JPH0665297A - メラニン合成抑制蛋白質とその製造方法並びに用途 - Google Patents
メラニン合成抑制蛋白質とその製造方法並びに用途Info
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- JPH0665297A JPH0665297A JP4264025A JP26402592A JPH0665297A JP H0665297 A JPH0665297 A JP H0665297A JP 4264025 A JP4264025 A JP 4264025A JP 26402592 A JP26402592 A JP 26402592A JP H0665297 A JPH0665297 A JP H0665297A
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- C07K14/4703—Inhibitors; Suppressors
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メラニン合成抑制活性を有する蛋白質を提供
することにより、メラニン生成メカニズムの研究に有用
な手段を与え、さらに、シミ、ソバカス、日焼けなどの
局所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症の治
療および予防に応用することを目的とする。 【構成】 本発明は、メラニン合成抑制活性を有する蛋
白質と、その製法並びに用途を構成とする。本発明のメ
ラニン合成抑制蛋白質は、メラニン合成の制御に関わる
新規な因子としてメラニン研究に有用な手段を提供する
と共に、シミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにア
ジソニスムなどの全身性色素沈着症の治療、および予防
を目的とした新たな医薬品、化粧品として広範な利用が
期待される。
することにより、メラニン生成メカニズムの研究に有用
な手段を与え、さらに、シミ、ソバカス、日焼けなどの
局所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症の治
療および予防に応用することを目的とする。 【構成】 本発明は、メラニン合成抑制活性を有する蛋
白質と、その製法並びに用途を構成とする。本発明のメ
ラニン合成抑制蛋白質は、メラニン合成の制御に関わる
新規な因子としてメラニン研究に有用な手段を提供する
と共に、シミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにア
ジソニスムなどの全身性色素沈着症の治療、および予防
を目的とした新たな医薬品、化粧品として広範な利用が
期待される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白質とその製法並び
にその用途、とりわけヒト細胞由来のメラニン合成抑制
活性を有する新規蛋白質とその製法並びにその用途に関
する。
にその用途、とりわけヒト細胞由来のメラニン合成抑制
活性を有する新規蛋白質とその製法並びにその用途に関
する。
【0002】
【従来の技術】メラニンは、皮膚に存在していて、紫外
線の悪影響から身体を守る重要な役目を担っているとと
もに医学上並びに美容上重要な因子である。メラニンの
合成は皮膚組織で行われることが知られており、メラニ
ン量の過剰は色黒とされ、また、その不均一な分布は、
シミ(肝斑)、ソバカス(雀卵斑)とされ、いずれも美
容上の欠陥である。従来、皮膚のメラニン量を低減し、
色白の美しい肌にするためには、主にタイロシネース
(tyrosinase)の酵素活性抑制剤、たとえば
ビタミンC、グルタチオン、システインなどが利用され
ている。
線の悪影響から身体を守る重要な役目を担っているとと
もに医学上並びに美容上重要な因子である。メラニンの
合成は皮膚組織で行われることが知られており、メラニ
ン量の過剰は色黒とされ、また、その不均一な分布は、
シミ(肝斑)、ソバカス(雀卵斑)とされ、いずれも美
容上の欠陥である。従来、皮膚のメラニン量を低減し、
色白の美しい肌にするためには、主にタイロシネース
(tyrosinase)の酵素活性抑制剤、たとえば
ビタミンC、グルタチオン、システインなどが利用され
ている。
【0003】しかしながらこれらタイロシネースの酵素
活性抑制剤は、安定性が悪く、生きた細胞に対して色白
効果が不十分である。一方、ハイドロキノン、MBEH
(モノベンジル エーテル オブ ハイドロキノン)な
ども利用されているが、これらは強い色白作用を有する
も、皮膚本来の生理機能を損ない、白斑、色素異常、か
ぶれなどの副作用を引き起こす欠点がある。また、ケー
・エル・クロイツフェルト(K.L.Kreutzfe
ld) らは、「ピグメント・セル・リサーチ(Pig
ment Cell Research)、第2巻、第
123〜125頁(1989年)」において、カエルの
腹部の皮膚が背中に比べて白いことに着目し、メラニン
合成抑制物質の抽出を腹部の皮膚より試みた。その結
果、分子量約30万の蛋白質がメラニン合成抑制活性を
有していることを報告している。しかしながら、由来が
カエルであるため、皮膚の色白化目的でヒトに用いるに
は限界がある。
活性抑制剤は、安定性が悪く、生きた細胞に対して色白
効果が不十分である。一方、ハイドロキノン、MBEH
(モノベンジル エーテル オブ ハイドロキノン)な
ども利用されているが、これらは強い色白作用を有する
も、皮膚本来の生理機能を損ない、白斑、色素異常、か
ぶれなどの副作用を引き起こす欠点がある。また、ケー
・エル・クロイツフェルト(K.L.Kreutzfe
ld) らは、「ピグメント・セル・リサーチ(Pig
ment Cell Research)、第2巻、第
123〜125頁(1989年)」において、カエルの
腹部の皮膚が背中に比べて白いことに着目し、メラニン
合成抑制物質の抽出を腹部の皮膚より試みた。その結
果、分子量約30万の蛋白質がメラニン合成抑制活性を
有していることを報告している。しかしながら、由来が
カエルであるため、皮膚の色白化目的でヒトに用いるに
は限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、安全で
かつ効果の高い色白剤の開発が強く望まれている。本発
明は、ヒト由来のメラニン合成抑制活性を有する蛋白質
の製法を確立することにより、美容における色黒改善や
シミ、ソバカスの治療に、有効で安全性が高く、かつ比
活性の高い製剤を供給するものである。さらに、本発明
の蛋白質はメラニンの生成機構を研究する上で新たな手
段をも与える。
かつ効果の高い色白剤の開発が強く望まれている。本発
明は、ヒト由来のメラニン合成抑制活性を有する蛋白質
の製法を確立することにより、美容における色黒改善や
シミ、ソバカスの治療に、有効で安全性が高く、かつ比
活性の高い製剤を供給するものである。さらに、本発明
の蛋白質はメラニンの生成機構を研究する上で新たな手
段をも与える。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト細胞
株が産生するメラニン合成抑制物質について、鋭意研究
を続けてきた。その結果、ヒト細胞株の培養上清から、
一連のクロマトグラフィー操作により、メラニン合成抑
制蛋白質を精製、採取した。その理化学的性質を調べた
ところ、本物質はメラニン合成抑制活性を有する蛋白質
であることが判明し、その製法を確立して本発明を完成
した。すなわち、本発明のメラニン合成抑制活性を有す
る蛋白質は、以下の理化学的性質を有する。
株が産生するメラニン合成抑制物質について、鋭意研究
を続けてきた。その結果、ヒト細胞株の培養上清から、
一連のクロマトグラフィー操作により、メラニン合成抑
制蛋白質を精製、採取した。その理化学的性質を調べた
ところ、本物質はメラニン合成抑制活性を有する蛋白質
であることが判明し、その製法を確立して本発明を完成
した。すなわち、本発明のメラニン合成抑制活性を有す
る蛋白質は、以下の理化学的性質を有する。
【0006】(1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子
量が90,000±20,000 (2) 等電点 pI=5.5±0.5 (3) 紫外部吸収スペクトル 280nm付近に極大吸収 (4) 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液
に可溶 (5) 活性 色素細胞のメラニン合成を抑制する活性を有する (6) 活性の安定性 水溶液中(pH7.4)で80℃、30分間の条件によ
り失活、水溶液中(pH7.4)で4℃、一ケ月間の条
件で安定
量が90,000±20,000 (2) 等電点 pI=5.5±0.5 (3) 紫外部吸収スペクトル 280nm付近に極大吸収 (4) 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液
に可溶 (5) 活性 色素細胞のメラニン合成を抑制する活性を有する (6) 活性の安定性 水溶液中(pH7.4)で80℃、30分間の条件によ
り失活、水溶液中(pH7.4)で4℃、一ケ月間の条
件で安定
【0007】本発明のメラニン合成抑制蛋白質の製法
は、メラニン合成抑制蛋白質産生能を有するヒト由来の
細胞、例えば白血球、リンパ球、培養株化された細胞な
どに誘導剤を作用させて生成せしめればよい。本発明で
使用する培養株化された細胞は、例えば、HL−60細
胞(ATCC CCL240)、U937細胞(ATC
CCRL1593)、「ジャパニーズ・ジャーナル・オ
ブ・キャンサー・リサーチ(Japanese Jou
rnal of Cancer Research)、
第79巻、第757〜765頁(1988年)」に記載
されているHBL−38細胞などのミエロモノサイト系
の細胞、HPB−MLT(微工研条寄第2430号)な
どのT−細胞、さらにはRAMOS(ATCC CRL
1596)などのB−細胞が特に高い産生能を有してお
り、本発明の蛋白質の製造用細胞として好適である。こ
れら細胞を増殖する方法としては、生体外(in vi
tro)であっても、生体内(in vivo)であっ
てもよい。生体内増殖法としては、特公昭56−541
58号公報に記載されているヒト以外の温血動物体内
に、増殖させたい細胞を移植して増殖させる生体内(i
n vivo)培養法が採用でき、この培養法によれば
細胞をより大量に確保できるので、上記目的には好都合
である。
は、メラニン合成抑制蛋白質産生能を有するヒト由来の
細胞、例えば白血球、リンパ球、培養株化された細胞な
どに誘導剤を作用させて生成せしめればよい。本発明で
使用する培養株化された細胞は、例えば、HL−60細
胞(ATCC CCL240)、U937細胞(ATC
CCRL1593)、「ジャパニーズ・ジャーナル・オ
ブ・キャンサー・リサーチ(Japanese Jou
rnal of Cancer Research)、
第79巻、第757〜765頁(1988年)」に記載
されているHBL−38細胞などのミエロモノサイト系
の細胞、HPB−MLT(微工研条寄第2430号)な
どのT−細胞、さらにはRAMOS(ATCC CRL
1596)などのB−細胞が特に高い産生能を有してお
り、本発明の蛋白質の製造用細胞として好適である。こ
れら細胞を増殖する方法としては、生体外(in vi
tro)であっても、生体内(in vivo)であっ
てもよい。生体内増殖法としては、特公昭56−541
58号公報に記載されているヒト以外の温血動物体内
に、増殖させたい細胞を移植して増殖させる生体内(i
n vivo)培養法が採用でき、この培養法によれば
細胞をより大量に確保できるので、上記目的には好都合
である。
【0008】次に本発明を実験で具体的に説明する。
【0009】
【実験1】 メラニン合成抑制活性を有する蛋白質の製
造並びにその理化学的性質
造並びにその理化学的性質
【0010】新生児のハムスターに、ウサギから公知の
方法で調製した抗血清を注射して、ハムスターの免疫反
応を弱めた後、その皮下にHPB−MLT細胞(微工研
条寄第2430号)を移植し、その後通常の方法で3週
間飼育した。皮下に生じた腫瘤を摘出して細切し、生理
食塩水で分散させほぐした。得られた細胞を無血清のR
PMI−1640培地(pH7.2)で洗浄し、同培地
に細胞濃度約5×106個/mLになるよう懸濁した。
本細胞懸濁液に対して、大腸菌由来リポポリサッカライ
ド(liporolysaeeharide)を1mL
当り1μg添加し、37℃で48時間保ってメラニン合
成抑制蛋白質を誘導生成させた。
方法で調製した抗血清を注射して、ハムスターの免疫反
応を弱めた後、その皮下にHPB−MLT細胞(微工研
条寄第2430号)を移植し、その後通常の方法で3週
間飼育した。皮下に生じた腫瘤を摘出して細切し、生理
食塩水で分散させほぐした。得られた細胞を無血清のR
PMI−1640培地(pH7.2)で洗浄し、同培地
に細胞濃度約5×106個/mLになるよう懸濁した。
本細胞懸濁液に対して、大腸菌由来リポポリサッカライ
ド(liporolysaeeharide)を1mL
当り1μg添加し、37℃で48時間保ってメラニン合
成抑制蛋白質を誘導生成させた。
【0011】これを遠心分離により上清を回収し、限外
濾過膜(排除限界分子量6,000から10,000を
使用)を用いて濃縮後、pH7.4、20mMのトリス
ー塩酸緩衝液で16時間透析し、DEAE−5PWカラ
ム(東ソー株式会社、東京)に吸着させた。同トリスー
塩酸緩衝液でカラムを洗浄後、0モルから0.5モルの
食塩の濃度勾配により吸着したメラニン合成抑制蛋白質
を溶出させた。さらに活性画分を25mMピスートリス
緩衝液(pH7.1)に対して16時間透析後、モノP
カラム(ファルマシア・エルケーピ(Pharmaci
a LKB)社、スウエーデン)に吸着させ、pH7か
らpH5へのpH勾配溶出法により分離し、活性画分を
回収した。100Lの培養上清から約2mgの精製標品
を得た。
濾過膜(排除限界分子量6,000から10,000を
使用)を用いて濃縮後、pH7.4、20mMのトリス
ー塩酸緩衝液で16時間透析し、DEAE−5PWカラ
ム(東ソー株式会社、東京)に吸着させた。同トリスー
塩酸緩衝液でカラムを洗浄後、0モルから0.5モルの
食塩の濃度勾配により吸着したメラニン合成抑制蛋白質
を溶出させた。さらに活性画分を25mMピスートリス
緩衝液(pH7.1)に対して16時間透析後、モノP
カラム(ファルマシア・エルケーピ(Pharmaci
a LKB)社、スウエーデン)に吸着させ、pH7か
らpH5へのpH勾配溶出法により分離し、活性画分を
回収した。100Lの培養上清から約2mgの精製標品
を得た。
【0012】本品を用いて理化学的性質を調べた。
【0013】(1)分子量 レムリ(Laemmli)の方法「ネイチャー(Nat
ure)、第227巻、第680〜685頁(1970
年)」に準じてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動を実施した。泳動終了後、ゲルを2mmの幅で細切
し、一本のゲル切片当たり250μLの10%牛胎児血
清を含むイーグルMEM培地を加え、4℃で16時間浸
漬して、メラニン合成抑制蛋白質を抽出した。下に述べ
る活性測定法により、各抽出液中の活性を測定した。結
果は、図1に示した。図中、横軸は、ゲルの切片番号を
示し、縦軸は、B−16細胞の黒色度を示す。黒色度の
低い画分にメラニン合成抑制蛋白質が存在していること
を示す。図1から明らかなように、低易動度の位置に活
性のピークが認められた。分子量マーカーの相対易動度
より分子量を求めた結果、分子量は90,000±2
0,000であった。
ure)、第227巻、第680〜685頁(1970
年)」に準じてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動を実施した。泳動終了後、ゲルを2mmの幅で細切
し、一本のゲル切片当たり250μLの10%牛胎児血
清を含むイーグルMEM培地を加え、4℃で16時間浸
漬して、メラニン合成抑制蛋白質を抽出した。下に述べ
る活性測定法により、各抽出液中の活性を測定した。結
果は、図1に示した。図中、横軸は、ゲルの切片番号を
示し、縦軸は、B−16細胞の黒色度を示す。黒色度の
低い画分にメラニン合成抑制蛋白質が存在していること
を示す。図1から明らかなように、低易動度の位置に活
性のピークが認められた。分子量マーカーの相対易動度
より分子量を求めた結果、分子量は90,000±2
0,000であった。
【0014】(2)等電点 モノPカラムを用いたクロマトフォーカシングの結果よ
り、メラニン合成抑制蛋白質の等電点は5.5±0.5
であることが分かった。
り、メラニン合成抑制蛋白質の等電点は5.5±0.5
であることが分かった。
【0015】(3)紫外部吸収スペクトル UV250型分光光度計(島津製作所、京都)を用いて
紫外部での吸収スペクトルを調べた結果、280nm付
近に極大吸収を示した。
紫外部での吸収スペクトルを調べた結果、280nm付
近に極大吸収を示した。
【0016】(4)溶剤に対する溶解性 本品は、水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩
酸緩衝液に可溶であった。
酸緩衝液に可溶であった。
【0017】(5)活性 メラニン合成抑制活性は、「キャンサー・リサーチ(C
ancer Research)、第42巻、第199
4〜2002頁(1982年)」に記載されている方法
に準じて行った。すなわち、10%牛胎児血清を含むイ
ーグルMEM培地10mLに4×104個のマウスメラ
ノーマ由来B−16細胞を懸濁し、25cm2培養用フ
ラスコにて5%CO2存在下、37℃で培養した。本培
養液を0日目および3日目にメラニン合成抑制蛋白質を
含む培地で交換し、5日間培養する。細胞を0.8w/
v%食塩を含有するリン酸緩衝液(pH7.2)で洗浄
後、トリプシンおよびEDTA含有溶液を使用して剥離
させ、濾過法により細胞を回収した。濾紙上に回収され
た細胞は、乾燥後、デンシトメーターにより500nm
における反射光を測定し、反射吸光度(黒色度)を求め
た。上記方法により、処理区の吸光度がコントロールの
吸光度の1/2量に減じる時の処理区のメラニン合成抑
制活性を1単位と定義した。本品を2μg/mLの濃度
で含む溶液を用いて、上記の方法でメラニン合成抑制活
性を調べた。その結果、30単位/mLのメラニン合成
抑制活性が認められた。
ancer Research)、第42巻、第199
4〜2002頁(1982年)」に記載されている方法
に準じて行った。すなわち、10%牛胎児血清を含むイ
ーグルMEM培地10mLに4×104個のマウスメラ
ノーマ由来B−16細胞を懸濁し、25cm2培養用フ
ラスコにて5%CO2存在下、37℃で培養した。本培
養液を0日目および3日目にメラニン合成抑制蛋白質を
含む培地で交換し、5日間培養する。細胞を0.8w/
v%食塩を含有するリン酸緩衝液(pH7.2)で洗浄
後、トリプシンおよびEDTA含有溶液を使用して剥離
させ、濾過法により細胞を回収した。濾紙上に回収され
た細胞は、乾燥後、デンシトメーターにより500nm
における反射光を測定し、反射吸光度(黒色度)を求め
た。上記方法により、処理区の吸光度がコントロールの
吸光度の1/2量に減じる時の処理区のメラニン合成抑
制活性を1単位と定義した。本品を2μg/mLの濃度
で含む溶液を用いて、上記の方法でメラニン合成抑制活
性を調べた。その結果、30単位/mLのメラニン合成
抑制活性が認められた。
【0018】(6)活性の安定性 本品をpH7.4で40℃から80℃の間で、30分間
処理した後、上記の方法によりメラニン合成抑制活性を
調べた。結果は、図2に示した。図2から明らかなよう
に、80℃以上で失活することが判明した。一方、pH
7.4、4℃で一ケ月間保存した後、その活性を調べた
ところ、メラニン合成抑制活性に低下は認められなかっ
た。
処理した後、上記の方法によりメラニン合成抑制活性を
調べた。結果は、図2に示した。図2から明らかなよう
に、80℃以上で失活することが判明した。一方、pH
7.4、4℃で一ケ月間保存した後、その活性を調べた
ところ、メラニン合成抑制活性に低下は認められなかっ
た。
【0019】
【実験2】 メラニン合成抑制蛋白質の作用機構
【0020】本品を処理することにより白色化したB−
16細胞、およびコントロールとして未処理B−16細
胞について、以下の分析を行った。
16細胞、およびコントロールとして未処理B−16細
胞について、以下の分析を行った。
【0021】(1)メラニン量の測定 伊藤らの方法「アナリティカル・バイオケミストリー
(Analytieal Biochemistr
y)、第144巻、第527〜536頁(1985
年)」に従って、B−16細胞内の黒色メラニンである
ユウメラニンおよび黄色メラニンであるフェオメラニン
量を測定した。その結果、表1に示したようにメラニン
合成抑制蛋白質により処理した細胞中のユウメラニン量
は、コントロール細胞の1/15であった。すなわちB
−16細胞の黒色度が、15分の1にまで低下したこと
を意味する。一方、フェオメラニン量には大きな変化は
認められなかった。表中の数値は、細胞1×107個当
たりのメラニン量(μg)で表示した。
(Analytieal Biochemistr
y)、第144巻、第527〜536頁(1985
年)」に従って、B−16細胞内の黒色メラニンである
ユウメラニンおよび黄色メラニンであるフェオメラニン
量を測定した。その結果、表1に示したようにメラニン
合成抑制蛋白質により処理した細胞中のユウメラニン量
は、コントロール細胞の1/15であった。すなわちB
−16細胞の黒色度が、15分の1にまで低下したこと
を意味する。一方、フェオメラニン量には大きな変化は
認められなかった。表中の数値は、細胞1×107個当
たりのメラニン量(μg)で表示した。
【0022】(2)タイロシネース酵素活性の測定 メラニン合成抑制蛋白質処理および未処理細胞を5倍容
量の0.25Mショ糖溶液に懸濁し、凍結・融解を繰り
返すことにより細胞を破壊した。遠心分離法により細胞
抽出液と細胞残渣に分け、両画分のタイロシネース活性
を浜田らの方法「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・
ダーマトロジー(Bri tish Journal
of Dermatology、第86巻、第 3
85〜394頁(1972年)」に準じて測定した。酵
素活性は、1分間 に1μmoleの基質を分解する
活性を1単位(U)として表示した。その結果、表1に
示したようにメラニン合成抑制蛋白質処理B−16細胞
では、タイロシネース活性がほとんど消失していること
が分かつた(表1)。なお、表中の値は、B−16細胞
1×107個当たりのタイロシネー ス活性(mU)
で表した。一方、メラニン合成抑制蛋白質をタイロシネ
ース活性測定系に加えても、コントロールと全く差が認
められなかったことより、本物質はタイロシネース活性
を直接阻害しないことが判明した。
量の0.25Mショ糖溶液に懸濁し、凍結・融解を繰り
返すことにより細胞を破壊した。遠心分離法により細胞
抽出液と細胞残渣に分け、両画分のタイロシネース活性
を浜田らの方法「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・
ダーマトロジー(Bri tish Journal
of Dermatology、第86巻、第 3
85〜394頁(1972年)」に準じて測定した。酵
素活性は、1分間 に1μmoleの基質を分解する
活性を1単位(U)として表示した。その結果、表1に
示したようにメラニン合成抑制蛋白質処理B−16細胞
では、タイロシネース活性がほとんど消失していること
が分かつた(表1)。なお、表中の値は、B−16細胞
1×107個当たりのタイロシネー ス活性(mU)
で表した。一方、メラニン合成抑制蛋白質をタイロシネ
ース活性測定系に加えても、コントロールと全く差が認
められなかったことより、本物質はタイロシネース活性
を直接阻害しないことが判明した。
【0023】(3)タイロシネース遣伝子(mRNA)
の発現率の測定 以下の実験に使用した方法は、「ラボマニュアル遣伝子
工学、村松正實編、丸善(1988年)」に記載されて
いる一般的な方法である。メラニン合成抑制蛋白質処理
および未処理細胞より、常法に従ってRNAを調製し、
アガロース電気泳動を行った後、分離したRNAをブロ
ッティング操作によりニトロセルロース膜に移した。次
に32Pで放射能標識 したマウスタイロシネースc
DNA「ザ・エンボ・ジャーナル(The E NB
OJournal)、第7巻、第2723〜2730頁
(1988年) 」をプローブとしてノーザンハイブ
リダイゼーションを行った。ハイブリダ イゼーショ
ン後のニトロセルロース膜をX線フィルムと密着させ、
オートラ ジオグラフィーを行い、プローブとハイブ
リダイズしたRNAのバンドの濃 淡より、タイロシ
ネース遣伝子の発現率を調べた。その結果、表1に示し
た ようにメラニン合成抑制蛋白質の処理、未処理に
関わらず、タイロシネース 遣伝子の発現率に差は認
められなかった。表中の値は、タイロシネース遺伝
子(mRNA)の発現率を相対値で表した。
の発現率の測定 以下の実験に使用した方法は、「ラボマニュアル遣伝子
工学、村松正實編、丸善(1988年)」に記載されて
いる一般的な方法である。メラニン合成抑制蛋白質処理
および未処理細胞より、常法に従ってRNAを調製し、
アガロース電気泳動を行った後、分離したRNAをブロ
ッティング操作によりニトロセルロース膜に移した。次
に32Pで放射能標識 したマウスタイロシネースc
DNA「ザ・エンボ・ジャーナル(The E NB
OJournal)、第7巻、第2723〜2730頁
(1988年) 」をプローブとしてノーザンハイブ
リダイゼーションを行った。ハイブリダ イゼーショ
ン後のニトロセルロース膜をX線フィルムと密着させ、
オートラ ジオグラフィーを行い、プローブとハイブ
リダイズしたRNAのバンドの濃 淡より、タイロシ
ネース遣伝子の発現率を調べた。その結果、表1に示し
た ようにメラニン合成抑制蛋白質の処理、未処理に
関わらず、タイロシネース 遣伝子の発現率に差は認
められなかった。表中の値は、タイロシネース遺伝
子(mRNA)の発現率を相対値で表した。
【0024】
【表1】
【0025】以上の結果より、本物質は色素細胞におけ
るメラニン合成を直接阻害、すなわちタイロシネース活
性を阻害するのではなく、タイロシネースの遣伝子から
蛋白質への翻訳以降の過程を抑制しているものと判断さ
れる。
るメラニン合成を直接阻害、すなわちタイロシネース活
性を阻害するのではなく、タイロシネースの遣伝子から
蛋白質への翻訳以降の過程を抑制しているものと判断さ
れる。
【0026】
【実験3】 急性毒性試験
【0027】生後20日目のマウスを使用して、実験1
で得られたメラニン合成抑制蛋白質の急性毒性試験を実
施した。その結果、除毛した皮膚に塗布した場合、経口
投与した場合、および、腹腔投与した場合の本品のLD
50は共に150,000単位/kg以上であり、極め
て安全性が高いことが判明した。以上の実験から明らか
なように、本発明のメラニン合成抑制蛋白質は強いメラ
ニン合成抑制効果、すなわち高い色白効果を発揮し、そ
の有効量から見てその安全性は極めて高い。
で得られたメラニン合成抑制蛋白質の急性毒性試験を実
施した。その結果、除毛した皮膚に塗布した場合、経口
投与した場合、および、腹腔投与した場合の本品のLD
50は共に150,000単位/kg以上であり、極め
て安全性が高いことが判明した。以上の実験から明らか
なように、本発明のメラニン合成抑制蛋白質は強いメラ
ニン合成抑制効果、すなわち高い色白効果を発揮し、そ
の有効量から見てその安全性は極めて高い。
【0028】本発明のメラニン合成抑制蛋白質を含有す
る色白剤は、成人1日当たりメラニン合成抑制物質用量
として、0.01乃至10,000単位であり、好まし
くは、筋肉注射などの全身使用の場合には0.01乃至
1,000単位、内服剤などの経口使用の場合、さらに
は乳液、クリームなどの経皮または経粘皮使用の場合に
は0.01乃至10,000単位であるが、この量は用
法、症状などに応じて適宜増減することが出来る。シ
ミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにアジソニスム
(addisonism)などの全身性色素沈着症を予
防または治療するため、メラニン合成抑制蛋白質単体
の、または必要に応じて、メラニン合成抑制蛋白質と任
意の材料、例えば生理活性物質、栄養剤、基材、賦形剤
などを使用した色白剤は、医薬品、化粧品などその目的
に応じて、または、使用形態に応じてその形状を自由に
選択できる。
る色白剤は、成人1日当たりメラニン合成抑制物質用量
として、0.01乃至10,000単位であり、好まし
くは、筋肉注射などの全身使用の場合には0.01乃至
1,000単位、内服剤などの経口使用の場合、さらに
は乳液、クリームなどの経皮または経粘皮使用の場合に
は0.01乃至10,000単位であるが、この量は用
法、症状などに応じて適宜増減することが出来る。シ
ミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにアジソニスム
(addisonism)などの全身性色素沈着症を予
防または治療するため、メラニン合成抑制蛋白質単体
の、または必要に応じて、メラニン合成抑制蛋白質と任
意の材料、例えば生理活性物質、栄養剤、基材、賦形剤
などを使用した色白剤は、医薬品、化粧品などその目的
に応じて、または、使用形態に応じてその形状を自由に
選択できる。
【0029】次に、本発明のメラニン合成抑制蛋白質の
製造方法について、実施例Aを述べる。
製造方法について、実施例Aを述べる。
【0030】
【実施例A−1】 メラニン合成抑制蛋白質 HL−60細胞(ATCC CCL240)からのメラ
ニン合成抑制蛋白質の精製 HL−60細胞を公知の方
法で培養用フラスコ内で増殖させ、得られた細胞を実験
1記載と同様な方法で誘導し、メラニン合成抑制蛋白質
を精製、採取した。10Lの上清より、約100μgの
精製標品を得た。得られたメラニン合成抑制蛋白質は実
験1記載のメラニン合成抑制蛋白質と同一の理化学的性
質を有していた。
ニン合成抑制蛋白質の精製 HL−60細胞を公知の方
法で培養用フラスコ内で増殖させ、得られた細胞を実験
1記載と同様な方法で誘導し、メラニン合成抑制蛋白質
を精製、採取した。10Lの上清より、約100μgの
精製標品を得た。得られたメラニン合成抑制蛋白質は実
験1記載のメラニン合成抑制蛋白質と同一の理化学的性
質を有していた。
【0031】本品は色白剤として、注射剤、経口剤、外
用剤、浴用剤などの医薬品、乳液、パック、クリームな
どの化粧品として利用され、シミ、ソバカス、日焼けな
どの局所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症
の予防、治療に高い効果を発揮する。
用剤、浴用剤などの医薬品、乳液、パック、クリームな
どの化粧品として利用され、シミ、ソバカス、日焼けな
どの局所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症
の予防、治療に高い効果を発揮する。
【0032】
【実施例A−2】 メラニン合成抑制蛋白質 RAMOS細胞(ATCC CRL1596)を実験1
に記載したように、ハムスター体内で増殖させ、得られ
た細胞を実験1と同様な方法で誘導し、メラニン合成抑
制蛋白質を精製、採取した。50Lの上清より、約1m
gの精製標品を得た。得られたメラニン合成抑制蛋白質
は実験1記載のメラニン合成抑制蛋白質と同一の理化学
的性質を有していた。
に記載したように、ハムスター体内で増殖させ、得られ
た細胞を実験1と同様な方法で誘導し、メラニン合成抑
制蛋白質を精製、採取した。50Lの上清より、約1m
gの精製標品を得た。得られたメラニン合成抑制蛋白質
は実験1記載のメラニン合成抑制蛋白質と同一の理化学
的性質を有していた。
【0033】本品は実施例A−1と同様に、色白剤とし
て、医薬品、化粧品などに利用され、色素沈着症の予
防、治療に高い効果を発揮する。
て、医薬品、化粧品などに利用され、色素沈着症の予
防、治療に高い効果を発揮する。
【0034】次に有効成分として、メラニン合成抑制蛋
白質を含有する色白剤について、実施例Bを述べる。
白質を含有する色白剤について、実施例Bを述べる。
【0035】
【実施例B−1】 注射剤 実験1の方法で得られたメラニン合成抑制蛋白質1,0
00単位を、1%のヒト血清アルブミンを含む100m
Lの生理食塩水に溶解し、常法に従って精密濾過し、こ
の濾液を滅菌したバイアル瓶に2mLずつ分注して凍結
乾燥し、これを密栓して凍結乾燥注射剤を製造した。本
品は、用時に注射用無菌水で溶解して使用する。
00単位を、1%のヒト血清アルブミンを含む100m
Lの生理食塩水に溶解し、常法に従って精密濾過し、こ
の濾液を滅菌したバイアル瓶に2mLずつ分注して凍結
乾燥し、これを密栓して凍結乾燥注射剤を製造した。本
品は、用時に注射用無菌水で溶解して使用する。
【0036】本品は、シミ、ソバカス、日焼けなどの局
所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症の予防
用、治療用色白剤として有利に利用出来る。
所性並びにアジソニスムなどの全身性色素沈着症の予防
用、治療用色白剤として有利に利用出来る。
【0037】
【実施例B−2】 化粧品(乳液) 常法に従って調製した乳液基剤100mLに対して、実
験1の方法で得られたメラニン合成抑制蛋白質1,00
0単位を加え、ホモゲナイザーにかけ乳液を製造した。
本品は、シミ、ソバカス、日焼けなどの色素沈着症の予
防用、治療用色白剤として有利に利用できる。
験1の方法で得られたメラニン合成抑制蛋白質1,00
0単位を加え、ホモゲナイザーにかけ乳液を製造した。
本品は、シミ、ソバカス、日焼けなどの色素沈着症の予
防用、治療用色白剤として有利に利用できる。
【0038】
【発明の効果】本文で述べたごとく、本発明は、タイロ
シネースの酵素活性を実質的に阻害せず、色素細胞にお
けるタイロシネースの合成を抑制することにより、メラ
ニン合成抑制活性を示す新規なメラニン合成抑制蛋白質
とその製造方法、並びにその蛋白質を有効成分とした色
白剤を確立するものである。
シネースの酵素活性を実質的に阻害せず、色素細胞にお
けるタイロシネースの合成を抑制することにより、メラ
ニン合成抑制活性を示す新規なメラニン合成抑制蛋白質
とその製造方法、並びにその蛋白質を有効成分とした色
白剤を確立するものである。
【0039】また本メラニン合成抑制蛋白質は、強いメ
ラニン合成抑制活性を示し、高い色白効果を発揮するこ
とから、シミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにア
ジソニスムなどの全身性色素沈着症の予防用、または治
療用色白剤として、注射剤、経口剤、外用剤、浴用剤な
ど医薬品並びに乳液、パック、クリームなどの化粧品に
利用して、高い色白効果を発揮する。さらに、本メラニ
ン合成抑制蛋白質は、有効量からみて安全性が極めて高
く、安心して利用できるため、医薬品、化粧品などの分
野における工業的意義は極めて大きい。
ラニン合成抑制活性を示し、高い色白効果を発揮するこ
とから、シミ、ソバカス、日焼けなどの局所性並びにア
ジソニスムなどの全身性色素沈着症の予防用、または治
療用色白剤として、注射剤、経口剤、外用剤、浴用剤な
ど医薬品並びに乳液、パック、クリームなどの化粧品に
利用して、高い色白効果を発揮する。さらに、本メラニ
ン合成抑制蛋白質は、有効量からみて安全性が極めて高
く、安心して利用できるため、医薬品、化粧品などの分
野における工業的意義は極めて大きい。
【0040】
図1は、メラニン合成抑制蛋白質のSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を示す図。図2は、メラニン合成
抑制蛋白質の熱安定性を示す図。
ルアミドゲル電気泳動を示す図。図2は、メラニン合成
抑制蛋白質の熱安定性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/00 A 8214−4B //(C12P 21/00 C12R 1:91)
Claims (9)
- 【請求項1】 理化学的性質が、 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子
量が90,000±20,000 (2) 等電点 pI=5.5±0.5 (3) 紫外部吸収スペクトル 280nm付近に極大吸収 (4) 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液
に可溶 (5) 活性 色素細胞のメラニン合成を抑制する活性を有する (6) 活性の安定性 水溶液中(pH7.4)で80℃、30分間の条件によ
り失活、水溶液中(pH7.4)で4℃、一ケ月間の条
件で安定である蛋白質。 - 【請求項2】 蛋白質が、色素細胞内でタイロシネース
の合成抑制活性を有していることを特徴とする請求項1
記載の蛋白質。 - 【請求項3】 蛋白質がヒト細胞由来であることを特微
とする請求項1または請求項2記載の蛋白質。 - 【請求項4】 理化学的性質が、 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子
量が90,000±20,000 (2) 等電点 pI=5.5±0.5 (3) 紫外部吸収スペクトル 280nm付近に極大吸収 (4) 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液
に可溶 (5) 活性 色素細胞のメラニン合成を抑制する活性を有する (6) 活性の安定性 水溶液中(pH7.4)で80℃、30分間の条件によ
り失活、水溶液中(pH7.4)で4℃、一ケ月間の条
件で安定である蛋白質を産生する能力を有する培養株化
されたヒト細胞を、栄養培地中で培養し、その培養液か
ら前記蛋白質を採取することを特徴とする蛋白質の製造
方法。 - 【請求項5】 蛋白質がタイロシネースの合成を抑制す
ることを特微とする請求項4記載の蛋白質の製造方法。 - 【請求項6】 蛋白質がヒト細胞由来であることを特徴
とする請求項4または請求項5記載の蛋白質の製造方
法。 - 【請求項7】 理化学的性質が、 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子
量が90,000±20,000 (2) 等電点 pI=5.5±0.5 (3) 紫外部吸収スペクトル 280nm付近に極大吸収 (4) 溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液
に可溶 (5) 活性 色素細胞のメラニン合成を抑制する活性を有する (6) 活性の安定性 水溶液中(pH7.4)で80℃、30分間の条件によ
り失活、水溶液中(pH7.4)で4℃、一ケ月間の条
件で安定である蛋白質を有効成分とすることを特徴とす
る組成物。 - 【請求項8】 蛋白質がヒト細胞由来であることを特微
とする請求項7記載の組成物。 - 【請求項9】 組成物が色白剤であることを特徴とする
請求項7または請求項8記載の組成物。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264025A JPH0665297A (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | メラニン合成抑制蛋白質とその製造方法並びに用途 |
CA002104043A CA2104043A1 (en) | 1992-08-21 | 1993-08-13 | Melanin formation-inhibitory protein, and its preparation and uses |
TW082106557A TW267171B (ja) | 1992-08-21 | 1993-08-16 | |
KR1019930016084A KR940003968A (ko) | 1992-08-21 | 1993-08-19 | 멜라닌 합성 억제 단백질과 그 제조 방법 및 그 용도 |
EP93306618A EP0586154A3 (en) | 1992-08-21 | 1993-08-20 | Melanin-inhibiting protein, its production and applications. |
US08/109,249 US5331091A (en) | 1992-08-21 | 1993-08-20 | Melanin formation-inhibitory protein, and its preparation and uses |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4264025A JPH0665297A (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | メラニン合成抑制蛋白質とその製造方法並びに用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665297A true JPH0665297A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=17397510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4264025A Pending JPH0665297A (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | メラニン合成抑制蛋白質とその製造方法並びに用途 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5331091A (ja) |
EP (1) | EP0586154A3 (ja) |
JP (1) | JPH0665297A (ja) |
KR (1) | KR940003968A (ja) |
CA (1) | CA2104043A1 (ja) |
TW (1) | TW267171B (ja) |
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---|---|---|---|---|
WO1994012534A2 (en) * | 1992-11-24 | 1994-06-09 | University Of Cincinnati | Melanogenic inhibitor, and methods of producing and using the same |
FR2742658B1 (fr) * | 1995-12-22 | 1998-01-30 | Oreal | Utilisation de la procysteine comme agent depigmentant |
GB9719195D0 (en) * | 1997-09-09 | 1997-11-12 | Unilever Plc | Skin lightening composition |
JP2004535792A (ja) * | 2001-04-27 | 2004-12-02 | ザ ジェネラル ホスピタル コーポレーション | チロシナーゼアッセイ法 |
US20080070982A1 (en) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Graham Timmins | System and methods of melanoma prevention |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2016015B (en) * | 1978-01-22 | 1982-05-06 | Hayashibara Co | Method of preparing interferon and preparations containing interferon |
JPS5654158A (en) * | 1979-10-09 | 1981-05-14 | Hitachi Ltd | Control system for call waiting |
JPH01174389A (ja) * | 1987-12-29 | 1989-07-10 | Hayashibara Biochem Lab Inc | メラニン生成抑制物質の製造方法とそれを含有する色白剤 |
DE69017921T2 (de) * | 1990-01-23 | 1995-10-12 | Morinaga Milk Industry Co. Ltd., Tokio/Tokyo | Lactoferrinhydrolysat zur Verwendung als tyrosinagehemmendes Mittel. |
-
1992
- 1992-08-21 JP JP4264025A patent/JPH0665297A/ja active Pending
-
1993
- 1993-08-13 CA CA002104043A patent/CA2104043A1/en not_active Abandoned
- 1993-08-16 TW TW082106557A patent/TW267171B/zh active
- 1993-08-19 KR KR1019930016084A patent/KR940003968A/ko not_active Application Discontinuation
- 1993-08-20 EP EP93306618A patent/EP0586154A3/en not_active Withdrawn
- 1993-08-20 US US08/109,249 patent/US5331091A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0586154A3 (en) | 1995-01-18 |
US5331091A (en) | 1994-07-19 |
KR940003968A (ko) | 1994-03-14 |
EP0586154A2 (en) | 1994-03-09 |
CA2104043A1 (en) | 1994-02-22 |
TW267171B (ja) | 1996-01-01 |
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