JP2004529606A - グリコシダーゼアッセイのための方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、酵素活性、特にグリコシダーゼ活性を測定するための組成物及び方法に関する。本発明の方法は、サンプル中におけるグリコシダーゼ活性の量を定量測定するためのアッセイを含む。また、本発明は、インビとロ及びインビボにおいて、転移プロセス及び炎症プロセスを診断する方法も提供する。更に、本発明は、グリコシダーゼ活性を引き起こす化合物を同定するための高処理アッセイのための組成物及び方法を提供する。

Description

【0001】
(関連出願)
本出願は、2000年9月15日に出願された仮出願第60/233,075号に対して優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本出願は、グリコシダーゼ活性を測定するための組成物及び方法に関する。更に、本発明は、転移性及び炎症性状態を測定するための組成物及び方法を提供する。更に、本発明は、グリコシダーゼ活性に影響を与える化合物を高処理アッセイするための組成物及び方法も提供する。
【0003】
(発明の背景)
プロテオグリカン(PG)は、広範な細胞の細胞表面上及び細胞外マトリックス中に存在する複合高分子である(1〜3)。それらは、細胞間の化学的情報伝達において大きな役割を担っていると考えられる。それらは、分泌された情報伝達分子をバインドし、その情報伝達分子の活性を増強又は抑制できる。また、プロテオグリカンは、タンパク質を固定化することによって、タンパク質の活性を立体的にブロックすることによって、遅延放出のためのレザバーを提供することによって、タンパク質が分解しないようにタンパク質を保護することによって、又は細胞表面受容体に対してより効果的に提示するためにタンパク質を変質させることによって、分泌されたタンパク質の活性をバインドし且つ調節することもできる。
【0004】
プロテオグリカンは、高分子量のポリアニオン性物質であり、ポリペプチド主鎖に共有結合された多くの異なるタイプのヘテロ多糖側鎖を含む。PGは、グリコサミノグリカン(GAG)という名称の長鎖カルボハイドレートが共有結合されているタンパク質のコアから成っている。GAGsは、その1つが常にアミノ糖である糖の繰り返しペアから成っている、線状で高度に荷電した多糖類である。以前は、これらのカルボハイドレート基は、ムコ多糖と呼ばれていたが、グルコサミン又はガラクトサミンの誘導体を含むことができるので、現在では、グリコサミノグリカンと呼ばれている。原則として、プロテオグリカンは、ほとんど無制限に不均一性である可能性がある。各GAGにおける二糖類の基本的な繰り返しパターンは、サルフェート基のパターンによって改質できる。
【0005】
PGにおいて見出されるGAGの3つの主なタイプは:1)ヒアルロナン(HA)、2)グリコサミノグリカン((ヘパラン硫酸(HS)、ヘパリン、及びケラタン硫酸(KS))、及び3)ガラクトサミノグリカン(コンドロイチン硫酸(CS)及びデルマタン硫酸(DS))である。ヘパラン硫酸線状多糖類の約25%は、N−アセチル化二糖単位[→4)α−D−GlcNpAc−(1→4)−β−D−GlcAp(1→]とN−硫酸化二糖類[→4)α−D−GlcNpS−(1→4)−β−D−GlcAp又はα−L−IdoAp(1→]との交互繰り返しから成っている。これらのポリマーは、→[4)α−D−GlcNpAc−(1→4)−β−D−GlcAp(1→]の繰り返し二糖配列を、四糖、グルクロノシル−ガラクトシル−ガラクトシル−キシロシルの結合領域を介して、コアタンパク質のセリン残基に結合させることによって形成する。次に、その分子を部分的にN−脱アセチル化し、次に新たに暴露されたアミノ基をN−硫酸化し、続いてD−GlcApをC−5で部分的にエピマー化してL−IdoApにし、そして最後にO−硫酸化する。O−サルフェートは、常に、N−サルフェート近くに見出され、それによりサルフェート残基のクラスター形成、化学組成物における不均一性及びヘパラン硫酸の電荷密度が増強される。典型的なHS鎖は、 ヘキスロン酸とD−グルコサミンとの繰り返し二糖単位から成る。ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、多くの生物学的イベント、例えば脈管形成、血液凝固、細胞接着、脂質代謝、組織形態形成、細胞分化、及び様々な成長因子及びサイトカイン活性の調節に関わっている。
【0006】
ヘパラン硫酸プロテオグリカンは、内皮下細胞外マトリックス及び血管の基底膜の重要な成分である(2)。基底膜は、基底間質性実質結合組織から実質細胞を分離している、コラーゲン及び非コラーゲンタンパク質とプロテオグリカンとから成る細胞外マトリックスの連続シートである。それらは、特有な透過性を有し、組織構造を維持する役割を担っている。
【0007】
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)に加えて、基底層は、主として、接着タンパク質、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン及びビトロネクチンの複合ネットワークから成っている(6)。ヘパラン硫酸(HS)は、基底層の重要な構造成分である。接着タンパク質のそれぞれは、細胞外マトリックス内にあるHSPGのHS側鎖と相互反応する。したがって、HSPGは、転移性及び炎症性細胞の血管外遊走に対するバリアとして機能する。転移性腫瘍細胞及び炎症性細胞によって産生されるエンドグリコシダーゼヘパラナーゼによって引き起こされるHSの開裂により、基底層の濾過性が破壊される。更に、HSの分解は、細胞外マトリックスの分解を助長し得るので、血液由来細胞が血流中に脱出することによって、細胞遊走が容易になる(5)。
【0008】
ヘパラナーゼ活性は、肝臓、胎盤、血小板、線維芽細胞、好中球、活性化されたT及びBリンパ球、単球、及び内皮細胞を含む多くの組織タイプ及び細胞タイプで記述されてきた(7〜16)。
【0009】
現在、組織液又は生物学的液体におけるヘパラナーゼ活性の測定に利用可能な敏感で非放射性の方法は無い。したがって、現在、グリコシダーゼ活性、特にヘパラナーゼ活性を検出するための簡便で迅速な非放射性定量アッセイ用の組成物と方法に関するニーズが存在する。また、ヘパラナーゼ活性と関連がある疾患のための処置及び治療組成物に関するニーズも存在する。
【0010】
(発明の要約)
本発明は、細胞活性を測定する方法に関する。更に、本発明は、疾患、好ましくは転移又は腫瘍性成長の存在を診断するための組成物及び方法を含み、また腫瘍の転移可能性を測定するための組成物及び方法も含む。更に、本発明は、インビトロ及びインビボにおける炎症状態を診断する組成物及び方法も含む。
【0011】
本発明の一つの面は、グリコシダーゼ活性の定量測定を含む。本発明の好ましい方法は、グリコシダーゼ活性に関するアッセイ、更に好ましくはエンドグリコシダーゼ活性に関するアッセイ、最も好ましくはヘパラナーゼ活性の測定を含む。本発明は、溶液で提供された追加のストレプトアビジン分子を結合しているストレプトアビジンで被覆されたウェル上に結合されたビオチン標識HSを含むアッセイを提供する。前記ストレプトアビジン分子の結合は、HSの消化の程度に逆比例する(図1参照)。したがって、ヘパラナーゼによる消化後、HSは、前記ウェルに被覆されたストレプトアビジンをバインドする能力を保持しているが、HSは、溶液中の追加のストレプトアビジンをバインドする能力は失っている。酵素結合ストレプトアビジンを用いることによって、ヘパラナーゼ消化後におけるストレプトアビジン結合ビオチン−HSの量を、好ましくは呈色反応によって効率的に測定できる。
【0012】
また、本発明は、グリコシダーゼ活性、好ましくはヘパラナーゼ活性を抑制できる化合物をスクリーニングするための組成物及び方法も含む。更に、本発明の組成物及び方法を、高処理アッセイで用いて、前記の酵素活性を抑制できる化合物を同定することができる。また、本発明は、腫瘍又は変形細胞の転移可能性を抑えることができる化合物及び炎症状態を抑制できる化合物を判定するための組成物及び方法も含む。
【0013】
したがって、本発明の目的は、迅速で簡便な非放射性のグリコシダーゼ活性をアッセイするための組成物及び方法を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、グリコシダーゼ活性を定量測定するための組成物及び方法を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、ヘパラナーゼ活性を測定するための組成物及び方法を提供することにある。
【0016】
本発明のもう一つ別の目的は、グリコシダーゼ活性、特にヘパラナーゼ活性を抑制できる化合物をスクリーニングするための組成物及び方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更なる目的は、様々な細胞活性及び酵素活性に関するある種の化合物の効果を測定するための組成物及び方法を提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、転移の存在を診断するための組成物及び方法を提供することにある。
【0019】
本発明の更に別の目的は、腫瘍の転移可能性を測定するのに有用な組成物及び方法を提供することにある。
【0020】
本発明のもう一つ別の目的は、炎症状態を測定するための組成物及び方法を提供することにある。
【0021】
本発明の更なる目的は、腫瘍の転移を抑制できる化合物及び炎症状態を抑制又は消失させることができる化合物を同定するための組成物及び方法を提供することにある。
【0022】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及びクレームを検討すれば明らかとなる。
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明は、本明細書に含まれる以下の詳細な説明を参照すれば、更に容易に理解することができる。本明細書の発明を、そのある種の実施形態に関する具体的な詳細を参照しながら説明するが、以下の詳細な説明は、発明の範囲に関する限定と考えるべきではない。掲げてある引例の内容全体は、本明細書に完全に引用したものとする。
【0024】
本発明は、細胞活性及び酵素活性を測定するための組成物及び方法に関する。また、本発明は、転移の診断、腫瘍の転移可能性の測定及び炎症状態の存在を測定するための組成物及び方法も含む。更に、本発明は、グリコシダーゼ活性、特にヘパラナーゼ活性を変化させることができ、好ましくは抑制できる化合物、転移を変化させることができ、好ましくは抑制できる化合物;及び炎症反応及び炎症状態を変化させることができ、好ましくは抑制できる化合物をスクリーニングするための組成物及び方法に関する。
【0025】
正常な活性における変化と、腫瘍侵襲性及び腫瘍転移活性とが関連している可能性があるので、ヘパラン硫酸化合物及びそれらの関連酵素についての関心が増している。血液由来の腫瘍細胞及び白血球による組織浸潤における重要なプロセスとしては、血管内皮細胞層の通過と、それに続く、基礎をなしている基底層又は基底膜と、分泌されるプロテアーゼ及びグリコシダーゼのバッテリーを有する細胞外マトリックスの分解が挙げられる(4,5)。ヘパラナーゼ活性が、動物及びヒトの腫瘍細胞系の転移可能性と相関があることが示された(7,17〜20)。また、ヘパラナーゼ活性は、成長因子活性を調節することも知られている。多くの成長因子は、貯蔵形態でヘパラン硫酸に結合したままであって、血管形成中にヘパラナーゼによって解離され、癌細胞の生存率を向上させる。
【0026】
ラットにおける血清ヘパラナーゼレベルは、高度に転移性の哺乳動物腺癌をラットに注射した後において、一桁超高かった。更に、MTLn3腫瘍を有するラットの血清におけるヘパラナーゼ活性は、転移の程度と良い相関があった。更に、癌患者における血清/尿ヘパラナーゼ活性は、特に組織転移が存在している場合には2〜4倍増加していることが分かった。HSの開裂は、転移性腫瘍細胞及び白血球が基底膜を通過するには重要であると考えられるので、ヘパラナーゼ阻害薬を研究すれば、転移抑制薬及び抗炎症薬の新規で高度に選択的なクラスが開発され得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態は、細胞活性及び酵素活性を測定する組成物及び方法を含む。前記アッセイを用いると、前記活性を、定性的に且つ定量的に測定できる。前記活性の存在を測定するための本明細書記載のアッセイは、転移、転移可能性及び炎症状態を診断する方法で用いることができる。本発明のアッセイを用いると、前記の細胞活性及び酵素活性を変化させたり、刺激又は抑制する化合物をスクリーニングすることもできる。
【0028】
本明細書ではヘパラナーゼ活性に関する好ましいアッセイを説明する。このアッセイは、特にヘパラナーゼ活性を測定するが、本発明を限定することを意図していない。本発明は、グリコサミノグリカン・分解活性を有する酵素、コンドロイチン分解酵素、ヘパラン硫酸エンドグリコシダーゼ、ヘパラン硫酸エクソグリコシダーゼ、多糖層、ケラタナーゼ、ヒアルロニダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、及び他のグリコシダーゼと酵素(それらに限定されない)を含む任意のグリコシダーゼ活性を測定するアッセイのための組成物及び方法を企図している。
【0029】
疾患過程において臨床的に重要な役割を担っているにもかかわらず、ヘパラナーゼ活性を検出するための鋭敏な高処理アッセイは現在利用可能ではない。既存のヘパラナーゼアッセイは、扱い難くて時間がかかり、放射能標識された基質の調製、及び非開裂基質からの分解生成物の分離を要する(7,12)。他のヘパラナーゼアッセイでは、マトリックス関連HSPGの生合成放射能標識、及び当該マトリックスから放出される放射能標識された物質をゲル濾過分析することによるHS鎖分解の検出を要する(5)。これらのアッセイは、残念なことに、プロテアーゼ活性とヘパラナーゼ活性とを識別しない。ほとんどのヘパラナーゼアッセイでは、放射能標識されたHS(又はマトリックス由来HSPG)物質から分解生成物をゲル濾過によって分離できるように、放射能標識されたHSを広範に分解させることも必要である。
【0030】
固相ヘパラナーゼアッセイも開発され、当該アッセイでは、化学的及び生合成的に放射能標識されたヘパリン鎖及びHS鎖を固体支持体に結合させ、その固体支持体から放出される放射能標識を測定して酵素活性を求める。しかしながら、そのようなアッセイの短所は、固定化された支持体はヘパラナーゼ酵素に近づくことが難しく、また、放射能標識された支持体を、支持体の還元末端を介して、固体支持体にカップリングさせるには、複雑なプロトコールが必要である点である。そのような手順を用いるアッセイは、その内容全体を本明細書に完全に引用したものとする米国特許出願第4,859,581号で教示されている。
【0031】
また、従来の研究においても、天然グルコサミン残基を沃素化することによって又は部分的に脱N硫酸化された支持体をN−アセチル化することによって、ヘパリン及びHSの両方を放射能標識したが、前記手順では、強力なγ放出体であって極めて危険な放射性沃素を用いる必要がある。ヘパラナーゼに関する鋭敏な放射能性アッセイが最近報告された(18)。その方法の感度(ナノ単位)は、本方法に匹敵するが、富ヒスチジン糖タンパク質セファロースのカラム上で、ヘパラナーゼで開裂された生成物に関してアフィニティークロマトグラフィーを行うことが必要である。
【0032】
ヘパラナーゼに関して用いることができるいくつかの非放射能性アッセイもある。ヘパラナーゼに関して最も用いられるアッセイとしては、ヘパリンの分解中に形成される不飽和ウロン酸の光学濃度(230nm)の測定が挙げられる。そのアッセイは高感度(ヘキスロン酸に関してμモル)ではあるが、強力なUV吸収を示すある種の生物学的分子(タンパク質及び核酸)によって妨害されるという短所がある。ヘパラナーゼ活性を測定するための別のカラーベースのアッセイでは、ヘパリンの能力を利用して、タンパク質とクーマシーブリリアントブルー染料との相互作用中の発色を妨げている(25)。このアッセイは、ヘパリンに関して比較的特異的であるが、大量(600μg以下)の基質が必要である。
【0033】
酵素活性をアッセイするための組成物及び方法を含む本発明は、上記したアッセイを超える利点を有する。利点としては、基質の調製が比較的容易であり、多くのサンプルにおいて酵素活性の存在を迅速且つ同時に測定でき、また活性の測定が高感度である点が挙げられる。したがって、本発明の組成物及び方法は、診断目的に、ならびに活性を抑制する化合物をスクリーニングする場合に用いることができる。
【0034】
本発明の好ましい方法は、以下の手順を含む。ビオチン−HSを含む組成物を、サンプルと、例えば腫瘍サンプル、体液、又はヘパリナーゼ活性を有する疑われる他の液体と混合して反応混合物を作る。そのサンプルを前処理して、汚染物質又は反応性物質、例えば内在性ビオチンを除去しても良い。培養後、反応混合物のアリコート又は一部分を取り出し、ビオチン結合プレート中に入れる。緩衝液で洗浄後、ビオチン結合プレートにストレプトアビジン−酵素抱合体を加える。酵素用の試薬を加えて、検出可能な着色生成物を形成させる。例えば、公知の基準に比べて色の形成が低減した場合は、サンプルにおいて、ヘパリナーゼ活性が存在していたことを示している。ビオチン結合プレートは、好ましくは固体表面にビオチンを結合させるための任意の手段を含む。
【0035】
一般的に、好ましい方法は、測定しようとする酵素のための基質に対して、結合パートナーの1つを結合させる工程を含む。測定しようとする酵素を含むサンプルと一緒に培養すると、反応混合物において、測定しようとする酵素が活動できる。次に、必要とされる量にしたがって反応混合物の一部又は全部を、相補的な結合パートナーと混合すると、その結果として、結合パートナーは一緒に結合される。これは第一の結合反応である。培養して結合させた後、洗浄を行う。基質に結合された第一の結合パートナーに対して相補的である相補的結合パートナーを加える。この相補的な結合パートナーは、第一の相補的な結合パートナーと同じであっても良いか又は異なっていても良い。これは第二の結合反応である。第二の結合反応における相補的な結合パートナーを、検出可能な様式で標識する。例えば、相補的な結合パートナーを、適当な反応条件が存在する場合に検出可能な色の変化を起こす酵素で標識する。
【0036】
好ましい方法は、ビオチン及びストレプトアビジン(これらに限定されない)を含む結合パートナーの使用を含む。例えばビオチンのような結合パートナーの1つを結合させる他の方法では、ビオチン結合工程、プレートにビオチンを結合させる工程、又は利用可能なビオチンを検出する場合に用いることができる。第二の結合用に利用可能なビオチン又は他の結合パートナーの数は、定量アッセイで分かる。「相補的な結合パートナー」とは、結合パートナーのペア、例えばビオチンとレプトアビジン又は抗体とその抗原のペアの1つを意味している。ビオチンは、ストレプトアビジンの相補的な結合パートナーであり、ストレプトアビジンはビオチンの相補的な結合パートナーである。ビオチンを特異的に結合する抗原は、ビオチンの相補的な結合パートナーでもある。
【0037】
活性又は存在が検出されるサンプルの酵素は、グリコサミノグリカン−分解活性を有する任意の酵素、コンドロイチン分解酵素、ヘパラン硫酸エンドグリコシダーゼ、ヘパラン硫酸エクソグリコシダーゼ、多糖リアーゼ、ケラタナーゼ、ヒアルロニダーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ、及び他のグリコシダーゼと酵素を含むがそれらに限定されない酵素の任意のものであることができる。
【0038】
標識される結合パートナー、上記の方法では、酵素で標識されるストレプトアビジンは、酵素、染料、化学発光、及び当業において公知の他の方法を含むがそれらに限定されない任意の検出可能なマーカーで標識できる。好ましい方法は、基質において検出可能な色の変化を生じさせる酵素で標識する工程を含む。この方法は、安全で容易で且つ効率的であり、定性的方法及び定量的方法の両方で用いることができる。
【0039】
上記方法を用いて、サンプルにおける酵素活性の量を測定できる。また、上記方法を用いて、酵素活性を抑制できる化合物を判定できる。例えば、対象化合物を含む組成物を、ヘパリナーゼとその基質結合パートナーの培養前又は培養中に、公知の量のヘパリナーゼに対して加える。当該化合物がヘパリナーゼの活性を変化させる場合、本発明のアッセイ法は、検出可能レベルの量で変化を表示する。前記アッセイは、化合物の活性を高処理測定するために用いられる。
【0040】
本発明の組成物及び方法を用いて、癌、新生物成長、初期又は再発の転移性成長を含む転移の存在を診断できる。本発明の好ましい実施形態は、以下の方法を含む。初期所見で又は腫瘍成長の再発で1つ又はいくつもの腫瘍を有すると疑われる患者から、試験のための生物学的サンプルを得る。この生物学的サンプルを前処理して、内在性ビオチンを除去しても良い。そのサンプルは、本発明のアッセイで用いられる。グリコシダーゼ活性、特にヘパラナーゼ活性の増加、又は高レベルのグリコシダーゼ活性は、腫瘍又は転移の存在を示唆している。
【0041】
本発明を用いると、腫瘍の転移可能性を測定できる。腫瘍組織又は腫瘍液のサンプルを、グリコシダーゼ活性の存在、特にヘパラナーゼ活性の存在についてアッセイする。試験のために、一回の又は連続した生検でサンプルを採取する。形質転換細胞、例えば癌性細胞又は腫瘍性細胞は、生物においてインビボで見出すことができ、又は細胞系からインビトロで誘導できる。高レベルのグリコシダーゼ活性、又はベースライン測定からのグリコシダーゼ活性量の増加は、腫瘍又は細胞の転移可能性が、正常細胞のそれに比べて、より大きいことを示唆している。当業者に公知の他の試験を、本発明のアッセイと組合せて用いることもできる。
【0042】
また、本発明は、炎症反応の存在を判定するときに用いることもできる。生物学的サンプルにおけるグリコシダーゼ活性、特にヘパラナーゼ活性の増加は、炎症反応の存在を示唆している。当業者に公知の他の試験を、本発明のアッセイと組合せて用いることもできる。
【0043】
本発明の別の利用は、細胞、組織又は身体全体の応答におけるグリコシダーゼ活性に影響を与える化合物の判定である。本発明は、グリコシダーゼ活性を定量的に測定するためのアッセイを含むので、グリコシダーゼ活性を抑制又は増強する化合物を、前記アッセイを用いて容易に判定できる。例えば、本発明のアッセイに基づいて、ヘパラナーゼ活性の公知の量を一旦決定し、次に当該アッセイに化合物を加え、抑制量を判定することができる。本発明は、多くの異なる化合物によって、酵素活性レベルに関する効果を測定できる高処理アッセイを含む。例えば、グリコシダーゼ活性の抑制に関する化合物の効果を、当業において公知のサンプルの任意のタイプを用いて、インビトロ又はインビボで測定できる。
【0044】
以下、実施例を掲げて、本発明を更に説明するが、いかなる場合でも、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。本発明の精神及び/又は添付の請求の範囲から逸脱することなく様々な他の改良、実施形態、及びそれらの等価物が存在することは、当業者には明らかである。
【0045】
(実施例)
(実施例1)
ビオチン標識したHSの調製
Pierceから入手したスクシニミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート(NHS−LC−ビオチン)を用いて、延長スペーサーアームを有するビオチンを用いて、HSをビオチン標識した。HSとビオチンとの間の反応の化学は、図2に示してあり、他の長鎖類似体を用いると、結合しているビオチン標識分子と関連のあるアビジンに対する立体障害が低下する。HS溶液(NaHCO中2mg/ml、pH8.5)0.5mlを、新たに調製したジメチルスルホキシド中NHS−LC−ビオチン溶液0.05mlと混合した。その混合物を室温で1時間培養した。Microcon−3フィルター(Millipore社製)を用いて遠心分離(10,000RPM)し、次に燐酸緩衝食塩水(PBS)で希釈することによって、非抱合型ビオチンを除去した。この手順を5回繰り返して、遊離ビオチンを確実に完全に除去した。次に、反応において望ましくないアルデヒドを、室温で20分間、トリス−グリシン緩衝液(25mM〜183mM、pH8.3)1mlと一緒に培養することによって消滅させた。その混合物を、上記のミクロフィルターで3回濾過した。ビオチン標識HS(PBS中5mg/ml)を等分にし、−20℃で貯蔵した。最大ビオチン標識を得るために、25倍モル過剰のビオチンを用いた。HABA試薬を用いて、HS対ビオチンの比を測定すると1:2であった。
【0046】
(実施例2)
ビオチン標識の評価
HSのビオチン標識の程度を、アビジン−HABA(Pierce Chemical Co)(22)を用いて測定した。HABAアッセイは、広範なpH及び塩濃度にわたって用いることができる。HABA(4−ヒドロキシアゾベンゼン−2’−カルボン酸)は、アビジンに結合する染料であり、非占有結合部位の指標として役立ち得る。アビジンは、ビオチンと化学量論的に化合し、アビジンとアビジン−ビオチン錯体との間の任意の生化学的差異を、いずれの成分に関しても定性的及び定量的な方法の基礎として用いることができる。
【0047】
HABAがアビジンに結合するとき、HABA染料において大きなスペクトル変化がある。新しい吸収バンドは、500nmに出現し、それは染料のキノイド形態の特性である。アビジン−ビオチン錯体はHABAをバインドしない。その理由は、前記錯体の解離定数が非常に低く、染料が、ビオチンによって化学量論的に置換されるからである。その結果、HABAアッセイは、比色定量アッセイ及び滴定アッセイの両方の基礎であることができる。アビジンの量は、500nmにおける吸収の増加から直接に計算でき、又は、染料を、ビオチンによる分光光度滴定における指標として用いても良い。
【0048】
アビジン−HABA錯体から生じる吸収バンドは、ビオチンの添加に比例して低下する。ビオチンは、アビジンに関して親和性が高いので、HABA染料を置換する。アビジンに結合されているHABAを置換するためのビオチンの未知量を用いて且つ500nmにおける吸収に対してプロットして標準曲線を作成することによって、未知量のビオチンを判定できる。
【0049】
HABA溶液は、9.9mlのHOにHABA(Pierce製)を24.2mg加えることによって調製した。アビジン−HABA試薬は、燐酸緩衝食塩水19.4mlにアビジン10mgとHABA溶液600μlを加えることによって調製した。キュベット中アビジン−HABA試薬1mlに対して、ビオチン標識HSを100μl加え、分光光度計によって500nmで光学濃度を測定した。標準曲線は、公知の量のHABAを用いて決定した。ビオチン標識HSの添加後におけるHABAの光学濃度の減少が測定された。
【0050】
(実施例3)
ヘパラナーゼアッセイ
実施例1から得たビオチン標識HSをヘパラナーゼで消化し、未消化及び消化されたHSを含む反応を、ビオチン結合プレートに結合させた(図1)。酵素と抱合したストレプトアビジンを結合プレートに加えた。着色反応を定量化して、利用可能なビオチン結合部位の量を測定した。公知の量からの色の低減は、ヘパラナーゼによるHSの消化を反映している。
【0051】
酵素活性0.1単位を含むヘパラナーゼの凍結乾燥粉末(Seikagaku社から入手したHeparanase III)を、反応緩衝液(3.33mM酢酸カルシウム、pH7.0、0.1mg/mlBSAを含む)100μl中に水和させた。次に、その溶液を、反応緩衝液中ヘパラナーゼ溶液の作業濃度(0.01マイクロ単位から1ミリ単位)まで希釈した。酵素活性は、以下のように、ヘパラナーゼの製造者(Seikagaku)によって:酵素活性1単位とは、1分間あたりにヘキスロン酸1マイクロモルを発生させるのに要する量と定義される。ビオチン−HSを、反応緩衝液中で所望の濃度まで希釈した。
【0052】
ヘパラナーゼ活性を測定するために、ヘパラナーゼ溶液10μlを、96ウェルプレート中ビオチン−HS基質200μlと混合した。その反応を43℃で1時間培養した。反応混合物100μlを、水和ビオチン結合プレート(Chemicon)に加え、37℃で30分間培養した。そのビオチン結合プレートを、1xアッセイ緩衝液(Chemicon)200μlで水和させた。1×アッセイ緩衝液でウェルを5回洗浄し、37℃で30分間、1:3000に希釈されたストレプトアビジン−酵素抱合体(Chemicon)100μlと一緒に培養した。そのウェルを1×アッセイ緩衝液で5回洗浄し、基質溶液(Chemicon)100μlと共に20分間培養した。マイクロプレートリーダー(Labsystems,Muliskan Ascent model)で450nmにおける光学濃度を測定してウェルにおける発色を評価した。
【0053】
(実施例4)
ヘパラナーゼ活性に関するアッセイ
ビオチン−HSを分解する細菌性ヘパラナーゼの能力(Seikagaku)を測定した。HSの最適量を決めるために、異なる濃度のHSを用いた。これらのデータは図3に掲げてある。ヘパラナーゼ0.5ミリ単位は、1μg以下のビオチン−HSを完全に消化するのに充分であった。掲示量のヘパリチナーゼと共にビオチン−HSを37℃で30分間培養した。消化の程度は、ストレプトアビジン−酵素抱合体を用いて測定した。
【0054】
消化に要するヘパラナーゼの最少量を測定するために、様々な量のヘパラナーゼを用いてビオチンHSを100ng消化させた。100ngのビオチン−HSを、掲示濃度のヘパリチナーゼと共に培養し、各濃度における消化の程度を、ストレプトアビジン−酵素抱合体を用いて測定した。HSのこの濃度(100ng)において、ヘパリチナーゼ1μ単位は、初期ビオチンHS(〜40ng)の約40%を消化したが、完全な消化は、ヘパリチナーゼ10μ単位で達成された。これらのデータは図4に示してある。より低い基質濃度(HS5〜10ng)では、10 〜 100ナノ単位のヘパリチナーゼ活性をアッセイすることができた。この感度は、従来記載されてきた非放射性アッセイに比べて優れており、また従来の放射能ベースのヘパラナーゼアッセイに等しいか又は優れている。
【0055】
(実施例5)
ヘパラナーゼアッセイの特異性
次の工程は、HSの分解が、HS及びヘパラナーゼにとって特異的であるかどうかを測定するものであった。ビオチン−HSの消化は、過剰な非標識HSの存在下又は非存在下で、ヘパラナーゼを用いて行い、HSに対するヘパラナーゼの特異性を測定した。これらのデータは図5に掲げてある。ビオチン−HSに対するヘパラナーゼ活性は、50倍(5μg)過剰の非標識HSの存在下で約60%抑制された。ビオチン−HS分解活性は、特異的にヘパラナーゼに因るものであった。
【0056】
(実施例6)
プロテアーゼの存在下におけるヘパラナーゼアッセイの特異性
HSがタンパク質コアと、結合された多糖鎖との両方を含むので、ヘパラナーゼアッセイにおけるプロテアーゼの潜在的効果は、特に関心が持たれている。生物学的サンプルは、一般的に、プロテアーゼのような他の分解酵素を含むので、ビオチン−HSを消化する2つの異なるプロテアーゼ(マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP−9)及びトリプシン)の能力を測定した。これらのデータは図6に掲げてある。試験されたいずれのプロテアーゼ(MMP又はトリプシン)も、アッセイによって検出されるビオチン−HS量を減少させる活性を示さなかった。これらのデータからは、HSの多糖部分を分解する活性、すなわちヘパラナーゼ活性が、サンプルにおいて、例えばプロテアーゼを含んでいるかもしれない生物学的液体のようなサンプルにおいて特異的に測定できることを示している。
【0057】
(実施例7)
哺乳動物ヘパラナーゼのアッセイ
本発明を用いて、哺乳動物細胞におけるHS分解活性の測定も行った。従来から、リゾレシチンで刺激された内皮細胞が、HS分解ヘパラナーゼ活性を生起させることが分かっていた。その事実は、放射能標識されたHSを用いて証明された。
【0058】
内皮細胞の融合性単層膜は、50μMリゾレシチンと共に24時間培養し、馴化培地及び細胞可溶化物を、ヘパラナーゼ活性に関してアッセイした。本発明のアッセイを用いるヘパラナーゼ活性レベルの測定は、従来から公知の放射性アッセイと同程度の感度であった。
【0059】
(実施例8)
血清におけるヘパラナーゼアッセイ
このアッセイは、培地又は血清を含むサンプルを含むことができる高処理スクリーニングにおいて有用である。したがって、培地又は血清におけるヘパラナーゼ活性を測定する能力を判定した。ある種の培地及び血清は、内在性ビオチンを含んでいても良い。まず最初に、血清又は培地を、ストレプトアビジンで被覆したプレート上に前吸着させ、内在性ビオチンを除去した。別法として、血清又は培地を遠心濾過して、内在性ビオチンをすべて除去した。対照としての反応緩衝液(0.1mg/ml BSAを含むpH7.0の3.33mM酢酸カルシウム)、又は培地又は血清においてヘパラナーゼを希釈し、酵素活性を測定した。これらのデータは図7に掲げてある。ヘパラナーゼ活性は、前処理して内在性ビオチンを除去した後に残留している、培地成分又は血清中タンパク質によって影響を受けなかった。
【0060】
本発明の精神から逸脱せずに、例示した実施形態に関して本明細書で開示した本発明に対してある種の改良を行い得ることは当業者には理解される。また、好ましい実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明は、多くの再編成、改良、及び変更に適応すると理解され、前記のすべての再編成、改良、及び変更は、添付の請求の範囲内にあることが意図される。
【0061】
以下の引例は、その内容全体を本明細書に引用したものとする。
【表1】
Figure 2004529606
【表2】
Figure 2004529606
【表3】
Figure 2004529606
【表4】
Figure 2004529606

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1はヘパリナーゼ活性のアッセイを示している線図である。
【図2】
図2はビオチンのヘパラン硫酸に対する結合を示している線図である。
【図3】
図3はビオチン−HSの様々な量を用いてのヘパラナーゼ活性の測定を示しているグラフである。
【図4】
図4はヘパラナーゼによるHSの消化を示しているグラフである。
【図5】
図5はヘパラナーゼの基質特性を示しているグラフである。
【図6】
図6はプロテアーゼの存在下におけるアッセイの特異性を示しているグラフである。
【図7】
図7は細胞培地及び血清におけるヘパラナーゼ活性の測定を示しているグラフである。

Claims (20)

  1. a)グリコシダーゼ活性を含むと疑われるサンプルを、基質結合パートナーを含む組成物と混合して、反応混合物を作る工程;
    b)当該反応混合物のアリコートを取り出し、相補的結合パートナーを含む固体基質に加えて、当該基質結合パートナーと結合させる工程;
    c)標識された相補的結合パートナーを加える工程;
    d)当該標識を検出する工程;及び
    e)グリコシダーゼ活性の量を測定する工程
    を含む、グリコシダーゼ活性を検出する方法。
  2. 当該グリコシダーゼ活性が、エンドグリコシダーゼの存在に因るものである請求項1に記載の方法。
  3. 当該エンドグリコシダーゼが、ヘパリナーゼである請求項2に記載の方法。
  4. 当該基質結合パートナーが、ヘパリン硫酸−ビオチンである請求項3に記載の方法。
  5. 当該基質結合パートナーが、ヘパリン硫酸−ビオチンである請求項1に記載の方法。
  6. 当該相補的結合パートナーが、ストレプトアビジンである請求項5に記載の方法。
  7. 当該サンプルが、体液である請求項1に記載の方法。
  8. 当該体液が、血液、血清、唾液、組織液、尿、涙又は血漿である請求項7に記載の方法。
  9. 当該サンプルが、組織サンプルである請求項1に記載の方法。
  10. 当該組織サンプルが、細胞、生検標本、腫瘍、又は新生物を含む請求項9に記載の方法。
  11. a)化合物をグリコシダーゼと混合する工程;
    b)工程a)の混合物を、基質結合パートナーを含む組成物と混合して、反応混合物を作る工程;
    c)当該反応混合物からアリコートを取り出し、相補的な結合パートナーを含む固体基質に加えて、当該基質結合パートナーを結合させる工程;
    d)標識された相補的結合パートナーを加える工程;
    e)当該標識を検出する工程;及び
    f)グリコシダーゼ活性の変化を測定する工程
    を含む、グリコシダーゼ活性を変化させる化合物を検出する方法。
  12. 当該グリコシダーゼが、エンドグリコシダーゼの存在に因るものである請求項7に記載の方法。
  13. 当該エンドグリコシダーゼが、ヘパリナーゼである請求項8に記載の方法。
  14. 当該基質結合パートナーが、ヘパリン硫酸−ビオチンである請求項9に記載の方法。
  15. 当該基質結合パートナーが、ヘパリン硫酸−ビオチンである請求項7に記載の方法。
  16. 当該相補的結合パートナーが、ストレプトアビジンである請求項11に記載の方法。
  17. a)転移を有すると疑われる患者から得たサンプルを、基質結合パートナーを含む組成物と混合して、反応混合物を作る工程、その場合、当該基質はグリコシダーゼのための基質である;
    b)当該反応混合物のアリコートを取り出し、相補的な結合パートナーを含む固体基質に加えて、当該基質結合パートナーを結合させる工程;
    c)標識された相補的結合パートナーを加える工程;
    d)当該標識を検出する工程;及び
    e)グリコシダーゼ活性の量を測定する工程
    を含む、転移を検出する方法。
  18. 当該グリコシダーゼが、ヘパリナーゼである請求項17に記載の方法。
  19. 当該基質結合パートナーが、ヘパリン硫酸−ビオチンである請求項17に記載の方法。
  20. 当該相補的結合パートナーが、ストレプトアビジンである請求項5に記載の方法。
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