JP2004529845A - オゾンを発生させるための方法およびデバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、酸素を含有する気体からオゾンを発生させるための方法に関する。オゾンは、少なくとも2つのギャップを備える装置において、無声放電によって発生する。これらのギャップを気体が横切り、これらのギャップの各々は、電極と誘電材料との間に形成され、この誘電材料は、各ギャップをさらなる電極から隔離する。本発明によれば、少なくとも1つのギャップの気体の体積流動の制限が制御される。酸素を含有する気体からオゾンを発生させるためのデバイスもまた提供される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による、オゾンを発生させるための方法、および請求項3の前提部による、オゾンを発生させるためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンは、いくつかの酸化状態を有する元素が存在する有機物質および無機化合物に対する、強い酸化剤である。この酸化剤についての多数の適用のうち、最近数年間にわたって、特に水の処理のための適用が、集中的にさらに開発されている。
【0003】
オゾンは、酸素含有気体における放電によって発生する。いわゆる無声放電は、火花放電とは対照的に、安定なプラズマまたはコロナの放電を与える。この場合、酸素分子が酸素原子に解離される。このように形成した反応性の酸素原子が、発熱反応で、存在する酸素分子に付加し、このように、三原子のオゾン分子が形成する。
【0004】
反応連鎖全体の効率に対する重要なパラメータは、オゾン発生システムの気体の組成、電場の強度、作動温度および作動圧力である。
【0005】
最近数年間にわたって、製造公差の技術的進歩の結果として、次第に小さくなる反応ギャップが達成され、これは、場の強度とギャップ内に確立される温度との両方に影響を与える。250μmのギャップ幅が、現在の技術水準である。
【0006】
最初に特定された型のデバイスは、WO97/09268から公知である。このデバイスは、少なくとも1つのギャップを有する装置を備え、このギャップを通って気体が流れ、このギャップは、電極と誘電材料との間に形成されており、この誘電材料は、ギャップを別の電極から分離する。これらのギャップのうちの少なくとも1つは、導電性かつ熱伝導性の気体透過性構成で満たされ、この構成は、隣接する電極と電気的かつ熱的に接触しており、そしてこの構成を通って酸素含有気体が流れ、そしてこの構成は、複数の放電スペースを形成し、このスペースにおいて、酸素含有気体が、高い場の強度に曝露され、そしてオゾンに転換される。
【0007】
そこに記載される導電性かつ熱伝導性の気体透過性構成は、少なくとも1つのギャップを完全に充填し、そして好ましくは、ニットとして構築されるワイヤを備える。
【0008】
メッシュの数、メッシュの大きさ、およびワイヤの太さ、ならびにニットの密度、ニットワイヤの数およびニット層の数を適合させることによって、この構成の流動抵抗を確立して、放電スペースの大きさを最大のオゾン生成に適合させること、気体の乱流および内部混合を調節すること、ならびに冷却および熱損失を最適化することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この先行技術から出発して、本発明の目的は、一般に、オゾン収率が、匹敵するエネルギー投入に対して有意に増加し得る、方法および適切なデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、構成がそれぞれの特徴部に詳述された、請求項1の前提部による方法および請求項3の前提部によるデバイスによって、解決される。
【0011】
本発明による方法において、ギャップの間の気体の全体積流動の分布は、少なくとも1つのギャップにおける体積流動の集中した制限によって、制御される。
【0012】
本発明による、ギャップ間の気体の分布の特定の調節の結果として、使用される物理的効果(場の強度プロフィールおよび温度プロフィール)に関するギャップの最適化を考慮して、オゾン発生の効率の増加が達成される。所定のギャップ構造および所定の電気的/物理的作動条件を用いて、気体の体積流動に特に影響を与えることによって、使用される電気エネルギーと比較して、オゾン収率を最適化することが可能であることが見出された。
【0013】
気体が平行に流れる2つのギャップが使用される場合、最適化は、従来、ギャップの1つについてのみか、または2つのギャップの平均について達成され得る。本発明による手段の結果として、ギャップの各々についての最適化を行うことが可能であり、これによって、全オゾン収率が、使用される電気エネルギーと比較して、さらに増加する。
【0014】
本発明による方法は、2つまたは複数のギャップが放電のために使用されるシステムのために使用され得る。このような複数ギャップのシステムにおいて、個々のギャップの特定の利点が、気体の全体積流動の規定された分布によってもたらされ得る。従って、例えば、気体の全体積流動の分布をギャップに押し付けるために、場の強度プロフィールを基本パラメータとして設定し、これによって、エネルギー的に最も好ましいギャップが、オゾンの大部分を生成し得ることが、可能である。
【0015】
少なくとも2つのギャップが平行に配置された、従来のデバイスにおいては、ギャップ間での気体の全体積流動の分布が、ギャップ自体の構造によってかなり与えられることが、実験により示された。気体の全体積流動の分布を制御し得る方法は、知られていない。WO97/09268に記載されるような、ギャップを完全に充填するニットを使用して、全体積流動の規定された分布が、約2〜8%のわずかな変動で達成され得る。
【0016】
オゾン発生の効率の増加に関して、1つのみのギャップを最適化すること(例えば、ギャップの幅を減少させることによる)は、同じ様式で、対応するギャップに対する影響を有し、そして全体のオゾン収率の有意な変化を生じない。
【0017】
本発明による方法を実施するために、少なくとも1つのギャップの気体の体積流動の、集中した制限がなされる。集中した制限とは、絞り弁の部分がギャップの長さよりかなり短い長さを有することを意味することが、理解される。制限は、ギャップの入口または出口または内側、あるいはこのギャップの入口および出口における部分的な組合せ、あるいはこのギャップの入口および内側またはこのギャップの出口および内側、あるいはこのギャップの入口および出口および内側において起こり得る。
【0018】
さらに、ギャップ間の気体の全体積流動の分布は、ギャップ間の気体の全体積流動の分布は、少なくとも1つのギャップ内の気体の体積流動の細長い制限(gestreckte Drosselung)によって、さらに制御され得る。細長い制限とは、ギャップの全長またはギャップの長さの少なくとも20%にわたって延びる、絞り弁の部分の長さを意味することが理解される。
【0019】
本発明によるデバイスは、少なくとも1つのギャップが、集中した絞り弁を備えることを特徴とし、この絞り弁は、ギャップ間の気体の全体積流動の規定された分布をもたらす。
【0020】
体積流動は、この場合、ギャップにおける集中した絞り弁によってもたらされる流動抵抗に逆比例する。全体積流動は、ギャップの個々の体積流動から構成される。制限の構成に依存して、ギャップ間の気体の全体積流動の規定された分布が、このように確立され得る。
【0021】
さらに、少なくとも1つのギャップは、細長絞り弁をさらに備え得る。この場合、この細長絞り弁は、電極および/または誘電材料の表面を、ギャップに向けて輪郭付けることによって、形成され得る。これによって、絞り弁の効果を分散させ、そして集中した絞り弁の微調整を達成することが可能である。
【0022】
この集中した絞り弁は、実質的にギャップの断面にわたって延びるスリーブ(このスリーブを通って気体が流れ得る)、および/または実質的にギャップの断面にわたって延びるストッパー(このスリーブを通って気体が流れ得る)を備え得る。
【0023】
この構成を用いて、圧力低下が、ギャップ間の気体の全体積流動の規定された分布をもたらす。
【0024】
スリーブまたはストッパーとして形成された絞り弁は、好ましくは、全材料の本体(Vollmaterialkoerper)から構成される。これは、完全にギャップの断面にわたって延び、そして気体透過性のスリットまたは穴を備え、そして/あるいはギャップの断面に部分的にわたって延びる。このように形成された全材料本体の絞り弁効果は、ノズル効果に基づく。
【0025】
本発明の有利な開発において、集中した絞り弁は環状の形状であり、そして第一のギャップおよび/または第二のギャップ内に配置される。この場合、第一のギャップは、第一の電極と誘電材料との間に形成される円筒形の環によって形成され、そして第二のギャップは、この誘電材料と第二の電極との間に収容される円筒形の環によって形成される。
【0026】
このような配置において、気体の体積流動は、2つのギャップのみにわたって分布する。この場合、気体の体積流動の分布は、オゾンの収率を増加させるために、特に容易に制御され得る。
【0027】
さらなる開発は、絞り弁が、一体化された高電圧ヒューズを備えることが考慮される。このデバイス(特に、電極表面、誘電材料または高電圧発生器)に対する損傷を回避するために、別個のヒューズが、これによって分配され得る。
【0028】
本体は、適切には、酸素およびオゾンに対して抵抗性の材料から構成される。この手段は、一定したオゾン発生特性およびメンテナンスからの自由を提供する。
【0029】
本発明の円筒状に対称の配置の代替として、絞り弁ならびに第一および第二の電極ならびに誘電材料が、板状に構築されることが考慮される。
【0030】
本発明の有利な開発によれば、ギャップ間の気体の体積流動の分布は、20〜80%の範囲で調節され得、このことは、先行技術と比較して、効率のかなりの増大をもたらす。
【0031】
本発明の特定の利点は、絞り弁の流動抵抗の大きさを個々に決定することによって、一連のデバイスにおけるオゾンガスの収率に影響を与える構造的な構成要素公差が補償され得ることである。
【0032】
このことは、製造の間の廃棄物画分を減少させることを補助し、そして特徴的な値の狭い公差を有する装置の製造、従って、完全な実施の正確に計算可能な特徴的値を可能にする。
【0033】
本発明は、図面に示される例示的な実施形態を参照して、以下に説明される。
【0034】
図1および図2は、このデバイスの、特別な、円筒状に対称の配置を示す。第一の外側電極10(これは、参照電位にある)は、円筒形の誘電材料14を内側に有し、そしてこの誘電材料は、次に、第二の内側電極12を有し、この内側電極は、高い電位にある。ギャップ16、18が、第一の電極10と誘電材料14との間、および誘電材料14と第二の電極12との間の両方に形成される。
【0035】
絞り弁20が、内側ギャップ18に配置される。図1において、この絞り弁20は、ストッパーの形態で構築されており、このストッパーを通して、気体が流れ得、このストッパーは、第二の電極12の前に、ノズルの様式で配置される。このストッパーは、内側ギャップ18の端部に配置される。これに対して、図2による絞り弁20は、ヘッド領域で第二の電極12を収容するスリーブの形態で構築され、そしてこのスリーブを通って、気体が流れ得る。
【0036】
ストッパーおよびスリーブは、内側ギャップ18の一部のみを満たし、そしてギャップ体積の制限を生じる。ギャップ16、18間の気体の体積流動の規定された分布が、これによって達成される。
【0037】
このデバイスを通って流れる気体は、絞り弁20の結果として、流動抵抗を受け、これにより、絞り弁20の配置に依存して、ギャップ間の全体積流動の規定された分布を生じる。ギャップ間の気体の体積流動の分布の結果として、先行技術と比較して、オゾン収率の15%までの効率の増大が、達成される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、絞り弁がストッパーとして構築された、円筒状に対称の配置のデバイスの、部分的に斜視図の断面図を示す。
【図2】図2は、絞り弁がスリーブとして構築された、円筒状に対称の配置のデバイスの、部分的に斜視図の断面図を示す。

Claims (13)

  1. 装置において、無声放電によって、酸素含有気体からオゾンを発生させるための方法であって、該装置は、少なくとも2つのギャップ(16、18)を備え、該ギャップを該気体が通過し、該ギャップの各々は、電極(10、12)と誘電材料(14)との間に形成されており、該誘電材料は、各ギャップ(16、18)を、さらなる電極(12;10)から隔離しており、該方法は、該ギャップ(16、18)の間の気体の全体積流動の分布が、少なくとも1つのギャップ(16、18)の気体、該ギャップ(16、18)の入口または出口または内側、あるいは該ギャップ(16、18)の入口と出口または入口と内側の部分的な組み合わせの気体、あるいは該ギャップ(16、18)の出口と内側の気体、あるいは該ギャップ(16、18)の入口と出口と内側の気体の体積流動の、集中した制限によって制御されることを特徴とする、方法。
  2. 前記ギャップ(16、18)間の気体の全体積流動の分布が、少なくともギャップ(16、18)の内側の該気体の体積流動の細長い制限によってさらに制御されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 装置において、無声放電によって、酸素含有気体からオゾンを発生させるためのデバイスであって、少なくとも2つのギャップ(16、18)を備え、該ギャップを該気体が通過し、該ギャップの各々は、電極(10、12)と誘電材料(14)との間に形成されており、該誘電材料は、各ギャップ(16、18)を、さらなる電極(12;10)から隔離しており、該デバイスは、少なくとも1つのギャップ(16、18)が、集中絞り弁(20)を備え、該集中絞り弁は、該ギャップ(16、18)の入口または出口または内側、あるいは該ギャップ(16、18)の入口および出口または入口および内側の集中絞り弁(20)、あるいは該ギャップ(16、18)の出口および内側、あるいは該ギャップ(16、18)の入口および出口および内側において、該気体の該体積流動の制限のためのものであることを特徴とする、デバイス。
  4. 少なくとも1つのギャップ(16、18)が、細長絞り弁をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記細長絞り弁が、前記電極および/または前記誘電材料の表面の、前記ギャップに向けての輪郭付けによって形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記集中絞り弁(20)が、前記ギャップ(16、18)の断面に実質的にわたって延びるスリーブとして構成されており、該スリーブを通って、気体が流れ得ること、および/または該ギャップ(16、18)の断面に実質的にわたって延びるストッパーとして構成されており、該ストッパーを通って、気体が流れ得ることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
  7. 前記絞り弁(20)が、全材料本体からなるスリーブまたはストッパーとして構成されており、そして完全に前記ギャップ(16、18)の断面にわたって延びており、そして気体透過性のスリットもしくは穴を備えており、そして/または該ギャップ(16、18)の部分的な断面にわたって延びていることを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
  8. 前記集中絞り弁(20)が、環状の形状であり、そして第一および/または第二のギャップ(16、18)内に配置されており、ここで、該第一のギャップ(16)は、第一の電極(10)と誘電材料(14)との間に形成された、円筒形の環によって形成されており、そして該第二のギャップ(18)は、該誘電材料(14)と第二の電極(12)との間に収容された円筒形の環によって形成されていることを特徴とする、請求項3、6または7のいずれか1項に記載のデバイス。
  9. 前記絞り弁(20)が、一体化された高電圧ヒューズを備えることを特徴とする、請求項3または6〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
  10. 前記絞り弁(20)が、酸素およびオゾンに抵抗性の材料からなることを特徴とする、請求項3または6〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
  11. 前記絞り弁(20)ならびに前記第一の電極および第二の電極(10、12)ならびに前記誘電材料(14)が、平板形状であることを特徴とする、請求項3または6〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
  12. 前記ギャップ(16、18)における前記気体の体積流動の分布が、20〜80%の範囲で、前記絞り弁(20)によって調節可能であることを特徴とする、請求項3〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
  13. 前記絞り弁(20)の流動抵抗の大きさを個々に決定することによって、前記オゾンの収率に対する影響を有する構造的な構成要素の公差が、一連の前記デバイスにおいて補償され得ることを特徴とする、請求項3〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
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