JP2004531254A - Ehv配列を含む人工染色体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アニマル・ヘルス、具体的にはウマ・ヘルペスウイルス(EHV)により引き起こされるウマの疾患に属する。本発明は、ウマ・ヘルペスウイルスのゲノムを含む人工染色体、外来遺伝子が挿入されているか又は挿入されていない弱毒化又は毒性EHVの産生方法、該方法により得られるEHV及び該ウイルスを含む医薬組成物に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、アニマル・ヘルス、具体的にはウマ・ヘルペスウイルス(EHV)により引き起こされるウマの疾患に属する。本発明は、ウマ・ヘルペスウイルスのゲノムを含む人工染色体、弱毒化EH-ウイルスの産生方法、該方法により得られるEH-ウイルス及び該ウイルスを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウマ・ヘルペスウイルス1(EHV-1)(Alphaherpesvirinaeの一種である)は、ウマにおけるウイルス誘発流産の主な原因であり、呼吸器系及び神経系疾患を引き起こす。EHV-1 Ab4p株の全DNA配列は、決定された(Telford, E.A.Rら、1992年)。ほんのわずかな遺伝子及び遺伝子産物しか、EHV-1の病原性又は免疫原性に関するそれらの関連性について特徴付けされていない。それは、ウイルス突然変異株の産生が、ウイルスゲノムと、培養哺乳類細胞に挿入されるべきそれぞれの外来DNAとの相同的組換えによる組換えウイルスの産生に、いまだに頼られているからである。
【0003】
EHV-1感染のコントロールに関する二つの異なるアプローチを以下に示す。第一に、修飾生ワクチン(MLV)が開発され、それはRacH株を含み(Mayr,Aら、1968年、Hubert, P. H.ら、1996年)、ヨーロッパ及び米国において広く使用されている。第二に、不活化ワクチン及び独立して発現されたウイルス糖タンパクが、それらの免疫原性及び防御性ポテンシャル(protective potential)について評価された。組換えを使用して発現された糖タンパクのうち、バキュロウイルスは、糖タンパク(g)B、C、D及びHであり、それらは、マウスモデルにおいて、引き続くEHV-1感染の曝露に部分的防御を誘導した(Awan, A. Rら、1990年; Tewari, D.ら、1994年;Osterrieder, N.ら、1995年;Stokes, A.ら、1996年)。しかし、MLVの使用には、死菌及びサブユニットワクチンを超える利点がある。MLVは、細胞性免疫応答を誘導する高い効果を有し、それは疾患に対する防御に応答可能と最も思われる(Allen, G. P.ら、1995年;Mumford, J. A.ら、1995年)。
【0004】
ヘルペスウイルス糖タンパクは、感染の初期段階において、細胞からのウイルス粒子の放出において、また、隣接細胞の融合によるウイルス粒子の直接的な細胞間拡散において、重大に関与する。これまで、11のヘルペス単ウイルス型1(HSV-1)コード糖タンパクが同定され、gB、gC、gD、gE、gG、gH、gI、gJ、gK、gL及びgMと命名されている。gC、gE、gG、gI、gJ及びgMを欠失するHSV-1突然変異株は生長可能であり、それは、これらの遺伝子が培養細胞において複製に不要であることを示唆している。HSV-1とウマヘルペスウイルス1ヌクレオチド配列との比較は、公知HSV-1糖タンパクのすべてが、EHV-1に保存されていることを明らかにした。現在の命名法により、これらの糖タンパクは、それらのHSV-1相同体と呼称される。さらに、gp1/2と称されるさらなるエンベロープタンパク及びテグメントタンパク、HSV-1のVP13/14相同体は、EHV-1の場合にはグリコシル化されていることが記載されている(Osterriederらにより再調査された。1998年)。EHV-1 gC、gE、gI及びgMは細胞培養における増殖に必須ではないが、一方、gB及びgDは培養細胞におけるウイルス増殖に必須と思われることが知られている。培養細胞における複製に対する、他のEHV-1糖タンパクの貢献は知られていない(Neubauerら、1997年;Flowersら、1992年)。
【0005】
gp1/2糖タンパクは、遺伝子71によりコードされ(Wellingtonら、1996年; Telfordら、1992年)、それらがin vitroにおいてウイルス増殖に必須ではないことも示された(Sunら、1996年)。さらに、遺伝子71翻訳領域においてlacZ挿入配列(insertion)を輸送するウイルス突然変異株は、感染マウスモデルにおいては無反応(apathogenic)であったが、引き続く感染の曝露(subsequent challenge infection)に対しては、防御可能であった(Sunら、1996年; Marahall et al, 1997)。さらに、EHV-1のKyA株は、遺伝子71のコード配列に主要な欠失部分を含む(Colleら、1996年)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある技術的課題は、所定の特異性を有する弱毒化ウマヘルペスウイルスを産生する新規手段(tool)及び方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題は、請求の範囲及び詳細な記載に特徴付けられる態様により解決される。
本発明は、EHVのゲノムを含む人工染色体、弱毒化EHVの製造方法、該方法により得られるEHV及び該ウイルスを含む医薬組成物に関する。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の態様に先立ち、本明細書及び請求の範囲に使用する「一の〜、その〜(a, an, the)」等の単数形の語は、文脈中に明らかに指示しない限りは、複数形の語を含むことに注意しなければならない。従って、例えば、「ウイルス(a virus)」と言及した場合、そのようなウイルスの複数を含み、「細胞(cell)」といった場合は、一つ又はそれ以上の細胞及び当業者に公知なそれと均等のものをいい、他についても同様である。他に規定しない限り、本明細書中に使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の通常の当業者により一般的に理解されるものと同様の意味を有する。本明細書に記載したものと同じか均等のあらゆる方法及び物質も、本発明の実施又は試験において使用し得るが、好ましい方法、装置及び物質は本明細書に記載される。本明細書に記載したすべての刊行物(publication)は、本発明との関連において使用することができる刊行物に報告されている細胞系、ベクター及び方法体系を記載及び開示するために参照文献として本明細書に含まれるものとする。先行発明によりそのような開示に先行する権利が本発明に与えられないことを認めていると解釈されるものは存在しない。
【0009】
本明細書において「EHV」又は「EH-ウイルス」は、ウマヘルペスウイルスに関する。
本発明は、人工染色体ベクターであって、EHV株の全ゲノムを本質的に含み、それらから、許容細胞への形質移入後に感染性子孫が再構築され得る、上記人工染色体ベクターに関する。
本発明の人工染色体ベクターにより、所定の弱毒性を有するEHVを含む安全なEHVワクチンを産生することができる。そのようなウイルスは、EHV感染の予防及び/又は治療に使用するための安全な生ワクチンの作製に有用である(以下を参照)。本発明は、真核細胞への十分な感染性を残しているか、複製-欠失ウイルス(replication-deficient virus)に変更(modify)されているEHVゲノムの迅速かつ効率的な操作の可能性を提供する。当該技術分野において、長期間、EHVの莫大なゲノムを扱いかつ操作する手法が必要とされていた。最後に、EHV核酸は、ポリヌクレオチドワクチンとして使用することができ、未処置の(naive)又は準備刺激された(primed)ウマに対して、局所又は全身のいずれかで適用され、また、子宮内 (in utero) において適用することもできる。
【0010】
本発明を、感染性ミニFプラスミド(「細菌性人工染色体」、BAC)としてEHV-1の全ゲノムをEscherichia coliにクローニングすることを示す実施例1において説明する。該BACの産生は、自明ではなく、十分な量の環状DNAを作製及び抽出することを含む多くの困難がある。組換えウイルスDNAの環状形態は、ミニFプラスミド-クローン化EHV DNAを作製するのに組換えDNAでDH10B細胞を形質転換するのに必要であった。十分な量の環状ウイルスDNAを得るために、初期のウイルス転写を、細胞の感染後にシクロヘキシミド100μg/mlを添加することにより阻害した。その後、ウイルスDNAを作製し、DH10B細胞の形質転換のために使用した。シクロヘキシミドで処理した細胞からのみ、十分な量の環状DNAを抽出し、全RacHゲノムを含有するDH10Bクローンを得ることが可能であった。
【0011】
「本質的に」とは、EHVゲノムが、以下に示すような突然変異を保持し得ること以外は完全であることを意味する。
「人工染色体」は、公知の人工染色体のいずれか、例えば酵母、又は好ましくは細菌性人工染色体に関する。
好ましくは、本発明の細菌性人工染色体(BAC)は、細菌性E. coliに見出される自然に生じるF−因子プラスミドに基づく、Escherichia coli細胞において大きなDNA断片(100〜300-kb挿入サイズ)をクローン化するために使用される(Shizuya, H.、B. Birren、U.J. Kimら、1992年. Cloning and stable maintenance of 300-kilobase-pair fragments of human DNA in Escherichia coli using an F-factor-based vector. Proceedings National Academy of Science 89: 8794〜8797頁)。ベクターの型は、好ましくは、E.coli当たり1又は2のレベルでそのコピー数を維持するのに関連している、複製起点(oriS)及びそれぞれのDNAポリメラーゼ(repE)並びに遺伝子parA及びparBを含むF−プラスミドレプリコンに基づく。抗生物質耐性マーカーはCm-耐性が好ましい。
【0012】
本発明は、好ましくは、EHVがEHV-1であることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHVがEHV-4であることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株がRacHであることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明により、複製-欠失及び/又は弱毒化EH−ウイルスを得るのに、あらゆるタイプの突然変異をEHVゲノムに導入することができる。そのような変異株としては、糖タンパクgB、gC、gD、gE、gG、gI、gJ、gL及びgM、gp1/2に関する突然変異株のいずれか(例えば欠失、挿入、置換)及びそれらの組み合わせのいずれかを含むが、それらに限定されるものではない。好ましくは、上記突然変異は、欠失突然変異、すなわち、それぞれの糖タンパク、例えばgMが完全に欠失しているものである。
【0013】
従って、本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgBを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgCを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgDを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgEを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
【0014】
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgGを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgHを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgIを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgKを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgLを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
【0015】
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgMを欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、EHV株が糖タンパクgp1/2を欠失していることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
本発明は、好ましくは、人工染色体が細菌性人工染色体(BAC)であることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。上記BACは、当業者に公知のどの細菌においても、例えば、好ましくはEsherichia coliにおいても増殖させることが可能である。
本発明は、好ましくは、人工染色体が酵母菌人工染色体(YAC)であることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターに関する。
【0016】
本発明は、好ましくは、人工染色体が、イギリス、ポートンダウンのECACC(European Collection of Cell Cultures, CAMR, Salisbury, Wiltshire SP4 0JG, UK)において、寄託番号 ECACC 01032704 で寄託されているものであることを特徴とする、本発明の人工染色体ベクターRacH-BACに関する。
本発明の他の重要な態様は、本発明の人工染色体ベクター又はそこに含まれるEHVをコードするポリヌクレオチドワクチンである。
さらに、本発明の他の重要な態様は、感染性EHVの産生に関する本発明の人工染色体ベクターの使用である。
さらに、本発明は、感染性EHVの産生方法であって、本発明の人工染色体ベクターを使用して適当な細胞系を感染させ、脱落させた(shedded)ウイルスを回収し、精製することを特徴とする、上記方法に関する。
【0017】
さらに本発明は、弱毒化EHVの産生方法であって、本発明の人工染色体ベクターに含まれるEHV配列を、分子生物学的技術により特異的に修飾することを特徴とする上記方法に関する。
上記修飾は、当技術分野に公知の方法、例えば部位特異的変異誘発により行うことができる。例えばSambrook ら、(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New Yorkを参照されたい。
さらに、本発明は、本発明の方法により得られるEHVに関する。
他の非常に重要な態様は、本発明のポリヌクレオチドを含有し、及び医薬的に許容され得る担体及び/又は賦形剤を含んでいてもよい医薬組成物である。本発明のそのようなポリヌクレオチドを、医薬組成物において、本発明の範囲内で、例えばDNAワクチン接種のために使用することができる。
【0018】
投与の対象系、例えば、本発明のポリヌクレオチドに関する一つの例は、コロイド分散系である。コロイド分散系は、高分子複合体、ナノカプセル、微小球(microsphere)及び水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル及びリポソーム又はリポソーム組成物を含む脂質ベース系を含む。リポソームは、本発明の好ましいコロイド系である。リポソームは、人工膜ベシクルであり、in vitro 及びin vivoにおける運搬体として有用である。それらの組成物は、カチオン性、アニオン性又は中性の電荷を帯びていてもよい。大きさが0.2〜4.0μmの大規模単層ベシクル(LUV)は、多量の高分子(large macromolecule)を含有する水性緩衝溶液の大部分を封入できることが分かった。RNA、DNA及び無処置のウイルス粒子は、水相内部に被包され、生物学的活性形態において標的に運搬され得る(Fraley Rら、1981年、Trends Biochem Sci 6, 77〜80頁)。哺乳類細胞の他に、リポソームは、植物、酵母菌及び細菌細胞へのヌクレオチドの標的輸送に好適であることも分かった。効果的な遺伝子輸送担体であるように、以下の特性が存在すべきである:(1)遺伝子が、それらの生物学的活性を損なうことなく、高い効率で封じ込められるべきである;(2)非標的細胞と比較して標的細胞に対して、優先的かつ実質的に結合すべきである;(3)ベシクルの水相は、標的細胞の細胞質に高い効率で移送されるべきである;また、(4)遺伝情報は、正確かつ効率的に発現されるべきである(Mannino RJら、1988年, BioTechniques 6, 682〜690頁)。
【0019】
リポソームの組成物は、通常、リン脂質の組み合わせ、具体的には、相転移温度の高いリン脂質、例えばステロイド、例えばコレステロールとの組み合わせを含む。他のリン脂質又は他の脂質を使用してもよい。リポソームの物理的特徴は、pH、イオン濃度及び二価カチオンの存在に依存する。
また、本発明の医薬組成物は、本発明のベクター、例えば上記EHVゲノムを含むBACベクターを、例えば、裸の(naked)「遺伝子発現ベクター」として含んでもよい。これは、本発明のベクターが、目的とする投与(例えば、リポソーム、コロイド粒子等)に関してアジュバントと関連(associate)しないことを意味する。裸のDNAベクターの主な利点は、ベクターそれ自体により生じるあらゆる免疫応答が存在しないことである。
本発明のEHV核酸は、ポリヌクレオチドワクチンとして使用することが可能であり(上記医薬組成物を参照されたい)、それは、未処置の又は準備刺激したウマに、局所的(例えば、鼻腔内に)又は全身的のいずれかで適用され、また、子宮内(in utero)において適用することもできる。
【0020】
他の非常に重要な態様は、本発明のEHV及び医薬的に許容可能な担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物である。
医薬的に許容可能な担体は、生理学的に許容可能な化合物を含むことが可能である。該化合物は、例えば、本発明のEHV又はポリヌクレオチドの徐放性製剤の一部を形成し、吸収を安定し、又は増加するように作用する。そのような生物学的に許容可能な化合物としては、例えば、炭水化物、例えばグルコース、スクロース又はデキストラン、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又はグルタチオン、キレート化剤、低分子量タンパク質又は他の安定剤又は賦形剤が挙げられる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (1990). 18th ed. Mack Publ. Eastonも参照されたい)。当業者であれば、生物学的に許容可能な化合物を含む医薬的に許容可能な担体の選択は、例えば組成物の投与経路に依存することを知っているであろう。
【0021】
さらに、本発明は、EHV感染の予防及び/又は治療用ワクチンの製造における、本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。
さらに、本発明は、EHV感染の予防及び/又は治療用ワクチンの製造における、本発明のEHVの使用に関する。
さらに、本発明は、病原性が高く、遺伝的によく特徴づけられたEHVを確立するためのBAC技術の使用に関する。免疫化、及び例えばワクチン力価(vaccine potency)研究において使用するための負荷(challenge)研究のために使用することができる。
さらに、本発明は、EHVの遺伝的又は非遺伝的変異体の出現を考慮して産生される、BAC突然変異株を産生するための本発明のEHV BACの使用に関する。これは、存在するEHV BACに容易に導入することができるEHVの「新規変異体」内に存在する一つ又はそれ以上の突然変異株に関する。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるためのものであり、決して、本発明の範囲を制限するとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0022】
EHV-1 細菌性人工染色体の構築
一般的に均一な個体群のRacH (256th 継代)を単離した。257継代RacHで、Rk13細胞を感染させ、母プール(mother pool)を確立した。RK13細胞における一つの追加の継代のウイルスを使用し、RK13細胞を感染し、そこからウイルスDNAを作製した。ウイルスDNA 10マイクログラム(μg)を、プラスミド p71-pHA2 10 μgで(図1)、RK13細胞に同時形質移入した。プラスミド p71-pHA2 の構築のために、EHV-1 遺伝子71 のいずれか側の2.0及び2.4 kbp 断片(図1; 表1)を、好適な制限酵素部位を含むプライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)により増幅した。両方の断片を、引き続き、pTZ18R (Pharmacia-Amersham)にクローン化し、プラスミドp71を得た(図1)。 HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)の制御下、 Eco-gpt 及びGFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子を含むBACベクター(pHA2; Messerleら、1997年)を、PacI 断片として、プラスミドpHA2から放し、p71においてクローン化した 2.0 及び2.4 kbp断片の PacI 部位に挿入した(図1;表1)。ウイルス子孫を収集し、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現する個々のプラークを単離し、ウイルス子孫が蛍光顕微鏡下で均一な緑色に染色されるまで、プラーク精製を三回行った (Seyboldt ら、2000年)。同様に、p71-pHA2及びEHV-1 ケンタッキーA (KyA)株のDNAの同時形質移入を行い、組換えウイルスを均一に精製した。組換えウイルスDNAを作製し(Schumacherら、2000年)、Escherichia coli DH10B 株(Messerleら、1997年; Schumacherら、2000年)に電気穿孔した。エレクトロコンピテント細菌(electrocompetent bacteria)を記載のように作製し (Muyrersら、1999年; Narayananら、1999年; Zhangら、1998年)、電気穿孔を、0.1cmのキュベットにおいて、1250 V、抵抗200 Ω及び静電容量25μF で行った(Easyject electroporation system, Eurogenentec)。形質転換した細菌を、0.4% グルコースで補足したルリア−ベルターニ(LB)培地 (28) 1 ml中で、1時間、37℃でインキュベートし、その後、クロラムフェニコール30μg/mlを含有するLB寒天にプレーティングした。単一のコロニーを液体LB倍地に取りだし、BAC DNAの小規模プレパレーションを、Escherichia coli のアルカリ溶解により行った(Schumacherら、2000年)。BAC DNAの大規模プレパレーションを、商業上入手可能なキット(Qiagen, Macherey & Nagel)を使用して、シリカベースのアフィニティクロマトグラフィにより成し遂げた。
【0023】
クロラムフェニコール耐性細菌性コロニーから、一つのコロニーそれぞれを選び、RacH-BACと名づけ、ここで、それはEHV-1 RacHゲノムを含んでいる。RACH-BAC DNA を制限酵素BamHI, EcoRI 及びHindIII で切断し、その制限酵素パターンを、親ウイルスDNAのものと比較した。(Schumacherら、2000年)。遺伝子71座へのミニFプラスミドの挿入後、バンド形成パターンにおいて、計算されかつ予期された変化が、RacH-BACに観察された。一方、親ウイルスと比較して、制限酵素パターンにおいて、他の違いは明らかではなかった(図2)。アフィニティクロマトグラフィを用いたRacH-BAC DNAの精製の後、RK13細胞を組換えDNA1μgで形質転入した。形質転入の1日後、緑色蛍光細胞のフォーカス(foci)が認識され、それらは、感染の後日にプラークに発展したものである(図3)。これらの結果から、EHV−1のRacH 菌株は、Escherichia coliにおける感染性の完全長(full-length)のウイルスDNAとして、クローン化されたと結論付けられた。RacH-BACにおける遺伝子71の欠失は、プラークの大きさにおいて、10%減少よりも少なかった(図3)。
【0024】
【表1】
Figure 2004531254
【0025】
EHV-1 BACsの変異原性
Escherichia coliにおけるRacH-BAC DNAの変異原性に関して、線状DNA断片間の相同的組換えを促進するrecE-及びrecT-触媒反応(E/T クローニングとも言われる)を行った (Muyrers ら、1999年; Zhangら、1999年)。RecE、recT 及びバクテリオファージλ gam 遺伝子(Narayananら、1999年)を含むプラスミドpGETrec (Dr. Panos Ioannou, Murdoch Institute, Melbourne, オーストラリア、より好意的に提供された)をRacH-BAC-含有DH10B細胞に形質転換した。0.2%アラビノースの添加によるrecE、recT及びgamの導入後、エレクトロコンピテントを、記載のように基本的に作製した (Muyrersら、1999年)。RACH-BACにおけるgD及びgM 遺伝子の欠失のため、プラスミドpACYC177 (Stratagene)のカナマイシン耐性遺伝子(kanR)をPCRにより増幅した。設計されたプライマーは、gD 又はgM 内に所望の欠失をボーダリングする(bordering)50ヌクレオチドの相同性アーム及びkanR の増幅のための20ヌクレオチドを含んでいた。(表1)。得られた0.95 kbp 断片をアガロースゲル (Qiagen)から精製し、pGETrec-含有RacH-BAC細胞に電子穿孔した。camR 及びkanR 遺伝子を含むコロニーを、両方の抗生物質を含むプレート上で同定した。
H-BAC△gD 及びH-BAC△gM DNA をEscherichia coli から、クロマトグラフィにより単離し、制限酵素消化にかけ、サザンブロット分析(図4)の形質転入研究を行った。RacH-BAC及びH-BAC△gMは、RK13細胞上にウイルスプラークを産生可能であったが、H-BAC△gDは、トランス(in trans) のみgD を発現する細胞上にプラークを産生可能であった。組換えプラスミドの転入の後、gD 細胞は、一過性に(transiently)EHV-1 gD を発現し、ここで、gD は、HCMV 最初期プロモーター/エンハンサーの制御下にある。これらの観察から、EHV-1 gD が、in vitroにおけるウイルス増殖に必須であることが示された。
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【0026】
Figure 2004531254
Figure 2004531254
Figure 2004531254

【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】RacH ゲノム(A)へのミニFプラスミドの導入に関するクローニング計画。ゲノム(B)のUS領域に位置する遺伝子71の境界(bordering)断片のPCR増幅を行い、得られた BamHI-KpnI 及びSalI-SphI 断片を、ベクターpTZ18R (C)に継続的にクローン化した。ミニFプラスミド配列を、組換えプラスミド pHA2 (Adlerら、2000年)からPacI を用いて放し、クローン化し、組換えプラスミドp71-pHA2 (D)を作製した。このプラスミドをRacH DNAで、RK13細胞に同時形質移入し、蛍光発光ウイルス子孫を選択した。緑色蛍光発光性ウイルス子孫由来のウイルスDNAを使用し、 Escherichia coli DH10B 細胞を形質転換し、ここから感染性RacH-BAC を単離した。制限酵素部位及びスケール(kbp)を示した。
【図2】RacH 及びRacH-BACの制限酵素消化。0.8% アガロースゲル電気泳動法による分離の後、断片をナイロン膜 (Pharmacia-Amersham)に移動し、標識化した pHA2 プローブでハイブリッド形成した (図1参照)。ミニ Fプラスミド配列の挿入のために存在する反応性断片を、星印で示した。分子量マーカーは1kbラダー(ladder) (Gibco-BRL)であった。使用した制限酵素を示した。
【図3】RacH 及びRacH-BACのプラークサイズ。プラークサイズをRK13細胞上で、それぞれ150プラークの直径を測定することにより判定した。 RacH のプラークサイズを100%にそれぞれ設定し、BACから最構成されたウイルス子孫のプラークサイズを親ウイルスのものと比較した。標準偏差を示した。
【図4】E/Tクローニングを使用して、カナマイシン耐性遺伝子(kanR)で翻訳領域を置換することによる、RacH-BACにおけるgD (a)又はgM (b)のコード遺伝子欠失の原理。表1に収載したプライマーを使用して、PCRにより、kanR 遺伝子を増幅し、単位複製配列をRacH-BAC及びプラスミドpGETrec を含有するDH10B 細胞に電子穿孔し、ここで、それらは、アラビノース誘導後に、E/Tクローニングを必要とする酵素を発現する(Schumacherら、2000)。カナマイシン耐性コロニーを取りだし、DNAを単離し、kanR-特異性プローブを使用してサザンブロット分析を行った。gD-陰性RacH-BAC (c) 及びgM-陰性RacH-BAC (d)の両方において、予期したサイズの断片 (gD: 20.4 kbp; gM: 9.3 kbp)は、kanR プローブと特異的に反応した。

Claims (28)

  1. 本質的にEHV株の全ゲノムを含むことを特徴とする、細菌性人工染色体ベクター。
  2. EHVが、EHV−1である、請求項1に記載の人工染色体ベクター。
  3. EHVが、EHV−4である、請求項1又は請求項2に記載の人工染色体ベクター。
  4. EHV株が、RacHである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  5. 寄託番号ECACC 01032704のベクターである、請求項4に記載の人工染色体ベクター。
  6. EHV株が、糖タンパクgBを欠失している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  7. EHV株が、糖タンパクgCを欠失している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  8. EHV株が、糖タンパクgDを欠失している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  9. EHV株が、糖タンパクgEを欠失している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  10. EHV株が、糖タンパクgGを欠失している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  11. EHV株が、糖タンパクgHを欠失している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  12. EHV株が、糖タンパクgIを欠失している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  13. EHV株が、糖タンパクgKを欠失している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  14. EHV株が、糖タンパクgLを欠失している、請求項1〜13のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  15. EHV株が、糖タンパクgMを欠失している、請求項1〜14のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  16. EHV株が、糖タンパクgp1/2を欠失している、請求項1〜15のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  17. ECACCにおいて寄託番号Q4297で寄託されている人工染色体であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の人工染色体ベクター又はそこに含まれるEHVをコード化するポリヌクレオチド。
  19. 感染性EHVを産生するための、請求項1〜18のいずれか1項記載の人工染色体ベクター又はポリヌクレオチドの使用。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の人工染色体ベクターを使用して適当な細胞系に感染させ、脱落させたウイルスを回収し、精製することを特徴とする、複製EHVの産生方法。
  21. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の人工染色体ベクターに含まれるEHV配列を、分子生物学的技術により特異的に修飾することを特徴とする、弱毒化EHVの産生方法。
  22. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の人工染色体ベクターに含まれるEHV配列を、分子生物学的技術により特異的に修飾し、該EHV配列が、他のウイルス、細菌又は寄生病原体の外来配列を含むことを特徴とする、弱毒化EHVのクローニング及び産生方法。
  23. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の人工染色体ベクターを、分子生物学的技術により特異的に修飾することを特徴とする、病原性EHVのクローニング及び産生方法。
  24. 請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法により得られるEHV。
  25. 請求項18に記載のポリヌクレオチド及び医薬的に許容可能な担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物。
  26. 請求項24に記載のEHV及び医薬的に許容可能な担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物。
  27. EHV感染の予防及び/又は治療用のワクチン製造における、請求項18に記載のポリヌクレオチドの使用。
  28. EHV感染の予防及び/又は治療用のワクチン製造における、請求項24に記載のEHVの使用。
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