JP2004524390A - 流動性が向上した微粒子の調製 - Google Patents

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Abstract

自動化装置での処理を容易にするために流動性を向上させた微粒子の調製方法。微粒子の流動性指数が約60を超えるように微粒子が調整される。調整は、微粒子を設定温度で一定時間維持することを含むことが好ましい。調整は、活性物質含有微粒子、およびプラセボ微粒子に用いることができ、かつ可逆的である。
【選択図】図3A

Description

【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、出願番号第09/748,136号(2000年12月27日出願)(この記載内容全体を本明細書に援用する)の部分継続出願である。
発明の背景
発明の分野
本発明は、微粒子の調製に関する。より詳細には、本発明は、流動性が向上した微粒子、およびそのような微粒子の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術
化合物をカプセルに封じ込めて微粒子の形態にすることができる方法として、様々な種類のものが知られている。薬物または他の活性物質の放出を持続または遅延させるために、生体適合性および生分解性を有する壁形成性材料(例えばポリマー)内部に生理活性物質または薬理活性物質をカプセル化すると特に好都合である。これらの方法では、一般に、カプセル化される材料(薬物または他の活性物質)は、壁形成性材料を含有する溶剤中に溶解、分散、または乳化される。次に微粒子から溶剤が除去されて、完成微粒子製品が得られる。
【0003】
従来のマイクロカプセル化の一例が、米国特許第3,737,337号に開示されており、この方法では溶剤中で壁またはシェル形成性ポリマー材料の溶液が調製される。この溶剤は水に対してほんの一部しか混和しない。固体またはコア材料はポリマー含有溶液中に溶解または分散され、その後、微粒子から溶剤を除去するために、コア材料−ポリマー含有溶液は有機溶剤とは非混和性である水性液体に分散される。
【0004】
Ticeらは米国特許第4,389,330号において、2段階の溶剤除去工程を使用する活性物質含有微粒子の調製について記載している。このTiceらの方法では、活性物質とポリマーが溶剤に溶解される。溶剤中の成分の混合物は次に、溶剤と非混和性である連続相処理媒体中に乳化される。混合材料の機械的撹拌によって、指定の成分を含有する微粒子の分散体が連続相媒体中に形成される。溶剤除去工程の第1段階で、この分散体から有機溶剤を部分的に除去することができる。第1段階後、任意の従来の分離手段によって、分散した微粒子が連続相処理媒体から分離される。分離後、微粒子中に残留する溶剤が抽出によって除去される。残留溶剤が微粒子から除去された後、空気への曝露または従来の他の乾燥方法によって微粒子の乾燥が行われる。
【0005】
物質をマイクロカプセル化してマイクロカプセル化製品を製造する別の従来方法が米国特許第5,407,609号に開示されている。この方法は、(1)1種類以上の壁形成性材料または賦形剤(通常は、壁形成性材料または賦形剤はポリマー溶剤中に溶解したポリマーである)が溶解した溶剤中に、1種類以上の物質(液体または固体)を溶解または別の方法で分散させる工程と、(2)処理媒体(ポリマー溶剤で飽和されていることが好ましい連続相)中に物質/ポリマー−溶剤混合物(不連続相)を分散させてエマルジョンを形成する工程と、(3)すべてのエマルジョンをすぐに大量の処理媒体または他の好適な抽出媒体に移して、エマルジョンの微小液滴から溶剤を直ちに抽出し、マイクロカプセルまたは微小球などのマイクロカプセル化製品を形成する工程と、を含む。
【0006】
米国特許第5,650,173号は、生分解性生体適合性ポリマーバインダーと生理活性物質とを含む生分解性生体適合性微粒子の調製方法を開示しており、実質的に非毒性でハロゲン化炭化水素を含有しない少なくとも2種類の溶剤の混合物が、生理活性物質とポリマーの両方の溶解に使用される。生理活性物質とポリマーが溶解した溶剤混合物は、水溶液中に分散されて、液滴が形成される。得られたエマルジョンは、溶剤混合物の少なくとも1種類の溶剤を含有することが好ましい(それによって各溶剤の抽出速度が制御される)水性抽出媒体に加えられ、それによって生理活性物質を含有する生分解性生体適合性微粒子が形成される。この方法のカプセル化に好適な活性物質としては、限定するものではないが、ノルエチンドロン、リスペリドン、およびテストステロンが挙げられ、好ましい溶剤混合物としてはベンジルアルコールと酢酸エチルを含む溶剤混合物が挙げられる。
【0007】
米国特許第5,654,008号は、スタティックミキサーを使用するマイクロカプセル化方法を開示している。活性物質およびポリマーを含む第1の相と、第2の相とがスタティックミキサーを通して冷却液体中に押し出されて、活性物質を含有する微粒子が形成される。
【0008】
上記の文献はすべて、活性物質を含有する微粒子の調製に使用可能な方法を開示している。しかし、これらの微粒子は加工および回収の直後の流動性が低くなることがある。優れた流動性は、乾燥した砂と同様に安定な制御された流れを特徴とする。一方低い流動性は、濡れた砂と同様に制御されず不規則な流れを特徴とする。この場合、全体が固体の塊状体のような動きを見せる。この最後の状態は、「氾濫」流と呼ばれ、凝集性で粘着性の粉末に最も特徴的である。これらの粉末または微粒子を絶えず移動させる必要がある場合、大規模加工では流動性の考慮が重要となる。ホッパーから材料を流す必要がある自動充填装置を使用する場合には、流動性が特に重要である。ホッパーから供給される場合、流動性の低い微粒子は、「アーチ」または「ブリッジ」が形成されやすく、その後「ラットホール」が形成されたり完全に停止したりすることがある。この場合では、これ以降の加工を中止する必要がある。上記文献はいずれも、流動性が向上した微粒子の具体的な調製方法については開示していない。
【0009】
特に、活性物質を含有する微粒子、またはカプセル化された活性物質を含有しない微粒子の流動性の向上の問題について、上記文献はいずれも触れていない。活性物質を含有しない微粒子を、本明細書では「プラセボ微粒子」と呼ぶ場合がある。「プラセボ微粒子」は、活性物質含有微粒子の臨床試験、例えば盲検臨床試験などに使用される。活性物質含有微粒子と同様に、自動粉体充填装置で加工するためにはプラセボ微粒子の流動性の制御も重要である。さらに、盲検臨床試験で顕著な差異が生じないようにするため、プラセボ微粒子の製造方法と品質特性は、薬物含有微粒子と同様であることが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、当技術分野では流動性が向上した微粒子の調製方法が必要とされている。当技術分野では、自動粉体充填装置で微粒子を加工可能となるような、流動性が向上した微粒子の調製方法も必要とされている。さらに当技術分野では、活性物質含有微粒子とプラセボ微粒子の両方に適用可能な、流動性が向上した微粒子の調製方法も必要とされている。以下に十分に説明される本発明は、このような方法に関する当技術分野の要求を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、流動性が向上した微粒子の調製方法に関する。一態様では、一定量の微粒子の処理方法が提供される。この方法は、前記量の流動性指数が約60を超えるように前記一定量の微粒子の調節を行うことを含む。一態様では、この調節は、一定時間、微粒子を設定温度に維持することによって実施される。設定温度および時間は、流動性指数が約60を超えるように選択される。本発明のさらに別の態様では、前記一定量の微粒子の安息角が約37度未満になるように調節が実施される。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、微粒子の流動性が可逆的に調整される。本発明の一態様では、微粒子の流動性は調整工程後に劣化させられ、前記量の流動性指数が約60未満となる。このような低下は、微粒子を混転(tumble)または別の方法で機械的に撹拌するか、あるいは約24時間のあいだ減圧下で微粒子を維持することによって実現可能である。別の方法では、混転および減圧を連続または同時に実施することができる。本発明の別の態様では、前記量の流動性指数が再び約60を超えるように調整工程を繰り返すことによって、流動性の劣化を回復させる。
【0013】
本発明の別の態様では、流動性が向上した微粒子の調製方法が提供される。この方法は、第1の相と第2の相とを含むエマルジョンを調製する工程であって前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含む工程と、前記エマルジョンから前記溶剤を抽出して微粒子を形成する工程と、前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように前記微粒子の調節を行う工程と、を含む。
【0014】
本発明のさらに別の態様では、流動性が向上した微粒子の調製方法が提供される。この方法は、第1の相と第2の相とを含むエマルジョンであって、前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含むエマルジョンを調製する工程と、微粒子を形成するために前記エマルジョンから前記溶剤を抽出する工程と、前記微粒子を容器に導入する工程と、前記容器を設定温度下で一定時間維持する工程とを含み、前記設定温度と前記期間は、前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように選択される。
【0015】
本発明のさらに別の態様では、流動性が向上した微粒子の調製方法が提供される。この方法は、第1の相と第2の相とを含むエマルジョンであって、前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含むエマルジョンを調製する工程と、前記微粒子を形成するためにエマルジョンから前記溶剤を抽出する工程と、前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように前記微粒子を硬化させる工程と、を含む。本発明の別の態様では、硬化工程は、微粒子の硬度が約0.4MPaを超えるまで実施される。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、流動性が向上した微粒子が提供される。このような微粒子は、本明細書で説明され開示される任意の方法によって調製することができる。
【発明の効果】
【0017】
特徴および利点
本発明の特徴の1つは、流動性が向上した微粒子が提供されることである。より詳細には、本発明は、ある種の自動バイアル充填装置および打錠装置など、ある種の自動化された装置での処理を促進するために、有意に向上した流動性を有する微粒子を好都合に提供する。
【0018】
本発明の方法の別の特徴は、通常の保存条件で変化しないまま維持される安定な形態の微粒子が得られることである。好都合にも、本発明は、微粒子表面での活性物質の結晶成長を促進させることができる。
【0019】
本発明のさらに別の特徴は、微粒子の硬度を増加させることができ、それによって微粒子の流動性を向上させることである。本発明の方法は、微粒子の粒子間凝集を好都合に軽減する。
【0020】
本発明のさらに別の特徴は、活性物質または他の物質を含有する微粒子、ならびにプラセボ微粒子にも使用可能なことである。そのため、本発明の方法は、盲検臨床試験における薬物含有微粒子およびプラセボ微粒子に好都合に使用することができる。
【0021】
本発明の利点は、容易に入手可能な完全に密閉された容器中で実施可能であり、さらなる処理または製品の移動を必要としないため、微粒子の滅菌性が維持されることである。この方法によれば、さらに滅菌する必要がない。
【0022】
本発明の別の利点は、ポリマーのガラス転移温度Tよりもはるかに低温で処理を実施できることである。このような温度での処理は、ポリマーのガラス転移温度T付近またはそれよりも高温で通常発生する製品の凝集および不安定性を好都合に最小にできることである。
【0023】
本発明のさらに別の利点は、微粒子の流動性の変化が可逆的であることである。本発明の方法によれば、活性物質を含有する微粒子およびプラセボ微粒子の流動性を向上させたり低下させたりすることができ、このような変化は可逆的である。
【0024】
微粒子の従来の調製方法および加工方法では流動性が低くなることが多い。流動性が低いのは最終工程段階の問題であるとして解決することにより、本発明は、確立された処方、処理、および装置の変更や再設計を好都合にも回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
添付の図面を参照しながら本発明を説明する。これらの図面では、同様の参照番号は、同一の要素または機能的に同様の要素を表している。さらに、参照番号の一番左の桁は、その参照番号が最初に使用される図面を表している。
好ましい実施態様の詳細な説明
概要
本発明は、流動性が向上した微粒子、およびそのような微粒子の調製方法に関する。「流動性」は微粒子の流動する能力を意味する。流動性の低い微粒子は互いに付着し、ある種の自動充填装置またはホッパーを通して加工する場合に互いに架橋する。逆に、流動性の優れた微粒子は容易に流動し、架橋または滞留が生じずに自動充填装置または打錠装置で加工することができる。
【0026】
微粒子の安息角を使用して、微粒子の流動性を特徴づけることができる。当業者には公知のように、「安息角」は、傾斜に対する限界の角度θを意味し、この傾斜角では物体はそのまま静止する。傾斜した状態の物体では、μを静止摩擦係数、Nを法線力とすると、摩擦力fは最大値μNまでの任意の値をとることができる。安息角θはμと式
tanθ=μ
の関係にある。
【0027】
本発明において、安息角は、微粒子の円錐状の山の、水平位置に対する定角と見なすことができる。この山は、定角が測定できる状態になるまで、ある一点から水平面上に微粒子を落下させることで形成される。
【0028】
本発明の一実施態様では、調整工程が微粒子に対して実施される。この調整工程は、充填作業に先立ち、最終微粒子製品に対して実施される。本発明の対象が、最終微粒子製品を調製するいずれの方法にも限定されるわけではないことは、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、最終微粒子は、エマルジョン系の微粒子調製方法で調製されてもよい。あるいは、相分離法を使用して最終微粒子が調製されてもよい。最終微粒子製品の好適な調製方法は、例えば、米国特許第3,737,337号、同第4,389,330号、同第5,019,400号、同第5,407,609号、同第5,650,173号、同第5,654,008号、同第5,792,477号、同第5,916,598号、および同第6,110,503号に開示されており、これらの記載内容全体を本明細書に援用する。
【0029】
一態様では、本発明の方法は、一回分またはその他の量の微粒子を密閉容器に導入することを含む。この密閉容器は一定時間、設定温度に維持される。設定温度と時間は、微粒子の回分の流動性指数が約60を超えるように選択される。好ましくは、この時間、密閉容器は混合のために回転または反転させられ、それによって発生しうる温度勾配が減少または解消される。この時間が経過した後、回分の微粒子は、微粒子をバイアルに充填するバイアル充填装置、またはさらなる処理のための打錠装置などに移すことができる。
【0030】
本発明の好ましい方法の1つでは、エマルジョン系の処理を使用して微粒子が製造される。このような好ましい実施態様では、本発明の方法は、第1の相と第2の相とを含むエマルジョンの調製を含む。第1の相は、ポリマーとポリマーの溶剤とを含むことが好ましい。活性物質を含有する微粒子を製造する場合には、第1の相は活性物質をさらに含む。第2の相は連続相であり、好ましくは水相である。溶剤はエマルジョンから抽出されて、微粒子が形成される。微粒子の流動性指数が約60を超えるように微粒子の調節が実施される。この調節は、微粒子を一定時間、設定温度に維持することによって実施されることが好ましい。
【0031】
以下の説明を明確にするため、以下のように用語を規定する。「微粒子」または「微小球」は、粒子のマトリックスまたはバインダーとして機能するポリマーを含む固体粒子を意味する。活性物質またはその他の物質は、ポリマーマトリックス中に分散または溶解することができる。本明細書で使用される場合、「活性物質」は、例えばヒトなどの哺乳動物を含む動物に投与した場合に、生体内で(in vivo)治療、予防、または診断作用が得られる物質を意味する。本明細書で使用される場合、用語「微粒子」は、活性物質を含有する微粒子と、活性物質を含有しない微粒子(「プラセボ微粒子」とも呼ばれる)とを含むことを意図している。ポリマーは好ましくは生分解性および生体適合性である。「生分解性」は、生体の処理によって分解され、生体が容易に排出できる生成物が得られ、体内に蓄積されない物質を意味する。生分解生成物は生体に対して生体適合性でもあるべきである。「生体適合性」は、生体に対して非毒性であり、薬理学上許容され、発癌性がなく、生体組織に重篤な炎症を引き起こさないことを意味する。本明細書で使用される場合、「生体」は好ましくは人体を意味するが、生体はヒトではない動物の生体を意味することもできると理解すべきである。「重量%」は、微粒子の全重量を100部とした場合の部数を意味する。例えば、10重量%の活性物質は、10重量部の活性物質と90重量部ポリマーを意味する。特に示さない限り、本明細書に記載されるパーセント(%)値は重量%である。「徐放性微粒子」または「放出持続微粒子」とは、活性物質またはその他の種類の物質を時間の関数として放出する微粒子を意味する。「50%粒子径(mass median diameter)」は、分布の半分(体積%)はこの径より大きな径を有し、半分はこの径より小さな径を有するような粒径を意味する。
本発明の方法
本発明は、微粒子製品、好ましくは活性物質と生分解性ポリマーとで構成される微粒子の流動性を向上させる方法を提供する。微粒子製品の流動性が改善されると、従来のホッパーおよび自動バイアル充填装置での加工性が向上する。本発明の方法を使用しなければ、微粒子の流動特性が低下することにより粉末ホッパーが架橋され、次に自動化装置によって微粒子製品を加工することが不可能となる。
【0032】
本発明によると、米国特許第5,654,008号および同第5,650,173号に開示され説明される方法で調製された1バッチ分またはある一定量の微粒子などの最終微粒子製品に対して調整工程が実施される。微粒子のバッチは、当該バッチを一定時間、設定温度に維持することによって調節が実施されることが好ましい。この設定温度および時間は、微粒子のバッチの流動性指数が約60を超えるように選択される。この調整工程は、製品の凝集を防止するために、ポリマーのTよりも低温で実施されることが好ましい。微粒子表面で活性物質の結晶成長を促進させるためには(後に詳細に説明する)、微粒子が湿気または水蒸気にさらされるように、開放容器中で調整工程が実施されることが好ましい。しかし、開放容器を使用し微粒子が水蒸気にさらされると、最終製品の滅菌性および安定性が低下しうる。したがって、微粒子の滅菌性および安定性を保証するためには、乾燥製品を入れた密閉容器中で調整工程が実施される。例えば、調整工程は、温度制御室に入れられた完全密封容器中で実施することができる。室内の温度と、この室内に容器を入れる時間の長さとの両方が制御される。好ましくは、混合のため、室内で容器を回転または反転させる。密閉容器中で材料を加工すれば、微粒子製品の滅菌性が保たれ、生産量のロスが避けられ、取り扱いおよび製品の移動に伴う汚染が回避され、さらに大気との接触が避けられることで水分の取り込みが最小限になる。
【0033】
以下の方法を使用して20kgの規模でリスペリドンを含有する微粒子のバッチを調製した。この20Kg法(8kgの活性物質と12kgのポリマー)によって、微粒子の理論薬物充填率は40%(8kg/20kg×100%)となる。
【0034】
12kgのMEDISORB(登録商標)7525 DLポリマー(Alkermes,Inc.(Blue Ash,Ohio))を酢酸エチルに溶解して16.7重量%ポリマー溶液を調製した。8kgのリスペリドン(Janssen Pharmaceutica(Beerse,ベルギー))をベンジルアルコールに溶解して24重量%の薬物溶液を調製した。薬物溶液をポリマー溶液と混合して活性物質/ポリマー溶液(有機相)を調製した。この活性物質/ポリマー溶液を25±5℃の温度で維持した。
【0035】
第2の連続相の調製のために、1%のPVA(PVAは乳化剤として作用する)の溶液600Lを調製した。これに42kgの酢酸エチルを加えて6.5重量%の酢酸エチル溶液を調製した。Chemineer,Inc.(North Andover,MA)より入手可能な1インチKenicsスタティックミキサーなどのスタティックミキサーを使用して2つの相を混合した。
【0036】
得られたエマルジョンを溶剤抽出媒体に移した。この溶剤抽出媒体は、酢酸エチルと注射用水(WFI)の2.5%溶液(5〜10℃)であった。溶剤抽出媒体の体積はバッチサイズ1g当たり0.25Lであった。
【0037】
溶剤抽出工程の終了後、微粒子の回収、脱水、および乾燥を行った。温度は約15℃よりも低温に維持した。
【0038】
続いて、25%エタノール溶液を使用する再スラリー化タンク中で微粒子を再スラリー化した。再スラリー化タンクの温度は約0℃〜約15℃の範囲内であった。次に微粒子を溶剤抽出タンクに戻し、好ましくは25℃±1℃に維持される別の抽出媒体(25%エタノール溶液)で洗浄した。
【0039】
微粒子を回収し、脱水し、乾燥させた。温度は約20℃以上40℃未満となるよう温めた。
【0040】
後述するように、一定時間、設定温度に微粒子が維持される本発明の調整工程は、微粒子の流動性を向上させる。後出の表1は、上記方法で調製したリスペリドン微粒子の試料の安息角に対する調整工程の影響を示している。
【0041】
安息角は以下の方法で測定した。標準的な100mmのNalgene漏斗をリングスタンドに取り付け、水平面の上方約3インチの高さに漏斗の排出部が位置するように調節した。約100gの微粒子を秤量した。その微粒子を、排出阻止ストッパーを取り付けた漏斗に入れた。ストッパーをはずし、すべての材料が排出されるまで微粒子を漏斗から流出させた。排出された微粒子の形成する山を特徴づける安息角を有する山を形成した。図1に微粒子の山100を示す。山の高さ(h)、山の直径(d)、山の高さを測定した場所の幅(w)をすべて記録した。安息角は、記録した寸法を使用して次式
θ=tan−1(高さ(h)/幅(w))
により計算した。
【0042】
θは、微粒子が形成する山100が静止したまま維持される傾斜の角度である。流動性の低い微粒子は、流動性が高い微粒子よりも安息角が大きい(すなわち山の高さ(h)がより高い)。逆に、流動性が向上された微粒子は、流動性が低い微粒子よりも安息角が小さい(すなわち、より高さ(h)が低く、より小さく幅の広い山が形成される)。
【0043】
山の直径(d)はθの計算に不要であったが、パラメータ(d)は流動性に関する付加的な定性的情報となった。図1からわかるように、(d)が幅(w)の2倍でない場合、円錐台(円錐の先端部が切り取られている)が形成されている。流動性の良好な微粒子は円錐台を形成する傾向があり、流動性のより低い微粒子は幅(w)の2倍に実質的に等しい(d)を有する、より明確な円錐を形成する傾向が観察された。
【0044】
【表1】
表1は、各試料について、微粒子試料に行った処理または調整工程、安息角(図1について前述した方法で測定)、および流動性または流動特性の評価を示している。流動性が低かった最初の2つの試料には、本発明の調整工程を行わなかった。これらの微粒子の安息角は35°を超えた。良好な流動性を示した試料は、設定温度72°Fで24時間維持したものであり、これらの微粒子の安息角は約25.6°〜約27.6°の間であった。表1の最後の試料に示されるように、72°Fで1週間微粒子を維持することによって微粒子は非常に優れた流動性が得られた。表1の最後の試料の安息角は約21.3°〜23.7°の間であった。
【0045】
前述の方法で別のバッチのリスペリドン微粒子を調製した。このバッチの微粒子の安息角に対する調節時間の影響を以下の表2に示す。
【0046】
【表2】
表2は、20〜25℃の範囲内の設定温度で微粒子を維持した日数について、安息角(図1について前述した方法で測定)、および流動特性を示している。調整工程を実施しなかったことに対応する0日では、微粒子の流動性は乏しく、安息角は約42°であった。調節時間(20〜25℃における日数)が延長されるにつれて、微粒子の流動性が向上した。流動性の向上は、安息角の減少で示される。
【0047】
流動性が向上した微粒子の特徴をより詳細に調べるため、本発明の調整工程前の微粒子、および本発明の調整工程の実施後の同じ微粒子の原子間力顕微鏡(AFM)顕微鏡写真を撮影した。AFMでは、先端径が10〜20nm程度であり長さが約10μmのスタイラスを試料表面で走査させながら、垂直方向に振動すなわち「タッピング」を実施する。スタイラスの変位データから、試料表面の形状および組成の両方の情報が得られた。
【0048】
表1に記載のバッチ、および前述の方法で調製した別のバッチのリスペリドン微粒子の試料についてAFM顕微鏡写真を撮影した。1組の顕微鏡写真を、「調節前」微粒子(すなわち本発明の調節方法を実施する前)について撮影した。調節前顕微鏡写真は図2Aおよび2Bに示される。図2Aおよび2Bの顕微鏡写真には、ナノ結晶または非晶質材料を表す大きな暗部のパッチ200が見られた。
【0049】
もう1組の顕微鏡写真を、「調節後」微粒子(すなわち本発明の調節方法を実施した後)について撮影した。調節後顕微鏡写真は図3Aおよび3Bに示される。図3Aおよび3Bの顕微鏡写真では、図2Aおよび2Bの調節前顕微鏡写真よりも大きく(長さ数μmまで)はるかに多数の結晶300が見られた。
【0050】
図2Aおよび2Bの調節前顕微鏡写真から明らかなように、表面に活性物質(この場合リスペリドン)を含む微粒子は大部分が非晶質である。本発明の調節方法を実施した図3Aおよび3Bの調節後顕微鏡写真から明らかなように、微粒子表面の活性物質は大部分が結晶形態に変化している。結晶形態の活性物質を表面に有する調節後微粒子は、前述のように流動性の向上が見られた。したがって、微粒子表面に存在する活性物質の結晶を成長させることによって、本発明により流動性が向上した微粒子を調製可能となる。
【0051】
図2A〜3Bより明らかなように、本発明の調整工程中に微粒子表面でリスペリドンの結晶成長が起こった。調整工程は、約20℃〜約25℃の範囲内の設定温度で実施した。これらの温度はポリマーのT(約45℃)よりもはるかに低く、製品の凝集の可能性が避けられるためこのことは好ましい。
【0052】
プラセボ微粒子に対する調節の影響を調べるためさらに試験を実施した。リスペリドン微粒子について前述した方法と同様の方法で20Kg規模でプラセボ微粒子のバッチを調製した。一定時間、設定温度に維持してプラセボ微粒子の調節を行うことにより、プラセボ微粒子の流動性が向上した。この結果は表3に見ることができ、後で、より詳細に説明する。
【0053】
予期せぬことに、別の試験では流動性の変化が可逆的であることが分かった。特に、機械的作用または減圧によって微粒子を再処理することにより、流動性の改善を逆方向に向け、流動性を低下させることができた。次に、一定時間、設定温度に維持することによる微粒子の再調節によって、この低下した流動性を逆に向上させ、改善された流動性を回復することができる。
【0054】
プラセボ微粒子および活性物質含有微粒子に対する再処理および再調節の影響は以下の表3に示される。プラセボ微粒子およびリスペリドン微粒子のバッチは、前述の20Kg法によって調製した。各バッチについて、処理方法を、図1に関して前述した方法で測定した安息角とともに記載した。表3に使用される「調節」は、一定時間設定温度(特に25℃で少なくとも5日間)維持した微粒子を意味する。バッチAおよびBから分かるように、減圧下で振動ふるいを使用して混転することによる再処理によって安息角が増加し、すなわち流動性が低下した。流動性の同様の低下は、減圧せずに振動ふるいで再処理したバッチCでも見ることができる。次にバッチAおよびBの微粒子を、25℃で少なくとも5日間維持することにより再調節すると、安息角が減少し、すなわち流動性が向上した。
【0055】
【表3】
プラセボ微粒子(バッチD)を周囲温度で乾燥空気に15日間曝露しても、流動性の向上は不十分であった。しかし、45℃で10日間の曝露後にはこれらの微粒子の流動性の向上が見られた。減圧および混転を単独で実施して生じたプラセボ微粒子の流動性の低下は、表3のバッチEに見ることができる。
【0056】
減圧および混転を単独で実施して生じた活性物質含有微粒子の流動性の低下は、表3のバッチFに見ることができる。バッチFのデータは、その後再調節することによって流動性が向上することも示している。
【0057】
粒子間凝集は、バルク粉末の流動性に影響する要因の1つである。熱力学的凝集(表面エネルギーによって決定される)の増加、硬度の低下、貯蔵応力(固結性)の増加、および水親和性の増加によって、粒子間凝集が増加する。種々の処理および調整工程が実施される微粒子試料に対するこれらのパラメータの特性決定を行うために、多数の試験(以下の表4参照)を実施した。
【0058】
【表4】
膨張計によって、それぞれの試料のガラス転移温度(Tg)と同様の熱軟化温度を求めた。保存はこれらの温度より十分に低い温度で実施されるため、流動性に影響を与える要因として貯蔵応力が現れることはない。
【0059】
逆相ガスクロマトグラフィー(IGC)は、標準的なガスクロマトグラフィーと同じ物理的原理に基づいている。しかしIGCでは、固定相は、対象となる粉末を充填したカラムである。移動相は、充填カラムを通過して移動し粉末との吸着および脱着が起こるプローブガス分子を含む。吸着/脱着の速度および程度はプローブガス分子と粉末の表面密度に決定される。粉末の表面化学(表面エネルギー)は、プローブ分子の表面化学が既知である場合に計算可能である。
【0060】
一軸圧縮では、硬度を含む粒子の機械的性質が求められる。圧縮度測定を一軸圧縮により実施した。微粒子を含む圧縮用セルに、特定の速度で軸方向応力を加えた。応力が増加すると、試料は固められ、高密度化し、最終的に粒子の変形または破壊によって降伏および圧縮が起こる。応力から解放すると、試料は部分的に回復(または「スプリングバック」)する。回復が起こる程度は、材料の弾性/可塑性に依存する。応力−ひずみ応答の圧縮分析によって、降伏応力、硬度、強度、および剛性などの機械的性質の観点から材料の弾性/可塑性を計算することができる。
【0061】
膨張計は、固定された環境条件において粉末の機械的性質および物理的性質を測定することによる固結性評価に使用される重要な測定である。膨張計の一つに、試料の圧縮または固結現象を防止する温度および湿度の組み合わせの限界を決定するために使用される、調整または固結性膨張計がある。この種の膨張計は、代表的な保存条件と相関がある特定の湿度における熱サイクルとして通常は実施される。第2の種類の膨張計は、一定加熱速度(CHR)膨張計である。CHR膨張計は、粉末の熱軟化特性、および最高保存温度の決定に使用される。試料は、粉末が軟化特性を示し始める温度である「焼結温度」より低温で保存する必要がある。当業者には公知であるように、対象とする粉末を入れた試料セルを有する膨張計を使用して、焼結温度を測定することができる。
【0062】
少ないmg数の試料の重量変化を、水分の吸着/脱着の測定に使用することができる。例えば、Kohn型電子天秤を使用して、相対湿度(RH)を5%ずつ変化させて粉末試料の重量変化を測定することができる。相対湿度95%までの吸着、続いて脱着を重量変化により監視し、相対湿度5〜95%の吸着/脱着サイクルを求めることができる。
【0063】
表5は、前述の方法により調製した微粒子の4つのバッチに関する粒子硬度、表面凝集仕事(Wc)、および水分等温変化の特性決定の結果を示している。粒子硬度は、流動性が増加する試料範囲全体で相対的流動性とよい相関が得られる。流動性と強い相関があるわけではないが、流動性が増加するとWcが減少する傾向にある。水分吸着/脱着等温変化結果は、試料の大部分で特筆すべきものはなかった。しかし、調節前の試料(バッチII)で大きなヒステリシスが観察された。
【0064】
【表5】
この実験から、調整工程によって微粒子表面が硬化することが分かる。微粒子の硬化によって、流動性が向上した。表5に見られるように、硬度が約0.4MPaを超える微粒子が最良の流動性を示した。物理的(減圧および機械的作用)処理は、調節の効果を逆行させる機能を果たすが、これはおそらく表面に欠陥が生じるためと思われる。
【0065】
以下により詳細に説明するように、活性物質含有微粒子と全般に同じことがプラセボ微粒子についても観察された。したがって、硬化/軟化の観察結果は、微粒子表面上のポリマー鎖の配列と関連性が高いと思われる。調節は、アニーリング処理として機能する可能性があり、それによってより緩和したポリマー鎖配列が得られ、より硬質で凝集性の低い微粒子が得られる。機械的作用は、この配列を妨害する機能を果たすと思われる。
【0066】
Wc(2つの粒子を分離するために必要な熱力学的仕事として定義される)は、薬物含有バッチと比較するとプラセボ(バッチI)の方が有意に大きかった。薬物含有バッチの中では、調節中にWcは減少した(バッチII)。さらに、調節前試料(バッチII)で大きな等温吸着ヒステリシスが観察されたが、調節後にはすべてなくなった。この観察結果は、表面の薬物の形態の変化と一致しており、前出の調節中の表面薬物の結晶成長とも一致している。
【0067】
これらの結果に基づくと、ポリマー表面自体は高い表面エネルギーを付与するが、薬物の存在によってそれが遮蔽されたり軽減されたりする場合があると思われる。さらに、表面の薬物が非晶質(または半結晶質)から大部分が結晶質に変化すると、この場合も表面エネルギーが減少する。再処理は、Wcに有意な影響を与えないが、その理由は、薬物の形態の変化が完了し、減圧および/または機械的作用による再処理による影響が期待できないためと思われる。
【0068】
これらの結果に基づくと、流動性の増大は、粒子硬度の増加が第1の原因であり、凝集仕事の減少が第2の原因であると思われる。表5に示されるように、バルク粒子間の凝集を表す規格化凝集パラメータ(Wc/粒子硬度)は、バルク流動性と良い相関が見られた。
【0069】
安息角は、流動特性の決定に使用可能なパラメータの1つである。R.L.Carr,「Evaluating Flow Properties of Solids」,CHEMICAL ENGINEERING,January 18,1965,pp.163−168、およびR.L,Carr,「Classifying Flow Properties of Solids」,CHEMICAL ENGINEERING, February 1,1965,pp.69−72(これらそれぞれの記載内容全体を本明細書に援用する)に報告されているように、乾燥粉末の流動特性の評価には、(1)安息角、(2)スパチュラ角、(3)圧縮度、および(4)凝集度の4つの性質が使用される。当業者には公知であるが、上記4つのパラメータは「Carrの指数」と呼ばれる場合がある。スパチュラ角は、材料が、バルクの山から平坦な表面によって持ち上げられる場合に形成される角度として定義される。スパチュラ角から、内部摩擦の相対的角度、または乾燥材料の破裂角(angle of rupture)が求められる。圧縮度は、ゆるめかさ密度およびタッピングかさ密度の測定より計算される。%圧縮度は次式
%圧縮度=100(P−A)/P
より計算され、式中、P=は充填かさ密度であり、A=空気を含有するかさ密度である。凝集力は、指定の時間で凝集粒子の塊状体を分離するために必要なエネルギー量を意味する。凝集力は、粉末材料を振動させて複数のふるいに通し、各ふるい上に残留する材料の重量%を測定することによって求めることができる。
【0070】
次に、4つのCarrの指数のそれぞれは、得点を使用する指数に変換することができる。得点変換表の一例を以下の表6に示す。各Carrの指数の値が得点に変換され、4つのパラメータの得点を合計すると流動性指数が求められる。例えば、以下のCarr指数の測定値は、表6の得点を使用すると流動性指数65.5に変換される。
【0071】
【表6】
粉体特性評価装置を使用して、Carrの指数を測定し、流動性指数を計算することができる。このような粉体特性評価装置の一例は、Hosokawa Micron Powder Systems(Summit,New Jersey)より入手可能なModel PT−N Powder Characteristics Testerである。PT−Nは、乾燥粉体試料の7種類の機械的測定(安息角、圧縮度、スパチュラ角、凝集度、崩壊角、分散度、および差角)、および3種類の補助的測定(空気含有かさ密度、充填かさ密度、および均一性)が行える。PT−Nは、各Carrの指数の指標または得点の計算、または全体の流動性指数の掲載のプログラムを搭載したマイクロコンピューターを備える。
【0072】
調節および再処理の、流動性、Carrの指数およびポリマーガラス転移温度Tgに対する影響は以下の表7に見ることができる。流動時間、4つのCarrの指数、流動性指数、およびTgは、調節および再処理を行った4つのバッチの微粒子について示している。バッチIはプラセボ微粒子であり、残りのバッチはリスペリドン微粒子であった。調整済み微粒子は、25℃で少なくとも5日間維持した。再処理微粒子は、減圧下で振動ふるいに24時間かけた。Carrの指数と流動性指数は、上記のModel PT−N Powder Characteristics Testerで測定した。
【0073】
【表7】
表7に見られるように、調節した微粒子は安息角が約37°未満であった。その流動性指数は良好であり、バルク材料流が予測された。流動性指数が約60を超えると許容できる微粒子の流動性が得られた。調節した示差走査熱分析を使用してこれらの試料のポリマーのガラス転移も測定した。ガラス転移温度(Tg)の変動はわずかであったが、緩和のエンタルピー(J/g)は再処理によって有意に減少した。これらのデータは、硬度がポリマー表面鎖の配列と関連するという理論を支持している。調整済み微粒子のポリマー鎖はより緩和した状態にあり、これはより大きなエンタルピーの緩和に反映されている。再処理した微粒子のポリマー鎖はより緩和が少なく、これはより小さなエンタルピーの緩和に反映されている。
【0074】
本発明の方法によってカプセル化可能な好ましい活性物質としては、1,2−ベンザゾール類が挙げられ、特に、3−ピペリジニル−置換1,2−ベンズイソキサゾールおよび1,2−ベンズイソチアゾールが挙げられる。本発明の方法によって処理されるこの種の最も好ましい活性物質は、3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−メチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(「リスペリドン」)および3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−9−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン(「9−ヒドロキシリスペリドン」)、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩である。リスペリドン(本明細書で使用される場合、この用語はその薬理学的に許容される塩を含む)が最も好ましい。リスペリドンは、米国特許第4,804,663号(この記載内容全体を本明細書に援用する)の教示に従って調製可能である。9−ヒドロキシリスペリドンは、米国特許第5,158,952号(この記載内容全体を本明細書に援用する)の教示に従って調製可能である。
【0075】
ポリマーマトリックス材料の好ましい例としては、ポリ(グリコール酸)、ポリ(d,l−乳酸)、ポリ(l−乳酸)、およびそれらのコポリマーなどが挙げられる。種々の市販のポリ(ラクチド−コ−グリコリド)材料(PLGA)を、本発明の方法に使用することができる。例えば、ポリ(d,l−乳酸−グリコール酸)は、Alkermes,Inc.(Blue Ash,OH)より市販されている。Alkermes,Inc.より市販される好適な製品は、MEDISORB(登録商標)5050 DLとして知られる50:50ポリ(d,l−乳酸−コ−グリコール酸)である。この製品は、50%のラクチドと50%のグリコリドのモル%組成を有する。他の好適な市販製品は、MEDISORB(登録商標)6535 DL、7525 DL、8515 DL、およびポリ(d,l−乳酸)(100 DL)である。ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)は、Boehringer Ingelheim(ドイツ)よりResomer(登録商標)でも市販されており、例えば、PLGA 50:50(Resomer(登録商標)RG 502)、PLGA 75:25(Resomer(登録商標)RG 752)、およびd,l−PLA(Resomer(登録商標)RG 206)が市販されており、さらにBirmingham Polymers(Birmingham,Alabama)からも市販されている。これらのコポリマーは、広範囲の分子量および乳酸とグリコール酸の比率で入手可能である。
【0076】
本発明の実施に使用すると最も好適なポリマーは、コポリマーのポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)である。このようなコポリマーのラクチドとグリコリドのモル比は、約85:15〜約50:50の範囲内が好ましい。
【0077】
ポリマーマトリックス材料の分子量は場合によっては重要である。十分なポリマーコーティングを形成するために十分高い分子量が必要であり、すなわちポリマーは優れたフィルム形成剤であるべきである。通常、十分となる分子量は5,000〜500,000ダルトンの範囲内であり、好ましくは約150,000ダルトンである。しかし、フィルムの性質は、使用される個々のポリマーマトリックス材料にも部分的に依存するので、すべてのポリマーについて適切な分子量範囲を明示することは非常に困難である。ポリマーの分子量は、ポリマーの生分解性速度に対する影響の観点からも重要である。薬物放出の拡散機構では、ポリマーは無傷のままであるが、薬物は微粒子から放出される。ポリマー賦形剤が生体内で浸食されて薬物が放出されても良い。ポリマー材料を適切に選択することによって、微粒子の製剤は、得られる微粒子が拡散放出および生分解放出の両方の性質を示すように微粒子の配合を行うことができる。これは複数の放出形態の場合に有用である。
【0078】
本発明の方法により調製される製剤は、微粒子ポリマーマトリックス材料に活性物質を分散させて含むことができる。微粒子に混入されるこのような物質の量は、通常約1重量%〜約90重量%の範囲であり、好ましくは30〜50重量%の範囲であり、より好ましくは35〜40重量%の範囲である。
【0079】
その他の生理活性物質としては、非ステロイド系避妊薬;副交感神経作動薬;精神治療薬;精神安定剤;うっ血除去薬;鎮静睡眠薬;ステロイド;スルホンアミド;交感神経様作用薬;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;L−ドーパなどの抗パーキンソン病薬;鎮痙薬;抗コリン作用薬(例えばオキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;冠拡張薬やニトログリセリンなどの心血管作動薬;アルカロイド;鎮痛剤;コデイン、ジヒドロコデイン、メペリジン、モルヒネなどの麻薬;サリチル酸、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなどの非麻薬性鎮痛剤;ナルトレキソンやナロキソンなどのオピオイド受容体アゴニスト;ゲンタマイシン、テトラサイクリン、およびペニシリンなどの抗生物質;抗癌剤;鎮痙薬;制吐薬;抗ヒスタミン剤;ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン性物質、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなどの抗炎症薬;プロスタグランジン、ならびに細胞障害性物質が挙げられる。
【0080】
さらに別の好適な活性物質としては、エストロゲン、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗凝血剤、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、および免疫学的物質が挙げられる。
【0081】
好適な生理活性物質の他の例としては、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えばリンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、α−IFN、およびγ−IFN)、エリスロポエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、酵素(例えば、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノゲン活性化因子)、癌抑制遺伝子、血液タンパク質、ホルモンおよびホルモン類似体(例えば,成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、および黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH))、ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原、およびウイルス抗原)などのペプチド、タンパク質、それらの類似体、、突然変異タンパク質(mutein)、およびこれらの活性フラグメント;ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;成長因子(例えば、神経成長因子、インシュリン様成長因子);タンパク質阻害剤;タンパク質アンタゴニスト;およびタンパク質アゴニスト;アンチセンス分子、オリゴヌクレオチド、リボザイムなどの核酸が挙げられる。本発明での使用に好適な低分子化合物としては、塩酸ブレオマイシン、カルボプラチン、メトトレキサート、およびアドリアマイシンなどの抗腫瘍薬;解熱薬および鎮痛薬、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、およびリン酸コデインなどの鎮咳薬および去痰薬;塩酸クロルプロマジン、塩酸プロクロルペラジン、および硫酸アトロピンなどの鎮静薬;塩化ツボクラリンなどの筋肉弛緩剤;フェニトインナトリウムおよびエトスクシミドなどの抗てんかん薬;メトクロプラミドなどの抗潰瘍薬;クロミプラミンなどの抗うつ薬;ジフェンヒドラミンなどの抗アレルギー薬;テオフィロールなどの強心剤;塩酸プロプラノロールなどの抗不整脈薬;塩酸ジルチアゼムおよび硫酸バメタンなどの血管拡張薬;ペントリニウムおよび塩酸エカラジンなどの降圧利尿薬;メトホルミンなどの抗利尿薬;クエン酸ナトリウムおよびヘパリンなどの抗凝血薬;トロンビン、メナジオン重亜硫酸ナトリウム、およびアセトメナフトンなどの止血剤;イソニアジドおよびエタンブトールなどの抗結核薬;リン酸プレドニゾロンナトリウムおよびメチマゾールなどのホルモンが挙げられる。
【0082】
結び
以上に本発明の種々の実施態様を説明してきたが、これらは単なる例として提示したものであり限定を意味するものではないことを理解されたい。本発明は、活性物質を含有する微粒子、プラセボ微粒子、あるいは特定の活性物質、ポリマー、または溶剤に限定されるものではなく、本発明は、特定の規模またはバッチサイズに限定されるものでもない。したがって、本発明の広さおよび範囲は、上述の代表的実施態様に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によってのみ画定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】微粒子の安息角の測定を示している。
【図2A】本発明の方法の一実施態様を実施する前の微粒子の顕微鏡写真を示している。
【図2B】本発明の方法の一実施態様を実施する前の微粒子の顕微鏡写真を示している。
【図3A】本発明の方法の一実施態様を実施した後の微粒子の顕微鏡写真を示している。
【図3B】本発明の方法の一実施態様を実施した後の微粒子の顕微鏡写真を示している。

Claims (64)

  1. 一定量の微粒子を処理する方法であって、
    (a)前記量の流動性指数が約60を超えるように前記一定量の微粒子を調整する工程、
    を含む方法。
  2. 工程(a)が、
    (i)前記一定量の微粒子を、一定時間、設定温度に維持すること、
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記設定温度が約20℃〜約25℃である請求項2に記載の方法。
  4. 前記時間が少なくとも2日間である請求項3に記載の方法。
  5. 前記時間が少なくとも5日間である請求項3に記載の方法。
  6. 工程(a)の後に、
    (b)前記量の前記流動性指数が約60未満になるように前記一定量の微粒子を処理する工程、
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  7. 工程(b)が、
    (i)前記一定量の微粒子を混転すること、
    を含む請求項6に記載の方法。
  8. 工程(b)が、
    (i)前記一定量の微粒子を減圧下に維持すること、
    を含む請求項6に記載の方法。
  9. 工程(b)が、
    (i)減圧下で前記一定量の微粒子を混転すること、
    を含む請求項6に記載の方法。
  10. 工程(b)の後に、
    (c)前記量の前記流動性指数が約60を超えるよう工程(a)を繰り返す工程、
    をさらに含む請求項6に記載の方法。
  11. 工程(c)が、
    (i)前記一定量の微粒子を、一定時間、設定温度に維持すること、
    を含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記設定温度が約20℃〜約25℃である請求項11に記載の方法。
  13. 前記時間が少なくとも2日間である請求項12に記載の方法。
  14. 前記時間が少なくとも5日間である請求項12に記載の方法。
  15. 前記一定量の微粒子のそれぞれが活性物質を含む請求項1に記載の方法。
  16. 前記一定量の微粒子が、活性物質を含む微粒子を含む請求項1に記載の方法。
  17. 前記一定量の微粒子がプラセボ微粒子をさらに含む請求項16に記載の方法。
  18. 前記一定量の微粒子のそれぞれがプラセボ微粒子である請求項1に記載の方法。
  19. 前記一定量の微粒子の安息角が約37°未満である請求項1に記載の方法。
  20. (a)第1の相と第2の相とを含むエマルジョンであって、前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含むエマルジョンを調製する工程と、
    (b)微粒子を形成するために、前記エマルジョンから前記溶剤を抽出する工程と、
    (c)前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように前記微粒子の調節を行う工程と、
    を含む、流動性が向上した微粒子の調製方法。
  21. 工程(b)が、
    (i)前記エマルジョンを溶剤抽出媒体に移すことを含む、
    請求項20に記載の方法。
  22. 工程(c)の前に、
    (d)前記微粒子を洗浄する工程と、
    (e)前記微粒子を乾燥させる工程と、
    を含む請求項20に記載の方法。
  23. 工程(c)が、
    (i)前記微粒子を、一定時間、設定温度に維持すること、
    を含む請求項20に記載の方法。
  24. 工程(c)が温度制御された室内で実施される請求項23に記載の方法。
  25. 前記設定温度が前記ポリマーのガラス転移温度(T)よりも低温である請求項23に記載の方法。
  26. 前記微粒子がポリマーを含み、前記設定温度が前記ポリマーのガラス転移温度(T)よりも低温である請求項2に記載の方法。
  27. 前記設定温度が約20℃〜約25℃である請求項23に記載の方法。
  28. 前記時間が少なくとも2日間である請求項27に記載の方法。
  29. 前記時間が少なくとも5日間である請求項27に記載の方法。
  30. 前記第1の相が活性物質をさらに含む、請求項20に記載の方法。
  31. 前記活性物質が、リスペリドン、9−ヒドロキシリスペリドン、およびそれらの薬理学的に許容される塩からなる群より選択される請求項30に記載の方法。
  32. 前記溶剤がベンジルアルコールおよび酢酸エチルを含む請求項31に記載の方法。
  33. 前記ポリマーが、ポリ(グリコール酸)、ポリ−d,l−乳酸、ポリ−l−乳酸、およびそれらのコポリマーからなる群より選択される請求項20に記載の方法。
  34. 前記ポリマーが、ポリ(グリコール酸)、ポリ−d,l−乳酸、ポリ−l−乳酸、およびそれらのコポリマーからなる群より選択される請求項31に記載の方法。
  35. 工程(c)の後に、
    (d)前記流動性指数が約60未満になるように前記微粒子を処理する工程、
    をさらに含む請求項20に記載の方法。
  36. 工程(d)の後に、
    (e)前記微粒子の前記流動性指数が約60を超えるように工程(c)を繰り返す工程、
    をさらに含む請求項35に記載の方法。
  37. (a)第1の相と第2の相とを含むエマルジョンであって、前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含むエマルジョンを調製する工程と、
    (b)微粒子を形成するために、前記エマルジョンから前記溶剤を抽出する工程と、
    (c)前記微粒子を容器に導入する工程と、
    (d)一定時間、前記容器を設定温度に維持する工程と、を含み、前記設定温度と前記時間は、前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように選択される、流動性が向上した微粒子の調製方法。
  38. 工程(d)が、
    (i)前記容器を回転させること、
    を含む請求項37に記載の方法。
  39. 前記設定温度が前記ポリマーのガラス転移温度(T)よりも低温である請求項37に記載の方法。
  40. 前記設定温度が約20℃〜約25℃である請求項37に記載の方法。
  41. 前記時間が少なくとも2日間である請求項40に記載の方法。
  42. 前記時間が少なくとも5日間である請求項40に記載の方法。
  43. 前記第1の相が活性物質をさらに含む請求項37に記載の方法。
  44. 前記活性物質がリスペリドン、9−ヒドロキシリスペリドン、およびそれらの薬理学的に許容される塩からなる群より選択される請求項43に記載の方法。
  45. 前記溶剤がベンジルアルコールおよび酢酸エチルを含む請求項44に記載の方法。
  46. 前記ポリマーがポリ(グリコール酸)、ポリ−d,l−乳酸、ポリ−l−乳酸、およびそれらのコポリマーからなる群より選択される請求項43に記載の方法。
  47. 請求項20に記載の方法によって調製された微粒子。
  48. 請求項31に記載の方法によって調製された微粒子。
  49. 請求項37に記載の方法によって調製された微粒子。
  50. 請求項44に記載の方法によって調製された微粒子。
  51. 工程(i)が約24時間かけて実施される請求項8に記載の方法。
  52. 工程(i)が約24時間かけて実施される請求項9に記載の方法。
  53. (a)第1の相と第2の相とを含むエマルジョンであって、前記第1の相がポリマーと前記ポリマーの溶剤とを含むエマルジョンを調整する工程と、
    (b)微粒子を形成するために、前記エマルジョンから前記溶剤を抽出する工程と、
    (c)前記微粒子の流動性指数が約60を超えるように前記微粒子を硬化させる工程と、
    を含む、流動性が向上した微粒子の調製方法。
  54. 前記微粒子の硬度が約0.4MPaを超えるまで工程(c)が実施される請求項53に記載の方法。
  55. 工程(c)が、
    (i)一定時間、前記微粒子を設定温度に維持すること、
    を含む請求項53に記載の方法。
  56. 前記設定温度が前記ポリマーのガラス転移温度(T)よりも低温である請求項55に記載の方法。
  57. 前記設定温度が約20℃〜約25℃である請求項55に記載の方法。
  58. 前記時間が少なくとも2日間である請求項57に記載の方法。
  59. 前記第1の相が活性物質をさらに含む請求項53に記載の方法。
  60. 請求項53に記載の方法によって調製された微粒子。
  61. 前記一定量の微粒子それぞれの硬度が約0.4MPaを超える請求項1に記載の方法。
  62. 前記微粒子の硬度が約0.4MPaを超える請求項20に記載の方法。
  63. 前記微粒子の硬度が約0.4MPaを超える請求項37に記載の方法。
  64. 前記微粒子がプラセボ微粒子を含む請求項54に記載の方法。
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