JP2004524516A - 麻痺性貝毒のアッセイ - Google Patents

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Abstract

サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)を検出し及び/又はその量を測定する方法であって、次のステップ:1)単離精製サキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを提供するステップと、2)これをサンプルと接触させるステップと、3)前記単離精製サキシフィリンとサンプルに含まれるPSTとの結合を測定するステップと、結合の量とサンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度とを関連付けるステップとを含む方法。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、サキシトキシン結合性ポリペプチドであるサキシフィリンの単離精製に関する。また、本発明は、精製サキシフィリンを用いる、サキシトキシンの検出、濃縮、精製及び抽出のための方法、アッセイ及びデバイスに関する。特に、放射能標識された試薬を使用する必要が無く、現場での使用に適した、経済的で強力且つ処理能力の高いアッセイに関する。
【発明の背景】
【0002】
渦鞭毛虫類由来の毒素を含有する魚類、甲殻綱動物類又は軟体動物類の摂取による麻痺性貝中毒は世界規模の問題となっており、ヒトに重篤な症状をもたらし、死に至ることも多い。この中毒は、原型分子サキシトキシン(archetypal molecule saxitoxin)(STX)に関連する毒素群である麻痺性貝毒(paralytic shellfish toxins, PST)により引き起こされる。また、毒性淡水藻の異常発生により、麻痺性貝中毒を引き起こすのと同じ神経毒で上水(water supplies)が汚染されることがある。この毒素汚染水は、ヒト、家畜、及び野生動物に甚大な被害をもたらすことがある。
【0003】
PSTの一般構造は次の通りである。
【0004】
【化1】
Figure 2004524516
【0005】
この毒素群は、サキシトキシン類(saxitoxins (STX)、強力な神経毒であって、硫酸塩化されていない);ゴニオトキシン類(gonyautoxins (GTX)、一箇所のみ硫酸塩化されている);N−スルホカルバモイル−11−ヒドロスルフェート C−トキシン類(C-toxins)(STXやGTXより毒性は低い)の3分類に分けられる。
【0006】
PSTの毒性は、PSTが電位依存性ナトリウムチャネルに結合することに起因する。この結合によりナトリウムイオンの流入が妨げられて神経筋の伝達が妨げられる。これにより呼吸器系の麻痺が引き起こされるが、これに対する治療法はない。麻痺性貝中毒の勃発例のうち数ケースにおいては、40%もの患者が死亡した。PSTは、テトロドトキシンと構造は全く異なるが、ナトリウムチャネルの同じ部位に結合する(ハル(Hall)ら、1990)。テトロドトキシンとPSTは同時に存在することがあるため、PSTを検出するアッセイは、PSTとテトロドトキシンとを区別できるものであることが必要である。
【0007】
PST(以下、トキシンともいう)の源である渦鞭毛虫類は、赤潮として知られている藻の異常発生を周期的に引き起こす(アンダーソン(Anderson)、1994)。商業的に重要な種類を含むあるいは養殖技法により育成される軟体動物類、魚類、及び甲殻綱動物類は、これらの渦鞭毛虫類を餌にしてトキシンを蓄積している虞がある。個々の海洋動物がトキシンを含んでいるか否かを一般的な概略検査によって検出することはできないため、人間が不注意にトキシン含有動物を摂取してしまう危険がある。従って、中毒の危険を避け、社会的且つ経済的なコスト負担を防止するため、摂取される種にPSTが存在するかどうかをモニターする必要がある。
【0008】
20を超えるサキシトキシンの天然の類似体(analogues)が知られており、哺乳類に対してこれらが及ぼす毒性も様々である。天然に存在するPSTのうちの数種を表1に記載する。
【0009】
【表1】
Figure 2004524516
【0010】
【表2】
Figure 2004524516
【0011】
藻の異常発生件数は、世界的に増加していると思われ、その原因はおそらく沿岸の海水の富栄養化や地球温暖化である。その結果、麻痺性貝中毒の発生あるいは貝等の生物のPSTによる汚染の発生も増加している。例えば、2000年だけで、マレーシアのサバ州で4名が中毒し、貝漁場が4ヶ月間閉鎖された。フィリピン・マニラ湾の貝漁場が数ヶ月間閉鎖された;米国ワシントン州で9名が中毒し、5名が入院し、米国ケープコッド及びサウスメーンで2000年に数ヶ月間貝漁場が閉鎖された;2000年5月、ニュージーランド北島西岸での全ての採貝が、藻の異常発生のため停止されたが、この藻の異常発生は、年間8400万ニュージーランドドルものミドリイガイ(mussels)を生産する貝床にもう少しで到達する所であった;2000年6月、スコットランドで採貝が禁止された;麻痺性貝中毒を発生させる異常発生が南アフリカ及び中国で発生した;2000年7月カナダで確認された汚染の結果、3000の養殖サケが損害を受けた。特に、米国では最近の10年間に貝汚染が約150件発生し、12ヶ月にも亘る貝漁場の閉鎖を余儀なくされている;スコットランドの数箇所で3年間の閉鎖が起きている;1994年モロッコで4名が死亡し、74名が入院した;フィリピンでは1983年以降約1600名が中毒した(1983年より前はこのような中毒が確認されることは殆ど無かった);1997年インドにおける一回の発生で7名が死亡、500名が入院し、採貝の禁止により1000世帯が失業した。
【0012】
ヒトが摂取する海洋生物の汚染を検出するための簡単、強力且つ信頼性のある方法に対する要望があるのは明らかであるが、残念ながら、現在利用できる方法は満足できるものではない。有毒産品が市場に出回っていないことを確認するための貝の正式な試験が必要である(ヴァン・エグモント(Van Egmond)とデッカー(Dekker),1995)。現在、公式に保証されている方法は、Association of Official Analytical Chemists(AOAC)公認分析方法(セクション959.08 E,1990)で認められているマウス致死によるバイオアッセイのみである。この方法では、毒を有する可能性のある生物(貝等)のHCl抽出物をマウスに腹腔内注射し、注射してから死に至る時間を測定する必要がある(ソマー(Sommer)とメイヤー(Meyer),1937;ハンガーフォード(Hungerford),1995)。このマウスは、毒性サンプルを調べるために感度が正しく標準化されたマウスの株のものでなければならず、また、サンプルの希釈は5〜7分で死に至らしめるように行わなければならない。この方法は残酷であるとともに高価で一般的ではない。更に、動物保護規制のため、特にEUやオランダ、ドイツ等の国で禁止されようとしている。また、中でも重要な問題は、マウスバイオアッセイの感度が180μg STX/Lという低感度であることである(ジョンソン(Johnson)とマルベリー(Mulberry),1966)。
【0013】
このように感度が悪いということは、ヒトに毒性をもたらすのに十分なレベルのPSTであっても検出されないという重大な危険があることを意味する。例えば、フィリピンでは貝の摂取により子供達が死亡したことがあり、この時のマウス致死によるバイオアッセイで検出されたSTXは貝肉100g当たり40μgという少量であった。この量は、抽出溶媒及び貝自身によって希釈されていることを考慮すると約200μgに相当する。この毒性レベルは、マウス致死によるバイオアッセイの検出限界と同じである。
【0014】
このような問題があるため、
(a)中毒を引き起こす生物の存在を生物学的観察により検出する
(b)DNAプローブ等の方法を用いて、in situ 検出する、又は
(c)生化学的、生理学的若しくは化学的アッセイにより海洋生物に含まれる毒素の存在を検出する
ことに基づく新たなアッセイを開発する試みがなされてきた。
【0015】
一つのアプローチでは、電位ゲートナトリウムチャンネル(VGSC)のブロック、即ち、興奮性細胞内の大きな膜貫通タンパク質を利用する。このタンパク質は、細胞のポテンシャル差の変化に応じて中心ポアが開いた時、ポアにイオンを通過させる。(ドゥセット(Doucette)ら,1997;(ジェレット(Jellett))ら,1992;ヴァイテス(Vieytes)ら,1993等を参照)。これらのアッセイはラジオリガンドアッセイであり(ヴァイゲレ(Weigele)とバルヒ(Barchi),1978)、サンプル処理量が多いマイクロタイタープレート形式に適合させることができる(ドゥセット(Doucette)ら,1997)。あるいは、ナトリウムチャネルを通過するイオンの量を増やすために過剰刺激を与えた培養細胞を使用することができる(ジェレット(Jellett)ら,1992;米国特許第5,420,011号及び第5,858,687号)。
【0016】
しかしながら、これらのアッセイは放射能標識された試薬や細胞培養物を必要とするため、高価であると共に技術的にも複雑である。更に、これらのアッセイはpH変動に対して不安定である。これは、pHが6.7より高い場合、イオンチャネルからPSTが、離脱し易いためである。同様にこれらのアッセイは、カチオン濃度に対しても不安定であり、更に重要なことには、テトロドトキシンをも検出してしまうため特異性がない。従って、これらのアッセイは現場での使用に適さない。化学的アッセイは複雑である。これは、個々のトキシンの構造の違いが非常に大きい、即ち、高い極性を有するものから親油性のものまで、分子量が小さいものから大きいものまであるためである。更に、これらの化学的方法は既知のトキシンの標準サンプルを使用する必要があるため、生物学的に活性な新しいPSTを測定できない。従って、高速液体クロマトグラフィーや質量分析法、キャピラリー電気泳動等の化学的方法や抗体を用いた検出に基づくアッセイでは、広範な種類のトキシンを検出できない。
【0017】
貝の粗抽出物に対し簡単迅速に一次的クリーンアップ(preliminary clean-up)をする方法と、ベンチやデスク上での側方流イムノクロマトグラフィーアッセイ(販売:ジェレット・バイオテック(Jellett Biotek))とを組み合わせて一次的な結果を10分以内に得ることができる。しかしながら、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いた確認的スクリーニングが必要である。一次的クリーンアップでは、親油性毒素に適した5cm固相カラムにギ酸アンモニウム移動相を通した後、トーソー・ハース(Tosoh-Haas)アミド40カラムにテトラニトリル−2mMギ酸アンモニウム(60〜90%勾配、pH3.5)を通してLCMSを行う。2000年9月の国際マリンバイオテクノロジー会議(タウンスビル)において、M.A.キリアム(M. A. Quilliam)により一次報告(preliminary report)が示された。
【0018】
本発明者らはこれまで別の方法、即ちサキシフィリンとして知られているレセプタータンパク質に基づく方法を用いてきた。このタンパク質は、アミノ酸配列においても機能的性質においてもVGSCとは全く関連がなく、STXとは特異的に結合するが、テトロドトキシンとは結合しない(ルーエリン(Llewellyn)とモチドロスキー(Moczydlowski),1994)。サキシフィリンのSTX結合能は、藍藻や甲殻綱動物、軟体動物に含まれるPSTを検出するための低処理量ラジオリガンド結合アッセイで使用されている(カーミッシェル(Carmichael)ら,1997;ネグリ(Negri)とルーエリン(Llewellyn),1998)。この方法は、Hで標識されたSTXをサキシフィリンから離すことを利用している。本発明者らは、サキシフィリン含有粗抽出物を用いて、PST検出のためのマイクロタイタープレートアッセイを開発した(ルーエリン(Llewellyn)ら,1998;ルーエリン(Llewellyn)とドイル(Doyle),2000)。このアッセイは、高処理量、高感度で非常に正確であると共に、貝抽出物に含まれる他の化合物による干渉や、貝から抽出する際のトキシンの安定性維持のために必要な酸性pHによる悪影響がないという利点も有する。しかしながら、放射能標識された物質が必要であるという欠点は残っている。
【0019】
このアッセイで用いられるサキシフィリンは、プロテアーゼ阻害剤混合物(cocktail)を含有するバッファーの中でムカデ(Ethmostigmus rubripes)試料をホモジナイズすることにより得られる粗調製物である。この調製物により、良好な感度が得られるが、試薬の入手し易さや再現性のある一定した調製物ではないことになお問題がある。従って、漁船上、養殖施設等の現場での使用に適し且つ広範な種類のSTXを検出する、迅速で強力なアッセイに対するニーズは、当分野において未だに存在する。
【0020】
本明細書中では従来技術に係る多くの刊行物に言及したが、これらの文献がオーストラリアや他の国において当分野の共通一般知見の一部を構成しているということを自認するものではないことは明確に理解されよう。
【発明の概要】
【0021】
本発明の一様相においては、サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)を検出し及び/又はその量を測定する方法であって、次のステップ:
1)単離サキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを提供するステップと、
2)これをサンプルと接触させるステップと、
3)単離サキシフィリンとPSTの結合を測定するステップと、
結合の量と、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度とを関連付けるステップと
を含む方法が提供される。
【0022】
単離サキシフィリン又はそのフラグメントは、検出可能な標識に結合させてもよいし、固体支持体に固定化してもよい。検出可能な標識は適切な標識とすればよく、当業者であれば理解できるであろう。また、何らかの簡便な方法で固体支持体に結合させてもよい。
【0023】
本発明の別の様相では、サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定する方法であって、次のステップ:
(a)マイクロタイターろ過プレートのフィルターをポリカチオンで前処理するステップと、
(b)単離サキシフィリンを含む標識サキシフィリンの既知量、又は検出可能なマーカーで標識されたサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントの既知量と、麻痺性貝毒を含む疑いのある材料の順次希釈物とをプレートのウェルに添加するステップと、
(c)存在する麻痺性貝毒全てが標識サキシフィリンに結合するのに十分な時間、プレートをインキュベートするステップと、
(d)各ウェルのフィルターを通して該ウェルの内容物を吸引し、標識サキシフィリン及びそれに結合した化合物以外の成分を除去するステップと、
(e)各ウェル及びフィルターをすすいで、残留未結合化合物を除去するステップと、
(f)フィルターに保持された標識サキシフィリンの量を測定するステップと
を含み、対照サンプルと比較した標識サキシフィリンの結合の程度がサンプル中に存在する麻痺性貝毒の量を示す、方法が提供される。
【0024】
本発明の別の様相では、固体支持体に結合した単離サキシフィリンが提供される。
【0025】
本発明の更に別の様相では、検出可能な標識で標識された単離サキシフィリンが提供される。
【0026】
別の様相では、本発明は、無脊椎動物のサキシフィリンを単離する方法であって、次のステップ:
(a)サキシフィリンを生産する節足動物の個体を、プロテアーゼ阻害剤を含有する生理学的バッファーでホモジナイズするステップと、
(b)このホモジネートを低速遠心に付し細胞破砕物を除去するステップと、
(c)ステップ(b)で得た上清を高速遠心に付すステップと、
(d)硫酸アンモニウムに接触させることによりこの上清中のサキシフィリンを沈殿させるステップと
を含む方法を提供する。
【0027】
この方法は更に、
(e)沈殿したサキシフィリンを精製するステップ
を含んでもよい。
【0028】
サキシフィリンは40〜60%硫酸アンモニウムに接触させることより沈殿させるのが有利である。このステップの前に、一時的にpHを5.0に下げて、サキシフィリン以外の物質の一部を沈殿させてもよい。
【0029】
通常、沈殿したサキシフィリンの精製は、次のステップ:
(i)沈殿物をpH5.0〜6.5で再度溶解させ、遠心にかけてサキシフィリン以外の分子を除去するステップと、
(ii)(e)で得た上清を、グラスファイバー−ポリエチレンイミン(PEI)支持体マトリックス等のサキシフィリンが結合するマトリックスに接触させるステップと、
(iii)塩濃度の高い状態において、マトリックスに結合している物質を溶出させるステップと
を含む。
【0030】
ステップ(iii)では通常、pH5〜9のバッファー中で、600mM〜飽和濃度のNaCl又はKClによりサキシフィリンを溶出する。他の各種バッファー系を用いても良い。
【0031】
任意ではあるが、例えば、
(f)ヘパリンセファロース(25mM酢酸ナトリウムの10mM MES−NaOH、EDTA(pH6.0)溶液(100mL)で平衡化)を用いてクロマトグラフィーを行い、濃度勾配300〜800mMの酢酸NaのMES−NaOH、EDTA(pH6.0)溶液で溶出させること、及び
(g)PBE118樹脂(25mMトリエチルアミン(pH10.5)で平衡化)を用いて等電点クロマトグラフィーを行い、8.9mLポリバッファー96及び1.8mLファルマライト(Pharmalyte)8〜10.5を含むポリバッファー96溶液で溶出させ、最終体積250mL、pH8.0とすること
により更なる精製物を得ることもできる。
【0032】
ポリバッファーの除去やバッファーの交換は、PD−10カラム(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社)等のカラムを用いたサイズ排除クロマトグラフィーや脱塩により実施することができる。
【0033】
節足動物の種類は、サキシフィリンを生産するものであればよい。例えば、ルーエリン(Llewellyn)ら、1997を参照のこと。好ましくは、ムカデ(Ethmostigmusrubripes等)、等脚目の甲殻類(Oniscus類等)、クモ(Araneus.c.f.Cavaticus等)、Xanthidcrab又はClopterygidae科の昆虫である。
【0034】
節足動物はより好ましくはムカデであり、更に好ましくはEthmostigmus rubripesである。この種から得られるサキシフィリンは、PST族の全ての構造サブクラスのPSTと、同等の親和性をもって結合することができることが示されている。節足動物は、好便には体温を低下させることによって鈍麻させることができる。ホモジナイゼーションは、ハイドルフ(Heidolph)の組織ホモジナイザー等の簡便な装置を用いて実施することができる。適切なホモジナイズ用バッファーの一例としては、0.5mM EDTA、1μMロイペプチン、1μMペプスタチン、0.5μMアプロトニン及び1μMフェニルメチルスルホニルフルオライドを含有する20mM HEPES−NaOH(pH7.4)が挙げられる。節足動物材料1グラム当たり2mLのバッファーを用いるのが好ましい。簡便な方法として、低速遠心(8000×g、10分間)を行った後、高速遠心(50000×g、20分間)を行うことができる。高速遠心で得られる上清を液体窒素で凍結させ、次の処理に付すまで80℃で保存する。
【0035】
PEI支持マトリックスは通常の方法で調製される。例えば、グラスファイバーを0.3%PEI水溶液(v/v)中で少なくとも1時間インキュベートし、PEIを流出させあるいは減圧下での吸引により除去する。
【0036】
本発明者らが以前に文献報告したマイクロタイタープレートアッセイ(ルーエリン(Llewellyn)とドイル(Doyle),2000;ルーエリン(Lewellyn)ら,1998)、及び、放射能以外のもので標識したサキシフィリンを用いて、この単離したサキシフィリンをPST類の検出に使用することができる。当業者であれば適切な標識が分かるであろう。例えば、蛍光標識や化学発光標識、コロイド金、ラテックスマイクロビーズ、染料包埋リポソーム(liposome encapsulated dyes)、酵素標識等が挙げられる。但し、これらは、酵素反応が起こることを必要とするため、シグナルの増強が時間に依存していて好ましくない。染料包埋リポソームは何らかの方法でビオチン化あるいはタグ化し、アッセイにおける捕捉を促進することもできる。これらの標識のいずれかを用いる好ましい検出方法は、当分野で知られている。
【0037】
本発明の単離サキシフィリンは、例えば、藻の異常発生により汚染された疑いのある水の水質を検査する際の、PSTの精製、濃縮、又は抽出のための親和性材料の調製に有用である。例えば、単離サキシフィリンを適切な固体支持体に結合させ、次にこれをカラムやカートリッジに充填することができる。好ましい一実施形態では、シリンジに取り付け可能なカートリッジに固体支持体を充填する。当業者であれば適切な結合方法や支持体は分かるであろうが、例えば、臭化シアン活性化マトリックス(アガロース等);エポキシ活性化マトリックス;カルボキシメチルセルロースヒドラジド;ポリアクリルアミドヒドラジド;オキシランアクリルビーズ等が挙げられる。少量(例えば1〜5mL)の酸、尿素又は濃縮塩で処理することにより、PSTを親和性材料から溶出させることができる。
【0038】
実験室で行われるアッセイの際、この一次的な精製を、PSTで汚染された疑いのある材料のサンプルのアッセイの前に行うこともできる。
【0039】
本発明のアッセイや一次濃縮方法に用いるのに適した材料を、組織抽出物とすることができる。例えば、PSTにより汚染された材料を摂取したかもしれない魚や哺乳類等の脊椎動物、貝や頭足綱動物を含む軟体動物等の無脊椎動物、海草等の肉眼で見える藻、シアノバクテリアや渦鞭毛虫等の微小藻類、バクテリア等からの抽出物が挙げられる。生物学的液体や水サンプルも検査することができる。生物学的液体としては、PST中毒の疑いのある患者の血液、尿、唾液等が挙げられる。また、水サンプルとしては、汚染の疑いのある飲料用上水(drinking water supplies)や、藻の異常発生が起こった領域の水−この水は、異常発生した生物から放出された溶解毒を含む可能性がある−が挙げられる。更に、合成PSTを含有するサンプルを用いることもできる。
【0040】
PSTは、適切な水性溶媒又はアルコール溶媒を用いて被検組織から抽出することができる。溶媒は酸性のpHであるのが好ましい。これは、サキシトキシンは塩基性条件下では分解しやすいためである。任意ではあるが、抽出を高温で行うこともできる。特に好ましい溶媒は、Association of Official Analytical Chemistsで認められている方法で用いられる溶媒、即ち0.1規定塩酸(0.1N HCl)である。
【0041】
本発明のアッセイを行うための具体的な方法は種々存在するが、好ましい実施形態のいくつかを次に記載する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、サンプル中に存在する麻痺性貝毒の量を測定する方法であって、次のステップ:
(a)マイクロタイターろ過プレートのフィルターをポリカチオンで前処理するステップと、
(b)プレートのウェルに、検出可能なマーカーで標識された既知量のサキシフィリンと、麻痺性貝毒を含む疑いのある材料の順次希釈物とを添加するステップと、
(c)麻痺性貝毒がサキシフィリンに結合するのに十分な時間、プレートをインキュベートするステップと、
(d)各ウェルのフィルターを通して該ウェルの内容物を吸引し、サキシフィリン及びそれに結合した化合物以外の成分を除去するステップと、
(e)各ウェル及びフィルターをすすいで残留未結合化合物を除去するステップと、
(f)フィルターに保持された標識サキシフィリンの量を測定するステップと
を含み、対照サンプルと比較した標識サキシフィリンの結合の程度がサンプル中に存在する麻痺性貝毒の量を示す、方法を提供する。
【0043】
好ましくは、ステップ(b)においてサンプルは、pHを6.5〜9に維持するためのバッファーを含有する。また、任意ではあるが、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物塩を含んでもよく、その濃度は500mMまでである。ウェル内に存在する合計体積は通常50〜350μL、好ましくは100〜200μL、より好ましくは150μLである。ステップ(c)において、インキュベーションは0〜30℃、好ましくは室温で、少なくとも30分間、好ましくは60〜120分間、より好ましくは90分間行う。但し、インキュベーションを継続できるのは約8時間までである。ステップ(e)において、すすぎは、適切な溶液を用いて行うことができ、例えばステップ(b)と同じpHの緩衝液が挙げられる。すすぎは一般には1回で十分であるが、通常各ウェルを2〜3回すすぐ。
【0044】
好ましい実施形態では、20mM MOPS−NaOH(pH7.4)、200mM NaCl、及び、1nMの標識された本発明のSTXムカデサキシフィリンを含有する全量150μLを用い、インキュベーションを室温(約25℃)で90分間行った後、フィルターを通し吸引する。ウェルは180μLの氷冷水で3回すすぐ。日常的実験手続によりサキシフィリンの最適量は容易に決定できる。
【0045】
別の様相においては、本発明は、サンプル中の麻痺性貝毒の量を測定するキットであって、次の(a)〜(d)、
(a)マイクロタイタープレートと、
(b)検出可能なマーカーで標識された本発明のサキシフィリンと、
(c)被検生物又は被検組織のサンプルから被検材料を抽出するための抽出バッファーと、
任意で、(d)抽出物中の麻痺性貝毒を濃縮し、アッセイに干渉する可能性のある汚染物質を除去するための濃縮手段と
を含むキットを提供する。
【0046】
好ましくは、濃縮手段は、本発明の精製サキシフィリンが結合している固体支持体材料を含むカラム又はカートリッジである。
【0047】
本発明の更に別の様相において、サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するデバイスであって、
固定化したサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントと、
サンプルを前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントに導入する手段と、
サンプル中のPSTと、前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントとの結合を測定する手段と、
結合の量を、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
を含むデバイスが提供される。
【0048】
本発明の更に別の様相において、サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するデバイスであって、
固定化したPSTと、
前記固定化したPSTにサンプルを導入する手段と、
前記固定化したPSTと、サンプルに添加されたサキシフィリン又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントとの結合を測定する手段と、
結合の量を、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
を含むデバイスが提供される。
【0049】
通常、無脊椎動物のサキシトキシンが用いられ、これは上述のとおり精製されたものであるのが好ましい。
【0050】
このデバイスはバイオセンサーであってもよく、従って、結合という現象を電子信号に変換する手段を含んでもよい。
【0051】
これは、結合時のタンパク質の質量変化の検出によるのが好ましい。サキシフィリンは比較的大きなタンパク質であるので、検出感度の向上は、サキシトキシン結合部位を含むサキシフィリンタンパク質のフラグメントを用いることにより達成できるということが理解されるであろう。また、結合時の質量変化の系全重量に対する比は、フラグメントを用いる方が大きくなるということが理解されるであろう。
【0052】
本発明の更に別の様相では、麻痺性貝毒(PST)の濃縮、精製及び/又は抽出のための方法であって、
固定化したサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを提供するステップと、
PSTを含む疑いのあるサンプルと、前記固定化したサキシフィリンを、PSTが固定化したサキシフィリンに結合するのに十分な時間接触させるステップと、
任意で、結合したPSTを固定化したサキシフィリンから溶出させるステップと
を含む方法が提供される。
【0053】
この方法は、例えば貝を無毒化するあるいは水を浄化するのに使用することができる。
【0054】
また、単離サキシフィリンの、麻痺性貝毒の濃縮、精製及び/又は抽出のための親和性材料の調製における使用を提供する。
【0055】
また、麻痺性貝毒の濃縮、精製及び/又は抽出のための親和性材料であって、固体支持体に結合している単離精製されたサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを含む、親和性材料が提供される。
【0056】
固体支持体は、アゾラクトンマトリックス、臭化シアン活性化マトリックス、エポキシ活性化マトリックス、カルボキシメチルセルロースヒドラジド、ポリアクリルアミドヒドラジド及びオキシランアクリルビーズからなる群から選択されることが有利である。
【0057】
本明細書においては、単語「〜を含み(含有し)」は、「〜を含む(含有する)が、それに限定されない」ことを意味し、単語「含む(含有する)」はそれに対応する意味を有
することは明確に理解されるであろう。
【0058】
次に、本発明を実施例及び図面を参照して詳細に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【0059】
実施例1サキシフィリンの精製
ムカデ(Ethmostigmus rubripes)試料を、プロテアーゼ阻害剤の混合物(EDTA(5mM)、ペプスタチン(1μM)、アプロトニン(1μM)、フェニルメチルスルホニルフルオリド(100μM))を含有するTris−HCl(10mM)、EDTA(0.2mM)(pH7.4)中でホモジナイズし、粗サキシフィリンを得た(ワーリングブレンダーを用いて最大設定で2×10秒破砕;緩衝液3mL:ムカデlg)。ホモジネートを24000×gで20分間遠心後、ペレットを同様に再度ホモジナイズし、遠心した。得られた2種の上清を合わせ、2μmセルロースアセテートフィルター(Nalgene)に通した。次いで40〜60%硫酸アンモニウムを用いてこの上清からサキシフィリンを沈殿させた後、この沈殿物からサキシフィリン以外の分子を除去した。除去は、この沈殿物を緩衝液(pH5.0〜6.5)に再溶解し、遠心することによりサキシフィリンを含む上清を分離することにより行った。
【0060】
更に、この上清をグラスファイバー−ポリエチレンイミン(PEI)支持マトリックスに接触させた。該マトリックスは、グラスファイバーを0.3%PEI水溶液(v/v)中で少なくとも1時間インキュベートし、減圧下での吸引や流出(draining)よりPEIを除去することにより調製した。高濃度の塩を用いて、マトリックスからサキシフィリンを溶出させた(サキシフィリンは通常、600mM〜飽和濃度のNaCl又はKClを用いてpH5〜9で溶出される)。
【0061】
更なる精製物をクロマトグラフィーにより得た。クロマトグラフィーでは、ヘパリン−セファロース(25mM酢酸Naの10mM MES−NaOH、EDTA(pH6.0)溶液(100mL)で平衡化)を用い、サキシフィリンは300〜800mMの濃度勾配の酢酸ナトリウムのMES−NaOH、EDTA(pH6.0)溶液で溶出させた。得られたタンパク質を、PBE118樹脂(25mMトリエチルアミン(pH10.5)で平衡化)を用いた等電点クロマトグラフィーに付し、ポリバッファー96溶液(8.9mLポリバッファー96及び1.8mLファルマライト(Pharmalyte)8〜10.5を含有)で溶出させ、最終体積を250mL、pHを8.0とした。ポリバッファーの除去及びバッファーの交換は、サイズ排除クロマトグラフィーあるいは脱塩カラム(例えば、PD−10カラム(アマシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech)社製等))により行うことができる。
【0062】
実施例2:精製サキシフィリンのアッセイにおける利用
a) 診断用テストストリップ
本発明の精製サキシフィリンを用いたPSTの定性的検出用診断キットの一例として、テストストリップ形式がある。このキットでは固体マトリックスあるいは「ウィック(wick)」を使用し、そこで反応が起こる。このキットは、この固体マトリックスの一端にサキシトキシンのバンドを有するが、このバンドは「プリンティング」として知られている方法により設けられている。このバンドにサキシトキシンが固定化され、サキシトキシンは、変性サキシフィリン(後述)が「プリントされた」サキシトキシンを通過する際にアンカー(anchor)として機能する。変性サキシフィリンが試験サンプル中のPSTと既に結合している場合は、「プリントされた」サキシトキシンに結合することができず、流れ続けて発色が起こらない。試験サンプル中にPSTが含まれない場合は、変性サキシフィリンは「プリントされた」サキシトキシンのバンドに結合し、発色スポットが形成される。サキシフィリンがアンカー固定される際に発色スポットを生成させるために、サキシフィリンを、コロイド金や着色ラテックスマイクロビーズにコンジュゲートさせる。その原理は次の通りである:コンジュゲートしたサキシフィリンが、膜に固定化されたSTXと結合すると、強力な発色試薬であるコロイド金が凝集して、ヒトの目に明らかなスポットを形成する。プリントされたサキシトキシンのバンドをサキシフィリンが流れると、止まって凝集するか、あるいは流れ続けて肉眼で視認できるバンドを形成しないかのどちらかとなる。この概略を図1に示す。つまり、この形式のアッセイはサンプル中のPSTの存在の有無を調べる定性的な「イエス/ノー」アッセイである。テストストリップにはポジティブコントロールを設ける。
【0063】
別のアプローチとしては、染料包埋リポソームを使用することがある。リポソームは即時の増強を示すので、自動化アッセイにおいて高い能力を示す。
【0064】
実験系は競合レセプターアッセイであり、ウィック(wick)試薬及びプラスチックで裏打ちされたニトロセルロースストリップから構成される。ウィック試薬は、サキシトキシン/ビオチンでタグ化されたリポソーム(染料が包埋されている)を含有する。また、ニトロセルロースストリップは下から、固定化サキシフィリン競合ゾーンと、リポソームアビジン捕獲ゾーンとを有する(図2)。ウィック試薬と未知量のPSTを含有するサンプルの混合物を、ストリップに沿って毛管作用により移動させる。サキシフィリンゾーンにおいて、PSTレセプターとの競合的な結合が起こる。サンプル中のサキシトキシンの量に比例した未結合のリポソームは、リポソーム捕獲ゾーンへ運ばれ、そこで濃縮される。サキシフィリンゾーンとアビジンゾーンの発色強度は、視覚的にあるいは走査型デンシトメータにより評価する。
【0065】
PSTに対する感度を上げるために固定化サキシフィリンの量はできる限り少量としなければならないが、リポソームの視覚的な検出に十分な量でなければならない。
【0066】
通常の移動アッセイは約100μLのサンプル溶液を必要とし、10分以内にppb検出レベルに到達しなければならない。これは、低いナノグラムの範囲のPSTの検出限界に相当する。リポソームは非常に安定な分子であり、+4℃で少なくとも1年間、室温では数ヶ月間、保存することができる。このアッセイは、特別な装置や技術的熟練を要せず、現場での試験に容易に用いられるであろう。このキットは、個々のストリップのための専用ホルダを含むであろう。ホルダには、サンプル添加及び発色の光学的読取りのための開口部が設けられる。この低コストなサキシフィリン移動センサーは、環境サンプルの容易かつ迅速なスクリーニングを可能にし、PSTリスク評価用のこれまでにない確実な手段となる。
【0067】
(b) マイクロタイタープレートアッセイ
マイクロタイタープレート形式のアッセイの構築により更に高性能化された使用が可能となり、定量的な結果を得ることができる。好ましい形式の一例は、結合阻害アッセイである。96ウェルマイクロタイタープレートにサキシトキシンをコートする。試験サンプルを標識サキシフィリンと混合し、この96ウェルプレートに添加する。トキシンを含有しないサンプルの場合、96ウェルプレートの各ウェルの表面にコートしたサキシトキシンと標識サキシフィリンとの結合が妨げられないため、発色領域が現れる。トキシンを含有するサンプルの場合は発色が阻害され、その阻害の程度は存在するトキシンの量に比例する。次に、分光光度プレートリーダーでプレートを読み取り、トキシンを定量する。
【0068】
更に、高速液体クロマトグラフィーにポストカラム酸化システムと蛍光検出器を組み合わせた技法によってもPSTを定量できる。この手順は複雑であり、且つ高価な標準PSTを必要とする。しかしながら、特異性の高いサキシフィリンに基づく同定及び表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた高感度の検出を組み合わせることにより、クロマトグラフィー技法の欠点が克服される。
【0069】
このデバイスは、活性化金の表面に結合させるサキシトキシン等のPSTを必要し、このPSTを、分析の間、液体サンプルに接触させる。SPRセンサーは、金属と液体の境界面における屈折率の変化に起因するレーザー光の反射の変化を検出する。即ち、サキシトキシンがセンサーの活性化金の表面に結合している場合、サキシフィリンの結合により、屈折率変化が起こる(図4)。PSTがサンプルである場合、遊離PSTと結合サキシトキシンの間で競合が起こり、その結果起こるシグナルの減少を定量することができる。
【0070】
このフロー−インジェクションレセプターアッセイは、i)試薬送液(reagent pumping)及びサンプルインジェクションシステム、ii)競合レセプターアッセイが行われる混合セル、iii)フローセルと光学デバイスを有するSPRセンサー、から構成される(図5)。このシステムは、BIACORE 2000TM(Biacore AB社から入手可能)等において完全に自動化することができる。
【0071】
実施例3アフィニティカラムの調製
サキシフィリンを固相へ結合させることにより、サキシフィリンがサキシトキシンと結合する能力を利用して、サキシフィリンが結合する固体支持体を通過する液体サンプル中からサキシトキシンを分離することができる。ムカデサキシフィリンへの結合はpHに依存するため、次いで、結合したサキシトキシンを溶出させることができる。
【0072】
サキシフィリンアフィニティカラムの作製
UltralinkTMキット(ピアスケミカル社(Pierce Chemical Company)製)を使用し、単離したサキシフィリンを用いてアフィニティカラムを調製した。この樹脂は、アゾラクトンカップリング化学反応に基づき、中〜高速流の特性を有する不活性な半剛性樹脂を用いている。
【0073】
用いた方法は次の通りであった:
1.硫酸アンモニウム沈殿させたサキシフィリンを、カップリングバッファー(BupHクエン酸−炭酸緩衝液(pH9)、ピアス(Pierce)社により供給)に再懸濁した。
2.この再懸濁したサキシフィリンを、3M Emphaze Biosupport媒体AB1(ピアス(Pierce)社により供給)0.15gに添加した。それは、その樹脂を水和し、また、利用可能なタンパク質を結合する。この樹脂は1mLに膨張した。
3.1時間緩やかに撹拌した後、樹脂及びサキシフィリンの調製物をミニカラムに充填し、樹脂を静置した。
4.次に、カラムをリン酸緩衝生理食塩水(15mL)で洗浄した。
5.次に、クエンチ緩衝液(3Mエタノールアミン、pH9.0、4mL)を添加し、この緩衝液中で樹脂を緩やかに2.5時間混合した。
6.次に、カラムを15mLのリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。
7.次に、樹脂の上部を多孔円盤型挿入物でシールした。
8.NaCl(1M、15mL)でカラムを洗浄した。
9.HEPES−NaOH(100mM、pH7.4、15mL)でカラムを洗浄した。
これをサキシトキシン結合能力試験に用いる。
【0074】
サキシトキシンのカラム結合試験
トリチウム化したサキシトキシン(アマシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech))を用いて、カラムのサキシトキシン結合能力を測定した。
【0075】
H−STXの3つのアリコート(60nM、2μL)をシンチレーションカウンタでカウントし、どれだけの放射能がカラムに加えられようとしているかを測定した。これらのアリコートは2113±42cpm(カウント/分)を含んでいた。
【0076】
200μLのH−STX(=211,300cpm;上の数値(point)参照)をカラムに添加し、樹脂に通した。H−STXは、市販のH−STX(2%エタノール含有0.01M酢酸中)を1mMクエン酸緩衝液(pH5.0)で150倍希釈して調製した。次いで、カラムをHEPES−NaOH(5mL、100mM、pH7.4)で洗浄した。樹脂を通過した液を回収した。その後、各サンプルを別々に回収しつつカラムを次の各溶液(5mL)で順に洗浄した:
・HEPES−NaOH(100mM、pH7.4、2回目洗浄)
・HEPES−NaOH(100mM、pH7.4、3回目洗浄)
・HEPES−NaOH(100mM、pH6.0)
・HEPES−NaOH(100mM、pH5.0)
・塩酸(0.001規定)
・塩酸(0.005規定)
・塩酸(0.01規定)
・塩酸(0.05規定)
・塩酸(0.1規定)
・塩酸(0.5規定)
【0077】
溶出した放射能を図6に示す。
【0078】
図から明らかなように、放射能の2箇所の大きなピークがある。第一のピークは、第一の画分として溶出し、基本的にはカラムに結合していないものである。第二のピークは、HEPES−NaOH(100mM、pH5.0)で溶出されたものである。トリチウム化したサキシトキシンは遊離のトリチウムを含有しているため、これら2箇所のピークの生物学的活性を試験した。試験は、2種類の既知のサキシトキシンレセプター(即ちナトリウムチャネルとサキシフィリン)に対する結合能力を測定することにより行った。
【0079】
サキシフィリンカラムから溶出したピークの生物学的活性の測定
使用したアッセイ条件は次の通りであった:
ナトリウムチャネル:MOPS−NaOH(100mM、pH7.4)、塩化コリン(100mM)、フラクション1及び5(100μL)(洗浄液、最初のpH7.4洗浄液及びpH5.0洗浄液)及びナトリウムチャネルを含有するラット脳の小嚢(10μL)を含み、最終容量を250μLとしたもの。各サンプルは二重に測定し、H−STX結合の特異的なレベルを決定するために、未標識テトロドトキシンを過剰量含有するネガティブコントロールも測定した。
サキシフィリン:MOPS−NaOH(100mM、pH7.4)、塩化ナトリウム(100mM)、フラクション1及び5(100μL)(洗浄液、最初のpH7.4洗浄液及びpH5.0洗浄液)及び特性化されたムカデのサキシフィリン調製物(1.5μL)を含み、最終容量を250μLとしたもの。各サンプルは二重に測定し、H−STX結合の特異的なレベルを決定するために、未標識サキシトキシンを過剰量含有するネガティブコントロールも測定した。
【0080】
図7から明らかなように、pH5.0の、カラムからの放射能溶出分(ピーク)のみが生物学的活性を保持していた(即ち、2種類の既知のサキシトキシンレセプターに結合することができた)。pH7.4溶出分はそのような生物学的活性を有さなかった(サキシフィリンのアッセイにおける最小量のレセプター結合活性を除く)。このことから、その放射能はサキシトキシンに取り込まれなかったトリチウムであることが明らかになった(市販のH−STXの既知の特性)。
【0081】
最初の処理後のカラムの安定性
最後の塩酸(0.5規定)による洗浄の後、カラムを20mLのHEPES−NaOH(100mM、pH7.4)で洗浄し、4℃で一夜保存した。このカラムを取り外し、室温に戻して上述の溶出実験を再度行い、図8に示す結果を得た。
【0082】
図からわかるように、2番目のピークの活性はHEPES−NaOH(pH7.4)による第3の洗浄によって溶出されて移動した。このことは、サキシフィリンが分解したことを示唆しているかもしれない。これらの生物学的活性試験は行わなかった。
【0083】
従って、サキシフィリンは、ピアス(Pierce)社のEmphaze Biosupport媒体AB1等の固相クロマトグラフィー樹脂と結合することができることが理解されるであろう。このカラムでは、サキシトキシンはサキシフィリンに結合し、他の物質(遊離のトリチウム等)から分離し、次いでサキシトキシンはpH5.0でカラムから溶出させることができる。溶出したサキシトキシンは生物学的活性を維持している。酸(例えば、0.5規定塩酸)による処理により、結合したサキシフィリンを分解することができる。処理した樹脂によるH−STXの非特異的な保持は明白ではない。
【0084】
本発明の明確化及び理解のためにより詳細に説明してきたが、本明細書に記載の本発明の概念の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の形態や方法の各種改変や修正を行うことができることは当業者にとっては明らかであろう。
【0085】
本明細書で引用する文献を以下に記載する。なお、これら文献は本明細書の一部を構成するものとして援用される。
【0086】
文献
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【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】PSTの存在を検出するための診断用テストストリップを上面及び側面から見た模式図である。
【図2】別の診断用テストストリップの模式図である。
【図3】PST用マイクロタイタープレートアッセイの原理を表した模式図である。
【図4】表面プラズモン共鳴(SPR)センサーにおける競合結合の模式図である。
【図5】PST高速定量のためのサキシフィリンに基づく表面プラズモン共鳴(SPR)センサーの模式図である。
【図6】実施例3の結合実験における溶出物の放射能を示すグラフである。
【図7】図6におけるpH5.0溶出分(ピーク)中における特異結合を放射能によって示した棒グラフである。
【図8】実施例3に記載の安定性試験における溶出の様子を示すグラフである。

Claims (68)

  1. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)を検出し及び/又はその量を測定する方法であって、次のステップ:
    1)単離サキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを提供するステップと、
    2)これをサンプルと接触させるステップと、
    3)単離サキシフィリンとPSTの結合を測定するステップと、
    4)結合の量と、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度とを関連付けるステップと
    を含む方法。
  2. 単離サキシフィリン又はそのフラグメントを検出可能な標識と結合させて、標識サキシフィリンを提供する、請求項1に記載の方法。
  3. 所定量の標識サキシフィリンと固定化したPSTの結合の程度が、サンプル中にPSTが存在しない場合は所定の程度であり、サンプル中にPSTが存在する場合はそれより少ない、請求項2に記載の方法。
  4. 標識が、蛍光標識、化学発光標識、コロイド金、ラテックスマイクロビーズ及び酵素標識からなる群から選ばれるものである、請求項3に記載の方法。
  5. 標識が、視覚的信号を提供できるように、コロイド金及び着色ラテックスマイクロビーズからなる群から選ばれるものである、請求項4に記載の方法。
  6. PSTがテストストリップにプリントされ、これに標識サキシフィリンが結合して発色スポットを形成することにより視覚的信号が生成される、請求項5に記載の方法。
  7. マイクロタイタープレートのウェル内に標識サキシフィリンが含まれると共にPSTが固定され、発色の程度を分光光度プレートリーダーを用いて測定する、請求項2に記載の方法。
  8. PSTでマイクロタイタープレートのウェルをコートする、請求項7に記載の方法。
  9. 固定化したPSTがサキシトキシンである、請求項3又は8に記載の方法。
  10. 単離サキシフィリンが固体支持体に固定化される、請求項1に記載の方法。
  11. 固体支持体がテストストリップである、請求項10に記載の方法。
  12. 標識PSTと単離サキシフィリンの結合の程度が、サンプル中にPSTが存在しない場合は所定の程度であり、PSTが存在する場合はそれより少ない、請求項11に記載の方法。
  13. PSTがサキシトキシンである、請求項12に記載の方法。
  14. 標識が染料包埋リポソームであって、サキシトキシンが該リポソームに結合している、請求項13に記載の方法。
  15. リポソームが、該リポソームに更にビオチンを結合させたものである、請求項14に記載の方法。
  16. 分析用サンプルを、最初に固定化サキシフィリンゾーンに、次にアビジンを含むリポソーム捕獲ゾーンに通過させる、請求項15に記載の方法。
  17. PSTと単離サキシフィリンの結合を分光光度的に測定する、請求項1に記載の方法。
  18. PSTと単離サキシフィリンの結合を、結合時の質量の変化又は屈折率の変化を検出することにより測定する、請求項1に記載の方法。
  19. 表面プラズモン共鳴(SPR)センサーを用いる、請求項18に記載の方法。
  20. 単離サキシフィリンがムカデサキシフィリンである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 単離サキシフィリンがEthmostigmus rubripesから得られたものである、請求項20に記載の方法。
  22. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定する方法であって、次のステップ:
    (a)マイクロタイターろ過プレートのフィルターをポリカチオンで前処理するステップと、
    (b)サキシフィリンを含む標識サキシフィリンの既知量、又は検出可能なマーカーで標識されたサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントの既知量と、麻痺性貝毒を含む疑いのある材料の順次希釈物とをプレートのウェルに添加するステップと、
    (c)存在する麻痺性貝毒全てが標識サキシフィリンに結合するのに十分な時間、プレートをインキュベートするステップと、
    (d)各ウェルのフィルターを通して該ウェルの内容物を吸引し、標識サキシフィリン及びそれに結合した化合物以外の成分を除去するステップと、
    (e)各ウェル及びフィルターをすすいで残留未結合化合物を除去するステップと、
    (f)フィルターに保持された標識サキシフィリンの量を測定するステップと
    を含み、対照サンプルと比較した標識サキシフィリンの結合の程度がサンプル中に存在する麻痺性貝毒の量を示す、方法。
  23. サンプルがpHを6.5〜9に維持するためのバッファーを含有する、請求項22に記載の方法。
  24. サンプルが、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物塩を更に含み、その濃度は500mMまでである、請求項23に記載の方法。
  25. ウェル内の合計体積が50〜350μL、好ましくは100〜200μL、より好ましくは150μLである、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ステップ(c)において、インキュベーションを0〜30℃、好ましくは室温で、30分〜8時間、好ましくは60〜120分間、より好ましくは90分間行う、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. ステップ(e)において、すすぎをサンプルと同じpHの緩衝液で行う、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 単離精製サキシフィリンがムカデサキシフィリンである、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 単離精製サキシフィリンがEthmostigmus rubripesから得られたものである、請求項28に記載の方法。
  30. 固体支持体に結合した単離サキシフィリン。
  31. 検出可能な標識で標識された単離サキシフィリン。
  32. サンプル中の麻痺性貝毒(PST)の量を測定するキットであって、次の(a)〜(d):
    (a)マイクロタイタープレートと、
    (b)単離サキシフィリンを含む標識サキシフィリン、又は検出可能なマーカーで標識されたサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントと、
    (c)被検生物又は被検組織から被検材料を抽出するための抽出バッファーと、
    任意で、(d)抽出物中のPSTを濃縮するため、又は、アッセイに干渉する可能性のある汚染物質を除去するための濃縮手段と
    を含むキット。
  33. 濃縮手段が、単離精製サキシフィリンが結合している固体支持体材料を含むカラム又はカートリッジである、請求項32に記載のキット。
  34. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するデバイスであって、
    固定化したサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントと、
    サンプルを前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントに導入する手段と、
    サンプル中のPSTと、前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントとの結合を測定する手段と、
    結合の量を、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
    を含むデバイス。
  35. 固定化サキシフィリンがムカデサキシフィリンである、請求項34に記載のデバイス。
  36. 固定化サキシフィリンがEthmostigmus rubripesから得られたものである、請求項35に記載のデバイス。
  37. 固定化サキシフィリンゾーンを含む診断用テストストリップを含む、請求項34〜36のいずれか一項に記載のデバイス。
  38. テストストリップのサンプル導入端部からみて固定化サキシフィリンゾーンより遠くに位置するアビジンゾーンを更に含む、請求項37に記載のデバイス。
  39. 診断用テストストリップであって、ウィックを含み、該ウィックはサキシフィリンが固定されているゾーンとアビジンが結合しているゾーンとを含み、アビジンが結合しているゾーンはウィック端部からみてサキシフィリンが固定されているゾーンより遠くに位置する、診断用テストストリップ。
  40. 請求項39に記載の診断用テストストリップと、サキシトキシン及びビオチンでタグ化した染料包埋リポソームと、任意で緩衝液とを含むキット。
  41. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するバイオセンサーであって、
    固定化したサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントと、
    サンプルを前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントに導入する手段と、
    サンプル中のPSTと、前記固定化したサキシフィリン又はそのフラグメントとの結合を測定する手段と、
    結合という現象を電子信号に変換し、結合の量をサンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
    を含むバイオセンサー。
  42. 結合という現象を電子信号に変換する手段が、結合時のタンパク質の質量変化の検出を含んだものである、請求項41に記載のバイオセンサー。
  43. 結合時のタンパク質の質量変化を最大化するために、固定化サキシフィリンが、サキシフィリンタンパク質のサキシトキシン結合を含むフラグメントである、請求項42に記載のバイオセンサー。
  44. 固定化サキシフィリンがムカデサキシフィリンである、請求項41〜43のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
  45. 固定化サキシフィリンがEthmostigmus rubripesから得られたものである、請求項44に記載のバイオセンサー。
  46. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するデバイスであって、
    固定化したPSTと、
    前記固定化したPSTにサンプルを導入する手段と、
    前記固定化したPSTと、サンプルに添加されたサキシフィリン又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントとの結合を測定する手段と、
    結合の量を、サンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
    を含むデバイス。
  47. PSTがサキシトキシンである、請求項46に記載のデバイス。
  48. サキシトキシンが診断用テストストリップにプリントされている、請求項47に記載のデバイス。
  49. サキシトキシンがプリントされた、診断用テストストリップ。
  50. サンプル中に存在する麻痺性貝毒(PST)の量を測定するバイオセンサーであって、
    固定化したPSTと、
    前記固定化したPSTにサンプルを導入する手段と、
    サンプルに添加されたサキシフィリン又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントと前記固定化したPSTとの結合を測定する手段と、
    結合という現象を電子信号に変換し、結合の量をサンプル中のPSTの存在の有無又はサンプル中のPST濃度と関連付ける手段と
    を含むバイオセンサー。
  51. 固定化したPSTがサキシトキシンである、請求項41〜43のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
  52. 無脊椎動物のサキシフィリンを精製する方法であって、次のステップ:
    (a)サキシフィリンを生産する節足動物の個体を、プロテアーゼ阻害剤を含有する生理学的バッファーでホモジナイズするステップと、
    (b)このホモジネートを低速遠心に付し細胞破砕物を除去するステップと、
    (c)ステップ(b)で得た上清を高速遠心に付すステップと、
    (d)硫酸アンモニウムに接触させることによりこの上清中のサキシフィリンを沈殿させるステップと
    を含む方法。
  53. (e)沈殿したサキシフィリンを精製する段階を更に含む、請求項52に記載の方法。
  54. 請求項53に記載の方法であって、サキシフィリンが次のステップ:
    (i)沈殿物をpH5.0〜6.5で再度溶解させ、遠心にかけてサキシフィリン以外の分子を除去するステップと、
    (ii)(i)で得た上清を、グラスファイバー−ポリエチレンイミン(PEI)支持体マトリックス等のサキシフィリンが結合するマトリックスに接触させるステップと、
    (iii)塩濃度の高い状態において、マトリックスに結合している物質を溶出させるステップと
    により精製される方法。
  55. pH5〜9のバッファー中で、600mM〜飽和濃度のNaCl又はKClによりサキシフィリンを溶出する、請求項54に記載の方法。
  56. 40〜60%硫酸アンモニウムに接触させることによりサキシフィリンを沈殿させる、請求項52に記載の方法。
  57. 節足動物がムカデである、請求項52〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. ムカデがEthmostigmus rubripesである、請求項57に記載の方法。
  59. 請求項52〜58のいずれか一項に記載の方法により調製された、サキシフィリン。
  60. 麻痺性貝毒(PST)の濃縮、精製及び/又は抽出のための方法であって、
    固定化したサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを提供するステップと、
    PSTを含む疑いのあるサンプルと、前記固定化したサキシフィリンを、PSTが固定化したサキシフィリンに結合するのに十分な時間接触させるステップと、
    任意で、結合したPSTを、固定化したサキシフィリンから溶出させるステップと
    を含む方法。
  61. 固定化サキシフィリンがムカデサキシフィリンである、請求項60に記載の方法。
  62. 固定化サキシフィリンがEthmostigmus rubripesから得られたものである、請求項61に記載の方法。
  63. 貝の無毒化に使用される、請求項60〜62のいずれか一項に記載の方法。
  64. PSTが飲料水から抽出される、請求項60〜62のいずれか一項に記載の方法。
  65. 単離サキシフィリンの、麻痺性貝毒の濃縮、精製及び/又は抽出のための親和性材料の調製における使用。
  66. 麻痺性貝毒の濃縮、精製及び/又は抽出のための親和性材料であって、固体支持体に結合している単離されたサキシフィリン、又はサキシトキシン結合部位を含むそのフラグメントを含む、親和性材料。
  67. 固体支持体がカートリッジ又はカラムに充填されている、請求項66に記載の親和性材料。
  68. 固体支持体が、アゾラクトンカップリングマトリックス、臭化シアン活性化マトリックス、エポキシ活性化マトリックス、カルボキシメチルセルロースヒドラジド、ポリアクリルアミドヒドラジド及びオキシランアクリルビーズからなる群から選択される、請求項66又は67のいずれか一項に記載の親和性材料。
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