JP2004533427A - 高度増殖細胞によって引き起こされる疾病の治療のための物質 - Google Patents

高度増殖細胞によって引き起こされる疾病の治療のための物質 Download PDF

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Abstract

本発明は、腫瘍細胞のような高度増殖細胞、特に、急性白血病に苦しむ子供の芽球(blasts)によって引き起こされる疾病の治療のための薬剤および化合物に関する。本発明は、対応する薬剤および化合物の調製にも関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、高度増殖細胞(highly proliferating cells)によって引き起こされる疾病の治療のための物質および薬剤、ならびに、そのような物質および薬剤の調製のための方法に関する。
【0002】
腫瘍、または他の良性の、過剰増殖性疾患(hyperproliferative diseases)、例えば、乾癬またはケロイド、は、組織再生と組織からの細胞の死の制御とのバランスの乱れに起因し得る。実際に臨床的には、このバランスの乱れを修復し、同時に過剰な腫瘍細胞を殺すために、化学療法、放射線治療、および温熱療法のような、細胞傷害性治療法が使用される。現在実際に臨床的に使用されている化学療法剤の殆どが、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を引き起こすことにより、それらの活性を示すことが一般に認められている(ハナン(Hannun)、1997)。しかし、良性腫瘍に苦しむ患者の一部は、化学療法および放射線治療に対する耐性が早期に発達するか、または、それらは、主に治療に対して無反応である(ヒクマン(Hickman)、1996)。原発腫瘍およびメタスターゼ(metastases)が、細胞傷害性治療に対してきわめて異なる反応をしばしば示すことが、更に知られている。より最近の研究から、耐性の原因は、アポトーシスシグナルカスケードにおける異なる欠陥(defects)にありそうである。
【0003】
特に、幼児期に最も頻発する悪性疾患である、幼児期の急性リンパ母細胞白血病(ALL)の再発の治療は、依然として満足に解決できていない。よって、積極的な治療にもかかわらず、苦しんでいる子供の約70%は、ALLの再発で死亡するであろう。その状況は、甲状腺癌、非常に頻発する乳癌、取り扱うのが困難な髄芽腫、または神経膠腫のような、一部治療するのが困難な他の腫瘍疾患と同様である。そのような治療法によっても治療される良性皮膚病は、乾癬である。それは、2〜4%の人が苦しんでいる、最も頻発する皮膚病の1つである。この疾病の治療法も、大いに改善が必要とされている。
【0004】
よって、それによって上記の疾病に苦しむ患者の治癒の成功および生存可能性の割合が改善される物質および薬剤を開発することの必要性が強く感じられている。特に、腫瘍疾患および白血病のために、異常増殖細胞に対して高度に選択的に作用し、かつ、できるだけ健康な細胞を攻撃しない、新たな薬剤を提供することが重要である。また、既に知られている物質に対して耐性を示す、それら腫瘍に対する治療薬を提供することが、特に重要である。
【0005】
驚くべきことに、この目的は、以下の構造式(1aまたは1b)の薬剤および/またはそれらの塩類によって達成される:
【0006】
【化1】
Figure 2004533427
【0007】
式中、X=O、S、CH2、NR、結合なし、但し、X=Oの場合、式1aの化合物は、式1’aに記載の金属リガンド錯体と結合する;
Y=アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミン、ブロモウラシル、プリン、またはピリミジン、およびそれらの誘導体、核塩基類(nucleobases)、複素環類、アミノアルキル、アミノアリール、または水素結合し得る他の残基;
Z=アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、−(CH2nOR’(但し、R’=H、SiR3、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アシル、および、n=0〜5、好ましくはn=1;
a=結合なし、単結合またはCH2、式1bではCH2CH2でもあり得る;
b=結合なし、単結合またはCH2;aおよびbは、aおよびbを含む部分が1,3−ジエンを含むように選択される;
1=−H、F、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、OR、−CO2R、−SO2OR、−CONR2
2=−H、F、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、OR、−CO2R、−CONR2、−SO2OR、;
R=H、分岐アルキルおよび直鎖アルキル、特に、メチル、エチル、プロピル、テキシル(thexyl)、tert−ブチル。
【0008】
a、bまたはXが、“結合なし(no bond)”を示す場合、これは、構造式において、a、bまたはXと結合する2つの炭素原子がそれぞれ、結合していないことを意味する。しかし、aおよびbを含む部分が、1,3−ジエンを含むと仮定するので、aおよびbの両方が、“結合なし”であることは不可能である。
【0009】
aおよびbを含む部分は、例えば、シクロブタジエン環、シクロペンタジエン環として、または開いた(open)1,3−ブタジエンとして、存在し得る;後者の場合、R1またはR2のいずれかは、末端炭素原子と結合し得る。
【0010】
SiR3基において、Rは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、またはテキシル残基である。
【0011】
【化2】
Figure 2004533427
【0012】
更に好ましいものは、1,3−ジエンが、金属フラグメントMLnと結合している、式1’aおよび1’bの薬剤および/またはそれらの塩類である:式中、
nは、2〜4の整数であり;
M=Mn、Fe、Co、Ru;かつ、
L=CO、CN−R、CN、CR2、COR、Hal、シクロペンタジエニル(Cp)、もしくは置換Cp誘導体、かつ、Rは、構造式1aおよび1bについて記載したように選択される。
同一または異なるLは、1つのMと結合し得る。
金属フラグメントは、好ましくは、Fe(CO)3錯体である。
【0013】
特に好ましいものは、構造式2、3、4a、4bまたは4cを有する薬剤である:
【0014】
【化3】
Figure 2004533427
【0015】
式中、Fe(CO)3ユニットは、η4結合しており;
X=O、CH2、または結合なし;かつ、
Y、Z、R1およびR2は、構造式1aおよび1bの場合と同様に選択される。
【0016】
構造式4aおよび4bは、共鳴式である。4cは、4bから、正規の(formal)環を開環することによって得られ得る。
【0017】
特に適しているものは、構造式5の薬剤である:
【0018】
【化4】
Figure 2004533427
【0019】
式中、X=O、CH2
Y=アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミン、ブロモウラシル、プリン、またはピリミジン、およびそれらの誘導体、核塩基類、複素環類;
1=−H、−CO2R;かつ、
2=H、SiR3、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アシル。
【0020】
本発明は、構造式5の物質、およびそれらの調製のための方法にも関する:
式中、
2=SiR3、X=O;
YおよびR1は、構造式5について記載したように選択され、かつ、Rは、構造式1aおよび1bについて記載したように選択される。但し、これらの化合物およびそれらの調製のための方法は、Yがブロモウラシル、ウラシル、またはメチルウラシルであり、同時に、R2が、テキシル−(CH32Siであるならば、本発明の主題には含まれない。これらの場合、本発明は、対応する薬剤に関する。
【0021】
特に、本発明は、以下の構造式の化合物に関する:
【0022】
【化5】
Figure 2004533427
【0023】
【化6】
Figure 2004533427
【0024】
本発明は、構造式35の化合物にも関する:
【0025】
【化7】
Figure 2004533427
【0026】
本発明は、本発明による化合物のラセミ化合物および鏡像異性体にも関する。
【0027】
本発明によれば、本発明による化合物および構造式1aの化合物
【0028】
【化8】
Figure 2004533427
【0029】
(式中、X=O、S、CH2、NR、または結合なし;かつ、Y、Z、a、b、R1、およびR2は、請求項1と同様に選択される)
は、骨髄もしくは他の造血器の悪性疾患、充実性腫瘍(solid tumors)、上皮性腫瘍(epithelial tumors)、良性もしくは半悪性短期増殖腫瘍(benign or semimalignant fast-proliferating tumors)、または皮膚病、特に、尋常性乾癬(psoriasis vulgaris)、ケロイドおよび基底細胞癌(basaliomas)、リンパ腫、特に、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫(Hodgkin's and non-Hodgkin lymphomas)、炎症、慢性炎症、細菌性疾患、および自己免疫疾患、の治療のための、ならびに、抗バクテリア、抗カビ(antimycotic)、抗原虫(antiprotozoan)、抗プラスモジウム(antiplasmodium)、抗寄生虫(antihelminthic)、または免疫抑制剤治療のための薬剤の調製のために使用される。
【0030】
本発明による薬剤および化合物は、意外にも、病理学的に短期に増殖する組織(pathologically fast proliferating tissues)、特に、骨髄の治療に適しているが、上皮性腫瘍、または、特に脳腫瘍のような充実性腫瘍の治療にも適している。更に、記載した物質は、乾癬またはケロイドのような、皮膚の良性過剰増殖性疾患にも適用が広げられる。本発明の薬剤および物質は、高度増殖細胞の成長の選択的阻害に特に適していることを特徴とする。それにより、それらは、高度増殖細胞のアポトーシスを引き起こし、それによって、それらの破壊が引き起こされ、健康な細胞はごくわずかしか影響を受けない。
【0031】
それら物質は、特に、膜を貫通することができ、それにより、細胞内の活性物質濃度が高くなる。従って、おそらく、それら物質の顕著な(pronounced)親油性により、高い有効性が得られる。それら物質は、シタラビンおよびフルダラビン(fludarabine)−5’ジヒドロゲン−ホスフェートのような、治療のために使用される、既に知られていたヌクレオシドアナログとは基本的に異なる。それらは、細胞成長抑止剤に対する、存在する耐性を破壊することができる。
【0032】
本発明の薬剤および化合物は、腫瘍疾患および白血病の治療に特に適している。それらは、腫瘍細胞(BJAB細胞)から生成される永久細胞系だけでなく、急性リンパ性白血病(ALL)に苦しむ患者の一次細胞においても、アポトーシス細胞死を引き起こす。よって、本発明による物質は、骨髄の腫瘍疾患に対して使用することができるが、上皮性腫瘍、肉腫または皮膚の悪性疾患等のような、異なる器官の腫瘍に対しても使用することができる。特に、それらの親油性により、開発された物質は、血液脳関門を通過することができ、それにより、それらは、髄芽腫または神経膠腫のような、悪性脳腫瘍のためにも使用され得ることが注目され得る。全般的に、本発明による物質は、骨髄もしくは他の造血器の悪性疾患、充実性腫瘍、上皮性腫瘍、良性もしくは半悪性短期増殖性皮膚病、特に、尋常性乾癬、ケロイドおよび基底細胞癌、ならびに、炎症および慢性炎症疾患の治療のために使用され得る。それらは、抗ウイルス、抗バクテリア、抗カビ、抗原虫、抗プラスモジウム、抗寄生虫、または免疫抑制剤治療にも適している。
【0033】
図1Aは、物質N76(R1=CO2Et、R2=テキシルジメチルシリル、X=O、Y=ブロモウラシル、の構造式5の化合物)、およびN69(構造式6の化合物)が、培養培地において、25μmol/lの濃度で、60〜70%のBJAB細胞においてアポトーシスを引き起こすことを示す。アポトーシスの測定は、アポトーシスに典型的であり、かつ、この形態の細胞死をネクローシスと区別する、個々の細胞レベルでのDNAの分断(fragmentation)を検出する方法に基づく。よって、BJAB細胞は、24時間、異なる濃度のN76またはN69によって処理された。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた。処理後、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、ヨウ化プロピジウムによって染色した後に、フローサイトメトリーによって定量することによって、DNAの分断を測定した。それらの値を、全細胞数(total population)±SDに対するアポトーシス細胞の%として示す(n=3)。
【0034】
しかし、それら物質は、永久細胞系におけるだけでなく、ALLに苦しむ子供から直接得られるリンパ母細胞においても、プロアポトーシス活性を示す(図1B)。既に知られており、かつ、非常に広範に使用される化学療法薬剤エピルビシン(epirubicin)(Eと省略する)とは対照的に、物質N76およびN69は、患者の、治療に耐性を示す細胞においても、インビトロでアポトーシスを引き起こす(図1B)。この実験では、急性リンパ性白血病(ALL)に苦しむ子供からのリンパ母細胞を単離し、かつ、細胞培養培地で希釈した後、25μMのN76、25μMのN69、またはポジティブコントロールとして、9μMのエピルビシン(E)で、36時間処理した。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた。処理後、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、ヨウ化プロピジウムによって染色した後に、フローサイトメトリーによって定量し、DNAの分断を測定した。それらの値を、全細胞数±SDに対するアポトーシス細胞の%として示す(n=3)。
【0035】
アポトーシスの間、死のプログラムの間、内部から細胞を溶解するシステインプロテアーゼ、いわゆるカスパーゼの群(コーエン(Cohen)、1997)が、活性化される。本発明による物質の特異性を更に調べるために、カスパーゼ−3の処理および活性化が、ウエスタンブロットにおいて示された(図2)。よって、BJAB細胞を、異なる濃度のN76で24時間処理した。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた(Ke)。処理後、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、ウエスタンブロットにおいて、特異的免疫検出により、プロカスパーゼ−3のプロセシング(processing)を決定した。SDSポリアクリルアミドゲルにおけるプロカスパーゼ−3およびプロセシングされたサブユニットの位置を、図2の左の余白に水平のバーで示す。25μmol/lまたは50μmol/lの物質N76を、BJAB細胞の培地へ添加することにより、これら細胞内でプロカスパーゼ−3のプロセシングが引き起こされる。対応するコントロール細胞とは対照的に、処理された細胞におけるカスパーゼ−3の活性サブユニットの特異的な免疫化学的検出が見られ得る。その結果は、本発明による物質が、アポトーシスカスケードを特異的に引き起こすことを明らかに示す。
【0036】
造血システムの様々な悪性疾患の治療に対する、本発明による物質の有用性を、異なる疾患に苦しむ患者からの細胞において試験した。よって、異なる白血病に苦しむ患者からの細胞を単離し、細胞培養培地によって希釈した後、25μMのN69によって、36時間処理した。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた。処理後、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、ヨウ化プロピジウムによって染色した後、フローサイトメトリーによって定量することにより、DNAの分断を測定した。その結果は、図3において見ることができる。測定された値を、全細胞数に対するアポトーシス細胞の%として示し、2回の(duplicate)実験からの平均値を示す。図3は、急性リンパ性白血病を再発した患者(ALL−Rez)からの細胞、およびこの疾患(ALL)の最初の徴候を示す患者からの細胞、急性骨髄芽球性白血病(AML)に苦しむ患者からの細胞、および慢性骨髄芽球性白血病(CML)に苦しむ患者からの細胞のいずれにおいても、25μmol/lのN69が、アポトーシス細胞死を引き起こすことを示す。
【0037】
よって、N76およびN69とともに、一般構造式2の2つの物質が、ある種の腫瘍細胞、特に、幼児期のALLのもの、に対してだけでなく、他の異なる器官の悪性疾患に対しても有効な薬剤として提供される。要約すれば、図4は、確立された細胞成長抑止剤ドキソルビシン、シタラビン、およびフルダラビン−5’ジヒドロゲンホスフェートと比べて、物質N69が、特に、一次ALL細胞に対してインビトロではるかに良好なプロアポトーシス効果を示すことを示す。これらの実験において、11人のALL患者からの細胞を単離し、細胞培養培地で希釈した後に、25μMのN69、25μMのN76、または相当する量のシタラビン(AraC)、フルダラビン、もしくはドキソルビシンによって、36時間処理した。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた。処理後、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、ヨウ化プロピジウムによって染色した後にフローサイトメトリーによって定量することにより、DNAの分断を測定した。P値を、対応のあるt検定(paired t test)から算出し、比較されるべき個々の対について直接、図4に示す。0.05未満のP値は、統計学的に有意と考えられる。
【0038】
新たに記載された物質の様々な成分の役割を更に特徴付けるために、鉄錯体化(iron-complexed)化合物N69およびFe(CO)3基を切断することによってN69から得られ得る化合物を調製し、組み合わせた増殖および細胞死アッセイにおいて使用した。よって、BJAB細胞を、異なる濃度のN69および鉄錯体を含まない対応する化合物によって、24時間および72時間処理した。コントロールは、相当する量の溶解剤エタノールを含んでいた。
【0039】
処理後、ノイバウエル(Neubauer)計数チャンバーにおいて、細胞数をカウントし、死んだ細胞の数を、ウイダー(Wieder)ら(1995)によって記載されたように、トリパンブルー染色によってカウントした。図5Aは、コントロール培地(白丸)、10μMのN69(黒丸)、または25μMのN69(白三角)とのインキュベーション後、24時間および72時間後の、生存細胞の総数(10-5倍±SD)(n=3)を示す。図5Bは、各濃度において、これらの時間で決定された、死んだ細胞の割合を、%±SD(n=3)で示す。左欄は、脱錯体化(decomplexed)物質による処理後の結果を示し、右欄は、錯体化N69に関する結果を示す。容易にわかるように、錯体化鉄は、物質の細胞死誘発活性において、重要な役割を果たす。錯体化鉄は、N69の細胞死誘発効果の量・効果曲線(dose-effect curve)を、低濃度側へシフトさせる。25μMの鉄を含まない化合物が、72時間後、約20%の細胞においてのみ、細胞死を引き起こすのに対し、処理された細胞の約90%は、25μMの鉄含有N69の存在下で、既に24時間後に死んでいた。対照的に、試験された物質はいずれも、10μMにおいて増殖を顕著に低下させ、25μMで完全に妨害するので、ヌクレオシドフラクションは、いくぶん、N69の抗増殖性の原因となる(responsible)ものである(図5A参照)。そのことは、本明細書が、活性に重要な2つの構造的特徴を有する、新たな種類の物質を記載することを意味する。但し、鉄錯体として適用されない本発明のそれら物質も、高い治療有効性を示すことが、注目され得る。
【0040】
更なる態様において、新たに合成された炭素環式ヌクレオシドアナログJV−206−1(構造式)について、プロアポトーシス活性が示される。図6Aは、JV−206−1とのBJAB細胞の48時間のインキュベーション(35)により、細胞死が引き起こされることを示す。更なる研究により、BJAB細胞は、JV−206−1によって、ミトコンドリアアポトーシスシグナル経路へ送られるという結果が得られた。これは、ウイダー(Wieder)らによって記載されたように、糸粒体特異的染色剤JC−1による細胞の染色によって示される。よって、JV−206−1との細胞のインキュベーションの結果、低い(reduced)ミトコンドリア膜ポテンシャル(ΔΨm)を有する細胞のフラクションが、濃度に依存して増加した。このことは、アポトーシスプロセス中のミトコンドリアの強い活性化を示す(図6B)。また、DNAの分断を、エスマン(Essmann)ら(2000)によって記載されたように、アポトーシスの特異的特徴として測定した。細胞の大部分は、20μMのJV−206−1濃度において、アポトーシスによって死ぬ(図6C)。これらの実験において、アポトーシス細胞の割合は、全細胞数の20%〜48%であり、濃度およびインキュベーション時間に依存していた。
【0041】
本発明による薬剤は、局所または静脈内に適用され得る。静脈内適用では、それら物質は、患者の血液量に基づいて、0.1〜100μg/mlの濃度範囲で投与される。それら物質は、最終調製物に基づいて、0.1〜5重量%の濃度で、冒された皮膚へ擦り込まれる。
【0042】
本発明は、スキーム1〜5に要約される、本発明による化合物の合成方法にも関する。本発明の1つの態様では、その方法は、以下の段階を含む:
段階(a):トリアルキルシリル試薬による反応による、グリコシド(好ましくは、グルコース誘導体)12の、保護された化合物13への転換;
段階(b):ミツノブ(Mitsunobu)条件下(アゾジカルボン酸ジエステル/トリアルキルホスファン)での、13の、1つ以上のタイプ14のエポキシドへの転換;
段階(c):テトラアルキルウレアのようなドナー共溶媒の存在下での、LiBrを含むトルエン中での加熱による、14(混合物としても)の環縮小による、タイプ15のアルデヒドの形成;
段階(d):好ましくは、ウィッティヒ(Wittig)反応による、アルデヒド15のオレフィン化による、タイプ16のジエンの形成;
段階(e):Fe2(CO)9またはFe(CO)3基を与え得る他の試薬を用いる、16の錯体化による、17の形成;
段階(f):ジアステレオ選択性鉄担持求核置換(diastereoselective iron-supported nucleophilic substitution)による、好ましくは、ルイス酸の存在下で、シリル化核塩基を用いる、核塩基またはY基(式5に記載)の導入(ヘスラー(Hessler) 1994)。
【0043】
一般的な合成ルート(スキーム1)が開発され、エリック・ヘスラー(Erik Hessler)の論文(フランクフルト大学、1993年)およびアンドレ・マジャラニの学位論文(フランクフルト大学、1994年)の範囲内で公表された。段階(a)、(b)、および(c)(タイプ15(R3Si=テキシルジメチルシリル)のアルデヒド中間体の調製)は、文献から知られている方法に基づいている(レーンバーグ(Rehnberg)、1990)。ジアステレオマー副産物の分離は、17、18、または19の段階において、クロマトグラフィーおよび/または結晶化によって行われる。
【0044】
【化9】
Figure 2004533427
(スキーム1)
【0045】
タイプ5の化合物の調製において、R2基を変化させるために(スキーム2):
(g)17のシリル基を、フッ化物で切断する;
(h)フリーのOH基を、再度エーテル化またはエステル化する;かつ、
(f)ジアステレオ選択性鉄担持求核置換によって、好ましくは、ルイス酸の存在下で、シリル化核塩基を用いて、Y基を再度導入する。
【0046】
【化10】
Figure 2004533427
(スキーム2)
【0047】
例えば、段階(f)は、以下の反応を含み得る:
【0048】
【化11】
Figure 2004533427
【0049】
本発明は、薬剤として使用される、タイプ44(X=CH2のタイプ2、例えば化合物35)の物質の合成方法(スキーム3)にも関する。それは、以下の段階を含む:
段階(a、b、c):C−シリル化による、プロパギル(propargyl)アルコール36のアセタール37への転換、アルデヒドを形成するためのアルコールの酸化、および、アリルアルコールを用いる、酸性触媒によるアセタール化;
段階(d):ポーソン・カンド(Pauson-Khand)反応またはポーソン・カンド(Pauson-Khand)のような反応による、37の環化;
段階(e):好ましくは、塩化セリウム(III)の存在下での、水素化ホウ素ナトリウムによる、38のジアステレオ選択性還元;
段階(f、g):40を形成するための脱シリル化(desilylation)およびアセチル化;
段階(h):核塩基または他の(求核性)Y基(式5に記載)の、ジアステレオ選択性のPd触媒による導入;
段階(i、j):ヒドロキシアルデヒドの形成のための、酸性触媒によるアセタール加水分解、その後のOF基のシリル化、エーテル化またはエステル化(R2の多様な導入);
段階(k):好ましくは、ウィッティヒ(Wittig)反応による、アルデヒド42のオレフィン化による、タイプ43のジエンの形成(R1の多様な定義);
段階(l):Fe2(CO)9またはFe(CO)3基を与え得る他の試薬を用いる、43のジアステレオ選択性錯体化による、44の形成。
【0050】
タイプ42の中間体までの一般的な合成ルート(スキーム3)は、既に公表されている(J. ベルシキイ(Velcicky)、J. Lex, H.-G. Schmalz, Org. Lett. 2002、4、565−568)。段階(a)〜(d)(ラセミのポーソン・カンド(Pauson-Khand)生成物38の調製)は、文献の方法(N. ジェオン(Jeong)、B.Y. リー(Lee)、S.M. リー(Lee)、Y.K. チュン(Chung), S.-G. リー(Lee)、Tetrahedron Lett. 1993、34、4023)と同様に行った。
【0051】
【化12】
Figure 2004533427
【0052】
ポーソン・カンド(Pauson-Khand)生成物38の完全な配置を確認するために、キロジェニック(chirogenic)段階(d)を、エナンチオ選択的に(キラルなロジウムまたはイリジウム錯体の存在下で)行い得るか、または、生成物を、動的な光学分割(kinetic optical resolution)によって分割し得る(例えば、スキーム4に示されるように、オキサザボロリジンによる触媒作用を受ける(oxazaborolidine-catalyzed)ボラン還元による)。
【0053】
【化13】
Figure 2004533427
(スキーム4)
【0054】
本発明は、薬剤として使用される、タイプ52の物質(X=O、Z=CH2OR2のタイプ3、例えば化合物53)の合成方法にも関する(スキーム5)。それは、以下の段階を含む:
段階(a、b):第一OH基のトリチル化、および、ピリジン中でのトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応による、リボノラクトン(ribonolactone)45のトリチル保護(trityl-protected)エノールトリフラート46への転換;
段階(c):ビニルスタナンまたはビニルボランとのPd触媒によるカップリングによる、47の形成;
段階(d):Fe2(CO)9またはFe(CO)3を与え得る他の試薬を用いる、47のジアステレオ選択性錯体化による、48の形成;
段階(e):ジイソブチルアルミニウムハイドライドを用いる、ラクトンの還元による、ラクトール49の形成;
段階(f):酸性触媒によるトリチル切断およびOMe基によるOH基の並行する置換(溶媒としてメタノール);
段階(g):塩基性条件下でのOH基のシリル化、エーテル化、またはエステル化(R2の多様な導入);
段階(h):好ましくは、ルイス酸の存在下で、シリル化核塩基を用いる、ジアステレオ選択性鉄担持求核置換による、核塩基またはY基(式5に記載)の導入。
【0055】
【化14】
Figure 2004533427
(スキーム5)
【0056】
合成プロトコル:
1.(+)−メチル−6−O−(ジメチルテキシルシリル)−α−D−グルコピラノシド(21)
【0057】
【化15】
Figure 2004533427
【0058】
100mlシュレンク(Schlenk)フラスコにおいて、アルゴン雰囲気中で、4.70g(24.20mmol)の(+)−メチル−α−D−グルコピラノシドを、無水(abs.)ピリジン30mlに溶解し、次いで、氷浴において0℃に冷却した。マグネチックスターラーおよびアルゴン向流(countercurrent)を用いて、5.0ml(24.60mmol)のテキシルジメチルシリルクロライドを、シリンジで注入し、0℃で1時間、撹拌を続け、次いで、冷却槽を取り除いた。室温で更に22.5時間後、それぞれ50mlのMeOHを2回添加した後、ロータリーエバポレーターにおいて、真空下で濃縮した。次いで、反応混合物を、200mlの酢酸エチルによって分離漏斗へ移し、190mlのH2O、20mlの濃塩酸、および15gのNH4Clの溶液それぞれ100ml、ならびに、それぞれ100mlの飽和NaHCO3水溶液および飽和NaCl水溶液によって、有機相を2回洗浄した。2×100mlの酢酸エチルで、水相を抽出し、合わせた有機相を、Na2SO4によって乾燥させた。濾過後、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で溶液を濃縮し、残渣を、190gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製した。オイルポンプバキュームにおいて完全に乾燥した後、6.27g(77%)の分析的に純粋なシリルエーテル21を、無色の固体として得た。融点:88−89℃(酢酸エチル)、無色固体−TLC: 酢酸エチル、Rf = 0.34
- FT-IR (KBr): 3375 (s および br., O-H), 2958, 2902, 2876 (s,s,s, sat. C-H), 1466, 1379, 1251, 1152, 1118, 1081 (m,m,m,s,s,s), 1052 (s, C-O), 831, 778 (s,m)
- 1H NMR: (400 MHz, CD3OD): δ= 0.12 (Ψs, 6H, (CH3)2Si), 0.87 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.91 (d, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.65 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 3.28 (Ψt, J = 8.9 Hz, 1H, 4-H), 3.35 (dd, 3J2,1 = 3.7 Hz, 3J2,3 = 9.7 Hz, 1H, 2-H), 3.39 (s, 3H, OMe), 3.51 (ddd, 3J5,6b = 2.1 Hz, 3J5,6a = 5.5 Hz, 3J5,4 = 9.9 Hz, 1H, 5-H), 3.60 (Ψt, J = 9.5 Hz, 1H, 3-H),3.75 (dd, 3J6a,5 = 5.5 Hz, 2J6a,6b = 11.2 Hz, 1H, 6-Ha), 3.89 (dd, 3J6b,5 = 2.1Hz, 2J6b,6a = 11.2 Hz, 1H, 6-Hb), 4.63 (d, J = 3.7 Hz, 1H, 1-H)
−分析: C15H32O6Si (336.50) 計算(calc.): C:53.54 %, H: 9.58 %; 測定(found): C: 53.28 %, H: 9.88 %
【0059】
2.混合物としてのタイプ22および23のエポキシドの調製
【0060】
【化16】
Figure 2004533427
【0061】
還流冷却器およびHgバブラーヘッドピース(bubbler headpiece)を備えた500mlの三口フラスコにおいて、10.35g(30.76mmol)のシリルエーテル21および9.70g(36.98mmol)のトリフェニルホスファンを、保護ガス下で、250mlの無水ベンゼン中に添加し、強力なマグネチックスターラーによって、十分に溶解した。この溶液に、シリンジによって、5.3ml(33.66mmol)のDEADを、(アルゴン向流下で)添加し、4時間加熱して沸騰させる前、室温で反応を1時間続けた(30分後、溶液は濁った)。室温に冷却した後、反応溶液を、分離漏斗へ移し、それぞれ250mlの1N HCl溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄した。2×300mlおよび1×150mlのエーテルで、水相を抽出し、合わせた有機相を、Na2SO4によって乾燥させた。濾過後、ロータリーエバポレーターにおいて、溶液を真空下で濃縮し、残渣を、CH2Cl2によってシリカゲルへ載せ、次いで、190gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(n−ヘキサン/酢酸エチル=2+1、次いで5+3)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、8.71g(89%)の無色の固体が得られた。それは、1H NMRからわかるように、(おそらく)4つの異性体エポキシドの混合物であった。主生成物は、分離用(preparative)HPLC(条件は下記参照)によって、分析的に純粋な状態の無色の固体として単離され得た。
【0062】
未精製(raw)混合物:−TLC: n−ヘキサン/酢酸エチル=1+1, Rf = 0.34 および 0.41。−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6.67; MN ヌクレオシル(Nucleosil) 50−10; 2ml/分; 屈折計法; 保持時間: 3.21分, 3.43分, 4.20分, 5.13分
−分離用HPLC: n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6.67; 0.1 L/分; RI 20.
−分析: C15H30O5Si (318.48); 計算: C:56.57%, H: 9.49%; 測定: C: 56.80%, H: 9.39%
【0063】
主生成物:- TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 1+1, Rf = 0.34.
−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6.67; MNヌクレオシル50-10; 2ml/分; 屈折計法; 保持時間: 4.20 分
−分離用HPLC: n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6.67; 0.1 l/分; RI 20. - FT-IR (KBr):
【数1】
Figure 2004533427
2959, 2878 (s,m, sat. C-H), 1463, 1408 (m,m), 1257, 1149, 1130, 1105 (それぞれ s), 1059 (s, C−O), 1001, 983, 906, 822, 780, 763 (それぞれ s). −1H NMR: (250 MHz, CDCl3): δ = 0.13 (Ψs, 6H, (CH3)2Si), 0.85 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.88 (d, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.62 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 2.52 (ブロードなs, 1H, D2O 交換可能, 4-OH), 3.45 (s, 3H, OMe), 3.46 (dd, 3J3,4 = 1.8 Hz, 3J3,2 = 4.2 Hz, 1H, 3-H), 3.54 (dd, 3J2,1 = 3.1 Hz, 3J3,2 = 4.2 Hz, 1H, 2-H), 3.67 (Ψdt, 3J5,6 = 4.9Hz, 3J = 9.0 Hz, 1H, 5-H), 3.74-3.85 (m, 特にJ = 5.3 Hz, J = 10.5Hz, 2H, 6-H), 3.93 (ブロードなd, J = 8.7 Hz, 1H, 4-H), 4.88 (dd, 4J1,5 = 0.5 Hz, 3J1,2 = 3.1 Hz, 1H, 1-H)
−分析: C15H30O5Si (318.48); 計算: C:56.57%, H: 9.49%; 測定: C: 56.03%, H: 9.30%
【0064】
3.(−)−(2S,5S)−((ジメチルテキシルシリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−2,5−ジヒドロフラン−4−カルバルデヒド(carbaldehyde)(24)の調製
【0065】
【化17】
Figure 2004533427
【0066】
滴下漏斗、水分離器、および還流冷却器(Hgバブラーヘッドピース付き)を備えた500mlの三口フラスコにおいて、3.66g(42.15mmol)のLiBr、および、バルブ管(40−60℃、約(ca.)2mbar)において新たに蒸留した5.10ml(42.46mmol)のテトラメチルウレアを、アルゴン雰囲気中でトルエンに加え、マグネチックスターラーを用いて、油浴中で加熱して還流させた。次いで、150mlのトルエンに溶解した上記のエポキシド(22、23)の混合物3.14g(9.86mmol)を、2.5時間以内に沸騰している反応溶液へ滴下して加えた。反応を、更に30分間続け、室温に冷却し、次いで、170mlのエーテルを加えた。茶色の重合生成物を分離するために、50gのシリカゲルによって混合物を濾過し、150mlのトルエン/エーテル=2+1で残渣を洗浄し、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で溶媒を除去した。茶色の油性の残渣を、220gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=6+1)によって精製した。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、2.23g(75%)のアルデヒド24を、分析的に純粋な赤茶色の油として得た。−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 4+1, Rf = 0.37
−旋光度:
【数2】
Figure 2004533427
- CD: Θ(λ) = - 19352 (233.0 nm), - 2429 (335.0 nm), - 2052 (341.0 nm), - 2832 (348.0 nm), - 1701 (357.0 nm), - 2321 (365.0 nm), - 679 (378.0 nm), - 947 (384.0 nm), (n−ヘキサン中c = 0.007). - UV (MeOH): λmax(ε) = 214.0 nm (8935)
- FT-IR (フィルム):
【数3】
Figure 2004533427
2830, 2717 (m,w, C-H-アルデヒド), 1692 (s, C=O), 1465, 1354, 1252, 1190, 1136 (それぞれm), 1042 (s, C-O), 969, 903, 833, 778 (それぞれm). −1H NMR: (270 MHz, CDCl3): δ = 0.02+0.06 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.78 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.82 (Ψd, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.55 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 3.43 (s, 3H, OMe), 3.90 (Ψd, J = 2.5 Hz, 2H, CH2O), 5.12-5.16 (m, 1H, 5-H), 5.91(Ψd, J = 4.3 Hz, 1H, 2-H), 6.68 (Ψs, 1H, 3-H), 9.88 (s, 1H, CHO)
−分析: C15H28O4Si (300.47); 計算: C: 59.96%, H: 9.39%; 測定: C: 59.99%, H: 9.34%
【0067】
4.(−)−(2S,5S)−5−((ジメチルテキシルシリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−4−ビニル−2,5−ジヒドロフラン(25)の調製
【0068】
【化18】
Figure 2004533427
【0069】
250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ中で、1.85g(5.18mmol)のメチルトリフェニルホスホニウムブロマイドを、アルゴン雰囲気中で50mlの無水THFへ添加し、−40℃に冷却した。マグネチックスターラーおよびアルゴン向流を用いて、3.0ml(4.80mmol)のn−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中で1.6M)を、シリンジで注入し、30分間反応を続け(黄色に変色)、−78℃に冷却し、次いで、20mlの無水THFに溶解した1.01g(3.36mmol)のアルデヒド24を、反応溶液へ添加した。溶液を、ゆっくり室温にすると(約4.5時間)、オレンジ色に変色し、それを、200mlのエーテルを用いて分離漏斗に移した。200mlの氷水を添加した後、相を分離し、有機相を、200mlの飽和NaCl水溶液で洗浄した。水相を、1×200mlおよび2×100mlのエーテルで抽出し、合わせた有機相を、Na2SO4によって乾燥させた。濾過後、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で溶液を濃縮し、残渣を、60gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(n−ヘキサン/酢酸エチル=10+1)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.9741g(97%)の分析的に純粋な25が、無色の油として得られた。−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル=10+1, Rf = 0.32
−旋光度:
【数4】
Figure 2004533427
(n−ヘキサン中c = 1.1).−CD: Θ(λ) = - 35370 (227.5nm), (n−ヘキサン中c =0.002). −UV (n-ヘキサン): λmax(ε) = 226.0 nm (15664)
- FT-IR (フィルム):
【数5】
Figure 2004533427
2946, 2866 (s,s, sat. C-H), 1597 (m, C=C), 1465, 1367, 1251, 1194, 1140 (m,m,s,m,s), 1066 (s, C-O), 960, 914, 832, 778 (m,m,s,m)
1H NMR: (270 MHz, C6D6):δ= 0.09 + 0.11 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.89 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.94 (d, J = 6.8 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.63 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 3.29 (s, 3H, OMe), 3.58 (dd, 3J = 3.7 Hz, 2J =11.1 Hz, 1H, CH2O), 3.79 (Ψdd, 3J= 2.7 Hz, 2J = 10.9 Hz, 1H, CH2O), 4.93 (d, J = 11.2 Hz, 1H, 2'-H(E)), 4.97 - 5.02 (m, 1H, 5-H), 5.02 (d, J = 17.7 Hz, 1H, 2'-H(Z)), 5.57 (Ψs, 1H, 3-H), 5.87 (Ψd, J = 4.0 Hz, 1H, 2-H), 6.20 (dd, 3J = 10.9 Hz, 3J1',2'(Z) = 18.1 Hz, 1H, 1'-H)
13C NMR: (62.90 MHz, C6D6): δ = - 3.4, - 3.3 (それぞれq, (CH3)2Si), 18.7, 18.8 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.5, 20.6 (それぞれq, (CH3)2C), 25.4 (s, Si-C), 34.6 (d, (CH3)2 CH), 53.3 (q, OCH3), 64.8 (t, CH2O), 85.6 (d, C-5), 108.6 (d, C-2), 117.6 (t, C-2'), 126.2 (d, C-3), 129.5 (d, C-1'), 143.5 (s, C-4)
−分析: C16H30O3Si (298.50); 計算: C: 64.38%, H:10.13%; 測定: C: 64.35%, H: 10.13%
【0070】
5.(−)−(2’S,5’S)−3−E−(5’−((ジメチルテキシルシリルオキシ)メチル)−2’−メトキシ−2’,5’−ジヒドロフラン−4−イル)アクリル酸エチルエステル(26)の調製
【0071】
【化19】
Figure 2004533427
【0072】
還流冷却器およびHgバブラーヘッドピースを備えた250mlの二口フラスコ中で、1.64g(5.46mmol)のアルデヒド24および2.85g(8.18mmol)のエトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホラミン(ethoxycarbonylmethylenetriphenylphosphoranine)を、100mlの無水THF中に溶解し、マグネチックスターラーを用いて水浴中で加熱して沸騰させた。TLC反応モニタリングにより、1時間後に、完全に転換したことが示されたので(条件は下記参照)、溶液を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で濃縮し、すぐにオイルポンプバキュームにおいて乾燥させた。残りの残渣を、CH2Cl2を用いてシリカゲル上に載せ、80gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(n−ヘキサン/酢酸エチル=6+1)、分析的に純粋な状態の黄色の油として、1.92g(95%)のエステル26を得た。−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 4+1, Rf = 0.39
−旋光度:
【数6】
Figure 2004533427
(n−ヘキサン中でc = 1.2)
−CD:Θ(λ) = +1631 (224.0 nm), - 16944 (253.5 nm), (n−ヘキサン中でc = 0.002)
−UV (n−ヘキサン): λmax(ε) = 253.5 nm (19913)
−FT-IR (フィルム):
【数7】
Figure 2004533427
2957, 2868 (m,m, sat. C-H), 1720 (s, C=O), 1648, 1609 (m,m, C=C), 1465, 1366, 1307, 1254, 1177 (m,m,m,m,s), 1041 (s, C-O), 833, 778 (s,m)
1H NMR: (270 MHz, C6D6): δ = 0.04+0.06 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.85 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.90 (d, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 0.98 (t, J =7.1 Hz, 3H, OCH2CH 3), 1.59 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 3.22 (s, 3H, OMe), 3.53 (dd, 3J = 3.2 Hz, 2J = 11.1 Hz,1H, CH2O), 3.65 (dd, 3J = 3.5 Hz, 2J = 11.1 Hz, 1H, CH2O), 4.02 (q, J = 7.1 Hz, 2H, OCH 2CH3), 4.85-4.89 (m, 1H, 5'-H), 5.67 (Ψs, 1H, 3'-H), 5.75 (Ψd, J = 4.1 Hz, 1H, 2'-H),5.99 (d, J = 16.2 Hz, 1H, 2-H), 7.46 (d, J = 16.2 Hz, 1H, 3-H)
13C NMR: (62.90 MHz, C6D6): δ= 3.5, - 3.4 (それぞれq, (CH3)2Si), 14.2 (q, CH3CH2O), 18.7 (q, (CH3)2CH), 20.5 (q, (CH3)2C), 25.4 (s, Si-C), 34.5 (d, (CH3)2 CH), 53.5 (q, OCH3), 60.4 (t, CH3 CH2O), 64.5 (t, CH2O), 85.4 (d, C-5'), 108.3 (d, C-2'), 122.5 (d, C-3'), 132.4 (d, C-3), 135.8 (d, C-2), 142.0 (s, C-4'), 165.9 (s, C-1)
−分析: C19H34O5Si (370.56); 計算: C: 61.58%, H: 9.25%; 測定: C: 61.77%, H: 9.27%
【0073】
6.(−)−エンド−[1’,2’,3,4−η−((2S,5S)−5−(ジメチルテキシルシリルオキシ)メチル)−2−メトキシ−4−(s−シス−ビニル)−2,5−ジヒドロフラン]トリカルボニルアイロン(tricarbonyliron)(27)の調製
【0074】
【化20】
Figure 2004533427
【0075】
還流冷却器およびHgバブラーヘッドピースを備えた100mlの二口フラスコ中で、0.2425g(0.81mmol)のビニルジヒドロフラン25および0.44g(1.21mmol)のFe2(CO)9を、アルゴン雰囲気中で、400mlの脱気したエーテル(塩基性Al23によって新たに濾過した)中に添加し、光を実質的に遮断して、加熱して沸騰させた(Fe3(CO)12の形成により、緑色に変色)。2時間後、アルゴン向流下で、0.15g(0.41mmol)のFe2(CO)9を更に添加し、少量のエーテルですすぎ洗いして、TLC(条件は下記参照)が、すべての鉄含有副産物(おそらく、η2−Fe(CO)4錯体)が消えたことを示すまで、還流下で溶液を加熱した(合計6.5時間後)。処理のために、ロータリーエバポレーターにおいて、反応溶液を、真空下で濃縮し、すぐにオイルポンプバキュームにおいて乾燥させ、次いで、酸素を厳しく排除して、少量のn−ヘキサンを用いてフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下で、クロマトグラフィーに付した(90gの脱気シリカゲル、Fe(CO)5およびFe3(CO)12を除去するために最初にn−ヘキサン、次いで、n−ヘキサン/酢酸エチル=10+1)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.3091g(87%)の未精製生成物が、赤茶色の油の状態で得られた。それは、1H NMRからわかるように、エンド(endo-)錯体27およびそのエキソ(exo-)ジアステレオマーの77:23の割合の混合物であった。ジアステレオマー副産物を分離用HPLCで分離して、0.1316g(37%)の錯体27を、分析的に純粋な状態の赤茶色の油として単離することができた。
【0076】
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+1, Rf = 0.39
−分析HPLC:n−ヘキサン/エーテル= 10+0.25; MNヌクレオシル50-10; 2ml/分; 屈折計法; 保持時間: 5.64分
−半分離(semiprep.)HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+0.3 ;10ml/分; RI 検出- 旋光度:
【数8】
Figure 2004533427
436および365 nmにおいて光透過なし、 (CHCl3中でc = 1.3)
−CD: Θ(λ) = 9215 (258.5 nm), + 1920(284.0 nm), - 7087 (320.0 nm), (CHCl3中でc = 0.010)
−UV (CHCl3): λmax(ε) = 289.0 nm (2554)
− FT-IR (フィルム):
【数9】
Figure 2004533427
2958, 2866 (m,m, sat. C-H), 2054, 1979 (s, s および br.,
【数10】
Figure 2004533427
), 1465, 1365, 1253, 1121 (それぞれm), 1054 (m, C-O), 831, 778 (m,m)
1H NMR: (270 MHz, CDCl3): δ= - 0.15 (dd, 2J2'anti,2'syn = 2.3 Hz, 3J2'anti,1' = 8.6 Hz,1H, 2'-Hanti), 0.12+0.13 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.86 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.88 (d, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.55 - 1.71 (m, 特に3J2'syn,1' = 6.5 Hz, 2H, 2'-Hsyn, (CH3)2CH), 1.77 (Ψd, J = 3.0 Hz, 1H, 3-H), 3.42 (s, 3H, OMe), 3.73 (dd, 3J = 5.9Hz, 2J = 10.3 Hz, 1H, CH2O), 3.86 (dd, 3J = 3.6 Hz, 2J = 10.3 Hz, 1H, CH2O), 4.81 (Ψt, J = 4.8 Hz, 1H, 5-H), 5.40-5.41(m, 1H, 2-H), 5.44 (Ψt, J = 8.1 Hz, 1H, 1'-H)
13C NMR: (100.61 MHz, CDCl3): δ= - 3.5, - 3.4 (それぞれq, (CH3)2Si), 18.6 (q, (CH3)2CH), 20.1, 20.3 (それぞれq, (CH3)2C), 25.2 (s, Si-C), 34.1 (d, (CH3)2 CH), 36.3 (t, C-2'), 56.1 (q, OCH3), 62.5 (d, C-3), 66.4 (t, CH2O), 74.4 (d, C-1'), 82.5 (d, C-5), 107.9 (d, C-2), 111.5 (s, C-4), 210.2 (br., Fe(CO)3)
−分析: C19H30FeO6Si (438.38); 計算: C: 52.06% H: 6.90%; 測定: C: 52.04%, H: 6.76%
【0077】
7.(−)−エンド−[2,3,3’,4’−η−2’S,5’S)−3−E−(5’−((ジメチルテキシルシリルオキシ)メチル)−2’−メトキシー2’,5’−ジヒドロフラン−4−イル)アクリル酸エチルエステル]トリカルボニルアイロン(tricarbonyliron)(28)の調製
【0078】
【化21】
Figure 2004533427
【0079】
還流冷却器およびHgバブラーヘッドピースを備えた100mlの二口フラスコ中で、アルゴン雰囲気において、0.2467g(0.67mmol)のエステル26および0.36g(0.99mmol)のFe2(CO)9を、50mlの脱気したエーテル(塩基性Al23によって新たに濾過した)に加え、光を実質的に遮断して、加熱して沸騰させた(Fe3(CO)12の形成により、緑色に変色)。2時間後、アルゴン向流下で、0.16g(0.44mmol)のFe2(CO)9を更に加え、少量のエーテルですすぎ洗いし、そして、TLC(条件は下記参照)によって、すべての鉄含有副産物が消えたことが示されるまで、溶液を、還流下で加熱した(合計28時間後)。不溶性Fex(CO)y錯体を分離するために、保護ガス下で、30gのシリカゲルによって反応溶液を濾過し、n−ヘキサン/酢酸エチル=1+1によって、残渣を洗浄し、ロータリーエバポレーターにおいて、真空下で溶媒を除去した。次いで、酸素を厳しく排除して、黒っぽい油性の残渣を、少量のn−ヘキサンを用いてフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(ヘキサン/酢酸エチル=8+1)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.3115g(92%)の未精製生成物が、赤茶色の油の状態で得られた。それは、1H NMRからわかるように、28とそのエキソジアステレオマーとの79:21の割合の混合物であった。ジアステレオマー副産物の分離を、半分離(semipreparative)HPLC(条件は下記参照)によって行い、0.1938g(57%)のエンド錯体28を、分析的に純粋な状態の赤茶色の油として得た。
【0080】
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+1, Rf = 0.29
−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+0.5; MNヌクレオシル50-10; 2ml/分; 屈折計法;保持時間: 4.56分
−半分離HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+0.5; 10ml/分; RI検出-旋光度:
【数11】
Figure 2004533427
436および365 nmにおいて光透過なし、(CHCl3中でc = 1.2)
−CD:Θ(λ) =約- 25985 (256.0 nm),+ 11968 (314.5 nm), - 10338 (350.0 nm), + 1566 (402.5 nm), (CHCl3中でc= 0.011)
−UV (CHCl3):λmax(ε) = 301.0 nm (2883)
−FT-IR (フィルム): 3070 (w, unsat. C-H), 2959, 2867 (m,m, sat. C-H), 2063, 1986 (s, s および br.,
【数12】
Figure 2004533427
), 1709 (m, C=O), 1466, 1368, 1253, 1194, 1125, 1052, 833 (それぞれm)
1H NMR: (270 MHz, CDCl3): δ= 0.11+0.12 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.59 (d, J = 7.5Hz, 1H, 2-H), 0.84 (Ψs, 6H, (CH3)2C), 0.87 (d, J = 6.9 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 3H, OCH2CH 3), 1.62 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 2.03 - 2.04 (m, 1H, 3'-H), 3.42 (s, 3H, OMe), 3.78 (dd, 3J = 5.2 Hz, 2J = 10.5 Hz, 1H, CH2O), 3.88 (dd, 3J = 3.3 Hz, 2J = 10.5 Hz,1H, CH2O), 4.02 - 4.23 (m, 特に、J = 7.2Hz, 2H, OCH 2CH3), 4.79 - 4.82 (m, 1H, 5'-H), 5.44 - 5.45 (m, 1H, 2'-H), 5.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H, 3-H)
13C NMR: (100.61 MHz, CDCl3): δ= - 3.5 (q, (CH3)2Si), 14.2 (q, CH3CH2O), 18.5, 18.6 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.2, 20.3 (それぞれq, (CH3)2C), 25.2 (s, Si-C), 34.1 (d, (CH3)2 CH), 43.4 (d, C-2), 56.2 (q, OCH3), 60.5 (t, CH3 CH2O), 63.1 (d, C-3'), 66.2 (t, CH2O), 75.4 (d, C-3), 82.6 (d, C-5'), 107.7 (d, C-2'), 110.1 (s, C-4'), 172.4 (s, C-1), 212 (br., Fe(CO)3)
−分析: C22H34FeO8Si (510.44); 計算: C: 51.77%, H: 6.71%; 測定: C: 51.97%, H: 6.57%
【0081】
8.エキソ−[1",2",2',3'-η-(2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-5'-O-(ジメチルテキシルシリル)-3'-s-シス-ビニル-β-D-ウリジン]トリカルボニルアイロン](29)の調製
【0082】
【化22】
Figure 2004533427
【0083】
還流冷却器およびHgバブラーヘッドピースを備えた100mlのベークアウト(baked-out)三口フラスコ中で、0.3260g(0.74mmol)の錯体27および100mlのCH2Cl2(塩基性Al23によって新たに濾過して脱気した)を、酸素および湿気を厳しく排除して、0.5715g(2.23mmol)の2,4−ビス(トリメチルシロキシ)ピリミジンへ添加し、マグネチックスターラーを用いて、加熱して沸騰させた。この溶液へ、1.75ml(1.75mmol)のSnCl4溶液(ヘプタン中1M)を、定量ポンプによって2時間以内に添加し、TLC反応モニタリング(条件は下記参照)により、完全に転換したことが示された後、室温に冷却した。処理のために、20mlのCH2Cl2によって、溶液を分離漏斗へ移し、それぞれ100mlの飽和NaHCO3水溶液および飽和NaCl水溶液によって、直ちに洗浄した。2×50mlのCH2Cl2によって、水相を抽出し、合わせた有機相を、Na2S04によって乾燥させた。起こり得る酸化による脱錯体化を回避するために、わずかなオイルポンプバキュームを簡単に適用することにより、溶液を直ちに脱気し、次いで、アルゴンにより真空を解除した。濾過後、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で濃縮し、オイルポンプバキュームにおいてすぐに乾燥させた。次いで、酸素を厳しく排除して、黄色の油性残渣をフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(90gの脱気したシリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=3+2)。高真空中で乾燥した後、0.3617g(94%)の未精製生成物が、黄色の泡状で得られた。それは、1H NMRからわかるように、錯体29とそのジアステレオマーとの84:16の割合の混合物であった。
【0084】
ジアステレオマー副産物の分離を、半分離HPLC(条件は下記参照)によって行い、0.2588g(67%)の錯体29および0.0451を、分析的に純粋な状態の黄色の凍った泡として得た。
【0085】
−融点: 76 - 78°C (CH2Cl2), 黄色の固形状の泡
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 1+1, Rf = 0.40
−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+4.33; MN ヌクレオシル50-10; 2ml/min; 屈折計法; 保持時間: 4.65 分
−半分離HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+5; 10ml/分; RI検出−旋光度:
【数13】
Figure 2004533427
436および365 nmでは光透過なし、(MeOH中でc = 0.9)
−CD:Θ(λ) = - 1079 (271.5nm), - 21924 (306.0 nm), (MeOH 中でc = 0.006)
−UV (MeOH): λmax(ε) = 260.0 nm (14251)
−FT-IR (KBr):
【数14】
Figure 2004533427
3061 (w, unsat. C-H), 2959, 2867 (m,w, sat. C-H), 2057, 1987 (s, s および br.,
【数15】
Figure 2004533427
), 1686 (s および br., C=O), 1464, 1255, 1123, 832 (それぞれm)
1H NMR: (270 MHz, CDCl3): δ = - 0.03 (dd, 2J2''anti,2''syn = 2.4 Hz, 3J2''anti,1'' = 8.6 Hz, 1H, 2''-Hanti), 0.15+0.18 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.86-0.88 (m, 12H, (CH3)2C, (CH 3)2CH), 1.63 (sept, J = 7.0 Hz, 1H, (CH3)2CH), 1.79 - 1.82 (m, 2H, 2'-H, 2''-Hsyn), 3.94 - 4.05 (m, 2H, 5'-H), 4.99 (Ψt, J = 3.8 Hz, 1H, 4'-H), 5.59 (Ψt, J = 7.8 Hz, 1H, 1''-H), 5.67 (dd, J =2.2 Hz, 3J5,6 = 8.2 Hz, 1H, 5-H), 6.15 (s, 1H, 1'-H), 7.85 (d, J =8.2 Hz, 1H, 6-H), 8.28 (ブロードなs, 1H, D2O 交換可能, N-H)
13C NMR: (62.90 MHz, CDCl3): δ = - 3.4, - 3.3 (それぞれq, (CH3)2Si), 18.5, 18.6 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.2, 20.3 (それぞれq, (CH3)2C), 25.5 (s, Si-C), 34.0 (d, (CH3)2 CH), 37.6 (t, C-2''), 58.2 (d, C-2'), 66.3 (t, C-5'), 75.6 (d, C-1''), 85.0 (d, C-4'), 90.4 (d, C-1'), 101.9 (d, C-5), 109.7 (s, C-3'), 140.3 (d, C-6), 150.2 (s, C-4), 163.0 (s, C-2), 209.3 (br., Fe(CO)3)
−MS: (MAT 8222, EI, 70 eV): m/z (%) = 518 (2) [M+], 490 (1) [M+- CO], 434 (40) [M+- 3xCO],349 (48) [M+- 3xCO, - テキシル]
−分析: C22H30FeN2O7Si (518.42); 計算: C: 50.97%, H: 5.83%, N: 5.40%; 測定: C: 50.95%, H: 5.67%, N: 5.66%.
【0086】
9.エキソ−[1",2",2',3'-η-(2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-5'-O-(ジメチルテキシルシリル)-3'-s-シス-ビニル-β-D-チミジン]トリカルボニルアイロン(30)の調製
【0087】
【化23】
Figure 2004533427
【0088】
Hgバブラーを備えたベークアウト二口フラスコ中で、0.1019g(0.23mmol)の錯体28および50mlのCH2Cl2(塩基性Al23によって新たに濾過して脱気した)を、酸素および湿気を厳しく排除して、0.1842g(0.68mmol)の5−メチル−2,4−ビス(トリメチルシロキシ)ピリミジンへ添加し、マグネチックスターラーを用いて、氷浴中で0℃に冷却した。定量ポンプによって、この溶液へ、0.70ml(0.70mmol)のSnCl4溶液(ヘプタン中で1M)を、1.5時間以内に添加し、TLC(条件は下記参照)によって、転換をモニターし、次いで、フラスコの中身を、強く撹拌した飽和NaHCO3水溶液100mlへ、移送(transferring)シリンジによって移した。次いで、20mlのCH2Cl2によって、溶液を分離漏斗へ移し、100mlの飽和NaCl水溶液によって、素早く洗浄した。残りの処理は、7.8.3.1段落に記載のものと同様に行った。乾燥剤からの濾過およびロータリーエバポレーターにおける真空下での溶媒の除去の後、酸素を厳しく排除して、残渣をフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(80gの脱気したシリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=3+2)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.1237g(100%)の未精製生成物が、黄色の泡の状態で得られた。それは、1H NMRからわかるように、錯体30とそのジアステレオマーとの59:41の割合の混合物であった。ジアステレオマー副産物の分離を、半分離HPLC(条件は下記参照)によって行い、0.0619g(50%)の錯体30を、分析的に純粋な状態の黄色の凍った泡として得た。
【0089】
錯体E14:-融点: 74-77°C (subl., CH2Cl2), 黄色の固形状の泡
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 1+1, Rf = 0.48
−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+4.33; MNヌクレオシル50-10; 2ml/分;屈折計法;保持時間: 2.85分
−半分離HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+5; 10ml/分; RI検出-旋光度:
【数16】
Figure 2004533427
365 nmにおいて光透過なし(MeOH中でc = 0.9)
−CD:Θ(λ) =約- 9964 (241.5 nm), -12588 (257.0 nm), - 8268 (278.0nm), - 22366 (305.0 nm), (MeOH 中でc = 0.005)
−UV (MeOH):λmax(ε) = 266.0 nm (13387)
−FT-IR (KBr):
【数17】
Figure 2004533427
3059 (w, unsat. C-H), 2959, 2867 (m,w, sat. C-H), 2057, 1987 (s, sおよびbr.,
【数18】
Figure 2004533427
), 1691 (sおよびbr., C=O), 1466, 1255, 1118, 832 (それぞれm)
1H NMR: (250 MHz, CDCl3): δ= 0.00 (dd, 2J2''anti,2''syn = 2.5 Hz, 3J2''anti,1'' = 8.7 Hz, 1H, 2''-Hanti), 0.16+0.17 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.88 - 0.90 (m, 12H, (CH3)2C, (CH 3)2CH), 1.65 (sept, J = 6.9 Hz, 1H, (CH3)2CH), 1.79 - 1.83 (m, 特に、J = 2.5Hz, 2H, 2''-Hsyn, 2'-H), 1.92 (d, 4J = 1.2 Hz, 3H, 5-CH3), 3.84 (dd, 3J5'a,4' = 6.2 Hz, 2J5'a,5'b = 10.8 Hz, 1H, 5'-Ha), 3.98 (dd, 3J5'b,4' = 4.8 Hz, 2J5'b,5'a = 10.8Hz, 1H, 5'-Hb), 4.92 (Ψt, J = 5.2 Hz, 1H, 4'-H), 5.64 (Ψt, J = 7.9 Hz, 1H, 1''-H), 6.09 (s, 1H, 1'-H), 7.35 (d, 4J = 1.2 Hz, 1H, 6-H), 8.40 (ブロードなs, 1H, D2O 交換可能, N-H)
13C NMR: (62.90 MHz, CDCl3): δ = - 3.3 (q, (CH3)2Si), 12.7 (q, 5-CH3), 18.5, 18.6 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.2, 20.4 (それぞれq, (CH3)2C), 25.4 (s, Si-C), 34.0 (d, (CH3)2 CH), 37.6 (t, C-2''), 57.5 (d, C-2'), 66.3 (t, C-5'), 76.2 (d, C-1''), 84.5 (d, C-4'), 90.8 (d, C-1'), 109.8 (s, C-3'), 110.3 (s, C-5), 135.5 (d, C-6), 150.3 (s, C-4), 163.5 (s, C-2), 209.5 (br., Fe(CO)3). - MS: (MAT 8222, EI, 70 eV): m/z (%) = 532 (3) [M+], 504 (1) [M+- CO], 448 (40) [M+- 3xCO], 363 (50) [M+- 3xCO, - テキシル]
−分析: C23H32FeN2O7Si (532.45); 計算: C: 51.88%, H: 6.06%, N: 5.26%; 測定: C: 51.96%, H: 6.11%, N: 5.19%.
【0090】
10.エキソ−[2',2",3',3"-η-(3'-(3"(E)-アクリル酸エチルエステル-3-イル)-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-5'-O-(ジメチルテキシルシリル)-f3b-D-ウリジン)]トリカルボニルアイロン(31)の調製
【0091】
【化24】
Figure 2004533427
【0092】
酸素および湿気を厳しく排除して、0.2495g(0.97mmol)の2,4−ビス(トリメチルシロキシ)ピリミジン、0.1774g(0.35mmol)のエステル28、および80mlのCH2Cl2を、マグネチックスターラーを用いて、加熱して沸騰させた。定量ポンプによって、1.20ml(1.20mmol)のSnCl4溶液(ヘプタン中で1M)を、2時間以内に添加した。TLC反応モニタリング(条件は下記参照)により、転換が完了したことが示された後、上記のように処理を行った。乾燥剤からの濾過およびロータリーエバポレーターにおける真空下での溶媒の除去後、酸素を厳しく排除して、残渣をフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(80gの脱気したシリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1+1)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.1968g(96%)の未精製生成物が、黄色の泡の状態で得られた。それは、1H NMRからわかるように、錯体31とそのジアステレオマーとの87:13の割合の混合物であった。半分離HPLC(条件は下記参照)によって、ジアステレオマー副産物の分離を行い、0.1497g(73%)の錯体を、分析的に純粋な状態の黄色の凍った泡として得た。
【0093】
−融点: 84-86℃(CH2Cl2), 黄色の固形状の泡
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 1+1, Rf = 0.40
−分析HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6.67; MN ヌクレオシル 50-10; 2ml/分; 屈折計法;保持時間: 3.75分
−半分離HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+6; 10ml/分; RI検出 − 旋光度:
【数19】
Figure 2004533427
436および365 nmにおいて光透過なし(MeOH 中でc= 1.0)
−CD: Θ(λ) = 約- 10310 (272.5 nm),- 14553 (288.0 nm), - 2003 (316.5 nm), - 9848 (344.0 nm), +3878 (397.0 nm), (MeOH 中でc = 0.007)
−UV (MeOH): λmax(ε) = 300.0 (3042)
−FT-IR (KBr):
【数20】
Figure 2004533427
3062 (w, unsat. C-H), 2960, 2868 (m,w, sat. C-H), 2067, 2004 (s, s およびbr.,
【数21】
Figure 2004533427
), 1704 (s および br., C=O), 1465, 1378, 1268, 831 (それぞれm)
1H NMR: (270 MHz, CDCl3): δ = 0.15+0.17 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.73 (d, J = 7.6 Hz, 1H, 2''-H), 0.85 - 0.87 (m, 12H, (CH3)2C, (CH 3)2CH), 1.26 (t, J = 7.1 Hz, 3H, OCH2CH 3), 1.62 (sept, J = 6.8 Hz, 1H, (CH3)2CH), 2.10 (s, 1H, 2'-H), 3.99 - 4.04 (m, 2H, 5'-H), 4.06 - 4.25 (m, 特に J = 7.1 Hz, 2H, OCH 2CH3), 4.98 (Ψt, J = 3.8 Hz, 1H, 4'-H), 5.69 (dd, J = 2.3 Hz, 3J5,6 = 8.1 Hz,1H, 5-H), 6.10 (dd, J = 0.7 Hz, 3J3'',2'' = 8.4 Hz, 1H, 3''-H), 6.11 (s, 1H, 1'-H), 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 1H, 6-H), 8.43 (ブロードなs, 1H, D2O 交換可能, N-H)
13C NMR: (62.90 MHz, CDCl3): δ = - 3.4, - 3.2 (それぞれq, (CH3)2Si), 14.1 (q, CH3CH2O), 18.4, 18.5 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.2, 20.3 (それぞれq, (CH3)2C), 25.4 (s, Si-C), 33.9 (d, (CH3)2 CH), 44.9 (d, C-1''), 58.6 (d, C-2'), 60.9 (t, CH3 CH2O), 66.1 (t, C-5'), 76.5 (d, C-3''), 85.1 (d, C-4'), 90.4 (d, C-1'), 102.0 (d, C-5), 108.2 (s, C-3'), 140.1 (d, C-6), 150.1 (s, C-4), 162.6 (s, C-2), 171.5 (s, C-1''), 209.5 (br., Fe(CO)3)
−MS: (MAT 8222, EI, 70 eV): m/z (%) = 590 (<1) [M+], 545 (3) [M+- OCH2CH3], 506 (100) [M+- 3xCO], 421 (50) [M+- Fe(CO)3, - OCH2CH3]−分析: C25H34FeN2O9Si (590.48); 計算.: C: 50.85%, H: 5.80%, N: 4.74%; 測定: C: 50.64%, H: 5.86%, N: 4.70%
【0094】
11.エキソ−[2',2",3',3"-η-(3'-(3"(E)-アクリル酸エチルエステル-3-イル)-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-5'-O-(ジメチルテキシルシリル)-f3b-D-チミジン)]トリカルボニルアイロン(32)の調製
【0095】
【化25】
Figure 2004533427
【0096】
上記のプロトコルと同様に、0.2988g(1.10mmol)の5−メチル−2,4−ビス(トリメチルシロキシ)ピリミジン、0.1464g(0.29mmol)のエステル28、および70mlのCH2Cl2を、マグネチックスターラーを用いて、酸素と湿気とを厳しく排除して、加熱して沸騰させ、1.30ml(1.30mmol)のSnCl4溶液(ヘプタン中で1M)を、定量ポンプによって2時間以内に添加した。TLC反応モニタリング(条件は下記参照)により、転換が完了したことが示された後、上記のように処理を行った。乾燥剤からの濾過およびロータリーエバポレーターにおける真空下での溶媒の除去後、酸素を厳しく排除して、残渣をフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(80gの脱気したシリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=1+1)。オイルポンプバキュームにおいて乾燥した後、0.1609g(93%)の未精製生成物が、黄色の泡の状態で得られた。それは、1H−NMRからわかるように、錯体32とジアステレオマーとの70:30の割合の混合物であった。半分離HPLC(条件は下記参照)によって、ジアステレオマー副産物の分離を行い、0.0983g(57%)の錯体32を、分析的に純粋な状態の黄色の凍った泡として得た。
【0097】
−融点: 81-84℃(CH2Cl2), 黄色の固形状の泡yellow solid foam
−TLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 1+1, Rf = 0.45
−半分離HPLC:n−ヘキサン/酢酸エチル= 10+5; 10ml/分; RI検出 − 旋光度:
【数22】
Figure 2004533427
436および365 nmにおいて光透過なし(MeOH中でc= 0.9)
−CD: Θ(λ) = - 32856 (251.5 nm), - 2643 (316.5 nm), - 10309 (343.5 nm), + 3991 (397.0 nm), (MeOH中でc = 0.005)
−UV (MeOH): λmax(ε) = 259.5 (15053), λ(ε) = 305.0 (sh, 3032)
−FT-IR (KBr):
【数23】
Figure 2004533427
3065 (w, unsat. C-H), 2959, 2868 (m,w, sat. C-H), 2067, 2004 (s, s およびbr.,
【数24】
Figure 2004533427
), 1698 (sおよびbr., C=O), 1466, 1265, 1197, 832 (それぞれm)
1H NMR: (250MHz, CDCl3): δ= 0.15+0.17 (s+s, それぞれ3H, (CH3)2Si), 0.76 (d, J = 7.7 Hz, 1H, 2''-H), 0.87 (s, 6H, (CH3)2C), 0.88 (d, J = 5.4 Hz, (CH 3)2CH), 1.26 (t, J = 7.1 Hz, 3H, OCH2CH 3), 1.64 (Ψquin, J = 6.8 Hz, 1H, (CH3)2CH), 1.92 (d, 4J = 1.2Hz, 3H, 5-CH3), 2.14 (s, 1H, 2'-H), 3.90 (dd, 3J5'a,4' = 5.7 Hz, 2J5'a,5'b = 10.9Hz, 1H, 5'-Ha), 4.01 (dd, 3J5'b,4' = 4.8 Hz, 2J5'b,5'a = 10.9 Hz, 1H, 5'-Hb), 4.06 - 4.23 (m, 特にJ = 7.1 Hz, 2H, OCH 2CH3), 4.92 (Ψt, J = 5.3 Hz, 1H, 4'-H), 6.04 (s, 1H, 1'-H), 6.15 (d, J = 8.3 Hz, 1H, 3''-H), 7.36 (d, 4J = 1.2 Hz, 1H, 6-H), 8.41 (ブロードなs, 1H, D2O 交換可能, N-H)
13C NMR: (62.90 MHz, CDCl3): δ = - 3.3 (q, (CH3)2Si), 12.7 (q, 5-CH3), 14.1 (q, CH3CH2O), 18.5, 18.6 (それぞれq, (CH3)2CH), 20.2, 20.3 (それぞれq, (CH3)2C), 25.4 (s, Si-C), 34.0 (d, (CH3)2 CH), 45.0 (d, C-2''), 58.1 (d, C-2'), 60.8 (t, CH3 CH2O), 66.1 (t, C-5'), 77.1 (d, C-3''), 84.7 (d, C-4'), 90.9 (d, C-1'), 108.3 (s, C-5), 110.4 (s, C-3'), 135.4 (d, C-6), 150.3 (s, C-4), 163.4 (s, C-2), 171.5 (s, C-1''), 209 (br., Fe(CO)3)
−MS: (MAT 8222, DCI ネガティブ, NH3): m/z (%) = 604 (20) [M+], 576 (15) [M+-CO], 548 (80) [M+- 2xCO], 265 (100) [M+- Fe(CO)3, - チミン-1-イル, - CO2Et, H]
−分析: C26H36FeN2O9Si (604.51); 計算: C: 51.66%, H: 6.00%, N: 4.63%; 測定: C: 51.82%, H: 6.07%, N: 4.54%
【0098】
12.エキソ−[2',2",3',3"-η-(3'-(3"-(E)-アクリル酸エチルエステル-3"-イル)-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-5'-O-(ジメチルテキシルシリル)-β-D-シチジン)]トリカルボニルアイロン(6)の調製
【0099】
【化26】
Figure 2004533427
【0100】
還流冷却器、磁気撹拌棒、および吸引コックを備えた100mlの三口フラスコにおいて、0.570g(1.12mmol)の錯体28および0.672mg(2.63mmol)のN,O−ビス(トリメチルシリル)シトシンを、アルゴン雰囲気中で40mlの無水ジクロロメタンに溶解し、加熱して還流させた。4時間にわたって、1.00mlのTOSOTf(1.24g、5.6mmol)を含む8mlの無水ジクロロメタン溶液を、そこへ計量して供給し、次いで、反応混合物を、更に(for another hour)還流下で加熱した。冷却後、フラスコの中身を氷上に注ぎ、そして飽和NaHCO3溶液を添加した。相が分離した後、有機相を水で洗浄し、水相を、ジクロロメタンで2回、再抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤を濾過した後、アルゴン雰囲気下でロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去した。残渣を、脱気したシリカゲル上での酢酸エチル:メタノール=8:1の溶媒の脱気した混合物を用いる、アルゴン雰囲気下でのクロマトグラフィーに付した。生成物6は、凍った黄白色の泡として、171mg(0.29mmol、26%)の収量で得られた。
−TLC:酢酸エチル:メタノール=30:1, Rf= 0.094
1H NMR: (300MHz, CDCl3): δ = 0.12 (s, 3H, Si(CH3)), 0.14 (s, 3H, Si(CH3)), 0.68 (d, 1H, 2"-H, 3J2"H,3"H= 7.9Hz), 0.82 (s, 3H, SiC(CH3)), 0.83 (s, 3H, SiC(CH3)), 0.84 (_d, 6H, C(CH 3)2H, 3JC(CH 3)2H,C(CH3)2H = 6.9Hz), 1.22 (Ψt, 3H, CH 3CH2, 3JCH 3CH2,CH3CH 2 = 7.2Hz), 1.59 (Ψsept, 1H, C(CH3)2 H, 3JC(CH 3)2H,C(CH3)2H = 6.9Hz), 2.32 (s, 1H, 2'-H), 3.96 (Ψd, 2H, 5'H, 3J4'H,5'H= 4.3Hz), 4.06 (m, 1H, CH3CHaHb), 4.14 (m, 1H, CH3CHaHb), 4.95 (Ψt, 1H, 4'-H, 3J4'H,5'H= 4.3Hz), 5.64 (d, 1H, 5-H, 3J5H,6H= 7.4Hz), 6.00 (s, 非常にブロード, 2H, NH2), 6.04 (d, 1H, 3"H, 3J2"H,3"H= 7.9Hz), 6.06 (s, 1H, 1'H), 7.83 (d, 1H, 6-H, 3J5H,6H= 7.4Hz)
13C NMR: (70MHz, CDCl3): −3.4 および −3.2 (Si(CH3)3), 14.1 (CH 3CH2), 18.5 および 18.6 (C(CH3)2H), 20.2 および 20.3 (SiC(CH3)2), 25.4 (SiC(CH3)2), 34.0 (C(CH3)2H), 44.6 (2"C), 60.4 (2'C), 60.7 (CH3 CH2), 66.2 (5'C), 76.3 (3"C), 85.1 (4'C), 91.8 (1'C), 93.6 (5C), 107.9 (3'C), 141.3 (6C), 155.8 (2C), 156.7 (4C), 171.8 (1"C)
【0101】
13.エキソ−[1",2",2',3'-η-(2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-3'-s-シス-ビニル-β-D-ウリジン]トリカルボニルアイロン(33)の調製
【0102】
【化27】
Figure 2004533427
【0103】
Hgバブラーヘッドピースを備えた100mlのシュレンク(Schlenk)フラスコ中に、0.2515g(0.48mmol)の錯体29を含む50mlの無水THFを、保護ガス下で加え、氷浴によって0℃に冷却した。磁気によって撹拌した溶液へ、2.5ml(2.5mmol)のTBAF溶液(THF中で1M)を、アルゴン向流下で注入し、反応を2.5時間続けたところ、TLC反応モニタリング(条件は下記参照)により、転換が完了したことが示された。処理のために、100mlの酢酸エチルによって、溶液を分離漏斗へ移し、そして100mlのH2Oを添加した。相が分離した後、100mlの飽和NaCl溶液によって、有機相を洗浄し、100mlの酢酸エチルによって、水相を抽出し、そして、合わせた有機相を、Na2SO4上で乾燥させた。起こり得る酸化による脱錯体化を回避するために、わずかなオイルポンプバキュームを簡単に適用することにより、溶液を直ちに脱気し、次いで、アルゴンによって真空を解除した。濾過後、ロータリーエバポレーターにおいて真空下で溶液を濃縮し、オイルポンプバキュームにおいて簡単に乾燥させた。次いで、酸素を厳しく排除して、黄色の残渣をフラッシュカラムへ移し、アルゴン圧力下でクロマトグラフィーに付した(90gの脱気シリカゲル、n−ヘキサン/アセトン=9+11)。高真空中で乾燥させた後、0.1812g(99%)の脱シリル化錯体33が、黄色の固体の状態で得られ、次いで、それを、−20℃で、CH2Cl2から再結晶させた。
−融点:: 118-120℃ (CH2Cl2), 黄色の固体
- TLC: n−ヘキサン/アセトン= 1+1, Rf = 0.23
- CD:Θ(λ) = - 5451 (274.0 nm), 20501 (306.0 nm), (MeOH中でc = 0.006)
UV (MeOH): λmax(ε) = 258.5 nm (13326), λ(ε) = 300.0 nm (sh, 2384)
−FT-IR (KBr):
【数25】
Figure 2004533427
3060 (w, unsat. C-H), 2934 (w, sat. C-H), 2057, 1976 (s, sおよびbr.,
【数26】
Figure 2004533427
), 1707, 1683 (それぞれsおよびbr., C=O), 1471, 1258, 1096, 966 (それぞれm)
1H NMR: (270 MHz, アセトン-d6): δ= 0.32 (dd, 2J2"anti,2"syn = 2.0 Hz, 3J2"anti,1" = 8.8 Hz, 1H, 2"-Hanti), 1.91 (dd, 2J2"syn,2"anti = 2.0 Hz, 3J2"syn,1" = 6.7 Hz, 1H, 2"-Hsyn), 2.32 (s, 1H, 2'-H), 3.94 (Ψdd, 3J5'a,4' = 4.3 Hz, 2J5'a,5'b = 11.9 Hz, 1H, 5'-Ha), 4.06 (Ψdd, 3J5'b,4' = 4.1 Hz, 2J5'b,5'a = 11.9 Hz, 1H, 5'-Hb), 4.57 (Ψt, J = 4.9 Hz, 既に一部が交換されているので積分できず, D2O 交換可能, O-H), 5.03 (Ψt, J = 3.8 Hz, 1H, 4'-H), 5.54 (d, J = 8.1 Hz, 1H, 5-H), 6.01 (Ψt, J = 7.9 Hz, 1H, 1"-H), 6.31 (s, 1H, 1'-H), 8.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H, 6-H), 10.0 (ブロードなs, 既に一部が交換されているので積分できず, D2O 交換可能, N-H)
−MS: (MAT 8222, EI, 70 eV): m/z (%) = 376 (1) [M+], 348 (1) [M+- CO], 320 (1) [M+- 2xCO], 292 (1) [M+- 3xCO], 262 (35) [M+- 3xCO, -CH2OH, + H], 236 (10) [M+-ura., - CO, - H], 208 (18) [M+- ura., - 2xCO, - H], 180 (40) [M+- ura., 3xCO, - H]
−HRMS: (MAT 8222, 70 eV): 計算: 375.9994; 測定: 375.9977; C14H12FeN2O7 (376.11)
【0104】
14.2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシ-3'-ビニル-β-D-ウリジン(34)の調製
【0105】
【化28】
Figure 2004533427
【0106】
100mlフラスコにおいて、0.1719g(0.46mmol)の錯体33を、30mlのEtOHに溶解し、そしてH2Oを添加した。0℃に冷却した、磁気によって撹拌した溶液へ、2.10g(3.8mmol)のCe(NH42(NO36を添加し、そして反応を45分間続けた(COが直ちに発生(evolution))。処理のために、80mlの酢酸エチルによって、反応溶液を分離漏斗へ移し、そして100mlのH2Oを添加した。相が分離した後、100mlの飽和NaCl水溶液によって有機相を洗浄し、2×80mlの酢酸エチルによって水相を抽出し、そして合わせた有機相を、Na2SO4上で乾燥させた。乾燥剤から濾過した後、ロータリーエバポレーターにおいて、真空下で溶液を濃縮し、次いで、オイルポンプバキュームにおいて乾燥させ、0.056g(52%)の生成物34を、純粋な状態の無色の固体として得た。
−融点: 151℃(酢酸エチル、分解)
−FT-IR (KBr):
【数27】
Figure 2004533427
3094 (w, unsat. C-H), 2927 (w, sat. C-H), 1704 (m, C=O), 1467, 1396, 1249 (それぞれm), 1127 (s, C-O)
1H NMR: (270 MHz, CD3OD): δ= 3.79 (Ψd, J = 12.5 Hz, 1H, 5'-Ha), 3.88 (Ψd, J = 12.2 Hz, 1H, 5'-Hb), 5.00 (s, 1H, 4'-H), 5.36 (d, J = 11.1 Hz, 1H, 2"-H(E)), 5.47 (d, J= 17.9 Hz, 1H, 2"-H(Z)), 5.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H, 5-H), 5.83 (s, 1H, 2'-H), 6.55 (dd, 3J1",2" = 11.3 Hz, 3J1",2"(Z) = 17.9 Hz, 1H, 1"-H), 6.84 (s, 1H, 1'-H), 7.91 (d, J = 7.7 Hz, 1H, 6-H). C11H12N2O4 (236.23)
【0107】
15.(5RS,8RS)-8-アリルオキシ-2-トリメチルシリル-7-オキサビシクロ-[3.3.0]オクト(oct)-1-エン-3-オン(rac-38)の調製
【0108】
【化29】
Figure 2004533427
【0109】
乾燥脱気CH2Cl2(1.5l)中のオクタカルボニルジコバルト(25g、69mmol)と4Åモレキュラーシーブズ(108g)との撹拌した混合物へ、3,3-ジアリルオキシ1-プロピニルトリメチルシラン(37)(13.52g、60mmol)を、室温でアルゴン下で添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を、0℃より低温に冷却し(NaCl氷浴)、共沸乾燥させた(azeotropically dried)トリメチルアミン-N-オキシド(42g、560mmol)を添加した。添加後、フラスコを開いたままにして、5〜10分間、反応溶液に空気を通した。次いで、溶液を室温にして、大気中で15時間、撹拌を続けた。何らかの(some)シリカゲルによって濾過した反応混合物を、真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex=1+4)によって残渣を精製し、浅黄色の油として、11.56g(76%)の収量で、rac−38を得た(ジアステレオ選択性>24:1)。
【0110】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 5.93 (tdd, J1 = 5.4, J2= 17.2, J3 = 10.3, 1H, CH=CH2); 5.58 (s, 1H, H-8); 5.31 (tdd, J1 = 1.6, J2 = 17.2, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H trans); 5.22 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 10.3, J3 = 1.8, 1H, CH=CH-H cis); 4.38 (dd, J1 = 6.6, J2 = 7.2, 1H, H-6); 4.29 (tdd, J1 = 1.4, J2 = 12.2, J3 = 5.6, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.10 (tdd, J2 = 1.3, J3 = 12.5, J4 = 6.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.46 (m, 1H, H-5); 3.42 (dd, J1 = 6.7, J2 = 6.2, 1H, H-6); 2.66 (dd, J1 = 17.6, J2 = 6.4, 1H, H-4); 2.10 (dd, J1 = 17.6, J2 = 3.6, 1H, H-4); 0.21 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 213.4 (C3), 184.9 (C1), 137.6 (C2), 133.8 (CH=CH2), 118.2 (CH=CH2), 96.7 (C8), 71.0 (C6), 68.8 (CH2CH=CH2), 42.6 (C5), 41.8 (C4), -1.5 (SiC); FT-IR (ATR): 2954 (m, CH), 2896 (m, CH), 1703 (s, C=O), 1640 (s, C=C), 1410 (m), 1247 (s, C-O), 1126 (s), 1073 (s), 997 (s), 838 (s), 762 (s); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 253 (1) [M+1]+, 237 (2), 211 (15), 195 (20), 181 (21), 167 (8), 151 (20), 137 (7), 123 (32), 109 (9), 93 (17), 75 (44), 73 (100), 59 (11), 41 (21); HRMS (EI) C12H17O3Si: 計算 237.095 [M-15]+; 測定237.095.
【0111】
16.(3RS,5RS,8RS)-8-アリルオキシ-2-トリメチルシリル-7-オキサビシクロ[3.3.0]オクト-1-エン-3-オル(rac−39)の調製
【0112】
【化30】
Figure 2004533427
【0113】
MeOH(200ml)中のrac−38(2.52g、10mmol)およびCeCl3・7H2O(3.54g、9.5mmol)の氷冷した溶液へ、NaBH4(1.48g、38mmol)を、少しずつ(in small portions)添加し、溶液を室温にして、水(100ml)を添加することによって反応を終了させる(quenched)前に、撹拌を0.5時間続けた。1時間後、溶液を、MTBE(100ml)と10% NaHCO3(aq.)(100ml)とに分配し、水相を、MTBE(3×100ml)で再抽出した。合わせた有機相を、10%のNaHCO3(aq.)(100ml)および飽和(sat.)NaCl(aq.)(100ml)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、濾過して、真空下で溶媒を除去し、無色の油として、rac−39(2.46g、98%)を得た。それは、NMRからわかるように、更に精製する必要はなかったので、直接更に反応させた。
【0114】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 5.90 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.2, J3 = 10.3, 1H, CH=CH2); 5.38 (s, 1H, H-8); 5.26 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 17.2, J3 = 1.5, 1H, CH=CH-H trans); 5.17+5.16 (m+tdd, J1 = 1.1, J2 = 10.3, J3 = 1.8, 2H, H-3 + CH=CH-H cis); 4.20 (dd, J1 = J2 = 8.2, 1H, H-6); 4.19 (tdd, J1 = 1.4, J2 = 12.4, J3 = 5.3, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.00 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 12.4, J3 = 6.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.42 (dd, J1 = J2 = 7.9, 1H, H-6); 3.20 (m, 1H, H-5); 2.69 (ddd, J1 = 12.1, J2 = 6.5, J3 = 6.0, 1H, H-4); 1.64 (Ψs, 1H, OH); 1.22 (ddd, J1 = 12.0, J2 = J3 = 8.6 Hz, 1H, H-4); 0.21 (s, 9H, SiCH3); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 156.8 (C1), 140.3 (C2), 134.3 (CH=CH2), 117.7 (CH=CH2), 97.3 (C8), 87.61 (C3), 72.1 (C6), 68.3 (CH2CH=CH2), 46.4 (C5), 43.9 (C4), -0.6 (SiC); FT-R (ATR): 3437 (m, OH), 2952 (s, CH), 2886 (m, CH), 1657 (m, C=C), 1408 (m), 1324 (s), 1245 (s, C-O), 1107 (s), 1064 (s), 989 (s), 834 (s), 753 (s); MS (EI, 70 eV): m/z (%) = 253 (1) [M-1]+, 210 (3), 197 (22), 183 (20), 167 (17), 151 (19), 135 (11), 123 (20), 115 (7), 107 (18), 95 (16), 75 (46), 73 (100), 59 (10), 41 (21); HRMS (EI) C12H19O3Si: 計算 239.114 [M-15]+; 測定 239.110
【0115】
17.(3RS,5RS,8RS)-8-アリルオキシ-7-オキサ-ビシクロ[3.3.0]オクト-1-エン-3-オル(rac−39’)の調製
【0116】
【化31】
Figure 2004533427
【0117】
DMSO/H2O(1:19 v/v;約20ml)中のt−BuOK(1.14g)の撹拌した混合物へ、rac−39(2.54g、10mmol)を室温で添加した。茶色ではなかった反応混合物を、還流下で2時間加熱した。室温に冷却した後、水(100ml)を添加し、そして溶液を、酢酸エチル(4×80ml)で抽出した。合わせた有機相を、水(2×100ml)および飽和NaCl溶液(100ml)で洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、そして、濾過した溶液を、真空下で濃縮した。浅黄色の油として得られた生成物(rac−39’)(1.59g、87%)は、直接更に反応させ得るほど純粋になった。それでもなお、分析試料を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex=1+9)によって更に精製した。
【0118】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 5.85 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.2, J3 = 10.3, 1H, CH=CH2); 5.70 (m, 1H, H-2); 5.36 (s, 1H, H-8); 5.22 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 17.2, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H trans); 5.13 + 5.12 (m + tdd, J1 = 1.2, J2 = 10.3, J3 = 1.6, 2H, H-3 + CH=CH-H cis); 4.18 (dd, J1 = J2 = 8.2, 1H, H-6); 4.12 (tdd, J1 = 1.6, J2 = 12.6, J3 = 5.3, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.96 (tdd, J1 = 1.6, J2 = 12.6, J3 = 6.1, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.38 (dd, J1 = J2 = 7.1, 1H, H-6); 3.20 (m, 1H, H-5); 2.66 (ddd, J1 = 12.4, J2 = 6.3, J3 = 6.1, 1H, H-4); 2.11 (Ψs, 1H, OH); 1.29 (ddd, J1 = 12.3, J2 = J3 = 8.0, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 147.9 (C1), 134.0 (CH=CH2), 126.8 (C2), 117.3 (CH=CH2), 96.8 (C8), 82.2 (C3), 72.7 (C6), 67.8 (CH2CH=CH2), 44.9 (C5), 42.9 (C4); FT-IR (ATR): 3396 (w, OH), 2920 (s, C-H), 2851 (m, C-H), 1646 (w, C=C), 1458 (m), 1326 (m), 1295 (m, C-O), 1149 (m), 1033 (s), 985 (s), 823 (s), 775 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 183 (4) [M+1]+, 152 (20), 125 (13), 110 (40), 95 (82), 83 (64), 69 (60), 66 (98), 55 (100).
【0119】
18.(3RS,5RS,8RS)-3-アセトキシ-8-アリルオキシ-7-オキサビシクロ[3.3.0]オクト-1-エン(rac−40)の調製
【0120】
【化32】
Figure 2004533427
【0121】
アルゴン下で撹拌したCH2Cl2(50ml)中のrac−39’(2.38g、13mmol)、Et3N(2.3ml、15.6mmol)、およびDMAP(196mg、1.56mmol)の混合物へ、無水酢酸(2.7ml、28.6mmol)を室温で添加した。3時間撹拌した後、飽和NaHCO3溶液(aq.)(50ml)を、反応混合物へ添加し、そして、水相を、CH2Cl2(3×80ml)で抽出した。有機相を、NaHCO3(aq.)(2×100ml)およびNaCl(100ml)の飽和溶液で洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、そして、真空下で溶媒を除去した。茶色の残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex=1+4)によって精製し、無色の油として、rac−40を得た(2.89g、99%)。
【0122】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 5.95 (m, 1H, H-3); 5.87 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.2, J3 = 10.3, 1H, CH=CH2); 5.73 (m, 1H, H-2); 5.41 (s, 1H, H-8); 5.26 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 17.2, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H trans); 5.17 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 10.3, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H cis); 4.25 (dd, J1 = J2 = 8.0, 1H, H-6); 4.18 (tdd, J1= 1.6, J2 = 12.4, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.96 (tdd, J1 = 1.4, J2 = 12.4, J3 = 6.1, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.44 (dd, J1 = J2 = 7.91, 1H, H-6); 3.32 (m, 1H, H-5); 2.77 (ddd, J1 = 12.7, J2 = J3 = 6.8, 1H, H-4); 2.03 (s, 1H, CH 3COO); 1.50 (ddd, J1 = 12.7, J2 = J3 = 7.7, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 170.0 (C=O), 150.2 (C1), 134.2 (CH=CH2), 122.6 (C2), 117.4 (CH=CH2), 96.8 (C8), 84.1 (C3), 72.6 (C6), 68.0 (CH2CH=CH2), 45.0 (C5), 39.0 (C4), 21.1 (CH3COO); FT-IR (ATR): 2973 (m, C-H), 2932 (m, C-H), 2887(m, C-H), 1732 (s, C=O), 1444 (w), 1426 (w), 1362 (s), 1295 (m, C-O), 1232 (s, C-O), 1152 (s), 1065 (s), 1023 (s), 991 (s), 891 (s), 826 (m), 782 (w); MS (EI, 70 eV): m/z (%) = 225 (2) [M+H]+, 182 (5), 167 (42), 150 (8), 142 (13), 134 (27), 124 (32), 111 (25), 95 (52), 94 (100), 93 (26), 83 (18), 79 (38), 67 (45), 66 (74), 57 (12), 55 (42), 53 (18)
【0123】
19.ピリミジンン核塩基のPd触媒による導入のための一般的プロトコル
【0124】
【化33】
Figure 2004533427
【0125】
乾燥脱気DMSO(10ml)中のピリミジン核塩基(1.65mmol)およびNaH(60mg、鉱油中に60%まで(〜60%)分散)の撹拌した懸濁液を、アルゴン下で30分、70℃で加熱し、ほぼ透明な溶液を形成する。室温に冷却した後、Pd(PPh3)4 (58 mg、約5 mol%)、PPh3 (29 mg、11 mol%)、および酢酸アリルrac−40(224mg、1mmol)を含む乾燥THF(2ml)の溶液を添加する。次いで、溶液を、アルゴン下で15時間、70℃で加熱する。その後、混合物を、室温に冷却した後、何らかのシリカゲルによって濾過し、CH2Cl2(20ml)で希釈した。飽和水性NaCl(4×20ml)によって洗浄した後、MgSO4によって乾燥させ、そして真空下で溶媒を除去する。未精製生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex)=1:9〜2:1)によって精製する。
【0126】
20.(1RS,3aRS,5RS)-1-(1-アリルオキシ-3,3a,4,5-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]フラン-5-イル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(rac−41a)の調製
1mmolスケールでの実験により、rac−41aが、白黄色の固体として得られた(188mg、66%)。その物質は、Ph3P=Oである不純物をわずかに含んでいた(<3%)。
【0127】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 10.09 (Ψs, 1H, NH); 7.17 (d, J = 8.0, 1H, H-6'); 6.04 (dd, J1 = 7.2, J2 = 8.7, 1H, H-3); 5.86 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.2, J3 = 10.4, 1H, CH=CH2); 5.70 (d, J = 8.0, 1H, H-5'); 5.57 (m, 1H, H-2); 5.43 (s, 1H, H-8); 5.23 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 17.2, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H trans); 5.13 (tdd, J1 = 1.1, J2 = 10.3, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H cis); 4.24 (dd, J1 = J2 = 7.4, 1H, H-6); 4.05 (tdd, J1 = 1.6, J2 = 12.7, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.04 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 12.6, J3 = 6.1, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.47 (dd, J1 = J2 = 7.6, 1H, H-6); 3.44 (m, 1H, H-5); 2.84 (ddd, J1 = 12.5, J2 = 7.0, J3 = 6.8, 1H, H-4); 1.37 (ddd, J1 = 12.5, J2 = 8.3, J3 = 7.6, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 163.5 (C4'), 152.4 (C1), 150.8 (C2'), 140.4 (C6'), 133.8 (CH=CH2), 120.6 (C2), 117.5 (CH=CH2), 103.0 (C5'), 96.2 (C8), 71.8 (C6), 67.9 (CH2CH=CH2), 65.5 (C3), 45.4 (C5), 40.4 (C4); FT-IR (ATR): 3180 (w, N-H), 3051 (w, N-H), 2970 (w, C-H), 2886 (w, C-H), 1681 (m, C=O), 1626 (w, C=C), 1456 (m), 1375 (m), 1296 (w), 1242 (m, C-O), 1060 (m), 989 (m), 812 (w), 760 (w); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 277 (8) [M+1]+, 276 (5) [M]+, 247 (12), 235 (9), 219 (78), 205 (100), 189 (6), 177 (7), 164 (13), 162 (38), 134 (52), 119 (37), 113 (23), 91 (13), 79 (57), 67 (15), 53 (11)
【0128】
21.(1RS,3aRS,5RS)-1-(1-アリルオキシ-3,3a,4,5-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]フラン-5-イル)-5-メチル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(rac−41b)の調製
2mmolスケールでの実験により、rac−41bが63%の収率で得られた。
【0129】
融点= 164-166℃(EtOAc/Hex); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.63 (Ψs, 1H, NH); 6.96 (dq, J1= 1.3, J2 = 1.0, 1H, H-6'); 6.04 (dddd, J1 = 2.2, J2 = 1.3, J3 = 6.8, J4 = 8.5, 1H, H-3); 5.91 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.2, J3 = 10.3, 1H, CH=CH2); 5.60 (m, 1H, H-2); 5.50 (s, 1H, H-8); 5.29 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 17.2, J3 = 1.6, 1H, CH=CH-H trans); 5.20 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 10.3, J3 = 1.7, 1H, CH=CH-H cis); 4.30 (dd, J1 = J2 = 8.1, 1H, H-6); 4.20 (tdd, J1 = 1.6, J2 = 12.6, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.04 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 12.6, J3 = 6.1, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.53 (dd, J1 = J2 = 7.8, 1H, H-6); 3.45 (m, 1H, H-5); 2.86 (ddd, J1 = 12.4, J2 = 7.0, J3 = 6.8, 1H, H-4); 1.91 (d, J = 1.0, 1H, CH3); 1.42 (ddd, J1 = 12.4, J2 = J3 = 7.7, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 163.4 (C4'), 152.3 (C1), 150.5 (C2'), 136.1 (C6'), 134.0 (CH=CH2), 120.9 (C2), 117.7 (CH=CH2), 111.7 (C5'), 96.4 (C8), 72.01 (C6), 68.1 (CH2CH=CH2), 65.4 (C3), 45.5 (C5), 40.5 (C4), 12.5 (CH3); FT-IR (ATR): 3171 (w, N-H), 3052(w, N-H), 2923 (w, C-H), 2887 (w, C-H), 1682 (s, C=O), 1467 (m), 1364 (m), 1297 (m, C-O), 1246 (m, C-O), 1061 (m), 989 (m), 825 (m), 728 (w); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 249 (1), 221 (2), 207 (20), 191 (5), 179 (4), 165 (7), 153 (8), 141 (6), 133 (10), 126 (17), 111 (14), 105 (18), 98 (21), 97 (42), 91 (23), 85 (17), 83 (35), 71 (23), 70 (28), 69 (48), 57 (62), 55 (100)
【0130】
22.(1RS,3aRS,5RS)-1-(1-アリルオキシ-3,3a,4,5-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]フラン-5-イル)-5-ブロモ-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(rac-41c)の調製
2mmolスケールでの実験により、rac−41cが、収率83%で得られた。
【0131】
融点156-158℃; 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.81 (Ψs, 1H, NH); 7.47 (s, 1H, H-6'); 6.03 (m, 1H, H-3); 5.89 (tdd, J1 = 5.4, J2 = 17.1, J3 = 10.2, 1H, CH=CH2); 5.60 (m, 1H, H-2); 5.51 (s, 1H, H-8); 5.28 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 17.1, J3 = 1.5, 1H, CH=CH-H trans); 5.18 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 10.2, J3 = 1.5, 1H, CH=CH-H cis); 4.29 (dd, J1 = J2 = 7.8, 1H, H-6); 4.21 (tdd, J1 = 1.5, J2 = 12.7, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.18 (tdd, J1 = 1.3, J2 = 12.7, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 3.54 (dd, J1 = 7.8, J2 = 7.6, 1H, H-6); 3.45 (m, 1H, H-5); 2.90 (ddd, J1 = 12.4, J2 = J3 = 6.8, 1H, H-4); 1.42 (ddd, J1 = 12.4, J2 = 8.3, J3 = 8.8, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 159.0 (C4'), 152.6 (C1), 150.0 (C2'), 140.0 (C6'), 133.7 (CH=CH2), 120.2 (C2), 117.3 (CH=CH2), 97.1 (C5'), 96.1 (C8), 71.6 (C6), 67.7 (CH2CH=CH2), 65.8 (C3), 45.3 (C5), 40.4 (C4); FT-IR (ATR): 3167 (w, N-H), 3046 (w, N-H), 2975 (w, C-H), 2885 (w, C-H), 2829 (w, CH), 1691(s, C=O), 1615 (m, C=C), 1441 (m), 1338 (w), 1296 (w, C-O), 1242 (m, C-O), 1061 (w), 990 (m), 820 (w), 750 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 356(4) [81BrM]+, 354 (4) [79BrM]+, 327 (5), 325 (6), 299 (40), 297 (41), 285 (13), 283 (12), 277 (12), 254 (7), 242 (9), 240 (12), 228 (4), 226 (7), 214 (10), 212 (10), 193 (13), 191 (14), 165 (11), 149 (5), 147 (8), 135 (55), 119 (51), 107 (29), 95 (14), 93 (21), 91 (23), 81 (31), 79 (100), 77 (34), 67 (17), 66 (18), 65 (18), 57 (4), 55 (8), 53 (13); HRMS (EI) C14H15BrN2O5: 計算 354.022 [79BrM]+; 測定: 354.021.
【0132】
23.(1RS,3aRS,5RS)-9-(1-アリルオキシ-3,3a,4,5-テトラヒドロ-1H-シクロペンタ[c]フラン-5-イル)-9H-プリン-6-イルアミン(rac-41d)の調製
【0133】
【化34】
Figure 2004533427
【0134】
乾燥脱気DMSO(25ml)中のアデニン(1.022g、7.5mmol)と無水Cs2CO3 (2.47g、7.5mmol)との懸濁液を、アルゴン下で50℃で45分間攪拌した。室温に冷却した後、rac−40(1.12g、5mmol)を含むDMSO(5ml)、ならびにPh3P(145mg、11 mol%)およびPd(PPh34(290mg、5 mole %)を添加し、得られた混合物を、50℃で15時間攪拌した。室温に冷却した後、何らかのシリカゲルによって、CH2Cl2を用いて反応混合物を濾過した。濾過物を、飽和NaCl溶液(4×100ml)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥させ、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH=9+1)によって残渣を精製し、黄色のワックスとして、純粋なrac−41dを、収率73%で得た。
【0135】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.29 (s, 1H, H-2'); 7.47 (s, 1H, H-8'); 6.42 (Ψs, 2H, NH2); 6.04 (tdd, J1 = 2.0, J2 = 7.3, J3 = 8.6, 1H, H-3); 5.90 (dddd, J1 = 5.4, J2 = 6.1, J3 = 17.1, J4 = 10.2, 1H, CH=CH2); 5.83 (m, 1H, H-2); 5.51 (s, 1H, H-8); 5.26 (tdd, J1 = 1.4, J2 = 17.1, J3 = 1.8, 1H, CH=CH-H trans); 5.17 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 10.2, J3 = 1.8, 1H, CH=CH-H cis); 4.29 (dd, J1 = J2 = 7.1, 1H, H-6); 4.19 (tdd, J1 = 1.5, J2 = 12.6, J3 = 5.4, 1H, CH 2-CH=CH2); 4.03 (tdd, J1 = 1.2, J2 = 12.6, J3 = 6.1, 1H, CH 2 -CH=CH2); 3.56 (dd, J1 = 7.1, J2 = 7.5, 1H, H-6); 3.51 (m, 1H, H-5); 2.99 (ddd, J1 = 12.4, J2 = 7.1, J3 = 6.6, 1H, H-4); 1.75 (ddd, J1= 12.4, J2 = 8.6, J3 = 9.1, 1H, H-4); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 155.8 (C6'), 152.9 (C2'), 151.9 (C1), 149.5 (C4'), 138.2 (C8'), 133.9 (CH=CH2), 121.3 (C2), 119.6 (C5'), 117.6 (CH=CH2), 96.5 (C8), 72.0 (C6), 68.1 (CH2CH=CH2), 64.1 (C3), 45.9 (C5), 41.9 (C4); FT-IR (ATR): 3315 (m, N-H), 3162 (m, N-H), 2970 (w, C-H), 2918 (w, C-H), 2887 (w, C-H), 1644 (s, C=C), 1596 (s), 1571 (m), 1471 (m), 1413 (m), 1327 (m), 1299 (m), 1247 (m, C-O), 1061 (m), 989 (m), 831 (w), 797 (w), 722 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 299 (3) [M]+, 258 (61), 242 (57), 228 (9), 212 (16), 200 (15), 164 (63), 136 (100), 135 (63), 123 (17), 108 (21), 95 (18), 79 (39), 67 (18), 55 (18), HRMS (EI) C15H17N5O2: 計算 299.138 [M]+, 測定: 299.139.
【0136】
25.タイプ41’の生成物の加水分解および保護の一般的プロトコル
【0137】
【化35】
Figure 2004533427
【0138】
rac−41’(1mmol)およびPyH+TsO-(76mg、0.3mmol)を含む含水アセトン(10ml)の溶液を、3時間、加熱還流させる。次いで、真空下で溶媒を除去し、フラスコにアルゴンを流す。残渣を乾燥ピリジン(3ml)へ溶解し、クロロトリアルキシラン(1.5mmol)を添加する。室温で15時間攪拌した後、飽和NaHCO3(aq.)(20ml)とEtOAc(10ml)とに溶液を分配する(室温で30分間攪拌)。次いで、EtOAc(2×30ml)によって水相を抽出し、合わせた有機相を、NaHCO3(40ml)およびNaCl(40ml)の飽和水溶液で洗浄する。乾燥させた(MgSO4)後、溶液を真空下で濃縮し、未精製生成物(rac−42’)をフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。
【0139】
26.(3RS,5RS)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エンカルバルデヒド(enecarbaldehyde)(rac-42a)の調製
【0140】
【化36】
Figure 2004533427
【0141】
0.5mmolスケールでの実験により、rac−41aおよびテキシルジメチルシリルクロライドから始めて、収率80%で、黄色っぽい白色固体として、rac−42aが得られた(プロトコル25による)。
【0142】
融点: 191℃(dec.); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 9.85 (s, 1H, HC=O), 8.78 (Ψs, 1H, NH), 7.47 (d, J1 = 8.0, 1H, H-6'), 5.56 (dd, J1= J2= 2.2, 1H, H-2), 5.90 (dddd, J1 = J2 = 2.2, J3 = 9.5, J4 = 7.1, 1H, H-3), 5.71 (dd, J1= 8.0, J2 = 2.4, 1H, H-5'), 4.27 (dd, J1 = 10.0, J2 = 3.0, 1H, SiOCH a), 3.58 (dd, J1 = 10.0, J2 = 2.5, 1H, SiOCH b), 3.18 (m, 1H, H-5), 2.79 (ddd, J1 = 14.2, J2 = J3 = 9.5, 1H, H-4), 1.82 (ddd, J1 = 14.2, J2 = J3 = 7.5, 1H, H-4), 1.56 (septet, J = 6.8, 1H, Me2CH), 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 6H, (CH 3)2CH), 0.788 + 0.786 (Ψs, 6H, C(CH 3)2), 0.042 + 0.036 (Ψs, 6H, SiCH 3); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 188.9 (CH=O), 163.2 (C4'), 150.8 (C2'), 150.3 (C1), 147.8 (C2), 141.4 (C6'), 103.2 (C5'), 62.2 (CH2OSi), 58.9 (C3), 44.3 (C5), 34.0 Me2CH), 33.3 (C4), 25.4 (Me2 CSi), 20.3 および 20.2 ((CH3)2CH), 18.5 および 18.4 ((CH3)2CSi), -3.5 および -3.6 ((CH3)2Si); FT-IR (ATR): 3038 (w, N-H), 2955 (m, C-H), 2865 (w, C-H), 1697 (s, C=O), 1680 (s, C=O), 1649 (s, C=C), 1473 (w), 1445 (w), 1425 (w), 1383 (m), 1276 (m), 1248 (m, C-O), 1186 (m), 1111 (m), 1063 (w), 1019 (w), 998 (w), 979 (w), 849 (m), 828 (m), 804 (m), 779 (m), 761 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 295 (7), 294 (17), 293 (100) [M-85]+, 275 (27), 250 (18), 201 (55), 181 (62), 169 (26), 151 (8), 137 (5), 99 (7), 91 (5), 89 (7), 85 (6), 77 (6), 75 (23), 73 (18), 69 (6), 59 (8), 57 (5); HRMS (EI) C13H17N2O4Si [M-85]+: 計算 293.096, 測定: 293.096
【0143】
27.(3RS,5RS)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)-シラニルオキシメチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エンカルバルデヒド(rac-42b)の調製
【0144】
【化37】
Figure 2004533427
【0145】
0.7mmolスケールでの実験により、rac−41bおよびテキシルジメチルシリルクロライドから始めて、収率65%で、黄色っぽい固体として、rac−42bを得た(プロトコル25による)。
【0146】
融点: 187℃; 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 10.06 (Ψs, 1H, NH), 9.81 (s, 1H, HC=O), 6.99 (q, J = 1.2, 1H, H-6'), 6.58 (m, 1H, H-2), 5.83 (dddd, J1 = J2 = 2.4, J3 = J4 = 8.6,1H, H-3), 4.18 (dd, J1 = 10.0, J2 = 3.4, 1H, SiOCH a), 3.53 (dd, J1 = 10.0, J2 = 2.4, 1H, SiOCH b), 3.10 (m, 1H, H-5), 2.65 (ddd, J1 = 13.4, J2 = J3 = 8.8, 1H, H-4), 1.85 (d, J = 1.2, 3H, CH 3), 1.80 (ddd, J1 = 13.4, J2 = J3 = 8.4, 1H, H-4), 1.51 (Sept., J = 7.1, 1H, Me2CH), 0.83 (d, J = 7.1, 6H, (CH 3)2CH], 0.793 + 0.790 (Ψs, 6H, C(CH 3)2), 0.058 + 0.057 (Ψs, 6H, SiCH 3); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 188.9 (CH=O), 164.1 (C4'), 151.1 (C2'), 149.8 (C1), 148.4 (C2), 136.2 (C6'), 111.8 (C5'), 61.4 (CH2OSi), 59.0 (C3), 44.2 (C5), 34.0 (Me2 CH), 33.4 (C4), 25.1 (Me2 CSi), 20.2 および 20.2 ((CH3)2CH), 18.4 および 18.4 ((CH3)2CSi), 12.3 (CH3), -3.5 および -3.7 (SiCH3); FT-IR (ATR): 3177 (w, N-H), 3050 (w, N-H), 2954 (m, C-H), 2864 (m, C-H), 1683 (s, C=O), 1464 (m), 1376 (m), 1279 (m), 1249 (m, C-O), 1153 (w), 1113 (m), 1057 (w), 1017 (w), 982 (w), 874 (m), 830 (m), 778(m), 722 (w); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 393 (4) [M+1]+, 365 (13), 341 (5), 307 (100), 289 (27), 264 (10), 215 (52), 183 (31), 181 (73), 167 (12), 151 (7), 137 (5), 113 (4), 89 (7), 75 (15), 59 (4); HRMS (ESI) C20H33N2O4Si [M+1]+: 計算 393.2209, 測定 393.2209
【0147】
28.(3RS,5RS)-3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-シクロペント-1-エンカルバルヒデヒド(rac-42c)の調製
【0148】
【化38】
Figure 2004533427
【0149】
1mmolスケールでの実験から、rac−41cおよびテキシルジメチルシリルクロライドから始めて、83%の収率で、無色の固体として、rac−42cが得られた(プロトコル25による)。
【0150】
融点: 163℃ (dec.); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 9.87 (s, 1H, HC=O), 8.52 (Ψs, 1H, NH), 7.54 (s, 1H, H-6'), 6.57 (m, 1H, H-2), 5.85 (dddd, J1 = J2 = 2.3, J3 = 8.7, J4 = 7.6, 1H, H-3), 4.25 (dd, J1 = 10.0, J2 = 3.2, 1H, SiOCH a), 3.52 (dd, J1 = 10.0, J2 = 2.3, 1H, SiOCH b), 3.17 (m, 1H, H-5), 2.75 (ddd, J1 = 13.7, J2 = J3 = 8.8, 1H, H-4), 1.85 (ddd, J1 = 13.7, J2 = J3 =7.7, 1H, H-4), 1.55 (septet, J = 6.8, 1H, Me2CH), 0.83 (d, J = 6.8, 6H, (CH 3)2CH), 0.810 + 0.805 (Ψs, 6H, C(CH 3)2), 0.06 (s, 6H, SiCH 3), 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 188.9 (CH=O), 159.2 (C4'), 150.5 (C2'), 150.4 (C1), 147.3 (C2), 140.2 (C6'), 97.7 (C5'), 61.5 (CH2OSi), 59.9 (C3), 44.3 (C5), 34.0 (Me2 CH), 33.5 (C4), 25.3 (Me2 CSi), 20.4 および 20.3 ((CH3)2CH), 18.5 および 18.4 ((CH3)2CSi), -3.5 および -3.7 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3177 (w, N-H), 3046 (w, N-H), 2954 (m, C-H), 2862 (w, C-H), 2823 (w), 1704 (s, C=O), 1684 (s, C=O), 1617 (m, C=C), 1444 (m), 1368 (w), 1276 (m), 1249 (m, C-O), 1150 (w), 1109 (m), 1038 (w), 982 (w), 847 (m), 830 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%) = 374 (22), 373 (95), 372 (28), 371 (100) [M-85]+, 355 (34), 353 (32), 339 (7), 328 (13), 297 (3), 281 (92), 279 (89), 251 (10), 249 (47), 226 (3), 224 (5), 184 (3), 183 (11), 182 (58), 181 (90), 167 (28), 152 (3), 151 (12), 137 (10), 116 (5), 91 (7), 89 (14), 85 (10), 75 (31), 73 (18), 59 (8); HRMS (EI) C13H16BrN2O4Si [M-85]+: 計算 371.006, 測定 371.005
【0151】
29.(3RS,5RS)-3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-[tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル]シクロペント-1-エンカルバルデヒド (rac-42d)の調製
【0152】
【化39】
Figure 2004533427
【0153】
1mmolスケールでの実験により、rac−41cおよびtert.−ブチルジフェニルシリルクロライドから始めて、無色の固体として、収率76%で、rac−42dが得られた(プロトコル25による)。
【0154】
融点: 164℃; 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 10.24 (Ψs, 1H, NH), 9.86 (s, 1H, HC=O), 7.75-7.32 (m, 10H, 2xPh), 7.48 (s, 1H, H-6'), 6.65 (dd, J1 = J2 = 2.0, 1H, H-2), 5.80 (dddd, J1 = J2 = 2.1, J3 = J4 = 8.6, 1H, H-3), 4.21 (dd, J1 = 10.3, J2 = 4.4, 1H, SiOCH a), 3.52 (dd, J1 = 10.3, J2= 2.7, 1H, SiOCH b), 3.15 (m, 1H, H-5), 2.72 (ddd, J1 = 13.7, J2 = J3 = 8.6, 1H, H-4a), 1.85 (ddd, J1 = 13.7, J2 = J3 = 8.4, 1H, H-4b), 1.07 + 1.06 (Ψs, 9H, (CH 3)3C); 13C NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 188.8 (CH=O), 159.3 (C4'), 150.4 (C2'), 150.4 (C1), 147.1 (C2), 140.0 (C6'), (136.0+135.5) および (133.0+132.8) および (129.8+129.4) および (127.7+127.6) (Phのすべて), 97.8 (5'), 62.5 (CH2OSi), 60.1 (C3), 44.3 (C5), 34.0 (C4), 26.9 および 26.8 および 26.5 ((CH3)3CSi), 19.3 ((CH3)3 CSi); FT-IR (cm-1, ATR): 3177 (w, N-H), 3067 (w, N-H), 2928 (m, C-H), 2854 (m, C-H), 1707 (s, C=O), 1683 (s, C=O), 1619 (m, C=C), 1588 (w), 1469 (w), 1443 (m), 1426 (m), 1362 (w), 1276 (m), 1261 (m), 1242 (m, C-O), 1151 (w), 1110 (m), 1060 (w), 1037 (w), 997 (w), 983 (w), 839 (m), 821 (m), 741 (m), 701 (s)
【0155】
30.(3RS,5RS)-3-(6-アミノプリン-9-イル)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]シクロペント-1-エンカルバルデヒド(rac-42e)の調製
【0156】
【化40】
Figure 2004533427
【0157】
1mmolスケールでの実験により、rac−42dおよびテキシルジメチルシリルクロライドから始めて、黄橙色の固体として、45%の収率で、rac−42eを得た(プロトコル25によるが、2当量のPyH+TsO-(第一段階)および3.3当量のthexMe2SiCl、3.3当量のEt3N、0.3当量のDMAPを含む5mlのCH2Cl2(第二段階)を用いる)。
【0158】
融点: 144℃(dec.); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 9.86 (s, 1H, HC=O), 8.30 (s, 1H, H-2'), 7.93 (s, 1H, H-8'), 6.75 (dd, J1= J2 = 2.2, 1H, H-2), 6.40 (s, 2H, NH 2), 5.84 (dddd, J1 = J2 = 2.2, J3 = 9.1, J4 = 6.8, 1H, H-3), 4.14 (dd, J1 = 10.0, J2 = 3.8, 1H, SiOCH a), 3.66 (dd, J1 = 10.0, J2 = 2.4, 1H, SiOCH b), 3.24 (m, 1H, H-5), 2.89 (ddd, J1 = 14.0, J2 = J3 = 9.1, 1H, H-4), 2.10 (ddd, J1 = 14.0, J2 = J3 = 6.8, 1H, H-4), 1.53 (septet, J = 6.8, 1H, Me2CH), 0.78 (d, J = 6.8, 6H, (CH 3)2CH), 0.77 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.02 (s, 6H, CH 3Si), 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 189.2 (CH=O), 155.7 (C4'), 152.8 (C2'), 149.5 (C1), 149.5 (C6'), 147.4 (C2), 138.5 (C8'), 119.2 (C5'), 62.2 (CH2OSi), 57.5 (C3), 44.7 (C5), 35.1 (C4), 34.0 (Me2 CH), 25.3 (Me2 CSi), 20.3 および 20.2 ((CH3)2CH), 18.4 および 18.4 ((CH3)2CSi), -3.6 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3318 (w, N-H), 3168 (w, N-H), 2953 (m, C-H), 2864 (w, C-H), 1683 (s, C=O), 1645 (s, C=C), 1598 (s), 1575 (m), 1468 (m), 1413 (m), 1327 (m), 1297 (m), 1250 (s, C-O), 1149 (w), 1109 (m), 1085 (m), 1085 (m), 1015 (w), 979 (w), 830 (m), 777 (m), 649 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 401(2) [M]+, 318 (8), 317 (24), 316 (100), 302 (7), 242 (4), 224 (5), 212 (4), 192 (5), 182 (11), 181 (30), 167 (8), 151 (7), 137 (4), 136 (12), 135 (10), 108 (3), 85 (4), 75 (17), 59 (4); HRMS (ESI) C20H31N5O2Si: 計算 402.2325, 測定 402.2327
【0159】
31.ウィッティヒ(Wittig)反応による、タイプ42’のアルデヒドのタイプ43’のエステルへの転換のための一般的プロトコル
【0160】
【化41】
Figure 2004533427
【0161】
所望のウィッティヒ イライド(Wittig ylide)(202mg、1.1eq.)を含む乾燥THF(2ml)の溶液へ、アルデヒドrac−42’(500μmol、1eq.)を含む乾燥THF(4ml)の溶液を、50℃で添加する。50℃で16時間乾燥した後、反応混合物を室温に冷却し、真空下でわずかに濃縮して、生成物rac−42’を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex=1+2)によって精製する。
【0162】
32.(3RS,5RS)-3-[5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステル(rac-43a)の調製
【0163】
【化42】
Figure 2004533427
【0164】
0.25mmolでの実験により、rac−42aから始めて、収率96%で、浅黄色の固体として、rac−43aを得た(プロトコル31による)。
【0165】
融点 92-96℃(EtOAc/Hex); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.45 (s, 1H, NH), 7.47 (d, Jcis = 8.0, 1H, H-5"), 7.38 (d, Jtrans = 16.2, 1H, H-2), 6.06 (d, Jtrans = 16.2, 1H, H-3), 5.91 (s, 1H, H-2'), 5.71 (m, 1H, H-3'), 5.66 (d, Jcis = 8.0, 1H, H-6"), 4.22 (q, J = 7.2, 2H, OCH 2CH3), 3.96 (dd, J1 = 10.4, J2 = 3.8, 1H, SiOCH a), 3.63 (dd, J1 = 10.5, J2 = 2.7, 1H, SiOCH b), 3.08 (m, 1H, H-5'), 2.79 (ddd, J1 = 14.3, J2 = J3 = 9.5, 1H, H-4'), 1.73 (ddd, J1 = 14.5, J2 = J3 = 5.5, 1H, H-4'), 1.55 (septet, J = 6.8, 1H, Me2CH), 1.29 (t, J = 7.1, 3H, OCH2CH 3), 0.81 (d, J = 6.8, 6H, (CH 3)2CH), 0.79 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.04 (s, 6H, CH 3Si); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 166.4 (C1), 163.0 (C4"), 150.8 (C2"), 146.7 (C1'), 141.7 (C6"), 137.9 (C3), 134.7 (C2'), 121.7 (C2), 102.5 (C5"), 63.2 (CH2OSi), 60.7 OCH2CH3), 59.4 (C3'), 45.8 (C5'), 34.0 (Me2 CH), 33.7 (C4'), 25.4 (Me2 CSi), 20.4 および 20.2 ((CH3)2CH), 18.5 および 18.3 ((CH3)2CSi), 14.3 (OCH2 CH3), -3.5 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3184 (w, N-H), 3051(w, N-H), 2955 (m, C-H), 2865 (w, C-H), 1703 (s, C=O), 1687 (s, C=O), 1638 (m, C=C), 1605 (w), 1461 (m), 1378 (m), 1305 (m), 1265 (s, C-O), 1249 (s, C-O), 1174 (s), 1111 (m), 1094 (m), 1064 (w), 1034 (w), 986 (w), 873 (w), 830 (s), 778 (m); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 449 (1) [M+1]+, 403 (45), 379 (13), 363 (15) [M-85]+, 253 (8), 252 (25), 251 (100), 205 (37), 188 (7), 187 (41), 177 (33), 169 (58), 149 (9), 133 (5), 132 (8), 131 (48), 104 (13), 103 (44), 99 (18), 89 (17), 77 (7), 75 (35), 74 (9), 73 (38), 59(10), 58 (21); HRMS (EI) C17H23N2O5Si (M+-85): 計算 363.138, 測定 363.138
【0166】
33.(3RS,5RS)-3-[5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステル(rac-43b)の調製
【0167】
【化43】
Figure 2004533427
【0168】
0.251mmolスケールでの実験から、rac−42bから始めて、収率95%で、浅黄色の固体として、rac−43bが得られた(プロトコル31による)。
【0169】
融点: 132-134°C (EtOAc/Hex); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.50 (s, 1H, NH), 7.38 (d, Jtrans = 16.2, 1H, H-2), 7.05 (s, 1H, H-6"), 6.08 (d, Jtrans = 16.2, 1H, H-3), 5.93 (s, 1H, H-2'), 5.65 (m, 1H, H-3'), 4.22 (q, J = 7.1, 2H, OCH 2CH3), 3.87 (dd, J1 = 10.4, J2 = 4.4, 1H, SiOCH a), 3.63 (dd, J1 = 10.4, J2 = 3.3, 1H, SiOCH b), 3.06 (m, 1H, H-5'), 2.72 (ddd, J1 = 13.9, J2 = J3 = 8.9, 1H, H-4'), 1.88 (s, 3H, CH 3-5"), 1.72 (ddd, J1 = 13.6, J2 = J3 = 6.7, 1H, H-4'), 1.56 (septet, J = 6.8, 1H, Me2CH), 1.29 (t, J = 7.1, 3H, OCH2CH 3), 0.82 (d, J = 6.9, 6H, (CH 3)2CH), 0.79 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.04 (s, 6H, CH 3Si); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 166.4 (C1), 163.6 (C4"), 150.8 (C2"), 146.7 (C1'), 138.1 (C6"), 136.7 (C3), 134.6 (C2'), 121.5 (C2), 111.0 (C5"), 63.0 (CH2OSi), 60.7 OCH2CH3), 59.5 (C3'), 45.9 (C5'), 34.0 (Me2 CH), 33.9 (C4'), 25.3 (Me2 CSi), 20.34 および 20.27 ((CH3)2CH), 18.48 および 18.44 ((CH3)2CSi), 14.2 (OCH2 CH3), 12.5 (5"-CH3), -3.5 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3176 (w, N-H), 3043 (w, N-H), 2954 (m, C-H), 2864 (w, C-H), 1684 (s, C=O), 1639 (s, C=C), 1603 (w), 1464 (m), 1387 (m), 1377 (w), 1364(m), 1305 (m), 1266 (s, C-O), 1249 (s, C-O), 1173 (s), 1159(s), 1112 (m), 1094 (m), 1065 (w), 1034 (w), 985 (w), 873 (w), 830 (s); MS (EI, 70 eV): m/z (%): 449 (1) [M+1]+, 403 (45), 379 (13), 363 (15) [M-85]+, 253 (8), 252 (25), 251 (100), 205 (37), 188 (7), 187 (41), 177 (33), 169 (58), 149 (9), 133 (5), 132 (8), 131 (48), 104 (13), 103 (44), 99 (18), 89 (17), 77 (7), 75 (35), 74 (9), 73 (38), 59(10), 58 (21); HRMS (EI) C18H25N2O5Si (M+-85): 計算 377.153, 測定 377.153
【0170】
34.(3RS,5RS)-3-[3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステル(rac-43c)の調製
【0171】
【化44】
Figure 2004533427
【0172】
0.5mmolスケールでの実験により、rac−42cから始めて、収率82%で、無色の固体として、rac−43cが得られた(プロトコル31による)。
【0173】
融点: 164-165℃(EtOAc/CyHex); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 10.17 (s, 1H, NH), 7.51 (s, 1H, H-6"), 7.35 (d, Jtrans = 16.4, 1H, H-2), 6.04 (d, Jtrans = 16.0, 1H, H-3), 5.92 (s, 1H, H-2'), 5.62 (m, 1H, H-3'), 4.17 (q, J = 7.1, 2H, OCH 2CH3), 3.84 (dd, J1 = 10.4, J2 = 4.2, 1H, SiOCH a), 3.57 (dd, J1 = 10.2, J2 = 3.2, 1H, SiOCH b), 3.03 (m, 1H, H-5'), 2.72 (ddd, J1 = 14.1, J2 = J3 = 9.0, 1H, H-4'), 1.68 (ddd, J1 = 13.9, J2 = J3 = 6.4, 1H, H-4'), 1.51 (sept., J = 6.8, 1H, Me2CH), 1.24 (t, J = 7.0, 3H, OCH2CH 3), 0.77 (d, J = 6.8, 6H, (CH 3)2CH), 0.74 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.01 + -0.01 (2xs, 6H, CH 3Si); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ= 166.2 (C1), 159.3 (C4"), 150.6 (C2"), 147.3 (C1'), 140.3 (C6"), 137.8 (C3), 133.7 (C2'), 121.7 (C2), 96.9 (C5"), 62.8 (CH2OSi), 60.5 OCH2CH3), 60.3 (C3'), 45.7 (C5'), 33.9 (Me2 CH), 33.8 (C4'), 25.2 (Me2 CSi), 20.28 and 20.13 ((CH3)2CH), 18.35 および 18.26 ((CH3)2CSi), 14.1 (OCH2 CH3), −3.56 および −3.64 ((CH3)2Si); FT-R (ATR): 3178 (w, N-H), 3053 (w, N-H), 2954 (m, C-H), 2864 (w, C-H), 1705 (s, C=O), 1637 (m, C=C), 1617 (m), 1442 (m), 1389 (w), 1366 (w), 1337(w), 1306 (m), 1265 (m, C-O), 1249 (m, C-O), 1174 (m), 1112 (m), 1066 (w), 1034 (m), 985 (w), 874 (w), 830 (m), 777 (m)
【0174】
35. (3RS,5RS)-3-[3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステル(rac-43d)の調製
【0175】
【化45】
Figure 2004533427
【0176】
0.2mmolスケールでの実験により、rac−42cから始めて、収率72%で、無色の油として、rac−43dが得られた(プロトコル31による)。
【0177】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 9.61 (s, 1H, NH), 7.44-7.32 (m, 12H, H-6", H-3, 2xPh), 5.94 (d, Jtrans = 16.1, 1H, H-3), 5.93 (s, 1H, H-2'), 5.61 (m, 1H, H-3'), 4.22 (q, J = 7.1, 2H, OCH 2CH3), 3.74 (m, 2H, SiOCH 2), 3.08 (m, 1H, H-5'), 2.77 (ddd, J1 = 14.2, J2 = J3 = 8.8, 1H, H-4'), 1.79 (ddd, J1 = 14.1, J2 = J3 = 6.3, 1H, H-4'), 1.30 (t, J = 7.0, 3H, OCH2CH 3), 1.04 (s, 9H, C(CH 3)3); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 166.2 (C1), 159.1 (C4"), 150.3 (C2"), 147.7 (C1'), 140.0 (C6"), 137.6 (C3), (135.5 + 135.4) および (132.9 + 132.7) および (129.9 + 129.5) および (127.8 + 127.7) (Phのすべて), 133.4 (C2'), 122.2 (C2), 97.1 (C5"), 64.2 (CH2OSi), 60.7 (OCH2CH3), 60.4 (C3'), 46.0 (C5'), 34.3 (C4'), 26.9 ((CH3)3C), 19.2 ((CH3)3 C), 14.2 (OCH2 CH3); FT-IR (ATR): 3472 (w), 3178 (w, N-H), 3066 (w, N-H), 2953 (w, C-H), 2854 (w, C-H), 1703 (s, C=O), 1638 (m, C=C), 1617 (m), 1442 (m), 1426 (m), 1367 (w), 1306 (w), 1266 (m, C-O), 1240 (m, C-O), 1175 (m), 1110 (s), 1034 (w), 985 (w), 821 (m), 741 (m), 702 (s)
【0178】
36.タイプ43’のジエンのFe(CO)3錯体化のための一般的プロトコル
【0179】
【化46】
Figure 2004533427
【0180】
無水Et2O(5ml)中のFe2(CO)9(91mg、0.25mmol)の撹拌した懸濁液へ、ジエンrac−43’(0.1mmol)を含む無水Et2O(1ml)の溶液を、アルゴン下で添加し、混合物を、還流下で24時間加熱する。室温に冷却した後、真空下で溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CyHex=1:4〜1:2)によって残渣を精製する。主生成物rac−44’に加えて、いくらかの量のジアステレオマー錯体生成物も、常に得られる(別々に)。
【0181】
37.(3SR,5RS)-3-[5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステルトリカルボニルアイロン(rac-44a)の調製
【0182】
【化47】
Figure 2004533427
【0183】
0.1mmolスケールでの実験により、rac−43aから始めて、赤橙色の油として、収率37%で、rac−44aが得られた(プロトコル36による)。
【0184】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.99 (s, 1H, NH), 7.59 (d, Jcis = 7.7, 1H, H-5"), 6.06 (d, J = 7.9, 1H, H-3), 5.68 (d, Jcis = 8.0, 1H, H-6"), 5.16 (dd, J1 = 10.0, J2 = 3.4, 1H, H-3'), 4.10 (m, 2H, OCH 2CH3), 3.98 (dd, J1 = 10.1, J2 = 4.9, 1H, SiOCH a), 3.78 (dd, J1 = 10.2, J2 = 5.9, 1H, SiOCH b), 3.14 (m, 1H, H-5'), 2.66 (ddd, J1 = 15.5, J2 = J3 = 9.5, 1H, H-4a'), 1.87 (s, 1H, H-2'), 1.76 (ddd, J1 = 15.3, J2 = J3 = 3.5, 1H, H-4b'), 1.62 (Sept., J = 6.8, 1H, Me2CH), 1.22 (t, J = 7.1, 3H, OCH2CH 3), 0.86 (d, J = 6.8, 6H, (CH 3)2CH), 0.85 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.70 (d, J = 7.6, 1H, H-2), 0.14 + 0.12 (2xs, 6H, CH 3Si); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 171.8 (C1), 163.0 (C4"), 150.5 (C2"), 141.2 (C6"), 113.1 (C1'), 102.7 (C5"), 78.2 (C3), 67.3 (CH2OSi), 64.2 (C2'), 60.7 (OCH2CH3), 59.4 (C3'), 49.6 (C2), 45.4 (C5'), 34.0 (Me2 CH), 33.9 (C4'), 25.5 (Me2 CSi), 20.5 and 20.3 ((CH3)2CH), 18.5 および 18.4 ((CH3)2CSi), 14.1 (OCH2 CH3), −3.2 および −3.3 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3189 (w, N-H), 3053 (w, N-H), 2956 (m, C-H), 2865 (w, C-H), 2055 (s,
【数28】
Figure 2004533427
), 1992 (s,
【数29】
Figure 2004533427
), 1974 (s,
【数30】
Figure 2004533427
), 1701 および 1697 および 1692 および 1681 (s, C=O), 1630 (m, C=C), 1495 (w), 1461 (m), 1427 (m), 1375 (m), 1275 (m, C-O), 1250 (m, C-O), 1177 (m), 1098 (m), 1033 (m), 873 (w), 830 (m), 778 (m), 615 (m), 607 (m)
【0185】
38.(3RS,5RS)-3-[5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステルトリカルボニルアイロン(rac-44b)の調製
【0186】
【化48】
Figure 2004533427
【0187】
0.1mmolスケールでの実験により、rac−43bから始めて、赤橙色の油として、収率40%で、rac−44bが得られた(プロトコル36による)。
【0188】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.56 (s, 1H, NH), 7.10 (s, 1H, H-6"), 6.12 (d, J = 7.9, 1H, H-3), 5.07 (dd, J1 = 9.4, J2 = 3.6, 1H, H-3'), 4.11 (m, 2H, OCH 2CH3), 3.84 (dd, J1 = 10.2, J2 = 6.3, 1H, SiOCH a), 3.73 (dd, J1 = 10.1, J2 = 7.6, 1H, SiOCH b), 3.12 (m, 1H, H-5'), 2.60 (ddd, J1 = 15.5, J2 = J3 = 9.1, 1H, H-4a'), 1.89 (s, 4H, H-2'+ CH3), 1.73 − 1.56 (m, 2H, H-4b'+ Me2CH), 1.23 (t, J = 7.2, 3H, OCH2CH 3), 0.88 (d, J = 6.5, 6H, (CH 3)2CH), 0.87 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.72 (d, J = 7.8, 1H, H-2), 0.13 (s, 6H, CH 3Si); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 171.7 (C1), 163.3 (C4"), 150.4 (C2"), 136.3 (C6"), 112.9 (C1'), 111.2 (C5"), 78.9 (C3), 66.9 (CH2OSi), 63.4 (C2'), 60.6 (OCH2CH3), 60.0 (C3'), 46.6 (C2), 45.5 (C5'), 34.1 (Me2 CH), 33.8 (C4'), 25.4 (Me2 CSi), 20.4 および 20.3 ((CH3)2CH), 18.6 および 18.5 ((CH3)2CSi), 14.1 (OCH2 CH3), 12.6 (5"-CH3), -3.3 (CH3Si); FT-IR (ATR): 3178 (w, N-H), 3047 (w, N-H), 2955 (m, C-H), 2864 (w, C-H), 2094 (w,
【数31】
Figure 2004533427
), 2056 (s,
【数32】
Figure 2004533427
), 2023 (s,
【数33】
Figure 2004533427
), 1991 (s,
【数34】
Figure 2004533427
), 1701 および 1698 および 1692 (s, C=O), 1465 (m), 1450 (w), 1426 (w), 1389 (w), 1376 (w), 1366 (w), 1278 (m, C-O), 1250 (m, C-O), 1220 (w), 1175 (m), 1111 (m), 1094 (m), 1035 (w), 873 (w), 830 (m), 777 (m), 621 (m), 610 (m)
【0189】
39.(3RS,5RS)-3-[3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステルトリカルボニルアイロン(rac-35 = rac44c)の調製
【0190】
【化49】
Figure 2004533427
【0191】
0.1mmolスケールでの実験により、rac−43cから始めて、シクロヘキサンから結晶化して、黄色の油として、収率73%でrac−44cが得られた(プロトコル36による)。
【0192】
融点: 100 − 104℃(CyHex); 1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.79 (s, 1H, NH), 7.64 (s, 1H, H-6"), 6.13 (d, J = 7.9, 1H, H-3), 5.09 (dd, J1 = 9.6, J2 = 3.6, 1H, H-3'), 4.12 (m, 2H, OCH 2CH3), 3.87 (dd, J1 = 10.1, J2 = 6.2, 1H, SiOCH a), 3.73 (dd, J1 = 10.1, J2 = 7.2, 1H, SiOCH b), 3.14 (m, 1H, H-5'), 2.63 (ddd, J1 = 15.3, J2 = J3 = 9.4, 1H, H-4a'), 1.85 (s, 1H, H-2'), 1.72 (ddd, J1 = 15.6, J2 = J3 = 3.9, 1H, H-4b'), 1.65 (Sept., J = 6.9, 1H, Me2CH), 1.23 (t, J = 7.1, 3H, OCH2CH 3), 0.88 (d, J = 6.6, 6H, (CH 3)2CH), 0.88 (s, 6H, C(CH 3)2), 0.76 (d, J = 7.7, 1H, H-2), 0.16 + 0.15 (2xs, 6H, CH 3Si); 13C NMR (63 MHz, CDCl3): δ= 171.6 (C1), 158.6 (C4"), 149.7 (C2"), 140.0 (C6"), 112.9 (C1'), 97.0 (C5"), 79.0 (C3), 67.0 (CH2OSi), 62.4 (C2'), 60.73 (OCH2CH3), 60.69 (C3'), 46.5 (C2), 45.7 (C5'), 34.1 (Me2 CH), 33.9 (C4'), 25.5 (Me2 CSi), 20.5 および 20.4 ((CH3)2CH), 18.6 および 18.5 ((CH3)2CSi), 14.1 (OCH2 CH3), −3.22 および −3.24 ((CH3)2Si); FT-R (ATR): 3179 (w, N-H), 3055 (w, N-H), 2954 (m, C-H), 2926 (m, C-H), 2863 (w, C-H), 2058 (s,
【数35】
Figure 2004533427
), 1996 (s,
【数36】
Figure 2004533427
), 1978 (s,
【数37】
Figure 2004533427
), 1701 (s, C=O), 1617 (w), 1445 (w), 1427 (w), 1376 (w), 1271 (m, C-O), 1252 (m, C-O), 1177 (m), 1104 (m), 1035 (w), 871 (w), 831 (m), 778 (w), 613 (m);
【0193】
40.(3RS,5RS)-3-[3-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-5-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)シクロペント-1-エニル]アクリル酸エチルエステルトリカルボニルアイロン(rac-44d)の調製
【0194】
【化50】
Figure 2004533427
【0195】
0.91mmolスケールでの実験により、rac−43dから始めて、黄橙色の油として、収率49%でrac−44dが得られた(プロトコル36による)。
【0196】
1H NMR (250 MHz, CDCl3): δ= 8.58 (s, 1H, NH), 7.67-7.63 (m, 5H, H-6"+ Ph), 7.44-7.35 (m, 6H, Ph), 6.10 (d, J = 8.0, 1H, H-3), 5.02 (dd, J1 = 9.4, J2 = 3.2, 1H, H-3'), 4.12 (m, 2H, OCH 2CH3), 3.81 (d, J = 7.0, 2H, SiOCH 2), 3.14 (m, 1H, H-5'), 2.60 (ddd, J1 = 15.7, J2 = J3 = 9.1, 1H, H-4a'), 1.76 (s, 1H, H-2'), 1.63 (ddd, J1 = 15.9, J2 = J3 = 3.6, 1H, H-4b'), 1.26 (t, J = 7.1, 3H, OCH2CH 3), 1.11 (s, 9H, (CH 3)3C), 0.67 (d, J = 7.8, 1H, H-2); FT-R (ATR): 3184 (w, N-H), 3068 (w, N-H), 2928 (w, C-H), 2855 (w, C-H), 2058 (s,
【数38】
Figure 2004533427
), 1997 (s,
【数39】
Figure 2004533427
), 1979 (s,
【数40】
Figure 2004533427
), 1698 (s, C=O), 1617 (w), 1444 (w), 1426 (m), 1375 (w), 1270 (m, C-O), 1238 (m, C-O), 1178 (m), 1111 (m), 1034 (w), 822 (w), 740 (w), 701 (m), 625 (w), 613 (m), 609 (m);
【0197】
41.5-O-(トリチル)-D-リボノ(ribono)-1,4-ラクトン(45’)の調製
【0198】
【化51】
Figure 2004533427
【0199】
20.1gの(+)−D−リボニックアシッド(ribonic acid)γ−ラクトン(0.136mol)を、350mlのピリジンに溶解した。水を本質的に除去するために、約50mlの溶媒を、ロータリーエバポレーターにおいて蒸留した。次いで、41.7gのクロロトリフェニルメタン(0.149mmol)を添加し、そして乾燥チューブ(CaCl2)を適用した。55℃で一晩撹拌を行った。ロータリーエバポレーターにおいて、溶媒を実質的に除去した。残渣を、EtOAcおよび0.1% HClによって分離漏斗へ移した。有機相を、飽和NaCl溶液によって洗浄し、そして、水相を、EtOAcによって2回、再抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去し、そして、生成物を、クロロホルムから再結晶させた。生成物45’は、1当量のクロロホルムとともに、細い白色針状物(needles)として結晶化した(44.0g、63%)。母液の濃縮により、更に490mg(4%)得られた。
【0200】
[α]D 20= +33.5 (ベンゼン中c=1.0); 1H NMR (250MHz, C6D6): δ= 2.40 (d, J= 1.5Hz, 1H, HO-C4, D2Oに対して交換可能), 2.58 (d, J= 4.4Hz, 1H, HO-C3, D2Oに対して交換可能), 2.68 (dd, J= 2.6, 10.9Hz, 1H, CHHO), 3.23 (dd, J= 3.2, 10.9Hz, 1H, CHHO), 3.73 (dd, J= 1.5, 5.4Hz, 1H, H-C4), 4.10 (Ψt, 1H, H-C5), 4.63 (dd, J= 4.4, 5.4Hz, 1H, H-C3), 6.957.07 および 7.307.34 (m, 15H, ArH); 13C NMR (62.5MHz, CDCl3): δ= 63.3 (CH2O), 69.8 (C4), 70.6 (C3), 84.5 (C5), 88.0 (CAr3), 127.6, 128.3, 128.4, 143.6 (Ar), 177.2 (C2); FT-IR: 3416, 3055, 2931, 2872, 1777, 1595, 1488, 1447, 1220, 1181, 1139, 1090, 1031, 1022, 993, 947, 766, 745, 703; MS (EI, 70eV): 390 (18) [M]+, 313 (20), 243 (100), 183 (19), 165 (47); HR-MS (EI, 70eV): C24H22O5について計算: 390.147; 測定: 390.146; 融点: 104.6℃
【0201】
42.トリフルオロメタンスルホン酸2-オキソ-5-トリチルオキシメチル-2,5-ジヒドロフラン-3-イル エステル(46)の調製
【0202】
【化52】
Figure 2004533427
【0203】
10.45gのラクトン45’(20.5mmol)を、保護ガス雰囲気下、100mlの乾燥ジクロロメタンおよび8.6mlの乾燥ピリジン(0.107mol)に溶解し、−78℃に冷却した。9.5mlのトリフルオロメタンスルホン酸無水物(trifluoromethanesulfonic anhydride)(56.3mmol)を含む35mlの乾燥ジクロロメタンの溶液を、混合物へ滴下して添加した。1時間後、溶液を−15℃にして、更に撹拌した。−78℃に冷却した後、100mlのジエチルエーテルを添加し、そして、更に500mlのジエチルエーテルを用いて、シリカゲルによって溶液を濾過した。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去し、CyHex/EtOAC(8/1)を用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって、未精製生成物を精製した。ヘキサン/MTBEから再結晶して、生成物46(8.84g、85%)を、白色の固体として得た。
【0204】
[α]D 20 = -43.9 (CHCl3中c= 1.0), 1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= 3.44 (dd, JAB= 10.5Hz, J= 4.3Hz, 1H, CHHO), 3.55 (dd, JAB= 10.5Hz, J= 4.7Hz, 1H, CHHO), 5.06 (m, J= 4.5, 1.9Hz, 1H, HC5), 7.11 (d, J= 1.9, 1H, HC4), 7.247.40 (m, 15H, ArH); 13C NMR (62.5MHz, CDCl3): δ= 62.7(CH2O), 77.7 (C5), 87.4 (Ar3CO), 118.5 (q, JCF= 319Hz, CF3), 127.5, 128.1, 128.5 (Ar), 136.1 (C4), 137.8 (C3), 142.8 (Ar), 163.6 (C2); 融点: 140.1℃(黄色に変色した)
【0205】
43.5-トリチルオキシメチル-3-ビニル-5H-フラン-2-オン(47a)の調製
【0206】
【化53】
Figure 2004533427
【0207】
37mgのPd2(dba)3・CHCl3(0.040mmol)および86mgのトリフェニルアルシン(triphenylarsine)(0.28mmol)を、アルゴン雰囲気中で、10mlの乾燥THFへ溶解した。赤橙色のテトラキス(トリフェニルアルシン)パラジウム錯体が形成された後、1.01gの塩化リチウム(24.1mmol)および2.55gのトリブチルビニルスタナン(tributylvinylstannane)(8.04mmol)を添加した。この混合物へ、4.05gのトリフラート46(8.04mmol)を含む15mlの無水THFの溶液を、15分間で滴下して添加した。10分後、2.43gのフッ化セシウム(16mmol)を添加した。混合物を、2時間撹拌した後に酢酸エチルによって分離漏斗へ移し、50mlの半分濃縮した(half-concentrated)塩化ナトリウム溶液で洗浄した。相が分離した後、飽和塩化ナトリウム溶液によって有機相を洗浄した。酢酸エチルによって、水相を2回、再抽出し、そして、合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させた。シクロヘキサン/酢酸エチル(12/1)を用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって、生成物を精製した。NMRからわかるように、生成物(2.99g)は、14%のトリブチルクロロスタナンを、依然として含んでいたが(47aの収率:87%)、更なる精製なしで、以下に記載するように、ノナカルボニルジアイロン(nonacarbonyldiiron)と錯体化した。特徴付けのために、生成物47aの分析試料を、シクロヘキサン/酢酸エチル(15/1)から再結晶させた。
【0208】
[α]D 20 = -41.0 (CHCl3中c=1.0); 1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= 3.35 (dd, JAB= 5.3Hz, J= 5.0Hz, 1H, CH2O), 4.98 (m, J= 5.0, 1.7Hz, 1H, HC5), 5.48 (dd, J= 2.0, 10.8Hz, 1H, CHH=CH), 6.27 (dd, J= 2.0, 17.7Hz, 1H, CHH=CH), 6.42 (dd, J= 10.8, 17.7Hz, 1H, CH2=CH), 7.09 (d, J= 1.5Hz, 1H, HC4), 7.227.32 および 7.38-7.43 (m, 15H, ArH); 13C NMR (62.5MHz, CDCl3): δ= 63.9(CH2O), 79.6 (C5), 87.0 (Ar3CO), 121.6 (CH2CH), 125.3 (CH2CH), 127.3, 128.0, 128.6 (Ar), 130.5 (C3), 143.3 (Ar), 146.0 (C4), 171.3 (C2); FT-IR 3056, 3020, 2918, 2868, 1963, 1757, 1594, 1488, 1447, 1407, 1345, 1272, 1218, 1152, 1103, 1074, 1031, 1013, 990, 933, 910, 870, 796, 767, 746, 731, 705; MS (EI, 70eV): 382 (5) [M]+, 243 (100), 183 (9), 165 (57), 105 (31), 77 (25), 67 (12), 53 (17); HR-MS (EI, 70eV): C26H22O3について計算: 382.157; 測定: 382.157; 融点: 94.2℃
【0209】
44.[(1",2",3,4-η)-5-トリチルオキシメチル-3-ビニル-5H-フラン-2-オン]トリカルボニルアイロン(48a)の調製
【0210】
【化54】
Figure 2004533427
【0211】
102mgの47a(0.267mmol)を含む5mlの乾燥THFの溶液へ、215mgのFe2(CO)9(0.590mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで、還流下で1時間加熱した。次いで、215mgのFe2(CO)9を再度添加し、そして混合物を、室温で1時間撹拌し、還流下で更に加熱した。次いで、混合物を、大気中でシリカゲルによって濾過し、ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去し、そして、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、副産物として形成されたFe3(CO)12を、シクロヘキサン(CyHex)によって最初に溶出し、次いで、生成物を、CyHex/EtOAc(20:1)によって溶出した。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去した後、50mgの48a(0.096mmol、36%)が、黄色の固体として得られた。
【0212】
1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= 0.11 (dd, J= 2.2, 9.5Hz, 1H, CHH=CH), 1.64 (dd, J= 2.2, 6.8Hz, 1H, CHH=CH), 2.05 (d, J= 0.8Hz, 1H, H-C4), 3.26 (dd, 4.1, 10.3Hz, 1H, CHHO), 3.44 (dd, J= 4.1 Hz, 10.3Hz, 1H, CHHO), 4.30 (Ψt, 1H, J= 4.1Hz, 1H, H-C5), 6.24 (dd, J= 6.8, 9.5 Hz, 1H, CHH=CH), 7.23 から 4.41 (m, 15H, ArH)
【0213】
45.[(1",2",3,4-η)-5-トリチルオキシメチル-3-ビニル-2,5-ジヒドロフラン-2-オル]トリカルボニルアイロン(49a)の調製
【0214】
【化55】
Figure 2004533427
【0215】
アルゴン雰囲気下で、770μlの1M DIBAL−H溶液を含むトルエン(0.77mmol)を、−78℃で、332mgの48a(0.636mmol)を含む20mlの無水トルエンへ、滴下して添加した。黄色の溶液を、この温度で2.5時間撹拌した。次いで、数滴のアセトンを添加し、混合物を、分離漏斗中の0.5Mの酒石酸溶液へ注ぎ、EtOAcによって抽出した。有機相を、飽和NaCl溶液によって洗浄し、Na2SO4によって乾燥させた。CyHex/EtOAc(15:1)を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって、235mgの収量(0.449mmol、71%)で、ジアステレオマー(NMR)の混合物として黄色の油の状態で、生成物49aが得られた。下記の転換(transformation)のために、この混合物を直接使用した。
【0216】
46.[1"',2"',3',4'-η-(5-メトキシ-4-ビニル-2,5-ジヒドロフラン-2-イル)メタノール]トリカルボニルアイロン(50a)の調製
【0217】
【化56】
Figure 2004533427
【0218】
アルゴン雰囲気下で、12mgのp-トルエンスルホン酸一水和物(0.061mmol)および130μlのo-ギ酸トリメチルエステル(130mg、1.22mmol)を、90mgの49a(0.305mmol)を含む15mlの無水MeOHの溶液へ添加し、そして、混合物を、室温で5時間撹拌した。次いで、ピリジンを2滴添加し、ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去した。残渣を、Hex:EtOAc(3.5:1)に溶解し、シリカゲルによって濾過した。溶媒を除去した後、生成物50aが、黄色の固体として得られた(89mg、99%)。
【0219】
1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= -0.01 (dd, J= 2.2, 8.8Hz, 1H, CHH=CH), 1.68 (dd, J= 2.2, 6.6Hz, 1H, CHH=CH), 1.73 (s, 1H, H-C4'), 2.83 (dd, J 2.5, 10.2Hz, 1H, OH), 3.36 から 3.59 (m, 4H, CHHO および CH3O), 3.75 (Ψt, 2.6, 12.1Hz, 1H, CHHO), 4.33 (Ψt, 1H, J= 2.9, 8.1Hz, 1H, H-C5'), 5.53 (s, 1H, H-C2'), 5.59 (dd, J= 6.6, 8.8Hz, 1H, CHH=CH)
【0220】
47.[1"',2"',3,4-η-5-(ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル)-2-メトキシ-3-ビニル-2,5-ジヒドロフラン]トリカルボニルアイロン(51a)の調製
【0221】
【化57】
Figure 2004533427
【0222】
アルゴン雰囲気下で、90μlのテキシルジメチルシリルクロライド(80mg、0.44mmol)を、87mgの50a(0.294mmol)および100mgのイミダゾール(1.47mmol)を含む3mlの無水ジクロロメタンに滴下して添加した。黄色の溶液を、室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をジクロロメタンで希釈し、水を添加し、そして更に撹拌を続けた。相が分離した後、ジクロロメタンによって水相を2回、再抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させた後、CyHex:EtOAc(15:1)を用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって、124mg(0.283mmol、96%)の収量で、黄色の油として、生成物51aが得られた。
【0223】
1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= -0.08 (dd, J= 2.2, 8.8Hz, 1H, CHH=CH), 0.08 および 0.09 (それぞれs, 6H, Si(CH3)2), 0.81 (s, 6H, SiC(CH3)2), 0.82 (d, J= 6.8 Hz, 6H, CH(CH3)2), 1.57 (sept, J= 6.8 Hz, 1H, CH(CH3)2), 1.64 (dd, J= 2.2, 6.6Hz, 1H, CHH=CH), 1.99 (s, 1H, H-C4), 3.44 (dd, J= 8.1 Hz, 9.7Hz, 1H, CHHO), 3.74 (dd, 5.9, 9.7Hz, 1H, CHHO), 4.09 (dd, 1H, J= 5.9, 8.1Hz, 1H, H-C5), 5.52 (s, 1H, H-C2), 5.59 (dd, J= 6.6, 8.8Hz, 1H, CHH=CH)
【0224】
48.[4-アミノ-1-[η4-5-[ジメチル-(1,1,2-トリメチルプロピル)シラニルオキシメチル]-3-ビニル-2,5-ジヒドロフラン-2-イル]-3,4-ジヒドロ-1H-ピリミジン-2-オン]トリカルボニルアイロン(52a)の調製
【0225】
【化58】
Figure 2004533427
【0226】
アルゴン雰囲気下で、290μlのトリメチルシリルトリフラート(356mg、1.60mmol)を、117mgの51a(0.267mmol)および275mgの2,4−ビス(トリメチルシロキシ)シトシン(1.07mmol)を含む6mlの乾燥ジクロロメタンの溶液へ滴下して添加した。黄色の溶液を、室温で4時間撹拌し、次いで、20mlの飽和NaHCO3溶液へ滴下して添加した。相が分離した後、ジクロロメタンによって、水相を2回抽出し、合わせた有機相を、飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。EtOAc/MeOH(30:1)を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって、116mg(0.224mmol、84%)の収量で、薄黄色の固体として、生成物(52a)を得た。
【0227】
1H NMR (250MHz, CDCl3): δ= -0.16 (dd, J= 2.2, 8.9Hz, 1H, CHH=CH), 0.08 および 0.09 (それぞれs, 6H, Si(CH3)2), 0.81 (s, 6H, SiC(CH3)2), 0.82 (d, J= 6.8 Hz, 6H, CH(CH3)2), 1.57 (sept, J= 6.8 Hz, 1H, CH(CH3)2), 1.68 (dd, J= 2.2, 6.7Hz, 1H, CHH=CH), 1.85 (s, 1H, H-C4'), 3.72 (dd, JAB= 14.1Hz, J= 4.5Hz, 1H, CHHO), 3.78 (dd, JAB= 14.1Hz, J= 4.1Hz, 1H, CHHO), 4.30 (Ψt, 1H, H-C5'), 5.73 (d, J= 7.4Hz, 1H, H-C5), 6.06 (Ψt, 1H, CHH=H), 7.00 (s, 1H, H-C2'), 7.98 (d, J= 7.4Hz, 1H, H-C6); FT-IR 3343, 3104, 2955, 2046, 1968, 1660, 1632, 1484, 1400, 1276, 1250, 1170, 1108, 1079, 1033, 830, 775, 730; MS (ESI, 70eV): 540 (100) [MNa]+, 518 (41) [M-H]+, 407 (76), 276 (39); HR-MS (ESI, 70eV): C22H31FeN3O6Si-Hについて計算: 518.141; 測定: 518.140.
【0228】
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【図面の簡単な説明】
【0229】
【図1】悪性リンパ母細胞におけるヌクレオシドアナログN76およびN69のプロアポトーシス効果。N69の調製物は、異性体である不純物を含んでいた。
【図2】悪性リンパ母細胞におけるN76によって誘発されるカスパーゼ−3の活性化。
【図3】造血システムの様々な悪性疾患に苦しむ患者の一次細胞におけるヌクレオシドアナログN69のプロアポトーシス効果。
【図4】確立された細胞成長抑止剤と比べた、患者の一次細胞におけるヌクレオシドアナログN69およびN76のプロアポトーシス効果。
【図5】N69の抗増殖効果および細胞死誘発効果への錯体鉄の影響。
【図6】炭素環式ヌクレオシドアナログJV−206−1(構造式35)は、ミトコンドリアアポトーシスシグナル経路を経て、BJAB細胞において細胞死を引き起こす。

Claims (9)

  1. 構造式1aもしくは1bの化合物および/またはそれらの塩類を少なくとも1つ含む薬剤:
    Figure 2004533427
    式中、X=O、S、CH、NR、結合なし、但し、X=Oの場合、式1aの化合物は、式1’aに記載の金属リガンド錯体と結合する;
    Y=アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミン、ブロモウラシル、プリン、またはピリミジン、およびそれらの誘導体、核塩基類、複素環類、アミノアルキル、アミノアリール、または水素結合し得る他の残基;
    Z=アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、−(CHOR’(但し、R’=H、SiR、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アシル、および、n=0〜5、好ましくはn=1;
    a=結合なし、単結合またはCH、式1bではCHCHでもあり得る;
    b=結合なし、単結合またはCH;aおよびbは、aおよびbを含む部分が1,3−ジエンを含むように選択される;
    =−H、F、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、OR、−COR、−SOOR、−CONR
    =−H、F、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、OR、−COR、−SOOR、−CONR
    R=H、分岐アルキルおよび直鎖アルキル、特に、メチル、エチル、プロピル、テキシル、tert−ブチル。
  2. 構造式1’aまたは1’bを有することを特徴とする、請求項1に記載の薬剤:
    Figure 2004533427
    式中、
    nは、2〜4の整数であり、
    M=Mn、Fe、Co、Ru;および
    L=CO、CN−R、CN、CR、COR、Hal、シクロペンタジエニル(Cp)、または置換Cp誘導体;かつ、
    同一または異なるLは、1つのMと結合し得る。
  3. 前記少なくとも1つの構造式1’aまたは1’bの化合物が、構造式2、3、4a、4b、または4cを有することを特徴とする、請求項2に記載の薬剤:
    Figure 2004533427
    式中、
    Fe(CO)ユニットは、η結合しており;
    X=O、CH、または結合なし;および、
    Y、Z、RおよびRは、請求項1と同様に選択される。
  4. 前記少なくとも1つの構造式2の化合物が、構造式5を有することを特徴とする、請求項3に記載の薬剤:
    Figure 2004533427
    式中、
    X=O、CH
    Y=アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミン、ブロモウラシル、プリン、またはピリミジン、およびそれらの誘導体、核塩基類、複素環類;
    =−H、−COR;
    =H、SiR、アルキル、フルオロアルキル、アリール、フルオロアリール、アシル;
    但し、Rは、請求項1と同様に選択される。
  5. 請求項4に記載の構造式5の化合物であって、
    =SiR、X=O;
    YおよびRは、請求項4と同様に選択され、かつ、Rは、請求項1と同様に選択される(但し、Yがブロモウラシル、ウラシルまたはメチルウラシルの場合、Rはテキシル(CHSiではない)
    ことを特徴とする、前記化合物。
  6. Figure 2004533427
    からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
  7. Figure 2004533427
    からなる群から選択される、請求項4に記載の構造式5の化合物。
  8. 骨髄もしくは他の造血器の悪性疾患、充実性腫瘍、上皮性腫瘍、良性もしくは半悪性短期増殖腫瘍または皮膚病、特に、尋常性乾癬、ケロイドおよび基底細胞癌、リンパ腫、特に、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、炎症、慢性炎症、細菌性疾患、および自己免疫疾患、の治療のための、ならびに、抗バクテリア、抗カビ、抗原虫、抗プラスモジウム、抗寄生虫、または免疫抑制剤治療のための、ならびに/または、アポトーシスを引き起こすための薬剤の調製のための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/または構造式1a:
    Figure 2004533427
    (式中、X=O、S、CH、NR、または結合なし;かつ
    Y、Z、a、b、R、およびRは、請求項1と同様に選択される)
    の化合物の使用。
  9. 請求項5、6、および/または7に記載の化合物の合成のための方法であって、好ましくは、ルイス酸の存在下でシリル化核塩基類を用いる、ジアステレオ選択性鉄担持求核置換の反応段階を含み、かつ、この反応段階において、構造式5におけるように位置するY位に、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ基を有する出発物質を反応させて、このヒドロキシ基に代えて核塩基を導入することを特徴とする、前記方法。
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