抗真菌活性を記載している先行文献は存在しない。
【0018】
発明の要約
本発明の1つの目的は、先行技術における欠陥を克服することである。
【0019】
本発明の別の目的は、爪真菌症の処置方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、動物および植物における真菌感染の処置方法を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、チトクロームp450の基質である組成物を提供することである。
【0022】
今回、フェニルボロン酸およびそれらの誘導体ならびに関連ボロン酸化合物は殺真菌特性を有し、そしてこれらの化合物が真菌感染の処置において特に有用であることが発見された。これらの化合物は、爪の真菌感染の処置において特に有用であることが見出された。
【0023】
フェニルボロン酸およびそれらの誘導体がプロテアーゼおよびラクタマーゼに対して阻害活性を有することは既知であり、そしてそれはチトクロームp450の基質であることが報告されている(参照:Koehlerら、(1971);Koehlerら、(1974);Lindquistら、(1974);およびMatthewsら、(1975))。
【0024】
チトクロームp450の基質効果は、その水溶性と組み合わされて、フェニルボロン酸またはそれらの誘導体が細胞に入り、そしてチトクロームp450により毒性のフェニル化合物へと分解され、次いでこれが細胞を殺すことを可能にすると信じられている。しかしながら、これは単なる仮説であり、そして本発明はこの推定的メカニズムに束縛されない。
【0025】
真菌感染の処置に有用な化合物は、式
(OH)−B−R (I)
〔式中、
Rは、置換または非置換フェニル、ナフタレン、またはフェナントレンであるか、あるいは下記の式:
【化1】
Figure 2004536135
【化2】
Figure 2004536135
【化3】
Figure 2004536135
【化4】
Figure 2004536135
[式中、
環系(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(13)もしくは(14)は、芳香族または非芳香族であり;
原子中心*は、キラル化合物の場合において(R)または(S)であり;
位置1、2、3、4、5、6、7および8は、それぞれ独立してC、N、OまたはSであり;
〜Rは、それぞれ独立して孤立電子対、H、B(OH)、ハロゲン原子、CF、CHCF、CCl、CHCCl、CBr、CHCBr、NO、低級アルキル、COH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、SOH、POH、OSOH、OPOH、OH、NH、CONH、COCH、OCH、またはフェニルボロン酸であり、
は、H、CF、CCl、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、COCH、OCH、低級アルキル、環状アルケン、1もしくはそれ以上の置換基Rで置換された環状アルケン、ヘテロ環状アルケン、または1もしくはそれ以上の置換基Rで置換されたヘテロ環状アルケンであり;
それぞれのRは、独立して、H、B(OH)、ハロゲン原子、CF、CCL、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、低級アルキル、OH、NH、N(CH)、N(CH)CHCH、NHCOCH、COOH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、COCH、OCH、フェニルボロン酸、CONH、CONHCHCOOH、CONHCHCONH、CONHCHCONHCH10、SONH、SONHCHCOOH、SONHCHCONH、またはSONHCHCONHCH10であり;
Xは、O、NH、NCHまたは
【化5】
Figure 2004536135
であり;
Yは、OH、NH、NCH、N(CH)、NHCOCHまたはNHCOCHCOOHであり;
は、H、ハロゲン原子、CH、CCl、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、COH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、SOH、POH、OSOH、OPOH、OH、NH、CONH、COCH、OCH、フェニルボロン酸、低級アルキル、または標準アミノ酸の側鎖であり;そして
10は、標準アミノ酸のアミノ酸である。]
のうちの1つを有する。〕
を有する。
【0026】
上記の式(a)において、下記の用語は下記の意味を有する:
孤立電子対@は、レセプター−リガンド(例えば、酵素−インヒビター)複合体において重要な相互作用を有し得る非共有電子対(別の原子への実際の化学的共有結合には関与しない)を意味する。
アルキル@は、1〜25個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖のアルキルを意味する。低級アルキル@は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖のアルキルを意味する。これらの語の両方は、RおよびS異性体を含む。
環状アルケン@は、1〜3個の環を含む構造を意味し、それぞれの環は5〜6個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含む。1、2、または3つ全ての環が、芳香族であってもよい。
ヘテロ環状アルケン@は、少なくとも1つの環が1またはそれ以上のS、N、またはO原子を含む、上で定義した環状アルケンを意味する。
標準アミノ酸@は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ホモセリン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンである。DおよびLの両方の異性体が使用され得る。これらのアミノ酸の側鎖は周知であり、そしてNH−CH−COOH骨格に結合したアミノ酸の部分である。例えば、アラニンの側鎖はCHであり、アスパラギンの側鎖はCHCONHである。
【0027】
局所的抗真菌活性のためのこれらの化合物の最も有用なものは、最も水溶性のものである。
【0028】
フェニルボロン酸は、以前から、ジオール、糖、およびヌクレオチドとの複合体形成のために(Singhal et al., Advances on Chromatography 31:293-335, Marcel Dekker, NY, 1990)またはSuzukiエーテル合成のための合成試薬として(Theil, Angew. Chem,. Int. Ed. 38:2345-2347 1999)使用されている、商品として入手可能な合成有機化合物である。フェニルボロン酸は、一連のプロテアーゼおよびラクタマーゼに対して阻害活性を有する(Philipp et al; Proceedings of the Natl. Acad. Sci. USA, 68:1971, (1976))。フェニルボロン酸(PBA)は、水ならびにいくつかの有機溶媒中に適度に溶ける。その誘導体の多くも、また、水溶性である。その毒性についてのデータは不完全である。PBAは、飲み込んだ場合に有害であると考えられている(ORL−RAT LD50:740mg/kg)。
【0029】
本発明のフェニルボロン酸のさらなる合成方法は、Shoichetら、米国特許第6,184,363号において提供され、その全ての内容を本明細書の一部とする。
【0030】
水溶性PBAまたはそれらの誘導体は、緩衝溶液、ローション、または軟膏の形態で局所的に投与される。該化合物は、広いpH範囲で有効であるが、約6.0〜約9.0のpHが好ましい。一般に、該化合物は、治癒するまで1日1回局所的に適用される。
【0031】
インビトロ試験が、PBAおよびそれらの水溶性誘導体の殺真菌または静真菌活性を試験するためにデザインされた。トリコフィトン・ルブルム(T. rubrum)の培養菌を、標準96ウェルプレート中の100マイクロリットルSDB寒天上で増殖させた。約24時間の第一増殖期(initial growth period)の後に、各ウェルを50〜100マイクロリットルの試験試薬で処理した。洗浄を伴うまたは伴わない適当なインキュベーション期間の後に、残余生存度を、適当な対照との比較、続いて所望により回収および増殖のために新鮮なウェルへと処理培養物の一部を移すことによる生存度試験の二次的な確認から見積られる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図は、本アッセイの結果を示す。写真は、処理の4日後に撮影された。処置の8日後に撮影された写真は、非常に類似していた。
【0033】
図示したトリコフィトン・ルブルム(T. rubrum)に対するPBAおよび誘導体の効果は、次のとおりである:
A:対照、処置なし
B:5mg/ml PBA
C:5mg/mk 3−アミノ PBA
D:3mg/ml 3−ニトロ PBA
E:5mg/ml ペンタフルオロ−PBA
F〜H:対照、処置なし。
【0034】
PBAが、試験された5〜10mg/mlの濃度範囲内でトリコフィトン・ルブルム(T. rubrum)に対して殺真菌効果を示すことが、上から容易に分かる。これらの溶液は、また、カンジダ・パラプシローシス(C. parapsilosis)に対しても、5mg/mlにて静真菌効果、および10mg/mlにて殺真菌効果を示した。さらに、約5〜10mg/mlの溶液は、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)に対して抗菌活性を有する。
【0035】
PBAの3つの水溶性誘導体も試験された。これらの水溶性誘導体は、類似した活性を示した。
【0036】
全ての記録された効果は、広いpH範囲内で有効であった。
【0037】
下記の表は、種々の細菌および真菌に対する、種々の濃度のPBAおよびそれらの3つの誘導体、すなわち3−ニトロ PBA、3−アミノ PBA、およびペンタフルオロ PBAの殺真菌性および阻害効果を示す。これらの化合物はサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharmoyces cerevisiae)に対して殺真菌性または阻害性のいずれでもないことに注意すべきである。本発明の薬理学的活性化合物は、患者、例えば、ヒトを含む哺乳動物への投与のための薬剤を製造するための慣用的製薬法にしたがって製造され得る。例えば、式(I)の化合物は、慣用的賦形剤、例えば活性化合物と有害に反応しない局所投与に適した薬学的に許容される担体物質と混合して使用され得る。
【表1】
Figure 2004536135
【0038】
薬学的に許容される適当な担体には、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、オリーブ油、ココナッツ油)、魚肝油、ポリソルベート80のような油状エステル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロースまたはデンプン)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、珪酸、粘性パラフィン、脂肪酸モノグリセライドおよびジグリセライド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0039】
医薬調製物は滅菌され得、そして、所望により助剤、例えば、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、および/または1もしくはそれ以上の活性化合物、例えば、他の抗真菌剤などと混合され得る。
【0040】
ヒトおよび他の動物を処置するために、該組成物は局所的に投与される。植物を処置するために、該組成物は、植物の葉に、種に、または植物が成長しているかまたは植えられている他の媒体に、製剤されるか、または製剤されずに直接適用され得る。それらはクリームまたはペースト製剤としてスプレーされるか、散布されるかまたは適用され得るか;あるいはそれらは蒸気としてまたは放出制御顆粒として適用され得る。
【0041】
葉、幹、枝または根を含む植物の任意の部分に、または根の周囲の土に、または植えられる前の種に;または土全般に、または水耕栽培システムに適用され得る。本発明の化合物は、また、植物に注入されるか、または電気力学スプレー技術もしくは他の低容量法を用いて草木にスプレーされ得る。
【0042】
本明細書において使用される「植物」なる用語には、苗、低木および高木が含まれる。さらに、本発明の殺真菌法には、防止的(preventative)、保護的、予防的(prophylactic)および根治的処置が含まれる。
【0043】
化合物は、好ましくは、組成物の形態で農業および園芸目的で使用される。任意の例において使用される組成物のタイプは、想定される特定の目的に依存する。
【0044】
組成物は、活性成分(本発明化合物)および固体希釈剤または担体、例えばカオリン、ベントナイト、珪藻土(kieselguhr)、ドロマイト、炭酸カルシウム、タルク、粉末マグネシウム、フラー土、石膏、珪藻土(diatomaceous earth)および陶土のような増量剤を含んでなる散布可能な粉末または顆粒の形態であり得る。かかる顆粒は、さらなる処理なしに、土への適用に適した予備成形顆粒であり得る。これらの顆粒は、増量剤のペレットを活性成分で浸漬することにより、または活性成分および粉末増量剤の混合物をペレット化することにより製造され得る。種を処理するための組成物は、種への組成物の付着を助けるための剤(例えば鉱物油)を含み得;代わって、活性成分は、有機溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールまたはジメチルホルムアミド)を用いて、種を処理する目的で製剤化され得る。該組成物は、また、液体中での分散を容易にするための湿潤剤または分散剤を含んでなる、湿潤可能な粉末または水中分散可能な顆粒の形態であり得る。該粉末および顆粒は、また、増量剤および懸濁化剤を含有し得る。
【0045】
ほとんど不溶性の固体の懸濁液濃縮物(suspension concentrate)は、分散剤、および固体の沈降を防ぐための懸濁化剤とともに、ボールミル粉砕またはビーズミル粉砕により製造され得る。
【0046】
スプレー剤として使用される組成物は、該製剤が、プロペラント、例えば、フルオロトリクロロメタンまたはジクロロジフルオロメタンの存在する圧力下で容器中に保持された、エアロゾルの形態であり得る。
【0047】
本発明の化合物は、乾燥状態で燻蒸用混合物(pyrotechnic mixture)と混合されて、密閉空間中に該化合物を含むスモーク(smoke)を発生させるのに適した組成物を形成し得る。代わって、該化合物は、マイクロカプセル形態で使用され得る。
【0048】
それらは、また、活性物質のゆっくりとした、制御された放出を得るために、生物分解性のポリマー製剤に製剤化されてもよい。
【0049】
適当な添加剤、例えば処置表面での、分散、付着力および雨に対する抵抗性を改善するための添加剤を入れることによって、種々の組成物が、さまざまな用途によりよく適用され得る。投与される量は、レシピエントの年齢、健康および体重、もしあれば、併用処置の性質、ならびに所望の効果の性質に依存する。
【0050】
本発明の範囲内の組成物には、活性成分がその意図された目的を達成するのに有効な量で含有される全ての組成物が含まれる。個々の要求量は変動するが、個々の化合物の有効量の最適範囲の決定は、当業者の技量の範囲内である。
【0051】
本発明の活性成分を投与するための医薬組成物は、好ましくは、薬理学的活性化合物に加えて、薬学的に使用され得る調製物への活性化合物の処理を容易にする賦形剤および助剤を含んでなる薬学的に許容される適当な担体を含有する。好ましくは、該調製物は、賦形剤とともに、約0.01〜約99重量パーセント、好ましくは約20〜75重量パーセントの活性化合物(複数も可)を含有する。本発明の目的のために、特記しない限り、全てのパーセントは重量パーセントである。下記の医薬組成物に加えて、本発明の化合物は、包接化合物、例えばシクロデキストリン包接化合物として製剤化され得る。
【0052】
薬学的に許容される担体には、当業者に周知であり、そして容易に入手可能なビヒクル、アジュバント、賦形剤、または希釈剤が含まれる。好ましくは、薬学的に許容される担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であり、そして使用条件下で有害な副作用または毒性を有していないものである。
【0053】
担体の選択は、部分的には、特定の活性成分により、ならびに組成物を投与するのに使用される特定の方法により決定される。したがって、本発明の医薬組成物の、広い多様性の適当な製剤が存在する。一般に、製剤は局所または粘膜投与のために調製される。
【0054】
当分野においてよく知られているかなり多数のアッセイは、殺真菌性と疑われる特定の化合物が使用可能であるかどうかを試験するために使用され得る。これらのアッセイは慣用的であり、そして過度の実験なしに、当業者により本発明の化合物に容易に適用され得る。植物に対する殺真菌活性のアッセイの例は、Wagnerら、米国特許第6,262,091号、およびSchelbergerら、米国特許第6,258,801号において見出され得、これらの全ての内容を、引用により本明細書の一部とする。皮膚感染に対する殺真菌活性についてのアッセイの例は、Couryら、米国特許第6,261,544号において見出され得、その全ての内容を、引用により本明細書の一部とする。
【0055】
投与されるべきPBAまたはその誘導体の投与量の決定において、投与量および投与頻度は、特定の活性成分の薬理学的特性に関連して選択される。通常、少なくとも3つの投与レベルが使用されるべきである。一般に、毒性研究において、最高用量は毒性レベルに達するが、該グループにおけるたいていの動物にとって致死未満量である。可能な場合には、最小用量は、生物学的に証明可能な効果を誘発すべきである。これらの研究は、選択された個々の化合物について、並行して行われるべきである。
【0056】
適当かつ推定可能な安全投与レベルが上で概説したように確立された場合、薬物の慢性毒性、生殖に対する影響、および突然変異誘発能力についての研究も、また、計算された適当な投与量の範囲が安全であることを保証するために、これらの危害に関してもまた、要求され得る。
【0057】
次いで、例えば活性成分および代謝産物の吸収、分布、生体内変換および排泄を明らかにする薬物動態学についての薬理学的動物試験が行われる。得られた結果を用いて、次いでヒトの薬理学についての研究がデザインされる。ヒトにおける該化合物の薬物動力学および薬物動態学の研究が、臨床的使用を意図した投与経路を用いて健康対象において行われるべきであり、そして患者において繰り返され得る。異なる用量が投与された場合、またはいくつかのタイプの複合物(conjugate)または複合物の組合せおよび遊離の化合物が投与された場合、用量−応答の関係が、用量−応答の関係、治療範囲、および最適の投与間隔を解明するために研究されるべきである。
【0058】
次いで、本発明の化合物は、該化合物の効果を現行の治療と比較するための臨床試験に用意される。治療効果および副作用に関する用量−応答関係が、この点についてさらに精細に確立され得る。
【0059】
任意の所定の患者に投与される本発明の化合物の量は、実験的に決定されなければならず、そして患者の状態に依存して異なる。最初は、比較的少量の活性成分が投与され、有害影響が見られなければ、徐々に投与量を増やす。もちろん、通常の動物毒性試験において決定される最大安全毒性用量を決して超過すべきではない。
【0060】
水性分散液またはエマルジョンとして使用するための組成物は、一般に、高い比率の活性成分を含有する濃縮物の形態で供給され、該濃縮物は使用前に水で希釈される。これらの濃縮物は、好ましくは、長期間の貯蔵に耐えられるべきであり、かかる貯蔵後に水で希釈して、慣用的スプレー装置により適用されるのに十分な時間均質のままである水性調製物を形成させることが可能である。該濃縮物は、簡便には、95重量%まで、典型的には10〜85重量%、および好ましくは25〜60重量%の活性成分を含有し得る。水性調製物を形成するための希釈後に、かかる調製物は、意図される目的に依存してさまざまな量の活性成分を含有し得るが、0.0005重量%または0.01重量%〜10重量%の活性成分を含有する水性調製物が使用され得る。
【0061】
本発明の組成物は、生物学的活性を有する他の化合物、例えば類似または相補的な殺真菌活性を有するか、または植物成長調節活性、除草活性もしくは殺虫活性を有するか、保湿剤、皮膚軟化剤などを含む皮膚もしくは爪の処置において使用され得る化合物を含有し得る。他の殺真菌剤は、本発明の化合物の殺真菌活性に対して相乗効果を有し得る。本発明の組成物に含まれ得る殺真菌化合物の例は、カルベンダジム、ベノミル、チオファネートメチル、チアベンダゾール、フベリダゾール、エトリダゾール、ジクロフルアニド、シモキサニル、オキサジキシル、オフレース(ofurace)、メタラキシル、フララキシル(furalaxyl)、4−クロロ−N−(シアノエトキシメチル)ベンズアミド、ベナラキシル(benalaxyl)、ホセチルアルミニウム、フェナリモル、イプロジオン、プロチオカルブ(prothiocarb)、プロシミドン、ビンクロゾリン、ペンコナゾール、ミクロブタニル、プロパモカルブ、ジコナゾール(diconazole)、ピラゾホス、エチリモール(ethirimol)、ジタリムホス(ditalimfos)、トリデモルフ(tridemorph)、トリホリン、ヌアリモル(nuarimol)、トリアズブチル(triazbutyl)、グアザチン、1,1'−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジンの三酢酸塩、ブチオベート(buthiobate)、プロピコナゾール、プロクロラズ、カルボキシン、オキシカルボキシン、メトフロキサム(methfuroxam)、ドデモルフ(dodemorph)、BAS 454、ブラストサイジンS、カスガマイシン、エディフェンホス、キタジンP、シクロヘキシミド、フサライド、プロベナゾール、ジチアノン、水酸化フェンチン(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)、テクナゼン、キントゼン、ジクロラン、オキシ塩化銅(copper oxychloride)、硫酸銅およびボルドー液(Bordeaux mixture)のような銅含有化合物、および有機水銀化合物である。本発明の化合物は、土、泥炭、または種子伝染病または土伝染病または葉真菌病に対する植物の保護のための発根培地と混合され得る。
【0062】
フェニルボロン酸の誘導体には、例えば、下記の式:
【化6】
Figure 2004536135
〔式中、R、R、R、R、およびRは、個別的に、水素、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、アミノ、メタンスルホニル、メトキシカルボニル、置換または非置換低級アルキル(C〜C炭素原子)、置換または非置換低級アルコキシ(C〜C炭素原子)、置換または非置換アリール(C〜C12炭素原子)、置換または非置換アリールオキシ(C〜C12炭素原子)、シアノ、シクロアルキルからなる群から選択される。〕
を有する化合物が含まれる。
【0063】
本発明において使用され得るフェニルボロン酸の非限定的な例は、2,6−ジクロロフェニルボロン酸、2−(4−ジヒドロキシボラン)フェニルカルボキシルキノリン、4−(メタンスルホニル)フェニルボロン酸;4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、4−フェノキシフェニルボロン酸、3−アセチルフェニルボロン酸;ベンゾチオフェン−2−ボロン酸、ビフェニル−3−ボロン酸、2,4,ビス(ベンジルオキシ)ピリミジン−5−ボロン酸、1,5,ビス(ヘキシル)1,4−ベンゼンビス(ボロン酸)、4−ブロモメチルフェニルボロン酸、4−ブロモフェニルボロン酸、4−ブロモフェニルボロン酸、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロール−2−ボロン酸、3−カルボキシフェニルボロン酸、4−カルボキシフェニルボロン酸、5−クロロ−2−メトキシフェニルボロン酸、2−クロロフェニルボロン酸、3−クロロフェニルボロン酸、4−クロロフェニルボロン酸、5−クロロチオフェン−2−ボロン酸、3−シアノフェニルボロン酸、4−シアノフェニルボロン酸、2,5,−ジクロロフェニルボロン酸、2,4−ジフルオロベンゼンボロン酸、2,6−ジフルオロフェニルボロン酸、2,4−ジメトキシベンゼンボロン酸、2,5−ジメトキシフェニルボロン酸、2,6−ジメトキシフェニルボロン酸、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸、2,4−ジメトキシピリミジン−5−ボロン酸、2−フルオロフェニルボロン酸、4−フルオロフェニルボロン酸、2−ホルミルフェニルボロン酸、3−ホルミルフェニルボロン酸、4−ホルミルフェニルボロン酸、4−ヨードフェニルボロン酸、4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、2−メトキシ−5−ホルミルフェニルボロン酸、4−メトキシ−2−ホルミルフェニルボロン酸、5−メトキシ−2−ホルミルフェニルボロン酸、2−メトキシフェニルボロン酸、3−メトキシフェニルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、2−メトキシ−5−ピリジンボロン酸、2−メトキシ−5−ピリジンボロン酸 ジメチルエステル、3,4−メチレンジオキシフェニルボロン酸、4−(メタンスルホニル)フェニルボロン酸、4−メチルチオフェン−2−ボロン酸、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸、ナフタレン−1−ボロン酸、ナフタレン−2−ボロン酸 97+%、フェノキサチイン−4−ボロン酸、4−フェノキシフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、ピリジン−3−ボロン酸、8−キノリン ボロン酸、チアントレン−1−ボロン酸、4−チオアニソールボロン酸、チオフェン−2−ボロン酸、チオフェン−3−ボロン酸、2−トリルボロン酸 97%、3−トリルボロン酸、4−トリルボロン酸 97%、2,4,6−トリクロロフェニルボロン酸、2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸、4−(トリメチルアンモニウム)メチルフェニルボロン酸 臭化物塩、および2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸が含まれる。
【0064】
ヒトの真菌感染処置するために、フェニルボロン酸誘導体または関連化合物を、化粧用または治療用ビヒクル中に分散させる。例えば、局所化粧用組成物は、香粧学的に許容されるビヒクル中に有効量の活性化合物および化粧用剤を含む。皮膚または爪に適用された場合、PBA化合物の必要量は、投与の種類、望まれる効果の持続時間、皮膚の上層へと浸透するのに必要とされる任意の補償(compensation)、または表皮剥離(abrasion)および皮膚の脱落(shedding)の程度に依存する。PBA化合物は、製剤の使用に依存して、約0.1重量%〜約100重量%の範囲の量で、全体的な製剤中に存在する。たいていの使用において、約1%〜約80%の範囲が好ましく、そして約2%〜約50%の範囲が最も好ましい。好ましくは、皮膚または爪に適用された場合の製剤のpHは、感染した皮膚または爪に対する刺激を減少させるために、約4.0〜約9.0の範囲である。
【0065】
薬学的または香粧学的に許容されるビヒクルには、粉末、ローション、ゲル、スプレー、スティック、クリーム、軟膏、液剤、エマルジョン、フォームまたはエアロゾルが含まれ得る。活性PBA化合物は、溶解形態またはコロイド形態で、液体中に組み込まれ得る。該液体は、溶媒、部分溶媒(partial solvent)、または非溶媒であり得る。活性PBA化合物は水溶性であるので、水が好適な溶媒である。
【0066】
代わって、PBA化合物は粉末として適用され得る。それは、湿気のある皮膚または爪に乾燥粉末として、あるいは乾燥した皮膚または爪にウエットタイプの粉末として適用され得る。好ましくは、得られるペーストまたは溶液が乾燥して、本質的に目に見えない皮膚または爪のコーティングを形成することができる。
【0067】
該組成物には、適当な希釈で、活性成分が感染した皮膚または爪領域に送達されることを可能にする任意の固体、半固体または液体の、香粧学的および/または薬学的に許容されるビヒクルが含まれ得る。ビヒクルの性質は、組成物の局所投与のために選択される方法に依存する。ビヒクル自体は不活性であり得るか、またはそれ自体生理学的または薬学的利点を有し得る。ビヒクルの選択は、組成物の要求される製品形態に依存する。
【0068】
化粧用剤の例には、皮膚軟化剤、湿潤剤、着色剤、顔料、香料、保湿剤、粘度調整剤、および他の任意の慣用的化粧品形成剤が含まれる。1またはそれ以上の化粧用剤が化粧組成物中に含まれ得る。化粧組成物の形態は、粉末、ローション、ゲル、スプレー、スティック、クリーム、軟膏、液体、エマルジョン、フォーム、またはエアロゾルであり得る。かかる材料のリスト、ならびに特定のタイプのローション、クリーム、日焼け止め、リップスティック、および他のこのような形態の創作のための処方は、特許文献、市販の手引書において広く入手可能であり、そして該活性成分を組み込むためのかかる組成の調製において、当業者により使用され得る。
【0069】
製剤中に含まれ得るさらなる添加剤は、Couryら、米国特許第6,261,544号において記載されており、その全ての内容を、引用により本明細書の一部とする。
【0070】
特定の実施態様におけるさらなる記載は本発明の一般的性質を十分に明らかにしているので、他の者は、現在の知識を当てはめることにより、一般的なコンセプトから離れることなくさまざまな応用に、かかる特定の実施態様を容易に修飾および/または適用することができ、したがって、かかる適用および修飾は、開示された実施態様の均等物の意義および範囲内であると理解されるべきであり、かつそのように理解されることが意図されている。本明細書において使用される語法または術語は、説明を目的とするものであって、限定を目的とするものではないと理解されるべきである。
【0071】
【表2】
Figure 2004536135

Claims (7)

  1. 真菌感染に苦しむ動物または植物に有効量のフェニルボロン酸またはその水溶性誘導体を投与することを含んでなる、真菌感染の処置方法。
  2. 真菌感染がトリコフィトン・ルブルム、カンジダ・パラプシローシス、ボトリチス・シネレア、およびコクリオボールス・ヘテロストロフスからなる群から選択される真菌の感染に由来する、請求項1に記載の方法。
  3. フェニルボロン酸またはその水溶性誘導体が局所的に投与される、請求項1に記載の方法。
  4. フェニルボロン酸の誘導体が、式:
    Figure 2004536135
    〔式中、R、R、R、R、およびRは、個別的に、水素、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、アミノ、メタンスルホニル、メトキシカルボニル、置換または非置換低級アルキル(C〜C炭素原子)、置換または非置換低級アルコキシ(C〜C炭素原子)、置換または非置換アリール(C〜C12炭素原子)、置換または非置換アリールオキシ(C〜C12炭素原子)、シアノ、シクロアルキルからなる群から選択される。〕
    で示される化合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. フェニルボロン酸の誘導体が3−ニトロフェニルボロン酸、3−アミノフェニルボロン酸、およびペンタフルオロボロン酸からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  6. 真菌感染が爪真菌症である、請求項1に記載の方法。
  7. 真菌感染の処置方法であって、真菌感染に苦しむ植物または動物に、式:
    (OH)−B−R
    〔式中、
    Rは、置換または非置換フェニル、ナフタレン、またはフェナントレンであるか、あるいは下記の式:
    Figure 2004536135
    Figure 2004536135
    Figure 2004536135
    Figure 2004536135
    [式中、
    環系(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(13)もしくは(14)は、芳香族または非芳香族であり;
    原子中心*は、キラル化合物の場合において(R)または(S)であり;
    位置1、2、3、4、5、6、7および8は、それぞれ独立してC、N、OまたはSであり;
    〜Rは、それぞれ独立して孤立電子対、H、B(OH)、ハロゲン原子、CF、CHCF、CCl、CHCCl、CBr、CHCBr、NO、低級アルキル、COH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、SOH、POH、OSOH、OPOH、OH、NH、CONH、COCH、OCH、またはフェニルボロン酸であり、
    は、H、CF、CCl、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、COCH、OCH、低級アルキル、環状アルケン、1もしくはそれ以上の置換基Rで置換された環状アルケン、ヘテロ環状アルケン、または1もしくはそれ以上の置換基Rで置換されたヘテロ環状アルケンであり;
    それぞれのRは、独立して、H、B(OH)、ハロゲン原子、CF、CCL、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、低級アルキル、OH、NH、N(CH)、N(CH)CHCH、NHCOCH、COOH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、COCH、OCH、フェニルボロン酸、CONH、CONHCHCOOH、CONHCHCONH、CONHCHCONHCH10、SONH、SONHCHCOOH、SONHCHCONH、またはSONHCHCONHCH10であり;
    Xは、O、NH、NCHまたは
    Figure 2004536135
    であり;
    Yは、OH、NH、NCH、N(CH)、NHCOCHまたはNHCOCHCOOHであり;
    は、H、ハロゲン原子、CH、CCl、CBr、CHCF、CHCCl、CHCBr、NO、COH、CHCHCOOH、CHCHCHCOOH、SOH、POH、OSOH、OPOH、OH、NH、CONH、COCH、OCH、フェニルボロン酸、低級アルキル、または標準アミノ酸の側鎖であり;そして
    10は、標準アミノ酸のアミノ酸である。]
    のうちの1つを有する。〕
    の化合物から選択される有効量の化合物を投与することを含んでなる方法。
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