JP2004531730A - 新しい放射線減衰材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野において、又は、X線又はガンマ線を発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組みにおいて1つ又は複数の遮蔽を達成するのに適用可能な新しい放射線減衰材料を提供すると共に、この材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の新しい放射線減衰材料は、鉛を除く異なる性質の少なくとも2つ、好ましくは3つの金属又は金属由来物(酸化物又は合金)の組合せから成る金属装填材料を含むプラスチック材料(例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、又はポリカーボネートのような熱可塑性材料)から形成され、この金属及び/又は金属由来物は、それらのX線又はガンマ線の吸収曲線の不連続性に関連して選択され、それにより吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘ってこの曲線の相補性がもたらされ、このエネルギ範囲に亘る放射線防護を最適化する。金属装填材料は、粒子の大きさが50ミクロンよりも圧倒的に小さい粉末の形態であることが好ましい。金属装填材料は、最終材料の70から95重量%の範囲の比率を有し、好ましくは、タングステン、スズ、ビスマス、バリウム、アンチモン、ランタノイド、タンタル、又は、特に酸化物及び合金であるその由来物のような高密度金属から選択される。この放射線減衰材料は、X線又はガンマ線を使用する医学又は産業用撮像分野において、又は、この種のビームを発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組みにおいて遮蔽構造を実現するために応用される。
【解決手段】本発明の新しい放射線減衰材料は、鉛を除く異なる性質の少なくとも2つ、好ましくは3つの金属又は金属由来物(酸化物又は合金)の組合せから成る金属装填材料を含むプラスチック材料(例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、又はポリカーボネートのような熱可塑性材料)から形成され、この金属及び/又は金属由来物は、それらのX線又はガンマ線の吸収曲線の不連続性に関連して選択され、それにより吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘ってこの曲線の相補性がもたらされ、このエネルギ範囲に亘る放射線防護を最適化する。金属装填材料は、粒子の大きさが50ミクロンよりも圧倒的に小さい粉末の形態であることが好ましい。金属装填材料は、最終材料の70から95重量%の範囲の比率を有し、好ましくは、タングステン、スズ、ビスマス、バリウム、アンチモン、ランタノイド、タンタル、又は、特に酸化物及び合金であるその由来物のような高密度金属から選択される。この放射線減衰材料は、X線又はガンマ線を使用する医学又は産業用撮像分野において、又は、この種のビームを発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組みにおいて遮蔽構造を実現するために応用される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野において、又は、X線又はガンマ線を発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組みにおいて1つ又は複数の遮蔽を達成するのに適用可能な新しい放射線減衰材料に関する。本発明はまた、この材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最も用いられることが多い放射線減衰材料は鉛であり、それは、特にその低いコスト、成形によるその容易な実施、及びその良好な放射線減衰特性という理由からである。場合によっては、タングステン、スズ、又はビスマスなどのような他の高密度材料を用いることもできるが、比較的制限がある。
すなわち、X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野では、主に鉛の覆いが用いられる(例えば、放射線医学設備での放射能管や輝度増幅器又は関連の平面検出器の遮蔽、ガンマカメラ及びスキャナの遮蔽、空港での手荷物管理設備のような非破壊管理設備の遮蔽、又はその他)。このような鉛覆いはまた、放射性生成物を注射するシリンジを保護するのにも用いられ、又は、更にこれらの放射性生成物が調整される容器又はガラス瓶を保護するのにも用いられる。
【0003】
しかし、その毒性及び提起された環境又は生態学的問題のために、鉛の使用は益々厳しく規制されており、この金属を取り扱うことには衛生上のリスクがあり、多くの場合、鉛を塗料又はプラスチック材料の殻のようなコーティングと組み合わせることが特に必要であり、これによって製造及び遮蔽の維持を著しく複雑化させる。
欧州特許番号EP−0372758は、金属粒子を充填した熱可塑性基材で構成された放射線防護材料を開示している。しかし、それらの構造を考慮すると、この材料は、主に可撓性又は柔軟な最終生成物を実現するのに適している。実施された金属の装填又は装填の組合せ、及び使用する粒子の大きさは、最適化された放射線防護を形成するようになっていない。
【0004】
【特許文献1】
欧州特許番号EP−0372758
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、遮蔽体の製造に関して鉛の壁を置換することを可能にし、これによって今日までに公知の構造の上述の欠点を直すことができる新しい放射線減衰材料を提供することである。
本発明の別の目的は、既存の保護構造よりも放射線減衰機能が改善された材料を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この新しい放射線減衰材料は、鉛を除く異なる性質の少なくとも2つ(好ましくは3つ)の金属及び/又は金属由来物(酸化物又は合金)の組合せから成る金属粒子の装填材料を含むプラスチック材料から形成され、この金属及び/又は金属由来物は、それらのX線又はガンマ線の吸収曲線の不連続性に関連して選択され(これらの不連続性は、種々の電子層K、L、M、...の相互作用による)、それにより吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘ってこの曲線の相補性がもたらされ、このエネルギ範囲に亘る放射線防護を最適化する。絶対に避けるべきである鉛を除くこの金属粒子の結びつきは、放射線減衰の優れた機能を得ることを可能にする。
【0007】
本発明による材料は、プラスチック基材を金属装填材料と均質に混合した後で、特に射出成形技術により成形部品に変形させるのが非常に簡単である。このような技術により、任意の形態の化学的に安定な生成物を容易に得ることができ、プラスチック基材に含まれた金属装填材料は完全に不活性にされる。
成形した生成物は、非常に良い仕上げの品質を示し、また、プラスチック基材に付随する適切な着色によりその色を任意に適応させることができる点にも注意すべきである。
【0008】
基本的支持材料として、熱硬化材料(例えば、ベークライト)、エラストマー材料(例えば、フルオロプロピレン、シリコンエラストマーなど)、ゴム、又は樹脂のような任意の種類のプラスチック材料を用いることができる。しかしながら、ポリアミド、ポリプロピレン、又はポリカーボネートのような熱可塑性材料は、その低いコスト又は特に射出成形技術によって実施が容易なことにより、好ましいものである。
【0009】
良好な放射線減衰特性を得るために、金属装填は、最終材料の70と95重量%の間になる。この金属装填は、薄片又は繊維の形態であってもよいが、好ましくは、それは、粒子の形状がほぼ長球の粉末の形態で用いられる。このような粉末においては、粒子の大きさが50ミクロンよりも圧倒的に小さいと有利である。好ましくは、粒子の少なくとも90%は、大きさが50ミクロンよりも小さく、更に好ましくは、少なくとも90%は、大きさが30ミクロンよりも小さい。
【0010】
上述の理由で、プラスチック基材に結合する金属装填材料は、高密度金属から選択される。例えば、タングステン、スズ、ビスマス、バリウム、アンチモン、タンタル、又はランタノイド、又は、更にこれらの異なる金属の由来物(特に、酸化物又は合金)の粒子を用いることができる。
プラスチック基材、使用する1つ又は複数の装填材料、1つ又は複数の装填材料の粒子の大きさ、プラスチック基材における1つ又は複数の装填材料の粒子の割合、及び、壁の最終的な厚さは、想定される用途に関して、及び必要な放射線減衰率に関して個別的に適応される。好ましくは、少なくとも金属鉛の放射線減衰特性には達するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
成形品の塑性の例
【実施例1】
【0012】
例1(M1)
プラスチック基材:5重量%の割合のポリエーテルスルホン
装填材料(粒子の大きさが、少なくとも90%は50ミクロンよりも小さい粉末の形態):
−ビスマス(bi):20重量%
−アンチモン(sb):28重量%
−タングステン(w):28重量%
−三酸化ランタン(La2O3):19重量%
このような組成物の鉛当量は、最大でも100keVに等しいX線発生装置電圧に対して、金属鉛よりも25%薄い質量厚み(g/cm2単位)を用いて得られる。
【0013】
添付の図1は、ビスマス(bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(w)、三酸化ランタン(La2O3)、及び上述の割合に従ったこれらの元素の混合物(M1)の質量減衰曲線を示す。このような図は、20〜120keVのエネルギ範囲に亘るこれらの元素の各原子の種々の外部電子層の影響による曲線の不連続性を示している。特定のエネルギ範囲に対しては、元素の混合により平均曲線を得ることができる点に注意することができる。
【0014】
図2は、最大電圧100KeVを有するX線発生装置のビームに面するスクリーンの質量厚みに関する、鉛スクリーン(pb)及び複合混合物(M1)の透過曲線を示す。そのフルーエンシーは、スクリーンを通過する光子数/秒/平方センチメートルに対応し、混合物(M1)が、考慮された最大エネルギ(100KeV)に対して鉛よりもかなり大きな吸収性を有することがこれらの曲線上で確かめられる。
【実施例2】
【0015】
例2(M2)
プラスチック基材:28重量%の割合のポリアミド
装填材料(粒子の大きさが、少なくとも90%は50ミクロンよりも小さい粉末の形態):
−三酸化ビスマス(Bi2O3):15重量%
−三酸化ランタン(La2O3):44重量%
−三酸化アンチモン(Sb2O3):15重量%
このような組成物の鉛当量は、最大でも80keVに等しいX線発生装置電圧に対して、金属鉛よりも25%薄い質量厚み(g/cm2単位)を用いて得られる。
【0016】
添付の図3は、種々の百分率比を有する三酸化ビスマス(Bi2O3)、三酸化ランタン(La2O2)、及び三酸化アンチモン(Sb2O3)で構成された質量厚み0.57g/cm2のスクリーンを通る80KeVX線スペクトルの透過相対フルーエンシーの3次元表示である。Sb2O3の百分率比は、1−%Bi2O3−%La2O3で計算することができる。この図において、透過相対フルーエンシーが低いと吸収がより大きくなる。このような図は、複合物の吸収効率−価格−物理化学的特性間の最良の妥協点を与える3つの酸化物の百分率比を定めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ビスマス(bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(w)、三酸化ランタン(La2O3)、及び上述の割合に従ったこれらの元素の混合物(M1)の質量減衰曲線を示す図である。
【図2】最大電圧100KeVを有するX線発生装置のビームに面するスクリーンの質量厚みに関する、鉛スクリーン(pb)及び複合混合物(M1)の透過曲線を示す図である。
【図3】種々の百分率比を有する三酸化ビスマス(Bi2O3)、三酸化ランタン(La2O2)、及び三酸化アンチモン(Sb2O3)で構成された質量厚み0.57g/cm2のスクリーンを通る80KeVX線スペクトルの透過相対フルーエンシーを3次元で表示した図である。
【符号の説明】
【0018】
%Bi2O3 パーセント三酸化ビスマス
%La2O3 パーセント三酸化ランタン
【0001】
本発明は、特に、X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野において、又は、X線又はガンマ線を発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組みにおいて1つ又は複数の遮蔽を達成するのに適用可能な新しい放射線減衰材料に関する。本発明はまた、この材料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最も用いられることが多い放射線減衰材料は鉛であり、それは、特にその低いコスト、成形によるその容易な実施、及びその良好な放射線減衰特性という理由からである。場合によっては、タングステン、スズ、又はビスマスなどのような他の高密度材料を用いることもできるが、比較的制限がある。
すなわち、X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野では、主に鉛の覆いが用いられる(例えば、放射線医学設備での放射能管や輝度増幅器又は関連の平面検出器の遮蔽、ガンマカメラ及びスキャナの遮蔽、空港での手荷物管理設備のような非破壊管理設備の遮蔽、又はその他)。このような鉛覆いはまた、放射性生成物を注射するシリンジを保護するのにも用いられ、又は、更にこれらの放射性生成物が調整される容器又はガラス瓶を保護するのにも用いられる。
【0003】
しかし、その毒性及び提起された環境又は生態学的問題のために、鉛の使用は益々厳しく規制されており、この金属を取り扱うことには衛生上のリスクがあり、多くの場合、鉛を塗料又はプラスチック材料の殻のようなコーティングと組み合わせることが特に必要であり、これによって製造及び遮蔽の維持を著しく複雑化させる。
欧州特許番号EP−0372758は、金属粒子を充填した熱可塑性基材で構成された放射線防護材料を開示している。しかし、それらの構造を考慮すると、この材料は、主に可撓性又は柔軟な最終生成物を実現するのに適している。実施された金属の装填又は装填の組合せ、及び使用する粒子の大きさは、最適化された放射線防護を形成するようになっていない。
【0004】
【特許文献1】
欧州特許番号EP−0372758
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、遮蔽体の製造に関して鉛の壁を置換することを可能にし、これによって今日までに公知の構造の上述の欠点を直すことができる新しい放射線減衰材料を提供することである。
本発明の別の目的は、既存の保護構造よりも放射線減衰機能が改善された材料を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この新しい放射線減衰材料は、鉛を除く異なる性質の少なくとも2つ(好ましくは3つ)の金属及び/又は金属由来物(酸化物又は合金)の組合せから成る金属粒子の装填材料を含むプラスチック材料から形成され、この金属及び/又は金属由来物は、それらのX線又はガンマ線の吸収曲線の不連続性に関連して選択され(これらの不連続性は、種々の電子層K、L、M、...の相互作用による)、それにより吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘ってこの曲線の相補性がもたらされ、このエネルギ範囲に亘る放射線防護を最適化する。絶対に避けるべきである鉛を除くこの金属粒子の結びつきは、放射線減衰の優れた機能を得ることを可能にする。
【0007】
本発明による材料は、プラスチック基材を金属装填材料と均質に混合した後で、特に射出成形技術により成形部品に変形させるのが非常に簡単である。このような技術により、任意の形態の化学的に安定な生成物を容易に得ることができ、プラスチック基材に含まれた金属装填材料は完全に不活性にされる。
成形した生成物は、非常に良い仕上げの品質を示し、また、プラスチック基材に付随する適切な着色によりその色を任意に適応させることができる点にも注意すべきである。
【0008】
基本的支持材料として、熱硬化材料(例えば、ベークライト)、エラストマー材料(例えば、フルオロプロピレン、シリコンエラストマーなど)、ゴム、又は樹脂のような任意の種類のプラスチック材料を用いることができる。しかしながら、ポリアミド、ポリプロピレン、又はポリカーボネートのような熱可塑性材料は、その低いコスト又は特に射出成形技術によって実施が容易なことにより、好ましいものである。
【0009】
良好な放射線減衰特性を得るために、金属装填は、最終材料の70と95重量%の間になる。この金属装填は、薄片又は繊維の形態であってもよいが、好ましくは、それは、粒子の形状がほぼ長球の粉末の形態で用いられる。このような粉末においては、粒子の大きさが50ミクロンよりも圧倒的に小さいと有利である。好ましくは、粒子の少なくとも90%は、大きさが50ミクロンよりも小さく、更に好ましくは、少なくとも90%は、大きさが30ミクロンよりも小さい。
【0010】
上述の理由で、プラスチック基材に結合する金属装填材料は、高密度金属から選択される。例えば、タングステン、スズ、ビスマス、バリウム、アンチモン、タンタル、又はランタノイド、又は、更にこれらの異なる金属の由来物(特に、酸化物又は合金)の粒子を用いることができる。
プラスチック基材、使用する1つ又は複数の装填材料、1つ又は複数の装填材料の粒子の大きさ、プラスチック基材における1つ又は複数の装填材料の粒子の割合、及び、壁の最終的な厚さは、想定される用途に関して、及び必要な放射線減衰率に関して個別的に適応される。好ましくは、少なくとも金属鉛の放射線減衰特性には達するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
成形品の塑性の例
【実施例1】
【0012】
例1(M1)
プラスチック基材:5重量%の割合のポリエーテルスルホン
装填材料(粒子の大きさが、少なくとも90%は50ミクロンよりも小さい粉末の形態):
−ビスマス(bi):20重量%
−アンチモン(sb):28重量%
−タングステン(w):28重量%
−三酸化ランタン(La2O3):19重量%
このような組成物の鉛当量は、最大でも100keVに等しいX線発生装置電圧に対して、金属鉛よりも25%薄い質量厚み(g/cm2単位)を用いて得られる。
【0013】
添付の図1は、ビスマス(bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(w)、三酸化ランタン(La2O3)、及び上述の割合に従ったこれらの元素の混合物(M1)の質量減衰曲線を示す。このような図は、20〜120keVのエネルギ範囲に亘るこれらの元素の各原子の種々の外部電子層の影響による曲線の不連続性を示している。特定のエネルギ範囲に対しては、元素の混合により平均曲線を得ることができる点に注意することができる。
【0014】
図2は、最大電圧100KeVを有するX線発生装置のビームに面するスクリーンの質量厚みに関する、鉛スクリーン(pb)及び複合混合物(M1)の透過曲線を示す。そのフルーエンシーは、スクリーンを通過する光子数/秒/平方センチメートルに対応し、混合物(M1)が、考慮された最大エネルギ(100KeV)に対して鉛よりもかなり大きな吸収性を有することがこれらの曲線上で確かめられる。
【実施例2】
【0015】
例2(M2)
プラスチック基材:28重量%の割合のポリアミド
装填材料(粒子の大きさが、少なくとも90%は50ミクロンよりも小さい粉末の形態):
−三酸化ビスマス(Bi2O3):15重量%
−三酸化ランタン(La2O3):44重量%
−三酸化アンチモン(Sb2O3):15重量%
このような組成物の鉛当量は、最大でも80keVに等しいX線発生装置電圧に対して、金属鉛よりも25%薄い質量厚み(g/cm2単位)を用いて得られる。
【0016】
添付の図3は、種々の百分率比を有する三酸化ビスマス(Bi2O3)、三酸化ランタン(La2O2)、及び三酸化アンチモン(Sb2O3)で構成された質量厚み0.57g/cm2のスクリーンを通る80KeVX線スペクトルの透過相対フルーエンシーの3次元表示である。Sb2O3の百分率比は、1−%Bi2O3−%La2O3で計算することができる。この図において、透過相対フルーエンシーが低いと吸収がより大きくなる。このような図は、複合物の吸収効率−価格−物理化学的特性間の最良の妥協点を与える3つの酸化物の百分率比を定めることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ビスマス(bi)、アンチモン(Sb)、タングステン(w)、三酸化ランタン(La2O3)、及び上述の割合に従ったこれらの元素の混合物(M1)の質量減衰曲線を示す図である。
【図2】最大電圧100KeVを有するX線発生装置のビームに面するスクリーンの質量厚みに関する、鉛スクリーン(pb)及び複合混合物(M1)の透過曲線を示す図である。
【図3】種々の百分率比を有する三酸化ビスマス(Bi2O3)、三酸化ランタン(La2O2)、及び三酸化アンチモン(Sb2O3)で構成された質量厚み0.57g/cm2のスクリーンを通る80KeVX線スペクトルの透過相対フルーエンシーを3次元で表示した図である。
【符号の説明】
【0018】
%Bi2O3 パーセント三酸化ビスマス
%La2O3 パーセント三酸化ランタン
Claims (9)
- X線又はガンマ線を用いる医学又は産業用撮像分野における、又は、X線又はガンマ線を発する放射性生成物の調製、使用、又は貯蔵の枠組み内における、特に遮蔽構造を実現するための放射線減衰材料であって、
鉛を除く異なる性質の少なくとも2つの金属及び/又は金属由来物の組合せから形成された金属粒子の装填材料を含むプラスチック材料から構成され、
前記金属及び/又は金属由来物は、それらのX線又はガンマ線の吸収曲線の不連続性に関連して選択され、それにより吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘って前記曲線の相補性がもたらされ、前記エネルギ範囲に亘る放射線防護を最適化する、
ことを特徴とする放射線減衰材料。 - 前記粒子の大きさが、少なくとも90%は50ミクロンよりも小さい金属粉末で構成された装填材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線減衰材料。
- 前記粒子の大きさが、少なくとも90%は30ミクロンよりも小さい金属粉末で構成された装填材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の放射線減衰材料。
- 最終材料の70重量%から95重量%の範囲の割合で存在する金属装填材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射線減衰材料。
- タングステン、スズ、ビスマス、バリウム、アンチモン、ランタノイド、タンタル、又は、特に酸化物及び合金であるその由来物から選択された金属装填材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線減衰材料。
- ポリアミド、ポリプロピレン、又はポリカーボネートのような熱可塑性材料の基材を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射線減衰材料。
- 少なくとも3つの金属又は金属由来物の組合せから形成された金属装填材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の放射線減衰材料。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射線減衰材料を製造する方法であって、
吸収又は減衰されるべきビームのエネルギ範囲に亘って、特に吸収曲線の不連続性により相補的なX線又はガンマ線の吸収曲線を示す、鉛を除く金属又は金属由来物を判断する段階、
少なくとも2つの前記金属又は金属由来物の組合せを選択する段階、
前記金属又は金属由来物の組合せの粒子とプラスチック材料との均質な混合物を調製する段階、及び
その後に前記混合物を成形することにより放射線減衰材料を形成する段階、
から成ることを特徴とする方法。 - エネルギが100keVよりも小さい放射線に対する剛体遮蔽を製造するための、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の材料の応用法。
Applications Claiming Priority (2)
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FR (1) | FR2824950B1 (ja) |
WO (1) | WO2002095770A2 (ja) |
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DE102004001328A1 (de) * | 2003-09-03 | 2005-04-07 | Mavig Gmbh | Leichtes Strahlenschutzmaterial für einen großen Energieanwendungsbereich |
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