JP2004535792A - チロシナーゼアッセイ法 - Google Patents

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Abstract

新規のチロシナーゼアッセイ法。

Description

【背景技術】
【0001】
関連出願
本願は、2001年4月27日出願の米国特許仮出願第60/286,950号(その内容は、参照として完全に本明細書に組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
チロシナーゼ(モノフェノール、3,4-ジヒドロフェニルアラニン:オキシゲンオキシドレダクターゼ、EC 1.14.18.1)は、メラニン合成の律速段階である、L-チロシンのL-ドーパへのヒドロキシル化を触媒する、銅に基づくオキシドレダクターゼである。さらに、チロシナーゼは、L-ドーパのL-ドーパキノンへの酸化を触媒する。チロシナーゼは、一般に色素産生細胞(メラノサイト)に排他的であり、黒色腫においてはしばしば未制御である。メラニン生合成経路の反応生成物には、ドーパクロム(赤)、インドール5,6キノン(紫または黄)、およびメラニン(茶)のような色素が含まれる。これらの色素は、チロシナーゼ活性を検出する蛍光定量アッセイ法および比色定量アッセイ法の基礎としてはたらく(Hoalら(1982)Cancer Res 42:5191-5195;Buffeyら(1994)Brit J Dermatology 131:836-842;Mooreら(1989)Histochemistry 90:379-381;国際公開公報第01/01131号)。その他のチロシナーゼ検出技術には、チロシナーゼ活性に関する放射定量アッセイ法(Pomerantz(1964)Biochem biophys Res Commun 16:188-192;Ramirez-Bosca(1992)Arch Dermatol Res 284:358-362)、及び抗体に基づく検出技術(Orchard(2000)Histochem J 32:475-481;Fetschら(2000)Cancer Cytopathology 90:252-257;Wakisakaら(2000)Life Sciences 66:1-6)が含まれる。ドーパ反応が、インサイチューのチロシナーゼ活性に関する標準アッセイ法である。この手法においては、組織試料、しばしば表皮シートを、ドーパまたはチロシンと共にインキュベートし、チロシナーゼ陽性細胞において黒色色素(ドーパ−メラニン[3])を産生させる(LernerおよびHendee(1973)J Invest Dermatol 60、16-19)。
【発明の開示】
【0003】
発明の概要
発明者らは、メラニンの産生にとって不可欠な酵素チロシナーゼに関する高度に高感度かつ特異的なアッセイ法を開発した。本明細書に記載されたアッセイ法は、標識された反応したチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。アッセイ法は、例えば、例えば細胞または組織におけるチロシナーゼのインサイチューの位置を示すことができ;組織、例えば皮膚組織、眼組織、血液、血清、血漿、リンパにおけるチロシナーゼ含有細胞、例えば色素細胞または黒色腫細胞の存在を同定することができ;組織、例えば皮膚または眼の組織における色素細胞の分布または色素細胞の状態を同定することができる。アッセイ法は、凍結組織切片、未固定組織に対して実施されてもよいし、いくつかの型の固定液と共に実施されてもよい。アッセイ法は、パラフィン切片、例えば復元パラフィン切片に対しても実施され得る。
【0004】
従って、本発明は、試料、例えば組織試料、例えば皮膚、眼、または血液の試料中のチロシナーゼを検出する方法を特色とする。本方法は、(a)直接的または間接的に(例えば、ビオチン−ストレプトアビジンにより)、標識、例えば比色定量的に検出可能な標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または蛍光標識(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、もしくはCY-3)とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えば、チロシン、チラミド(tyramide)、またはドーパと、試料を接触させること;(b)好ましくは、チロシナーゼを基質に作用させること、例えば基質と結合させ、かつ/または基質を酸化させること;および(c)反応した標識されたチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。シグナルは、従来の技術、例えば、例えば微視イメージャー(microscopic imager)を用いた蛍光イメージングにより検出され得る。理論により拘束されることは望まないが、試料中のチロシナーゼは、チロシナーゼ基質と結合し、かつ/またはチロシナーゼ基質を酸化し、不安定な反応中間体を作出すると考えられる。中間体は、近傍の分子と結合し、チロシナーゼの近位(そこで、検出され得る)において試料へと沈着するか、またはメラニンへと取り込まれると考えられる。
【0005】
好ましい態様において、試料は皮膚組織試料である。
【0006】
好ましい態様において、試料は眼組織試料である。
【0007】
好ましい態様において、試料は、血液試料、例えば、血液、血漿、もしくは血清、またはリンパ試料、例えばリンパ液の試料である。
【0008】
好ましい態様において、試料は培養細胞または組織の試料である。
【0009】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0010】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチロシンまたはチロシン類似体である。もう一つの好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチラミドまたはドーパである。
【0011】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質、例えば、チラミド、ドーパ、またはチロシン類似体は、ビオチンとカップリングしており、かつ標識はストレプトアビジンとカップリングしている。
【0012】
好ましい態様において、標識は、蛍光標識、例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、またはCY-3である。
【0013】
好ましい態様において、試料は凍結切片である。
【0014】
好ましい態様において、試料は、メタノール、アセトン、またはホルムアルデヒドのうちの1個またはそれ以上で固定されている。
【0015】
好ましい態様において、試料は、例えば未反応の基質または未結合の標識を除去するため、例えばPBSにより、少なくとも一回洗浄される。
【0016】
好ましい態様において、反応した標識された基質は、チロシナーゼまたは試料のもう一つの分子と結合している。
【0017】
好ましい態様において、本方法は、組織試料中のインサイチューのチロシナーゼを検出する。
【0018】
もう一つの局面において、本発明は、試料、例えば皮膚または眼の組織試料中のチロシナーゼを検出する方法を特色とする。本方法は、(a)特異的結合対の第一のメンバーとカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばビオチン化チロシナーゼ基質、例えばビオチン化されたチラミドまたはドーパ、またはビオチン化されたチロシン類似体と、試料を接触させること;(b)好ましくは、チロシナーゼを基質に作用させること、例えば基質と結合させ、かつ/または基質を酸化させること;(c)標識、例えば比色定量的に検出可能な標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または蛍光標識とコンジュゲートしている特異的結合対の第二のメンバー、例えばストレプトアビジン、例えばフルオレセイン−ストレプトアビジンと、試料を接触させること;および(d)標識の存在を検出することを含む。好ましい態様において、反応した標識された基質は、チロシナーゼまたは試料のもう一つの分子と結合している。標識の存在は、従来の技術、例えば蛍光イメージングを使用して検出され得る。
【0019】
好ましい態様において、試料は皮膚組織試料、例えば皮膚外植片である。
【0020】
好ましい態様において、試料は眼組織試料、例えば眼外植片である。
【0021】
好ましい態様において、試料は培養細胞または組織の試料である。
【0022】
好ましい態様において、試料は、血液試料、例えば血液、血漿、もしくは血清、またはリンパ試料、例えばリンパ液の試料である。
【0023】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0024】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチロシンまたはチロシン類似体である。もう一つの好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチラミドまたはドーパである。
【0025】
好ましい態様において、チラミドはビオチンとカップリングしており、かつフルオレセインはストレプトアビジンとカップリングしている。
【0026】
好ましい態様において、標識は、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、またはCY-3である。
【0027】
好ましい態様において、試料は凍結切片である。
【0028】
好ましい態様において、試料は、メタノール、アセトン、またはホルムアルデヒドのうちの1個またはそれ以上で固定されている。
【0029】
好ましい態様において、試料は、例えば未反応の基質または未結合の標識を除去するため、例えばPBSにより、少なくとも一回洗浄される。
【0030】
もう一つの局面において、本発明は、皮膚または毛髪中の色素沈着を調節するか、またはそれに影響を与える化合物、例えば化粧品、例えばメラニン形成細胞中のメラニン形成を調節する化合物、例えば、皮膚退色剤もしくは皮膚黒化剤または日焼け止めとして有用な化合物を同定する方法を特色とする。本方法は、(a)細胞または組織を試験化合物と接触させること;(b)直接的または間接的に(例えば、特異的結合対、例えばビオチン−ストレプトアビジンのメンバーにより)、標識、例えば比色定量的に検出可能な標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、もしくはCY-3とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパと、細胞または組織を接触させること;(c)好ましくは、チロシナーゼを基質に作用させること、例えば基質と結合させ、かつ/または基質を酸化させること;および(d)反応した標識されたチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。細胞または組織中のチロシナーゼの量、局在、または分布の変化を引き起こす化合物は、メラニン形成を調節する化合物として同定され得る。好ましくは、本方法は、組織試料中のインサイチューのチロシナーゼを検出する。標識からのシグナルは、従来の技術、例えば、例えば微視イメージャーを用いた蛍光イメージングにより検出され得る。いくつかの態様において、細胞または組織は、試験化合物に加え、または試験化合物の代わりに、紫外線、例えばUVB線と接触させられ得る。
【0031】
好ましい態様において、細胞はインビトロの培養細胞、例えばメラノサイトである。
【0032】
好ましい態様において、組織は、組織外植片、例えば皮膚外植片である。
【0033】
好ましい態様において、細胞または組織は皮膚の細胞または組織である。
【0034】
好ましい態様において、細胞または組織は眼の細胞または組織である。
【0035】
好ましい態様において、試験化合物は、低分子、例えば小さなペプチドまたは小さな非オリゴマー分子である。
【0036】
好ましい態様において、試験化合物は、抗体、またはFabフラグメント、Fab'2フラグメント、およびFvフラグメントのようなその抗原結合断片である。
【0037】
好ましい態様において、試験化合物は、植物抽出物または植物由来の化合物である。
【0038】
好ましい態様において、試験化合物は有機化合物である。
【0039】
好ましい態様において、試験化合物は、低分子、例えば小さなペプチド分子または非ペプチド分子のライブラリーに由来する。
【0040】
好ましい態様において、試験化合物は抗体のライブラリーに由来する。
【0041】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0042】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチロシンまたはチロシン類似体である。もう一つの好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチラミドまたはドーパである。
【0043】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質、例えばチラミド、ドーパ、またはチロシン類似体はビオチンとカップリングしており、かつ標識はストレプトアビジンとカップリングしている。
【0044】
好ましい態様において、標識は、蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、またはCY-3である。
【0045】
好ましい態様において、試料は凍結切片である。
【0046】
好ましい態様において、試料は、メタノール、アセトン、またはホルムアルデヒドのうちの1個またはそれ以上で固定されている。
【0047】
好ましい態様において、化合物は、ヒトまたは非ヒト動物においてインビボでさらに試験される。例えば、化合物が、例えば局所的に動物へと投与され、動物に対する化合物の効果が評価される。
【0048】
好ましい態様において、試料は、例えば未反応の基質または未結合の標識を除去するため、例えばPBSにより、少なくとも一回洗浄される。
【0049】
もう一つの局面において、本発明は、皮膚または毛髪中の色素沈着を調節するか、またはそれに影響を与える化合物、例えば化粧品、例えばメラニン形成細胞中のメラニン形成を調節する化合物、例えば高色素沈着状態もしくは低色素沈着状態の治療薬、皮膚退色剤もしくは皮膚黒化剤、または日焼け止めのいずれかとして有用な化合物を同定する方法を特色とする。本方法は、(a)複数の培養細胞の各々を、各々が異なる試験化合物と接触するよう、試験化合物と接触させること;(b)直接的または間接的に(例えば、特異的結合対、例えばビオチン−ストレプトアビジンのメンバーにより)、標識、例えば比色定量的に検出可能な標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、もしくはCY-3とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパと、複数の培養細胞を接触させること;および(c)複数の細胞の各々と会合した標識されたチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。複数の培養細胞のうちの1個またはそれ以上におけるチロシナーゼの量、局在、または分布の変化を引き起こす化合物は、メラニン形成を調節する化合物として同定され得る。標識からのシグナルは、従来の技術、例えば、例えば微視イメージャーを用いた蛍光イメージングにより検出され得る。いくつかの態様において、組織は、試験化合物に加え、または試験化合物の代わりに、紫外線、例えばUVB線と接触させられ得る。
【0050】
好ましい態様において、培養細胞はメラノサイトである。
【0051】
好ましい態様において、試験化合物は低分子である。
【0052】
好ましい態様において、試験化合物は、植物抽出物または植物由来の化合物である。
【0053】
好ましい態様において、試験化合物は有機化合物である。
【0054】
好ましい態様において、試験化合物は、試験化合物のライブラリー、例えば低分子、例えば小さなペプチド分子または非ペプチド分子のライブラリー、抗体ライブラリー、有機化合物のライブラリーに由来する。
【0055】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0056】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチロシンまたはチロシン類似体である。もう一つの好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチラミドまたはドーパである。
【0057】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質、例えばチラミド、ドーパ、またはチロシン類似体はビオチンとカップリングしており、かつ標識はストレプトアビジンとカップリングしている。
【0058】
好ましい態様において、標識は、蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、またはCY-3である。
【0059】
好ましい態様において、培養細胞は、メタノール、アセトン、またはホルムアルデヒドの1個またはそれ以上で固定されている。
【0060】
好ましい態様において、培養細胞は未固定である。
【0061】
好ましい態様において、化合物は、ヒトまたは非ヒト動物においてインビボでさらに試験される。例えば、化合物が、例えば局所的に動物へと投与され、動物に対する化合物の効果が評価される。
【0062】
好ましい態様において、試料は、例えば未反応の基質または未結合の標識を除去するため、例えばPBSにより、少なくとも一回洗浄される。
【0063】
もう一つの局面において、本発明は、例えば色素細胞疾患、例えば白皮、白斑、または色素細胞を含む増殖性状態、例えば黒色腫の診断または予後判定のため、組織、例えば皮膚組織、眼組織、血液、血漿、またはリンパ(例えば、リンパ液)中の色素細胞の状態を評価する方法を特色とする。本方法は、直接的または間接的に(例えばビオチン−ストレプトアビジンにより)、標識、例えば比色定量的に検出可能な標識(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)または蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、もしくはCY-3とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパと、組織を接触させること;好ましくは、チロシナーゼを基質に作用させること、例えば基質を酸化させること;および反応した標識されたチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。好ましい態様において、反応した標識された基質は、チロシナーゼまたは試料のもう一つの分子と結合している。チロシナーゼの存在または欠如は、組織中の色素細胞の状態と相関する。好ましくは、本方法は、組織試料中のインサイチューのチロシナーゼを検出する。標識からのシグナルは、従来の技術、例えば、例えば微視イメージャーを用いた蛍光イメージングにより、例えばFACSにより、または蛍光顕微鏡を用いて検出され得る。
【0064】
好ましい態様において、組織は皮膚組織である。
【0065】
好ましい態様において、組織は眼組織である。
【0066】
好ましい態様において、組織は、血液組織、例えば全血、血漿、もしくは血清、またはリンパ組織、例えばリンパ液もしくはリンパ節の試料、例えばリンパ節生検材料である。
【0067】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0068】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチロシンまたはチロシン類似体である。もう一つの好ましい態様において、チロシナーゼ基質はチラミドまたはドーパである。
【0069】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質、例えばチラミド、ドーパ、またはチロシン類似体はビオチンとカップリングしており、かつ標識はストレプトアビジンとカップリングしている。
【0070】
好ましい態様において、標識は、蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、またはCY-3である。
【0071】
好ましい態様において、試料は、例えば未反応の基質または未結合の標識を除去するため、例えばPBSにより、少なくとも一回洗浄される。
【0072】
もう一つの局面において、本発明は、色素陽性細胞、例えば黒色腫細胞へと治療剤をターゲティングする方法を特色とする。本方法は、直接的または間接的に(例えばビオチン−ストレプトアビジンにより)、細胞毒性剤、例えばリシン;サポニン;シュードモナス外毒素;アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質;ジフテリア毒素;ビンブラスチン;4-デスアセチルビンブラスチン(desacetylvinblastine);ビンクリスチン;リューロシジン(leurosidine);ビンデシン;シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、メトトレキサート、またはアミノプテリンのような代謝拮抗薬;アントラサイクリン、マイトマイシンC;ビンカ・アルカロイド;デメコルチン;エトポシド;ミトラマイシン;クロラムブシルまたはメルファランのような抗腫瘍アルキル化剤;ダウノルビシン、ドキソルビシン、アドリアマイシン等のようなDNA合成阻害剤とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパを、その必要がある細胞、組織、または対象へ投与することを含む。
【0073】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0074】
好ましい態様において、細胞または組織は、色素細胞癌の細胞または組織、例えば黒色腫組織である。
【0075】
好ましい態様において、対象は、増殖性色素細胞疾患、例えば黒色腫を有しているか、またはそのリスクを有しているものである。
【0076】
もう一つの局面において、本発明は、色素陽性細胞、例えば黒色腫細胞へと治療剤をターゲティングする方法を特色とする。本方法は、直接的または間接的に(例えばビオチン−ストレプトアビジンにより)、光増感薬、例えば修飾されたポルフィリン、クロリン、バクテリオクロリン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、フェオフォルビド、またはプルプリンとカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパを、その必要がある細胞、組織、または対象へ投与すること;および光増感薬が活性化されるよう、細胞、組織、または対象を光、例えばレーザーに曝すことを含む。チロシナーゼ基質は、光増感剤薬を色素陽性細胞(例えば循環系中に存在する黒色腫細胞)へとターゲティングするため、色素陽性細胞(例えば循環系中の黒色腫細胞)のみが、活性化された光増感薬により破壊される。理論により拘束されないが、光増感剤は、光により活性化されるが、細胞および組織と直接的には反応しないと考えられる。そうではなく、それは、分子酸素へとそのエネルギーを渡し、「一重項酸素」と呼ばれる特に反応性の毒性種を形成させる。
【0077】
好ましい態様において、チロシナーゼ基質はフェノール化合物である。
【0078】
好ましい態様において、色素陽性細胞は黒色腫細胞である。
【0079】
好ましい態様において、組織は血液またはリンパである。
【0080】
好ましい態様において、対象は、色素細胞増殖性疾患、例えば黒色腫を有しているものである。
【0081】
本明細書において使用されるように、「特異的結合対のメンバー」とは、特異性および高い親和性を持って相互に結合する2個の分子の各々である。特異的結合対の例には、ビオチン−ストレプトアビジンまたは抗原−抗体が含まれる。
【0082】
本明細書において使用されるように、「血液試料」または「血液組織」とは、全血、または全血に由来する試料もしくは組織をさす。例えば、血液試料または血液組織には、血漿または血清が含まれる。「リンパ組織」とは、リンパ系の組織をさす。例えば、リンパ組織には、リンパ節もしくはその生検材料、リンパ液、またはリンパ細胞が含まれる。
【0083】
本発明の一つまたはそれ以上の態様の詳細が、以下の説明に記載される。本発明のその他の特色、目的、および利点は、説明および図面から、そして特許請求の範囲から明白になるであろう。
【0084】
詳細な説明
ヒト・チロシナーゼ(モノフェノール、3,4-ジヒドロフェニルアラニン:オキシゲンオキシドレダクターゼ、EC 1.14.18.1)は、例えばヒトの皮膚および眼に存在する茶色または黒色の色素の群、メラニンの産生を制御する不可欠の酵素である。より具体的には、チロシナーゼは、チロシンのドーパへの変換、およびドーパのドーパキノンへの変換を触媒する。チロシナーゼは、色素産生細胞(メラノサイト)に存在し、黒色腫においてはしばしば未制御である。
【0085】
本発明は、細胞または組織中のチロシナーゼ活性に関する特異的かつ高度に高感度のアッセイ法を特色とする。本方法は、例えば、例えば皮膚もしくは眼の細胞もしくは組織の試料中のインサイチューのチロシナーゼ、または例えば培養細胞もしくは組織、例えば培養メラノサイト中のインビトロのチロシナーゼを検出することができる。本方法は、直接的または間接的に(例えばビオチン−ストレプトアビジンにより)、標識、例えば蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、またはCY-3とカップリングしているチロシナーゼ基質、例えばチロシン、チラミド、またはドーパと、試料を接触させること;および反応した標識されたチロシナーゼ基質の存在または欠如を検出することを含む。好ましくは、チロシナーゼ基質、例えばチラミド、ドーパ、またはチロシン類似体はビオチンとカップリングしており、かつ標識はストレプトアビジンとカップリングしている。標識は、蛍光標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、またはCY-3であり得る。従って、標識は、従来の技術、例えば蛍光イメージングにより検出され得る。
【0086】
本明細書に記載されたチロシナーゼアッセイ法は、高度に特異的かつ高感度である。本方法は、明視野顕微鏡検により呈色色素を検出することを必要とせず、酵素反応生成物の自己酸化によるバックグラウンド染色を生成させない。その代わりに、蛍光に基づく視覚化工程の使用が、高度に高感度のアッセイを与える。例えば、本明細書に記載された方法は、例えば毛幹の髄質細胞中の活性チロシナーゼを検出することができる。
【0087】
本明細書に記載されたアッセイ法を用いて皮膚を調査することにより、本発明者らは、チロシナーゼ活性の新たな部位(メラノサイトから多数のメラノソームを受容することが既知の毛髄の上皮細胞)を同定した。チロシナーゼはメラニン産生において重要な役割を果たしているため、これらの結果は、メラニン形成が、メラノソーム転移後に継続され、本来色素形成性ではない細胞に色素沈着機能を授与することを示唆している。
【0088】
方法論
本明細書に記載されたチロシナーゼアッセイ法は、免疫染色およびその他のイムノアッセイ法に適用されるシグナル増幅技術であるカタライズド・レポーター・デポジション(catalyzed reporter deposition)(CARD[35])との類似性を保有している。CARD法においては、しばしば酵素を抗体またはストレプトアビジンと連結させることにより、西洋ワサビペルオキシダーゼが固相(例えば、組織切片)に付加される。続いて、ペルオキシダーゼが、ビオチン化されたフェノール化合物(例えば、ビオチニル・チラミド)と反応し、酵素の近傍へのこの化合物の沈着を引き起こす。おそらく、ペルオキシダーゼは、フェノール基をフリーラジカルへと変換し、それが、電子リッチな分子を固相表面上へと結合させる。次いで、色素または酵素のいずれかとコンジュゲートしているストレプトアビジンを用いて、固相が調査される。これらのストレプトアビジン・コンジュゲートは、ビオチン沈着物と結合し、それによりイムノアッセイシグナルを増幅する。
【0089】
本明細書に記載されたチロシナーゼアッセイ法は、チロシナーゼの天然基質と、その他のフェノール化合物、例えばビオチニル・チラミドとの間の構造類似性を活用する。アッセイ法の一つの態様において、組織学的切片は、典型的には約10分間、ビオチニル・チラミドと共にインキュベートされる。CARDと同様に、アッセイ法は、ビオチン化基質の安定的な沈着物を生成させ、次いで、それがストレプトアビジン−色素コンジュゲートにより検出される。
【0090】
染色中、ペルオキシダーゼは、ビオチニル・チラミドと反応し、CARD様の沈着を引き起こす可能性があるため、これらの酵素はバックグラウンドの供給源となり得る。従って、それらは、アッセイ法の最初に、過酸化水素での処理により消耗または消滅させられ得る。
【0091】
チロシナーゼは、過酸化物処理に対する比較的大きい抵抗性を保有しており、ペルオキシダーゼを消耗させる過酸化物濃度においても活性を維持している。従って、アッセイ法は、アッセイ特異性を増強するため過酸化物処理を利用することができる。
【0092】
チロシナーゼ基質
本明細書に記載された方法は、チロシナーゼ活性に関してアッセイすべき細胞または組織の試料(例えば、細胞もしくは組織外植片、またはインビトロ培養された細胞もしくは組織)を、チロシナーゼ基質と接触させることを含む。チロシナーゼ基質は、例えばチロシン、チラミド、もしくはドーパ(3ヒドロキシルチロシン)、またはチロシンの類似体もしくは誘導体、またはチロシナーゼと反応することができるその他のフェノール化合物であり得る。好ましくは、基質は、ビオチンとカップリングしている。
【0093】
使用され得るチロシナーゼの基質である化合物には、例えばドーパミン、レゾルシノール、4-ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシアニソール、L-3,4-ジヒドロフェニルアラニン、tertブチルカテコール、ヒドロキノン、6-ヒドロキシドーパ、N-アセチル-4-S-システアミニルフェノール(cysteaminylphenol)(N-Ac-4-S-CAP)、または没食子酸メチルが含まれる。
【0094】
試料の加工
本明細書に記載されたアッセイ法は、分離された表皮に、その使用を制限されない。アッセイ法は、凍結組織切片、例えば完全な皮膚または眼の切片に対しても実施可能であり、従って組織学的分析および臨床診断に有用である。本方法は、特定の組織固定法を必要とせず、アッセイ法は、未固定の細胞もしくは組織を用いて実施されてもよいし、または数種類の固定液を用いて実施されてもよい(例えば、メタノール/アセトン固定もしくはホルムアルデヒド固定)。アッセイ法は、パラフィン切片、例えば復元パラフィン切片を用いて実施され得る。その他の有用な組織固定法は、当業者に既知である。
【0095】
タンパク質のビオチン化
ビオチンは、分子の機能に対して、または分子量に対してすら、ほとんど効果を及ぼし得ない小さな分子である。小さいサイズのため、ビオチンは、本明細書に記載された方法において優れたタグとなる。ビオチンは、アビジンまたはストレプトアビジンと強固に結合する。アビジンおよびストレプトアビジンは、標識と既にコンジュゲートさせられ、商業的供給元(例えば、Molecular Probes, Inc.)より入手可能である。ビオチン化化合物を作成する方法は、Avidin-Biotin Chemistry:A Handbook、Pierce Chemical Company、1992に記載されている。ビオチン化試薬を調製するための一次ビルディング・ブロックは、ビオチンおよびビオチン-XX[ここで、「X」は、ビオチンと反応性カルボン酸との間の7原子アミノヘキサノイル・スペーサーを表す]である。このスペーサーは、ビオチン・モエティを付加点から隔離するのを補助し、ビオチンの、コンジュゲートしている生体分子との相互作用を潜在的に減少させる。アビジンおよびストレプトアビジンは、一般に、交換可能である。
【0096】
好ましくは、チロシナーゼ基質、例えばチラミド、ドーパ、またはチロシン類似体は、ビオチンとカップリングしており、標識はストレプトアビジンとカップリングしている。ビオチニル・チラミド、および蛍光標識とカップリングしているストレプトアビジン、例えばストレプトアビジン−フルオレセインまたはストレプトアビジン−テキサスレッドは、商業的に入手可能である。ビオチニル・チラミドは、本明細書に記載されるようにして調製されてもよい(実施例3参照)。
【0097】
使用
本明細書に記載された方法は、診断、予後判定、およびスクリーニングの適用において有用であろう。哺乳動物の皮膚および毛髪の色は、メラニン産生のための中心的な律速酵素であるチロシナーゼの活性の程度を含む多数の要因により決定される。メラニンは、メラノサイトとして既知の特殊な色素産生細胞に見出される。これらの細胞は、神経冠で発生し、胚形成中に皮膚、眼、およびCNSを含む全身に分布する。皮膚に存在するものは、通常、表皮および毛包の基底層に存在する。従って、本明細書に記載された方法によりアッセイされる、これらの組織中のチロシナーゼの存在または欠如は、例えば、色素細胞疾患、例えば高色素沈着または低色素沈着の状態または障害、例えば白斑または白皮、例えばチロシン陰性眼皮膚白皮症もしくはチロシナーゼ陽性眼皮膚白皮症の診断において使用され得る。
【0098】
黒色腫細胞も、チロシナーゼを発現する。従って、本明細書に記載された方法は、黒色腫の診断においても有益であり得る。例えば、アッセイ法は、黒色腫患者の循環血中のチロシナーゼ発現腫瘍細胞の同定のため使用され得る。また、チロシナーゼは通常リンパ節または循環血中には見出されないため、リンパ節切片または血液試料中のチロシナーゼの存在(拡張すると、メラニン含有細胞の存在)は、転移性の黒色腫細胞が存在している証拠として使用され得る。さらに、初期マーカーを発現しているが、中期または後期のマーカーは欠いている黒色腫は、上皮形態学を有し、色素沈着を欠き、そして低レベルのチロシナーゼを有する。対照的に、後期マーカーを発現している黒色腫は、紡錘形または多樹状(polydenritic)の形態学を有し、色素沈着を有し、そして高レベルのチロシナーゼを有する。従って、本明細書に記載されたチロシナーゼアッセイ法は、これらの異なる段階を区別するのに有用であり得る。
【0099】
本方法は、色素沈着に影響を与える既知のまたは潜在的な薬物または処置(試験化合物または試験処置)、例えば化粧品、例えば潜在的な皮膚、眼、または毛髪の色素沈着化合物または色素脱失化合物に関するハイスループットアッセイ法として特に有用である。例えば、一つの態様において、複数の細胞、例えば培養細胞、例えば培養メラノサイトを準備し、培養細胞におけるチロシナーゼ活性を調節する能力に関して、化合物(例えば、植物学的化合物もしくは植物抽出物、または試験化合物、例えば低分子のライブラリー)をスクリーニングすることができる。細胞のチロシナーゼ活性は、本明細書に記載された方法に従い、(例えば試験化合物の存在下および非存在下において)アッセイされ得る。培養細胞のチロシナーゼ活性に影響を与える(例えば、増加または減少させる)試験化合物は、高色素沈着もしくは低色素沈着の状態、例えば本明細書に記載された状態もしくは障害の治療のための薬物もしくは処置として、または組織、例えば皮膚、毛髪、もしくは眼を色素沈着もしくは色素脱失するための化粧的処置として同定され得る。さらに、紫外光はチロシナーゼ活性を刺激するため、本明細書に記載されたアッセイ法は、紫外線障害から防御する日焼け止めまたはその他の薬剤の有効性を試験することができる。
【0100】
皮膚の色素沈着
本明細書に記載されたアッセイ法を使用して、チロシナーゼ陽性細胞は、表皮の基底層に等間隔で検出された。これらの細胞は、樹状の様相を呈し、他の表皮細胞間に拡がる染色された突起、または染色された顆粒の列を保有していた。従って、位置および形態学に関して、チロシナーゼ陽性細胞はメラノサイトと類似していた。メラノサイトの数は身体部位により変動し、メラノサイトと基底ケラチノサイトとの比率は、1:4〜1:10の範囲であると考えられている[8]。染色は、一般に、最も高い報告されたメラノサイト密度と一致していたが、チロシナーゼ陽性細胞の数は、これらのメラノサイト推定値の範囲内にあった。従って、チロシナーゼ陽性細胞の存在数は、一般に認められているメラノサイトの分布と一致していた。
【0101】
アッセイ開発の一部として、アッセイ法を、ホルムアルデヒドまたはメタノール/アセトンで固定された組織において試験した。アッセイ法は、両方の固定液を用いて実施可能であり、全ての試料において、陽性細胞が強いシグナルおよび類似した分布を示した。しかしながら、固定の欠如は染色を妨害せず、固定ヒト皮膚および未固定ヒト皮膚において、陽性細胞は類似した存在数を示した。組織を包埋前に4℃で数時間PBS中で維持した場合ですら、アッセイ法は未固定の皮膚を染色した。従って、アッセイ法は、特定の細胞集団の高度に安定的な特色を検出し、その結果、特定の組織調製または固定の方法を必要としない。
【0102】
感度を査定するため、アッセイされた皮膚試料を、マッソン・フォンタナ技術を使用して、メラニンに関して染色した。メラニンは、一つの生検材料には豊富に存在し、他方にはほとんど検出不可能であったが、二つの試料は、本明細書に記載されたアッセイ法においては同等のチロシナーゼ染色パターンを示した。従って、アッセイ法はメラニンのレベルには依存せず、ほとんど色素沈着を有しない皮膚においても強力なシグナルを生成させる。
【0103】
アッセイ法の効力の試験として、アッセイ法を、「母斑」[1]として一般的に既知の良性メラノサイト腫瘍である、色素性母斑を有する皮膚に対して実施した。陽性細胞は真皮−表皮結合部にクラスターとして見出され、これらのクラスターは、母斑組織学に特徴的な構造であるメラノサイト巣と類似していた。従って、アッセイ法は、メラノサイト腫瘍を含む色素細胞病理学を同定することができる。
【0104】
アッセイ法の酵素的な基礎を確認するため、正常な皮膚を、チロシナーゼの阻害剤であるコウジ酸[37]の存在下でアッセイした。この阻害剤は、染色反応を完全に阻止し、このことからチロシナーゼがシグナルを生成させることが確認された。アッセイ特異性のさらなる試験として、皮膚メラノサイトの欠損をもたらす疾患である白斑[1]を有すると診断された皮膚に対して、アッセイ法を実施した。白斑罹患皮膚には染色が観察されず、このことから、アッセイ法が厳密に色素細胞と関連した形質を同定することが示された。
【0105】
アッセイ法の一つの態様において、ビオチニル・チラミドは、低濃度の過酸化水素を含有しているCARDのために開発された緩衝液(増幅希釈剤、実施例参照)[35]に含まれ、切片へと適用される。過酸化物の役割を査定するため、増幅希釈剤を、0 01%過酸化水素を含む、または含まない50mMトリス(pH8 0)と交換した。正常ヒト皮膚のアッセイ法において、過酸化物の非存在下でも陽性染色は可視であったが、過酸化物は、シグナルを大きく増幅し、アッセイ法の感度を増加させた(示されていないデータ)。従って、アッセイ法は、一般的な緩衝液を用いて実施可能であり、過酸化水素は染色反応を促進または刺激する。
【0106】
メラノサイトが、皮膚におけるチロシナーゼの唯一の産生細胞であると考えられているが、酵素はメラノソームに局在しているため、上皮細胞は、色素転移においてチロシナーゼを獲得する可能性がある。従って、全てのチロシナーゼ陽性細胞型を同定するため、正常な皮膚を、本明細書に記載されたアッセイ法、およびメラノサイト・マーカーまたはケラチノサイト・マーカーのいずれかに対する抗体を使用して、二重染色した。表皮において、チロシナーゼ染色は、メラノサイトならびにいくつかの非表皮細胞型(例えば肥満細胞、生殖細胞、および造血幹細胞[38])に存在する受容体チロシンキナーゼであるc-Kitの分布と正確に相関していた。対照的に、チロシナーゼ染色パターンは、上皮細胞に特徴的な中間径フィラメント・タンパク質であるケラチンの分布とは重複していなかった。従って、表皮において、アッセイ陽性細胞は、メラノサイトに関連したマーカーを排他的に保有している。従って、本明細書に記載されたアッセイ法は、皮膚の色素細胞の特異的な指標であり、チロシナーゼは染色反応の可能性の高い触媒である。アッセイ法は、低いメラニン・レベルを有する皮膚において多数のメラノサイトを検出するため、高度に高感度である。
【0107】
眼における色素沈着
有効性のさらなる試験として、黒色マウスまたはアルビノ・マウスに由来する眼に対して、アッセイ法を実施した。アルビノ動物は、チロシナーゼを不活化し、メラニン合成を排除するtyr遺伝子のミスセンス変異を保持している[29、31]。成体黒色マウスにおいては、メラニンの分布と正確に一致して、虹彩および脈絡膜の全体に、強力な染色が観察された。対照的に、網膜色素上皮も有意なメラニン・レベルを保有していたにも関わらず、このコンパートメントは弱い染色を示した。コウジ酸は、ヒト皮膚アッセイ法に対する効果と同様に、眼の染色を全て阻害した。アルビノ動物においては、網膜色素上皮に弱い染色が観察されたが、虹彩および脈絡膜には染色が検出されなかった。
【0108】
総合すると、これらの結果は、チロシナーゼアッセイ法がチロシナーゼ活性の高度に特異的な指標であることを証明している。虹彩および脈絡膜においては、アルビノ変異が全ての染色を排除するため、アッセイ法は、チロシナーゼに対する絶対的な特異性を示す。網膜色素上皮においては、この染色はアルビノ変異により防止されなかったため、弱い染色は、非チロシナーゼ依存性のメカニズム(おそらく、チロシナーゼ関連タンパク質[2、19])により生成したものである。
【0109】
にも関わらず、この弱いシグナルは、チロシナーゼに特異的な強い染色とは劇的に異なり、従って、チロシナーゼが、強力なシグナルの唯一の供給源である。
【0110】
眼のメラニン形成は生命初期に最も活発であり、成体の眼は、低いメラニン代謝回転速度を示すことが知られている([39]およびその中の参照)。メラニン産生のマーカーとして3-H-メチマゾール取り込みを使用して、Lindquistら[39]は、成熟マウスの眼を調査し、虹彩および脈絡膜にメラニン形成を検出したが、成体動物でも幼若動物でも、網膜色素上皮にはメラニン合成が観察されなかった。この研究と一致して、本明細書に記載されたアッセイ法は、虹彩および脈絡膜において有意なチロシナーゼ活性を検出するが、網膜においてはほとんどまたは全く活性を検出しない。従って、成体マウスにおいて、網膜は通常メラニンを産生する能力を欠いており、虹彩および脈絡膜は色素形成機能を維持している。
【0111】
毛髪の色素沈着
毛包におけるメラニン形成を検査するため、本明細書に記載された方法を、7日齢黒色マウスに由来する皮膚に対して実施した。この発達段階において、皮膚は、色素沈着毛髪を産生する毛包を高密度に含有している。チロシナーゼ染色は、マウスの皮膚におけるほとんどのメラノサイトの部位である、分化中の毛幹の基底の近傍において最も強かった。これらのチロシナーゼ陽性細胞は、毛髪を色素沈着することが既知の円錐形のメラノサイト・クラスターと類似した、毛乳頭先端周囲の円錐を形成した。驚くべきことに、染色はメラノサイト円錐に制限されておらず、チロシナーゼ陽性細胞が、分化中の毛髪自体に観察された。この毛幹染色は、円錐から皮膚の表面へと進み、円錐シグナルより低い強度を示した。大部分の皮膚染色が成長中の毛髪に関連していたが、陽性細胞は、これらのコンパートメントのメラノサイトまたはそれらの先駆体の報告と一致して[6]、表皮、真皮、および外毛根鞘に検出される場合があった。
【0112】
その他の色素沈着組織と同様に、コウジ酸は、黒色マウスの皮膚におけるチロシナーゼ染色を阻止した。さらに、アルビノ動物は、毛包、真皮、または表皮に陽性細胞を示さなかった。従って、アッセイ法は、皮膚およびその付属物中のチロシナーゼ活性に特異的である。毛幹内では、メラニンは、通常、皮質および髄質(存在する場合)に蓄積し、同心の円柱を形成している[10]。マウスの被毛において、髄質は典型的には皮質より大きな色素沈着を示し、髄質内では、メラニンが等間隔に集中し色素沈着バンドのラダーを生成するようになる。
【0113】
毛幹内のチロシナーゼの位置を査定するため、皮膚を、チロシナーゼアッセイ法、ヘキスト色素33258、ならびに髄質および内毛根鞘のマーカーであるトリコヒアリンに対する抗体を使用して三重染色した[40、41]。陽性細胞は主として髄質に見出されたが、チロシナーゼ染色はトリコヒアリン染色またはDNA染色と重複していなかった。そうではなく、チロシナーゼシグナルおよびトリコヒアリン/DNAシグナルは、交互のバンドのラダーを生成させ、このことから、チロシナーゼが、メラニンと同様に、別個のコンパートメントへと隔離されていることが示された。
【0114】
電子顕微鏡検およびその他の研究に基づき、メラノサイトは、毛髪の成長の間、毛球に留まると考えられている[6、9、10]。毛幹の基底において、メラノサイトは、円錐形のメラノサイト・クラスターを通り上方へと移動する皮質および髄質の前駆体にメラノソームを転移する。正常な毛包の場合、メラノサイトが、成長中の毛髪の上皮細胞と共に上昇するという証拠は存在しない。この見解と一致して、染色は、毛球より毛包の中心点へと進み、そこで、その消失が、髄質上皮細胞による核の損失と同時に起こった。核の破壊は、髄質およびその他の皮膚上皮の分化における最終工程のうちの一つであるということが知られている[9、10]。従って、上皮細胞が分化を完成し死滅する際に、チロシナーゼ活性が失われたことから、これらの細胞がチロシナーゼを保有していることが示唆される。
【0115】
樹状細胞分布を直接的に検査するため、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、神経細胞、およびその他の細胞型に存在するタンパク質S-100[42]に対する抗体を使用して、皮膚を染色した。毛包の内部において、S-100は、一般に認められているメラノサイトの位置と一致して、毛乳頭周囲の円錐形の領域に検出された。S-100染色は、分化中の毛幹には観察されず、それは、この構造からのメラノサイトの欠如と一致していた。従って、2個の細胞型(メラノサイトおよび分化中の髄質の上皮細胞)において、毛包は、活性チロシナーゼを含有しているとの結論を下すことができる。
【0116】
実施例
実施例 1 :組織加工
染色前、組織試料は様々な方式で加工され得る。本明細書に記載された方法は、凍結切片および数種類の固定液を用いて(例えば、メタノール/アセトン固定またはホルムアルデヒド固定)、パラフィン切片、例えば復元されたパラフィン切片を用いて、そして未固定の組織を用いて実施されうる。本明細書に記載された組織の加工は、代表的なものであり、制限を目的とするものではない。様々なその他の固定および加工の技術は、当業者に既知である。本方法は、固定なしでも実施されうる。
【0117】
ホルムアルデヒド固定については、組織試料を、1%のメタノール・フリー・ホルムアルデヒド(Polysciences, Inc)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の中で4℃で一夜インキュベートした。次いで、試料を、7〜24時間4℃で20%ショ糖に移した。切片化のため組織を包埋するため、(過剰のショ糖溶液を除去するため)レンズ紙に生検材料を簡単にブロットし、ピール・ア・ウェイ(peel-a-way)トレー(VWR Scientific)内で、OCT化合物(Tissue-Tek/VWR Scientific)で覆った。次いで、−70℃のイソペンタン浴で組織を急速凍結させた。切片をおよそ6μmの厚さに切断し、室温において空気乾燥させ、−70℃で保管した。
【0118】
メタノール:アセトン固定については、生検直後に組織試料をOCT化合物で急速凍結させた。切片をおよそ6μMの厚さに切断し、スライドに接着させた後、−20℃で1:1メタノール:アセトン中に直接(湿状態で)置いた。一般に、試料は5〜15分間固定したが、固定の長さは、結果に影響を与えなかった。固定の後、切片を室温で空気乾燥させ、−70℃で保管した。
【0119】
メラニンの分布を観察するため、マッソン・フォンタナ染色[34]を実施した。
【0120】
実施例 2 :チロシナーゼの可視化
下記は、本明細書に記載された方法の一態様である。
【0121】
手法の全工程を、加湿チャンバー内で室温で実施した。ホルムアルデヒド固定切片は、15分間、0 1%NP-40を含むPBSにより透過性化し、メタノール:アセトン固定切片は、5分間、PBSにより水和し、透過性化を必要としなかった。ペルオキシダーゼ活性を消滅させるため、全ての切片を10分間3%H202を含むPBSにより処理し、次いで、PBSによる1回の洗浄(5分間)により過酸化物を除去した。バックグラウンド染色を減少させるため、5%ウシ血清アルブミン(BSA、第V画分、Boehringer Mannheim)を含むPBSにより試料をブロッキングした(10〜30分間)。このインキュベーションの後、Vector Laboratoriesのアビジン/ビオチン・ブロッキング・キットによる処理を行った。
【0122】
チロシナーゼ反応は、CARD(catalyzed reporter deposition)染色技術(35)のため至適化されたキット、TSAビオチン・システム(TSA Biotin System)(NEN Life Science Products, Inc)のビオチニル・チラミドおよび増幅希釈剤を利用した。(実施例3に記載されるようにして調製されたビオチニル・チラミドを使用することも可能である)。製造業者の指示に従いジメチルスルホキシド(DMSO)でビオチニル・チラミドを再生させ、増幅希釈剤で1:50に希釈し、切片へと適用した。マウスの試料については、チロシナーゼ反応物を5〜10分インキュベートし、ヒト試料については、インキュベーション時間は10〜20分であった。次いで、0.1%NP-40/PBSにより切片を3回洗浄した(洗浄1回につき5分間)。ストレプトアビジン-CY3を5%BSA/PBS(1:600)で希釈し、切片と共に1時間インキュベートした。次いで、0 1%NP-40/PBS(5分間)により試料を1回洗浄した。DNA染色液であるヘキスト色素33258(PBS中10mg/ml;Fluka Chemical Corp)を0 1%NP-40/PBSで1:10000に希釈し、2分間切片へと適用した。試料を、0 1%のNP-40/PBSにより1回洗浄し(5分間)、蒸留水により1回簡単に洗浄した。次いで、切片を空気乾燥させ、蛍光封入剤(Kirkegaard and Perry)を用いて封入した。試料の可視化は、従来の蛍光イメージング技術により実施され得る。
【0123】
実施例 3 :ビオチン化チラミドの調製
ストック溶液:
スルホ-NHS-LCビオチン(100mg)
50mmホウ酸緩衝液pH8.0(40ml)
チラミド塩酸塩(30mg)
溶液が完全に溶解するまで室温で穏和に撹拌する。0.45μmシリンジ・フィルターでろ過する。
【0124】
ワーキング溶液:
ストック溶液(25μl)
0.05M TBS pH7.6(1ml)
等分し、−20℃で保管する。
【0125】
実施例 4 :免疫蛍光
免疫蛍光染色は、手法の最初に凍結切片を0 1% NP-40/PBS(15分間)により透過性化したことを除き、記載されたようにして[36]実施した。S-100に対するウサギポリクローナル抗体(1:500)は、Neomarkers,Inc/Lab Vision Corp製であった。
【0126】
本明細書に記載された方法および免疫蛍光を使用して切片を二重染色するため、ストレプトアビジン-CY3インキュベーションまで(しかし、これは含まずに)、チロシナーゼアッセイプロトコルを実施した。次いで、一次抗体(ウサギポリクローナル)を5%BSA/PBSで希釈し、室温で1時間切片へと適用した。ヒトc-Kitに対する抗体(1:100)はMBL製であり、パンサイトケラチン(pan-cytokeratin)に対する抗体(1:50)はZymed製であり、トリコヒアリンに対する抗体はGeorge E.Rogers博士(University of Adelaide)より譲り受けた。このインキュベーションの後、0 1%NP-40/PBS(5分間)により切片を3回洗浄した。ストレプトアビジン-CY3(1:600)およびウサギIgGに対するフルオレセイン結合ヤギ抗体(1:50:Pierce)を5%BSA/PBSで一緒に希釈し、室温で1時間切片へと適用した。次いで、0 1%NP-40/PBSにより切片を洗浄し、ヘキスト色素33258により染色し、再び洗浄し、本明細書に記載されたようにして封入した。
【0127】
参照文献
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【0128】
本発明の多数の態様が記載された。にも関わらず、本発明の本旨および範囲を逸脱することなく様々な修飾がなされうることが理解されるであろう。従って、他の態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

Claims (41)

  1. 細胞または組織の試料中のチロシナーゼを検出する方法であって、
    細胞または組織の試料を、直接的または間接的に標識とカップリングしているチロシナーゼ基質と接触させること;および
    チロシナーゼまたは試料のもう一つの分子と結合した標識された基質の存在を検出し、それにより、細胞または組織の試料中のチロシナーゼを検出することを含む、方法。
  2. 試料が皮膚の細胞または組織である、請求項1の方法。
  3. 試料が眼の細胞または組織である、請求項1の方法。
  4. 試料が血液組織である、請求項1の方法。
  5. 試料がリンパ組織である、請求項1の方法。
  6. チロシナーゼ基質がチロシンまたはチロシン類似体である、請求項1の方法。
  7. チロシナーゼ基質がチラミドである、請求項1の方法。
  8. チロシナーゼ基質がドーパである、請求項1の方法。
  9. チロシナーゼ基質が特異的結合対の第一のメンバーとカップリングしており、かつ標識が特異的結合対の第二のメンバーとカップリングしている、請求項1の方法。
  10. 特異的結合対の第一のメンバーおよび第二のメンバーが、ビオチンおよびストレプトアビジンである、請求項9の方法。
  11. 特異的結合対の第一のメンバーおよび第二のメンバーが、抗原および抗原特異的抗体である、請求項9の方法。
  12. 標識が蛍光標識である、請求項1の方法。
  13. 試料が凍結切片である、請求項1の方法。
  14. 試料が、未固定であるか、またはメタノール、アセトン、およびホルムアルデヒドのうちの1個またはそれ以上で固定されている、請求項1の方法。
  15. 試料中のチロシナーゼを検出する方法であって、
    試料をビオチン化チロシナーゼ基質と接触させること;
    試料を、標識とコンジュゲートしたストレプトアビジンと接触させること;および
    標識の存在を検出し、それにより試料中のチロシナーゼを検出することを含む、方法。
  16. 試料が皮膚の細胞または組織である、請求項15の方法。
  17. 試料が眼の細胞または組織である、請求項15の方法。
  18. 試料が血液組織である、請求項15の方法。
  19. 試料がリンパ組織である、請求項15の方法。
  20. チロシナーゼ基質がチロシンまたはチロシン類似体である、請求項15の方法。
  21. チロシナーゼ基質がチラミドである、請求項15の方法。
  22. チロシナーゼ基質がドーパである、請求項15の方法。
  23. 標識が蛍光標識である、請求項15の方法。
  24. 試料が凍結切片である、請求項15の方法。
  25. 試料が、未固定であるか、またはメタノール、アセトン、およびホルムアルデヒドのうちの1個またはそれ以上で固定されている、請求項1の方法。
  26. 色素沈着を調節する化合物を同定する方法であって、
    細胞または組織を試験化合物と接触させること;
    細胞または組織を、直接的または間接的に標識とカップリングしているチロシナーゼ基質と接触させること;
    細胞または組織中の標識を検出すること;および
    試験化合物の存在下での標識の量、局在、または分布が、試験化合物の非存在下での標識の量、局在、または分布と異なる場合、試験化合物を色素沈着を調節する化合物として選択し、それにより色素沈着を調節する化合物を同定することを含む、方法。
  27. 細胞または組織を紫外線と接触させる工程をさらに含む、請求項26の方法。
  28. 細胞または組織が皮膚の細胞または組織である、請求項26の方法。
  29. 細胞または組織が毛髪である、請求項26の方法。
  30. 細胞または組織が眼の細胞または組織である、請求項26の方法。
  31. チロシナーゼ基質がチロシンまたはチロシン類似体である、請求項26の方法。
  32. チロシナーゼ基質がチラミドである、請求項26の方法。
  33. チロシナーゼ基質がドーパである、請求項26の方法。
  34. チロシナーゼ基質がビオチンとカップリングしており、かつ標識がストレプトアビジンとカップリングしている、請求項26の方法。
  35. 標識が蛍光標識である、請求項26の方法。
  36. 選択された化合物を動物においてインビボで試験する工程をさらに含む、請求項26の方法。
  37. 選択された化合物が、皮膚、毛髪、または眼の退色剤である、請求項26の方法。
  38. 選択された化合物が、皮膚、毛髪、または眼の黒化剤である、請求項26の方法。
  39. 選択された化合物が日焼け止めである、請求項27の方法。
  40. 色素沈着を調節する化合物を同定する方法であって、
    培養メラノサイトを試験化合物と接触させること;
    培養メラノサイトを、直接的または間接的に標識とカップリングしているチロシナーゼ基質と接触させること;
    培養メラノサイト中の標識を検出すること;および
    試験化合物の存在下での標識の量、局在、または分布が、試験化合物の非存在下で標識の量、局在、または分布と異なる場合、試験化合物を色素沈着を調節する化合物として選択し、それにより色素沈着を調節する化合物を同定することを含む、方法。
  41. 試験化合物が低分子である、請求項40の方法。
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