JP2004535369A - 試薬およびワクチンとして使用するための免疫原性hivペプチド - Google Patents

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Abstract

免疫原性HIVペプチドおよびその使用方法が提供され、各HIVペプチドは、HIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と免疫反応性であるエピトープを含み、そしてアセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体(MHC)構造と免疫反応性である抗体に結合する。好ましくは、このペプチドは、HIVゲノムの特定の領域内の9アミノ酸残基と11アミノ酸残基との間のアミノ酸残基を含む、単離されたペプチドまたは合成ペプチドである。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、Centers for Disease Control and Preventionでなされた。従って、米国政府は、本出願において特定の権利を有する。
【0002】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、米国特許係属出願番号第60/272,565号(2001年3月1日出願)(この開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される)の利益を主張する。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、ウイルス学および免疫学の分野に関し、そして生物学的サンプル中のHIVを検出するための試薬としての、およびHIV感染の処置または予防のためのワクチンとしての、免疫原性HIVペプチドの使用を提供する。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
20世紀後半で最も被害の大きい疾患の1つとして、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)での感染によって生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)がある。AIDSが、2000年までに10,000,000の生命を奪ったと、見積もられる。HIVワクチンは、これまでに存在せず、そして、ウイルスの高速な変異およびHIV改変体の迅速な樹立に起因して、処置プロトコルは、限られた成功しか示さなかった。これらの改変体は、患者の免疫系によって認識されない、よってタンパク質破壊されないタンパク質を産生する。結局、HIV感染個体の免疫応答は、高度に寛解されるようになり、そして患者は、日和見感染で倒れる。
【0005】
科学者は、HIVタンパク質の、B細胞およびT細胞の抗原決定基、またはエピトープについて数年にわたって研究している。このHIVタンパク質は、HIVによる感染の危険性に対して保護するかまたはHIV感染の存在を減少させるかのいずれかに対する免疫原性であり、よって保護または治療的な免疫応答を誘導し得る。多くの研究者らは、潜在的免疫原性エピトープの供給源としてHIVのエンべロープタンパク質(env)に注目した。なぜなら、これは、ウイルスの表面上に存在し、よって免疫系の一次標的であるからである。臨床試験において評価されたHIVに対する第1の実験的ワクチンは、免疫系に対するエンべロープタンパク質またはペプチドを提示するように設計された。しかし、これらのペプチドに対する免疫応答の中和は、HIVの多様な単離物を認識し損ない、そして個体は、感染から保護されなかった。
【0006】
研究者らはまた、弱毒化生HIV株のワクチンとしての使用を考えた。オーストラリア人において、HIVを感染しているが疾患がないようないくつかの個体が、同定された。これらの患者から単離されたウイルスは配列決定され、そしてnef遺伝子および長末端反復(LTR)の一部に欠損を有することが見出された。この弱毒化ウイルスまたはこのウイルス合成形態の投与が、感染に対するいくつかの保護を付与し得ると、考えられる。しかし、このウイルスが、健康な個体に対する投与後に病的な株に復帰し得るという懸念は、この領域における研究を大いに抑制した。これらの懸念は、実験によって確認された。ここで、弱毒化シミアン免疫不全ウイルス(SIV)株を播種されたサルは、ワクチン接種の20年後のAIDSの臨床症状を示し始めた。このことは、弱毒化ウイルスの病原性の復帰についての潜在性を示す。
【0007】
従って、免疫原性HIVペプチドの同定に対して、長く待ち望んだ、絶望的な必要性が存在する。このペプチドは、T細胞応答またはB細胞応答を誘導し、これによりHIV感染に対して保護するそれらの能力を介して、HIVワクチンとして臨床設計において使用され得る。さらに、HIV感染を研究しどのようにHIVが宿主に作用するのかを研究するために、臨床設計および研究設計の両方において、免疫原性HIVペプチドの必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
免疫原性HIVペプチドおよび使用方法が、提供される。各々のHIVペプチドは、HIVポジティブ個体由来の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と免疫応答性であるエピトープを含み、そしてアセンブリしたクラスI主要組織適合性複合体(MHC)構造と免疫反応性である抗体に結合する。好ましいHIVゲノムは、HIV−1Eサブタイプである。CTLが採取されたHIVポジティブ個体は、好ましくは、アジア人であり、特に、タイからの個体である。
【0009】
好ましくは、このペプチドは、単離された、組換えまたは合成のペプチドまたはエピトープであり、これは、本明細書中に記載されるHIV株HXB2における番号付けに従うHIVゲノムの特定の明記された領域内の9〜11アミノ酸残基を含む。
【0010】
最も好ましくは、このペプチドは、HXB2における番号付けに従うHIVゲノムの以下の領域内の9〜11アミノ酸残基を含む、ペプチドまたはエピトープである:
pol 248−257、272−281、571−579
env gp120 6−15、309−318、340−348
env gp41 762−770
あるいは、HIVペプチドは、添付の配列表に記載される1つ以上のアミノ酸配列およびその保存的改変体を有するか、または配列表に記載されるアミノ酸配列を有する1つ以上のペプチドおよびその保存的改変体と特異的に免疫反応性である抗体に結合する。最も好ましい実施形態において、HIVペプチドは、配列番号(SEQ ID NOS:)1〜7に記載される1つ以上のアミノ酸配列およびその保存的改変体を有するか、または配列番号1〜7のアミノ酸配列を有する1つ以上のペプチドおよびその保存的改変体と特異的に免疫反応性である抗体に結合する。
【0011】
各ペプチドは、HIVの病原性を研究するための試薬として、単独でか、または本明細書中に記載される他のペプチドと組合わせて有用である。特に、この試薬を使用して、HIV感染に対する保護を付与するか、またはAIDSに対する疾患の進行を低減させる免疫応答の型を同定し得る。さらに、このペプチドは、HIV治療を受けている患者での臨床試験または処置レジメンにおける薬物効率をモニタリングするための試薬として有用である。
【0012】
1つ以上のペプチドはまた、HIV感染の予防、処置または防護のための、薬学的キャリアと合わせたワクチン組成物として有用である。このワクチン組成物を、HIV曝露前の個体に投与して、HIV感染を最小化または予防するか、または患者が感染した後に投与して、感染の重篤度を低減しAIDSへの進行を遅延または停止させるか、もしくはAIDS診断後の疾患の経過を反転させる。
【0013】
従って、HIVポジティブ患者、特にAIDSに対する耐性を示した患者由来の、抗体、ヘルパーTリンパ球または細胞傷害性Tリンパ球と反応する免疫原性ペプチドを提供することが、本発明の目的である。
【0014】
HIV感染の予防または処置のためのワクチンを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0015】
広範な種々のHIV株および改変体に対する防護を付与するHIVワクチンを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0016】
病原性状態に復帰し得ない安全なHIVワクチンを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0017】
HIV病原論を研究するための研究ツールまたは試薬を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0018】
臨床試験または処置レジメンにおける薬物効率をモニタリングするための研究ツールまたは試薬を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0019】
本発明の他の特徴、目的および利点、ならびにその好ましい実施形態は、以下の詳細な説明より明らかになる。
【0020】
(発明の詳細な説明)
免疫原性HIVペプチドおよび使用方法が、提供される。各HIVペプチドは、HIVポジティブ個体由来の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)と免疫反応性であるエピトープを含む。よって、これらのペプチドは、CTLのT細胞レセプターに特異的に結合する。さらに、各ペプチドは、アセンブリされたクラスI主要組織適合性複合体(MHC)構造(好ましくは、処理されて抗原を提示するヒト白血球抗原(HLA)遺伝子座HLA−A11構造)と免疫反応性である抗体に結合する。
【0021】
好ましくは、ペプチドは、HXB2(Korberら、Numbering Positions in HIV Relative to HXB2CG.HIV MOLECULAR IMMUNOLOGY DATABASE.B.Korber,J.Moore,C.Brandler,R.Koup,B.HaynesおよびB.Walker編、Los Alamos National Laboratories,Theoretical Biology and Biophysics,Los Alamos,New Mexico、IV−27頁、1998に記載されるサブタイプB単離物)における番号付けに従うHIVゲノムの以下の領域内の9〜11個のアミノ酸残基を含む、単離されたか、組み換えられたかまたは合成のペプチドまたはエピトープであり、組換え的に産生されたか、または合成的に産生されたフラグメント化タンパク質の混合物より単離され得る:
【0022】
【化8−1】
Figure 2004535369
【0023】
【化8−2】
Figure 2004535369
より好ましくは、ペプチドは、HXB2における番号付けに従うHIVゲノムの以下の領域内の9〜11個のアミノ酸残基を含む、単離されたか、組み換えられたかまたは合成のペプチドまたはエピトープである:
【0024】
【化9−1】
Figure 2004535369
最も好ましくは、このペプチドは単離されたペプチド、組み換えペプチド、もしくは合成ペプチド、またはHXB2における番号付けに従ってHIVゲノムの以下の領域中の9個と11個の間のアミノ酸残基を含むエピトープである:
pol 248−257,272−281,571−579
env gp120 6−15,309−318,340−348
env gp41 762−770
あるいは、HIVペプチドは、配列番号1〜69に示されたアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体のうちの1つ以上を有するか、または配列番号1〜69のアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体を有する1つ以上のペプチドに特異的に免疫反応性のある抗体と、結合する。より好ましい代替において、このHIVペプチドは、配列番号1〜21に示されるアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体のうちの1つ以上を有するか、または配列番号1〜21のアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体を有する1つ以上のペプチドに特異的に免疫反応性のある抗体と、結合する。最も好ましい代替において、このHIVペプチドは、配列番号1〜7に示されるアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体のうちの1つ以上を有するか、または配列番号1〜7のアミノ酸配列およびそれらの保存的な改変体を有する1つ以上のペプチドに特異的に免疫反応性のある抗体と、結合する。
【0025】
上に記載したHXB2における番号付けに従ったHIVゲノムの領域番号および配列番号、好ましいアミノ酸配列、ならびに本明細書中で割り当てた対応する配列番号は、以下の表1に示される。
【0026】
好ましいHIVゲノムは、HIV−1 Eサブタイプのゲノムである。CTLが採集される、好ましいHIV陽性の個体は、アジア人患者であり、特にタイ出身の患者である。最も好ましくは、CTLは、HIV陽性であるがAIDSへの疾患の進行に耐性を示したアジア人患者に由来する。CTLとの免疫反応性は、溶解された細胞からの標識の放出(例えば、放射活性)を検出することにより測定されるような細胞溶解など、当業者に周知のアッセイおよび方法を使用して測定され得る。
【0027】
上に記載された各々のペプチドは、HIVの病因を研究するための試薬として、単独、または組み合わせのいずれかで、有用である。特に、この試薬を使用して、HIV感染に対して保護を与えるかまたはAIDSへの疾患の進行を低減させる、免疫応答の型を同定し得る。特に、このペプチドを使用して、AIDS進行から個体を保護する、細胞傷害性Tリンパ球の役割を研究し得、これによってヒトの耐性因子を同定し得る。例えば、これらペプチドの1つ以上が、従来のCTLアッセイにおいて使用されるか、またはAltman,J.D.ら、Science 274(5284):94−96(1996)、およびOgg,G.S.ら、Science 279(5359):2103−2106(1998)により教示されるように、血液中のT細胞を同定するためのフローサイトメトリーで使用される。様々な患者のペプチド結合性T細胞の間の類似性は、HIVに対する治療法を開発する際に有用である。
【0028】
さらに、これらペプチドは、HIV治療を受けている患者についての臨床試験または処置レジメンにおいて、薬物有効性をモニターするためのアッセイまたは方法における試薬として、有用である。薬物モニター方法または処置評価方法に従って、試薬と特異的に結合する抗体またはT細胞レセプターを検出するために、患者サンプルをペプチド試薬と混ぜ合わせる。ペプチドは液相中で使用され得るか、または固体相のような他の試薬もしくはMHC分子と共に、標識されるか、または固定化されるか、または複合体化されて、ペプチド特異的な抗体またはペプチド特異的なT細胞の検出を容易にし得る。ペプチド反応性濃度の増加は、患者がウイルスに対する免疫応答を開始しており、そしてウイルスを首尾よく除去し得ることか、またはHIVワクチンが首尾よく免疫を誘導していることを示唆する。ペプチド反応性濃度の減少は、薬物治療が成功していることを示し得る。あるいは、HIV陽性の個体における疾患の予測に対して有用であり、その個体はペプチドは薬物治療を受けていても受けていなくてもよい。ここで、ペプチド複合体濃度の検出または増加が、その個体のAIDSへの疾患の進行に耐性があり得ることを示す。
【0029】
さらに、1つ以上のペプチドは、HIV感染の予防または防止のためのワクチン組成物として薬学的キャリアと組み合わされた場合に、有用である。このワクチン組成物は、HIV感染を極小化または防止するためにHIV曝露より前に個体に投与されるか、または感染の重篤性を低減させるためそしてAIDSへの進行を遅延または休止させるために、HIVでの感染後に患者に投与され得る。
【0030】
(定義)
本明細書中で使用される場合、用語「a」、「an」および「the」は、「1以上」を意味するために定義され、そして本文中で不適切でなければ複数形を含む。
【0031】
「単離された」によって、ペプチドが天然で存在する成分のうちの少なくともいくつから遊離したペプチドが、意味される。
【0032】
「ペプチド」、「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」は、相互交換可能に使用され、そして本明細書において、1つのアミノ酸の炭素のカルボキシル基と、別のアミノ酸の炭素のアミノ基との間に、縮合反応によって形成されたペプチド結合を介して炭素が連結された、アミノ酸(代表的にL−アミノ酸)の鎖として定義される。この鎖の一方端の末端アミノ酸(すなわち、アミノ末端)は遊離アミノ基であり、一方でその鎖の他方端の末端アミノ酸(すなわちカルボキシ末端)は、遊離のカルボキシル基を有する。このようにして、用語「アミノ末端」(N末端と略される)とは、ペプチドのアミノ末端にあるアミノ酸の遊離のアミノ基をいうか、またはペプチド中の任意の他の位置にあるアミノ酸のアミノ基(ペプチド結合に関係する場合、イミノ基)をいう。同様に、用語「カルボキシ末端」(C末端と略される)とは、ペプチドのカルボキシ末端にあるアミノ酸の遊離のカルボキシル基をいうか、またはペプチド中で任意の他の位置にあるアミノ酸のカルボキシル基をいう。
【0033】
代表的に、ペプチドを構成するアミノ酸は、ペプチドのアミノ末端で開始して、そしてペプチドのカルボキシル末端に向かって増加する順序で番号付けられる。従って、あるアミノ酸が別のアミノ酸の「後に来る」と述べられる場合、そのアミノ酸は「先行の」アミノ酸よりもペプチドのカルボキシ末端により近く位置する。
【0034】
用語「残基」は、本明細書中では、アミド結合またはアミノ結合模倣物によりオリゴペプチド中に取り込まれた、アミノ酸(DもしくはL)またはアミノ酸模倣物をいうために使用される。このようにして、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸であり得るか、または他に限定されない場合、天然に存在するアミノ酸に類似した様式で機能する、天然のアミノ酸の公知のアナログ(すなわち、アミノ酸模倣物)を包含し得る。さらに、アミド結合模倣物は、当業者に周知な、ペプチド骨格の改変を含む。
【0035】
句「から本質的になる」とは、本明細書中では、その句の参照する免疫原性ペプチドの主要な特性を実質的に変化させるあらゆる要素を除外するために、使用される。従って、「...から本質的になる」ペプチドについての記述は、そのペプチドの生物学的活性を実質的に変化させる、あらゆるアミノ酸の置換、付加または欠失を除外する。
【0036】
「抗原」とは、哺乳動物において免疫応答を誘導し得る実体またはそのフラグメントをいう。この用語は、免疫原、および抗原性または抗原決定因子を担う領域を含む。
【0037】
「抗原決定因子」とは、(例えば野生型タンパク質に対して惹起される血清中の)抗体またはT細胞レセプターにより認識される、タンパク質の領域をいう。
【0038】
句「ペプチドに特異的に結合する」または「〜と特異的に免疫反応性の」とは、抗体またはT細胞レセプターをいう場合、タンパク質および他の生物物質の不均一な集団の存在中に、ペプチド存在について決定的である結合反応か、またはペプチドに対する抗体もしくはT細胞レセプターをいう。従って、設計された免疫アッセイの条件下で、特定の抗体またはT細胞レセプターは、優先的に特定のペプチドと結合し、そしてサンプル中に存在する他のタンパク質には有意な量では結合しない。このような条件下でのペプチドへの特異的な結合は、特定のタンパク質に対する特異性について選択される抗体またはT細胞を必要とする。種々の免疫アッセイ様式を使用して、特定のタンパク質に特異的に免疫反応性の抗体を選択し得る。例えば、固相ELIZA免疫アッセイを慣用的に使用して、あるタンパク質と特異的に免疫反応性のモノクローナル抗体を選択し得る。特異的な免疫反応性を決定するために使用され得る免疫アッセイ様式および条件についての記載については、HarlowおよびLane(1998)Antibodies,A Laboratory Mannual,Cold Spring Harbor Publications,New York、を参照のこと。
【0039】
特定の配列の「保存的な改変体」または「保存的に改変された改変体」とは、同一なアミノ酸配列または本質的に同一なアミノ酸配列をコードする核酸によってコードされるアミノ酸をいうか、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、本質的に同一の配列をいう。遺伝暗号の縮重に起因して、非常に多くの機能的に同一な核酸が、任意の所定のタンパク質をコードする。このような核酸改変体は、サイレントな改変体であり、この改変体は保存的に改変された改変体の一種である。当業者は、核酸における各々のコドン(メチオニンについての通常唯一のコドンであるAUGを除く)が標準的な技法により改変されて機能的に同一な分子を生成し得る。従って、ペプチドをコードする、核酸の各々のサイレント改変体は、任意の記載されるアミノ酸配列において表面には現れない(implicit)。さらに、コードされる配列中の単一のアミノ酸または低いパーセントのアミノ酸(代表的には5%未満、より代表的には1%未満)を変更、付加または除去する、個々の置換、欠失または付加は、変更の結果として化学的に類似なアミノ酸とのアミノ酸の置換を生じる、保存的に改変された改変体であることを、当業者は認識する。機能的に類似なアミノ酸を提供する保存的な置換表は、当該分野で周知である。以下の6つの群の各々は、お互いに保存的な置換であるアミノ酸を包含する:
1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
【0040】
2つの配列におけるアミノ酸残基の配列が、最も対応するように整列される場合に同一である場合、2つのポリペプチドは、「同一で」あると述べられる。比較のための配列の最適なアラインメントは、SmithおよびWaterman、Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズムにより、NeedlemanおよびWunsh J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムにより、PearsonおよびLipman Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:2444(1988)の類似性方法の検索により、これらのアルゴリズムのコンピューター処理された実施(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、WI中のGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)により、または目視検査により、行われ得る。
【0041】
用語「実質的な同一性」とは、参照配列と約10〜約20アミノ酸の比較枠(comparison window)に渡って比較すると、ポリペプチドが少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上の配列同一性または相同性を有する配列を含むことを意味する。ポリペプチド配列が実質的に同一である別の徴候は、一方のペプチドが、開示されたペプチドに対して惹起された抗体と免疫学的に反応性である場合である。従って、本発明のペプチドは、開示された免疫原性ペプチドに対して惹起された抗体と免疫学的に反応性のペプチドを含む。
【0042】
(合成ペプチド)
本明細書中に記載されるペプチドは一般的に、約9個〜約35個のアミノ酸残基を含み、より好ましくは約9個〜約20個のアミノ酸残基を含み、そしてさらにより好ましくは約9個〜約11個のアミノ酸残基を含む。ペプチドは長さが比較的短いので、これらは、溶液法および固相法の両方を含む、当業者に周知の、多数の化学的ペプチド合成技術の、いずれかを使用して調製され得、現在では固相合成が好ましい。
【0043】
特に、ペプチド配列のC末端アミノ酸が不溶性支持体と結合して、そして配列中の残りのアミノ酸の連続付加へと続く、固相合成は、ペプチドの調製するための好ましい方法である。固相合成についての技術は、Merrifieldら、J.Am.Chem.Soc.85:2149−2156(1963)に記載される。固相ペプチド合成を実施するための多くの自動化されたシステムが、市販されている。
【0044】
固相合成は、適切な固体支持体にアミノ酸のカルボキシル基を介して保護されたアミノ酸をカップリングさせることにより、ペプチドのカルボキシ末端(すなわち、C末端)から開始される。使用される固体支持体は、カルボキシル基と結合するが、ペプチド合成手順において利用される試薬とは実質的に不活性なままである能力を有するという条件において、本発明の重要な特徴ではない。例えば、開始物質は、クロロメチル化された樹脂もしくはヒドロキシメチル樹脂とのベンジルエステル結合を介してか、またはベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂もしくはp−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂とのアミド結合を介して、アミノ保護されたアミノ酸に結合させることにより調製され得る。固体支持体としての使用に適した材料は当業者に周知であり、そして、これらの材料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ハロメチル樹脂(例えば、クロロメチル樹脂またはブロモメチル樹脂);ヒドロキシメチル樹脂;フェノール樹脂(例えば、4−(a−[2,4−ジメトキシフェニル]−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂);tert−アルキルオキシカルボニルヒドラジド化樹脂、など。このような樹脂は市販されており、そしてそれらの調製方法は当業者に公知である。
【0045】
ペプチドの酸性形態は、固体支持体としてベンジルエステル樹脂を使用した、固相ペプチド合成手順により調製され得る。対応するアミドは、固体支持体としてベンズヒドリルアミン樹脂またはメチルベンズヒドリルアミン樹脂を使用することにより、生成される。当業者は、このBHA樹脂またはMBHA樹脂が使用される場合、無水フッ化水素酸で処理して固体支持体からペプチドを切断することにより、末端アミノ基を有するペプチドが生成されることを理解する。
【0046】
この合成において使用される各々のアミノ酸のαアミノ基は、反応性αアミノ官能基を含む副反応を防止するために、カップリング反応の間、保護されるべきである。特定のアミノ酸もまた、反応性の側鎖官能基(例えば、スルフィドリル(sulfhydryl)、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、など)を含み、これらはまた、化学反応がペプチド合成の間にそれらの部位で生じることを避けるために、適切な保護基を用いて保護されなければならない。保護基は、当業者に周知である。例えば、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,Vol.3:Protection of Functional Groups in Peptide Synthesis(GrossおよびMeienhofer(編)、Academic Press、N.Y.(1981)を参照のこと)。
【0047】
適切に選択されたαアミノ保護基は、カップリング反応の間αアミノ官能基を不活性にさせ、カップリング後に側鎖保護基を除去しない条件下で容易に除去可能であり、ペプチドフラグメントの構造を変化させず、かつカップリング直前の活性化の際にラセミ化を防止する。同様に、側鎖保護基は、側鎖の官能基を合成の間不活性にさせるように選択されなければならず、αアミノ保護基を除去するために使用される条件下で安定でなければならず、かつペプチド構造を変化させない条件下でのペプチド合成の完了後に、除去可能でなければならない。
【0048】
αアミノ基についての保護基の例示的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:例えば、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、カルボベンズオキシ(Cbz)、および置換のベンジルオキシカルボニル(p−クロロベンジルオキシカルボニル、o−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジルオキシカルボニル、等が含まれる)のような、芳香族ウレタン型の基;例えば、ブチルオキシカルボニル(Boc)、t−アミルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、2−(p−ビフェニル)−イソプロピルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、等のような、脂肪族ウレタン型の基;および例えば、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘプチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、などのような、シクロアルキルウレタン型の基。現在好ましい実施形態において、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)は、使用されるαアミノ保護基である。
【0049】
リジン(Lys)中に存在する側鎖アミノ基に関しては、αアミノ基の保護のために上に記載された任意の保護基が、適切である。さらに、他の適切な保護基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ブチルオキシカルボニル(Boc)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、o−クロロベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘプチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、など。現在好ましい実施形態において、Lysについての側鎖アミノ保護基は、ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
【0050】
アルギニン(Arg)のグアニジノ基の保護に関しては、適切な保護基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ニトロ、トシル(Tos)、カルボベンゾキシ(Cbz)、アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、ブチルオキシカルボニル(Boc)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)および2,2,5,7,8−ペンタメチルクロロマン−6−スルホニル(PMC)。現在好ましい実施形態において、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、および2,2,5,7,8−ペンタメチルクロロマン−6−スルホニルが、Argについて使用される保護基である。
【0051】
セリン(Ser)、スレオニン(Thr)またはチロシン(Tyr)の側鎖のヒドロキシル基は、例えば、メチル、エチルおよびt−ブチルのようなC−Cアルキル基によって、または例えばp−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−クロロベンジル、o−クロロベンジルおよび2,6−ジクロロベンジルのような、置換のベンジルにより、保護され得る。Ser、ThrおよびTyrについての好ましい脂肪族ヒドロキシル保護基は、t−ブチルである。
【0052】
アスパラギン酸(Asp)のカルボキシル基は、例えば、ベンジル、t−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルなどのような基を使用するエステル化によって保護され得る。Aspについて、t−ブチルが現在好ましい保護基である。
【0053】
ヒスチジン(His)の塩基性イミダゾール環は、例えば、t−ブトキシメチル(Bom)、ブチルオキシカルボニル(Boc)およびフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)によって保護され得る。好ましい実施形態において、t−ブトキシメチル(Bom)が使用される保護基である。
【0054】
アミノ酸の連結は、当該分野において公知の種々の技術によって達成され得る。代表的なアプローチは、アミノ酸を、カルボキシル基をペプチドフラグメントの遊離N末端アミノ基との反応に対してより感受性にする誘導体へと変換するか、または適切な連結剤(例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI))を使用することのいずれかを含む。頻繁に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)がこれらの連結反応における触媒として使用される。
【0055】
一般的に、ペプチドの合成は、最初に、C末端アミノ酸(フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)のような保護基によってN−アミノ位置で保護される)を固体支持体に連結することによって始まる。Fmoc−Asnの連結の前に、Fmoc残基は、このポリマーから除去されなければならない。Fmoc−Asnは、例えば、攪拌しながら、約2時間、約25℃で、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を使用して、4−(a−[2,4−ジメトキシフェニル]−Fmoc−アミノ−メチル)フェノキシ樹脂に連結され得る。Fmoc保護アミノ酸の樹脂支持体への連結に続いて、α−アミノ保護基は、室温でDMF中20%のピペリジンを使用して除去される。
【0056】
α−アミノ保護基の除去の後、残りのFmoc保護アミノ酸を、所望の順序で段階的に連結する。適切に保護されたアミノ酸は、多くの供給業者(例えば、Novartis (Switzerland)またはBachem(California))から市販される。個々のアミノ酸の段階的付加の代わりとして、1個より多くのアミノ酸からなる適切な保護ペプチドフラグメントもまた、「成長(growing)」ペプチドに連結し得る。適切な連結試薬の選択は、上で説明されるように、当業者に周知である。免疫原性ペプチドが比較的短い長さであるので、この後者のアプローチ(すなわち、セグメント縮合方法)は、ペプチド合成の最も効果的な方法というわけではないことが留意されるべきである。
【0057】
各々の保護されたアミノ酸またはアミノ酸配列は、固相反応器に過剰に導入され、そして連結は、ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレン(CHCl)、またはこれらの混合物の媒体中で実行される。連結が不完全である場合、連結反応は、N−アミノ基の脱保護および次のアミノ酸の添加の前に繰り返され得る。連結効率は、当業者に周知の多くの手段によってモニターされ得る。連結効率をモニタリングする好ましい方法は、ニンヒドリン反応による。ペプチド合成反応は、多くの市販のペプチド合成器(例えば、Biosearch 9500TM synthesizer,Biosearch,San Raphael,CA)を使用して自動的に実行され得る。
【0058】
ペプチドは切断され得、そして保護基は、約20〜90分間、好ましくは60分間、約0℃で、アニソールおよびジメチルスルフィドの存在下、無水液体フッ化水素(HF)中で不溶性キャリアまたは固体支持体を攪拌することによって;選択された保護基に依存して、およそ室温で、60〜360分間、1mg/10mLのトリフルオロ酢酸(TFA)中の樹脂の懸濁液を通して臭化水素(HBr)を連続的にバブリングすることによって;または約30〜60分間、90%トリフルオロ酢酸、5%水および5%トリエチルシランを用いる固相合成のために使用される反応カラムの内側で固相支持体をインキュベートすることによって除去され得る。当業者に周知の他の脱保護方法もまた使用され得る。
【0059】
ペプチドは、当業者に周知のペプチド精製手段によって反応混合物から単離および精製され得る。例えば、ペプチドは、逆相HPLC、ゲル透過、イオン交換、サイズ排除、アフィニティー、分配、または向流分配のような公知のクロマトグラフィー手順を使用して精製され得る。
【0060】
(組換えペプチド)
合成ペプチドが好ましくは上記のような化学ペプチド合成技術を使用して調製または生成されるが、これらの合成ペプチドがまた例えば、組換え技術を含む他に手段によって調製され得ることが当業者に理解される。適切なクローニング技術および配列決定技術の例、ならびに多くのクローニングの実行によって当業者を支持するに十分な説明書は、Sambrookら(1989)Molecular Cloning − A Laboratory Manual(第2版)1−3巻,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press,NY,(Sambrook)に見出される。生物学的試薬および実験機器の製造業者(例えば、SIGMA Chemical Company(Saint Louis,MO))からの製品情報もまた、公知の生物学的方法において有用な情報を提供する。
【0061】
本明細書中に記載されるペプチドは、以下のThai EサブタイプHIV−1株:CM243(エンベロープgp120およびgp41に対するHIVTN2431)ならびに他の全てのタンパク質(gag、pol、vif、vpr、rev、tat、およびnef)に対する93TH253を使用してHIV中のHLA−A11結合ペプチドから導いた。これらの配列は、GenBankのLos Alamos National Laboratoriesウェブサイトhttp://hiv−web.lanl.gov/におけるHIV Database、または他の通常使用されるHIV遺伝子データベースにおいて入手可能である。本明細書中に記載されるペプチド配列が提供されると、当業者は、このペプチドをコードする種々の等価な核酸を認識する。これは、遺伝暗号が、ペプチドの各アミノ酸残基が、そのペプチドをコードする核酸の少なくとも1つのヌクレオチドのトリプレットによって特定されることを必要とするからである。遺伝暗号の縮重に起因して、多くのアミノ酸は、1つより多くのヌクレオチドのトリプレットによって等価にコードされる。例えば、トリプレットのCGU、CGC、CGA、CGG、AGA、およびAGGは全て、アミノ酸のアルギニンをコードする。従って、アルギニンがヌクレオチドトリプレットによってコードされる全ての位置において、核酸は、アルギニンをコードするトリプレットのいずれかを有する。当業者は、遺伝暗号およびその使用について完全に精通している。この主部に対する概論は、例えば、Watsonら、Molecular Biology of the Gene(第4版、The Benjamin/Cummings Company,Inc.,Menlo Park,California(1987))の第15章およびそこに引用される参考文献に見出される。
【0062】
アミノ酸をコードする任意のヌクレオチドトリプレットまたはコドンがペプチドのアミノ酸の位置を特定するために使用され得るが、特定のコドンが好ましい。例えば、ペプチドが免疫原性試薬としての使用のために精製される場合、コードされるペプチドの上昇した発現にためにコドンを選択することが望ましい。コドンは、ペプチドが発現される生物によってどのコドンが最も代表的に使用されるかを示す、種コドン偏倚表(species codon bias table)を参照して選択される。生物によって頻繁に使用されるコドンは、生物の細胞においてより豊富なt−RNAによって翻訳される。t−RNAが豊富なので、細胞翻訳機構によるペプチドへの核酸の翻訳が促進される。コドン偏倚表は、大部分の生物について入手可能である。コドン偏倚表の概論について、例えば、Watsonら、前出を参照のこと。
【0063】
(保存的置換)
さらに、本明細書中に記載のペプチドおよびこのような免疫原性ペプチドをコードする核酸分子が、保存的または非保存的のいずれかの、種々の変化(例えば、挿入、欠失および置換)(ここで、このような変化は、それらの使用において特定の利点(すなわち、生物学的活性の増加)を提供し得る)に供され得ることは、当業者に容易に明らかである。
【0064】
当業者は、核酸構築物の多くの保存的変更が機能的に同一な構築物を生じることを、理解している。例えば、遺伝暗号の縮重に起因して、サイレント置換(すなわち、コードされるペプチドの変化を生じない核酸配列の置換)は、アミノ酸をコードする全ての核酸配列の意図される特徴である。さらに、当業者は、所定の核酸構築物の変化を生じる多くの方法を認識している。このような周知方法としては、以下が挙げられる:部位特異的変異誘発、変性したオリゴヌクレオチドを使用するPCR増幅、核酸を含有する細胞の、変異促進因子または放射線への曝露、所望のオリゴヌクレオチドの化学合成(例えば、巨大な核酸を生成するために、ライゲーションおよび/またはクローニングと併用して)、および他の周知技術。GilimanおよびSmith(1979)Gene 8:81〜97,Robertsら(1987)Nature 328:731〜734およびSambrook、前出を参照のこと。
【0065】
核酸の変更は、所望の特徴に適切なアッセイにおいて、通常のスクリーニング技術によって評価される。例えば、コードされるペプチドの免疫学的特性の変化は、適切な免疫学的アッセイによって検出され得る。他の特性(例えば、相補的な核酸への核酸ハイブリダイゼーション、コードされるタンパク質の酸化還元または熱安定性、疎水性、タンパク質分解に対する感受性、または凝集に対する傾向)の変更は、標準的な技術に従って、全てアッセイされる。
【0066】
同様に、保存的アミノ酸置換(ここで、タンパク質のアミノ酸配列中の1個または数個のアミノ酸は、非常に類似した特性を有する異なるアミノ酸で置換される(定義の節、前出を参照のこと))はまた、開示される構築物に非常に類似している場合、容易に同定される。保存的置換とは、別の置換基(この置換基は、生物学的および/または化学的に類似している(例えば、別の置換基について1個の疎水性残基、または別の置換基について1個の極性残基))での、アミノ酸残基の置き換えを意味する。これらの置換基としては、例えば、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;およびPhe、Tyrのような組み合わせが挙げられる。明確に開示された各配列の、保存的に置換されたこのような変化は、本発明の1つの特性である。
【0067】
(免疫原性結合体)
キャリアタンパク質に共有結合した、上記の1種以上の合成ペプチドを含有する免疫原性結合体もまた、提供される。適切なキャリアタンパク質としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:サイログロブリン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、破傷風トキソイド、ポリアミノ酸(例えば、ポリ(D−リジン:D−グルタミン酸))、インフルエンザ、B型肝炎ウイルスコアタンパク質、B型肝炎ウイルス組換えワクチンなど。
【0068】
ペプチドおよびキャリアタンパク質の長さが比較的短い場合(すなわち、約50アミノ酸未満)、これらは、好ましくは、標準的な化学ペプチド合成技術を使用して合成される。両方の分子が比較的短い場合、キメラ分子は、単一の連続したポリペプチドとして、必要に応じて合成される。あるいは、ペプチドおよびキャリア分子は、別個に合成されて、次いで化学的に融合され得る。
【0069】
固相合成は、本明細書中に提供される免疫原性結合体の化学合成に好ましい方法であり、この固相合成において、配列のC末端アミノ酸は、不溶性支持体に結合され、その後、この配列中の残りのアミノ酸が連続的に加えられる。固相合成のための技術は上記されている。
【0070】
あるいは、免疫原性結合体は、組換え核酸方法論を用いて合成される。一般に、この組換え核酸方法論は、ペプチド−キャリアタンパク質の免疫原性結合体をコードする核酸配列を作製する工程、特定のプロモーターの制御下で、発現カセット中にこの核酸を配置する工程、宿主内でタンパク質を発現させる工程、この発現したタンパク質を単離する工程、および所望ならば、このタンパク質を再生する工程、を包含する。このような手順を介して当業者をガイドするのに十分な技術は、Sambook、前出に見出される。
【0071】
ペプチドおよびキャリア分子は、しばしば一緒になって直接結合するが、当業者は、これらの分子が、1種以上のアミノ酸からなるスペーサー分子(例えば、ペプチド)によって分離され得ることを、理解している。一般に、このスペーサーは、免疫原性ペプチドをキャリアタンパク質に結合するか、またはそれらの間のある程度最小の距離もしくはそれらの間の他の空間的関係を保存するため以外は、特定の生物学的活性を有さない。しかしながら、このスペーサーの構成要素のアミノ酸は、分子のいくつかの特性(例えば、折り畳み、正味の電荷、または疎水性)に影響を与えるように選択され得る。
【0072】
一旦発現されると、組換え免疫原性結合体は、標準的な手順(硫酸アンモニウム沈降、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などが挙げられる)に従って精製され得る。約50%〜95%の均質性の、実質的に純粋な組成物が好ましく、80%〜95%以上の均質性が、治療剤として使用するのに最も好ましい。
【0073】
当業者は、化学合成、生物学的発現または精製の後、本発明の免疫原性結合体が、構成要素のペプチドの天然のコンホメーションとは実質的に異なるコンホメーションを有し得ることを、認識している。この場合において、ポリペプチドを変性および還元し、次いで、好ましいコンホメーション内にこのポリペプチドを再折り畳みすることが、しばしば必要である。タンパク質を還元および変性し、再折り畳みを誘導する方法は、当業者に周知である。
【0074】
(複数エピトープ(multiepitope)のポリペプチド)
代替の実施形態において、本明細書中に記載される免疫原性ペプチドは、複数エピトープ、またはポリエピトープ、ポリペプチドまたはタンパク質中に組み合わされる。代表的には、2〜12の免疫原性ポリペプチドが、組換え技術または合成技術によって、単一のポリペプチドに融合される。
【0075】
組換え手順において、複数エピトープのタンパク質は、免疫原性ペプチドをコードする合成核酸または組換え核酸を結合させることによって作製される。これらの核酸は、酵素学的にか(例えば、DNAリガーゼ酵素を使用する)、または合成的に結合される。あるいは、複数の免疫原性ペプチドをコードする単一の核酸分子が、合成される。いずれの場合においても、得られる核酸は、全て同じリーディングフレームで、複数の免疫原性ペプチドをコードする。従って、翻訳されたポリペプチドは、2つ以上の免疫原性ペプチドドメインを含む。
【0076】
複数エピトープのポリペプチドが自動化化学合成手順によって生成される場合、ペプチドのコンカテマーは、直接連結される。これは、標準的な化学方法を使用してペプチドを結合することによって、化学的に実施される。あるいは、複数の免疫原性ペプチドをコードするポリペプチドが、合成によって生成される。
【0077】
化学リンカー領域または組換えリンカー領域が、必要に応じて、免疫原性ペプチドドメイン間に含まれて、ドメインに結合する抗体へのドメインの提示を容易にする。好ましい実施形態において、10〜50アミノ酸が、免疫原性ドメイン間に挿入される。本質的に任意のアミノ酸、または化学部分(これは、アミド結合およびカルボキシル結合を形成する)が、リンカーとして使用され得る。
【0078】
(抗体生成)
上記のペプチドに特異的に結合する抗体もまた、提供される。この抗体としては、天然に存在する(全長)形態および組換え形態の両方の、個体、対立遺伝子、菌株、または種改変体、およびそれらのフラグメントが挙げられる。さらに、抗体は、それらのネイティブの構造または非ネイティブの構造のいずれかで、これらのペプチドに惹起される。抗イディオタイプ抗体もまた、生成される。抗体を作製する多くの方法が、当業者に公知である。これらの抗体は、抗原性ペプチドのさらなる量の単離のため、および一般にHIVの病原を研究するための研究ツールとして有用である。これらの抗体はまた、HIVに感染した患者の受動免疫のために、治療学的に有用であり得る。
【0079】
以下の議論は、抗体作製のために利用可能な技術の一般的な概要として提示する;しかし、当業者は、以下の方法における多くの変形が公知であることを理解している。
【0080】
多くの免疫原が、ペプチドと特異的に反応する抗体を作製するのに使用される。本明細書中で開示されるペプチドから選択される9アミノ酸以上の長さの組換えペプチドまたは合成ペプチドが、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の作製のために好ましいペプチド免疫原である。好ましい実施形態の1つのクラスにおいて、免疫原ペプチド結合体もまた、免疫原として含まれる。ペプチドは、精製形態、部分的な精製形態、または未精製形態のいずれかで使用される。
【0081】
組換えペプチドは、真核生物細胞または原核生物細胞において発現され、そして標準的な技術を使用して精製される。次いで、ペプチドまたはその合成バージョンは、抗体を産生し得る動物に注入される。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかが、ペプチドの存在および量を測定するための免疫アッセイにおけるその後の使用のために作製される。
【0082】
ポリクローナル抗体を作製する方法は、当業者に公知である。簡単にいうと、免疫原(好ましくは、精製されたペプチド、適切なキャリア(例えば、GST、キーホールリンペットヘモシアニンなど)に連結されたペプチド、または免疫ベクター(例えば、組換えワクシニアウイルス)に組み込まれたペプチド)は、アジュバントと混合され、そして動物は、その混合物を用いて免疫される。免疫原調製物に対する動物の免疫応答は、血液試験を行い、目的のペプチドに対する反応性の力価を決定することによりモニタリングされる。免疫原に対する抗体の相当に高い力価が獲得される場合、血液が動物から収集され、そして抗血清が調製される。このペプチドに反応性の抗体を濃縮するための抗血清のさらなる分画は、所望の場合、実施される。
【0083】
フラグメントペプチドに対する抗体(その結合フラグメントおよび単鎖組換えバージョンを含む)は、例えば、上記のようなキャリアタンパク質に共有結合(結合体化)したペプチドフラグメントを含む免疫原性結合体を用いて動物を免疫することにより惹起される。代表的に、目的の免疫原は、少なくとも約3アミノ酸のペプチドであり、より代表的には、このペプチドは、5アミノ酸長であり、このフラグメントは、10アミノ酸長であり、そしてより好ましくは、このフラグメントは、15アミノ酸長以上である。しばしば、このフラグメントは、約20アミノ酸長である。免疫原性結合体は、代表的に、このペプチドをキャリアタンパク質と(例えば、融合タンパク質として)連結することにより調製されるか、あるいは、それらは免疫ベクターにおいて組換え発現される。抗体の結合するペプチド上の抗原決定基は、代表的に、3〜10アミノ酸長である。
【0084】
モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、通常のペプチドまたは改変ペプチドへの結合についてスクリーニングされるか、またはアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性についてスクリーニングされる。特定のモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体は、通常、少なくとも約0.1mM、より通常は少なくとも約50mM、そして最も好ましくは少なくとも約1mMまたはそれより良好なKで結合する。しばしば、特定のモノクローナル抗体は、0.1mMまたはそれより良好なKで結合する。
【0085】
いくつかの例において、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の詳細は、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497において見出される。簡単に要約すると、この方法は、動物に免疫原(すなわち、単独でかまたは必要に応じてキャリアタンパク質に連結されてかのいずれかの本発明の免疫原ペプチド)を注入することにより進められる。次いで、動物は屠殺され、そしてその脾臓から細胞が採取され、骨髄腫細胞と融合される。その結果は、インビトロで再生し得るハイブリッド細胞または「ハイブリドーマ」である。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローンを単離するためにスクリーニングされる。各々のクローンは、免疫原に対する単一の抗体種を分泌する。この様式において、獲得される個々の抗体種は、免疫原性物質に対して認識される特定部位に応答して生成された免疫動物由来の不死化およびクローン化された単一のB細胞の産物である。
【0086】
不死化の代替の方法としては、エプスタイン−バーウイルス、癌遺伝子、またはレトロウイルスを用いる形質転換、あるいは当該分野で公知の他の方法が挙げられる。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性および親和性を有する抗体の産生についてスクリーニングされ、このような細胞により産生されるモノクローナル抗体の収率は、種々の技術(脊椎動物(好ましくは、哺乳動物)宿主の腹膜腔への注入が挙げられる)により増強される。本発明のペプチドおよび抗体は、改変されてかまたは改変されずに使用され、そしてこれらとしては、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)が挙げられる。他の適切な技術は、ファージまたは類似のベクターにおける組換え抗体のライブラリーの選択に関する。Huseら(1989)Science 246:1275−1281;およびWardら(1989)Nature 341:544−546を参照のこと。
【0087】
しばしば、ペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質と連結(共有結合または非共有結合のいずれか)されることにより標識される。広範な種々の標識および結合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方で広範に報告されている。適切な標識としては、放射性ヌクレオチド、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンが生成され得る。Cabilly、米国特許第4,816,567号;およびQueenら、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 86:10029−10033(1989)を参照のこと。
【0088】
上述のように、本明細書中に提供される抗体は、本明細書中に同定されるさらなる量のペプチドを単離するために、アフィニティークロマトグラフィーにおいて使用され得る。カラムは、例えば、固体支持体(例えば、粒子(例えば、アガロース)、Sephadexなど)に連結された抗体を用いて調製され、細胞溶解物は、このカラムを通され、洗浄され、そして漸増濃度のマイルドな変性剤で処理され、それによって精製されたペプチドが遊離される。さらに、抗体は、特定の発現産物(例えば、HIVタンパク質)について発現ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。通常、このような手順における抗体は、抗体結合により抗原の存在の容易な検出を可能にする部分で標識される。さらに、本明細書中に記載される免疫原ペプチドに対して惹起される抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために使用され得る。このような抗体は、それぞれの抗原の存在に関連する種々の病理的状態または抵抗性状態を検出または診断するのに有用である。
【0089】
(免疫アッセイ)
本明細書中に記載されるペプチドおよびこのペプチドに特異的に結合する抗体の両方は、標的ペプチドまたは抗体を検出するためのアッセイにおいて、試薬として(捕捉剤または標識剤の両方として)有用である。一般的に、標的分子は、種々の免疫アッセイ法により定量され得る。さらに、免疫アッセイは、いくつかの形態のいずれかにおいて実施され得る。
【0090】
免疫アッセイは、しばしば、捕捉剤および分析物により形成される結合複合体に特異的に結合し、これを標識するための標識剤を使用する。標識剤は、それ自体、抗体/分析物複合体を含む部分の1つであり得る。従って、標識剤は、標識ペプチドまたは標識抗ペプチド抗体であり得る。あるいは、標識剤は、この抗体/ペプチド複合体またはペプチドもしくは抗ペプチド抗体に共有結合された改変された捕捉基(例えば、ビオチン)に特異的に結合する第3の部分(例えば、別の抗体)であり得る。
【0091】
あるいは、標識剤は、蛍光色素を有し、MHC(HLA)分子と複合体化したペプチドを捕捉するストレプトアビジン分子であり得る。Altman,J.D.ら、Science 274(5284):94−96(1996)に記載されるように、これらの試薬は、一般的に使用される機器(例えば、フローサイトメトリー)を使用してペプチドに対して特異的な単一のT細胞を計数するために使用され得、それによって、免疫応答における正確な定量および表現型の情報を提供する。
【0092】
好ましい実施形態において、標識剤は、捕捉剤に特異的に結合する抗体である。このような薬剤は、当業者に周知であり、そして最も代表的には、捕捉抗体が誘導された特定の動物種の抗体に特異的に結合する標識抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)、またはペプチドが捕捉剤の場合はペプチドに対する抗体を含む。従って、例えば、捕捉剤が、マウス由来の抗ペプチド抗体である場合、標識剤は、ヤギ抗マウスIgG(すなわち、マウス抗体の定常領域に対して特異的な抗体)であり得る。
【0093】
免疫グロブリン定常領域に特異的に結合し得る他のタンパク質(例えば、ストレプトコッカスプロテインAまたはプロテインG)もまた、標識剤として使用される。これらのタンパク質は、ストレプトコッカス細菌の細胞壁の通常の構成成分である。それらは、種々の種由来の免疫グロブリン定常領域との強い非免疫原性反応性を示す。
【0094】
このアッセイを通して、インキュベーションおよび/または洗浄工程が、各試薬の混合後に必要とされ得る。インキュベーション工程は、約5秒間〜数秒間まで、好ましくは、約5分間〜約24時間まで変化し得る。しかし、インキュベーション時間は、アッセイ形式、分析物、溶液の容量、濃度などに依存する。通常、アッセイは、周囲温度で実施されるが、これらのアッセイは、5℃〜45℃のような温度範囲に渡り実施され得る。
【0095】
(非競合アッセイ形式)
ペプチドまたはペプチドに対する抗体を検出するための免疫アッセイは、競合性または非競合性のいずれかであり得る。非競合免疫アッセイは、捕捉された分析物(例えば、抗ペプチド抗体)の量が直接測定されるアッセイである。1つの好ましい「サンドイッチ」アッセイにおいて、例えば、捕捉剤(例えば、免疫原性ペプチド抗体)は、固定化された固体基材に直接結合される。これらの固定化されたペプチド捕捉抗体は、試験サンプル(例えば、生物学的流体)、最も好ましくは血液血清に存在する。従って、固定化された抗体は、標識剤(例えば、標識を保有する二次抗体)により結合される。あるいは、二次抗体は、標識を欠き得るが、次いで、二次抗体が誘導された種の抗体に特異的な標識された三次抗体に結合され得る。
【0096】
ペプチドまたは抗体についてのサンドイッチアッセイもまた、構築され得る。上記のように、固定化されたペプチドは、サンプル中に存在する固体に特異的に結合する。次いで、標識された抗体は、すでに結合した抗体に結合する。遊離の標識抗体は洗い流され、そして残りの結合した標識抗体が検出される(例えば、標識が放射性である場合、γ検出器を用いて)。
【0097】
(競合アッセイ形式)
競合アッセイにおいて、サンプル中に存在する分析物(例えば、免疫原性ペプチドまたは免疫原性ペプチドに対する抗体)の量が、サンプル中に存在する分析物により捕捉剤(例えば、抗体またはペプチド)から取り外された(または競合により押し出された(competed away))添加された(外因性の)分析物の量を間接的に測定することにより測定される。1つの競合アッセイにおいて、既知量の分析物がサンプル中に添加され、そしてこのサンプルは捕捉剤(例えば、分析物に特異的に結合するペプチド)と接触される。ペプチドに結合した分析物の量は、サンプル中に存在する分析物の濃度に反比例する。
【0098】
好ましい実施形態において、捕捉剤は、固体基材に固定化される。捕捉剤に結合した分析物の量は、抗体/ペプチド複合体に存在する抗体の量を測定することによるか、あるいは残りの複合体化していない抗体の量を測定することによるかのいずれかにより決定される。アッセイされるサンプル中のペプチドの量はまた、外因性の標識ペプチドをアッセイに提供することにより検出され得る。
【0099】
ハプテン阻害アッセイは、別の好ましい競合アッセイである。このアッセイにおいて、既知の分析物(この場合、本明細書中に記載される1つ以上のペプチド)が、固体基材に固定化される。既知量の抗ペプチド抗体がサンプルに添加され、次いで、サンプルは固定化されたペプチドと接触される。この場合、固定化されたポリペプチドに結合した抗体の量は、サンプル中に存在するペプチドの量に比例する。ここでも、固定化された抗体の量が、抗体の固定化された画分または溶液中に残存する抗体の画分のいずれかを定量することにより検出される。検出は、直接的(抗体が標識される場合)または間接的(上記の抗体に特異的に結合する標識部分がその後添加される場合)であり得る。当業者は、ペプチドおよび抗体の役割が、抗体の定量について同一の効果を達成するために逆転され得ることを理解している。
【0100】
本明細書中に記載される1つ以上のペプチド、あるいはこのペプチドに対する1つ以上の抗体は、好ましくは、生物学的サンプル(例えば、患者から獲得される生物学的流体または組織サンプル)中で定量される。ペプチドまたは抗体の検出は、生物学的サンプルが採取された個体がそのウイルスに対する免疫応答をマウントしていることを示す。生物学的サンプル中に存在する抗体またはタンパク質の量の決定は、免疫または処置に対する応答の程度の指標を提供し、それによって、予後的評価として使用され得る。
【0101】
試験または分析されるサンプルは、任意の生物学的供給源から獲得され得るか、または好ましくは、A型肝炎ウイルスに感染され得るかまたはそれを保有し得るヒトまたは動物から採取される。例えば、サンプルは、細胞サンプル、組織サンプル、または生物学的流体(例えば、全血、血液血清、血液血漿、尿、精液、唾液、痰、脳脊髄液、涙液、発酵液、リンパ液、組織培養液、腹水、滑液、胸膜液など)であり得る。好ましい生物学的サンプルは、そこから細胞が取り出され得る生物学的サンプルである。最も好ましいサンプルは、血液血漿または血清である。生物学的サンプルはまた、研究室研究サンプル(例えば、細胞培養上清、ウイルス単離体、またはウイルス濃縮物)であり得る。このサンプルは、当業者に周知の方法を用いて収集または獲得される。
【0102】
サンプルは、アッセイにおいて使用する前に希釈、精製、濃縮、濾過、溶解、懸濁、またはそうでなければ操作され得る。好ましくは、粒子状の物質を含むサンプルは、使用前に希釈、濾過、または希釈および濾過の両方が行なわれる。好ましい希釈液は緩衝溶液である。種々の緩衝溶液の1つを用いた任意の多くの標準緩衝水溶液(例えば、リン酸、TRIS界面活性剤など)は、生理学的pHで使用され得る。
【0103】
生物学的流体サンプルのサンプルサイズは、好ましくは約0.5μlと1mlとの間である。好ましい生物学的流体サンプルサイズは、約1μlと100μlとの間である。最も好ましくは、生物学的流体サンプルの量は、およそ10〜50μlである。
【0104】
本明細書中に記載される試薬の1つ以上との反応後、サンプル中の標的ペプチドまたは抗体は、当業者に周知の任意の多くの手段により検出および定量され得る。これらとしては、分析生化学的方法(例えば、分光測光法、X線撮影、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー(hyperdiffusion chromatography)など)および種々の免疫学的方法(例えば、液体またはゲル沈殿反応、免疫拡散(一重または二重)、免疫電気泳動、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、免疫蛍光アッセイなど)が挙げられる。
【0105】
(他のアッセイ形式)
ウェスタンブロット分析もまた、サンプル中の標的ペプチドの存在を検出するためおよび標的ペプチドを定量するために、使用され得る。この技術は、一般的には、分子量に基づいてゲル電気泳動によりサンプル産物を分離する工程、分離したタンパク質を適切な固体支持体(例えば、ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、または誘導体化ナイロンフィルター)にトランスファーする工程、およびそのサンプルを、そのペプチドに特異的に結合する抗体とともにインキュベートする工程を包含する。この抗ペプチド抗体は、その固相支持体上に固定されたペプチドに特異的に結合する。これらの抗体は、直接標識されるか、あるいはこれらの抗体は、その抗ペプチド抗体に特異的に結合する標識抗体(例えば、ペプチドに対する抗体がマウス抗体である、標識ヒツジ抗マウス抗体)を使用してその後検出され得る。
【0106】
他のアッセイ形式としては、リポソーム免疫アッセイ(LIA)が挙げられ、このアッセイは、特定の分子(例えば、抗体)に結合しそしてカプセル化試薬またはカプセル化マーカーを放出するように設計された、リポソームを使用する。その後、放出された化学物質が、標準的技術に従って検出される。
【0107】
(標識)
このペプチドまたは抗体を標識するために使用される標識薬剤は、例えば、ペプチド、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、免疫原性ペプチド、もしくは免疫原性ペプチドのモザイクポリペプチド、または本明細書中に記載されるような複合体、またはポリマー(例えば、親和性マトリックス、糖質、または脂質)であり得る。検出は、任意の公知の方法(例えば、イムノブロッティング、ウェスタン分析、ゲル移動度シフトアッセイ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション分析(FISH)、放射性マーカーもしくは生物発光マーカーの追跡、核磁気共鳴、電子常磁性共鳴、ストップフロー分光法、カラムクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、またはサイズおよび/もしくは電荷の変化に基づいて分子を追跡する他の方法)によって進行し得る。このアッセイにおいて使用される特定の標識または検出可能な基は、本発明の重要な局面ではない。この検出可能な基は、検出可能な物理的特性または化学的特性を有する、任意の物質であり得る。そのような検出可能な標識は、免疫アッセイの分野で十分に開発されており、一般的に、このような方法において有用な任意の標識が、本発明に適用され得る。従って、標識は、分光的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電子的手段、光学的手段、または化学的手段によって検出可能な、任意の組成物である。本発明において有用な標識としては、磁性ビーズ(例えば、DynabeadsTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミンなど)、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えば、lacZ、CAT、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびEIAまたはELISAのいずれかにおいて検出可能な酵素として一般的に使用される他の酵素)、ならびに比色定量標識(例えば、コロイド状金または着色ガラスもしくは着色プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど))のビーズが挙げられる。この標識は、当該分野で周知の方法に従って、そのアッセイの所望の成分に直接的にかまたは間接的に結合され得る。上記のように、広範な種類の標識が使用され得、標識の選択は、必要な感度、化合物の結合体化の容易さ、安定性要件、利用可能な機器、および処分する条件に依存する。
【0108】
非放射性標識は、しばしば、間接的手段により結合される。一般的に、リガンド分子(例えば、ビオチン)が、その分子に共有結合される。その後、このリガンドは、抗リガンド(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合し、この抗リガンド分子が、本質的に検出可能であるか、またはシグナル系(例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物、または化学発光化合物)に共有結合されるかのいずれかである。多数のリガンドおよび抗リガンドが、使用され得る。リガンドが天然の抗リガンドを有する場合(例えば、ビオチン、サイロキシン、およびコルチゾル)、そのリガンドは、標識された天然に存在する抗リガンドとともに使用され得る。あるいは、任意のハプテン性化合物または抗原性化合物が、抗体とともに使用され得る。
【0109】
この分子はまた、例えば、酵素または発蛍光団との結合体化によって、シグナル生成化合物に直接結合体化され得る。標識として目的とする酵素は、主に、ヒドロラーゼ(特に、ホスファターゼ、エステラーゼ、およびグリコシダーゼ)またはオキシドレダクターゼ(特に、ペルオキシダーゼ)である。蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3−ジヒドロフタラジンジオン(例えば、ルミノール)が挙げられる。使用され得る種々の標識系またはシグナル生成系の概説について、米国特許第4,391,904号を参照のこと。
【0110】
標識を検出する手段は、当業者に周知である。従って、例えば、標識が放射性標識である場合、検出手段としては、シンチレーション計数管、またはオートラジオグラフィーとしての写真フィルムが挙げられる。標識が蛍光標識である場合、その標識は、適切な波長の光で蛍光色素を励起すること、および例えば、顕微鏡、視察、写真フィルム、電子検出器(例えば、電荷結合素子(CCD)または光電子増倍管など)によって、生じた蛍光を検出することによって、検出され得る。同様に、酵素標識は、その酵素の適切な基質を提供すること、および生じた反応産物を検出することによって、検出される。最後に、単純な比色定量標識は、その標識に関連する色を単に観察することによって、検出され得る。従って、種々の計量棒アッセイにおいて、結合体化金が、しばしばピンク色に見える一方、種々の結合体化ビーズは、そのビーズの色に見える。
【0111】
いくつかのアッセイ形式は、標識成分の使用を必要としない。例えば、凝集圧制は、標的抗体の存在を検出するために使用され得る。この場合、抗原でコートした粒子が、その標的抗体を含むサンプルによって凝集される。この形式において、どの成分も、標識される必要がなく、そしてその標識抗体の存在は、単なる視察によって検出される。
【0112】
(固相)
上記のように、そのアッセイに依存して、種々の成分(免疫原性ペプチド、抗ペプチド抗体、または抗イディオタイプ抗体を含む)が、固体表面に結合され得る。種々の固体表面に生体分子を固定するための多くの方法が、当該分野で公知である。例えば、その固体表面は、膜(例えば、ニトロセルロース)、マイクロタイターディッシュ(例えば、PVC、ポリプロピレン、またはポリスチレン)、試験管(例えば、ガラスまたはプラスチック)、計量棒(例えば、ガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、ラテックスなど)、微量遠心管、またはガラスビーズ、シリカビーズ、プラスチックビーズ、金属ビーズ、もしくはポリマービーズであり得る。所望の成分は、共有結合され得るか、または非特異的結合を介して非共有結合され得る。
【0113】
広範な種類の有機ポリマーおよび無機ポリマー(天然および合成の両方)が、固体表面の材料として使用され得る。例示的ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)、ポリビニリデンジフルオリド(PDVF)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどが、挙げられる。使用され得る他の材料としては、紙、ガラス、セラミック、金属、メタロイド、半導体材料、セメントなどが、挙げられる。さらに、ゲルを形成する物質(例えば、タンパク質(例えば、ゼラチン))、リポ多糖類、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミド)が、使用され得る。いくつかの水相を形成するポリマー(例えば、デキストラン、ポリアルキレングリコール)または界面活性剤(例えば、ホスホリピド、長鎖(12〜24炭素原子)アルキルアンモニウム塩など)もまた、適切である。その固相が多孔性である場合、種々の孔径が、その系の性質に依存して使用され得る。
【0114】
その表面を調製する際、複数の異なる材料(例えば、ラミネート)が、種々の特性を得るために使用され得る。例えば、タンパク質コーティング(例えば、ゼラチン)が、非特異的結合を回避するため、共有結合体化を簡単にするため、シグナル検出を増強するためなどに、使用され得る。
【0115】
化合物とその表面との間の共有結合が望ましい場合、その表面は、通常は、多官能性であるか、または多官能化可能である。その表面上に存在し得かつ結合のために使用され得る官能基としては、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが、挙げられ得る。種々の表面に広範な種類の化合物を連結する方法は、周知であり、そして文献に十分に記載されている。
【0116】
(薬学的組成物)
薬学的に受容可能なキャリア中に本明細書中に記載されるペプチドのうちの1つ以上を含む、ワクチンおよび他の薬学的組成物が、提供される。この組成物は、ヒトにおけるHIV感染の処置、予防、または低減のための治療法および予防法において有用である。そのような組成物は、種々の薬物送達系における使用のために適切である。適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Science,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA,第17版(1985)に見出される。薬物送達のための方法の簡単な概説が、Langer,Science 249:1 527−1533(1990)により提供される。
【0117】
この組成物は、単回投与または一連の投与のために適切である。一連の投与として投与される場合、最初の投与の後の接種は、免疫応答をブーストするために投与され、それらは代表的には、ブースター接種と呼ばれる。
【0118】
その薬学的組成物は、非経口投与、局所(topical)投与、経口投与、または局所(local)投与のために意図される。好ましくは、その薬学的組成物は、非経口投与(例えば、静脈内投与、皮下投与、皮内投与、または筋肉内投与)される。従って、本発明は、受容可能なキャリア(好ましくは、水性キャリア)中に溶解または懸濁された上記の薬剤の溶液を含む、非経口投与用組成物を提供する。種々の水性キャリア(例えば、水、緩衝化水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸など)が、使用され得る。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術により滅菌され得るか、または滅菌濾過され得る。生じる水性溶液は、そのまま使用するためにパッケージングされ得るか、または凍結乾燥され得、その凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌溶液と合わされる。その組成物は、適切な生理学的条件に必要な薬学的に受容可能な補助剤(例えば、pH調整剤および緩衝剤、張度調整剤、湿潤材など(例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートなど)を含み得る。
【0119】
固体組成物のために、従来の非毒性固体キャリアが使用され得、そのようなキャリアとしては、例えば、薬学グレードの、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、滑石粉、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが、挙げられる。経口投与のために、薬学的に受容可能な非毒性組成物が、通常使用される賦形剤(例えば、上記に列挙したキャリア)のいずれか、および一般的に10〜95%の活性成分(より好ましくは、濃度25%〜75%)を組み込むことによって、形成される。
【0120】
エアロゾル投与のために、そのポリペプチドは、好ましくは、界面活性剤および噴霧体とともに微細分割形態で提供される。その界面活性剤は、当然、非毒性でなければならず、好ましくは、その噴霧体中に可溶性でなければならない。そのような薬剤の代表は、6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸エステルまたは脂肪酸部分エステル(例えば、脂肪族多価アルコールまたはその環状無水物と、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン酸(olesteric acid)、およびオレイン酸との、エステルまたは部分エステル)である。混合エステル(例えば、混合グリセリドまたは天然グリセリド)が、使用され得る。望ましい場合、キャリアもまた、含まれ得る(例えば、経鼻送達のためにレシチンを含めること)。
【0121】
患者に投与される量は、投与されるもの、患者の状態、および投与様式に依存して、変化する。治療適用において、HIVに既に感染した患者に、そのウイルスの伝播を阻害するかまたはその疾患およびその合併症の症状を少なくとも部分的に停止するに十分な量の組成物が、投与される。このことを達成するに十分な量が、「治療上有効な用量」として規定される。この用途のために有効な量は、その疾患の重篤度、特定の組成物、ならびに患者の体重および全身状態に依存する。一般的に、その用量は、70kgの患者について、1日あたり約100μg〜約3000μg(好ましくは、1日あたり約1500μg)の範囲にある。HIVワクチンのために適切な用量は、http://camelot.emmes.com/avctn/index.htmに見出され得る。
【0122】
さらに好ましくは、このペプチドは、ワクチンとして予防的に使用される。本明細書中に開示された免疫原性ペプチド全ては、単独でか、またはマルチエピトープワクチンもしくはポリエピトープワクチンにおける場合は、組合せるかもしくは結合されるかのいずれかで、ワクチンとして使用され得る。免疫応答は、抗体の生成;免疫原性ペプチドを提示する細胞に対する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の活性化、または当該分野で周知の他の機構を含み得る。好ましい用量は、1日あたり100μg〜約3000μg、好ましくは、1日あたり約1500μgの範囲であり、1〜6用量で投与される。
【0123】
好ましい実施形態において、免疫原性ペプチドは、上記したようなキャリアタンパク質に共有結合(結合体化)される。有用なキャリアタンパク質としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:サイログロブリン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、破傷風トキソイド、ポリアミノ酸(例えば、ポリ(D−リジン:D−グルタミン酸))、インフルエンザ、B型肝炎コアタンパク質、B型肝炎ウイルス組換えワクチン。ワクチンはまた、生理学的に許容可能(受容可能)な希釈剤(例えば、水、リン酸緩衝化生理食塩水、または生理食塩水)を含み得、そして、さらに代表的には、アジュバントを含み得る。アジュバント(例えば、フロイント不完全アジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウムまたはミョウバン)は、当該分野で周知な物質である。
【0124】
(DNAワクチン)
さらに、本発明の免疫原性ペプチドをコードするDNAまたはRNAを患者に導入し、この核酸がコードする免疫原性ペプチドに対する免疫応答を取得し得る。Wolffら、Science 247:1465〜1468(1990)(これは、核酸がコードする免疫原性ペプチドの発現を生成するための、その核酸の使用を記載し、この技術が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。免疫原性ペプチドをコードするDNAまたはRNAから構成されるワクチンは、当該分野では、通常、DNAワクチンとして呼ばれる。
【0125】
本発明の免疫原性ペプチドおよび免疫原性核酸を含むワクチン組成物を患者に投与し、このポリペプチドに対する防御的免疫応答を誘発する。「防御的免疫応答」は、HIVの流布を予防するかまたは阻害するものであり、従って、疾患の症状およびその合併症を、少なくとも部分的に予防する。これを達成するために十分な量は、「免疫原的に有効な用量」として規定される。この使用のために有効な量は、組成物、投与様式、患者の体重および全身の健康状態、ならびに処方する医者の判断に依存する。ペプチド組成物について、最初の免疫のため(すなわち、治療的投与または予防的投与のため)の一般的な範囲は、1日あたり約100μg〜約3000μg、好ましくは1日あたり約1500μgであり、続いて、患者の応答および状態(例えば、患者の血液中のHIVレベルを測定することにより)に依存して、数週間〜数ヶ月にわたり、ブースターレジメンに従って、このペプチドの投薬がブーストされる。核酸については、同じ範囲の用量が好ましい。
【0126】
本発明は、特定の実施例を介して、より詳細に記載される。以下の実施例は、例示の目的のために提供され、そして、いかなる方法でも本発明を限定も、定義もすることは意図されない。
(実施例1)
(MHCクラスI CTL合成ペプチドエピトープの同定)
ペプチドを合成し、そして、フローサイトメトリーアッセイで分析し、クラスI MHC分子への結合を検出した。クラスI MHC結合について陽性であると試験されたペプチドを、タイ人の女性売春婦13人(HIV陽性)由来の血液サンプル中のリンパ球とのCTL反応性について試験した。
【0127】
49個のペプチドを、ACT Model MPS 396マルチプルペプチド合成器(Advanced ChemTech,Louisville,KY)を製造業者のプロトコルに従って使用して、Barany,G.およびMerifield,R.B.(「The Peptides」1巻:1〜284(1980))によって教示されたようなFmoc化学によって固相支持体(Wang樹脂)上で、Biotechnology Core Facility,National Centers for Infectious Diseases(NCID)、Centers for Disease Control and Prevention(CDC,Atlanta,GA)により合成した。Wang樹脂を、得られたペプチド生成物がC末端に遊離カルボキシルを有するように使用した。各々のペプチドの質を、アミノ酸分析(正確度)、MALDI−TOF質量分析計(正確度)、高速液体クロマトグラフィー(純度)、およびキャピラリー電気泳動(純度)によって決定した。全てのペプチドは、85%〜90%の純度を有した。
【0128】
(被験体)
Chiang Rai,Northern Thailandにおける女性売春婦のコホートからの13名のHIV−1 Eサブタイプ感染個体由来の血液サンプルを、5ml EDTAチューブまたはクエン酸ナトリウム(Becton Dickinson,San Jose,CA)を含む8ml Vacutainer CPTTMチューブに回収した。CPTチューブを、回収して2時間以内に遠心分離した。全ての血液を、Chiang RaiからBangkok(Thailand)近くのNonthaburiにあるCDCの研究室へと15〜25℃で一晩で輸送した。CTLアッセイに使用した全ての被験体は、HIV1/HIV−2 EIATMスクリーニングキット(Genetic Systems,Redmond,WA)およびNovapath HIV−1 ImmunoblotTMウェスタンブロット確認キット(BioRad,Hercules,CA)を使用して決定されるように、HIV−1サブタイプ−Eに感染していた。HIV−1サブタイプ決定を、Wasi,C.ら,AIDS 9:851−857,1995およびPau,C−P.ら,AIDS 7:331−340,1993により記載されるペプチド血清学を使用して行った。
【0129】
末梢血単核細胞(PBMC)を、製造業者の指示に従ってCPTチューブから単離し、凍結媒体(50%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS,Hyclone,Logan,UT)、40% RPMI 1640TM(Gibco BRL,Grand Island,NY)、10% ジメチルスルホキシド(DMSO,Sigma Chemical Company,St.Louis,MO)中で5〜10×10細胞/バイアルにて低温保存した。細胞を、−70℃に一晩入れ、次いで、液体窒素蒸気中で保存した。標本を、その後、ドライアイスと接触させてまたは液体窒素蒸気容器に入れて、CDC,Atlanta,GAに輸送し、使用するまで液体窒素蒸気中で保存した。
【0130】
Bリンパ芽球細胞株(BLCL)を、Nilsson,K.およびKlein,G.Adv.Cancer Res.37:319−380,1982により記載されるように、エプスタイン−バーウイルス(EBV)を含む細胞培養上清で形質転換することにより、各被験体について作製した。EBV含有細胞培養上清を、慢性的にEBV感染したマーモセット株B95−8細胞(ATCC CRL 1612)から作製した。形質転換については、PBMC(5〜10×10細胞)を融解し、洗浄し、新たに採集したEBV上清1mlおよび4mlの培地(20% FBS、2μg/ml シクロスポリン(Sandoz,East Hanover,NJ)、2% L−グルタミン(Gibco BRL)および1% ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco BRL)を補充したRPMI 1640を含む)とともにインキュベートした。細胞を、25cm培養フラスコ(Corning Costar Corporation,Corning,NY)中で培養し、1週間に1〜2回培地を供給した。形質転換細胞のクラスタを、通常、14〜28日間観察した。細胞培養物を増殖させて、保存用培養物(stock)を生成し、これを凍結保存した。
【0131】
(抗体アッセイ)
ペプチドを、2つの抗体(A11.1MおよびAUF5.13)に結合する能力について試験した。この抗体は、ヒトMHC分子、HLA−A11のアセンブリされた複合体に結合する。A11.1M含有上清を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC,Rockville,MD)から入手したハイブリドーマ株HB−164を使用して作製した。この株を、培養培地(10% FBS、2% L−グルタミンおよび1% ペニシリン−ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640)中で維持した。AUF5.13はまた、アセンブリしたHLA−A11複合体を結合するが、異なるエピトープ特異性を有する。AUF5.13を、M.Masucci,(Karolinska Institute,Stockholm,Sweden)から譲り受け、Colombani,J.,ら,Tissue Antigens 20:161−171(1982)に記載されるように維持した。両ハイブリドーマ株からの上清を、培養して4〜7日間後に採取し、0.22μmフィルターユニット(Corning Costar Corporation)を使用して濾過滅菌し、結合アッセイにおいて新たに(すなわち1年間まで4℃にて保存したもの)使用した。
【0132】
Levitskyら,J.Exp.Med.,183:915−926(1996)により教示されたHLA−A11安定化アッセイを、T2−A11(ペプチドトランスポーター変異細胞株T2のHLA−A11トランスフェクトした亜株)を使用して行った。このT2−A11細胞株を、M. Masucciから譲り受け、Gavioli,R.,Human Immunology 49:1−12,1996)に記載されるように、200μg/ml ハイグロマイシンB(Sigma Chemical Company)を補充した培養培地中で維持した。T2−A11細胞(1×10)を、3mlの無血清Aim VTM培地(Gibco BRL)に移し、30μlの候補A11結合ペプチドを、終濃度が100μMになるようにこれらの細胞に添加し、25cm培養フラスコ中で25℃にて18時間インキュベートした。ペプチドなしで同様にインキュベートした細胞を、ネガティブコントロールとして供した。3つのEBV EBNA 4ペプチド(IVTDFSVIK−配列番号131;ISTDFSVIK−配列番号132;およびIKTDFSVIK−配列番号133)とともにインキュベートした細胞を、ポジティブコントロールとして供して、適切な場合、HLA−A11アセンブリアッセイを最適化した。次いで、培養物を、2時間にわたり37℃インキュベーターへ移した。
【0133】
細胞を、まず、AUF5.13またはA11.1Mのいずれかに由来する170μlの非希釈培養上清、続いて、洗浄緩衝液(リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)0.01M pH7.2、2% FBSおよび0.1% アジ化ナトリウム)中で1:25希釈した40μlのフルオレセインイソチオシアネート(fluorescent isothiocyanate)(FITC)結合体化ヤギ抗マウスIgG(Caltag Laboratories,Bulingame,CA)で間接的に染色した。抗体インキュベーションは、各々30分間であり、細胞を、インキュベーションの間に2mlの緩衝液で2回洗浄し、染色および洗浄手順の間は、氷上または4℃にて保持した。平均蛍光強度(MFI)を、蛍光活性化細胞分析器(FASCcan,Becton Dickinson,San Jose,CA)をおよびCell QuestTM ソフトウェア(バージョン3.1)(Becton Dickinson)使用して、フローサイトメトリーにより測定した。ペプチドとともにインキュベートした細胞のMFIを、ペプチドなしでインキュベートした細胞のMFIで除することにより、結合比を各ペプチドについて計算した。≧2のMFI比が、2回の独立した結合実験においていずれかの抗体を用いて観察された場合に、ペプチドをHLA−A11結合について陽性であるとみなした。EBVペプチドIVTDFSVIK(配列番号15)は、代表的には、A11.1Mについては3.0のMFI比を与え、AUF5.13については8.0のMFI比を与えた。
【0134】
26の合成ペプチドが、フローサイトメトリーアッセイにおいてA11に結合した。次いで、これらペプチドを、以下のように、CTLアッセイにおける反応性について試験した。さらに2つのペプチドを合成したが、試験しなかった。
【0135】
(CTLアッセイ)
PBMCを融解し、緩衝化生理食塩水(PBS 0.01M,pH7.2、2% ウシ新生仔血清、0.1% グルコース)中で2回洗浄し、次いで、200μlのCTL培地(10% ヒトAB血清[Sigma Chemical Company]、330ユニット/ml 組換えヒトIL−7[Genzyme,Cambridge,MA]、10mM HEPES[Gibco BRL]、2% L−グルタミンおよび1% ペニシリン−ストレプトマイシン)を補充したRPMI 1640)中にて、12×75mmポリプロピレンチューブ(Becton Dickinson)中に2〜4×10生細胞/mlの濃度に再懸濁した。次いで、候補ペプチドを、2〜6の異なるペプチドのプールとして、100〜500μMの終濃度になるまで細胞懸濁液に添加し、細胞を、ときどき攪拌して、1〜2時間、37℃、5% COインキュベーター中に入れた。代表的には(A11およびA2/24)polペプチドおよびenvペプチドを、個々のプールから形成し、gagペプチドおよびnefペプチドを別のプールから形成し、ならびにvif、tatおよびrevを別のプールから形成した。次いで、細胞懸濁液を、2〜4×10細胞/mlの濃度になるように、培養培地で10倍希釈し、24ウェル平底マイクロタイタープレート(Corning Costar Corporation)において2ml容量を入れ、37℃、5% COにて72時間インキュベートした。次いで、レクチン除去した(Delectinized)ヒトT細胞増殖因子(TCGF、Advanced Biotechnologies Inc.,Columbia,MD)および組換えヒトIL−2(Genzyme)を、それぞれ、10%の濃度および50ユニット/mlにて添加した。培養物を分割し、HEPES、IL−2およびTCGF(必要であれば、上記の濃度で)を補充した培養培地を与えた。
【0136】
CTLアッセイを行った後、残りのPBMCを凍結するか、または適切なペプチドをパルスした同数の照射(10,000ラド)BLCLおよびこの数の5〜7倍の照射(3000ラド)同種異系正常PBMCの添加により再刺激した(ともに、CTL培地中)。IL−2およびTCGFをインキュベーションの72時間後に添加し、上記のように培養物を分割し、培養培地を与えた。
【0137】
ペプチドとともに培養して16〜21日後に、PBMC(エフェクター)を計数し、100と3〜1の間のエフェクター(E) 対 標的(T)比を作成するために調節し、96ウェルV底プレート(Corning Costar Corporation)中、100μl容量にて三連でプレートした。対数増殖相にある健常なBLCLを、標的細胞として使用した。BLCL(2×10細胞)を、洗浄し、2×10細胞/mlの濃度に培養培地で再懸濁し、75〜100μCiの51Cr(40mCi/ml,American Radiolabeled Chemicals Inc.,St.Louis,MO)で標識し、37℃、5% COにて1時間、鉛遮蔽の後ろで、ときどき攪拌してインキュベートした。標識細胞を、10mlの培養培地で2回洗浄し、0.05×10細胞を、0.1mlの培養培地(10μMの個々のペプチドまたはペプチドプールありまたはなし)中に再懸濁し、ときどき攪拌して、37℃、5% COにて1時間インキュベートした。次いで、細胞を10mlの培養培地で1回洗浄し、再懸濁し、計数し、培養培地中に20,000〜30,000細胞/mlに調節し、100μlを、エフェクター細胞に三連で添加した。各ペプチド条件からの細胞、またはペプチドでパルスしていない細胞もまた、エフェクター細胞なしで、単独で200μlの培養培地中で三連にてインキュベートして、自発的な51Cr放出を生成した。RPMI中5% Triton X−100TM(100μl)を使用して、三連で100μlの標的細胞をプレートすることにより、最大放出を各条件について同様に決定した。ペプチドをパルスしていない標的とともに適切なE:T比にてインキュベートすることにより、ペプチド刺激したPBMCの各培養物について、非特異的溶解を決定した。密封したプレートを、3分間、1,100rpmにて遠心分離し、シールを剥がして、プレートを、5時間、37℃、5% COにてインキュベートした。上清を採取し、Minaxi Auto−Gamma 5000TMシリーズγカウンター(Packard Instrument Co.,Downer Grove,IL)または1450 MicroBeta PlusTM、液体シンチレーションカウンター(Wallac,Turku,Finland)のいずれかにおいて計数した。Packard製のものに関しては、100μlの上清を計数し;液体シンチレーションに関しては、50μlの上清を、190μlのOptiPhase SupermixTMシンチレーションカクテル(Wallac)と混合した。3連のウェルの標準偏差を、Excel(version 7a) for Windows(登録商標) 95(Microsoft Corporation,Seattle,OR)を用いて計算したところ、常に<10%であった。
【0138】
特異的溶解の%を、以下の式を使用して計算した:溶解の%=[実験的放出−自発的放出]/[最大放出−自発的放出]×100。
【0139】
代表的には、自発的放出は、最大放出の20%未満であった。各増殖させた培養物について、ペプチドでパルスしていない標的の溶解の%から、ペプチドパルスした標的で観察された溶解の%を差し引くことにより、抗原特異的溶解を計算した。抗原特異的溶解の程度が最低のE:T比においてのみ観察されるのでなければ(この場合、応答をネガティブとみなした)、ポジティブなCTL応答を、1以上のE:T比にて、抗原特異的溶解≧10%と規定した。
【0140】
(結果)
この抗体アッセイおよびCTLアッセイの結果を、以下の表2Aに示す。26ペプチドが、HLA−A1に結合した。
【0141】
4名のHLA−A2被験体(HLA−A11ネガティブ)、9名のHIV−1サブタイプEバージョン(CM243および93TH253)を選択し、CTLアッセイにおいて試験した。被験体158はまた、HLA−A24ポジティブであるので、2つのHLA−A24エピトープのサブタイプEバージョンを含めた。これらのペプチドのうち1つを除く全て(pol 334〜342)が、以下の表2Bに示されるように、Eサブタイプ配列において1以上の置換を有した。
【0142】
13のペプチドが、1名以上の被験体により認識された(表2A、表3、図1A、1B1Cを参照のこと)。Pol応答が優性(69%)であり、続いて、env(62%)、gag(38%)、およびnef(38%)であった。認識された13のペプチドのうち少なくとも7つのペプチドが、新たなHLA−A11 CTLエピトープであると考えられ、polまたはenvにて同定された。各々、最大3名の個体により認識された。9名のHLA−A11ポジティブ被験体全てが、1以上のペプチドに対してポジティブCTL応答を有し、被験体1名につき認識されたペプチド数は、1〜8の範囲であった(図1A、1B、1C、表3)。大部分の被験体は、2以上のHIVタンパク質に対して広範囲の応答を有した。
【0143】
表3は、研究したHIV感染FSWの臨床、HLA−A、免疫表現型決定(immunophenotyping)、およびウイルス負荷データを示す。CD4数は、30〜870/μlの範囲であり、ウイルス負荷は、889〜311の範囲であり、324コピー/mlの範囲であった。9個体(69%)は、HLAA−A11ポジティブであり、残りの4個体(31%)は、HLA−A2ポジティブであった。1個体は、HLA−A24ポジティブであった。
【0144】
各被験体のCTL応答を、図1A、1Bおよび1Cに示す。9名のHLA−A11ポジティブ被験体全てが、1以上のペプチドに対してポジティブなCTL応答を有した。大部分の被験体は、HIVゲノム全体でみられる多くのペプチドに対して広範囲の応答を有した。
【0145】
全てのA11ポジティブ被験体において試験したこれらペプチドのうち、13のペプチドが、1以上のアッセイにおいて反応性であった。13のペプチドのうち6つが、5つ以上のサブタイプにおいて適合するコンセンサス配列を有するという点で保存されている。
【0146】
本出願において引用される全ての刊行物の開示は、本発明が属する分野の技術水準をより十分に記載するために、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0147】
本発明のプロセスが、その特定の実施形態の具体的詳細を参照して記載されてきたが、このような詳細は、添付の特許請求の範囲に含まれる程度を除いて、本発明の範囲に対する限定としてみなされることを意図しない。
【0148】
【表1−1】
Figure 2004535369
【0149】
【表1−2】
Figure 2004535369
【0150】
【表1−3】
Figure 2004535369
【0151】
【表2−1】
Figure 2004535369
【0152】
【表2−2】
Figure 2004535369
【0153】
【表2−3】
Figure 2004535369
【0154】
【表2−4】
Figure 2004535369
【0155】
【表2−5】
Figure 2004535369
【0156】
【表2−6】
Figure 2004535369
CTLアッセイに用いられた配列。下線を付した残基は、サブタイプB〜Eの置換を示す。
サブタイプBのHIV−1において、これは、公知のHLA−B8エピトープと重複する。
サブタイプBのHIV−1において、これは、公知のHLA−B8エピトープ、HLA−b14エピトープ、HLA−B27エピトープ、およびDPw4.2エピトープと重複する。
サブタイプBのHIV−1において、これは、HLA−B7エピトープ、HLA−B8エピトープ、HLA−B18エピトープ、HLA−B35エピトープ、HLA−B49エピトープ、およびHLA−B57エピトープと重複するか、またはこれらの中に含まれる。
サブタイプBのHIV−1において、これは、より大きなHLA−A1エピトープ、HLA−A25エピトープ、HLA−B8エピトープ、およびHLA−B35エピトープと重複する。
【0157】
【表3】
Figure 2004535369
HLA−A11の状態は、PCRにより決定された;被験体がHLA−A11陽性であった場合、他の対立遺伝子での遺伝子座型は決定されなかった。
**envペプチドおよびgag/nefペプチドのプールを用いてインビトロで刺激し、そしてこれらのプールに対して試験した場合、有意なCTL応答が被験体176において見られた(データは示さず)。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1A】図1Aは、本明細書中に記載されるペプチドのいくつかの特異的溶解パーセントを示す棒グラフである。図1Aは、表2Aに示されるようなHLA−A11ポジティブHIV感染の女性性労働者より得られたサンプルでの、E:T比が30:1(黒棒)および10:1(白棒)(ドナー140(10:1、3:1)、ドナー426(60:1、50:1)およびドナー163(60:1、30:1)を除く)におけるHIVペプチドの特異的溶解パーセントまたはCTL認識を示す棒グラフを提供する。各被験体のHLA型を、被験体番号の横に列挙する。図1Aについて、末梢血単球培養物(PBMC)を、ペプチドのプールでインビトロにて刺激し、培養物中16〜20日後、個々のペプチドで標識された標的細胞に対して試験した。被験体識別番号を、各グラフの上に列挙する。CTL応答ポジティブについてのカットオフ(抗原特異的溶解≧10%)を、点線で示す。ペプチドのHIVタンパク質起源を、以下のような略語で示す:G=gag、P=pol、E=envおよびN=nef。
【図1B】図1Bは、本明細書中に記載されるペプチドのいくつかの特異的溶解パーセントを示す棒グラフである。図1Bは、表2Aに示されるようなHLA−A11ポジティブHIV感染の女性性労働者より得られたサンプルでの、E:T比が30:1(黒棒)および10:1(白棒)(ドナー140(10:1、3:1)、ドナー426(60:1、50:1)およびドナー163(60:1、30:1)を除く)におけるHIVペプチドの特異的溶解パーセントまたはCTL認識を示す棒グラフを提供する。各被験体のHLA型を、被験体番号の横に列挙する。図1Bについて、末梢血単球培養物(PBMC)を、ペプチドのプールでインビトロにて刺激し、培養物中16〜20日後、個々のペプチドで標識された標的細胞に対して試験した。被験体識別番号を、各グラフの上に列挙する。CTL応答ポジティブについてのカットオフ(抗原特異的溶解≧10%)を、点線で示す。ペプチドのHIVタンパク質起源を、以下のような略語で示す:G=gag、P=pol、E=envおよびN=nef。
【図1C】図1Cは、本明細書中に記載されるペプチドのいくつかの特異的溶解パーセントを示す棒グラフである。図1Cは、表2Aに示されるようなHLA−A11ポジティブHIV感染の女性性労働者より得られたサンプルでの、E:T比が30:1(黒棒)および10:1(白棒)(ドナー140(10:1、3:1)、ドナー426(60:1、50:1)およびドナー163(60:1、30:1)を除く)におけるHIVペプチドの特異的溶解パーセントまたはCTL認識を示す棒グラフを提供する。各被験体のHLA型を、被験体番号の横に列挙する。図1Cについて、末梢血単球培養物(PBMC)を、ペプチドのプールでインビトロにて刺激し、培養物中16〜20日後、個々のペプチドで標識された標的細胞に対して試験した。被験体識別番号を、各グラフの上に列挙する。CTL応答ポジティブについてのカットオフ(抗原特異的溶解≧10%)を、点線で示す。ペプチドのHIVタンパク質起源を、以下のような略語で示す:G=gag、P=pol、E=envおよびN=nef。
【図1D】図1Dは、本明細書中に記載されるペプチドのいくつかの特異的溶解パーセントを示す棒グラフである。図1Dは、表2Bに示されるようなHLA−A11ネガティブHIV感染の女性性労働者より得られたサンプルにおけるHIVペプチドの特異的溶解パーセントまたはCTL認識を示す棒グラフを提供する。各被験体のHLA型を、被験体番号の横に列挙する。被験体158のみを、E:T比50:1において試験した。図1Dについて、末梢血単球培養物(PBMC)を、ペプチドのプールでインビトロにて刺激し、培養物中16〜20日後、個々のペプチドで標識された標的細胞に対して試験した。被験体識別番号を、各グラフの上に列挙する。CTL応答ポジティブについてのカットオフ(抗原特異的溶解≧10%)を、点線で示す。ペプチドのHIVタンパク質起源を、以下のような略語で示す:G=gag、P=pol、E=envおよびN=nef。
【図1E】図1Eは、本明細書中に記載されるペプチドのいくつかの特異的溶解パーセントを示す棒グラフである。図1Eは、表2Bに示されるようなHLA−A11ネガティブHIV感染の女性性労働者より得られたサンプルにおけるHIVペプチドの特異的溶解パーセントまたはCTL認識を示す棒グラフを提供する。各被験体のHLA型を、被験体番号の横に列挙する。被験体473を、HLA−A2ペプチドのプールおよびHLA−A11ペプチドのプールに対して試験した。CTLアッセイを、E:T比60:1(黒棒)および30:1(白棒)において行った。被験体473のみを、E:T比50:1において試験した。図1Eについて、末梢血単球培養物(PBMC)を、ペプチドのプールでインビトロにて刺激し、培養物中16〜20日後、個々のペプチドで標識された標的細胞に対して試験した。被験体識別番号を、各グラフの上に列挙する。CTL応答ポジティブについてのカットオフ(抗原特異的溶解≧10%)を、点線で示す。ペプチドのHIVタンパク質起源を、以下のような略語で示す:G=gag、P=pol、E=envおよびN=nef。

Claims (22)

  1. HIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球と免疫反応性の1つ以上のエピトープを含む免疫原性HIVペプチドであって、ここで、該ペプチドは、アセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体と免疫反応性である抗体に結合し、そして以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択される、HXB2の番号付けに従ってHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する9個〜11個の間のアミノ酸残基を含む、ペプチド。
  2. 前記クラスI主要組織適合遺伝子複合体が、ヒトHLA−A11である、請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記HIV陽性個体が、HIV−1サブタイプE陽性である、請求項1に記載のペプチド。
  4. 以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択されるHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
  5. 以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択されるHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
  6. 配列番号1〜69およびそれらの保存的バリエーションからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
  7. 配列番号1〜21およびそれらの保存的バリエーションからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
  8. 配列番号1〜7およびそれらの保存的バリエーションからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
  9. 前記ペプチドが組み換えペプチドまたは合成ペプチドである、請求項1に記載のペプチド。
  10. 前記抗体が、A11.1M、AUF5.13またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のペプチド。
  11. 薬学的抗HIV薬物の効果をモニタリングするための方法であって、該方法は、該薬物が投与されたHIV陽性患者由来のサンプルを、HIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球と免疫反応性である1つ以上のエピトープを含む免疫原性HIVペプチドと混合する工程、ならびに該サンプル中の該ペプチドと抗体またはTリンパ球との間の複合体の形成を検出する工程を包含し、ここで、複合体の形成の検出は、薬物の効果を示し、ここで、該ペプチドは、アセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体と免疫反応性である抗体に結合し、以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択される、HXB2の番号付けに従ってHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する9個〜11個の間のアミノ酸残基を含む、
    方法。
  12. AIDS耐性を決定するための予後方法であって、該方法は、HIV陽性患者由来のサンプルを、HIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球と免疫反応性である1つ以上のエピトープを含む免疫原性HIVペプチドと混合する工程、ならびに該サンプル中の該ペプチドと抗体またはTリンパ球との間の複合体の形成を検出する工程を包含し、ここで、複合体の形成の検出は、該患者がAIDSへの疾患の発達に耐性であることを示し、ここで、該ペプチドは、アセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体と免疫反応性である抗体に結合し、以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択される、HXB2の番号付けに従ってHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する9個〜11個の間のアミノ酸残基を含む、
    方法。
  13. 薬学的に受容可能なキャリアおよびHIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球と免疫反応性である1つ以上のエピトープを含む免疫原性HIVペプチドを含む薬学的組成物であって、ここで、該ペプチドは、アセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体と免疫反応性である抗体に結合し、以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択される、HXB2の番号付けに従ってHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する9個〜11個の間のアミノ酸残基を含む、
    薬学的組成物。
  14. 前記組成物がワクチンである、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記クラスI主要組織適合遺伝子複合体が、ヒトHLA−A11である、請求項13に記載の組成物。
  16. 前記HIV陽性個体が、HIV−1サブタイプE陽性である、請求項13に記載の組成物。
  17. 前記ペプチドが、配列番号1〜69およびそれらの保存的バリエーションからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項13に記載の組成物。
  18. ヒトまたは動物において免疫応答を誘導する方法であって、該方法は、該ヒトまたは該動物に、薬学的に受容可能なキャリアおよびHIV陽性個体由来の細胞傷害性Tリンパ球と免疫反応性である1つ以上のエピトープを含む免疫原性HIVペプチドを含む薬学的組成物の免疫学的有効量を投与する工程を包含し、ここで、該ペプチドは、アセンブリしたクラスI主要組織適合遺伝子複合体と免疫反応性である抗体に結合し、以下:
    Figure 2004535369
    からなる群より選択される、HXB2の番号付けに従ってHIVゲノムの領域内のアミノ酸配列を有する9個〜11個の間のアミノ酸残基を含む、
    方法。
  19. 前記クラスI主要組織適合遺伝子複合体が、ヒトHLA−A11である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記HIVが、HIV−1サブタイプEである、請求項18に記載の方法。
  21. 前記ペプチドが、配列番号1〜69およびそれらの保存的バリエーションからなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記抗体がA11.1M抗体またはAUF5.13抗体である、請求項20に記載の方法。
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