JP2004531978A - 自由空間光通信システム用のホログラフィック光学素子を用いた内部反射装置および方法 - Google Patents
自由空間光通信システム用のホログラフィック光学素子を用いた内部反射装置および方法 Download PDFInfo
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Abstract
自由空間光通信システム用の装置は、表面と裏面を有する素子(16)を備える。ホログラフィック光学素子(24)は、自由空間光通信システムからの光信号(18)を受信するとともに、特定波長を有する光信号を素子の面の一方に向けて角度をつけて方向付け、光信号に内部全反射により素子の表面と裏面の間を伝播させるように配置される。内部反射した光信号は最終的に集束し、光検出回路にて受信される。同時に、背景可視光を含む他の波長を有する光がHOEを通過することにより、装置は透明で目立たない外観となる。
Description
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に無線通信システムに関し、それに限られたものではないが特に自由空間光通信システム用のホログラフィック光学素子(HOE)を用いた内部反射装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットおよび/またはワールドワイドウェブ(WWW)等の広域ネットワークの普及に伴い、近年、ネットワークの発達と通信量が急増してきた。ネットワークユーザは、より高速のネットワークを要求し続けており、ネットワークの要求が増え続けるにつれて、既存のネットワークインフラストラクチャや技術が限界に達しつつある。
【0003】
既存のハードワイヤまたはファイバネットワーク技術に代わるものは、無線光通信技術の利用である。無線光通信では、レーザ等の光ビームを光通信信号として利用するので、各位置間をケーブルやファイバで結ぶ必要がない。データすなわち情報は光ビームに符号化されて光送信装置から自由空間を通って光受信装置に送られる。
【0004】
基本レベルでは、典型的な光受信装置は、基本的に、光ビームのデータを復調したり他の処理を行う関連電子部品などの多数の構成部品を有する望遠鏡である。これらの光受信装置は多数の部品を有しているため、全体としてのサイズあるいは「設置面積」が大きくなる。個々の部品自体も設置面積が大きい。この設置面積の増大は、装置を目立たないように設置しなければならない場合に不利となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一例として、光受信装置等、ほとんどの窓通過型光通信装置における問題は、窓のスペースを取る傾向があるということである。光受信装置の集光器開口部が大きいほど、より多くの光を集めることはできるが、スペースが犠牲になる。光受信装置は大型であるため、大幅にしかも好ましくない状態で窓を塞ぎ、日光や見えるであろうはずの美しい景観を遮ってしまう。
【0006】
また、これらの光受信装置は大型であるため、重量も大きい。重量が大きいので、このような光受信装置をしっかりと構造的に支える必要があり、設置、移動、再配置が困難になる。これらの光受信装置の部品点数が多いことも全体としてのコストを上げており、光受信装置の複雑性はコスト効率の高い大量生産技術を利用できないので相当な製造費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、装置は、表面と裏面を有する素子を備える。光信号が内部反射によりホログラフィック光学素子(HOE)の表面と裏面との間を伝播するような角度で素子の両面のいずれかに光信号を導くようにホログラフィック光学素子が配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態について図面を参照して説明するが、図中、同じ参照番号は、特に記載のない限り種々の図面において同じ部分を示すものである。
【0009】
以下、ホログラフィック光学素子(HOE)を用いた内部反射装置および方法の実施形態を説明する。以下の説明では、本発明の実施形態を完全に理解できるように多くの具体的詳細事項について説明する。しかし、当該分野の技術者であれば、それらの具体的詳細事項の1以上がなくても、あるいは、他の方法、構成要素、材料等を用いても、本発明を実施できることがわかるであろう。また、本発明の態様を不明瞭にしないために、既知の構造、材料、動作については図示や説明を省略する。
【0010】
本明細書において「ひとつの実施形態」または「一実施形態」とは、その実施形態に関して説明する、ある特定の特徴、構造、特性が、本発明の少なくともひとつの実施形態に含まれるという意味である。したがって、本明細書の様々な部分で「ひとつの実施形態において」または「一実施形態において」という語句が出てくるが、必ずしもすべてが同じ実施形態に関するものではない。さらに、1以上の実施形態において、特定の特徴、構造、特性を適切に組み合わせてもよい。
【0011】
概略として、本発明の一実施形態では、自由空間光通信システムにおける光受信装置の一部として用いることができる装置を提供している。この装置は、窓のスペースが大事であり、あるいは、窓のスペースを求めている顧客を前提とした、ほとんど目立たない家庭用集光装置である。この装置は軽量で、目に安全であるとともに、十分な信号光を集めることができる大きさとすることが可能である。他種の光受信装置と異なり、本発明の一実施形態に係る装置は、背景の可視光を透過させることにより、信号光を受光する受光器からの背景可視光のフィルタリングを行うことができる。
【0012】
したがって、本発明の一実施形態では、他の光受信装置と同じようには窓のスペースを使用しない、十分な大きさの開口部を有する装置が得られる。可視光は本装置を通過する。本発明の一実施形態では、可視光を透過させ、例えばガラス板の間に挟まれたホログラフィック素子(HOE)を使用して所望の光信号を集める。HOEは、近赤外線(IR)の光(例えば通信用光信号)を効率的に回折させ、光信号がガラス板の一方から脱出できずに内部全反射によりそのガラス板内を伝播するように光を屈折させる。可視光は赤外線の光よりも回折が少ないので、可視光はガラス板から脱出することができる。
【0013】
図1を参照する。全体として10として示すのが本発明の一実施形態に係る装置である。より具体的には、図1は装置10の配置を示す図である。装置10は窓ガラス12の近くに取り付けられている。図1からわかるように、装置10は比較的大きな集光面積を有しながらも、ほとんど目立たない。さらに、装置10は可視光を透過させるので、装置10を通して窓ガラス12の向かいの景色を見ることができる。
【0014】
図2は、図1の装置10の断面側面図である。装置10は、第1の素子14と第2の素子16を備えている。第1の素子14および第2の素子16は、ガラス材料(例えば、BK−7ガラスや他のガラス等)、プラスチック材料、または他の透明材料により構成することができる。第1の素子14は、自由空間光通信システムからの光信号18(図1では複数の光線として表される)に向き合うように配置されている。配置されている間、図1に示すように、第1の素子14は光信号18を受信するように窓ガラス12に向けて配置されている。
【0015】
第2の素子16は、第1の素子14に隣接して配置された第1の面20(例えば表面)と、第2の面22(例えば裏面)を有している。一実施形態において、第1の素子14と第2の素子16の第1の面20との間には、干渉パターンが記録されたホログラフィック材料24を備えたHOEが配置されている。他の実施形態では、ホログラフィック材料24を第2の素子16内に配置することができる。さらに他の実施形態では、ホログラフィック材料24を第2の素子16の第2の面22上に配置することができる。
【0016】
図3は、図1〜図2の装置10の動作を詳細に説明する部分断面側面図である。光信号18は第1の素子14を通過し、ホログラフィック材料24に記録された干渉パターン26により受信される。本発明の一実施形態によれば、干渉パターン26は回折ホログラムの一部により構成される。干渉パターン26は、第2の素子16の第2の面22に向けて光信号18に角度をつける、すなわち、回折させるように構成されている。
【0017】
第2の面22に向く光信号18の回折する角度を適切に選択することにより、光信号18を内部全反射により第2の面22と第1の面20との間を伝播させることができる。本発明の一実施形態によれば、水平面から下方に測定した内部全反射の「臨界角」の値に応じて、42度以上の角度yで光信号18の光線を第2の面22に向ければよい。このような範囲で回折角yを選択することにより、光信号18の光線は、第2の素子16を水平方向に通過するのではなく、第1の面20と第2の面22との間で内部反射する。一実施形態において、内部全反射を達成するのに必要な適切な角度は、第2の素子16に使用する材料と第1の面22に隣接する材料によって決めることができる。
【0018】
ホログラフィック材料24が第2の素子16内に配置されている実施形態では、干渉パターン26は透過ホログラムまたは反射ホログラムにより構成することができる。この実施形態において、干渉パターン26が透過ホログラムにより構成される場合、干渉パターン26は、光信号18を適切な臨界角yで第2の素子16の第2の面22に向けて回折させる。一方、この実施形態において、干渉パターン26が反射ホログラムにより構成される場合、干渉パターン26は、光信号18を適切な臨界角yで第2の素子16の第1の面20に向けて反射させる。光信号18は、第2の素子16の適切な面に向けて回折または反射されると、内部全反射により第1の面20と第2の面22との間を伝播することができる。
【0019】
ホログラフィック材料24が第2の素子16の第2の面22上に配置されている実施形態では、干渉パターン26は反射ホログラムにより構成することができる。このような実施形態では、光信号18は干渉パターン26に達するまで第2の素子16を通過する。干渉パターン26は光信号18を臨界角yで第1の面20に向けて反射するように構成されている。その後、光信号18は、内部全反射により第1の面20と第2の面22との間を伝播することができる。
【0020】
ホログラフィック材料24が第2の面20上に配置され、干渉パターン26が回折ホログラムにより構成される一実施形態については、図3に示すように、光信号18は2度反射される(例えば、第2の面22の反射領域28と第1の面20の反射領域30にて「はね返される」)。「はね返り」回数に影響を与える要因は、第2の素子16の厚さである。第2の素子16の厚さが薄くなると、反射回数は増加する。さらに、(内部全反射により)第2の素子16内を伝播する光信号18の光線は集束し、この集束はHOEの記録プロセスに基づいて設計および制御することができる。したがって、図2に示すように、光信号18の光線は、第2の素子16の端面34付近にある集束点32に近付く。
【0021】
事実上、装置10の一実施形態は分散装置である。装置10の受光開口部に入ってくる背景光(例えば第1の素子14に入射する光)は、干渉パターン26により回折される特定波長の光信号18以外は、装置10を通過するときに分散される。すなわち、光が干渉パターン26により回折されるよう設計された特定波長範囲になければ、第2の素子16をほぼ通過する。回折される特定波長の光と、透過される他の波長の光については、後述するように、干渉パターン26の記録プロセスに応じて設計、または、記録プロセス中に選択することができる。
【0022】
図2に戻ると、光検出回路36は、第2の素子16を通して内部反射された光信号18を受信するように動作する。一実施形態において、光検出回路36は、集束点32付近の端面34に配置された端面領域を有する大型コア光ファイバ(例えばコアの直径が1〜2mm)により構成されている。光ファイバ端部の表面領域は、例えば水平位置から約14度傾けて、集束点32付近の光線に直面して受光するようにしてもよい。一方、光ファイバは、光信号18に変調されたデータを抽出する光処理電子部品や他の構成部品(図示せず)に接続されている。他の実施形態では、光検出回路36を、集束点32付近に配置されたフォトダイオード、フォトトランジスタ、PINディテクタ、アバランシェフォトダイオード、電荷結合素子または他の光検出器等の感光素子で構成することにより、光ファイバを使用する必要性を低減または排除することができる。
【0023】
さらに、装置10は、第2の素子16の端面(例えば第1の面20および第2の面22とは異なる面)を覆うコーティング38(黒コーティングまたは他の不透明コーティング等)を備えている。コーティング38は、第1の素子14の端面を覆ってもよい。コーティング38は、光が装置10の側部/端部から入り、光検出回路36内に入ることを防止する。すなわち、コーティング38は、開口部を介して入る光以外については、装置10を「暗い状態」に保つ。
【0024】
さらに、装置10の一実施形態は、第2の素子16の第1の面20に隣接して配置されたカプラープリズム40を備えている。カプラープリズム40は、第1の面20と第2の面22との間を伝播する光信号18の一部を得る。例えば、図3の反射領域30付近におけるカプラープリズム40と第2の素子16の第1の面20との間隔を制御することにより、カプラープリズム40は反射領域30における光信号18の一部を得ることができる。反射領域30で得られる光の量は、カプラープリズム40と第1の面20との間隔を調整することにより増減できる。
【0025】
カプラープリズム40は、得られた光信号18の一部を補助的用途に使用することができる装置に接続されている。例えば、位置検出器42を接続して、カプラープリズム40からの光信号の一部を受信し、得られた光信号18の一部に基づく配向情報を与えることができる。位置検出器42の好適な例としては、追跡用途に使用することができる4分割素子検出器がある。
【0026】
一実施形態において、カプラープリズム40は、光信号18の自動利得制御や他のパワー/振幅制御に使用することができる。例えば、反射領域30におけるカプラープリズム40と第1の面20との間隔を大きくすることにより、光検出回路36に到達する光の量を増やすことができる。逆に、反射領域30におけるカプラープリズム40と第1の面20との間隔を小さくすることにより、光検出回路36に到達する光の量を減らすことができ、カプラープリズム40を第1の面20と面一にする(接触させる)ことにより、光が光検出回路36にほとんど到達しないようにすることもできる。
【0027】
なお、図2のカプラープリズム40は、ホログラフィック材料24が切れる、装置10の下部の約1/4の部分に配置されている。ホログラフィック材料24は、第2の面22の反射領域28から反射された光信号18が入射(例えば反射領域30付近)されないように選択された長さを有している。ホログラフィック材料24の干渉パターン26に内部反射光が入射しないようにすることにより、干渉パターン26から回折された光は干渉されない。
【0028】
装置10の一実施形態では、第2の素子16の第2の面22を覆う透明膜44を有している。膜44は、透明なプラスチック等の材料により構成することができる。エアスペースすなわちエアギャップ46により、膜44と第2の面22を分離することができる。膜44は、内部反射光に悪影響を与えるおそれのある、ごみ、ほこり、汚れ等から第2の面22を保護する機能を果たす。エアギャップ46の存在により、確実に第2の面22は、膜44上に付着するこれらの汚染物から完全に隔離されるので、第2の面22を内部反射のために清潔かつ歪のない状態に保つことができる。
【0029】
図4は、装置10の一実施形態の動作をさらに説明する正面図である。具体的には、図4は、ホログラフィック材料24に記録された干渉パターン26がどのように光信号18を回折するかを示す。内部反射により、光信号18は第2の素子16の端面34付近の集束点32で最終的に集束する。
【0030】
また、図4は、装置10が楕円形または半円形等、見た目に美しい形状を有することができることを示している。装置10の開口部の直径の一例として、2〜24インチ(50.8〜609.6mm)とすることができるが、用途によって開口部には他の大きさも用いることができる。なお、装置10は、図4に示す形状とは異なる形状を有してもよく、他の実施形態において異なる大きさの開口部を有してもよい。装置10の全体の厚さは、例えば約3cm〜1mmとすることができる。すなわち、装置10の一実施形態は、ほとんど平坦で目立たないので、装置10の上にブラインドやカーテンを引かなければならないような場合の窓置き型に適している。この薄い形状とかなり大きい開口部のため、装置10は軽量となるが、窓を占領しているように見えずに十分な光を集めることが可能である。
【0031】
図5は、本発明の一実施形態に係る装置10のHOEの記録プロセス48を説明する概略図である。記録プロセス48は、ホログラフィック材料24に回折格子または回折ホログラムとしての干渉パターン26を形成するのに用いることができる。干渉パターン26が反射ホログラムからなる実施形態においては、本開示の利益を受ける当該分野の技術者ならば、干渉パターン26が光信号を回折するのではなく、好適な臨界角で光信号を反射させるようなホログラムの記録方法を理解できるであろう。したがって、反射ホログラムの記録プロセスについては、ここでは詳細な説明を省略する。
【0032】
一実施形態において、構成および再生波長は、488nmまたは514nmなどのように、同じである。なお、これらの波長は単なる例であり、他の種々の実施形態において約350〜850nmの範囲とすることができる。この同じ波長で「シングルステップ」記録および再生プロセスでは単純であるという利点が得られるが、記録波長とは異なる波長でHOEを再生する実施形態でHOEを設けることも可能である。例えば、記録波長を488nm、再生波長(例えば光信号18の波長)を785nm、850nmまたは1550nmとすることができる。一実施形態では、再生用の光信号18はレーザ光等からなる。
【0033】
記録と再生の波長が大きく変わらない場合の実施形態においては、より高いHOEの性能が得られる。しかし、HOEの効率と焦点は、再生波長が赤外線である場合等、これら2つの波長が大きく異なる場合に最適化することができる。これは、事実上いずれの種類の回折格子についても回折効率とスポットサイズ(例えば焦点)を計算することができるからである。
【0034】
図5に示すように、記録プロセス48では、まず、(記録プロセス48における基盤として機能する)第2の素子16の表面20にホログラフィック材料24の塗布を行う。ホログラフィック材料24には、種々のエマルジョン材料等、種々の好適な混合物を使用することができる。一実施形態では、ホログラフィック材料24に重クロム酸化ゼラチン材料を用いることができる。当該分野の技術者により知られている比率で重クロム酸と混合することができる好適なゼラチンの種類の一例としては、ユタ州パラダイスシティのラルコン・ディベロップメント・ラボ(Ralcon Development Lab)により設計され、アイオワ州スーシティのカインド&ノックス・ゼラチン社(Kind&Knox Gelatine,Inc.)により製造された、光ゼラチンのジェリタ(Gelita、登録商標)系統、タイプ7677、ロット2がある。他の実施形態では、収縮特性が小さく加熱不要のフォトポリマー材料を用いることができる。このようなフォトポリマー材料の一例としては、デュポン・ホログラフィックス(実験ステーション、P.O.Box(私書箱)80352、デラウェア州ウィルミントン、19880−0352)から販売されている製造番号HRF−600X113−6*0.5GB/TRANSがある。記録プロセス48の開始前にホログラフィック材料24にハレーション防止層(図示せず)を塗布してもよい。
【0035】
次に、2つの光ビーム50および52をホログラフィック材料24に向ける。光ビーム50(例えば参照ビーム)は、第2の面22に垂直に入射し、ホログラフィック材料24に向かって第2の素子16を通過する。光ビーム52は、まず、光ビーム52をピンホール56に向けて集束させる空間フィルタまたはレンズ54を通過する。光ビーム52はピンホール56から拡散し、第2の素子16の端面34に入射する。図5に示すように、端面34は、一実施形態において垂直位置から測定して角度xを有するように、斜めに面取りすることができる。
【0036】
光ビーム52はホログラフィック材料24に向かう。ホログラフィック材料24上で光ビーム50と52が重なると、ホログラフィック材料24上のその位置における干渉が干渉パターン26として記録される。場合によっては、装置10の一実施形態で用いる回折角が大きいために、回折効率が偏光依存型になることもある。ホログラフィック材料24の厚さを厚くすると、ニア・ブラッグ・マッチ状態(near-Bragg match condition)における偏光依存性を改善することができる。干渉パターン26が記録された後、ハレーション防止層を除去する。接着剤または他の手段により第1の素子14をホログラフィック材料24に固定し、密封する。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態により光信号の送受信を行うことができる装置58を説明する部分正面図である。装置58は、前述の図面および説明において図示および説明したものと同様の構成部品を備えることができる。このような同様の構成部品には、自由空間光通信システムからの光信号を受信するとともに、光信号を第2の素子の一面に向け、内部全反射により光信号を第2の素子内に伝播させるHOE、端部のコーティング、光検出回路等が含まれる。図6に示す実施形態と上述の他の実施形態との違いは、装置58が送受信の両方を行えることである。
【0038】
装置58は、第1の干渉パターン62が記録された第1のホログラフィック材料60を有し、これらが第1のHOEを構成する。この第1のHOEは、光信号18を受信し、受信した光信号18が内部全反射的に伝播して光検出回路により最終的に受光されるように方向付けるため、上述と同様の配置、構造、構成、記録プロセス、動作、形状、その他の特徴を有するものとすることができる。
【0039】
第1のHOEに隣接して、第2の干渉パターン66が記録された第2のホログラフィック材料64からなる第2のHOEが配置されている。一実施形態において、第2のHOEは、図6に示すように第1のHOEの隣に「両眼的」に配置することができる。なお、この配置は単なる例であり、第2のHOEを第1のHOEに対して装置58上の他の位置に配置することもできることを理解すべきである。第1および第2のHOEを同じ面(例えば平面配置)に配置してもよく、また、異なる平面に配置してもよい(例えば、第1のHOEを素子の表面に配置し、第2のHOEをその素子の裏面に配置する)。第2のHOEの特定位置に基づいて、その干渉パターン66は透過性または反射性となる。本発明の一実施形態によれば、第2のHOEは第1のHOEとほぼ同様としてもよい。すなわち、上述と同様の材料および記録プロセスを用いて、第2のHOEを作成してもよい。
【0040】
送信の場合の装置58の動作は、図2の装置10の一実施形態に第2のホログラフィック材料64と第2の干渉パターン66を設けたものを参照して説明することができる。まず、第2の素子16の端面34付近に配置されたソース(レーザ等)から、他の光信号が送られる。光信号は、ソースにより好適な臨界角にて第2の素子16の一方の面に向けられ、内部全反射により第2の素子の第1の面20と第2の面22との間を伝播する。次に、第2の素子16の両面間を伝播したこの光信号は第2の干渉パターン66に到達し、第2の干渉パターン66により、第1の素子14を通過するように、また、自由空間光通信システムに向かうように方向付けられる。
【0041】
一実施形態において、第2の干渉パターン66は、第2のホログラフィック材料64が第2の素子16の第1の面20上または第2の素子16内に配置される場合のように、第1の素子14を通して光信号を回折させることができる。他の実施形態では、第2の干渉パターン66は、第2のホログラフィック材料64が第2の素子16の第2の面22上又は第2の素子16内に配置される場合のように、第1の素子14を通して光信号を反射させることができる。種々の実施形態によれば、受信された光信号と送信された光信号とは、受信波長が1550nm、送信波長が1625nm等、異なる波長とすることができる。
【0042】
結論として、装置10の一実施形態は、HOEを用いて特定波長の光(例えば光信号18)を集光するとともに、背景光を含む他の波長の光をほぼ透過させる。光信号18はHOEにより回折され、内部全反射により最終的に光検出回路36に到達するように角度をつけられる。可視光は透過されるので、装置10の開口部の大きさは、窓スペースの邪魔にならずに大きくすることができる。開口部の大きさが大きい方が、より多くの光を集光することができるのに加えて、目に対する安全性、シンチレーション等も補えるので、小さい開口部よりも良い。
【0043】
上述の本発明の実施形態の説明には、要約書に記載したものも含まれるが、排他的、あるいは、開示した形式そのものに本発明を限定するものではない。説明のために本発明の具体的な実施形態および例を記載したが、当該技術分野の技術者ならばわかるように、本発明の主旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、装置10について半円形状を図1および図4に示したが、他の実施形態では、装飾デザイン、利用可能な窓スペース、窓ガラス12の形状、集光したい光の量等に基づいて、他の形状をとることができる。さらに、カプラープリズム40(例えばガラスまたはプラスチックからなる)および位置検出器42は、追跡用途に使用できるとして説明したが、装置10の他の実施形態では追跡は不要であることを理解すべきである。このため、これら他の実施形態については、カプラープリズム40および/または位置検出器42の設置、使用は不要である。
【0045】
本発明に対するこれらの変更は、上述の詳細な説明に鑑みて行うことができる。以下の特許請求の範囲で用いる用語は、明細書および特許請求の範囲に開示した特定の実施形態に本発明を限定するものと解釈されてはならない。本発明の主旨は完全に以下の特許請求の範囲により決定されるのであって、特許請求の範囲は、確立されたクレーム解釈の原則に従って解釈されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置の配置を示す図である。
【図2】図1の装置の断面側面図である。
【図3】図1〜図2の装置の動作を詳細に説明する部分断面側面図である。
【図4】図1〜図2の装置の動作を説明する部分正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る図1〜図2の装置のためのホログラフィック光学素子(HOE)についての記録プロセスを説明する概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による光信号の送受信を行うことができる装置を説明する部分正面図である。
【0001】
本開示は一般に無線通信システムに関し、それに限られたものではないが特に自由空間光通信システム用のホログラフィック光学素子(HOE)を用いた内部反射装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットおよび/またはワールドワイドウェブ(WWW)等の広域ネットワークの普及に伴い、近年、ネットワークの発達と通信量が急増してきた。ネットワークユーザは、より高速のネットワークを要求し続けており、ネットワークの要求が増え続けるにつれて、既存のネットワークインフラストラクチャや技術が限界に達しつつある。
【0003】
既存のハードワイヤまたはファイバネットワーク技術に代わるものは、無線光通信技術の利用である。無線光通信では、レーザ等の光ビームを光通信信号として利用するので、各位置間をケーブルやファイバで結ぶ必要がない。データすなわち情報は光ビームに符号化されて光送信装置から自由空間を通って光受信装置に送られる。
【0004】
基本レベルでは、典型的な光受信装置は、基本的に、光ビームのデータを復調したり他の処理を行う関連電子部品などの多数の構成部品を有する望遠鏡である。これらの光受信装置は多数の部品を有しているため、全体としてのサイズあるいは「設置面積」が大きくなる。個々の部品自体も設置面積が大きい。この設置面積の増大は、装置を目立たないように設置しなければならない場合に不利となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一例として、光受信装置等、ほとんどの窓通過型光通信装置における問題は、窓のスペースを取る傾向があるということである。光受信装置の集光器開口部が大きいほど、より多くの光を集めることはできるが、スペースが犠牲になる。光受信装置は大型であるため、大幅にしかも好ましくない状態で窓を塞ぎ、日光や見えるであろうはずの美しい景観を遮ってしまう。
【0006】
また、これらの光受信装置は大型であるため、重量も大きい。重量が大きいので、このような光受信装置をしっかりと構造的に支える必要があり、設置、移動、再配置が困難になる。これらの光受信装置の部品点数が多いことも全体としてのコストを上げており、光受信装置の複雑性はコスト効率の高い大量生産技術を利用できないので相当な製造費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、装置は、表面と裏面を有する素子を備える。光信号が内部反射によりホログラフィック光学素子(HOE)の表面と裏面との間を伝播するような角度で素子の両面のいずれかに光信号を導くようにホログラフィック光学素子が配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態について図面を参照して説明するが、図中、同じ参照番号は、特に記載のない限り種々の図面において同じ部分を示すものである。
【0009】
以下、ホログラフィック光学素子(HOE)を用いた内部反射装置および方法の実施形態を説明する。以下の説明では、本発明の実施形態を完全に理解できるように多くの具体的詳細事項について説明する。しかし、当該分野の技術者であれば、それらの具体的詳細事項の1以上がなくても、あるいは、他の方法、構成要素、材料等を用いても、本発明を実施できることがわかるであろう。また、本発明の態様を不明瞭にしないために、既知の構造、材料、動作については図示や説明を省略する。
【0010】
本明細書において「ひとつの実施形態」または「一実施形態」とは、その実施形態に関して説明する、ある特定の特徴、構造、特性が、本発明の少なくともひとつの実施形態に含まれるという意味である。したがって、本明細書の様々な部分で「ひとつの実施形態において」または「一実施形態において」という語句が出てくるが、必ずしもすべてが同じ実施形態に関するものではない。さらに、1以上の実施形態において、特定の特徴、構造、特性を適切に組み合わせてもよい。
【0011】
概略として、本発明の一実施形態では、自由空間光通信システムにおける光受信装置の一部として用いることができる装置を提供している。この装置は、窓のスペースが大事であり、あるいは、窓のスペースを求めている顧客を前提とした、ほとんど目立たない家庭用集光装置である。この装置は軽量で、目に安全であるとともに、十分な信号光を集めることができる大きさとすることが可能である。他種の光受信装置と異なり、本発明の一実施形態に係る装置は、背景の可視光を透過させることにより、信号光を受光する受光器からの背景可視光のフィルタリングを行うことができる。
【0012】
したがって、本発明の一実施形態では、他の光受信装置と同じようには窓のスペースを使用しない、十分な大きさの開口部を有する装置が得られる。可視光は本装置を通過する。本発明の一実施形態では、可視光を透過させ、例えばガラス板の間に挟まれたホログラフィック素子(HOE)を使用して所望の光信号を集める。HOEは、近赤外線(IR)の光(例えば通信用光信号)を効率的に回折させ、光信号がガラス板の一方から脱出できずに内部全反射によりそのガラス板内を伝播するように光を屈折させる。可視光は赤外線の光よりも回折が少ないので、可視光はガラス板から脱出することができる。
【0013】
図1を参照する。全体として10として示すのが本発明の一実施形態に係る装置である。より具体的には、図1は装置10の配置を示す図である。装置10は窓ガラス12の近くに取り付けられている。図1からわかるように、装置10は比較的大きな集光面積を有しながらも、ほとんど目立たない。さらに、装置10は可視光を透過させるので、装置10を通して窓ガラス12の向かいの景色を見ることができる。
【0014】
図2は、図1の装置10の断面側面図である。装置10は、第1の素子14と第2の素子16を備えている。第1の素子14および第2の素子16は、ガラス材料(例えば、BK−7ガラスや他のガラス等)、プラスチック材料、または他の透明材料により構成することができる。第1の素子14は、自由空間光通信システムからの光信号18(図1では複数の光線として表される)に向き合うように配置されている。配置されている間、図1に示すように、第1の素子14は光信号18を受信するように窓ガラス12に向けて配置されている。
【0015】
第2の素子16は、第1の素子14に隣接して配置された第1の面20(例えば表面)と、第2の面22(例えば裏面)を有している。一実施形態において、第1の素子14と第2の素子16の第1の面20との間には、干渉パターンが記録されたホログラフィック材料24を備えたHOEが配置されている。他の実施形態では、ホログラフィック材料24を第2の素子16内に配置することができる。さらに他の実施形態では、ホログラフィック材料24を第2の素子16の第2の面22上に配置することができる。
【0016】
図3は、図1〜図2の装置10の動作を詳細に説明する部分断面側面図である。光信号18は第1の素子14を通過し、ホログラフィック材料24に記録された干渉パターン26により受信される。本発明の一実施形態によれば、干渉パターン26は回折ホログラムの一部により構成される。干渉パターン26は、第2の素子16の第2の面22に向けて光信号18に角度をつける、すなわち、回折させるように構成されている。
【0017】
第2の面22に向く光信号18の回折する角度を適切に選択することにより、光信号18を内部全反射により第2の面22と第1の面20との間を伝播させることができる。本発明の一実施形態によれば、水平面から下方に測定した内部全反射の「臨界角」の値に応じて、42度以上の角度yで光信号18の光線を第2の面22に向ければよい。このような範囲で回折角yを選択することにより、光信号18の光線は、第2の素子16を水平方向に通過するのではなく、第1の面20と第2の面22との間で内部反射する。一実施形態において、内部全反射を達成するのに必要な適切な角度は、第2の素子16に使用する材料と第1の面22に隣接する材料によって決めることができる。
【0018】
ホログラフィック材料24が第2の素子16内に配置されている実施形態では、干渉パターン26は透過ホログラムまたは反射ホログラムにより構成することができる。この実施形態において、干渉パターン26が透過ホログラムにより構成される場合、干渉パターン26は、光信号18を適切な臨界角yで第2の素子16の第2の面22に向けて回折させる。一方、この実施形態において、干渉パターン26が反射ホログラムにより構成される場合、干渉パターン26は、光信号18を適切な臨界角yで第2の素子16の第1の面20に向けて反射させる。光信号18は、第2の素子16の適切な面に向けて回折または反射されると、内部全反射により第1の面20と第2の面22との間を伝播することができる。
【0019】
ホログラフィック材料24が第2の素子16の第2の面22上に配置されている実施形態では、干渉パターン26は反射ホログラムにより構成することができる。このような実施形態では、光信号18は干渉パターン26に達するまで第2の素子16を通過する。干渉パターン26は光信号18を臨界角yで第1の面20に向けて反射するように構成されている。その後、光信号18は、内部全反射により第1の面20と第2の面22との間を伝播することができる。
【0020】
ホログラフィック材料24が第2の面20上に配置され、干渉パターン26が回折ホログラムにより構成される一実施形態については、図3に示すように、光信号18は2度反射される(例えば、第2の面22の反射領域28と第1の面20の反射領域30にて「はね返される」)。「はね返り」回数に影響を与える要因は、第2の素子16の厚さである。第2の素子16の厚さが薄くなると、反射回数は増加する。さらに、(内部全反射により)第2の素子16内を伝播する光信号18の光線は集束し、この集束はHOEの記録プロセスに基づいて設計および制御することができる。したがって、図2に示すように、光信号18の光線は、第2の素子16の端面34付近にある集束点32に近付く。
【0021】
事実上、装置10の一実施形態は分散装置である。装置10の受光開口部に入ってくる背景光(例えば第1の素子14に入射する光)は、干渉パターン26により回折される特定波長の光信号18以外は、装置10を通過するときに分散される。すなわち、光が干渉パターン26により回折されるよう設計された特定波長範囲になければ、第2の素子16をほぼ通過する。回折される特定波長の光と、透過される他の波長の光については、後述するように、干渉パターン26の記録プロセスに応じて設計、または、記録プロセス中に選択することができる。
【0022】
図2に戻ると、光検出回路36は、第2の素子16を通して内部反射された光信号18を受信するように動作する。一実施形態において、光検出回路36は、集束点32付近の端面34に配置された端面領域を有する大型コア光ファイバ(例えばコアの直径が1〜2mm)により構成されている。光ファイバ端部の表面領域は、例えば水平位置から約14度傾けて、集束点32付近の光線に直面して受光するようにしてもよい。一方、光ファイバは、光信号18に変調されたデータを抽出する光処理電子部品や他の構成部品(図示せず)に接続されている。他の実施形態では、光検出回路36を、集束点32付近に配置されたフォトダイオード、フォトトランジスタ、PINディテクタ、アバランシェフォトダイオード、電荷結合素子または他の光検出器等の感光素子で構成することにより、光ファイバを使用する必要性を低減または排除することができる。
【0023】
さらに、装置10は、第2の素子16の端面(例えば第1の面20および第2の面22とは異なる面)を覆うコーティング38(黒コーティングまたは他の不透明コーティング等)を備えている。コーティング38は、第1の素子14の端面を覆ってもよい。コーティング38は、光が装置10の側部/端部から入り、光検出回路36内に入ることを防止する。すなわち、コーティング38は、開口部を介して入る光以外については、装置10を「暗い状態」に保つ。
【0024】
さらに、装置10の一実施形態は、第2の素子16の第1の面20に隣接して配置されたカプラープリズム40を備えている。カプラープリズム40は、第1の面20と第2の面22との間を伝播する光信号18の一部を得る。例えば、図3の反射領域30付近におけるカプラープリズム40と第2の素子16の第1の面20との間隔を制御することにより、カプラープリズム40は反射領域30における光信号18の一部を得ることができる。反射領域30で得られる光の量は、カプラープリズム40と第1の面20との間隔を調整することにより増減できる。
【0025】
カプラープリズム40は、得られた光信号18の一部を補助的用途に使用することができる装置に接続されている。例えば、位置検出器42を接続して、カプラープリズム40からの光信号の一部を受信し、得られた光信号18の一部に基づく配向情報を与えることができる。位置検出器42の好適な例としては、追跡用途に使用することができる4分割素子検出器がある。
【0026】
一実施形態において、カプラープリズム40は、光信号18の自動利得制御や他のパワー/振幅制御に使用することができる。例えば、反射領域30におけるカプラープリズム40と第1の面20との間隔を大きくすることにより、光検出回路36に到達する光の量を増やすことができる。逆に、反射領域30におけるカプラープリズム40と第1の面20との間隔を小さくすることにより、光検出回路36に到達する光の量を減らすことができ、カプラープリズム40を第1の面20と面一にする(接触させる)ことにより、光が光検出回路36にほとんど到達しないようにすることもできる。
【0027】
なお、図2のカプラープリズム40は、ホログラフィック材料24が切れる、装置10の下部の約1/4の部分に配置されている。ホログラフィック材料24は、第2の面22の反射領域28から反射された光信号18が入射(例えば反射領域30付近)されないように選択された長さを有している。ホログラフィック材料24の干渉パターン26に内部反射光が入射しないようにすることにより、干渉パターン26から回折された光は干渉されない。
【0028】
装置10の一実施形態では、第2の素子16の第2の面22を覆う透明膜44を有している。膜44は、透明なプラスチック等の材料により構成することができる。エアスペースすなわちエアギャップ46により、膜44と第2の面22を分離することができる。膜44は、内部反射光に悪影響を与えるおそれのある、ごみ、ほこり、汚れ等から第2の面22を保護する機能を果たす。エアギャップ46の存在により、確実に第2の面22は、膜44上に付着するこれらの汚染物から完全に隔離されるので、第2の面22を内部反射のために清潔かつ歪のない状態に保つことができる。
【0029】
図4は、装置10の一実施形態の動作をさらに説明する正面図である。具体的には、図4は、ホログラフィック材料24に記録された干渉パターン26がどのように光信号18を回折するかを示す。内部反射により、光信号18は第2の素子16の端面34付近の集束点32で最終的に集束する。
【0030】
また、図4は、装置10が楕円形または半円形等、見た目に美しい形状を有することができることを示している。装置10の開口部の直径の一例として、2〜24インチ(50.8〜609.6mm)とすることができるが、用途によって開口部には他の大きさも用いることができる。なお、装置10は、図4に示す形状とは異なる形状を有してもよく、他の実施形態において異なる大きさの開口部を有してもよい。装置10の全体の厚さは、例えば約3cm〜1mmとすることができる。すなわち、装置10の一実施形態は、ほとんど平坦で目立たないので、装置10の上にブラインドやカーテンを引かなければならないような場合の窓置き型に適している。この薄い形状とかなり大きい開口部のため、装置10は軽量となるが、窓を占領しているように見えずに十分な光を集めることが可能である。
【0031】
図5は、本発明の一実施形態に係る装置10のHOEの記録プロセス48を説明する概略図である。記録プロセス48は、ホログラフィック材料24に回折格子または回折ホログラムとしての干渉パターン26を形成するのに用いることができる。干渉パターン26が反射ホログラムからなる実施形態においては、本開示の利益を受ける当該分野の技術者ならば、干渉パターン26が光信号を回折するのではなく、好適な臨界角で光信号を反射させるようなホログラムの記録方法を理解できるであろう。したがって、反射ホログラムの記録プロセスについては、ここでは詳細な説明を省略する。
【0032】
一実施形態において、構成および再生波長は、488nmまたは514nmなどのように、同じである。なお、これらの波長は単なる例であり、他の種々の実施形態において約350〜850nmの範囲とすることができる。この同じ波長で「シングルステップ」記録および再生プロセスでは単純であるという利点が得られるが、記録波長とは異なる波長でHOEを再生する実施形態でHOEを設けることも可能である。例えば、記録波長を488nm、再生波長(例えば光信号18の波長)を785nm、850nmまたは1550nmとすることができる。一実施形態では、再生用の光信号18はレーザ光等からなる。
【0033】
記録と再生の波長が大きく変わらない場合の実施形態においては、より高いHOEの性能が得られる。しかし、HOEの効率と焦点は、再生波長が赤外線である場合等、これら2つの波長が大きく異なる場合に最適化することができる。これは、事実上いずれの種類の回折格子についても回折効率とスポットサイズ(例えば焦点)を計算することができるからである。
【0034】
図5に示すように、記録プロセス48では、まず、(記録プロセス48における基盤として機能する)第2の素子16の表面20にホログラフィック材料24の塗布を行う。ホログラフィック材料24には、種々のエマルジョン材料等、種々の好適な混合物を使用することができる。一実施形態では、ホログラフィック材料24に重クロム酸化ゼラチン材料を用いることができる。当該分野の技術者により知られている比率で重クロム酸と混合することができる好適なゼラチンの種類の一例としては、ユタ州パラダイスシティのラルコン・ディベロップメント・ラボ(Ralcon Development Lab)により設計され、アイオワ州スーシティのカインド&ノックス・ゼラチン社(Kind&Knox Gelatine,Inc.)により製造された、光ゼラチンのジェリタ(Gelita、登録商標)系統、タイプ7677、ロット2がある。他の実施形態では、収縮特性が小さく加熱不要のフォトポリマー材料を用いることができる。このようなフォトポリマー材料の一例としては、デュポン・ホログラフィックス(実験ステーション、P.O.Box(私書箱)80352、デラウェア州ウィルミントン、19880−0352)から販売されている製造番号HRF−600X113−6*0.5GB/TRANSがある。記録プロセス48の開始前にホログラフィック材料24にハレーション防止層(図示せず)を塗布してもよい。
【0035】
次に、2つの光ビーム50および52をホログラフィック材料24に向ける。光ビーム50(例えば参照ビーム)は、第2の面22に垂直に入射し、ホログラフィック材料24に向かって第2の素子16を通過する。光ビーム52は、まず、光ビーム52をピンホール56に向けて集束させる空間フィルタまたはレンズ54を通過する。光ビーム52はピンホール56から拡散し、第2の素子16の端面34に入射する。図5に示すように、端面34は、一実施形態において垂直位置から測定して角度xを有するように、斜めに面取りすることができる。
【0036】
光ビーム52はホログラフィック材料24に向かう。ホログラフィック材料24上で光ビーム50と52が重なると、ホログラフィック材料24上のその位置における干渉が干渉パターン26として記録される。場合によっては、装置10の一実施形態で用いる回折角が大きいために、回折効率が偏光依存型になることもある。ホログラフィック材料24の厚さを厚くすると、ニア・ブラッグ・マッチ状態(near-Bragg match condition)における偏光依存性を改善することができる。干渉パターン26が記録された後、ハレーション防止層を除去する。接着剤または他の手段により第1の素子14をホログラフィック材料24に固定し、密封する。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態により光信号の送受信を行うことができる装置58を説明する部分正面図である。装置58は、前述の図面および説明において図示および説明したものと同様の構成部品を備えることができる。このような同様の構成部品には、自由空間光通信システムからの光信号を受信するとともに、光信号を第2の素子の一面に向け、内部全反射により光信号を第2の素子内に伝播させるHOE、端部のコーティング、光検出回路等が含まれる。図6に示す実施形態と上述の他の実施形態との違いは、装置58が送受信の両方を行えることである。
【0038】
装置58は、第1の干渉パターン62が記録された第1のホログラフィック材料60を有し、これらが第1のHOEを構成する。この第1のHOEは、光信号18を受信し、受信した光信号18が内部全反射的に伝播して光検出回路により最終的に受光されるように方向付けるため、上述と同様の配置、構造、構成、記録プロセス、動作、形状、その他の特徴を有するものとすることができる。
【0039】
第1のHOEに隣接して、第2の干渉パターン66が記録された第2のホログラフィック材料64からなる第2のHOEが配置されている。一実施形態において、第2のHOEは、図6に示すように第1のHOEの隣に「両眼的」に配置することができる。なお、この配置は単なる例であり、第2のHOEを第1のHOEに対して装置58上の他の位置に配置することもできることを理解すべきである。第1および第2のHOEを同じ面(例えば平面配置)に配置してもよく、また、異なる平面に配置してもよい(例えば、第1のHOEを素子の表面に配置し、第2のHOEをその素子の裏面に配置する)。第2のHOEの特定位置に基づいて、その干渉パターン66は透過性または反射性となる。本発明の一実施形態によれば、第2のHOEは第1のHOEとほぼ同様としてもよい。すなわち、上述と同様の材料および記録プロセスを用いて、第2のHOEを作成してもよい。
【0040】
送信の場合の装置58の動作は、図2の装置10の一実施形態に第2のホログラフィック材料64と第2の干渉パターン66を設けたものを参照して説明することができる。まず、第2の素子16の端面34付近に配置されたソース(レーザ等)から、他の光信号が送られる。光信号は、ソースにより好適な臨界角にて第2の素子16の一方の面に向けられ、内部全反射により第2の素子の第1の面20と第2の面22との間を伝播する。次に、第2の素子16の両面間を伝播したこの光信号は第2の干渉パターン66に到達し、第2の干渉パターン66により、第1の素子14を通過するように、また、自由空間光通信システムに向かうように方向付けられる。
【0041】
一実施形態において、第2の干渉パターン66は、第2のホログラフィック材料64が第2の素子16の第1の面20上または第2の素子16内に配置される場合のように、第1の素子14を通して光信号を回折させることができる。他の実施形態では、第2の干渉パターン66は、第2のホログラフィック材料64が第2の素子16の第2の面22上又は第2の素子16内に配置される場合のように、第1の素子14を通して光信号を反射させることができる。種々の実施形態によれば、受信された光信号と送信された光信号とは、受信波長が1550nm、送信波長が1625nm等、異なる波長とすることができる。
【0042】
結論として、装置10の一実施形態は、HOEを用いて特定波長の光(例えば光信号18)を集光するとともに、背景光を含む他の波長の光をほぼ透過させる。光信号18はHOEにより回折され、内部全反射により最終的に光検出回路36に到達するように角度をつけられる。可視光は透過されるので、装置10の開口部の大きさは、窓スペースの邪魔にならずに大きくすることができる。開口部の大きさが大きい方が、より多くの光を集光することができるのに加えて、目に対する安全性、シンチレーション等も補えるので、小さい開口部よりも良い。
【0043】
上述の本発明の実施形態の説明には、要約書に記載したものも含まれるが、排他的、あるいは、開示した形式そのものに本発明を限定するものではない。説明のために本発明の具体的な実施形態および例を記載したが、当該技術分野の技術者ならばわかるように、本発明の主旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、装置10について半円形状を図1および図4に示したが、他の実施形態では、装飾デザイン、利用可能な窓スペース、窓ガラス12の形状、集光したい光の量等に基づいて、他の形状をとることができる。さらに、カプラープリズム40(例えばガラスまたはプラスチックからなる)および位置検出器42は、追跡用途に使用できるとして説明したが、装置10の他の実施形態では追跡は不要であることを理解すべきである。このため、これら他の実施形態については、カプラープリズム40および/または位置検出器42の設置、使用は不要である。
【0045】
本発明に対するこれらの変更は、上述の詳細な説明に鑑みて行うことができる。以下の特許請求の範囲で用いる用語は、明細書および特許請求の範囲に開示した特定の実施形態に本発明を限定するものと解釈されてはならない。本発明の主旨は完全に以下の特許請求の範囲により決定されるのであって、特許請求の範囲は、確立されたクレーム解釈の原則に従って解釈されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置の配置を示す図である。
【図2】図1の装置の断面側面図である。
【図3】図1〜図2の装置の動作を詳細に説明する部分断面側面図である。
【図4】図1〜図2の装置の動作を説明する部分正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る図1〜図2の装置のためのホログラフィック光学素子(HOE)についての記録プロセスを説明する概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による光信号の送受信を行うことができる装置を説明する部分正面図である。
Claims (49)
- 自由空間光通信システムからの光信号を通過させる第1の素子と、
前記第1の素子に隣接して配置された第1の面と、第2の面とを有する第2の素子と、
前記第1の素子を通過した前記光信号を受信するための干渉パターンが記録されたホログラフィック材料であって、前記干渉パターンが、前記光信号が内部反射により前記第1および第2の面の間を伝播するように前記第2の素子の前記面の一方に向けて前記光信号を方向付けるように構成されるホログラフィック材料と
を備えることを特徴とする装置。 - 前記ホログラフィック材料に記録された前記干渉パターンは透過ホログラムの一部により構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料は前記第1の素子と前記第2の素子の前記第1の面との間に配置され、前記干渉パターンは前記第2の素子の前記第2の面に向けて前記光信号を回折させるように構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料は前記第2の素子内に配置されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料は前記第2の素子の前記第2の面に配置され、前記干渉パターンは前記第2の素子の前記第1の面に向けて前記光信号を反射させるように構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料は重クロム酸化ゼラチン材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料はフォトポリマー材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記第1および第2の素子はガラス材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記第1および第2の素子はプラスチック材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記第2の素子に接続され、内部反射により前記第2の素子の前記第1および第2の面の間を伝播する前記光信号を受信する光検出回路をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記光検出回路は、前記第1および第2の面とは異なる前記第2の素子の端面に配置された光フィアバを備えることを特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の装置。
- 前記光検出回路は、前記第1および第2の面とは異なる前記第2の素子の面付近に配置された光検出器を備えることを特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の装置。
- 前記第2の素子の前記第1の面に隣接して配置され、前記第2の素子の前記第1および第2の面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムと、
前記カプラープリズムに接続され、前記カプラープリズムにより得られた前記光信号の一部に基づく配向情報を与える位置検出器と
をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。 - 前記第2の素子の前記第1の面に隣接して配置され、前記第2の素子の前記第1および第2の面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムをさらに備え、前記カプラープリズムと前記第1の面との間隔が、前記光検出回路に到達する前記光信号の量を制御するように調整可能であることを特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の装置。
- 前記第1および第2の面とは異なる前記第2の素子の面を覆うとともに、前記光信号を通過させる面とは異なる前記第1の素子の面を覆う黒コーティングをさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記ホログラフィック材料は、前記第2の素子の前記第2の面から反射された前記光信号が入射しないように選択された長さを有することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記光信号は近赤外線波長を有し、前記干渉パターンは、その波長を有する前記光信号を角度をつけて回折するとともに、背景光を含む他の波長を有する他の光に前記第2の素子をほぼ通過させるように構成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記第2の素子の前記第1および第2の面の間を伝播した他の光信号を、前記第1の素子を通過するとともに前記自由空間光通信システムに向かうように方向付ける他の干渉パターンが記録された他のホログラフィック材料をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の装置。
- 前記自由空間光通信システムからの前記光信号と、前記他の干渉パターンにより前記自由空間光通信システムに向けて方向付けられた前記他の光信号とは、異なる波長を有することを特徴とする特許請求の範囲第18項に記載の装置。
- 表面と裏面を有する素子と、
光信号を前記素子の前記面の一方に向けて角度をつけ、前記光信号に内部反射により前記素子の前記表面および裏面の間を伝播させるように配置されたホログラフィック光学素子(HOE)と
を備えることを特徴とする装置。 - 前記HOE上に配置され、前記光信号を自由空間光通信システムから前記HOEに送るための他の素子をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記HOEは、前記素子の前記裏面に向けて前記光信号を回折させる干渉パターンが記録されたホログラフィック材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記HOEは、前記素子の前記表面に向けて前記光信号を反射させる干渉パターンが記録されたホログラフィック材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記HOEは、干渉パターンが記録され、前記素子の前記表面に配置されたホログラフィック材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記素子に接続され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号を集束点付近で受信する光検出回路をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記素子の前記表面に隣接して配置され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムをさらに備え、前記カプラープリズムと前記表面との間隔が、前記光検出回路に到達する前記光信号の量を制御するように調整可能であることを特徴とする特許請求の範囲第25項に記載の装置。
- 前記素子の前記面の一方に隣接して配置され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムと、
前記カプラープリズムに接続され、前記カプラープリズムにより得られた前期光信号の一部に基づく配向情報を与える位置検出器と
をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。 - 前記光信号は特定波長を有し、前記HOEは、その波長を有する前記光信号を回折させるとともに、背景光を含む他の波長を有する他の光に前記第2の素子をほぼ通過させるように構成されることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記表面および裏面とは異なる前記素子の面を覆うコーティングをさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記HOEは、前記素子の前記裏面から反射された前記光信号が入射することがないように選択された長さを有することを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 前記素子の前記表面および裏面の間を伝播した他の光信号を、自由空間光通信システムに向けて方向付ける他のHOEをさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第20項に記載の装置。
- 表面と裏面を有する素子と、
データが変調され、自由空間光通信システムから受信された光信号を、前記素子の前記面の一方に向けて角度をつけ、前記光信号に内部反射により前記素子の前記表面および裏面の間を伝播させるように配置されたホログラフィック光学素子(HOE)と
前記素子に接続され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号を受信するとともに、データが変調された前記受信された光信号を表す電気信号を生成する光検出回路と
を備えることを特徴とするシステム。 - 前記光検出回路は前記表面および裏面とは異なる前記素子の面に接続された光フィアバを有することを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 前記表面および裏面とは異なる前記素子の面付近に配置された光検出器をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 前記光信号は特定波長を有し、前記HOEは、その波長を有する前記光信号を前記裏面に向けて角度をつけて回折するとともに、背景光を含む他の波長を有する他の光に前記素子をほぼ通過させるように構成されることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 前記HOEは、前記素子の前記表面に向けて前記光信号を反射する干渉パターンが記録されたホログラフィック材料からなることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 前記素子の前記面の一方に隣接して配置され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムと、
前記カプラープリズムに接続され、前記カプラープリズムにより得られた前期光信号の一部に基づく配向情報を与える位置検出器と
をさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。 - 前記素子の前記表面に隣接して配置され、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播する前記光信号の一部を得るカプラープリズムをさらに備え、前記カプラープリズムと前記表面との間隔が、前記光検出回路に到達する前記光信号の量を制御するように調整可能であることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 前記素子の前記表面および裏面の間を伝播した他の光信号を、自由空間光通信システムに向けて方向付ける他のHOEをさらに備えることを特徴とする特許請求の範囲第32項に記載のシステム。
- 自由空間光通信システムから光信号を受信し、
ホログラフィック光学素子(HOE)を用いて、前記光信号を素子の表面または裏面に向けて角度をつけて方向付け、前記光信号に内部反射により前記表面および裏面の間を伝播させることを特徴とする方法。 - さらに、前記素子の前記面の一方から前記光信号の一部を得て、
前記得られた光信号の一部に基づく配向情報を与えることを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。 - さらに、カプラープリズムと、前記光信号を内部反射する前記素子の前記面の一方のある領域との間隔を変更することにより、光検出回路に到達する前記光信号の量を制御することを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- 前記光信号を方向付ける際に、前記HOEの干渉パターンを用いて前記光信号を前記素子の前記裏面に向けて回折することを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- 前記光信号を方向付ける際に、前記HOEの干渉パターンを用いて前記光信号を前記素子の前記表面に向けて反射させることを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- さらに、内部反射により前記素子内を伝播する前記光信号を集束点付近で受信することを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- 前記光信号を角度をつけて方向付ける際に、特定波長を有する前記光信号を前記素子の前記裏面に向けて回折させるとともに、背景光を含む他の波長を有する他の光に前記素子をほぼ通過させることを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- さらに、ホログラフィック材料に入射する2つの干渉光波面を用いて、前記HOEの一部からなる干渉パターンを記録することを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- さらに、エアギャップにより前記素子の前記裏面を膜から分離することを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
- さらに、他のHOEを用いて、前記素子の前記表面および裏面の間を伝播した他の光信号を、自由空間光通信システムに向けて方向付けることを特徴とする特許請求の範囲第40項に記載の方法。
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