JP2002308701A - いもち病防除剤組成物及び製剤 - Google Patents
いもち病防除剤組成物及び製剤Info
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Abstract
効な殺菌剤の治療及び予防効果を飛躍的に増大させ、防
除剤の投与が菌の侵入直後でなくても、いもち病の治療
効果を発揮する適用期間の長い防除剤組成物及び製剤を
提供することを目的とする。 【解決手段】 いもち病予防効果を有する予防殺
菌剤と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有するいも
ち病防除剤組成物及び製剤。いもち病治療効果を有する
治療殺菌剤と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有す
るいもち病防除剤組成物及び製剤。いもち病予防効果を
有する予防殺菌剤と、いもち病治療効果を有する治療殺
菌剤と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有するいも
ち病防除剤組成物及び製剤。
Description
成物及び製剤に関し、さらに詳しくは、葉いもち病及び
穂いもち病のいずれにも優れた予防効果及び治療効果を
持続的に発揮することができ、したがって少ない散布回
数で長期間にわたっていもち病罹患を防止することので
きるいもち病防除剤組成物及び製剤に関する。
もち病はピリキュラリア オリゼという糸状菌が原因で
あり、糸状菌の胞子が飛散して稲の葉や穂に付着する
と、稲の中に侵入し、菌糸を伸ばして毒を出し、ついに
は稲の細胞を殺してしまう。罹病した稲は生育が遅れた
り、上米率が低下したり、茶米や死米が増加する。いも
ち病の防除時期は、葉いもち病対象の生育期中期と、穂
いもち病対象の生育期後期に二分されている。現状とし
ては育苗時に防除剤を施用することにより、葉いもち病
を防除することができるが、穂いもち病までは防除する
ことができない。したがって、穂いもち病を防除するた
めに本田施用剤を散布している。
は、さまざまな分類方法があるが、その効果から、予防
的効果を持つ殺菌剤と治療的効果を持つ殺菌剤とに分類
することができる。予防的効果を持つ殺菌剤は、例えば
作物体の表面に付着して病原菌が作物体内へ侵入するこ
とを防ぎ、治療的効果を持つ殺菌剤は、例えば病原菌が
感染した後でも直接的な接触によって菌を殺滅する。従
来の予防的効果を持つ殺菌剤は、その有効期間が短いの
で散布を繰り返す必要があり、できるだけ予防効果の長
い防除剤が望まれている。また治療的効果を有する殺菌
剤が効果的に作用するのは菌の侵入直後に限られてお
り、散布時期が遅れると本来の治療的効果が得られない
ので、菌が侵入直後でなくとも治療効果のある防除剤が
望まれている。現状においては、予防的効果を持つ殺菌
剤と治療的効果を持つ殺菌剤と混合させて、少なくとも
いずれかの殺菌剤を有効に作用させることが主流となっ
ている。しかし、治療的効果を持つ殺菌剤には、散布時
期が遅れると本来の治療的効果が得られないという欠点
があり、いもち病の発生状況にもよるが、いもち病の防
除を確実に行うために穂孕期から穂揃期にかけて時期を
ずらして2度3度と頻繁に防除剤を散布するのが標準と
なっている。
により防除剤散布の時期を遅らせることができないとい
う欠点や防除剤の散布回数がかさみ、稲作者にとって散
布の負担が大きいという欠点がある。また繰り返して防
除剤を散布するので、防除剤の費用も余計にかかるとい
う問題があった。さらに、繰り返し農薬を散布すること
により環境へ与える負荷も大きくなる。したがって、で
きるだけ少ない散布回数で済み、いもち病に対する高い
治療効果及び殺菌効果が発揮される防除剤の開発が望ま
れる。
課題を解決することを目的とする。すなわち本発明は、
葉いもち病及び穂いもち病のいずれに対しても従来より
も優れた予防効果を持つ防除剤及び製剤を提供すること
を目的とする。また本発明は、葉いもち病及び穂いもち
病のいずれに対しても従来よりも優れた治療効果を持つ
防除剤及び製剤を提供することを目的とする。また本発
明は、葉いもち病及び穂いもち病のいずれの予防効果及
び治療効果も高く、防除剤の投与が菌の侵入直後でなく
ても、いもち病の治療効果を発揮する適用期間の長い防
除剤組成物及び製剤を提供することを目的とする。
の手段である本発明は、(1)いもち病予防効果を有す
る予防殺菌剤と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有
することを特徴とするいもち病防除剤組成物であり、
(2)いもち病治療効果を有する治療殺菌剤と、中鎖脂
肪酸トリグリセライドとを含有することを特徴とするい
もち病防除剤組成物であり、(3)いもち病予防効果を
有する予防殺菌剤と、いもち病治療効果を有する治療殺
菌剤と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有すること
を特徴とするいもち病防除剤組成物であり、(4)
(1)又は(3)のいもち病防除剤組成物において、前
記予防殺菌剤がフサライド、トリシクラゾール、カルプ
ロパミド、及びジクロメットよりなる群から選択される
少なくとも一種であり、(5)(2)又は(3)のいも
ち病防除剤組成物において、前記治療殺菌剤がベンゾイ
ミダゾール系化合物、メトキシアクリレート化合物、抗
生物質、有機リン系化合物、フェリムゾン、及びイソプ
ロチオランよりなる群から選択することができる少なく
とも一つであり、(6)(5)のいもち病防除剤組成物
において、前記ベンゾイミダゾール系化合物がベノミ
ル、チオファネートメチル、及びチアベンダゾールより
なる群から選択される少なくとも一種であり、前記メト
キシアクリレート系化合物がアゾキシストロビン及びク
レソキシムメチルよりなる群から選択される少なくとも
一種であり、(7)(1)〜(6)のいもち病防除剤組
成物において、前記中鎖脂肪酸トリグリセライドが、炭
素数8のカプリル酸トリグリセライド及び/又は炭素数
10のカプリン酸トリグリセライドであり、(8)
(1)〜(7)のいずれか一項に記載のいもち病防除剤
組成物を含有することを特徴とする製剤である。
物は、予防的効果を有する殺菌剤(予防殺菌剤と称す
る。)と中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有する。ま
た他のいもち病防除剤組成物は、治療的効果を有する殺
菌剤(治療殺菌剤と称する。)と中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドとを含有する。さらに別のいもち病防除剤組成物
は、予防効果を有する殺菌剤(予防殺菌剤と称する。)
と治療効果を有する殺菌剤(治療殺菌剤と称する。)と
中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有する。予防殺菌剤
だけでは、防除が充分ではなく、また治療殺菌剤だけで
は病原菌の感染から投与までの適用期間が短い。予防殺
菌剤と治療殺菌剤とを混合してなる混合殺菌剤は予防殺
菌剤と治療殺菌剤との相加効果を発揮するだけであり、
いもち病の病原菌がいつ稲に感染するか予測がつかない
のであるから、いもち病対策として頻繁に上記混合殺菌
剤を稲に投与しなければならない状況に変わりがない。
トリグリセライドとを混合することにより、従来の予防
殺菌剤よりも予防効果が向上した。また、治療殺菌剤と
中鎖脂肪酸トリグリセライドとを混合することにより、
従来の治療殺菌剤よりも治療効果の発揮される日数が延
び、治療効果の向上が認められた。さらに本発明におけ
るように予防殺菌剤及び治療殺菌剤に中鎖脂肪酸トリグ
リセライドを組み合わせると、予防効果がより一層長く
持続され、病原菌の感染から投与までの適用期間が延長
され、しかも治療効果が向上する。したがって、本発明
においては、単に予防殺菌剤及び治療殺菌剤を混用した
ときよりも遙かに大きな相乗効果が奏される。本発明の
いもち病防除剤組成物によると、少ない投与回数で、稲
がいもち病に罹患するのを長期間にわたって防止するこ
とができる。
ン合成阻害剤であるフラサイド、トリシクラゾール、カ
ルプロパミド、及びジクロメットを挙げることができ
る。
イミダゾール系化合物、メトキシアクリレート系化合
物、抗生物質、有機リン系化合物、フェリムゾン、及び
イソプロチオランを挙げることができる。
は、例えばベノミル、チオファネートメチル、及びチオ
アベンダゾールを例示することができる。
は、例えばアゾキストロビン及びクレソキシムメチルを
例示することができる。
イシン、プラストサイジンSを挙げることができる。
EDDP、IBPを挙げることができる。
れを単独で使用することもできるし、いずれかを混合し
て使用することもできる。
ることもできるし、またその二種以上を併用することも
できる。前記治療殺菌剤はその一種を単独で使用するこ
ともできるし、またその二種以上を併用することもでき
る。上記殺菌剤の剤型は例えば、水和剤、フロアブル
剤、ドライフロアブル剤、乳剤、及び液剤で用いること
ができる。使用する予防殺菌剤及び治療殺菌剤の有効成
分量及び濃度について特に制限はなく、各殺菌剤ごとに
適宜に選択することができるのであるが、通常、予防殺
菌剤については、その濃度が25〜200ppmとなる
ように、好ましくは100〜200ppmとなるよう
に、いもち病防除剤中の含有量が決定される。また治療
殺菌剤についても、その濃度が50〜300ppmとな
るように、好ましくは100〜300ppmとなるよう
に、いもち病防除剤中の含有量が決定される。
油より直接精製して得られる天然物と、ヤシ油やパーム
油より抽出された脂肪酸より工業的に合成された合成物
とがある。食品油脂、医療用製品、化粧品の添加剤とし
て広く利用されている。またその化学構造中に2重結合
を有していないので一般の植物油に比べて酸化しにくい
特長を有する。一般に広く使用されている中鎖脂肪酸ト
リグリセライドはグリセリン1分子に炭素数7〜11の
中鎖脂肪酸3分子とが結合した次式の構造を有する。
式中の3個のnは同一であっても相違していても良い。
は、例えば、脂肪酸の炭素数が8のカプリル酸トリグリ
セライド及び脂肪酸の炭素数が10のカプリン酸トリグ
リセライドを挙げることができる。これらの中鎖脂肪酸
トリグリセライドは単独で使用してもよいし、2種以上
を混合して使用してもよい。中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドは、前記予防殺菌剤及び治療殺菌剤それぞれ、又はそ
れらの混合物に水和剤、フロアブル剤、ドライフロアブ
ル剤、乳剤、及び液剤の形で加用することができる。防
除剤組成物中に含有される中鎖脂肪酸トリグリセライド
の量について特に制限はないが、その濃度が250〜1
000ppmの範囲内、さらには500〜1000pp
mの範囲内になるように、適宜に決定される。前記範囲
にあると優れた防除効果が得られる。
造方法に特に限定があるわけではなく、前記予防殺菌剤
及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを適当な混合装置を用
いて、また、前記治療殺菌剤及び中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドを適当な混合装置を用いて、さらに前記予防殺菌
剤、治療殺菌剤、及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを適
当な混合装置を用いて、混合することによって得ること
ができる。また、このいもち病防除剤組成物は、噴霧等
の適宜の方法により、稲に投与することができる。
薬剤とした。また、実施例では、薬剤単独の場合と、薬
剤と脂肪酸トリグリセライドとを加用した場合とを示し
てある。脂肪酸トリグリセライドとして、カプリル酸ト
リグリセライドとカプリン酸トリグリセライドとの混合
物であるサンクリスタル乳剤(商品名、カプリル酸トリ
グリセライド:カプリン酸トリグリセライド=3:7、
90%)を用い、薬液全体量に対して500ppmとな
るように加用した。フェリムゾン水和剤及びサンクリス
タル乳剤は、原体より試作し、それ以外の薬剤は市販の
製剤を用いた。
粒播種した3葉期のコシヒカリ幼苗を用いた。罹病稲よ
り採取した分生胞子懸濁液(胞子数:1.0×104個
/ml)を試験体に噴霧接種し、20℃で48時間、湿
室状態に保った。湿室から取り出して風乾させた試験体
に、前記供試薬剤をそれぞれ散布し、20〜25℃のガ
ラスハウスで5日間栽培した後、試験体の最上位展開葉
の病斑数を調査した。
500ppmのみを含む供試薬剤、供試薬剤を散布しな
い場合について前記実施例と同様に試験を行った。
り求めた。
た。 −:症状なし ±:軽微な症状がみられる。 +:明らかな症状がみられる。 ++:激しい症状がみられる。
間隔を設けたので、脂肪酸トリグリセライドを加用して
いない場合は、どれも治療効果が低くなった。一方、脂
肪酸トリグリセライドを加用した場合は、治療効果の増
強が認められた。中でも、ベノミル、アゾキシストロビ
ン、フェリムゾン、チオファネートメチル、及びクレソ
キシムメチルにおいて顕著な治療効果の増強が認められ
た。また、チアベンダゾール、カスガマイシン、ブラス
トサイジンS、EDDP、IBP、及びイソプロチオラ
ンにおいても、治療効果の増強が認められた。このこと
から、治療殺菌剤に脂肪酸トリグリセライド加用するこ
とによって、いもち病の治療効果が発揮される適用期間
が、従来の菌の侵入直後から2日に延長された。
ファネートメチル水和剤は、有効成分70%の市販のも
のを用い、サンクリスタルは、有効成分90%の試作の
乳剤を用いた。比較例3として、チオファネートメチル
水和剤350ppmのみを、比較例4として、サンクリ
スタル乳剤1000ppmのみを用意した。
粒播種した3葉期のコシヒカリ幼苗を用いた。罹病稲よ
り採取した分生胞子懸濁液(胞子数:1.0×104個
/ml)を試験体に噴霧接種し、20℃で24時間湿室
状態に保った。接種終了から上記薬剤の散布までの期間
を当日〜3日後まで変化させて治療効果の比較を実施し
た。接種終了後、20〜25℃のガラスハウスで10日
間栽培した後、試験体の次葉(接種時最上位展開葉)の
病斑数を調査した。また比較例5として、薬剤を散布し
ない場合について上記実施例と同様に試験を行った。
尚、表2における防除価及び薬害の程度の判断はいもち
病に対する治療効果試験(1)と同様に行った。
間隔を0〜3日間の範囲で変化させたが、脂肪酸トリグ
リセライドを加用していない場合は、いもち病菌の接種
から治療薬剤散布までの日数が長くなるに従い、急激に
治療効果が低下した。一方、各種治療殺菌剤に脂肪酸ト
リグリセライドを加用した場合は、いもち病菌の接種か
ら治療薬剤散布までの間隔が長くなっても、高い治療効
果が持続することが確認された。特にサンクリスタル5
00ppm以上加用する場合においては、接種後3日後
に薬剤散布したものであっても高い治療効果が持続され
た。治療殺菌剤に脂肪酸トリグリセライド加用すること
によって、いもち病の治療効果が発揮される適用期間
が、従来の菌の侵入直後から3日に延長された。
ついては、前記各製剤に脂肪酸トリグリセライドを加用
した供試薬剤を調製した。脂肪酸トリグリセライドとし
て、サンクリスタル乳剤を薬液全体量に対して500p
pmとなるように加用した。
粒播種した3葉期のコシヒカリ幼苗を用いた。試験体に
表3に示す供試薬剤を散布し、20〜25℃のガラスハ
ウスで24時間栽培した後に50mm/hの人工降雨処
理を実施し、風乾させた試験体に罹病稲より採取した分
生胞子懸濁液(胞子数:1.0×104個/ml)を噴
霧接種し、20℃で48時間湿室状態に保った。このコ
シヒカリ幼苗を湿室からガラスハウスに移動し、更に5
日間栽培後に最上位展開葉の病斑数を調査した。
布した場合、比較例7として、薬剤を散布しない場合に
ついて上記実施例と同様に試験を行った。
トは供試品、サンクリスタルは原体より試作し、それ以
外は市販の製剤を用いた。尚、表3における防除価及び
薬害の程度の判断は試験1と同様に行った。
場合は、いもち病菌の接種から7日間経過後、どれも予
防効果が低下した。一方、脂肪酸トリグリセライドを加
用している場合は、いずれも高い予防効果が持続され、
脂肪酸トリグリセライド加用による予防効果の増強が顕
著に認められた。
剤と、有効成分20%の市販のフサライドフロアブル剤
と、有効成分90%の原体より試作したサンクリスタル
乳剤とをそれぞれ表4に示す濃度となるように混合し、
実施例19〜21の供試薬剤を得た。前記チオファート
メチルフロアブル剤、フサライドフロアブル剤、サンク
リスタル乳剤それぞれを単独で表4に示す濃度に調製
し、比較例9〜11の供試薬剤とした。また前記チオフ
ァートメチルフロアブル剤と、フサライドフロアブル剤
とを表4に示す濃度に調製し、比較例8の供試薬剤とし
た。
シヒカリを用いた。罹病稲より採取した分生胞子懸濁液
(胞子数:1.0×104個/ml)を試料に噴霧接種
し、20℃で48時間湿室状態に保った。湿室から取り
出して風乾させた後に、表4に示す供試薬剤を試験体に
散布し、20〜25℃のガラスハウスで5日間栽培し
た。その後、50mm/hの人工降雨処理を実施し、試
験体を風乾させた後に、2回目の菌接種を前記と同様に
行い、さらに12日間ガラスハウスで栽培した後に穂の
発病度、防除価、薬害の有無を下記の基準にて調査し
た。また、薬液を散布しない無処理区についても同様に
穂の発病度、防除価について調査した。尚、供試稲は、
畑状態の1/5000ワグネルポットに20粒播種し、
出穂時期を同調させるために1株1茎仕立てにし、1区
3ポットずつ使用した。
下の式により求めた。また作物に対する薬害の程度は試
験1と同様の基準にて判断した。
と、予防殺菌剤であるフサライドと、中鎖脂肪酸トリグ
リセライドであるサンクリスタルとの3種を加用するこ
とにより、比較例8に示すチオファネートメチルと、フ
サライドとを混合した場合に比べて長期間にわたって防
除効果を有することが確認された。それぞれの単剤の場
合には、治療予防効果が低く、3種の薬剤を組み合わせ
ることにより高い相乗効果が得られることが認められ
た。中でも治療殺菌剤であるチオファネートメチルと、
予防殺菌剤であるフサライドとの有効成分濃度が等しい
場合に、特に優れた効果が認められた。
分20%の市販のトリシクラゾールフロアブル剤と、有
効成分90%の原体より試作したサンクリスタル乳剤と
をそれぞれ表5に示す濃度となるように混合し、実施例
22の供試薬剤を得た。前記フェリムゾン水和剤、トリ
シクラゾールフロアブル剤、サンクリスタル乳剤それぞ
れを単独で表5に示す濃度に調製し、比較例15〜17
の供試薬剤とした。またフェリムゾン水和剤と、トリシ
クラゾールフロアブル剤とを表5に示す濃度に調製し、
比較例13の供試薬剤とした。上記供試薬剤を用いて、
試験4と同様に試験を行い、穂の発病度、防除価、薬害
の有無を調査した。
菌剤であるトリシクラゾールと、中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドであるサンクリスタルとの組み合わせにおいても
3種を加用することにより、比較例13に示すフェリム
ゾンとトリシクラゾールとを混合した場合に比べて長期
間にわたって防除効果を有することが確認された。それ
ぞれの単剤の場合には、治療予防効果が低く、3種の薬
剤を組み合わせることにより高い相乗効果が得られるこ
とが認められた。
剤と、有効成分7.5%の市販のジクロシメットフロア
ブル剤と、有効成分90%の原体より試作したサンクリ
スタル乳剤とをそれぞれ表6に示す濃度となるように混
合し、実施例23の供試薬剤を得た。前記アゾキシスト
ロビンフロアブル剤、ジクロシメットフロアブル剤、サ
ンクリスタル乳剤それぞれを単独で表6に示す濃度に調
製し、比較例19〜21の供試薬剤とした。またアゾキ
シストロビンフロアブル剤と、ジクロシメットフロアブ
ル剤を表6に示す濃度に調製し、比較例18の供試薬剤
とした。上記供試薬剤を用いて、試験4と同様に試験を
行い、穂の発病度、防除価、薬害の有無を調査した。
予防殺菌剤であるジクロシメットと、中鎖脂肪酸トリグ
リセライドであるサンクリスタルとの組み合わせにおい
ても、3種を加用することにより、比較例13に示すア
ゾキシストロビンとジクロシメットとを混合した場合に
比べて長期間にわたって防除効果を有することが確認さ
れた。それぞれの単剤の場合には、治療予防効果が低
く、3種の薬剤を組み合わせることにより高い相乗効果
が得られることが認められた。
に比較することはできないが、試験1における実施例の
治療殺菌剤と中鎖脂肪酸トリグリセライドと2成分を含
む供試薬剤は、菌接種後5日間優れた治療効果を示し、
一方試験4、5、6における実施例の治療殺菌剤と予防
殺菌剤と中鎖脂肪酸トリグリセライドとの3成分を含む
供試薬剤は第1回目の菌接種後17日間優れた治療効果
を示しており、3成分を組み合わせることにより相乗的
に治療効果が増強されていると思われる。同様に、試験
3における実施例の予防殺菌剤と中鎖脂肪酸トリグリセ
ライドと2成分を含む供試薬剤は、供試薬剤散布後7日
間優れた予防効果を示し、一方試験4、5、6における
実施例の治療殺菌剤と予防殺菌剤と中鎖脂肪酸トリグリ
セライドとの3成分を含む供試薬剤は第2回目の菌接種
後12日間優れた予防効果を示しており、3成分を組み
合わせることにより相乗的に予防効果が増強されている
と思われる。
いもち病に対する治療効果が増強された防除剤組成物及
び製剤が提供される。また従来の防除剤に比べて葉いも
ち病及び稲いもち病に対する予防効果が増強された防除
剤組成物及び製剤が提供される。さらに従来の防除剤に
比べて治療効果及び予防効果が飛躍的に増強され,いも
ち病の防除効果を発揮する適用期間の長い防除剤組成物
及び製剤が提供される。これにより、防除剤の散布時期
の自由度が増すと共に散布回数の低減を図ることがで
き、稲作者の散布作業における負担の軽減が図られると
共に農薬の散布が環境へ与える負荷も軽減することがで
きる。
Claims (8)
- 【請求項1】 いもち病予防効果を有する予防殺菌剤
と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有することを特
徴とするいもち病防除剤組成物。 - 【請求項2】 いもち病治療効果を有する治療殺菌剤
と、中鎖脂肪酸トリグリセライドとを含有することを特
徴とするいもち病防除剤組成物。 - 【請求項3】 いもち病予防効果を有する予防殺菌剤
と、いもち病治療効果を有する治療殺菌剤と、中鎖脂肪
酸トリグリセライドとを含有することを特徴とするいも
ち病防除剤組成物。 - 【請求項4】 前記予防殺菌剤がフサライド、トリシク
ラゾール、カルプロパミド、及びジクロメットよりなる
群から選択される少なくとも一種であることを特徴とす
る請求項1又は3に記載のいもち病防除剤組成物。 - 【請求項5】 前記治療殺菌剤がベンゾイミダゾール系
化合物、メトキシアクリレート化合物、抗生物質、有機
リン系化合物、フェリムゾン、及びイソプロチオランよ
りなる群から選択することができる少なくとも一種であ
ることを特徴とする請求項2又は3に記載のいもち病防
除剤組成物。 - 【請求項6】 前記ベンゾイミダゾール系化合物がベノ
ミル、チオファネートメチル、及びチアベンダゾールよ
りなる群から選択される少なくとも一種であり、前記メ
トキシアクリレート系化合物がアゾキシストロビン及び
クレソキシムメチルよりなる群から選択される少なくと
も一種であることを特徴とする前記請求項5に記載のい
もち病防除剤組成物。 - 【請求項7】 前記中鎖脂肪酸トリグリセライドが、炭
素数8のカプリル酸トリグリセライド及び/又は炭素数
10のカプリン酸トリグリセライドであることを特徴と
する前記請求項1〜6のいずれか一項に記載のいもち病
防除剤組成物。 - 【請求項8】 前記請求項1〜7のいずれか一項に記載
のいもち病防除剤組成物を含有することを特徴とする製
剤。
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