JP2004530339A - チャネルコーデック用試験ループ - Google Patents
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Abstract
復号器と、復号器に試験データを供給する試験装置とを備える電気通信システムにおいて復号の性能を決定する方法。信号フレーム・フォーマットの信号データを備える試験データが生成され、その試験データは2つの連続フレームにマッピングされ試験装置から復号器に復号のため送信される。信号データは受信された2つの試験データ・フレームから復号され、1フレームに符号化されて試験装置に返送される。送信された信号データと受信された信号データとを試験装置中で比較することによって復号の性能が決定される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信システムにおける復号の性能を測定する方法に関する。
【0002】
無線デジタル電気通信では、アナログ音声情報は送信前にデジタル形式に符号化した後、信号受信時の十分な音声品質を保証するため、チャネル(通信路)符号化によって保護しなければならない。例えば、従来のGSM音声符号化では、音声コーデックは固定レートであった。GSMシステムでは、2つのフルレート音声コーデックと1つのハーフレート音声コーデックとが使用されていた。フルレート音声コーデックは13または12.2kbit/s何れかの出力ビットレートを有し、ハーフレート音声コーデックは5.6kbit/sの出力ビットレートを供給する。符号化音声パラメータであるこうした出力ビットはチャネル符号器に供給される。チャネル符号化は、情報シーケンスへの冗長性の追加を担当する機能の集合である。符号化は普通、一定の数の入力ビットに対して行われる。チャネル符号器の出力ビットレートはフルレート・トラフィック・チャネルでは22.8kbit/s、またハーフレート・トラフィック・チャネルでは11.4kbit/sに調整される。
【0003】
すなわち、従来のGSMコーデックは全て、通信路の品質と無関係に、音声及び通信路間の符号化ビットレートの固定パーティショニングによって動作する。こうしたビットレートは、トラフィック・チャネルの変更が行われない限り変更されず、その上これは緩慢な処理である。その結果、これは一方では、望ましい音声品質を考慮するとあまり柔軟でないアプローチであり、他方ではシステム能力の最適化の結果、AMR(適応マルチレート)コーデックが開発されることになった。
【0004】
AMRコーデックはチャネルの品質に応じて音声及びチャネル間の符号化ビットレートのパーティショニングを適応化し、可能な最良の総合音声品質を提供する。AMR音声符号器は、マルチレート音声符号器と、音声アクティビティ検出器及びコンフォートノイズ生成システムを含むソース制御レート・スキームと、伝送エラー及び損失パケットの影響を抑制するエラー隠蔽機構とからなる。マルチレート音声符号器は、4.75kbit/sから12.2kbit/sの8つのソースレートと低レート背景雑音符号化モードとによる単一の統合音声コーデックである。
【0005】
例えばGSMシステムで使用されるコーデックについて設定されるいくつかの性能基準が存在し、その性能は、例えば任意のトラフィック・チャネル(TCH)上の受信データのフレーム消失率(FER)、ビットエラー率(BER)または残余ビットエラー率(RBER)によって測定できる。さらに、性能測定の自動化を可能にするため、1組の試験ループが開発された。1組の所定の試験ループをシステム・シミュレータに接続された移動局に実装する。システム・シミュレータは特定の試験ループを起動し、無作為または所定の試験データをコーデックに供給し始める。移動局はチャネル復号を行った後に得られるデータをシステム・シミュレータにループバックする。すると、システム・シミュレータはループバックされたデータを送信したデータと比較できる。こうして、例えばコーデックのチャネル復号器部分の性能をいくつかの基準について測定できる。
【0006】
上記で説明した機構に伴う問題は、こうした試験ループが以前のGSMコーデックに特に適するように設計されていることである。しかし、AMRコーデックには、以前のコーデックに含まれないいくつかの機能が含まれるため、周知の試験ループを使用してAMRコーデックの全ての機能を試験することはできない。
【0007】
発明の概要
すなわち、本発明の目的は、上記の問題のうち少なくともいくつかを回避する改善された方法及びその方法を実現する装置を提供することである。本発明のこの目的は、独立請求項に記載の方法及び装置によって達成される。本発明の好適実施形態は従属請求項で開示される。
【0008】
本発明の基本となる考え方は、復号器と、試験データを復号器に供給する試験装置とを備える電気通信システムで復号の性能を決定する場合、試験装置中で試験データを生成することによって測定が開始されるが、この試験データは信号フレーム・フォーマットの信号データ・フィールドを備え、次に2つの連続フレームにマッピングされ、その後復号器に送信されて復号される。復号器は、受信した2つの試験データ・フレームから信号データ・フィールドを復号し、1つのフレームに符号化した復号信号データ・フィールドを試験装置に返送するので、音声パラメータまたは何らかの他のデータは送信されない。その後、試験装置中で送信された信号データ・フィールドと受信された信号データ・フィールドとを比較することによって復号の性能を決定する。
【0009】
本発明の別の実施形態の基本となる考え方は、復号器と、試験データを復号器に供給する試験装置とを備える電気通信システムで復号の性能を測定する場合、試験装置中で試験データを生成することによって測定が開始されるが、この試験データは信号フレーム・フォーマットの信号データ・フィールドを備え、次に2つの連続フレームにマッピングされ、その後復号器に送信されて復号される。復号器は受信した2つの試験データ・フレームを別々に抽出し、音声フレームの長さを有する1つのフレーム・フォーマットで符号化した2つの試験データを各々試験装置に返送するので、音声パラメータまたは何らかの他のデータは送信されない。その後、試験装置中で送信された信号データ・フィールドと受信された信号データ・フィールドとを比較することによって復号の性能を決定する。
【0010】
本発明による方法及び装置の利点は、2つのフレームの長さを有する信号データ用の復号器の性能も測定できることである。本発明の別の利点は、2つのフレームの長さを有する信号データの復号に関する同期の問題である。本発明のさらなる利点は、わずかな修正を加えるだけで、既存の試験装置が使用可能なことである。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、本発明の実施形態のための好適なプラットフォームとしてGSMシステムを使用して、以下さらに詳細に説明される。しかし、本発明はGSMシステムだけに制限されるものではなく、試験ループを実現することで同様の問題に遭遇する任意の対応するシステムで利用できる。従って、本発明は、例えば、やはりAMR(適応マルチレート)コーデックをサポートするWCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)システムに適応できる。
【0012】
図1は、一部で本発明の方法が利用される、無線システムの一例を示す。提示されるセルラ無線システムは、基地局制御装置120と、無線基地局装置110と、1組の加入者端末100、101とを備える。無線基地局装置110と加入者端末とはセルラ無線システム中の送受信機としての役目を果たす。加入者端末は、無線基地局装置110を通じて伝播する信号によって相互間の接続を確立する。加入者端末100は例えば移動電話でもよい。図1に提示される無線システムは、例えばGSMシステムでもよく、その無線システムでは、例えばTDMAシステムを使用してもよい。
【0013】
GSMシステムでは、物理チャネルのグリッド上で移送されるいくつかの論理チャネルが存在する。各論理チャネルは特定の役割を果たす。論理チャネルは、トラフィック・チャネル(TCH)と制御チャネル(CCH)という2つのカテゴリに分類できる。GSM音声トラフィック・チャネルは、TCH/FS(フルレート音声チャネル)と、TCH/HS(ハーフレート音声チャネル)と、TCH/EFS(EFR音声チャネル)と、TCH/AFS(FRチャネル上のAMR音声)と、TCH/AHS(HRチャネル上のAMR音声)とである。さらに、GSMで定義されるいくつかの制御チャネルが存在し、その大部分は呼の設定と同期化のために使用される。しかし、SACCH(スロー・アソシエイテッド制御チャネル)と、FACCH(ファスト・アソシエイテッド制御チャネル)と、RATSCCH(ロバストAMRトラフィック同期制御チャネル)とのチャネルは、AMR呼がアクティブである間に必要となる。SACCHとFACCHはどちらも接続中の信号データの送信用に使用されるが、26番目のTDMAフレーム毎に割り当てられた1つのSACCHタイムスロットが存在し、FACCHチャネルは必要な場合だけ使用される。また、RATSCCHは、接続中に無線インタフェース上のAMR設定を修正するために使用されるが、これも必要な場合だけ使用される。FACCHまたはRATSCCHが必要な場合、TCH音声フレームから「盗む」ことで必要なタイムスロットを割り当てられる。
【0014】
従来のGSM音声コーディングでは、音声コーデックは一定のレートを有していた。GSMシステムでは、RPE−LTP(規則的パルス励起長期予測)法に基づくフルレート(FR)音声コーデックと、CELP/VCELP(コードブック励起線形予測)法に基づくハーフレート(HR)音声コーデックと、ACELP(代数コードブック励起線形予測)法に基づく拡張フルレート(EFR)音声コーデックという3つの音声コーデックが存在した。音声コーデックは20ms毎に音声パラメータをチャネル・コーデックに供給する。アクティブな呼の論理チャネル・マッピングは120ms継続するので、6つの音声フレームが含まれる。フルレート・トラフィック・チャネル(TCH/FS)と、拡張符号化を使用するフルレート・トラフィック・チャネル(TCH/EFS)との両方では、TCH情報を含む4番目のバースト毎に新しい音声フレームが送信される。音声フレーム20ms毎に、フルレート音声コーデックは260ビットを供給し、拡張フルレート音声コーデックEFRは符号化音声パラメータを表す244ビットを供給し、それぞれ13kbit/sと12.2kbit/sとの出力ビットレートを生じる。ハーフレート・トラフィック・チャネル(TCH/HS)では、TCH情報を含む2番目のバースト毎に新しい音声フレームが送信される。音声フレーム20ms毎に、ハーフレート音声コーデックHRは符号化音声パラメータを表す112ビットを供給し、5.6kbit/sの出力ビットレートを生じる。
【0015】
符号化音声パラメータを表す出力ビットはチャネル符号器に供給される。チャネル符号化は、情報シーケンスへの冗長性の追加を担当する機能の集合である。符号化は普通、一定の数の入力ビットに対して行われる。高い符号化利得は、符号化の複雑さを増大することによって達成される。しかし、伝送遅延とハードウェア・リソースの制限のため、実時間環境で使用できる複雑さには限度がある。
【0016】
以下、図2を参照すると、符号器中のチャネル符号化チェーンが例示される。音声パラメータのチャネル符号化はいくつかのブロックからなる。音声パラメータのビットに対して主観的重要度に応じたビット並べ替え(200)が行われ、ビットを1A、1B及び2のカテゴリに分類する。最も重要なビット、すなわちクラス1Aビットについて、CRC(巡回冗長検査、202)が計算される。CRC技術は、伝送フレーム中のエラーを検出するため受信機が使用できる小数の追加ビットを送信するクラス1BビットはCRCによって保護されない。クラス1A及び1bビットはどちらも、畳み込み符号化(204)によって保護されるが、これはチャネル中で送信されるビットに冗長性を追加する方法である。畳み込み符号器は入力ビットより多くの出力ビットを生じる。冗長性を追加するこの方法によって、受信機は畳み込み符号化ビットに対して最尤アルゴリズムを実行することができ、伝送中に生じた信号エラーの訂正が可能になる。チャネル中で送信できるビットの数は制限されている。パンクチャリング(206)は、畳み込み符号化データからビットを削除することによってチャネル上で送信されるビット数を減らす方法である。復号器にはどのビットが間引きされたかが分かっており、そのためのプレースホルダを追加する。FRチャネルでは、20ms当たり456ビットを送信できるので、フルレート・トラフィック・チャネルにおける総レートは22.8kbit/sとなる。従って、HRチャネルでは、20ms当たり228ビットを送信できるので、総レートは11.4kbit/sとなるが、これはフルレート・トラフィック・チャネルで使用できる総レートのちょうど半分である。
【0017】
上記で説明されたように、以前のGSMコーデックは全て、チャネルの品質とは無関係に、音声及びチャネル間の符号化ビットレートの固定パーティショニングによって動作する。こうしたビットレートはトラフィック・チャネルの変更(FRからHR、またはその逆)が行われない限り変更されず、しかもこれはレイヤ3(L3)信号を必要とする緩慢な処理である。この固定的なパーティショニングは、チャネル符号化が提供する保護は通信路の条件に大きく依存するという事実を使用していない。通信路の条件が良好な場合、より低いチャネル符号化ビットレートを使用することができるので、音声コーデック用のビットレートを高くすることができる。従って、音声及び通信路間の符号化ビットレートの動的パーティショニングを可能にすれば、総合音声品質が増大するだろう。この考え方が発展し、AMRコーデックの標準化につながった。
【0018】
AMRコーデックは、常に最適なチャネル及びコーデック・モード(音声及びチャネルのビットレート)を選択し、最良の総合音声品質を達成することを目指してエラー保護レベルを無線チャネル及びトラフィック条件に適応化する。AMRコーデックはGSM FRまたはHR何れかのチャネルで動作し、良好な条件では有線に匹敵する音声品質をユーザに提供する。
【0019】
AMR音声符号化器は、マルチレート音声符号化器と、音声アクティビティ検出器及びコンフォートノイズ生成システムを含むソース制御レート・スキームと、伝送エラー及び損失パケットの影響を抑制するエラー隠蔽機構とからなる。マルチレート音声符号化器は、4.75kbit/sから12.2kbit/sの8つのソースレートと低レート背景雑音符号化モードとによる単一の統合音声コーデックである。音声符号化器は、指令に応じて音声フレーム20ms毎にビットレートを切り換えることができる。
【0020】
AMRコーデックは、ビットレートが12.2、10.2、7.95、7.4、6.7、5.9、5.15、及び4.75kbit/sである8つの音声コーデックを含む。下記の表に示されるように、フルレート・チャネルの場合全ての音声コーデックが定義されるが、ハーフレート・チャネルの場合最下位側の6つが定義される。
【0021】
【表1】
【0022】
移動局は全てのコーデック・モードを実装しなければならない。しかし、ネットワークは任意の組合せのコーデック・モードをサポートできる。AMRの場合、コーデック・モードの選択は、1〜4のAMRコーデック・モードを含みうるコーデック・モードの集合(ACS、アクティブ・コーデック・セット)からなされる。この集合は、ハンドオーバ状況またはRATSCCH信号により、呼設定段階で再設定できる。各コーデック・モードは、音声及びチャネル間の符号化の種々の分配を通じて種々のレベルのエラー保護を提供する。音声コーデック・モードは全て、L3信号の関与なしで変更可能であり、チャネル条件が変わった場合モード間の高速な移行が可能である。
【0023】
図3は、種々のコーデック・モードについてのTCH/AFSフレームの形成を例示する。例えば12.2kbit/sの場合を使用すると、フレームの構築は、音声コーデックが出力する244ビットから開始される。音声フレーム・ビットは並べ替えられ、クラス1A(81ビット)と1B(163ビット)とに分類される。81のクラス1Aビットを保護するため、6ビットのCRCが計算される。4ビットのテールビットが250ビットのブロックに追加されるが、このテールビットはチャネル符号器を終端するために使用される。254ビット(244+6+4)のブロックに対して1/2レート畳み込み符号化が実行され、その結果508ビットのブロックを生じる。次に508ビットのブロックはパンクチャリングされるので、ビット数は448ビットに減少する。最後に、帯域内データを含む8ビットが追加される。データの最終的なブロックは456ビット長である。
【0024】
図3に示されるように、入力(音声パラメータ)のビット数がモード毎に異なっても、TCH/AFSチャネル符号化フレームは全て同じ長さ(456ビット)を有する。異なる数の入力ビットも、各モードについての畳み込みコーディング・レートとパンクチャリング・レートとを変化させることでちょうど456出力ビットに符号化される。20ms毎に456ビットを送信すると総レートは22.8kbit/sとなり、GSMシステムのフルレート・トラフィック・チャネルで利用可能な全てのビットを使用することになる。
【0025】
図4は、6つの異なるコーデック・モードについてのTCH/AHSフレームの形成を示す。フレーム構築の原理は、いくつかの例外を除いて、TCH/AFSフレームの場合と同様である。ビットの並べ替えでは、ビットはクラス1A、1B及び2のビットに分類されるが、それに対してTCH/AFSフレームではクラス1A及び1Bだけが使用される。このクラス2ビットは畳み込み符号化されない。さらに、畳み込み符号化フレームに追加されるのは帯域内データの4ビットだけである。全てのTCH/AHSコーデック・モードでは、チャネル符号化フレームは228ビット長である。20ms毎に228ビットを送信すると総レートは11.4kbit/sとなり、ハーフレート・トラフィック・チャネルに対するGSMシステムの要求を満たす。
【0026】
前に説明したように、AMRについて定義される8つの音声コーデックが存在し、AMRコーデックは既存のFR及びHR両方のチャネルで使用できる。従って、AMRについて定義できる14の異なるコーデック・モード(TCH/AFSチャネル用が8、TCH/AHSチャネル用が6)が存在する。
【0027】
リンク適応化処理は、チャネル品質の測定を担当する。品質とありうるネットワーク制約(例えば、ネットワーク負荷)とに応じて、モード適応化は最適な音声及びチャネル・コーデックを選択する。移動局(MS)と無線基地局装置(BTS)との両方はそれらの固有の受信経路についてチャネル品質推定を実行する。チャネル品質推定に基づいて、BTSはMSにコーデック・モード指令(CMC、MSがアップリンクで使用するモード)を送信し、MSはBTSにコーデック・モード要求(CMR、ダウンリンクで使用するよう要求されるモード)を送信する。この信号は、音声データと共に帯域内で送信される。アップリンクのコーデック・モードはダウンリンクで使用されるものと異なってもよいが、チャネル・モード(フルレートまたはハーフレート)は同じでなければならない。この帯域内信号は、急速な通信路の変化に対する素早い適応を可能にするよう設計されていた。
【0028】
ネットワークは、アップリンク及びダウンリンクのコーデック・モードとチャネル・モードとを制御する。移動局はネットワークからのコーデック・モード指令に従わなければならないが、ネットワークは任意の補完情報を使用してダウンリンク及びアップリンクのコーデック・モードを決定してもよい。
【0029】
音声コーデックは、ユーザが音声を発しているか否かを絶えず監視している。通常、電話ユーザが音声を発しているのは通話時間の40%未満である。ユーザが音声を発していない場合、基地局がイネーブルにすれば、BSへのバーストの送信を停止することが可能である。これは、MDの電池電力を節約し、無線インタフェースの干渉が減少するという利点を有する。ユーザが音声を発していない時間に送信が突然停止すると、アップリンク・ユーザは困惑し、送信の障害があると考えることになる。この不愉快な影響を避けるため、いわゆるコンフォートノイズ(無音として符号化されるパラメータ)を規則的な間隔で送信しなければならない。こうした間欠的送信はDTX(不連続TX)と呼ばれる。
【0030】
ユーザが音声を発していないことに気付くと、音声コーデックはDTXモードに移行し、そこで音声コーデックは音声パラメータの代わりに無音パラメータを符号化し、無音パラメータが符号化されたことをチャネル符号器に知らせる。チャネル符号器サブシステムは、フレームを送信しなければならないか否か、及び何を送信すべきかを決定する1組の規則に従わなければならない。AMRについて使用される1組の規則は、フルレート及びハーフレートの音声トラフィック・チャネルのDTXとは大きく異なっている。
【0031】
無音パラメータを含むSID_UPDATEフレーム、TCH/AFS上のDTX期間の開始を示すSID_FIRSTフレーム、TCH/AHS上のDTXの開始を示すSID_FIRST_P1及びSID_FIRST_P2フレーム、DTX期間の終了を示すONSETフレーム、TCH/AHS上のSID_UPDATEフレーム中間での音声の開始を示すSID_UPDATE_INHフレーム、及びTCH/AHS上のSID_FIRSTが完了する前の音声の開始を示すSID_FIRST_INHフレームといった、いくつかの種類の新しいフレームがAMR DTXについて定義されている。
【0032】
こうした新しい種類のフレームは全て専用マーカによって識別されるので、受信機による検出が可能である。全てのフレームは、受信機がDTXステートマシンの同期を継続し最新の帯域内情報を維持するために使用できる。SID_UPDATEフレームだけは、音声コーデックによって使用できるパラメータ、すなわちノイズ・パラメータを送信する。SID_UPDATEフレームは、無音パラメータをコーディングするために使用される35ビットを伝達する。このビットは全て、14ビットのCRCによって保護される。4ビットのテールビットが49ビットのブロックに追加される。53ビット(35+14+4)のブロックに対して1/4レート畳み込み符号化が実行され、その結果212ビットのブロックを生じる。212ビットのマーカが符号化ノイズ・パラメータを含む212ビットに結合される。最後に、帯域内データ・パターンを含む2つの16ビット長のパターンが追加される(1つはMI用、もう1つはMR/MC用)。TCH/AHSの場合でも、データの最終的なブロックは456ビット長である。
【0033】
音声コーデックによって無音として識別される最初のフレームについてのチャネル・コーダDTXステートマシンの定義によって、SID_FIRSTフレームを符号化しなければならない。それに続くフレームで音声が検出されなければ、MSは次の2フレームについては何も送信せず、チャネル・コーダはSID_UPDATEフレームを符号化する。最初のSID_UPDATEフレームの後、8番目のフレーム毎にSID_UPDATEフレームを送信しなければならない。SID_FIRST及びSID_UPDATEフレームに加えて、帯域内情報を送信するために使用されるいくつかの他の種類のDTXフレームが仕様によって定義される。こうしたフレームはバースト中の空間を埋めるが、その空間はさもなければ対角インタリーブによって空きのまま残されるものである。ONSETフレームはDTX期間の終了時に生成される。モード表示がONSETフレームによって送信されるので、DTX期間の後、受信機は、音声フレームと共に送信されるモード表示/モード要求の現在の様相と無関係に、使用されているモードを知ることができる。TCH/AKSでだけは、SID_FIRSTの2つの最初のバーストがすでに送信された後音声フレームが検出されると、SID_FIRST_INHフレームが生成される。SID_UPDATE_INHフレームはSID_UPDATEフレームに対して同じ役割を有する。
【0034】
可能な場合、より良好な音声品質を得るためには、送信された音声を復号せず、何回か再符号化することが望ましい。例えば、携帯電話から携帯電話への呼(MMC)の場合、ネットワーク中の2つのトランスコーダで呼をトランスコーディングすることは望ましくない。そのため、例えばGSMシステムでは、このいわゆるタンデム符号化を防止する方法が開発された。これはネットワークの既定の挙動ではないため、ネットワークによる符号化音声フレームの特殊な処理が必要である。この特殊な処理はタンデムフリー操作(TFO)と呼ばれる。TFOの場合、RATSCCH(ロバストAMRトラフィック同期制御チャネル)機構を使用して、追加のL3信号を使用せずに無線インタフェース上のAMR設定を修正してもよい。
【0035】
各RATSCCHメッセージは、それぞれのRATSCCHメッセージ識別子と、場合によってはメッセージ・パラメータとからなる。各メッセージについて正味合計35ビットが利用可能である。ここまで、RATSCCHプロトコル上で伝達される3つの異なる要求が定義された。RATSCCHフレームを介して送信される要求は1つだけである。第1の要求はダウンリンクでコーデック・モード表示(CMI)の位相を変更することである。帯域内ビットは時分割多重化されているので、1つのフレームはCMIを含み、次の1つはコーデック・モード要求CMRを含む。このメッセージは、受信した帯域内ビットの意味を変更する。第2の要求は、音声伝送を中断することなく無線インタフェース上のAMR設定を変更するためのものである。この要求は、アクティブ・コーデック・セット、初期コーデック・モード、及び何組かのしきい値及びヒステリシス値といった、いくつかのパラメータを含む。しきい値及びヒステリシス値は、リンク適応化アルゴリズムの挙動を修正するために使用される。第3の要求はしきい値及びヒステリシス値だけを変更するためのものである。
【0036】
合計で、正味35ビットが各RATSCCHについて利用可能である。このビットは全て、14ビットのCRCによって保護される。4ビットのテールビットが49ビットのブロックに追加される。53ビット(35+14+4)のブロックに対して1/4レート畳み込み符号化が実行され、その結果212ビットのブロックとなる。212ビットのマーカが、RATSCCHメッセージを含む212ビットに結合される。最後に、帯域内データ・パターンを含む16ビット長のパターンが追加される(1つはMI用、もう1つはMR/MC用)。TCH/AHSでは、RATSCCHは、RATSCCH_MARKERとRATSCCH_DATAという2つの連続音声フレームだけにマッピングされる。両者は常に1対として送信される。
【0037】
FACCHと同様、RATSCCHもフレームを盗むことに基づいている。TCH/AFSでは、各RATSCCHメッセージについて1つの音声フレームを盗み、TCH/AHSでは、2つの音声フレームを盗む。
【0038】
例えば、GSMシステムでは、チャネル符号化アルゴリズムが詳細に特定されている。チャネル復号アルゴリズムを指定する代わりに、性能基準が定義されており、MSはそれを満足しなければならない。GSMシステムで使用されるチャネル・コーデックについて設定されるいくつかの性能基準が存在し、その性能は、例えば任意のトラフィック・チャネルTCH上の受信データのフレーム消失率(FER)、ビットエラー率(BER)または残余ビットエラー率(RBER)によって測定できる。GSMシステムの場合、この基準は、文書「3GPP TS 05.05 V8.7.1、デジタル・セルラ通信システム(フェーズ2+)、無線伝送及び受信(“3GPP TS 05.05 V8.7.1,Digital cellular telecommunications system(Phase 2+);Radio transmission and reception”)」でさらに明確に定義されている。チャネル・コーデックの開発と実現を促進し、受信機の性能を測定するため、システム・シミュレータ(SS)と呼ばれる特定の装置が定義されており、これは例えば型式承認のために使用することができる。チャネル復号器の性能を測定する1組の試験ループが開発されている。システム・シミュレータに接続した移動局で所定の試験ループを起動し、いくつかの基準に関する性能を測定する。GSMシステムの場合、こうした試験ループは、文書「GSM 04.14 ETSI TS 101 293 V8.1.0、デジタル・セルラ通信システム(フェーズ2+)、個別機器型式要求及び相互動作、専用適合検査機能(“GSM 04.14 ETSI TS 101 293 V8.1.0,Digital cellular telecommunications system(Phase2+);Individual equipment type requirements and interworking;Special conformance testing function”)」でさらに明確に定義されている。
【0039】
こうした検査ループは、以前のGSMコーデックに特に適するように設計されている。しかし、AMRコーデックには、以前のコーデックに含まれない機能が含まれるため、周知の試験ループを使用してAMRコーデックの全ての機能を試験することはできない。本発明は、AMR試験に伴う問題の少なくともいくつかを解決する。
【0040】
いくつかの問題はDTXフレームの復号の性能を測定することに関する。また、同様の問題はRATSCCHフレームの復号の性能を測定することに関する。
【0041】
AMRでは、20msのフレーム毎に、チャネル復号器が音声復号器に復号音声パラメータ(またはDTXの場合無音パラメータ)とRX_TYPE識別子とを供給することが期待される。この識別子は受信フレームの種類を分類する。RX_TYPE識別子は以下の表で定義される。
【0042】
【表2】
【0043】
チャネル復号器は20ms毎に呼び出されるので、チャネル復号器は、2つの連続音声フレーム(TCH/AHS SID_UPDATE及びTCH/AHS RATSCCHフレーム)にマッピングされたフレームが復号される時に起動する。TCH/AHS SID_UPDATEの場合、第1のフレームはNO_DATAとして分類され、第2のフレームはSID_UPDATEとして分類される。TCH/AHS RATSCCHの場合、両方のフレームが音声復号器についてNO_DATAとして分類される。この分類に加えて、2つのフレームの1つはRATSCCHプロトコル処理ブロック用のRATSCCHとして信号される。
【0044】
既存のループ原理によれば、移動局によってループバックされるフレームの種類は、使用される性能ループの種類に基づいている。ループが音声フレームのチャネル復号性能を試験するならば、音声フレームがSSにループバックされる。ループがSID_UPDATE復号性能を試験するならば、SID_UPDATEフレームがSSにループバックされる。予想されるように、2つの音声フレームにマッピレブされたフレームをループバックするには2つの音声フレームを要する。
【0045】
ハーフレート・チャネルTCH/AHSを使用する場合RATSCCHとSID_UPDATEとの両方を復号する性能を測定する際に問題が生じる。この問題は、実際のフレームを2つの連続音声フレームにマッピングすることによる。固定レート・チャネル・コーデックの以前のトラフィック・チャネル・フレームには1つの音声フレームの持続期間を有するフレームだけが含まれるので、既存の試験方法を使用して、TCH/AHS上のRATSCCHまたはSID_UPDATE伝送を復号する性能を測定することはできない。現在の試験ループと試験機器(システム・シミュレータSS)によって復号性能を測定しようとすると、同期の問題が発生する。
【0046】
正しい位相でループが閉じられた場合、MSによってループバックされる情報はSID_UPDATEパラメータ(SID_UPDATE性能ループの場合)及びRATSCCHパラメータ(RATSCCH性能ループの場合)となる。この状況では、SSはRATSCCH及びSID_UPDATEチャネル復号器の性能を正しく測定できる。
【0047】
しかし、誤った位相でループが閉じられた場合、MSによって返送される情報は全てゼロとなる。SID_UPDATE性能ループの場合、ループはNO_DATAが音声コーデックに報知される時発生する。RATSCCH性能ループの場合、ループはフレームがRATSCCHとして報知されない時発生する。この結果SSではエラー状況が発生し、受信データからの測定によってRATSCCH及びSID_UPDATE伝送復号器の性能を決定することはできなくなる。
【0048】
この問題を克服するため、新しい内部試験ループが開発された。この新しい試験ループでは、受信されたRATSCCHまたはSID_UPDATEフレームが復号器によって正しく復号された場合、復号されたRATSCCHパラメータまたは無音パラメータを復号器の出力から獲得しAMR音声フレームとしてループバックする。残りの音声フレーム・ビットはゼロ(消失したフレーム)として符号化される。次に、音声フレームを符号化しSSに送信する。音声フレームが継続するのは20msだけなので、2つのフレームがSSにループバックされる。その1つは復号されたパラメータ(無音パラメータまたはRATSCCHパラメータ)を含み、もう1つは有用な情報を含まない。パラメータがループバックされるので、SID_UPDATEまたはRATSCCH伝送復号器の性能は有利にも決定できる。
【0049】
新しい試験ループによる方法を図5の流れ図を参照して例示する。TCHフレームについてトランスペアレントな試験ループを確立するため、SSとMSとの間のTCHはアクティブでなければならない。TCHは好適にはGSMシステム中で指定されるハーフレート・チャネルである。試験ループは適当な指令メッセージをMSに送信することによってMS中で起動されるが、この指令は、例えばGSMシステムによるCLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージでもよい。SSは、TCHをループし消失した有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームをMSが報知するよう指定するCLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージを送信する(500)ことによって、TCHループを閉じるようMSに命令する。次にSSは、MSの応答制限時間を設定するタイマTT01を始動する(502)。TCHがアクティブでないか、または何らかの試験ループがすでに閉じている場合(504)、MSはCLOSE_TCH_LOOP_CMDがあっても無視する(506)。TCHがアクティブな場合、MSはその特定のTCHについてのTCHループを閉じ、SSにCLOSE_TCH_LOOP_ACKを返送する(508)。そのメッセージを受信すると、SSはタイマTT01を停止する(510)。
【0050】
MSがTCHループを閉じた後、有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームとして識別される各フレームについて復号されたパラメータがチャネル復号器から得られ(512)、チャネル符号器に入力される(514)。SID_UPDATEまたはRATSCCHフレームのデータ・ビット、プラス十分な数の埋めビットをAMR音声フレームとして符号化する(516)。SID_UPDATEまたはRATSCCHフレームのデータ・ビットだけを含む音声フレームをSSへの同じTCH/AHSアップリンク上で畳み込み符号化して送信する(518)。有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームが復号器によって検出されない場合、このことは、音声フレームをゼロとして符号化するよう設定し、この畳み込み符号化したフレームを同じTCH/AHSアップリンク上でSSに送信することによってSSに示される。これは例えば、受信したフレーム・パターンがSID_UPDATEまたはRATSCCHフレーム・パターンとして識別されないか、またはフレーム・パターンは識別されるがCRCビットが破損している場合に発生することがある。
【0051】
SSは、例えばそれぞれ消失した有効なSID_UPDATEフレームレート(TCH/AHS EVSIDUR)または消失した有効なRATSCCHフレームレート(TCH/AHS EVRFR)を決定することによって、受信した消失したSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームからSID_UPDATEまたはRATSCCHフレーム復号器の性能を決定する(520)。
【0052】
CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージの内容は、上記の文書GSM04.14でさらに明確に定義されている。このメッセージは、SSからMSの方向にだけ送信される。CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージは、どちらも文書「GSM 04.07、11.1.1及び11.1.2節」でさらに明確に定義されているプロトコル判別子フィールド及びスキップ指示子フィールドと、全てゼロとして定義される8ビットの長さを有するメッセージ・タイプ・フィールドと、やはり8ビットの長さを有するサブチャネル・フィールドという4つの情報要素を備えている。サブチャネル・フィールド・ビットのうち5ビットはメッセージ内容を定義する上で特定の意味を有し、X、Y、Z、A及びBビットと呼ばれる。3ビットはゼロに設定される予備ビットである。
【0053】
予備ビットの1つが有利にもメッセージ内容を定義する際特定の意味を割り当てられる場合、本発明による試験ループの起動は、CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージによって実現できる。この新しいビットは、例えばCビットと呼んでもよい。次に、値1を有するCを定義すると、特定のビットの組合せによって新しいメッセージ内容を定義できる。例えば、A=0、B=0及びC=1というビットの組合せを定義できるが、これは、ループされるTCHがTCH/AHSでありSID_UPDATEフレームを送信する場合、有効なSID_UPDATEフレーム消失が報知されるという意味である。それに応じて、A=0、B=1及びC=1という別のビットの組合せが定義できるが、これは、ループされるTCHがTCH/AHSでありRATSCCHフレームを送信する場合、有効なRATSCCHフレーム消失が報知されるという意味である。当業者に明らかなように、任意の他の適当なビットの組合せも使用できる。Xビットの値は、アクティブなフルレート・チャネルが1つだけ存在しているか、または利用可能なサブチャネルの1つが使用されているかを示す。Y及びZビットの値は破棄してもよい。
【0054】
特にRATSCCH伝送に適用可能な本発明の第2の実施形態によれば、各受信RATSCCHフレームは復号器の出力から個別に獲得される。第1のフレームはRATSCCH_MARKERフレームと呼ばれ、第2のフレームはRATSCCH_DATAフレームと呼ばれる。RATSCCH_MARKERフレームとRATSCCH_DATAフレームとの両者は復号器の出力から個別に獲得され、それぞれRECEIVER_MARKERフレーム及びRECEIVED_DATAフレームとして符号器に入力される。RATSCCH_MARKERフレームが識別されないか、またはRATSCCH_DATAフレームが破損したCRCを有している場合、BAD_FRAMEフレームが符号器に入力される。RECEIVER_MARKERフレームとBAD_FRAMEフレームとの両者は所定のパターンからなり、RECEIVED_DATAフレームはRATSCCH_DATAフレーム中で送信されるデータ・ビットを備えている。ループバックされる全てのフレーム、すなわちRECEIVER_MARKERフレームと、BAD_FRAMEフレームと、RECEIVED_DATAフレームとは符号化し、20msフレームにマッピングすることができる。この20msフレームは、例えばAMR音声フレームでよく、残りの音声フレーム・ビットはゼロ、またはRATSCCH_DATAフレームとして符号化される。次に、この20msフレームをSSに送信する。この方法で、RATSCCH_MARKERフレームの識別に成功した報告が常にSSに戻される。SSに返送されるフレームは1つの音声フレームだけの長さを有しているため、MSとSSとの間の同期は有利にも必要ない。
【0055】
本発明の第3の実施形態によれば、MSとSSとの間のフレーム伝送(ダウンリンク/アップリンク)の同期は、試験ループが閉じられている時にダウンリンク伝送とアップリンク伝送とについて特定のTDMAフレーム数を設定することによって達成できる。この方法で、受信されたRATSCCHまたはSID_UPDATEフレームは所定のフレーム中でMSからSSに自動的に返送され、同期のための他の機構は必要ない。
【0056】
本発明の第4の実施形態によれば、MSとSSとの間のフレーム伝送(ダウンリンク/アップリンク)の同期は、特にRATSCCHフレームをハーフレートで送信する場合、有効なRATSCCHフレームが受信されたならばすぐにMSに現在送信されているRATSCCHフレームをキャンセルさせることによって達成できる。次に、有効なRATSCCHフレームのRATSCCHパラメータをアップリンクRATSCCHチャネル中でループバックする。この方法でも、受信されたRATSCCHフレームは、同期が明示的に指定される形でMSからSSに自動的に返送される。
【0057】
図6の構成図は、本発明による試験構成に適用可能な装置を例示する。システム・シミュレータ600は無作為/一定の音声パラメータ・パターンを生成する生成器602を備えており、この音声パラメータ・パターンは次にチャネル符号器604に入力され符号化される。チャネル符号化された音声フレームは次に送信手段606に供給され、チャネル・シミュレータ608を介して移動局610にさらに送信される。移動局610は送信を受信する受信手段612を備えており、そこからチャネル符号化音声フレームがチャネル復号器614に入力される。移動局610は、試験ループを実現し、システム・シミュレータ600によって与えられる命令に応じて特定の試験ループを実行する手段616を備えている。使用される試験ループは、例えば、上記で説明されたように、CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージによって定義できる。試験ループの出力は、符号化のためチャネル符号器618に供給される。次に、チャネル符号化データは送信手段620に供給され、さらにシステム・シミュレータ600に送信される。また、システム・シミュレータ600は送信を受信する受信手段622を備えており、そこからチャネル符号化データがチャネル復号器624に入力される。システム・シミュレータ600は、受信データを送信パターンと比較する比較手段626を備えており、前記比較の結果、復号の性能が測定できる。
【0058】
当業者に明らかなように、技術的進歩の過程で、本発明の基本的な考え方は非常に多くの方法で実行できる。すなわち、本発明及びその実施形態は上記の例によって制限されるものではなく、添付の請求項の範囲内で変化しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
以下、本発明は好適実施形態に関連し添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【図1】本発明の方法を使用する無線システムを示す。
【図2】符号器中のチャネル符号化チェーンの全体構造を示す。
【図3】種々のコーデック・モードについてのTCH/AFSフレームの形成を例示する。
【図4】種々のコーデック・モードについてのTCH/AHSフレームの形成を例示する。
【図5】本発明による新しい試験方法を例示する流れ図を示す。
【図6】本発明による方法を実現する試験装置を例示する構成図を示す。
【0001】
本発明は、電気通信システムにおける復号の性能を測定する方法に関する。
【0002】
無線デジタル電気通信では、アナログ音声情報は送信前にデジタル形式に符号化した後、信号受信時の十分な音声品質を保証するため、チャネル(通信路)符号化によって保護しなければならない。例えば、従来のGSM音声符号化では、音声コーデックは固定レートであった。GSMシステムでは、2つのフルレート音声コーデックと1つのハーフレート音声コーデックとが使用されていた。フルレート音声コーデックは13または12.2kbit/s何れかの出力ビットレートを有し、ハーフレート音声コーデックは5.6kbit/sの出力ビットレートを供給する。符号化音声パラメータであるこうした出力ビットはチャネル符号器に供給される。チャネル符号化は、情報シーケンスへの冗長性の追加を担当する機能の集合である。符号化は普通、一定の数の入力ビットに対して行われる。チャネル符号器の出力ビットレートはフルレート・トラフィック・チャネルでは22.8kbit/s、またハーフレート・トラフィック・チャネルでは11.4kbit/sに調整される。
【0003】
すなわち、従来のGSMコーデックは全て、通信路の品質と無関係に、音声及び通信路間の符号化ビットレートの固定パーティショニングによって動作する。こうしたビットレートは、トラフィック・チャネルの変更が行われない限り変更されず、その上これは緩慢な処理である。その結果、これは一方では、望ましい音声品質を考慮するとあまり柔軟でないアプローチであり、他方ではシステム能力の最適化の結果、AMR(適応マルチレート)コーデックが開発されることになった。
【0004】
AMRコーデックはチャネルの品質に応じて音声及びチャネル間の符号化ビットレートのパーティショニングを適応化し、可能な最良の総合音声品質を提供する。AMR音声符号器は、マルチレート音声符号器と、音声アクティビティ検出器及びコンフォートノイズ生成システムを含むソース制御レート・スキームと、伝送エラー及び損失パケットの影響を抑制するエラー隠蔽機構とからなる。マルチレート音声符号器は、4.75kbit/sから12.2kbit/sの8つのソースレートと低レート背景雑音符号化モードとによる単一の統合音声コーデックである。
【0005】
例えばGSMシステムで使用されるコーデックについて設定されるいくつかの性能基準が存在し、その性能は、例えば任意のトラフィック・チャネル(TCH)上の受信データのフレーム消失率(FER)、ビットエラー率(BER)または残余ビットエラー率(RBER)によって測定できる。さらに、性能測定の自動化を可能にするため、1組の試験ループが開発された。1組の所定の試験ループをシステム・シミュレータに接続された移動局に実装する。システム・シミュレータは特定の試験ループを起動し、無作為または所定の試験データをコーデックに供給し始める。移動局はチャネル復号を行った後に得られるデータをシステム・シミュレータにループバックする。すると、システム・シミュレータはループバックされたデータを送信したデータと比較できる。こうして、例えばコーデックのチャネル復号器部分の性能をいくつかの基準について測定できる。
【0006】
上記で説明した機構に伴う問題は、こうした試験ループが以前のGSMコーデックに特に適するように設計されていることである。しかし、AMRコーデックには、以前のコーデックに含まれないいくつかの機能が含まれるため、周知の試験ループを使用してAMRコーデックの全ての機能を試験することはできない。
【0007】
発明の概要
すなわち、本発明の目的は、上記の問題のうち少なくともいくつかを回避する改善された方法及びその方法を実現する装置を提供することである。本発明のこの目的は、独立請求項に記載の方法及び装置によって達成される。本発明の好適実施形態は従属請求項で開示される。
【0008】
本発明の基本となる考え方は、復号器と、試験データを復号器に供給する試験装置とを備える電気通信システムで復号の性能を決定する場合、試験装置中で試験データを生成することによって測定が開始されるが、この試験データは信号フレーム・フォーマットの信号データ・フィールドを備え、次に2つの連続フレームにマッピングされ、その後復号器に送信されて復号される。復号器は、受信した2つの試験データ・フレームから信号データ・フィールドを復号し、1つのフレームに符号化した復号信号データ・フィールドを試験装置に返送するので、音声パラメータまたは何らかの他のデータは送信されない。その後、試験装置中で送信された信号データ・フィールドと受信された信号データ・フィールドとを比較することによって復号の性能を決定する。
【0009】
本発明の別の実施形態の基本となる考え方は、復号器と、試験データを復号器に供給する試験装置とを備える電気通信システムで復号の性能を測定する場合、試験装置中で試験データを生成することによって測定が開始されるが、この試験データは信号フレーム・フォーマットの信号データ・フィールドを備え、次に2つの連続フレームにマッピングされ、その後復号器に送信されて復号される。復号器は受信した2つの試験データ・フレームを別々に抽出し、音声フレームの長さを有する1つのフレーム・フォーマットで符号化した2つの試験データを各々試験装置に返送するので、音声パラメータまたは何らかの他のデータは送信されない。その後、試験装置中で送信された信号データ・フィールドと受信された信号データ・フィールドとを比較することによって復号の性能を決定する。
【0010】
本発明による方法及び装置の利点は、2つのフレームの長さを有する信号データ用の復号器の性能も測定できることである。本発明の別の利点は、2つのフレームの長さを有する信号データの復号に関する同期の問題である。本発明のさらなる利点は、わずかな修正を加えるだけで、既存の試験装置が使用可能なことである。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、本発明の実施形態のための好適なプラットフォームとしてGSMシステムを使用して、以下さらに詳細に説明される。しかし、本発明はGSMシステムだけに制限されるものではなく、試験ループを実現することで同様の問題に遭遇する任意の対応するシステムで利用できる。従って、本発明は、例えば、やはりAMR(適応マルチレート)コーデックをサポートするWCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)システムに適応できる。
【0012】
図1は、一部で本発明の方法が利用される、無線システムの一例を示す。提示されるセルラ無線システムは、基地局制御装置120と、無線基地局装置110と、1組の加入者端末100、101とを備える。無線基地局装置110と加入者端末とはセルラ無線システム中の送受信機としての役目を果たす。加入者端末は、無線基地局装置110を通じて伝播する信号によって相互間の接続を確立する。加入者端末100は例えば移動電話でもよい。図1に提示される無線システムは、例えばGSMシステムでもよく、その無線システムでは、例えばTDMAシステムを使用してもよい。
【0013】
GSMシステムでは、物理チャネルのグリッド上で移送されるいくつかの論理チャネルが存在する。各論理チャネルは特定の役割を果たす。論理チャネルは、トラフィック・チャネル(TCH)と制御チャネル(CCH)という2つのカテゴリに分類できる。GSM音声トラフィック・チャネルは、TCH/FS(フルレート音声チャネル)と、TCH/HS(ハーフレート音声チャネル)と、TCH/EFS(EFR音声チャネル)と、TCH/AFS(FRチャネル上のAMR音声)と、TCH/AHS(HRチャネル上のAMR音声)とである。さらに、GSMで定義されるいくつかの制御チャネルが存在し、その大部分は呼の設定と同期化のために使用される。しかし、SACCH(スロー・アソシエイテッド制御チャネル)と、FACCH(ファスト・アソシエイテッド制御チャネル)と、RATSCCH(ロバストAMRトラフィック同期制御チャネル)とのチャネルは、AMR呼がアクティブである間に必要となる。SACCHとFACCHはどちらも接続中の信号データの送信用に使用されるが、26番目のTDMAフレーム毎に割り当てられた1つのSACCHタイムスロットが存在し、FACCHチャネルは必要な場合だけ使用される。また、RATSCCHは、接続中に無線インタフェース上のAMR設定を修正するために使用されるが、これも必要な場合だけ使用される。FACCHまたはRATSCCHが必要な場合、TCH音声フレームから「盗む」ことで必要なタイムスロットを割り当てられる。
【0014】
従来のGSM音声コーディングでは、音声コーデックは一定のレートを有していた。GSMシステムでは、RPE−LTP(規則的パルス励起長期予測)法に基づくフルレート(FR)音声コーデックと、CELP/VCELP(コードブック励起線形予測)法に基づくハーフレート(HR)音声コーデックと、ACELP(代数コードブック励起線形予測)法に基づく拡張フルレート(EFR)音声コーデックという3つの音声コーデックが存在した。音声コーデックは20ms毎に音声パラメータをチャネル・コーデックに供給する。アクティブな呼の論理チャネル・マッピングは120ms継続するので、6つの音声フレームが含まれる。フルレート・トラフィック・チャネル(TCH/FS)と、拡張符号化を使用するフルレート・トラフィック・チャネル(TCH/EFS)との両方では、TCH情報を含む4番目のバースト毎に新しい音声フレームが送信される。音声フレーム20ms毎に、フルレート音声コーデックは260ビットを供給し、拡張フルレート音声コーデックEFRは符号化音声パラメータを表す244ビットを供給し、それぞれ13kbit/sと12.2kbit/sとの出力ビットレートを生じる。ハーフレート・トラフィック・チャネル(TCH/HS)では、TCH情報を含む2番目のバースト毎に新しい音声フレームが送信される。音声フレーム20ms毎に、ハーフレート音声コーデックHRは符号化音声パラメータを表す112ビットを供給し、5.6kbit/sの出力ビットレートを生じる。
【0015】
符号化音声パラメータを表す出力ビットはチャネル符号器に供給される。チャネル符号化は、情報シーケンスへの冗長性の追加を担当する機能の集合である。符号化は普通、一定の数の入力ビットに対して行われる。高い符号化利得は、符号化の複雑さを増大することによって達成される。しかし、伝送遅延とハードウェア・リソースの制限のため、実時間環境で使用できる複雑さには限度がある。
【0016】
以下、図2を参照すると、符号器中のチャネル符号化チェーンが例示される。音声パラメータのチャネル符号化はいくつかのブロックからなる。音声パラメータのビットに対して主観的重要度に応じたビット並べ替え(200)が行われ、ビットを1A、1B及び2のカテゴリに分類する。最も重要なビット、すなわちクラス1Aビットについて、CRC(巡回冗長検査、202)が計算される。CRC技術は、伝送フレーム中のエラーを検出するため受信機が使用できる小数の追加ビットを送信するクラス1BビットはCRCによって保護されない。クラス1A及び1bビットはどちらも、畳み込み符号化(204)によって保護されるが、これはチャネル中で送信されるビットに冗長性を追加する方法である。畳み込み符号器は入力ビットより多くの出力ビットを生じる。冗長性を追加するこの方法によって、受信機は畳み込み符号化ビットに対して最尤アルゴリズムを実行することができ、伝送中に生じた信号エラーの訂正が可能になる。チャネル中で送信できるビットの数は制限されている。パンクチャリング(206)は、畳み込み符号化データからビットを削除することによってチャネル上で送信されるビット数を減らす方法である。復号器にはどのビットが間引きされたかが分かっており、そのためのプレースホルダを追加する。FRチャネルでは、20ms当たり456ビットを送信できるので、フルレート・トラフィック・チャネルにおける総レートは22.8kbit/sとなる。従って、HRチャネルでは、20ms当たり228ビットを送信できるので、総レートは11.4kbit/sとなるが、これはフルレート・トラフィック・チャネルで使用できる総レートのちょうど半分である。
【0017】
上記で説明されたように、以前のGSMコーデックは全て、チャネルの品質とは無関係に、音声及びチャネル間の符号化ビットレートの固定パーティショニングによって動作する。こうしたビットレートはトラフィック・チャネルの変更(FRからHR、またはその逆)が行われない限り変更されず、しかもこれはレイヤ3(L3)信号を必要とする緩慢な処理である。この固定的なパーティショニングは、チャネル符号化が提供する保護は通信路の条件に大きく依存するという事実を使用していない。通信路の条件が良好な場合、より低いチャネル符号化ビットレートを使用することができるので、音声コーデック用のビットレートを高くすることができる。従って、音声及び通信路間の符号化ビットレートの動的パーティショニングを可能にすれば、総合音声品質が増大するだろう。この考え方が発展し、AMRコーデックの標準化につながった。
【0018】
AMRコーデックは、常に最適なチャネル及びコーデック・モード(音声及びチャネルのビットレート)を選択し、最良の総合音声品質を達成することを目指してエラー保護レベルを無線チャネル及びトラフィック条件に適応化する。AMRコーデックはGSM FRまたはHR何れかのチャネルで動作し、良好な条件では有線に匹敵する音声品質をユーザに提供する。
【0019】
AMR音声符号化器は、マルチレート音声符号化器と、音声アクティビティ検出器及びコンフォートノイズ生成システムを含むソース制御レート・スキームと、伝送エラー及び損失パケットの影響を抑制するエラー隠蔽機構とからなる。マルチレート音声符号化器は、4.75kbit/sから12.2kbit/sの8つのソースレートと低レート背景雑音符号化モードとによる単一の統合音声コーデックである。音声符号化器は、指令に応じて音声フレーム20ms毎にビットレートを切り換えることができる。
【0020】
AMRコーデックは、ビットレートが12.2、10.2、7.95、7.4、6.7、5.9、5.15、及び4.75kbit/sである8つの音声コーデックを含む。下記の表に示されるように、フルレート・チャネルの場合全ての音声コーデックが定義されるが、ハーフレート・チャネルの場合最下位側の6つが定義される。
【0021】
【表1】
【0022】
移動局は全てのコーデック・モードを実装しなければならない。しかし、ネットワークは任意の組合せのコーデック・モードをサポートできる。AMRの場合、コーデック・モードの選択は、1〜4のAMRコーデック・モードを含みうるコーデック・モードの集合(ACS、アクティブ・コーデック・セット)からなされる。この集合は、ハンドオーバ状況またはRATSCCH信号により、呼設定段階で再設定できる。各コーデック・モードは、音声及びチャネル間の符号化の種々の分配を通じて種々のレベルのエラー保護を提供する。音声コーデック・モードは全て、L3信号の関与なしで変更可能であり、チャネル条件が変わった場合モード間の高速な移行が可能である。
【0023】
図3は、種々のコーデック・モードについてのTCH/AFSフレームの形成を例示する。例えば12.2kbit/sの場合を使用すると、フレームの構築は、音声コーデックが出力する244ビットから開始される。音声フレーム・ビットは並べ替えられ、クラス1A(81ビット)と1B(163ビット)とに分類される。81のクラス1Aビットを保護するため、6ビットのCRCが計算される。4ビットのテールビットが250ビットのブロックに追加されるが、このテールビットはチャネル符号器を終端するために使用される。254ビット(244+6+4)のブロックに対して1/2レート畳み込み符号化が実行され、その結果508ビットのブロックを生じる。次に508ビットのブロックはパンクチャリングされるので、ビット数は448ビットに減少する。最後に、帯域内データを含む8ビットが追加される。データの最終的なブロックは456ビット長である。
【0024】
図3に示されるように、入力(音声パラメータ)のビット数がモード毎に異なっても、TCH/AFSチャネル符号化フレームは全て同じ長さ(456ビット)を有する。異なる数の入力ビットも、各モードについての畳み込みコーディング・レートとパンクチャリング・レートとを変化させることでちょうど456出力ビットに符号化される。20ms毎に456ビットを送信すると総レートは22.8kbit/sとなり、GSMシステムのフルレート・トラフィック・チャネルで利用可能な全てのビットを使用することになる。
【0025】
図4は、6つの異なるコーデック・モードについてのTCH/AHSフレームの形成を示す。フレーム構築の原理は、いくつかの例外を除いて、TCH/AFSフレームの場合と同様である。ビットの並べ替えでは、ビットはクラス1A、1B及び2のビットに分類されるが、それに対してTCH/AFSフレームではクラス1A及び1Bだけが使用される。このクラス2ビットは畳み込み符号化されない。さらに、畳み込み符号化フレームに追加されるのは帯域内データの4ビットだけである。全てのTCH/AHSコーデック・モードでは、チャネル符号化フレームは228ビット長である。20ms毎に228ビットを送信すると総レートは11.4kbit/sとなり、ハーフレート・トラフィック・チャネルに対するGSMシステムの要求を満たす。
【0026】
前に説明したように、AMRについて定義される8つの音声コーデックが存在し、AMRコーデックは既存のFR及びHR両方のチャネルで使用できる。従って、AMRについて定義できる14の異なるコーデック・モード(TCH/AFSチャネル用が8、TCH/AHSチャネル用が6)が存在する。
【0027】
リンク適応化処理は、チャネル品質の測定を担当する。品質とありうるネットワーク制約(例えば、ネットワーク負荷)とに応じて、モード適応化は最適な音声及びチャネル・コーデックを選択する。移動局(MS)と無線基地局装置(BTS)との両方はそれらの固有の受信経路についてチャネル品質推定を実行する。チャネル品質推定に基づいて、BTSはMSにコーデック・モード指令(CMC、MSがアップリンクで使用するモード)を送信し、MSはBTSにコーデック・モード要求(CMR、ダウンリンクで使用するよう要求されるモード)を送信する。この信号は、音声データと共に帯域内で送信される。アップリンクのコーデック・モードはダウンリンクで使用されるものと異なってもよいが、チャネル・モード(フルレートまたはハーフレート)は同じでなければならない。この帯域内信号は、急速な通信路の変化に対する素早い適応を可能にするよう設計されていた。
【0028】
ネットワークは、アップリンク及びダウンリンクのコーデック・モードとチャネル・モードとを制御する。移動局はネットワークからのコーデック・モード指令に従わなければならないが、ネットワークは任意の補完情報を使用してダウンリンク及びアップリンクのコーデック・モードを決定してもよい。
【0029】
音声コーデックは、ユーザが音声を発しているか否かを絶えず監視している。通常、電話ユーザが音声を発しているのは通話時間の40%未満である。ユーザが音声を発していない場合、基地局がイネーブルにすれば、BSへのバーストの送信を停止することが可能である。これは、MDの電池電力を節約し、無線インタフェースの干渉が減少するという利点を有する。ユーザが音声を発していない時間に送信が突然停止すると、アップリンク・ユーザは困惑し、送信の障害があると考えることになる。この不愉快な影響を避けるため、いわゆるコンフォートノイズ(無音として符号化されるパラメータ)を規則的な間隔で送信しなければならない。こうした間欠的送信はDTX(不連続TX)と呼ばれる。
【0030】
ユーザが音声を発していないことに気付くと、音声コーデックはDTXモードに移行し、そこで音声コーデックは音声パラメータの代わりに無音パラメータを符号化し、無音パラメータが符号化されたことをチャネル符号器に知らせる。チャネル符号器サブシステムは、フレームを送信しなければならないか否か、及び何を送信すべきかを決定する1組の規則に従わなければならない。AMRについて使用される1組の規則は、フルレート及びハーフレートの音声トラフィック・チャネルのDTXとは大きく異なっている。
【0031】
無音パラメータを含むSID_UPDATEフレーム、TCH/AFS上のDTX期間の開始を示すSID_FIRSTフレーム、TCH/AHS上のDTXの開始を示すSID_FIRST_P1及びSID_FIRST_P2フレーム、DTX期間の終了を示すONSETフレーム、TCH/AHS上のSID_UPDATEフレーム中間での音声の開始を示すSID_UPDATE_INHフレーム、及びTCH/AHS上のSID_FIRSTが完了する前の音声の開始を示すSID_FIRST_INHフレームといった、いくつかの種類の新しいフレームがAMR DTXについて定義されている。
【0032】
こうした新しい種類のフレームは全て専用マーカによって識別されるので、受信機による検出が可能である。全てのフレームは、受信機がDTXステートマシンの同期を継続し最新の帯域内情報を維持するために使用できる。SID_UPDATEフレームだけは、音声コーデックによって使用できるパラメータ、すなわちノイズ・パラメータを送信する。SID_UPDATEフレームは、無音パラメータをコーディングするために使用される35ビットを伝達する。このビットは全て、14ビットのCRCによって保護される。4ビットのテールビットが49ビットのブロックに追加される。53ビット(35+14+4)のブロックに対して1/4レート畳み込み符号化が実行され、その結果212ビットのブロックを生じる。212ビットのマーカが符号化ノイズ・パラメータを含む212ビットに結合される。最後に、帯域内データ・パターンを含む2つの16ビット長のパターンが追加される(1つはMI用、もう1つはMR/MC用)。TCH/AHSの場合でも、データの最終的なブロックは456ビット長である。
【0033】
音声コーデックによって無音として識別される最初のフレームについてのチャネル・コーダDTXステートマシンの定義によって、SID_FIRSTフレームを符号化しなければならない。それに続くフレームで音声が検出されなければ、MSは次の2フレームについては何も送信せず、チャネル・コーダはSID_UPDATEフレームを符号化する。最初のSID_UPDATEフレームの後、8番目のフレーム毎にSID_UPDATEフレームを送信しなければならない。SID_FIRST及びSID_UPDATEフレームに加えて、帯域内情報を送信するために使用されるいくつかの他の種類のDTXフレームが仕様によって定義される。こうしたフレームはバースト中の空間を埋めるが、その空間はさもなければ対角インタリーブによって空きのまま残されるものである。ONSETフレームはDTX期間の終了時に生成される。モード表示がONSETフレームによって送信されるので、DTX期間の後、受信機は、音声フレームと共に送信されるモード表示/モード要求の現在の様相と無関係に、使用されているモードを知ることができる。TCH/AKSでだけは、SID_FIRSTの2つの最初のバーストがすでに送信された後音声フレームが検出されると、SID_FIRST_INHフレームが生成される。SID_UPDATE_INHフレームはSID_UPDATEフレームに対して同じ役割を有する。
【0034】
可能な場合、より良好な音声品質を得るためには、送信された音声を復号せず、何回か再符号化することが望ましい。例えば、携帯電話から携帯電話への呼(MMC)の場合、ネットワーク中の2つのトランスコーダで呼をトランスコーディングすることは望ましくない。そのため、例えばGSMシステムでは、このいわゆるタンデム符号化を防止する方法が開発された。これはネットワークの既定の挙動ではないため、ネットワークによる符号化音声フレームの特殊な処理が必要である。この特殊な処理はタンデムフリー操作(TFO)と呼ばれる。TFOの場合、RATSCCH(ロバストAMRトラフィック同期制御チャネル)機構を使用して、追加のL3信号を使用せずに無線インタフェース上のAMR設定を修正してもよい。
【0035】
各RATSCCHメッセージは、それぞれのRATSCCHメッセージ識別子と、場合によってはメッセージ・パラメータとからなる。各メッセージについて正味合計35ビットが利用可能である。ここまで、RATSCCHプロトコル上で伝達される3つの異なる要求が定義された。RATSCCHフレームを介して送信される要求は1つだけである。第1の要求はダウンリンクでコーデック・モード表示(CMI)の位相を変更することである。帯域内ビットは時分割多重化されているので、1つのフレームはCMIを含み、次の1つはコーデック・モード要求CMRを含む。このメッセージは、受信した帯域内ビットの意味を変更する。第2の要求は、音声伝送を中断することなく無線インタフェース上のAMR設定を変更するためのものである。この要求は、アクティブ・コーデック・セット、初期コーデック・モード、及び何組かのしきい値及びヒステリシス値といった、いくつかのパラメータを含む。しきい値及びヒステリシス値は、リンク適応化アルゴリズムの挙動を修正するために使用される。第3の要求はしきい値及びヒステリシス値だけを変更するためのものである。
【0036】
合計で、正味35ビットが各RATSCCHについて利用可能である。このビットは全て、14ビットのCRCによって保護される。4ビットのテールビットが49ビットのブロックに追加される。53ビット(35+14+4)のブロックに対して1/4レート畳み込み符号化が実行され、その結果212ビットのブロックとなる。212ビットのマーカが、RATSCCHメッセージを含む212ビットに結合される。最後に、帯域内データ・パターンを含む16ビット長のパターンが追加される(1つはMI用、もう1つはMR/MC用)。TCH/AHSでは、RATSCCHは、RATSCCH_MARKERとRATSCCH_DATAという2つの連続音声フレームだけにマッピングされる。両者は常に1対として送信される。
【0037】
FACCHと同様、RATSCCHもフレームを盗むことに基づいている。TCH/AFSでは、各RATSCCHメッセージについて1つの音声フレームを盗み、TCH/AHSでは、2つの音声フレームを盗む。
【0038】
例えば、GSMシステムでは、チャネル符号化アルゴリズムが詳細に特定されている。チャネル復号アルゴリズムを指定する代わりに、性能基準が定義されており、MSはそれを満足しなければならない。GSMシステムで使用されるチャネル・コーデックについて設定されるいくつかの性能基準が存在し、その性能は、例えば任意のトラフィック・チャネルTCH上の受信データのフレーム消失率(FER)、ビットエラー率(BER)または残余ビットエラー率(RBER)によって測定できる。GSMシステムの場合、この基準は、文書「3GPP TS 05.05 V8.7.1、デジタル・セルラ通信システム(フェーズ2+)、無線伝送及び受信(“3GPP TS 05.05 V8.7.1,Digital cellular telecommunications system(Phase 2+);Radio transmission and reception”)」でさらに明確に定義されている。チャネル・コーデックの開発と実現を促進し、受信機の性能を測定するため、システム・シミュレータ(SS)と呼ばれる特定の装置が定義されており、これは例えば型式承認のために使用することができる。チャネル復号器の性能を測定する1組の試験ループが開発されている。システム・シミュレータに接続した移動局で所定の試験ループを起動し、いくつかの基準に関する性能を測定する。GSMシステムの場合、こうした試験ループは、文書「GSM 04.14 ETSI TS 101 293 V8.1.0、デジタル・セルラ通信システム(フェーズ2+)、個別機器型式要求及び相互動作、専用適合検査機能(“GSM 04.14 ETSI TS 101 293 V8.1.0,Digital cellular telecommunications system(Phase2+);Individual equipment type requirements and interworking;Special conformance testing function”)」でさらに明確に定義されている。
【0039】
こうした検査ループは、以前のGSMコーデックに特に適するように設計されている。しかし、AMRコーデックには、以前のコーデックに含まれない機能が含まれるため、周知の試験ループを使用してAMRコーデックの全ての機能を試験することはできない。本発明は、AMR試験に伴う問題の少なくともいくつかを解決する。
【0040】
いくつかの問題はDTXフレームの復号の性能を測定することに関する。また、同様の問題はRATSCCHフレームの復号の性能を測定することに関する。
【0041】
AMRでは、20msのフレーム毎に、チャネル復号器が音声復号器に復号音声パラメータ(またはDTXの場合無音パラメータ)とRX_TYPE識別子とを供給することが期待される。この識別子は受信フレームの種類を分類する。RX_TYPE識別子は以下の表で定義される。
【0042】
【表2】
【0043】
チャネル復号器は20ms毎に呼び出されるので、チャネル復号器は、2つの連続音声フレーム(TCH/AHS SID_UPDATE及びTCH/AHS RATSCCHフレーム)にマッピングされたフレームが復号される時に起動する。TCH/AHS SID_UPDATEの場合、第1のフレームはNO_DATAとして分類され、第2のフレームはSID_UPDATEとして分類される。TCH/AHS RATSCCHの場合、両方のフレームが音声復号器についてNO_DATAとして分類される。この分類に加えて、2つのフレームの1つはRATSCCHプロトコル処理ブロック用のRATSCCHとして信号される。
【0044】
既存のループ原理によれば、移動局によってループバックされるフレームの種類は、使用される性能ループの種類に基づいている。ループが音声フレームのチャネル復号性能を試験するならば、音声フレームがSSにループバックされる。ループがSID_UPDATE復号性能を試験するならば、SID_UPDATEフレームがSSにループバックされる。予想されるように、2つの音声フレームにマッピレブされたフレームをループバックするには2つの音声フレームを要する。
【0045】
ハーフレート・チャネルTCH/AHSを使用する場合RATSCCHとSID_UPDATEとの両方を復号する性能を測定する際に問題が生じる。この問題は、実際のフレームを2つの連続音声フレームにマッピングすることによる。固定レート・チャネル・コーデックの以前のトラフィック・チャネル・フレームには1つの音声フレームの持続期間を有するフレームだけが含まれるので、既存の試験方法を使用して、TCH/AHS上のRATSCCHまたはSID_UPDATE伝送を復号する性能を測定することはできない。現在の試験ループと試験機器(システム・シミュレータSS)によって復号性能を測定しようとすると、同期の問題が発生する。
【0046】
正しい位相でループが閉じられた場合、MSによってループバックされる情報はSID_UPDATEパラメータ(SID_UPDATE性能ループの場合)及びRATSCCHパラメータ(RATSCCH性能ループの場合)となる。この状況では、SSはRATSCCH及びSID_UPDATEチャネル復号器の性能を正しく測定できる。
【0047】
しかし、誤った位相でループが閉じられた場合、MSによって返送される情報は全てゼロとなる。SID_UPDATE性能ループの場合、ループはNO_DATAが音声コーデックに報知される時発生する。RATSCCH性能ループの場合、ループはフレームがRATSCCHとして報知されない時発生する。この結果SSではエラー状況が発生し、受信データからの測定によってRATSCCH及びSID_UPDATE伝送復号器の性能を決定することはできなくなる。
【0048】
この問題を克服するため、新しい内部試験ループが開発された。この新しい試験ループでは、受信されたRATSCCHまたはSID_UPDATEフレームが復号器によって正しく復号された場合、復号されたRATSCCHパラメータまたは無音パラメータを復号器の出力から獲得しAMR音声フレームとしてループバックする。残りの音声フレーム・ビットはゼロ(消失したフレーム)として符号化される。次に、音声フレームを符号化しSSに送信する。音声フレームが継続するのは20msだけなので、2つのフレームがSSにループバックされる。その1つは復号されたパラメータ(無音パラメータまたはRATSCCHパラメータ)を含み、もう1つは有用な情報を含まない。パラメータがループバックされるので、SID_UPDATEまたはRATSCCH伝送復号器の性能は有利にも決定できる。
【0049】
新しい試験ループによる方法を図5の流れ図を参照して例示する。TCHフレームについてトランスペアレントな試験ループを確立するため、SSとMSとの間のTCHはアクティブでなければならない。TCHは好適にはGSMシステム中で指定されるハーフレート・チャネルである。試験ループは適当な指令メッセージをMSに送信することによってMS中で起動されるが、この指令は、例えばGSMシステムによるCLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージでもよい。SSは、TCHをループし消失した有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームをMSが報知するよう指定するCLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージを送信する(500)ことによって、TCHループを閉じるようMSに命令する。次にSSは、MSの応答制限時間を設定するタイマTT01を始動する(502)。TCHがアクティブでないか、または何らかの試験ループがすでに閉じている場合(504)、MSはCLOSE_TCH_LOOP_CMDがあっても無視する(506)。TCHがアクティブな場合、MSはその特定のTCHについてのTCHループを閉じ、SSにCLOSE_TCH_LOOP_ACKを返送する(508)。そのメッセージを受信すると、SSはタイマTT01を停止する(510)。
【0050】
MSがTCHループを閉じた後、有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームとして識別される各フレームについて復号されたパラメータがチャネル復号器から得られ(512)、チャネル符号器に入力される(514)。SID_UPDATEまたはRATSCCHフレームのデータ・ビット、プラス十分な数の埋めビットをAMR音声フレームとして符号化する(516)。SID_UPDATEまたはRATSCCHフレームのデータ・ビットだけを含む音声フレームをSSへの同じTCH/AHSアップリンク上で畳み込み符号化して送信する(518)。有効なSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームが復号器によって検出されない場合、このことは、音声フレームをゼロとして符号化するよう設定し、この畳み込み符号化したフレームを同じTCH/AHSアップリンク上でSSに送信することによってSSに示される。これは例えば、受信したフレーム・パターンがSID_UPDATEまたはRATSCCHフレーム・パターンとして識別されないか、またはフレーム・パターンは識別されるがCRCビットが破損している場合に発生することがある。
【0051】
SSは、例えばそれぞれ消失した有効なSID_UPDATEフレームレート(TCH/AHS EVSIDUR)または消失した有効なRATSCCHフレームレート(TCH/AHS EVRFR)を決定することによって、受信した消失したSID_UPDATEまたはRATSCCHフレームからSID_UPDATEまたはRATSCCHフレーム復号器の性能を決定する(520)。
【0052】
CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージの内容は、上記の文書GSM04.14でさらに明確に定義されている。このメッセージは、SSからMSの方向にだけ送信される。CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージは、どちらも文書「GSM 04.07、11.1.1及び11.1.2節」でさらに明確に定義されているプロトコル判別子フィールド及びスキップ指示子フィールドと、全てゼロとして定義される8ビットの長さを有するメッセージ・タイプ・フィールドと、やはり8ビットの長さを有するサブチャネル・フィールドという4つの情報要素を備えている。サブチャネル・フィールド・ビットのうち5ビットはメッセージ内容を定義する上で特定の意味を有し、X、Y、Z、A及びBビットと呼ばれる。3ビットはゼロに設定される予備ビットである。
【0053】
予備ビットの1つが有利にもメッセージ内容を定義する際特定の意味を割り当てられる場合、本発明による試験ループの起動は、CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージによって実現できる。この新しいビットは、例えばCビットと呼んでもよい。次に、値1を有するCを定義すると、特定のビットの組合せによって新しいメッセージ内容を定義できる。例えば、A=0、B=0及びC=1というビットの組合せを定義できるが、これは、ループされるTCHがTCH/AHSでありSID_UPDATEフレームを送信する場合、有効なSID_UPDATEフレーム消失が報知されるという意味である。それに応じて、A=0、B=1及びC=1という別のビットの組合せが定義できるが、これは、ループされるTCHがTCH/AHSでありRATSCCHフレームを送信する場合、有効なRATSCCHフレーム消失が報知されるという意味である。当業者に明らかなように、任意の他の適当なビットの組合せも使用できる。Xビットの値は、アクティブなフルレート・チャネルが1つだけ存在しているか、または利用可能なサブチャネルの1つが使用されているかを示す。Y及びZビットの値は破棄してもよい。
【0054】
特にRATSCCH伝送に適用可能な本発明の第2の実施形態によれば、各受信RATSCCHフレームは復号器の出力から個別に獲得される。第1のフレームはRATSCCH_MARKERフレームと呼ばれ、第2のフレームはRATSCCH_DATAフレームと呼ばれる。RATSCCH_MARKERフレームとRATSCCH_DATAフレームとの両者は復号器の出力から個別に獲得され、それぞれRECEIVER_MARKERフレーム及びRECEIVED_DATAフレームとして符号器に入力される。RATSCCH_MARKERフレームが識別されないか、またはRATSCCH_DATAフレームが破損したCRCを有している場合、BAD_FRAMEフレームが符号器に入力される。RECEIVER_MARKERフレームとBAD_FRAMEフレームとの両者は所定のパターンからなり、RECEIVED_DATAフレームはRATSCCH_DATAフレーム中で送信されるデータ・ビットを備えている。ループバックされる全てのフレーム、すなわちRECEIVER_MARKERフレームと、BAD_FRAMEフレームと、RECEIVED_DATAフレームとは符号化し、20msフレームにマッピングすることができる。この20msフレームは、例えばAMR音声フレームでよく、残りの音声フレーム・ビットはゼロ、またはRATSCCH_DATAフレームとして符号化される。次に、この20msフレームをSSに送信する。この方法で、RATSCCH_MARKERフレームの識別に成功した報告が常にSSに戻される。SSに返送されるフレームは1つの音声フレームだけの長さを有しているため、MSとSSとの間の同期は有利にも必要ない。
【0055】
本発明の第3の実施形態によれば、MSとSSとの間のフレーム伝送(ダウンリンク/アップリンク)の同期は、試験ループが閉じられている時にダウンリンク伝送とアップリンク伝送とについて特定のTDMAフレーム数を設定することによって達成できる。この方法で、受信されたRATSCCHまたはSID_UPDATEフレームは所定のフレーム中でMSからSSに自動的に返送され、同期のための他の機構は必要ない。
【0056】
本発明の第4の実施形態によれば、MSとSSとの間のフレーム伝送(ダウンリンク/アップリンク)の同期は、特にRATSCCHフレームをハーフレートで送信する場合、有効なRATSCCHフレームが受信されたならばすぐにMSに現在送信されているRATSCCHフレームをキャンセルさせることによって達成できる。次に、有効なRATSCCHフレームのRATSCCHパラメータをアップリンクRATSCCHチャネル中でループバックする。この方法でも、受信されたRATSCCHフレームは、同期が明示的に指定される形でMSからSSに自動的に返送される。
【0057】
図6の構成図は、本発明による試験構成に適用可能な装置を例示する。システム・シミュレータ600は無作為/一定の音声パラメータ・パターンを生成する生成器602を備えており、この音声パラメータ・パターンは次にチャネル符号器604に入力され符号化される。チャネル符号化された音声フレームは次に送信手段606に供給され、チャネル・シミュレータ608を介して移動局610にさらに送信される。移動局610は送信を受信する受信手段612を備えており、そこからチャネル符号化音声フレームがチャネル復号器614に入力される。移動局610は、試験ループを実現し、システム・シミュレータ600によって与えられる命令に応じて特定の試験ループを実行する手段616を備えている。使用される試験ループは、例えば、上記で説明されたように、CLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージによって定義できる。試験ループの出力は、符号化のためチャネル符号器618に供給される。次に、チャネル符号化データは送信手段620に供給され、さらにシステム・シミュレータ600に送信される。また、システム・シミュレータ600は送信を受信する受信手段622を備えており、そこからチャネル符号化データがチャネル復号器624に入力される。システム・シミュレータ600は、受信データを送信パターンと比較する比較手段626を備えており、前記比較の結果、復号の性能が測定できる。
【0058】
当業者に明らかなように、技術的進歩の過程で、本発明の基本的な考え方は非常に多くの方法で実行できる。すなわち、本発明及びその実施形態は上記の例によって制限されるものではなく、添付の請求項の範囲内で変化しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
以下、本発明は好適実施形態に関連し添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【図1】本発明の方法を使用する無線システムを示す。
【図2】符号器中のチャネル符号化チェーンの全体構造を示す。
【図3】種々のコーデック・モードについてのTCH/AFSフレームの形成を例示する。
【図4】種々のコーデック・モードについてのTCH/AHSフレームの形成を例示する。
【図5】本発明による新しい試験方法を例示する流れ図を示す。
【図6】本発明による方法を実現する試験装置を例示する構成図を示す。
Claims (15)
- 復号器と、前記復号器に試験データを供給する試験装置とを備える電気通信システムにおいて復号の性能を決定する方法であって、前記方法が、
信号フレーム・フォーマットの信号データを備える試験データを生成するステップと、
2つの連続フレームにマッピングされた前記試験データを復号のため前記試験装置から前記復号器に送信するステップとを含み、
前記信号データを受信した2つの試験データ・フレームから復号するステップと、
1フレームに符号化された前記復号信号データを前記試験装置に返送するステップと、
前記試験装置中で前記送信された信号データと前記受信された信号データとを比較することによって復号の性能を決定するステップとを特徴とする方法。 - 復号器と、前記復号器に試験データを供給する試験装置とを備える電気通信システムにおいて復号の性能を決定する方法であって、前記方法が、
信号フレーム・フォーマットの信号データを備える試験データを生成するステップと、
2つの連続フレームにマッピングされた前記試験データを復号のため前記試験装置から前記復号器に送信するステップとを含み、
前記試験データを1度に1フレーム受信するステップと、
前記復号器中で、前記受信された試験データ・フレームから前記試験データを抽出するステップと、
前記試験データ・フレームを前記試験装置に返送するステップと、
前記試験装置中で前記送信された信号データと前記受信された信号データとを比較することによって復号の性能を決定するステップとを特徴とする方法。 - 音声フレームの長さを有する1フレームに符号化された前記試験データ・フレームを前記試験装置に返送するステップを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 前記試験データを送信する前に、前記電気通信システムのトラフィック・チャネルを起動するステップと、
前記試験データを、ダウンリンク・トラフィック・チャネルでは前記試験装置から前記復号器に、かつアップリンク・トラフィック・チャネルでは前記復号器から前記試験装置に送信するステップとを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の方法。 - 最初に利用可能なアップリンク・トラフィック・チャネル・タイムフレームで前記信号データを前記試験装置に返送するステップを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 前記試験データを送信する前に、前記復号器との機能的接続において実現される試験ループを前記復号器中で起動するため、前記試験装置からメッセージを送信するステップと、
前記トラフィック・チャネルが起動されたことに応答して、前記復号器から前記試験装置への前記メッセージを肯定応答するステップとを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の方法。 - 前記メッセージが、GSMシステムによるCLOSE_TCH_LOOP_CMDメッセージのビットの組合せであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
- AMRハーフレート音声チャネルにおけるRATSCCHフレームのチャネル復号の性能を決定するステップを特徴とする、先行する任意の請求項に記載の方法。
- AMRハーフレート音声チャネルにおけるSID_UPDATEフレームのチャネル復号の性能を決定するステップを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法。
- 復号器の性能を決定する試験装置であって、前記試験装置が前記復号器に機能的に接続されるよう配置され、前記試験装置が、
信号データを備える試験データを構成する構成手段と、
2つの連続フレームにマッピングされた前記試験データを復号のため前記復号器に送信する送信機とを備え、
前記復号器から1フレームの前記試験データを受信する受信機であって、前記試験データが前記信号データを備える受信機と、
前記送信された信号データと前記受信された信号データとを比較することによって復号の性能を決定する比較器とをさらに備えることを特徴とする試験装置。 - 復号器の性能を決定する試験装置であって、前記試験装置が前記復号器に機能的に接続されるよう配置され、前記試験装置が、
信号データを備える試験データを構成する構成手段と、
2つの連続フレームにマッピングされた前記試験データを復号のため前記復号器に送信する送信機とを備え、
前記試験データを1度に1フレーム受信する受信機と、
前記送信された信号データと前記受信された信号データとを比較することによって復号の性能を決定する比較器とをさらに備えることを特徴とする試験装置。 - 前記試験装置が、
前記試験データを送信する前に前記復号器に向かうトラフィック・チャネルを起動し、
ダウンリンク・トラフィック・チャネルで前記試験データを前記復号器に送信し、
アップリンク・トラフィック・チャネルで前記試験データを前記復号器から受信するよう配置されることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の試験装置。 - 前記試験装置が、
前記試験データを送信する前に、前記復号器との機能的接続において実現される試験ループを前記復号器中で起動するためメッセージを前記復号器に送信し、
前記トラフィック・チャネルが起動されたことに応答して、前記復号器からの前記メッセージの肯定応答を受信するよう配置される、請求項12に記載の試験装置。 - 移動局であって、
2つの連続フレームにマッピングされた信号データを備える試験データを試験装置から受信する受信機と、
前記試験データを復号する復号器とを備え、
前記復号器が前記受信された2つの試験データ・フレームから前記試験データを復号するよう配置されることと、
前記移動局が、1フレームに符号化された前記符号化試験データを前記試験装置に返送する送信機をさらに備えることとを特徴とする移動局。 - 移動局であって、
2つの連続フレームにマッピングされた信号データを備える試験データを試験装置から受信する受信機と、
前記試験データを復号する復号器とを備え、
前記復号器が前記試験データを1度に1フレーム受信し、前記復号器中で前記受信された試験データ・フレームから前記試験データを抽出するよう配置されることと、
前記移動局が、前記試験データを前記試験装置に返送する送信機をさらに備えることとを特徴とする移動局。
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