JP2004535822A - I型糖尿病に関連するil−4受容体配列変異 - Google Patents

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Abstract

1型糖尿病についての危険性の個体の同定を促進する、IL4R遺伝子座で存在する配列変異体を決定するための方法及び試薬に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、免疫学及び分子生物学の分野に関する。より具体的には、それは、1型糖尿病に関連するIL4受容体遺伝子座におけるヌクレオチド配列を決定するための方法及び試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
関連文献の記載:
抗原に対する免疫学的応答は、サイトカイン(リンホカインとも記載される)分泌の機能的に明確なパターンを伴なって、CD4+Tヘルパー前駆体細胞(Th0)からTヘルパー1型(Th1)又はTヘルパー2型(Th2)エフェクター細胞への選択的分化を通して介在する。Th1細胞は、活性化に基づいて、インターロイキン2(IL−2)、IL−12、腫瘍壊死因子(TNF)、リンホトキシン(LT)及びインターフェロンγ(IFN−γ)を分泌し、そして主に、細胞介在免疫性、例えば遅延型過敏性を担当している。Th2細胞は、活性化に基づいて、Il-4, IL-5, IL-6, IL-9及びIL−13を分泌し、そして主に、細胞外防御機構を担当している。Th1及びTh2細胞の役割は、引用により本明細書に組込まれる、Peltz、1991, Immunological Reviews 123: 23-35において総説される。
【0003】
IL4及びIL13は、IgE−依存性炎症反応において中心的役割を演じる。IL4は、B細胞によるIgE抗体生成を誘発し、そしてさらに、Th2細胞への分化を促進し、そしてTh1細胞への分化を阻害することによって、Th1又はTh2エフェクター細胞へのTh0の分化における調節機能を提供する。IL13はまた、B細胞によるIgE抗体生成を誘発する。
【0004】
Il4及びIL13は、それぞれ、B及びT細胞の両者上に見出されるIL4受容体(IL4R)、及びB細胞上に見出されるIL13Rを通して作動する。ヒトIL4受容体(IL4R)は、IL4Rα鎖及びγc鎖を含んで成るヘテロダイマーである。IL4受容体のα−鎖はまた、IL13受容体のα−鎖として作用する。IL4は、IL4R α−鎖を通してIL4R及びILBRの両者は結合し、そしてB及びT細胞の両者を活性化することができ、そしてIL13は、IL13R α1鎖を通してIL13Rのみを結合し、そしてT細胞のみを活性化する。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、IL−4受容体(IL4R)内の配列変異体と1型糖尿病との間の新しく発見された関連性に関する。存在する対立遺伝子配列変異体の同定は、1型糖尿病のそれらの危険性に従って個体を特徴づけることを助ける情報を提供する。
IL4R遺伝子内のいくつかの単鎖ヌクレオチド多形現象は同定されており、そして下記表2に示される。数百万の配列変異体が表2におけるSNPから可能であるが、それらの可能な変異体のすべてが観察されているとは限らない。
【0006】
本発明の方法においては、IL4Rの遺伝子型が、特定のTh1−介在性疾患、特に1型糖尿病についての個体の危険性を評価するために有用な情報を提供するために決定される。1型糖尿病に統計学的に関連する少なくとも1つの対立遺伝子を有する個体は、1型糖尿病の危険性に寄与する因子を有する。IL4R対立遺伝子(配列変異体)の統計学的関連性は、例に示されている。
【0007】
IL4Rは免疫応答に関与する遺伝子の複合体システムの1つの成分にすぎないが、IL4R遺伝子座の効果は小さいことが予測される。他の因子、例えば個体のHLA遺伝子型は、いくつかの場合、IL4R遺伝子型の効果を隠すことができる優性効果を発揮することができる。例えば、特定のHLA遺伝子型は、1型糖尿病の傾向に対する主要効果を有することが知られている(Nobleなど., 1996, Am. J. Hum. Genet. 59: 1134-1148を参照のこと;これは引用により本明細書に組込まれる)。IL4R遺伝子型はたぶん、高められた又は低められた危険性のいずれも付与しないHLA遺伝子型を有する個体間で1型糖尿病に対する素因のインジケーターとしてより有益であろう。
【0008】
さらに、免疫系−関連の疾患に関連する他の遺伝子座での対立遺伝子頻度は集団間で異なり、そして従って、集団は免疫系−関連の疾患についての異なった危険性を示すので、IL4R遺伝子型の効果はいくつかの集団において異なった大きさのものであり得ることが予測される。IL4R遺伝子の寄与は単独では比較的マイナーであるが、IL4R遺伝子座での遺伝子型が、1型糖尿病に対する個体の素因の特徴づけのために有用である情報を提供するであろう。IL4R遺伝子型情報は、他の遺伝子座からの遺伝子型情報と組合される場合、特に有用である。
【0009】
本発明は、IL4R遺伝子型分類のための好ましい方法、試薬及びキットを提供する。遺伝子型は、単鎖ヌクレオチド多型現象部位から成るヌクレオチド変異を同定することができるいずれかの方法を用いて決定され得る。使用される特定の方法は、本発明の決定的な観点ではない。多くの適切な方法が下記に記載される。
【0010】
本発明の好ましい対応においては、遺伝子型分類は、変異配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いて行なわれる。好ましくは、プローブハイブリダイゼーション領域を包含するIL4R遺伝子の領域は、プローブハイブリダイゼーションの前、又はそれと同時に増幅される。配列変異の検出のためのプローブに基づくアッセイは、当業界において良く知られている。
【0011】
他方では、遺伝子型分野は、対立遺伝子−特異的増幅又は拡張反応を用いて行なわれ、ここで標的化された変異配列が存在する場合のみ、プライマー拡張を支持する対立遺伝子−特異的プライマーが使用される。典型的には、対立遺伝子−特異的プライマーは、その3’末端ヌクレオチドが多形現象位置と整列のするようIL4R遺伝子にハイブリダイズする。対立遺伝子−特異的増幅反応及び対立遺伝子−特異的拡張反応は、当業界において良く知れている。
【0012】
表の簡単な説明:
表1は、IL4Rのコード領域のヌクレオチド配列(配列番号2)を提供し;
表2は、本発明の方法において有用なIL4R SNPを提供し;
表3は、IL4R多形現象を同定するために使用されるプローブ(配列番号3−19)を提供し;
表4は、フィリピン人対照と糖尿病とを比較する、コンピューター評価されたハプロタイプ頻度(配列番号20−24)を提供し;
表5は、影響された及び影響されていない個体の遺伝子型を提供し;
【0013】
表6は、検出される単鎖ヌクレオチド多形現象を提供し;
表7は、アンプリコンプライマー(配列番号25−36)及び長さを提供し;
表8は、ハイブリダイゼーションプローブ(配列番号37−53)及び力価を提供し;
表9は、HBDI創始体における野生型対立遺伝子の対立遺伝子頻度を提供し;
表10は、複数対のIL4R SNPについてのD’及びΔ値を提供し;
表11Aは、単一の座TDT分析の結果を提供し;
表11Bは、単一の座TDT分析の結果を提供し;
表12は、対立遺伝子−特異的PCRプライマー(配列番号54−62)を提供し;
表13は、IL4Rハプロタイプ伝達を提供し;
【0014】
表14Aは、ハプロタイプ伝達を提供し;
表14Bは、ハプロタイプ伝達を提供し;
表14Cは、ハプロタイプ伝達を提供し;
表15Aは、SNP対立遺伝子伝達によるSNPを提供し;
表15Bは、SNP対立遺伝子伝達によるSNPを提供し;
表16Aは、TDT分析を提供し;
表16Bは、TDT分析を提供し;
表16Cは、TDT分析を提供し;
【0015】
表17Aは、TDT分析を提供し;
表17Bは、TDT分析を提供し;
表18は、フィリピン人対照と糖尿病との間の対立遺伝子頻度を提供し;
表19は、推定されるパプロタイプ頻度を提供し;そして
表20は、観察されるハプロタイプ頻度を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の理解を助けるために、いくつかの用語が下記において定義される。
用語“IL4R遺伝子”とは、インターロイキン4受容体タンパク質をコードするゲノム核酸配列を言及する。遺伝子のヌクレオチド配列は、本明細書にいおいて使用される場合、エキソンとして言及されるコード領域、イントロンとして言及される介在性非コード領域、及び上流又は下流領域を包含する。上流又は下流領域は、転写されるが、しかしイントロン又はエキソンの一部ではない遺伝子の領域、又は例えば遺伝子転写を調節する因子のための結合部位を含んで成る遺伝子の領域を含むことができる。IL4Rに関するヒトmRNAの遺伝子配列は、GenBank受託番号X52425(配列番号1)で提供される。そのコード領域は配列番号2として提供される。
【0017】
用語“対立遺伝子”とは、本明細書において使用される場合、遺伝子の配列変異体を言及する。対立遺伝子は1又は複数の多形現象位置に関して同定され、そして遺伝子配列の残りは特定されていない。例えば、IL4Rは、単一のSNPで存在するヌクレオチドにより、又は多くのSNPで存在するヌクレオチドにより定義され得る。発明のある態様においては、IL4Rは、6,7又は8のIL4R SNPの遺伝子型により定義される。そのようなIL4R SNPの例は、下記表2に提供される。
【0018】
便利さのために、集団において高いか又は最高の頻度で存在する対立遺伝子は野生型対立遺伝子として言及され;より低い頻度の対立遺伝子は変異対立遺伝子として言及されるであろう。変異体としての対立遺伝子のこの名称は、野生型対立遺伝子と対立遺伝子とを区別することを意味し、そして機能の変化又は損失を示すことを意味しない。
用語“素因を与える対立遺伝子”(predisposing allele)とは、自己免疫疾患、例えば1型糖尿病と明確に関連する対立遺伝子を言及する。個体における素因を与える対立遺伝子の存在は、その個体が対立遺伝子を有さない個体よりも、疾患についての高められた危険性を有することを示すことができる。
【0019】
用語“保護対立遺伝子”(protective allele)とは、自己免疫疾患、例えば1型糖尿病と消極的に関連する対立遺伝子を言及する。個体における保護対立遺伝子の存在は、その個体が、対立遺伝子を有さない個体よりも、疾患についての低められた危険性を有することを示すことができる。
【0020】
用語“多形現象の”及び“多形現象”とは、明細書において使用される場合、特定のゲノム配列又はコードされるアミノ酸配列の複数の変異が集団で見出され得る状態を言及する。この用語は、核酸配列又はコードされるアミノ酸配列のいずれかを言及し;その使用はその内容から明かであろう。多形現象領域又は多形現象部位は、変異を識別するヌクレオチド差異が存在する核酸の領域、又はアミノ酸に関しては、タンパク質変異を識別するアミノ酸差異が存在するアミノ酸の領域を言及する。本明細書において使用される場合、“単一のヌクレオチド多形現象”又はSNPとは、単一のヌクレオチド位置から成る多形現象部位を言及する。
【0021】
用語“遺伝子型”とは、個体又はサンプルにおいて得られる遺伝子の対立遺伝子の記載を言及する。本明細書において使用される場合、個体の遺伝子型と、個体に起因するサンプルの遺伝子型との間に差異は存在しない。典型的には、遺伝子型は二倍体細胞のサンプルから決定されるが、遺伝子型は、一倍体細胞、例えば精子細胞のサンプルから決定され得る。
ハプロタイプとは、単一染色体上に得られる遺伝子の変異体、すなわち、単一染色体の遺伝子型の記載を言及する。
用語“標的領域”とは、分析されるべき核酸の領域を言及し、そして通常、多形現象領域を包含する。
【0022】
配列における個々のアミノ酸は、AN又はNA(ここで、Aは配列中のアミノ酸であり、そしてNは配列中の位置である)として本明細書においては表される。位置Nが多形性である場合、A1Nとしてより高い頻度の変異体及びNA2としてより低い頻度の変異体を表すことが便利である。他方では、多形現象部位Nは、A1NA2(ここで、Aはより一般的な変異体におけるアミノ酸であり、そしてA2はそれよりも低い一般的な変異体におけるアミノ酸である)として表される。
【0023】
1文字又は3文字コードのいずれかが、アミノ酸を表すために使用される(Lehninger, Biochemistry 2nd ed., 1975, Worth Publishers, Inc. New York, NY: pages 73-75を参照のこと;引用により本明細書に組込まれる)。例えば、I50Vはアミノ酸位置50での単一アミノ酸多形現象を表し、ここでイソロイシンは集団におけるより頻度の高いタンパク質変異体で存在し、そしてバリンはそれよりも低い頻度の変異体である。アミノ酸位置は、下記の記載のように、成熟IL4Rタンパク質の配列に基づいて、番号付けされている。
【0024】
DNA配列におけるヌクレオチド及び単鎖ヌクレオチド変化の表示は、類似する。例えば、A398Gは、ヌクレオチド位置398での単鎖ヌクレオチド多形現象を表し、ここでアデニンは集団におけるより頻度の高い(野生型)対立遺伝子に存在し、そしてグアニンはそれよりも低い頻度の(変異体)対立遺伝子に存在する。ヌクレオチド位置は、配列番号2として提供されるIL4R cDNA配列に基づいて番号付けされる。二本鎖形においては、個々の対立遺伝子の相補的鎖が多形現象位置で相補的塩基を含むであろうことは明かであろう。
【0025】
当業者において明かである、分子成分学及び核酸化学の従来の技法は、文献において十分に説明されている。例えば、Sambrook など. , 1989, Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York ; Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed.,1984) ; Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames and S. J. Higgins. eds.,1984) ; the series, Methods in Enzymology (Academic Press,Inc.) ; 及び the series, Current Protocols in Human Genetics (Dracopoli など. , eds., 1984 with quarterly updates, John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと;それらのすべては、引用により、本明細書に組込まれる。本明細書に言及されるすべての特許、特許出願及び出版物は、引用により本明細書に組込まれる。
【0026】
本発明の方法
本発明は、いずれかの自己免疫疾患又は状態、又はいずれかのTh−1介在性疾患についての個体の危険性を決定するための方法を提供する。そのような疾患又は状態は、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病又はIDDM)、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、乾癬、硬皮症、グレーブス病、全身性硬化症、重症筋無力症、Gullian-Barre症候群及び橋本甲状腺炎を包含するが、但しそれらだけには限定されない。本発明のある態様においては、前記方法は、IDDMについての個体の危険性を決定するために使用される。好ましくは、個体はヒトである。
【0027】
IL4R mRNA 配列
IL4R mRNAのコード領域のヌクレオチド配列は、GenBankから受託番号X52425、ヌクレオチド176−2653として入手でき、そして下記表1において5’から3’の配向で示される配列番号2として提供される。核酸の1つの鎖のみが表1に示されているが、当業者は、配列番号1及び2が二本鎖ゲノム核酸の領域を同定し、そして両鎖の配列が提供される配列情報により十分に特定されることを認識するであろう。
【0028】
【表1】
Figure 2004535822
【0029】
IL4R SNP
本発明の方法においては、IL4R遺伝子における1又は複数のSNPの遺伝子型が決定される。SNPは、IL4R遺伝子座におけるいずれかのSNP, 例えばエキソン、イントロン、又は上流又は下流領域におけるSNPであり得る。そのようなSNPの例は、下記表2に提供され、そして例において詳細に論じられている。
ある態様においては、1つのIL4R SNPの遺伝子型は、自己免疫疾患についての個体の危険性を決定するために使用され得る。他の態様においては、多くのIL4R SNPの遺伝子型が使用される。例えば、ある態様においては、表1におけるSNPの1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25又は26の遺伝子型が、自己免疫疾患についての個体の危険性を決定するために使用され得る。
【0030】
【表2】
Figure 2004535822
【0031】
遺伝子型分類方法
本発明の方法においては、サンプルに存在する対立遺伝子は、1又は複数の多形現象部位で存在するヌクレオチドを同定することによって同定される。IL4R核酸を含むいずれかのタイプの組織が、個体のIL4R遺伝子型を決定するために使用され得る。多くの方法が、単鎖ヌクレオチド多形現象で存在するヌクレオチドを同定するために当業界においては知られている。遺伝子型を同定するために使用される特定の方法は、本発明の決定的観点ではない。性能、費用及び便利性の考慮が、特定の方法を他よりもより所望のものにするが、存在するヌクレオチドを同定できるいずれの方法でも、その遺伝子型を同定するために必要とされる情報を提供するであろうことは明白であろう。好ましい遺伝子型分類方法は、DNA配列決定、対立遺伝子−特異的増幅、又は増幅された核酸のプローブに基づく検出を包含する。
【0032】
IL4R対立遺伝子は、DNA配列決定方法、たとえば当業界において良く知られている鎖終結方法(Sangerなど., 1977, Proc. Natl. Acad. Sci. 74: 5463-5467; 引用により本明細書に組込まれる)により同定され得る。1つの態様においては、多形現象部位を包含する遺伝子の副配列は、増幅され、そして適切なプラスミド中にクローン化され、そして次に配列決定されるか、又は直接的に配列決定される。PCRに基づく配列決定は、アメリカ特許第5,075,216号;Brow, in PCR Protocols, 1990, (Innis et al.,eds., Academic Press, San Diego), chapter 24; and Gyllensten, in PCR Technology, 1989 (Erlich, ed. , Stockton Press, New York), chapter5(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載される。典型的には、例えばPE Biosystems (Foster City, CA), Pharmacia (Piscataway, NJ), Genomyx Corp. (Foster City, CA), LI-COR Biotech (Lincloln, NE), GeneSys technologies (Sauk City, WI), and Visable Genetics, Inc. (Toronto, Canada)から市販されている自動化されたDNA配列決定機の1つを用いて行なわれる。
【0033】
IL4R対立遺伝子は、増幅に基づく遺伝子型分類方法を用いて同定され得る。標的核酸における単一の塩基変化を検出できるアッセイに使用され得る多くの核酸増幅方法が記載されている。好ましい方法は、当業界において良く知られ、そしてアメリカ特許第4,683,195号;第4,683,202号;及び第4,965,288号(引用により本明細書に組込まれる)に記載されるポリメラーゼ鎖反応(PCR)である。PCRの方法及び用途を記載する公開された多くの文献の例は、PCR Applications, 1999, (Innis など. , eds. , Academic Press, San Diego), PCR Strategies, 1995, (Innis など.,eds., Academic Press, San Diego); PCR Protocols, 1990, (Innis など.,eds., Academic Press, San Diego); 及び PCR Technology, 1989, (Erlich, ed. , Stockton Press, New York)(それぞれは、引用により本明細書に組込まれる)において見出される。市販業者、例えばBiosystems (Foster City, CA) は、PCR試薬を市販し、そしてPCRプロトコールを公開する。
【0034】
他の適切な増幅方法は、次のものを包含する:リガーゼ鎖反応(Wu and Wallace 1988, Genomics 4: 560-569);鎖置換アッセイ(Walker など. , 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 392-396, Walker など. 1992, Nucleic Acids Res. 20: 16911696, 及び アメリカ特許第 5,455, 166号);及びいくつかの転写に基づく増幅システム、例えばアメリカ特許第5,437,990号;第5,409,818号;及び第5,399,491号に記載される方法;転写増幅システム(TAS)(Kwoh など. , 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173-1177);及び自己維持された配列複製(3SR)(Guatelli など. , 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874-1878及び WO 92/08800);それぞれ引用により本明細書に組込まれる。他方では、検出できるレベルにプローブを増幅する方法、例えばQβレプリカーゼ増幅(Kramer and Lizardi, 1989, Nature 339: 401-402, 及び Lomeli など., 1989, Clin. Chem. 35:1826-1831;引用により本明細書に組込まれる)が使用され得る。既知の増幅方法の再考は、Abramson and Myers, 1993, Current Opinion in Biotechnology 4: 41-47(引用により本明細書に組込まれる)に供給される。
【0035】
遺伝子型分類はまた、IL4R mRNAを検出することによって行なわれ得る。RNAの増幅は、アメリカ特許第5,310, 652号; 第5,322, 770号; 第5,561, 058号; 第5,641, 864号; 及び 第5,693, 517号; (また Myers and Sigua, 1995, in PCR Strategies, supra, chapter 5を参照のこと)(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして、最初に、例えばウィルス逆転写酵素を用いて、標的RNAを逆転写し、そして次に、その得られるcDNAを増幅するか、又は組合された高温逆転写ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)を用いることによって行なわれ得る。
【0036】
IL4R対立を遺伝子は、プライマーを拡張するDNAポリメラーゼの能力に対する末端プライマーミスマッチの阻害効果に基づかれる、対立遺伝子−特異的増幅又はプライマー拡張方法を用いて同定され得る。対立遺伝子−特異的増幅−又は拡張に基づく方法を用いて対立遺伝子配列を検出するためには、IL4R遺伝子に対して相補的なプライマーが、その3’末端ヌクレオチドが多形現象位置でハイブリダイズするよう選択される。同定されるべき対立遺伝子の存在下で、プライマーは3’末端で標的配列に適合し、そしてプライマーが拡張される。他の対立遺伝子のみの存在下で、プライマーは、標的配列に対する3’ミスマッチを有し、そしてプライマー拡張は排除されるか又は有意に低められる。対立遺伝子−特異的増幅−又は拡張に基づく方法は、例えばアメリカ特許第5,137, 806号;第 5,595,890 号; 第5,639, 611号; 及び第 4,851,331号(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載されている。
【0037】
対立遺伝子−特異的増幅に基づいての遺伝子型分類を用いる場合、対立遺伝子の同定は、増幅された標的配列の存在又は不在の検出のみを必要とする。増幅された標的配列の検出のための方法は、当業界において良く知られている。例えば、上記に記載されるゲル電気泳動(Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)及びプローブハイブリダイゼーションアッセイは、核酸の存在を検出するために広く使用されて来た。
【0038】
対立遺伝子−特異的増幅に基づく遺伝子型分類方法は、例に記載されるように、ハプロタイプの同定を促進することができる。実質的に、対立遺伝子−特異的増幅は、異種サンプルにおける2種の対立遺伝子の1つのみからの複数の多形現象部位を包含する領域を増幅するために使用される。次に、増幅されて配列内に存在するSNP変異体が、例えばプローブハイブリダイゼーション又は配列決定により同定される。
【0039】
増幅された核酸の生成が、反応混合物における二本鎖DNAの合計量の上昇をモニターすることによって検出される、運動−PCR方法として本明細書において言及される他のプローブを伴なわない方法は、Higuchi など.,1992, Bio/Technology 10 : 413-417 ; Higuchi など., 1993,Bio/Technolosv 11: 1026-1030 ; Higuchi and Watson, in PCR Applications, supra, Chapter 16;アメリカ特許第5, 994, 056号 及び第 6,171, 785号; 及び ヨーロッパ特許出願第487,218 号及び第 512,334号(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)において記載される。二本鎖標的DNAの検出は、DNA−結合色素、例えば臭化エチジウムが、二本鎖DNAに結合される場合、示す高められた蛍光に依存する。標的配列の合成に起因する二本鎖DNAの上昇は、二本鎖DNAに結合される色素の量の上昇及び付随する検出できる蛍光の上昇をもたらす。
【0040】
運動−PCR方法を用いての遺伝子型分類に関しては、増幅反応は、個々の増幅が特定の対立遺伝子の存在を示すことができるよう、対立遺伝子の1つに対して特異的な1対のプライマーを用いて行なわれ得る。野生型対立遺伝子に対して特異的なプライマーを用いて増幅及び変異性対立遺伝子に対して特異的なプライマーを用いての増幅から成る2回の増幅を行なうことによって、SNPに関するサンプルの遺伝子型が決定され得る。同様に、上流及び下流のプライマーの両者のための対立遺伝子特異的プライマーを用いての増幅からそれぞれ成る4回の増幅を行なうことによって、2種のSNPに関するサンプルの遺伝子型が決定され得る。これは、1対のSNPに付いてのハプロタイプ情報を与える。
【0041】
対立遺伝子は、相補性の程度において異なる、プローブとIL4R対立遺伝子との間で形成されるハイブリダイゼーション複合体の安定性の差異に依存するプローブに基づく方法を用いて同定され得る。十分に緊縮性のハイブリダイゼーション条件下で、安定した複合体は、プローブと標的対立遺伝子配列との間でのみ形成される。安定したハイブリダイゼーション複合体の存在は、多くの良く知られた方法のいずれかにより検出され得る。一般的に、検出を促進するために、ハイブリダイゼーションの前、核酸を増幅することが好ましい。しかしながら、これは、十分な核酸が増幅を伴なわないで得られる場合、必要ではない。
【0042】
多形現象部位を包含する、配列番号2の標的領域又は配列番号2の補体に対して、実質的に相補的な又は正確に相補的な、及び多形現象部位で2種の対立遺伝子配列の1つに対して正確に相補的なハイブリダイジング領域を含む、本発明のプローブに基づく方法への使用のために適切なプローブは、本明細書に提供され、そして当業界において良く知られているガイドを用いて選択され得る。同様に、プローブの正確なサイズ及び配列に依存する適切なハイブリダイゼーション条件は、本明細書に提供され、そして当業界において良く知られているガイドを用いて、経験的に選択され得る。単一の塩基対差異を検出するためへのオリゴヌクレオチドプローブの使用は、例えばConner など. , 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 278-282, 及び アメリカ特許第 5,468, 613 号及び第 5,604, 099号(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0043】
IL4R遺伝子型を決定するためのプローブに基づく方法の好ましい態様においては、多形現象部位を包含する、IL4R遺伝子からの複数の核酸配列が、増幅され、そして十分に緊縮なハイブリダイゼーション条件下で1組のプローブにハイブリダイズされる。存在するIL4R対立遺伝子は、増幅された標的配列へのプローブの結合パターンから推定される。この態様においては、増幅は、プローブハイブリダイゼーションによる分析のための十分な核酸を供給するために行なわれる。従って、プライマーは、多形現象部位を包含するIL4R遺伝子の領域が、サンプルに存在する対立遺伝子にかかわらず、増幅されるよう企画される。対立遺伝子−無関係の増幅は、IL4R遺伝子の保存された領域にハイブリダイズするプライマーを用いて達成される。IL4R遺伝子配列は高く保存され、そして適切な対立遺伝子−無関係プライマーは通常、配列番号1から選択され得る。当業者は、典型的には、増幅システムの実験的な最適化が有用であること理解するであろう。
【0044】
プローブとサンプルにおける標的核酸配列との間で形成されるハイブリッドを検出するための適切なアッセイ型は、当業界に知られており、そして固定された標的物(ドット−ブロット)形式及び固定されたプローブ(逆ドット−ブロット又はライン−ブロット)アッセイ形式を包含する。ドットブロット及び逆ドットプロットアッセイ形式は、アメリカ特許第5,310,893号;第5,451,512号;第5,468,613号及び第5,604,099号(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0045】
ドット−ブロット形式においては、増幅された標的DNAが固体支持体、例えばナイロン膜上に固定される。膜−標的物複合体が、ラベルされたプローブと共に、適切なハイブリダイゼーション条件下でインキュベートされ、ハイブリダイズされなかったプローブは適切な緊縮条件下での洗浄により除去され、そして膜が結合されたプローブの存在についてモニターされる。好ましいドット−ブロット検出アッセイは、例に記載される。
【0046】
逆ドット−ブロット(又はライン−ドット)形式においては、プローブが固体支持体、例えばナイロン膜又はマイクロタイタープレート上に固定される。標的DNAは、典型的には、ラベルされたプライマーの組込みにより増幅の間、ラベルされる。1又は両プライマーがラベルされる。膜−プローブ複合体は、ラベルされ、増幅された標的DNAと共に適切なハイブリダイゼーション条件下でインキュベートされ、ハイブリダイズされなかった標的DNAは適切な緊縮条件下での洗浄により除去され、そして膜が結合された標的DNAの存在についてモニターされる。好ましい逆ライン−ブロット検出アッセイは、例に記載される。
【0047】
プローブに基づく遺伝子型分類は、アメリカ特許第5,210, 015号; 第5,487, 972号; 及び第 5,804,375号 ; 及び Hollandet など., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 7276-7280(それぞれ引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして、“TaqMan”又は“5’−ヌクレアーゼアッセイ”を用いて行なわれ得る。TaqManアッセイにおいては、増幅された領域内でハイブリダイズする、ラベルされた検出プローブが、増幅反応混合の間、添加される。プローブが、DNA合成のためのプライマーとして作用するプローブを妨げるために修飾される。
【0048】
増幅が、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼ、例えば“Tth DNAポリメラーゼを用いて行なわれる。増幅の個々の合成段階の間、拡張されるプライマーから下流の標的核酸に対してハイブリダイズするいずれかのプローブが、DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により分解される。従って、新規標的鎖の合成はまた、プローブの分解をもたらし、そして分解生成物の蓄積は、標的配列の合成の基準を提供する。
【0049】
分解生成物を検出するための適切ないずれかの方法が、TagManアッセイにおいて使用され得る。好ましい方法においては、検出プローブは2種の蛍光色素によりラベルされ、その1つは他の色素の蛍光を消光することができる。色素は、プローブに結合され、好ましくは1つの色素は5’末端に結合され、そして他の色素は内部部位に結合され、その結果、消光は、プローブがハイブリダイズされていない状態で存在する場合に生じ、そしてDNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性によるプローブの分解は2種の色素間で生じる。増幅は、消光の付随する排除及び最初に消光された色素から観察できる蛍光の上昇を伴って、色素間のプローブの分解をもたらす。分解生成物の蓄積は、反応蛍光上昇を測定することによってモニターされる。引用により本明細書に組込まれるアメリカ特許第5,491,063号及び第5,571,673号は、増幅に付随して生じるプローブの分解を検出するための他の方法を記載する。
【0050】
TaqManアッセイは、プローブが増幅された生成物の存在を検出するためにのみ使用されるよう、対立遺伝子−特異的増幅プライマーと共に使用され得る。そのようなアッセイは、上記の運動学−PCRに基づく方法について記載のようにして行なわれる。他方では、TaqManアッセイは、標的物−特異的プローブと共に使用され得る。
【0051】
上記アッセイ形式は典型的には、ハイブリッド複合体の検出を促進するためにラベルされたオリゴヌクレオチドを利用する。オリゴヌクレオチドは、分光、光化学、生化学、免疫化学又は化学的手段により検出できるラベルを組み込むことによってラベルされ得る。有用なラベルは、32P、蛍光色素、電子に富んだ試薬、酵素(通常、ELISASに使用されるような)、ビオチン又はハプテン、及び抗血清又はモノクローナル抗体が利用できるタンパク質を包含する。本発明のラベルされたオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの合成のための上記技法を用いて合成され、そしてラベルされ得る。
【0052】
例えば、ドット−ブロットアッセイは、Levenson and Chang, 1989, in PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications (Innis など., eds., Academic Press. San Diego), pages 99-112(引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして、ビオチンによりラベルされたプローブを用いて行なわれ得る。配列−特異的条件下で、チオチニル化されたプローブによる固定される標的DNAのハイブリダイゼーションに続いて、結合されたまま存続プローブは、アビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(A−HRP)又はストレプタビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(SA−HRP)へのビオチンの最初の結合により検出され、次にそれは、HRPが色原体の色の変化を触媒する反応を行なうことによって検出される。
【0053】
本発明のオリゴヌクレオチドサンプル中のIL4R対立遺伝子配列に対して選択的ハイブリダイズするか決定するための方法が何であろうとも、分類する方法の中心的的特徴は、存在する変異体配列を検出することによるサンプル中に存在するIL4R対立遺伝子の同定を包含する。対立遺伝子配列(標的物)は、DNA又はRNAであり得る。
【0054】
本発明はまた、本発明の方法を実施するための有用な成分を含んで成るキット、すなわち容器単位にも関する。有用なキットは、IL4R対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを含むことができる。ある場合、検出プローブが、適切な支持に固定され得る。キットはまた、多形現象部位を包含するIL-4R遺伝子座の領域を増幅するための増幅プライマーを、そのようなプライマーは本発明の好ましい態様において有用であるので、含むことができる。
【0055】
他方では、有用なキットは、IL4R対立遺伝子の特異的増幅のための対立遺伝子−特異的プライマーを含んで成る、1組のプライマーを含むことができる。キットの他の任意の成分は,本明細書に記載されるような遺伝子型分類方法に使用される追加の試薬を包含する。例えば、キットはさらに、プライマー拡張生成物の合成を触媒する剤、基質ヌクレオチド三リン酸、核酸をラベリングしそして/又は検出するための手段(例えば、アビジン−酵素接合体及び酵素基質、並びにラベルがビオチンである場合、色原体)、増幅又はハイブリダイゼーション反応のための適切な緩衝液、及び本発明を実施するための説明書を含むことができる。
【0056】
下記に提供される本発明の例は、例示目的のためのみ提供され、そして本発明の範囲を制限するものではない。特許請求の範囲内の本発明の多くの態様が、次の例を読む当業者に明かになるであろう。
【実施例】
【0057】
例1.遺伝子型分類プロトコール: IL4R 対立遺伝子のプローブに基づく同定
この例は、8種の多形現象部位を包含するIL4R遺伝子の6種の領域が同時に増幅され、そして前記8種の部位の個々で存在するヌクレオチドがプローブハイブリダイゼーションにより同定される遺伝子型分類方法を記載する。プローブ検出を、同定されたプローブ(ラインブロット)形式を用いて行なう。
【0058】
増幅プライマー:
8種の多形現象部位を包含する、IL4R遺伝子の6種の領域の増幅を、下記に示されるプライマー対を用いて行なう。すべてのプライマーは、5’→3’の配向で示される。
次のプライマーが、コドン398を包含する114個の塩基対領域を増幅する。
RR192B (配列番号 25) CAGCCCCTGTGTCTGCAGA
RR193B (配列番号 31) GTCCAGTGTATAGTTATCCGCACTGA
次のプライマーが、コドン676を包含する163個の塩基対領域を増幅する。
DBM0177B (配列番号 26) CTGACCTGGAGCAACCCGTA
DBM0178B (配列番号 32) ACTGGGCCTCTGCTGGTCA
次のプライマーが、コドン1374、1417及び1466を包含する228個の塩基対領域を増幅する。
【0059】
DBM0023B (配列番号27) ATTGTGTGAGGAGGAGGAGGAGGTA
DBM0022B (配列番号33) GTTGGGCATGTGAGCACTCGTA
次のプライマーが、コドン1682を包含する129個の塩基対領域を増幅する。
DBM0097B (配列番号 28) CTCGTCATCGCAGGCAA
DBM0098B (配列番号34) AGGGCATCTCGGGTTCTA
次のプライマーが、コドン1902を包含する198個の塩基対領域を増幅する。
RR200B (配列番号 29) GCCGAAATGTCCTCCAGCA
RR178B (配列番号35) CCACATTTCTCTGGGGACACA
【0060】
次のプライマーが、コドン2531を包含する177個の塩基対領域を増幅する。
DBM0112B(配列番号30) CCGGCCTCCCTGGCA
DBM0071B(配列番号36) GCAGACTCAGCAACAAGAGG
下記に記載されるプローブ検出形式での検出を促進するために、プライマーを、5’リン酸に結合されるビオチンによりラベルする。5’リン酸に結合されるビオチンラベルを有するオリゴヌクレオチドを合成するための試薬は、Clonetech(Palo Alto, CA)及びGlenn Resenrch (Sterling, VA) から市販されている。好ましい試薬は、ClonetechからのBiotin−ONである。
【0061】
増幅:
PCR増幅を、次の試薬を含む25−100μlの合計反応体積で行なう:
0.2ng/μl の精製されたヒトゲノム DNA
0.2 mM の個々のプライマー
800 mM の合計dNTP (200 mM の個々のdATP, dTTP, dCTP,dGTP)
70mMのKCl
12 mM のトリス-HCl, pH 8. 3
3 mM のMgCl2,
0.25単位/μ l のAmpliTaq GoldTM DNA ポリメラーゼ*
*:Hffmann−LaRocheにより開発され、そして製造され、そしてApplera(Foster City, CA)から市販されている。
【0062】
増幅を、下記に示される特定の温度循環プロフィールを用いて、GeneAmp7 PCR System
Figure 2004535822
【0063】
検出プローブ:
増幅されたIL4R核酸に存在する8種のSNPで存在するヌクレオチドを同定するために使用される好ましいプローブは、表3に記載される。プローブは5’→3’の配向で示される。2種のプローブを、T1466の検出のために示し;2種のプローブの混合物を使用する。
プローブハイブリダイゼーション、固定されたプローブ形式:
【0064】
固定されたプローブ形式においては、プローブを、ハイブリダイゼーションに使用する前、固体支持体に固定する。プローブ−支持体複合体を、変性され、増幅された核酸(ビオチンによりラベルされた)の溶液に含浸し、ハイブリダイゼーションを生成する。結合されなかった核酸を、緊縮ハイブリダイゼーション条件下で洗浄することにより除去し、そして固定されたプローブに結合されたまま存続する核酸を、色原体反応を用いて検出する。アッセイの詳細は下記に記載される。
【0065】
固定されたプローブ検出形式への使用に関しては、成分が、固体支持体上への固定を促進するためにプローブの5’リン酸に結合される。好ましくは、ウシ血清アルブミン(BSA)が、Tungなど., 1991, Bioconjugate Chem. 2: 466-465 (引用により本明細書に組込まれる)により記載のようにして、5’リン酸に結合される。他方では、ポリ−T末端が、アメリカ特許第5,451,512号(引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして、5’末端に結合される。
【0066】
プローブを、Linear Striper and Multispense 2000TMコントローラー(IVEK, N. Springfield, VT)を用いて、ナイロン膜(例えば、BioDyneTM Bナイロンフィルター、Pall Corp., Glen Cove, NY)のシートに線状形式で適用する。プローブ力価を、対立遺伝子変異体間でのシグナル平衡を達成するより選択し;使用される力価は上記プローブの表に提供される。個々のシートを、0.35〜0.5cmの幅のストリップに切断する。増幅生成物を変成するために、20μlの増幅生成物(50μlの反応に基づいて)を、20μlの変性溶液(1.6%水酸化ナトリウム)に添加し、そして室温で10分間、完全な変性までインキュベートする。
【0067】
変性された増幅生成物(40ml)を、3mlのハイブリダイゼーション緩衝液(4×SSPE, 0.5% SDS)及び膜ストリップを含む分類トレーのウェルに添加する。ハイブリダイゼーションを、回転水浴において55℃で15分間、進行せしめる。ハイブリダイゼーション溶液をアスピレートし、ストリップを、3mlの暖かな洗浄緩衝液(2×SSPE、0.5%SDS)において軽くストリップを前後に揺り動かすことによりすすぎ、そして洗浄緩衝液をアスピレートする。すすぎにつづいて、ストリップを、回転水浴において55℃で5分間、3mlの酵素接合体溶液(3.3mlのハイブリダイゼーション緩衝液及び12mlのストレプタビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(SA−HRP))においてインキュベートする。次に、ストリップを、上記のように、洗浄緩衝液によりすすぎ、洗浄緩衝液において55℃で12分間インキュベートし(緊縮洗浄)、そして最終的に洗浄緩衝液により再びすすぐ。
【0068】
固定された増幅生成物に結合したまま存続する、HRP−ラベルされた標的核酸を次の通りにして可視化する。色彩進行溶液を、100mlのクエン酸緩衝液(0.1Mのクエン酸ナトリウム、pH5.0)、0.5mlの3, 3’, 5, 5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液(100%エタノールに溶解された、Fluka, Milwaukee, WIからの2mg/mlのTMB粉末)及び10μlの3%過酸化水素と混合することによって調製する。まず、ストリップを、0.1Mのクエン酸ナトリウム(pH5.0)において5分間すすぎ、次に、色彩進行溶液と共に室温で8〜10分間、軽く撹拌しながら、暗室においてインキュベートする。最初、無色であるTMBを、過酸化水素の存在下で標的物−結合されたHRPにより、着色された沈殿物に添加する。色彩進行したストリップを、水により数分間すすぎ、そしてすぐに、写真を取る。
【0069】
例2.1型糖尿病との関係
IL4R遺伝子型分類を、1型糖尿病により影響された2人に子孫を含むことが確かめられた282の白人家族からの個体に対して行なった。すべての個体のIL4R遺伝子型を決定した。IL4R遺伝子型分類を、実質的に例1に記載のような遺伝子型分類方法を用いて行なった。確認に基づいて影響された血縁組における564人の子孫(282人の家族の個々における2人の血縁)の他に、26人の他の影響された子供が存在した。それらの家族間に270人の影響されていない子孫が存在した。
【0070】
家族に基づくサンプルを、I型糖尿病により影響された家族からの細胞系についての貯蔵所であるHuman Biological Data Interchange (HBDI) からの精製されたゲノムにDNAとして提供した。この研究において使用されるすべてのHBDI家族は、影響されていない両親(遺伝的に無関係である)及び少なくとも2人の影響された兄弟を含む核家族である。それらのサンプルはさらに、Nobleなど., 1996, Am. J. Hum. Genet. 59: 1134-1148 (引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0071】
HLA遺伝子型が、1型糖尿病に関する危険性に対して、その遺伝子型に依存して高められた又は低められた有意な効果を有することは知られている。特に、HLA DR遺伝子型DR3-DQB1*0201/DR4-DQB1*0302(下記にDR3/DR4として言及される)を有する個体は、1型糖尿病に対して最高の危険性であると思われる(Nobleなど., 1996, Am. J. Hum. Genet. 59: 1134-1148; 引用により本明細書に組込まれる)。それらの高い危険性の個体は、1型糖尿病により影響される15の機会の中で約1の機会を有する。1型糖尿病の可能性に対するこの遺伝子型の強い効果のために、DR3-DQB1*0201/DR4-DQB1*0302遺伝子型の存在は、IL4R対立遺伝子変異体からの寄与を隠すことができた。
【0072】
それらの家族内の個体はまた、HLA DRB1及びDQB1遺伝子座で遺伝子型分類された。影響された血縁組のうち、両血縁は90の家族においてDR3/DR4遺伝子型を有する。影響された血縁のいずれも、144の家族においてDR3/4遺伝子型を有さない。影響された組のうち正確に1つの組は、残る48の家族においてDR3/4遺伝子型を有する。
【0073】
例3.フィリピン人サンプルにおける1型糖尿病との関連性
対象:
フィリピン人からの183人の個体からのサンプルを、例1に実質に記載のようにして、逆ラインブロット方法を用いて、遺伝子型分類した。183人の個体のうち、89人の個体は、1型糖尿病を有し、そして94人の個体は適合された対照である。(サンプル91IDDMは分類されていない)。
結果:
影響された及び影響されていない個体の遺伝子型は、表4に示される(配列番号20−24)。実際の数及び頻度の両者が、個々の遺伝子型のために提供される。データ(表5)は、1型糖尿病とIL4R SNP変異体との関連性の存在を確かめる。
【0074】
例4.遺伝子型分類の方法
ヒトIL4R遺伝子における8種の典型的なSNPを表6に列挙する。個々のSNPは、参照GenBank受託配列X52425.1(配列番号1)におけるその位置により記載される。例えば、SNP1は、X52425.1(配列番号1)の位置398で見出され、ここで“A”ヌクレオチドが存在する。この位置での変異対立遺伝子は“G”ヌクレオチドを有する。SNPは、続くテキストにおいて、SNP#により言及されるであろう。
SNPを包含するIL4R遺伝子の領域を増幅し、そして存在するヌクレオチドをプローブハイブリダイゼーションにより同定する。プローブ検出を、記載される固定されたプローブ(ラインブロット)形成を用いて行なう。
【0075】
アンプリコン及びプライマー:
8個のSNPを包含する領域を増幅するために使用されるプライマー対は、表7に列挙される(配列番号25−36)。SNP番号3,4及び5を、同じ228個の塩基対フラグメントに基づいて同時増幅する。プライマーを、ビオチンとの接合により5’リン酸で修飾する。5’リン酸に結合されるビオチンラベルを有するオリゴヌクレオチドを合成するための試薬は、Clontech(Palo Alto, CA)及びClenn Research (Sterling, VA) から市販されている。好ましい試薬は、CluntechからのBiotin−ONである。
【0076】
増幅条件:
6種のアンプリコンを、次の試薬を含む、25〜100mlの合計反応体積で単一PCR反応において一緒に増幅する:
PCR増幅を、次の試薬を含む25−100μlの合計反応体積で行なう:
0.2ng/μl の精製されたヒトゲノム DNA
0.2 mM の個々のプライマー
800 mM の合計dNTP (200 mM の個々のdATP, dTTP, dCTP,dGTP)
70mMのKCl
12 mM のトリス-HCl, pH 8. 3
3 mM のMgCl2,
0.25単位/μ l のAmpliTaq GoldTM DNA ポリメラーゼ*
*:Hffmann−LaRocheにより開発され、そして製造され、そしてApplera(Foster City, CA)から市販されている。
【0077】
増幅を、下記に示される特定の温度循環プロフィールを用いて、GeneAmp7 PCR System 9600熱サイクラー(PE Biosystems, Foster City, CA)において行なう:
Figure 2004535822
【0078】
ハイブリダイゼーション及び条件:
プローブを、ハイブリダイゼーションに使用する前、固体支持体に固定する。プローブ−支持体複合体を、変性され、増幅された核酸の溶液に含浸し、ハイブリダイゼーションを生成する。結合されなかった核酸を、緊縮ハイブリダイゼーション条件下で洗浄することにより除去し、そして固定されたプローブに結合されたまま存続する核酸を、色原体反応を用いて検出する。検出は、色原体基質TMBを用いて行なわれ得る。
固定されたプローブ検出形式への使用に関しては、成分が、固体支持体上への固定を促進するためにプローブの5’リン酸に結合される。好ましくは、ウシ血清アルブミン(BSA)が、Tungなど., 1991, Bioconjugate Chem. 2: 466-465 (引用により本明細書に組込まれる)により記載のようにして、5’リン酸に結合される。他方では、ポリ−T末端が、アメリカ特許第5,451,512号(引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして、5’末端に結合される。
【0079】
プローブを、Linear Striper and Multispense 2000TM コントローラー(IVEK, N. Springfield, VT)を用いて、ナイロン膜のシートに線状形式で適用する。対立遺伝子−特異的プローブ及びそれらの力価は表8に示される。SNP#5の野生型対立遺伝子の検出を、列挙されるような2種のプローブの混合物を用いて行ない;この混合物は、もう1つの近いSNPとは無関係にSNP#5の検出を可能にする(この報告には適切ではない)。列挙されるプローブ力価を選択し、対立遺伝子変異体間のシグナル平均を達成する。プローブ適用に続いて、個々のナイロンシートを、0.35〜0.55cmの幅ストリップに切断する。
【0080】
増幅生成物を変成するために、20μlの増幅生成物を、20μlの変性溶液(1.6%水酸化ナトリウム)に添加し、そして室温でインキュベートする。変性された増幅生成物(40ml)を、3mlのハイブリダイゼーション緩衝液(3×SSPE, 0.5% SDS)及び膜ストリップを含む分類トレーのウェルに添加する。ハイブリダイゼーションを、回転水浴において55℃で15分間、進行せしめる。ハイブリダイゼーション溶液をアスピレートし、ストリップを、3mlの暖かな洗浄緩衝液(1.5×SSPE、0.5%SDS)において軽くストリップを前後に揺り動かすことによりすすぎ、そして洗浄緩衝液をアスピレートする。
【0081】
すすぎにつづいて、ストリップを、回転水浴において55℃で5分間、3mlの酵素接合体溶液(3.3mlのハイブリダイゼーション緩衝液及び12mlのストレプタビジン−ホースラディシュペルオキシダーゼ(SA−HRP))においてインキュベートする。次に、ストリップを、上記のように、洗浄緩衝液によりすすぎ、洗浄緩衝液において55℃で12分間インキュベートし(緊縮洗浄)、そして最終的に洗浄緩衝液により再びすすぐ。
【0082】
固定された増幅生成物に結合されたまま存続する、HRPによりラベルされた標的核酸を次の通りにして可視化する。ストリップを、0.1Mのクエン酸ナトリウム(pH5.0)において室温で5分間すすぎ、次に、色彩進行溶液において、室温で8〜10分間、軽く撹拌しながら、暗室においてインキュベートする。色彩進行溶液を、100mlのクエン酸緩衝液(0.1Mのクエン酸ナトリウム、pH5.0)、5mlの3, 3’, 5, 5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液(100%エタノールに溶解された、Fluka(Milwaukee, WI)からの2mg/mlのTMB粉末)、及び100mlの3%か酸化水素を混合することによって調製する。最初無色であるTMBを、過酸化水素の存在下で標的物−結合されたHRPにより着色された沈殿物に転換する。進行したストリップを、水において数分間すすぎ、そしてすぎに写真に取る。
【0083】
例5. HBDI 対象における I 型糖尿病との関連性
対象:
IL4R遺伝子型分類を、1型糖尿病により影響された2人に子孫を含むことが確かめられた282の白人家族からの個体に対して行なった。すべての個体のIL4R遺伝子型を決定した。IL4R遺伝子型分類を、記載される逆−ラインブロット方法を用いて行なった。確認に基づいて影響された血縁組における564人の子孫(282人の家族の個々における2人の血縁)の他に、26人の他の影響された子供が存在した。それらの家族間に270人の影響されていない子孫が存在した。
【0084】
家族に基づくサンプルを、I型糖尿病により影響された家族からの細胞系についての貯蔵所であるHuman Biological Data Interchange (HBDI) からの精製されたゲノムにDNAとして提供した。この研究において使用されるすべてのHBDI家族は、影響されていない両親及び少なくとも2人の影響された兄弟を含む核家族である。それらのサンプルはさらに、Nobleなど., 1996, Am. J. Hum. Genet. 59: 1134-1148 (引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
【0085】
統計学的分析、方法及びアルゴリズム:
IL4Rにおける8個のSNPは物理的に及び遺伝子的に非常に密接してお互いに結合されるので、特定のSNPでの特定の対立遺伝子の存在は、近いSNPでのもう1つの特定の対立遺伝子の存在と相互関係する。複数のSNPの対立遺伝子のこの非ランダム会合は、連鎖不平衡(LD)そして知られている。
8個のIL4R SNP間の連鎖不平衡を、282組の両親の遺伝子型を用いて評価した。それらの564人の個体はお互い関係しないが、但し結婚によってを除く。564人の個体(“HBPI創始体”)のこのグループにおける個々のSNPに関するWT対立遺伝子の計算された頻度の要約は、表9に示される。
【0086】
LDの計算をいくつかの手段で行なうことができる。すべての組のIL4R SNP遺伝子座間でのLDを評価するために2種の補足的方法を使用した。第1の方法においては、Maximum Likelihood Estimation Algorithm of Hill (Hill, 1974) を用いて、LDについての2種の異なるが、しかし関連するマトリックス、すなわちD及びD(Devlin and Risch, 1995) の値を計算した。すべての対のIL4R SNPについてのD及びDの値は、表10の下方の左側の三角部分に示される。D及びDの両者は、B1〜+1の間の範囲である値を有する。+1又はB1に近い値は、強い連鎖不平衡を示し;ゼロに近い値はLDの不在を示す。
【0087】
LDの第2の測定は、Arleguinプログラム(L. Excoffier, University of Geneva, CH)(Excoffier and Slatkin 1995; Slatkin and Excoffier 1996)において実施される順列試験方法を使用する。この方法は、対立遺伝子の順序を変え、そしてSが最大化されるまで、多数の反復にわたってSを再び計算することによって、見込み比較統計(S=−2log(LH*/LH))を最大化する。それらの反復は、Sのゼロ分布の決定を可能にし、そして従って、得られる最大Sを、正確なP−値(有意レベル)に転換することができる。それらのP−値は、表10の上部右の三角部分に列挙される。
【0088】
対様LDの表10は、SNP1とSNP2との間で、及びSNP3, 4, 5, 6, 7及び8(のすべての組合せ)間で有意な証拠が存在することを示す。SNP3〜8は、IL4R遺伝子の単一エキソン(エキソン9)においてお互い1200塩基対以内に存在することが知られており、それらのSNP間のLDは非常に小さな遺伝子距離についての証拠である。
【0089】
Spielmanの伝達不平衡試験(TDT)(Spielman and Ewens 1996; Spielman and Ewens 1998) を、282人の影響された血縁組(すなわち、2人の親及び2人の影響された子供から成る家族構造)についてのIL4R遺伝子型データに基づいて行なった。TDTを用いて、1型糖尿病への8のIL4R SNPの個々の対立遺伝子の関連性について試験した。TDTは、対立遺伝子が、偶然に予測されるよりも有意に異なる頻度で、ヘテロ接合親から彼らの影響された子供に伝達されるかどうか評価する。疾患と対立遺伝子との関連性のない帰無仮説下で、ヘテロ接合親は、影響される子供に、等しい頻度で対立遺伝子を伝達するか又は伝達しないであろう。帰無仮説からの逸脱の有意性は、McNemerのカイ二乗検定統計学(= (T-NT)"2/(T+NT)(ここで、Tは伝達の観察される数であり、そしてTNは非伝達の観察される数である)を用いて評価され得る。McNemarのカイ二乗検定統計学の有意性(P−値)は、1の自由度を有するPearsonのカイ二条検定統計学に等しい(Glantz 1997)。
【0090】
単一SNP遺伝子座TDTの結果は、表10A及び10Bに示される。SpielmanのTDT/S-TDTプログラム(バージョン1.1)を用いて、伝達された及び伝達されていない対立遺伝子の計算を行なった(Spielman, McGinnisなど., 1993; Spielman and Ewens 1998)。表は、個々のSNP遺伝子座での野生型対立遺伝子の観察される伝達を列挙する。それらは二対立遺伝子多形現象であるので、変異体対立遺伝子の伝達計数は、野生型対立遺伝子の非伝達統計に等しい。
【0091】
表11Aに示される発端者のみへの対立遺伝子の伝達及び非伝達の計数は、a=0.05で、統計学的有意性にまったく達しない。しかしながら、すべての影響された子供への伝達現象を計数することが有効である。しかしながら、TDTがこの手段で(又は、さらにそれに関しては、家族当たり1人以上の子供に関して)用いられる場合、有意な試験統計学は、会合及び連鎖ではなく、連鎖のもを開示する。表11Bは、26人の追加の影響された子供が包含される場合のTDT分析を示す。下記表11Bに提供される結果は、SNP3, 4, 5及び6の対立遺伝子についての予測される伝達頻度からの有意な逸脱が存在することを示す。それらのSNPについての“%伝達率”値の調査は、野生型対立遺伝子が50%の予測以上の頻度で影響された子供に伝達されることを示す。
【0092】
8種のIL4R SNP間での強いLDについての証拠は、個々の親からの規則正しい対立遺伝子組のHBDI群における個々の影響された子供への伝達を検出することができることを示唆した。この規則正しい対立遺伝子組は、物理的に親の2本の染色体の1本の染色体に対応し、そしてハプロタイプと呼ばれる。親のハプロタイプ、及び彼らの影響された子供への伝達又は非伝達を推定することによって、対立遺伝子のみからよりも統計学的情報を得ることが求められる。
【0093】
本発明者は、2種の方法の組合せを用いてIL4Rハプロタイプを推定した。第1の段階として、本発明者は、家系図からの遺伝子型データからのハプロタイプを非常に急速に計算するので、Geme Humterプログラム(Falling Rain Genomics, Palo Alto, CA)(Kruglyak, Dalyなど. 1996)を使用した。次に、本発明者は、いずれかの不明瞭な又は支持されていないハプロタイプ割り当てを解決するために、Cyrillic プログラム(Cherwell Scientific Publishing, Palo Alto, CA)を用いて、個々のHBDI家族家系図を調査した。明白且つ非組換えハプロタイプが、282の家族のすべてではないが6家族において強く割り当てられ得た。それらの276の家族についてのハプロタイプデータは、続くデータ分析に使用された。
【0094】
IL4R遺伝子は、SNPの多くが、コード領域が約1.5kbの長さである、最3’側エキソン(エキソン9)内に存在する性質を有する。本発明者は、親遺伝子型を必要としないで、5個までのそれらのエキソン9対立遺伝子(すなわち、SNP#3−7)を直接的にハプロタイプ分類するための方法を開発した。それらのSNPの多くはIL4Rタンパク質のアミノ酸配列への変化を指図するので、異なったハプロタイプはたぶんことなった機能を有する異なったタンパク質をコードする。
親遺伝子型情報が知られていない個体におけるハプロタイプは、それらのSNP部位の多くとも1つがヘテロ接合性である場合のみ、明白に推定され得る。他の場合、その不明瞭性は実験的に解決されるべきである。
【0095】
本発明者は、下記図1に示されるように、個体の染色体からDNAを別々に増幅するために、PCR反応(Stoffel GoldTM ポリメラーゼを用いて)を行なうための1つの共通プライマーともに、2種の対立遺伝子−特異的プライマーを使用する。次に、個々のアンプリコン上の対立遺伝子は、同じストリップハイブリダイゼーション方法、及び直接的に必要とされる結合された対立遺伝子により検出される。対立遺伝子−特異的(着色されているか又は陰影の矢印)及び共通(黒の矢印)のプライマーの選択は、SNP遺伝子座がヘテロ接合性であることに依存する。プライマーはビオチンとの接合により5’リン酸で修飾され、そして表12(配列番号54−62)に示される。
【0096】
個々のハプロタイプ分類アッセイに関しては、2種のPCR反応を、試験される個々のDNAのために設定する。1つの反応は、共通プライマー及び野生型対立遺伝子−特異的プライマーを含み、他の反応は、共通プライマー及び変異対立遺伝子−特異的プライマーを含む。個々のPCR反応を、次の試薬を含む、50−100mlの合計体積で製造する:
0.2ng/μl の精製されたヒトゲノム DNA
0.2 mM の個々のプライマー
800 mM の合計dNTP (200 mM の個々のdATP, dTTP, dCTP,dGTP)
10mMのKCl
10 mM のトリス-HCl, pH 8. 0
2.5 mM のMgCl2,
0.12単位/ml のStoffel GoldTM DNA ポリメラーゼ*
*: Roche Molecular Systemsにより開発され、そして製造されているが、しかし市販されていない。
【0097】
増幅を、下記に示される特定の温度循環プロフィールを用いて、GeneAmp7 PCR System 9600熱サイクラー(PE Biosystems, Foster City, CA)において行なう:
Figure 2004535822
増幅に続いて、個々のPCR生成物反応を、上記のようにして、膜−結合されたプローブへのハイブリダイゼーションのために、変性し、そして別々に使用する。
【0098】
影響された血族において共有するハプロタイプ:
1型糖尿病へのIL4Rの連鎖(会合に反するものとして)についての証拠が、ハプロタイプ共有方法により評価され得る。この方法は、個々の家族における2人の影響された兄弟間で血統的に同一(IBD)である染色体の数のすべての家族にわたっての分布を評価する。例えば1つの家族において、父は両子供に彼の2本のIL4Rハプロタイプの同じ1本を伝達し、そして母は両子供に彼女の2本のIL4Rハプロタイプの同じ1本を伝達する場合、子供は2本の染色体IBDを共有する(又は、IBD=2である)と言われる。両親が彼らの2人の子供に異なったIL4Rハプロタイプを伝達する場合、子供はIBD=0であると言われる。
【0099】
1型糖尿病へのIL4Rの連鎖がない帰無仮説下で、ランダム分類により予測される場合、家族のIBD=0の割合は25%であり、IBD=1は50%であり、そしてIBD=2は25%である(表13を参照のこと)。この予測からの統計学的に有意な差異についての証拠は、カイ二条検定統計学を用いて評価され得る。
影響された血縁における親IL4Rハプロタイプの血統的に同一(IBD)値は、256の家族において明確に決定され得る。残りの家族においては、1人又は両方の親はホモ接合性であり、そして/又は子供の染色体の親の源は決定され得なかった。IBDの分布は表13に示される。
【0100】
HLA遺伝子型が、1型糖尿病に関する危険性に対して、その遺伝子型に依存して高められた又は低められた有意な効果を有することは知られている。特に、HLA DR遺伝子型DR3-DQB1*0201/DR4-DQB1*0302(下記にDR3/DR4として言及される)を有する個体は、1型糖尿病に対して最高の危険性であると思われる(Noble, Valdesなど., 1996; 引用により本明細書に組込まれる)。それらの高い危険性の個体は、1型糖尿病により影響される15の機会の中で約1の機会を有する。1型糖尿病の可能性に対するこの遺伝子型の強い効果のために、DR3/4遺伝子型の存在は、IL4R対立遺伝子又はハプロタイプからの寄与を隠すことができた。
【0101】
家族におけるIBDの分布を、子供のDR3/4遺伝子型に基づいて2種のグループに分類した。第1のグループは、血縁の1つ又は両者がDR3/4である家族を含む(“いずれか/両者の血縁DR3/4”、n=119)。第2のグループは、いずれの子供もDR3/4でない家族を含む(“いずれの血縁もDR3/4でない”、n=137)。それらのサブグループにおけるIBD分布は、表13に示される。家族の“いずれか/両者の血縁DR3/4”サブグループにおいて共有するIBDの予測される分布からの統計学的に有意な離脱は存在しなかった。家族の“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおいて共有するIBDの予測される分布からの統計学的に有意な離脱が存在する(表13)。これは、“いずれの血縁もDR3/4でない”家族においてIDDMへのIL4R遺伝子座の連鎖についての証拠が存在することを示す。
【0102】
AFBAによる関連性:
1型糖尿病とのIL4Rハプロタイプの関係を、AFBAC(影響される家族に基づく態様)方法(Thomson 1995)を用いて、評価した。実質的に、2種のハプロタイプグループ、及びそれらのグループにおけるハプロタイプ頻度は、サンプリングの患者/対照スキームにおけるように、お互いを比較される。それらの2種のグループは、患者(伝達された)及び対照(AFBAC)ハプロタイプである。
【0103】
患者のハプロタイプ、すなわち影響された子供に伝達されたそれらのハプロタイプは、集められ、そして次の通りに計数される。親の状態(ホモ接合体又はヘテロ接合体)にかかわらず、あらゆる兄弟組に関して、本発明者はすべて4種の伝達された染色体を計数する。しかしながら、2人の兄弟組におけるハプロタイプは、お互い無関係ではない。統計学的に保存的な及び効果的な列挙を製造するための手段は、すべての係数を2で割り算することである。
【0104】
対照(AFBAC)ハプロタイプは、影響された組の子供に決して伝達されていないそれらのハプロタイプである(Thomson 1995)。AFBACハプロタイプは、対照ハプロタイプの頻度の公平な評価を可能にする。AFBACは、単に、ヘテロ接合性親から、及びさらに、親が両子供に1つのハプロタイプを伝達する場合のみ、決定され得;他の決して伝達されなかったハプロタイプはAFBAC集団において計算される。AFBAC集団は、研究のための十分に適合された対照ハプロタイプ組として作用する。
【0105】
表14Aは、完全なサンプル組において少なくとも5度、観察されたすべてのHBDIハプロタイプについての伝達された及びAFBAC頻度の比較を示す。個々の横列は、個体のハプロタイプに基づくデータを表す。しかしながら、すべての中で、16の明確なハプロタイプが、非常にまれではあるが、HBDIデータ組において観察された。7このまれなハプロタイプが“他の”横列において一緒にグループ分けされた。個々のハプロタイプは、9個IL4R SNPの個々で存在する対立遺伝子により列挙される。
【0106】
表13B及びBCは、それぞれ、家族の“いずれか/両者の血縁DR3/4”及び“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおいて見出されるすべてのHBDIハプロタイプについての伝達された及びAFBAC頻度の比較を示す。それらの表は、子供のDR3/4遺伝子型に基づく家族の分類がIDDMに関連するハプロタイプの同定を可能にすることを示す。特に、“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおいては、1つのハプロタイプ(ラベルされた“21222221”)は、伝達された染色体のプールにおいて有意に過小表示される(P<0.005)。
【0107】
表14B及び14Cにおける伝達された及びAFBACハプロタイプ頻度情報から、伝達された及びAFBAC対立遺伝子の頻度を係数することによって誘導することができる。遺伝子×遺伝子座AFBAC分析が、表15A及び15Bに示されている。
表15A及び15Bに示されているデータは、SNP番号3, 4, 5, 6及び7の対立遺伝子がIDDMに関連する、家族の“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおいて、統計学的に有意な証拠が存在することを示す。関連性についての証拠は特に、SNP#6に関して強い。“いずれか/両者の血縁DR3/4”サブグループにおいては、対立遺伝子関連の同じ傾向が、統計学的有意性にまったく達しないわけではないが、前記傾向は存在する。
【0108】
ハプロタイプに基づくTDTによる関連性:
TDT分析は、ハプロタイプが分子手段により推定されるか又は割り当てられると、影響された子供への親からの8−遺伝子座ハプロタイプの伝達(又は非伝達)を決定するために使用され得る。表16A、B及びCは、HBDI家族についてのTDT結果を要約する。表16Aは、家族当たり1人の子供(発端者)に対してのみの情報伝達現象を計算し、表16Bは、家族当たり2人の一次影響された子供に対する情報伝達を計算し、そして表16Cは、すべての影響された子供に対する情報伝達を計算する。8−遺伝子座ハプロタイプTDT結果は、すべての影響された子供(家族当たり2又はそれ以上)が包含される場合、統計学的有意性に達する。
【0109】
TDT分析を、子供のDR3/4遺伝子型を分類した後、家族に対して行なうことができる。家族の“いずれか/両者の血縁DR3/4”及び“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおける、家族当たり2人の一次影響された子供に対する情報伝達の計算の要約が、それぞれ表17A及び17Bに示される。上記に示されるように、“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおけるIL4RへのIDDMの連鎖の有意な現象が存在する。表17Bのデータは、この連鎖の存在下で、IDDMへのIL4Rハプロタイプの会合の有意な現象が存在することを示す。特に、“いずれの血縁もDR3/4でない”サブグループにおいては、1つのハプロタイプ(ラベルされた“21222221”)が影響された子供に有意に過少−伝達される。
【0110】
例6.フィリピン人サンプルにおける I 型糖尿病との関連性
フィリピン人からの183人の個体からのサンプルを、逆ラインブロット方法を用いる遺伝子型分類した。89人の個体は1型糖尿病を有し、94人は適合された対照である。
遺伝子型分類方法:
それらの対象を、HBDIサンプルについて上記に記載されるのと同じ方法により遺伝子型分類した。Il4R SNPの分子ハプロタイプ分類をまた、上記のようにして行なった。
【0111】
統計学的方法及びアルゴリズム:
グループ間の対立遺伝子及びハプロタイプ頻度を、z−検定を用いて比較した。ハプロタイプ組成及び頻度を、Arlequinプログラム(L. Excoffier, University of Geneva, CH)(Excoffier and Slatkin 1995, Slathkin and Excoffier 1996) を用いて、遺伝子型データから評価した。
【0112】
結果:
最大−見込み評価(MLE)により、コンピューターを用いて、又は前に記載された分子ハプロタイプ分類方法を用いることにより、フィリピン対象における複数遺伝子座IL4Rハプロタイプを推定し、そして構成することもまた可能である。表19は、フィリピン人糖尿病及び対照における5つの最も頻繁なコンピューター的に評価されたハプロタイプ及びそれらの頻度を列挙し、そして頻度における差異の有意性を表す。
【0113】
表20は、分子ハプロタイプ分類により誘導され、そして推定されるような、観察されたハプロタイプを列挙し;明確な7−遺伝子座ハプロタイプ(“X”により示されるように、SNP#1対立遺伝子は示されていない)が包含される。表18及び19は両者とも、フィリピン人対照と糖尿病集団との間での1又は複数のハプロタイプの頻度における統計学的に有意な差異の現象を提供し、そしてIDDMへのIL4Rの関連性の存在を支持する。特に、ハプロタイプ(ラベルされた“x1222221”)は、フィリピン人糖尿病グループにおいて有意に過少表示される。
【0114】
引用文献:
Devlin, B. and N. Risch (1995). "A comparison of linkage disequilibrium measures for fine scale mapping. "Genomics 29 (2): 311-22.
Excoffier, L. and M. Slatkin (1995)."Maximum-likelihood estimation of molecular haplotype frequencies in a diploid population. "Mol Biol Evol 12 (5): 921-7.
Glantz, S. A. (1997). Primer of biostatistics. New York, McGraw-Hill Health Professions Division.
Hill, W. G. (1974)."Estimation of linkage disequilibrium in randomly mating populations."Heredity 33(2) : 229-39.
Kruglyak, L. , M. J. Daly, など. (1996). "Parametric and nonparametric linkage analysis: a unified multipoint approach. "Am J Hum Genet 58 (6): 1347-63.
【0115】
Noble, J. A. , A. M. Valdes, など. (1996). "The role of HLA class II genes in insulin dependent diabetes mellitus: molecular analysis of 180 Caucasian, multiplex families. "Am J Hum Genet 59 (5) : 1134-48.
Slatkin, M. and L. Excoffier (1996). "Testing for linkage disequilibrium in genotypic data using the Expectation-Maximizationalgorithm."Heredity 76 (Pt 4): 377-83.
Spielman, R. S. and W. J. Ewens (1996). "The TDT and other family-based tests for linkage disequilibrium and association. "Am J Hum Genet 59 (5): 983-9.
【0116】
Spielman, R. S. and W. J. Ewens (1998). "A sibship test for linkage in the presence of association: the sib transmission/disequilibrium test. "Am J Hum Genet 62 (2): 450-8.
Spielman, R. S. , R. E. McGinnis, など. (1993). "Transmission test for linkage disequilibrium: the insulin gene region and insulin-dependent diabetes mellitus(IDDM)."Am J Hum Genet 52 (3): 506-16.
Thomson, G. (1995). "Mapping disease genes: family-based association studies. "Am J Hum Genet 57 (2): 487-98.
【0117】
本発明の種々の態様が記載されて来た。前記記載及び例は、本発明の例示であり、限定するものではない。実際、修飾が本発明の範囲内で本発明の種々の態様に行われ得ることは、当業者に明かであろう。
本明細書に引用されるすべての文献は、それらのすべてを、引用により本明細書に組込まれる。
【0118】
【表3】
Figure 2004535822
【0119】
【表4】
Figure 2004535822
【0120】
【表5】
Figure 2004535822
【0121】
【表6】
Figure 2004535822
【0122】
【表7】
Figure 2004535822
【0123】
【表8】
Figure 2004535822
【0124】
【表9】
Figure 2004535822
【0125】
【表10】
Figure 2004535822
【0126】
【表11】
Figure 2004535822
【0127】
【表12】
Figure 2004535822
【0128】
【表13】
Figure 2004535822
【0129】
【表14】
Figure 2004535822
【0130】
【表15】
Figure 2004535822
【0131】
【表16】
Figure 2004535822
【0132】
【表17】
Figure 2004535822
【0133】
【表18】
Figure 2004535822
【0134】
【表19】
Figure 2004535822
【0135】
【表20】
Figure 2004535822
【0136】
【表21】
Figure 2004535822
【0137】
【表22】
Figure 2004535822
【0138】
【表23】
Figure 2004535822
【0139】
【表24】
Figure 2004535822
【0140】
【表25】
Figure 2004535822
【0141】
【表26】
Figure 2004535822
【0142】
【表27】
Figure 2004535822

【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】図1は、分子ハプロタイプ分類方法の図を提供する。

Claims (22)

  1. 1型糖尿病についての個体の危険性を決定するための方法であって、前記個体の核酸サンプルにおけるインスリン依存性糖尿病(IDDM)−関連インターロイキン4受容体(IL4R)対立遺伝子の存在を検出することを含んで成り、ここで前記対立遺伝子の存在が1型糖尿病についての個体の危険性を示すことを特徴とする方法。
  2. 前記1型糖尿病についての危険性が、高められた危険性である請求項1記載の方法。
  3. 前記疾患−関連対立遺伝子が、素因を与える対立遺伝子である請求項2記載の方法。
  4. 前記1型糖尿病についての危険性が、低められた危険性である請求項1記載の方法。
  5. 前記疾患−関連対立遺伝子が、保護対立遺伝子である請求項4記載の方法。
  6. 前記核酸サンプルがDNAを含んで成る請求項1記載の方法。
  7. 前記核酸サンプルがRNAを含んで成る請求項1記載の方法。
  8. 前記核酸サンプルが増幅される請求項1記載の方法。
  9. 前記核酸サンプルが、ポリメラーゼ鎖反応により増幅される請求項8記載の方法。
  10. 前記対立遺伝子が、増幅により検出される請求項1記載の方法。
  11. 前記対立遺伝子が、ポリメラーゼ鎖反応により検出される請求項10記載の方法。
  12. 前記対立遺伝子が、配列決定により検出される請求項1記載の方法。
  13. 前記対立遺伝子が、前記対立遺伝子に関連する1又は複数の多形体にハイブリダイズすることができる1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドと前記核酸サンプルとを接触せしめ、そして前記ハイブリダイズされた配列−特異的オリゴヌクレオチドを検出することによって検出される請求項1記載の方法。
  14. 前記1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドが、表2に列挙されるSNP番号1,2,3,4,5,6,7又は8を含んで成る請求項13記載の方法。
  15. 1型糖尿病についての個体の危険性を決定するためのキットであって、
    (a)IDDM−関連のIL4R対立遺伝子における1つの配列に対して十分に相補的である配列を個々に含んで成る1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチド、ここで前記配列が前記対立遺伝子に関連する1又は複数の多形体を含んで成る;及び
    (b)1型糖尿病についての個体の危険性を決定するためのキットを使用する説明書;
    を含んで成るキット。
  16. 追加の配列決定プライマーを含む請求項15記載のキット。
  17. 1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドがラベルされている請求項15記載のキット。
  18. 前記ラベルを検出するための手段を含む請求項17記載のキット。
  19. 前記1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドが、素因を与えるIL4R対立遺伝子における1つの配列に対してそれぞれ相補的である請求項15記載のキット。
  20. 前記1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドが、保護IL4R対立遺伝子における1つの配列に対してそれぞれ相補的である請求項15記載のキット。
  21. 前記1又は複数の配列−特異的オリゴヌクレオチドが、表2に列挙されるSNPの1,2,3,4,5,6,7又は8を含んで成る請求項15記載のキット。
  22. 1型糖尿病についての個体の危険性を決定するためへの表2に列挙される1又は複数のSNPの使用。
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