JP2004529624A - 間葉細胞中で発現されるt細胞受容体変種とその使用 - Google Patents

間葉細胞中で発現されるt細胞受容体変種とその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、T細胞受容体(TCR)遺伝子の新規ポリヌクレオチド転写体、ならびにこれらの転写体によりコードされるアミノ酸配列、および間葉細胞増殖の調節におけるこれらの使用に関する。本発明はさらに、これらの転写体によりコードされる新規タンパク質またはペプチドに関する。本発明はまた、T細胞受容体(TCR)遺伝子によりコードされるcDNA分子、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列、およびフレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含むこれらの新規cDNA分子に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、間葉細胞中で発現されるT細胞受容体(TCR)遺伝子のイントロン配列を含むポリヌクレオチド転写体、これらのアンチセンスポリヌクレオチド、および間葉細胞増殖の調節におけるこれらの使用に関する。本発明はさらに、これらの転写体によりコードされる新規タンパク質またはペプチド、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
T細胞受容体
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI遺伝子産物は、種々の型の細胞により広く発現されるが、MHCクラスII分子は、より少数のしかし多様な型の細胞(例えば、樹状細胞、Bリンパ球、マクロファージおよび血管内皮細胞)で構成的に発現されるかまたは誘導性である。これに対して、T細胞受容体複合体は、T細胞のみにより発現されると考えられており、これはさらに、TCR遺伝子再配列に関与する複雑なシグナルカスケードならびに特異的酵素を有する。すなわち、MHCに提示されたペプチドの認識は、非常に特異的なT細胞機能であるようである。
【0003】
MHCに制限されるT細胞は、ヘテロダイマー性の表面タンパク質受容体(αβTCR)を発現し、これは、最大5つの追加の非変種膜受容体とともに局在化する(Strominger, 1989;Abbasら, 1994;Jamesonら、1995)。このTCR複合体は、MHC分子に結合した処理されたペプチド抗原に特異的に結合する。種々の標的細胞上のTCRとMHC結合ペプチドとの相互作用は、T細胞増殖と、標的細胞死滅、移植片拒絶、および他の生物学的作用を引き起こすエフェクター機能の活性化との点から、重要な意味を有する可能性がある。
【0004】
ポリペプチドとして発現されることができる機能性TCR α鎖とβ鎖遺伝子は、通常Tリンパ球系統の細胞中にのみ存在する。これらの機能性TCR遺伝子は、生殖細胞系遺伝子セグメントの体細胞性再配列により形成される。各TCR遺伝子座は、可変(V)、結合(J)、および定常(C)領域遺伝子からなり、β鎖は、多様性(D)遺伝子セグメントを含有する。マウスでは、CセグメントとJセグメントの2つのクラスターの5’に位置する20〜30のVβ遺伝子セグメントがある。最大50の異なるJセグメントと約75のVαとJαエキソンの大きな5’クラスターに結合した単一のCα遺伝子があり、これは、全TCR δ鎖遺伝子座を含む。胸腺でのT細胞の成熟中に、TCRセグメントは、規定の順序で再配列され、V、D、JおよびCセグメントが互いに近接している機能性のTCRαおよびβ遺伝子が形成される。
【0005】
β鎖遺伝子座は、α遺伝子座の前に再配列される。1次転写体は、VDJとC遺伝子の間に非コード性イントロン配列を含有し、これは後にスプライス除去される。機能性T細胞受容体は、2つのポリペプチド(α鎖は、40〜60kDの酸性糖タンパク質であり、β鎖は、40〜50kDの非荷電または塩基性糖タンパク質である)からなる。α鎖とβ鎖のV領域とC領域は、3次構造形成に寄与する可能性のある鎖内ジスルフィド結合ループを形成し、これは、細胞膜上に存在する。C領域は、膜貫通ドメインと短い細胞質テイル(これは、内因性シグナル伝達性を有するには小さすぎると考えられている)を含有する。
【0006】
T細胞(Qianら、1993;Yoshikaiら、1984)ならびにB細胞(CalmanとPeterlin、1986)は、サイズと構造が異なるTCRαとβの一連の不完全な転写体を発現する。これらの転写体は、フレーム外にあるか、またはその配列が多くの停止コドンを含有してもよい。上流のスプライスされたJセグメントによりフランクされる定常領域をコードするmRNAが同定されたことがある。メチオニンのフレーム内コドンを含有するヒトTCRβのそのような転写体が報告されている(Fagioliら、1991)。しかし、T細胞中でこれらの転写体によりコードされるタンパク質の存在は証明されていない。
【0007】
TCR転写体はまた、Tリンパ球またはBリンパ球以外の細胞系でも報告されている。すなわち、マウス腎臓中でTCRα mRNAが同定された(Madrenasら、1991;Madrenasら、1992;Madrenasら、1994)。最近の研究で、上皮腫瘍細胞中で、V領域が欠如した部分的TCRγ鎖mRNAが同定された。このmRNAは、7kDaのタンパク質であるTARPをコードし、これは、代替読みとり枠から翻訳され、従ってTCRγタンパク質と相同的ではない(Essandら、1999;Wolfgangら、2000)。この研究では、TCRαβもしくはTCRδ転写体またはタンパク質の証拠は、見いだされなかった。従って、TCRβ転写体は、リンパ球系の外には見いだされず、細胞表面で発現されるTCRタンパク質はT細胞形質に特異的であると、一般に認識されている。
【0008】
間葉細胞
間葉細胞は、器官形成を指令することにより胚発生において重要な役割を果たす。成体生物では、組織リモデリング(例えば、創傷治癒で起きるようなもの)は、間葉上皮細胞により開始される。造血制御の研究は、血球形成が、間質性間葉により局所的に制御されることを証明した(Zipori, 1989;Zipori, 1989;Zipori, 1990;Weintroubら, 1996)。実際、骨髄由来の初代間質ならびに初代骨髄培養物由来の種々の間葉細胞系は、インビトロで造血を支持する能力を示し、移植されると、移植部位でインビボで骨と造血活性のある組織の形成を促進する。間質活性を仲介する分子は、種々のサイトカインと接着分子であることが証明されている。しかし、これまで同定された分子は、広範な間質細胞機能を説明できず、間質構築、幹細胞再生、および他の必須の間質機能を説明できない。
【0009】
本明細書における文献の引用は、そのような文献が関連する先行技術であることを認めるものではなく、本出願の特許性に重要であると考えているものでもない。文献の内容や日付に関する記載は、出願時に本出願人が入手できた情報に基づくものであり、そのような記載の正確性を認めるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の要約)
本発明は、以下に記載されるように、新規ポリヌクレオチド転写体と、コードされるタンパク質(T細胞受容体(TCR)のα鎖とβ鎖の短い変種である)、およびこれらの分子の使用に関する。
本発明において、骨髄由来間質性間葉細胞は、ユニークな末端切断型T細胞受容体遺伝子転写体を発現することが開示される。さらに、これらのユニークな転写体は、イントロンJ配列を含むが、可変(V)領域配列が欠如している。
本発明は、ある態様において、非造血細胞、特に間質性間葉細胞、中のT細胞受容体(TCR)遺伝子によりコードされるcDNA分子に関し、該cDNA分子は、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示の新規ポリヌクレオチド配列、およびこれらのポリヌクレオチド配列によりコードされる対応するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、ヒト遺伝物質を含む哺乳動物種から誘導される。
本発明のある実施態様において、cDNA分子は、マウスTCRβ遺伝子によりコードされる。結合(J)遺伝子配列は、特に限定されないが、Jβ2.1とJβ2.6から選択される。
【0012】
本発明のある実施態様において、結合(J)遺伝子配列はJβ2.1でもよく、フレーム内メチオニンコドンを含む該5’イントロンJ配列は、配列MENVSNPGSCIEEGEERGRILGSPFL[配列番号1]のペプチドをコードする。
別の実施態様において、結合(J)遺伝子配列はJβ2.6であり、フレーム内メチオニンコドンを含む該5’イントロンJ配列は、配列MGEYLAEPRGFVCGVEPLC[配列番号2]のペプチドをコードする。
本発明の別の実施態様において、cDNA分子は、マウスTCRα遺伝子によりコードされる。この場合、結合(J)遺伝子配列は、特に限定されないが、JαTA31、JαTA46、JαNew05、JαS58、JαNew06、JαNew08、JαLB2A、JαDK1、およびJαTA39から選択される。
【0013】
本発明のこの実施態様において、cDNA分子は、以下よりなる群から選択されるフレーム内メチオニンコドンを含む5’イントロンJ配列を含む:
(i)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA31遺伝子配列:
MAWH[配列番号3];
(ii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA46遺伝子配列:
MEAGWEVQHWVSDMECLTV[配列番号4];
(iii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA46遺伝子配列:
MECLTV[配列番号5];
(iv)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew05遺伝子配列:
MTV[配列番号6];
(v)以下のペプチドをコードするイントロンJαS58遺伝子配列:
MCGSEEVFVVESA[配列番号7];
(vi)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
MACYQMYFTGRKVDEPSELGSGL
ELSYFHTGGSSQAVGLFIENMIST
SHGHFQEMQFSIWSFTVLQISAPG
SHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号8];
(vii)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
MYFTGRKVDEPSELGSGLELSYFH
TGGSSQAVGLFIENMISTSHGHFQE
MQFSIWSFTVLQISAPGSHLVPETE
RAEGPGVFVEHDI[配列番号9];
(viii)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
MISTSHGHFQEMQFSIWSFTVLQIS
APGSHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号10];
(IX)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
MQFSIWSFTVLQISAPGSH
LVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号11];
(x)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew08遺伝子配列:
MWWGLILSASVKFLQRKEILC[配列番号12];
(xi)以下のペプチドをコードするイントロンJαLB2A遺伝子配列:
MVGADLCKGGWHCV[配列番号13];
(xii)以下のペプチドをコードするイントロンJαDK1遺伝子配列:
MREPVKNLQGLVS[配列番号14];
(xiii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA39遺伝子配列:
MEVYELRVTLMETGRERSHFVKTSL[配列番号15];および
(xiv)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA39遺伝子配列:
METGRERSHFVKTSL[配列番号16]。
【0014】
別のより好適な実施態様において、新規イントロン配列とその対応するペプチドは、ヒトの遺伝物質から誘導される。既知の配列、例えば腫瘍細胞で公知のヒトJβ2.3遺伝子の結合セグメントのイントロン配列(Kimoto, 1998)は、請求された新規配列から明確に排除される。
【0015】
本発明の実施態様において、cDNA分子は、ペプチドMGLSAVGRTRAESGTAERAAPVFVLGLQAV[配列番号17]をコードするヒトイントロンJβ2.3遺伝子配列からなるフレーム内メチオニンコドンを含む5’イントロンJ配列を含む。
本発明の別の実施態様において、cDNA分子は、ヒトTCRα遺伝子によりコードされる。この場合、結合(J)遺伝子配列は、特に限定されないが、Jα2、Jα3、Jα6、Jα8、Jα9、Jα11、Jα13、Jα14、Jα24、Jα25、Jα31、Jα36、Jα40、Jα41、およびJα44から選択される。
【0016】
本発明のさらに別の実施態様において、cDNA分子は、以下よりなる群から選択されるフレーム内メチオニンコドンを含む5’イントロンJ配列を含む:
1)フレーム内MをコードするイントロンJα2遺伝子配列(このアミノ酸は、単離されたアミノ酸残基としては現れず、上記のより大きなTCR分子の一部(J領域とC領域)であり、本発明の新規転写体で転写されるイントロン配列によりコードされる、単一のフレーム内メチオニンを意味することは、当業者により理解されるであろう)
2)以下のペプチドをコードするイントロンJα3遺伝子配列:
MLLWDPSGFQQISIKKVISKTLPT[配列番号18];
3)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
MLPNTMGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号19];
4)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
MGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号20];
5)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
MKQVLSKAVLTV[配列番号21];
6)以下のペプチドをコードするイントロンJα8遺伝子配列:
MSEC[配列番号22];
7)以下のペプチドをコードするイントロンJα9遺伝子配列:
MAHFVAVQITV[配列番号23];
8)以下のペプチドをコードするイントロンJα11遺伝子配列:
MGICYS[配列番号24];
9)以下のペプチドをコードするイントロンJα13遺伝子配列:
MKRAGEGKSFCKGRHYSV[配列番号25];
10)以下のペプチドをコードするイントロンJα14遺伝子配列:
MLTTLIYYQGNSVIFVRQHSA[配列番号26];
11)以下のペプチドをコードするイントロンJα24遺伝子配列:
MQLPHFVARLFPHEQFVFIQQLSSLGKPFCRGVCHSV[配列番号27];
12)以下のペプチドをコードするイントロンJα25遺伝子配列:
M(上記1のコメントを参照);
13)以下のペプチドをコードするイントロンJα31遺伝子配列:
MGFSKGRKCCG[配列番号28];
14)以下のペプチドをコードするイントロンJα36遺伝子配列:
MKKIWLSRKVFLYWAETL[配列番号29];
15)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
MGKVHVMPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号30];
16)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
MPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号31];
17)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
MESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号32];
18)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
MLVYVETHNTV[配列番号33];
19)以下のペプチドをコードするイントロンJα41遺伝子配列:
MEEGSFIYTIKGPWMTHSLCDCCVIGFQTLALI
GIIGEGTWWLLQGVFCLGRTHC[配列番号34];
20)以下のペプチドをコードするイントロンJα41遺伝子配列:
MTHSLCDCCVIGFQTLALIGIIGEGTWWLLQGV
FCLGRTHC[配列番号35];
21)以下のペプチドをコードするイントロンJα44遺伝子配列:
MESQATGFCYEASHSV[配列番号36]。
【0017】
別の態様において本発明は、上記の本発明のcDNA分子のいずれかのアンチセンスDNA分子に関する。
本発明はさらに、本発明のcDNAとアンチセンス分子を含む発現ベクター、該ベクターを含む宿主細胞、特に哺乳動物細胞、に関する。好適な実施態様において、宿主細胞は、トランスフェクトされた間葉ヒト細胞である。
本発明のcDNAは、間葉細胞増殖を誘導するために、間葉ヒト細胞をトランスフェクトするのに使用することができる。本発明は、間葉細胞増殖の誘導が必要な疾患(例えば、創傷治癒)で使用するためのトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を含む組成物に関する。
【0018】
本発明はさらに、間葉細胞増殖を誘導する方法であって、必要な被験体に、本発明のcDNA分子を含むトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を、間葉細胞増殖を誘導するのに有効な量で投与する工程を含む方法に関する。この方法は、好ましくは創傷治癒の増強に適用される。
本発明のアンチセンスDNA分子は、間葉細胞増殖を阻害または抑制するために、間葉ヒト細胞をトランスフェクトするのに使用することができる。すなわち本発明は、間葉細胞増殖の阻害または抑制を必要とする疾患(例えば、癌)で使用するためのトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を含む組成物に関する。
本発明はさらに、間葉細胞増殖を抑制する方法であって、必要な被験体に、本発明のアンチセンスDNA分子、および/または本発明のアンチセンスDNA分子を含む自己のトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を、間葉細胞増殖を抑制(例えば、癌の抑制)するのに有効な量で投与する工程を含む方法に関する。
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドにコードされるポリペプチドに関する。ある実施態様において該ポリペプチドは、間葉細胞中で、細胞表面または細胞内で、発現されることができるタンパク質である。ある実施態様においてポリヌクレオチドは、図1に記載のヌクレオチド配列によりコードされ、ポリペプチドは、図1に記載のアミノ酸配列を含む。
【0019】
本発明はさらに、TCRのイントロンJ配列から推定される合成ペプチドに関する。
非ヒト動物から誘導されるそのようなペプチドの例には、特に限定されないが、以下がある:
(a)MENVSNPGSCIEEGEERGRILGSPFL[配列番号1];
(b)MGEYLAEPRGFVCGVEPLC[配列番号2]
(c)MAWH[配列番号3];
(d)MEAGWEVQHWVSDMECLTV[配列番号4];
(e)MECLTV[配列番号5];
(f)MTV[配列番号6];
(g)MCGSEEVFVVESA[配列番号7];
(h)MACYQMYFTGRKVDEPSELGSGL
ELSYFHTGGSSQAVGLFIENMIST
SHGHFQEMQFSIWSFTVLQISAPG
SHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号8];
(i)MYFTGRKVDEPSELGSGLELSYFH
TGGSSQAVGLFIENMISTSHGHFQE
MQFSIWSFTVLQISAPGSHLVPETE
RAEGPGVFVEHDI[配列番号9];
(j)MISTSHGHFQEMQFSIWSFTVLQIS
APGSHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号10];
(k)MQFSIWSFTVLQISAPGSH
LVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号11];
(l)MWWGLILSASVKFLQRKEILC[配列番号12];
(m)MVGADLCKGGWHCV[配列番号13];
(n)MREPVKNLQGLVS[配列番号14];
(o)MEVYELRVTLMETGRERSHFVKTSL[配列番号15];および
(p)METGRERSHFVKTSL[配列番号16]。
ヒト起源から誘導される本発明の有用なペプチドの例には、特に限定されないが、以下がある:
i)MGLSAVGRTRAESGTAERAAPVFVLGLQAV[配列番号17]
ii)MLLWDPSGFQQISIKKVISKTLPT[配列番号18];
iii)MLPNTMGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号19];
iv)MGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号20];
v)MKQVLSKAVLTV[配列番号21];
vi)MSEC[配列番号22];
vii)MAHFVAVQITV[配列番号23];
viii)MGICYS[配列番号24];
ix)MKRAGEGKSFCKGRHYSV[配列番号25];
x)MLTTLIYYQGNSVIFVRQHSA[配列番号26];
xi)MQLPHFVARLFPHEQFVFIQQLSSLGKPFCRGVCHSV[配列番号27];
xii)MGFSKGRKCCG[配列番号28];
xiii)MKKIWLSRKVFLYWAETL[配列番号29];
xiv)MGKVHVMPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号30];
xv)MPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号31];
xvi)MESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号32];
xvii)MLVYVETHNTV[配列番号33];
xviii)MEEGSFIYTIKGPWMTHSLCDCCVIGFQTLALIGIIGEGTWWLLQGVFCLGRTHC[配列番号34];
xix)MTHSLCDCCVIGFQTLALIGIIGEGTWWLLQGVFCLGRTHC[配列番号35];および
xx)MESQATGFCYEASHSV[配列番号36]。
【0020】
さらなる態様において本発明は、TCR遺伝子のイントロン配列によりコードされる配列を有する合成ペプチドに結合する抗体に関する。ある好適な実施態様において、抗体は、配列LAEPRGFVCGVE[配列番号37]を有する合成ペプチドに結合する。これらの抗体は、例えば癌の診断目的および予後のための、間葉細胞のマーカーとして有用である。
【0021】
(発明の詳細な説明)
I.末端切断型T細胞受容体mRNAとタンパク質発現
本発明は、新しいmRNA転写体、これらの転写体にコードされる、詳細に説明されるαとβTCRの短い変種であるタンパク質、およびこれらの分子の使用に関する。
間質細胞株と胸腺T細胞との相互作用を調べている時、我々は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用してTCR遺伝子断片を増幅した。予想外にも、マウス骨髄から誘導されるMBA−13間葉性間質細胞株は、一貫してTCRβ定常(Cβ)領域を発現し、一方、陰性対照組織(すなわち、肝臓)およびいくつかの対照細胞株(例えば、プレB細胞、形質細胞腫細胞、肥満細胞腫細胞)は、TCR遺伝子からのプライマーを使用してPCR産物を産生しないことを見いだした。
【0022】
本発明に従って、種々の間質細胞株でさらに試験すると、定常(C)ドメイン(これは、T細胞受容体のものと同一である)、結合(J)領域(これは、いくつかの代替物の1つである)、および5’ドメイン(これは、メチオニンのフレーム内コドンを含むイントロンJ配列(再度いくつかの代替物の1つ)に比較したヌクレオチド配列からなる)からなるTCRの末端切断型をコードする、TCR遺伝子由来mRNAの存在が証明された。このmRNAは、V領域配列が欠如している。そのような分子の1つ(すなわち、TCRβ2.6の新しい変種)は、間葉細胞中に存在し、細胞表面間葉性タンパク質をコードすることが証明されている。mRNAレベルの発現もまた、胸腺で観察されている。H57−597抗体によるこの間質細胞表面TCR様抗原の同定は、野生型マウスからのMEFでさらに証明されたが、TCRβ-/-変異体マウスからのMEF(これは、Jint−Jβ2.6−C mRNAを発現しなかった)では観察されず、間葉細胞中のこのTCRタンパク質の存在の遺伝的支持を与えている。
我々はさらに、これらの新規末端切断型TCR変種が、間葉細胞増殖に機能的に関与していることを開示する。
【0023】
II.アンチセンス配列
以下に例示されるように、間葉性TCRの発現または発現の欠如は、間葉細胞増殖を調節するようである。従って本発明はさらに、間質/間葉細胞増殖を調節することを目的とする細胞および組織中の発現のために、間葉性TCR mRNAから誘導される本発明のcDNAとアンチセンス分子の使用に関する。
この目的のために、cDNAまたはアンチセンス分子は、例えば、特に限定されないが、臨床治験で遺伝子治療(Bordingnonら、1995)で使用されているようなレトロウイルスベクターDCAlおよびDCMmのような適切なベクター中に挿入される。好ましくは、適切なプロモーター(例えば、cDNA自体のプロモーター)の制御下にある、cDNAまたはアンチセンス分子を含有するベクターは、適当な哺乳動物、好ましくはヒト、最も好ましくは患者の自己間葉細胞を、感染またはトランスフェクトするのに使用されるであろう。次に、遺伝子修飾された間葉細胞は、適切な経路で必要な患者に投与され、所望の部位または組織で発現されるであろう。
【0024】
好ましくない遺伝子の発現を操作するためには、細胞中でアンチセンスRNAを産生することが必要である。このために、本発明に従って、好ましくない遺伝子の完全なまたは部分的なcDNAが、プロモーターを含む発現ベクター中に挿入される。こうして、cDNAの3’末端は、プロモーターの3’末端に隣接して挿入され、cDNAの5’末端は、該cDNAによりプロモーターの3’末端からは分離される。従って、細胞中でcDNAが発現されると、タンパク質をコードすることができないアンチセンスRNAが産生される。細胞中のアンチセンスRNAの存在は、好ましくない遺伝子の細胞(ゲノム)コピーの発現を低下させる。
【0025】
アンチセンスRNAの産生のために、完全なcDNAを使用してもよい。あるいは、その断片を使用してもよく、これは、好ましくは約9〜1,000ヌクレオチドの長さ、さらに好ましくは15〜500ヌクレオチド、および最も好ましくは30〜150ヌクレオチドの長さである。
断片は、好ましくはcDNAの5’半分内の領域、さらに好ましくは5’非翻訳領域および/または第1のエキソン領域、および最も好ましくはATG翻訳開始部位を含む、5’領域に対応する。あるいは、断片は、5’非翻訳領域のDNA配列にのみ対応してもよい。
【0026】
合成オリゴヌクレオチドを、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして使用してもよい。このオリゴヌクレオチドは、好ましくはDNAオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは9〜150ヌクレオチド、さらに好ましくは12〜60、および最も好ましくは15〜50ヌクレオチドである。そのコードするmRNAからの、本発明のタンパク質の産生を阻害する適当なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該分野で公知の「遺伝子歩行」法に類似の一連の重複オリゴヌクレオチドの使用により、ルーチンの実験を用いて容易に測定することができる。アンチセンス開発の当該分野で公知のそのような「歩行」法は、90〜150ヌクレオチドの長さのオーダーで、セグメント中のmRNAに相補的な配列の全長を歩行するための、合成オリゴヌクレオチドを用いて行うことができる。この「遺伝子歩行」法は、標的mRNA上のアクセス可能な領域に相補的であり阻害アンチセンス活性を示す、オリゴヌクレオチドを同定するであろう。
【0027】
あるいは、好ましくない遺伝子に結合できるタンパク質またはこれにコードされるタンパク質のコード配列に基づくオリゴヌクレオチドを、Oligo4.0(ナショナルバイオサイエンス(National Bioscience, Inc.))を使用して設計することができる。アンチセンス分子はまた、コード配列の5’末端のほぼ−10〜+10ヌクレオチドにまたがる領域で結合するアンチセンスを調製することにより、ポリペプチドへのmRNAの翻訳を阻害するように設計してもよい。
【0028】
所望の性質を増強するオリゴヌクレオチドの修飾は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する時に、一般的に使用される。例えば、主にホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、細胞の酵素による分解を受けにくいため、DNA中に天然に存在するホスホエステル結合の代わりにホスホロチオエート結合が使用される。好ましくは、オリゴヌクレオチドの60%で2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドで観察される効果に匹敵するアンチセンス効果を誘発することができる。
【0029】
従って、本発明の好適なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、混合ホスホジエステル−ホスホロチオエート骨格を有する。好ましくは、約30%〜80%、さらに好ましくは約60%のオリゴヌクレオチド中で、2’−メトキシリボヌクレオチド修飾が使用される。
本発明の実施において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスRNAを使用してもよい。アンチセンスRNAの長さは、好ましくは約9〜約3,000ヌクレオチド、さらに好ましくは約20〜約1,000ヌクレオチド、最も好ましくは約50〜約500ヌクレオチドである。
【0030】
有効であるためには、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、細胞膜を移動できなければならない。一般にアンチセンスオリゴヌクレオチドは、おそらく特異的受容体を介する取り込みにより、細胞膜を通過する能力を有する。アンチセンスオリゴヌクレオチドが1本鎖分子であるため、これらはある程度疎水性であり、膜を介する受動的拡散を増強する。アンチセンスオリゴヌクレオチドに修飾を導入して、膜を通過する能力を改良してもよい。例えば、オリゴヌクレオチド分子を、部分的に不飽和の脂肪族炭化水素鎖および1つ以上の極性もしくは荷電基(例えば、カルボン酸基、エステル基、およびアルコール基)を含む基に結合してもよい。あるいは、オリゴヌクレオチドは、好ましくは膜向性のペプチドであるペプチド構造に結合してもよい。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、より容易に膜を貫通し、これはその機能にとって決定的に重要であり、従って、その活性を実質的に増強させる。
【0031】
III.タンパク質、ペプチドおよびDNAの細胞への導入
本発明は、末端切断型TCR遺伝子によりコードされるタンパク質、そこから誘導されるペプチド、およびTCR転写体に基づくアンチセンスDNA分子を提供する。これらの手段の治療的または研究関連の使用は、これらを、生きた生物の細胞または培養細胞中に導入することを必要とする。このために、ペプチド、タンパク質、およびアンチセンス分子の膜透過性を改良することが好ましい。膜透過性が向上したペプチドやタンパク質を作成するのに、同じ原理(すなわち、親油性構造体による誘導体化)も使用される。例えば、既知の膜向性ペプチドの配列を、ペプチドまたはタンパク質の配列に付加してもよい。さらにペプチドまたはタンパク質は、少なくとも1つの極性基または荷電基で置換した、上記の炭化水素鎖のような部分的に親油性の構造体で、誘導体化してもよい。例えば、ペプチドのラウロイル誘導体が、当該分野で記載されている。ペプチドおよびタンパク質のさらなる修飾には、スルホキシド基および誘導体を作成するためのメチオニン残基の酸化があり、ここで比較的疎水性のペプチド結合は、ケトメチレンイソエステル(COCH2)により置換される。これらおよび他の修飾が膜透過性を向上させることは、タンパク質およびペプチド化学の当業者には公知である。
【0032】
膜透過性を向上させる別の方法は、細胞表面上の受容体(例えば、ウイルス受容体)を使用して、ペプチドまたはタンパク質の細胞取り込みを誘導することである。この機構は、ウイルスによりしばしば利用され、これはいくつかの細胞表面分子に特異的に結合する。結合すると、細胞はウイルスをその内部に取り込む。細胞表面分子は、ウイルス受容体と呼ばれる。例えば、インテグリン分子CARとAdVは、アデノウイルスのウイルス受容体として記載されている。CD4、GPR1、GPR15、およびSTRL33分子は、HIVの受容体/共受容体として同定されている。
【0033】
細胞表面受容体に結合することが知られている分子にペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドを結合させることにより、該ペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性が向上する。結合体を形成するための適当な基の例には、糖、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質などの分子がある。Lowら、米国特許第5,108,921号は、ペプチド、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの膜透過性、および該結合体の調製を向上させるためのこれらの分子の使用を記載する。
【0034】
Lowと共同研究者は、葉酸やビオチンのような分子の受容体の豊富で非特異的な発現のために、生物中の多数の細胞に結合体を標的化するのに、これらの分子が使用されることをさらに教示している。
本発明のペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性を向上させるための細胞表面タンパク質の上記使用はまた、本発明のペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドを、いくつかの型の細胞または組織に標的化するのに使用される。例えば、神経細胞を標的化したいなら、これらの細胞の表面により豊富に発現される細胞表面タンパク質を使用することが好ましい。
【0035】
従って上記結合法を使用して、本発明のタンパク質、ペプチド、またはオリゴヌクレオチドを、間葉細胞に標的化してもよい。例えば、自己もしくは同種骨髄移植または創傷治癒を増強するために間葉細胞増殖を増強することが好ましいなら、TCR変種遺伝子を、遺伝子治療の形で、間葉細胞中に挿入してもよい。この実施態様において、cDNA分子を含有する細胞の局所的移植を使用して、間葉細胞増殖を誘導し、こうして創傷治癒過程を増強することができる。
【0036】
これに対して、腫瘍の場合のように、間葉細胞増殖を阻害したいなら、腫瘍間葉の退縮と以後の腫瘍の退縮を達成するために、腫瘍の間葉細胞をアンチセンスcDNAでトランスフェクトすることができ、次に局在化固形腫瘍の治療に使用することができる。
本発明のmRNAによりコードされるタンパク質は、間葉細胞の細胞表面受容体であり、おそらく隣接する造血または非造血細胞により提示されるリガンドと相互作用するであろう。すなわち、結合型または可溶性型で、そこから誘導されるこれらのタンパク質またはペプチドは、該リガンドを有する細胞への調節作用を有してもよい。
【0037】
IV.抗体
本発明はまた、上記の本発明の一部である末端切断型TCR転写体によりコードされるタンパク質に特異的な抗体を包含する。本発明のタンパク質とペプチドは、間葉細胞のマーカーとして使用される抗体産生のための免疫原として使用される。そのような抗体は、そのような天然に存在するタンパク質の存在を同定するための診断目的に使用される。そのような抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でも、またはそのようなタンパク質に特異的なモノクローナル抗体の抗原結合部分を取り込む他の分子でもよい。そのような他の分子は、1本鎖抗体、ヒト化抗体、F(ab)もしくはF(ab')2断片、キメラ抗体、標識物(蛍光または放射活性標識物、または、毒性分子が抗体の抗原結合部分に結合した免疫毒素)が結合した抗体でもよい。この例は、非限定性である。しかし、そのような分子が抗体の抗原結合部分を含む限り、これはタンパク質に結合すると予測され、従って、モノクローナル抗体が使用されるものと同じ診断目的に使用することができる。
【0038】
V.医薬組成物
これらの組成物は、注射、局所投与、または経口摂取により使用される。注射による本発明の医薬組成物の好適な使用は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射である。あまり便利でない投与経路には、腹腔内、硬膜内、クモ膜下投与または必要であれば動脈内投与がある。
本発明の医薬組成物は、一般に緩衝物質(その浸透圧を調整する物質)、および場合により1つ以上の担体、賦形剤および/または当該分野で公知の添加物を、例えば、医薬組成物に香り、色、潤滑性などを付加するために、含む。
担体は当該分野で公知であり、デンプンとその誘導体、セルロースとその誘導体(例えば、微結晶セルロース、キサンタンガムなど)がある。滑沢剤は、水素化ヒマシ油などを含んでよい。
【0039】
好適な緩衝物質は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)であり、この溶液もまた、浸透圧について調整される。
好適な医薬組成物は、担体が欠如したものである。そのような製剤は、注射(静脈内注射を含む)により投与するのに使用することが好ましい。
医薬組成物の調製は、当該分野で公知であり、多くの文献や教科書に記載されている。
【0040】
細胞膜を通過するアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを増強するために、添加物が選択される。そのような物質は一般に、2本鎖DNA分子の細胞取り込みを増強する物質である。例えば、この目的のために、トランスフェクション試薬DOTAP(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim))、リポフェクチン、リポフェクタム、およびトランスフェクタム(これらは市販されている)を含むいくつかの脂質分子が開発されている。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、リポソーム内に封入することができる。
リポソーム(例えば、上記のトランスフェクション試薬の使用)の調製と使用は当該分野で公知である。リポソームを得るための他の方法には、センダイウイルスおよび他のウイルスがある。
上記の陽イオン性または非イオン性脂質物質は、オリゴヌクレオチドの細胞内への取り込みを増強するのに機能し、しかし細胞により取り込まれたオリゴヌクレオチドの安定性も改良する。
本発明を一般的に記載したが、これは、以下の例を参照することにより、さらに容易に理解され、これは例示のためのみであり、本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
(実施例)
ヒト細胞培養物
293T細胞株を、10%胎児牛血清(FCS)、20mM L−グルタミン、60μg/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および50mg/lカナマイシンを補足したダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)(ベスヘメック(Beth Haemek)、イスラエル)中で増殖させた。羊水細胞を、AMF培地(バイオロジカルインダストリーズ(Biological industries)、ベイトヘメック(Beit Haemek)、イスラエル)中で増殖させた。
【0042】
GFP−TCR J2.3−Cβ発現ベクター
ヒトTCR J2.3−CβのcDNAを、センスプライマー5’CCGGAATTCCATGGGGCTCTCAGCGGTGGとアンチセンスプライマー5’CGCGGATCCCTAGCCTCTGGAATCCTTTCTCを使用して、羊水細胞と臍帯血単核細胞のcDNAから増幅し、EcoRIとBamHIで消化しウシ小腸アルカリホスファターゼ処理したpEGFPC1(クロンテク(Clontech)、パロアルト(Palo Alto)、カリホルニア州)に結合させた。GFP−TCR J2.3−CβのDNA配列解析は、目的の読みとり枠を確認した。N末端からC末端に進むと、得られる融合タンパク質は、GFP、10アミノ酸のリンカー配列、およびTCR J2.3−Cβからなる。
【0043】
トランスフェクション
293T細胞を、70%のコンフルエンスで6ウェルプレートに蒔き、リン酸カルシウムトランスフェクション法を使用して、1.6μgのGFP−TCR J2.3−Cβでトランスフェクトした。
【0044】
ウェスタンブロット解析と蛍光分析
免疫ブロッティング分析のために、トランスフェクションの24時間後、5×105293T細胞を、1%トリトン、140mM NaCl、10%グリセロール、1mM EGTA、1.5mM MgCl2、および1mMバナジウム酸ナトリウムを含有するトリス(pH8)20mM中で、氷上で溶解させた。細胞溶解物を、15,000gで10分、4℃で遠心分離して清澄化し、SDS試料緩衝液(5%グリセロール、2% SDS、62.5mMトリス塩酸(pH6.8)、2% 2−メルカプトエタノール、0.01%ブロモフェノールブルー)を添加した後沸騰させた。
抽出物を12%SDS−PAGEにかけ、ブロットし、抗GFPモノクローナル抗体JL−8(クロンテク(Clontech)、パロアルト(Palo Alto)、カリホルニア州)とプローブ結合させ、第2抗体ヤギ抗マウスHRP(シグマ(Sigma))を使用して視覚化した。ECL試薬とインキュベートして化学発光シグナルを発生させ、ゲルをX線フィルムに露光させた。
【0045】
細胞株と培養物
本明細書の実施例に記載のいくつかの細胞株は、本発明者らの実験室のものか、または他の供給源から得られた:間葉性MBA−13、MBA−15、14F1.1、NIH/3T3、AC−6、AC−11およびFBMD−1細胞;対照C2C12、1C8、MPC−11およびAB−8細胞;およびMC/9肥満細胞腫細胞。
細胞株を、標準的方法で、例えば10% FCS含有DMEMまたは7% FCS、2mM L−グルタミン、5×10-5M 2−メルカプトエタノールおよび1mMピルビン酸ナトリウム含有RPMI1640(ギブコ(Gibco))中で培養した。他の細胞株は、10% FCS含有DMEMおよびIL−3とIL−4含有D−9培地中、または20% FCS含有DMEM中で培養した。
【0046】
初代細胞培養物
(i)骨髄。1〜2週齢のメスC57BL/6マウスの大腿骨と脛骨から、マウス骨髄を得た。27ゲージ針の付いた1mlシリンジを使用して、骨髄腔を介して培地をフラッシュすることにより、骨髄細胞を無菌的に取り出した。1×107細胞/mlを20%FCS(バイオラブ(Bio Lab)、イスラエル)含有DMEMに接種し、37℃で5%CO2雰囲気中で4〜5日間培養した。プレートを洗浄し、新鮮な培地で覆った。3週間後、単層が形成された。細胞を、0.02%EDTA含有0.5%トリプシン(シグマ(Sigma)、セントルイス、ミズーリ州)を使用して1:10の分割比で、毎月継代した。
(ii)胎児繊維芽細胞:マウス胚をPBS溶液中で小片に切断し、0.5%トリプシンと0.02%EDTAで37℃で15分処理した。上清を採取し、再度トリプシンで30分処理した。得られた細胞懸濁物を、数回洗浄し、10%FCS含有DMEM中に最終濃度106細胞/mlで再懸濁し、37℃で5%CO2雰囲気中で4〜5日間培養した。繊維芽細胞単層が形成された時、これを5分間トリプシン処理し、細胞を洗浄し、前記したように再懸濁した。この細胞懸濁液(2×105細胞/ml)を、再度4〜5日間培養し、次に採取した。
(iii)胸腺と肝臓細胞を、6〜10週齢のBalb/cマウスから得た。
【0047】
増殖測定法
間質細胞を、96丸底ウェルプレート(ファルコン(Falcon)、カリホルニア州)に1×105細胞/mlで、37℃で10%CO2雰囲気で48時間培養した。サブコンフルエントな培養物に、関連する抗体を補足し、さらに48時間インキュベートした。次に細胞に、1μCi/ウェルの[3H]チミジン(ヌクレアリサーチセンター(Nuclear Research Center)、Negev、イスラエル)をパルスした。24時間後、細胞を採取し、トリチウム化チミジンの取り込みを調べた。簡単に説明すると、上清を吸引し、細胞単層を繰り返し洗浄して、過剰のチミジンを除去し、0.1N NaOH 0.2ml/ウェルで抽出した。0.1ml容量の細胞抽出物を、3mlのシンチレーション液/バイアル(クイックセーフ(Quicksafe)、A. Zinsser、ドイツ)に加え、液体シンチレーションアナライザー(1600TR、パッカード(Packard)、コネチカット州)で計測した。DNA合成を反映する[3H]チミジン取り込みを刺激指数として表し、実験試料の平均cpm と対照試料の平均cpm の比として計算した。未処理細胞または無関係の抗体で処理した細胞を、対照とした。
【0048】
抗体
以下のモノクローナル抗体(mAb)を実験で使用した:フルオレセインイソチオシアネート(FITC)−mAb抗CD3ε(クローン145−2C11);低アジド、エンドトキシン無しまたはFITC結合ハムスター抗マウスTCRγδ(クローンGL−3)。すべての抗体は、ファーミンゲン(PharMingen)(サンジエゴ、カリホルニア州)から購入した。ヤギ抗ヒトIgM(カレスタブ(Kalestab)、デンマーク)、FITC結合ヤギ抗マウス(シグマ(Sigma)、イスラエル)およびマウス抗ラットIgG(ジャクソンイムノリサーチラボズ(Jackson Immunoresearch Labs)、West Grove、ペンシルバニア州)を、対照抗体とした。抗TCRβ(クローンH57−597)と抗CD3ε(クローン145−2C11)のハイブリドーマ上清を、活性測定法に使用した。FITC結合ヤギ抗ハムスターIgGを、ジャクソンイムノリサーチラボズ(Jackson Immunoresearch Labs)から購入した。抗ウサギFITC Fab断片を第2抗体として使用して、ウサギポリクローナル抗ペプチド1121および抗Jβ2.6[配列番号37]ペプチド抗体による染色を検出した。
【0049】
フローサイトメトリー
細胞を、Ca+2とMg+2を含まない0.02%アジ化ナトリウム含有PBSで洗浄し、FITC結合抗マウス抗CD3ε(クローン145−2C11)またはFITC結合TCRβ(クローンH57−597)または抗Jβ2.6[配列番号37]ペプチド抗体と、4℃で30分間インキュベートした。抗Jβ2.6[配列番号37]ペプチド抗体の第2抗体として、FITC結合ロバ抗ウサギIgGを使用した(ジャクソンイムノリサーチラボズ(Jackson Immunoresearch Labs))。細胞内染色のために、細胞を固定し、TCRβによりCytopermキット(セロテック(Serotec)、英国)を使用して染色した。すべての実験で、イソタイプ一致対照免疫グロブリンで染色した細胞を、表面染色および細胞内染色の陰性対照として調製した。PBSで洗浄後、FACScan(ベクトンディッキンソン(Becton Dickinson))を用いて対数強度スケールで、細胞の蛍光を分析した。多くの場合に、5×103細胞を、LysisIIソフトウェア(ベクトンディッキンソン(Becton Dickinson))を使用してスコアを付けた。
【0050】
免疫蛍光
間質細胞を、105細胞/mlでチャンバースライド(ラボテック(Labtec)スライド;ヌンク(Nunc)、アメリカ合衆国)に接種し、10%CO2の加湿雰囲気中で37℃で24時間インキュベートした。スライドをPBS(Ca+2とMg+2を含まない)で洗浄し、固定しなかったかまたはPBS中3.7%パラホルムアルデヒドで20分間固定し、固定溶液中の0.5%トリトンX−100で2分間透過性にした。細胞をPBSで5分間洗浄し、正常ヒツジ血清で45分間ブロックし、次に、関連抗体で30分間染色した。インキュベーション後、細胞をPBSで洗浄し、蛍光第2抗体で30分間染色し、洗浄し、PBS中50%グリセロールで包埋し、カバーガラスのせ、密封した。ツァイス(Zeiss)蛍光顕微鏡(ツァイス(Zeiss)、Oberkochen、ドイツ)を使用して観察した。
【0051】
RNA単離とノーザンブロッティング
総RNAをTri-Reagent(モレキュラーリサーチセンター(Molecular Research Center)、シンシナチ、オハイオ州)で抽出した。ノーザンブロッティングのために、オリゴdT磁性カラム(プロメガ(Promega)、マジソン、ウィスコンシン州)を使用して、ポリA+mRNAを得た。5〜30μgのmRNAをノーザンブロットし、標準的方法を使用して以下の領域についてプローブと結合させた:TCR Cβ、TCR CαおよびCD3ε。プローブをランダムプライミング(Prime-a-Gene、プロメガ(Promega)、マジソン、ウィスコンシン州)により[32P]−dCTPで標識し、42℃で50%脱イオン化ホルムアミド、2×デンハルツ溶液、0.1%SDS、5×SSCE、100mg/ml沸騰サケ精子DNAでプレハイブリダイズさせた。同じ条件で1×106cpm/ml標識プローブでハイブリダイゼーションを行った。フィルターを、1×SSC、0.1%SDSで42℃で30分間洗浄し、次に0.1×SSC、0.1%SDSで55℃で30分間洗浄した。
【0052】
PCR分析
精製した総RNAをMMLV逆転写酵素の存在下で60分間インキュベートして、cDNAに逆転写した。CD3ε用に使用したプライマー対は以下の通りである:センスプライマー、5’−TGCCCTCTAGACAGTGACG−3’およびアンチセンスプライマー5’−CTTCCGGTTCCGGTTCGGA−3’。使用したTCR由来プライマー対は以下の通りである:
Cβ5:1’−ATGTGACTCCACCCAAGGTCTCCTTGTTTG−3’;
Cβ5:2’−AAGGCTACCCTCGTGTGCTTGGCCAGGGGC−3’;
Cβ5:3’−CATCCTATCATCAGGGGGTTCTGTCTGCAA−3’;
Cβ5:5’−CATCCTATCATCAGGGGGTTCTGTCTGCAA−3’;
Cβ5:6’−TTCAGAGTCAAGGTGTCAACGAGGAAGG−3’;
Cα1:5’−AAGATCCTCGGTCTCAGGACAGCACC−3’;
Cα2:5’−ACTGTGCTGGACATGAAAGCTATGGATTCC−3’;または
Tm:5’−GATTTAACCTGCTCATGACG−3’。
PCRのために、各サイクルについて以下の条件を使用して30サイクルの増幅を行った:94℃で5分変性、58℃で2分アニーリング、および72℃で2分伸長。
【0053】
5’末端と3’末端の迅速増幅(RACE)
Marathon cDNA増幅キット(クロンテク(Clontech)、パロアルト(Palo Alto)、カリホルニア州)を使用して、MBA−13細胞のTCR Cβ鎖のクローニングについて、5’および3’RACEを行った。製造業者の説明書に従ってMBA−13 mRNAからアダプター結合cDNAを調製した。Hotstart-Touchdoen PCRを以下のように行った:94℃で5分(×1サイクル)、94℃で1分と74℃で3分(×5サイクル)、94℃で1分(×10サイクル)と70℃で3分(×15サイクル)、94℃で1分と68℃で3分(×10サイクル)。特異的プライマーを使用して、キットのアダプタープライマーと対合させた。RACE産物を、pGEM−Tプラスミド(プロメガ(Promega))中にクローン化し、大腸菌(E. coli)JM109細胞(プロメガ(Promega))中にトランスフェクトした。DNAを精製し、自動DNAシーケンサー(アプライドバイオシステムズ(Applided Biosystems)373A、ニューイングランドヌクレア(New England Nuclear)、ボストン、マサチューセッツ州)を使用して配列決定した。
【0054】
統計
データは、平均±平均の標準誤差として示す。スチューデントt検定を行って有意性を調べた。
【実施例1】
【0055】
Jβ2.6ヌクレオチド配列
図1は、イントロンJ(Jint−Jβ2.6−C)によりフランクされたJβ2.6を示す間質/間葉細胞株からクローン化したcDNAのヌクレオチド配列を示す。
int−Jβ2.6−C mRNAは、入手できる文献(Irving、1998)によると、細胞表面上で発現されることができる推定タンパク質をコードする。従って我々は、以下のようにJβ2.6イントロンペプチド配列に基づく合成ペプチドLAEPRGFVCGVE[配列番号37]を用いて免疫して、ポリクローナルウサギ抗体を作成した。免疫のために、ペプチド配列番号37をKLHに結合させ、最初の免疫には完全フロイントアジュバントを使用し、追加免疫には不完全フロイントアジュバントを使用して2匹のニュージーランドウサギに注射した。免疫前に免疫前血清を採取し、追加免疫後に免疫血清を採取した。血清とペプチド配列番号37との反応をELISAにより試験した。血清をペプチド親和性カラムで精製した(0.1Mグリシン(pH2.5)で溶出し、PBSに透析した)。精製した抗ペプチド配列番号37抗体もまた、ELISAにより試験した。
【実施例2】
【0056】
intJ−Cβ2表面タンパク質発現とmRNA転写のサイトメトリック分析
免疫化ペプチド配列番号37のカラムを使用して、免疫したウサギ血清を処理した。次に、抗体を種々の型の細胞(図2に示すMBA−13細胞、株1、2および3、マウス胚繊維芽細胞(MEF)、および胸腺細胞)を認識する能力について試験した。FACS分析から明らかなように胸腺細胞は染色されなかった(図2F)が、MBA−13間葉細胞の2つの株は、ポリクローナル抗体による顕著な細胞表面の染色を示した(図2A、2B)。一方、MBA−13細胞株の1つのクローンは陰性であった(図2C)。目立ったことは、我々は、Jint−Jβ2.6−C mRNA(図3)の発現および抗血清の反応性と間質細胞との間に相関を見いだしたことである。すなわち、Jint−Jβ2.6−C mRNAを発現した2つの細胞の株は、抗体とも反応したが、Jint−Jβ2.6−C mRNAを示さなかった株の1つは、イントロンペプチド[配列番号37]に対する抗体を使用するフローサイトメトリー分析で、何のシグナルも示さなかった(図2C、クローン3)。
【0057】
抗血清が細胞を染色する能力を低下させた可溶性免疫ペプチドを用いる競合測定法を使用して、抗血清による抗体の検出の特異性をさらに証明した(図2D)。これは、MBA−13細胞の表面上にJint−Jβ2.6−Cタンパク質が存在することを強く支持する。mRNAレベルで胸腺細胞がJint−Jβ2.6−Cを発現するが、抗体とは反応しないことが顕著である(図2Fと3)。実際、ほとんどの胸腺細胞が生産的にTCRβを再配列させ、他の転写体の発現の抑制が起きるため、これは予測すべきである。一方、リコンビナーゼが欠如した間葉細胞では、TCRβ分子は形成されず、これは、Jint−Jβ2.6−Cタンパク質の発現を可能にする。
【0058】
上記知見は、我々の実験室で得られた永久細胞株(MBA−13)を使用して得られた。我々はさらに、1次間葉細胞がまた、Jint−Jβ2.6−C mRNAを発現するかどうかを見つけようとした。図2Eと図3に示すように、マウス胚からの1次繊維芽細胞は、タンパク質とmRNAレベルでこの遺伝子を明らかに発現する。
【実施例3】
【0059】
マウスとヒト末端切断型TCRαβ配列
データベース調査は、既知の7つのJβの中で、Jβ2.1もJint−Jβ2.6−Cのような分子をコードできることを示した。実際、適切なプライマーを使用するPCR分析は、MBA−13細胞株中にこのmRNAを検出した。47個の可能なJαのうち9個は理論的に、フレーム内メチオニンコドンを有するイントロンJの組成物を有する。これらの配列は図4に示し、以下の通りである:JαTA31、JαTA46、JαNew05、JαS58、JαNew06、JαNew08、JαLB2A、JαDK1およびJαTA39。予備PCR分析は、α鎖のこれらの変種の少なくとも一部が存在することを示す。さらに、エキソンコード領域内からのメチオニンにより開始される3つの可能なJα分子がある(データは示していない)。
以下は、本発明のヒト配列である。この例では、読みとり枠を開始するメチオニンを太い斜体で示し、Jセグメントの上流のイントロン配列から翻訳されるアミノ酸を斜体で示し、Jセグメントはまた太字で示し、3つの点は、C1セグメントの開始を示す(図5)。
【実施例4】
【0060】
MBA−13細胞株のサブクローニング
本発明において、非クローン化間質/間葉マウスMBA−13細胞株を、mRNAレベルと抗原タンパク質レベルで、目的の分子(すなわち、Jint−Jβ2.6−Cタンパク質とmRNA)を発現するかまたはしないサブクローンに分けた。従って我々は、MBA−13を単一細胞クローン化し、標準的方法により8つの異なるクローン集団を得た。これらのうち4つがJint−Jβ2.6−Cタンパク質(M−TCR+ クローンC4、D10、B10、B1)を発現し、4つが陰性であった(M−TCR- クローンE4、C6、G1、B7)。
図6は、Jint−Jβ2.6−Cが陽性のすべての細胞が、集団世代時間(倍加時間)が15時間またはそれ以下であり、これは新生物細胞にとっては非常に速いと考えられる。一方、陰性クローンは種々の結果を示したが、すべてが増殖がはるかに遅く、2つのクローンは非常に遅い増殖速度で、倍加時間が36〜38時間であった。従って目的の遺伝子の発現が、速い増殖速度と相関し、発現の欠如が増殖の遅延をもたらすことが示唆される。これらの結果は、TCRβ定常領域に対する抗体が間葉細胞の増殖を妨害することを示す予備データにより支持される。
【実施例5】
【0061】
TCR発現のRT−PCR分析
T細胞研究から、TCRβが機能性受容体として機能し、これが発現される細胞のアポトーシスを引き起こすことが、当該分野で知られている。しかし、pTαがTCRβと同時発現される時、pTαはTCRβの機能を強化する。我々のシステムでこれをチェックするために、我々は、間葉細胞中のpTαの発現を調べた。実際、RT−PCRで判定すると、pTαはMBA−13細胞株により発現される。従って、これらの間葉細胞は、pTαと実験的に末端切断したTCR(Irving, 1998)を含有する報告されているTCR複合体に、構造的に関連するpTα/Jint−Jβ2.6−C複合体を発現するようである。後者の複合体は、細胞内シグナル伝達に充分であることが証明されており、MBA−13中の複合体は、シグナル伝達に有効である可能性があることを示唆している。
【0062】
TCRの発現の研究を、本発明者らの実験室で得られるかまたは他の実験で得られる種々の間質細胞株、ならびに骨髄からの1次間質細胞およびマウス胚からの1次間葉細胞に拡大した。特定の間質細胞クローン(しかし、試験したすべてのクローンではない)が、TCRβを発現した。同様に、TCRαは、特定の間質細胞クローン中に見いだされ、例えばMBA−13間質細胞株は、CβとCαの両方を発現したが、MBA−15間質細胞株はCβを発現せず、しかしCαは陽性であった(図7A〜7C)。同様のTCR増幅したPCR産物が、培養初代胚繊維芽細胞中で観察され(図7A〜7C)、TCRの発現が、インビトロで継代した間質細胞株の奇異性質ではないことを示している。むしろ、TCR遺伝子発現は、PCR増幅により判断すると、1次間葉およびこれを起源とするインビトロ継代細胞に共通であった。実際、インビトロで接種し継代して混入造血細胞を除去した骨髄間葉細胞はまた、PCR分析で予測されるサイズのTCRαβ断片を示した。TCR遺伝子発現は、B細胞、肥満細胞、および肝細胞中で見いだされなかった(図7A〜7B)。
【実施例6】
【0063】
TCRCβ、TCRCα、およびCD3εのmRNA発現
図8A〜8Bに示すように、TCRαβ mRNAが、MBA−13間質細胞株と1次胎児および骨髄繊維芽細胞培養物中にも検出された。TCRα転写体のサイズは、胸腺T細胞中のものに対応したが、胸腺中で検出された1.0kbと1.3kbと比較して、TCRβプローブにより検出されたmRNAのサイズは、約1.1kbであった。この短いmRNA変種が、種々の間質細胞株中ならびに1次間葉細胞中で一貫して見つかったことは重要である。1.0kbのmRNA種は、骨髄由来の未成熟前駆体T細胞中で報告されている。間葉性1.1kb mRNA種と初期骨髄胸腺細胞中に存在するものとの関係は、まだ不明である。
従って上記データは、間葉性起源の細胞がmRNAレベルでTCR受容体複合体を発現することを示す。TCRαβ mRNAの発現以外に、CD3ε(これは、機能的TCR複合体の必須成分である)の発現が観察された(図8D)。PCR増幅産物とノーザンブロッティングにより検出されるmRNAのサイズの両方は、対照T細胞由来cDNA中で検出されるサイズとわずかに異なっていた。
【実施例7】
【0064】
MBA−13細胞によるCD3ε、TCRαβおよびTCRγδ抗原発現のサイトメトリック分析
TCRαβ定常領域に対する抗体を使用する間質細胞のフローサイトメトリー分析は、MBA−13細胞集団の34%が、低強度蛍光で染色されたことを示した(図9)。これらの間質細胞は、TCRγδに対する抗体とプローブ結合させると陰性であった。TCRαβ mRNAを示さなかった細胞株では、TCRαβが観察されなかったことは重要である。これらのデータは、Jβ2.6のイントロン配列に対する抗体を使用する上記結果を支持する。
【実施例8】
【0065】
抗TCRβ抗体と反応性の間葉細胞表面抗原のサイトメトリック分析
さらに、間葉細胞中で転写されたTCRβからのPCR産物の配列決定データは、TCRβがT細胞中に存在するような完全なC領域を含有することを確認した。間葉細胞がTCRタンパク質を発現するかどうかを試験するために、我々は、C領域を同定するH57−597モノクローナル抗体を使用した。この抗体を使用するMEFのフローサイトメトリー分析は、野生型マウスからのMEF細胞が明らかに陽性であり、細胞表面でこの抗原を発現することを示した(図10)。これに対して、TCRβ mRNAを発現しないTCRβ-/-突然変異マウスからのMEFでは同様の抗原は観察されず、間葉細胞中のこのTCRタンパク質の存在に対する遺伝的支持を提供している。
【実施例9】
【0066】
ヒトTCR GFP−TCR Jβ2.3−Cβ
ヒトの系からのさらなる支持は、臍帯血単核細胞および羊水細胞のcDNAからのヒトTCR Jβ2.3−Cβ転写体のクローニングから得られる(図11)。クローン化した転写体を配列決定すると同一であることがわかった。配列の上の線は各セグメントの境界を示す。予測されるタンパク質産物を、配列の下に示す。太字は、両方のクローンで見つかったAからDへの移行を示す。
【実施例10】
【0067】
GFP−TCR Jβ2.3−Cβと組換え間葉性TCRβ(GFP−Jint−Jβ2.6−C)の発現
上記で得られた結果の拡張として、293Tトランスフェクション細胞中の融合タンパク質GFP−TCR Jβ2.3−Cβの発現を、ウェスタンブロット解析により調べた。各レーンに、5×105細胞をのせた。GFP−TCR Jβ2.3−Cβは、抗GFPモノクローナル抗体JL−8を用いて検出された(図12)。
【0068】
次に我々は、Jint−Jβ2.6−Cβの過剰発現の結果を調べた。N末端が緑色蛍光タンパク質(GFP)に結合したJint−Jβ2.6−Cの融合タンパク質をコードするcDNA構築体を、pTαとともに、293T細胞中にトランスフェクトした(図13)。こうして、細胞膜に結合していると思われる繊細な点で、組換えJint−Jβ2.6−Cβの過剰発現が起きた(図13A)。GFP−Jint−Jβ2.6−Cβ単独によるトランスフェクションは、同様の点の発現パターンを産生するのに不充分であり、タンパク質の発現は少なかった(レーン1とレーン4を比較されたい、図13B)(しかし、異なる条件下で行ったさらなる実験は、自体がトランスフェクトされる時Jint−Jβ2.6−Cβの過剰発現が得られことを証明した)。MBA−13間葉細胞株で同様の結果が得られたが、トランスフェクション効率ははるかに低かった(データは示していない)。これらの結果は、TCRβの細胞表面局在化は、プレT細胞中のpTαとの複合体形成に依存するという事実に一致する。GFP−Jint−Jβ2.6−CβとpTαとともに同時トランスフェクトした細胞のフローサイトメトリー分析は、59%の集団のサブG1への劇的なシフトを示し、大規模なアポトーシスを示している(図3C-II)。これは、細胞シグナル細胞運命中のこのタンパク質の相対的とその発現の正しいタイミングを示す。これらの実験は、pTαとJint−Jβ2.6−Cβが最小の機能性受容体複合体を形成するが、間葉性のプレT細胞様受容体の他の可能な成分を決定するのにさらに研究が必要である。
【実施例11】
【0069】
MBA−13サブクローンの腫瘍形成
最後に我々は、間葉細胞によるTCR発現とその生物学的機能との関連の可能性を調べた。上記したように、MBA−13細胞株を、限界希釈により単一クローン化し、各クローンを、TCRβ mRNAの発現について調べた。高発現クローン(D10、B10、およびC4)もまたインビボで発癌性があることが観察された(図14)。これらの間質細胞クローンをヌードCD1受容体マウスに皮内注射すると、増殖の速いクローン(D10、B10、およびC4)でのみ数週間以内に腫瘍形成を引き起こした。マウスに注射した増殖の遅いクローン(C6とB7)は、腫瘍形成の頻度は低く、接種後1ヶ月であった。
【実施例12】
【0070】
インビボ有用性
本発明の医薬組成物は、間葉性増殖の調節が関与する疾患の治療に使用することができる。疾患の治療とは、疾患または疾患に関連する症状の予防もしくは改善、または疾患もしくは疾患に関連する症状の意義の悪化を最小にすることを意味する。治療すべき疾患および症状には、間葉性増殖を阻害することが好ましい症状であり、以下を含む:癌、特に任意の臓器(特に骨髄)への転移の場合、任意の臓器(特に骨髄)の非悪性増殖性疾患、血液疾患(例えば、貧血白血病)および任意の臓器(特に骨髄)が関与する自己免疫疾患を引き起こす骨髄欠陥。
さらに、本発明は、間葉性増殖を増強することが好ましい症状(自己または同種骨髄移植、創傷治癒、および自己または同種臓器移植を含む)の治療に使用することができる。
本発明の医薬組成物の最適な投与は、治療される障害、疾患または症状の型に依存することは理解されるであろう。すなわち、急性イベントの治療は、障害の誘導後に比較的速やかに、活性組成物の全身性投与を必要とするであろう。一方、慢性の変性疾患の減少は、持続的投与法を必要とするであろう。
【0071】
本発明を詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、および過度の実験をすることなく、広範な同等のパラメータ、濃度、および条件内で、本発明を行うことができることは、当業者により理解されるであろう。
本発明を具体例に関連して説明してきたが、さらなる修飾が可能であることは理解されるであろう。本出願は、一般に本発明の原理に従い、本発明の任意の変更、使用、または適用を包含するものであり、本発明が関係する分野内で公知のまたは一般的な慣習にあるような、および請求の範囲に記載の基本的な特徴に応用されるような、本開示からの逸脱を含むものである。
公知の方法の工程、従来法の工程、公知の方法または従来法への言及は、関連分野において本発明の態様、記載または実施態様が、開示、教示または示唆されていることを、決して認めるものではない。
具体例の前記記載は、本発明の一般的性質を完全に開示するものであり、従って、当該分野の技術知識(本明細書に引用された文献の内容を含む)を応用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の一般的概念から逸脱することなく、かかる具体例の種々の応用を容易に修飾および/または改変できるであろう。従って、本明細書に記載の教示と指針に基づき、かかる応用や修飾は、開示された実施態様の相当物の意味および範囲内にあると企図される。本明細書の表現または用語は、説明のためであって決して本発明を限定するものではなく、本明細書の用語または表現は、本明細書の教示と指針を考慮して、当業者の知識と組合せて理解すべきものである。
【0072】
文献
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【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】間質/間葉細胞株[配列番号38]MBA−13のJintJ−Cβ2mRNA転写体のヌクレオチド配列、およびこれにコードされる推定アミノ酸配列[配列番号39]を示す。cDNA産物は、TCRプライマーを使用して逆転写(RT)−PCR分析により得られ、配列決定された。
【図2】2A〜2Fは、間葉細胞によるJintJ−Cβ2発現のフローサイトメトリー分析を示す。マウス胚繊維芽細胞(MEF)(2E)と種々のMBA−13細胞株(1〜3;それぞれ2A〜2C)を、ウサギ血清からのプレ免疫(ヒストグラムI)または免疫(ヒストグラムII)精製抗体で染色した。ウサギは、配列番号2の合成セグメント、すなわち配列LAEPRGFVCGVEを有する配列番号37で免疫した。第2抗体として、我々は、FITC結合ロバ抗ウサギIgGを使用した。第2抗体により染色は、ヒストグラムIIIに示すヒストグラムのみを与えた。同様に産生し精製した、配列RGGGGGRGGLHDの無関係なペプチド1121に対するウサギポリクローナル抗体で染色した細胞を、陰性対照とした(ヒストグラムIV)。精製した免疫血清を、特異的免疫化ペプチド配列番号37と室温で30分プレインキュベートすることにより、抗体結合の競合を行った(2D、ヒストグラム)。3回行った実験のうちの1つの実験の結果を示す。
【図3】MBA−13間葉細胞株と胎児初代細胞培養物から得られた、JintJ−Cβ2と呼ぶフレーム内イントロンJ配列を含む新規TCRCβ2 cDNAのRT−PCR分析を示す。cDNAは、マウス胚繊維芽細胞と種々のMBA−13細胞株(1〜3)から抽出された総RNAから得られた。RT−PCRは、以下のセンス対を使用して行った: エキソンJβ2.6:5’−CTATGAACAGTACTTCGGTC−3’;または イントロンJβ2.6:5’−ATGGGAGAATACCTCGCTGー3’;または5−CCCTAAATGGGAGAATACC;および アンチセンスプライマーCβ3:5’−CATCCTATCATCAGGGGGTTCTGTCTGCAA−3’。それぞれ465bpと524bpの生成物が産生された。
【図4】利用可能なデータベースから集めた、フレーム内Metコドンを含むイントロン5’末端を含有するマウスTCRαβのすべて可能な変種の配列を示す:イントロンJβ配列Jβ2.1とJβ2.6、およびイントロンJα配列JαTA31、JαTA46、JαNew05、JαS58、JαNew06、JαNew08、JαLB2A、JαDK1およびJαTA39。
【図5】利用可能なデータベースから集めた、フレーム内Metコドンを含むイントロン5’末端を含有するヒトTCRαβのすべて可能な変種の配列を示す:イントロンJβ配列Jβ2.3、およびイントロンJα配列Jα2、Jα3、Jα6、Jα8、Jα9、Jα11、Jα13、Jα14、Jα24、Jα25、Jα31、Jα36、Jα40、Jα41、およびJα44。
【図6】MBA−13細胞株の種々のクローンの世代時間の測定を示す。M−TCR(TCRβ Jint−J2.6C )の発現について、8つの個々のクローンをPCRにより調べた。これらのうち、4つは陰性(M−TCR-クローンE4、C6、G1、B7)で、4つは陽性(M−TCR+クローンC4、D10、B10、B1)であった。細胞を異なる濃度(103、5×103および104/ml)で接種し、44〜46時間後に細胞増殖を測定した。集団世代時間を計算した。
【図7】7A〜7Cは、種々の細胞株と初代細胞培養物中のTCR発現のRT−PCR分析を示す。cDNAは、以後の材料と方法欄に記載するように、種々の型の細胞から抽出した総RNAから得られ、RT−PCRは、以下のプライマー対を使用して行った:TCRCβ2のCβ1とCβ2プライマーは、410bpの生成物を与えた(図7A);TCRCαのCα1とTmまたはCα1とCα2は、それぞれ356bpまたは138bpの生成物を産生した(図7Bと7C)。
【図8】8A〜8Dは、TCRCβ(8A〜8B)、TCRCα(8C)、およびCD3ε(8D)mRNA転写体のmRNA発現を示す。間葉細胞(MBA−13、AC−6、NIH3T3、胸腺、およびMEF)、上皮細胞(1C8)、および内皮細胞−脂肪細胞(14F1.1)株からの、ポリA+mRNAを、以後の材料と方法欄に記載するように、ノーザンブロットし、以下のプローブとプローブ結合させた:TCRCβ、TCRCα、およびCD3ε。TCRCβ鎖について、胸腺RNAは、1.3kb(完全長)と1.0kb(末端切断型)転写体を示し、間葉性MBA−13、AC−6、およびMEF細胞は、1.1kbを示した(図8Aと8B)。TCRCα鎖について、胸腺RNAと非T細胞株は、1.6kbの転写体を示した(図8C)。CD3ε鎖について、胸腺RNAは1.l5kb転写体を示し、非T細胞は、わずかに大きいサイズの転写体を示した(図8D)。TCRCβのハイブリダイゼーションシグナルを、デンシトメータースキャニングにより定量すると、MBA−13のシグナル値は、胸腺細胞より60倍小さかった。
【図9】MBA−13細胞による、CD3ε、TCRαβおよびTCRγδ抗原発現のフローサイトメトリー分析を示す。MBA−13細胞を、FITC結合TCRαβ、CD3εで、およびPE結合TCRγδ(実線)で染色した。細胞内染色のために、Cytopermキットを使用して、細胞を固定し、FITC結合TCRαβで染色した。すべての実験で、イソタイプ一致FITC結合ラット抗マウスIgGで染色した細胞を、陰性対照として調製した(点線)。一回の実験の結果を示す。
【図10】抗TCRβ抗体に反応性の間葉細胞表面抗原の検出。FITC結合ハムスター抗マウスTCRβ H57−597モノクローナル抗体で染色した野生型(黒の実線)またはTCR-/-変異マウス(*** 灰色の実線)からのMEFのフローサイトメトリー分析。点線は、イソタイプ対照を示す。
【図11】臍帯血単核細胞と羊水細胞のcDNAからクローン化したヒトTCR Jβ2.3−Cβ。クローン化した転写体を配列決定すると、同一であった。配列の上の線は、各セグメントの境界を示す。予測されるタンパク質産物を、配列の下に示す。太字は、両方のクローンで見つかったAからGへの移行を示す。
【図12】293Tトランスフェクション細胞中のGFP−TCR Jβ2.3−Cβの発現。ウェスタンブロット解析。各レーンに、5×105個の細胞の溶解物をのせ、GFP−TCR Jβ2.3−Cβを、抗GFPモノクローナル抗体JL−8で検出した。
【図13】プレTCR様複合体中の組換え間葉性TCRβ(GFP−Jint−Jβ2.6−C)は、過剰発現するとアポトーシス性細胞死を引き起こす。(A)pTαHAベクターとともに、GFPに結合したJint−Jβ2.6−Cの融合タンパク質をコードするcDNA構築体でトランスフェクトした細胞の免疫蛍光分析。(B)HA−pTαとともに、GFP−Jint−Jβ2.6−Cでトランスフェクトした293T細胞からの抽出物のウェスタンブロット解析(レーン1)。対照GFPとHAベクター(レーン2)、GFPベクターとHA−pTα(レーン3)、HAベクターとGFP−Jint−Jβ2.6−C(レーン4)、および非トランスフェクション細胞(レーン5)。抗GFPモノクローナル抗体を用いて免疫ブロッティングを行った。融合タンパク質GFP−Jint−Jβ2.6−Cの位置(GFP−Jint)を、GFPを含まないタンパク質の位置(GFP)として示す。(C)記載のベクターでトランスフェクトした293T細胞の細胞サイクルフローサイトメトリー分析。GFP−Jint−Jβ2.6−CとpTαで処理したがトランスフェクトされないままであった(C−I)GFP陰性細胞の細胞サイクル分析は、代表的対照として機能する;空のベクターまたはGFP−Jint−Jβ2.6−CとpTαでトランスフェクトした後に、同様のパターンが観察された。
【図14】ヌードCD1マウス中に106細胞/部位で皮内注射した後に、高(D10、B10、C4)または低(C6、B7)TCRβ発現MBA−13クローンの腫瘍形成を調べた、MBA−13細胞株の個々のクローンの性質。

Claims (30)

  1. T細胞受容体(TCR)遺伝子の転写体を含む単離されたポリヌクレオチドであって、V領域配列が欠如しており、定常(C)ドメインと結合(J)領域配列と、フレーム内メチオニンコドンを含むJ領域配列の上流に5’イントロンJ配列とを含む上記ポリヌクレオチド。
  2. 遺伝子はTCRβ遺伝子である請求項1のポリヌクレオチド。
  3. 結合(J)領域配列は、Jβ2.1とJβ2.6から選択される請求項2のポリヌクレオチド。
  4. 結合(J)遺伝子配列はJβ2.1であり、フレーム内メチオニンコドンを含む該5’イントロンJ配列は、配列MENVSNPGSCIEEGEERGRILGSPFL[配列番号1]のペプチドをコードする請求項3のポリヌクレオチド。
  5. 結合(J)遺伝子配列はJβ2.6であり、フレーム内メチオニンコドンを含む該5’イントロンJ配列は、配列MGEYLAEPRGFVCGVEPLC[配列番号2]のペプチドをコードする請求項3のポリヌクレオチド。
  6. 配列番号1〜37のいずれか一つから選択されるペプチドをコードする5’イントロンJ配列を含む請求項1のポリヌクレオチド。
  7. 結合(J)遺伝子配列は、ペプチドMGLSAVGRTRAESGTAERAAPVFVLGLQAV[配列番号17]をコードするイントロンJβ2.3遺伝子配列である請求項2のポリヌクレオチド。
  8. 遺伝子はTCRα遺伝子である請求項1のポリヌクレオチド。
  9. 結合(J)遺伝子配列は、ヒトまたはマウスJα遺伝子から選択される請求項8のcDNA分子。
  10. フレーム内メチオニンコドンを含む5’イントロンJ配列は、以下よりなる群から選択される請求項9のcDNA分子:
    (i)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA31遺伝子配列:
    MAWH[配列番号3];
    (ii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA46遺伝子配列:
    MEAGWEVQHWVSDMECLTV[配列番号4];
    (iii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA46遺伝子配列:
    MECLTV[配列番号5];
    (iv)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew05遺伝子配列:
    MTV[配列番号6];
    (v)以下のペプチドをコードするイントロンJαS58遺伝子配列:
    MCGSEEVFVVESA[配列番号7];
    (vi)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
    MACYQMYFTGRKVDEPSELGSGL
    ELSYFHTGGSSQAVGLFIENMIST
    SHGHFQEMQFSIWSFTVLQISAPG
    SHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号8];
    (vii)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
    MYFTGRKVDEPSELGSGLELSYFH
    TGGSSQAVGLFIENMISTSHGHFQE
    MQFSIWSFTVLQISAPGSHLVPETE
    RAEGPGVFVEHDI[配列番号9];
    (viii)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
    MISTSHGHFQEMQFSIWSFTVLQIS
    APGSHLVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号10];
    (ix)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew06遺伝子配列:
    MQFSIWSFTVLQISAPGSH
    LVPETERAEGPGVFVEHDI[配列番号11];
    (x)以下のペプチドをコードするイントロンJαNew08遺伝子配列:
    MWWGLILSASVKFLQRKEILC[配列番号12];
    (xi)以下のペプチドをコードするイントロンJαLB2A遺伝子配列:
    MVGADLCKGGWHCV[配列番号13];
    (xii)以下のペプチドをコードするイントロンJαDK1遺伝子配列:
    MREPVKNLQGLVS[配列番号14];
    (xiii)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA39遺伝子配列:
    MEVYELRVTLMETGRERSHFVKTSL[配列番号15];および
    (xiv)以下のペプチドをコードするイントロンJαTA39遺伝子配列:
    METGRERSHFVKTSL[配列番号16]。
  11. フレーム内メチオニンコドンを含む5’イントロンJ配列は、以下よりなる群から選択される請求項8のcDNA分子:
    (i)以下のペプチドをコードするイントロンJα3遺伝子配列:
    MLLWDPSGFQQISIKKVISKTLPT[配列番号18];
    (ii)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
    MLPNTMGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号19];
    (iii)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
    MGQLVEGGHMKQVLSKAVLTV[配列番号20];
    (iv)以下のペプチドをコードするイントロンJα6遺伝子配列:
    MKQVLSKAVLTV[配列番号21];
    (v)以下のペプチドをコードするイントロンJα8遺伝子配列:
    MSEC[配列番号22];
    (vi)以下のペプチドをコードするイントロンJα9遺伝子配列:
    MAHFVAVQITV[配列番号23];
    (vii)以下のペプチドをコードするイントロンJα11遺伝子配列:
    MGICYS[配列番号24];
    (viii)以下のペプチドをコードするイントロンJα13遺伝子配列:
    MKRAGEGKSFCKGRHYSV[配列番号25];
    (ix)以下のペプチドをコードするイントロンJα14遺伝子配列:
    MLTTLIYYQGNSVIFVRQHSA[配列番号26];
    (x)以下のペプチドをコードするイントロンJα24遺伝子配列:
    MQLPHFVARLFPHEQFVFIQQLSSLGKPFCRGVCHSV[配列番号27];
    (xi)以下のペプチドをコードするイントロンJα31遺伝子配列:
    MGFSKGRKCCG[配列番号28];
    (xii)以下のペプチドをコードするイントロンJα36遺伝子配列:
    MKKIWLSRKVFLYWAETL[配列番号29];
    (xiii)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
    MGKVHVMPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号30];
    (xiv)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
    MPLLFMESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号31];
    (xv)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
    MESKAASINGNIMLVYVETHNTV[配列番号32];
    (xvi)以下のペプチドをコードするイントロンJα40遺伝子配列:
    MLVYVETHNTV[配列番号33];
    (xvii)以下のペプチドをコードするイントロンJα41遺伝子配列:
    MEEGSFIYTIKGPWMTHSLCDCCVIGFQTLALI
    GIIGEGTWWLLQGVFCLGRTHC[配列番号34];
    (xviii)以下のペプチドをコードするイントロンJα41遺伝子配列:
    MTHSLCDCCVIGFQTLALIGIIGEGTWWLLQGV
    FCLGRTHC[配列番号35];
    (xix)以下のペプチドをコードするイントロンJα44遺伝子配列:
    MESQATGFCYEASHSV[配列番号36]。
  12. 配列番号1〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチド。
  13. 配列番号1〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  14. 宿主は哺乳動物細胞である、請求項13のベクターを含む宿主細胞。
  15. 請求項14のトランスフェクトされた間葉ヒト細胞。
  16. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
  17. 配列番号38を含むポリヌクレオチド。
  18. 配列番号39を含むポリペプチド。
  19. TCRのイントロンJ配列から推定される合成ペプチド。
  20. 配列番号1〜16のいずれか一つよりなる群から選択される請求項19の合成ペプチド。
  21. 配列番号17〜36のいずれか一つよりなる群から選択される請求項19の合成ペプチド。
  22. 請求項19〜21のいずれか一項に記載のペプチドに対して作成した抗体。
  23. 請求項20のペプチドに対して作成した請求項22の抗体。
  24. 請求項21のペプチドに対して作成した請求項22の抗体。
  25. 間葉細胞のマーカーとしての請求項22〜24の抗体の使用。
  26. 間葉細胞のトランスフェクションのための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドの使用。
  27. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を、必要な被験体に、間葉細胞増殖を誘導するのに有効な量で投与する工程を含む、間葉細胞増殖を誘導する方法。
  28. 創傷治癒のための請求項27の方法。
  29. 請求項12のDNA分子を含むトランスフェクトされた間葉ヒト細胞を、必要な被験体に、間葉細胞増殖を抑制するのに有効な量で投与する工程を含む、間葉細胞増殖を抑制する方法。
  30. 癌の抑制のための請求項29の方法。
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