JP2004522973A - 連続流滴定 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続的滴定方法およびその方法を実施するための構成を提供する。
【解決手段】滴定されるべきサンプルを導管に案内する工程と、試薬を導管に沿う少なくとも2箇所の入口位置にて添加し、試薬が該導管の少なくとも1つの個々のセクター内にてサンプルと反応させる。各セクターはそれぞれ2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成され、最終セクターは最終入口位置と導管のサンプル出口点との間に画成される。他方、少なくとも1つの検出装置が該導管の各セクターの末端に配置され、サンプルの化学的および/又は物理的状態を記録するようになっている。試薬搬送装置と最終セクターの末端との間の圧力差が、サンプル搬送位置と最終セクターの末端との間の総圧力降下よりも大きくなるように、試薬搬送装置とサンプル導管との間に圧力差が与えられる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は概略的に容量分析、特に連続流滴定に関する。
【背景技術】
【0002】
滴定は可溶性化合物の定量に利用可能な最も選択性がよく、かつ、正確な分析技術の1つである。滴定法は、溶液の量を既知の濃度の試薬を用いて測定することにより物質の定量を行うものであり、この場合に使用される試薬は分析されるべき物質と明示化学的変化を生じさせるものである。一般に、試薬、すなわち、ここで呼ぶ“滴定液”は、サンプルが滴定液により完全に消費される点、すなわち、ここで呼ぶ“終点”が判定されるまでサンプルに添加される。この終点は、物理的又は化学的特性の容易に測定可能な変化、例えば、変色、pH、導電性などにより判定される。サンプルおよび終点に至るまで添加された滴定液の量、滴定液の濃度およびサンプルと滴定液との間の化学量論的関係を知ることにより、サンプルの濃度を計算することができる。
【0003】
古典的な手動滴定はビュレットを用い、終点で容易に認識し得る色変化を生じさせる指示薬を有する既知量のサンプルに対し滴定液を正確に添加するものであった。滴定液はこのサンプルに対し滴下し、その添加の間に混合を行い、これをサンプル溶液の恒久的色変化が確認されるまで続け、その時点で消費された滴定液の量がビュレットから読み取られる。殆どの分析手法と同様に、誤差の可能性を少なくするため滴定はしばしば2回以上の繰返しが要求される。この連続的滴定は、滴定液を終点の直前の添加量まで連続的に添加し、次いで終点に至る滴定液の正確な滴下することにより迅速化を図ることがしばしば行われる。終点の直前の添加量までの連続的な滴定液の添加を、ここでは“前滴定”と呼ぶことにする。
【0004】
最近の実験室においては、手動の滴定は多くが自動システムに置換えられている。この機械は面倒な手法/特定のオペレータの技術の必要性を軽減するのに役立ち、効率およびスループットを増大させる。自動化実験用滴定装置は更に改良されていて、間欠的又は連続的サンプリング技法を利用して工業的プロセスの流れをモニターできるようになっている。より最近では、自動化滴定は非常に小型化され、かつ、スループットがより高められ、滴定をフェムトリットルの量で実施することができる。しかし、このようなシステムは性質上、分析器の大きさ又はスループットに関係なくバッチ式で行われるようになっている。
【0005】
連続的滴定を実現するため、方法が流れ領域に移されている。一般に、その方法は2つのポンプを使用する。すなわち、1つはサンプルを吸い上げ、他の1つは滴定液を搬送するものである。通常、反応コイルおよび/又は混合装置を用い、或る種の電子検出装置の前にサンプルと滴定液との間に部分的又は完全な化学的反応が確実に行われるようにしている。過去30年間、この一般的原理に基づいて多くの連続的流動式滴定装置が導入されてきたが、特に興味のあるものは勾配方式である。この勾配方式は、サンプル又は滴定液のいずれかの流量(又は濃度)を連続的に変化させ、他のパラメータを一定に保持させ、それにより滴定液の濃度に比例するサンプル濃度が得られるという原理に基づくものである。この勾配方式はオンラインシステムに旨く適合することが証明されているが、濃度勾配を形成するのに依然として時間がかかり、その結果、個々の結果の連続となってしまう。真の連続方式は、流動するサンプルの状態を実時間での読み取り又は示唆を与えるものでなければならない。
【0006】
この定義に従った連続的流動式滴定方法がDE−A1−2001 707(Giacobbo and Marly-le-Grand)に開示されている。この文献の方法によれば、滴定されるべきサンプルが毛管を介して連続的に吸い上げられ、滴定液はこの毛管に沿う特定の複数位置で既知量を以って添加される。また、滴定液の連続的添加のそれぞれの後で、サンプルが完全に消費されるまでサンプルとの完全な化学反応を生じさせる。毛管における各反応の終点において、サンプルの化学的状態を検出するために検出器が用いられる。更に、方法の正確度を向上させるために連続的前希釈又は前滴定がサンプルに対し行われる。
【0007】
しかし、DE−A1−2001 707は実験結果を何ら示しておらず、かつ、記載されている実施例も仮想的なものである。DE−A1−2001 707に記載された方法の原理および使用を適用するために行われている実験は、予期しない困難を生じさせる。全ての流れ(サンプルおよび滴定液)が極めて一定でない限り、終点並びに結果にバラツキが生じることが見出された。多くのポンプ、例えば蠕動ポンプ、ピストン駆動ポンプは流量に小さな変動を生じさせ、そのため得られる滴定の正確性に悪影響が及ぶことになる。DE−A1−2001 707には、連続的な滴定液添加位置に対し、どのように滴定液の連続的量を供給するかについて記載はなく、単に、全ての10個の添加位置に対し同一の流れを搬送するポンプを利用することのみが提案されている。
【0008】
(発明の概要)
本発明は上記従来技術の問題点の少なくとも幾つかの解決を図るものである。本発明の1つの形態は滴定方法に向けられたもので、その方法は、滴定されるべきサンプルをサンプル入口を介して導管に案内する工程と、少なくとも1種の試薬を搬送装置を用いて該導管に添加する工程とを具備してなり、該試薬の該導管への添加を、該導管に沿う少なくとも2箇所の入口位置にて行い、かつ、該少なくとも1種の試薬が該導管の少なくとも1つの個々のセクター内にて前記サンプルと反応し得るように行うことを特徴とする。各セクターはそれぞれ2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成され、最終の個々のセクターは最終入口位置と導管のサンプル出口点との間に画成されるものである。他方、少なくとも1つの検出装置が該導管の各セクターの末端又はその近傍に配置され、滴定の終点を判定するため反応済みサンプルの化学的および/又は物理的状態を記録するようになっている。試薬搬送装置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の圧力差が、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも大きくなるように、試薬搬送装置とサンプル導管との間に圧力差が与えられる。
【0009】
この試薬は上記の少なくとも1つの個々のセクター内で完全又は実質的に完全に消費されるようにすることが好ましい。最終入口位置は、導管に沿って測定したとき、サンプル搬送位置から最も遠く離れて位置する入口位置として定義される。
【0010】
上記の少なくとも1つの検出装置により記録される反応済みサンプルの化学的および/又は物理的状態の例としては、色調、pH値、導電性、インピーダンス、粘度、蛍光および/又は濁りである。
【0011】
従来技術と比較して、有意な変化が実証された。すなわち、滴定路におけるサンプルと試薬搬送位置との間に圧力降下を加えることは従来では予見することができなかったもので、これは後述のように本発明の他の基本的機能にとって、より重要な特徴となる。実験結果により、この方法は流れの乱れのない安定なシステムであり、終点判定の正確性が可なり増大することが実証された。
【0012】
この方法から得られる改善された安定性は以下のような可成りの改善に繋がる。すなわち、終点のモニターリングに基づく連続的フィードバック制御はサンプルの前滴定用試薬に対する割合を自動的に調節させる。本発明は、広範なサンプル濃度および条件に亘って高い正確性を以って連続的および自動的滴定を行うことを可能にする。すなわち、実験結果によれば、24時間の無人操作に亘って、2.5桁までの連続的濃度変化を生じさせたサンプルを正確、精密、かつ、実時間で滴定する能力が実証された。
【0013】
本発明の1具体例によれば、サンプル搬送位置と最終セクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも1.5ないし1000000倍大きくなるよう上記圧力差が制御される。
【0014】
より好ましい具体例によれば、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも2ないし1000倍大きくなるよう上記圧力差が制御される。本発明の更に好ましい具体例によれば、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも5ないし50倍大きくなるよう上記圧力差が制御される。
【0015】
本発明の好ましい具体例によれば、滴定されるべきサンプルを上記の少なくとも1種の試薬の前滴定分を用いて滴定の終点に至る直前の量まで前滴定する工程を具備する。好ましくは、試薬の前滴定分およびサンプルを搬送するため液体比例分配弁を用い、この試薬の前滴定分およびサンプルの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にする。
【0016】
その他、サンプルを搬送するための第1の個別的流体搬送装置および使用される試薬の前滴定分を搬送するための第2の個別的流体搬送装置を用いてもよく、この場合、これら第1および第2の流体搬送装置からの流れは導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にし、第3の別の流体搬送装置を利用して分配された試薬の他の部分を導管の残りの入口位置に搬送する。
【0017】
本発明の好ましい例では、サンプルおよび試薬の前滴定分の一緒の流量が一定値に保たれる。
【0018】
本発明の好ましい例では、サンプルおよび試薬の前滴定分の比例分配が電子制御システム、好ましくはコンピュータにより制御され、この場合、導管内の規定位置での反応済みサンプルの化学的又は物理的状態を表す上記の少なくとも1つの検出装置からの出力信号が利用される。
【0019】
本発明の更に好ましい例では、上記の少なくとも1つの検出装置から得た出力信号の数値を、滴定の終点に属するデータの一般的形状に従う明示数学的関数に当てはめることからなる。
【0020】
好ましくは、サンプルおよび試薬の前滴定分の比例分配を閉ループ・フィードバック制御システムの履行により行うものとする。この閉ループ・フィードバック制御システムはファジー・ロジック・コントローラー(FLC)を含むことが好ましい。
【0021】
本発明の他の具体例では、サンプルおよび試薬の前滴定分の個々の割合を滴定の間に変化させることを含み、導管の残る入口位置に分配される試薬の流れを一定に保ちながら、それにより滴定の動的濃度範囲を達成させるものである。
【0022】
本発明の他の具体例では、サンプルの試薬の前滴定分に対する割合および導管の残る入口位置に分配される試薬の割合を滴定の間に変化させ、それにより滴定の正確性を最大限に確保しつつ滴定の動的濃度範囲を達成させるものである。
【0023】
本発明の好ましい具体例によれば、サンプルは懸濁した固体物質含有流体を含み、その場合、滴定方法は以下の工程からなる。すなわち、
−過剰の試薬を上記サンプルに添加する工程;
−懸濁した物質を除去する工程;
−懸濁した物質の除去後に残された流体中に存在する過剰の試薬を逆滴定する工程である。
この懸濁された固体物質はろ過又は遠心分離により好ましく除去することができる。
好ましい具体例において、サンプルはセルロース繊維を含む。
【0024】
更に好ましい具体例によれば、本方法は上記セルロース繊維の静電荷、該セルロース繊維を除去した後の上記流体中に存在する成分の静電荷および/又は該セルロース繊維のカッパー値を測定することを含む。
【0025】
この滴定手法から得られた測定結果は好ましくは、サンプルを採取した流体中に薬品を最適に投与するのに利用される。この流体は好ましくはパルプ又は紙原料流体である。
【0026】
本発明の他の形態は連続的滴定のための配置に向けられている。この配置は、サンプルを案内するための導管を具備してなり、この導管は、サンプル入口と、搬送装置により少なくとも1種の試薬を添加するための少なくとも2つの入口位置とを有する。したがって、この試薬は導管の個々のセクター内でサンプルと反応し得るようになっている。ここで各セクターはそれぞれ2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成され、最終の個々のセクターは最終入口位置と導管のサンプル出口点との間に画成されるものである。この配置は更に、少なくとも1つの検出装置が該導管の各セクターの末端又はその近傍に配置され、反応済みサンプルの化学的および/又は物理的状態を記録するようになっている。この配置は更に、試薬搬送装置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の圧力差が、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも大きくなるように、試薬搬送装置とサンプル導管との間に圧力差を与える手段を含む。
【0027】
本発明の好ましい具体例において、試薬の前滴定分およびサンプルを搬送するため液体比例分配弁が配置され、これによりこの試薬の前滴定分およびサンプルの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にする。
【0028】
その他、サンプルを搬送するために第1の個別的流体搬送装置を配置したり、試薬の前滴定分を搬送するために第2の個別的流体搬送装置を配置してもよく、他方、導管の入口位置に分配した試薬の他の部分を搬送するために第3の別の流体搬送装置を配置し、それにより、これら第1および第2のポンプからの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にする。
【0029】
圧力差を与えるための上記手段は好ましくは試薬を導管に搬送するための狭い孔の毛管からなる。
その他、圧力差を与えるための上記手段は導管への入口又はその近傍に配置されたイン・ライン制限器からなるものであってもよい。
【0030】
ここに記載した本発明の重要な部分は基本的な問題であり、粒状物質がサンプル内に存在するか、若しくは粒状物質がサンプルを構成する場合である。このようなサンプルは滴定装置の導管を急速に詰まらせ、検出装置と干渉することもある。しかし、本発明は上述のようにこの問題を取り扱う新規な方法を提供するものである。この場合、試薬は過剰にサンプルに添加され、ついで粒状物質の除去が、例えばろ過、遠心分離などにより行われ、更に、過剰の試薬を含む粒状物質無含有サンプルの連続的滴定が第1の試薬を滴定する第2の試薬を用いて行われる。
【0031】
本発明によるところの過剰な試薬の添加、粒子除去工程および連続的滴定を組合わせてなる、この滴定方式の特別な適用は、パルプおよび製紙に使用されるペーパースラーリ中のセルロース繊維の静電荷の判定に対してである。このパルプおよびペーパースラーリ中の他の成分の静電荷の判定もこのようにして行うことができる。特に、コロイド状ピッチ小滴、微細繊維および化学的添加剤などの静電荷の判定をこのようにして行うことができる。
【0032】
パルプおよびペーパープロセススラーリ中の化学的成分のより多くのパラメータをこの方法で判定することができる。例えば、酸度/アルカリ度、アンモニア、小さなイオン(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、シリカなど)、過酸化水素、二酸化塩素、硫黄および硫化物、澱粉、高分子電解質、化学酸素要求量、リグニン(カッパー値判定を含めて)などをこの方法で判定することができる。
【0033】
最後に、本発明による連続的滴定手法で得られた化学成分の濃度の測定値を用いて、例えば薬品投与装置を制御する閉ループ制御システムを使用するプロセスを最適化することができる。特に重要なものは、パルプおよびペーパースラーリ又は白水濾液(粒状物質を含む)が上述のような方法で連続的に分析される手法においてである。これにより薬品の投与量を制御し最適な製紙のための安定なプロセスおよび最適な繊維保持を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は本発明の方法を模式的に示している。滴定されるべきサンプル21は導管22を介して案内され、それにより滴定試薬23が導管に沿う多数の予め画成された入口位置25にて搬送装置24により導管に連続的に添加され、この場合、試薬が導管の少なくとも個々のセクター26内でサンプルと反応し、該試薬が実質的に完全に消費されるようになっている。導管の各セクター26は2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成されている。最終の個々のセクターは最終入口位置と導管のサンプル出口点との間に画成される。検出装置27が各セクターの末端近傍に配置され、反応したサンプルの化学的又は物理的状態を記録するようになっている。
【0035】
滴定試薬23を各試薬入口位置25に対し一貫した所定量で分配するため、試薬搬送装置24とサンプル導管22との間に大きい圧力差が形成される。実験によれば、一貫した結果を得るために、導管の試薬搬送位置PAと、サンプル出口位置Poとの間で測定した圧力差は、導管のサンプル搬送位置PBと、サンプル出口位置Poとの間の総圧力降下よりも大きくなければならないことが示されている。更に、実験的知見によれば、導管の試薬搬送位置PAと、サンプル出口位置Poとの間で測定した圧力差(PA−Po)は、導管のPB−Po間の圧力差よりも2ないし1000倍の範囲で大きいことが最も好ましい。この圧力差の関係の判定および機能に関連する具体的詳細は実験1に示されている。
【0036】
このような圧力降下を許容し得る距離に亘って達成するために、試薬搬送装置24と、予め画成された各入口位置25との間に接続された狭い孔の毛管28の或る長さのものを利用することが提案されている。毛管はその好ましい長さおよび孔を、好ましい流量および必要な圧力差(ポワズイユ式(Poiseuille’s equation)を用いて計算された)を知ることにより計算することができるという点で有益である。
【0037】
その他、一定の一貫した圧力差を与え得る任意の装置を利用することができる。例えば、小さなオリフィス(小孔)、或る長さの狭い孔の導管、更に詰め込みされたカラムなどのイン・ライン流れ制限器を利用することができる。
【0038】
試薬搬送装置24の適当なものの例としては、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC型)又はシリンジ駆動装置に使用されるピストン型ポンプ、動電学的又は液圧式ポンプなどがあり、更に、ガスを使用する加圧貯蔵部から試薬を送るようにしてもよい。
【0039】
図2および3を参照すると、この実験装置は、ポリマー材料42に機械加工されたジグザグチャンネル41から構成された導管を利用している。しかし、このような設計に限定されるものではない。すなわち、溶質間の良好な接触をもたらすことができる任意の構造のもので、試薬が完全に又は実質的に完全に消費されるものであれば(実施される特定の滴定の反応動力学に依存する)、任意の構造のものを利用することができる。この装置は、機械加工又はエッチングされたチャンネル、チューブ、毛管および他の機械的混合装置であってもよい。この実験装置は比色検出ユニットを利用するものであるが、他の検出方式のもの、例えばpH、導電性、インピーダンス、粘度、蛍光又はこれらの組合せを利用する方式のものであってもよい。
【0040】
実験によれば、妥当な滴定および後の終点判定のために必要な個々のセクターの数は最低、3つであることが示された。しかし、このセクターの数は5を超え、20未満であることが良好な曲線を得るのに好ましい。更に、100個のセクターを利用することも可能であるが、その場合、装置の複雑性が増大することを考慮すべきである。
【0041】
滴定装置の構造全体、すなわち、試薬圧力降下手段(流れ制限器)、検出器、電子部品、流体搬送装置を1つの構造に合体してもよい。例えば、マイクロチップ又は他の一体式装置であり、これらは通常のフライス削り技術、写真平板技術およびこれに続くエッチング技術、特にシリコン、ガラス、石英をウエハ又はチップの形にして用い、又はポリマー材料を用いて製造することができ、ここで、CDディスクの製造のように、ホットエンボス、注型などの複製技術を使用することができる。このような技術によれば、このような装置を縮小した体裁として製造することができ、血液中などの薬剤代謝の医学的および生化学的モニターなどの用途のための或る滴定のためのサンプルの消費を少なくできるという点で有利である。
【0042】
実験によれば、試薬搬送装置24と、サンプル用導管22と間の圧力差との組合せで、一定圧モードで操作することが有利であることが示された。滴定用導管22内の一定圧条件は、試薬搬送装置24により制御される滴定試薬の流量を一定にし、更に第2の流体搬送装置29により制御されるところの導管に導入される他の全ての流体の組合せ流量を一定にすることにより達成することができる。この第2の流体搬送装置29は滴定試薬に使用されるタイプのものと同様のものでよい。
【0043】
前滴定は、滴定の終点が滴定試薬の更なる連続的で継続的添加の範囲に存在するように利用される。この技術は伝統的な手動による滴定で行われるものと同じである。本発明によれば、サンプル21と“前滴定”用試薬31との割合を、組合せの流量が一定になるように調和させ、導管22内の圧力および後の流量を一定に保つことが有利であることが見出された。サンプル21と“前滴定”用試薬31との割合を調和させるため以下に示す2つの方法が提案されている。
【0044】
i)図1に示したような液体分配弁の使用である。このアプローチを利用することにより、1つの流体搬送装置29が、一定の制御された流量を維持でき、一方、複数の弁30が、各弁により後に開口される時間の長さにより制御される各液体の割合を周期的および連続的方法で継続的に解放、遮断することによりサンプル21と“前滴定”用試薬31との割合を制御する。このような流体比例分配装置(ポンプを有する)は、分析用実験室で第4(quaternary)HPLCで一般に使用されており、これを目的とした装置も市販されている。
【0045】
ii)図2に示したように、複数の流体搬送装置(例えば、ポンプ)50,51,24が使用される。一定した組合せ流量が要求される場合、複数のポンプからの組合せ流量が常に一定に維持されるようにしなければならない。複数のポンプの各流量によりサンプルと滴定用試薬との割合が制御される。実験No.2、3および4は、この特定の操作方式を利用している。
【0046】
上記の圧力降下の利用との組合せで、このようにサンプルと滴定用試薬との割合を調和させることにより、分析物の濃度の滴定範囲を従来の方法のものを超えて遥かに拡大させることが可能となる。滴定用試薬および前滴定用試薬の或る濃度のものを用いて、濃度が3桁を超えて変化するサンプルを滴定し得ることが実施例により実証され、その場合も、滴定の高い正確度および精密度が常に維持された。これについては、実験No.2に更に示されている。
【0047】
検出装置27からの出力信号、すなわち、導管内の規定された位置での反応済みサンプルの化学的又は物理的状態を表す出力信号が数値に変換され、それが滴定の終点を判定するのに利用される。数値データセットから終点を判定する一般的方法として、第1および第2誘導法(first and second derivative methods)で、グラン・プロッテング(Gran’s plotting)、セヴィットスキー−ゴレイ(Sevitsky-Golay)曲線を用い、実験データを、実施されている特定の滴定を記述する明白な式に基づき誘導された関数に適応させ当て嵌める方法がある。しかし、この方法を本発明に適用する場合に困難に遭遇する。すなわち、僅かに少ない数のデータ点、例えば5ないし20のデータ点しか得られないことである。したがって、このような方法は必ずしも信頼性を有するとは言えない。本発明に組み込まれる新規な技術、すなわち、少ないデータセットの適用に特に適した技術は、検出器出力信号から得た数値を、明示数学的関数に当て嵌めるものである。なお、この数学的関数は、使用した検出器の結果として滴定の終点に属するデータの概略的形状に従うが、滴定化学の実際の物理的又は化学的現象を必ずしも表すものではない。特に有用な関数は、“S型”逆双曲線正弦関数であることが見出され、従って、終点についての数値は以下の式から直接、得ることができる。
【0048】
f(x,a)=a2 sinh((x−a0)a3)+a1
ここで、係数a0は終点を表す(図4参照)。データを当て嵌めるための特に有用な数学的方法は、非直線最小二乗レーベンブルグ−マルコルト・アルゴリズム(Levenberg-Marquardt algorithm)である。少量データセットは一般に検出装置からの5ないし20個の値であるが、本発明の範囲で少なくとも100個の値まで拡大させることができる。
【0049】
更に、サンプル21と“前滴定”用試薬31との前滴定比例分配は、使用された検出装置との関連で終点の位置を知ることに基づいて閉ループ・フィードバック制御システムの履行を介して自動的、かつ、継続的に制御することができる。本発明の一部として利用されるところの好ましい制御方策が図5に模式的に示されている。本発明によれば、使用される検出装置27の総数の範囲内に終点を集中させ,終点位置における変化の方向および大きさの双方がモニターできるようにすることが有益であることが見出された。例えば、サンプル21の濃度が変化する場合、すなわち、終点の位置が中心からずれて観察された場合、コントローラの応答としてサンプル21と“前滴定”用試薬31との割合を変更させ、終点のセンタリングが再度行われるようにすることが必要である。適当なコントローラの例としては、プロポーショナル(P)コントローラ、プロポーショナル・インテグラル(PI)コントローラ、プロポーショナル・インテグラル・デリバティブ(PID)コントローラ、人工知能(A.I.)および神経ネットワークを挙げることができる。しかし、本発明で特に有益なものは、ファジー・ロジック・コントローラ(FLC)である。更に、このようなコントローラの履行のため、コンピュータシステムを使用することが好ましい。実験3および4では滴定装置の制御のため、ファジー・ロジック・コントローラの使用が実証されている。
【0050】
本発明の適用可能性を拡張するものとして、その他の操作モードも可能である。すなわち、全ての流れ(サンプル流、前滴定のために使用される試薬流、各セグメントへの入口への流れなど)を変化させ、更なる又は別の制御法により調節する方法である。この特別の操作モードは継続的に、又は可能な限り装置内で一定の圧力条件が維持されるように、間欠的に流体搬送装置24,29の流れを調節し、異なるサンプルの条件について最大の滴定精度が得られるようにする。
【0051】
実験1
図1を参照すると、導管のサンプル搬送位置PBと、サンプル出口位置POとの間の総圧力差との関係において、導管の滴定液搬送位置PAと、サンプル出口位置POとの間で測定された圧力差の比を変化させた場合の効果について調査がなされている。
【0052】
実験用セットアップが図2に模式的に示され、実際の実験用構成を簡略化したものが図3に示されている。サンプル用導管22はプレキシガラス(Plexiglass,登録商標)ボード42に加工されたジグザク混合チャンネル41を以って構築され、サンプルが試薬と完全に混合されるようになっている。更なるチャンネル43も加工、形成され、内部および外部流体の双方が混合チャンネル41に向って又は混合チャンネル41から流れるようになっている。このプレキシガラスボード42は、2つの金属プレート44,45間およびゴムグランド46,47間に挟持され、チャンネル41の上面を密封し、かつ、外部流体コネクター48および検出装置27を装着させるようになっている。この実験用構築物には7個のチャンネル(この数は任意に選択された)が設けられ、各チャンネルには電子測光検出装置27がジグザク混合チャンネルの末端と、追加試薬入口位置の前との間に配置され、処理溶液内の変色を示すようになっている。
【0053】
3つの高圧HPLCポンプ(2150、LKB-Produkter, Bromma, スウェーデン国)24,50,51を用いて操作流体を搬送した。サンプル用ポンプ50および前滴定用ポンプ51は第1の混合チャンネルの入口に直接接続させ、滴定試薬用ポンプ24は溶融シリカ製の狭い孔の毛管28の6本を介して各試薬入口位置25に接続させた。この毛管の内径および長さはポワズイユ式(Posieuille’s equation)に従って実験に必要な圧力降下に応じて選択された。また、この毛管の長さは6本の全てについて同一とした。
【0054】
この実験において、全ての流体(サンプル21および試薬23,31)は水であった。滴定液流の流量は、位置55で測定して、0.25mL/分であり、サンプル流の流量は、位置56で測定して、3.75mL/分であり、その結果、位置57で測定して、一緒の一定流量として4.00mL/分が得られた。圧力はこの配置の2箇所で測定した。すなわち、最初に試薬搬送ポンプ24の後、第2にサンプル搬送ポンプ50の後にて測定した。双方の測定は、圧力が大気圧である最終サンプル導管セクターの末端の位置57での圧力との対比で行った。
【0055】
表1はこの実験の結果を示すもので、流量F1,F2....F6(mL/分)は、種々のシステム圧(バール)での各毛管について計算したものである。圧力差の比(PA−PO)/(PB−PO)は各毛管の頂部にて与えられている。
【0056】
【表1】
Figure 2004522973
【0057】
この実験から分かるように、圧力差の比がより大きいとき、より均一に分布した滴定流量が得られるが、そのような比を達成するのに必要な圧力も大きくなり、例えば、1000の圧力差比を得るために約6500バールの滴定試薬圧力が必要となる。その他、2の圧力差比を得るために、僅か13バールの滴定試薬圧力が要求されるだけである。しかし、その結果得られる各毛管入口での流量は、より不均一に分布された(0.030mL/分から0.054mL/分まで)。しかし、検出装置からは妥当な終点を得ることが可能であり、しかも、終点で消費された試薬の量を計算することにより、滴定試薬の不均一な分布を補償することが可能であり、そのため、この比で得られる滴定の正確性に悪影響を与えることはなかった。
【0058】
実験2
この実験はサンプル21と前滴定用試薬31との比例分配の効果、滴定装置の範囲、正確性および安定性を考察するものである。
実験用セットアップが図2に模式的に示され、実験1に記述されている。しかし、この実験において、この装置は、11個の連続的滴定試薬入口位置25と、12個の検出装置27とを利用する12個の個々のセクター26からなる導管を使用している。滴定用試薬および前滴定用試薬23,31は、1×10-5Mのブロモチモール・ブルー指示薬を含む10mMのNaOHである。滴定液流の流量は、0.25mL/分であって、各連続的滴定試薬入口位置25での平均流量、約23μL/分に相当し、サンプル21および前滴定用試薬31の組合せ流量は3.75mL/分であった。導管の滴定液搬送位置PAと、サンプル出口位置POとの間の圧力差(PA−PO)は約70バールであり、導管のサンプル搬送位置PBと、サンプル出口位置POとの間の圧力差(PB−PO)は約14バールであり、従って、上記圧力差比は約5であった。
【0059】
滴定の終点についての数値を判定するため、検出装置から得たデータを正弦関数、f(x,a)=a2 sinh((x−a0)a3)+a1に当て嵌めた(図4参照)。関数の傾斜に相当する係数a3を3000の一定値に設定し、当て嵌めたa0を直接用いて検出装置数(x軸)との関連での終点の位置を得た。実施した滴定の各々について、1000の連続的滴定を記録し、平均化した。滴定装置のサンプリング周波数は20Hzであり、これは使用されるコンピュータプロセッサーに主に応じて選択され、実際のデータ記録間隔はほぼ0.4Hzに設定し、本装置から収集された圧倒的な量のデータに適応させた。
【0060】
表2は硫酸サンプル21を連続的に滴定した場合の実験からの結果を表している。サンプルの濃度は9.72mMで、これは手動の滴定(SD=0.02,n=5)により判定されたものであった。この実験から、12個の検出装置27および終点を決定するために使用される滴定用試薬の連続的添加から提供される或る“窓”内に、前滴定液対サンプル比の範囲が存在することが実証されている。同じ硫酸サンプルの連続的滴定について、前滴定液対サンプルの割合は、曲線当て嵌めアルゴリズムから得られる終点の値について、0.518ないし0.556の範囲となることが理解されよう。この操作条件の範囲を超えた場合、平均滴定濃度は9.744mMで、相対的標準偏差は0.69%であった。
【0061】
【表2】
Figure 2004522973
【0062】
表3は、サンプル21と前滴定用試薬31との比例分配の機能を実証するために行った濃度が実質的に異なる2つの硫酸サンプルの連続的滴定から得られた結果を示している。滴定液および前滴定液(10mMのNaOH)の或る与えられた濃度について、0.096mMから102mMまでの範囲の濃度のサンプルを滴定することが可能であった。これは滴定試薬の濃度を変更することなく、濃度が3桁変化するサンプルを正確、かつ、精密に滴定することができることを表している。
【0063】
【表3】
Figure 2004522973
【0064】
実験3
この実験は終点の連続的モニタリングに基づいてサンプルおよび前滴定用試薬の比例分配を自動的に制御するためのフィードバックコントローラの履行を考察するものである。
【0065】
この実験で使用された実験用セットアップは実験2で使用したものと同一である。しかし、前滴定の制御は図5に示すように終点のモニタリングに基づいてファジー・ロジック・コントローラ(FLC)の履行により自動的に行った。使用した滴定用試薬および前滴定用試薬は、5×10-5Mのブロモチモール・ブルー指示薬を含む0.01mMのNaOHであった。このサンプルは酢酸溶液であり、その濃度を一定に保ったり、徐々に又は急激に変化させ、サンプルの濃度変化の割合および程度をオペレータが手動で判定した。
【0066】
24時間に亘って行ったこの連続的滴定の結果が図6に示されている.この時間間隔において、49,297の連続的滴定が記録された。FLCの安定性およびその正確、かつ、迅速な制御の維持能力はすぐれたものであり、これは濃度に大きく、かつ、急激な変化が生じ、終点が急激に移動し、その結果、制御を再構築するために前滴定液に対するサンプルの割合に大きな変化63を要するような場合でも同様であった。このような急激な変化の例が図6に示されている。ここで、標準濃度溶液の1セットがサンプルとして連続方式で使用された。すなわち、図6に符号60として示す100mM、符号61として示す10mM、符号62として示す1mMであり、ついで、符号60として示す100mMに戻された。この結果から、約0.5ないし150mMの濃度のものを自動的、かつ、連続的に滴定することが可能であり、終点並びに後のFLCの両極端での安定性も良好なことが実証された。
【0067】
実験4
この実験は、懸濁固体物質を含むサンプルに対し、連続的滴定装置を使用した例を示すものである。ここで懸濁固体物質としてセルロース繊維が使用され、その静電荷が分析された。この滴定モードは該サンプルに対し過剰量の試薬を添加し、粒状物質をろ過し、次いで、サンプルと反応しなかった過剰の試薬を含む濾液の連続的滴定を行うものである。簡単な引き算により、サンプル(この場合、繊維装入材料)と反応した薬品の量が求められる。
【0068】
実験用セットアップが図7に模式的に示されている。このセルロース繊維を含むサンプル70は、タンク底部に濾膜が配置されたタンク71内で攪拌される。高分子量(40,000−500,000)のポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム(pDADMAC)試薬73の過剰量がタンクに添加され、このタンク内の過剰のpDADMACおよび後にタンク濾液74が、実験3で記載したように連続的滴定装置のサンプルポンプ75に対し直接、供給される。
【0069】
この実験において、使用された滴定用試薬81および前滴定液82は、0.36mEq/Lのポリ(ビニルスルホン酸ナトリウム塩)であり、測色用表示染料83は約6.25×10-6Mのo−トルイジン・ブルー(oTB)であり、別のポンプ76を使用して搬送させた。滴定液の流量は0.75mL/分(77)であり、11の滴定液添加位置を利用して導入され、サンプル、前滴定液および表示染料の組合せ流量は3.25mL/分(78)であった。
【0070】
約0.5重量%のセルロース繊維サンプル70を5Lを含む、攪拌したタンクに対し、pDADMACを添加し、そのタンク濃度を0.250mEq/L(反応前)とし、ついで、1%硫酸溶液を添加してタンクのpH値を4に手動で調整した。タンク濾液を継続的に滴定しながら、pH値(79)をモニタリングすると共に、0.02Mの水酸化ナトリウム溶液80を一定に3mL/分の流量で添加しpH値を継続的に上昇させた。この実験はpH値が10又はそれ以上に到達したとき終結させた。
【0071】
この実験の結果を図8に示す。この実験は粒状物質を含むサンプルに対し、連続的滴定装置を使用する操作モードの能力を実証するためのものである。この実験の間において、つまり、ほぼ1時間に亘って行われた実験において、800の別々の滴定が記録された。この実験から、繊維装入材料の最大の変化がpH値、4−6付近で生じることが分かるであろう。この範囲は繊維表面のカルボキシル基のイオン化に対応すると思われる。この滴定値中の小さな凸部はFLCに関係するものであり、前滴定比中の変化に対応するもので、過渡的な性質のものであった。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明による多重滴定液チャンネル配置を概略的に示す模式図。
【図2】実験No.1−3で使用された実験用セットアップを概略的に示す模式図。
【図3】実験No.1で使用された実験用構成を概略的に示す斜視図。
【図4】実験No.2で得た典型的滴定データに対応する曲線を示す線図。
【図5】実験No.3で参照するファジー・ロジック・コントローラーの履行を示す模式図。
【図6】実験No.3を参照するところの24時間に亘る酢酸の連続的滴定を示す線図。
【図7】実験No.4で使用した実験用セットアップを概略的に示すもので、完成紙料の連続仕込み滴定のための逆滴定装置を含むものを示す模式図。
【図8】実験No.4を参照するところのpHとの関連における高分子電解質吸着を示す線図。

Claims (15)

  1. 滴定されるべきサンプル(21)をサンプル入口を介して導管(22)に案内する工程と、搬送装置(24)を用いて該導管に沿う少なくとも2箇所の入口位置(25)にて該導管に少なくとも1種の試薬(23)を添加し、該少なくとも1種の試薬が該導管の少なくとも1つの個々のセクター(26)内にて前記サンプルと反応し得るように行う工程とを具備してなり、ここで各セクターはそれぞれ2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成され、最終の個々のセクターは最終入口位置(25)と導管のサンプル出口点(PO)との間に画成され、他方、該導管の各セクターの末端又はその近傍に配置された少なくとも1つの検出装置(27)が滴定の終点を判定するため反応済みサンプルの化学的および/又は物理的状態を記録するようにした滴定方法であって、前記薬搬送装置(24)と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の圧力差が、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも大きくなるように、試薬搬送装置(24)とサンプル導管(22)との間に圧力差を与えるようにしたことを特徴とする前記方法。
  2. サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも1.5ないし1000000倍大きくなるよう前記圧力差が制御される請求項1記載の方法。
  3. 滴定されるべきサンプル(21)を前記少なくとも1種の試薬の前滴定分を用いて滴定の終点に至る直前の量まで前滴定することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記試薬の前滴定分(31)およびサンプル(21)を搬送するため液体比例分配弁(30)を用い、この試薬の前滴定分およびサンプルの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にすることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記サンプル(21)および試薬の前滴定分(31)の一緒の流量を一定値に保つことを特徴とする請求項3又は4記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの検出装置(27)から得た数値を、滴定の終点に属するデータの概略的形状に従う明示数学的関数に当てはめることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記サンプル(21)および試薬の前滴定分(31)の比例分配を閉ループ・フィードバック制御システムの履行により行うことを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記サンプル(21)および試薬の前滴定分(31)の個々の割合を滴定の間に変化させ、導管の入口位置(25)に分配される試薬の流れを一定に保ち、それにより滴定の動的濃度範囲を達成させることを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記サンプルが懸濁した固体物質含有流体を含み、滴定方法が以下の工程:
    −過剰の試薬を前記サンプルに添加する工程;
    −前記懸濁した物質を除去する工程;
    −前記懸濁した物質の除去後に残された流体中に存在する過剰の試薬を逆滴定する工程;
    を具備してなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記サンプルがセルロース繊維を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 前記サンプル(21)を案内するための導管(22)を具備してなり、この導管が、サンプル入口と、搬送装置(24)により少なくとも1種の試薬(23)を添加するための少なくとも2つの入口位置(25)とを有し、該少なくとも1種の試薬が導管の個々のセクター(26)内でサンプルと反応し得るようにし、各セクターがそれぞれ2つの連続する入口位置間の導管内の空間として画成され、最終の個々のセクターが最終入口位置(25)と導管のサンプル出口点(PO)との間に画成され、更に、少なくとも1つの検出装置(27)が該導管の各セクターの末端又はその近傍に配置され、反応済みサンプルの化学的および/又は物理的状態を記録するようにした連続滴定のための配置であって、試薬搬送装置(24)と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の圧力差が、サンプル搬送位置と最終の個々のセクターの末端又はその近傍との間の総圧力降下よりも大きくなるように、試薬搬送装置とサンプル導管との間に圧力差を与える手段(28)を具備してなることを特徴とする配置。
  12. 前記試薬の前滴定分(31)およびサンプル(21)を搬送するため液体比例分配弁(30)を配置し、この試薬の前滴定分およびサンプルの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にすることを特徴とする請求項11記載の配置。
  13. 前記サンプルを搬送するための第1の個別的流体搬送装置(50)を配置し、試薬の前滴定分を搬送するための第2の個別的流体搬送装置(51)を配置し、他方、導管の入口位置に分配した該少なくとも1種の試薬の他の部分を搬送するための第3の別の流体搬送装置(24)を配置し、それにより、これら第1および第2の流体搬送装置(50、51)からの流れを導管の第1のセクターへの入口以前に一緒にすることを特徴とする請求項11記載の配置。
  14. 圧力差を与えるための前記手段が試薬を導管に搬送するための狭い孔の毛管(28)からなることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の配置。
  15. 圧力差を与えるための前記手段が導管への入口又はその近傍に配置されたイン・ライン制限器からなることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の配置。
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