JP2004525907A - 植物のエチレン応答の阻害方法 - Google Patents

植物のエチレン応答の阻害方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、概して、植物および植物材料のエチレン応答を阻害する方法に関し、特に、シクロプロペンが別の環構造と関連するシクロプロペン誘導体およびそれらの組成物を植物に曝露することによる、植物の熟成および劣化を含む種々のエチレン応答を阻害する方法に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、植物および植物材料のエチレン応答を阻害する方法に関し、特に、シクロプロペンが別の環構造と関連するシクロプロペン誘導体およびそれらの組成物を植物に曝露することによる、植物の熟成および劣化を含む種々のエチレン応答を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンが、植物または植物の一部(例えば、花、葉、果実、および野菜など)の早期の死の原因となりうることはよく知られている。エチレンは、葉の黄変および生長の阻害、ならびに果実、花、および葉の早期の落下も促進する。このような活性は、植物の特定のエチレン受容体と相互作用することによって生じると理解されている。エチレン以外の多くの化合物がこの受容体と相互作用し、一部はエチレンと類似の作用を示し、他のものはエチレンの結合を阻害し、それによってエチレンの作用を抑制する。エチレンに起因するこれらの影響に対処するため、現在の非常に活発で熱心に行われている研究は、植物に対するエチレンの有害作用を防止または軽減する方法の研究に関するものである。
ジアゾシクロペンタジエンおよびその誘導体を使用した植物のエチレン応答の抑制方法が、Sislerらに付与された米国特許第5,100,462号(特許文献1)に開示されている。Sislerらに付与された米国特許第5,518,988号(特許文献2)は、エチレンの結合の遮断剤として有効であるとしてシクロプロペンおよびその誘導体(1−メチルシクロプロペンなど)の使用を開示している。しがしながら、これらの化合物に関する大きな問題は、これらは圧縮されると爆発の危険がある通常は不安定な気体であることである。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,100,462号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,518,988号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの努力にもかかわらず、植物の熟成および劣化を制御する化合物および組成物が依然として必要とされている。そのような新規化合物は、1−メチルシクロプロペンの爆発の危険性を回避し、さらに、液体または固体の配合物などによる別の送達手段を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の利点の多くが得られる新規な一群のシクロプロペン誘導体を発見した。これらの化合物およびそれらの組成物によって、植物のエチレン応答の阻害方法を提供され、前記方法は、エチレン応答の阻害に有効な量の式IまたはII:
【化1】
Figure 2004525907
(式中、
a)R、R、およびRのそれぞれは独立に式:
−(L)−Z
の基であり、式中、
i)nは0〜12の整数であり、pは3〜10の整数であり、
ii)各Lは独立に、基D、E、またはJのメンバーより選択され、ここで、
Dは式:
【化2】
Figure 2004525907
であり、
Eは式:
【化3】
Figure 2004525907
であり、
Jは式:
【化4】
Figure 2004525907
であり、
式中、
A)XとYのそれぞれは独立に式
−(L)−Z
の基であり、
B)mは0〜8の整数であり、
C)2つよりも多いE基が互いに隣接することはなく、J基は互いに隣接せず、
iii)各Zは独立に、
A)水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、ヨーデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、あるいは
B)基G(ここでGは、非置換または置換、不飽和、部分飽和、または飽和の単環式、二環式、三環式、または縮合した炭素環または複素環構造であり、
1)前記環構造が3または4員複素環を含む場合、前記複素環は1つのヘテロ原子を含有し、
2)前記環構造が5員以上の複素環または多環式複素環を含む場合、前記複素環または多環式複素環は1〜4個のヘテロ原子を含有し、
3)各ヘテロ原子は独立にN、O、およびSから選択され、
4)置換基の数は0〜5個であり、各置換基は独立にXから選択される)
から選択され、
b)各化合物中の非水素原子の総数は50個以下である)
のシクロプロペン誘導体またはそれらの混合物、その鏡像異性体、立体異性体、塩、ならびにそれらの混合物、またはそれらの組成物と、植物を接触させるステップを含む。
【0006】
本発明のもう1つの態様は、エチレン応答の阻害に有効な量の式III:
【化5】
Figure 2004525907
(式中
a)RおよびRのそれぞれは独立に式:
−(L)−Z
の基であり、式中、
i)nは0〜12の整数であり、qは2〜11の整数であり、
ii)L、Z、D、E、J、X、およびYは前出の定義の通りであり、
iii)2つよりも多いE基が互いに隣接することはなく、J基は互いに隣接せず、
b)各化合物中の非水素原子の総数は50個以下である)
の化合物、その鏡像異性体、立体異性体、塩、ならびにそれらの混合物、またはそれらの組成物と、植物を接触させることを含む、植物のエチレン応答の阻害方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の目的では、種々のL基の構造表示のそれぞれの結合が開いていることは、別のL基、Z基、またはシクロプロペン部分と結合することを意味している。例えば、構造表示
【化6】
Figure 2004525907
は、別の2つの原子と結合する酸素原子を意味しており、ジメチルエーテル部分を表しているのではない。
【0008】
代表的なR、R、R、およびR基としては、例えば、アルケニル、アルキル、アルキニル、アセチルアミノアルケニル、アセチルアミノアルキル、アセチルアミノアルキニル、アルケノキシ、アルコキシ、アルキノキシ、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキル(アルコキシイミノ)アルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキニル、ジアルキルアミノ、ハロアルコキシアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキニル、ハロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキニル、トリアルキルシリルアルケニル、トリアルキルシリルアルキル、トリアルキルシリルアルキニル、ジアルキルホスホナト、ジアルキルホスファト、ジアルキルチオホスファト、ジアルキルアミノアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルチオアルケニル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルキニル、ジアルキルアミノスルホニル、ハロアルキルチオアルケニル、ハロアルキルチオアルキル、ハロアルキルチオアルキニル、アルコキシカルボニルオキシ、シクロアルケニル、シクロアルキル、シクロアルキニル、アセチルアミノシクロアルケニル、アセチルアミノシクロアルキル、アセチルアミノシクロアルキニル、シクロアルケノキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキノキシ、アルコキシアルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルケニル、アルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキニル、アルコキシカルボニルシクロアルケニル、アルコキシカルボニルシクロアルキル、アルコキシカルボニルシクロアルキニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルケニル、カルボキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルキニル、ジシクロアルキルアミノ、ハロシクロアルコキシシクロアルケニル、ハロシクロアルコキシシクロアルキル、ハロシクロアルコキシシクロアルキニル、ハロシクロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキニル、ヒドロキシシクロアルケニル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキニル、トリアルキルシリルシクロアルケニル、トリアルキルシリルシクロアルキル、トリアルキルシリルシクロアルキニル、ジアルキルアミノシクロアルキル、アルキルスルホニルシクロアルキル、シクロアルキルカルボニルオキシアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、アルキルチオシクロアルケニル、アルキルチオシクロアルキル、アルキルチオシクロアルキニル、ジシクロアルキルアミノスルホニル、ハロアルキルチオシクロアルケニル、ハロアルキルチオシクロアルキル、ハロアルキルチオシクロアルキニル、アリール、アルケニルアリール、アルキルアリール、アルキニルアリール、アセチルアミノアリール、アリールオキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシカルボニルアリール、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシアリール、カルボキシアリール、ジアリールアミノ、ハロアルコキシアリール、ハロアリール、ヒドロキシアリール、トリアルキルシリルアリール、ジアルキルアミノアリール、アルキルスルホニルアリール、アリールスルホニルアルキル、アルキルチオアリール、アリールチオアルキル、ジアリールアミノスルホニル、ハロアルキルチオアリール、ヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール、アセチルアミノヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルコキシアルコキシヘテロアリール、アルコキシヘテロアリール、アルコキシカルボニルヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、ジヘテロアリールアミノ、ハロアルコキシヘテロアリール、ハロヘテロアリール、ヒドロキシヘテロアリール、トリアルキルシリルヘテロアリール、ジアルキルアミノヘテロアリール、アルキルスルホニルヘテロアリール、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルチオヘテロアリール、ヘテロアリールチオアルキル、ジヘテロアリールアミノスルホニル、ハロアルキルチオヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルケニルヘテロシクリル、アルキルヘテロシクリル、アルキニルヘテロシクリル、アセチルアミノヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、アルコキシアルコキシヘテロシクロ、アルコキシヘテロシクリル、アルコキシカルボニルヘテロシクリル、ヘテロシクリルカルボニル、アルキルカルボニルオキシヘテロシクリル、カルボキシヘテロシクリル、ジヘテロシクリルアミノ、ハロアルコキシヘテロシクリル、ハロヘテロシクリル、ヒドロキシヘテロシクリル、トリアルキルシリルヘテロシクリル、ジアルキルアミノヘテロシクリル、アルキルスルホニルヘテロシクリル、アルキルチオヘテロシクリル、ヘテロシクリルチオアルキル、ジヘテロシクリルアミノスルホニル、ハロアルキルチオヘテロシクリル、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト、ブロマト、ヨーダト、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、パークロラト、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、およびそれらの置換類似体が挙げられる。
【0009】
代表的なG基としては、例えば、飽和または不飽和のシクロアルキル、二環式、三環式、多環式、飽和または不飽和複素環、非置換または置換フェニル、ナフチル、またはヘテロアリール環構造が挙げられ、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンタ−3−エン−1−イル、3−メトキシシクロヘキサン−1−イル、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3−ニトロフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、2−メチル−3−メトキシフェニル、2,4−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、2−クロロナフチル、2,4−ジメトキシフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ヨード−4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピラジニル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジニル、トリアゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インドリルおよび5−メチル−6−クロマニル、アダマンチル、ノルボルニル、ならびにそれらの置換類似体、例えば、3−ブチル−ピリジン−2−イル、4−ブロモ−ピリジン−2−イル、5−カルボエトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシエトキシ−ピリジン−2−イルが挙げられる。
【0010】
式Iの化合物の場合、好ましくはRとRの一方が水素であり、より好ましくはRとRの両方が水素である。式IIの化合物の場合、好ましくはRとRの一方が水素であり、より好ましくはRが水素であり、最も好ましくはRとRの両方が水素である。式IIIの化合物の場合、好ましくはRとRの一方が水素であり、より好ましくはRとRの両方が水素である。
【0011】
好ましくは、nは0〜8である。最も好ましくは、nは1〜7である。好ましくは、mは0〜4である。最も好ましくは、mは0〜2である。好ましくは、pは4〜8である。最も好ましくは、pは4〜7である。好ましくは、qは2〜8である。より好ましくは、qは3〜7である。最も好ましくは、qは4〜6である。
【0012】
好ましくは、Dは−CXY−、−SiXY−、−CO−、または−CS−である。より好ましくは、Dは−CO−または−CXY−である。好ましくは、Eは−O−、−S−、−NX−、または−SOである。より好ましくは、Eは−O−である。好ましくは、XとYは独立に、H、ハロ、OH、SH、−C(O)(C〜C)アルキル−、−C(O)O(C〜C)アルキル−、−O−(C〜C)アルキル、−S−(C〜C)アルキル、あるいは置換または非置換(C〜C)アルキルである。好ましくは、ZはH、ハロ、またはGである。より好ましくは、ZはHまたはGである。
【0013】
好ましくは、各Gは独立に、置換または非置換5、6、または7員環のアリール、ヘテロアリール、複素環、またはシクロアルキル環である。より好ましくは、各Gは独立に、置換または非置換のフェニル、ピリジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、トリアゾリル、ピラゾリル、1,3−ジオキソラニル、またはモルホリニルである。さらにより好ましくは、Gは、非置換または置換フェニル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロヘキシルである。最も好ましくは、Gは、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、フェニル、または置換フェニルであり、この置換基は独立に、1〜3個の、メチル、メトキシ、およびハロから選択される。
【0014】
本発明の別の態様は、エチレン受容体の遮断に有効な量の式I、II、またはIIIのシクロプロペン誘導体あるいはそれらの組成物を植物に与えることによる、植物のエチレン受容体の遮断方法である。
【0015】
有効量の式I、II、またはIIIのシクロプロペン誘導体またはその組成物を植物に与えることによる、植物の器官脱離の阻害方法、切り花の寿命の延長方法、および収穫された果物または野菜の熟成の阻害方法も開示する。
【0016】
本明細書に記載の方法は、固体、液体、または気体のシクロプロペン誘導体またはその組成物を植物と接触させる、またはシクロプロペン誘導体またはその組成物を注入した雰囲気下に植物、切り花、収穫した果物、収穫した野菜を曝露するなどの種々の方法によって実施することができる。これらおよびその他の好適な使用方法については、後に詳細に検討する。本発明の目的では、「接触」は、十分な数のエチレン受容体がシクロプロペンの影響を受けるように、シクロプロペンと植物を密接に関連させることを意味する。
【0017】
本発明の化合物を含む農業用組成物も本発明に包含される。好ましくは、これらの組成物は、本発明の活性化合物を0.005重量%〜99重量%、好ましくは1重量%〜95重量%、より好ましくは2重量%〜90重量%、さらにより好ましくは3重量%〜80重量%、最も好ましくは4重量%〜70重量%含む。これらの組成物は、例えば、担体、増量剤、バインダー、潤滑剤、界面活性剤および/または分散剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、固着剤、接着剤、消泡剤、増粘剤、および乳化剤などの1種類以上の補助剤を含んでよい。これらのような当技術分野で一般に使用される補助剤は、ジョン W.マカッチャン・インク(John W.McCutcheon Ink.)出版、年報「Detergents and Emulsifiers(洗剤および乳化剤)」、アルレッド・パブリッシング・カンパニー(Allured Publishing Company)、米国ニュージャージー州リッジウッド(Ridgewood,New Jersey)に見ることができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、他に明記しない限り、すべてのパーセント値は重量%であり、すべての部は重量部であり、端の値を含み、組み合わせ可能である。すべての比率は重量比であり、すべての比の範囲は両端の値を含み、組み合わせ可能である。すべてのモルの範囲は両端の値を含み、組み合わせ可能である。
【0019】
多くの有機溶媒を、本発明の活性化合物の担体として使用することができ、そのようなものとしては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシン、ディーゼル油、燃料油、および石油ナフサなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、およびシクロヘキサノンなどのケトン類、四塩化炭素などの塩素化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸アミル、および酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、酢酸ブチルカルビトール、およびグリセリンなどのアルコール類を挙げることができる。
【0020】
溶液またはエマルジョンのいずれかとしての水と有機溶媒の混合物も、本発明の活性化合物の不活性担体として使用することができる。
【0021】
固体、液体、および気体の配合物を、種々の従来手順によって調製することができる。例えば、固体の場合、微粉砕された有効成分を、微粉砕された担体と混合することができる。あるいは、混合物、溶液、分散液、エマルジョン、および懸濁液をはじめとする液体形態の有効成分を、微粉砕された形態の固体担体と混合することができる。さらには、固体形態の有効成分を液体担体と混合して、混合物、溶液、分散液、エマルジョン、および懸濁液などを得ることができる。
【0022】
本発明の活性化合物は、種々の好適な手段で植物に与えることができる。例えば、処理する植物に化合物を接触させることによって、活性化合物を気体、液体、または固体の形態で単独で使用することができる。さらに活性化合物を塩の形態に変化させてから、植物に与えることができる。あるいは、本発明の1種類以上の活性化合物を含有する組成物を調製することができる。処理する植物に組成物を接触させることによって、これらの組成物を気体、液体、または固体の形態で使用することができる。このような組成物は不活性担体を含んでもよい。同様に、気体の形態である場合には、本発明の化合物を不活性気体担体中に分散させて、気体溶体(gaseous solution)を得ることができる。活性化合物は、不活性担体として機能しうる有機溶媒または水溶液などの溶液中に懸濁させることもできる。本発明の活性化合物を含有する溶液は、不均一の場合も均一の場合もあり、混合物、分散液、エマルジョン、および懸濁液などの種々の形態であってもよい。
【0023】
本発明のシクロプロペンは、分子カプセル化剤中にカプセル化することもできる。好ましいカプセル化剤としては、シクロデキストリン、クラウンエーテル、ポリシロキサン、およびゼオライトが挙げられる。より好ましいカプセル化剤としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ−シクロデキストリンが挙げられる。最も好ましいカプセル化剤は、置換基Rの大きさに依存して変化する。しかしながら、当業者であれば理解できるように、あらゆるシクロデキストリンまたはシクロデキストリン混合物、シクロデキストリンポリマー、ならびに改質シクロデキストリンも、本発明により使用することができる。シクロデキストリンは、ワッカー・バイオケム・インク(Wacker Biochem Inc.)(ミシガン州エードリアン(Adrian,MI))、またはセレスター(Cerestar)USA、(インディアナ州ハモンド(Hammond,IN)、ならびにその他の製造元より入手可能である。
【0024】
本発明の活性化合物およびそれらの組成物は、例えば、窒素、二酸化炭素、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはその他のハロカーボンなどの圧縮ガスを使用して空気中に分散させるなどによってエアロゾルとして使用することもできる。
【0025】
エチレン作用の阻害に必要な本発明のシクロプロペンの量は、個々のシクロプロペン、対象となる植物材料の種類および量、使用されるシクロプロペン組成物、および処理される体積に依存して変動する。一般に、処理室中のシクロプロペン気体処理濃度(体積/体積で測定)が約0.1部/10億部(「ppb」)〜1000部/100万部(「ppm」)の場合に、適切なエチレン阻害が行われる。同様に、シクロプロペンの噴霧処理(重量/重量で測定)濃度は約0.01部/10億部(「ppb」)〜1000部/100万部(「ppm」)の場合に、適切なエチレン阻害が行われる。
【0026】
用語「植物」は、本明細書では一般的な意味で使用され、例えば、高木および低木などの木質茎植物、草、野菜、果実、および農作物、ならびに観賞植物が挙げられる。本明細書に記載の方法で処理される植物としては、植物全体、およびそれらの任意の部分が挙げられ、例えば、農作物、鉢植え、種子、切り花(茎と花)、ならびに収穫された果物および植物が挙げられる。
【0027】
本発明の化合物および方法で処理される植物は、植物に無毒な量の活性化合物で処理されることが好ましい。
【0028】
本発明は、例えば、花、果実、および野菜の熟成および/または老化;葉、花、および果実の器官脱離;鉢植えなどの観葉植物、切り花、生け垣、種子、および休眠実生の短命化;一部の植物(例えばエンドウ)の生長阻害;生長刺激(例えばイネ);オーキシン活性;末端生長の阻害;頂芽優性(apical dominance)の制御;枝分かれの増加;分蘖の増加;植物の形態の変化;菌類などの植物病原体に対する感受性の変化;植物の生化学的組成の変化(茎領域に対する葉領域の増加など);開花および種子の発生の不全または阻害;倒伏作用;種子発芽の刺激;および休眠打破;ならびにホルモン;または上偏成長効果(epinasty effects);などの種々のエチレン応答の調整に利用することができる。
【0029】
本発明の活性化合物は、低濃度で使用した場合でさえも植物、果実、および野菜に対するエチレン作用への予期せぬ強力な阻害剤となることが分かった。特に、本発明の化合物は、従来技術で発見された化合物よりもエチレンに対する不感受性の期間が延長されうる。このように不感受性期間の延長は、本発明の化合物を従来の化合物よりも低濃度で使用した場合でさえも起こりうる。
【0030】
本発明の化合物は、多数の方法で調製可能である。全体的な参考文献としては、Closs,G.L.,Advan.Alicyclic Chem.1966,1,53−127、およびAl Dulayymi,A.R;Al Dulayymi,J.R;Baird,M.S.;およびKoza,G.,Russian Journal of Organic Chemistry 1997,33,798〜816を参照されたい。
【0031】
図示されるように、ブロモオレフィンとジブロモカルベンの反応によってトリブロモシクロプロパンが得られ、これはメチルリチウムまたは他の有機リチウム化合物を使用してシクロプロペンに変化させることができる(Baird,M.S.;Hussain,H.H.;Nethercott,W,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1986,1845〜1854、およびBaird,M.S.;Fitton,H.L.;Clegg,W;McCamley,A.,J.,Chem.Soc.Perkin Trans.1,1993,321〜326を参照されたい)。1当量のメチルリチウムまたは他のアルキルリチウムが使用される場合、一臭素化シクロプロペンが得られる。2当量以上のアルキルリチウムが使用される場合は、リチウム化シクロプロペンが生成する。これに水を加えて反応をクエンチさせると、図に示されるシクロプロペン(E=H)を得ることができる。あるいは、シクロプロペニルリチウムを求電子物質と反応させると誘導体化したシクロプロペンを得ることができる。このような求電子物質の例としては、アルキル化剤、三置換クロロシラン、ホウ酸塩、ジアルキルまたはジアリールジスルフィド、ケトン、アルデヒド、エステル、アミド、およびニトリルが挙げられる。
【化7】
Figure 2004525907
ブロモオレフィンは、標準的方法によって調製可能である。ブロモオレフィンの代わりにクロロオレフィンを使用することもできる。
【0032】
亜リン酸ジエチルなどの還元剤を使用して三臭素化シクロプロパンを一置換シクロプロパンに変化させることができる。他の還元剤も使用可能である。
【化8】
Figure 2004525907
【0033】
1,1−二置換オレフィンをジブロモカルベンと反応させて、二臭素化中間体を得ることも可能である。これを亜鉛で還元して一臭素化シクロプロパンを得ることができる。塩基を使用して臭化物を脱離させることでシクロプロペンが得られる(参考、Binger,P.Synthesis 1974,190)。
【化9】
Figure 2004525907
【0034】
置換シクロプロペンは、アルキルリチウム試薬で脱プロトンして、求電子物質と反応させることができる。
【化10】
Figure 2004525907
【0035】
アルコールを含むトリブロモシクロプロパンまたはシクロプロペンは、スルホネート誘導体などの優れた脱離基に変化させることができる。この脱離基を求核物質で置換して、他の置換シクロプロペンを得ることができる。
【化11】
Figure 2004525907
【0036】
1−トリアルキルシリル−2−ハロシクロプロパンも、フルオライド触媒脱離によってシクロプロペンが得られる(Billups,W.E.;Lee,G−A、Amey,B.E.;Whitmire,K.H.,J.Am.Chem.Soc.,1991,113,7980、およびBanwell,M.G.;Corbett,M.;Gulbis,J.;Mackay,M.F.;Reum,M.E.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1993,945)。
【化12】
Figure 2004525907
【0037】
スピロ環ケタールは、Isaka,M.;Matsuzawa,S.Y.;Ejiri,S.;Miyachi,Y.;Nakamura,E.,J.Org.Chem.,1989,54,4727の方法によって調製可能である。
【0038】
シクロプロペンの他の調製方法は、以下の参考文献に見ることができる。Duerr,H.,Angew.Chem.1967,24,1104、Clossら,J.Am.Chem.1963,85,3796、Baird,M.S.;Dale,C.M.;Al Dulayymi,J.R.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1993,1373〜1374、Koster,R.ら,Liebigs Annalen Chem.1973,1219−1235、Closs,G.L.;Closs,L.E.,J.Am.Chem.Soc.,1961,83,1003〜1004、Stoll,A.T.;Negishi,E.,Tetrahedron Lett.1985,26,5671〜5674。
【実施例】
【0039】
概要:化合物1は−80℃で保存した。すべての反応は窒素雰囲気下で実施した。他に明記しない限り、すべての標的化合物の純度は80%以上であった。
【0040】
実施例1:ビシクロ[5.1.0]オクタ−1(8)−エン(化合物1)の調製
a.1,2−ジブロモシクロヘプタン
10.02g(0.104mol)のシクロヘプタンを60gの塩化メチレンに溶解した溶液を冷却したものに、内部温度が−20℃〜−25℃になるように維持される速度で15.99g(0.0999mol)の臭素の塩化メチレン溶液を加えた。その反応混合物から溶媒を減圧除去して、23.4gの1,2−ジブロモヘプタンを得た。
【0041】
b.1−ブロモ−シクロヘプテン
20%(w/w)カリウムtert−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液6.2g(11.1mmol)に、2.3g(8.98mmol)の1,2−ジブロモヘプタンを加えた。40分間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。ジエチルエーテルと水を加えた後、得られた混合物を分液漏斗に移した。分離した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。そのろ液を減圧濃縮して、1.5gの1−ブロモ−シクロヘプテンを得た。
【0042】
c.N,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアンモニウムジブロミドおよびN,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアンモニウムジブロミド(相間移動触媒)
16.5g(142mmol)のN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミンを60gのアセトニトリルに溶解した溶液に、撹拌しながら50.1g(292mmol)の臭化ベンジルを加えた。その混合物は自己発熱し、2.5時間撹拌すると、重い沈殿物が観察された。そのスラリーをジエチルエーテルで希釈し、ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄して、乾燥させて、61.8gの所望のN,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアンモニウムジブロミドをmp230〜232℃の白色固体として得た。
【0043】
同様の方法で、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミンを使用すると、N,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアンモニウムジブロミドがmp190〜193℃(分解)の白色固体として得られる。
【0044】
d.1,8,8−トリブロモ−ビシクロ[5.1.0]オクタン
12g(6.86mmol)の1−ブロモ−シクロヘプテンを52g(206mmol)のブロモホルムおよび56gの塩化メチレンに溶解した溶液に、0.73g(1.59mmol)のN,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアンモニウムジブロミドと18.8g(152mmol)の45%水酸化カリウム水溶液を加えた。24時間後、反応混合物を水に注いだ。得られた混合物を分液漏斗に移して、相分離させた。分離した有機層に、0.73g(1.59mmol)のN,N'−ジベンジル−N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアンモニウムジブロミドと18.8g(152mmol)の45%水酸化カリウム水溶液を加えた。24時間後、反応混合物を水に注いだ。得られた混合物を分液漏斗に移して、相分離させた。分離した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。そのろ液を減圧乾燥した。得られた残留物を、ヘキサンを使用するカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた油状物質を減圧蒸留によって精製して、7.8gの1,8,8−トリブロモ−ビシクロ[5.1.0]オクタンを得た。
【0045】
e.ビシクロ[5.1.0]オクタ−1(8)−エン
ファイアストーン(Firestone)バルブを使用して、1.06g(3.05mmol)の1,8,8−トリブロモ−ビシクロ[5.1.0]オクタンを4mlのジエチルエーテルに溶解した溶液を窒素雰囲気下においた。氷水浴で冷却しながら、1.4Mメチルリチウムのジエチルエーテル溶液6.55ml(9.15mmol)をシリンジでゆっくりと加えた。15分後、2mlの水をシリンジで加えた。得られた混合物を分液漏斗に移して相分離させた。その有機層をMgSOで乾燥させて、ろ過した。20℃未満の浴温度でろ液から溶媒を減圧除去して、0.370gのビシクロ[5.1.0]オクタ−1(8)−エンを純度30%の油状物質として得た。
【0046】
実施例2:6,6−ジメチル−1−オクチル−4,8−ジオキサ−スピロ[2.5]オクタ−1−エン(化合物2)の調製
この化合物は、Isaka,M.;Matsuzawa,S.Y.;Ejiri,S.;Miyachi,Y.;Nakamura,E.,J.Org.Chem.,1989,54,4727の方法によって調製される。
【0047】
本発明の化合物は、種々の分光学的手法によって特性決定を行った。本発明の化合物のNMRデータを表1に示す。不純物を含有する化合物に関しては不純物の化学シフトは記載しておらず、標的化合物の寄与のみを反映するように積分値を調整している。
【0048】
表1:NMRデータ
【表1】
Figure 2004525907
【0049】
生物学的活性
トマト上偏成長試験
目的:この試験手順は、実験化合物を揮発性ガスまたはスプレー溶液の成分として投与した場合に、エチレンによってトマト植物に誘発される上偏成長応答を実験化合物が遮断する能力を測定するために計画されている。
【0050】
処理室は試験植物に適したサイズであり、気密性である。それぞれには、エチレン注入に使用される再利用可能なセプタムが取り付けられる。試験植物は、3インチ平方のプラスチック鉢1つ当たり2本の植物を植えたPatio種のトマトの実生である。
【0051】
揮発性ガス処理では、ポリスチレン製の容積4.8Lの処理室内に、ゲルマン(Gelman)フィルターパッドを収容する50×9mmプラスチックペトリ皿の半分(上部または下部)とともに、Patio種トマトの2つの鉢を置く。1.0mlのアセトンに溶解した適切な量の実験化合物を、フィルターパッド上にピペットで加え、直ちに処理室を閉じる。4時間後、最終濃度10ppmv/vのエチレンガスを密封した処理室に注入する。16時間後、排気フード内で処理室を開放して空気がふれるようにし、エチレン処理群を未処理対照群と比較して、0〜10の尺度で、植物のエチレンに誘発された上偏成長の実験化合物による防護の程度を目視で評価する。評価10は完全防護されたことを意味する。評価0はエチレン作用に対する防護がなかったことを意味する。ガス処理濃度は体積/体積である。
【0052】
スプレー適用処理では、0.05%のシルウェット(Silwett)L−77界面活性剤を加えた10%アセトン/90%水に溶解した適切な量の実験化合物を、Patio種トマト植物の2つの鉢のすべての葉と茎に完全に適用されるようにするため、デビルビス(DeVilbiss)噴霧器を使用する。植物は乾燥フード内で4時間空気乾燥してから、4.8Lポリスチレン室に移し、密封する。
【0053】
最終濃度10ppmv/vのエチレンガスを密封した処理室に注入する。16時間後、排気フード内で処理室を開放して空気がふれるようにし、エチレン処理群を未処理対照群と比較して、0〜10の尺度で、植物のエチレンに誘発された上偏成長の実験化合物による防護の程度を目視で評価する。評価10は完全防護されたことを意味する。評価0はエチレン作用に対する防護がなかったことを意味する。
【0054】
ガスまたはスプレーで適用した場合の、トマト上偏成長試験における本発明の化合物の効果を表2に示す。
【0055】
表2:トマト上偏成長試験における本発明の化合物の効果
【表2】
Figure 2004525907

Claims (12)

  1. エチレン応答の阻害に有効な量の式IまたはII:
    Figure 2004525907
    (式中、
    a)R、R、およびRのそれぞれは独立に式:
    −(L)−Z
    の基であり、式中、
    i)nは0〜12の整数であり、pは3〜10の整数であり、
    ii)各Lは独立に、基D、E、またはJのメンバーより選択され、ここで、
    Dは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    Eは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    Jは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    式中、
    A)XとYのそれぞれは独立に式
    −(L)−Z
    の基であり、
    B)mは0〜8の整数であり、
    C)2つよりも多いE基が互いに隣接することはなく、J基は互いに隣接せず、
    iii)各Zは独立に、
    A)水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、ヨーデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、あるいは
    B)基G(ここでGは、非置換または置換、不飽和、部分飽和、または飽和の単環式、二環式、三環式、または縮合した炭素環または複素環構造であり、
    1)前記環構造が3または4員複素環を含む場合、前記複素環は1つのヘテロ原子を含有し、
    2)前記環構造が5員以上の複素環または多環式複素環を含む場合、前記複素環または多環式複素環は1〜4個のヘテロ原子を含有し、
    3)各ヘテロ原子は独立にN、O、およびSから選択され、
    4)置換基の数は0〜5個であり、各置換基は独立にXから選択される)
    から選択され、
    b)各化合物中の非水素原子の総数は50個以下である)
    のシクロプロペン誘導体またはそれらの混合物、その鏡像異性体、立体異性体、塩、ならびにそれらの混合物、またはそれらの組成物と、植物を接触させるステップを含む、植物のエチレン応答の阻害方法。
  2. エチレン応答の阻害に有効な量の式III:
    Figure 2004525907
    (式中
    a)RおよびRのそれぞれは独立に式:
    −(L)−Z
    の基であり、式中、
    i)nは0〜12の整数であり、qは2〜11の整数であり、
    ii)各Lは独立に、基D、E、またはJのメンバーより選択され、ここで、
    Dは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    Eは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    Jは式:
    Figure 2004525907
    であり、
    式中、
    A)XとYのそれぞれは独立に式
    −(L)−Z
    の基であり、
    B)mは0〜8の整数であり、
    C)2つよりも多いE基が互いに隣接することはなく、J基は互いに隣接せず、
    iii)各Zは独立に、
    A)水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、ヨーデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、あるいは
    B)基G(ここでGは、非置換または置換、不飽和、部分飽和、または飽和の単環式、二環式、三環式、または縮合した炭素環または複素環構造であり、
    1)前記環構造が3または4員複素環を含む場合、前記複素環は1つのヘテロ原子を含有し、
    2)前記環構造が5員以上の複素環または多環式複素環を含む場合、前記複素環または多環式複素環は1〜4個のヘテロ原子を含有し、
    3)各ヘテロ原子は独立にN、O、およびSから選択され、
    4)置換基の数は0〜5個であり、各置換基は独立にXから選択される)
    から選択され、
    b)各化合物中の非水素原子の総数は50個以下である)
    の化合物、その鏡像異性体、立体異性体、塩、ならびにそれらの混合物、またはそれらの組成物と、植物を接触させることを含む、植物のエチレン応答の阻害方法。
  3. 前記エチレン応答が、花、果実、および野菜の熟成または老化;葉、花、および果実の器官脱離;観葉植物、切り花、生け垣、種子、および休眠実生の短命化;生長阻害;生長刺激;オーキシン活性;末端生長の阻害;頂芽優性の制御;枝分かれの増加;分蘖の増加;植物の形態の変化;菌類などの植物病原体に対する感受性の変化;生化学的組成の変化;害虫抵抗性の誘発;開花および種子の発生の不全または阻害;倒伏作用;種子発芽の刺激;休眠打破;ホルモン作用;および上偏成長作用;の1つ以上である請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記化合物が式Iの化合物であり、RおよびRの一方が水素である請求項1に記載の方法。
  5. 前記化合物が式IIの化合物であり、RおよびRの一方が水素である請求項1に記載の方法。
  6. およびRの一方が水素である請求項2に記載の方法。
  7. nが0〜8である請求項1または請求項2に記載の方法。
  8. mが0〜4である請求項1または請求項2に記載の方法。
  9. pが4〜7である請求項1に記載の方法。
  10. qが4〜6である請求項2に記載の方法。
  11. a)各Dが独立に−CXY−、−SiXY−、−CO−、または−CS−であり、
    b)各Eが独立に−O−、−S−、−NX−、または−SO−であり、
    c)XとYのそれぞれが独立に、H、ハロ、OH、SH、−C(O)(C〜C)アルキル−、−C(O)O(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)アルキル、−S−(C〜C)アルキル、あるいは置換または非置換(C〜C)アルキルであり、
    d)各Zが独立にH、ハロ、またはGである、
    請求項1または請求項2に記載の方法。
  12. 、R、およびRが存在する場合、これらがそれぞれ独立に水素および(C〜C)アルキルから選択される請求項1または請求項2に記載の方法。
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