JP2004525483A - 複数の並行した液体試料流を同期させる高速流体システムを用いた質量分析用試料導入装置 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、複数の試料を分析のために質量分析計に同時にかつ高速に導入する試料導入装置および方法に関する。各試料は、流動する液体流中で溶解する。複数の並行した試料流は、高速流体弁のシステムによって高速に順次、質量分析計のイオン化領域に送り込まれる。
【背景技術】
【0002】
質量分析計は、液体に溶解した化学物質を分析する最も広く利用されている機器の1つになっている。このような分析から価値のある情報が得られるため、産業界、大学、および政府関係の研究施設でより多くの試料をより短時間で処理する試みがなされている。高速順次システムと、質量分析計に同時にかつ導入される複数の試料を並行して導入することのできるシステムが報告されている。
【0003】
高速順次手法は、試料導入流を並行化しようとしない。その代わりに、高速順次手法では、試料は確実に質量分析計に順次流入する。試料が質量分析計に入り質量分析計を通過する際、各試料に対する質量分光測定は妨害されない。高速順次技術では、流体移送に対する制約の範囲内でできるだけ高速に試料の導入と測定の両方が順次行われる。しかし、それらは、試料が並行してではなく順次導入される比較的遅いタイムスケールによって常に制限される。この手法のいくつかの例が文献(Hiller等、Rapid Comm. Mass Spectrom. 14、2034ページ〜2038ページ、2000年)で公表されている。単一流路スプレーで起こる流体遅延をいくらか改善するために高速順次導入システムに複数のスプレーシステムが組み込まれることがある(上記の文献を参照されたい)が、これらのシステムは依然として、同様の時間的制約を受ける順次試料導入モードで動作させられている。
【0004】
質量分析計に複数の試料を同時にかつ並行して導入する方法には3つの一般的な範疇がある。これらのすべての方法は、試料に対して質量分光測定を行うプロセスが非常に高速であり、通常数ミリ秒で行われ、それに対して、試料を質量分析計のイオン化領域に導入できる速度が通常数秒であることによる1つの共通の特徴を有する。したがって、複数の試料が比較的長い期間にわたって質量分析計に同時に入る状況では、分析計に入る複数の試料のそれぞれに対して一連の高速の順次質量分光測定を行うことができる。質量分析計には複数の試料が入るが、各流路のオン・オフを、何らかの手段によって、質量分光測定と同期させて高速に行なえるように、すべての試料は別々の異なる流路を通って入らなければならない。このようにして、あらゆる質量分光測定を特定の流路からの特定の試料と明確に関連付けることができる。
【0005】
複数の並行した試料を導入する3つの一般的な範疇の方法は、質量分光測定が高速に、すなわち順次行われるという点で類似している。しかし、試料導入の観点からすると、それらは全て本質的に並行である。質量分光測定は試料導入速度と比べて非常に高速であるので(数ミリ秒対数秒)、試料導入は高速分析の妨げになり、したがって、並行試料導入システムによってもたらされる速度上の利点が順次質量分光測定によって無くなることはない。並行システムでは、各試料に対する質量分光測定は、システムがある流路から他の流路に高速に切り換わるときに絶えず妨害される。このため、特定の測定と選択された流路を流れる試料との関連付けが曖昧にならずにデータを容易に解釈できるように、流路選択と質量分光測定をうまく同期させる必要がある。
【0006】
試料導入を多重化する3つの範疇の方法は、それらの方法が別個の試料流路を切り換え、すなわち、オン・オフし、したがって質量分析計と同期させる手段が異なる。第1の方法は、各々の別個の流路を質量分析計の真空システム内の異なるイオンビームに分離し、このイオンビームを適切な時間に偏向または集束させる。第2の方法は、ステップモータや他の機械的装置などの回転装置によって駆動される物理的シャッタを用いて、大気圧で生じるイオン化スプレーを物理的に遮断する。この方法の派生的な方法は、やはり回転装置を用いて個々のスプレーを物理的に移動させて集中させる。第3の方法は、一般に流体切換え器と呼ばれている。これらの手法の各々を以下に詳しく説明する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した方法は、並行した流体流を質量分析計に導入するのを可能にするが、試料流路を選択するのに用いられる切換え要素によって流体試料流が分散するという問題が存在する。理解されるように、流体試料流を質量分析計に供給する方法を改良することが望まれる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、1つまたは複数の流体試料流を質量分析計に導入する新規な試料導入装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の1つの態様では、1つまたは複数の独立した流体試料流を質量分析計に導入する試料導入装置であって、
質量分析計への流体試料流の直接経路の外側に位置し、流体試料流を質量分析計に近づく方向に向けるかまたは質量分析計から離れる方向に向けるように開状態と閉状態との間で作動可能である弁と、
各流体試料流から質量分析計に放出される試料に荷電する1つまたは複数のイオン化要素とを有する試料導入装置が提供される。
【0010】
複数の独立した流体試料流が質量分析計に導入されることが好ましい。この場合、試料導入装置は、各々の独立した流体試料流に関連する弁を含んでいる。各弁は、少なくとも1つの流体試料流が質量分析計に向けられ、他の流体試料流が質量分析計から離れる方向に向けられるように作動させられる。各弁は、開位置と閉位置との間を移動できる弁ゲートを含んでいる。弁ゲートは、流体試料流が質量分析計に移動する間、弁ゲートが流体試料流の直接経路に入らないように位置している。
【0011】
各弁の開閉は同期的な質量分析計データ獲得イベントに応答して行われることも好ましい。流路間のむだ時間を短くするために、ある弁を開くタイミングを、他の弁をオフにするタイミングと合わせてもよい。
【0012】
弁を閉じることによって流体試料流が直接経路に沿って質量分析計まで流れ、一方、弁を開くことによって流体試料流を質量分析計から逃がし穴に送り込むのが好ましい。流体試料流の逃がし穴への流入は、逃がし穴に真空をかけることによって助けることができる。あるいは、弁を開いたときに流体試料流が自動的に質量分析計から離れる方向に向けられるように、質量分析計への直接経路の直径を逃がし穴の直径よりも小さくすることができる。
【0013】
一実施態様では、各流体試料流は移送管路を介して質量分析計に向けられる。移送管路は、噴霧管に囲まれて束ねて配置される。噴霧管は、たとえば、レーザ放射線の移送のような流体試料流の伝達以外の目的で追加の導管を含んでよい。
【0014】
本発明の他の態様によれば、複数の独立した流体試料流を質量分析計に導入する試料導入装置であって、
各々が流体試料流入口と流体試料流出口との間を延びる複数の流体試料流直接経路と、各々が流体試料流入口と流体試料流出口との間のそれぞれの直接経路に接続されたバイパス経路を有する多岐管と、
各々がそれぞれの流体試料流出口に接続され、質量分析計のイオン化領域に流体試料流を供給する複数の移送管路と、
各々がそれぞれのバイパス経路内に位置し、流体試料流入口を介して直接経路に入った流体試料流を直接経路からバイパス経路に向けるように作動することができる複数の弁とを有する試料導入装置が提供される。
【0015】
本発明の他の態様によれば、
(1)試料を質量分析計の個別の入口試料流に噴射するステップと、
(2)逃がし弁を閉じることによってある試料流を質量分析計に流すのを可能にし、逃がし弁を開くことによって他のすべての試料流を側管に向けるステップと、
(3)上記のある試料流については逃がし弁を開き、第2の試料流が質量分析計に流れるように第2の試料流については逃がし弁を閉じるステップと、
(4)各試料流が質量分析計に流れ、他の試料流が側管に向けられるようにステップ(3)を繰り返すステップと、
(5)各試料流の質量分光分析を逃がし弁の開閉に対して同期させるステップとを有する、複数の試料を分析する方法が提供される。
【0016】
本発明は、流体試料流を切り換えるのに用いられる弁が、試料経路が噴射器から質量分析計に向かう際に試料経路の外側に位置するという点で、他の流体切換え器に勝る利点を有する。したがって、弁からの分散作用が著しく低下するかまたは無くなり、それによって、他の流体切換え器に伴う最も深刻な時間遅延問題が回避される。さらに、マイクロマシーニングや小形流体システムを用いずに、流路を介した信号オフ/信号オン位置からの試料の移送時間が最短になる。これは、弁の位置が流体が信号オン/オフ位置間を移動する距離と無関係であるためである。この最終的な結果として、弁に関連する分散や流路に関連する移送時間遅延なしにサイクルタイムがずっと短くなる。また、回転部材スプレーや流体切換え器とは異なり、各流路に独立にかつランダムにアクセスすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0018】
理解を容易にするために、まず、図1Aから1Cを参照して、質量分析計に複数の試料を同時にかつ並行して導入する従来技術の装置について説明する。さて、図1Aを参照すると、質量分析計に試料を導入するイオンビーム切換え器装置が示されている。図から分かるように、イオンビーム切換え器は、各試料の別個の流路10および12を、各々を分離することによって切り換える。各流路はそれぞれイオン化装置14および16を通過し、質量分析計の真空システムチャンバ22に入る異なるイオンビーム18および20をそれぞれ形成する。イオンビーム18および20は、真空システムチャンバ22内で偏向され、質量分析計24に送られる。
【0019】
理解されるように、この手法では、すべてが同時にイオンを生成する複数の噴霧・イオン化スプレーが必要である。各スプレーは、質量分析計への複数のイオン入口開口の前方に位置している。この技術では、流動しイオン化する流れがいつも全て導入されることによってイオン源領域において流体の過負荷が発生する可能性がある。したがって、流路当たり流量は小さい。他の欠点は、複数のイオン入口開口が必要であるため、過度の気体負荷によって真空度が落ちるか、またはイオン入口開口の直径が小さくなって感度が著しく低下し質量分析計への気体負荷が小さくなることである。さらに、異なる流路にそれぞれ異なるスプレーを使用するため、必然的に応答係数は様々である。
【0020】
図1Bは、質量分析計に試料を導入するスプレー切換え器装置を示している。図を見ると分かるように、複数の流路30および32は複数のイオン化スプレー34および36を供給する。しかし、この場合、従来の質量分析計と同様に、ただ1つのイオン入口開口38が質量分析計に必要である。噴霧された荷電された液滴は、回転シャッタ40によって、スプレーとイオン入口開口との間の大気領域に送られる。これの派生的な方法は、各スプレーを回転させ、イオン入口開口の前方に集中させることであり、上記のすべてを本明細書では回転部材装置と呼ぶ。
【0021】
この技術でも、すべての流れが同時に流動しイオン化され、それによって流路当たり液体流量が制限されるため、イオン源領域で流体の過負荷が発生する可能性がある。さらに、噴霧されイオン化されたスプレーの前方に、高速に回転する部材が存在するため、イオン源の周りを循環する荷電された漂遊液滴の滞留時間が長くなり、特に液体流量が比較的多いときに流路間メモリ効果が生じる。複数のスプレーによって様々な流路に対する異なる応答係数が生じ、単一のイオン入口開口で噴射する複数のスプレーを使用するシステムでは、スプレー間の干渉作用のために単一のスプレーシステムと比べて必然的に感度が損なわれる。
【0022】
液滴に荷電しイオン化する必要のある、各スプレーに対して高電圧を切り換えるような、各スプレーをオン・オフする他の公知の方法も、スプレー切換え器のこの範疇に入る。高電圧の切換えは、液体荷電プロセスに含まれる電気化学プロセスに付随する固有ヒステリシスとの組合されると、この並行試料採取プロセスには低速すぎることがわかっている。
【0023】
すべての場合において、流れ切換え器手法では、常にすべての流路から液体が放出される。この手法を回転部材と共に使用したとき、この手法が本来的に順次システムであり、したがって、ステップモータの速度によって決定される、流路選択間の一定のむだ時間をもって各流路に順次アクセスされなければならないことがこの手法の限界である。したがって、これら流れ切換え器では、複数の流路を、他の流路が周期動作している間、同時にオンにすることはできず、各流路にランダムにアクセスすることもできず、ある流路のオフと他の流路のオンを重ねて行なうことによって流路間むだ時間を短かくするために流路を作動させるタイミングを可変に調節するのを可能にする融通性は有していない。
【0024】
複数の機械的装置によってシャッタまたはスプレーの位置を独立に調節することによって、回転システムによって生じる、順次動作の固有の欠点を回避することができる。しかし、これは機械的に複雑であり、したがって、一般的な流れ切換え器手法ではない。
【0025】
次に、図1Cを参照すると、質量分析計に試料を導入する流体切換え器装置が示されている。図を見ると分かるように、複数の流体流50、52は流体弁機構54によって上流へ、単一のスプレーに送られる。質量分析計の測定と同期して各流体流を高速に選択することによって、複数の試料56を同時に噴射することができると共に、すべての試料に対してそれらがイオン源を通過する時に質量分光測定を行うことができる。図示の例では、流体弁機構は、弁への複数の流路入口を質量分析計のイオン化スプレーへの共通の流路に順次向けるのを可能にする回転流れ切換え器を含んでいる。
【0026】
この一般的な手法の利点の1つは、すべての流路に対して単一のイオン化スプレーを使用することであり、したがって、すべての流路から同一の応答係数が得られ、多重スプレーシステムに見られる問題である感度の低下が回避される。しかし、この一般的な手法の欠点は、試料が弁を通ってイオン化スプレーに至るときに起こる時間遅延、すなわち特定の流路からの信号の立上り時間の遅延が現われる。これによって、むだ時間が長くなり、結局、流路を切り換えることのできる速度が遅くなる。同様に、流路をどれだけ高速にオフにできるかを制限する時間遅延が起こり、これは過度の流路間キャリオーバまたは流路間信号劣化に事実上つながる。これらの時間遅延は1つには、ステップモータ作動時間が有限である結果であり、1つには、管を通る流体の走行時間が有限であるために起こるが、弁の流路および弁からスプレーまでの移送管で生じる非線形流体分散作用、すなわち放物流対積層流に主として支配される。
【0027】
回転流れ切換え器を利用する流体切換え器は、スプレー切換え器に対するのと同様な制限も受け、すなわち、本来的に順次システムであり、したがって、ステップモータ速度、流体移送、および分散作用をもって決定される、流路の作動間の一定のむだ時間をもって流路に順次アクセスしなければならない。回転部材スプレー切換え器の場合と同様に、このような流体切換え器では、複数の流路を、他の流路が切換え動作している間、同時にオンにすることはできず、各流路をランダムにアクセスすることはできず、また、ある流路のオフと他の流路のオンを重ね合わせることによって流路間むだ時間を減らすために流路を作動させるタイミングを可変に調節するのを可能にする融通性は得られない。これらの問題および欠点のために、並行試料導入および、質量分析計との同期の目的に適している流体切換え器手法については報告されていない。しかし、回転部材流れ切換え器は一般に、速度要件が並行システムに対するのと同じ位重要ではない高速順次試料導入システムで実施される。
【0028】
質量分析計に試料を並行して導入するシステムの例が、Kassel等の米国特許第6066848号、Hindsgaul等のPCT第99/50667号、およびBatemanのヨーロッパ特許第0966022号に記載されている。最近の文献は、スプレー切換え器手法を用いることに焦点を当てている(Baylis等、Rapid Commun. Mass Spectrom. 14、2039ページ〜2045ページ、2000年)。
【0029】
本発明は、すべて同時に質量分析計に供給される複数の液体試料流を、イオン化のために高速に、かつ順次オンするのに高速電磁弁列を用いる試料導入装置を提供する。この装置は、電気スプレー質量分析計、大気圧化学イオン化質量分析計、他の種類の質量分析計のような、質量分析計自体のイオン源領域に液体流を受け入れる質量分析計に使用できると考えられる。分析すべき試料を含む複数の液体流が同時に質量分析計に送り込まれる。ソレノイド列は、各流れを、分析のために高速にかつ順次質量分析計のイオン化領域に切り換える。したがって、各試料は、質量分析計によって互いに独立に、かつ高速に順次分析され、そのため、機器の生産性およびスループットが向上する。このシステムは、1つまたは複数の流れが常に流動し互いに混合されるように複数の試料流を切換えなしに質量分析計に導入することもできる。このシステムは、質量分析計または他の何からの装置と同期して単一の試料流を質量分析計に導入することもできる。
【0030】
本発明の装置は、連続的に流動する流れに溶解した試料を供給する1本または複数の流体管路を有している。管路の数は1本であってよく、好ましくは1本よりも多く、通常4本から8本である。各管路内の試料は、イオン化および質量分光分析が行われる質量分析計のイオン化領域に試料を移送する移送管路を通って逃がし穴を通過する。試料のイオン化領域への移送のオン・オフは、逃がし穴の近くに位置するかまたは直接逃がし穴上に位置する弁の作用によって行なわれる。逃がし穴は、質量分析計への移送管路よりも低い圧力に保たれる。弁が開くと、逃がし穴と移送管路との間の背圧差のために、試料が逃がし穴を通って側管に送られる。逃がし穴にわずかな真空をかけると、2本の管路間の圧力差がさらに大きくなり、遮断サイクルの速度を高くすることができる。弁を閉じると、側管が遮断され、移送管路を介した質量分析計への試料の移送が高速にオンになる。
【0031】
本発明の試料導入装置は、質量分析計への各入口ごとに個別の弁、側管、および試料移送管路を有し、各管路が質量分析計のような外部装置によって、同期するように独立に制御され、作動させられるのを可能にする。逃がし穴および弁は、「T」字形管継手として構成されることが好ましい。
【0032】
電磁弁の上述の構成を使用すると、試料を、弁要素を通過せずに原点から質量分析計のイオン化領域に移送することができ、したがって、複雑で循環した弁流路の時間遅延を生じさせる分散作用が回避される。この構成では、他の流体切換え器システムでは利用できない方法で、試料が移送管路を通って逃がし穴(他のシステムの場合は弁)からスプレーに至る移送時間(信号立上り時間)および信号の遮断に伴う時間遅延が短くなる。イオン化スプレーを完全にオフにするには、流路内の液体をイオン化先端から、任意の流体システムが信号を事実上遮断するために空にしなければならない理論上の最小移送距離と考えられる約1mmの距離だけ引き込めるだけでよい。弁要素を高電圧イオン化先端から1mmの距離に作製することは、おそらくナノ製造技術によってのみ実現可能な重要な技術上の課題である。この用途に実際に使用できるこのような弁は開発されていない。
【0033】
本明細書で説明した電磁弁の構成によれば、液体は、信号をオフにするのに必要な距離だけイオン化先端から引き込まれる。液体をこれ以上引き込む必要はない。弁を閉じると、液体は素早く反転し、非常に短い距離離れたイオン化装置に戻る。この短い移送距離によって、そうでない場合には放物流プロファイルと呼ばれる分散作用も最小限に抑えられ、このことは、液体が長い管路を通過するときに信号の立上り時間を定常レベルに抑えることに著しく寄与する。試料を管内に短い距離だけ引き込むと、信号の急激な減衰または立下り時間が確保され、それによって流路間の汚れまたはキャリオーバが少なくなる。
【0034】
単一イオン化スプレーを使用することの利点はこの手法によって維持される。複数の流路は上記したように他の従来技術の流体切換え器については、単一の流路に収束することはない。本発明では、複数の流路が互いに並行に配置され、その全長にわたって独立したままであり、光ファイバ束に類似した流路束の形態の、電気スプレーや大気圧化学イオン化噴霧器などの単一のイオン化要素に収束する。このため、共通の流路の壁に試料が吸着することによる流路間汚れが少なくなるかまたは無くなる。好ましい実施形態では、個別の管路によってイオン化先端に送られた清浄な溶剤によって、残渣が各試料管路の両端部に瞬間的に残り、流路間汚れが発生することはなくなる。流路のこのような束または配置によって、試料流路からの噴霧液体の蒸発を促進するか、または単に噴霧を視覚化して調節するために、試料流路または溶剤流路以外の導管、たとえば、IRレーザ光などのエネルギーを伝達する光ファイバを導入することもできる。任意に、各管路を異なるイオン化要素に送ることができる。
【0035】
複数の流路を使用する際、本発明の試料導入装置には、以下のように4つの一般的な動作モードがある。
1.順次質量分光検出を伴う並行試料導入
2.順次質量分光検出を伴う順次試料導入
3.並行質量分光検出を伴う並行試料導入
4.あるモードでいくつかの流路が動作し、他のモードで他の流路が動作するような上記のモードの組合せ
5.1つの動作モード、すなわち、並行検出を伴う順次試料導入は、物理的に不可能であるので除外する。
【0036】
第1の方法は、質量分析計へ並行に噴射された複数の試料を同時に分析する手段を有する。この動作モードの間、各流路は、試料が流路を通過し流路から出るのに必要な時間よりもずっと短いタイムスケールで素早く順次オンおよびオフされる。1つ弁が遮断されると、この特定の弁に関連する移送管路が質量分析計に試料を供給する。残りの弁は開いており、試料を質量分析計から離れる方向へ送る。各弁を駆動するのに用いられる電子機器は、各弁の開閉を質量分光分析と同期させ、したがって、質量分析計からの分析結果を試料に相関付けすることができる。質量分析計は、このような短い試料導入バースト中にデータを収集し、各流路から収集されたデータを別個の位置またはファイルに格納する。このことを索引付けまたは索引付け動作と呼ぶ。この動作方法は、流路のオン・オフ速度に対して最も要求の厳しい仕様を有する。この技術によって実現される10ミリ秒未満のオフ時間は、信号レベルが3桁低くなっている。同様に、10ミリ秒未満の信号立上り時間が同様な条件の下で観測されている。ステップモータで駆動されるスプレー切換え器または流体切換え器は、通常50ミリ秒から100ミリ秒のモータ速度に、他の因子によって導入される追加のむだ時間を加えたもので決まる基本的な制限を有する。
【0037】
この方法は、索引付け動作モードについて速度をさらに向上させることができるという点で、回転部材スプレーおよび流体切換え器システムに勝る顕著な利点を有する。各流路は他のすべての流路とは独立に制御されるので、1つの流路のオフと次の流路のオンを時間的に重ね合わせることによって流路間むだ時間をさらに短くすることができる。弁作動時間のこの相殺によって流体移送における残りの遅延が補償されるので、速度の利点が生じる。各流路をこのように独立に制御することによって、流路選択の任意の所望の順序を使用することもでき、一方、回転部材スプレーおよび流体切換え器は1つの一定順序でのみ動作することができる。
【0038】
第2の動作方法は、高速順次試料導入手法の速度を最適化する優れた手段を提供する。各流路は、代表的な流れ切換え器と同様に非索引付け式に動作し、各試料を非常に高速に、しかし(並行とは異なり)順次に質量分析計へと送ることができる。異なる流路管路がその全長にわたって独立したままであるので、共通の流路の壁に試料が吸着することによる流路間汚れが無くなる。この高速順次試料導入手法は、試料を質量分析計に送るときに試料の経路に弁要素が存在しないことからも利点がある。これは、試料の移送速度を制限する厳しい流体分散作用を低下させる。高速順次動作モードでは、索引付け並行モードと比べて速度制約がかなり緩和されるにもかかわらず、共通の流路の壁に対する吸着の低下および試料分散作用の低下によって速度が向上するため、この方法は高速順次試料切換えにとって理想的な方法である。
【0039】
第3の動作方法は、並行試料導入と並行質量分析データ獲得の両方を含む。各弁は独立に制御されるので、この動作方法を利用することができる。これは回転部材スプレーや流体切換え器で実現することはできない。いかなるときでも、1つまたは複数の流路を連続的にオンのままにすることができる。各試料は質量分析計のイオン化領域で混合され、すべての流路で同時にデータが得られる。このモードでは、試料の組成がまったく分からない場合、どの流路からどの信号が来るかを判別するのは不可能であるが、これは、ある流れに、未知の成分を含む他の流れ内の成分のモル質量を厳密に計算するための基準質量として使用すべき既知の較正成分を追加する有用な技術である。
【0040】
第4の動作方法は、同時に行われる上記の3つのモードの任意の組合せを含む。各流路を独立に制御することによって最大限の融通性が得られる。1つまたは複数の流路は永久的にオンまたはオフであってよく、一方、残りの弁の任意の組合せは索引付け式に切り換えられる。
【0041】
本発明の試料導入装置は、その機械的な簡素さ、頑丈さ、および固有の信頼性による利点がある。本試料導入装置の性能は、各弁が質量分析計への試料経路の外側にあるため、各弁のわずかな漏れ率の影響を受けない。過度のキャリオーバなしで試料信号の立上り時間および立下り時間、したがって実現可能な切換え速度に対して影響を殆ど与えずに、数パーセントの漏れ率、すなわち、代表的な電磁弁の仕様よりも数桁悪い値が許容される。これは、頑丈さおよび性能劣化に対する耐性の重要な要素になる。さらに、オン/オフ電磁弁の機械的作動は、切換え弁型のスプレー切換え器または流体切換え器に用いられるステップモータまたはサーボモータよりも少なくとも10倍高速である(サブミリセカンド対数10ミリセカンド)。さらに、オン/オフ電磁弁の寿命および信頼性はモータよりも10倍長く、切換え弁よりも100倍長い。
【0042】
次に、図2Aおよび2Bを参照すると、本発明による試料導入装置が示されている。この実施形態では、試料導入装置は単一の流路装置であり、試料を受け入れる入口62を有する「T」字形管継手62を含んでいる。「T」字形管継手62は出口64および66も有している。出口64は、イオン化領域68を通して質量分析計(不図示)に接続されている。出口66は、図2Aに示されている閉位置と図2Bに示されている開位置との間で作動できるゲート72を有する弁70に接続されている。弁70は出口穴74も有している。
【0043】
弁70のゲート72が図2Aに示されているように閉位置にあるとき、矢印76で示されているように、入口60に入った試料は強制的に「T」字形管継手64を通過させられて質量分析計の方へ送られる。しかし、弁ゲート72を開くと、入口60に入った試料は「T」字形管継手62を通り弁72を通って出口穴74に至る。上記したように、弁ゲート72が開位置にあるとき、入口60に入った試料は、出口64に存在する背圧によって弁70を通過させられる。弁ゲート72が開くと、矢印78で示されているように、出口64内の試料が強制的に、後方に「T」字形管継手62の方へ強制的に流させられる。出口穴74に加えられた真空を調整することによって、流体が後方に流れる距離が調節される。この距離は、この調節機能を用いて最小限に抑えることができる。あるいは、管路64および66によってかけられる相対背圧のバランスをとるように注意を払う場合には真空を使用する必要はない。この特定の実施形態では、弁70は、通常作動時間は5ミリ秒であるが200マイクロ秒ほどの高い速度で駆動することのできる高速電磁弁である。
【0044】
この構成では、試料が、質量分析計のイオン化領域68まで移動する際に、弁要素を通過することはなく、また移送管路から流体を完全に空にする必要はないことが分かる。したがって、この装置では、流れ選択弁などで通常起こる流体分散作用および試料移送時間遅延が起こらない。
【0045】
出口66が出口64の所の流体流の内径よりも大きいことに留意されたい。このため、出口66よりも出口64の方が背圧が高くなる。したがって、弁ゲート72が開くと、試料流が瞬間的に弁70を通って送られる。2本の管路間の圧力差の大きさを調節し、したがって、スプレー先端からの試料の移送距離を調節するために、最大試料オンおよびオフ速度を実現するようにこのパラメータを調整できるように出口穴74に可変で調節可能な真空をかけることができる。
【0046】
次に、図3を参照すると、本発明による試料導入装置の他の実施形態が示されている。この実施形態では、試料導入装置は、それぞれ参照符号80および82がつけられている2つの入口試料流を受け入れる多岐管84を含んでいる。多岐管84はこの場合、2つの「T」字形管継手を含んでいる。入口80は、質量分析計のイオン化領域88に向けられた、多岐管84の出口に接続されている。多岐管84は、出口92に接続された弁ゲート90を含む第1の電磁弁も有している。図3では、弁ゲート90は閉位置にあると示されており、したがって、入口80に入った試料流は、移送管路を介し出口86を通過して質量分析計に至る。しかし、弁ゲート90を開くと、入口80に入った試料流は出口92に向けられる。
【0047】
入口82は、やはり質量分析計のイオン化領域88に向けられた出口94に接続されている。多岐管84は、出口98に接続された弁ゲート96を含む第2の電磁弁も有している。弁ゲート96は開位置にあると示されており、したがって、入口82に入った試料流は出口98に向けられる。しかし、弁ゲート96を開くと、入口82に入った試料流は、移送管路を介し出口94を通過して質量分析計のイオン化領域88に至る。
【0048】
動作時には、多岐管84の弁ゲート90または弁ゲート96のいずれかが開位置にあり、他方のゲート弁が閉位置にある。図3では、弁ゲート90が閉位置にあると示されている。したがって、入口80に入った試料は多岐管84を通過して出口86、したがって質量分析計に至る。入口82に入った試料は、出口94の内径が出口98の内径よりも小さいために弁ゲート96を通して出口98に向けられる。弁ゲート96が閉じられ、同時に弁ゲート90が開かれた直後に、入口82に入った試料は質量分析計に達し、入口80に入った試料は出口92に向けられる。動作の開始時には、出口86および94から延びる移送管路を完全に満たすのに1サイクルかかる。その後のサイクルでは、関連する弁が開かれ、選択された移送管路からのスプレーが遮断されると、流体は、必要に応じて部分的にのみ引き込まれる。引込み距離を最小限に抑えると、最高の速度が得られる。これは、出口92および98に対する真空を調節するか、またはたとえば、異なる内径を有する細管、針弁などを使用することにより、それぞれの出口86および94から延びる移送管路に対する出口92および98の背圧を調節することによって行われる。
【0049】
図3の実施形態では、弁ゲート90および96がバイパス開口のすぐ近くに位置するように電磁弁が多岐管84上に取り付けられている。このため、弁が閉じられたときに、出口86および94から延びる管路を再び満たす速度が速くなる。試料が質量分析計のイオン化領域88に至るときに通る流体管路の近くに弁座が位置することによって、他の分散作用が生じることはない。
【0050】
流体試料管路86および94は、束ねて単一のイオン化装置にできるように収束するように示されている。これらの管路は通常、外径が<200ミクロンで内径が20ミクロン〜150ミクロンの範囲の溶融シリカ細管で作られる。
【0051】
図4は、電気スプレーイオン化装置にへと束にされた4本の別個の試料移送管路100、102、104、および106を示している。試料移送管路102は、質量分析計に試料を供給するように示され、他の試料移送管路はオフであるものとして示されている。金属噴霧管108は試料移送管路100から106を囲んでいる。気体が、金属噴霧管108を高速に通過し、参照符号109で示されているものとして、試料移送管路を通過した液体を霧化する。この気体は任意であり、液体の噴霧が厳密に電界の破壊力の結果として起こるのを可能にするのに十分なほど総液体流量が少ない場合には無くてもよい。金属噴霧管108は、液体を荷電するように高電圧に維持される。電圧接触は、金属噴霧管108から突き出ているものとして示されているが、実際には金属噴霧管108内に引っ込んでいる洗浄管110を介して電気スプレーイオン化装置に供給される溶剤洗浄液を通じて行われる。高電圧接触は、流体試料移送管路を通って流れ電気的接触を完結する溶剤洗浄液に対して行われる。試料移送管路が形成される溶融シリカ管路の上流側に金属連結点を設けるか、または単に、液体を試料移送管路の外側に送り金属噴霧管108に接触させるのに十分なほど気体噴霧器圧力を低下させることによって流路を金属製にすることを含む、別個の試料移送管路との電気的接触を行なう他の手段も可能である。
【0052】
管110は他の機能を果たしてもよい。たとえば、管110は、噴霧液体の蒸発を促進するためにIRレーザ光などのエネルギーを伝達する導管、試料のイオン化のために光子を導入する導管、追加の気体を導入してイオン化プロセスを推進する導管、または調整のために視覚化を促進する簡素な照明装置として働く導管として働くことができる。
【0053】
質量分析計に同時に入る複数の試料流を採取するのに用いられる任意の装置の最も重要な機能仕様の1つは、各移送管路または流路を完全にオフにし再びオンにする速度である。これは、デューティサイクル、より厳密には、システムのすべての流路から試料を採取できる頻度と、任意の特定の頻度における流路間キャリオーバを定める。液体流中の質量分析計に試料を導入する最も一般的な手段は、通常幅が数秒のプラグで質量分析計に試料を与える高性能液体クロマトグラフの使用である。このことは、多重化装置を有用なものとするには、すべての流路を1Hz、好ましくはそれよりもずっと速い速度で切り換えられることができなければならないことを意味する。その場合、各流路に関する質量分析データを得るのに十分な時間を確保するために、各流路のオン・オフを、最大で100ミリ秒以内に、好ましくはこれよりもずっと高速に切り換えられなければならない。
【0054】
本発明の種類の流体切換え器の場合、イオン化を遮断するのに液体をイオン化装置先端から1〜2mm引き込むだけでよいため、流路をオフにする速度は非常に高速である。流路をオンにできる速度は、移送管路内の流体の「T」字形管継手からイオン化装置先端までの移送時間または補充時間によって決定される。移送管路を通る液体の速度は、溶剤中の試料の分散作用と共にこの時間遅延の主要な決定因子である。上述したように、本発明の試料導入装置では分散作用が最低限に抑えられる。これらの速度は、管に供給される液体の体積流量、管の内径、および長さの関数とみなすことができる。流体が主として非圧縮性であると仮定すると、流体が計算された最終速度まで加速される速度は、一般に電磁弁によって封じ込められる圧力、通常2000psi未満において非常に高速である。
【0055】
図5の表1Aは、最悪ケースシナリオと呼ぶことのできる、スプレーから弁ゲートまでの長さ10cmの流体移送管路が各サイクルで完全に空にされる状況を示している。計算された移送時間は、2つの異なる内径を有し、すなわち、内径が50ミクロンおよび100ミクロンである長さ10cmの溶融シリカ細管内の流体について示されている。計算された移送時間は、50ミクロンおよび100ミクロンの内径を有する管による125〜2000マイクロリットル/分の液体流量範囲を実現するのに十分な速度が得られることを示している。これは、高性能液体クロマトグラフィ、すなわち、質量分析計に流体試料を導入する最も一般的な手段の代表的な動作流量範囲である。溶融シリカ細管は、2ミクロンから数百ミクロンの内径を有し、したがって、使用可能な流量範囲をかなり広げるものが利用可能であることが理解されよう。
【0056】
表1Bは、真空または他の手段を用いて背圧を適切に調節すると、移送管路が、スプレーを遮断するのに必要な距離だけ空になる好ましい状況を示している。速度関係は線形であるので、表1Aに記載した例の100倍の速度向上が実現される。
【0057】
図6は、計算された速度が実験上の誤差の合理的な範囲内であることを示す、254nmの紫外線吸光度検出を用いて得られたデータを示している。4流路試料導入装置によって毎分1000マイクロリットルの速度でカフェインの試料を汲み出した。溶融シリカ試料移送管路の先端の所の最後の1ミリミットルを検出セルとして利用することによってUV検出を行った。この移送管路の全長は11cmであり、内径は100ミクロンであった。信号の立上り時間および立下り時間を、すべての4つの弁について、1Hzの目標切換え周波数ので動作しているときに測定した。移送管路を逃がし弁ゲートまで確実に空にするのに十分な真空を「T」字形管継手の出口にかけた。
【0058】
図6のデータに見られる、測定された立上り時間は75ミリ秒であり、高速遮断時間は10ミリ秒であった。計算された立上り時間(移行時間)は52ミリ秒であり、この差は、流体と管の壁との相互作用による分散作用の結果として説明がつくと考えられる。計算データと実験データとの相関は、質量分析計に流体試料を並行して導入する効率的な多流路試料採取システムを提供するのに必要な速度がこの流体装置から得られることを示すのに十分なほど近いと考えられる。
【0059】
本発明による試料導入装置の代表的な動作時には、複数の試料が別個の移送管路で質量分析計に送られる。別個の各管路の弁は、開位置または閉位置に設定される。任意の一時点で、特定の試料が質量分析計のイオン化領域に送られるようにある弁が閉じられ、残りのすべての試料が迂回され質量分析計のイオン化領域に送られないように他のすべての弁が開かれる。閉じていた弁は次に開かれ、別の弁が閉じられ、したがって、異なる試料がイオン化領域に送られる。次に、この手順が繰り返される。本発明では、弁を高速に開閉することができ、したがって、高速な一連の試料を質量分析計のイオン化領域に送ることができ、質量分析計内の試料の分析は、分析結果をそれぞれの試料と相関付けることができるように弁の開閉に連係させられ同期させられる。
【0060】
この代表的な手順の例外は、2つ以上の試料、たとえば、較正流と分析すべき試料とが同時にイオン化領域に送られるときである。
【0061】
本発明は、試料流れが噴射装置から質量分析計に至る際に試料流を切り換えるのに用いられる弁要素が試料経路の外側に位置するという点で他の流体切換え器に勝る利点がある。したがって、弁要素からの分散作用を無くし、他の流体切換え器で起こる重大な問題を回避することができる。本発明によれば、試料移行距離を、スプレーをオン・オフするのに必要な理論上の限界まで短くする手段が与えられる。複数のイオン化要素ではなく単一の点発生源からイオン化を生じさせることができることを含む、流体切換え器の、他の方法に勝るすべての利点は、そのまま維持される。本発明は、高スループット化学分析に特有な、1日当たり24時間の1日当たり複数回動作に必要な機械上の簡素さと関連する頑丈さの利点も有する。
【0062】
本発明の好ましい実施形態について説明したが、当業者には、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに変形および修正を行なえることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1A】質量分析計に試料を導入する従来技術のイオンビーム切換え器装置の概略図である。
【図1B】質量分析計に試料を導入する従来技術のスプレー切換え器装置の概略図である。
【図1C】質量分析計に試料を導入する従来技術の流体切換え器装置の概略図である。
【図2A】本発明による単一流路流体導入装置の概略図である。
【図2B】本発明による単一流路流体導入装置の概略図である。
【図3】本発明による2流路流体導入装置の概略図である。
【図4】質量分析計の同じイオン化装置への導入を可能にするように束にされた4つの流路の概略図である。
【図5】様々な直径を有するある長さの流路についての計算された圧力および走行時間の表である。
【図6】4つのスプレーを有する、物質を注入するための弁の切換えの概略図である。
Claims (28)
- 1つまたは複数の独立した流体試料流を質量分析計に導入する試料導入装置であって、
前記質量分析計への流体試料流の直接経路の外側に位置し、前記流体試料流を前記質量分析計に近づく方向に向けるかまたは質量分析計から離れる方向に向けるように開状態と閉状態の間とで作動可能である弁と、
各流体試料流から前記質量分析計に放出される前記試料に荷電する1つまたは複数のイオン化要素とを有する試料導入装置。 - 前記弁は、質量分析計のデータ獲得と同期して開閉される、請求項1に記載の試料導入装置。
- 複数の独立した流体試料流が前記質量分析計に導入され、前記試料導入装置は、各々の独立した流体試料流に関連する弁を含んでいる、請求項1に記載の試料導入装置。
- 前記弁は、少なくとも1つの流体試料流が前記質量分析計に向けられ、他の流体試料流が前記質量分析計から離れる方向に向けられるように作動させられる、請求項3に記載の試料導入装置。
- 前記弁は、2つの流体試料流を同時に質量分析計に移送し、他の流体試料流が前記質量分析計から離れる方向に向けられるように作動させられる、請求項4に記載の試料導入装置。
- 各弁は、開位置と閉位置との間を動くことができる弁ゲートを含み、該ゲートは、前記流体試料流が前記質量分析計に移動する間、弁ゲート自体が前記流体試料流の前記直接経路に入らないように位置している、請求項6に記載の試料導入装置。
- 前記弁の前記開閉は同期的な質量分析計データ獲得イベントに応答して行われる、請求項3に記載の試料導入装置。
- 流路間のむだ時間を短くするために、ある弁を開くタイミングが他の弁をオフにするタイミングと合わせられる、請求項7に記載の試料導入装置。
- 弁を閉じることによって前記流体試料流が前記直接経路に沿って前記質量分析計まで流れることができる、請求項8に記載の試料導入装置。
- 弁を開くことによって前記流体試料流が前記質量分析計から逃がし穴に送り込まれる、請求項9に記載の試料導入装置。
- 前記流体試料流の前記逃がし穴への流入は、前記逃がし穴に真空をかけることによって補助される、請求項10に記載の試料導入装置。
- 弁を開いたときに前記流体試料流が自動的に前記質量分析計から離れる方向に向けられるように、前記質量分析計への前記直接経路の直径は前記逃がし穴の直径よりも小さい、請求項10に記載の試料導入装置。
- 前記各流体試料流は、噴霧管に囲まれて束をなして配置された移送管路を介して前記質量分析計に向けられる、請求項3に記載の試料導入装置。
- 流体試料流の伝達以外の目的で、噴霧管内に導管をさらに含む、請求項14に記載の試料導入装置。
- 前記導管は、流体試料流のスプレーの溶解または照射を助けるレーザ放射線の伝達に用いられる、請求項15に記載の試料導入装置。
- 前記弁は電磁弁である、請求項3に記載の試料導入装置。
- 前記各弁は、流体試料流入口から前記質量分析計に至る移送管路までの直接経路と、前記入口と前記移送管路との間の前記直接経路から延び、前記弁が内部に位置しているバイパス経路とを有する「T」字形管継手に構成されている、請求項16に記載の試料導入装置。
- 各弁は、前記バイパス経路と前記直接経路との連結点に位置している弁ゲートを有する、請求項17に記載の試料導入装置。
- 複数の独立した流体試料流を質量分析計に導入する試料導入装置であって、
各々が流体試料流入口と流体試料流出口との間を延びる複数の流体試料流直接経路と、各々が前記入口と前記出口との間で前記各直接経路に接続された複数のバイパス経路を有する多岐管と、
各々が前記各出口に接続され、前記質量分析計のイオン化領域に流体試料流を供給する複数の移送管路と、
各々が前記各バイパス経路内に位置し、前記入口を介して前記直接経路に入った流体試料流を前記直接経路から前記バイパス経路に向けるように作動することができる複数の弁とを有する試料導入装置。 - 各弁は、前記直接経路と前記バイパス経路の連結点に位置し、閉位置から開位置に作動することができ、それによって前記流体試料流を前記バイパス経路に送り込む弁ゲートを含む、請求項19に記載の試料導入装置。
- 各直接経路の直径は各バイパス経路の直径よりも小さい、請求項20に記載の試料導入装置。
- 流体試料流のバイパス経路への流入は、前記バイパス経路に真空をかけることによって補助される、請求項21に記載の試料導入装置。
- 前記弁の開閉は同期的な質量分析計データ獲得イベントに応答して行われる、請求項21に記載の試料導入装置。
- 前記移送管路は、噴霧管に囲まれて、束をなして配置されている、請求項23に記載の試料導入装置。
- 流体試料流の伝達以外の目的で、前記噴霧管内に導管をさらに含む、請求項24に記載の試料導入装置。
- 前記導管は、流体試料流のスプレーの溶解または照射を助けるレーザ放射線の伝達に用いられる、請求項25に記載の試料導入装置。
- 前記弁は電磁弁である、請求項23に記載の試料導入装置。
- 複数の試料を分析する方法であって、
(1)質量分析計の個別の入口試料流に試料を噴射するステップと、
(2)逃がし弁を閉じることによってある試料流を前記質量分析計に流すのを可能にし、逃がし弁を開くことによって他のすべての試料流を側管に向けるステップと、
(3)前記ある試料流については逃がし弁を開き、前記第2の試料流が前記質量分析計に流れるように第2の試料流については逃がし弁を閉じるステップと、
(4)前記各試料流が前記質量分析計に流れ、他の試料流が前記側管に向けられるようにステップ(3)を繰り返すステップと、
(5)各試料流の質量分光分析を前記逃がし弁の前記開閉に対して同期させるステップとを有する、複数の試料を分析する方法。
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