JP2004533374A - 使い捨て及び（又は）リサイクル可能なパレット及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】荷の運搬中、衝撃吸収効果をもたらすパレットを提供する。
【解決手段】包装品から成る荷を支持するパレットが開示される。パレットは、荷を構成する層のうち少なくとも１つに巻き付けられた軟質フィルムを含む支持構造体を有する。軟質フィルムは、全体として互いに垂直であって、好ましくは軟質フィルムが層の少なくとも大部分を覆うよう同一平面内に位置した２本の軸線回りに巻き付けられている。パレットは、軟質フィルムにくっつけられていて、フォークリフトのフォークを受け入れるようになったベースを更に有している。ベースは、使い捨て／リサイクル可能な材料、例えばプラスチックフォーム（スタイロフォームとも呼ばれている）の多数の小片から構成されたものであるのがよい。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は一般に、包装品から成る荷を支持して運搬するのに用いられるパレットに関し、特に、使い捨て及び（又は）リサイクル可能なパレット及びパレットの製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
パレットは典型的には、包装品から成る荷を支持するために用いられ、荷をリフトトラック、例えばフォークリフトによって持ち上げて運ぶことができる。数層の包装品をパレット上に積むことができ、次に、荷をパレット上で安定化するため、例えば軟質包装材又は収縮包装材を用いて荷をその周囲に沿ってぐるりと固定するのがよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
パレットの中には、包装品が積まれるプラットホーム及びフォークリフトの「フォーク」を受け入れるようになったチャネルを備えたベースを有するものがある。これらパレット（以下、「プラットホームフォーム型パレット」という）は典型的には、木材又はプラスチックから作られ、多数回にわたり再使用可能である。プラットホーム型パレットを用いる場合の欠点としては、パレットの製造費が高いこと、パレットの保管に必要な空間が広いこと、パレットの保管費が高いこと、目的地までのパレット及びその荷の輸送費が高いこと、及び目的地からパレットを送り戻してこれを再使用できるようにするのが不便なことが挙げられる。輸送費は、比較的重量のあるパレット（例えば木製パレット）については非常に高くつく。重量の制限に起因して、比較的重量のあるパレットで輸送できる製品の量が減少する。さらに、これらパレットは一般的に再使用可能であるが、破損を生じがちである（特に、木製パレットの場合）。
【０００４】
プラットホーム型パレットの比較的薄手であって軽量の代替手段が、「スリップシート」又は「スリップパレット」として知られている。図１を参照すると、従来型スリップパレット１０は例えば１以上の延長縁部１２を備えた薄いシート状の軽量材料、例えばプラスチックである。スリップパレット１０には包装品２０が装填されており、包装品は通常、荷２２の安定化のために荷の周囲に沿って（即ち、垂直軸線回りに）ラップが施される。専用リフトトラック２４が、スリップパレット１０の縁部、例えば縁部１２を掴み、スリップパレット１０をプラットホーム２６上に引っ張り、そして次に所望に応じて荷２２を持ち上げて運搬する。荷２２は持ち上げられてプラットホーム２６上に移されるので、荷２２の重量は、先導端部１４からその反対側の（後続）端部１６にシフトし（“Ｌ１”及び“Ｌ２”で示されている）、それにより、これら端部１４，１６上の最も下に位置する層１８上に載っている包装品（例えば２０ａ，２０ｂ）が損傷する恐れがある。リフト（持上げ）角“Ａ”が大きければ大きいほど、後続端部１６上に位置する包装品（例えば２０ｂ）、特に、最も下に位置する層１８上に位置する包装品に加わる重量“Ｌ２”がそれだけ一層大きくなる。
【０００５】
プラットホーム型パレット又はスリップパレットの何れを用いても、荷の振動及び押し合いにより輸送中に包装品の最も下の層に更に損傷が生じる場合がある。
【０００６】
上述のことに鑑みて、本発明の目的は、使い捨て／リサイクル可能なプラットホーム型パレットとして本質的に機能するパレットを提供することにある。
【０００７】
また、本発明の目的は、荷の運搬中、衝撃吸収効果をもたらすパレットを提供することにある。本発明の別の目的は、かかるパレットを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
包装品から成る荷を支持するパレットが開示される。パレットは、荷を構成する層のうち少なくとも１つに（例えば最も下に位置する層）巻き付けられた軟質フィルムを含む支持構造体を有する。軟質フィルムは、全体として互いに垂直であって、好ましくは軟質フィルムが層の少なくとも大部分を覆うよう同一平面内に位置した２本の軸線回りに巻き付けられている。パレットは、軟質フィルムにくっつけられていて、フォークリフトのフォークを受け入れるようになったベースを更に有している。ベースは、使い捨て／リサイクル可能な材料、例えばプラスチックフォーム（スタイロフォームとも呼ばれている）の多数の小片から構成されたものであるのがよい。
【０００９】
本発明のパレットを製造する方法が開示される。この方法では、荷の層のうち少なくとも１つを軟質フィルムで第１の軸線回りにくるみ、次に、その層を軟質フィルムで第１の軸線に対し全体的に垂直であって、好ましくは同一平面上に位置する第２の軸線回りにくるむ。次に、上述のベースを軟質フィルムにくっつける。例えばスタイロフォームのようなプラスチックフォームを利用する場合、完全には硬化していない少なくとも１つのプラスチックフォーム片を準備し、プラスチックフォーム片を軟質フィルムに押し付け、次にプラスチックフォーム片が完全に硬化するようにし、それにより、プラスチックフォーム片が軟質フィルムにくっつくようにすることによってベースを軟質フィルムにくっけるのがよい。別の方法では、プラスチックフォーム小片の表面を再溶融させ、次に、軟質フィルムにくっつけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
本発明の例示の現時点おいて好ましい実施形態が図面に示されている。
図２に示すように、本発明のパレット１００は、包装品５２から成る荷５０を支持するようになっており、荷を従来型リフトトラック、例えばフォークリフトによって持ち上げて運搬することができる。代表的な荷５０は、最も下に位置する層５４ａを含む数個の層５４で構成されている。包装品５２は、例えば図示のように矩形のカートンであるのがよい。しかしながら、これら包装品５２は単なる例示であり、本発明のパレット１００は他の形式の包装品を支持するよう改造可能であることは理解されるべきである。さらに、図示の荷５０のサイズも又例示であり、本発明のパレット１００は、他の形態の荷を支持するよう改造可能である。例えば数個の荷５０及びパレット１００を互いに上に積み重ねることができ、最も下に位置するパレット１００は、この上に他の荷５０及びパレット１００の全てを支持するよう改造可能である。
図２及び図３に示すように、パレット１００は、ベース１０２及び支持構造体１０４を有するのがよい。支持構造体１０４は、荷５０の最も下に位置する層（例えば５４ａ）のうちの少なくとも１つを「プラットホーム」として利用して残りの層５４を支持する。最も下の層５４ａを支持構造体１０４に関して説明するが、２以上の層５４を利用して支持構造体１０４を形成してもよいことは理解されるべきである。
【００１１】
図３を参照すると、包装品５２の層５４ａが、所望の形態、例えば正方形又は矩形の形態（これは「パレチゼーション」と通称され、即ち、包装品をパレットサイズの層の状態に配列した状態）で互いに隣接して配置されている。包装品５２の層５４ａは、頂面６０、底面６２、第１の側面６４、第２の側面６６、第３の側面６８及び第４の側面７０を有するのがよい。次に、包装品５２の層５４ａを以下に説明するやり方で軟質フィルム１１０でくるみ又は包み、表面６０，６２，６４，６８，７０の全て（又は少なくともその大部分）が軟質フィルム１１０で覆われ、くるみ状態の層５４ａがプラットホーム型パレットのプラットホームと同様に残りの層５４（図２）を支持する「支持構造体」として機能できるようにする。次に、ベース１０４（これは、多数の軽量材料片１０６で構成されたものであるのがよい）を層５４ａの底面６２上の軟質フィルム１１０にくっつける。包装品５２の残りの層５４をパレット１００上に積んだ後、荷５０全体（図２）を例えば、軟質包装材又は収縮包装材を用いてその周囲周りに（即ち、層５４ａの側面６４，６６，６８，７０及び残りの層５４の対応関係にある側面周りに）固定して当該技術分野において周知であるようにパレット上の荷を安定化させるのがよい。荷５０のうち１以上の層５４を支持構造体１０４として利用することにより、パレット１００全体をその目的地への到着時に取り外すことができ、パレット１００全体及び荷５０を利用し、リサイクルすると共に（或いは）処分することができる。具体的に説明すると、支持構造体１０４に用いられる包装品５２の層５４は当然のことながら、荷５０の残部と一緒にエンドユーザにより利用されることになろう。層５４を軟質フィルム１１０及びベース１０２を使い捨て／リサイクル可能な材料で構成するのがよい。かくして、パレット１００の取外し時、軟質フィルム１１０及びベース１０２を処分すると共に（或いは）リサイクルすることができる。本明細書全体にわたって用いられる「使い捨て／リサイクル可能」という用語は、「使い捨て」と「リサイクル可能」という用語の両方の従来の定義を含むものである。というのは、使い捨て／リサイクル可能な製品のエンドユーザは通常、製品を処分するか又はリサイクルするかどうかの選択肢を持っているからである。
【００１２】
軟質フィルム１１０は、例えばオクラホマ州タルサ所在のＡＤＵストレッチ・ファームズ社によって製造されたプラスチックストレッチ包装材料であるのがよい。従来型ストレッチ包装装置、例えばフロリダ州タマラク所在のマイマ社によって市販されているストレッチ包装装置を用いて軟質フィルム１１０を包装品５２に巻き付けるのがよい（これについては、“www.itwmima.com ”を参照されたい）。図３に示すように、包装品の層５４ａを好ましくは、軟質フィルム１１０で２本の軸線ＡＡ，ＢＢ回りにくるむ。具体的に説明すると、軟質フィルム１１０を軸線ＡＡ回りに第１の方向、例えばＲ１で示す方向（この方向は、時計回り、反時計回りのいずれであってもよい）に頂面６０、第１の側面６４、底面６２及び第２の側面６６に被着させるのがよい。フィルム１１０を好ましくは先のくるみ又はラップ部と幾分オーバーラップした状態で荷に沿って方向Ｄ１にシフトさせ、ついには、表面６０，６２，６４，６６（又は、少なくともその大部分）が全て軟質フィルム１１０で覆われるようにする。以下に詳細に説明するように表面６０，６２，６４，６６を軟質フィルム１１０の２以上の層で覆うことが望ましい場合がある。次に、軟質フィルム１１０を軸線ＢＢ回りに第２の方向、例えばＲ２で示す方向（この場合も、この方向は時計回り、反時計回りのいずれであってもよい）に頂面６０、第３の側面６８、底面６２及び第４の側面７０に被着させるのがよい。フィルムを好ましくは先のくるみ又はラップ部と幾分オーバーラップした状態で荷に沿って方向Ｄ２にシフトさせ、ついには、表面６０，６２，６８，７０（又は、少なくともその大部分）が全て軟質フィルム１１０で覆われるようにする。この場合も又、以下に詳細に説明するように表面６０，６２，６８，７０を軟質フィルム１１０の２以上の層で覆うことが望ましい場合がある。また、表面のうち１以上（特に、底面６２上及び側面６４，６６，６８，７０のうち１以上の上）の軟質フィルム１１０に１以上の開口部（図示せず）を空けたままにしておいて漏れを生じている包装品５２のドレン又は排液を可能にすることが望ましい場合がある。軸線ＡＡ，ＢＢは最も好ましくは、同一平面（例えば水平面ＡＢＡＢ）上に位置し、これら軸線ＡＡ，ＢＢは全体として、図３に示すように互いに垂直であるのがよく、したがって、頂面６０及び底面６２が、側面６４，６６，６８，７０の２倍の軟質フィルム１１０で覆われるようにするのがよい。上述したように、ベース１０２は、層５４ａの底面６２上の軟質フィルム１１０にくっつけられる。したがって、ベース１０２は、荷５０全体（及び上述したようにこの荷の上に積み重ねることができる他の荷及び使い捨て／リサイクル可能なパレット）を支持するのに十分強固でなければならず、好ましくは、軽量のリサイクル可能／使い捨て材料、例えば「スタイロフォーム」と呼ばれているプラスチックフォームで作られる。弾性材料、例えばプラスチックフォームを利用することにより、ベース１０２は、衝撃吸収効果をもたらし、このベースは、荷５０の運搬中における荷５０の振動及び押し合いによる包装品５２の損傷を最小限に抑える、調和振動に対するダンパである。しかしながら、ベース１０２を、他の材料、例えばゴム、プラスチック又は木材で作ってもよく、かかる材料としては、従来リサイクルされていた材料、例えば既製木材が挙げられる。
【００１３】
従来型接着剤、例えば両面テープを用いてベース１０２を底面６２上の軟質フィルム１１０にくっつけることができる。しかしながら、射出成形材料、例えばプラスチックフォーム（スタイロフォームとも呼ばれている）を用いることにより、別個の接着剤を用いる必要性を回避できる。具体的に説明すると、プラスチックフォームを金型から取り出すと、このプラスチックフォームは、或る期間、ねばねばした又は粘着性のままである。第１の方法では、プラスチックフォームから作ったベース１０２をベース１０２が依然としてねばついている間に、包装品５２の底面６２上の軟質フィルム１１０に押し付け、次に、十分に硬化させ、それにより、ベース１０２を軟質フィルム１１０に固定することができる。別の方法では、既に硬化したプラスチックフォームから作ったベース１０２を利用してもよい。ベース１０２の少なくとも１つの表面（例えば小片１０６の各々の表面１０７（図３参照））をその表面１０７がねばつき又は部分的に溶融されるまで加熱するのがよい。次に、ねばねばした表面１０７を包装品５２の底面６２上の軟質フィルム１１０に押し付けるのがよい。ベース１０２が冷えると、このベースは、軟質フィルム１１０にくっつけられることになろう。
【００１４】
図２及び図４に示すように、ベース１０２は好ましくは、フォークリフトのフォーク（例えば５６、図６参照）を受け入れるチャネル１０８を有する。ベース１０２は、図示のようにその任意の側部１２０，１２２，１２４，１２６からフォークリフトのフォークを受け入れるようになったものであるのがよく、又は、図５に示すようにこれら側部のうちの２つだけ、例えば側部１２０，１２２からフォークリフトを受け入れるようになったものであってもよい。図２及び図４に示すチャネル１０８を形成するため、例示のベース１０２は、上述したように多数の小片１０６で構成されたものであるのがよい。図５に示すチャネル２０８を形成するためには、細長い形状ではなく、本明細書に記載した小片１０６と同一であるのがよい細長い小片２０６を設けてもよい。変形例（図示せず）として、ベース１０２を、チャネル１０８，２０８がフォークリフトによって使われるために設けられている限り、単一の材料片で構成してもよい。例えば図示の小片１０６，２０６をチャネル１０８，２０８内で薄い材料片で互いに連結してもよい。
【００１５】
小片１０６は、荷５０の重量を受けた状態であってもフォークリフトのフォーク（例えば５６、図６参照）をチャネル１０８に容易に挿入できるようにするのに十分な隙間“Ｈ２”（図２参照）を後に残す一様な高さ“Ｈ１”（図３）を有するべきである。例えば、小片の高さ“Ｈ１”は、約３〜４インチ（７．６〜１０．２ｃｍ）であるのがよい。隙間“Ｈ２”は、荷５０の重量に起因した小片１０６の沈下量を小片の高さ“Ｈ１”から引いた長さに等しく、沈下量は、一つにはベース１０２に用いられる材料で決まる。
【００１６】
次に、図４を参照すると、小片１０６の任意所望の表面寸法は、例えば“Ｗ２”דＷ３”であるのがよい。矩形の小片１０６が図示されているが、小片１０６は、断面が任意の形状、例えば正方形、円形又は多角形であってもよいことは理解されるべきである。さらに、各小片１０６の表面寸法は、適当なチャネル１０８を形成するのに必要な場合を除き、任意他の小片１０６の表面寸法に等しいものである必要はない。ベースの「フットプリント」は、小片１０６の総表面積、例えば“Ａ１”＋“Ａ２”＋“Ａ３”＋“Ａ４”＋“Ａ５”＋“Ａ６”＋“Ａ７”＋“Ａ８”＋“Ａ９”に等しく、この場合、各小片の表面積、例えば“Ａ１”は、各小片の表面寸法を互いに掛け合わせて得られる量、例えば“Ｗ２”דＷ３”に等しい。底面６２の全表面積“Ｗ４”דＷ５”と比較した所望のフットプリントは、以下に例で示すように荷５０の重量及びベース１０２に用いられる材料で決まる。
【００１７】
軟質フィルム１１０及びその包装材並びにベース１０２の特定の性質は、荷５０の特定の性質に応じ様々であってよい。一例を挙げると、包装品５２の荷５０（これは、例えば飲料入り缶を含む場合がある）は、重量が約２，２００ポンド（約１トン）の場合がある。本発明に従って十分に強固であるが、費用効果のよいパレット１００を提供するため、軟質フィルム１１０、例えばフィルム厚さが約０．００７５〜０．００９５インチ（０．１９〜０．２４ｍｍ）、最も好ましくは、約０．００８インチ（０．２０ｍｍ）のプラスチックストレッチ包装材を利用するのがよい。このフィルム１１０は予備延伸率が約１００〜２００％であるが、最も好ましくは２００％に近いものであるのがよい。ストレッチ包装装置に関する延伸力の設定値は、約２０〜５０ポンド（９〜２２．７ｋｇ）、最も好ましくは約２５ポンド（１１．３ｋｇ）であるのがよい。フィルム厚さ及び延伸力設定値は、包装材及び包装材内容物の強度に関して注意深く選択する必要のあることは注目されるべきである。具体的に説明すると、厚さの大きなフィルムでは、大きな延伸力の設定値が必要であり、延伸力設定値が大きすぎると、包装品５２（特に、厚紙の包装品）の損傷が生じる場合がある。
【００１８】
この例では、上述のオーバーラップは、軟質フィルム１１０の幅“Ｗ１”（図３）の約２５％〜４０％、最も好ましくは、約３０％であるのがよい。オーバーラップが比較的少ないと（例えば、この例では“Ｗ１”の約２５％）、「角の圧潰」と呼ばれている損傷が最小限に抑えられることが判明した。しかしながら、包装品５２の側方運動は、オーバーラップが比較的大きいと（例えば“Ｗ１”の約５０％）、最小限に抑えられた。かくして、オーバーラップは、望ましくない効果を最小限に抑えるよう調節するのがよい。各軸線ＡＡ，ＢＢ回りの完全なくるみ又はラップ部の総数は、３〜５であるのがよく、即ち、この例では、軟質フィルム１１０の層の総数は、６〜１０であるのがよい。もしより強固なパレットが望ましく且つ（或いは）より重量のある荷が加わる場合、軟質フィルムの層の総数を、特に軟質フィルムそれ自体のコストが一般に比較的低いので、容易に増加させることができる。上述したパレット１００を完成させるため、高さ“Ｈ２”が約３インチ（７．６ｃｍ）の４０ポンド〜６０ポンド（１８．１〜２７．２ｋｇ）等級のスタイロフォーム片１０６で作られた例示のベース１０２を利用するのがよい。これらの特性を持つベース１０２は、約４０ポンド／平方インチ（２．８ｋｇ／ｃｍ^２ ）の最大荷重に耐えることができる。２，２００ポンドの例示の荷は好ましくは、層５４ａの底面６２の総表面積“Ｗ４”דＷ５”の約２５％〜４０％、最も好ましくは約３０％のフットプリント（これについては、先に定義した）を備えるベースを利用することになろう。フットプリントの大きなベースを用いるのがよいが、フットプリントが大きければ大きいほどそれだけ一層チャネル１０８内へのフォークリフトのフォーク（例えば５６、図６参照）を挿入することが一層困難になる。本発明のベース１０２は、従来型パレットよりも非常に少ない材料を用いていることは明らかである。加うるに、プラスチックフォーム／スタイロフォームは、従来型パレットの構成材料、例えばプラスチック又は木材と比較して比較的安価な材料であることは理解されよう。
【００１９】
図２及び図３を参照すると、１以上の層（例えば５４ａ）を軟質フィルム１１０でくるみ、ベース１０２をこれにくっつけることによってパレット１００を形成した後、残りの層５４をパレット１００の上に積むのがよい。次に、荷５０を側方に固定するために当該技術分野で周知のやり方で荷５０全体をその周囲周りに、即ち、軸線ＣＣ（軸線ＡＡ，ＢＢ及び平面ＡＢＡＢに対し全体的に垂直な垂直軸線）回りに軟質フィルム、例えばストレッチ包装材、収縮包装材等でくるむのがよい。
【００２０】
図６は、フォークリフト（図示せず）のフォーク５６によって持ち上げられている本発明のパレット１００の上に載った例示の荷５０を示している。包装状態の荷５０を持ち上げるとき、荷５０に加わるフォーク５６の持ち上げ力“Ｌ３”，“Ｌ４”は荷の外周部２１０（例えば包装品の外側の列）の重量“Ｌ５”，“Ｌ６”と組み合わさって、荷を幾分弓形にする（“ＤＤ”で示されるように）場合がある。しかしながら、パレット１００の支持構造体１０４は二方向に（例えば軸線ＡＡ，ＢＢ回りに）しっかりとくるまれているので、また、包装された支持構造体１０４内の個々の包装品相互間（例えば包装品１３０，１３２、１３２，１３４、１３４，１３６相互間）の摩擦に起因して、支持構造体１０４は、この弓形効果が荷５０の安定性を脅かすようにはしない。
【００２１】
図１〜図６を参照すると、上述のパレット１０４の製造方法も又開示されている。この方法は、荷５０の多数の層のうち少なくとも１つ（例えば最も内側の層５４ａ）を第１の軸線ＡＡ又はＢＢ回りに軟質フィルム１１０でくるむ最初の工程を有する。次の工程では、同一の層５４ａを、全体として第１の軸線に垂直であり、好ましくは同一平面ＡＢＡＢ上に位置する第２の軸線ＢＢ又はＡＡ回りに軟質フィルム１１０でくるむ。次にベース１０２を軟質フィルム１１０にくっつける。プラスチックフォーム、例えばスタイロフォームがベース１０２に利用されている場合、ベース１０２を軟質フィルム１１０にくっつける工程は、完全には硬化していないプラスチックフォーム片を準備する工程と、プラスチックフォーム片を軟質フィルムに押し付ける工程と、プラスチックフォーム片が完全に硬化するようにし、それにより、プラスチックフォーム片が軟質フィルムにくっつくようにする工程とから成るのがよい。変形例として、上述したように、既に硬化したプラスチックフォームで作られたベース１０２を利用してもよい。ベース１０２上の少なくとも１つの表面（例えば小片１０６の各々の表面１０７、図３）を表面１０７がねばつき又は部分的に溶融するまで加熱するのがよい。次に、ねばねばした表面１０７を包装品５２の底面６２上の軟質フィルム１１０に押し付けるのがよい。ベース１０２は、冷えると軟質フィルム１１０にくっつくことになろう。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】従来型スリップパレット上で荷を操作するリフトトラックの側面図である。
【図２】本発明のパレット上の荷を示す等角図である。
【図３】荷を取り除いた状態の図２のパレットの等角分解図である。
【図４】図２のパレットの底面図である。
【図５】パレットの別の実施形態の底面図である。
【図６】フォークリフトのフォークで持ち上げられている図２のパレット上の荷の正面図である。

Claims (13)

1. 多数の層から成る包装品の荷を支持するパレットであって、
   ａ）第１の軸線及び第２の軸線回りに前記多数の層のうち少なくとも１つに巻き付けられた軟質フィルムを含む支持構造体を有し、前記第１の軸線は、前記第２の軸線に対し全体的に垂直であり、前記軟質フィルムは、前記多数の層のうちの前記少なくとも１つの少なくとも大部分を覆っており、
   ｂ）前記軟質フィルムにくっつけられていて、フォークリフトのフォークを受け入れるようになったベースを更に有していることを特徴とするパレット。
2. 前記多数の層のうち前記少なくとも１つは、前記荷の最も下に位置する層であることを特徴とする請求項１記載のパレット。
3. 前記第１の軸線及び前記第２の軸線は、同一平面上に位置していることを特徴とする請求項１記載のパレット。
4. 前記軟質フィルム及び前記ベースは、使い捨て／リサイクル可能な材料から構成されていることを特徴とする請求項１記載のパレット。
5. 前記ベースは、多数の軽量材料片で構成されていることを特徴とする請求項１記載のパレット。
6. 前記軽量材料は、プラスチックフォームであることを特徴とする請求項５記載のパレット。
7. 前記ベースの総表面積は、前記多数の層のうち前記少なくとも１つの底面の総表面積の約２５％〜４０％であることを特徴とする請求項１記載のパレット。
8. 多数の層から成る包装品の荷を支持するパレットを製造する方法であって、
   ａ）前記多数の層のうち少なくとも１つを軟質フィルムで第１の軸線回りにくるむ工程と、
   ｂ）前記多数の層のうち前記少なくとも１つを軟質フィルムで前記第１の軸線に対し全体的に垂直な第２の軸線回りにくるむ工程と、
   ｃ）ベースを前記軟質フィルムにくっつける工程とを有することを特徴とする方法。
9. 前記多数の層のうち前記少なくとも１つは、前記荷の最も下に位置する層であることを特徴とする請求項７記載の方法。
10. 前記第１の軸線及び前記第２の軸線は、同一平面上に位置していることを特徴とする請求項７記載の方法。
11. ベースを前記軟質フィルムにくっつける工程は、
    ａ）完全には硬化していない少なくとも１つのプラスチックフォーム片を準備する工程と、
    ｂ）前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片を前記軟質フィルムに押し付ける工程と、
    ｃ）前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片が完全に硬化するようにし、それにより、前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片が前記軟質フィルムにくっつくようにする工程とから成ることを特徴とする方法。
12. ベースを前記軟質フィルムにくっつける工程は、
    ａ）第１の表面を備えた少なくとも１つのプラスチックフォーム片を準備する工程と、
    ｂ）前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片の前記第１の表面を加熱して前記第１の表面が粘着くようにする工程と、
    ｃ）前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片の前記第１の表面を前記軟質フィルムに押し付ける工程と、
    ｄ）前記少なくとも１つプラスチックフォーム片の前記第１の表面が冷えるようにし、それにより、前記少なくとも１つのプラスチックフォーム片が前記軟質フィルムにくっつくようにする工程とから成ることを特徴とする請求項７記載の方法。
13. 多数の層から成る包装品の荷を支持するパレットであって、
    ａ）前記包装品の荷を支持する支持手段を有し、前記支持手段は、第１の軸線及び第２の軸線回りに前記多数の層のうち少なくとも１つに巻き付けられた軟質フィルムを含み、前記第１の軸線は、前記第２の軸線に対し全体的に垂直であり、前記軟質フィルムは、前記多数の層のうちの前記少なくとも１つの少なくとも大部分を覆っており、
    ｂ）前記支持手段にくっつけられていて、フォークリフトのフォークを受け入れるベース手段を更に有していることを特徴とするパレット。