JP2004535290A - 試験管とその類似物の密封装置 - Google Patents

Abstract

試験管の配列の開口した口を密封する密封マット。このマットは、可撓性キャリアシートを含み、該キャリアシートは、そこから下向きに突き出て、互いに間隔をあけて配される複数の止め釘の配列を有する。栓は、試験管の開口した口に挿入され、試験管を密封する外形形状および寸法に設定される。各栓は、止め釘の１つを受け入れ、止め釘との摩擦力による噛み合いに協調的に働く内部形状および寸法に設定された上向きの穴を備える。これにより、着脱可能に栓をキャリアシートに固定する。キャリアシートは、穴から止め釘を抜く撓曲によって、このように挿入された栓から分離することができる。

Description

【技術分野】
【０００１】
本願は、２００１年６月２２日に出願された仮出願特許第６０／３００，２９５号の優先権および２００２年６月７日に出願された出願番号不明の実用新案出願の優先権を主張するものであり、前記両出願は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【０００２】
本発明は、概して、試験管等の配列を密封するための栓または隔壁を運搬する可撓性シートを備える密封マットに関し、より詳しくは、栓または隔壁をキャリアシートに着脱可能に固定する手法の改良に関する。
【背景技術】
【０００３】
たとえば、ＷＯ０１／１７６８２ Ａ１（ウィジンシェンク（Ｗｉｊｉｎｓｃｈｅｎｋ））に記載されたタイプの周知の密封マットでは、穴の行列が、可撓性を備えた薄いキャリアシートを貫通して開口される。その後で、シートの穴に栓が射出成形される。この栓には、穴のエッジ部分を受け入れる溝を持つ円形フランジが形成されているため、栓は、前記シートに対して着脱可能に固定される。
【０００４】
このやり方にはいくつかの欠点がある。キャリアシートへの栓の取り付けが、若干脆弱であるため、キャリアシートが不用意に曲げられた場合には、栓が時期尚早に分離される恐れがある。栓のフランジは、前記シート内にある複数の穴のエッジ部分に跨って設けられる溝によって強度が損なわれている。このため、栓は、吸引針がささっている時に、試験管内に押し込まれる。強度が不足したフランジは、更に、試験管から栓を抜くことを困難にする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、着脱可能でありながらも確実に、キャリアシートに栓を固定して、栓が試験管の口に挿入されて密封する前に、時期尚早の分離が生じないようにすることを目的とする。
【０００６】
本発明の付随的な目的は、栓が試験管に挿入された後で、その栓からキャリアシートを簡単に取り外せるようにすることである。
【０００７】
本発明は、更に、栓の外側にあるフランジの構造的な統合性を犠牲にしない方法で、キャリアシートに栓を固定することを目的とする。
【０００８】
本発明によれば、可撓性キャリアシートには、互いに間隔をあけて配され、下向きに突き出た止め釘の配列が設けられる。栓は、試験管配列の開口した口に挿入されて、該開口を密封する外形形状および寸法に設定される。栓は、中央に配置された上向きの穴を取り囲む堅牢な外周フランジを備える。この穴は、キャリアシート上の止め釘を受け入れ、止め釘との摩擦力による噛み合いに協調的に働く内部形状および寸法に設定される。キャリアシートは、このように挿入された栓から分離可能であるが、この分離は、止め釘が栓の穴から徐々に抜けるようにする撓曲によって実現する。
【０００９】
本発明の前述および他の目的、特性、利点については、下記において付属の図面を参照しながら詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
まず、図１〜図６を参照しながら説明する。図１において、一般的な試験管ラック１０は、配列された試験管１２を収容した状態で図示されている。各試験管１２は、開口した上部端または口１４を有する。その口１４には、図１に示すような溝１６が内部に付けられていてもよい。
【００１１】
本発明の一実施形態に係る密封マット１８の概略図を図１に示す。密封マット１８は、可撓性キャリアシート２０を含み、該キャリアシート２０は、その底面から突き出て、互いに間隔をあけて配された止め釘２２の配列を有する。止め釘２２は、図示したような四角形の外形を持ち、試験管ラック１０に収容された試験管１２の配列と実質的に一致する配列に構成されてもよい。
【００１２】
キャリアシート２０および止め釘２２は、耐衝撃性が高いか、または中程度のスチレン、ポリカーボネイト、ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体（ＡＢＳ）、ポリエチレンテレフタラートグリコール（ＰＥＴＧ）等、半硬質の適切な材料から一体型に成形されたものでもよい。別の形態として、キャリアシート２０は、保持用止め釘を形成する適切な材料から製造され、その後で適切な程度の半硬質性を提供する材料に積層されてもよい。
【００１３】
外側にフランジを有する栓２４は、キャリアシート２０に対して着脱可能に取り付けられる。栓２４は、堅牢な外周つばまたはフランジ２６と、円筒の側面壁２８と、傾斜頭部３０と、によってその外形が構成される（図３参照）。栓２４は、図１、図５に示すように円筒にくり抜かれており、キャリアシート２０の下面から突き出ている止め釘２２を受け取る形状および寸法に設定された上向きの丸穴３６を提供する。
【００１４】
栓２４が取り付けられた密封マット１８は、図１に示すように、アセンブルユニットとして供給される。単純に、下部の試験管１２の配列と止め釘２２とを位置合わせして、マットを下に押し込むことによって、単純な一度の力の付加で、すべての試験管１２が密封される。その後、キャリアシート２０は、図１Ａに示すように、設置された栓２４から剥がすことができる。
【００１５】
図２から最も良くわかるように、止め釘２２は、間隔をあけて配された接触点３８において内部穴の壁面と相互作用する一方で、前記間隔をあけて配された接触点３８どうしの間に位置する空間４０を備える。
【００１６】
間隔をあけて配された接触点３８における止め釘２２と内部穴の壁面との間の摩擦力による噛み合い、または締め嵌合は、確実でありながらも着脱可能に、キャリアシート２０に栓２４を固定するのに必要とする把持力を十分に生成する。栓２４は試験管１２の開口した口１４に挿入されるため、空間４０が、結果的に栓の壁面に生じる内向きの径方向撓みを吸収し、締め嵌合力の不適切な上昇が回避される。この不適切な上昇は、図１Ａに示されているように、キャリアシート２０が剥がされる時に、固定された栓２４から止め釘２２を引き出すことを妨害する可能性がある。また、各試験管１２の内周と、そこに位置する各栓２４の外周との接触領域は、キャリアシート２０の止め釘２２と、栓２４の穴との接触領域より広い。このため、キャリアシート２０が剥がされる間、栓２４は、堅牢かつ確実に固定されたまま試験管１２内に留まる。
【００１７】
栓２４は、エチレンプロピレン、シリコンゴム、ウレタン等を始めとする適切な熱可塑性エラストマ、または軟質ポリオレフィンから成形してもよい。
【００１８】
図７〜図９に示すように、栓２４には、試験管１２の上部領域にある内部溝１６と協調して働くように設計された１つ以上の外周ビード４２が設けられていてもよい。
【００１９】
キャリアシート２０の下面に位置する止め釘２２の外形は、たとえば、Ｙ字形状（図１２の２２ａ）、三角形形状（図１３の２２ｂ）、十字形状（図１４の２２ｃ）、およびリブ付き円筒形状（図１５の２２ｄ）を始めとする、各種の形状を取ることができる。また、止め釘２２は、円形であってもよく、その場合に、芯抜き穴が円形でなく、たとえば、四角形（図１０の３６ａ）であったり、内側にリブ付けされて（図１１の３６ｂ）いたりしてもよい。
【００２０】
また、図１６に示すように、栓２４には、垂直方向に間隔をあけて配された複数の円周ビード４２を設けて、試験管１２との噛み合い関係を強化してもよい。
【００２１】
外周にある栓２４のフランジ２６は堅牢であり、そのために、試験管１２の上縁より下に栓を押し込もうとする力に対抗する適切な抵抗力を提供する。このことは、栓２４に吸引針が突き刺さっている等の場合に特に有利である。堅牢なフランジ２６は、また、各試験管１２から栓２４を除去している間、栓２４が押し上げられたり、または引き上げられたりする際の歪みに対して耐性を備える。
【００２２】
また別の状態として、図１７に示すように、栓２４に外部フランジ２６が設けられていなくてもよい。この場合、栓２４が試験管１２内に進入する度合いは、キャリアシート２０の下面と試験管の上縁と接触によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】配列された試験管を収容する一般的な試験管ラックを、その上に配置された本発明の一実施形態に係る密封マットと共に、部分的に断面で示す側面図である。
【図１Ａ】栓によって密封された試験管を、引き剥がされつつあるキャリアシートと共に示す図１と同様の図である。
【図２】図１の線２−２に沿って切断された水平方向の断面図である。
【図３】図１、図１Ａ、図２に示されるタイプの一般的な栓の底面斜視図である。
【図４】栓の平面図である。
【図５】図４の線５−５に沿って切断された断面図である。
【図６】栓が取り付けられていないキャリアシートを逆から示す図である。
【図７】本発明の別の実施形態に係る栓を示す平面図である。
【図８】図７の線８−８に沿って切断された断面図である。
【図９】図８の丸で囲まれた部分を示す拡大図である。
【図１０】突出した止め釘の穴についての別の形状を示す図である。
【図１１】突出した止め釘の穴についての別の形状を示す図である。
【図１２】キャリアシート上に突出する止め釘についての別の形状を示す図である。
【図１３】キャリアシート上に突出する止め釘についての別の形状を示す図である。
【図１４】キャリアシート上に突出する止め釘についての別の形状を示す図である。
【図１５】キャリアシート上に突出する止め釘についての別の形状を示す図である。
【図１６】栓および栓と協調的に構成される試験管についての更に別の実施形態を示す図である。
【図１７】別の栓を示す底面斜視図である。

Claims (7)

1. 配列された試験管の開口した口を密封する密封マットは、
   可撓性キャリアシートであって、そこから突き出て、互いに間隔をあけて配された止め釘の配列を備える可撓性キャリアシートと、
   前記試験管配列の開口した口に挿入され、該開口を密封する外形形状および寸法に設定された複数の栓であって、該各栓が、前記止め釘の１つを受け入れ、止め釘との摩擦力による噛み合いに協調的に働く内部形状および寸法に設定された上向きの穴を備えることによって、確実でありながらも着脱可能に、前記栓を前記キャリアシートに固定する複数の栓と、
   を含み、
   前記キャリアシートは、前記穴から前記止め釘を抜く撓曲によって、試験管に挿入された栓から分離できることを特徴とする密封マット。
2. 請求項１に記載の密封マットであって、
   前記止め釘と前記穴が、空間によって分離され、間隔をあけて配される位置において、摩擦力による噛み合いに協調的に働くように構成されることを特徴とする密封マット。
3. 請求項１または２に記載の密封マットであって、
   前記試験管の開口した口を円形の縁が取り囲むと共に、前記栓が、前記縁と接触するように配置された外周つばを備えることによって、前記栓が前記試験管内に挿入される程度が規定されることを特徴とする密封マット。
4. 請求項３に記載の密封マットであって、
   前記穴が、前記つばに囲まれ、かつ、前記つばより内側に、間隔をあけて配されることを特徴とする密封マット。
5. 請求項１に記載の密封マットであって、
   前記栓が、傾斜頭部の端面を持つ円筒形の側面壁を有することを特徴とする密封マット。
6. 請求項６に記載の密封マットであって、
   前記栓が、前記円筒形の側面壁から外に向かって放射状に突き出た外周つばを備えることを特徴とする密封マット。
7. 請求項１に記載の密封マットであって、
   前記栓に対して、前記試験管上部領域内の内部溝と協調的に働くように構成された円形ビードが設けられていることを特徴とする密封マット。

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