JP2004525971A - オキサビスピジンの新規製造法 - Google Patents

オキサビスピジンの新規製造法 Download PDF

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JP2004525971A
JP2004525971A JP2002581446A JP2002581446A JP2004525971A JP 2004525971 A JP2004525971 A JP 2004525971A JP 2002581446 A JP2002581446 A JP 2002581446A JP 2002581446 A JP2002581446 A JP 2002581446A JP 2004525971 A JP2004525971 A JP 2004525971A
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チーマ,ラル
クラディングボエル,デビッド
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アストラゼネカ アクチボラグ
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D498/08Bridged systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/06Antiarrhythmics

Abstract

式(I)
【化1】
Figure 2004525971

の化合物のベンゼンスルホン酸塩の製造法が提供され、該方法は、式(II)
【化2】
Figure 2004525971

の化合物の、式(III)
【化3】
Figure 2004525971

の化合物との反応を含む(式中、R、R、A、及びBは、本明細書の記載において与えられる意味を有する)。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、N−ケトアルキル−N’−アニリノアルキルオキサビスピジンベンゼンスルホン酸塩の新規製造法に関する。
【0002】
先行技術
9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(オキサビスピジン)構造を含む文献化合物の数はきわめて少ない。結果として、オキサビスピジン化合物の製造に特に適用される既知の方法はほとんどない。
【0003】
Chem. Ber. 96(11), 2827 (1963) には、特定のオキサビスピジン化合物が1,3−ジアザ−6−オキサ−アダマンタンの合成における中間体として開示されている。
J. Org. Chem. 31, 277 (1966); 同書 61(25), 8897 (1996); 同書 63(5), 1566 (1998); 及び、同書 64(3), 960 (1999) には、オキサビスピジン環構造を有するヘミアセタール(及び関連化合物)が、1,5−ジアザシクロ−1,3−ジオールの酸化又は1,5−ジアザシクロオクタン−1,3−ジオンの還元からの予期せぬ生成物として開示されている。
【0004】
J. Org. Chem. 32, 2425 (1967) には、1,3−ジメチル−3,7−ジトシル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンが、trans−1,3−ジメチル−1,5−ジトシル−1,5−ジアザシクロオクタン−1,3−ジオールの試行されたアセチル化からの生成物として開示されている。
【0005】
上記の文献のなかで、一方のN原子にケトアルキル置換基を、他方にアニリノアルキル置換基を有するオキサビスピジンの合成を開示又は示唆するものはない。
国際特許出願WO01/28992号は広範囲のオキサビスピジン化合物の合成を記載していて、該化合物は心臓不整脈の治療に有用であると示唆されている。そのなかで特に開示されているのは、4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、ベンゼンスルホン酸塩(一水和物として単離される)である。しかしながら、その塩の製造についてWO01/28992号に開示されるルートでは、4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピルのオキサビスピジン核へのカップリングに続き、4−メチルベンゼンスルホネートのベンゼンスルホネートへのアニオン交換により生成物が生じる。
【0006】
今回我々は、驚くべきことに、N−ケトアルキル−N’−アニリノアルキルオキサビスピジンのベンゼンスルホン酸塩が、簡便にも、N−ケトアルキルオキサビスピジンとベンゼンスルホン酸アニリノアルキルとの反応により直接製造し得ることを見出した。
【0007】
発明の説明
本発明の第一の側面によれば、
式I:
【0008】
【化1】
Figure 2004525971
【0009】
[式中、Rは、H又はシアノを表し;
Aは(CH2−6を表し;
Bは(CH1−4を表し;そして
は、C1−6アルキル、フェニル(後者の基は、ハロ及びメトキシから選択される1又は2つの置換基により場合により置換される)、又はベンゾジオキサニルを表す]の化合物のベンゼンスルホン酸塩の製造法が提供され;
該方法は、
式II:
【0010】
【化2】
Figure 2004525971
【0011】
[式中、RとAは上記に定義される通りである]の化合物の、式III:
【0012】
【化3】
Figure 2004525971
【0013】
[式中、BとRは上記に定義される通りである]の化合物との反応を含み、
そして、該方法を、以下、「本発明の方法」と呼ぶ。
他に特定しなければ、本明細書に定義されるアルキル基は、直鎖であってよいか、又は十分な数(即ち、少なくとも3つ)の炭素原子がある場合は、分岐鎖、及び/又は環式であってもよい。さらに、十分な数(即ち、少なくとも4つ)の炭素原子がある場合は、そのようなアルキル基はまた、一部環式/非環式であってもよい。そのようなアルキル基はまた、飽和していてよいか、又は十分な数(即ち、少なくとも2つ)の炭素原子がある場合は、不飽和であってもよい。他に特定しなければ、アルキル基はまた、1つ以上のハロ、及び特に、フルオロ原子により置換されていてもよい。
【0014】
用語「ハロ」には、本明細書において使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードが含まれる。
の好ましい意義(value)には、シアノ(例えば、−N(H)−A−基に対してオルト位に位置する)と、特に、Hが含まれる。
【0015】
Aの好ましい意義には(CH2−4と、特にn−プロピレンが含まれる。
Bの好ましい意義には(CH1−3と、特にCHが含まれる。
の好ましい意義には、ベンゾジオキサン−6−イル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、及び、特に(メチル、そして特にtert−ブチルのような)C1−4アルキルが含まれる。
【0016】
本発明の方法は、好ましくは、好適な溶媒系の存在下で行われる。この溶媒系は、反応体や一度生じた生成物において立体化学変化を生じさせてはならない。
好適な溶媒には、極性有機溶媒(例、DMF、N−メチルピロリジノン、又はアセトニトリル)又は、好ましくは、低級アルキルアルコール(例、エタノールのようなC1−4アルコール)及び/又は水のようなヒドロキシル溶媒(hydroxylic solvent)が含まれる。本発明の方法は、溶媒としてのエタノールの存在下で行うことが好ましい。
【0017】
また、反応が完了したならばすぐに式Iの化合物を引き続いて溶液から沈殿させることが好ましい。反応混合物への水の添加によりこの沈殿を促進することがさらに好ましい。
本発明の方法は、好ましくは、室温と使用する溶媒の還流温度の間(例えば、10℃と100℃の間、好ましくは15℃と90℃の間、そして特に、20℃と80℃の間)のような周囲温度で、又はそれより高い温度で行われる。例えば、使用する溶媒がエタノールである場合、反応は、(70℃と80℃の間、そして特に74℃のような)還流温度付近で行ってよい。
【0018】
本発明の方法において、式IIの化合物の式IIIの化合物に対する化学量論比は、好ましくは、3:2〜2:3の範囲内、特に(11:10〜10:11の範囲内のように)5:4〜4:5の範囲内にあり、そして特別には1:1である。
【0019】
式Iの化合物のベンゼンスルホン酸塩は、本発明の方法により得られる場合、再結晶のような慣用技術により引き続いて精製してよい。再結晶法に適した溶媒には、低級アルキルアルコール(例、エタノールのようなC1−4アルキルアルコール)、水、及びそれらの混合物が含まれる。好ましい再結晶溶媒は、エタノール/水である。当業者により理解されるように、再結晶の間により高い溶媒量を使用することは、再結晶される生成物のより低い回収をもたらすが、より低い溶媒量を使用するときに得られるものより高い純度の生成物をもたらす可能性がある。従って、再結晶において使用する溶媒の容量は、再結晶される生成物について所望される純度の程度に従って選択してよい。
【0020】
式IIの化合物は、慣用技術を使用して製造してよい。例えば、式IIの化合物は、式IV:
【0021】
【化4】
Figure 2004525971
【0022】
[式中、RとAは上記に定義される通りである]の対応化合物の、塩化ベンゼンスルホニルとの、例えば、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンのような三級アミン)、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル、トルエン、又は、好ましくはCHCl)の存在下、そして場合により好適な触媒(例えば、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン、又は、好ましくは、トリエチルアミン塩酸塩のような三級アミン酸付加塩)の存在下、−25℃と室温の間での反応により製造し得る(Tetrahedron 55, 2183 (1999) を参照されたい)。
【0023】
式IIIの化合物は、9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(式V)、
【0024】
【化5】
Figure 2004525971
【0025】
又はそのN保護化誘導体の、式VI:
【0026】
【化6】
Figure 2004525971
【0027】
[式中、Lは好適な脱離基(例えば、クロロのようなハロ)を表し、BとRは、上記に定義される通りである]の化合物との、例えば、好適な塩基(例、アルカリ若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、又はNaHCOのような炭酸水素塩)と適切な溶媒(例えば、(エタノールのような)低級アルキル(例えば、C1−6)アルコール、又は特に、水)の存在下、室温と70℃の間での反応により製造し得る。
【0028】
式IVの化合物は当技術分野で知られているか、又は既知の技術を使用して製造してもよい。例えば、式IVの化合物は、式VII:
【0029】
【化7】
Figure 2004525971
【0030】
[式中、Lは好適な脱離基(例、フルオロ)を表し、Rは上記に定義される通りである]の対応化合物の、式VIII:
N−A−OH VIII
[式中、Aは上記に定義される通りである]の化合物との、例えば、過量の式VIIIの化合物(該化合物は、本反応において式VIIの化合物の溶媒としても作用し得る)の存在下、室温と80℃の間での反応により製造し得る。
【0031】
9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(式Vの化合物)とそのN保護化誘導体は、3,7−ジヒドロキシ−1,5−ジアザシクロオクタン(式IXの化合物)、
【0032】
【化8】
Figure 2004525971
【0033】
又はそのN保護化誘導体[式中、Rは上記に定義される通りである]の脱水環化により製造し得る。この環化は、例えば、好適な脱水剤(強酸(例えば、硫酸(例えば、濃硫酸)又は、特にメタンスルホン酸(特に、無水メタンスルホン酸)、等);無水酢酸又はトリフルオロメタン−無水スルホン酸のような酸無水物;メタンスルホン酸中のP;P(O)Cl、PCl、又はPClのようなリンをベースとするハロゲン化剤;又は塩化チオニル、のような)の存在下に行ってよい。この環化はまた、好適な有機溶媒系の存在下で行ってもよいが、該溶媒系は、反応体や一度生じた生成物と化学的に有意に反応してはならず、またそれらにおいて立体化学変化を有意に生じさせてはならず、他の副反応を有意に生じさせてはならない。好ましい溶媒系には、場合によりエタノール及び/又は酢酸エチルのようなさらなる溶媒の存在下にある、芳香族溶媒(例えば、トルエン若しくはキシレンのような芳香族炭化水素、又は、クロロベンゼン若しくはジクロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素)又はジクロロエタンが含まれる。脱水剤がメタンスルホン酸である場合、好ましい溶媒系にはトルエンが含まれる。脱水剤が硫酸である場合、好ましい溶媒系には、クロロベンゼン又は無溶媒が含まれる。この環化は、上昇温度(例えば、関連する溶媒系の還流温度まで、又は加圧系を利用するならばそれより高い温度)で行ってよい。適正な反応時間及び反応温度が使用する溶媒系に依存するのは明らかであるが、これらは当業者が定型的に決定してよい。
【0034】
9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(式Vの化合物)とそのN保護化誘導体は、他の方法では、既知の技術に従ってか又はそれに類似して製造してもよく、例えば、式X:
【0035】
【化9】
Figure 2004525971
【0036】
又はそのN保護化誘導体[式中、Lは好適な脱離基(例えば、ヨードのようなハロ)を表す]の化合物の、アンモニア又はその保護化誘導体(例えば、ベンジルアミン)との、例えば Chem. Ber. 96(11), 2827 (1963) に記載のような条件下での反応により製造してもよい。
【0037】
3,7−ジヒドロキシ−1,5−ジアザシクロオクタン(式IXの化合物)とそのN保護化誘導体は、ビス(2−オキシラニルメチル)アミン(式XIの化合物)、
【0038】
【化10】
Figure 2004525971
【0039】
又はそのN保護化誘導体の、アンモニア又はその保護化誘導体(例、ベンジルアミン)との、例えば室温と使用する溶媒の還流温度の間(好ましくは、還流温度か又はその付近)での反応により製造し得る。使用し得る好適な溶媒系には有機溶媒系が含まれるが、該系は、反応体や一度生じた生成物と化学的に有意に反応してはならず、またそれらにおいて立体化学変化を有意に生じさせてはならず、他の副反応を有意に生じさせてはならない。好ましい溶媒系には、場合により適正な共溶媒(例えば、酢酸エチルのようなエステル、トルエン又はクロロベンゼンのような芳香族溶媒、又は水)の存在下にある、エタノール、メタノール、プロパン−2−オール、又は(工業用メチルアルコール(IMS)のような)これらの混合物のようなヒドロキシル化合物が含まれる。この反応に好ましい溶媒には、メタノール、プロパノール、及び特にエタノールのような一級アルコールが含まれ、好ましい共溶媒(co−solvent)にはトルエン及びクロロベンゼンが含まれる。
【0040】
式Xの化合物は、既知の技術、例えば Chem. Ber. 96(11), 2827 (1963) 及び国際特許出願WO01/28992号に記載の方法に従うか、又はそれに類似した方法によって製造し得る。
【0041】
ビス(2−オキシラニルメチル)アミン(式XIの化合物)とそのN保護化誘導体は、2以上の当量の式XII:
【0042】
【化11】
Figure 2004525971
【0043】
[式中、Lは上記に定義される通りである]の化合物の、アンモニア又はそのN保護化誘導体との、例えば、好適な塩基(例、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、又はリチウムジイソプロピルアミド)、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、THF、トルエン、水、又はこれらの混合物)、そして場合により相転移触媒(例、塩化トリカプリリルメチルアンモニウム)の存在下、室温と還流温度の間での反応により製造し得る。好ましい塩基には水酸化ナトリウムが含まれ、好ましい溶媒には水が含まれる。
【0044】
式VI、VII、VIII、及びXIIの化合物とそれらの誘導体は、市販されているか、文献に知られているか、又は本明細書に記載の方法に類似した方法で、又は容易に入手可能な出発材料から、適切な試薬及び反応条件を使用する標準技術に従った慣用の合成法により、入手可能である。
【0045】
当業者に理解されるように、上記に記載の方法において、中間化合物の官能基は、保護基により保護してよいか、又は保護することが必要とされる場合がある。
保護することが望まれる官能基には、ヒドロキシとアミノが含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリル及びジアリールアルキルシリル基(例、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル及びアルキルカルボニル基(例、メチル−及びエチルカルボニル基)が含まれる。アミノに適した保護基には、ベンジル、スルホニル(例、ベンゼンスルホニル又はニトロベンゼンスルホニル)、tert−ブチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルが含まれる。
【0046】
特に、以下のように保護することが望ましい場合がある:
(i)9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(式Vの化合物)の1つのアミノ基を(ベンジルのような)適切な保護基で。これは、式IIIの化合物を生じる式VIの化合物との反応の後で除去すべきである;
(ii)3,7−ジヒドロキシ−1,5−ジアザシクロオクタン(式IXの化合物)のアミノ基の片方又は両方を(ベンジル(一方)と、N−4−ニトロベンゼンスルホニルのようなベンゼンスルホニル若しくはニトロベンゼンスルホニル(他方))のような適正な保護基で。2つの保護基を使用するならば、これらの少なくとも1つは、保護化9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(式Vの化合物)が生じた後で除去すべきである(例えば、ベンジル基とベンゼンスルホニル/ニトロベンゼンスルホニル基を使用して2つのアミノ基を保護する場合、式VのN保護化化合物が生じた後で、その化合物の式VIの化合物との反応に先立って、ベンゼンスルホニル/ニトロベンゼンスルホニル基を除去してよい);
(iii)式Xの化合物のアミノ基を(ベンゼンスルホニルのような)適正な保護基で。これは、式Vの化合物が生じた後で除去すべきである;及び/又は
(iv)ビス(2−オキシラニルメチル)アミン(式XIの化合物)のアミノ基を(ベンゼンスルホニル若しくはニトロベンゼンスルホニル(例えば、N−4−ニトロベンゼンスルホニル)のような)適切な保護基で。これは、式VのN保護化化合物が生じた後で除去すべきである。
【0047】
官能基の保護化及び脱保護化は、上記のいずれの反応工程でもその前か後で行ってよい。
保護基は、当業者によく知られていて、以下に記載されるような技術に従って除去してよい。
【0048】
保護基の使用は、「有機化学の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」J.W. F. McOmie 編、プレナムプレス(Plenum Press)
(1973)と、「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第3版、T. W. Greene と P. G. M. Wurz, ウィリーインターサイエンス(Wiley-Interscience)(1999)に詳しく記載されている。
【0049】
本発明の方法には、式Iの化合物が、後続のアニオン交換(中和と溶媒交換を伴う場合がある)を必要としない、式IIIの化合物からの簡単な「ワンポット」法において入手可能であるという驚くべき利点がある。これは、アニオン交換法の過程で使用することが必要になる試薬から不純物を招くことが回避されるというさらなる利点をもたらす。従って、そのような方法においてはごく純粋な材料を利用することの必要性も回避される。
【0050】
さらに、本発明の方法には、先行技術に記載されるどの方法に従って製造したときよりも、より高い収率で、より少ない時間で、より簡便に、そしてより低いコストで式Iの化合物を製造し得るという利点があり得る。
本発明を以下の実施例により例示するが、本発明は決してそれに限定されるものではない。
【0051】
実施例
一般的な実験法
質量スペクトルは、以下の機器の1つで記録した:ウォーターズ、ZMDエレクトロスプレー付き単一四重極(S/N mc350);パーキンエルマーSciX API 150ex分光計;VG Quattro IIトリプル四重極;VG Platform II単一四重極;又はMicromass Platform LCZ単一四重極質量分析計(後者の三つの機器には、空気支援エレクトロスプレーインターフェース(LC−MC)が付いている)。H NMR及び13C NMRの測定は、Varian 300、400及び500分光計(それぞれ300、400及び500MHzのH振動数と、それぞれ75.5、100.6、及び125.7MHzの13C振動数で作動する)で実施した。
【0052】
回転異性体は、スペクトルの解釈の容易さに依存して、スペクトルにおいて表示する場合もあれば、表示しない場合もある。他に断らなければ、化学シフトは、溶媒を内部標準としてppmで示す。
【0053】
製法A
ベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル
(i)4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ベンゾニトリル
4−フルオロベンゾニトリル(30.29g,247.7ミリモル、1.0当量)へ3−アミノ−1−プロパノール(150mL,148.8g,1981.5ミリモル、8.0当量)を加えた。この混合物を、すべての固形物が溶けるまで、窒素下に室温(27℃)で撹拌した。この溶液を77℃まで加熱(油浴)し、この温度に7時間保った後で、周囲温度で一晩(14時間)撹拌した。水(365mL)を加え、生じた濁った溶液をジクロロメタン(365mL,次いで245mL)で抽出した。合わせた有機層を水(365mL)で洗浄した。生成物のDCM溶液を蒸留により乾燥させ、溶媒(200mL)を除去し、新鮮なDCM(200mL)に取り換えた。より多くの溶媒(250mL)を除去し、全溶媒量を365mLとした。
【0054】
上記の手順からやや変更した手順では、代替的に、4−フルオロベンゾニトリル及び3−アミノ−1−プロパノールの混合物を(周囲温度、77℃、次いで周囲温度で再び撹拌することの代わりに)窒素下で80℃まで5時間加熱することが可能であり、その後、冷やしてそれへ水を加えることが可能である。
【0055】
(ii)ベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル
4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ベンゾニトリル(上記の工程(i)より、推定43.65g,247.7ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(360mL,全溶液量)溶液へ、順に、トリエチルアミン(52mL,37.60g,371.55ミリモル、1.5当量)と塩酸トリメチルアミン(11.89g,123.85ミリモル、0.5当量)を1分量で加えた。この黄色い溶液を(冷却板を使用して)−20℃へ冷やし、塩化ベンゼンスルホニル(32mL,43.74g,247.7ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(220mL,シアノアルコールに関して5容量)溶液で、均圧滴下漏斗を介して処理した。この溶液は、内部温度が−14℃を超えないようにして、少しずつ加えた。この添加は、完了するのに25分を要した。次いで、この混合物を−15〜−10℃で35分間撹拌した。
【0056】
水(365mL)を加えると、温度が10℃へ上昇した。この混合物を0℃へ戻して冷やし、15分間激しく撹拌した。この有機層(容量:570mL)を採取し、大気圧で蒸留し、DCM(450mL,ポット温度:40〜42℃,蒸留器の上部温度:38〜39℃)を除去した。エタノール(250mL)を加え、この溶液を30℃未満まで冷やした後で、真空を作動させた。さらに溶媒を除去すると(40mLを採取、気圧:5.2kPa(52ミリバール)、ポット及び蒸留器上部の温度は、21〜23℃であった)、生成物が徐々に溶液から現れた。この時点で蒸留を止め、さらにエタノール(50mL)を加えた。この混合物を40℃へ温め(50℃の湯浴)、すべての固形物を溶かし、滴下漏斗を介して水(90mL)をゆっくり加えた。この溶液を室温(20℃)で一晩(15時間)ゆっくり撹拌すると、このときまでにいくらかの生成物が析出していた。この混合物を−5℃(氷/メタノール浴)へ冷やし、この温度で20分間撹拌した後で、薄黄色の固形物を濾過により採取した。この固形物をエタノール/水混合物(42mL EtOH,8mL HO)で洗浄し、30分間吸引乾燥させた後で、真空オーブン(40℃,72時間)において一定重量になるまで乾燥させた。得られた粗生成物の量は47.42g(149.9ミリモル,60%)であった。
【0057】
この粗生成物(20.00g,63.22ミリモル、1.0当量)へエタノール(160mL,8容量)を加えた。この混合物を窒素下で撹拌し、湯浴を使用して40℃へ温めた。この温度に達すると、固形物がすべて溶けて、澄明な黄色い溶液となった。内部温度を38〜41℃の範囲に維持しながら、水(60mL,3容量)を10分の時間にわたり滴下した。水浴を外し、この溶液を40分にわたり25℃へ冷やすと、このときまでに結晶化がはじまっていた。この混合物を10分にわたり−5℃へ冷やしてから、この温度にさらに10分間保った。この薄黄色の固形物を濾過により採取し、10分間吸引乾燥させてから、真空オーブン(40℃,15時間)において一定重量になるまで乾燥させた。得られた表題化合物の量は、18.51g(58.51ミリモル、93%(粗生成物から))であった。
【0058】
製法B
3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン
(i)N,N−ビス(2−オキシラニルメチル)ベンゼンスルホンアミド
水(2.5L,10容量)に続きエピクロヒドリン(500mL,4当量)をベンゼンスルホンアミド(250g,1当量)へ加えた。この反応体を40℃まで加熱した。水酸化ナトリウム水溶液(275mLの水中130g)を、反応物の温度が40℃と43℃の間に留まるようにして加えた。これには約2時間を要した。(水酸化ナトリウム添加の速度は、上述の温度範囲内に保つためには、添加の開始では終わりよりもゆっくりとする必要がある。)水酸化ナトリウムの添加が完了した後で、この反応物を40℃で2時間、次いで周囲温度で一晩撹拌した。過剰のエピクロヒドリンを真空蒸留((約4kPa(約40ミリバール)、内部温度:30℃)により水共沸物として除去すると、最後にはそれ以上のエピクロヒドリンは蒸留されなかった。ジクロロメタン(1L)を加え、この混合物を速やかに15分間撹拌した。相を分離させた(これには10分を要したが、一晩静置した後では、完全に澄明な相が得られた)。相を分離させ、このジクロロメタン溶液を以下の後続工程に使用した。
【0059】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 2.55-2.65 (2H, m), 2.79 (2H, t, J 4.4), 3.10-3.22 (4H, m), 3.58-3.73 (2H, m), 7.50-7.56 (2H, m), 7.58-7.63 (1H, m), 7.83-7.87 (2H, m).
【0060】
(ii)5−ベンジル−3,7−ジヒドロキシ−1−フェニルスルホニル−1,5−ジアザシクロオクタン
上記工程(i)からのジクロロメタン溶液へIMS(2.5L,10容量)を加えた。この溶液を、内部温度が70℃に達するまで蒸留した。約1250mLの溶媒を採取した。さらなるIMS(2.5L,10容量)に続き、ベンジルアミン(120mL,0.7当量)を1分量で加え(発熱を認めず)、この反応物を還流で6時間加熱した(2時間のサンプリング点からは変化なし)。さらにベンジルアミン(15mL)を加え、この溶液をさらに2時間加熱した。IMSを蒸留し(約3.25L)、トルエン(2.5L)を加えた。さらに溶媒(約2.4L)を蒸留してから、さらにトルエン(1L)を加えた。このとき上部温度は110℃であった。110℃でさらに250mLの溶媒を採取した。理論的には、これにより110℃で約2.4Lのトルエン中に生成物が残った。この溶液を次の工程に使用した。
【0061】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.83-7.80 (4H, m, ArH), 7.63-7.51 (6H, m, ArH), 7.30-7.21 (10H, ArH), 3.89-3.80 (4H, m, CH(a) +CH(b)), 3.73 (2H, s, CH2Ph(a)), 3.70 (2H, s, CH2Ph(b)), 3.59 (2H, dd, CHHNSO2Ar(a)), 3.54 (2H, dd, CHHNSO2Ar(b)), 3.40 (2H, dd, CHHNSO2Ar(b)), 3.23 (2H, dd, CHHNSO2Ar(a)), 3.09-2.97 (4H, m, CHHNBn(a) + CHHNBn(b)), 2.83 (2H, dd, CHHNBn(b)), 2.71 (2H, dd, CHHNBn(a)).
(trans−(a)及びcis−ジオール(b)の1:1混合物を含んでなる精製材料からとったデータ)。
【0062】
(iii)3−ベンジル−7−(フェニルスルホニル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
上記の先の工程(ii)からのトルエン溶液を50℃へ冷やした。無水メタンスルホン酸(0.2L)を加えた。これにより、50℃から64℃への温度上昇を引き起こした。10分後、メタンスルホン酸(1L)を加え、反応物を110℃まで5時間加熱した。次いで、トルエンをこの反応物から蒸留し、1.23Lを採取した。(どの段階でも内部温度が110℃より高くなってはならないことに留意すること。さもないと、収率が減少する。)次いで、この反応物を50℃へ冷やし、真空をかけて残りのトルエンを除去した。110℃及び65kPa(650ミリバール)への加熱により、さらに0.53Lを除去した。(より低い温度及び気圧でトルエンを除去し得るならば、そのほうが有益である。)次いで、この反応物を30℃へ冷やし、脱イオン水(250mL)を加えた。これにより、温度は30℃から45℃へ上昇した。温度が54℃未満であるようにして、さらに水(2.15L)を全体で30分の時間にわたり加えた。この溶液を30℃へ冷やしてから、ジクロロメタン(2L)を加えた。外部を冷やし、速やかに撹拌しながら、内部温度を38℃未満に保つ速度で水酸化ナトリウム水溶液(10M,2L)を加えることによって、この反応混合物を塩基性にした。これには80分を要した。撹拌を止めると、相が3分のうちに分離した。この層を分画した。このジクロロメタン溶液へIMS(2L)を加え、蒸留を開始した。上部温度が70℃に達するまで溶媒(2.44L)を採取した。理論的には、これにより1.56LのIMS中に生成物が残った。次いで、この溶液を、一晩ゆっくり撹拌しながら周囲温度へ冷やした。沈殿した固形生成物を濾過し、IMS(0.5L)で洗浄し、淡黄褐色の生成物を得て、これを50℃で真空乾燥させ、50.8g(3工程で8.9%)を得た。この生成物の20.0gをアセトニトリル(100mL)に還流で溶かし、薄黄色の溶液を得た。周囲温度へ冷やした後で、生じた結晶を濾過により採取し、アセトニトリル(100mL)で洗浄した。この生成物を40℃で1時間真空乾燥させ、17.5g(87%)の副題化合物を得た。
【0063】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.18-7.23 (10H, m), 3.86-3.84 (2H, m), 3.67 (2H, d), 3.46 (2H, s), 2.91 (2H, d), 2.85 (2H, dd), 2.56 (2H, dd).
【0064】
(iv)3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl
固形の3−ベンジル−7−(フェニルスルホニル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(400g,上記の工程(iii)を参照のこと)へ濃臭化水素酸(1.2L,3相対容量)を加え、この混合物を窒素雰囲気下で還流まで加熱した。この固形物は、この酸に95℃で溶けた。この反応物を8時間加熱した後、HPLC分析は、この反応が完全であることを示した。この内容物を室温へ冷やした。トルエン(1.2L,3相対容量)を加え、この混合物を15分間激しく撹拌した。撹拌を止めて、相を分画した。トルエン相を少量の界面材料(interfacial material)と一緒に捨てた。酸性相を元の反応容器へ戻し、水酸化ナトリウム(10M,1.4L,3.5相対容量)を1分量で加えた。内部温度は30℃から80℃へ上昇した。pHをチェックし、それが>14であることを確かめた。トルエン(1.6L,4相対容量)を加えると、温度は80℃から60℃へ下降した。30分間激しく撹拌した後で、相を分画した。水層を少量の界面材料と一緒に捨てた。トルエン相を元の反応容器へ戻し、2−プロパノール(4L,10相対容量)を加えた。温度を40℃と45℃の間に調整した。温度が40℃と45℃の間に留まるようにして、濃塩酸(200mL)を45分にわたり加えた。白い沈殿が生じた。この混合物を30分間撹拌してから、7℃へ冷やした。生成物を濾過により採取し、2−プロパノール(0.8L,2相対容量)で洗浄し、吸引乾燥させてから、真空オーブンにおいて40℃でさらに乾燥させた。収量=297g(91%)。
【0065】
1H NMR (CD3OD + 4滴の D2O): δ 2.70 (br d, 2H), 3.09 (d, 2H), 3.47 (br s, 4H), 3.60 (s, 2H), 4.12 (br s, 2H), 7.30-7.45 (m, 5H).
API MS:m/z=219[C1318O+H]
【0066】
(v)3,3−ジメチル−1−[9−オキサ−7−(フェニルメチル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]−2−ブタノン
水(500mL,5容量)に続き1−クロロピナコロン(45.8mL,1当量)を重炭酸ナトリウム(114.2g,4当量)へ加えた。3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl(100.0g;上記の工程(iv)を参照のこと)の水(300mL,3容量)溶液を、二酸化炭素の発生を抑えるようにして(20分)、ゆっくり加えた。この反応混合物を65〜70℃で4時間加熱した。周囲温度へ冷やした後で、ジクロロメタン(400mL,4容量)を加え、15分間撹拌した後で、相を分離させた。水相をジクロロメタン(400mL,4容量)で洗浄し、有機抽出物を合わせた。この溶液を蒸留し、溶媒(550mL)を採取した。エタノール(1L)を加え、蒸留を続けた。さらなる溶媒(600mL)を採取した。エタノール(1L)を加え、蒸留を続けた。さらなる溶媒(500mL)を採取した(このとき上部温度は77℃であった)。この溶液(理論的には1150mLのエタノールを含有する)を次の工程に直接使用した。
【0067】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.21 (9H, s), 2.01-2.59 (2H, m), 2.61-2.65 (2H, m), 2.87-2.98 (4H, m), 3.30 (2H, s), 3.52 (2H, s), 3.87 (2H, br s), 7.26 (2H, d, J 7.6), 7.33 (1H, dd, J 7.6, 7.6), 7.47 (2H, d, J 7.6).
【0068】
(vi)3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン
パラジウム担持活性炭(44g,61%湿性触媒の0.4重量当量、Johnson Matthey 440L型)を、上記の先の工程(v)からのエタノール溶液へ加えた。この混合物を400kPa(4バール)で水素化した。この反応は、5時間後に完了とみなされた。触媒を濾過により除去し、エタノール(200mL)で洗浄した。合わせたエタノール濾液をさらなる精製をせずに使用した。溶液アッセイにより、エタノール(理論的には1.35L;測定では1.65L)中に61.8gの表題生成物を得た。生成物の一部を単離し、精製した。この精製生成物について分析を実施した。
【0069】
1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 1.17 (9H, s), 2.69 (2H, dt, J 11.4, 2.4), 2.93 (2H, d, J 10.8), 3.02 (2H, d, J 13.8), 3.26 (2H, s), 3.32 (2H, dt, J 14.1), 3.61 (2H, br s).
【0070】
この反応は、ベンジル化出発材料に対してより低い重量比の触媒を使用して行ってもよい。これは、いくつかの異なるやり方で、例えば、異なる触媒(上記に使用されるタイプ440L触媒とは異なる金属ローディング(metal loading)を有するPd/C、又はRh/Cのような)を使用することによって、及び/又はこの反応混合物の物質輸送特性を改善することによって(当業者は、例えば、上記の反応に記載されるものより大きいスケールで水素化を実施することによって、改善された物質輸送(mass transfer)を得ることが可能であることを理解されよう)達成し得る。そのような技術を使用すれば、出発材料に対する触媒の重量比を4:10未満(例えば、4:10と1:20の間)へ減らすことが可能である。
【0071】
実施例1
4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、ベンゼンスルホン酸塩
3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン(推定34.97g(アッセイにより証明),154.5ミリモル、1.0当量;上記の製法Bを参照のこと)のエタノール溶液(全量770mL,アミンに関して約20容量)へ、ベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(49.05g,154.52ミリモル,1.0当量;上記の製法Aを参照のこと)を1分量(one portion)で加えた。生じた混合物を74℃で6時間加熱してから、室温(20℃)で65時間(週末の間中;当業者は、この反応が室温でのこの長期撹拌なしにうまくいくことを理解されよう)撹拌した。エタノール(370mL)を除去し、水(200mL)を加えた(これにより、2:1のEtOH:HO混合物、全量600mLを得た)。この水を加えると、ポット温度が80℃から61℃へ下降した。この溶液を70℃へ再加熱してから、ゆっくり撹拌しながら自然に周囲温度へ一晩(19時間)戻した。この段階で固形物が観察された。この混合物を0℃へ冷やしてから、この温度で15分間撹拌した後で、濾過によりオフホワイトの固形物を採取した。この固形物をエタノール:水(150mL)の冷たい2:1混合物で洗浄し、1.25時間吸引乾燥させてから、オーブン乾燥(40℃,20時間)させた。得られた粗生成物の量は、57.91g(103.3ミリモル、60%)であった。
【0072】
この生成物は、(HPLC分析により決定されるように)98.47%純粋であることが判明し、(以下に記載の方法を使用して)再結晶させて、表題化合物を99.75%(回収率84%)の純度で得た。
【0073】
再結晶法:
上記で得た粗生成物(56.2g)へエタノール(562mL)と水(281mL)を加えた。この溶液を75℃まで加熱した。すべての材料が55℃で溶けた。この溶液を75℃に5分間保った後で、1.5時間にわたり5℃へ冷やした。沈殿が35℃で始まった。この冷溶液を濾過し、採取した沈殿物をエタノール:水(2:1,168mL)で洗浄した。この固形材料をフィルター上で吸引乾燥させた後で、40℃で真空乾燥させ、生成物(47.1g,84%)を得た。
【0074】
略号
API=大気圧イオン化(MS関連)
br=ブロード(NMR関連)
d=二重項(NMR関連)
DCM=ジクロロメタン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
dd=二重項の二重項(NMR関連)
Et=エチル
eq.=当量
h=時間
HCl=塩酸
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
IMS=工業用メチルアルコール
m=多重項(NMR関連)
Me=メチル
min.=分
m.p.=融点
MS=質量分析法
Pd/C=パラジウム担持カーボン
q=四重項(NMR関連)
rt=室温
s=一重項(NMR関連)
t=三重項(NMR関連)
頭字語のn−、s−、i−、t−及びtert−は、その通常の意味を有する:即ち、ノルマル、二級、イソ、及び三級。

Claims (19)

  1. 式I:
    Figure 2004525971
    [式中、Rは、H又はシアノを表し;
    Aは(CH2−6を表し;
    Bは(CH1−4を表し;そして
    は、C1−6アルキル、フェニル(後者の基は、ハロ及びメトキシから選択される1又は2つの置換基により場合により置換される)、又はベンゾジオキサニルを表す]の化合物のベンゼンスルホン酸塩の製造法であって;
    式II:
    Figure 2004525971
    [式中、RとAは上記に定義される通りである]の化合物の、式III:
    Figure 2004525971
    [式中、BとRは上記に定義される通りである]の化合物との反応を含む、前記方法。
  2. がシアノを表す場合、それが−N(H)−A−基に対してオルト位に位置する、請求項1に記載の方法。
  3. がHを表す、請求項1に記載の方法。
  4. Aが(CH2−4を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. Aがn−プロピレンを表す、請求項4に記載の方法。
  6. Bが(CH1−3を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. BがCHを表す、請求項6に記載の方法。
  8. が、ベンゾジオキサン−6−イル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、又はC1−4アルキルを表す、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. が、メチル又はtert−ブチルを表す、請求項8に記載の方法。
  10. がHを表し、Aがn−プロピレンを表し、BがCHを表し、そしてRがtert−ブチルを表す、請求項1に記載の方法。
  11. 反応が、溶媒系の存在下で行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 溶媒がエタノールである、請求項11に記載の方法。
  13. 反応が、10℃と100℃の間で行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 溶媒がエタノールであり、そして反応が70℃と80℃の間で行われる、請求項13に記載の方法。
  15. 式IIの化合物の式IIIの化合物に対する化学量論比が3:2〜2:3の範囲内にある、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 化学量論比が5:4〜4:5の範囲内にある、請求項15に記載の方法。
  17. 化学量論比が1:1である、請求項16に記載の方法。
  18. 式Iの化合物を引き続いて溶液から沈殿させる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 反応混合物への水の添加により沈殿を促進する、請求項18に記載の方法。
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