JP2004525201A - ローラーを含む装置で軟質支持体を架橋性液状シリコーン組成物で被覆するときのミスト化を防止するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、軟質支持体をシリコーン塗膜の先駆物質である少なくとも1種の液状塗料組成物で高速度で操作するローラーを含む塗布装置でもって被覆するとき(RTV重付加)のミスト化を防止するための方法に関する。本発明は、ミスト化の速度を増大させ、その結果としてシリコーン塗膜の外観、機械的性質並びに労働衛生を向上させることを目的とする。そのために、本発明は、1種以上のPOS(A)及び随意として1種以上の(架橋性)化合物であって25℃での粘度ηが100〜800mPaの範囲にあるもの(B)を少なくとも20重量%の水を含む水性相φを有する1〜10重量%のミスト化防止用水性シリコーン(油中水型)エマルジョン(C)と及び随意として水/溶媒の液体(D)と混合させることによって得られた液状塗料組成物を使用することからなる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙又は合成重合体(ポリオレフィン、ポリエステルなど)又はさもなくば織物のウェブのような様々な軟質支持体を、高速ロールを使用してシリコーンで被覆する一般的な分野に関する。
【0002】
より正確に言えば、本発明は、軟質材料を重付加、重縮合(エマルジョンでの)、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋できる1種以上のポリオルガノシロキサン(POS)を含有する液状組成物で被覆して、特に非粘着性及び/又は疎水性の特性を有する保護フィルム又は塗膜を形成させることに関する。
【背景技術】
【0003】
軟質支持体は、紙、板紙、プラスチックフィルム又は金属フィルムであることができる。これらのシリコーン被覆支持体の用途は、例えば、食品用の紙(菓子用の型、包装)、粘着ラベル/テープ、シールなどである。
【0004】
これらの軟質支持体は、連続的に操作する被覆装置によって非常に高速度で架橋性の液状シリコーンで被覆される。これらの装置は、特に加圧ロールと塗りロールを含む数個のロールからなる塗布頭部(このものに、互いに横に並んで位置した一連のロール手段によって架橋性液状シリコーン組成物が連続的に供給される)を含む。軟質支持体のウェブは、加圧ロールと塗りロールの間を高速度で走行してその面の少なくとも一方を塗布頭部の下流に位置した架橋手段によって架橋されるように予定されたシリコーンフィルムで被覆される。これらの架橋手段は、例えば、熱エミッター、放射線(例えばUV)エミッター又は電子線エミッターであることができる。
【0005】
生産性を追求すると、非粘着性シリコーンで被覆された軟質支持体の製造者は、軟質支持体をさらに高い線速度で走行させるのに好適な液状シリコーン塗料処方物を必要とする。勿論、この経済的要因は、新規な高速度シリコーン塗料処方物のこの探索に無意味ではない。
【0006】
しかしながら、連続式塗布機による高速度は、液状シリコーンフィルムを塗りロールから走行している軟質支持体ウェブに転写させる問題と同義であることが知られている。これらの転写(層剥離)の問題は、特に、塗布頭部の周囲に、より詳しくは、回転ロールの間及び/又は塗りロールと被覆されるべき軟質支持体との間の接触部にミスト又はエーロゾル(ミスト化又は曇り)の出現を生じさせる。このミスト又はこのエーロゾルの密度は、直線走行速度、しかしてロールの回転速度が上昇するときに増大する。
【0007】
結果として、この現象は、第1に、消耗品の損失及びとりわけ下流で(例えばオーブン内で)液状塗料液滴の支持体への付着を生じさせる。これは、塗膜の品質に重大なる悪影響、即ち、みかん肌の外観、架橋された塗膜の付着量、機械的性質の損失及び付着性の損失を及ぼす。
【0008】
さらに、この望ましくないミスト化は、ロールコーターの近くで高いエーロゾル含有量に曝される作業者の労働衛生及び安全性という見地から有害な結果を及ぼす。これは有害であることが示されている。
【0009】
さらに、このミスト化は、ロールコーターをすぐに汚し、しかして保全の制約及び早期の損耗を生じさせる。
【0010】
このミスト化の結果を未然に防ぐために、塗布頭部の周囲に該ミストを捕捉するための吸気装置を設置することが一般的に行われている。
【0011】
さらに、当業者であれば、この現象を防止するための塗布頭部に対する多数の調整法を知っている。これらの数例として、以下:
A.生産性を害するほどに速度を低下させること、
B.得ることが望まれるシリコーン化軟質支持体の特性(外観、付着量、非粘着性、機械的性質)を害するほどにシリコーンの付着率を低下させること、
C.塗りロールの接線速度と紙の線速度との間の相違を増加させること(しかしながら、ある一定の相違を超えると、被覆された層の均一性が著しく中断される。さらに、これは、ミストの密度を減少させるが、それによって被覆速度を有意に上昇させるほど十分にこのものを取り除けるわけではない。)、及び
D.塗りロールと加圧ロールの間の圧力を上昇させること(ある一定の制限内であり及びこのミスト化現象を有利に無くすわけではない)
が挙げられる。
【0012】
ロールコーターでのミスト化を防止するためのその他の方法は、液状シリコーン塗料組成物の処方を変更させることからなる。この方法を使用すると、液状シリコーン塗料を構成するPOSの数平均重合度を減少させ、その結果、シリコーン塗料浴の粘度を減少させてミストの密度を制限させることが知られている。これらの周知の方法は、得ることが望まれるシリコーン化軟質支持体の特性、特に非粘着性を実質的に変性させるという重大な欠点を有する。
【0013】
シリコーン処方によるこの方法の例示として、欧州特許出願公開第0716115号が挙げられる。この特許文献は、高速度ロール被覆用のシリコーン組成物の製造方法を開示しており、この組成物は、ミストの密度を減少させるように与えられる。この方法は、トリメチルシリル末端基及び12に等しい重合度を有するポリジメチルメチルヒドロゲノシロキサンを、ペルフルオルエチルブチルとメチルビニル官能基で置換された0.01%のポリジメチルシロキサンであってその末端基がジメチルビニルシロキシル型でその重合度が300に等しいもの及びポリプロピレングリコール及び随意としてステアリン酸又はオレイン酸アルコールと共に使用する。これは、ポリオキシプロピレン基によって官能化されたポリジメチルシロキサンを生じさせる。これらの官能化PDMSは、ミスト化を低減させるシリコーン塗料組成物を形成させるために、その他の官能化PDMS、例えばヘキセニル単位によって官能化されたもの及び白金をベースとしたヒドロシリル化触媒と混合される。この官能化単位は、ステアリン酸又はオレイン酸残基のような疎水性残基であることができる。
【0014】
このような組成物は比較的複雑であり、それ故に得るのに費用がかかることは明らかである。さらに、これらのものは、高速度ロールを使用してシリコーンで被覆するときのミスト化を防止することに関して、いまだ完成されていない。
【0015】
米国特許第4808391号は、シリコーンをベースとしたインク及びワニスに関し、より正確には、これらのインク/ワニスを高速度で操作するロールコーターを使用して基材に塗布する方法に関する。この特許文献は、特に、ビニル末端基を有し、25℃で15000〜50000mPa.s(例XII及びXIII:25℃でそれぞれ30000及び18000mPa.s)の粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む組成物を開示している。また、これらの液状塗料組成物は、白金をベースとした触媒及び高い比表面積を有するシリカ、特に熱分解法シリカからなる流動学的添加剤を例1及び例2において乾量でそれぞれ1重量%未満及び5重量%未満の量で含む。また、この組成物は、白金触媒の存在下にSi−ViPOSと反応できるポリメチルヒドロゲノシロキサンも含む。この特許によれば、これは、ミスト化の問題に対する解決策を与える有力なSi−ViPOSについての15000〜50000mPa.sの間の正確な粘度範囲の選択である。事実、この特許では、シリカ型の流動学的添加剤を含有しない液状塗料組成物のみが高速度で操作するロールコーターで試験された。得られた結果から、許容できるミストの減少/流動学的挙動の妥協点は、25℃で10000〜60000mPa.sの間の粘度範囲内にある。この特許文献は、ミスト化を防止することに関する流動学的添加剤のいかなる明白な効果について全く教示していない。
【0016】
米国特許第6057033号は、軟質支持体上に被覆させ、UV下で陰イオン架橋させた後に非粘着性塗膜を形成させることを予定されたシリコーン組成物を開示している。POSに加えて、これらの組成物は、15〜100μmの平均の長さ及び5〜40μmの平均の厚さを有するセルロース繊維を含む。使用されるPOSは、UV下でラジカル架橋するのを可能にさせるアリールオキシ又はメタクリロキシ型の基を架橋させることによって官能化されたPOSである。組成物に取り込まれるセルロース繊維は、技術的問題(非脆性の架橋された非粘着性シリコーン塗膜を得ること)に対する解決策を与える。セルロース繊維は、シリコーン塗料皮膜の支持体への転写、切断抵抗、機械的特性(引張り強さ及び引裂強さ)、紙に対する塗膜の付着性、紙内での塗料液の吸収の減少及び補助的にはミスト化の低減に関して改善させるように与えられる。このミスト化の点について、米国特許第6057033号は、セルロース繊維によって生じるミスト化の低減についての定量的な評価を与えていない。この低減は完全に不十分なままであると思われるだけの十分な理由がある。
【0017】
さらに、粒状充填剤、例えば珪質充填剤を、軟質支持体、例えば紙支持体上に被覆させて非粘着性の架橋塗膜を形成させることを予定された液状シリコーン組成物に使用することは、かなり長い間、即ち、非粘着性シリコーン塗料の出現(米国特許第3503782号)以来知られてきた特徴であることに留意すべきである。
【0018】
また、参考までに、特開昭62−64011号公報が挙げられる。この特許文献は、皮膜形成用樹脂と溶媒を含有する塗料液を開示しており、また、このものは、1〜10μmの直径を有するワックス粒子であってその最大の粒子径が支持体に適用された未乾燥塗膜の厚さのせいぜい150%であるものも含有する。このような塗料液は、先験的にはミスト化が制限されるため、被覆速度を少なくとも10〜30m/分ずつ上昇させよう。この特許文献の教示は捨て去るべきである。なぜならば、このものはシリコーン塗料に関するものではないからである。
【0019】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第0716115号明細書
【特許文献2】
米国特許第4808391号明細書
【特許文献3】
米国特許第6057033号明細書
【特許文献4】
特開昭62−64011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
このような従来技術の記述に対して、本発明の本質的な目的の一つは、軟質支持体を架橋塗膜のための先駆物質である液状シリコーン組成物で被覆するとき(この被覆は高速度で操作するロールコーター操作の手段によって実施される)のミスト化を防止する効果的な方法を提供することである。
【0021】
本発明の他の本質的な目的は、軟質支持体の架橋させることを意図したシリコーン組成物での被覆中(この被覆は高速度で操作するロールコーターの手段によって実施される)にミスト化の出現を防止するための経済的且つ単純な方法を提案することである。
【0022】
本発明の他の本質的な目的は、軟質支持体をロールコーターによって高速度で被覆するにあたり、ミスト化をこの障害が出現する速度を有意に上昇させるような方法で減少させる被覆方法を提供することである。
【0023】
本発明のその他の本質的な目的は、軟質材料を非粘着性塗料としての架橋性シリコーン組成物の手段によってロールコーターにより高速度で被覆するときのミスト化を低減させるための新規な添加剤を提供することである。
【0024】
本発明のその他の本質的な目的は、軟質支持体を非粘着性塗料としての架橋性シリコーン組成物でロールコータの手段によって被覆するという状況内でミスト化するのを防止する方法を提供することであり、該方法は、軟質支持体の少なくとも一面上に得ることが望まれる架橋塗膜の外観及び/又は付着量及び/又は機械的性質(摩擦落ち)及び/又は非付着性に明白な影響を与えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
これらの目的の全ては、特に、まず軟質支持体を1種以上のシリコーン塗膜の先駆物質である少なくとも1種の液状シリコーン組成物であって次の成分:
A.重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋できる少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(POS)、
B.随意として少なくとも1種の架橋用有機珪素化合物、
C.随意として少なくとも1種の架橋反応用触媒
を含むものでロールコーターを使用して被覆するときのミスト化の出現を防止する方法において、
・1種以上のPOS(A)及び随意として1種以上の化合物(B)(架橋剤)を含むシリコーン相であって25℃でのその粘度ηが2000mPa.s、好ましくは100〜1400mPa.sの間、さらに好ましくは100〜800mPa.sの間であるものを、
・ミスト化防止用水性シリコーンエマルジョン(AMASE)であってその水性相ψaが少なくとも20重量%の水、好ましくは20〜90重量%の水、さらに好ましくは20〜70重量%の水を含むもの、及び
・随意として、1種以上の化合物(A)と反応することができ又はできなくてもよい非有機珪素又は有機珪素有機化合物からなる希釈剤及び/又は溶媒によって形成された液状化合物(D)と
混合することによって得られた液状塗料組成物を使用することを特徴とする、ミスト化の出現を防止する方法に関する本発明によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本明細書に関わる全ての粘度は、「ニュートン粘度」と呼ばれる、即ち、測定される粘度が剪断速度とは無関係である程に低い速度でそれ自体周知の態様で測定される25℃での動粘度数に相当する。
【0027】
本発明者は、液状シリコーン層の塗布ロールから被覆されるべき走行軟質支持体ウェブへの転写中にミスト化を支配する現象を理解することができたことを認める。しかして、転写中に生じた液状シリコーンフィラメントを、これらのものが形成された後にできるだけ速やかに破断させることが必要であるという確認から出発して、本発明者は、この液状組成物の粘度に対していかなる容認できない憂慮すべき影響を及ぼすことなく、このシリコーン液状フィラメントを塗布ロールから走行シートへの転写中の早期に破断させるように、条件をその場で(コーターで)生じさせることのできる水性シリコーンエマルジョンを使用することを提案した。本発明によって得られる結果は、ミストが高速度で操作するロール被覆装置に出現する速度を有意に増加させる、ミスト化の効果的な制御である。
【0028】
組成物中に存在する水の量は、
・組成物中のAMASE濃度、及び
・AMASE中のψaの割合
によって制御される。
【0029】
理論に拘束されることを望まないが、本発明に従う方法を実施する状況内では、AMASEの転移及び/又は液状塗料組成物の分散相の粒度の変化(恐らくは低下)が併せて起こると仮定される。これは、AMASEエマルジョンをシリコーン相と混合させる操作及び同名の機械で(特にこの機械のロールで)液状塗料組成物が受けた高い剪断がエマルジョンを変性させることができるからである。しかして、AMASEが油中水型の逆エマルジョンであるときにその粒度はおそらく下方に変化する。さらに、AMASEが水中油型の直接エマルジョンであるときには、複合型の油中水中油型(O/W/O型)エマルジョンがその場で形成する。
【0030】
AMASEの分散相ψdの粒度に関して、これは、AMASEにある程度の安定性を与えるように選択される。この粒度は臨界的ではない。しかしながら、具体的に言うと、AMASEの分散相ψdは、D50によって与えられる粒度(μmで表す)がD50≦100、好ましくは0.001≦D50≦50であるようなものである液滴によって形成されると言える。本発明が意図するところでは、パラメーターD50とは、粒度分布のうち平均粒度である。これは、以下に記載される分析技術の一つによって得られた累積粒度分布図表に基づいて、粒子の母集団のうちの50%の累積に相当する粒度を決定することによって決定できる。具体的に言うと、この粒度パラメーターD50は、問題の粒子の重量のうち少なくとも50%の平均最大粒度に相当する。即ち、10μmのD50とは、粒子の50%が10μm未満の寸法を有することを意味する。この粒度の測定は、沈降、レーザー回折(例えば、コールター(登録商標)LSI30)、イメージアナライザーに連結された光学顕微鏡などのような慣用技術を使用して実施できる。
【0031】
本発明に従う方法を実行する好ましい態様によれば、AMASEは、油中水型の逆エマルジョンである。この油中水型の逆AMASEは、
・分散相ψdが、1種以上の添加剤が随意に添加された水の液滴(これらの液滴のD50は上に定義されるようなものである)によって形成され、しかも
・連続相ψcが少なくとも1種のシリコーンオイルと随意として少なくとも1種の添加剤とからなる
エマルジョンである。
【0032】
本発明を実施する付随的な方法によれば、AMASEは、水中油型の直接エマルジョンである。この水中油型の直接AMASEは、
・分散相ψdが上に定義されるようなD50を有するシリコーンオイルの液滴によって形成され、しかも
・水性連続相ψcが1種以上の添加剤を随意に含有する
エマルジョンである。
【0033】
これらの逆又は直接AMASEは、当業者に周知の乳化方法によって得られる。これらの方法は、水性相を油相と摩砕することなく及び摩砕しながら、即ち高剪断下で混合することを包含する。斯界では、逆乳化方法と直接乳化方法は区別され得る。例えば、水中油型エマルジョンを得るための逆乳化方法は、油中水型エマルジョン(通常逆エマルジョンと呼ばれる)を予め形成させ、次いでこのエマルジョンを逆転させる(これにより水中エマルジョンが得られる)ことを包含する。水中油型又は油中水型のエマルジョンを得るための直接乳化方法は、エマルジョンが、その準備から形成に至るまで直接エマルジョン、即ち水中油型エマルジョン又は油中水型逆エマルジョンである方法である。
【0034】
AMASEエマルジョンは、有利には、1種以上の界面活性剤の手段によって安定化される。これらの界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性又はさらに両性イオン性であることができる。界面活性剤は、より一般的には、HLBに従って選択される。用語HLB(親水性親油性バランス)とは、界面活性剤分子の極性基の親水性対それらの親油性部分の疎水性の比を意味する。HLB値は、例えば「Handbook of pharmaceutical excipients」,pharmaceuticalプレス社,ロンドン(1994)のような様々な基本的な解説書に報告されている。別法によれば、シリコーン/水のエマルジョンは、ポリビニルアルコールのような保護コロイドの手段によって安定化できる。また、水/シリコーンのエマルジョンは、ポリエーテルシリコーンによっても安定化できる[「シリコーン界面活性剤」,Surfactant Science,V86,ランデル・M・ヒル著(1999)]。さらに、固体粒子が水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンを安定化させることができることに留意すべきである。しかして、本発明の一つの有利な特徴によれば、シリカ粒子、好ましくは親水性のシリカ粒子であってその接触角が0°に近いものをAMASE(油中水型又は水中油型エマルジョン)を安定化させる手段として少なくとも1種の好適な補助安定剤と共に使用することが提案される。この補助安定剤の役割は接触角を修正することである。実際には、補助安定剤は、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性或いはさらに両性イオン性界面活性剤であることができる。さらに、粒状親水性シリカの特定の処理が可変の疎水性度を得るために及び接触角を最適化させるために使用できることに留意すべきである(Journal of Colloids and Interface Science,213,352−359(1999))。
接触角に関して、実際には、水中油型エマルジョンの形成は、オイル、固体及び水の間の接触角が90°未満であるときに有利であることに留意すべきである。接触角が90°以上であるときに、油中水型エマルジョンが安定化できる。
【0035】
また、本発明は、少なくとも1種の補助安定剤、好ましくは上述のものから選択されるものと混合されたシリカ(好ましくは親水性シリカ)粒子を含む水性シリコーンエマルジョンを安定化させる手段に関するものでもある。
【0036】
本発明の有利な別法によれば、AMASEは、非セルロース系のミスト化防止用粒子であって、D50によって与えられるその粒度(μmで表す)が
D50≦10、
好ましくは0.001≦D50≦5、
さらに好ましくは0.01≦D50≦2
であるようなものと共に使用され、これらのミスト化防止用粒子は、液状シリコーン組成物にせいぜい30重量%の量で、好ましくは0.1〜15重量%の量で、さらに好ましくは1〜10重量%の量で取り入れられる。
【0037】
有利には、これらのミスト化防止用粒子は、
・カーボンブラック
・SiO2、
・CaCO3、
・TiO2、
・BaSO4、
・Al2O3、
・石灰
・タルク
・雲母
・石英粉末
・天然又は合成クレー(膨潤された又は膨潤されていないひる石、カオリン)
・セルロース系重合体以外の1種以上の合成重合体を基材とした粉末
・珪藻土、及び
・それらの2種以上の混合物
よりなる群から選択され、シリカ、カオリン、タルク及びTiO2が特に好ましく、これらの粒子は随意として表面処理を受けたものである。
【0038】
これらのミスト化防止用粒子のBET比表面積は、0.5m2/g〜500m2/gの間、好ましくは2〜400m2/gの間、さらに好ましくは5〜300m2/gの間である。
【0039】
ミスト化防止用粒子がシリカからなる場合には、このものはコロイドシリカ、沈降シリカ又は熱分解法シリカであることができることが指摘されるべきである。
これらのシリカは、好ましくはそれ自体として使用され、或いは、別法によれば、この目的のために通常使用される有機珪素化合物の手段による表面処理に付され得る。このような化合物として、
A.ヘキサメチルジシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンのようなメチルポリシロキサン
B.ヘキサメチルジシラザン及びヘキサメチルトリシラザンのようなメチルポリシラザン
C.ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルビニルジクロルシラン及びジメチルビニルクロルシランのようなクロルシラン
D.ジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランのようなアルコキシシラン
が挙げられる。
この処理中に、シリカはその初期重量を20%のレベルまで、好ましくは約18%に増加できる。
【0040】
合成重合体を基材とするミスト化防止用粒子は、1種以上の重合性有機単量体を乳化共重合させるための慣用法から誘導された重合体からなる。これらの有機単量体は、好ましくは、
・(a)(メタ)アクリル酸アルキルであってそのアルキル部分が好ましくは1〜18個の炭素原子を含むもの、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸2−エチル−2−ヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸クロルエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸3.3−ジメチルブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸フェニル、クロルアクリル酸ブチル、クロルアクリル酸メチル、クロルアクリル酸エチル、クロルアクリル酸イソプロピル及びクロルアクリル酸クロルヘキシル、
・(b)モノカルボン酸のα,β−エチレン性不飽和エステルであって、その酸部分が非重合性であり、その不飽和部分が好ましくは2〜14個の炭素原子を含み、その酸部分が2〜12個の炭素原子を含むもの、特に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸アルキル、ベルサチン酸ビニル(C9〜C11のα−分岐酸のエステルのために付した登録商標)、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、ビニルピビレート(vinyl pivilate)及びトリクロル酢酸ビニル、
・(c)4〜24個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和ポリカルボン酸のエステル及びセミエステル、特に、マレイン酸ジメチル及びジエチル、フマル酸メチル及びエチル並びにフマル酸2−エチルヘキシル、
・(d)ハロゲン化ビニル、特に、塩化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン及び弗化ビニリデン、
・(e)好ましくはせいぜい24個の炭素原子を有するビニル芳香族であって、特に、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−クロルスチレン、3−クロルスチレン、4−クロル−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−ジクロルスチレン、2,6−ジクロルスチレン、2,5−ジフルオルスチレン及び1−ビニルナフタリンから選択されるもの、
・(f)好ましくは3〜12個の炭素原子を有する共役脂肪族ジエン、特に、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2−クロル−1,3−ブタジエン、及び
・(g)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのような、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和ニトリル
から選択される。
【0041】
任意のその他の重合体(ただし、セルロース系重合体を除くものとする)、好ましくは、それ自体周知の方法、例えば、極低温粉砕、小球化、微粒化などによって得られた粉末の形であるものをAMPとして使用することが可能である。
【0042】
これらの重合体粉末は、例えば、ポリアミド又はポリテトラフルオルエチレン(PTFE)粉末であることができる。
【0043】
また、少なくとも1種のAMASEを含み又はさらにミスト化防止用粒子も添加された液状塗料組成物を製造する方法は、本発明の必須要素の一つをも構成する。しかして、シリコーン相の少なくとも一部分をAMASE又はさらに乾燥した微粉の形及び/又は液体(有機又は水性)中に懸濁した形、好ましくは粉末の乾燥した形のミスト化防止用粒子の全て又は一部分と混合することが好ましい。
【0044】
より正確に言うと、混合の好ましい方法は、次の方法:
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子の全てをシリコーン相と連続又は分散された形で徐々に混合すること、或いは
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子をPOS(A)のある部分と徐々に混合し、次いで、この中間混合物をシリコーン相の残部からなるシリコーン相と連続又は分散された形で混合すること
のいずれかである。
【0045】
さらに好ましくは、AMASEシリコーン相又はさらにミスト化防止用粒子の混合は、慣用型ミキサーであって室温で操作して液状媒体に分散させることが知られているものを使用して実施される。
【0046】
例として、低速分散器、静ミキサー、ブレードミキサー、一軸スクリュー又は多軸スクリュー押出機、遊星型ミキサー及び湾曲ミキサーが挙げられる。
【0047】
勿論、液状シリコーン組成物は、シリコーン相に最初に含まれる或いはAMASE又はさらにミスト化防止剤との混合中に取り入れられるその他の添加剤を含み得る。
【0048】
ミスト化を防止する好ましい方法によれば、液状塗料組成物のシリコーン相の構成成分として次の物質:
・POS(A):次式:
【化1】
(式中、
− Wはアルケニル、好ましくはビニル又はアルキル基であり、
− Zは、触媒の活性に不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
− aは1又は2であり、bは0、1又は2でありa+bは1〜3である)
の単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
【化2】
(式中、Zは上記と同一の意味を有し、cは0〜3の値、例えば1〜3の値を有する)
の単位である物質(特に、ジメチルビニルシリル末端基を有するジメチルポリシロキサン、トリメチルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体、ジメチルビニルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体及び環状メチルビニルポリシロキサンが選択される)、
・POS(B):次式:
【化3】
(式中、
− Lは、触媒の活性に対して不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
− dは1又は2であり、cは0、1又は2であり、d+cは1〜3の値を有する)
の単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
【化4】
(式中、Lは上記と同一の意味を有し、gは0〜3の値を有する)
である物質(特に、ポリ(ジメチルシロキサン)(メチルヒドロゲノシロキシ)(α,ω−ジメチルヒドロゲノ)シロキサンが選択される)。
が選択される。
【0049】
これらのPOSは、室温で又は金属触媒(この場合には白金をベースとした)の存在下での重付加反応による熱の適用によって架橋するタイプのものであることができる。これらのものは、RTV(室温加硫性)組成物と呼ばれる架橋性POS組成物又はHCE(これは「熱硬化性エラストマー」を短縮したものである)組成物と呼ばれる重付加POS組成物である。
【0050】
RTV又は重付加HCEのどちらかである二成分又は一成分のPOS組成物は、一般に金属(好ましくは白金)触媒の存在下にアルケニルシリル基上のヒドロゲノシリル基の反応によって実質的に架橋する。これらのものは、例えば、米国特許第3220972号、同3284406号、同3436366号、同3697473号及び同4340709号に記載されている。
【0051】
別法によれば、使用される液状シリコーン組成物は、一般に金属触媒、例えば錫化合物の存在下に湿気の作用下で重縮合反応(RTV重縮合)させることにより室温で架橋する二成分又は一成分POS組成物から選択できる。これらの組成物は、例えば、米国特許第3065194号、同3542901号、同3779986号、同4417042号及び仏国特許第2638752号(一成分組成物)並びに米国特許第3678002号、同3888815号、同3933729号及び同4064096号(二成分組成物)に記載されている。これらの重縮合RTV組成物に含まれるPOSは、ヒドロキシル基又は加水分解性基、例えばアルコキシ基を有する分岐又は架橋線状ポリシロキサンである。類似の組成物は、特に、例えばシリケート、アルキルトリアルコキシシラン又はアミノアルキルトリアルコキシシランのような少なくとも3個の加水分解性基を有する化合物である架橋剤をさらに含有できる。
【0052】
また、液状シリコーン塗料組成物は、
・有効量の陽イオン性開始系(熱開始剤及び/又は光開始剤)、例えば硼酸オニウム型又は有機金属錯体型の開始剤、有機プロトン供与性溶媒(イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなど)の存在下に陽イオン又はラジカル手段によって
・及び/又は、場合に応じて、ラジカル開始剤の存在下に化学線(UV)照射又は電子ビームによって
架橋できる1種以上のPOSも含み得る。これらのPOSは、例えば、線状又は環状のどちらかであるエポキシシリコーン及び/又はビニルエーテルシリコーンである。このようなエポキシ又はビニルオキシ官能性POSは、例えば、特許DE−4009889号、EP−0396130号、EP−0355381号、EP−0105341号、FR−2110115号及びFR−2526800号に記載されている。
エポキシ官能性POSは、SiH単位を有するオイルと4−ビニルシクロヘキサノン又はアリルグリシジルエーテルのようなエポキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造できる。ビニルオキシ官能性POSは、SiH単位を有するオイルとアリルビニルエーテル又はアリルビニルオキシエトキシベンゼンのようなビニルオキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造できる。
【0053】
また、これらのPOS以外に、液状シリコーン塗料組成物は、
E.少なくとも1種の定着剤(E)、
F.及び/又は重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋するシリコーン組成物に標準的な少なくとも1種の添加剤(F)
も含有できる。
添加剤(F)について、
− 重付加POSRTV組成物の場合には、付加反応遅延剤(例えば、テトラメチルビニルテトラシロキサン、ピリジン、ホスフィン、ホスフィット、不飽和アミド及びアセチレンアルコール)、
− RTV又はHCEPOS組成物の場合には、アルキルトリアルコキシシラン、珪酸アルキル、ポリ珪酸アルキル(珪酸メチル、珪酸エチル、珪酸イソプロピル、珪酸n−プロピルなど)のような架橋剤
− 陽イオン手段によって及び/又は放射若しくは電子ビーム下での活性化によるラジカル手段によって架橋できるPOSの場合には、
・エポキシエーテル希釈剤
・カーボンブラック、二酸化チタン、フタロシアニン、ベンズイミダゾロン、ナフトン、ジアゾピラゾロンなどを含むタイプの顔料、
・ポリ芳香族(随意として金属ポリ芳香族)及び複素環式生成物(フェノチアジン、テトラセン、ペリレン、アントラセン、キサントピナコール、チオキサントンなど)、及び
− 一般に、全てのPOSについて、
・顔料
・α−オレフィン、
・安定剤、特に、エマルジョン塗料組成物のために使用できる安定な界面活性剤
が挙げられる。
【0054】
有利には、液状シリコーン塗料組成物は、
・1種以上のPOS(A)と、随意として化合物(B)と、随意として希釈剤及び/又は溶媒(Di)とを含み、しかも
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子が添加された
シリコーンオイルである。
希釈剤及び/又は溶媒(Di)の例として、脂肪族及び芳香族溶媒、塩素化溶媒、例えば、ホワイトスピリット、ケトン、有利にはメチルエチルケトン及びアセトン、アルコール、有利にはイソプロパノール及びn−ブチルアルコール、飽和、不飽和又は芳香族炭化水素、有利にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン及びベンゼン、「ナフサ」石油留分、C7〜C8石油留分(特にガソリンE)、ハロゲン化炭化水素並びにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0055】
別法によれば、液状シリコーン塗料組成物は、化合物(A)及びBを主体とし、随意としてミスト化防止用粒子が添加されたシリコーン相を有する水性エマルジョンである。これらのシリコーンエマルジョンは、例えば仏国特許出願第97/16872号に記載されるようなそれ自体周知の態様で得られ、その内容は、参照のために本明細書に取り入れている。
【0056】
別の側面からみれば、本発明は、ロールコーターの手段により軟質支持体を被覆して架橋塗膜を形成させるための架橋性液状シリコーン組成物における、AMASE(又はさらに非セルロース系粒子)の、被覆中にミスト化の出現を防止するようなミスト化防止用添加剤としての使用において、該AMASE(又はさらにミスト化防止用粒子)が上に定義されたようなものであることを特徴とするAMASEのミスト化防止用添加剤としての使用に関する。
【0057】
最後に、本発明は、軟質支持体をシリコーン塗膜の先駆物質として作用する少なくとも1種の液状シリコーン組成物で被覆するに際して該被覆操作をロールコーターの手段によって実施する被覆方法において、上に定義されるようなミスト化の出現を防止するための方法を使用することを特徴とする被覆方法に関するものでもある。
【0058】
従って、本発明は、軟質支持体(例えば、紙、フィルム又は重合体フィルム製の)を架橋性液状シリコーン組成物で高速度で操作するロールコーターでもって被覆するときのミスト化を防止する新規で単純、経済的且つ信頼性のある手段を提供することは明らかである。実際的な産業上の有用性は、塗膜品質に有害なこのミスト化現象を生じさせることなく走行速度をさらに増加させることができるということである。また、本発明が提案する防止手段は、軟質支持体の少なくとも一方の側に得るを望まれる架橋されたシリコーン塗膜の外観品質、付着量、非粘着性及び機械的(摩擦落ち)性質を損なわないという大きな利点も有する。
【0059】
さらに、ミスト化の低減は、高速度で操作する工業用シリコーンロールコーター付近の作業者のための衛生及び安全性の条件を有意に改善させる。
【0060】
本発明は、次の実施例に照らせばより明確に理解されるであろう。
【実施例】
【0061】
これらの例では、粘度は、1982年5月のAFNOR NFT 75 106標準法で与えられた情報に従いブルックフィールド粘度計を使用して測定した。
例1〜6
表1:ミスト化防止用シリコーンエマルジョン(AMASE)の組成。
【表1】
【0062】
・TRIDECETH8はエトキシル化アルコールからなる界面活性剤である。
・重合体P1:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が約600mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
・重合体P2:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が約200mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
・重合体P3:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が100mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
【0063】
例8〜19
AMASEエマルジョンの評価
高速度で操作するロールコーターで生じたミストを分析及び定量化するために、紙のウェブを900m/分以上の線速度で走行させることができる二本ロールコーターを再現可能に操作して実験室規模で使用した。また、十分に強力なライトプロジェクターも二本のロール(加圧ロールと塗りロール)の組み合わせ体を照らし、それによってミスト化が視覚的に検出可能になるロールの回転速度を観測できるように設置した。二本のロール(加圧ロールと塗りロール)は10cmの直径を有していた。加圧ロールをゴムで被覆し、塗りロールをクロムで被覆した。二本のロールが同一速度で動くように、塗りロールをダンベルの形に切断した。モーターにより駆動できる加圧ロールを一定の圧力下で塗りロールと接触させた。液状シリコーン塗料を2本のロールの隙間に直接注いだ。流体の使用量は、1ml又は0.25mlであった。
【0064】
次いで、様々な組成物をシリコーン重合体(上に定義されるようなP1、P2、P3)と様々な直接又は逆エマルジョンとを混合させることによって製造した。
このように得られた混合物をUltra Turraxを使用して均質化した。次いで、上記の回転装置を使用し、そのロールに当該配合物を塗布した。次いで、ロールの回転速度を徐々に増加させ、ミスト化の出現が視覚的に検出された接線速度以上の接線速度を記録した。
以下の表2は得られた結果を与える。
【表2】
【0065】
これらの結果は、直接又は逆エマルジョンのシリコーン組成物への添加がミスト化が生じる速度を拡大させるのを可能にさせ、さらにこれらのエマルジョンがミスト化低減剤であると評価できることを示している。
使用した全ての直接又は逆エマルジョンは、ミスト化が出現する速度を増加させるのを可能にする(例9及び20と例8及び17の比較)。
いかなるタイプの重合体(P1及びP2)を使用しても、ミスト化が出現する速度の増加が見られ得る。
いかなる安定剤系を使用しても(陽イオン性補助界面活性剤、保護コロイドの存在下又は非存在下でのポリエーテルシリコーン、コロイドシリカ)、その効果が観察される(例9、11、12、15、16、20、21とその対応する対照例8、10、14及び17との比較)。この効果は、導入されるエマルジョンの量によって変化し得る(例12及び13と例10との比較)。また、これらの観察は再現可能であることも確かめられた(例18及び19と例15及び16の比較)。
【0001】
本発明は、紙又は合成重合体(ポリオレフィン、ポリエステルなど)又はさもなくば織物のウェブのような様々な軟質支持体を、高速ロールを使用してシリコーンで被覆する一般的な分野に関する。
【0002】
より正確に言えば、本発明は、軟質材料を重付加、重縮合(エマルジョンでの)、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋できる1種以上のポリオルガノシロキサン(POS)を含有する液状組成物で被覆して、特に非粘着性及び/又は疎水性の特性を有する保護フィルム又は塗膜を形成させることに関する。
【背景技術】
【0003】
軟質支持体は、紙、板紙、プラスチックフィルム又は金属フィルムであることができる。これらのシリコーン被覆支持体の用途は、例えば、食品用の紙(菓子用の型、包装)、粘着ラベル/テープ、シールなどである。
【0004】
これらの軟質支持体は、連続的に操作する被覆装置によって非常に高速度で架橋性の液状シリコーンで被覆される。これらの装置は、特に加圧ロールと塗りロールを含む数個のロールからなる塗布頭部(このものに、互いに横に並んで位置した一連のロール手段によって架橋性液状シリコーン組成物が連続的に供給される)を含む。軟質支持体のウェブは、加圧ロールと塗りロールの間を高速度で走行してその面の少なくとも一方を塗布頭部の下流に位置した架橋手段によって架橋されるように予定されたシリコーンフィルムで被覆される。これらの架橋手段は、例えば、熱エミッター、放射線(例えばUV)エミッター又は電子線エミッターであることができる。
【0005】
生産性を追求すると、非粘着性シリコーンで被覆された軟質支持体の製造者は、軟質支持体をさらに高い線速度で走行させるのに好適な液状シリコーン塗料処方物を必要とする。勿論、この経済的要因は、新規な高速度シリコーン塗料処方物のこの探索に無意味ではない。
【0006】
しかしながら、連続式塗布機による高速度は、液状シリコーンフィルムを塗りロールから走行している軟質支持体ウェブに転写させる問題と同義であることが知られている。これらの転写(層剥離)の問題は、特に、塗布頭部の周囲に、より詳しくは、回転ロールの間及び/又は塗りロールと被覆されるべき軟質支持体との間の接触部にミスト又はエーロゾル(ミスト化又は曇り)の出現を生じさせる。このミスト又はこのエーロゾルの密度は、直線走行速度、しかしてロールの回転速度が上昇するときに増大する。
【0007】
結果として、この現象は、第1に、消耗品の損失及びとりわけ下流で(例えばオーブン内で)液状塗料液滴の支持体への付着を生じさせる。これは、塗膜の品質に重大なる悪影響、即ち、みかん肌の外観、架橋された塗膜の付着量、機械的性質の損失及び付着性の損失を及ぼす。
【0008】
さらに、この望ましくないミスト化は、ロールコーターの近くで高いエーロゾル含有量に曝される作業者の労働衛生及び安全性という見地から有害な結果を及ぼす。これは有害であることが示されている。
【0009】
さらに、このミスト化は、ロールコーターをすぐに汚し、しかして保全の制約及び早期の損耗を生じさせる。
【0010】
このミスト化の結果を未然に防ぐために、塗布頭部の周囲に該ミストを捕捉するための吸気装置を設置することが一般的に行われている。
【0011】
さらに、当業者であれば、この現象を防止するための塗布頭部に対する多数の調整法を知っている。これらの数例として、以下:
A.生産性を害するほどに速度を低下させること、
B.得ることが望まれるシリコーン化軟質支持体の特性(外観、付着量、非粘着性、機械的性質)を害するほどにシリコーンの付着率を低下させること、
C.塗りロールの接線速度と紙の線速度との間の相違を増加させること(しかしながら、ある一定の相違を超えると、被覆された層の均一性が著しく中断される。さらに、これは、ミストの密度を減少させるが、それによって被覆速度を有意に上昇させるほど十分にこのものを取り除けるわけではない。)、及び
D.塗りロールと加圧ロールの間の圧力を上昇させること(ある一定の制限内であり及びこのミスト化現象を有利に無くすわけではない)
が挙げられる。
【0012】
ロールコーターでのミスト化を防止するためのその他の方法は、液状シリコーン塗料組成物の処方を変更させることからなる。この方法を使用すると、液状シリコーン塗料を構成するPOSの数平均重合度を減少させ、その結果、シリコーン塗料浴の粘度を減少させてミストの密度を制限させることが知られている。これらの周知の方法は、得ることが望まれるシリコーン化軟質支持体の特性、特に非粘着性を実質的に変性させるという重大な欠点を有する。
【0013】
シリコーン処方によるこの方法の例示として、欧州特許出願公開第0716115号が挙げられる。この特許文献は、高速度ロール被覆用のシリコーン組成物の製造方法を開示しており、この組成物は、ミストの密度を減少させるように与えられる。この方法は、トリメチルシリル末端基及び12に等しい重合度を有するポリジメチルメチルヒドロゲノシロキサンを、ペルフルオルエチルブチルとメチルビニル官能基で置換された0.01%のポリジメチルシロキサンであってその末端基がジメチルビニルシロキシル型でその重合度が300に等しいもの及びポリプロピレングリコール及び随意としてステアリン酸又はオレイン酸アルコールと共に使用する。これは、ポリオキシプロピレン基によって官能化されたポリジメチルシロキサンを生じさせる。これらの官能化PDMSは、ミスト化を低減させるシリコーン塗料組成物を形成させるために、その他の官能化PDMS、例えばヘキセニル単位によって官能化されたもの及び白金をベースとしたヒドロシリル化触媒と混合される。この官能化単位は、ステアリン酸又はオレイン酸残基のような疎水性残基であることができる。
【0014】
このような組成物は比較的複雑であり、それ故に得るのに費用がかかることは明らかである。さらに、これらのものは、高速度ロールを使用してシリコーンで被覆するときのミスト化を防止することに関して、いまだ完成されていない。
【0015】
米国特許第4808391号は、シリコーンをベースとしたインク及びワニスに関し、より正確には、これらのインク/ワニスを高速度で操作するロールコーターを使用して基材に塗布する方法に関する。この特許文献は、特に、ビニル末端基を有し、25℃で15000〜50000mPa.s(例XII及びXIII:25℃でそれぞれ30000及び18000mPa.s)の粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む組成物を開示している。また、これらの液状塗料組成物は、白金をベースとした触媒及び高い比表面積を有するシリカ、特に熱分解法シリカからなる流動学的添加剤を例1及び例2において乾量でそれぞれ1重量%未満及び5重量%未満の量で含む。また、この組成物は、白金触媒の存在下にSi−ViPOSと反応できるポリメチルヒドロゲノシロキサンも含む。この特許によれば、これは、ミスト化の問題に対する解決策を与える有力なSi−ViPOSについての15000〜50000mPa.sの間の正確な粘度範囲の選択である。事実、この特許では、シリカ型の流動学的添加剤を含有しない液状塗料組成物のみが高速度で操作するロールコーターで試験された。得られた結果から、許容できるミストの減少/流動学的挙動の妥協点は、25℃で10000〜60000mPa.sの間の粘度範囲内にある。この特許文献は、ミスト化を防止することに関する流動学的添加剤のいかなる明白な効果について全く教示していない。
【0016】
米国特許第6057033号は、軟質支持体上に被覆させ、UV下で陰イオン架橋させた後に非粘着性塗膜を形成させることを予定されたシリコーン組成物を開示している。POSに加えて、これらの組成物は、15〜100μmの平均の長さ及び5〜40μmの平均の厚さを有するセルロース繊維を含む。使用されるPOSは、UV下でラジカル架橋するのを可能にさせるアリールオキシ又はメタクリロキシ型の基を架橋させることによって官能化されたPOSである。組成物に取り込まれるセルロース繊維は、技術的問題(非脆性の架橋された非粘着性シリコーン塗膜を得ること)に対する解決策を与える。セルロース繊維は、シリコーン塗料皮膜の支持体への転写、切断抵抗、機械的特性(引張り強さ及び引裂強さ)、紙に対する塗膜の付着性、紙内での塗料液の吸収の減少及び補助的にはミスト化の低減に関して改善させるように与えられる。このミスト化の点について、米国特許第6057033号は、セルロース繊維によって生じるミスト化の低減についての定量的な評価を与えていない。この低減は完全に不十分なままであると思われるだけの十分な理由がある。
【0017】
さらに、粒状充填剤、例えば珪質充填剤を、軟質支持体、例えば紙支持体上に被覆させて非粘着性の架橋塗膜を形成させることを予定された液状シリコーン組成物に使用することは、かなり長い間、即ち、非粘着性シリコーン塗料の出現(米国特許第3503782号)以来知られてきた特徴であることに留意すべきである。
【0018】
また、参考までに、特開昭62−64011号公報が挙げられる。この特許文献は、皮膜形成用樹脂と溶媒を含有する塗料液を開示しており、また、このものは、1〜10μmの直径を有するワックス粒子であってその最大の粒子径が支持体に適用された未乾燥塗膜の厚さのせいぜい150%であるものも含有する。このような塗料液は、先験的にはミスト化が制限されるため、被覆速度を少なくとも10〜30m/分ずつ上昇させよう。この特許文献の教示は捨て去るべきである。なぜならば、このものはシリコーン塗料に関するものではないからである。
【0019】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第0716115号明細書
【特許文献2】
米国特許第4808391号明細書
【特許文献3】
米国特許第6057033号明細書
【特許文献4】
特開昭62−64011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
このような従来技術の記述に対して、本発明の本質的な目的の一つは、軟質支持体を架橋塗膜のための先駆物質である液状シリコーン組成物で被覆するとき(この被覆は高速度で操作するロールコーター操作の手段によって実施される)のミスト化を防止する効果的な方法を提供することである。
【0021】
本発明の他の本質的な目的は、軟質支持体の架橋させることを意図したシリコーン組成物での被覆中(この被覆は高速度で操作するロールコーターの手段によって実施される)にミスト化の出現を防止するための経済的且つ単純な方法を提案することである。
【0022】
本発明の他の本質的な目的は、軟質支持体をロールコーターによって高速度で被覆するにあたり、ミスト化をこの障害が出現する速度を有意に上昇させるような方法で減少させる被覆方法を提供することである。
【0023】
本発明のその他の本質的な目的は、軟質材料を非粘着性塗料としての架橋性シリコーン組成物の手段によってロールコーターにより高速度で被覆するときのミスト化を低減させるための新規な添加剤を提供することである。
【0024】
本発明のその他の本質的な目的は、軟質支持体を非粘着性塗料としての架橋性シリコーン組成物でロールコータの手段によって被覆するという状況内でミスト化するのを防止する方法を提供することであり、該方法は、軟質支持体の少なくとも一面上に得ることが望まれる架橋塗膜の外観及び/又は付着量及び/又は機械的性質(摩擦落ち)及び/又は非付着性に明白な影響を与えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0025】
これらの目的の全ては、特に、まず軟質支持体を1種以上のシリコーン塗膜の先駆物質である少なくとも1種の液状シリコーン組成物であって次の成分:
A.重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋できる少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(POS)、
B.随意として少なくとも1種の架橋用有機珪素化合物、
C.随意として少なくとも1種の架橋反応用触媒
を含むものでロールコーターを使用して被覆するときのミスト化の出現を防止する方法において、
・1種以上のPOS(A)及び随意として1種以上の化合物(B)(架橋剤)を含むシリコーン相であって25℃でのその粘度ηが2000mPa.s、好ましくは100〜1400mPa.sの間、さらに好ましくは100〜800mPa.sの間であるものを、
・ミスト化防止用水性シリコーンエマルジョン(AMASE)であってその水性相ψaが少なくとも20重量%の水、好ましくは20〜90重量%の水、さらに好ましくは20〜70重量%の水を含むもの、及び
・随意として、1種以上の化合物(A)と反応することができ又はできなくてもよい非有機珪素又は有機珪素有機化合物からなる希釈剤及び/又は溶媒によって形成された液状化合物(D)と
混合することによって得られた液状塗料組成物を使用することを特徴とする、ミスト化の出現を防止する方法に関する本発明によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本明細書に関わる全ての粘度は、「ニュートン粘度」と呼ばれる、即ち、測定される粘度が剪断速度とは無関係である程に低い速度でそれ自体周知の態様で測定される25℃での動粘度数に相当する。
【0027】
本発明者は、液状シリコーン層の塗布ロールから被覆されるべき走行軟質支持体ウェブへの転写中にミスト化を支配する現象を理解することができたことを認める。しかして、転写中に生じた液状シリコーンフィラメントを、これらのものが形成された後にできるだけ速やかに破断させることが必要であるという確認から出発して、本発明者は、この液状組成物の粘度に対していかなる容認できない憂慮すべき影響を及ぼすことなく、このシリコーン液状フィラメントを塗布ロールから走行シートへの転写中の早期に破断させるように、条件をその場で(コーターで)生じさせることのできる水性シリコーンエマルジョンを使用することを提案した。本発明によって得られる結果は、ミストが高速度で操作するロール被覆装置に出現する速度を有意に増加させる、ミスト化の効果的な制御である。
【0028】
組成物中に存在する水の量は、
・組成物中のAMASE濃度、及び
・AMASE中のψaの割合
によって制御される。
【0029】
理論に拘束されることを望まないが、本発明に従う方法を実施する状況内では、AMASEの転移及び/又は液状塗料組成物の分散相の粒度の変化(恐らくは低下)が併せて起こると仮定される。これは、AMASEエマルジョンをシリコーン相と混合させる操作及び同名の機械で(特にこの機械のロールで)液状塗料組成物が受けた高い剪断がエマルジョンを変性させることができるからである。しかして、AMASEが油中水型の逆エマルジョンであるときにその粒度はおそらく下方に変化する。さらに、AMASEが水中油型の直接エマルジョンであるときには、複合型の油中水中油型(O/W/O型)エマルジョンがその場で形成する。
【0030】
AMASEの分散相ψdの粒度に関して、これは、AMASEにある程度の安定性を与えるように選択される。この粒度は臨界的ではない。しかしながら、具体的に言うと、AMASEの分散相ψdは、D50によって与えられる粒度(μmで表す)がD50≦100、好ましくは0.001≦D50≦50であるようなものである液滴によって形成されると言える。本発明が意図するところでは、パラメーターD50とは、粒度分布のうち平均粒度である。これは、以下に記載される分析技術の一つによって得られた累積粒度分布図表に基づいて、粒子の母集団のうちの50%の累積に相当する粒度を決定することによって決定できる。具体的に言うと、この粒度パラメーターD50は、問題の粒子の重量のうち少なくとも50%の平均最大粒度に相当する。即ち、10μmのD50とは、粒子の50%が10μm未満の寸法を有することを意味する。この粒度の測定は、沈降、レーザー回折(例えば、コールター(登録商標)LSI30)、イメージアナライザーに連結された光学顕微鏡などのような慣用技術を使用して実施できる。
【0031】
本発明に従う方法を実行する好ましい態様によれば、AMASEは、油中水型の逆エマルジョンである。この油中水型の逆AMASEは、
・分散相ψdが、1種以上の添加剤が随意に添加された水の液滴(これらの液滴のD50は上に定義されるようなものである)によって形成され、しかも
・連続相ψcが少なくとも1種のシリコーンオイルと随意として少なくとも1種の添加剤とからなる
エマルジョンである。
【0032】
本発明を実施する付随的な方法によれば、AMASEは、水中油型の直接エマルジョンである。この水中油型の直接AMASEは、
・分散相ψdが上に定義されるようなD50を有するシリコーンオイルの液滴によって形成され、しかも
・水性連続相ψcが1種以上の添加剤を随意に含有する
エマルジョンである。
【0033】
これらの逆又は直接AMASEは、当業者に周知の乳化方法によって得られる。これらの方法は、水性相を油相と摩砕することなく及び摩砕しながら、即ち高剪断下で混合することを包含する。斯界では、逆乳化方法と直接乳化方法は区別され得る。例えば、水中油型エマルジョンを得るための逆乳化方法は、油中水型エマルジョン(通常逆エマルジョンと呼ばれる)を予め形成させ、次いでこのエマルジョンを逆転させる(これにより水中エマルジョンが得られる)ことを包含する。水中油型又は油中水型のエマルジョンを得るための直接乳化方法は、エマルジョンが、その準備から形成に至るまで直接エマルジョン、即ち水中油型エマルジョン又は油中水型逆エマルジョンである方法である。
【0034】
AMASEエマルジョンは、有利には、1種以上の界面活性剤の手段によって安定化される。これらの界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性又はさらに両性イオン性であることができる。界面活性剤は、より一般的には、HLBに従って選択される。用語HLB(親水性親油性バランス)とは、界面活性剤分子の極性基の親水性対それらの親油性部分の疎水性の比を意味する。HLB値は、例えば「Handbook of pharmaceutical excipients」,pharmaceuticalプレス社,ロンドン(1994)のような様々な基本的な解説書に報告されている。別法によれば、シリコーン/水のエマルジョンは、ポリビニルアルコールのような保護コロイドの手段によって安定化できる。また、水/シリコーンのエマルジョンは、ポリエーテルシリコーンによっても安定化できる[「シリコーン界面活性剤」,Surfactant Science,V86,ランデル・M・ヒル著(1999)]。さらに、固体粒子が水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンを安定化させることができることに留意すべきである。しかして、本発明の一つの有利な特徴によれば、シリカ粒子、好ましくは親水性のシリカ粒子であってその接触角が0°に近いものをAMASE(油中水型又は水中油型エマルジョン)を安定化させる手段として少なくとも1種の好適な補助安定剤と共に使用することが提案される。この補助安定剤の役割は接触角を修正することである。実際には、補助安定剤は、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性或いはさらに両性イオン性界面活性剤であることができる。さらに、粒状親水性シリカの特定の処理が可変の疎水性度を得るために及び接触角を最適化させるために使用できることに留意すべきである(Journal of Colloids and Interface Science,213,352−359(1999))。
接触角に関して、実際には、水中油型エマルジョンの形成は、オイル、固体及び水の間の接触角が90°未満であるときに有利であることに留意すべきである。接触角が90°以上であるときに、油中水型エマルジョンが安定化できる。
【0035】
また、本発明は、少なくとも1種の補助安定剤、好ましくは上述のものから選択されるものと混合されたシリカ(好ましくは親水性シリカ)粒子を含む水性シリコーンエマルジョンを安定化させる手段に関するものでもある。
【0036】
本発明の有利な別法によれば、AMASEは、非セルロース系のミスト化防止用粒子であって、D50によって与えられるその粒度(μmで表す)が
D50≦10、
好ましくは0.001≦D50≦5、
さらに好ましくは0.01≦D50≦2
であるようなものと共に使用され、これらのミスト化防止用粒子は、液状シリコーン組成物にせいぜい30重量%の量で、好ましくは0.1〜15重量%の量で、さらに好ましくは1〜10重量%の量で取り入れられる。
【0037】
有利には、これらのミスト化防止用粒子は、
・カーボンブラック
・SiO2、
・CaCO3、
・TiO2、
・BaSO4、
・Al2O3、
・石灰
・タルク
・雲母
・石英粉末
・天然又は合成クレー(膨潤された又は膨潤されていないひる石、カオリン)
・セルロース系重合体以外の1種以上の合成重合体を基材とした粉末
・珪藻土、及び
・それらの2種以上の混合物
よりなる群から選択され、シリカ、カオリン、タルク及びTiO2が特に好ましく、これらの粒子は随意として表面処理を受けたものである。
【0038】
これらのミスト化防止用粒子のBET比表面積は、0.5m2/g〜500m2/gの間、好ましくは2〜400m2/gの間、さらに好ましくは5〜300m2/gの間である。
【0039】
ミスト化防止用粒子がシリカからなる場合には、このものはコロイドシリカ、沈降シリカ又は熱分解法シリカであることができることが指摘されるべきである。
これらのシリカは、好ましくはそれ自体として使用され、或いは、別法によれば、この目的のために通常使用される有機珪素化合物の手段による表面処理に付され得る。このような化合物として、
A.ヘキサメチルジシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンのようなメチルポリシロキサン
B.ヘキサメチルジシラザン及びヘキサメチルトリシラザンのようなメチルポリシラザン
C.ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルビニルジクロルシラン及びジメチルビニルクロルシランのようなクロルシラン
D.ジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランのようなアルコキシシラン
が挙げられる。
この処理中に、シリカはその初期重量を20%のレベルまで、好ましくは約18%に増加できる。
【0040】
合成重合体を基材とするミスト化防止用粒子は、1種以上の重合性有機単量体を乳化共重合させるための慣用法から誘導された重合体からなる。これらの有機単量体は、好ましくは、
・(a)(メタ)アクリル酸アルキルであってそのアルキル部分が好ましくは1〜18個の炭素原子を含むもの、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸2−エチル−2−ヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸クロルエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸3.3−ジメチルブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸フェニル、クロルアクリル酸ブチル、クロルアクリル酸メチル、クロルアクリル酸エチル、クロルアクリル酸イソプロピル及びクロルアクリル酸クロルヘキシル、
・(b)モノカルボン酸のα,β−エチレン性不飽和エステルであって、その酸部分が非重合性であり、その不飽和部分が好ましくは2〜14個の炭素原子を含み、その酸部分が2〜12個の炭素原子を含むもの、特に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸アルキル、ベルサチン酸ビニル(C9〜C11のα−分岐酸のエステルのために付した登録商標)、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル、トリメチル酢酸ビニル、ビニルピビレート(vinyl pivilate)及びトリクロル酢酸ビニル、
・(c)4〜24個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和ポリカルボン酸のエステル及びセミエステル、特に、マレイン酸ジメチル及びジエチル、フマル酸メチル及びエチル並びにフマル酸2−エチルヘキシル、
・(d)ハロゲン化ビニル、特に、塩化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン及び弗化ビニリデン、
・(e)好ましくはせいぜい24個の炭素原子を有するビニル芳香族であって、特に、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−クロルスチレン、3−クロルスチレン、4−クロル−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−ジクロルスチレン、2,6−ジクロルスチレン、2,5−ジフルオルスチレン及び1−ビニルナフタリンから選択されるもの、
・(f)好ましくは3〜12個の炭素原子を有する共役脂肪族ジエン、特に、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2−クロル−1,3−ブタジエン、及び
・(g)アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのような、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するα,β−エチレン性不飽和ニトリル
から選択される。
【0041】
任意のその他の重合体(ただし、セルロース系重合体を除くものとする)、好ましくは、それ自体周知の方法、例えば、極低温粉砕、小球化、微粒化などによって得られた粉末の形であるものをAMPとして使用することが可能である。
【0042】
これらの重合体粉末は、例えば、ポリアミド又はポリテトラフルオルエチレン(PTFE)粉末であることができる。
【0043】
また、少なくとも1種のAMASEを含み又はさらにミスト化防止用粒子も添加された液状塗料組成物を製造する方法は、本発明の必須要素の一つをも構成する。しかして、シリコーン相の少なくとも一部分をAMASE又はさらに乾燥した微粉の形及び/又は液体(有機又は水性)中に懸濁した形、好ましくは粉末の乾燥した形のミスト化防止用粒子の全て又は一部分と混合することが好ましい。
【0044】
より正確に言うと、混合の好ましい方法は、次の方法:
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子の全てをシリコーン相と連続又は分散された形で徐々に混合すること、或いは
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子をPOS(A)のある部分と徐々に混合し、次いで、この中間混合物をシリコーン相の残部からなるシリコーン相と連続又は分散された形で混合すること
のいずれかである。
【0045】
さらに好ましくは、AMASEシリコーン相又はさらにミスト化防止用粒子の混合は、慣用型ミキサーであって室温で操作して液状媒体に分散させることが知られているものを使用して実施される。
【0046】
例として、低速分散器、静ミキサー、ブレードミキサー、一軸スクリュー又は多軸スクリュー押出機、遊星型ミキサー及び湾曲ミキサーが挙げられる。
【0047】
勿論、液状シリコーン組成物は、シリコーン相に最初に含まれる或いはAMASE又はさらにミスト化防止剤との混合中に取り入れられるその他の添加剤を含み得る。
【0048】
ミスト化を防止する好ましい方法によれば、液状塗料組成物のシリコーン相の構成成分として次の物質:
・POS(A):次式:
【化1】
(式中、
− Wはアルケニル、好ましくはビニル又はアルキル基であり、
− Zは、触媒の活性に不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
− aは1又は2であり、bは0、1又は2でありa+bは1〜3である)
の単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
【化2】
(式中、Zは上記と同一の意味を有し、cは0〜3の値、例えば1〜3の値を有する)
の単位である物質(特に、ジメチルビニルシリル末端基を有するジメチルポリシロキサン、トリメチルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体、ジメチルビニルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体及び環状メチルビニルポリシロキサンが選択される)、
・POS(B):次式:
【化3】
(式中、
− Lは、触媒の活性に対して不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
− dは1又は2であり、cは0、1又は2であり、d+cは1〜3の値を有する)
の単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
【化4】
(式中、Lは上記と同一の意味を有し、gは0〜3の値を有する)
である物質(特に、ポリ(ジメチルシロキサン)(メチルヒドロゲノシロキシ)(α,ω−ジメチルヒドロゲノ)シロキサンが選択される)。
が選択される。
【0049】
これらのPOSは、室温で又は金属触媒(この場合には白金をベースとした)の存在下での重付加反応による熱の適用によって架橋するタイプのものであることができる。これらのものは、RTV(室温加硫性)組成物と呼ばれる架橋性POS組成物又はHCE(これは「熱硬化性エラストマー」を短縮したものである)組成物と呼ばれる重付加POS組成物である。
【0050】
RTV又は重付加HCEのどちらかである二成分又は一成分のPOS組成物は、一般に金属(好ましくは白金)触媒の存在下にアルケニルシリル基上のヒドロゲノシリル基の反応によって実質的に架橋する。これらのものは、例えば、米国特許第3220972号、同3284406号、同3436366号、同3697473号及び同4340709号に記載されている。
【0051】
別法によれば、使用される液状シリコーン組成物は、一般に金属触媒、例えば錫化合物の存在下に湿気の作用下で重縮合反応(RTV重縮合)させることにより室温で架橋する二成分又は一成分POS組成物から選択できる。これらの組成物は、例えば、米国特許第3065194号、同3542901号、同3779986号、同4417042号及び仏国特許第2638752号(一成分組成物)並びに米国特許第3678002号、同3888815号、同3933729号及び同4064096号(二成分組成物)に記載されている。これらの重縮合RTV組成物に含まれるPOSは、ヒドロキシル基又は加水分解性基、例えばアルコキシ基を有する分岐又は架橋線状ポリシロキサンである。類似の組成物は、特に、例えばシリケート、アルキルトリアルコキシシラン又はアミノアルキルトリアルコキシシランのような少なくとも3個の加水分解性基を有する化合物である架橋剤をさらに含有できる。
【0052】
また、液状シリコーン塗料組成物は、
・有効量の陽イオン性開始系(熱開始剤及び/又は光開始剤)、例えば硼酸オニウム型又は有機金属錯体型の開始剤、有機プロトン供与性溶媒(イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなど)の存在下に陽イオン又はラジカル手段によって
・及び/又は、場合に応じて、ラジカル開始剤の存在下に化学線(UV)照射又は電子ビームによって
架橋できる1種以上のPOSも含み得る。これらのPOSは、例えば、線状又は環状のどちらかであるエポキシシリコーン及び/又はビニルエーテルシリコーンである。このようなエポキシ又はビニルオキシ官能性POSは、例えば、特許DE−4009889号、EP−0396130号、EP−0355381号、EP−0105341号、FR−2110115号及びFR−2526800号に記載されている。
エポキシ官能性POSは、SiH単位を有するオイルと4−ビニルシクロヘキサノン又はアリルグリシジルエーテルのようなエポキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造できる。ビニルオキシ官能性POSは、SiH単位を有するオイルとアリルビニルエーテル又はアリルビニルオキシエトキシベンゼンのようなビニルオキシ官能性化合物との間のヒドロシリル化反応によって製造できる。
【0053】
また、これらのPOS以外に、液状シリコーン塗料組成物は、
E.少なくとも1種の定着剤(E)、
F.及び/又は重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋するシリコーン組成物に標準的な少なくとも1種の添加剤(F)
も含有できる。
添加剤(F)について、
− 重付加POSRTV組成物の場合には、付加反応遅延剤(例えば、テトラメチルビニルテトラシロキサン、ピリジン、ホスフィン、ホスフィット、不飽和アミド及びアセチレンアルコール)、
− RTV又はHCEPOS組成物の場合には、アルキルトリアルコキシシラン、珪酸アルキル、ポリ珪酸アルキル(珪酸メチル、珪酸エチル、珪酸イソプロピル、珪酸n−プロピルなど)のような架橋剤
− 陽イオン手段によって及び/又は放射若しくは電子ビーム下での活性化によるラジカル手段によって架橋できるPOSの場合には、
・エポキシエーテル希釈剤
・カーボンブラック、二酸化チタン、フタロシアニン、ベンズイミダゾロン、ナフトン、ジアゾピラゾロンなどを含むタイプの顔料、
・ポリ芳香族(随意として金属ポリ芳香族)及び複素環式生成物(フェノチアジン、テトラセン、ペリレン、アントラセン、キサントピナコール、チオキサントンなど)、及び
− 一般に、全てのPOSについて、
・顔料
・α−オレフィン、
・安定剤、特に、エマルジョン塗料組成物のために使用できる安定な界面活性剤
が挙げられる。
【0054】
有利には、液状シリコーン塗料組成物は、
・1種以上のPOS(A)と、随意として化合物(B)と、随意として希釈剤及び/又は溶媒(Di)とを含み、しかも
・AMASE又はさらにミスト化防止用粒子が添加された
シリコーンオイルである。
希釈剤及び/又は溶媒(Di)の例として、脂肪族及び芳香族溶媒、塩素化溶媒、例えば、ホワイトスピリット、ケトン、有利にはメチルエチルケトン及びアセトン、アルコール、有利にはイソプロパノール及びn−ブチルアルコール、飽和、不飽和又は芳香族炭化水素、有利にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン及びベンゼン、「ナフサ」石油留分、C7〜C8石油留分(特にガソリンE)、ハロゲン化炭化水素並びにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0055】
別法によれば、液状シリコーン塗料組成物は、化合物(A)及びBを主体とし、随意としてミスト化防止用粒子が添加されたシリコーン相を有する水性エマルジョンである。これらのシリコーンエマルジョンは、例えば仏国特許出願第97/16872号に記載されるようなそれ自体周知の態様で得られ、その内容は、参照のために本明細書に取り入れている。
【0056】
別の側面からみれば、本発明は、ロールコーターの手段により軟質支持体を被覆して架橋塗膜を形成させるための架橋性液状シリコーン組成物における、AMASE(又はさらに非セルロース系粒子)の、被覆中にミスト化の出現を防止するようなミスト化防止用添加剤としての使用において、該AMASE(又はさらにミスト化防止用粒子)が上に定義されたようなものであることを特徴とするAMASEのミスト化防止用添加剤としての使用に関する。
【0057】
最後に、本発明は、軟質支持体をシリコーン塗膜の先駆物質として作用する少なくとも1種の液状シリコーン組成物で被覆するに際して該被覆操作をロールコーターの手段によって実施する被覆方法において、上に定義されるようなミスト化の出現を防止するための方法を使用することを特徴とする被覆方法に関するものでもある。
【0058】
従って、本発明は、軟質支持体(例えば、紙、フィルム又は重合体フィルム製の)を架橋性液状シリコーン組成物で高速度で操作するロールコーターでもって被覆するときのミスト化を防止する新規で単純、経済的且つ信頼性のある手段を提供することは明らかである。実際的な産業上の有用性は、塗膜品質に有害なこのミスト化現象を生じさせることなく走行速度をさらに増加させることができるということである。また、本発明が提案する防止手段は、軟質支持体の少なくとも一方の側に得るを望まれる架橋されたシリコーン塗膜の外観品質、付着量、非粘着性及び機械的(摩擦落ち)性質を損なわないという大きな利点も有する。
【0059】
さらに、ミスト化の低減は、高速度で操作する工業用シリコーンロールコーター付近の作業者のための衛生及び安全性の条件を有意に改善させる。
【0060】
本発明は、次の実施例に照らせばより明確に理解されるであろう。
【実施例】
【0061】
これらの例では、粘度は、1982年5月のAFNOR NFT 75 106標準法で与えられた情報に従いブルックフィールド粘度計を使用して測定した。
例1〜6
表1:ミスト化防止用シリコーンエマルジョン(AMASE)の組成。
【表1】
【0062】
・TRIDECETH8はエトキシル化アルコールからなる界面活性剤である。
・重合体P1:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が約600mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
・重合体P2:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が約200mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
・重合体P3:末端基がジメチルビニルシロキシル基によってブロックされており、しかも粘度が100mPa.sであるポリジメチルシロキサン。
【0063】
例8〜19
AMASEエマルジョンの評価
高速度で操作するロールコーターで生じたミストを分析及び定量化するために、紙のウェブを900m/分以上の線速度で走行させることができる二本ロールコーターを再現可能に操作して実験室規模で使用した。また、十分に強力なライトプロジェクターも二本のロール(加圧ロールと塗りロール)の組み合わせ体を照らし、それによってミスト化が視覚的に検出可能になるロールの回転速度を観測できるように設置した。二本のロール(加圧ロールと塗りロール)は10cmの直径を有していた。加圧ロールをゴムで被覆し、塗りロールをクロムで被覆した。二本のロールが同一速度で動くように、塗りロールをダンベルの形に切断した。モーターにより駆動できる加圧ロールを一定の圧力下で塗りロールと接触させた。液状シリコーン塗料を2本のロールの隙間に直接注いだ。流体の使用量は、1ml又は0.25mlであった。
【0064】
次いで、様々な組成物をシリコーン重合体(上に定義されるようなP1、P2、P3)と様々な直接又は逆エマルジョンとを混合させることによって製造した。
このように得られた混合物をUltra Turraxを使用して均質化した。次いで、上記の回転装置を使用し、そのロールに当該配合物を塗布した。次いで、ロールの回転速度を徐々に増加させ、ミスト化の出現が視覚的に検出された接線速度以上の接線速度を記録した。
以下の表2は得られた結果を与える。
【表2】
【0065】
これらの結果は、直接又は逆エマルジョンのシリコーン組成物への添加がミスト化が生じる速度を拡大させるのを可能にさせ、さらにこれらのエマルジョンがミスト化低減剤であると評価できることを示している。
使用した全ての直接又は逆エマルジョンは、ミスト化が出現する速度を増加させるのを可能にする(例9及び20と例8及び17の比較)。
いかなるタイプの重合体(P1及びP2)を使用しても、ミスト化が出現する速度の増加が見られ得る。
いかなる安定剤系を使用しても(陽イオン性補助界面活性剤、保護コロイドの存在下又は非存在下でのポリエーテルシリコーン、コロイドシリカ)、その効果が観察される(例9、11、12、15、16、20、21とその対応する対照例8、10、14及び17との比較)。この効果は、導入されるエマルジョンの量によって変化し得る(例12及び13と例10との比較)。また、これらの観察は再現可能であることも確かめられた(例18及び19と例15及び16の比較)。
Claims (15)
- 軟質支持体を1種以上のシリコーン塗膜の先駆物質である少なくとも1種の液状シリコーン組成物であって次の成分:
A.重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋できる少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(POS)、
B.随意として少なくとも1種の架橋用有機珪素化合物、
C.随意として少なくとも1種の架橋反応用触媒
を含むものでロールコーターを使用して被覆するときのミスト化の出現を防止する方法において、
・1種以上のPOS(A)及び随意として1種以上の化合物(B)(架橋剤)を含むシリコーン相であって、25℃でのその粘度ηが2000mPa.s未満、好ましくは100〜1400mPa.sの間、さらに好ましくは100〜800mPa.sの間であるものを、
・ミスト化防止用水性シリコーンエマルジョン(AMASE)であって、その水性相ψaが少なくとも20重量%の水、好ましくは20〜90重量%の水、さらに好ましくは20〜70重量%の水を含むもの、及び
・随意として、1種以上の化合物(A)と反応できる又は反応できなくてもよい非有機珪素又は有機珪素の有機化合物からなる希釈剤及び/又は溶媒によって形成された液状化合物(D)と
混合することによって得られた液状塗料組成物を使用することを特徴とする、ミスト化の出現を防止する方法。 - AMASEが油中水型の逆エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- AMASEが水中油型の直接エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- AMASEが非イオン性、陰イオン性、陽イオン性又は両性イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- AMASEを安定化させる手段として、シリカ粒子を少なくとも1種の補助安定剤、好ましくは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性又は両性イオン性界面活性剤から選択される補助安定剤と共に使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- AMASEを非セルロース系ミスト化防止用粒子であってD50によって与えられるその粒度(μmで表す)が
D50≦10、
好ましくは0.001≦D50≦5、
さらに好ましくは0.01≦D50≦2
であるようなものと共に使用し、ここで、これらのミスト化防止用粒子は、
液状シリコーン組成物にせいぜい30重量%の量で、好ましくは0.1〜15重量%の量で、さらに好ましくは1〜10重量%の量で取り入れられ、
好ましくは次の群:
・カーボンブラック、
・SiO2、
・CaCO3、
・TiO2、
・BaSO4、
・Al2O3、
・石灰、
・タルク、
・雲母、
・石英粉末、
・天然又は合成クレー(膨張した又は膨張していないひる石、カオリン)
・セルロース系重合体以外の1種以上の合成重合体を主体とした粉末、
・珪藻土、及び
・それらの2種以上の混合物
から選択され(シリカ、カオリン、タルク及びTiO2が特に好ましい)、しかも
随意として表面処理を受けたものとする
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - シリコーン相の少なくとも一部分をAMASEの全て又は一部分と混合することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- AMASEの全てをシリコーン相と連続又は分散された形で徐々に混合し、或いはAMASEの全てをPOS(A)のある部分と徐々に混合し、次いでこの中間混合物をシリコーン相の残部をからなるシリコーン相と連続又は分散された形で混合することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- シリコーン相/ミスト化防止用粒子の混合を慣用型ミキサーであって室温で操作して流動媒体に分散させることが知られているものを使用して実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- シリコーン相の成分として、次の物質:
・POS(A):次式:
Wはアルケニル、好ましくはビニル又はアルキル基であり、
Zは、触媒の活性に不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピルから、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
aは1又は2であり、bは0、1又は2であり、a+bは1〜3である)
の単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
の単位である物質(ここで、特に、ジメチルビニルシリル末端基を有するジメチルポリシロキサン、トリメチルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体、ジメチルビニルシリル末端基を有するメチルビニルジメチルポリシロキサン共重合体及び環状メチルビニルポリシロキサンが選択される)、
・POS(B):次式:
Lは、触媒の活性に不都合な作用を及ぼさず、しかも好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、有利にはメチル、エチル、プロピル及び3,3,3−トリフルオルプロピル基から、並びにアリール基、有利にはキシリル、トリル及びフェニル基から選択される1価の炭化水素基であり、
dは1又は2であり、cは0、1又は2であり、d+cは1〜3の値である)
のシロキシル単位を有し、随意としてその他の単位の少なくとも一部分が次の平均式:
の単位である物質[ここで、特に、ポリ(ジメチルシロキサン)(メチルヒドロゲノシロキシ)(α,ω−ジメチルヒドロゲノ)シロキサンが選択される]
を選択することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 - ・有効量の陽イオン性開始系(熱開始剤及び/又は光開始剤)、例えば硼酸オニウム型又は有機金属錯体型の開始剤、有機プロトン供与性溶媒(イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなど)の存在下に陽イオン又はラジカル手段によって、
・及び/又は、場合に応じて、ラジカル開始剤の存在下に化学線(UV)照射又は電子ビームによる活性化によって
架橋できる1種以上のPOS(これらのPOSは、好ましくは線状又は環状のいずれかであるエポキシシリコーン及び/又はビニルエーテルシリコーンである)を選択することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 - 液状シリコーン塗料組成物が次の成分:
E.少なくとも1種の定着剤(E)、
F.及び/又は重付加、重縮合、陽イオン手段又はラジカル手段によって架橋するシリコーン組成物に標準的な少なくとも1種の添加剤(F)
をさらに含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。 - 液状シリコーン組成物が、
・1種以上のPOS(A)と、随意として化合物(B)と、随意として希釈剤及び/又は溶媒(Di)とを含み、しかも
・ミスト化防止用粒子が添加された
シリコーンオイルであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。 - 液状シリコーン組成物が化合物(A)、随意として化合物(B)及びAMASEを主体とするシリコーン相を含む水性エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- ロールコーターの手段により軟質支持体を被覆して架橋塗膜を形成させるための架橋性液状シリコーン塗料における、少なくとも1種のミスト化防止用シリコーンエマルジョン(AMASE)の、被覆中のミスト化の出現を防止するようなミスト化防止用添加剤としての使用において、該AMASEが請求項1に記載されたようなものであることを特徴とする、AMASEのミスト化防止用添加剤としての使用。
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