JP2004531487A - 糖尿病治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
炭水化物は、生命に不可欠な植物性食物成分である。多数のぶどう糖分子から構成された多糖であるデンプン(アミロースおよびアミロペクチン)は主要な食糧である。ぶどう糖1分子と果糖1分子とからなる家庭用の砂糖であるサッカロース(スクロース)などの二糖類および、最後に、ぶどう糖1分子のみからなるグルコースなどの単糖類がそれらに属する。
【0002】
グルコースは、胃を通過後、数分間のうちに小腸で完全に取込まれる(吸収される)。サッカロースは、小腸においていったん(グルコースとフルクトースに)分解されなければならず、それゆえ、10分ばかり遅れて吸収されることになる。デンプンは何度も分解され、20〜60分後にはじめて遊離したグルコースが吸収される。炭水化物の分解は酵素(グルコシダーゼ類およびアミラーゼ類)によって行われる。
【0003】
消化過程の範囲内で吸収された炭水化物は、ぶどう糖の形で「血糖」(血中グルコース)として、血液循環により体細胞へと運ばれる。健康者の場合、食物とともに炭水化物を摂取後、血糖が1/2〜1時間後に軽度に上昇するが、糖尿病患者では、何時間も著しく上昇する。空腹時血糖は、健康者の場合、平均して80〜110mg/dlであり、炭水化物を含む食事のあと、最大で160mg/dlまで上昇する。糖尿病患者では、空腹時値が100〜300mg/dlの間で変動する。食後には、血糖がさらに80〜200mg/dlだけ上昇する。160mg/dlを超える血糖濃度は有害である。それゆえ、血糖を永続的にこの値以下に低下させることが、すべての糖尿病治療法の目的となる。
【0004】
糖尿病(Diabetes mellitus)では、膵臓で形成される血糖調節ホルモンであるインスリンの機能が障害されている。健康者は、炭水化物を摂取したのちインスリンの助けによって血糖をすみやかに約100mg/dlという正常レベルに再調整するが、糖尿病患者はそれができない。2種類の糖尿病が区別される。若年で始まるI型糖尿病では、インスリンが完全に欠けている。これに対し、人生の後半で生じるII型糖尿病の場合には、インスリンはなお生成されている。全糖尿病患者の90%以上を占めるII型糖尿病の場合、体細胞のインスリンに対する反応の徐々の低下が、早期に生じる。このインスリン抵抗性は、疾患の経過をますます悪化させるので、適切な治療措置によってぜひとも防止すべきである。糖尿病は、生活水準の高い国では、心血管疾患とともに、もっとも重大な国民病である。ドイツでは、約600万人(進行した段階400万人、初期段階200万人)が該当する。全世界では、糖尿病患者の数は2億人になるのではなかろうか。II型糖尿病の罹患期間は平均して20年であり、この疾患による寿命の短縮は約6年である。
【0005】
糖なしで、炭水化物をコントロールした食餌療法は別として、5種類の薬物治療法が存在する:
1.インスリン注射(I型では必須、II型では遅い段階で)
2.II型糖尿病の場合に残存しているインスリン予備を動員するスルホニル尿素型(たとえばグリベンクラミド)およびグリニド型糖尿病薬の錠剤。
3.II型糖尿病の場合に非生理的グルコース利用を惹起して、それにより血糖を低下させるビグアニド型糖尿病薬(たとえばメトホルミン)の錠剤。
4.体細胞をインスリンに対して再び感受性ならしめ、それゆえII型糖尿病の場合に血糖低下作用を示しうるグリタゾン型糖尿病薬の錠剤。
5.炭水化物を分解するグルコシダーゼを阻害することにより小腸内でのグルコース吸収を低減させ、それにより食後の血糖上昇を軽減する糖尿病薬の錠剤。これらのアルファ−グルコシダーゼ阻害薬は両糖尿病型で使用できる。
【0006】
治療法選択肢の現状評価
1について:
インスリンは、もっとも強力な血糖低下薬であり、生き残るのに必要で基本的なI型糖尿病治療法をなすものである。II型の場合、それの使用は、これまでに入手可能な糖尿病治療薬がもはや十分に作用しない後期の段階に限定される。インスリンは、その不可欠なプラスの作用以外に、副作用をもつ(生命にかかわるような低血糖、動脈硬化の増進、体重増加の促進)。
2について:
スルホニル尿素類およびグリニド類は、最初は、きわめて良好な血糖低下作用を示すが、二三年後には、インスリンの貯留が枯渇するために効力を失い、体重増加を促進し、インスリンと同様に、重篤な副作用(たとえば低血糖)をもつことも稀ではない。
3について:
ビグアニド類は、ほどよい強さの血糖低下作用を示すが、糖尿病性遅発傷害のある多くの患者または70歳を超える高齢者には使用してはならず、副作用、それも重篤な副作用をもつこともしばしばである。
4について:
グリタゾン類は、それらが8〜12週間の処置後にはじめて作用しはじめ、しかも作用が相対的に弱いので、スルホニル尿素製剤またはビグアニド製剤と併用することだけが認められている。よりにもよってII型糖尿病患者における望ましくない副作用として、グリタゾン類は体重増加を惹起する。
5について:
アルファ−グルコシダーゼ阻害薬は、食後の血糖上昇を確実に低減させるが、処置患者のほぼ半数において胃腸管側の面倒な副作用を示し、そのため十分な用量での治療が制限される。
【0007】
結論として、つぎのことを確認できる:II型糖尿病での5種の治療原理はいずれも有効であるが、物質特異的に(スルホニル尿素類、ビグアニド類)、または治療に最適な用量において(インスリン、スルホニル尿素類、ビグアニド類、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬)、かなりの副作用という難点がある。長期治療の目標として必要な内因性インスリン貯留の保護は、インスリン、ビグアニド類およびアルファ−グルコシダーゼ阻害薬によってのみ達成できる。望ましくない高インスリン血は、グリタゾン類、ビグアニド類およびアルファ−グルコシダーゼ阻害薬によってのみ低減される。II型糖尿病の前期および中期の段階でのもっとも望ましい処置は、有効性が中等度で、危険な副作用を示さないことから、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬による治療であるということになるであろう。しかし、ほとんどの患者は、厄介な随伴症状(鼓腸、下痢傾向)に耐えられない。
【0008】
WO93/16605は、ビート(テンサイ)繊維質分が25〜60%(1.25〜12g/日に相当)の難消化性繊維質製剤をヒトにおける高昇血圧を低下させるために治療目的で使用することを記述している。基礎となるデータは、糖尿病ではない血圧患者で得られたものである。これらの試験参加者の腎臓および甲状腺機能ならびに脂肪代謝に関する広範なデータ採取の過程で、空腹時血糖および空腹時血漿中インスリン濃度ならびに間接積分血糖測定値HbA1Cも測定された。空腹時血糖は何か月もの繊維質治療後にも変化がなかったのに対し、インスリンレベルは低下した。HbA1C値は、繊維質群において、対照群と同様に、低下した。これらの結果から、著者らは、(ビート)繊維質は非糖尿病患者の炭水化物代謝に対してはっきりした作用をもたないと結論している。
【0009】
繊維質は、20年前に、糖尿病治療に導入された。繊維質は、食物に随伴する難消化性の植物性物質である。これまでに、とりわけ、グアール、ペクチン、オオバコ(Psyllium)、ベータグルカンなどの水溶性繊維質が有効であることが判明している。しかし、これらの物質はいずれも、十分な用量では、腸運動障害、味覚減退、嚥下困難などの治療を困難にする性質をもっている。可溶性のものに対し、非水溶性の繊維質は、ヒトの糖尿病の治療に際して系統的に検討されることがこれまでになかった。非水溶性繊維質は、多糖類のセルロース、ヘミセルロース(ペントサン)およびフェニルプロパン重合体のリグニンである。
【0010】
本発明は、食後の血糖上昇を、確実に、強度に、重大な副作用または随伴症状なしに、低下させ、疾患の経過の長期改善を達成する方法を記述する。
【0011】
本発明の課題は、効果が良好で、上記の副作用が生じない糖尿病治療剤を提供することである。
【0012】
この目的は、請求項1、6、22、24または33の特徴をもつ糖尿病治療剤によって達成される。
【0013】
本発明の糖尿病治療剤は、本発明の第一の変形によれば、ビート(テンサイ)繊維質(粗繊維)を有効成分として含有することを特徴とする。この本発明の薬剤は、II型糖尿病の初期段階の治療に用いるのが好ましい。
【0014】
ビート繊維質は、その前に砂糖を採取ないしは分離したあとのいわゆるテンサイパルプであるテンサイ残渣からなる微粒のチップ(粒状化物)である。
【0015】
その組成は、たとえば、ペクチン31%、ペントサン24%、セルロース24%、リグニン4%、蛋白質9%、灰分(無機塩類)4%、サッカロース4%(平均値)である。この種のテンサイ残渣は、とりわけ、家畜用飼料添加物として有用である。テンサイ残渣は、上記粒状化物の形で、「整腸とコレステロールを意識した食事のための」ヒトの栄養摂取に関しての食餌添加物としても推奨されている。ビート繊維質は製糖工場で製出される。該物質は、それらの工場で直接に、または自然健康食品店で入手できる。それは、薬局でしか買えないものでも、処方箋が必要なものでもなく、従って、これまで治療薬または医薬品として分類されていないものである。
【0016】
ビート繊維質の投与は、粒状化物、粉末またはクッキー(ビスケット)の形で行うことが好ましい。粉末状態では比較的乾燥したものであるビート繊維質を患者が服用するのを容易にするために、粒状化物、とくに糖衣粒状化物としての投与形態が好ましい。
【0017】
本発明の範囲内において、約5gから約20gまでの間の一回量をとくに糖衣を施した粒状化物としてビート繊維質を投与するのが好都合であることが判明している。約10g〜約20gの一回量が好ましい。ビート繊維質の服用は、食前または食事開始時に行うのが好ましい。
【0018】
本発明の範囲内での検討によって、とくにII型糖尿病の初期段階の治療には、有効成分のビート繊維質と、アカルボース、ミグリトールまたは他のアルファグルコシダーゼ阻害薬のうちから選ばれたさらなる有効成分との併用が、有効成分の組合せによる治療作用の向上という点からも、個々の有効成分の投与と比較して副作用が実質的に減少するという点からも、良好な結果をもたらすことを示すことができた。
【0019】
アカルボースの式を以下に示す:
ミグリトールの式を以下に示す:
【0020】
アルファグルコシダーゼ阻害薬としては、アカルボースおよびミグリトール以外に、たとえばボグリボースやエミグリタートが考えられる。
【0021】
本発明に従ってのかかる組合せの投与は、ビート繊維質および/またはアカルボース、ミグリトールないしは他のアルファグルコシダーゼ阻害薬を同時に含有する混合(配合)製剤として行うことができる。ビート繊維質とアカルボースまたはミグリトールを別々に服用することも、まったく同様に可能である。両薬物の服用は、できる限り、時間的に間をおかないで行うべきである。これらの場合にも、ビート繊維質はさまざまな投与形態で適用できるが、粒状化物、とくに糖衣を施した粒状化物としての服用が好ましい。第二の有効成分であるアカルボースおよび/またはミグリトールないしは他のアルファグルコシダーゼ阻害薬の服用は、たとえば錠剤形態で行うことができる。
【0022】
本発明の薬物ないしは薬物組合せにおける有効成分アカルボース/ミグリトールの量は通常、ビート繊維質の服用量よりも実質的に少ない。たとえば一回量当り5〜30g、好ましくは約10〜約20gのビート繊維質量がとくに好適であると思われ、約20〜約200mgというアカルボースおよび/またはミグリトール量、好ましくは約50mg〜約100mgというアカルボースおよび/またはミグリトール量がとくに好適であると思われるので、ビート繊維質量は、通常、アカルボースないしはミグリトールの量の約25倍〜1000倍であり、それぞれの好ましい範囲内では、他の有効成分(単数または複数)に対してビート繊維質が約400倍〜約100倍という量比が生じる。
【0023】
さらなる繊維質およびアルファ−グルコシダーゼを検討することができ、その際に、糖尿病治療のための使用に関して、繊維質の有効成分について重要な知見が得られた。
【0024】
本発明の一変形の範囲内で、とくに植物性繊維質とアルファ−グルコシダーゼ阻害薬との組合せが好都合であることが判明した。
【0025】
本発明のさらなる構成の範囲内で、不溶性繊維性物質含量の高い少なくとも1種の繊維質を用いることがとくに好ましい。かかる繊維質に含まれている不溶性繊維性物質の含量は、たとえば繊維質100g当り20g以上であってよい。
【0026】
本発明のさらなる好ましい構成の範囲内において、投与すべき一回量は、約2.5〜10gの不溶性繊維を含有していることが好ましい。とくに好ましいのは、主たる食事とともに、たとえば1日1〜3回、本発明の薬剤を服用することである。
【0027】
本発明の薬剤の服用は、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬アカルボース、ミグリトール、ボグリボースまたはエミグリタートあるいは匹敵する性質および類似の化学構造をもつ類似の物質のいずれかと組合せて行うことが好ましい。とくに好ましいのは、該繊維質を、上記アルファ−グルコシダーゼ阻害薬の少なくとも1種と組合せて、またはこれらの服用の直前または直後に服用することである。
【0028】
本発明の範囲内で実施された検討により、とりわけ、他の植物性繊維質がビート繊維質と同様の血糖低下作用を示すこと、および、いくつかの繊維質が、ビート繊維質と同様に、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬の作用を増強するという知見が得られた。その際、たとえばあまに(亜麻仁)が良好な作用を示したが、あまにの真の効果は脱脂後にはじめて証明できることが認められた。さらに、多くの繊維質がある種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬との関連では上記の血糖低下作用を示さないことが認められた。
【0029】
本出願人のさらなる広範な研究によって、セルロースを含有する製剤、好ましくはビート繊維質または他の植物性繊維質に含まれているその他の物質なしの純粋な形のセルロースを含有する製剤を服用することが、糖尿病治療においてとくに良好な成績に至るという驚くべき知見が得られた。これらの研究の成果として、抗糖尿病作用は、前記種類の不溶性繊維質混合物中にも含有されているセルロースに帰されるということを出発点とすることができる。
【0030】
上記のビート繊維質とは異なり、セルロースは、たとえば粉末形態で水、ヨーグルトなどの食品中に含有させて投与するとき、容易に飲み込むことができ、出願人の研究によって示されたように、副作用または望ましくない随伴作用を呈さない、ほとんど無味の薬物である。それゆえ、患者にとっては、ビート繊維質製剤よりもずっと服用が容易である。
【0031】
本発明の薬剤に用いられる製剤は、低コストで製造でき、入手の容易な、多少とも純粋なセルロースを含有することができる。血糖低下作用は冒頭に述べた繊維質製剤においてもセルロースに帰しうることが明らかであるので、セルロースを服用する際にはより少量の剤の服用で十分であるというさらなる利点が結果として生じる。セルロースの抗糖尿病作用は、先に検討したビート繊維質ないしは脱脂あまにのそれと同様である。しかし、セルロースの重要な利点は、それを化学的に純粋な形で投与でき、それゆえそれを薬物としてより容易に標準化でき、さらに、より少量で治療量として十分であるということにある。セルロースの有効な一回量は、前記の相対的に複雑な植物由来の繊維質と比較して、たとえば約半量から約10分の1量にまで減じることができる。これにより、糖尿病治療への使用が容易になる。セルロースは、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬の抗糖尿病作用を増強する。
【0032】
本発明の薬剤においてセルロースを使用することのさらなる利点は、それが多くの食品中に存在し、それゆえ人体に対してはまったく問題のない物質であるということにある。セルロースは、たとえば粉末として、また結合剤と組合せて咀嚼錠として、調製できる。セルロース粉末は食品として通常の液体中にきわめてよく、かつ速やかに懸濁させることができるので、患者にとってセルロース粉末を服用することは容易であり、取扱いもきわめて簡単である。前記の好ましい一回量は、大さじ1抔分の量にほぼ相当する。この量を飲み物に入れて提供でき、従って、患者に対して容易に投与できる。本発明の薬剤は、たとえば、それぞれ一回量に必要な量のセルロース粉末を一方でたとえば別個の袋に包装し、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬を他方では錠剤形態で、より大きい共通の一包装単位に入れて市販されるように、調製できる。
【0033】
本発明の範囲内での検討により、基本的には、セルロースを用いる代わりに、セルロース誘導体を服用することも考慮に値することが判明した。かかるセルロース誘導体は、たとえば、場合によっては植物起源のものではなく、合成により製造された、置換セルロース類であってもよい。典型的な例として、ここでは、本発明の範囲内でセルロースに代る繊維質として考慮に値するメチルセルロースが挙げられよう。かかるセルロース誘導体も、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬と組合せることが好ましく、その場合、組合せの両物質は一つの製剤中に存在していても、それぞれ別個の製剤中に存在していてもよい。
【0034】
本発明の範囲内で、脱脂あまにも糖尿病治療に適していることが判明した。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。以下の説明においては、添付の表1〜7ならびにやはり添付の図1〜8を参照する。図1〜8についての説明も添付物として本願明細書に添付してある。
【0035】
我々は、セルロースおよびヘミセルロース含量が高く、リグニンが比較的少ないビート繊維質(C:H:L比=6:6:1)、ヘミセルロース含量の高いあまに(C:H:L比=2.5:5:1)、リグニン含量が最高の小麦のふすま(C:H:L比=2.6:2.7:1)、純セルロースおよび比較物質として、セルロースと異なり若干の水溶性をもち、この点で不溶性繊維質と可溶性繊維質との中間に位置する合成セルロース誘導体のメチルセルロースをテストした。繊維質製剤の組成は、表1から知ることができる。
【0036】
D−67489キルヴァイラー市)は、粒状化物(細粒チップ)であり、水に懸濁させると不快な味がするが、ヨーグルトに入れると飲み込みやすい。粒状化物に糖衣を施すことにより、一層良好な服用性が得られる。
【0037】
あまに(自然健康食品店で購入できる)は、粗粒状化物(「粗びきあまに」)として使用し、たとえばアセトンで脱脂する。それは、水とともに、またはより快適にはヨーグルトに入れて、服用でき、木の実様の味がする。
【0038】
小麦のふすま(自然健康食品店で購入できる)は、ふわふわした粉末で、あまにと同様にして服用する。
【0039】
セルロース(ジノファルム有限会社Synopharm GmbH、私書箱1205、D−22882バルスビュッテル市)は、使用した製剤中では、微細な穀粉状粉末であり、やはり穀粉様の味がし、水またはヨーグルトに懸濁させて容易に服用できる。
【0040】
メチルセルロース(ジノファルム有限会社、私書箱D−22882バルスビュッテル市)も、穀粉状粉末で、水またはヨーグルト中では凝集して粘着性の小塊になり、セルロースほど快適ではないが、服用可能である。
【0041】
繊維質を用いての短期実験
II型糖尿病患者20名に、朝の空腹時血糖測定後、試験朝食(白パン75g、バター20g、ジャム40gまたは無糖変種としての白パン75g、バター20gおよびチーズ40g)を与えた。対照日には、試験朝食前にヨーグルト75mlを与え、試験日には、種々の繊維質をヨーグルト75mlに入れて与えた。繊維質用量は、10〜20g(ビート繊維質、あまにおよび小麦のふすま)または3〜10g(セルロースおよびメチルセルロース)であった。試験朝食後、1/2〜1時間間隔で2〜4時間、血糖値を測定した。各短期実験を、個々の被験者について2ないし3回実施した。それぞれの平均値を表示する。実験日の午前には、他の糖尿病治療処置を受けている患者の場合、該当する薬剤(インスリン、スルホニル尿素またはビグアニド製剤)を省略した。
【0042】
評価の基礎は、血糖値を曲線としてグラフ表示したものである。1〜2時間続く血糖上昇段階をプラニメーターによって求め、グルコース吸収の下限の尺度とみなす。試験朝食後の最初の1時間は、試験日午前中は身体的に準安静という条件下で、糖尿病患者では、健康者と異なり、血糖曲線の上昇が、腸でのグルコースの血中への吸収をほぼそのままに反映すると言ってよいであろう。1時間を過ぎると、たいていのII型糖尿病患者においても、インスリン応答が多少とも明瞭に始まり、血糖上昇を平坦化し、または後退させ、いずれにしても、それに相応してグルコース吸収を過小評価させることになる。個々の場合、対照曲線は、実験曲線よりも早く頂点に達する。つぎに、全曲線のプラニメーターによる評価を、後者の曲線の頂点に達するまで拡張する。この結果、求められた実験での血糖低下が、過大評価というよりもむしろ過小評価されていることになる。実際上の理由から、我々は、異なる実験条件(対照、繊維質投与後、のちの実験ではアルファ−グルコシダーゼ阻害薬投与後にも)のもとでの血糖曲線の上昇段階を相互に比較し、そこから、対照曲線に対する血糖低下度を算出する。従って、繊維質または他の物質による処置後に観察された血糖上昇の低減は、同じ患者ではインスリン応答が時間的に一定であるという仮定のもとで、達成されたグルコース吸収の低減に相当する。統計的評価は、データ量の関係で短期実験でのみ可能であるが、それは、一対比較でのスチューデントのt検定によって行う。
【0043】
ビート繊維質、あまにおよびセルロースについての代表的な例を、図1〜3に示す。これらの繊維質は、試験食事後の血糖上昇を、ある程度の変動幅はあるが、一様に、平均して30%低下させる(表2)。この低下は高度に有意である(p<0.001)。ビート繊維質、あまにおよびセルロースの間に作用の差は認められない。これに対し、小麦のふすまは、疑問の余地なく有効であるとはいえない(約10%の血糖低下)。多くの症例で、異なる用量の繊維質を試験した:ビート繊維質またはあまには、20gの用量を半分にしても、なお80〜90%の作用を生じた。セルロースの場合、5、6および7gの作用は、事実上、同じであった。3gおよび10gは、極大効果の約80%を達成した。
【0044】
繊維質を用いての長期実験
II型糖尿病患者11名に、3回のメーンとなる食事の前に、それぞれ10gのビート繊維質または5gのセルロースを投与した。個々の朝食の2時間後に血糖を測定し、ほとんどの症例では空腹時血糖も測定した。処置期間に先立つ繊維質なしの観察段階を対照とみなす。先行治療があった場合には、繊維質投与の間、糖尿病治療薬を変更せずに維持した。
【0045】
表3は、結果をまとめたものである:繊維質による単独療法または補充療法ののち、平均して、空腹時血糖が4mg/dl、食後血糖が35mg/dl減少した。十分に長期間(4か月)観察できた2名の患者で、HbA1C値がそれぞれ0.6および0.9%減少した。
【0046】
繊維質の副作用
短期実験では望ましくない随伴作用は現れず、長期実験の間には、11患者中2名において、それぞれビート繊維質によってそれが現れた:1患者では、毎朝(昼および夕方はそうではない)、ビート繊維質服用後1時間胸焼けがし、他の1患者では、排便回数が1日2回から4回に倍増した。
【0047】
繊維質実験のまとめおよび評価
水不溶性の繊維質は、明暸で、いずれの個々症例においても再現性のある抗糖尿病作用をもつ。有効な繊維質繊維はセルロースである。随伴する繊維質繊維であるヘミセルロースおよびリグニンは、副次的な役割を果たしているようである。小麦のふすまが、高いセルロース含量にもかかわらず、きわめて弱い作用を示すだけである理由は、不明である。おそらく、随伴物質、たとえば豊富に含まれている蛋白質(15%)が、セルロースの抗糖尿病作用を相殺するのであろう。メチルセルロースも、弱い作用しかもっていないようである。セルロースなどの不溶性繊維質は、小腸で分解、吸収されず、それにもかかわらずその血糖低下作用が1時間以内に現れるので、それは、腸内でのグルコース吸収を妨害しているにちがいない。これは、おそらく、デンプンを分解するアミラーゼの部分的阻害によって起るのであろう。それには、セルロース(β−1,4−グリコシド結合によるグルコース重合体)とアミロース(α−1,4−グリコシド結合によるグルコース重合体)との化学的類似性が大きいことが有利に働いている。我々の短期実験での別の知見が、この見解を支持してくれる:サッカロース(アミラーゼには依存しないで分解、吸収される)を投与後には、セルロースは血糖低下作用を示さない。
【0048】
セルロースおよび検討した他の繊維質製剤の血糖低下作用は、平均して30%と、相対的にはわずかである。それゆえ、繊維質は、単独療法としては、II型糖尿病の初期段階の治療についてのみ考慮の対象となる。その他の疾患段階では、それを他の糖尿病治療薬と併用できる。
【0049】
アルファ−グルコシダーゼ阻害薬との併用
これまでに知られているアルファ−グルコシダーゼ阻害薬は、糖類似の物質であって、小腸でアルファグルコシダーゼを競合的に阻害し、それによって、食物中に含まれている二糖類ならびにデンプンの分解で生じたオリゴ糖類の分解を減速させる。我々は、これま
たとえばボグリボースおよびエミグリタートなども開発されており、それらはいずれも原則的に同様の血糖低下作用を示す。ここでは、不溶性繊維質がアカルボースおよびミグリトールの血糖低下作用を修飾するかどうかを調べる。
【0050】
アルファ−グルコシダーゼ阻害薬と繊維質とを用いての短期実験
21名の患者について調べた:10名ずつがアカルボースおよびミグリトールを服用し、1患者は、最初アカルボースを、つぎにミグリトールを服用した。用いた一回量は25〜100mgであった。繊維質としては、ビート繊維質(10〜20g)、脱脂あまに(8〜15g)、セルロース(3〜10g)およびメチルセルロース(5〜6g)を用いた。
【0051】
被験者らは、前記の試験朝食の直前に、a)75mlのヨーグルト(対照試験)、b)繊維質入りヨーグルト(繊維質曲線)、c)アカルボースないしはミグリトールの錠剤とその後に75mlのヨーグルト(アルファ−GH曲線)またはd)ヨーグルトに入れた繊維質服用の5分前にこの薬物(繊維質+アルファ−GH曲線)を摂取・服用した。前記の通り、試験食事の前およびその後の3時間に、血糖値を測定した。
【0052】
代表的な例を、図4〜7に示す。アカルボースおよびミグリトールは、食後の血糖上昇を既知の通り明暸に減少させた。それらは、繊維質よりもかなり強く作用した。グルコシダーゼ阻害薬と繊維質との併用は、両個々物質の作用を有意に増強した。このパターンは、実施した25の実験系列のうち24において、量的変動はあったが、観察することができた。個々物質と比較しての併用による作用増強は、高度に有意であった(表2)。平均して、食後の血糖上昇の低減は、繊維質単独(a)によっては30.0±8.9%、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬(b)によっては48.6±17.9%、併用(c)によっては66.8±17.9%であった。(a)と(c)との差ならびに(b)と(c)との差は、それぞれ誤りの確率p<0.001で統計的に有意であった。併用の優越性は、作用帯域幅を調べるとき、より一層明瞭となる(表4):50%を越える血糖低下が観察できたのは、グルコシダーゼ阻害薬では35例中18例であったが、併用では35例中33例であった。80%を越える低下は、グルコシダーゼ阻害薬では認められなかったが、併用では35例中7例で確認された。ミグリトールの場合、推奨される標準用量100mg以外に、6例で25mgの用量および8回は50mgという用量も試験した(表2、図8)。繊維質の用量を固定したときのミグリトールの作用増強は、各用量レベルで現れた。繊維質との併用によって、25mgのミグリトールの作用は、繊維質併用なしの100mgのレベルにまで引上げられた(表5)。この低用量での併用は、血糖上昇を平均56%低減させ、4倍の用量単独では58%の低下を惹起した。若干の例で、異なるアカルボース用量も試験した。このとき、25mgプラス繊維質の作用は、100mg単独よりわずかに弱かっただけであり、50mgプラス繊維質の作用は、100mg単独の作用を上回った。グルコシド阻害薬の作用増強に際して繊維質であるセルロース、ビート繊維質および脱脂あまにの間に差は認められない(表2)。表に挙げていないメチルセルロースの場合だけは、増強効果が若干劣るように思われる(図7)。
【0053】
アルファ−グルコシダーゼ阻害薬と繊維質とを用いての長期実験
6患者において、試験期間中、毎日、自主的に、プロトコールに従って、朝空腹時および個々の朝食の2時間後に、血糖が測定、記録された。半年以上処置を受けた2名の患者で、毎月HbA1C値を、また無作為抽出検査として朝食1時間後血糖値も測定した。従前の薬物投与を維持した数週間の対照段階に続いて、繊維質およびグルコシダーゼ阻害薬を追加しての試験段階を、数週間ずつの期間、実施した。朝食、昼食および夕食の前に、まずアカルボース25〜100mgまたはミグリトール(25〜50mg)を、つぎにビート繊維質(10g)またはセルロース(5g)を服用させた。
【0054】
表6は、結果をまとめたものである。各個々例において、繊維質とアカルボース/ミグリトールは、併用時に増強された。60日間の併用処置後、平均して、空腹時血糖が17mg/dl、食後の血糖上昇が49mg/dl、それぞれ減少した。この2時間値は、(短期実験から分るように)食後1時間の血糖低下が2時間後よりもより代表的なものであるから、達成された代謝状況の改善を不十分にしか描写していない。他の治療を行わなかった2患者の前記半年間の観察においては、朝食1時間後の血糖上昇が最終的にそれぞれ69および91mg/dl減少し、HbA1C値が1.3%低下した(表7)。
【0055】
併用治療の副作用
100mgのアカルボース単独を用いての短期実験では、9患者中3名が数時間にわたる腹部不快感を訴えた。ミグリトールの場合には、9患者中4名で、かゆ状便ないしは下痢が生じた。アカルボース50mg(2例)、ミグリトール50mg(8例)およびミグリトール25mg(5例)では、明瞭な随伴症状は認められなかった。繊維質とアカルボースまたはミグリトールとの併用のすべてにおいて、用量が100mgであっても、短期実験においてはなんらの副作用も生じなかった。正常人が試験朝食の代りに50〜75gのサッカロースを摂取したときには、100mgのアカルボースないしはミグリトールのあとで、腹痛および下痢が起った。これらの症状は、該グルコシダーゼ阻害薬をビート繊維質またはセルロースと併用することにより明瞭に緩和された。長期観察では、グルコシダーゼ阻害薬服用中に、とくに100mg1日3回の服用後に、6患者中4名が腹部不快感および鼓腸を訴えた。ビート繊維質またはセルロースの追加によって、それらの愁訴はなくなったが、1患者では、ミグリトール50mg3回のとき、なお14日間軽度な形で愁訴が続いた。補足試験で、5名ずつの被験者に、アカルボースないしはミグリトール50mgプラスセルロース5g3回を2日間服用させた。望ましくない症状は現れなかった。
【0056】
なぜ不溶性繊維質がアルファ−グルコシダーゼ阻害薬の腸への随伴作用を減じるかは、推測するほかない:一方では、不溶性繊維質が腸運動亢進を減じ、他方では、大腸で刺激を起すであろう二糖類がアミラーゼの阻害によって少量しか生成されないからであろう。
【0057】
併用実験の要約および評価
アルファ−グルコシダーゼ阻害薬と不溶性繊維質との併用によって、II型糖尿病の治療における実質的進歩が達成される。グルコシダーゼ阻害薬の作用が3分の1以上増強され、その結果、食後の血糖上昇が70%ほども減じる。このことは、個々の例、たとえば空腹時血糖が120mg/dlで食後の極大血糖上昇が220mg/dlになる糖尿病患者において、該併用療法によって後者が150mg/dlにまで減少することを意味する。それは、上方正常域内の値である。
【0058】
血糖低下作用は小腸での炭水化物の吸収阻害に基くものであるから、処置を受けた糖尿病患者はこのようにしてインスリンを節約し、そのインスリン産生が持ち直し、インスリン抵抗性が減少する。これは、長期実験において朝の空腹時血糖の減少から読み取ることができる通りである。疾患の経過に対するこのきわめて望ましい影響は、重大な副作用(他の糖尿病治療薬がもつような)に直面することがない。グルコシダーゼ療法時の望ましくない随伴症状の発生率は、併用により約50%から5%に低下する。ほとんどの場合に用量を100mg〜50mgに減少させることができるので、これら随伴症状の強度がさらに弱められ、従って、それらが数少ない該当患者によって問題なく忍容される。
【0059】
治療上の実用可能性という観点からは、セルロースが理想的な繊維質である。それは、純物質として入手でき、液体中に容易に懸濁させることができ、無味であり、問題なく服用できる3〜7g量で有効であり、その上、割安である。権威ある糖尿病学者らの一致した意見によれば、ヨーロッパおよびUSAにおいては、II型糖尿病患者の約半数が錠剤療法によって不十分な調整をされている。本発明の新規治療法を用いれば、これらの患者の大部分を最適に治療することができるであろう。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ビート繊維質の効果。H.E.、II型糖尿病、64歳、以前はグリメピリド(スルホニル尿素製剤)治療。試験朝食およびビート繊維質(RB)10ないしは20g後の血糖曲線。繊維質なしの対照曲線。空腹時血糖は110mg/dl(測定値106〜115mg/dl)。
【図2】あまにの効果。S.W.、II型糖尿病、67歳、無処置。試験朝食および脱脂あまに(LS)10ないしは20g後の血糖曲線。空腹時血糖は120mg/dl(測定値112〜124mg/dl)に標準化。
【図3】セルロースの効果。S.W.、II型糖尿病、67歳、無処置。試験朝食およびセルロース(CL)5ないしは7g後の血糖曲線。
【図4】ビート繊維質とアカルボースとの併用効果。H.J.、II型糖尿病、59歳、以前はインスリン治療。ビート繊維質(RB)20g、アカルボース(AB)100mgおよびアカルボース+ビート繊維質(AB+RB)後の血糖曲線。空腹時血糖は100mg/dlに標準化(測定値98〜114mg/dl)。
【図5】あまにとミグリトールとの併用効果。S.A.、II型糖尿病、67歳、以前はグリベンクラミド治療。脱脂あまに(LS)15g、ミグリトール(MG)50mgおよびミグリトール+あまに(MG+LS)後の血糖曲線。空腹時血糖は130mg/dlに標準化(測定値122〜135mg/dl)。
【図6】セルロースとアカルボースとの併用効果。A.C.、II型糖尿病、60歳、無処置。セルロース(CL)6g、アカルボース(AB)50mgおよびアカルボース+セルロース(AB+CL)後の血糖曲線。空腹時血糖は120mg/dlに標準化(測定値113〜125mg/dl)。
【図7】メチルセルロースとアカルボースとの併用効果。M.T.、II型糖尿病、67歳、無処置。メチルセルロース(MC)6g、アカルボース(AB)50mgおよびアカルボース+メチルセルロース(AB+MC)後の血糖曲線。空腹時血糖は100mg/dlに標準化(測定値100〜113mg/dl)。
【図8】種々用量のグルコシダーゼ阻害薬の併用効果。P.J.、II型糖尿病、59歳、以前はインスリン治療。ミグリトール(MG)一回量37.5mgないしは100mg後およびMG37.5mgとセルロース6gの併用(MG37.5mg+CL)またはミグリトール100mgとセルロース6gとの併用(MG100mg+CL)後の血糖曲線。空腹時血糖は110mg/dlに標準化(測定値102〜126mg/dl)。
Claims (37)
- 少なくとも1種の植物性繊維質を、少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬と組合せて含むことを特徴とする糖尿病治療剤。
- II型糖尿病治療のための請求項1に記載の剤。
- 該繊維質が高い割合の不溶性繊維性物質を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の剤。
- 該繊維質が100g当り20gより多い割合の不溶性繊維性物質を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
- 一回量当り約2.5〜約10gの不溶性繊維を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の剤。
- アルファ−グルコシダーゼ阻害薬を含有する剤の服用の直前または直後に服用するために少なくとも1種の植物性繊維質を含有していることを特徴とする糖尿病治療剤。
- 少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬、好ましくはアカルボース、ミグリトール、ボグリボースおよびエミグリタートのうちから選ばれたもの、を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬を約25mg〜約200mgの間の量含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種の可溶性繊維質および/または少なくとも1種の不溶性繊維質を含有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種の可溶性繊維質、少なくとも1種の不溶性繊維質ならびに少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬を含有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の剤。
- 可溶性繊維質および/または不溶性繊維質が植物起源の繊維質であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の剤。
- 含有されている繊維質の少なくとも1種が、糖産生植物の実から得られた植物性繊維質であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の剤。
- 繊維質の少なくとも1種がビートの実から得られたものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種のビート繊維質含有薬剤が顆粒、粉末、クッキーの形で、または糖衣を施された顆粒として存在していることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の剤。
- アカルボースおよび/またはミグリトールないしは他のアルファグルコシダーゼ阻害薬を含み、それが好ましくは錠剤形態で存在していることを特徴とする請求項14に記載の剤。
- 約5g〜約30g量の、好ましくは約10〜約20g量のビート繊維質を含有していることを特徴とする請求項14または15のいずれかに記載の剤。
- 繊維質の少なくとも1種が多糖誘導体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の剤。
- さらに繊維質または随伴物質、とりわけペクチンおよび/またはペントサンおよび/またはリグニンを含有していることを特徴とする請求項1〜13または17のいずれかに記載の剤。
- 随伴物質の少なくとも1種が蛋白質または蛋白質誘導体であることを特徴とする請求項1〜13、17または18のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬がオリゴ糖またはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜13または17〜19のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬が、場合により置換されたアミノ基を含有する単糖、オリゴ糖、またはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜13または17〜20のいずれかに記載の剤。
- セルロースを、少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬と組合せて含有することを特徴とする糖尿病治療剤。
- 一方でセルロースが、他方でアルファ−グルコシダーゼ阻害薬が、別個の製剤中に存在していることを特徴とする請求項22に記載の剤。
- セルロースを含有し、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬含有剤の服用後に服用するためのものであることを特徴とする糖尿病治療剤。
- セルロース含有製剤が、アルファ−グルコシダーゼ阻害薬含有剤の服用後に接近した時間関係で服用するためのものであることを特徴とする請求項22または24に記載の剤。
- 併用製剤として製造されており、第一の製剤がセルロースを含有し、第二の製剤が少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬を含有していることを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載の剤。
- セルロースが粉末形態で存在することを特徴とする請求項22〜26のいずれかに記載の剤。
- セルロース含有製剤が咀嚼錠として調製されていることを特徴とする請求項22〜27のいずれかに記載の剤。
- 一回量当り約1〜約10g量のセルロースを含有していることを特徴とする請求項22〜28のいずれかに記載の剤。
- 一回量当り約10〜約200mg量の少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬を含有していることを特徴とする請求項22〜29のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬、好ましくはアカルボース、ミグリトール、ボグリボースおよびエミグリタートのうちから選ばれたもの、を含有することを特徴とする請求項22〜30のいずれかに記載の剤。
- 一回量当り約3〜約7g量のセルロースを含有していることを特徴とする請求項22〜31のいずれかに記載の剤。
- セルロース誘導体を含むことを特徴とする、糖尿病、とくにII型糖尿病を治療するための剤。
- セルロース誘導体として置換セルロース、とりわけメチルセルロースを含有することを特徴とする請求項33に記載の剤。
- 同一製剤中に組合せ配合されていても、またはそれぞれに別個の製剤中に存在していてもよいセルロース誘導体および少なくとも1種のアルファ−グルコシダーゼ阻害薬を含むことを特徴とする請求項33または34に記載の剤。
- 繊維質として脱脂あまにを含有していることを特徴とする請求項1〜35のいずれかに記載の剤。
- 少なくとも該繊維質が食事の直前または食事時に服用するためのものであることを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の剤。
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