JP2004528320A - 医薬活性化合物 - Google Patents
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Abstract
サイクリックグアノシン3’、5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(例、cGMP PDE)の阻害が望まれる医学的状態の治癒的及び予防的処置において有用である、一般式(I)の化合物[式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、及びAは、本明細書において与えられる意味を有する]。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、医薬品に有用な化合物、特に、5型サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE5)のような、サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDEs)の阻害に有用である化合物に関する。故に、本化合物は、男性の勃起不全(MED)を含む、多様な治療領域において有用性を有する。
【0002】
先行技術
特定のcGMP PDE阻害性2−フェニル置換イミダゾトリアジノン誘導体が、国際特許出願WO99/24433、WO99/67244、及びWO01/646777号に開示されている。
【0003】
発明の開示
本発明によれば、一般式I:
【0004】
【化1】
の化合物、又はその製剤的若しくは獣医学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、又はプロドラッグが提供される[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
そして、ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。
【0005】
該化合物は、以下、まとめて「本発明の化合物」と呼ぶ。
用語「アリール」には、本明細書で使用される場合、フェニル及びナフチルのような、6〜10員の炭素環式芳香族の基が含まれる。
【0006】
用語「Het」には、本明細書で使用される場合、4〜12員、好ましくは4〜10員の環系が含まれ、該環は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有し、そして該環は、1つ以上の二重結合を含有するか、又は、特性において、非芳香族、一部芳香族、又は全部芳香族である場合がある。この環系は、単環式、二環式であるか、又は縮合している場合がある。このように、この用語には、場合により置換される、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾピリジニル、及びピペリジニルのような基が含まれる。Hetでの置換は、Het環の炭素原子でも、又は、適切ならば、ヘテロ原子の1つ以上においてであってもよい。
【0007】
「Het」基はまた、N−オキシドの形態であってもよい。
本明細書での使用に好ましいHet基は、少なくとも1つのNと、場合により、O、S、又はそれらの混合を含有する、C5〜C8員の環系である。本明細書でR1及び/又はR2上のHet若しくはアルキルHet置換基にきわめて好ましいのは、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、又はアゼチジニル基である。
【0008】
R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16が(それらが結合する窒素原子と一緒に)表す場合がある複素環式環は、少なくとも1つの窒素原子を含有するどんな複素環式環でもよく、そして該環は、必須窒素原子(これは、疑問を避けるために言えば、R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16がそれぞれ付く原子である)を介して分子の残り部分へ付くときに、安定した構造を形成する。この点において、R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16が(それらが結合する窒素原子と一緒に)表す場合がある複素環式環には、4〜12員、好ましくは4〜10員の環系が含まれ、該環は、少なくとも1つの窒素原子を含有し、そして場合により、窒素、酸素、及び/又はイオウから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含有し、そして該環は、1つ以上の二重結合を含有するか、又は、特性において、非芳香族、一部芳香族、又は全部芳香族である場合がある。このように、この用語には、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、トリアゾリル、テトラゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、及びピペラジニルのような基が含まれる。
【0009】
用語「C1〜C6アルキル」(これには、C1〜C6アルキルHet及びC1〜C6アルキルアリール基のC1〜C6アルキル部分が含まれる)には、本明細書で使用される場合、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル基が含まれる。他に特定されなければ、アルキル基は、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖若しくは分岐鎖であるか、飽和若しくは不飽和であるか、又は、環式、非環式、又は一部環式/非環式であり得る。本明細書での使用に好ましいC1〜C6アルキル基は、C1〜C4アルキル基である。
【0010】
上記に定義される置換されたC1〜C6アルキルHet及びC1〜C6アルキルアリールは、環上及び/又はアルキル鎖上に置換基を有する場合がある。
上記の基が置換されるか又は終結される場合があるハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードが含まれる。
【0011】
一般式Iの化合物を、本明細書では、以下、「本発明の化合物」又は「本化合物」と呼ぶ。
本発明のさらなる側面による、好ましい化合物の群は、上記に定義される、式Iの化合物である[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、上記に定義される通りである;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。
【0012】
本明細書できわめて好ましいのは、上記に定義されるような化合物であって、ここで、Yは、CH又はN、好ましくはNであり、AはC(O)であり、そしてR1は、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルキルHet、好ましくはC1〜C3アルキルHetであり、R2とR4は、独立して、C1〜C4アルキルから選択され、好ましくはC1〜C3アルキルであり、そしてR3は、C1〜C4アルキル、好ましくはC2〜C4アルキルであって、ここでHet基は、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、又はアゼチジニル基であり、好ましくは、モルホリニル又はピペリジニルである。
【0013】
本発明のもう1つの側面によれば、一般式(I)の好ましい化合物が提供される[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、Nを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、上記に定義される通りである]。
【0014】
なおさらなる側面によれば、本発明は、上記に定義されるような一般式(I)の他の好ましい化合物を提供する[式中:
Aは、C=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し、好ましくはOであり;
Yは、CH又はNを表し、好ましくはCHであり;
R1とR2は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3又はR4は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
R5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R5が、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基を表す場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0015】
追加の側面によれば、本発明は、上記に定義されるような一般式(I)の他の好ましい化合物を提供する[式中:
Aは、CH(OH)を表し;
Xは、O又はNR5を表し、好ましくはOであり;
Yは、CH又はNを表し、好ましくはCHであり;
R1とR2は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3は、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
R4は、H、Het、又はC1〜C6アルキルHetを表し;
R5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、又はR3が、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、又はR3が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R4が、Het又はC1〜C6アルキルHet基である場合、そのようなHet又はC1〜C6アルキルHet基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet又はC1〜C6アルキルHet基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R5が、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基を表す場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0016】
なおさらなる側面によれば、本発明は、一般式(I):
【0017】
【化2】
の化合物、又はその製剤的若しくは獣医学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、又はプロドラッグを提供する[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、及びC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
Hetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0018】
塩基の中心を含有する、本化合物の製剤的若しくは獣医学的に許容される塩は、例えば、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸及びリン酸のような無機酸、カルボン酸又は有機スルホン酸と形成される無毒の酸付加塩である。この例には、HCl、HBr、HI、硫酸塩又は硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩又はリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、カムシラート、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモエートの塩が含まれる。本発明の化合物はまた、製剤的若しくは獣医学的に許容される金属塩、特に塩基との無毒なアルカリ及びアルカリ土類金属の塩も提供することが可能である。例には、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミンの塩が含まれる。好適な製剤塩に関する概説については、Berge et al, J. Pharm, Sci., 66, 1-19, 1977 を参照のこと。
【0019】
本化合物の製剤的に許容される溶媒和物にはその水和物が含まれる。
また、本発明の特許請求範囲内に含まれるのは、本化合物の様々な塩とその多形体である。
【0020】
ある化合物が1つ以上の不斉炭素原子を有する場合、それは2つ以上の立体異性形態で存在する。化合物がアルケニル若しくはアルケニレン基を含有する場合、シス(E)及びトランス(Z)異性も起こり得る。本発明には、本化合物の個々の立体異性体と、適宜、その個別の互変異性形態、並びにそれらの混合物が含まれる。ジアステレオマー又はシス及びトランス異性体の分離は、従来技術、例えば式(I)の化合物、又はその好適な塩若しくは誘導体の立体異性混合物の分別結晶化、クロマトグラフィー、又はH.P.L.C.により達成可能である。化合物の個々の鏡像異性体も、対応する光学的に純粋な中間体からか、又は対応するラセミ化合物の、好適なキラル・サポートを使用するH.P.L.C.によるような分割によるか、又は、対応するラセミ化合物の、好適な光学活性の酸若しくは塩基との反応により適宜形成されるジアステレオマー塩の分別結晶化により、製造することが可能である。
【0021】
本化合物のすべての立体異性体が本発明の特許請求範囲内に含まれる。
本化合物は、互変異性を示す場合がある。本化合物のすべての互変異性形態とその混合物が本発明の特許請求範囲に含まれる。
【0022】
本出願の特許請求範囲内にまた含まれるのは、生物学的試験に適している本化合物の放射標識誘導体である。
製法
本発明のさらなる側面によれば、以下に例示されるような、本発明の化合物の製造法が提供される。
【0023】
以下の方法は、一般的な合成法を例示するものであり、これを採用して、本発明の化合物を入手することが可能である:
1.式Iの化合物は、式II:
【0024】
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、及びAは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、当業者に知られた条件下での環化により製造することが可能である。そのような条件には、好適な(ルイス酸の)脱水剤(例、亜リン酸オキシクロリド)と適正な溶媒(例、1,2−ジクロロエタン)の存在下、室温と還流温度の間での反応、又は先行技術に記載の他のやり方での反応が含まれる。
【0025】
式IIの化合物は、式III:
【0026】
【化4】
(式中、R17はC1〜C6アルキルを表し、R1とR2は、式IIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IV:
【0027】
【化5】
又はその好適な酸付加塩(例、塩酸塩)(式中、R3、R4、X、Y、及びAは、式IIの化合物について先に定義された通りである)との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例、エタノール、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、又はN,N−ジメチルホルムアミド)の存在下、室温と還流温度の間での反応が含まれる。
【0028】
式IIIの化合物は、標準技術により、例えば、式V:
【0029】
【化6】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、当業者に知られた条件下での脱炭酸により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例,メタノール又はエタノール)の存在下、そして場合により、好適な塩基(例、炭酸水素ナトリウム)の存在下、上昇温度(例、還流温度)での反応が含まれる。
【0030】
式Vの化合物は、式VI:
【0031】
【化7】
(式中、R1とR2は、式Vの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式VII:
【0032】
【化8】
(式中、R17は、式Vの化合物について先に定義された通りであり、L1は、ハロ、好ましくはクロロのような脱離基である)の化合物との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、好適な有機溶媒(例、THF又はエーテル)、適正な塩基(例、ピリジン、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ピペリジン、又はトリエチルアミン)の存在下、場合により、好適な触媒(例、4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下、そして場合により、過剰のVIIを用いた、VIの1,3−オキサゾール−5−(4H)−オンへの前変換(Dakin−West反応)を伴った、室温と還流温度の間での反応が含まれる。
【0033】
式IIIの化合物は、他のやり方では、式VIII:
【0034】
【化9】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、両工程で、当業者に知られた条件下での、酸素流におけるオゾンとの反応に続く、生じたオゾニドの還元により製造することが可能である。オゾン化の条件には、例えば、好適な溶媒(例、ジクロロメタン)の存在下、周囲温度以下(例、−70℃)での反応が含まれる。中間体のオゾニドの還元についての条件には、例えば、好適な還元剤(例、硫化ジメチル)を用いた周囲温度以下(例、−70℃)での反応に続く、適正な塩基(例、ピリジン)を用いた(同じ温度での)処理が含まれる。
【0035】
式VIIIの化合物は、式IX:
【0036】
【化10】
(式中、L2は好適な脱離基(例、−N(CH3)OCH3又はクロロ)を表し、R1とR2は、式VIIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式X:
【0037】
【化11】
(式中、Mは、H又は好適な金属含有部分(例、Na、Li、ハロゲン化Mg(II)、又は第二銅塩)を表し、R17は、式VIIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、式IXの化合物の、式X(ここで、MはHを表す)の化合物(例、エチルビニルエーテル)、好適な有機リチウム試薬(例、tert−ブチルリチウム)、適正な溶媒(例、THF)、及び、場合により、好適な金属塩の供給物(例、MgBr2ジエチルエーテラート)を周囲温度以下(例、−78℃)で反応させることによって形成される混合物との、好適な溶媒(例、THF)の存在下、−80℃と室温の間での反応が含まれる。
【0038】
式IXの化合物は、上記に定義される式VIの対応化合物から、当業者に知られた条件下で製造することが可能である。
式IIIの化合物は、他のやり方では、式XI:
【0039】
【化12】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、酸化剤(例、Dess−Martinペルヨージナン(periodinane))との、好適な溶媒(例、DCM)中、−78℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0040】
式XIの化合物は、式XII:
【0041】
【化13】
(式中、R1とR2は、式XIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、HCl(g)との、R17OH(ここで、R17は、式XIの化合物について先に定義された通りである)中、−10℃と20℃の間での反応に続く、水性塩基(例、10% Na2CO3溶液)との、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0042】
式XIIの化合物は、式XIII:
【0043】
【化14】
(式中、R1とR2は、式XIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、シアン化物の供給物(例、アセトンシアノヒドリン)との、好適な溶媒(例、DCM)中、場合により塩基(例、Et3N)の存在下、0℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0044】
式XIIIの化合物は、式XIV:
【0045】
【化15】
(式中、R1とR2は、式XIIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、水素化物の供給物(例、LiAlH4)との、好適な溶媒(例、THF)中、−78℃と20℃の間での反応により製造することが可能である。
【0046】
式XIVの化合物は、式VIの化合物から、当業者知られた条件を使用して製造することが可能である。
式IVの化合物は、標準技術により、例えば、式XV:
【0047】
【化16】
の対応化合物、又はその酸付加塩(例、塩酸塩)(式中、R3、R4、X、Y、及びAは、式IVの化合物について先に定義された通りである)の、ヒドラジンとの、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例、C1〜C3アルコール)の存在下、−10℃と室温の間での反応、又は先行技術に記載の他のやり方での反応が含まれる。
【0048】
特殊な態様において、式IVの化合物は、式XVの化合物の、ヒドラジン水和物との、アルコール性溶液中、低温〜周囲温度(例、−10〜25℃)での反応により in situ 形成される。これに式IIIの化合物の追加が続き、その後で、この混合物を還流させ、最終的に式IIの化合物を得る。
【0049】
式XVの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XVIIIの化合物から製造することが可能である、式XVIIの化合物から製造することが可能である、式XVIの対応化合物から製造することが可能である。
【0050】
【化17】
酸(XVIII)の対応するアミド化合物(XVII)へのアミド変換と、化合物(XVII)からニトリル化合物(XVI)を製造する後続の脱水反応、さらに、化合物(XVI)から化合物(XV)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0051】
式IVの化合物は、他のやり方では、式XIX:
【0052】
【化18】
(式中、A、Y、X、R3、及びR4は、式IVの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0053】
式XIXの化合物は、式XX:
【0054】
【化19】
(式中、A、X、Y、R3、及びR4は、式XIXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0055】
式XXの化合物は、式XVIIの化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
式XVIIIの化合物(ここで、YはCHを表し、AはC=Oを表す)は、式XXI:
【0056】
【化20】
(式中、XとR3は、式XVIIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、フリーデル−クラフツアシル化反応を使用することによって製造することが可能である。典型的な条件は、CIC(O)R4(ここでR4は、式XVIIIの化合物について先に定義された通りである)(1〜3当量)と、場合により、ルイス酸(例、2〜10当量のAlCl3)を、有機溶媒(例、ジクロロメタン)中、0℃と還流温度の間で使用することである。
【0057】
他のやり方では、式XVIIIの化合物は、式XXII:
【0058】
【化21】
(式中、R3、X、及びYは、式XVIIIの化合物について先に定義された通りであり、Halは、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す)の対応化合物から、HalのAR4への変換により製造することが可能である。これは、以下に概説する経路のいずれによっても達成可能である:
(a)いわゆる「Heck」条件(例、(ブチルビニルエーテルのような)アシルアニオン同等物の供給物の2当量、1.7当量のEt3N、及び、触媒量のPd(OAc)2及びP(o−tol)3、MeCN中、室温と還流温度の間)。アルキルアルケニルエーテルに対してHeck反応を実施することにより、AがC=Oを表す生成物を得る。そのような反応は、R4がアリールである場合は、適していない;又は
(b)いわゆる「Sonogashira(薗頭)」条件(例えば、Synthesis 1980, 8, 627 に記載されるような、1.5〜5当量の末端アルキンと0.024〜0.03当量のPd(PPh3)2Cl2/CuI、Et3N及びMeCN中、室温と60℃の間のような条件)に続く、生じるアルキンの加水分解(典型的な条件は、0.3当量のHgSO4、H2SO4、アセトン、還流状態)。この方法によりAがC=Oを表す生成物が得られることに注目すること。このような反応は、R4がアリールである場合は、適していない;又は
(c)ハロゲン/リチウム交換に続く、塩化アシルへの急冷(AがC=Oを表す生成物を得る)。他のやり方では、このアニオンをアルデヒドに入れて急冷させてもよく、AがCHOHを表す生成物を得る。次いで、二酸化マンガンのような標準的な酸化剤を使用することによって、このアルコールを対応するケトンへ再酸化することが可能である。塩化アシル反応に好ましい条件:1〜2当量のn−ブチルリチウム、1〜2当量のR4COCl/THF、約−78℃〜ほぼ室温。例えば、R4COClがLCH2COCl(ここで、Lは、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、又はハロのような脱離基であり、好ましくは、クロロ又はブロモである)であるならば、上記の反応が実施されたならすぐに、Lを求核体(例、一級若しくは二級アミン)で置き換えることにより、生成物をさらに官能化することが可能である;又は
(d)マグネシウム又は亜鉛供給物(例、亜鉛、塩化亜鉛、ライケ(Reike)亜鉛)の付加によるグリニャール又は亜鉛酸塩の形成に続く、塩化アシルへの急冷(AがC=Oを表す生成物を得る)。他のやり方では、このグリニャール又は亜鉛酸塩をアルデヒドに入れて急冷させてもよく、AがCHOHを表す生成物を得る。また、この形成されるアルコールを酸化して、上記に記載されるような必要とされるケトンを得ることが可能である;又は
(e)カルボン酸、エステル、又はWeinrebアミドを生じるカルボニル化。好ましい条件:CO(50psi)、Pd(OAc)2(0.03当量)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.045当量)、トリエチルアミン(5当量)、及び、好適な求核体(例、アルコール、アミン)、40〜約80℃。他のやり方では、Weinrebアミドはカルボン酸から合成可能であり、該アルデヒドは、エステル又はカルボン酸から合成することが可能である。酸クロリドは、カルボン酸から形成させることが可能である。酸から酸クロリドを形成させるのに好ましい条件:(COCl)2(1.2当量)、ジクロロメタン中N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)。次いで、グリニャール試薬若しくは亜鉛酸塩のような求核体を、該エステル、Weinrebアミド、又は酸クロリドと反応させて、AがC=Oを表す生成物を得ることが可能である。他のやり方では、該アルデヒドを用いた類似の反応により、AがCHOHを表す生成物が得られる。グリニャール試薬の酸クロリドへの付加に好ましい条件:RMgBr(1当量)、THF中Fe(acac)3(0.03当量)。
【0059】
式XXIIの化合物は、式XXIII:
【0060】
【化22】
(式中、X、Y、及びR3は、式XXIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、標準技術を介したハロゲン化により製造することが可能である。これには、トリフルオロ酢酸とトリフルオロ酢酸無水物の4:1混合物中、室温と還流温度の間でのN−ヨードスクシンイミド(1〜2当量)を用いたヨード化(YがNを表す場合に適している)が含まれる。これらの標準技術にはまた、DCM中、室温と還流温度の間での臭素を用いた臭素化(YがCHを表す場合に適している)が含まれる。
【0061】
2.式Iの化合物は、他のやり方では、式XXIV:
【0062】
【化23】
(式中、R1、R2、R3、X、及びYは、式Iの化合物について先に定義された通りであり、Halは、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す)の対応化合物から、HalのAR4への変換により製造することが可能である。これは、式XVIIIの化合物の式XXIIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用することによってなし得る。
【0063】
式XXIVの化合物は、式XXV:
【0064】
【化24】
(式中、R1、R2、R3、X、Y、及びHalは、式XXIVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物を、式Iの化合物の式IIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用して、環化することによって製造することが可能である。
【0065】
式XXVの化合物は、式XXVI:
【0066】
【化25】
(式中、R3、X、Y、及びHalは、式XXVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IIIの化合物との、例えば、式IIの化合物の式III及びIVの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用する反応により製造することが可能である。
【0067】
式XXVIの化合物は、式XXVIIの対応化合物から、式IVの化合物の式XVの化合物からの製造について先に記載した方法を使用して製造することが可能である。
【0068】
【化26】
式XXVIIの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XXIIの化合物から製造することが可能である、式XXIXの化合物から製造することが可能である、式XXVIIIの対応化合物から製造することが可能である:
【0069】
【化27】
化合物(XXII)の化合物(XXIX)へのアミド変換と、化合物(XXVIII)を化合物(XXIX)から製造する脱水反応、及び、化合物(XXVIII)から化合物(XXVII)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0070】
式XXVIの化合物は、他のやり方では、式XXX:
【0071】
【化28】
(式中、Y、X、Hal、及びR3は、式XXVIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0072】
式XXXの化合物は、式XXXI:
【0073】
【化29】
(式中、X、Y、Hal、及びR3は、式XXXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0074】
式XXXIの化合物は、式XXXII:
【0075】
【化30】
(式中、X、Y、Hal、及びR3は、式XXXIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0076】
式XXXIIの化合物は、式XXIIの対応化合物から、当業者に知られた方法により製造することが可能である。
3.式Iの化合物は、他のやり方では、式XXXIII:
【0077】
【化31】
(式中、R1、R2、R3、X、及びYは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、αをメチルケトンへ官能化することによって製造することが可能である。この方法は、R4がアリール又はHetを表す式Iの化合物には適用可能でない。αをメチルケトンへ官能化することの例には、α−ハロケトンを形成するためのハロゲン化、好ましくは臭素化;又は、α−ヒドロキシケトンを形成するための酸化が含まれる。これらのα−官能化ケトンは、当業者に知られた方法(例えば、一級若しくは二級アミンのような好適な求核体によるハロゲンの置き換え;又はMitsunobu(光延)反応を使用する、アルコールのエーテルへの変換)を使用して、式Iの他の化合物へ変換することが可能である。臭素化に好ましい条件は、ジクロロメタン中、1.1当量のN−ブロモスクシンイミドと3当量のトリフル酸(triflic acid)である。
【0078】
他のやり方では、式XXXIIIの化合物へ塩基を付加することで、対応するエノラートが形成され、次いで、これを好適な求電子体(例、ハロゲン化アルキル)へ入れて急冷させてもよい。この変換に典型的な条件は、THF又はエーテル中、1.1〜2当量の好適な塩基(例、LDA、NaH)と1.1〜2当量の好適な求電子体(例、ハロゲン化アルキル)である。
【0079】
式XXXIIIの化合物は、式Iの化合物の製造について方法1に記載の方法により製造することが可能である。
他のやり方では、式XXXIIIの化合物は、式XXIVの対応化合物から、式Iの化合物の式XXIVの化合物からの製造について上記に定義された条件を使用して製造することが可能である。
【0080】
4.式I(ここで、YはCHを表す)の化合物は、他のやり方では、式XXXIV:
【0081】
【化32】
(式中、R1、R2、R3、及びXは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、フリーデル−クラフツアシル化反応を使用することによって製造することが可能である。典型的な条件は、塩化アシル(1〜3当量)と、場合により、ルイス酸(例、2〜10当量のAlCl3)を、有機溶媒(例、ジクロロメタン)中、0℃と還流温度の間で使用することである。
【0082】
式XXXIVの化合物は、式XXXV:
【0083】
【化33】
(式中、R1、R2、R3、及びXは、式XXXIVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物を、式Iの化合物の式IIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用して、環化することによって製造することが可能である。
【0084】
式XXXVの化合物は、式XXXVI:
【0085】
【化34】
(式中、R3とXは、式XXXVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IIIの化合物との、例えば、式IIの化合物の式III及びIVの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用する反応により製造することが可能である。
【0086】
式XXXVIの化合物は、式XXXVIIの対応化合物から、式IVの化合物の式XVの化合物からの製造について先に記載した方法を使用して製造することが可能である。
【0087】
【化35】
式XXXVIIの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XXIの化合物から製造することが可能である、式XXXIXの化合物から製造することが可能である、式XXXVIIIの対応化合物から製造することが可能である:
【0088】
【化36】
化合物(XXI)の化合物(XXXIX)へのアミド変換と、化合物(XXXVIII)を化合物(XXXIX)から製造する脱水反応、及び、化合物(XXXVIII)から化合物(XXXVII)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0089】
式XXXVIの化合物は、他のやり方では、式XXXX:
【0090】
【化37】
(式中、XとR3は、式XXXVIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0091】
式XXXXの化合物は、式XXXXI:
【0092】
【化38】
(式中、XとR3は、式XXXXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0093】
式XXXXIの化合物は、式XXXIXの対応化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0094】
式XXXIXの化合物は、式XXIIIの対応化合物から、当業者に知られた方法により製造することが可能である。
式VI、VII、IX、X、XXI、XXIIIの化合物、及びそれらの誘導体は、市販されていないか又は記載されていない場合、上記に記載の方法との類似によるか、又は慣用的な合成法のいずれかにより、標準技術に従って、適正な試薬及び反応条件を使用して、容易に利用可能な出発材料から入手することが可能である。
【0095】
XがOを表す場合、R3は、適正な中間体をR3aOH及び塩基(例、炭酸セシウム)と還流温度で(又は、密閉容器において実施するならば、還流温度より高いところで)反応させることによって、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも、代わりのR3基(R3a)へ交換することが可能である。同様に、XがOを表す場合、OR3は、適正な中間体をHNR3R5と、場合により触媒の硫酸銅の存在下、室温と還流温度の間の温度で(又は、密閉容器において実施するならば、還流温度より高いところで)反応させることによって、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも、NR3R5へ交換することが可能である。
【0096】
AがCHOHを表す化合物は、AがCOを表す対応化合物から、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも製造することが可能である。この転換は、好適な還元剤、好ましくは、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウムを使用することによって達成可能である。同様に、AがC=Oを表す化合物は、AがCHOHを表す対応化合物から、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも製造することが可能である。この転換は、好適な酸化剤(例、二酸化マンガン)を使用することによって達成可能である。
【0097】
本発明の化合物は、その反応混合物から、慣用技術を使用して単離することが可能である。
当業者には、上記に記載の方法を行うことの経過において、中間化合物の官能基を保護基により保護化する必要があり得ることが理解されよう。
【0098】
保護化することが望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノ、及びカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリル及びジアリールアルキルシリル基(例、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル及びアルキルカルボニル基(例、メチル−及びエチルカルボニル)が含まれる。アミノに適した保護基には、tert−ブチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルが含まれる。カルボン酸に適した保護基には、C1−6アルキル若しくはベンジルのエステルが含まれる。
【0099】
官能基の保護化及び脱保護化は、上記に記載されたいずれの反応工程の前又は後で起こってよい。
保護基は、当業者によく知られている技術に従って、外すことが可能である。
【0100】
文献に知られているような保護化/脱保護化戦略を適宜利用することが可能である。本発明による使用に適した保護基は、「保護基(Protecting Groups)」、P. J. Kocienski 編、Thieme,ニューヨーク、1994年;及び「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、第2版、T. W. Greene & P. G. M. Wutz, ウィリーインターサイエンス(1991年)に見出すことが可能である。
【0101】
当業者はまた、式Iの化合物を、他の、ある場合には、より簡便なやり方で入手するためには、上記に示される個々の方法工程を異なる順序で実施してよいこと、及び/又は、個々の反応を全体経路の異なる段階で実施してよい(即ち、特定の反応に関連して上記に示した工程への様々な中間体に対して、置換基を付加する、及び/又は化学転換を実施してよい)ことを理解されよう。このことは、特別な基質に存在する他の官能基の性質、主要な中間体の利用可能性、及び(もしあれば)採用し得る保護基戦略のような諸要因にとりわけ依存するものである。明らかに、関与する化学のタイプは、前記合成工程に使用される試薬の選択、利用される保護基の必要性、及びタイプ、そして、合成を達成するための順序に影響を及ぼすものである。
【0102】
塩基の中心を含有する、式Iの化合物の製剤的に許容される酸付加塩は、慣用的なやり方で製造することが可能である。例えば、フリー塩基の溶液を、そのままか又は好適な溶媒中の適正な酸で処理してよく、次いで、生じた塩は、濾過によるか又は反応溶媒の真空下での蒸発によって単離することが可能である。製剤的に許容される塩基付加塩は、式Iの化合物の溶液を適正な塩基で処理することによって、類似のやり方で入手することが可能である。いずれのタイプの塩も、イオン交換樹脂の技術を使用して、形成させるか又は相互変換させることが可能である。
【0103】
本発明にはまた、式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩のあらゆる好適な同位体変異物が含まれる。式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩の同位体変異物とは、少なくとも1つの原子が、通常天然に見出される原子と同じ原子数を有するが、異なる原子量を有する原子に置き換えられているものと定義される。式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩へ取込むことが可能である同位体の例には、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、及び36Clのような、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、及び塩素の同位体が含まれる。式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩の特定の同位体変異物、例えば、3H及び14Cのような放射活性同位体が取込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布試験に有用である。トリチウム化された(即ち、3H)同位体と炭素−14(即ち、14C)同位体は、その調製のし易さと検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素(即ち、2H)のような同位体で置換すると、より大きな代謝安定性から生じる、ある治療上の利点(例えば、増加した in vivo 半減期、又は減少した必要投与量)を提供することが可能であるので、ある状況では好ましい場合がある。本発明の式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩の同位体変異物は、一般に、好適な試薬の適正な同位体変異物を使用して、例示の方法によるような慣用法か、又は以下の「実施例」及び「製法」に記載の製法により製造することが可能である。
【0104】
当業者が理解されるように、最終の脱保護化段階に先行して合成される場合がある、式(I)の化合物の特定の保護化誘導体は、そのものとしては薬理活性を保有しないかもしれないが、特定の例では、経口又は非経口で投与された後、体内で代謝され、薬理学的に活性である本発明の化合物を形成する場合がある。故に、そのような誘導体は、「プロドラッグ」と記載される場合がある。さらに、式(I)の特定化合物は、式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用する場合がある。
【0105】
式(I)の化合物のあらゆる保護化誘導体及びプロドラッグが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。本発明の化合物に適したプロドラッグの例は、Drugs of Today, 19巻、9号、1983年、499−538頁、及び Topics in Chemistry,31章、306−316頁、そして、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」 H. Bundgaard による、エルセヴィエ、1985年、第1章に記載されている(これら文書の開示内容は本明細書に援用される)。
【0106】
さらに当業者により理解されるように、例えば、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(この文書の開示内容は本明細書に援用される)において H. Bundgaard により記載されるような、「プロ部分(pro-moieties)」として当業者に知られている特定の部分を、適正な官能基が式(I)の化合物の内部に存在している場合は、そのような官能基に配置してもよい。
【0107】
式(I)の化合物に好ましいプロドラッグには:アルコール、エステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバメート、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、及びケタールが含まれる。
【0108】
さらに本発明は、本明細書に定義されるようなcGMP PDE5阻害化合物の組み合わせを含み、ここで前記組み合わせは、以下の化合物との連続、同時、又は継続(joint)投与により投与することが可能である:
(1)1つ以上の天然に存在するか又は合成のプロスタグランジン又はそのエステル。本明細書での使用に適したプロスタグランジンには、アルプロスタジル、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE0、13,14−ジヒドロプロスタグランジンE1、プロスタグランジンE2、エプロスチノール、2000年3月14日発行の米国6,037,346号に記載され、参照により本明細書に援用されるものを含む、天然合成及び半合成プロスタグランジン及びその誘導体、PGE0、PGE1、PGA1、PGB1、PGF1α、19−ヒドロキシ−PGA1、19−ヒドロキシ−PGB1、PGE2、PGB2、19−ヒドロキシ−PGA2、19−ヒドロキシ−PGB2、PGE3α、カルボプロスト、トロメタミンジノプロスト、トロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト、ゲメプロスト、メテノプロスト、スルプロスツン、チアプロスト、及びモキシシレート;及び/又は
(2)α−アドレナリン受容体又はα−受容体又はα−ブロッカーとしても知られる、1つ以上のα−アドレナリン作用性受容体拮抗化合物。本明細書での使用に適した化合物には:1998年6月14日公開のPCT出願WO99/30697号に記載されるようなα−アドレナリン作用性受容体(α−アドレナリン作用性受容体に関連した開示内容は本明細書に援用される)が含まれ、さらに選択的α1−アドレナリン受容体若しくはα2−アドレナリン受容体と非選択的アドレナリン受容体が含まれ、好適なα1−アドレナリン受容体には:フェントラミン、メシル酸フェントラミン、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、ダピプラゾール、フェノキシベンズアミン、イダゾキサン、エファラキサン、ヨヒンビン、ラウオルフィアアルカロイド、Recordati 15/2739、SNAP 1069、SNAP 5089、RS17053、SL 89.0591、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル及びプラゾシン;米国6,037,346号[2000年3月14日]からのα2−ブロッカー、ジベナルニン、トラゾリン、トリマゾシン、及びジベナルニン;米国特許第4,188,390;4,026,894;3,511,836;4,315,007;3,527,761;3,997,666;2,503,059;4,703,063;3,381,009;4,252,721、及び2,599,000号(このいずれも本明細書に援用される)に記載のようなα−アドレナリン作用性受容体が含まれ;α2−アドレナリン受容体には:場合によりピルキサミンのような強心薬の存在下での、クロニジン、パパベリン、塩酸パパベリンが含まれる;及び/又は
(c)1つ以上のNOドナー(NO作動薬)化合物。本明細書での使用に適したNOドナー化合物には、三硝酸グリセリン(ニトログリセリンとしても知られる)を含む、モノ−、ジ−又はトリ硝酸若しくは有機硝酸エステル、5−モノ硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチル、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、3−モルホリノシドノニミンモルシドミン、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP)、S−ニトロソ−N−グルタチオン(SNO−GLU)、N−ヒドロキシ−L−アルギニン、硝酸アミル、リンシドミン、クロロ水和リンシドミン、(SIN−1)S−ニトロソ−N−システイン、ジアゼニウムジオレート、(NONOエート)、1,5−ペンタン二硝酸、L−アルギニン、チョウセンニンジン、zizhi fructus、モルシドミン、Re−2047、公開PCT出願WO0012075に記載のNMI−678−11及びNMI−937のようなニトロシル化マキシシライト(maxisylyte)誘導体が含まれる;及び/又は
(4)1つ以上のカリウムチャネルオープナー。本明細書での使用に適したカリウムチャネルオープナーには、ニコランジル、クロモカリム、レブクロマカリム、レマカリム、ピナシジル、クリアゾキシド、ミノキシジル、カリブドトキシン、グリブリド、4−アミノピリジン、BaCl2が含まれる;及び/又は
(5)1つ以上のドパミン作用剤、好ましくは、アポモルフィン、又は、(WO0023056号に特許請求されるような)プラミペキソール及びロピリノールのような選択的D2、D3、又はD2/D3作用剤、L−ドーパ、又はカルビドーパ(carbi dopa)、(WO0040226号に特許請求されるような)PNU95666;及び/又は
(6)1つ以上の血管拡張剤。本明細書での使用に適した血管拡張剤には、ニモデピン、ピナシジル、シクランデレート、イソクスプリン、クロロプロマジン、ハロペリドール、Rec 15/2739、トラゾドンが含まれる;及び/又は
(7)1つ以上のトロンボキサンA2作動薬;及び/又は
(8)1つ以上の麦角アルカロイド;好適な麦角アルカロイドは、2000年3月14日発行の米国特許第6,037,346号に記載され、アセテルガミン、ブラゼルゴリン、ブロメルグリド、シアネルゴリン、デロルゴトリル、ジスレルギン、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスレルギン、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メテルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド、プロテルグリド、テルグリドが含まれる;及び/又は
(9)心房性ナトリウム利尿因子(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られる)、B及びC型ナトリウム利尿因子の作用を変調させる、中性エンドペプチダーゼ阻害剤のような、1つ以上の化合物;及び/又は
(10)エナラプリルのような、アンジオテンシン変換酵素を阻害する1つ以上の化合物と、オマパトリラットのような、アンジオテンシン変換酵素及び中性エンドペプチダーゼの1つ以上の複合阻害剤;及び/又は
(11)ロサルタンのような、1つ以上のアンジオテンシン受容体拮抗薬;及び/又は
(12)L−アルギニンのような、1つ以上のNOシンターゼ基質;及び/又は
(13)アムロジピンのような、1つ以上のカルシウムチャネルブロッカー;及び/又は
(14)1つ以上のエンドセリン受容体拮抗薬及びエンドセリン変換酵素阻害剤;及び/又は
(15)スタチン(例、アトルバスタチン/Lipitor(商標))及びフィブラートのような、1つ以上のコレステロール低下剤;及び/又は
(16)1つ以上の抗血小板及び抗血栓剤、例えば、tPA、uPA、ワルファリン、ヒルジン、及び他のトロンビン阻害剤、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子阻害剤;及び/又は
(17)レズリンのような1つ以上のインスリン増感剤と、グリピジドのような血糖降下剤;及び/又は
(18)1つ以上のCOX2阻害剤;及び/又は
(19)プレガバレン;及び/又は
(20)ガバペンテン;及び/又は
(21)ドネジピルのような、1つ以上のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;及び/又は
(22)1つ以上のステロイド性抗炎症剤;及び/又は
(23)1つ以上のエストロゲン作動薬、及び/又はエストロゲン拮抗薬、好ましくは、ラロキシフェン又はラソフォキシフェン、(−)−cis−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールとその製剤的に許容される塩(以下の化合物A)。この製法はWO96/21656号に説明されている。
【0109】
【化39】
(24)1つ以上のさらなるPDE阻害剤、より特別には、PDE2、4、7、又は8阻害剤、好ましくはPDE2阻害剤。前記阻害剤は、好ましくは、それぞれの酵素に対して、100nM未満のIC50を有する;及び/又は
(25)1つ以上のNPY(ニューロペプチドY)阻害剤、より特定すると、NPY1若しくはNPY5阻害剤、好ましくはNPY1阻害剤。好ましくは、前記NPY阻害剤(NPY Y1及びNPY Y5を含む)は、100nM未満、より好ましくは50nM未満のIC50を有し、好適なNPY、及び特にNPY1阻害化合物はEP−A−1097718号に記載されている;及び/又は
(26)1つ以上の血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)、より特別には、1つ以上のVIP受容体サブタイプ、VPAC1、VPAC、又はPACAP(下垂体細胞アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)により仲介されるVIP模擬体、1つ以上のVIP受容体作動薬若しくはVIP類似体(例、Ro−125−1553)、又はVIPフラグメント、VIPと組み合わせた1つ以上のα−アドレナリン受容体拮抗薬(例、Invicorp,Aviptadil);及び/又は
(27)メラノタンII、PT−14、PT−141、又はWO−09964002、WO−00074679、WO−09955679、WO−00105401、WO−00058361、WO−00114879、WO−00113112,WO−09954358号において特許請求される化合物のような、1つ以上のメラノコルチン受容体作動薬若しくはモジュレーター、又はメラノコルチンエンハンサー;及び/又は
(28)WO−09902159、WO−00002550、及び/又はWO−00028993号に記載されるものを含む、1つ以上のセロトニン受容体作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター、より特別には、(VML670を含む)5HT1A、5HT2A、5HT2C、5HT3、及び/又は5HT6受容体の作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター;及び/又は
(29)ブプロピオン、GW−320659のような、ノルアドレナリン、ドパミン、及び/又はセロトニンの輸送体の1つ以上のモジュレーター;及び/又は
(30)1つ以上のプリン作動性受容体作動薬、及び/又はモジュレーター:及び/又は
(31)WO−09964008号に記載されるものを含む、1つ以上のニューロキニン(NK)受容体拮抗薬;及び/又は
(32)1つ以上のオピオイド受容体作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター、好ましくは、ORL−1受容体の作動薬;及び/又は
(33)1つ以上のオキシトニン/バソプレッシン受容体作動薬若しくはモジュレーター、好ましくは選択的オキシトシン作動薬若しくはモジュレーター;及び/又は
(34)1つ以上のカンナビノイド受容体モジュレーター;及び/又は
(35)1つ以上のNEP阻害剤。好ましくは、ここで前記NEPはEC3.4.24.11であり、より好ましくは、ここで前記NEP阻害剤はEC3.4.24.11の選択阻害剤であり、より好ましくは、選択的NEP阻害剤は、100nM未満のIC50を有する、EC3.4.24.11の選択阻害剤(例、オムパトリラット、サムパトリラット)であり、好適なNEP阻害化合物は、EP−A−1097719号に記載されている;及び/又は
(36)エナラプリルのような、アンジオテンシン変換酵素を阻害する1つ以上の化合物と、オマパトリラットのような、アンジオテンシン変換酵素及び中性エンドペプチダーゼの1つ以上の複合阻害剤;及び/又は
(37)1つ以上の三環系抗うつ薬、例えばアミトリプチリン;及び/又は
(38)1つ以上の非ステロイド性抗炎症剤;及び/又は
(39)1つ以上のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばキナプリル;及び/又は
(40)(クロミプラミンと(パロキセチン及びセルタリンのような)SSRIのような)1つ以上の抗うつ薬。
【0110】
ここで、前記の組み合わせは、合一投与、同時投与、同一投与、又は段階投与の形態であり得る。
医学的使用
本発明の化合物は、それらが動物、特に、ヒトを含む哺乳動物において薬理学的活性を保有するので、有用である。故に、それらは、医薬品として、並びに、動物用医薬品としての使用のために適応される。
【0111】
本発明のさらなる側面によれば、医薬品としての使用と動物用医薬品としての使用への本発明の化合物が提供される。
特に、本発明の化合物は、例えば、以下に記載の試験において明示されるように、cGMP PDE5のようなcGMP PDEの強力かつ選択的な阻害剤であることが見出されていて、従って、cGMP PDE5のようなcGMP PDEが適応となり、cGMP PDE5のようなcGMP PDEの阻害が望まれる、ヒト、及び動物における医学的状態の治療に有用である。
【0112】
用語「治療」には、治療的(治癒的)、一次緩和的、又は予防的な処置が含まれる。
このように、本発明のさらなる側面によれば、cGMP PDE(例、cGMP PDE5)が適応となる医学的状態の治療のための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用が提供される。さらに、cGMP PDE(例、cGMP PDE5)の阻害が望まれる医学的状態の治療のための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用が提供される。
【0113】
このように、本発明の化合物は、哺乳動物の性的障害の治癒的、一次緩和的、又は予防的処置に有用であることが期待される。特に、本化合物は、男性の勃起不全(MED)、不能症、女性の性機能不全(FSD)、陰核機能不全、女性の性欲低下性異常症、女性の性覚醒障害、女性の性疼痛障害、又は女性の性オルガスム機能不全(FSOD)、並びに、脊髄損傷による性機能不全、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)誘発性の性機能不全のような、哺乳動物の性機能不全の治療に価値があるが、明らかに、強力かつ選択的なcGMP PDE5阻害剤が適応となる他の医学的状態を治療するのにも有用であろう。そのような状態には、早期分娩、月経困難、良性前立腺肥大症(BPH)、膀胱出口閉塞、失禁、安定型、不安定型及び異型(プリンツメタル)狭心症、高血圧、肺性高血圧、慢性閉塞性肺疾患、冠動脈疾患、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性の低下による状態(例、経皮経管的冠血管形成術後、PCTA後)、末梢血管系疾患、卒中、亜硝酸塩誘発性耐性、気管支炎、アレルギー性喘息、慢性喘息、アレルギー性鼻炎、緑内障、視神経障害、黄斑変性、眼内圧上昇、網膜若しくは動脈の閉塞のような眼の疾患及び状態、及び、腸運動性の障害により特徴づけられる疾患(例、過敏性腸症候群、IBS)が含まれる。
【0114】
強力かつ選択的なcGMP PDE5阻害剤が適応となり、本発明の化合物を用いた治療が有用であり得るさらなる医学的状態には、子癇前症、川崎病、亜硝酸塩耐性、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自律神経障害及び末梢神経障害を含む神経障害、及び特に、糖尿病性神経障害とその症状(例えば胃麻痺)、糖尿病性末梢神経障害、アルツハイマー病、急性呼吸不全、乾癬、皮膚壊死、癌、転移、禿頭症、強蠕動収縮性食道、肛門裂傷、痔、低酸素性血管収縮、糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性症候群、インスリン抵抗性、糖耐性不全、並びに血液透析時の血圧の安定化が含まれる。
【0115】
特に好ましい状態には、MEDとFSDが含まれる。
このように、本発明は、動物(例、ヒトを含む哺乳動物)において、cGMP PDE阻害剤が適応となる医学的状態を治療するか又は予防する方法を提供し、前記方法は、本発明の化合物の治療有効量をそのような治療の必要な哺乳動物へ投与することを含む。
【0116】
医薬調製物
本化合物は、通常、製剤的に許容される剤形において、場合により無毒の有機若しくは無機の酸若しくは塩基付加塩の形態で有効成分を含んでなる医薬調製物の形態で、経口的に、又は任意の非経口経路により投与される。治療される障害及び患者、並びに投与の経路に依存して、本組成物は、様々な用量で投与することが可能である。
【0117】
本化合物はまた、cGMP−PDE5のようなcGMP−PDEの阻害において有用な他のどんな薬物と組み合わせてもよい。
本化合物、その製剤的に許容される塩、及びいずれの実体の製剤的に許容される溶媒和物は、単独でも投与することが可能であるが、ヒトの治療では、一般に、意図される投与経路と標準的な薬物療法に照らして選択される好適な製剤用の賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与されるものである。
【0118】
例えば、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、錠剤、カプセル剤(軟ゲルカプセルを含む)、丸剤(ovules)、エリキシル剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態(芳香剤又は着色剤を含有してよい)で、持続、二重、又は拍動性のデリバリー適用のような、即時、遅延、修飾、又は制御放出のために、経口、頬内、又は舌下で投与することが可能である。本化合物はまた、海綿体内注射により投与してもよい。本化合物はまた、速分散性又は速溶解性の剤形により投与してもよい。
【0119】
そのような錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、グリシン、及びデンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカデンプン)のような賦形剤、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロースナトリウム、及び特定の複合珪酸塩のような崩壊剤、及びポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、及びアカシアのような造粒結合剤を含有する場合がある。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルベヘネート、及びタルクのような滑沢剤を含めてよい。
【0120】
同様のタイプの固形組成物も、ゼラチンカプセル剤の充填剤として利用される場合がある。この点で好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、又は高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁液剤、及び/又はエリキシル剤では、本発明の化合物を、様々な甘味剤又は芳香剤、着色物質又は色素、乳化及び/又は懸濁剤、及び水、エタノール、プロピレングリコール、及びグリセリン、並びにそれらの複合物のような希釈剤と組み合わせてよい。
【0121】
修飾放出及び拍動放出の剤形は、放出速度修飾剤として作用する追加の賦形剤と一緒に、即時放出剤形について列挙されるような賦形剤を含有する場合があるが、これらは被覆される、及び/又は装置の内部に含まれる。放出速度修飾剤には、排除的に限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、酸化ポリエチレン、キサンタンガム、カルボマー、アンモニオ−メタクリル酸コポリマー、水素化ヒマシ油、カルナウバ蝋、パラフィンワックス、酢酸セルロースフタレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。修飾放出及び拍動放出の剤形は、放出速度修飾賦形剤の1つ又は組み合わせを含有する場合がある。放出速度修飾賦形剤は、剤形の内部(即ち、マトリックスの内部)及び/又は剤形の上面(即ち、表面又はコーティング上に)の両方に存在する場合がある。
【0122】
速分散性若しくは溶解性の投与製剤(FDDF)は、以下の成分を含有する場合がある:アスパルテーム、アセスルフェイム(acesulfame)カリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ジアスコルビン酸、アクリル酸エチル、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メタクリル酸メチル、ミント芳香剤、ポリエチレングリコール、燻蒸シリカ、二酸化シリコン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトール。FDDFを記載するために本明細書で使用されるような分散若しくは溶解という用語は、使用される医薬物質の溶解性に依存する。即ち、医薬物質が不溶性である場合は、速分散性の剤形を調製することが可能であり、医薬物質が可溶性である場合は、速溶解性の剤形を調製することが可能である。
【0123】
本化合物はまた、非経口的に、例えば、海綿体内、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内又は皮下で投与することが可能であるか、又はそれらは、注入技術により投与してもよい。そのような非経口投与では、それらは、無菌水溶液の形態で最もよく使用され、それは、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩若しくはグルコースを含有する場合がある。この水溶液は、必要ならば、好適にも(好ましくは、3〜9のpHへ)緩衝化されるべきである。無菌条件下での好適な非経口製剤の調製は、当業者によく知られた標準的な製剤技術により容易に達成される。
【0124】
ヒト患者への経口及び非経口投与では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物の1日投与量レベルは、通常、(単回又は分割の用量において)10〜500mgであろう。
このように、例えば、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物の錠剤又はカプセル剤は、適宜、単回又は2回以上の投与について1回につき5mg〜250mgの活性化合物を含有する場合がある。どんな場合でも、個別の患者に最も適している実際の投与量は医師が決定するものであり、それは、特別の患者の年齢、体重、及び応答性に伴って変動するものである。上記の投与量は、平均症例を代表する。当然ながら、より高いか又はより低い投与量の範囲が有利である個別の事例があり得るが、そのようなものも本発明の特許請求の範囲内にある。当業者はまた、(MED及びFSDを含む)特定の状態の治療においては、本発明の化合物が、「要求される」ベースで(即ち、必要とされるか又は所望される通りに)単回用量として投与される場合があることを理解されよう。
【0125】
錠剤製剤の例
一般に、錠剤製剤は、典型的には、約0.01mgと500mgの間の本化合物(又はその塩)を含有することか可能であり、一方、錠剤の充填重量は、50mg〜1000mgの範囲に及ぶ場合がある。10mg錠剤の製剤例を例示する:
【0126】
【表1】
このような錠剤は、標準法、例えば、直接打錠法、又は湿式若しくは乾式造粒法により製造可能である。錠剤の芯は、適切な被覆剤でコートしてよい。
【0127】
本発明の化合物はまた、鼻腔内か又は吸入により投与することが可能であり、好便にも、好適な噴霧剤{例、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A[登録商標])又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA[登録商標])のようなヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素又は他の好適なガス}の使用により、加圧容器、ポンプ、スプレー、又はネブライザーから、乾燥粉末吸入器又はエアゾールスプレーの形態でデリバリーされる。加圧エアゾールの場合、投与量の単位は、目盛量をデリバリーするバルブを提供することによって決定することが可能である。加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーは、例えば、エタノール及び噴霧剤の混合物を溶媒として使用し、さらに滑沢剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを含有し得る、活性化合物の溶液若しくは懸濁液を含有する場合がある。吸入器又は通気器に使用される(例えば、ゼラチンから製造される)カプセル剤及びカートリッジ剤は、本化合物とラクトース若しくはデンプンのような好適な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することが可能である。
【0128】
エアゾール又は乾燥粉末の製剤は、好ましくは、患者へデリバリーされる本化合物の1〜50mgをそれぞれの目盛量又は「パフ」が含有するように配置される。エアゾールを用いた全体の1日量は1〜50mgの範囲であり、これは単回用量か又は、より通常は、1日全体で分割された用量で投与してよい。
【0129】
本化合物はまた、噴霧器を介したデリバリー用に製剤化することが可能である。噴霧器具の製剤は、可溶化剤、乳化剤、又は懸濁剤として以下の成分を含有してよい:水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、フルオロカーボン、ポリエチレングリコールエーテル、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸。
【0130】
他のやり方では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、坐剤又はペッサリーの形態で投与することが可能であるか、又はそれらは、ゲル、ヒドロゲル、ロ−ション、溶液、クリーム、軟膏、又は粉剤の形態で局所に適用してよい。本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物はまた、皮内に投与してよい。本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物はまた、例えば皮膚パッチの使用により、経皮的に投与してよい。それらはまた、眼、肺又は直腸の経路により投与することも可能である。
【0131】
眼への使用では、本化合物は、等張のpH調整された無菌の生理食塩水の微小化懸濁液として、又は、好ましくは、場合により塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤と組み合わせた、等張のpH調整された無菌の生理食塩水の溶液として製剤化することが可能である。他のやり方では、それらは、ワセリンのような軟膏において製剤化される場合がある。
【0132】
皮膚への局所適用では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、例えば、以下の1つ以上との混合物に懸濁しているか又は溶解している活性化合物を含有する好適な軟膏として製剤化することが可能である:鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水。他のやり方では、それらは、例えば、以下の1つ以上の混合物に懸濁しているか又は溶解している好適なローション又はクリームとして製剤化することが可能である:鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水。
【0133】
本化合物はまた、シクロデキストリンと組み合わせて使用してよい。シクロデキストリンは、薬物分子と封入及び非封入複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティ及び/又は安定特性を修飾する場合がある。一般に、薬物−デキストリン複合体は、ほとんどの剤形と投与経路に有用である。薬物との直接的な複合化に代わる方法として、シクロデキストリンは、補助添加剤、例えば担体、希釈剤、又は可溶化剤として使用可能である。α−,β−及びγ−シクロデキストリンはごく一般的に使用され、好適な例がWO−A−91/11172、WO−A−94/02518、及びWO−A−98/55148号に記載されている。
【0134】
一般に、ヒトでは、本化合物の経口投与が好ましい経路であって、最も簡便であり、例えばMEDでは、海綿体内(i.c.)投与に関連したよく知られた欠点を回避する。典型的な男性のMEDに好ましい経口投与処方は、必要とされるとき、25〜250mgの化合物である。レシピエントが嚥下障害や経口投与後の薬物吸収障害を病んでいる状況では、非経口的、舌下、又は頬内で薬物を投与してよい。
【0135】
獣医学上の使用では、本化合物、又はその獣医学的に許容される塩、又はその獣医学的に許容される溶媒和物若しくはプロドラッグが、通常の獣医学的治療に従って好適に許容される製剤として投与され、獣医が、特別の動物に最も適正である投与処方と投与の経路を決定するものである。
【0136】
このように、さらなる側面によれば、上記に説明される化合物を、製剤的又は獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体とともに包含する医薬製剤が提供される。
本化合物がサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)を阻害し、特に、cGMP PDE5の強力かつ選択的な阻害剤であるという事実に加えて、本化合物はまた、先行技術に知られている化合物よりも有効で、より毒性が少なく、より広範囲の活性を有し、より強力で、より副作用を引き起こさず、より容易に吸収され、また、それを超える他の有用な薬理学的特性を有し得るという利点を有する可能性がある。
【0137】
本化合物の生物学的活性を以下の試験法により決定した。
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害活性
本発明の化合物は、強力かつ選択的なcGMP PDE阻害剤である。サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)及びサイクリックアデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)ホスホジエステラーゼに抗する in vitro のPDE阻害活性を、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要とされる化合物の濃度)の測定により決定した。
【0138】
所要のPDE酵素は、ヒト海綿体、ヒト血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋、及び、ヒト及びイヌの網膜を含む多種多様な供給源から、本質的に W. J. Thompson と M. M. Appleman (Biochem., 1971, 10, 311) の方法により単離した。特に、cGMP特異的PDE(PDE5)とcGMP阻害性cAMP PDE(PDE3)は、ヒト海綿体組織又はヒト血小板から入手し;cGMP刺激性PDE(PDE2)は、ヒト海綿体又はヒト血小板から入手し;カルシウム/カルモジュリン(CA/CAM)依存性PDE(PDE1)は、ヒト心室から;cAMP特異的PDE(PDE4)は、組換えクローン又はヒト骨格筋から;そして、光受容体PDE(PDE6)は、イヌ若しくはヒトの網膜から入手した。ホスホジエステラーゼ7〜11は、SF9細胞へトランスフェクトした完全長のヒト組換えクローンから産生した。
【0139】
アッセイは、W. J. Thompson et al. (Biochem., 1979, 18, 5228) の「バッチ」法の修飾法を使用するか、又は製品コードTRKQ7090/7100のアマーシャムplcにより記載のプロトコールの修飾法を使用する、AMP/GMPの直接検出用のシンチレーション近似アッセイを使用するかのいずれかにより実施した。要約すると、様々な阻害剤濃度と低濃度の基質(非標識:[3H]−標識が3:1比のcGMP又はcAMP、Kmの約1/2の濃度)の存在下で、IC50がほぼKiになるように、一定量の酵素をアッセイすることによってPDE阻害剤の効果を検討した。最終アッセイ量は、アッセイ緩衝液[20mM トリス−HCl(pH7.4),5mM MgCl2,ウシ血清アルブミン1mg/ml]で102μlへ調製した。酵素を加えて反応を開始させ、30℃で30〜60分間インキュベートし、<30%の基質代謝回転を与え、(PDE3、9、及び11についてそれぞれの非標識サイクリックヌクレオチドの3mMを含有する)珪酸イットリウムSPAビーズ50μlで停止させた。プレートを再シールし、20分間振り混ぜ、その後でこのビーズを暗所に30分間放置してから、TopCountプレートリーダー(パッカード、メリデン、コネティカット州)で計数した。放射活性単位を非阻害対照(100%)の活性(%)へ変換し、阻害剤の濃度に対してプロットし、「適合曲線」マイクロソフト・エクセル拡張式、又は自前の同等物を使用して、阻害剤のIC50値を得た。これらの試験からの結果は、本発明の化合物がcGMP特異的PDE5の強力かつ選択的な阻害剤であることを示す。
【0140】
In vitro 代謝
ヒト由来の肝ミクロソーム分画において、in vitro 代謝実験を行った。医学振興国際研究所(エクストン、ペンシルヴェニア州、アメリカ)から、移植品質のヒト肝臓組織を入手した。Biochemical Pharmacology, 1966, 48, 2147-2156 に記載の方法に従ってミクロソームを調製し、−80℃で保存した。Journal of Biological Chemistry, 1951, 193, 265-275 と Journal of Biological Chemistry, 1964, 239, 2370-2378 に記載される標準法により、タンパク質及びチトクロームP450の濃度を決定した。
【0141】
0.5μM チトクロームP450、200mM リン酸緩衝液(pH7.4)、0.1M MgCl2、0.1M イソクエン酸、1ユニット/ml イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、及び20mM β−NADPを含有するミクロソーム・インキュベーション物(1.5ml)を調製した。37℃で5分間のプレインキュベーションの後で試験対象の化合物を加え、開始の基質濃度を1μMとした。この混合物を37℃でインキュベートし、60分まで、サンプル(100μl)を分析用に取った。(試験対象の化合物に類似した物理化学特性を有するように選択された)内部標準を含有するNaOH(0.1M)の追加によりサンプル中での代謝を停止させた後で、酢酸エチル(2ml)へ抽出した。この抽出物を蒸発乾固させ、LC−MS(ヒューレットパッカード、HP1100二元ポンプ、Hypersil HS100 C18,5cmx4.6mm内径、5μmカラム、90:10 メタノール/水中2mM酢酸アンモニウムの移動相を使用、水性部分を氷酢酸でpH4へ調整、及び1ml/分の流速)により分析した。質量分光計は、陽イオン多重反応モニタリング(MRM)検出モードを使用する、TurbolonSprayインターフェイスの付いたSciex API 2000であった。遮蔽、ネブライザー、TurbolonSpray、及び衝突の気体として窒素を使用し、TurbolonSpray温度を100℃とした。典型的な電圧は以下の通りであった:IS=5.2kV;RNG=380V;Q0=−10V;IQ1=−11V;ST=−15V;RO1=−11V;MU=Sciexユーザーマニュアルに従って調整した増幅率。衝突エネルギーは、高MRM、OR=65Vに対して55eVであった。ドエル時間は200ミリ秒で、50ミリ秒の休止があった。MSExpress(v1.1)を使用してデータを獲得し、Macqualan1.5(PE Sciex)を使用して処理した。ヒトミクロソーム調製物における消失速度定数(k)を、時間に対する対数比(試験対象の化合物/内部標準)の線形回帰により決定した。in vitro ヒトミクロソーム半減期を、等式:t1/2=ln2/kに従って決定した。これらの試験からの結果は、本発明の化合物が望ましいヒト肝ミクロソーム(HLM)半減期を明示することを示す。
【0142】
当業者は、HLM半減期の増加が、主にチトクロームP450仲介性代謝により一掃される化合物について、ヒトにおけるクリアランス抑制の予兆となることを理解されよう。
例えば、「実施例1」の化合物のような本発明の化合物の特別の利点は、望ましい in vitro ミクロソーム半減期である。本明細書において特に好ましい化合物は、当技術分野の化合物に対して、2倍、好ましくは4倍以上、そしてより好ましくは5倍の改善を有する。そのような改善された in vitro ミクロソーム半減期は、抑制された in vivo クリアランスを示唆する。
【0143】
本明細書の式(I)の好ましい化合物は、PDE5酵素について約10nM未満のIC50値を有する。より好ましい化合物の群は、PDE5酵素について約5nM未満のIC50値を有する。本明細書においてきわめて好ましいのは、PDE5酵素について約3nM未満のIC50値を有する化合物である。
【0144】
さらに、本明細書の式(I)の好ましい化合物は、PDE6酵素に対して5倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する。本明細書においてきわめて好ましいのは、PDE6酵素に対して10倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。本明細書においてより好ましいのは、PDE6酵素に対して20倍より大きいPDE5への酵素選択性を有する化合物であり、特に好ましいのは、PDE6酵素に対して30倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。
【0145】
本明細書において特に好ましいのは、PDE5酵素について約10nM未満、より好ましくは約5nM未満、そして特に約3nM未満のIC50値を有し、同時に、PDE6酵素に対して10倍より大きい、好ましくは約20倍よりも大きい、そして特に30倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。
【0146】
上記に説明したように、本明細書において好ましい化合物は、望ましいヒト肝ミクロソーム(HLM)半減期を有する。本明細書において特に好ましいのは、約20分より大きい、より好ましくは60分より大きい、そして最も好ましくは120分より大きいHLM半減期を有する化合物である。そのようなHLM値は、上記に説明した方法に従って測定することが可能である。
【0147】
このように、本明細書において特に好ましい化合物の群は、PDE5酵素について約10nM未満、より好ましくは約5nM未満、そして特に約3nM未満のIC50値を有し、同時に、PDE6酵素に対して10倍より大きい、好ましくは約20倍よりも大きい、そして特に30倍より大きいPDE5酵素への選択性と、約20分より大きいHLM半減期を有する化合物である。
【0148】
機能活性
これは、S. A. Ballard et al. (Brit. J. Pharmacol., 1996, 118 (補遺)、抄録 153P) に記載のように、前収縮したウサギ海綿体組織切片のニトロプルシドナトリウム誘発弛緩を増強する、本発明の化合物の能力を決定することによって in vitro で評価することが可能である。
【0149】
in vivo 活性
in vivo 活性は、Trigo-Rocha et al. (Neurourol. and Urodyn., 1994, 13, 71) の記載に基づいた方法を使用して、静脈内投与後に、ニトロプルシドナトリウムの海綿体内注射により誘発される陰茎海綿体における圧上昇を高める能力を決定するために、麻酔犬において試験化合物をスクリーニングすることによって試験することが可能である。
【0150】
安全性プロフィール
マウスやイヌのような動物において、様々な静脈内及び経口の用量で本化合物を試験し、不都合な効果について観察することが可能である。
【0151】
実施例と製法
一般式(I)の化合物と使用される中間体の合成は、以下の「実施例」と「製法」の方法に類似して達成することが可能である。
【0152】
1H−核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian Unity 300又はVarian Inova 400のいずれかの分光計を使用して記録し、いずれの事例でも、仮定された構造に一致していた。特徴的な化学シフト(δ)を、主要ピークを明示する従来の略号を使用して、テトラメチルシランからの百万分率下方磁場(downfield)で示す:例えば、s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;br,ブロード。
【0153】
Fisons Instruments Trioの質量分析計をサーモスプレーイオン化モード(TSP)で使用するか、又はFinniganナビゲーターをエレクトロスプレーイオン化モード(ES)−陽イオン化及び/又は陰イオン化モードで使用して、質量スペクトル(m/z)を記録した。
【0154】
本明細書において使用されるように、用語「カラムクロマトグラフィー」は、シリカゲル(0.04〜0.06mm)を使用する順相クロマトグラフィーを意味する。
室温には、20〜25℃が含まれる。
【0155】
製法の実施例
製法1
N−プロピオニルアラニン
D,L−アラニン(16.71g,0.188モル)及びトリエチルアミン(57.5ml,0.41モル)の氷冷ジクロロメタン(190ml)溶液へ、塩化トリメチルシリル(52.4ml,0.41モル)を滴下した。添加が完了したならば、この溶液を室温で1時間、次いで40℃で1時間撹拌した。次いで、この溶液を−10℃へ冷やし、塩化プロピオニル(16.29ml、0.188モル)を15分にわたり滴下し、添加が完了したならば、この反応物を−10℃で2時間、次いで室温で16時間撹拌し、その後で氷浴中に冷やした。水(100ml)を加え、この混合物を15分間撹拌してから、相を分離させた。水層を減圧下で蒸発させ、残渣をアセトンで摩砕した。生じた固形物を濾過して除き、濾液を減圧下で濃縮し、オイルを得た。このオイルを、溶出液としてDCM:MeOH:0.88NH3(水)(89:10:1)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(20g;トリエチルアミンを33%含有する)を得た。
【0156】
【化40】
製法2
N−メトキシ−N−メチル−2−(プロピオニルアミノ)プロパンアミド
製法1の表題化合物(14.85g,77.0ミリモル)、トリエチルアミン(27.9ml,72.5ミリモル)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(7.5g,77ミリモル)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(12.3g,80.85ミリモル)のジクロロメタン(450ml)懸濁液へ1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.2g,84.7ミリモル)を加え、この反応物を室温で23時間撹拌した。この混合物を水(250ml)及び重炭酸ナトリウム溶液(120ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣のオイルを、溶出液としてDCM:MeOH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(8.2g)を得た。
【0157】
【化41】
製法3
N−(3−エトキシ−1−メチル−2−オキソ−3−ブテニル)プロパンアミド
エチルビニルエーテル(11.4ml,119ミリモル)のテトラヒドロフラン(160ml)冷却(−78℃)溶液へ、tert−ブチルリチウム(70ml,ペンタン中1.7M,119ミリモル)を5分にわたり加え、この溶液を1時間にわたり−5℃へ温めた。次いで、この溶液を−60℃へ再冷却し、内部温度を−50℃未満に維持するように、臭化マグネシウムジエチルエーテラート(30.73g,119ミリモル)を少しずつ加えた。次いで、この混合物を−5℃まで温め、30分間撹拌し、そして−10℃へ再冷却した。製法2の表題化合物(2.8g,14.9ミリモル)のTHF(20ml)溶液を滴下してから、この反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物を10%クエン酸水溶液(500ml)へ注ぎ込み、EtOAc(500ml)で抽出した。有機溶液を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、オイルを得た。この粗生成物を、溶出液としてDCMを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(1.8g)を得た。
【0158】
【化42】
製法4
2−オキソ−3−(プロピオニルアミノ)ブタン酸エチル
方法A
製法3の表題化合物(1.0g,5.98ミリモル)及びピリジン(3.25ml,44.9ミリモル)のDCM(85ml)冷却(−78℃)溶液に、酸素を泡立てて2分間通した。次いで、オゾンを泡立てて5分間通してから、この溶液を酸素でパージし、窒素気体下に置いた。ジメチルスルフィド(3.25ml,44.9ミリモル)を5分にわたり滴下し、この溶液を1時間撹拌してから、室温まで温めた。この混合物を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、オイルを得た。この粗生成物を、DCM:Et2O(100:0〜50:50)の溶出液勾配を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(395mg)を得た。
【0159】
方法B
製法1の表題化合物(10.9g,75.0ミリモル)のピリジン(18.2ml,225ミリモル)及びTHF(75ml)溶液へ4−ジメチルアミノピリジン(122mg,1.0ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで加熱してから,塩化オキサリルエチル(16.8ml,150ミリモル)を1時間にわたり滴下した。この添加の前半では、反応混合物は溶液のままであったが、より多くの塩化オキサリルエチルを加えるにつれて、再溶解しない白色の沈殿物が形成した。この混合物をさらに3時間加熱してから、氷水(200ml)に注いだ。この混合物をEtOAc(3x200ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、真空で濃縮して、薄褐色のオイルを得た。NaHCO3(3.58g,42.7ミリモル)とEtOH(25ml)を加え、この混合物を還流まで3.5時間加熱した。この反応物を冷やし、濾過した。濾液を濃縮して薄褐色のオイルとした。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,80:20〜20:80)により精製し、表題化合物(3.95g,20.0ミリモル、26%)を黄色のオイルとして得た。
【0160】
【化43】
製法5
2−ブトキシニコチン酸
ナトリウム(3g,130ミリモル)のブタノール(100ml)溶液へ2−クロロニコチン酸(10.0g,63.5ミリモル)を80℃で加え、生じた混合物を還流下で4時間加熱した。この反応物を冷やし、EtOAcと2M HClの間に分画し(pH3〜4となる)、層を分離させた。有機相を塩水で洗浄し、減圧下で濃縮し、EtOAcに再び溶かし、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、所望の生成物(11.9g)を固形物として得た。
【0161】
【化44】
製法6
2−ブトキシ−5−ヨードニコチン酸
製法5の表題化合物(3.46g,17.7ミリモル)及びN−ヨードスクシンイミド(6g,26.6ミリモル)のトリフルオロ酢酸:トリフルオロ酢酸無水物(4:1,35ml)中の混合物を、光を排除しながら、還流下で24時間加熱した。冷やした反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcに溶かした。次いで、この溶液を、水(2回)、チオ硫酸ナトリウム溶液(2回)、10%クエン酸ナトリウム水溶液、2N塩酸、及び塩水で順に洗浄してから乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗生成物をペンタンで摩砕して、表題化合物(3.86g,68%)を白色の固形物として得た。
【0162】
【化45】
製法7
2−ブトキシ−5−ヨードニコチノニトリル
製法6の表題化合物(2.25g,7.01ミリモル)及び塩化オキサリル(3.55g,28.0ミリモル)のDCM(20ml)氷冷懸濁液へN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)を加え、この反応物を室温で4時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCMと共沸させた。この酸クロリドをDCM(20ml)に再懸濁させ、氷浴中で冷やし、0.88アンモニア(2mL)を加え、この溶液を室温で30分間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、水、2M HCl、及び塩水で洗浄してから、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、褐色の固形物を得た。この中間体アミド(1.85g,5,78ミリモル)及びピリジン(1.14g,14.4ミリモル)のジオキサン(15ml)氷冷溶液へ、トリフルオロ酢酸無水物(1.82g,8.67ミリモル)のジオキサン(2ml)溶液を加え、この反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcと水の間に分画し、層を分離させた。有機層を2M HCl(2回)、飽和重炭酸ナトリウム溶液、及び塩水で洗浄してから、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗生成物を、ペンタン:EtOAc(100:0〜95:5)の溶出液勾配を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。
【0163】
【化46】
製法8
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルボキシミドアミド・ホルマート
用時調製したナトリウム(1.5g,65.2ミリモル)のブタノール(100ml)溶液へ、製法7の表題化合物(10g,33.1ミリモル)を加え、この反応物を室温で18時間撹拌した。ギ酸アンモニウム(17.4g,276ミリモル)を加え、この反応物を50℃まで2時間に次いで、80℃でさらに2時間加熱した。冷やした混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEt2Oで摩砕した。この固形物を水で摩砕してから、エーテルで数回摩砕して、表題化合物(2.53g)を得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0164】
【化47】
製法9
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−メチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
方法A
製法8の表題化合物(2.02g,3.98ミリモル)のエタノール(3.8ml)溶液へヒドラジン一水和物(194μL,3.98ミリモル)を加え、この溶液を20分間撹拌した。製法4の表題化合物(800mg,3.98ミリモル)のエタノール(1ml)溶液を加え、この反応物を70℃で2時間加熱した。冷やした混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、溶出液としてDCM:Et2O(67:33)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色の固形物を得た。これをエーテルで摩砕して、黄色の固形物、250mg(所望される生成物と所望されない生成物の2:1異性体混合物)を得た。この固形物(243mg,0.516ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(3ml)溶液へ亜リン酸オキシクロリド(360μL,3.97ミリモル)を加え、この反応物を還流下で30分間加熱した。冷やした混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を2M炭酸ナトリウム溶液(5ml)とEtOAc(5ml)の間に分画し、層を分離させた。水層をEtOAc(2x5ml)で抽出し、合わせた有機溶液を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、黄色の固形物を得た。この粗生成物を、溶出液としてDCM:Et2O(91:9)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(130mg)を得た。
【0165】
方法B
製法16の表題化合物(834mg,1.87ミリモル)のBuOH(8ml)懸濁液へヒドラジン一水和物(91μL,1.87ミリモル)を加え、この混合物を室温で15分間撹拌した。製法4の表題化合物(方法Bにより製造、376mg,1.87ミリモル)とNaHCO3(525mg,6.25ミリモル)を加え、この混合物を還流まで6時間加熱した。次いで、この混合物を室温で18時間撹拌し、水(100ml)とDCM(2x150ml)の間に分画した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色のオイルを得た。これをDCM(15ml)に溶かし、POCl3(1.03ml,11.1ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで1時間加熱してから、室温へ冷やした。飽和NaHCO3溶液(100ml)を加え、この混合物を1時間撹拌した。この混合物をDCM(2x75ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色の固形物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40)により精製し、表題化合物(200mg,0.44ミリモル、24%)をベージュ色の固形物として得た。
【0166】
【化48】
燃焼分析:C17H20IN5O2の計算値:C,45.05;H,4.45;N,15.45。実測値:C,44.79;H,4.27;N,15.18。
【0167】
製法10
5−(2−ブトキシ−5−トリメチルシリルエチニル−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
5−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−7−オン(PCT出願、IB00/01430号、付属資料1の実施例44)(330mg,0.647ミリモル)のトリエチルアミン(8ml)及びアセトニトリル(2ml)中の撹拌されたスラリーへ、Pd(PPh3)2Cl2(11.2mg,0.016ミリモル)、トリメチルシリルアセチレン(179μL,1.29ミリモル)、及びヨウ化銅(3mg,0.016ミリモル)を、窒素気体下、室温で加えた。この混合物を60℃で3時間加熱し、冷却し、塩水からジクロロメタン(2x100ml)で抽出した。この有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、黄色の固形物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5で溶出)による精製により、表題化合物(290mg,93%)を薄褐色のオイルとして得た。
【0168】
【化49】
製法11
5−(2−ブトキシ−5−エチニル−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
製法10の表題化合物(300mg,0.625ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)及び水(2ml)中の撹拌された溶液へフッ化カリウム(72.5mg,1.25ミリモル)を室温で加えた。2時間後、この反応混合物を塩水へ注ぎ込み、EtOAc(2x100ml)で抽出した。この有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、生成物(285mg)を薄褐色のオイルとして得た。
【0169】
【化50】
製法12
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
製法11の表題化合物(280mg,0.69ミリモル)のアセトン(8ml)中の撹拌された溶液へ1N硫酸(1ml)を室温で加えた。硫酸水銀(40mg,0.14ミリモル)を加え、この混合物を還流で5時間加熱した。この反応混合物を冷やし、メタノール(10ml)で希釈し、濾過し、濾液をさらなるメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(100ml)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)の間に分画した。水性部分をさらに100mlのEtOAcで洗浄し、合わせた有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5で溶出)による精製により、生成物(140mg)をクリーム色の固形物として得た。
【0170】
【化51】
製法13
2−エトキシ−5−ヨードニコチンアミド
2−エトキシ−5−ヨードニコチン酸(WO0127112号の方法に従って製造、20.0g,68.3ミリモル)のDCM(400ml)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液へ塩化オキサリル(6.60ml,75.1ミリモル)を0℃で加えた。この溶液を18時間にわたり室温へ温めてから、真空で濃縮した。生じた橙色のオイルをTHF(200ml)に溶かし、0℃へ冷やした。NH3(0.5Mジオキサン溶液の410ml,205ミリモル)を加え、この混合物を4時間にわたり室温へ温めた。この反応混合物を真空で濃縮し、水(150ml)で摩砕した。この固形物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(18.9g,64.9ミリモル、95%)をベージュ色の固形物として得た;融点176〜179℃。
【0171】
【化52】
製法14
2−ブトキシ−5−ヨードニコチンアミド
製法13の表題化合物(10.0g,34.0ミリモル)及びCs2CO3(5.60g,17.0ミリモル)のBuOH(50ml)中の混合物を還流まで4.5時間加熱してから、室温で18時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、水(200ml)とDCM(2x250ml)の間に分画した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をEt2Oで摩砕して、表題化合物(4.81g,15.0ミリモル、44%)をベージュ色の固形物として得た;融点163〜166℃。
【0172】
【化53】
燃焼分析:C10H13IN2O2・0.15H2Oの計算値:C,37.21;H,4.15;N,8.68。実測値:C,36.97;H,3.92;N,8.62。
【0173】
製法15
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルボチオアミド
製法14の表題化合物(4.81g,15.0ミリモル)及びLawesson試薬(3.04g,7.50ミリモル)のトルエン(40ml)中の混合物を90℃で2時間加熱してから、室温でさらに18時間撹拌した。この反応混合物をその半量まで濃縮し、0℃へ冷やした。この黄色の沈殿物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(3.68g,10.9ミリモル、73%)を得た;融点140〜148℃。
【0174】
【化54】
製法16
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルブイミドチオ酸メチル・ヨウ化水素酸塩
製法15の表題化合物(3.68g,10.9ミリモル)及びヨードメタン(1.5ml,24ミリモル)をDCM(20ml)及びアセトン(30ml)に溶かし、室温で3日間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮し、Et2Oで摩砕し、表題化合物(4.08g,8.53ミリモル、78%)を褐色の固形物として得た。
【0175】
【化55】
製法17
2−(プロピオニルアミノ)−4−ペンテン酸
DL−2−アミノ−4−ペンテン酸(14.6g,127ミリモル)及びK2CO3(19.3g,140ミリモル)のH2O(100ml)溶液へプロピオン酸無水物(18.0ml,140ミリモル)を0℃で滴下した。この反応混合物を20℃まで温め、18時間撹拌した。pHが1になるまで濃HClを加え、この混合物をDCM(2x100ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をペンタン(100ml)で摩砕して、表題化合物(18.9g,110ミリモル、87%)を白色の結晶として得た;融点96〜98℃。
【0176】
【化56】
燃焼分析:C8H13NO3の計算値:C,56.13;H,7.65;N,8.18。実測値:C,56.04;H,7.56;N,8.11。
【0177】
製法18
N−メトキシ−N−メチル−2−(プロピオニルアミノ)−4−ペンテンアミド
製法17の表題化合物(12.74g,75.0ミリモル)のTHF(100ml)及びN−メチルモルホリン(18.2ml,165ミリモル)溶液へ、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(14.47g,82.0ミリモル)を20℃で加えた。1時間後、白色の沈殿物が形成していた。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(7.80g,80.0ミリモル)を加え、この混合物を20℃で3日間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮し、DCM(150ml)とH2O(50ml)の間に分画した。水相をDCM(50ml)で抽出し、合わせた有機物を10% Na2CO3溶液(50ml)及び2M HCl(50ml)で洗浄した。このDCM溶液を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題化合物(12.3g,57.4ミリモル、77%)を黄色のオイルとして得た。
【0178】
【化57】
高解像MS:C10H18N2O3Naのm/z計算値:237.1210;実測値:237.1213(MNa+)。
【0179】
製法19
N−(1−ホルミル−3−ブテニル)プロパンアミド
製法18の表題化合物(10.5g,49.0ミリモル)のTHF溶液へ、N2下、−10℃で、LiAlH4(THF中1M,34.0ml,34.0ミリモル)を45分にわたり滴下した。この反応物を20℃まで温めて、3時間撹拌した。KHSO4溶液(150ml H2O中、20g)を慎重に加え、この混合物を10分間撹拌してから、真空で濃縮し、THFを除去した。水相をDCM(2x100ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:1,ペンタン/EtOAc)により精製し、表題化合物(3.30g,21.3ミリモル、43%)を黄色のオイルとして得た。
【0180】
【化58】
製法20
N−{1−[シアノ(ヒドロキシ)メチル]−3−ブテニル}プロパンアミド
製法19の表題化合物(3.30g,21.3ミリモル)のDCM(50ml)及びEt3N(3.1ml)溶液へアセトンシアノヒドリン(2.0ml,22ミリモル)を加え、この混合物を20℃で18時間撹拌した。さらに0.5mlのアセトンシアノヒドリンを加え、この混合物をさらに18時間撹拌した。この反応物を真空で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40〜40:60)により精製し、表題化合物(2.35g,12.9ミリモル、61%)をジアステレオ異性体の1:1混合物である、黄色のオイルとして得た。
【0181】
【化59】
高解像MS:C9H15N2O2のm/z計算値:183.1128;実測値:183.1134(MH+)。
【0182】
製法21
2−ヒドロキシ−3−(プロピオニルアミノ)−5−ヘキセン酸エチル
製法20の表題化合物(2.35g,12.9ミリモル)のEtOH(40ml)溶液に、HClを−10℃で泡立てて通し、飽和にした。この反応物を5℃まで温め、容器を密閉し、冷蔵庫において5℃で18時間放置した。この反応混合物を真空で濃縮し、氷(約100g)を加え、この混合物を20℃まで温め、30分間撹拌した。水相を10% Na2CO3溶液で塩基性にし、DCM(100ml)で抽出した。このDCM抽出物へ2M HCl(50ml)を加え、この混合物を30分間撹拌した。DCM層を分離させ、10% Na2CO3(100ml)溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮してオイルにした。水相をすべて合わせ(pH:約6)、DCM(4x40ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮してオイルにした。これを先のオイルと合わせて、表題化合物(2.00g,8.7ミリモル、67%)を得た。
【0183】
【化60】
高解像MS:C11H20NO4のm/z計算値:230.1387;実測値:230.1395(MH+)。
【0184】
製法22
2−オキソ−3−(プロピオニルアミノ)−5−ヘキセン酸エチル
製法21の表題化合物(2.00g,8.73ミリモル)のDCM(40ml)溶液へDess−Martinペルヨージナン(4.25g,10ミリモル)を20℃で加えた。1.5時間後、飽和Na2S2O3溶液(50ml)と飽和NaHCO3溶液(50ml)を加え、この混合物を30分間撹拌した。層を分離させ、水相をDCM(2x50ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,75:25〜25:75)により精製し、表題化合物(1.30g,5.72ミリモル、65%)を黄色のオイルとして得た。
【0185】
【化61】
高解像MS:C11H17NO4Naのm/z計算値:250.1050;実測値:250.1057(MNa+)。
【0186】
製法23
5−アリル−2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法16の表題化合物(1.00g,2.10ミリモル)のBuOH(10ml)懸濁液へヒドラジン一水和物(0.11ml,2.25ミリモル)を加え、この混合物を室温で15分間撹拌した。製法22の表題化合物(470mg,2.07ミリモル)とNaHCO3(600mg,7.06ミリモル)を加え、この混合物を還流まで6時間加熱してから、18時間室温へ冷やした。この混合物をDCM(3x100ml)と飽和NaHCO3溶液(50ml)の間に分画し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた褐色のオイルを1,2−ジクロロエタン(10ml)に溶かし、これへPOCl3(1.6ml,17.1ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで30分間加熱してから、冷やした。10% Na2CO3水溶液(20ml)を加え、この混合物を15分間撹拌した。この混合物をDCM(3x50ml)と10% Na2CO3水溶液(50ml)の間に分画し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた褐色のゴムを、カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc,80:20)とジイソプロエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(185mg,0.38ミリモル、18%)をベージュ色の固形物として得た;融点134〜135℃。
【0187】
【化62】
燃焼分析:C19H22IN5O2の計算値:C,47.61;H,4.63;N,14.61。実測値:C,47.32;H,4.56;N,14.30。
【0188】
製法24
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−プロピルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法23の表題化合物(75mg,0.156ミリモル)、トシルヒドラジド(120mg,0.645ミリモル)、及びトルエン(2ml)を合わせ、還流まで5時間加熱した。この混合物を室温で18時間撹拌してから、水(15ml)とEtOAc(30ml)の間に分画した。有機相を塩水(10ml)及び0.2M NaOH溶液(2x10ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(70mg,0.146ミリモル、93%)を白色の固形物として得た。
【0189】
【化63】
製法25
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−5−カルブアルデヒド
製法23の表題化合物(90mg,0.188ミリモル)のTHF(6ml)及び水(3ml)溶液へNaIO4(120mg,0.56ミリモル)とOsO4(t−BuOH中2.5%溶液、0.09ml)を加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物をEtOAc(50ml)と水(30ml)の間に分画し、有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40〜40:60)により精製し、表題化合物を薄黄色の固形物として得た。
【0190】
【化64】
高解像MS:C17H18N5IO3のm/z計算値:468.0527;実測値:468.0518(MH+)。
【0191】
製法26
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルメチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法25の表題化合物(50mg,0.107ミリモル)、モルホリン(0.015ml,0.172ミリモル)、AcOH(0.010ml,0.175ミリモル)、及びNaBH(OAc)3(50mg,0.236ミリモル)をTHF(2ml)において合わせ、室温で3日間撹拌した。この混合物をDCM(30ml)と飽和NaHCO3溶液(20ml)の間に分画した。有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、表題化合物(38mg,0.071ミリモル、68%)をベージュ色の固形物として得た。
【0192】
【化65】
高解像MS:C21H27N6IO3のm/z計算値:539.1262;実測値:539.1260(MH+)。
【0193】
実施例1
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−メチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0194】
【化66】
製法9の表題化合物(方法Bにより製造、200mg,0.44ミリモル)のMeCN(5ml)溶液へブチルビニルエーテル(1.30ml,10.0ミリモル)とトリエチルアミン(0.20ml,1.43ミリモル)を加えた。Pd(OAc)2(16mg,0.07ミリモル)とトリ−o−トリルホスフィン(42mg,0.14ミリモル)を加え、この混合物を還流まで5時間加熱してから、室温で18時間撹拌した。この反応物を還流までさらに2時間加熱し、冷やし、真空で濃縮した。生じた固形物を6M HCl(4ml)に懸濁させ、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(2x150ml)とDCM(2x50ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色のオイルを得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2)により精製し、表題化合物(40mg,0.11ミリモル、25%)を薄黄色の固形物として得た;融点190〜196℃。
【0195】
【化67】
燃焼分析:C19H23N5O3・0.2H2Oの計算値:C,61.18;H,6.32;N,18.77。実測値:C,61.25;H,6.23;N,18.49。
【0196】
他のやり方では、実施例1は、PCT出願、IB00/01430号、付属資料1、実施例44から製法12の表題化合物を製造するために使用する方法に従うことによって、製法9の表題化合物から製造することが可能である。
【0197】
実施例2
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−プロピルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0198】
【化68】
製法24の表題化合物(70mg,0.145ミリモル)、ブチルビニルエーテル(0.30ml,2.3ミリモル)、トリ−o−トリルホスフィン(10mg,0.06ミリモル)、トリエチルアミン(0.05ml,0.36ミリモル)、及びPd(OAc)2(6mg,0.03ミリモル)をMeCN(2ml)中で合わせ、この混合物を還流まで5時間加熱してから、冷やした。6M HCl(1ml)を加え、この混合物を15分間撹拌した。水(40ml)を加え、この溶液をEtOAc(50ml)で抽出した。これを乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,99.25:0.75〜98.5:1.5)とジイソプロピルエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(14mg,0.035ミリモル、24%)をベージュ色の固形物として得た;融点155〜156℃。
【0199】
【化69】
高解像MS:C21H27N5O3のm/z計算値:398.2187;実測値:398.2177(MH+)。
【0200】
実施例3
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルメチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0201】
【化70】
製法26の表題化合物(45mg,0.0835ミリモル)、ブチルビニルエーテル(0.18ml,1.38ミリモル)、トリ−o−トリルホスフィン(14mg,0.046ミリモル)、トリエチルアミン(0.03ml,0.215ミリモル)、及びPd(OAc)2(5mg,0.0223ミリモル)をMeCN(1ml)中で合わせ、この混合物を還流まで5時間加熱してから、冷やした。この混合物をDCM(30ml)と飽和NaHCO3溶液(25ml)の間に分画し、水相をDCM(2x20ml)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2〜92:8)とジイソプロピルエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(15mg,0.033ミリモル、39%)をベージュ色の固形物として得た;融点145〜149℃。
【0202】
【化71】
生物学的活性
本明細書の式(I)の好ましい化合物は、約10nM未満のIC50値を有するcGMP PDE5の阻害剤として、in vitro 活性を有する。本明細書の実施例1及び2の化合物は、それぞれ、1.34nM及び1.96nMのcGMP PDE5(ヒト海綿体)IC50値を有する。
【0203】
In vitro 代謝データ
表1は、比較例の化合物Aに対する実施例1の化合物の改善されたHLM半減期を例示する。
【0204】
【表2】
化合物Aは、1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−アス(as)−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られる、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オンである。化合物Aは、公開国際出願WO99/24433号の実施例20、19、337、及び336に説明される方法に従って製造することが可能である。
発明の分野
本発明は、医薬品に有用な化合物、特に、5型サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE5)のような、サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDEs)の阻害に有用である化合物に関する。故に、本化合物は、男性の勃起不全(MED)を含む、多様な治療領域において有用性を有する。
【0002】
先行技術
特定のcGMP PDE阻害性2−フェニル置換イミダゾトリアジノン誘導体が、国際特許出願WO99/24433、WO99/67244、及びWO01/646777号に開示されている。
【0003】
発明の開示
本発明によれば、一般式I:
【0004】
【化1】
の化合物、又はその製剤的若しくは獣医学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、又はプロドラッグが提供される[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
そして、ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。
【0005】
該化合物は、以下、まとめて「本発明の化合物」と呼ぶ。
用語「アリール」には、本明細書で使用される場合、フェニル及びナフチルのような、6〜10員の炭素環式芳香族の基が含まれる。
【0006】
用語「Het」には、本明細書で使用される場合、4〜12員、好ましくは4〜10員の環系が含まれ、該環は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有し、そして該環は、1つ以上の二重結合を含有するか、又は、特性において、非芳香族、一部芳香族、又は全部芳香族である場合がある。この環系は、単環式、二環式であるか、又は縮合している場合がある。このように、この用語には、場合により置換される、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾピリジニル、及びピペリジニルのような基が含まれる。Hetでの置換は、Het環の炭素原子でも、又は、適切ならば、ヘテロ原子の1つ以上においてであってもよい。
【0007】
「Het」基はまた、N−オキシドの形態であってもよい。
本明細書での使用に好ましいHet基は、少なくとも1つのNと、場合により、O、S、又はそれらの混合を含有する、C5〜C8員の環系である。本明細書でR1及び/又はR2上のHet若しくはアルキルHet置換基にきわめて好ましいのは、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、又はアゼチジニル基である。
【0008】
R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16が(それらが結合する窒素原子と一緒に)表す場合がある複素環式環は、少なくとも1つの窒素原子を含有するどんな複素環式環でもよく、そして該環は、必須窒素原子(これは、疑問を避けるために言えば、R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16がそれぞれ付く原子である)を介して分子の残り部分へ付くときに、安定した構造を形成する。この点において、R3及びR5、R7及びR8、R9及びR10、R13及びR14、又はR15及びR16が(それらが結合する窒素原子と一緒に)表す場合がある複素環式環には、4〜12員、好ましくは4〜10員の環系が含まれ、該環は、少なくとも1つの窒素原子を含有し、そして場合により、窒素、酸素、及び/又はイオウから選択される1つ以上のさらなるヘテロ原子を含有し、そして該環は、1つ以上の二重結合を含有するか、又は、特性において、非芳香族、一部芳香族、又は全部芳香族である場合がある。このように、この用語には、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、トリアゾリル、テトラゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、及びピペラジニルのような基が含まれる。
【0009】
用語「C1〜C6アルキル」(これには、C1〜C6アルキルHet及びC1〜C6アルキルアリール基のC1〜C6アルキル部分が含まれる)には、本明細書で使用される場合、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル基が含まれる。他に特定されなければ、アルキル基は、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖若しくは分岐鎖であるか、飽和若しくは不飽和であるか、又は、環式、非環式、又は一部環式/非環式であり得る。本明細書での使用に好ましいC1〜C6アルキル基は、C1〜C4アルキル基である。
【0010】
上記に定義される置換されたC1〜C6アルキルHet及びC1〜C6アルキルアリールは、環上及び/又はアルキル鎖上に置換基を有する場合がある。
上記の基が置換されるか又は終結される場合があるハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードが含まれる。
【0011】
一般式Iの化合物を、本明細書では、以下、「本発明の化合物」又は「本化合物」と呼ぶ。
本発明のさらなる側面による、好ましい化合物の群は、上記に定義される、式Iの化合物である[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、上記に定義される通りである;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。
【0012】
本明細書できわめて好ましいのは、上記に定義されるような化合物であって、ここで、Yは、CH又はN、好ましくはNであり、AはC(O)であり、そしてR1は、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルキルHet、好ましくはC1〜C3アルキルHetであり、R2とR4は、独立して、C1〜C4アルキルから選択され、好ましくはC1〜C3アルキルであり、そしてR3は、C1〜C4アルキル、好ましくはC2〜C4アルキルであって、ここでHet基は、モルホリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、又はアゼチジニル基であり、好ましくは、モルホリニル又はピペリジニルである。
【0013】
本発明のもう1つの側面によれば、一般式(I)の好ましい化合物が提供される[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、Nを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、上記に定義される通りである]。
【0014】
なおさらなる側面によれば、本発明は、上記に定義されるような一般式(I)の他の好ましい化合物を提供する[式中:
Aは、C=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し、好ましくはOであり;
Yは、CH又はNを表し、好ましくはCHであり;
R1とR2は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3又はR4は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
R5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R5が、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基を表す場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0015】
追加の側面によれば、本発明は、上記に定義されるような一般式(I)の他の好ましい化合物を提供する[式中:
Aは、CH(OH)を表し;
Xは、O又はNR5を表し、好ましくはOであり;
Yは、CH又はNを表し、好ましくはCHであり;
R1とR2は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3は、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
R4は、H、Het、又はC1〜C6アルキルHetを表し;
R5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、又はR3が、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、又はR3が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R4が、Het又はC1〜C6アルキルHet基である場合、そのようなHet又はC1〜C6アルキルHet基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet又はC1〜C6アルキルHet基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R5が、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基を表す場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0016】
なおさらなる側面によれば、本発明は、一般式(I):
【0017】
【化2】
の化合物、又はその製剤的若しくは獣医学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、又はプロドラッグを提供する[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、及びC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
Hetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。
【0018】
塩基の中心を含有する、本化合物の製剤的若しくは獣医学的に許容される塩は、例えば、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸及びリン酸のような無機酸、カルボン酸又は有機スルホン酸と形成される無毒の酸付加塩である。この例には、HCl、HBr、HI、硫酸塩又は硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩又はリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、カムシラート、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモエートの塩が含まれる。本発明の化合物はまた、製剤的若しくは獣医学的に許容される金属塩、特に塩基との無毒なアルカリ及びアルカリ土類金属の塩も提供することが可能である。例には、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミンの塩が含まれる。好適な製剤塩に関する概説については、Berge et al, J. Pharm, Sci., 66, 1-19, 1977 を参照のこと。
【0019】
本化合物の製剤的に許容される溶媒和物にはその水和物が含まれる。
また、本発明の特許請求範囲内に含まれるのは、本化合物の様々な塩とその多形体である。
【0020】
ある化合物が1つ以上の不斉炭素原子を有する場合、それは2つ以上の立体異性形態で存在する。化合物がアルケニル若しくはアルケニレン基を含有する場合、シス(E)及びトランス(Z)異性も起こり得る。本発明には、本化合物の個々の立体異性体と、適宜、その個別の互変異性形態、並びにそれらの混合物が含まれる。ジアステレオマー又はシス及びトランス異性体の分離は、従来技術、例えば式(I)の化合物、又はその好適な塩若しくは誘導体の立体異性混合物の分別結晶化、クロマトグラフィー、又はH.P.L.C.により達成可能である。化合物の個々の鏡像異性体も、対応する光学的に純粋な中間体からか、又は対応するラセミ化合物の、好適なキラル・サポートを使用するH.P.L.C.によるような分割によるか、又は、対応するラセミ化合物の、好適な光学活性の酸若しくは塩基との反応により適宜形成されるジアステレオマー塩の分別結晶化により、製造することが可能である。
【0021】
本化合物のすべての立体異性体が本発明の特許請求範囲内に含まれる。
本化合物は、互変異性を示す場合がある。本化合物のすべての互変異性形態とその混合物が本発明の特許請求範囲に含まれる。
【0022】
本出願の特許請求範囲内にまた含まれるのは、生物学的試験に適している本化合物の放射標識誘導体である。
製法
本発明のさらなる側面によれば、以下に例示されるような、本発明の化合物の製造法が提供される。
【0023】
以下の方法は、一般的な合成法を例示するものであり、これを採用して、本発明の化合物を入手することが可能である:
1.式Iの化合物は、式II:
【0024】
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、及びAは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、当業者に知られた条件下での環化により製造することが可能である。そのような条件には、好適な(ルイス酸の)脱水剤(例、亜リン酸オキシクロリド)と適正な溶媒(例、1,2−ジクロロエタン)の存在下、室温と還流温度の間での反応、又は先行技術に記載の他のやり方での反応が含まれる。
【0025】
式IIの化合物は、式III:
【0026】
【化4】
(式中、R17はC1〜C6アルキルを表し、R1とR2は、式IIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IV:
【0027】
【化5】
又はその好適な酸付加塩(例、塩酸塩)(式中、R3、R4、X、Y、及びAは、式IIの化合物について先に定義された通りである)との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例、エタノール、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、又はN,N−ジメチルホルムアミド)の存在下、室温と還流温度の間での反応が含まれる。
【0028】
式IIIの化合物は、標準技術により、例えば、式V:
【0029】
【化6】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、当業者に知られた条件下での脱炭酸により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例,メタノール又はエタノール)の存在下、そして場合により、好適な塩基(例、炭酸水素ナトリウム)の存在下、上昇温度(例、還流温度)での反応が含まれる。
【0030】
式Vの化合物は、式VI:
【0031】
【化7】
(式中、R1とR2は、式Vの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式VII:
【0032】
【化8】
(式中、R17は、式Vの化合物について先に定義された通りであり、L1は、ハロ、好ましくはクロロのような脱離基である)の化合物との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、好適な有機溶媒(例、THF又はエーテル)、適正な塩基(例、ピリジン、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ピペリジン、又はトリエチルアミン)の存在下、場合により、好適な触媒(例、4−(ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下、そして場合により、過剰のVIIを用いた、VIの1,3−オキサゾール−5−(4H)−オンへの前変換(Dakin−West反応)を伴った、室温と還流温度の間での反応が含まれる。
【0033】
式IIIの化合物は、他のやり方では、式VIII:
【0034】
【化9】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、例えば、両工程で、当業者に知られた条件下での、酸素流におけるオゾンとの反応に続く、生じたオゾニドの還元により製造することが可能である。オゾン化の条件には、例えば、好適な溶媒(例、ジクロロメタン)の存在下、周囲温度以下(例、−70℃)での反応が含まれる。中間体のオゾニドの還元についての条件には、例えば、好適な還元剤(例、硫化ジメチル)を用いた周囲温度以下(例、−70℃)での反応に続く、適正な塩基(例、ピリジン)を用いた(同じ温度での)処理が含まれる。
【0035】
式VIIIの化合物は、式IX:
【0036】
【化10】
(式中、L2は好適な脱離基(例、−N(CH3)OCH3又はクロロ)を表し、R1とR2は、式VIIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式X:
【0037】
【化11】
(式中、Mは、H又は好適な金属含有部分(例、Na、Li、ハロゲン化Mg(II)、又は第二銅塩)を表し、R17は、式VIIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物との、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、式IXの化合物の、式X(ここで、MはHを表す)の化合物(例、エチルビニルエーテル)、好適な有機リチウム試薬(例、tert−ブチルリチウム)、適正な溶媒(例、THF)、及び、場合により、好適な金属塩の供給物(例、MgBr2ジエチルエーテラート)を周囲温度以下(例、−78℃)で反応させることによって形成される混合物との、好適な溶媒(例、THF)の存在下、−80℃と室温の間での反応が含まれる。
【0038】
式IXの化合物は、上記に定義される式VIの対応化合物から、当業者に知られた条件下で製造することが可能である。
式IIIの化合物は、他のやり方では、式XI:
【0039】
【化12】
(式中、R1、R2、及びR17は、式IIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、酸化剤(例、Dess−Martinペルヨージナン(periodinane))との、好適な溶媒(例、DCM)中、−78℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0040】
式XIの化合物は、式XII:
【0041】
【化13】
(式中、R1とR2は、式XIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、HCl(g)との、R17OH(ここで、R17は、式XIの化合物について先に定義された通りである)中、−10℃と20℃の間での反応に続く、水性塩基(例、10% Na2CO3溶液)との、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0042】
式XIIの化合物は、式XIII:
【0043】
【化14】
(式中、R1とR2は、式XIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、シアン化物の供給物(例、アセトンシアノヒドリン)との、好適な溶媒(例、DCM)中、場合により塩基(例、Et3N)の存在下、0℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0044】
式XIIIの化合物は、式XIV:
【0045】
【化15】
(式中、R1とR2は、式XIIIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、水素化物の供給物(例、LiAlH4)との、好適な溶媒(例、THF)中、−78℃と20℃の間での反応により製造することが可能である。
【0046】
式XIVの化合物は、式VIの化合物から、当業者知られた条件を使用して製造することが可能である。
式IVの化合物は、標準技術により、例えば、式XV:
【0047】
【化16】
の対応化合物、又はその酸付加塩(例、塩酸塩)(式中、R3、R4、X、Y、及びAは、式IVの化合物について先に定義された通りである)の、ヒドラジンとの、例えば、当業者に知られた条件下での反応により製造することが可能である。そのような条件には、例えば、好適な溶媒(例、C1〜C3アルコール)の存在下、−10℃と室温の間での反応、又は先行技術に記載の他のやり方での反応が含まれる。
【0048】
特殊な態様において、式IVの化合物は、式XVの化合物の、ヒドラジン水和物との、アルコール性溶液中、低温〜周囲温度(例、−10〜25℃)での反応により in situ 形成される。これに式IIIの化合物の追加が続き、その後で、この混合物を還流させ、最終的に式IIの化合物を得る。
【0049】
式XVの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XVIIIの化合物から製造することが可能である、式XVIIの化合物から製造することが可能である、式XVIの対応化合物から製造することが可能である。
【0050】
【化17】
酸(XVIII)の対応するアミド化合物(XVII)へのアミド変換と、化合物(XVII)からニトリル化合物(XVI)を製造する後続の脱水反応、さらに、化合物(XVI)から化合物(XV)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0051】
式IVの化合物は、他のやり方では、式XIX:
【0052】
【化18】
(式中、A、Y、X、R3、及びR4は、式IVの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0053】
式XIXの化合物は、式XX:
【0054】
【化19】
(式中、A、X、Y、R3、及びR4は、式XIXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0055】
式XXの化合物は、式XVIIの化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
式XVIIIの化合物(ここで、YはCHを表し、AはC=Oを表す)は、式XXI:
【0056】
【化20】
(式中、XとR3は、式XVIIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、フリーデル−クラフツアシル化反応を使用することによって製造することが可能である。典型的な条件は、CIC(O)R4(ここでR4は、式XVIIIの化合物について先に定義された通りである)(1〜3当量)と、場合により、ルイス酸(例、2〜10当量のAlCl3)を、有機溶媒(例、ジクロロメタン)中、0℃と還流温度の間で使用することである。
【0057】
他のやり方では、式XVIIIの化合物は、式XXII:
【0058】
【化21】
(式中、R3、X、及びYは、式XVIIIの化合物について先に定義された通りであり、Halは、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す)の対応化合物から、HalのAR4への変換により製造することが可能である。これは、以下に概説する経路のいずれによっても達成可能である:
(a)いわゆる「Heck」条件(例、(ブチルビニルエーテルのような)アシルアニオン同等物の供給物の2当量、1.7当量のEt3N、及び、触媒量のPd(OAc)2及びP(o−tol)3、MeCN中、室温と還流温度の間)。アルキルアルケニルエーテルに対してHeck反応を実施することにより、AがC=Oを表す生成物を得る。そのような反応は、R4がアリールである場合は、適していない;又は
(b)いわゆる「Sonogashira(薗頭)」条件(例えば、Synthesis 1980, 8, 627 に記載されるような、1.5〜5当量の末端アルキンと0.024〜0.03当量のPd(PPh3)2Cl2/CuI、Et3N及びMeCN中、室温と60℃の間のような条件)に続く、生じるアルキンの加水分解(典型的な条件は、0.3当量のHgSO4、H2SO4、アセトン、還流状態)。この方法によりAがC=Oを表す生成物が得られることに注目すること。このような反応は、R4がアリールである場合は、適していない;又は
(c)ハロゲン/リチウム交換に続く、塩化アシルへの急冷(AがC=Oを表す生成物を得る)。他のやり方では、このアニオンをアルデヒドに入れて急冷させてもよく、AがCHOHを表す生成物を得る。次いで、二酸化マンガンのような標準的な酸化剤を使用することによって、このアルコールを対応するケトンへ再酸化することが可能である。塩化アシル反応に好ましい条件:1〜2当量のn−ブチルリチウム、1〜2当量のR4COCl/THF、約−78℃〜ほぼ室温。例えば、R4COClがLCH2COCl(ここで、Lは、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、又はハロのような脱離基であり、好ましくは、クロロ又はブロモである)であるならば、上記の反応が実施されたならすぐに、Lを求核体(例、一級若しくは二級アミン)で置き換えることにより、生成物をさらに官能化することが可能である;又は
(d)マグネシウム又は亜鉛供給物(例、亜鉛、塩化亜鉛、ライケ(Reike)亜鉛)の付加によるグリニャール又は亜鉛酸塩の形成に続く、塩化アシルへの急冷(AがC=Oを表す生成物を得る)。他のやり方では、このグリニャール又は亜鉛酸塩をアルデヒドに入れて急冷させてもよく、AがCHOHを表す生成物を得る。また、この形成されるアルコールを酸化して、上記に記載されるような必要とされるケトンを得ることが可能である;又は
(e)カルボン酸、エステル、又はWeinrebアミドを生じるカルボニル化。好ましい条件:CO(50psi)、Pd(OAc)2(0.03当量)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.045当量)、トリエチルアミン(5当量)、及び、好適な求核体(例、アルコール、アミン)、40〜約80℃。他のやり方では、Weinrebアミドはカルボン酸から合成可能であり、該アルデヒドは、エステル又はカルボン酸から合成することが可能である。酸クロリドは、カルボン酸から形成させることが可能である。酸から酸クロリドを形成させるのに好ましい条件:(COCl)2(1.2当量)、ジクロロメタン中N,N−ジメチルホルムアミド(1滴)。次いで、グリニャール試薬若しくは亜鉛酸塩のような求核体を、該エステル、Weinrebアミド、又は酸クロリドと反応させて、AがC=Oを表す生成物を得ることが可能である。他のやり方では、該アルデヒドを用いた類似の反応により、AがCHOHを表す生成物が得られる。グリニャール試薬の酸クロリドへの付加に好ましい条件:RMgBr(1当量)、THF中Fe(acac)3(0.03当量)。
【0059】
式XXIIの化合物は、式XXIII:
【0060】
【化22】
(式中、X、Y、及びR3は、式XXIIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、標準技術を介したハロゲン化により製造することが可能である。これには、トリフルオロ酢酸とトリフルオロ酢酸無水物の4:1混合物中、室温と還流温度の間でのN−ヨードスクシンイミド(1〜2当量)を用いたヨード化(YがNを表す場合に適している)が含まれる。これらの標準技術にはまた、DCM中、室温と還流温度の間での臭素を用いた臭素化(YがCHを表す場合に適している)が含まれる。
【0061】
2.式Iの化合物は、他のやり方では、式XXIV:
【0062】
【化23】
(式中、R1、R2、R3、X、及びYは、式Iの化合物について先に定義された通りであり、Halは、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す)の対応化合物から、HalのAR4への変換により製造することが可能である。これは、式XVIIIの化合物の式XXIIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用することによってなし得る。
【0063】
式XXIVの化合物は、式XXV:
【0064】
【化24】
(式中、R1、R2、R3、X、Y、及びHalは、式XXIVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物を、式Iの化合物の式IIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用して、環化することによって製造することが可能である。
【0065】
式XXVの化合物は、式XXVI:
【0066】
【化25】
(式中、R3、X、Y、及びHalは、式XXVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IIIの化合物との、例えば、式IIの化合物の式III及びIVの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用する反応により製造することが可能である。
【0067】
式XXVIの化合物は、式XXVIIの対応化合物から、式IVの化合物の式XVの化合物からの製造について先に記載した方法を使用して製造することが可能である。
【0068】
【化26】
式XXVIIの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XXIIの化合物から製造することが可能である、式XXIXの化合物から製造することが可能である、式XXVIIIの対応化合物から製造することが可能である:
【0069】
【化27】
化合物(XXII)の化合物(XXIX)へのアミド変換と、化合物(XXVIII)を化合物(XXIX)から製造する脱水反応、及び、化合物(XXVIII)から化合物(XXVII)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0070】
式XXVIの化合物は、他のやり方では、式XXX:
【0071】
【化28】
(式中、Y、X、Hal、及びR3は、式XXVIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0072】
式XXXの化合物は、式XXXI:
【0073】
【化29】
(式中、X、Y、Hal、及びR3は、式XXXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0074】
式XXXIの化合物は、式XXXII:
【0075】
【化30】
(式中、X、Y、Hal、及びR3は、式XXXIの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0076】
式XXXIIの化合物は、式XXIIの対応化合物から、当業者に知られた方法により製造することが可能である。
3.式Iの化合物は、他のやり方では、式XXXIII:
【0077】
【化31】
(式中、R1、R2、R3、X、及びYは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、αをメチルケトンへ官能化することによって製造することが可能である。この方法は、R4がアリール又はHetを表す式Iの化合物には適用可能でない。αをメチルケトンへ官能化することの例には、α−ハロケトンを形成するためのハロゲン化、好ましくは臭素化;又は、α−ヒドロキシケトンを形成するための酸化が含まれる。これらのα−官能化ケトンは、当業者に知られた方法(例えば、一級若しくは二級アミンのような好適な求核体によるハロゲンの置き換え;又はMitsunobu(光延)反応を使用する、アルコールのエーテルへの変換)を使用して、式Iの他の化合物へ変換することが可能である。臭素化に好ましい条件は、ジクロロメタン中、1.1当量のN−ブロモスクシンイミドと3当量のトリフル酸(triflic acid)である。
【0078】
他のやり方では、式XXXIIIの化合物へ塩基を付加することで、対応するエノラートが形成され、次いで、これを好適な求電子体(例、ハロゲン化アルキル)へ入れて急冷させてもよい。この変換に典型的な条件は、THF又はエーテル中、1.1〜2当量の好適な塩基(例、LDA、NaH)と1.1〜2当量の好適な求電子体(例、ハロゲン化アルキル)である。
【0079】
式XXXIIIの化合物は、式Iの化合物の製造について方法1に記載の方法により製造することが可能である。
他のやり方では、式XXXIIIの化合物は、式XXIVの対応化合物から、式Iの化合物の式XXIVの化合物からの製造について上記に定義された条件を使用して製造することが可能である。
【0080】
4.式I(ここで、YはCHを表す)の化合物は、他のやり方では、式XXXIV:
【0081】
【化32】
(式中、R1、R2、R3、及びXは、式Iの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物から、フリーデル−クラフツアシル化反応を使用することによって製造することが可能である。典型的な条件は、塩化アシル(1〜3当量)と、場合により、ルイス酸(例、2〜10当量のAlCl3)を、有機溶媒(例、ジクロロメタン)中、0℃と還流温度の間で使用することである。
【0082】
式XXXIVの化合物は、式XXXV:
【0083】
【化33】
(式中、R1、R2、R3、及びXは、式XXXIVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物を、式Iの化合物の式IIの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用して、環化することによって製造することが可能である。
【0084】
式XXXVの化合物は、式XXXVI:
【0085】
【化34】
(式中、R3とXは、式XXXVの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、式IIIの化合物との、例えば、式IIの化合物の式III及びIVの化合物からの合成について上記に記載の条件を使用する反応により製造することが可能である。
【0086】
式XXXVIの化合物は、式XXXVIIの対応化合物から、式IVの化合物の式XVの化合物からの製造について先に記載した方法を使用して製造することが可能である。
【0087】
【化35】
式XXXVIIの化合物は、当業者に知られた条件を使用して式XXIの化合物から製造することが可能である、式XXXIXの化合物から製造することが可能である、式XXXVIIIの対応化合物から製造することが可能である:
【0088】
【化36】
化合物(XXI)の化合物(XXXIX)へのアミド変換と、化合物(XXXVIII)を化合物(XXXIX)から製造する脱水反応、及び、化合物(XXXVIII)から化合物(XXXVII)へのアンモニア付加若しくはアミジン形成反応に適した条件は、熟練した化学者に知られているものである。
【0089】
式XXXVIの化合物は、他のやり方では、式XXXX:
【0090】
【化37】
(式中、XとR3は、式XXXVIの化合物について先に定義された通りである)の対応化合物の、ヒドラジンとの、好適な溶媒(例、THF)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0091】
式XXXXの化合物は、式XXXXI:
【0092】
【化38】
(式中、XとR3は、式XXXXの化合物について先に定義された通りである)の化合物の、メチル化剤(例、ヨードメタン)との、好適な溶媒(例、アセトン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0093】
式XXXXIの化合物は、式XXXIXの対応化合物の、Lawesson試薬との、好適な溶媒(例、トルエン)中、20℃と還流温度の間での反応により製造することが可能である。
【0094】
式XXXIXの化合物は、式XXIIIの対応化合物から、当業者に知られた方法により製造することが可能である。
式VI、VII、IX、X、XXI、XXIIIの化合物、及びそれらの誘導体は、市販されていないか又は記載されていない場合、上記に記載の方法との類似によるか、又は慣用的な合成法のいずれかにより、標準技術に従って、適正な試薬及び反応条件を使用して、容易に利用可能な出発材料から入手することが可能である。
【0095】
XがOを表す場合、R3は、適正な中間体をR3aOH及び塩基(例、炭酸セシウム)と還流温度で(又は、密閉容器において実施するならば、還流温度より高いところで)反応させることによって、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも、代わりのR3基(R3a)へ交換することが可能である。同様に、XがOを表す場合、OR3は、適正な中間体をHNR3R5と、場合により触媒の硫酸銅の存在下、室温と還流温度の間の温度で(又は、密閉容器において実施するならば、還流温度より高いところで)反応させることによって、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも、NR3R5へ交換することが可能である。
【0096】
AがCHOHを表す化合物は、AがCOを表す対応化合物から、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも製造することが可能である。この転換は、好適な還元剤、好ましくは、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウムを使用することによって達成可能である。同様に、AがC=Oを表す化合物は、AがCHOHを表す対応化合物から、上記に記載の方法のいずれの工程及び方法でも製造することが可能である。この転換は、好適な酸化剤(例、二酸化マンガン)を使用することによって達成可能である。
【0097】
本発明の化合物は、その反応混合物から、慣用技術を使用して単離することが可能である。
当業者には、上記に記載の方法を行うことの経過において、中間化合物の官能基を保護基により保護化する必要があり得ることが理解されよう。
【0098】
保護化することが望ましい官能基には、ヒドロキシ、アミノ、及びカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリル及びジアリールアルキルシリル基(例、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル及びアルキルカルボニル基(例、メチル−及びエチルカルボニル)が含まれる。アミノに適した保護基には、tert−ブチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルが含まれる。カルボン酸に適した保護基には、C1−6アルキル若しくはベンジルのエステルが含まれる。
【0099】
官能基の保護化及び脱保護化は、上記に記載されたいずれの反応工程の前又は後で起こってよい。
保護基は、当業者によく知られている技術に従って、外すことが可能である。
【0100】
文献に知られているような保護化/脱保護化戦略を適宜利用することが可能である。本発明による使用に適した保護基は、「保護基(Protecting Groups)」、P. J. Kocienski 編、Thieme,ニューヨーク、1994年;及び「有機合成の保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、第2版、T. W. Greene & P. G. M. Wutz, ウィリーインターサイエンス(1991年)に見出すことが可能である。
【0101】
当業者はまた、式Iの化合物を、他の、ある場合には、より簡便なやり方で入手するためには、上記に示される個々の方法工程を異なる順序で実施してよいこと、及び/又は、個々の反応を全体経路の異なる段階で実施してよい(即ち、特定の反応に関連して上記に示した工程への様々な中間体に対して、置換基を付加する、及び/又は化学転換を実施してよい)ことを理解されよう。このことは、特別な基質に存在する他の官能基の性質、主要な中間体の利用可能性、及び(もしあれば)採用し得る保護基戦略のような諸要因にとりわけ依存するものである。明らかに、関与する化学のタイプは、前記合成工程に使用される試薬の選択、利用される保護基の必要性、及びタイプ、そして、合成を達成するための順序に影響を及ぼすものである。
【0102】
塩基の中心を含有する、式Iの化合物の製剤的に許容される酸付加塩は、慣用的なやり方で製造することが可能である。例えば、フリー塩基の溶液を、そのままか又は好適な溶媒中の適正な酸で処理してよく、次いで、生じた塩は、濾過によるか又は反応溶媒の真空下での蒸発によって単離することが可能である。製剤的に許容される塩基付加塩は、式Iの化合物の溶液を適正な塩基で処理することによって、類似のやり方で入手することが可能である。いずれのタイプの塩も、イオン交換樹脂の技術を使用して、形成させるか又は相互変換させることが可能である。
【0103】
本発明にはまた、式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩のあらゆる好適な同位体変異物が含まれる。式(I)の化合物又はその製剤的に許容される塩の同位体変異物とは、少なくとも1つの原子が、通常天然に見出される原子と同じ原子数を有するが、異なる原子量を有する原子に置き換えられているものと定義される。式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩へ取込むことが可能である同位体の例には、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、及び36Clのような、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素、及び塩素の同位体が含まれる。式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩の特定の同位体変異物、例えば、3H及び14Cのような放射活性同位体が取込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布試験に有用である。トリチウム化された(即ち、3H)同位体と炭素−14(即ち、14C)同位体は、その調製のし易さと検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素(即ち、2H)のような同位体で置換すると、より大きな代謝安定性から生じる、ある治療上の利点(例えば、増加した in vivo 半減期、又は減少した必要投与量)を提供することが可能であるので、ある状況では好ましい場合がある。本発明の式(I)の化合物及びその製剤的に許容される塩の同位体変異物は、一般に、好適な試薬の適正な同位体変異物を使用して、例示の方法によるような慣用法か、又は以下の「実施例」及び「製法」に記載の製法により製造することが可能である。
【0104】
当業者が理解されるように、最終の脱保護化段階に先行して合成される場合がある、式(I)の化合物の特定の保護化誘導体は、そのものとしては薬理活性を保有しないかもしれないが、特定の例では、経口又は非経口で投与された後、体内で代謝され、薬理学的に活性である本発明の化合物を形成する場合がある。故に、そのような誘導体は、「プロドラッグ」と記載される場合がある。さらに、式(I)の特定化合物は、式(I)の他の化合物のプロドラッグとして作用する場合がある。
【0105】
式(I)の化合物のあらゆる保護化誘導体及びプロドラッグが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。本発明の化合物に適したプロドラッグの例は、Drugs of Today, 19巻、9号、1983年、499−538頁、及び Topics in Chemistry,31章、306−316頁、そして、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」 H. Bundgaard による、エルセヴィエ、1985年、第1章に記載されている(これら文書の開示内容は本明細書に援用される)。
【0106】
さらに当業者により理解されるように、例えば、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(この文書の開示内容は本明細書に援用される)において H. Bundgaard により記載されるような、「プロ部分(pro-moieties)」として当業者に知られている特定の部分を、適正な官能基が式(I)の化合物の内部に存在している場合は、そのような官能基に配置してもよい。
【0107】
式(I)の化合物に好ましいプロドラッグには:アルコール、エステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバメート、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、及びケタールが含まれる。
【0108】
さらに本発明は、本明細書に定義されるようなcGMP PDE5阻害化合物の組み合わせを含み、ここで前記組み合わせは、以下の化合物との連続、同時、又は継続(joint)投与により投与することが可能である:
(1)1つ以上の天然に存在するか又は合成のプロスタグランジン又はそのエステル。本明細書での使用に適したプロスタグランジンには、アルプロスタジル、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE0、13,14−ジヒドロプロスタグランジンE1、プロスタグランジンE2、エプロスチノール、2000年3月14日発行の米国6,037,346号に記載され、参照により本明細書に援用されるものを含む、天然合成及び半合成プロスタグランジン及びその誘導体、PGE0、PGE1、PGA1、PGB1、PGF1α、19−ヒドロキシ−PGA1、19−ヒドロキシ−PGB1、PGE2、PGB2、19−ヒドロキシ−PGA2、19−ヒドロキシ−PGB2、PGE3α、カルボプロスト、トロメタミンジノプロスト、トロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト、ゲメプロスト、メテノプロスト、スルプロスツン、チアプロスト、及びモキシシレート;及び/又は
(2)α−アドレナリン受容体又はα−受容体又はα−ブロッカーとしても知られる、1つ以上のα−アドレナリン作用性受容体拮抗化合物。本明細書での使用に適した化合物には:1998年6月14日公開のPCT出願WO99/30697号に記載されるようなα−アドレナリン作用性受容体(α−アドレナリン作用性受容体に関連した開示内容は本明細書に援用される)が含まれ、さらに選択的α1−アドレナリン受容体若しくはα2−アドレナリン受容体と非選択的アドレナリン受容体が含まれ、好適なα1−アドレナリン受容体には:フェントラミン、メシル酸フェントラミン、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、ダピプラゾール、フェノキシベンズアミン、イダゾキサン、エファラキサン、ヨヒンビン、ラウオルフィアアルカロイド、Recordati 15/2739、SNAP 1069、SNAP 5089、RS17053、SL 89.0591、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノキル及びプラゾシン;米国6,037,346号[2000年3月14日]からのα2−ブロッカー、ジベナルニン、トラゾリン、トリマゾシン、及びジベナルニン;米国特許第4,188,390;4,026,894;3,511,836;4,315,007;3,527,761;3,997,666;2,503,059;4,703,063;3,381,009;4,252,721、及び2,599,000号(このいずれも本明細書に援用される)に記載のようなα−アドレナリン作用性受容体が含まれ;α2−アドレナリン受容体には:場合によりピルキサミンのような強心薬の存在下での、クロニジン、パパベリン、塩酸パパベリンが含まれる;及び/又は
(c)1つ以上のNOドナー(NO作動薬)化合物。本明細書での使用に適したNOドナー化合物には、三硝酸グリセリン(ニトログリセリンとしても知られる)を含む、モノ−、ジ−又はトリ硝酸若しくは有機硝酸エステル、5−モノ硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチル、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、3−モルホリノシドノニミンモルシドミン、S−ニトロソ−N−アセチルペニシラミン(SNAP)、S−ニトロソ−N−グルタチオン(SNO−GLU)、N−ヒドロキシ−L−アルギニン、硝酸アミル、リンシドミン、クロロ水和リンシドミン、(SIN−1)S−ニトロソ−N−システイン、ジアゼニウムジオレート、(NONOエート)、1,5−ペンタン二硝酸、L−アルギニン、チョウセンニンジン、zizhi fructus、モルシドミン、Re−2047、公開PCT出願WO0012075に記載のNMI−678−11及びNMI−937のようなニトロシル化マキシシライト(maxisylyte)誘導体が含まれる;及び/又は
(4)1つ以上のカリウムチャネルオープナー。本明細書での使用に適したカリウムチャネルオープナーには、ニコランジル、クロモカリム、レブクロマカリム、レマカリム、ピナシジル、クリアゾキシド、ミノキシジル、カリブドトキシン、グリブリド、4−アミノピリジン、BaCl2が含まれる;及び/又は
(5)1つ以上のドパミン作用剤、好ましくは、アポモルフィン、又は、(WO0023056号に特許請求されるような)プラミペキソール及びロピリノールのような選択的D2、D3、又はD2/D3作用剤、L−ドーパ、又はカルビドーパ(carbi dopa)、(WO0040226号に特許請求されるような)PNU95666;及び/又は
(6)1つ以上の血管拡張剤。本明細書での使用に適した血管拡張剤には、ニモデピン、ピナシジル、シクランデレート、イソクスプリン、クロロプロマジン、ハロペリドール、Rec 15/2739、トラゾドンが含まれる;及び/又は
(7)1つ以上のトロンボキサンA2作動薬;及び/又は
(8)1つ以上の麦角アルカロイド;好適な麦角アルカロイドは、2000年3月14日発行の米国特許第6,037,346号に記載され、アセテルガミン、ブラゼルゴリン、ブロメルグリド、シアネルゴリン、デロルゴトリル、ジスレルギン、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスレルギン、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メテルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド、プロテルグリド、テルグリドが含まれる;及び/又は
(9)心房性ナトリウム利尿因子(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られる)、B及びC型ナトリウム利尿因子の作用を変調させる、中性エンドペプチダーゼ阻害剤のような、1つ以上の化合物;及び/又は
(10)エナラプリルのような、アンジオテンシン変換酵素を阻害する1つ以上の化合物と、オマパトリラットのような、アンジオテンシン変換酵素及び中性エンドペプチダーゼの1つ以上の複合阻害剤;及び/又は
(11)ロサルタンのような、1つ以上のアンジオテンシン受容体拮抗薬;及び/又は
(12)L−アルギニンのような、1つ以上のNOシンターゼ基質;及び/又は
(13)アムロジピンのような、1つ以上のカルシウムチャネルブロッカー;及び/又は
(14)1つ以上のエンドセリン受容体拮抗薬及びエンドセリン変換酵素阻害剤;及び/又は
(15)スタチン(例、アトルバスタチン/Lipitor(商標))及びフィブラートのような、1つ以上のコレステロール低下剤;及び/又は
(16)1つ以上の抗血小板及び抗血栓剤、例えば、tPA、uPA、ワルファリン、ヒルジン、及び他のトロンビン阻害剤、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子阻害剤;及び/又は
(17)レズリンのような1つ以上のインスリン増感剤と、グリピジドのような血糖降下剤;及び/又は
(18)1つ以上のCOX2阻害剤;及び/又は
(19)プレガバレン;及び/又は
(20)ガバペンテン;及び/又は
(21)ドネジピルのような、1つ以上のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤;及び/又は
(22)1つ以上のステロイド性抗炎症剤;及び/又は
(23)1つ以上のエストロゲン作動薬、及び/又はエストロゲン拮抗薬、好ましくは、ラロキシフェン又はラソフォキシフェン、(−)−cis−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールとその製剤的に許容される塩(以下の化合物A)。この製法はWO96/21656号に説明されている。
【0109】
【化39】
(24)1つ以上のさらなるPDE阻害剤、より特別には、PDE2、4、7、又は8阻害剤、好ましくはPDE2阻害剤。前記阻害剤は、好ましくは、それぞれの酵素に対して、100nM未満のIC50を有する;及び/又は
(25)1つ以上のNPY(ニューロペプチドY)阻害剤、より特定すると、NPY1若しくはNPY5阻害剤、好ましくはNPY1阻害剤。好ましくは、前記NPY阻害剤(NPY Y1及びNPY Y5を含む)は、100nM未満、より好ましくは50nM未満のIC50を有し、好適なNPY、及び特にNPY1阻害化合物はEP−A−1097718号に記載されている;及び/又は
(26)1つ以上の血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)、より特別には、1つ以上のVIP受容体サブタイプ、VPAC1、VPAC、又はPACAP(下垂体細胞アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)により仲介されるVIP模擬体、1つ以上のVIP受容体作動薬若しくはVIP類似体(例、Ro−125−1553)、又はVIPフラグメント、VIPと組み合わせた1つ以上のα−アドレナリン受容体拮抗薬(例、Invicorp,Aviptadil);及び/又は
(27)メラノタンII、PT−14、PT−141、又はWO−09964002、WO−00074679、WO−09955679、WO−00105401、WO−00058361、WO−00114879、WO−00113112,WO−09954358号において特許請求される化合物のような、1つ以上のメラノコルチン受容体作動薬若しくはモジュレーター、又はメラノコルチンエンハンサー;及び/又は
(28)WO−09902159、WO−00002550、及び/又はWO−00028993号に記載されるものを含む、1つ以上のセロトニン受容体作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター、より特別には、(VML670を含む)5HT1A、5HT2A、5HT2C、5HT3、及び/又は5HT6受容体の作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター;及び/又は
(29)ブプロピオン、GW−320659のような、ノルアドレナリン、ドパミン、及び/又はセロトニンの輸送体の1つ以上のモジュレーター;及び/又は
(30)1つ以上のプリン作動性受容体作動薬、及び/又はモジュレーター:及び/又は
(31)WO−09964008号に記載されるものを含む、1つ以上のニューロキニン(NK)受容体拮抗薬;及び/又は
(32)1つ以上のオピオイド受容体作動薬、拮抗薬、又はモジュレーター、好ましくは、ORL−1受容体の作動薬;及び/又は
(33)1つ以上のオキシトニン/バソプレッシン受容体作動薬若しくはモジュレーター、好ましくは選択的オキシトシン作動薬若しくはモジュレーター;及び/又は
(34)1つ以上のカンナビノイド受容体モジュレーター;及び/又は
(35)1つ以上のNEP阻害剤。好ましくは、ここで前記NEPはEC3.4.24.11であり、より好ましくは、ここで前記NEP阻害剤はEC3.4.24.11の選択阻害剤であり、より好ましくは、選択的NEP阻害剤は、100nM未満のIC50を有する、EC3.4.24.11の選択阻害剤(例、オムパトリラット、サムパトリラット)であり、好適なNEP阻害化合物は、EP−A−1097719号に記載されている;及び/又は
(36)エナラプリルのような、アンジオテンシン変換酵素を阻害する1つ以上の化合物と、オマパトリラットのような、アンジオテンシン変換酵素及び中性エンドペプチダーゼの1つ以上の複合阻害剤;及び/又は
(37)1つ以上の三環系抗うつ薬、例えばアミトリプチリン;及び/又は
(38)1つ以上の非ステロイド性抗炎症剤;及び/又は
(39)1つ以上のアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばキナプリル;及び/又は
(40)(クロミプラミンと(パロキセチン及びセルタリンのような)SSRIのような)1つ以上の抗うつ薬。
【0110】
ここで、前記の組み合わせは、合一投与、同時投与、同一投与、又は段階投与の形態であり得る。
医学的使用
本発明の化合物は、それらが動物、特に、ヒトを含む哺乳動物において薬理学的活性を保有するので、有用である。故に、それらは、医薬品として、並びに、動物用医薬品としての使用のために適応される。
【0111】
本発明のさらなる側面によれば、医薬品としての使用と動物用医薬品としての使用への本発明の化合物が提供される。
特に、本発明の化合物は、例えば、以下に記載の試験において明示されるように、cGMP PDE5のようなcGMP PDEの強力かつ選択的な阻害剤であることが見出されていて、従って、cGMP PDE5のようなcGMP PDEが適応となり、cGMP PDE5のようなcGMP PDEの阻害が望まれる、ヒト、及び動物における医学的状態の治療に有用である。
【0112】
用語「治療」には、治療的(治癒的)、一次緩和的、又は予防的な処置が含まれる。
このように、本発明のさらなる側面によれば、cGMP PDE(例、cGMP PDE5)が適応となる医学的状態の治療のための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用が提供される。さらに、cGMP PDE(例、cGMP PDE5)の阻害が望まれる医学的状態の治療のための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用が提供される。
【0113】
このように、本発明の化合物は、哺乳動物の性的障害の治癒的、一次緩和的、又は予防的処置に有用であることが期待される。特に、本化合物は、男性の勃起不全(MED)、不能症、女性の性機能不全(FSD)、陰核機能不全、女性の性欲低下性異常症、女性の性覚醒障害、女性の性疼痛障害、又は女性の性オルガスム機能不全(FSOD)、並びに、脊髄損傷による性機能不全、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)誘発性の性機能不全のような、哺乳動物の性機能不全の治療に価値があるが、明らかに、強力かつ選択的なcGMP PDE5阻害剤が適応となる他の医学的状態を治療するのにも有用であろう。そのような状態には、早期分娩、月経困難、良性前立腺肥大症(BPH)、膀胱出口閉塞、失禁、安定型、不安定型及び異型(プリンツメタル)狭心症、高血圧、肺性高血圧、慢性閉塞性肺疾患、冠動脈疾患、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、血管開存性の低下による状態(例、経皮経管的冠血管形成術後、PCTA後)、末梢血管系疾患、卒中、亜硝酸塩誘発性耐性、気管支炎、アレルギー性喘息、慢性喘息、アレルギー性鼻炎、緑内障、視神経障害、黄斑変性、眼内圧上昇、網膜若しくは動脈の閉塞のような眼の疾患及び状態、及び、腸運動性の障害により特徴づけられる疾患(例、過敏性腸症候群、IBS)が含まれる。
【0114】
強力かつ選択的なcGMP PDE5阻害剤が適応となり、本発明の化合物を用いた治療が有用であり得るさらなる医学的状態には、子癇前症、川崎病、亜硝酸塩耐性、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自律神経障害及び末梢神経障害を含む神経障害、及び特に、糖尿病性神経障害とその症状(例えば胃麻痺)、糖尿病性末梢神経障害、アルツハイマー病、急性呼吸不全、乾癬、皮膚壊死、癌、転移、禿頭症、強蠕動収縮性食道、肛門裂傷、痔、低酸素性血管収縮、糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性症候群、インスリン抵抗性、糖耐性不全、並びに血液透析時の血圧の安定化が含まれる。
【0115】
特に好ましい状態には、MEDとFSDが含まれる。
このように、本発明は、動物(例、ヒトを含む哺乳動物)において、cGMP PDE阻害剤が適応となる医学的状態を治療するか又は予防する方法を提供し、前記方法は、本発明の化合物の治療有効量をそのような治療の必要な哺乳動物へ投与することを含む。
【0116】
医薬調製物
本化合物は、通常、製剤的に許容される剤形において、場合により無毒の有機若しくは無機の酸若しくは塩基付加塩の形態で有効成分を含んでなる医薬調製物の形態で、経口的に、又は任意の非経口経路により投与される。治療される障害及び患者、並びに投与の経路に依存して、本組成物は、様々な用量で投与することが可能である。
【0117】
本化合物はまた、cGMP−PDE5のようなcGMP−PDEの阻害において有用な他のどんな薬物と組み合わせてもよい。
本化合物、その製剤的に許容される塩、及びいずれの実体の製剤的に許容される溶媒和物は、単独でも投与することが可能であるが、ヒトの治療では、一般に、意図される投与経路と標準的な薬物療法に照らして選択される好適な製剤用の賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与されるものである。
【0118】
例えば、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、錠剤、カプセル剤(軟ゲルカプセルを含む)、丸剤(ovules)、エリキシル剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態(芳香剤又は着色剤を含有してよい)で、持続、二重、又は拍動性のデリバリー適用のような、即時、遅延、修飾、又は制御放出のために、経口、頬内、又は舌下で投与することが可能である。本化合物はまた、海綿体内注射により投与してもよい。本化合物はまた、速分散性又は速溶解性の剤形により投与してもよい。
【0119】
そのような錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、グリシン、及びデンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカデンプン)のような賦形剤、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロースナトリウム、及び特定の複合珪酸塩のような崩壊剤、及びポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン、及びアカシアのような造粒結合剤を含有する場合がある。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルベヘネート、及びタルクのような滑沢剤を含めてよい。
【0120】
同様のタイプの固形組成物も、ゼラチンカプセル剤の充填剤として利用される場合がある。この点で好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、又は高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁液剤、及び/又はエリキシル剤では、本発明の化合物を、様々な甘味剤又は芳香剤、着色物質又は色素、乳化及び/又は懸濁剤、及び水、エタノール、プロピレングリコール、及びグリセリン、並びにそれらの複合物のような希釈剤と組み合わせてよい。
【0121】
修飾放出及び拍動放出の剤形は、放出速度修飾剤として作用する追加の賦形剤と一緒に、即時放出剤形について列挙されるような賦形剤を含有する場合があるが、これらは被覆される、及び/又は装置の内部に含まれる。放出速度修飾剤には、排除的に限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、酸化ポリエチレン、キサンタンガム、カルボマー、アンモニオ−メタクリル酸コポリマー、水素化ヒマシ油、カルナウバ蝋、パラフィンワックス、酢酸セルロースフタレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。修飾放出及び拍動放出の剤形は、放出速度修飾賦形剤の1つ又は組み合わせを含有する場合がある。放出速度修飾賦形剤は、剤形の内部(即ち、マトリックスの内部)及び/又は剤形の上面(即ち、表面又はコーティング上に)の両方に存在する場合がある。
【0122】
速分散性若しくは溶解性の投与製剤(FDDF)は、以下の成分を含有する場合がある:アスパルテーム、アセスルフェイム(acesulfame)カリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ジアスコルビン酸、アクリル酸エチル、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メタクリル酸メチル、ミント芳香剤、ポリエチレングリコール、燻蒸シリカ、二酸化シリコン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール、キシリトール。FDDFを記載するために本明細書で使用されるような分散若しくは溶解という用語は、使用される医薬物質の溶解性に依存する。即ち、医薬物質が不溶性である場合は、速分散性の剤形を調製することが可能であり、医薬物質が可溶性である場合は、速溶解性の剤形を調製することが可能である。
【0123】
本化合物はまた、非経口的に、例えば、海綿体内、静脈内、動脈内、腹腔内、鞘内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内又は皮下で投与することが可能であるか、又はそれらは、注入技術により投与してもよい。そのような非経口投与では、それらは、無菌水溶液の形態で最もよく使用され、それは、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩若しくはグルコースを含有する場合がある。この水溶液は、必要ならば、好適にも(好ましくは、3〜9のpHへ)緩衝化されるべきである。無菌条件下での好適な非経口製剤の調製は、当業者によく知られた標準的な製剤技術により容易に達成される。
【0124】
ヒト患者への経口及び非経口投与では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物の1日投与量レベルは、通常、(単回又は分割の用量において)10〜500mgであろう。
このように、例えば、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物の錠剤又はカプセル剤は、適宜、単回又は2回以上の投与について1回につき5mg〜250mgの活性化合物を含有する場合がある。どんな場合でも、個別の患者に最も適している実際の投与量は医師が決定するものであり、それは、特別の患者の年齢、体重、及び応答性に伴って変動するものである。上記の投与量は、平均症例を代表する。当然ながら、より高いか又はより低い投与量の範囲が有利である個別の事例があり得るが、そのようなものも本発明の特許請求の範囲内にある。当業者はまた、(MED及びFSDを含む)特定の状態の治療においては、本発明の化合物が、「要求される」ベースで(即ち、必要とされるか又は所望される通りに)単回用量として投与される場合があることを理解されよう。
【0125】
錠剤製剤の例
一般に、錠剤製剤は、典型的には、約0.01mgと500mgの間の本化合物(又はその塩)を含有することか可能であり、一方、錠剤の充填重量は、50mg〜1000mgの範囲に及ぶ場合がある。10mg錠剤の製剤例を例示する:
【0126】
【表1】
このような錠剤は、標準法、例えば、直接打錠法、又は湿式若しくは乾式造粒法により製造可能である。錠剤の芯は、適切な被覆剤でコートしてよい。
【0127】
本発明の化合物はまた、鼻腔内か又は吸入により投与することが可能であり、好便にも、好適な噴霧剤{例、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A[登録商標])又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA[登録商標])のようなヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素又は他の好適なガス}の使用により、加圧容器、ポンプ、スプレー、又はネブライザーから、乾燥粉末吸入器又はエアゾールスプレーの形態でデリバリーされる。加圧エアゾールの場合、投与量の単位は、目盛量をデリバリーするバルブを提供することによって決定することが可能である。加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーは、例えば、エタノール及び噴霧剤の混合物を溶媒として使用し、さらに滑沢剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを含有し得る、活性化合物の溶液若しくは懸濁液を含有する場合がある。吸入器又は通気器に使用される(例えば、ゼラチンから製造される)カプセル剤及びカートリッジ剤は、本化合物とラクトース若しくはデンプンのような好適な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することが可能である。
【0128】
エアゾール又は乾燥粉末の製剤は、好ましくは、患者へデリバリーされる本化合物の1〜50mgをそれぞれの目盛量又は「パフ」が含有するように配置される。エアゾールを用いた全体の1日量は1〜50mgの範囲であり、これは単回用量か又は、より通常は、1日全体で分割された用量で投与してよい。
【0129】
本化合物はまた、噴霧器を介したデリバリー用に製剤化することが可能である。噴霧器具の製剤は、可溶化剤、乳化剤、又は懸濁剤として以下の成分を含有してよい:水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、低分子量ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、フルオロカーボン、ポリエチレングリコールエーテル、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸。
【0130】
他のやり方では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、坐剤又はペッサリーの形態で投与することが可能であるか、又はそれらは、ゲル、ヒドロゲル、ロ−ション、溶液、クリーム、軟膏、又は粉剤の形態で局所に適用してよい。本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物はまた、皮内に投与してよい。本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物はまた、例えば皮膚パッチの使用により、経皮的に投与してよい。それらはまた、眼、肺又は直腸の経路により投与することも可能である。
【0131】
眼への使用では、本化合物は、等張のpH調整された無菌の生理食塩水の微小化懸濁液として、又は、好ましくは、場合により塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤と組み合わせた、等張のpH調整された無菌の生理食塩水の溶液として製剤化することが可能である。他のやり方では、それらは、ワセリンのような軟膏において製剤化される場合がある。
【0132】
皮膚への局所適用では、本化合物、又はその塩若しくは溶媒和物は、例えば、以下の1つ以上との混合物に懸濁しているか又は溶解している活性化合物を含有する好適な軟膏として製剤化することが可能である:鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水。他のやり方では、それらは、例えば、以下の1つ以上の混合物に懸濁しているか又は溶解している好適なローション又はクリームとして製剤化することが可能である:鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水。
【0133】
本化合物はまた、シクロデキストリンと組み合わせて使用してよい。シクロデキストリンは、薬物分子と封入及び非封入複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティ及び/又は安定特性を修飾する場合がある。一般に、薬物−デキストリン複合体は、ほとんどの剤形と投与経路に有用である。薬物との直接的な複合化に代わる方法として、シクロデキストリンは、補助添加剤、例えば担体、希釈剤、又は可溶化剤として使用可能である。α−,β−及びγ−シクロデキストリンはごく一般的に使用され、好適な例がWO−A−91/11172、WO−A−94/02518、及びWO−A−98/55148号に記載されている。
【0134】
一般に、ヒトでは、本化合物の経口投与が好ましい経路であって、最も簡便であり、例えばMEDでは、海綿体内(i.c.)投与に関連したよく知られた欠点を回避する。典型的な男性のMEDに好ましい経口投与処方は、必要とされるとき、25〜250mgの化合物である。レシピエントが嚥下障害や経口投与後の薬物吸収障害を病んでいる状況では、非経口的、舌下、又は頬内で薬物を投与してよい。
【0135】
獣医学上の使用では、本化合物、又はその獣医学的に許容される塩、又はその獣医学的に許容される溶媒和物若しくはプロドラッグが、通常の獣医学的治療に従って好適に許容される製剤として投与され、獣医が、特別の動物に最も適正である投与処方と投与の経路を決定するものである。
【0136】
このように、さらなる側面によれば、上記に説明される化合物を、製剤的又は獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体とともに包含する医薬製剤が提供される。
本化合物がサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸ホスホジエステラーゼ(cGMP PDE)を阻害し、特に、cGMP PDE5の強力かつ選択的な阻害剤であるという事実に加えて、本化合物はまた、先行技術に知られている化合物よりも有効で、より毒性が少なく、より広範囲の活性を有し、より強力で、より副作用を引き起こさず、より容易に吸収され、また、それを超える他の有用な薬理学的特性を有し得るという利点を有する可能性がある。
【0137】
本化合物の生物学的活性を以下の試験法により決定した。
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害活性
本発明の化合物は、強力かつ選択的なcGMP PDE阻害剤である。サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)及びサイクリックアデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)ホスホジエステラーゼに抗する in vitro のPDE阻害活性を、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要とされる化合物の濃度)の測定により決定した。
【0138】
所要のPDE酵素は、ヒト海綿体、ヒト血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋、及び、ヒト及びイヌの網膜を含む多種多様な供給源から、本質的に W. J. Thompson と M. M. Appleman (Biochem., 1971, 10, 311) の方法により単離した。特に、cGMP特異的PDE(PDE5)とcGMP阻害性cAMP PDE(PDE3)は、ヒト海綿体組織又はヒト血小板から入手し;cGMP刺激性PDE(PDE2)は、ヒト海綿体又はヒト血小板から入手し;カルシウム/カルモジュリン(CA/CAM)依存性PDE(PDE1)は、ヒト心室から;cAMP特異的PDE(PDE4)は、組換えクローン又はヒト骨格筋から;そして、光受容体PDE(PDE6)は、イヌ若しくはヒトの網膜から入手した。ホスホジエステラーゼ7〜11は、SF9細胞へトランスフェクトした完全長のヒト組換えクローンから産生した。
【0139】
アッセイは、W. J. Thompson et al. (Biochem., 1979, 18, 5228) の「バッチ」法の修飾法を使用するか、又は製品コードTRKQ7090/7100のアマーシャムplcにより記載のプロトコールの修飾法を使用する、AMP/GMPの直接検出用のシンチレーション近似アッセイを使用するかのいずれかにより実施した。要約すると、様々な阻害剤濃度と低濃度の基質(非標識:[3H]−標識が3:1比のcGMP又はcAMP、Kmの約1/2の濃度)の存在下で、IC50がほぼKiになるように、一定量の酵素をアッセイすることによってPDE阻害剤の効果を検討した。最終アッセイ量は、アッセイ緩衝液[20mM トリス−HCl(pH7.4),5mM MgCl2,ウシ血清アルブミン1mg/ml]で102μlへ調製した。酵素を加えて反応を開始させ、30℃で30〜60分間インキュベートし、<30%の基質代謝回転を与え、(PDE3、9、及び11についてそれぞれの非標識サイクリックヌクレオチドの3mMを含有する)珪酸イットリウムSPAビーズ50μlで停止させた。プレートを再シールし、20分間振り混ぜ、その後でこのビーズを暗所に30分間放置してから、TopCountプレートリーダー(パッカード、メリデン、コネティカット州)で計数した。放射活性単位を非阻害対照(100%)の活性(%)へ変換し、阻害剤の濃度に対してプロットし、「適合曲線」マイクロソフト・エクセル拡張式、又は自前の同等物を使用して、阻害剤のIC50値を得た。これらの試験からの結果は、本発明の化合物がcGMP特異的PDE5の強力かつ選択的な阻害剤であることを示す。
【0140】
In vitro 代謝
ヒト由来の肝ミクロソーム分画において、in vitro 代謝実験を行った。医学振興国際研究所(エクストン、ペンシルヴェニア州、アメリカ)から、移植品質のヒト肝臓組織を入手した。Biochemical Pharmacology, 1966, 48, 2147-2156 に記載の方法に従ってミクロソームを調製し、−80℃で保存した。Journal of Biological Chemistry, 1951, 193, 265-275 と Journal of Biological Chemistry, 1964, 239, 2370-2378 に記載される標準法により、タンパク質及びチトクロームP450の濃度を決定した。
【0141】
0.5μM チトクロームP450、200mM リン酸緩衝液(pH7.4)、0.1M MgCl2、0.1M イソクエン酸、1ユニット/ml イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、及び20mM β−NADPを含有するミクロソーム・インキュベーション物(1.5ml)を調製した。37℃で5分間のプレインキュベーションの後で試験対象の化合物を加え、開始の基質濃度を1μMとした。この混合物を37℃でインキュベートし、60分まで、サンプル(100μl)を分析用に取った。(試験対象の化合物に類似した物理化学特性を有するように選択された)内部標準を含有するNaOH(0.1M)の追加によりサンプル中での代謝を停止させた後で、酢酸エチル(2ml)へ抽出した。この抽出物を蒸発乾固させ、LC−MS(ヒューレットパッカード、HP1100二元ポンプ、Hypersil HS100 C18,5cmx4.6mm内径、5μmカラム、90:10 メタノール/水中2mM酢酸アンモニウムの移動相を使用、水性部分を氷酢酸でpH4へ調整、及び1ml/分の流速)により分析した。質量分光計は、陽イオン多重反応モニタリング(MRM)検出モードを使用する、TurbolonSprayインターフェイスの付いたSciex API 2000であった。遮蔽、ネブライザー、TurbolonSpray、及び衝突の気体として窒素を使用し、TurbolonSpray温度を100℃とした。典型的な電圧は以下の通りであった:IS=5.2kV;RNG=380V;Q0=−10V;IQ1=−11V;ST=−15V;RO1=−11V;MU=Sciexユーザーマニュアルに従って調整した増幅率。衝突エネルギーは、高MRM、OR=65Vに対して55eVであった。ドエル時間は200ミリ秒で、50ミリ秒の休止があった。MSExpress(v1.1)を使用してデータを獲得し、Macqualan1.5(PE Sciex)を使用して処理した。ヒトミクロソーム調製物における消失速度定数(k)を、時間に対する対数比(試験対象の化合物/内部標準)の線形回帰により決定した。in vitro ヒトミクロソーム半減期を、等式:t1/2=ln2/kに従って決定した。これらの試験からの結果は、本発明の化合物が望ましいヒト肝ミクロソーム(HLM)半減期を明示することを示す。
【0142】
当業者は、HLM半減期の増加が、主にチトクロームP450仲介性代謝により一掃される化合物について、ヒトにおけるクリアランス抑制の予兆となることを理解されよう。
例えば、「実施例1」の化合物のような本発明の化合物の特別の利点は、望ましい in vitro ミクロソーム半減期である。本明細書において特に好ましい化合物は、当技術分野の化合物に対して、2倍、好ましくは4倍以上、そしてより好ましくは5倍の改善を有する。そのような改善された in vitro ミクロソーム半減期は、抑制された in vivo クリアランスを示唆する。
【0143】
本明細書の式(I)の好ましい化合物は、PDE5酵素について約10nM未満のIC50値を有する。より好ましい化合物の群は、PDE5酵素について約5nM未満のIC50値を有する。本明細書においてきわめて好ましいのは、PDE5酵素について約3nM未満のIC50値を有する化合物である。
【0144】
さらに、本明細書の式(I)の好ましい化合物は、PDE6酵素に対して5倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する。本明細書においてきわめて好ましいのは、PDE6酵素に対して10倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。本明細書においてより好ましいのは、PDE6酵素に対して20倍より大きいPDE5への酵素選択性を有する化合物であり、特に好ましいのは、PDE6酵素に対して30倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。
【0145】
本明細書において特に好ましいのは、PDE5酵素について約10nM未満、より好ましくは約5nM未満、そして特に約3nM未満のIC50値を有し、同時に、PDE6酵素に対して10倍より大きい、好ましくは約20倍よりも大きい、そして特に30倍より大きいPDE5酵素への選択性を有する化合物である。
【0146】
上記に説明したように、本明細書において好ましい化合物は、望ましいヒト肝ミクロソーム(HLM)半減期を有する。本明細書において特に好ましいのは、約20分より大きい、より好ましくは60分より大きい、そして最も好ましくは120分より大きいHLM半減期を有する化合物である。そのようなHLM値は、上記に説明した方法に従って測定することが可能である。
【0147】
このように、本明細書において特に好ましい化合物の群は、PDE5酵素について約10nM未満、より好ましくは約5nM未満、そして特に約3nM未満のIC50値を有し、同時に、PDE6酵素に対して10倍より大きい、好ましくは約20倍よりも大きい、そして特に30倍より大きいPDE5酵素への選択性と、約20分より大きいHLM半減期を有する化合物である。
【0148】
機能活性
これは、S. A. Ballard et al. (Brit. J. Pharmacol., 1996, 118 (補遺)、抄録 153P) に記載のように、前収縮したウサギ海綿体組織切片のニトロプルシドナトリウム誘発弛緩を増強する、本発明の化合物の能力を決定することによって in vitro で評価することが可能である。
【0149】
in vivo 活性
in vivo 活性は、Trigo-Rocha et al. (Neurourol. and Urodyn., 1994, 13, 71) の記載に基づいた方法を使用して、静脈内投与後に、ニトロプルシドナトリウムの海綿体内注射により誘発される陰茎海綿体における圧上昇を高める能力を決定するために、麻酔犬において試験化合物をスクリーニングすることによって試験することが可能である。
【0150】
安全性プロフィール
マウスやイヌのような動物において、様々な静脈内及び経口の用量で本化合物を試験し、不都合な効果について観察することが可能である。
【0151】
実施例と製法
一般式(I)の化合物と使用される中間体の合成は、以下の「実施例」と「製法」の方法に類似して達成することが可能である。
【0152】
1H−核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian Unity 300又はVarian Inova 400のいずれかの分光計を使用して記録し、いずれの事例でも、仮定された構造に一致していた。特徴的な化学シフト(δ)を、主要ピークを明示する従来の略号を使用して、テトラメチルシランからの百万分率下方磁場(downfield)で示す:例えば、s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;br,ブロード。
【0153】
Fisons Instruments Trioの質量分析計をサーモスプレーイオン化モード(TSP)で使用するか、又はFinniganナビゲーターをエレクトロスプレーイオン化モード(ES)−陽イオン化及び/又は陰イオン化モードで使用して、質量スペクトル(m/z)を記録した。
【0154】
本明細書において使用されるように、用語「カラムクロマトグラフィー」は、シリカゲル(0.04〜0.06mm)を使用する順相クロマトグラフィーを意味する。
室温には、20〜25℃が含まれる。
【0155】
製法の実施例
製法1
N−プロピオニルアラニン
D,L−アラニン(16.71g,0.188モル)及びトリエチルアミン(57.5ml,0.41モル)の氷冷ジクロロメタン(190ml)溶液へ、塩化トリメチルシリル(52.4ml,0.41モル)を滴下した。添加が完了したならば、この溶液を室温で1時間、次いで40℃で1時間撹拌した。次いで、この溶液を−10℃へ冷やし、塩化プロピオニル(16.29ml、0.188モル)を15分にわたり滴下し、添加が完了したならば、この反応物を−10℃で2時間、次いで室温で16時間撹拌し、その後で氷浴中に冷やした。水(100ml)を加え、この混合物を15分間撹拌してから、相を分離させた。水層を減圧下で蒸発させ、残渣をアセトンで摩砕した。生じた固形物を濾過して除き、濾液を減圧下で濃縮し、オイルを得た。このオイルを、溶出液としてDCM:MeOH:0.88NH3(水)(89:10:1)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(20g;トリエチルアミンを33%含有する)を得た。
【0156】
【化40】
製法2
N−メトキシ−N−メチル−2−(プロピオニルアミノ)プロパンアミド
製法1の表題化合物(14.85g,77.0ミリモル)、トリエチルアミン(27.9ml,72.5ミリモル)、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(7.5g,77ミリモル)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(12.3g,80.85ミリモル)のジクロロメタン(450ml)懸濁液へ1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.2g,84.7ミリモル)を加え、この反応物を室温で23時間撹拌した。この混合物を水(250ml)及び重炭酸ナトリウム溶液(120ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣のオイルを、溶出液としてDCM:MeOH(95:5)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(8.2g)を得た。
【0157】
【化41】
製法3
N−(3−エトキシ−1−メチル−2−オキソ−3−ブテニル)プロパンアミド
エチルビニルエーテル(11.4ml,119ミリモル)のテトラヒドロフラン(160ml)冷却(−78℃)溶液へ、tert−ブチルリチウム(70ml,ペンタン中1.7M,119ミリモル)を5分にわたり加え、この溶液を1時間にわたり−5℃へ温めた。次いで、この溶液を−60℃へ再冷却し、内部温度を−50℃未満に維持するように、臭化マグネシウムジエチルエーテラート(30.73g,119ミリモル)を少しずつ加えた。次いで、この混合物を−5℃まで温め、30分間撹拌し、そして−10℃へ再冷却した。製法2の表題化合物(2.8g,14.9ミリモル)のTHF(20ml)溶液を滴下してから、この反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物を10%クエン酸水溶液(500ml)へ注ぎ込み、EtOAc(500ml)で抽出した。有機溶液を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、オイルを得た。この粗生成物を、溶出液としてDCMを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(1.8g)を得た。
【0158】
【化42】
製法4
2−オキソ−3−(プロピオニルアミノ)ブタン酸エチル
方法A
製法3の表題化合物(1.0g,5.98ミリモル)及びピリジン(3.25ml,44.9ミリモル)のDCM(85ml)冷却(−78℃)溶液に、酸素を泡立てて2分間通した。次いで、オゾンを泡立てて5分間通してから、この溶液を酸素でパージし、窒素気体下に置いた。ジメチルスルフィド(3.25ml,44.9ミリモル)を5分にわたり滴下し、この溶液を1時間撹拌してから、室温まで温めた。この混合物を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、オイルを得た。この粗生成物を、DCM:Et2O(100:0〜50:50)の溶出液勾配を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(395mg)を得た。
【0159】
方法B
製法1の表題化合物(10.9g,75.0ミリモル)のピリジン(18.2ml,225ミリモル)及びTHF(75ml)溶液へ4−ジメチルアミノピリジン(122mg,1.0ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで加熱してから,塩化オキサリルエチル(16.8ml,150ミリモル)を1時間にわたり滴下した。この添加の前半では、反応混合物は溶液のままであったが、より多くの塩化オキサリルエチルを加えるにつれて、再溶解しない白色の沈殿物が形成した。この混合物をさらに3時間加熱してから、氷水(200ml)に注いだ。この混合物をEtOAc(3x200ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、真空で濃縮して、薄褐色のオイルを得た。NaHCO3(3.58g,42.7ミリモル)とEtOH(25ml)を加え、この混合物を還流まで3.5時間加熱した。この反応物を冷やし、濾過した。濾液を濃縮して薄褐色のオイルとした。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,80:20〜20:80)により精製し、表題化合物(3.95g,20.0ミリモル、26%)を黄色のオイルとして得た。
【0160】
【化43】
製法5
2−ブトキシニコチン酸
ナトリウム(3g,130ミリモル)のブタノール(100ml)溶液へ2−クロロニコチン酸(10.0g,63.5ミリモル)を80℃で加え、生じた混合物を還流下で4時間加熱した。この反応物を冷やし、EtOAcと2M HClの間に分画し(pH3〜4となる)、層を分離させた。有機相を塩水で洗浄し、減圧下で濃縮し、EtOAcに再び溶かし、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、所望の生成物(11.9g)を固形物として得た。
【0161】
【化44】
製法6
2−ブトキシ−5−ヨードニコチン酸
製法5の表題化合物(3.46g,17.7ミリモル)及びN−ヨードスクシンイミド(6g,26.6ミリモル)のトリフルオロ酢酸:トリフルオロ酢酸無水物(4:1,35ml)中の混合物を、光を排除しながら、還流下で24時間加熱した。冷やした反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcに溶かした。次いで、この溶液を、水(2回)、チオ硫酸ナトリウム溶液(2回)、10%クエン酸ナトリウム水溶液、2N塩酸、及び塩水で順に洗浄してから乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗生成物をペンタンで摩砕して、表題化合物(3.86g,68%)を白色の固形物として得た。
【0162】
【化45】
製法7
2−ブトキシ−5−ヨードニコチノニトリル
製法6の表題化合物(2.25g,7.01ミリモル)及び塩化オキサリル(3.55g,28.0ミリモル)のDCM(20ml)氷冷懸濁液へN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)を加え、この反応物を室温で4時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCMと共沸させた。この酸クロリドをDCM(20ml)に再懸濁させ、氷浴中で冷やし、0.88アンモニア(2mL)を加え、この溶液を室温で30分間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、水、2M HCl、及び塩水で洗浄してから、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、褐色の固形物を得た。この中間体アミド(1.85g,5,78ミリモル)及びピリジン(1.14g,14.4ミリモル)のジオキサン(15ml)氷冷溶液へ、トリフルオロ酢酸無水物(1.82g,8.67ミリモル)のジオキサン(2ml)溶液を加え、この反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcと水の間に分画し、層を分離させた。有機層を2M HCl(2回)、飽和重炭酸ナトリウム溶液、及び塩水で洗浄してから、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。この粗生成物を、ペンタン:EtOAc(100:0〜95:5)の溶出液勾配を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。
【0163】
【化46】
製法8
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルボキシミドアミド・ホルマート
用時調製したナトリウム(1.5g,65.2ミリモル)のブタノール(100ml)溶液へ、製法7の表題化合物(10g,33.1ミリモル)を加え、この反応物を室温で18時間撹拌した。ギ酸アンモニウム(17.4g,276ミリモル)を加え、この反応物を50℃まで2時間に次いで、80℃でさらに2時間加熱した。冷やした混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEt2Oで摩砕した。この固形物を水で摩砕してから、エーテルで数回摩砕して、表題化合物(2.53g)を得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0164】
【化47】
製法9
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−メチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
方法A
製法8の表題化合物(2.02g,3.98ミリモル)のエタノール(3.8ml)溶液へヒドラジン一水和物(194μL,3.98ミリモル)を加え、この溶液を20分間撹拌した。製法4の表題化合物(800mg,3.98ミリモル)のエタノール(1ml)溶液を加え、この反応物を70℃で2時間加熱した。冷やした混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、溶出液としてDCM:Et2O(67:33)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色の固形物を得た。これをエーテルで摩砕して、黄色の固形物、250mg(所望される生成物と所望されない生成物の2:1異性体混合物)を得た。この固形物(243mg,0.516ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(3ml)溶液へ亜リン酸オキシクロリド(360μL,3.97ミリモル)を加え、この反応物を還流下で30分間加熱した。冷やした混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を2M炭酸ナトリウム溶液(5ml)とEtOAc(5ml)の間に分画し、層を分離させた。水層をEtOAc(2x5ml)で抽出し、合わせた有機溶液を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、黄色の固形物を得た。この粗生成物を、溶出液としてDCM:Et2O(91:9)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(130mg)を得た。
【0165】
方法B
製法16の表題化合物(834mg,1.87ミリモル)のBuOH(8ml)懸濁液へヒドラジン一水和物(91μL,1.87ミリモル)を加え、この混合物を室温で15分間撹拌した。製法4の表題化合物(方法Bにより製造、376mg,1.87ミリモル)とNaHCO3(525mg,6.25ミリモル)を加え、この混合物を還流まで6時間加熱した。次いで、この混合物を室温で18時間撹拌し、水(100ml)とDCM(2x150ml)の間に分画した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色のオイルを得た。これをDCM(15ml)に溶かし、POCl3(1.03ml,11.1ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで1時間加熱してから、室温へ冷やした。飽和NaHCO3溶液(100ml)を加え、この混合物を1時間撹拌した。この混合物をDCM(2x75ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色の固形物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40)により精製し、表題化合物(200mg,0.44ミリモル、24%)をベージュ色の固形物として得た。
【0166】
【化48】
燃焼分析:C17H20IN5O2の計算値:C,45.05;H,4.45;N,15.45。実測値:C,44.79;H,4.27;N,15.18。
【0167】
製法10
5−(2−ブトキシ−5−トリメチルシリルエチニル−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
5−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]−ピリミジン−7−オン(PCT出願、IB00/01430号、付属資料1の実施例44)(330mg,0.647ミリモル)のトリエチルアミン(8ml)及びアセトニトリル(2ml)中の撹拌されたスラリーへ、Pd(PPh3)2Cl2(11.2mg,0.016ミリモル)、トリメチルシリルアセチレン(179μL,1.29ミリモル)、及びヨウ化銅(3mg,0.016ミリモル)を、窒素気体下、室温で加えた。この混合物を60℃で3時間加熱し、冷却し、塩水からジクロロメタン(2x100ml)で抽出した。この有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、黄色の固形物を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5で溶出)による精製により、表題化合物(290mg,93%)を薄褐色のオイルとして得た。
【0168】
【化49】
製法11
5−(2−ブトキシ−5−エチニル−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
製法10の表題化合物(300mg,0.625ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)及び水(2ml)中の撹拌された溶液へフッ化カリウム(72.5mg,1.25ミリモル)を室温で加えた。2時間後、この反応混合物を塩水へ注ぎ込み、EtOAc(2x100ml)で抽出した。この有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、生成物(285mg)を薄褐色のオイルとして得た。
【0169】
【化50】
製法12
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−エチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン
製法11の表題化合物(280mg,0.69ミリモル)のアセトン(8ml)中の撹拌された溶液へ1N硫酸(1ml)を室温で加えた。硫酸水銀(40mg,0.14ミリモル)を加え、この混合物を還流で5時間加熱した。この反応混合物を冷やし、メタノール(10ml)で希釈し、濾過し、濾液をさらなるメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(100ml)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)の間に分画した。水性部分をさらに100mlのEtOAcで洗浄し、合わせた有機物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,95:5で溶出)による精製により、生成物(140mg)をクリーム色の固形物として得た。
【0170】
【化51】
製法13
2−エトキシ−5−ヨードニコチンアミド
2−エトキシ−5−ヨードニコチン酸(WO0127112号の方法に従って製造、20.0g,68.3ミリモル)のDCM(400ml)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液へ塩化オキサリル(6.60ml,75.1ミリモル)を0℃で加えた。この溶液を18時間にわたり室温へ温めてから、真空で濃縮した。生じた橙色のオイルをTHF(200ml)に溶かし、0℃へ冷やした。NH3(0.5Mジオキサン溶液の410ml,205ミリモル)を加え、この混合物を4時間にわたり室温へ温めた。この反応混合物を真空で濃縮し、水(150ml)で摩砕した。この固形物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(18.9g,64.9ミリモル、95%)をベージュ色の固形物として得た;融点176〜179℃。
【0171】
【化52】
製法14
2−ブトキシ−5−ヨードニコチンアミド
製法13の表題化合物(10.0g,34.0ミリモル)及びCs2CO3(5.60g,17.0ミリモル)のBuOH(50ml)中の混合物を還流まで4.5時間加熱してから、室温で18時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮し、水(200ml)とDCM(2x250ml)の間に分画した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をEt2Oで摩砕して、表題化合物(4.81g,15.0ミリモル、44%)をベージュ色の固形物として得た;融点163〜166℃。
【0172】
【化53】
燃焼分析:C10H13IN2O2・0.15H2Oの計算値:C,37.21;H,4.15;N,8.68。実測値:C,36.97;H,3.92;N,8.62。
【0173】
製法15
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルボチオアミド
製法14の表題化合物(4.81g,15.0ミリモル)及びLawesson試薬(3.04g,7.50ミリモル)のトルエン(40ml)中の混合物を90℃で2時間加熱してから、室温でさらに18時間撹拌した。この反応混合物をその半量まで濃縮し、0℃へ冷やした。この黄色の沈殿物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(3.68g,10.9ミリモル、73%)を得た;融点140〜148℃。
【0174】
【化54】
製法16
2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジンカルブイミドチオ酸メチル・ヨウ化水素酸塩
製法15の表題化合物(3.68g,10.9ミリモル)及びヨードメタン(1.5ml,24ミリモル)をDCM(20ml)及びアセトン(30ml)に溶かし、室温で3日間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮し、Et2Oで摩砕し、表題化合物(4.08g,8.53ミリモル、78%)を褐色の固形物として得た。
【0175】
【化55】
製法17
2−(プロピオニルアミノ)−4−ペンテン酸
DL−2−アミノ−4−ペンテン酸(14.6g,127ミリモル)及びK2CO3(19.3g,140ミリモル)のH2O(100ml)溶液へプロピオン酸無水物(18.0ml,140ミリモル)を0℃で滴下した。この反応混合物を20℃まで温め、18時間撹拌した。pHが1になるまで濃HClを加え、この混合物をDCM(2x100ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をペンタン(100ml)で摩砕して、表題化合物(18.9g,110ミリモル、87%)を白色の結晶として得た;融点96〜98℃。
【0176】
【化56】
燃焼分析:C8H13NO3の計算値:C,56.13;H,7.65;N,8.18。実測値:C,56.04;H,7.56;N,8.11。
【0177】
製法18
N−メトキシ−N−メチル−2−(プロピオニルアミノ)−4−ペンテンアミド
製法17の表題化合物(12.74g,75.0ミリモル)のTHF(100ml)及びN−メチルモルホリン(18.2ml,165ミリモル)溶液へ、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(14.47g,82.0ミリモル)を20℃で加えた。1時間後、白色の沈殿物が形成していた。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(7.80g,80.0ミリモル)を加え、この混合物を20℃で3日間撹拌した。この反応混合物を真空で濃縮し、DCM(150ml)とH2O(50ml)の間に分画した。水相をDCM(50ml)で抽出し、合わせた有機物を10% Na2CO3溶液(50ml)及び2M HCl(50ml)で洗浄した。このDCM溶液を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題化合物(12.3g,57.4ミリモル、77%)を黄色のオイルとして得た。
【0178】
【化57】
高解像MS:C10H18N2O3Naのm/z計算値:237.1210;実測値:237.1213(MNa+)。
【0179】
製法19
N−(1−ホルミル−3−ブテニル)プロパンアミド
製法18の表題化合物(10.5g,49.0ミリモル)のTHF溶液へ、N2下、−10℃で、LiAlH4(THF中1M,34.0ml,34.0ミリモル)を45分にわたり滴下した。この反応物を20℃まで温めて、3時間撹拌した。KHSO4溶液(150ml H2O中、20g)を慎重に加え、この混合物を10分間撹拌してから、真空で濃縮し、THFを除去した。水相をDCM(2x100ml)で抽出し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:1,ペンタン/EtOAc)により精製し、表題化合物(3.30g,21.3ミリモル、43%)を黄色のオイルとして得た。
【0180】
【化58】
製法20
N−{1−[シアノ(ヒドロキシ)メチル]−3−ブテニル}プロパンアミド
製法19の表題化合物(3.30g,21.3ミリモル)のDCM(50ml)及びEt3N(3.1ml)溶液へアセトンシアノヒドリン(2.0ml,22ミリモル)を加え、この混合物を20℃で18時間撹拌した。さらに0.5mlのアセトンシアノヒドリンを加え、この混合物をさらに18時間撹拌した。この反応物を真空で濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40〜40:60)により精製し、表題化合物(2.35g,12.9ミリモル、61%)をジアステレオ異性体の1:1混合物である、黄色のオイルとして得た。
【0181】
【化59】
高解像MS:C9H15N2O2のm/z計算値:183.1128;実測値:183.1134(MH+)。
【0182】
製法21
2−ヒドロキシ−3−(プロピオニルアミノ)−5−ヘキセン酸エチル
製法20の表題化合物(2.35g,12.9ミリモル)のEtOH(40ml)溶液に、HClを−10℃で泡立てて通し、飽和にした。この反応物を5℃まで温め、容器を密閉し、冷蔵庫において5℃で18時間放置した。この反応混合物を真空で濃縮し、氷(約100g)を加え、この混合物を20℃まで温め、30分間撹拌した。水相を10% Na2CO3溶液で塩基性にし、DCM(100ml)で抽出した。このDCM抽出物へ2M HCl(50ml)を加え、この混合物を30分間撹拌した。DCM層を分離させ、10% Na2CO3(100ml)溶液で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮してオイルにした。水相をすべて合わせ(pH:約6)、DCM(4x40ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮してオイルにした。これを先のオイルと合わせて、表題化合物(2.00g,8.7ミリモル、67%)を得た。
【0183】
【化60】
高解像MS:C11H20NO4のm/z計算値:230.1387;実測値:230.1395(MH+)。
【0184】
製法22
2−オキソ−3−(プロピオニルアミノ)−5−ヘキセン酸エチル
製法21の表題化合物(2.00g,8.73ミリモル)のDCM(40ml)溶液へDess−Martinペルヨージナン(4.25g,10ミリモル)を20℃で加えた。1.5時間後、飽和Na2S2O3溶液(50ml)と飽和NaHCO3溶液(50ml)を加え、この混合物を30分間撹拌した。層を分離させ、水相をDCM(2x50ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,75:25〜25:75)により精製し、表題化合物(1.30g,5.72ミリモル、65%)を黄色のオイルとして得た。
【0185】
【化61】
高解像MS:C11H17NO4Naのm/z計算値:250.1050;実測値:250.1057(MNa+)。
【0186】
製法23
5−アリル−2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法16の表題化合物(1.00g,2.10ミリモル)のBuOH(10ml)懸濁液へヒドラジン一水和物(0.11ml,2.25ミリモル)を加え、この混合物を室温で15分間撹拌した。製法22の表題化合物(470mg,2.07ミリモル)とNaHCO3(600mg,7.06ミリモル)を加え、この混合物を還流まで6時間加熱してから、18時間室温へ冷やした。この混合物をDCM(3x100ml)と飽和NaHCO3溶液(50ml)の間に分画し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた褐色のオイルを1,2−ジクロロエタン(10ml)に溶かし、これへPOCl3(1.6ml,17.1ミリモル)を加えた。この溶液を還流まで30分間加熱してから、冷やした。10% Na2CO3水溶液(20ml)を加え、この混合物を15分間撹拌した。この混合物をDCM(3x50ml)と10% Na2CO3水溶液(50ml)の間に分画し、合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた褐色のゴムを、カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc,80:20)とジイソプロエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(185mg,0.38ミリモル、18%)をベージュ色の固形物として得た;融点134〜135℃。
【0187】
【化62】
燃焼分析:C19H22IN5O2の計算値:C,47.61;H,4.63;N,14.61。実測値:C,47.32;H,4.56;N,14.30。
【0188】
製法24
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−プロピルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法23の表題化合物(75mg,0.156ミリモル)、トシルヒドラジド(120mg,0.645ミリモル)、及びトルエン(2ml)を合わせ、還流まで5時間加熱した。この混合物を室温で18時間撹拌してから、水(15ml)とEtOAc(30ml)の間に分画した。有機相を塩水(10ml)及び0.2M NaOH溶液(2x10ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(70mg,0.146ミリモル、93%)を白色の固形物として得た。
【0189】
【化63】
製法25
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−5−カルブアルデヒド
製法23の表題化合物(90mg,0.188ミリモル)のTHF(6ml)及び水(3ml)溶液へNaIO4(120mg,0.56ミリモル)とOsO4(t−BuOH中2.5%溶液、0.09ml)を加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物をEtOAc(50ml)と水(30ml)の間に分画し、有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン/EtOAc,60:40〜40:60)により精製し、表題化合物を薄黄色の固形物として得た。
【0190】
【化64】
高解像MS:C17H18N5IO3のm/z計算値:468.0527;実測値:468.0518(MH+)。
【0191】
製法26
2−(2−ブトキシ−5−ヨード−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルメチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
製法25の表題化合物(50mg,0.107ミリモル)、モルホリン(0.015ml,0.172ミリモル)、AcOH(0.010ml,0.175ミリモル)、及びNaBH(OAc)3(50mg,0.236ミリモル)をTHF(2ml)において合わせ、室温で3日間撹拌した。この混合物をDCM(30ml)と飽和NaHCO3溶液(20ml)の間に分画した。有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、表題化合物(38mg,0.071ミリモル、68%)をベージュ色の固形物として得た。
【0192】
【化65】
高解像MS:C21H27N6IO3のm/z計算値:539.1262;実測値:539.1260(MH+)。
【0193】
実施例1
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−メチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0194】
【化66】
製法9の表題化合物(方法Bにより製造、200mg,0.44ミリモル)のMeCN(5ml)溶液へブチルビニルエーテル(1.30ml,10.0ミリモル)とトリエチルアミン(0.20ml,1.43ミリモル)を加えた。Pd(OAc)2(16mg,0.07ミリモル)とトリ−o−トリルホスフィン(42mg,0.14ミリモル)を加え、この混合物を還流まで5時間加熱してから、室温で18時間撹拌した。この反応物を還流までさらに2時間加熱し、冷やし、真空で濃縮した。生じた固形物を6M HCl(4ml)に懸濁させ、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(2x150ml)とDCM(2x50ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮し、褐色のオイルを得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2)により精製し、表題化合物(40mg,0.11ミリモル、25%)を薄黄色の固形物として得た;融点190〜196℃。
【0195】
【化67】
燃焼分析:C19H23N5O3・0.2H2Oの計算値:C,61.18;H,6.32;N,18.77。実測値:C,61.25;H,6.23;N,18.49。
【0196】
他のやり方では、実施例1は、PCT出願、IB00/01430号、付属資料1、実施例44から製法12の表題化合物を製造するために使用する方法に従うことによって、製法9の表題化合物から製造することが可能である。
【0197】
実施例2
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−プロピルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0198】
【化68】
製法24の表題化合物(70mg,0.145ミリモル)、ブチルビニルエーテル(0.30ml,2.3ミリモル)、トリ−o−トリルホスフィン(10mg,0.06ミリモル)、トリエチルアミン(0.05ml,0.36ミリモル)、及びPd(OAc)2(6mg,0.03ミリモル)をMeCN(2ml)中で合わせ、この混合物を還流まで5時間加熱してから、冷やした。6M HCl(1ml)を加え、この混合物を15分間撹拌した。水(40ml)を加え、この溶液をEtOAc(50ml)で抽出した。これを乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,99.25:0.75〜98.5:1.5)とジイソプロピルエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(14mg,0.035ミリモル、24%)をベージュ色の固形物として得た;融点155〜156℃。
【0199】
【化69】
高解像MS:C21H27N5O3のm/z計算値:398.2187;実測値:398.2177(MH+)。
【0200】
実施例3
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルメチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
【0201】
【化70】
製法26の表題化合物(45mg,0.0835ミリモル)、ブチルビニルエーテル(0.18ml,1.38ミリモル)、トリ−o−トリルホスフィン(14mg,0.046ミリモル)、トリエチルアミン(0.03ml,0.215ミリモル)、及びPd(OAc)2(5mg,0.0223ミリモル)をMeCN(1ml)中で合わせ、この混合物を還流まで5時間加熱してから、冷やした。この混合物をDCM(30ml)と飽和NaHCO3溶液(25ml)の間に分画し、水相をDCM(2x20ml)でさらに抽出した。合わせた有機物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,98:2〜92:8)とジイソプロピルエーテルを用いた摩砕により精製し、表題化合物(15mg,0.033ミリモル、39%)をベージュ色の固形物として得た;融点145〜149℃。
【0202】
【化71】
生物学的活性
本明細書の式(I)の好ましい化合物は、約10nM未満のIC50値を有するcGMP PDE5の阻害剤として、in vitro 活性を有する。本明細書の実施例1及び2の化合物は、それぞれ、1.34nM及び1.96nMのcGMP PDE5(ヒト海綿体)IC50値を有する。
【0203】
In vitro 代謝データ
表1は、比較例の化合物Aに対する実施例1の化合物の改善されたHLM半減期を例示する。
【0204】
【表2】
化合物Aは、1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−アス(as)−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られる、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オンである。化合物Aは、公開国際出願WO99/24433号の実施例20、19、337、及び336に説明される方法に従って製造することが可能である。
Claims (18)
- 一般式I:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
そして、ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。 - 請求項1に定義される化合物[式中:
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、請求項1に定義される通りである;
但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがC(O)である場合、R1、R3、及びR4は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そして
さらに但し、YがCHであり、XがOであり、そしてAがCH(OH)である場合、R1とR3は、いずれもC1〜C6アルキルを表さず、R2は、C1〜C6アルキルもC3〜C6シクロアルキルも表さず、そしてR4は、ヒドロキシ、フェニル、NR9R10、又はOC(O)R6から選択される2つまでの置換基で場合により置換される、フェニルでもC1〜C5アルキルでもなく、ここでR9とR10は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルフェニル、又はフェニル基であって、場合によりヒドロキシ又はOR12により置換され、そしてR6は、ハロゲン又はOR12により場合により置換される(C1〜C6)アルキルであって、ここでOR12はO(C1〜C6)アルキルである]。 - 請求項1に定義される化合物
[式中:Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、Oを表し;
Yは、Nを表し;
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、ハロ、OR6、NR9R10、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、OR12、又はNR15R16から選択される1つ以上のさらなる置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R6、R9、R10、R12、R15、及びR16は、上記に定義される通りである]。 - AがC=Oを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- 上記に定義される一般式(I)の化合物[式中:
Aは、C=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3とR4は、独立して、H、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
R5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、又はR4が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるHet、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
ここで、R4が、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
ここでHetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。 - YがNであり、AがC(O)であり、そして、R1、R2、R3、R4、及びR5が、独立して、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルキルHetから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
- YがNであり、AがC(O)であり、そして、R1がC1〜C4アルキル又はC1〜C4アルキルHetであって、R2、R5、及びR4が、独立して、C1〜C3アルキルであり、R3がC2〜C4アルキルである、請求項1〜4、又は6のいずれか1項に記載の化合物。
- Hetが、少なくとも1つのNと、場合により、O、S、又はそれらの混合を含有するC5〜C8員の環系から選択される、請求項1〜4、又は6若しくは7のいずれか1項に記載の化合物。
- 2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−メチルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン;
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−プロピルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン;
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルメチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン;又は
2−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−7−エチル−5−(4−モルホリニルエチル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オンから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、及びその製剤的に許容される塩、溶媒和物、及びプロドラッグ。 - 一般式(I):
Aは、CHOH又はC=Oを表し;
Xは、O又はNR5を表し;
Yは、CH又はNを表し;
R1とR2は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、C1〜C6アルキルアリール、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、又はSO2R11を表し;
R3、R4、及びR5は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R3とR5は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R6、C(O)R6、C(O)OR6、NR6C(O)NR7R8、NR6C(O)OR6、OC(O)NR7R8、C(O)NR9R10、NR9R10、SO2NR9R10、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
ここで、R1、R2、R3、R4、又はR5が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールから選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結されるC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、及びC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのような置換基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結され;
R6、R7、及びR8は、独立して、H、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R7とR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R9とR10は、独立して、H、C(O)R6、SO2R11、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表すか;
又は、R9とR10は、それらが結合する窒素原子と一緒に、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で場合により置換される、及び/又は終結される複素環式環を形成することが可能であり;
R11は、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリールを表し;
ここで、R6、R7、R8、R9、R10、又はR11が、C1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基である場合、そのようなC1〜C6アルキル、Het、C1〜C6アルキルHet、アリール、又はC1〜C6アルキルアリール基は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、OR12、OC(O)R12、C(O)R12、C(O)OR12、NR12C(O)NR13R14、NR12C(O)OR12、OC(O)NR13R14、C(O)NR15R16、NR15R16、SO2NR15R16、又はSO2R17から選択される1つ以上の置換基で置換される、及び/又は終結される場合があり;
R12、R13、及びR14は、独立して、H又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R15とR16は、独立して、H、C(O)R12、SO2R17、又はC1〜C6アルキルを表すか;又は、R15とR16は、それらが結合する窒素原子と一緒に複素環式環を形成することが可能であり;
R17は、C1〜C6アルキルを表し;
Hetは、場合により置換される4〜12員の複素環式基を表し、該基は、窒素、酸素、イオウ、及びそれらの混合から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する]。 - 医薬品としての使用のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
- 動物用医薬品としての使用のための、請求項1〜11のいずれか1項に定義される化合物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に定義される化合物を、製剤的若しくは獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と混合して含んでなる製剤。
- 医薬製剤である、請求項13に記載の製剤。
- 獣医学用製剤である、請求項13に記載の製剤。
- cGMP PDE5の阻害が所望される医学的状態の治癒的若しくは予防的処置のための医薬品の製造における、請求項1〜12のいずれか1項に定義される化合物の使用。
- cGMP PDE5の阻害が所望される医学的状態を治療するか又は予防する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量をそのような処置の必要な患者へ投与することを含む、前記方法。
- 前記状態が、男性の勃起不全(MED)、不能症、女性の性機能不全(FSD)、陰核機能不全、女性の性欲低下性異常症、女性の性覚醒障害、女性の性疼痛障害、又は女性の性オルガスム機能不全(FSOD)である、請求項16に記載の使用、又は請求項17に記載の方法。
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