JP2004533358A - 複数の境界層制御技術の効果および効率を高めるための方法および装置 - Google Patents

複数の境界層制御技術の効果および効率を高めるための方法および装置 Download PDF

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Abstract

壁面に対して移動している第1の流体の抗力を有意に低減させるために添加剤を噴射する装置および方法では、抗力低減物質(drag−reducing substance)は、分散した固体、液体、または気体として抗力低減物質を含む第2の流体(5)を、ノズル(13)を介して流すことによって調節される。次に、上記第2の流体を、その一部にコアンダ面(8)を有する開口を通って第1の流体に噴射する前に、第2の流体を渦室(4)を経由して通過させる。壁面に対して移動している流体に抗力低減物質を噴射する効果および効率を高め、したがって、境界層の望ましくない崩壊なしに、かつ従来の噴射技術において起こる境界層にわたる添加剤の急速な拡散なしに、複数の層を生成することを可能にするさらなる技術も開示する。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、流体に対して移動するプレートまたは船(plates or vessels)の抗力、あるいはたとえば船舶ウォータジェット推進機中を移動する液体などの内部流の抗力を低減するためのよりいっそう効果的な方法および装置に関する。本発明を境界層の特定領域に添加剤を噴射するのに用いて、望ましくない境界層の崩壊(disruption)をさせることなく、かつ、従来の噴射技術に固有の、境界層にわたる添加剤の急速な拡散なしに流体のレオロジー特性を変えることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、「外部」乱流境界層流に非ニュートン添加剤を噴射することによって得られる抗力低減の効果および効率は、「内部」流またはパイプ流に見られる効果および効率に限られていた。高いレイノルズ数の乱流パイプ流では、70〜80%の摩擦抗力の低減が観察されるが、平坦プレートにわたる高いレイノルズ数の乱流に噴射する場合、観察された摩擦抗力の最大の低減は、約40〜60%でしかない。さらに、外部境界層にみられる高い添加剤消費量は、海上輸送船に関して添加剤システムを実施することの経済的利益を制限してきた。外部流に添加剤を導入する噴射技術はまた、境界層に不安定と、場合によっては、好ましくない粘度勾配をもたらすため、噴射プロセスに関連した不利な条件により、正味の利益は大幅に低減される。抗力低減のために、境界層の壁近傍領域に添加剤を導入するよりいっそう効率的な方法が必要とされている。
【0003】
従来の技術では、進歩は添加剤の混合あるいは気泡発生に向けられ、エジェクタ(ejector)自体にほとんど注目が向けられていなかった。Fabulaらに付与された米国特許第4,186,679号(1980年2月5日に発行)は、エジェクタ自体におざなりの注目が払われていることを示している。この場合、エジェクタは、「後方に傾斜した複数の噴射装置」と認められる。同様に、Nadolinkに付与された米国特許第4,987,844号(1991年1月29日に発行)では、溶剤を受動的にポンピングし、複数の添加剤または懸濁液を混合し、その混合物を噴射のために最小圧力係数の位置に案内する方法および装置に主眼が置かれている。噴射装置は、多数のオプション、具体的には、「スクリーニング、メッシュ、多孔性媒体、穿孔材料、特定形状の貫通孔、円周スロットなど」の1つであるとして、および「他の形態の噴射装置...が本発明の成果を達成するのに用いることができる」としてのみ特定されているだけである。Reedらによる米国特許第5,445,095号(1995年、8月29日に発行)では、縦方向のリブレットをポリマー噴射と組み合わせて、ポリマーの拡散速度を予め制御する。しかしながら、材料がそのリブレットから離れて完全に拡散した最大下流距離は、約400個分のリブレットの幅として確認され、この幅は、船舶媒体に関してセンチメートルオーダー規模とされるが、本発明の拡散距離は、数十メートルのオーダーであることがわかっている。他の発明と同様に、特定の噴射技術は認められず、一連の「実現可能な」方法が列挙されているだけである。ともに1995年11月29日に公開された、それぞれMitsutake HideoおよびYoshida Yukiによる日本公開特許公報09/151913号および09/151914号では、気泡が船の没水表面(submerged surface)に沿って分散され、抗力を低減する。一番目の特許では、噴射器は、単純な直管であり、気泡用の管と液体用の上流管である。上流の「高運動エネルギー」噴射器の意図する目的は、没水表面近くの境界層の内側に、下流噴射器から気泡を流入させることである。2番目の特許は、「マイクロバブル発生装置」という名称であるが、重要な構成要素は、正弦波状流体経路(sinusoidal fluid path)を有する後方(上流)傾斜フレキシブルバブル発生装置(backwards (upstream) slanting flexible bubble generator)である。噴射ポートは、流れに抗して上流に面する、バブル発生装置の出口である。流れに対し添加剤を噴射すること、または、確立された境界層を高エネルギー壁面噴流(wall jet)により崩壊させることに関する影響に取り組んでいない。
【0004】
ナビエ−ストークスおよび乱流境界層の方程式を含む、境界層理論の古典的な説明は、Dr. Hermann Schlichting著、「Boundary−Layer Theory」(McGraw Hill, New York、第7版、1979年出版)において提供されている。乱流の構造および規模(scales)についての説明は、「Turbulence」(McGraw Hill、J. O. Hinze著、1975年)、および「Coherent Motions in the Turbulent Boundary Layer」、(Annual Review of Fluid Mechanics、第23巻、pp.601〜639、Steven K. Robinson著、1991年)において見い出すことができる。現在、トムズ効果として知られている、長鎖ポリマー分子の希釈水溶液の抗力を低減する可能性が、1948年、アムステルダムにおけるレオロジーに関する第1回国際会議にてB. A. Tomsにより紹介され、この会議のプロシーデングに発表された。P. S. Virkらは、「The Ultimate Asymptote and Mean Flow Structures in Tom’s Phenomenon」(ASME Journal of Applied Mechanics、37、pp.488〜493、1970年発行)という名称の論文において、乱流パイプ流でポリマー溶液を用いることに抗力低減の限界の概念を紹介した。Virkらは、抗力低減のレベルを、パイプ直径により制限される緩衝ゾーンの厚さの増加と関連付けた。外部流に関しては、このような物理的制約は課されていない。しかしながら、D. T. Walker、彼の教授のW. G. Tiederman、および同僚のT. S. Luchickは、「Optimization of the ejection process for drag−reducing additives」(Experiments in Fluids、4、pp.114〜120、1986年刊行)という名称の論文において、チャネル流におけるスロット噴射について得られた抗力低減の制限は、パイプ流で観察された最大の抗力低減よりも20〜40%少なかった。これらの観察は、例えば、Yu. F. Ivanyuta およびA. A. Khomyakovといった他の者たちによる、「Investigation of Drag Reduction Effectiveness with Ejection of Viscoelastic Polymer Solutions」(the Proceedings of the International Shipbuilding Conference, KRSI、1994年10月、pp.163〜170、St. Peteresburg、Russianで刊行)に関する彼らの論文において立証されている。
【0005】
ポリマー希釈溶液は、層流におけるニュートン流体として振る舞うが、A. Gyr および H. W. Bewersdoffは、彼らの論文、「Drag Reduction of Turburent Flows by Additives」(Kluwer Academic Publishers、1995年)において、層状縮流(laminar contraction flows)のようなある種の層流では、ポリマー溶液は非ニュートン挙動を示すことを指摘している。引用したこの仮説は、乱流のような流れでは、添加剤の長分子が、伸長され(解きほぐされて細長くされ)、流れにおいて整列されるが、これは溶液が非ニュートン挙動を示すのに必要な条件であるということである。V. G. Pogrebnyak, Y. F. Ivanyuta およびS. Y. Frenbelは、彼らの論文、「The Structure of the Hydrodynamic Field and Directions of the Molecular Slope of Flexible Polymers Under Free−Converging Flow Conditions」(Polymer Science USSR, Vol. 34. No.3、Russian、1992年発行)において、ポリマー分子が解きほぐされ、整列され、抗力低減において有効となるのに十分に伸長されることができる条件を定義している。
【0006】
C. S. WellsおよびJ. G. Spanglerの論文「Injection of a Drag−reducing Fluid into Turbulent Pipe Flow of a Newtonian Fluid」(The Physics of Fluids、Vol.10, No.9、pp.1890〜1894、1967年9月発行)に記載された実験、M. M. ReischmanおよびW. G. Tiedermanの論文「Laser−Doppler Anemometer Measurements in Drag−reducing Channel Flows」(Journal of Fluid Mechanics, Vol.70、Part 2、pp.360〜392、1975年)に記載された実験、およびW. D. McCombsおよびL. H. Rabieの「Local Drag Reduction Due to Injection of Polymer Solutions into Turbulent Flow in a Pipe」(Parets I, II、AIChE Jounal, Vol.28、No.4、pp.547〜565、1982年7月発行)に記載された実験は、ポリマー添加剤が緩衝ゾーンとして知られている乱流境界層の壁近傍領域にある場合に抗力を低減することができることを明らかに示している。摩擦速度と動粘度により無次元化された長さの値である粘性壁単位(viscous wall units、以下、yと呼ぶ)で、その領域は、壁面から約20〜100の粘性壁単位である。抗力低減の高いレベルでは、緩衝ゾーンは厚くなり、数百もの粘性壁単位に拡張できることが注目された。粘性せん断応力がレイノルズ応力(Reynolds stresses)よりも優勢である領域、すなわち、約12の粘性壁単位の内側にポリマーが閉じ込められる場合、抗力低減も関連した影響も全く観察されなかった。この文献に使用される約束事は、11.6のy値である。A. A. Fontaine、H. L. PetrieおよびT. A. Brungartの論文「Velocity Profile Statistics in a Turbulent Boundary Layer with Soft−Injected Polymer」(J. Fluid Mechanics、Vol.238、pp.435〜466、1992年発行)など、多くの人により示されているように、単位スパンあたりのこの領域を通る流量Qは、流体の動粘度の67.3倍に等しい。所与の流体と流体温度について、この流速は、自由流速度および境界層の始まりからの距離とは無関係である。
【0007】
1967年以降、境界層内の添加剤の位置に対する抗力低減の配慮が認識されているが、「Study of Diffusion from a Line Source into a Turbulent Boundary Layer」(Int. Journal Heat & Mass Transfer、No.7、1964年発行)でのM. PorehおよびJ. E. Cermakの的確な研究は、噴射された流体の拡散が不可避でかつ急速であることを大半の研究者たちに納得させた。したがって、1963年にTeddington Englandで開催された10th Industrial Towing Tank Conferenceのプロシーディングにて発行された「Frictional Resistance in Towing Tanks」のJ. W. HoytおよびA. G. Fabula;1966年に東京で開催されたthe Eleventh International Towing Tanks Conference of Ship Tank Superintendentの報告書にて発行された「The Effect in Resistance of Polymer Additives Injected into the Boundary Layer of a Frigate Model」のT. Kowalski;AEW Report No11/69にて発行された「HMS Highburton Speed Trials with Polyox Injection into the Boundary Layer」のH. L. DoveおよびH. J. S Canham;「Drag Reduction by Polymer Ejection Described」(Shipbuilding of China、No.66, pp.45〜57、1980年月発行)のW. Xiliang、D. Yongxuan、X. Changsheng、およびW. Guigin;および1999年6月にロンドンのRoyal Institute of Naval Architectsにより発行されたWarship 99、Nval Submarine 6のプロシーディングの論文「Early Experience of BLC Techniques Usage in Underwater Shipbuilding」にB. F. DronovおよびB. A. Barbanalによって記載されているようなソビエト連邦の研究者たち、によって報告されるように、研究者は、傾斜スロット(angled slot)の幅広アレイまたは円形開口を使用して、境界層全体に溢れさせるのに十分な材料を噴射した。境界層の中だけでなくさらにその外側でも急速な拡散を許容したため、噴射された材料の量が、最大で、境界層全体に充満させるのに計算される量の数倍となる場合も多かった。噴射速度は、通常、自由流速度と同じオーダーであり、噴射された質量流量が、100 Qを超える場合も多かった。
【0008】
論文「Suppressed Diffusion of Drag−reducing Polymer in a Turbulent Boundary Layer」(Journal of Hydronautics、No.6、1972年発行)において、J. Wuが、そしてそれから「A Turbulent Boundary Layer with Slot Injection of Drag−reducing Polymer」(Gorgia Institute of Technology 1973年6月)という表題の学位論文においてD. Collinsが、ポリマー溶液に対して、一般に受け入れられているよりも低い拡散速度を最初に報告した。1989年に、D. T. WalkerおよびW. G. Tiedermanは、「Simultaneous Laser Velocimeter and Concentration Mesurements」(Journal of Laser Applications 1、pp.44〜48、1989年発行)および「The Concentration Field in a Turbulent Channel Flow with Polymer Injection at the Wall」(Experiments in Fluids、8、pp.86〜94、1989年発行)という彼らの論文において、それらの観察を立証した。1990年代の早期に、拡散挙動についての標準として考えられていた、PorehおよびCermakの研究が、乱流へ「受動的な(passive)」夾雑物を導入することに対してのみ適用できるという認識が高まった。具体的には、乱流の特性と、したがって拡散のプロセスに影響を及ぼす、高分子量ポリマーの水溶液のような「能動的な(active)」夾雑物は、同じ振る舞いをしない、すなわち、拡散がより穏やかであり得る。このことは、T. A. Brungart、L. L. Petrie、W. L. Harbison、およびC. L. Merkleによって、「A Fluorescence Technique for Measurement of Slot−injected Fluid Concentration Profiles in a Turbulent Boundary Layer」(Exeriments in Fluids、11、1991年発行)を用いた彼らの研究において立証された。翌年、S. T. SommerおよびH. L. Petrieは、「Diffusion of slot−injected drag−reducing Polymer solution in a LEBU−modified turbulent boundary layer」(Experiments in Fluids, 12)を発表し、そこで彼らは、比較的高速な流れにおいて、一対の大規模渦崩壊装置(large−eddy break−up devices(LEBU))を用いた噴射スロットで外部流の場の制御または変更が、境界層を横切るポリマー拡散の速度をさらに低減することを示した。さらに、A. A. Fontaine、H. L. PetrieおよびT. A. Brungartは、彼らの論文「Velocity Profile Statistics in a Turbulent Boundary Layer with Slot−injected Polymer」(Journal of Fluid Mechanics、238、pp.435〜466、1992年発行)において、一定のポリマー消費(expenditure)速度を維持するために、噴射された流体の質量流量を2分の1に減らし、濃度を2倍にすることにより、拡散速度のさらなる低減がもたらされることを示した。
【0009】
W. B. Amfilokhive、B. A. Barbarnel、およびN. P. Mazaevaは、彼らの論文「The Boundary Layer with Slot Injection of Polymer Solutions」(1997年3月16〜17日のTenth European Drag Reduction Working Meeting用に作成)において、実験により、非常に高い濃度を有する単一のスロットが、船の長さに沿って複数のスロットから噴射される同量またはそれよりも多い添加剤よりも優っていることが示されたと、指摘している。この実験に基づいた洞察は、Tiederman、Luchik、およびBogardにより、「Wall−Layer Structure and Drag Reduction」(Journal of Fluid Mechanics、Vol.156、pp.419〜437(1985年)発行)に示された彼らの研究において確認され、そこで彼らは、適度な吐出量(modest discharged rates)での噴射が、境界層に崩壊を起こさせるものであり、その結果、噴射部位の上流、噴射部位およびそのすぐ下流で局所的な表面摩擦抗力が増すことを示した。W. M. KaysおよびM. E. Crawfordは、彼らの論文Convective Heat and Mass Transfer(McGraw−Hill, Inc.、第3版、pp.226〜230、1993年発行)で、自由流または第1の流体の質量流束(mass flux)に対する標準的な第2の流体または噴射流体の質量流束の割合が0.01を超える場合、境界層は、「文字通り壁の表面から吹き飛ばされる」ことを指摘している。
【0010】
ガス噴射を用いた他の実験者の研究と同様に彼ら自身の研究の優れた概説は、C. L. MerkleおよびS. Deutschにより、彼らの論文「Drag Reduction in Liquid boundary Layers by Gas Injection」において示されている。この論文は、Viscous Drag Reduction in Boundary Layers(D. M. BushnellおよびJ. N. Hefner編、Vol.123、pp.351〜410)という論文に含まれ、1990年に出版された。
【0011】
1998年12月31日に出願され、認可された米国特許出願第09/223,783号、「Method for Reducing Dissipation Rate of Fluid Ejection into a Boundary Layer」は、噴射された抗力低減流体(drag−reducing fluids)の上流およびその流体中に管理渦度(ordered vorticity)を導入する方法を記載している。コントロールされた好ましい渦度を用いて、壁近傍領域内に噴射流体を保ち、かつ添加物の分子または構造を、それらが最も有効である構成に配向する。
【0012】
境界層の壁近傍領域で正の(positive)または好ましい粘度勾配を与えるという、議論および実験結果は、J. Kato、Y. Fujii、H. Yamaguchi、およびM. Miyanagaによる、「Frictonal Drag Redeuction by Injecting Hight−viscosity Fluid into a Turbulent Boundary Layer」(Transactions of the ASME、115、pp.206〜211、1993年6月発行)という表題の論文にみられる。ポリマーを噴射するときに、負の粘度勾配が発生するという逆効果が、C. S. WellおよびJ. G. Spanglerによる、前に立証された論文(1967年)において、および「Drag Rduction by Ejecting Additive Solutions into a Pure Water Boundary Layer」(Transactions of the ASME、Journal of Basic Engineering、1972年出版)などのJ. WuおよびM. Tulinによる論文において確認された。Yu. F. IvanyutaおよびA. A. Khomyakovは、先に引用した1994年の彼らの論文(ロシア)において、正の粘度勾配が層流の安定化を促進するという理論的論拠を提供している。次に彼らは、特殊なエジェクタを用いることによって好ましい粘度勾配を生じさせることを目的とした、乱流における一連の実験からの結果を提供している。噴射システムの幾何学形状も、好ましい粘度勾配を達成するための方法の詳細も示されていないが、プロットされた結果は、牽引された抗力(towed resistance)の低減が、非常に長い(40m)が小さな直径(0.4m)の本体に関して約50%〜約70%に増加することを示した。彼らはまた、局所的な抗力低減の測定値は、以前の彼らの噴射方法に対して、牽引された本体(towed body)の長さに沿って、一定の改善(より大きな抗力低減)を示すことを報告した。
【0013】
境界層の制御のために添加剤を用いることとは全く別に、そうしなければ抗力の増加につながるであろう流れの剥離(flow separation)を遅延させるか、または排除する技術がある。F. O. Ringlebは、1961年にG. V. Lachamannの編集でPergamon Pressから発行されたテキストBoundary Layer Control、Vol.1および1964年5月18〜20日のペンシルベニア州フィラデルフィアにおけるASME Symposium on Fully Separate Flowにて発表された「Discussion of Problem Associated with Standing Vortices and their Applications」において、「捕捉渦による剥離制御(Separation Control by Trapped Vortices)」の可能性を記載した。この概念は、他の場合には流路が連接しているが連続面または壁面に関して剥離が予測される領域の構造幾何学形状(configuration geometry)に急激な変化を提供することである。横断溝(transverce groove)によってもたらされるような、幾何学形状の急激な変化は、溝に強力な渦を発生することができる。したがって、渦の上の付着流(attached flow)が、その溝を越えて架橋し、付着下流(attachied downstream)を留める。流入される安定した渦度を生み出す技術は、剥離した流れの拡張した後流(wake)を防止するか、または減少させるのに用いられている。Ringleb 渦(Ringleb Vortices)としばしば呼ばれるように、これらは、しばしば、ディフューザにおいて、およびブラント本体(blunt bodies)の底部で用いられる。
【0014】
非圧縮乱流の剥離を制御する壁面噴流(wall jets)の論考は、Paul K. Chang著、「Control of Flow Separation」(Hemisphere Publishing Coroporetion、1976年発行)に見出すことができる。自由流におけるのと同じ流体の噴流を用いて、逆圧力勾配の領域に自由流の流れを流入させる。この概念は、壁面噴流の過剰な運動量を用いて、表面摩擦に起因する、境界層の運動量の損失を相殺することである。しかしながら、2つの効果のバランスを慎重にとらなければ、この利点は、噴流によってもたらされる壁面せん断応力の増加により低減させられるか、または覆されることにさえなりかねない。噴流によって境界層にもたらされる不安定性のため、混合が高められる。A. I. Tcygan’uk、L. F. Kozlov、V. N. VovkおよびS. L. Maximovは、「Technique for Control of the Near−wall Layer Flowing Over a Hard Body by the Method of a Control Jet and a Device for Realization of this Technique」という名称の彼らの発明において、壁面噴流によってもたらされる不安定性を低減する方法および装置を記載しており、この発明は、ソビエトの発明者の認証番号S.U.1585569 A1として1990年8月15日付のBulletin #30において発行された。この方法および装置は、制御噴流が自由流と合流する領域で渦ゾーンの形成により、境界層に流入させることを目的とした他の壁面噴流システムとは異なっている。この発明は、渦室が、渦室の長さの約0.28倍である開口を噴流に対して有する場合に、渦ゾーンが渦室によって形成されることを特許請求している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、流体流の境界層の壁近傍領域の選択した層に流体を崩壊せずに噴射することを可能にする。その第1の目的として、本発明は、上流の流れを予め調節して、添加剤が境界層流に溶け込む際の添加剤の初期拡散を低減する。本発明の第2の目的は、噴射流が境界層に流入した際に、乱流拡散と噴射流体内の運動量損失とを低減するのに速効性があるように、噴射流と、噴射流内の添加剤とを予め調節することである。本発明の第3の目的は、確立された流れの場の望ましくない崩壊を抑制することである。本発明の第4の目的は、高濃度の非ニュートン添加剤または気液混合物の噴射に固有の好ましくない粘度勾配をなくすことであり、本発明の第5の目的は、境界層にわたる複数の層に複数の添加剤を選択的に配置することを可能にすることであり、第6の目的は、壁近傍流上の特定位置に添加剤または流れ構造(flow structure)を配置して、壁近傍流を遮蔽し(shield)、それによって、噴射した添加剤の拡散をさらに低減させることである。本発明の第7の目的は、複数のエジェクタセットを、プレートまたは船の長さに沿って配置させて、材料の最適な濃度を維持することによって、全体のシステム効率を高めることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の境界層制御システムは、噴射前プロセス、噴射プロセス、および噴射後プロセス(post−ejection processes)を含む。噴射前プロセスは、添加剤が十分に効力を生じ得る前に、初期拡散のレベルを低下させるように上流の流れを調節することに関する。噴射プロセスは、エジェクタでの乱流拡散を低減させる際に添加剤の効力を加速するように、かつ噴射地点の上流および下流の双方で、境界層に不安定性がもたらされることを阻止するように、噴射流体を調節、かつ導くことを含む。噴射流体の質量流量は、乱流のレベルの望ましくない増加を回避するために、確立された境界層の壁近傍流パラメータに基づいて選択される。
【0017】
本噴射プロセスは、さらにいっそう崩壊が少ないため、従来の添加剤噴射技術に見られる不利益なしに、複数の噴射位置を同時に実施することができる。さらに、個々のエジェクタを、互いにごく間近に配置して、下流の境界層の選択された層に複数の添加剤を噴射することを可能にする。こうすることによって、噴射後の好ましい粘度勾配の確立および維持といった、境界層のレオロジー特性の制御を提供することができる。噴射装置は、横断溝、渦室、コアンダ面(Coanda surfaces)、内部ノズル、およびナイフエッジを有する、独特の配置の流体工学装置(fluidics devices)より構成される。
【0018】
本発明は、本発明がエジェクタの上流および下流端にもたらされる渦度を実質的に低減するという点で、これまでのあらゆる添加剤エジェクタとは異なっている。本発明は上流の流れを調節し、乱流のレベル、ひいてはエジェクタにおける拡散のレベルを低減させる。本発明は、添加剤が外部の境界層流に溶け込む前に、解きほぐされ、整列され、伸長されるように添加剤を予め調節する。そして、本発明は、壁面から気泡を遠ざけ、ポリマーエジェクタのすぐ下流の壁面に好ましい粘度勾配を確立させることによって下流の流れを調節する。先行技術の噴射システムはいずれも、本発明におけるような、境界層の壁近傍領域の特定の複数の層に複数の添加剤を非崩壊的に配置することはできない。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、以下に示す詳細な説明から、より十分に理解されることになるであろう。添付の図面は、説明の手段としてのみ与えられ、したがって、本発明を限定するものではない。
【0020】
本発明は、添加剤のスロット噴射で達成される抗力低減のレベルおよび効率が、噴射に関連したプロセスの好ましいおよび好ましくない効果両方の正味の値(net value)を示すという認識に基づいている。本発明は、好ましくない影響を回避または抑制し、好ましい影響の開始および継続を促進し、それによって、達成可能な抗力低減の価値を増加し、添加剤の容量消費速度を低減する。高濃度のポリマー溶液および気体マイクロバブルとの混合物の噴射の悪影響は、エジェクタ周りの局所領域の境界層における不安定性の招来、乱流レベルの増加、および壁領域の好ましくない粘度勾配の発展である。これらの影響は、局所的な抗力の増加、および添加剤が有効である境界層領域からの添加剤のより急速な拡散の原因となる。具体的には、本発明は、境界層の緩衝ゾーンから離れた添加剤の拡散の原因となるというよりもむしろその拡散を制限する。
【0021】
確立した境界層の崩壊および噴射された添加剤の急速な拡散を低減するために、本発明のエジェクタは、独特の組合せの流体工学に基づいた構成を利用する。この構成は、エジェクタの基部または「スロート」に、出口直径14(エジェクタのあらゆる他の要素をスケーリングする(scaling)ため、以下、hとして特定される)を有するノズル、噴射流の下流側のコアンダ面、噴射流の上流側の渦室、および、2つのナイフエッジ、1つは噴射流が渦室と出会うナイフエッジ、2つ目は噴射流が確立した境界層の流れと出会うナイフエッジを含んでいる。後者のナイフエッジは、小さな曲率半径を有する表面と代替でき、性能を犠牲にすることなく、この構成要素の製造性および保全性を助長することができる。
【0022】
図1は、噴射システムの基本的なエジェクタ要素の概略図である。この噴射システムは、添加剤を予め調節するノズル(13)と、2つの半径(1)および(2)によって画定される形態およびスケールを有する要素の上流側にある渦室(4)と、該渦室(4)および噴射流(5)が交わるナイフエッジ(3)と、渦室(4)および外側壁(7)が交わる位置でのコアンダ面に影響を与えるのに十分大きな曲率半径(6)を有するナイフエッジあるいは表面と、外側壁(10)と接続するエジェクタの下流端にある半径(9)のコアンダ面(8)、および、確立した境界層流(12)に噴射流(5)が合流するのに通る開口(11)とを有する。エジェクタの幾何学形状に関して制約がある状況では、コアンダ面(8)は、固定半径(fixed radius)に代わって(vice)合成半径(compound radius)を有してもよい。エジェクタの入口には、噴射流(5)に収束流(convergent flow)を生じるノズル(13)または他の装置がある。噴射流は、hに等しい幅を有する。このノズルの目的は、添加剤分子が有効であるのに必要な状態であるように、添加剤分子を解きほぐし、整列させ、かつ伸長させるのに十分な層状縮流を確立することである。噴射速度が自由流速度の約10%とし、エジェクタが10Qの質量流量に対応するサイズにするので、エジェクタを通る流れは層流となる。質量流量は、約2倍に大きくまたは約2分の1に小さく変えることができ、処理される壁の長さおよび特性(例えば、剛性および粘弾性)、自由流速度、添加剤の種類および濃度、および所望の抗力低減のレベルに依存する。最も一般的に使用される添加剤に対するこれらのパラメータの範囲により、エジェクタを介して層流が生じる。噴射流体流の速度は、コアンダ面(8)に噴射流を付着させておくのに十分な値により下端(low end)に拘束される。この速度は、噴射流と取ってかわる壁近傍境界層流の速度により上端(upper end)に拘束される。その速度を超えないことによって、この2つの流れは、乱流の局所レベルに著しい増加をもたらすことなく合流することができる。所望の質量流量および噴射速度は、ノズルまたはスロットの幅hを決定する。適切に構成されたノズルを用いることによって、添加剤は、境界層に溶け込み、直ちに有効となり、このため、乱流境界層における拡散の主要な機構である乱流レベルに影響を与え始める。これは、乱流境界層拡散の主なメカニズムである。当然、添加剤の濃度は噴射地点で最も高い。したがって、この位置での乱流レベルの低減は、噴射量の添加剤の拡散制御および効果の最大化にとって重要である。文献に記載されるように、約10 mmオーダーの長さ、およびノズル壁の間に約10〜45度の角度を有するノズルは、Polyox WSR−301のようなポリマーに対し、ノズルを通して約1m/秒の平均流量で添加剤を予め調節するのに適切であることが示されている。
【0023】
以下に記載するように、コアンダ面および渦室は装置として機能する。コアンダ面の目的は、噴射流を下流外側壁に付着させておくことである。ポリマー添加剤を噴射する際、コアンダ面(9)の半径値は、約4hとする。エジェクタの下流端で剥離領域をなくすことにより、従来のスロット設計に固有の、このような剥離によってもたらされる不安定性を回避することができる。
【0024】
境界層に垂直な噴射流の速度成分は、コアンダ面および低い質量流量により、ほとんどゼロに低減される。境界層の「吹き飛ばし(blow−off)」をなくすことによって、その現象に伴う圧力抗力(pressure drag)の増加、および噴射された添加剤の急速な拡散は回避される。
【0025】
エジェクタの上流側に配置される渦室の目的は、渦室がなければ、確立した境界層の崩壊の原因となり、それによって、局所的な抗力を高め、境界層を横切る添加剤の拡散の速度を増大するであろう渦度の源を低減または排除することである。渦室の形状は、2つの半径(1)および(2)によって画定される。半径(1)の中心点は、ナイフエッジ(3)の先端であり、半径(1)の値はほぼ4hである。半径(2)の中心は、ナイフエッジ(3)から渦室の対向壁に伸ばされた線に沿った中間点である。半径(2)が半径(1)の長さの半分である場合、この2つの曲線は連続面を作る。この2:1の比は正確である必要はないが、その比の変更には、渦室の断面におけるいかなる不連続性または変曲点も回避するために短い壁セグメントを必要とする。渦室の頂部は、半径(1)によって形成される表面に接して連結するナイフエッジ(6)により形成される。上述したように、(6)におけるナイフエッジは、小さな曲面と代替することができ、製造を容易にし、壁の強度を増大させることができる。曲率が、流れが自由流と合流するまでその流れを付着させておくのに十分であるならば、噴射性能において何の低下もないであろう。実物大の船舶用途と関連したパラメータの場合、その曲率半径は、外側壁を中心として、約0.5hとし、確立した境界層(12)に対する開口部(11)の寸法が、約3hであるようにする。
【0026】
上流壁の内部渦室の存在は、湾曲チャネル内の流れに関する挙動を修正し、そして、排除しなければ上流壁の曲率によってもたらされる渦を排除する。ディーン型(Dean−type)やゲルトラー型(Goertler−type)のいずれの渦も形成されない。噴射流の動きが渦室内の循環を誘導する。適切に形成されスケーリングされた渦室の場合、安定な渦が渦室内に確立される。噴射流の上流境界上の境界層は、発展し続けることはない。むしろ、渦室の内側壁上流によって生成される渦度が、渦室内に流入される渦によって消散される。噴射流の速度分布(velocity profile)は、内部流の上流端に沿う流れが渦室を有さない場合よりも遅くなるように確立されたチャネル流に対して修正され、それによって、確立した境界層の壁近傍領域と噴射流体が合流する際に該噴射流体のより安定した層をもたらす。したがって、噴射流の上流端における境界層にもたらされる不安定性が低減される。
【0027】
渦室を有さない場合、コアンダ面を形成するのに必要な曲率は、ゲルトラー型(凹壁の上で)またはディーン型(湾曲パイプの中で)の渦の生成をもたらす可能性がある。したがって、内部チャネルの上流端における渦度が渦室によって消散されるので、噴射プロセスにおけるコアンダ面の正味効果が改善される。ノズルを通る縮流(contraction flow)によって添加剤を予め調節することで、添加剤の抗力低減効果が開始される。具体的には、その効果は、小スケールの渦度の消散を含む。これらの別個の機構は、ともに作用し、確立した境界層と噴射流が合流する際に噴射流の挙動を改善する。
【0028】
噴射プロセス中に、噴射流の改善された挙動と添加剤を予め調節することとを組み合わせることにより、乱流のより急速な抑制、ひいては濃縮した添加剤の拡散の低減がもたらされる。本発明では、濃縮した添加剤の拡散は、主要なエジェクタのすぐ上流の流れを予め調節することによってさらに低減される。複数の技術を使用することができる。不安定なまたは複雑な乱流境界層流のために、本発明は、低濃度の添加剤を噴射するように構成され、主要なエジェクタのすぐ上流に配置される、別個の添加剤エジェクタを含んでいる。この濃度は、下流からもっと離れて有効であることを意図するのではなく、主要なエジェクタからの材料の濃度が最大である(すなわち、拡散に関する不利益が最大となる)位置のすぐ上流およびその位置でのみ有効であることを意図するので、約10重量ppm(wppm)オーダーとすることができる。したがって、適度な量の添加剤のコストに関して、主要なエジェクタからよりいっそう多量の添加剤が壁近傍領域内に留まることになる。
【0029】
比較的安定した流れの場合、横断溝として構成され、安定した流入渦または渦系を生成するように適切にスケーリングされた、より単純なエジェクタを、主要なエジェクタの上流に配置する。安定した流入渦系は、壁面に生成される小スケールの渦度を消散し、上流境界層の発展を妨げる。具体的には後部船体の剥離制御(after−body separation control)のために安定した流入渦度をもたらす溝断面が文献で出版された。溝を適切に形成することに加えて、本発明は、流入した渦の安定化にさらに寄与するために、少量の添加剤を導入する。
【0030】
上流溝構成の3つの断面を図2に示す。図2Aは、外側壁に関連して主軸(15)、半短軸(minor half−axis)(16)、および深さ(17)を有する、楕円形状の横断溝断面の概略図である。この形状は、適正にスケーリングされた場合(15>17)、矩形形状よりも、境界層の低レベルの不安定性の許容度を高くすることができる。図2Bは、幅(18)および深さ(17)(ここでは17≒18)を有する矩形溝の断面の概略図であり、この矩形溝に、溝の底部下流端にコアンダ面(20)を有するノズル(19)を通して添加剤を送り込むことができる。この構成のために、少量の添加剤を添加することにより、流入渦の安定度が高まる。図2Cは、溝の頂部上流端におけるノズル(21)を通して添加剤を送り込むことができるより小さな矩形溝の概略断面図である。この構成のために、添加剤消費量は、図2Bにおける構成の場合よりもわずかに多いが、添加剤は、境界層の壁近傍領域の小さなスケールの渦度を抑制し、ならびに流入渦を安定化させる。すべての場合において、外部流(12)は左から右へ流れる。
【0031】
これらの技術に加えて、主要なエジェクタのすぐ上流に他の抗力低減技術を用いることによって、流れを上流で予め調節することも可能である。これらの技術には、リブレットに限定されず、種々のタイプの抗力低減コーティング(drag−reducing coatings)、および境界層吸引(boundary layer suction)が挙げられる。文献に記載されるように、それぞれが、上流の流れの特性に対してその利点を有する。
【0032】
本発明のエジェクタは、従来技術のエジェクタ設計よりも崩壊性がはるかに少ないため、タンデムエジェクタを用いて種々の添加剤を階層化することが可能である。複数のエジェクタを通して粘度の異なる流体を噴射することにより、壁近傍領域に好ましい粘度勾配を確立することが可能になり、それによって、システム性能が高まる。例えば、主要なエジェクタのすぐ下流に配置され、約1のQ値についてスケーリングされた、類似しているが、より小さなエジェクタからの流体の噴射は、壁面から離れた上流エジェクタから添加剤を、乱流のレベルを低減する際に添加物が有効である領域へ移す働きをする。気体マイクロバブルに関して、これはまた、噴射の間に剛性要素(roughness elements)として壁面に作用する潜在的な気泡を低減する。気体およびポリマーの濃縮溶液に関して、壁面に好ましくない粘度勾配ではなく好ましい粘度勾配が提供される。噴射流体は、単独の溶媒(例えば水)、または、粘度が周囲の溶媒と同等またはそれよりも小さい添加剤の希釈溶液(たとえば加熱水)とすることができる。下流エジェクタにおいて、水のみが使用されるか、または添加剤が何も使用されない場合、ノズルに対する要件を緩和することができる。下流エジェクタを通る流量は、約1Qに低減されるので、噴射速度は、自由流速度の約5%にされる。これは、より大きな上流エジェクタの噴射速度の約半分である。より低い噴射速度に対応するために、スロット幅に対するコアンダ面の直径の比は、その表面の局所剥離を阻止するために、上流エジェクタの比よりも、下流スロット幅(26)の6〜8倍の値に高くすべきである。開口部(11)のサイズは、スロット幅(26)の約3倍のままであり、したがって、渦室の湾曲壁面と端(6)との間のセグメントは、上流エジェクタに比して延長されていなければならない。
【0033】
図3は、三連エジェクタシステムの一構成の概略断面図である。この構成では、楕円形状の横断溝(22)は、第1の主要なエジェクタ装置(23)の上流に配置される。添加剤を、図2Bまたは図2Cに示されるのと同じようにして楕円溝に供給することができる。上流の流れの特性に応じて、付加的な溝(25)、あるいは溝の代わりに、約10 wppmオーダーの濃度で5〜10Qの添加剤を噴射するようスケーリングされた小さなエジェクタを、第1の主要なエジェクタにおける乱流レベルを抑制するように配置することができる。この少量の添加剤を「犠牲にすること」により、乱流レベル、およびそれ故第1の主要なエジェクタにおける拡散量を低減することができる。
【0034】
第1の主要なエジェクタからの流体fは、気体マイクロバブルの混合物とすることができ、この流体は、文献(たとえば、MerkleおよびDeutsch参照)にしたがって、壁面の粘性単位300内で有効であり、すなわち、たいていのポリマーが有効である壁面よりもさらに離れて有効であり得る。Deutschはまた、マイクロバブル層が境界層の外側領域のより大きい構造から壁近傍層を遮断する(screen)よう作用するようであることを報告している。したがって、複数のタンデムエジェクタ(23)および(4)を使用して、種々のスケールのマイクロバブルおよび種々の分子量および構造のポリマーを、それらが有効である層に位置付けることができる。主要なエジェクタ(23および4)の下流には、より小さいエジェクタ(26)があり、このエジェクタ(26)は、この下流エジェクタから噴射される流体fの質量流量にスケーリングされたスロット幅h(27)を有する。たとえば、好ましい粘度勾配を確立する目的で、溶媒のみを下流エジェクタから噴射することを意図する場合、ノズルまたは同様の装置が収束層流(convergent laminar flow)を生み出す要件を緩和することができる。しかしながら、種々の構成のノズルを用いて所望のスケールのマイクロバブルを生成することも多く、したがって、特定のノズルの設計は、マイクロバブル噴射のために、および噴射の前にポリマーを予め調節するために必要とされる可能性がある。
【0035】
したがって、壁近傍流体のレオロジー特性を変更することに加えて、複数のエジェクタを用いて、境界層の特定の複数の層に有効であることが知られている添加剤を層化することができる。たとえば、特定のスケールのマイクロバブルなどの添加剤には、ポリマーよりも、壁面から離した方が有効であると考えられているものもある。図3において、それぞれが所望の質量流量に対してスケーリングされた3つのタンデムエジェクタのセットは、ポリマーの濃縮溶液fの上にマイクロバブルfが噴射され、ポリマーの濃縮溶液fの下に水(低粘度)fの3段の層を提供する。同様に、適当にスケーリングされた気泡の複数の層または異なる種のポリマーの複数の層を、タンデムエジェクタから噴射することができる。これらの流体の上には、上流溝からの添加剤すなわち「犠牲的スロット(sacrificial slot)」f、および自由流流体fが流れる。
【0036】
【発明の効果】
従来、造船会社は、単一の噴射システムからの高濃度および高流量の添加剤の方が、同じ量の添加剤を船体の長さに沿って分配する複数の噴射部位から噴射される場合よりも、より効率的であると判断していた。従来のエジェクタによって生じる局所的な表面摩擦の増加、および圧力抗力の増加を導く境界層の吹き飛ばしが、この現象の原因となっていた。これらの影響を回避することによって、本発明は、媒体または推進機に沿った複数の位置に複数のセットのエジェクタを用いることを可能にして、それによって、壁面(媒体)の形状および長さの関数として添加剤の分配を最適化することを可能にする。したがって、非常に長い壁面を、効率を著しく損なうことなく処理することができる。
【0037】
エジェクタはまた、エジェクタが流れの状態の局所的な変化に適合可能であるので、自由流の入射角の変更の間、剥離を回避するよう壁近傍流を活発化させる(energize)ことができる。噴射後プロセスは、エジェクタの下流で添加剤の拡散を低減するための壁面処理、壁面に沿っておよびいかなる突出部の周囲にも添加剤の拡散を低減するための外部流処理、および種々の添加剤または種々の濃度の添加剤の下流噴射を含み、より効率的な添加剤消費率を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
噴射システムの基本的なエジェクタ要素の概略図である。
【図2】
エジェクタのすぐ上流に配置することができる横断溝の複数の任意断面(optional profiles)を示す。
【図3】
三連エジェクタシステムの1つの構成の概略断面図である。この構成では、楕円形溝は、第1の噴射装置の上流に配置され、第1のエジェクタの渦室への連通ポートを有する。これらのポートにより、渦室からの添加剤を溝に供給することができ、そうして、溝に配管する必要性が排除される。第2のエジェクタは、第1のエジェクタからの流体の下に、異なる添加剤を噴射するように配置される。第2のエジェクタの下流には、上流のエジェクタから噴射された流体の層の下に噴射されることになる流体の質量流量に合わせた規模の、より小さなエジェクタがある。

Claims (29)

  1. 第1の流体の崩壊および「吹き飛ばし」を回避し、かつ該第1の流体における抗力低減物質(drag−reducing substance)の拡散速度を低下させ、それによって壁面(すなわち表面)に対して移動しているときに該第1の流体の抗力を低減する前記抗力低減物質の効力を高めるように、第1の流体に抗力低減物質を噴射する方法であって、以下に示す順序で行うステップ、
    a) 分散した固体、液体または気体マイクロバブルおよび物質混合物として抗力低減物質を含む第2の流体が、混合物または溶液として添加剤を含有する該第2の流体内に軸方向の速度勾配を生じるノズルを通して流れるようにし、それによって、前記抗力低減物質の分子を解きほぐし、整列させ、かつ伸長させるステップ、
    b) 渦室を経由して前記第2の流体を通過させ、渦室内に渦を確立し、それによって前記第2の流体の渦度を低減するステップ、および
    c) 壁面に開口を有する第1のエジェクタにより、前記第1の流体が前記壁面を通過して流れる際に前記第1の流体に前記第2の流体を噴射するステップであって、前記第1の開口は、該開口の一部として第1のコアンダ面を有して形成される、当該ステップ
    を含む方法。
  2. 第1のコアンダ面は、前記壁面を通過する前記第1の流体の流れに対して、開口の下流側に配置される請求項1に記載の方法。
  3. 渦室は、該渦室の少なくとも一部が第1のコアンダ面に対向するように配置される請求項1に記載の方法。
  4. 渦室は、ノズルからの前記第2の流体が前記渦室と出会う領域にナイフエッジを有する請求項1に記載の方法。
  5. 渦室の表面は、前記渦室が前記壁面と出会う領域にナイフエッジを形成する請求項1に記載の方法。
  6. 壁面と渦室との間の領域は、第2の曲面を有する請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1のエジェクタの下流にある開口を有する第2のエジェクタにより、第3の流体を噴射することをさらに含み、前記第2のエジェクタは、その下流側にコアンダ面と、該コアンダ面に対向した少なくとも渦室の一部を有するように配置された渦室とを有する請求項1に記載の方法。
  8. 第2のエジェクタは、第1のエジェクタと異なるサイズであるが、設計上、他の点では前記第1のエジェクタと同じである請求項7に記載の方法。
  9. 第4の流体を、第1の開口の上流にある第3の開口を通して噴射するステップをさらに含み、前記第3の開口は、その下流側にコアンダ面と、該コアンダ面に対向した少なくとも渦室の一部分を有するように配置された渦室とを有する請求項1に記載の方法。
  10. 第3の開口は、第1の開口と異なるサイズであるが、設計上、他の点では前記第1の開口と同じである請求項9に記載の方法。
  11. 溝を、第1の開口の上流に配置して、第1の流体が該溝を通過して流れる際に該第1の流体から渦度を排除する請求項1に記載の方法。
  12. 溝は、該溝の底部下流位置の該溝へのコアンダ面を経由して供給される第5の流体の供給源と連通する請求項11に記載の方法。
  13. 溝に供給される流体は、前記溝の頂部上流位置のノズルを通して供給される請求項12に記載の方法。
  14. 第3の流体は、第2の流体よりも低い粘度を有する請求項7に記載の方法。
  15. 壁面に対して流れる第1の流体の境界層の予め選択された複数の層に1つまたは複数の抗力低減物質を放出する方法であって、
    前記第1の流体の流路に沿って順次配置される複数の開口を通して少なくとも1つの抗力低減物質を噴射するステップを含み、少なくとも1つの前記開口は、ノズル、渦室、および該渦室と対向したコアンダ面と流体連通しており、前記渦室は、前記ノズルを通過した流体によって活動するように配置されて、該渦室内に前記流体の1つまたは複数の渦を確立する、抗力低減物質を放出する方法方法。
  16. 少なくとも1つの抗力低減物質は、種々の濃度で複数の開口を通って噴射される請求項15に記載の方法。
  17. 複数の開口を通って流体が噴射される速度は、第1の流体の流れに関するパラメータ、抗力低減の所望レベル、および壁面の長さに応じて変化する請求項15に記載の方法。
  18. 複数の開口の下流に、加熱された流体を噴射し、それによって、前記流体が加熱されなかった場合よりも低い粘度を有する前記流体を提供する請求項15に記載の方法。
  19. 第1の流体における抗力低減物質の拡散速度を低下するように、該第1の流体に該抗力低減物質を噴射し、それによって壁面に対して移動しているときに該第1の流体の抗力を低減する前記抗力低減物質の効果を高める方法であって、以下に示す順序で行うステップ、
    a) その中に分散ガスを有する第4の流体を、マイクロバブル発生装置として構成されたノズルを通して流すステップ、
    b) 渦室内に渦を確立するために該渦室を経由して前記第4の流体を通過させ、それによって、前記第4の流体の渦度を低減するステップ、および
    c) 第1の流体が第3の開口を通過する際に、前記第3の開口を通して第1の流体に第4の流体を噴射し、前記第3の開口は、その一部に第1のコアンダ面を有するステップ
    を含む方法。
  20. 第1の流体における抗力低減物質の拡散速度を低下させるように、前記第1の流体に抗力低減物質を噴射し、それによって壁面に対して移動しているときに該第1の流体の抗力を低減する前記抗力低減物質の効果を高める装置であって、
    a) ノズルを通る第2の流体内に軸方向の速度勾配を生じる該ノズル、
    b) 渦室が前記ノズルを通った前記第2の流体によって活動されるように配置され、それによって前記渦室の前記第2の流体内に渦または渦系を形成する当該渦室、および
    c) 開口を通過する前記第1の流体の流れに前記第2の流体を噴射するための開口し、該開口はその一部としてコアンダ面を有するように形成される第1のエジェクタ
    を含む装置。
  21. コアンダ面は、開口を通過する第1の流体の流れに対して、前記開口の下流壁面に隣接して配置される請求項20に記載の装置。
  22. 渦室は、該渦室の少なくとも一部がコアンダ面に対向するように配置される請求項20に記載の装置。
  23. 開口の上流に溝が配置される請求項20に記載の装置。
  24. 開口の上流に配置される溝は、抗力低減物質を受ける導管を含む請求項23に記載の装置。
  25. 導管は、コアンダ面を含む請求項24に記載の装置。
  26. 溝は、楕円形状の断面を有する請求項23に記載の装置。
  27. 第2の流体を噴射するための前記開口の下流に、
    a) ノズルを通る第3の流体内に軸方向の速度勾配を生じる該ノズル、
    b) 渦室が前記ノズルを通った前記第3の流体によって活動するように配置され、それによって渦室の前記第3の流体内に渦または渦系を形成する該渦室、および
    c) 第2のエジェクタを通過する前記第1および第2の流体の流れの下側に第3の流体を噴射する該第2のエジェクタであって、その一部としてコアンダ面を有するように形成された開口を有する第2のエジェクタ
    をさらに含む請求項20に記載の装置。
  28. 第2の流体を噴射するための開口の上流に、
    a) 第4の流体がノズルを通る際に、該第4の流体内に軸方向の速度勾配を生じるノズル、
    b) 渦室が前記ノズルを通った前記第4の流体によって活動するように配置され、それによって渦室の前記第4の流体内に渦または渦系を形成する該渦室、および
    c) 開口を通過する前記第1の流体の流れに、および該開口の下流の前記第2および第3の流体の上に前記第4の流体を噴射するための開口であって、その一部としてコアンダ面を有するように形成される該開口
    をさらに含む請求項20に記載の装置。
  29. 前記第1のエジェクタの上流に、
    a) 犠牲的な第5の流体がノズルを通る際に、該犠牲的な第5の流体内に軸方向の速度勾配を生じるノズル、
    b) 前記ノズルを通った前記第5の流体によって活動するように配置される渦室であって、それによって渦室の前記第5の流体内に渦または渦系を形成する該渦室、および
    c) 開口を通過する前記第1の流体の流れに前記第5の流体を噴射するための開口であって、その一部としてコアンダ面を有するように形成される該開口
    をさらに含む請求項20に記載の装置。
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