JP2004522954A - 微小流体チップからの自動化エレクトロスプレー用のロボット・オートサンプラ - Google Patents
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Abstract
ロボット・オートサンプラ(1)は、複数のエレクトロスプレー装置を有する微小流体チップおよび/または質量分析計(111)もしくはその他の検出装置とのインタフェースをとる試料入口(113)を自動的に操作する。オートサンプラはまた、エレクトロスプレー装置に制御電圧を接続して、荷電された液滴およびイオンの有効化、制御、および操作を容易にする。オートサンプラはさらに、使い捨てまたは再使用可能であってよい流体供給方法を提供する。この供給装置は、成分を分離するかまたは試料を精製する材料を含んでよい。供給装置は、事前に装填された試料を含んでよく、またはオートサンプラによって試料を装填することができる。複数のエレクトロスプレー(115)を検出器と連絡するように自動的に操作する方法は、エレクトロスプレーチップ(80)を有するロボット・オートサンプラを設ける段階と、少なくとも1つのエレクトロスプレーチップにエレクトロスプレーを行わせる段階と、エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階とを含む。
Description
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ロボット・オートサンプラに関する。このロボット・オートサンプラは、複数のエレクトロスプレー装置を有する微小流体チップおよび/または質量分析計などの検出装置とのインタフェースをとる試料入口を自動的に操作するのを可能にする。複数の試料が、供給システムのどの部分も一度に複数の試料に接触することなしに、エレクトロスプレー装置に移送されてエレクトロスプレーされ、したがって、相互汚染が無くなる。この装置はまた、エレクトロスプレー装置に制御電圧を接続して、荷電された液滴およびイオンの有効化、制御、および操作を可能にする。
【背景技術】
【0002】
タンパク質の同定、薬物の発見、および薬物の開発における現在の傾向として、新たに分析技術が要求されている。たとえば、新しい薬物標的を識別し、疾患状態のマーカーを識別するために、質量分析計を用いて既知のタンパク質を同定し、未知のタンパク質の配列を決定する方法が急速に発展している。全有機体中のすべてのタンパク質を特徴付ける試み(プロテオミクス)は、過去10年間のゲノムの配列を決定する試みから自然に発展したものであるが、場合によっては後者よりもずっと重要な作業である。この1つの理由は、タンパク質が多数の異なる翻訳後修飾を受ける場合があることである。リン酸エステル化、グリコシル化、アセチル化、ユビキチン化などの修飾は、タンパク質上のいくつかの部位で起こり、可能な形態の数を大幅に増やし、タンパク質の生物学的機能を変えることが多い。したがって、酵素による消化後にタンパク質を規則的に同定することに加え、現在のプロテオミクスの大部分は、関心対象のタンパク質に対するアミノ酸修飾の部位および種類を判定することに関するものとなっている。
【0003】
ナノエレクトロスプレー質量分析法は、存在量の少ないタンパク質を判定し特徴付けるための選ばれた方法である。この技術は、WilmおよびMann(Int. J. Mass Spectrom, Ion Processes 136;167-180(1994)およびAnal. Chem. 68:1-8(1996))によって開発された技術であり、試料消費量の少ない高感度の分析を可能にし、長いデータ獲得時間を実現すると共に、貴重な試料に対する複数の実験を可能にする。たとえば、流量が100nL/minの場合、5μL試料は50分間持つと予想することができる。このため、分析者は質量分析計上で複数の実験を行い、その後データベースを探索してタンパク質を同定するか、または同定に失敗した場合、新たにタンパク質の配列を決定するために追加の実験を行うことができる。現在のところ、ナノエレクトロスプレー質量分析法を実行するプロセスでは、個々の引張り(pulled)毛管先端が手動で操作されている。このような先端を作製するのは時間がかかり、先端が詰まった際に試料を新しい先端に移すのは困難である。
【0004】
薬物の発見および開発における現在の傾向として、やはり新たに分析技術が要求されている。たとえば、組合せ化学を用いて新しいリード化合物が発見されるか、またはリード化合物の変形例が作製されることが多い。組合せ化学技術では、数千もの化合物(組合せライブラリ)を比較的短時間(数日から数週間のオーダー)で生成することができる。このような多数の化合物を、生物学的活動について時宜を得て効率的に試験するには、各候補化合物の特性を高速に評価するのを可能にする高スループット・スクリーニング法が必要である。
【0005】
生物学的スクリーニング・データの妥当性を評価するために、組合せライブラリおよびそれに含まれる化合物の品質が用いられる。各化合物または統計的に関連する数の化合物について正しい分子量が同定されていることの確認は、化合物の純度と共に、組合せライブラリの品質の重要な2つの尺度である。化合物は、各ウェルから溶液の一部を除去し、内容物を、質量分析計に結合された液体クロマトグラフィまたは毛管電気泳動装置などの分離装置に注入することによって分析的に特徴付けることができる。
【0006】
これらの新しい標的用の実現可能なスクリーニング方法を開発できるかどうかは、アッセイ法の結果を分析するための高速の分離・分析技術が得られるかどうかによって決まることが多い。たとえば、候補薬物の潜在的な有毒代謝生成物に関するアッセイ法では、候補薬物とその候補の代謝生成物の両方を同定する必要がある。新しい化合物が人体にどのように吸収されるかと、それがどのように代謝されるかを理解すれば、治療効果が向上する可能性の有無を予測することができる。
【0007】
多数の新しい化合物が日々生成されているため、潜在的な治療価値を有する分子を同定して薬物を発見する改良されたシステムが開発されている。多数の試料を高速に分析する、マイクロチップ・ベースの分離装置が開発されている。他の従来の分離装置と比べて、このようなマイクロ・ベースの分離装置は、試料・スループットが高く、試料および試薬の消費量が少なく、薬品廃棄量が少ない。マイクロチップ・ベースの分離装置の液体流量は、大部分の用途で毎分約1〜500ナノリットルの範囲である。マイクロチップ・ベースの分離装置の例には、毛管泳動(「CE」)、毛管電気クロマトグラフィ(「CEC」)、および高性能液体クロマトグラフィ(「HPLC」)用の装置がある(Harrisonら、Science 261: 859-97(1993)、Jacobsonら、Anal. Chem. 66: 1114-18(1994)、Jacobsonら、Anal. Chem. 66: 2367-73(1994)、Kutterら、Anal. Chem. 69: 5165-71 (1997)、およびHeら、Anal. Chem. 70: 3790-97 (1998))。このような分離装置は、分析を高速に行うことができ、他の従来の分析機器と比べて精度および信頼性を向上させる。
【0008】
ずっと高速で感度の高いシステムが、化合物標的反応を、高スループットを維持しつつスクリーニングし同定して、潜在的な薬物候補を同定するように設計されている。このうような改良されたシステムの例には、2000年12月22日に出願された「Multiple Electrospray Device, Systems, and Methods」という名称の米国特許出願第09/748,518号、2001年1月18日に出願された「Separation Media, Multiple Electroscopy Nozzle System and Method」という名称の米国特許第09/764,698号がある。これらの特許はそれぞれ、参照として本明細書に組み入れられる。
【0009】
このような装置によって実現される、潜在的なアレイ・サイズ、高スループット、および速度の面での、従来技術に対する改良は、これらの装置を適切に自動化することによって推進することができる。したがって、複数のエレクトロスプレー装置を有する微小流体チップおよび/または質量分析計などの検出装置とのインタフェースをとる試料分離入口を自動的に操作する必要がある。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明は、ロボット・オートサンプラであって、
試料源とエレクトロスプレーチップ・ホルダとの間を移動することができ、試料源から試料を受け入れ、試料をチップ・ホルダに排出する流体供給プローブを含むプローブ・キャリッジと、
エレクトロスプレーチップ・ホルダと、
プローブをチップ・ホルダに整列させ、チップ・ホルダを検出器に整列させる整列機構とを含むロボット・オートサンプラに関する。
【0011】
本発明の他の局面は、流体供給プローブが、たとえば、96ウェルまたは384ウェル試料・プレート内の複数の試料と、ピペット先端、シリンジ先端、毛管などの試料取込み装置のアレイを取り扱えるように90°にわたって回転するのを可能にする。内部シリンジ・ポンプは、部分真空を形成することによって先端/管に試料を吸入する能力を付加する。このように、本発明は、エレクトロスプレー装置の後部に対して密閉された使い捨て先端に試料を順次取り上げ、したがって、エレクトロスプレー技術だけでなく試料の取扱いも完全に自動化することができる。各試料ごとに新しい先端/管を使用することによって、試料間の相互汚染が無くなる。
【0012】
本発明の他の局面は、流体供給プローブから電気的に絶縁されかつ流体供給プローブに取り付けられた電圧プローブに関する。
【0013】
本発明の他の局面は、チップ・ホルダに取り付けられたエレクトロスプレーチップに関する。
【0014】
本発明の他の局面は、エレクトロスプレーチップとエレクトロスプレー連絡する検出器に関する。この検出器は、質量分析計であってよい。
【0015】
本発明の他の局面は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように自動的に操作する方法であって、上記で指摘したロボット・オートサンプラを設ける段階と、エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階とを含む方法に関する。
【0016】
本発明の他の局面は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように生成するように複数の試料を自動的に操作する方法であって、
流体供給プローブ上に先端を係合させ、少なくとも1つの分析物を含む試料を先端に装填し、試料が装填された先端を移送して、少なくとも1つのエレクトロスプレー装置を含むエレクトロスプレーチップと連絡させ、少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーし、使用済みの先端を廃棄し、プローブ上に他の先端を係合させて取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返すようにプログラムすることのできるロボット・オートサンプラを設ける段階と、
オートサンプラ・プローブ上に先端を係合させる段階と、
少なくとも1つの分析物を含む試料をプローブ先端に装填する段階と、
少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置に移送する段階と、
エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、
エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階と、
係合・取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返す段階とを含む方法に関する。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、ピペット先端に係合し、試料をピペット先端に取り込み、試料が装填されたピペット先端をエレクトロスプレーチップと連絡させる流体供給プローブ・キャリッジを有するロボット・オートサンプラに関する。任意に、ピペット先端には事前に試料が装填されている。エレクトロスプレーチップは、噴霧された分析物・試料を分析する検出装置と連絡させられる。プローブ・キャリッジは、気密連結によってプローブに連結されたシリンジ・ポンプを含んでいる。プローブ・キャリッジは、試料を試料・トレイから取り外し、ピペット先端に試料を装填し、試料をピペット先端からチップに排出する。一態様では、オートサンプラはチップに電流を与える。オートサンプラは、試料を検出器装置、たとえば質量分析計にエレクトロスプレーする。噴霧後、使用済みのピペット先端は廃棄され、新しいピペット先端が取り上げられ別のサイクルが回避される。オートサンプラは、複数のピペット先端を保持するピペット先端トレイと、複数の試料を含む試料・トレイとを含んでいる。他の態様では、オートサンプラは、事前にピペット先端に試料が装填されるピペット先端トレイを含んでいる。チップ・ホルダは、チップを検出器と連絡させるオートサンプラ上に取り付けられている。
【0018】
本発明は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように自動的に操作する方法であって、プローブ先端に係合し、先端に試料を装填し、試料をエレクトロスプレーチップに移動することのできるロボット・オートサンプラを設ける段階と、エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階とを含む方法にも関する。任意に、係合したプローブ先端には、事前に試料が装填されている。
【0019】
図1〜5を参照すると、オートサンプラ1は、チップ・ホルダ4に隣接してZ軸に沿って延びるブラケット3と、先端17を含むピペット・トレイ5と、この特定の例では試料ウェル18を含む試料・トレイ6とを有するハウジング2を含んでいる。3つの区間を有するトラック7は、ブラケット3の頂部に沿って延びている。ただし、トラック7の区間の数は変えることができる。アイドラ・ローラ12は、ブラケット3から延びるシャフト10上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト9は、プローブ・キャリッジ・モータ11に連結されている。駆動ローラ8は、駆動シャフト9に取り付けられている。ベルト14は、アイドラ・ローラ12および駆動ローラ8上に位置し、Z軸に沿って延びている。プローブ・キャリッジ・モータ11は、駆動シャフト9をプローブ・キャリッジ15の所望の移動に応じて2つの方向に回転させるように連結されている。
【0020】
プローブ・キャリッジ15は、カム従動子16を有するプローブ・キャリッジ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、プローブ・キャリッジ駆動システムは、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。カム従動子16は、プローブ・キャリッジ15から延び、トラック7に沿って移動できるようにトラック7内に位置している。プローブ・キャリッジ駆動システムは、プローブ・キャリッジ15をZ軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト14に連結されている。
【0021】
プローブ・キャリッジ15は、図6に示されているように、プローブ・ラック31に連結されたプローブ30も含んでいる。この態様では1つのプローブしか示されていないが、同様に複数のプローブをプローブ・キャリッジ上に取り付けることができる。プローブ・ラック31は、プローブ駆動歯車34の歯33と噛合う歯32を含んでいる。プローブ駆動歯車34は、プローブ・モータ36に連結された回転可能な駆動シャフト35に取り付けられている。プローブ・モータ36は、駆動シャフト35をプローブ30の所望の移動に応じて2つの方向に回転させるように連結されている。プローブ30は、一方の端部では第1の保持カラー39によって円筒状のプローブ絶縁体38内に滑り可能に保持され、他方の端部では、管37を囲み、プローブ絶縁体38と中空の管37を両方向に引っ張るように位置する第2の保持カラー41との間に延びるばね40によって、円筒状のプローブ絶縁体38内に摺動可能に保持された中空の管37を含んでいる。先端17は、プローブ30のばね付き端部に取り付けられており、ピペット先端であってもその他の先端であってもよい。プローブ端部42は、先端17に挿入され、先端17の一端に取り付けられるような形にされている。可動管43は、気密シールを形成するように圧縮管継手44によって中空の管37の他方の端部に取り付けられている。可とう性の配管の他方の端部は、管内に部分真空を形成するようにシリンジ・ポンプ(図示せず)に取り付けられ、正圧を与えて試料を排出するように調整可能な圧力調整器46に取り付けられている。シリンジ・ポンプおよび圧力調整器46は、それぞれ切り換わるように作動させることのできる2つの弁によって可とう性の配管に連結されている。
【0022】
シリンジ・ポンプは、任意の数の市販のシリンジ・ポンプを含んでよい。本発明を実施するのに適した当技術分野で知られている従来のシリンジ・ポンプは、プランジャを変位させて体積を増し、したがって、先端に液体が引き込まれるように圧力を低下させることによって部分真空を生成するピペッタであって、「Small Volume Pipetting」(T.W. Astie著、Journal of the Association of Laboratory Automation (JALA)、第3巻、第3号、1998年)に記載されたピペットを含む。この文献は参照として本明細書に組み入れられる。
【0023】
図3〜5に示されているトラック7の第1の区間60は、この例では、ピペット・トレイ5および試料・トレイ6に隣接している。任意に、ピペット・トレイ5は、事前に試料110が装填されたピペット17を含んでよく、第1の区間60は、事前に装填された先端を含むピペット・トレイ5に隣接している。シリンジ・ポンプまたはその他の液体ポンプは、試料をチップに供給する流体を供給することができる。トラック7の第1の区間60は、Z軸に平行な線を形成している。図1、4、および5に示されているトラック7の第3の区間61は、チップ・ホルダ4に隣接しており、Z軸に平行な線を形成している。トラック7の第2の区間62は、第1の区間60と第3の区間61との間に挿入されている。第2の区間62は、Z−Y平面内に900の弧を形成している。カム従動子16は、プローブ30がトラック7の第1の区間60に沿って移動する場合にプローブ30をY軸に平行に維持し、プローブ・キャリッジ15がトラック7の第3の区間61に沿って移動する場合にプローブ30をZ軸に平行に維持するようにプローブ・キャリッジ15に連結されている。プローブ・キャリッジ15がトラック7の第2の区間62に沿って移動する際、カム従動子16はZ−Y平面内に900の弧を形成し、プローブ30をZ軸に平行な位置とY軸に平行な位置との間を遷移させる。
【0024】
試料・トレイ6は、オートサンプラ・ハウジング2内の一対の支持シャフト63上にスライド可能に取り付けられている。試料・トレイ6は、複数の試料ウェル18を含んでおり、たとえば、標準96ウェル試料・プレートや384ウェル試料・プレートである。アイドラ・ローラ(図示せず)は、ハウジング2から延びるシャフト(図示せず)上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)は、試料・トレイ・モータ(図示せず)に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト(図示せず)はアイドル・ローラおよび駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。試料・トレイ・モータは、試料・トレイ6の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。試料・トレイ6は、試料・トレイ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。試料・トレイ駆動システムは、試料・トレイをX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルトに連結されている。
【0025】
ピペット先端トレイ5は、オートサンプラ・ハウジング2内の一対の支持シャフト64上にスライド可能に取り付けられている。ピペット先端トレイ5は複数のピペット先端17を含んでおり、たとえば標準96ピペット先端トレイである。アイドラ・ローラ(図示せず)は、ハウジング2から延びるシャフト(図示せず)上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)は、ピペット先端トレイ・モータ(図示せず)に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト(図示せず)はアイドル・ローラおよび駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。ピペット先端トレイ・モータは、ピペット先端トレイ5の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。ピペット先端トレイ5は、ピペット先端トレイ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。ピペット先端駆動システムは、試料・トレイをX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルトに連結されている。
【0026】
図7に示されているように、イジェクタ・プレート70は、トラック7に隣接して試料・トレイ6に連結されている。イジェクタ・プレート70は、作動時にプローブ30のピペット先端17に係合するように位置させられたV字形二又切欠き71を有している。切欠き71の各又72は、Z軸に沿って位置し、プローブ・モータ36が作動するとプローブ30の走行方向を横切る。
【0027】
図8に示されているように、エレクトロスプレーチップ8は、チップ・ホルダ4に取り付けられている。チップ・ホルダ4は一対の支持シャフト81上でチップ・ホルダ・ハウジング82にスライド可能に取り付けられている。アイドラ・ローラ83は、チップ・ホルダ・ハウジング82から延びるシャフト84上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト85はチップ・ホルダ・モータ86に連結されている。駆動ローラ87は駆動シャフト85に取り付けられている。ベルト88はアイドル・ローラ83および駆動ローラ87上に位置し、Y軸に沿って延びている。チップ・ホルダ・モータ86は、チップ・ホルダ4の所望の移動に応じて駆動シャフト85を2つの方向に回転させるように連結されている。チップ・ホルダ4は、チップ・ホルダ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。チップ・ホルダ駆動システムは、チップ・ホルダをY軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト88に連結されている。
【0028】
図2および8に示されているように、チップ・ホルダ・ハウジング82は、一対の支持シャフト100上でオートサンプラ・ハウジング2にスライド可能に取り付けられている。アイドラ・ローラ101は、チップ・ホルダ・ハウジング82から延びるシャフト102上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)はチップ・ホルダ・ハウジング・モータ103に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト104はアイドル・ローラ101および駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。チップ・ホルダ・ハウジング・モータ103は、チップ・ホルダ・ハウジング82の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。チップ・ホルダ・ハウジング82は、チップ・ホルダ・ハウジング駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。チップ・ホルダ・ハウジング駆動システムは、チップ・ホルダ・ハウジング82をX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト104に連結されている。
【0029】
好ましくは、チップ・ホルダおよびチップ・ホルダ・ハウジング・モータは、10マイクロメートル未満の分解能を有する。整列全体精度は好ましくは、40マイクロメートルを超える。この公差内のピペット先端は通常、市販されていない。このような場合、整列機構は、好ましい仕様を超えているピペット先端における公差限界を補正することが好ましい。適切な整列機構は、先端端部を正しい位置に移動させる機械装置を含んでいる。整列機構(図示せず)は、チップ・ホルダ4とプローブ・キャリッジ15との間でブラケット3に取り付けられている。整列機構は、プローブ先端の製造分散を補正するようにZ軸に平行である場合にプローブ先端の中心に対して位置させられるプレートの孔である。
【0030】
チップ・ホルダ4、チップ・ホルダ・ハウジング82、プローブ30、プローブ・キャリッジ15、ピペット先端トレイ5、ブラケット3、および試料・トレイ6システムは、オートサンプラ・ハウジング2内に取り付けられており、システムを、オートサンプラ装置1の外側ケーシング112を移動させずに検出器111に対するチップ80の所望の位置に応じてX軸に沿って移動させるように、ラック・アンド・ピニオン連結部(図示せず)によってモータに連結されている。図10に示されるようにこのシステムも、オートサンプラ装置1の外側ケーシング112を移動させずに検出器111に対するチップ80の所望の位置に応じてY軸に沿って移動するように、ラック・アンド・ピニオン連結部(図示せず)によってモータに連結されている。
【0031】
図1に示されているように、アセンブラ制御システム120は、電気リード線121によってコントローラ・ボックス122に結合されている。コントローラ・ボックスは、マイクロプロセッサ、駆動モータ用の電源、エレクトロスプレーチップ用の制御電圧およびエレクトロスプレー電圧を含んでいる。アセンブラ制御システム120は、所望の試料分析順序に従って駆動モータを制御する。コントローラ・ボックス122は、オートサンプラ1の駆動モータ、チップ、およびプローブに接続された電気リード線127によってオートサンプラ1に結合されている。アセンブラ制御システム120は、それぞれバス・システムまたはその他のリンクによって互いに結合された中央演算処理装置(CPU)すなわちプロセッサ、メモリ、グラフィカル・ユーザ・インタフェースすなわちディスプレイ、およびユーザ入力装置を含んでいる。ただし、アセンブラ制御システムは、他の構成要素、他の数の構成要素、および各構成要素の他の組合せを含んでよい。
【0032】
プロセッサは、本明細書に記載された本発明の一態様によって複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように生成するように複数の試料を自動的に操作する方法のための記憶された命令から成る1つまたは複数のプログラムを実行することができる。この特定の態様では、CPUによって実行されるプログラムされた命令はメモリに記憶される。ただし、プログラムされた命令のいくつかまたはすべてを他の位置に記憶し、他の位置から検索し、また他の位置で実行することができる。
【0033】
システム内のランダム・アクセス・メモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM)や、フロッピィ・ディスク、ハード・ディスク、CD ROM、またはプロセッサに結合された磁気、光学、またはその他の読取りおよび/または書込みシステムによって読取りおよび/または書込みが行われるその他のコンピュータ可読媒体のような、様々な異なる種類のメモリ記憶装置をメモリ用に使用することができる。グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、試料、ピペット先端、チップ位置データなどの情報をオペレータに表示する。陰極線管表示装置のような様々な異なる種類のディスプレイを使用することができる。ユーザ入力装置は、オペレータが、選択された試料やチップ位置のような信号またはコマンドを生成しCPUに送信することを可能にする。キーボード、オンスクリーン・タッチ・パッド、コンピュータ・マウスのような様々な異なる種類のユーザ入力装置を使用することができる。
【0034】
動作時に、プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11を作動させることによってZ軸に沿って移動し、分析サイクルを開始するために最初は、ピペット・トレイ5の事前に選択された1つのピペット先端17上に懸垂される。プローブ30の移動は、プローブ・モータ36によって作動させられ、プローブ30は、Y軸に沿って移動し延びて、事前に選択されたピペット先端17に係合し、ピペット先端17をプローブ30の端部42に取り付ける。プローブ・モータ36は反転され、プローブ30をY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15内に引き込み、ピペット先端トレイ5から引き離す。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿って移動し、試料・トレイ6の事前に選択された試料ウェル18上に懸垂される。プローブ・モータ36が作動してプローブ30をY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15から延ばし、ピペット先端17を試料溶液110に接触させる。
【0035】
シリンジ・ポンプが作動して部分真空を形成し、試料110を、選択された試料プ・トレイウェル18からピペット先端17に引き込む。プローブ30は、プローブ・モータ36によってY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15に引き込まれる。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿ってチップ・ホルダ4の方へ移動する。プローブ・キャリッジ15は、チップ・ホルダ4に接近するにつれて、プローブ30をY軸に平行な向きからZ軸に平行な向きに変えるカム従動子16によってZ軸に対して900回転する。
【0036】
図2、4、および5を見ると分かるように、カム従動子16は、プローブ・キャリッジ15をチップ・ホルダ4端部でZ軸に対して900回転させるトラック7に取り付けられている。プローブ・キャリッジ15をトラック7内でZ軸に沿って移動させるプローブ・キャリッジ・モータ11が図3および4に示されている。
【0037】
図2に示されているように、プローブ・キャリッジ15のカム従動子16がトラック7の第2の区間62に係合すると、プローブ・キャリッジ15は、Z軸に対して900回転し、プローブ30をチップ・ホルダ4にかつZ軸に平行に整列させる。プローブ・モータ36が作動してプローブ30をプローブ・キャリッジ15から延ばし、試料が装填されたピペット先端17をチップ80の事前に選択されたエレクトロスプレー受けウェル130に接触させる。圧力調整器が作動して試料110をエレクトロスプレーチップ80の受けウェル130に排出し、エレクトロスプレーチップ80の電極114へ電気接触させ、試料110の、隣接する検出装置111への噴霧を推進する。作動後、シリンジ・ポンプを用いてピペット先端内に部分真空を形成し、残りの試料を引き戻し、チップを試料で濡らすのを回避することができる。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿ってチップ・ホルダ4から離れる方向へ移動し、トラック7内のカム従動子16の経路に従ってZ軸に沿って900回転し、プローブ30をY軸に平行にする。
【0038】
図1に示されているピペット・トレイ5は、2つの平行なシャフト64上に取り付けられており、ピペット・トレイ5をX軸に沿って移動させるピペット・トレイ・モータによって駆動されるベルト・プーリ・システムに連結されている。イジェクタ・プレート70は、ピペット先端トレイ5がX軸に沿ってプローブ・キャリッジ15から離れる場合にプローブ・キャリッジ15に整列するピペット先端トレイ5の縁部に取り付けられている。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によって、伸長位置にあるプローブ30と共にZ軸に沿って移動する。
【0039】
図7に示されているように、ピペット先端17は、Z軸に沿って移動するプローブ・キャリッジ15がイジェクタ・プレート70をプローブ30に係合させた場合に取り外される。プローブ30は、プローブ・モータ36によってプローブ・キャリッジ15に引き込まれ、ピペット先端17はイジェクタ・プレート70の二又71に係合し、プローブ30から取り外される。こうして、プローブ・キャリッジ15は、ピペット・トレイ5からの事前に選択されたピペット先端17に係合し、次の試料110を分析するサイクルを再開する準備を整える。または、先端を突き出す前に試料を保存するために、ピペット先端内の残りの試料を最初の試料ウェルに戻すことができる。
【0040】
図8に示されているように、エレクトロスプレーチップ80はチップ・ホルダ4に取り付けられている。チップ・ホルダ4およびチップ・ホルダ・ハウジング82は、チップ80の所望のエレクトロスプレー装置115に整列するように検出器111に対して移動することができる。チップ・ホルダ、チップ・ホルダ・キャリッジ、プローブ、プローブ・キャリッジ、ピペット先端トレイ、および試料・トレイは、ハウジング内に取り付けられており、図9および10に示されているように、オートサンプラ1の外側ケーシング112を移動させずにチップを質量分析計111に整列させるようにシステムをX軸およびY軸に沿って移動させることのできるモータに連結されている。
【0041】
2段階の動きによって、質量分析計111入口の前方におけるチップ80のX・Y軸位置が決定され、第3段階の動きによって、プローブ30はZ軸に沿って試料110およびピペット先端トレイ5上をチップ80の方へ移動する。プローブ30がこの段階に沿って移動する際、プローブ30は試料110および先端トレイ5を横切る場合にY−Z平面内に保持され、次いで、プローブ30がチップ80に接近するにつれてカム従動子16がプローブをY−Z平面内で900回転させる。第4段階の動きでは、プローブは、プローブ30の向きに応じて、Y軸に沿って移動して試料および先端を取り上げるか、またはZ軸に沿って移動してチップ80の後部に係合する。第5段階の動きでは、試料・トレイ6および先端トレイ5が、プローブ30の下方でX軸に沿って移動し、この段階を、プローブ30をZ軸に沿って移動させる段階と共に使用することによって、各試料/先端を割り出すことができる。さらなる2段階の動きによって、アセンブリ全体がZ軸およびX軸に沿って移動し、エレクトロスプレー位置を質量分析計入口に対して最適化することができる。第8段階の動きでは、シリンジ・ポンプが移動し、試料を吸引し供給することが可能になる。
【0042】
すべての段階の動きは好ましくは、コンピュータによって制御される。これによって、微小流体チップ上の複数のエレクトロスプレー装置のグリッド・アレイから1つまたは複数のエレクトロスプレーを与えることができる。好ましくは、エレクトロスプレーチップ80は、エレクトロスプレー装置115の高密度アレイまたは数群の装置115を有する。各エレクトロスプレー装置115は、流路117によって連結された少なくとも1つのエレクトロスプレー出口116と流体入口113とを有しており、入口113と出口116は微小流体チップ80の同じ側に位置しても、両側に位置してもよい。好ましくは、複数の出口が単一の流体流110と流体連通する。
【0043】
このX・Y・Z軸自動化線形運動装置は、流体供給装置が質量分析オリフィスの方向に移動できるように構成されている。微小流体チップは、質量分析計オリフィスおよび流体供給プローブに対してX軸方向およびY軸方向に移動する。したがって、流体供給プローブは、質量分析計に対して一定のX軸・Y軸位置に残り、Z軸方向に移動して、微小流体チップの後部にエレクトロスプレーを供給する流体流を連結するか切り離すことができる。チップは、質量分析計のオリフィスから一定のZ軸距離に残り、エレクトロスプレー装置のグリッド・アレイが順次エレクトロスプレーを行い、かつ各エレクトロスプレー装置からのエレクトロスプレーが空間内の同じ点から放出されるように、複数のエレクトロスプレー装置が流体プローブの前方でX軸方向およびY軸方向に移動する。
【0044】
他の線形運動段階によって、質量分析計の前方でこのアセンブリ全体を移動させることができる。これによって、エレクトロスプレーが行われている間質量分析計の性能が最大になるように装置を最適な位置に位置させることができる。図1に示されている装置では、エレクトロスプレーが行われている間、検出器のイオン応答を最適化するように流体プローブおよびチップが移動できるように、流体プローブおよびチップを、その互いの位置を移動させずにX軸方向およびY軸方向に移動させる2段階の移動がある。これらの移動段階は、質量分析計信号からのフィードバックと共に、検出器に対するエレクトロスプレーの位置を自動的に最適化するのを可能にする。
【0045】
好ましくは軟性材料で作られたシール118を用いて流体110をチップ80に密封供給することができる。流体プローブは、Oリングまたはガスケット・シールを用いて微小流体チップに対して密封することができる。または、流体が自己持続エレクトロスプレー要件と同じ流量で入口に供給されるように、入口流がエレクトロスプレー流の需要に一致している場合は密封材料は必要とされない。さらに、流体プローブ材料が、エレクトロスプレーを効率的に行うのに必要な圧力でチップの直接シールを形成できる場合は、密封材料は必要とされない。
【0046】
流体プローブは、各試料および/またはエレクトロスプレー装置に新しいプローブが使用されるように再使用可能または使い捨てであってよい。プローブには、成分を分離するかまたは試料を精製するためにクロマトグラフィ材料を装填することができる。プローブに事前に試料を装填するか、または適切なポンプまたはその他の圧力装置を用いて、試料を溶液の形で容器からプローブに供給することができる。溶液の組成は時間の経過と共に変化し、クロマトグラフィ分離を容易にすることができる。プローブは、事前に容器に試料が装填された微小流体チップに、清浄な溶媒を供給することもできる。事前に装填された試料は、依然として溶液の形であってよく、分離装置のクロマトグラフィ材料に吸着させることも、プローブから供給される溶媒によって再溶媒化される乾燥形にすることもできる。クロマトグラフィ材料/固定相をピペット先端またはエレクトロスプレーチップ内に配置することができる。さらに、複数の流体プローブを同時に用いて複数のエレクトロスプレー装置に試料を供給することができる。
【0047】
流体プローブは、戻って試料を取り上げると、一態様では、水平平面から垂直平面に移動する。プローブ次に、上下に移動して新しいピペット先端、または毛管柱、またはその他の試料・ハンドリング装置を取り上げることができる。試料が事前に装填されていない場合、プローブは、チップに戻る前に、多重ウェル試料・トレイに移動し、ウェルから試料を取り込むことができる。試料がチップの後部に対して密封された後、エレクトロスプレーを開始するために少量の上部圧力、通常5ポンド/平方インチ(「psi」)未満の上部圧力が圧力調整器46によって与えられる。このように、各試料ごとに新しい試料容器およびエレクトロスプレーノズルを用いて相互汚染を無くすことができる。分析後、使用済みのプローブ先端/毛管は、たとえば機械的捕捉装置を用いることによって自動的に排出され、新しい次の試料を吸引する前に新しいプローブ先端が装填される。
【0048】
エレクトロスプレー用の制御電圧は、微小流体チップ・マウントまたは流体供給プローブから与えられる。エレクトロスプレー電圧は、プローブがその下流側の流体と導電状態にあるかまたはこの流体に接触している場合に、図11に示されているように、流体供給プローブから与えることができる。または、図12に示されているようにチップ80上の導電面123と接触するプローブ30の電気絶縁接続装置119からこの電圧を供給してもよい。これは、この電圧をエレクトロスプレーイオン化チップ80の流体入口113に供給するという利点を有し、流体プローブ30内で起こる電気浸透または電気クロマトグラフィを最小限に抑える。
【0049】
この電圧は、チップ・マウント125を通じて電圧を印加できるように、チップ・マウント125に接触するチップの縁部まで延びる導電面124から供給することもできる。これは、電圧を任意の時間に印加できるようにプローブを必要としないという利点を有する。電圧は、図13に示されているように、任意の数のエレクトロスプレー装置に同時に印加し、たとえば個別に印加したり、群単位で印加することも、チップの入口面全体を覆う導電層124を示す図14に示されているように、チップ上のすべてのエレクトロスプレー装置に同時に印加することもできる。
【0050】
他の電圧も、図15に示されているようにチップ・ホルダ125から供給することができる。必要な基板電圧、チップ全体または各エレクトロスプレー装置または装置群の周りについての、チップの表面上またはチップ内の各層126内の電極に対する制御電圧を印加する他の例は図16A〜16Cに示されている。これらの電圧を用いてイオンを操作し、空間電荷を排除し、表面電荷を排除し、したがってエレクトロスプレー装置の感度を最大にすることができる。
【0051】
流体プローブは、クロマトグラフィ・カラム、脱塩カラム、または充填材料または表面コーティングを含む他の固定相を含んでよい。流体プローブは、毛管試料容器であっても、より内径の大きな試料容器であってもよい。流体プローブは、黒鉛を含浸させたポリプロピレンで作られたピペット先端などの導電ピペット先端でもよい。流体プローブは、それ自体が再使用可能または使い捨てであってよく、または再使用可能または使い捨て先端を有することができる。
【0052】
エレクトロスプレーは、流体とチップの基板との間に調節された電界が生成されるために行われる。チップ・ホルダはチップの基板に電圧を供給することができる。チップ・ホルダが導電状態である場合、ホルダを接地電位に結合することができ、基板電圧は単に、チップの縁部をチップ・マウントに保持することによって印加される。これは、任意の既知の方法により、たとえば、機械的に行ったり、導電ペーストまたはエポキシを用いることによって行うことができる。特に、チップ・ホルダは、エレクトロスプレー電圧を、チップの流体に供給することも、個々のノズルに供給することも、すべてのノズルに一度に供給することもできる。または、プローブ/カラム/試料毛管を用いてエレクトロスプレー電圧を供給することができる。流体プローブに取り付けられているが、流体プローブから電気的に絶縁されており流体プローブと共に移動する小形プローブを用いて、個別に、またはまとめて、または群単位でエレクトロスプレー電圧を供給することができる。これによって、カラム/プローブがエレクトロスプレー電圧からある程度絶縁され、したがって、電気浸透または電気クロマトグラフィが抑制される。
【0053】
チップの後部に個々の導電パッドを取り付け、各ノズルに個別に電圧を印加することができる。同様に、チップの前部に金属コーティングを塗布して各ノズルに電圧を印加することができる。
【0054】
各ノズルの周りの電界は好ましくは、ノズル先端の流体・基板電圧によって形成されるので、複数のノズルを数十ミクロンのオーダーで近接させて配置することができる。これによって、単一の流体流の複数のノズルから複数のエレクトロスプレーを形成し、したがって、マイクロチップ・ベースのエレクトロスプレー装置で得られるエレクトロスプレー感度を大幅に向上させることができる。互いに流体連通するエレクトロスプレー装置の複数のノズルは、感度を改善するだけでなく、装置の流量能力も向上させる。たとえば、内径10ミクロン、外径20ミクロン、長さ50ミクロンの寸法を有する1つのノズルを通る単一の流体流の流量は約1μL/分であり、200個のこのようなノズルの流量は約200μL/分である。したがって、最大で約2μL/分の流量能力、約2μL/分から約1mL/分の流量能力、約100nL/分から約500nL/分の流量能力、約2μL/分を超える流量能力を有する装置を製造することができる。
【0055】
任意のノズル数および形式を有する複数のエレクトロスプレー装置のアレイを製造することができる。エレクトロスプレー装置は、装置の低密度アレイから高密度アレイまでを形成するように位置させることができる。たとえば、互いに隣接する装置間の間隔として、それぞれ、液体を取り扱うかまたはエレクトロスプレーシステムから試料を受け入れるための市販の計器で使用される間隔に対応する、9mm、4.5mm、2.25mm、1.12mm、0.56mm、0.28mm、およびそれ以下から、約50μm程度までの間隔を有するアレイを製造することができる。同様に、装置密度が約5個/cm2を超えるアレイ、約16個/cm2を超えるアレイ、約30個/cm2を超えるアレイ、約81個/cm2を超えるアレイ、好ましくは約30個/cm2から約100個/cm2のアレイとしてエレクトロスプレー装置のシステムを製造することができる。
【0056】
エレクトロスプレー装置の寸法は、特定の用途や、レイアウト設計や、エレクトロスプレー装置とのインタフェースをとるかまたはエレクトロスプレー装置が一体化された上流側および/または下流側装置のような様々な因子に従って決定することができる。さらに、流路およびノズルの寸法は、流体試料の所望の流量に対して最適化することができる。反応性イオン・エッチングを用いると、直径が小さく、たとえば内径が2μmで外径が5μmのノズルを再現可能にかつ費用有効に作製することができる。このような各ノズルは、20μmほどの密な間隔で製造することができ、その場合、密度は約160,000個/cm2になる。それぞれ約10,000/cm2までのノズル密度、約15,625/cm2までのノズル密度、約27,566/cm2までのノズル密度、約40,000/cm2までのノズル密度をエレクトロスプレー装置内で実現することができる。同様に、排出面上の、噴霧ユニットの互いに隣接する出口オリフィスの中心間間隔がそれぞれ、約500μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約50μm未満であるノズルを設けることができる。たとえば、外径が20μmの1つのノズルを有するエレクトロスプレー装置はそれぞれ、周囲に、幅が30μmの試料ウェルを有する。そのようなノズルが密に充填されたアレイは、ノズルの中心から測定した場合の間隔が25μmほどの密な間隔であってよい。
【0057】
たとえば、現在好ましい一態様では、エレクトロスプレー装置のシリコン基板は厚さが約250〜500μmであり、貫通基板流路の表面積は約2,500μm2未満である。流路が円形の断面形状を有する場合、流路とノズルは最大で50μm、より好ましくは最大で30μmの内径を有し、ノズルは最大で60μm、より好ましくは最大で40μmの外径を有し、ノズルは最大で100μmの高さを有する(かつ環状領域は最大で100μmの深さを有する)。凹部は好ましくは、ノズルから外側に最大で300μm延びる。二酸化ケイ素層は、約1〜4μm、好ましくは1〜3μmの厚さを有する。窒化ケイ素層は約2μm未満の厚さを有する。本発明のオートサンプラは、サンプリング・プロセスを自動化しこのような高密度システムの利点を実現するように、上記のノズル密度および流量を有するエレクトロスプレー装置とのインタフェースをとるように製造することができる。
【0058】
さらに、エレクトロスプレー装置は、より大きく、最低限に荷電された液滴を生成するように操作することができる。これは、ノズル出口の所の電界を、所与の流体のエレクトロスプレーを生成するのに必要な値よりも小さな値に縮小することによって行われる。流体の電位電圧と基板の電位電圧との比を調整することによって電界が調節される。液滴を形成するには、流体・基板電位電圧比が約2未満であることが好ましい。この動作モードでの液滴直径は、流体の表面張力、印加電圧、および液滴受けウェルまたはプレートまでの距離によって調節される。この動作モードは、理想的には多数の離散量の流体の搬送および/または配分に適しており、インク・ジェット・プリンタや、流体の制御された分配を必要とする機器および計器などに使用することができる。
【0059】
本発明を例示を目的として詳しく説明したが、このような説明が例示のためのものに過ぎず、当業者なら、特許請求の範囲で定義される本発明の要旨および範囲から逸脱せずに変形を加えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】プローブ・キャリッジ・アセンブリがチップを取り扱うのに適した位置にある、本発明の一態様によるロボット・オートサンプラの一側面からの斜視図である。
【図2】プローブ・キャリッジ・アセンブリが回転位置にある、ロボット・オートサンプラの一側面からの部分斜視図である。
【図3】プローブ・キャリッジ・アセンブリが試料を取り扱うのに適した位置にある、ロボット・オートサンプラの一側面からの斜視図である。
【図4】プローブ・キャリッジ・カム・トラックを示す、ロボット・オートサンプラの他の側面からの斜視図である。
【図5】プローブ・キャリッジ・カム・トラックを示すようにロボット・オートサンプラの一部が取り外された、他の側面からの斜視図である。
【図6】プローブ・キャリッジ・アセンブリの断面図である。
【図7】プローブ・キャリッジ・アセンブリが先端吐出アセンブリに係合した様子を示す斜視図である。
【図8】チップ・ホルダ・アセンブリを示す、ロボット・オートサンプラの他の側面からの部分斜視図である。
【図9】チップ・ホルダ・アセンブリおよびプラットフォーム調整アセンブリを示す、ロボット・オートサンプラの他の態様の切取り部分の部分斜視図である。
【図10】ロボット・オートサンプラのある構成要素の相対的な移動機能の斜視図である。
【図11】流体プローブによって流体に電圧を印加する様子を示す断面図である。
【図12】電圧プローブをエレクトロスプレーイオン化(「ESI」)チップの導電表面に接触するように用いることによって流体に電圧を印加する様子を示す断面図である。
【図13】電圧が任意の数のエレクトロスプレー装置に同時に、個別に、または群単位で印加されるチップ回路の平面図である。
【図14】電圧がチップ上のすべてのエレクトロスプレー装置に同時に印加される電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。
【図15】エレクトロスプレーイオン化チップ・ホルダがチップに電圧を与える様子を示す断面図である。
【図16】図16Aは、環状電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。図16Bは、表面電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。図16Cは、積層電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。
【0001】
発明の分野
本発明は、ロボット・オートサンプラに関する。このロボット・オートサンプラは、複数のエレクトロスプレー装置を有する微小流体チップおよび/または質量分析計などの検出装置とのインタフェースをとる試料入口を自動的に操作するのを可能にする。複数の試料が、供給システムのどの部分も一度に複数の試料に接触することなしに、エレクトロスプレー装置に移送されてエレクトロスプレーされ、したがって、相互汚染が無くなる。この装置はまた、エレクトロスプレー装置に制御電圧を接続して、荷電された液滴およびイオンの有効化、制御、および操作を可能にする。
【背景技術】
【0002】
タンパク質の同定、薬物の発見、および薬物の開発における現在の傾向として、新たに分析技術が要求されている。たとえば、新しい薬物標的を識別し、疾患状態のマーカーを識別するために、質量分析計を用いて既知のタンパク質を同定し、未知のタンパク質の配列を決定する方法が急速に発展している。全有機体中のすべてのタンパク質を特徴付ける試み(プロテオミクス)は、過去10年間のゲノムの配列を決定する試みから自然に発展したものであるが、場合によっては後者よりもずっと重要な作業である。この1つの理由は、タンパク質が多数の異なる翻訳後修飾を受ける場合があることである。リン酸エステル化、グリコシル化、アセチル化、ユビキチン化などの修飾は、タンパク質上のいくつかの部位で起こり、可能な形態の数を大幅に増やし、タンパク質の生物学的機能を変えることが多い。したがって、酵素による消化後にタンパク質を規則的に同定することに加え、現在のプロテオミクスの大部分は、関心対象のタンパク質に対するアミノ酸修飾の部位および種類を判定することに関するものとなっている。
【0003】
ナノエレクトロスプレー質量分析法は、存在量の少ないタンパク質を判定し特徴付けるための選ばれた方法である。この技術は、WilmおよびMann(Int. J. Mass Spectrom, Ion Processes 136;167-180(1994)およびAnal. Chem. 68:1-8(1996))によって開発された技術であり、試料消費量の少ない高感度の分析を可能にし、長いデータ獲得時間を実現すると共に、貴重な試料に対する複数の実験を可能にする。たとえば、流量が100nL/minの場合、5μL試料は50分間持つと予想することができる。このため、分析者は質量分析計上で複数の実験を行い、その後データベースを探索してタンパク質を同定するか、または同定に失敗した場合、新たにタンパク質の配列を決定するために追加の実験を行うことができる。現在のところ、ナノエレクトロスプレー質量分析法を実行するプロセスでは、個々の引張り(pulled)毛管先端が手動で操作されている。このような先端を作製するのは時間がかかり、先端が詰まった際に試料を新しい先端に移すのは困難である。
【0004】
薬物の発見および開発における現在の傾向として、やはり新たに分析技術が要求されている。たとえば、組合せ化学を用いて新しいリード化合物が発見されるか、またはリード化合物の変形例が作製されることが多い。組合せ化学技術では、数千もの化合物(組合せライブラリ)を比較的短時間(数日から数週間のオーダー)で生成することができる。このような多数の化合物を、生物学的活動について時宜を得て効率的に試験するには、各候補化合物の特性を高速に評価するのを可能にする高スループット・スクリーニング法が必要である。
【0005】
生物学的スクリーニング・データの妥当性を評価するために、組合せライブラリおよびそれに含まれる化合物の品質が用いられる。各化合物または統計的に関連する数の化合物について正しい分子量が同定されていることの確認は、化合物の純度と共に、組合せライブラリの品質の重要な2つの尺度である。化合物は、各ウェルから溶液の一部を除去し、内容物を、質量分析計に結合された液体クロマトグラフィまたは毛管電気泳動装置などの分離装置に注入することによって分析的に特徴付けることができる。
【0006】
これらの新しい標的用の実現可能なスクリーニング方法を開発できるかどうかは、アッセイ法の結果を分析するための高速の分離・分析技術が得られるかどうかによって決まることが多い。たとえば、候補薬物の潜在的な有毒代謝生成物に関するアッセイ法では、候補薬物とその候補の代謝生成物の両方を同定する必要がある。新しい化合物が人体にどのように吸収されるかと、それがどのように代謝されるかを理解すれば、治療効果が向上する可能性の有無を予測することができる。
【0007】
多数の新しい化合物が日々生成されているため、潜在的な治療価値を有する分子を同定して薬物を発見する改良されたシステムが開発されている。多数の試料を高速に分析する、マイクロチップ・ベースの分離装置が開発されている。他の従来の分離装置と比べて、このようなマイクロ・ベースの分離装置は、試料・スループットが高く、試料および試薬の消費量が少なく、薬品廃棄量が少ない。マイクロチップ・ベースの分離装置の液体流量は、大部分の用途で毎分約1〜500ナノリットルの範囲である。マイクロチップ・ベースの分離装置の例には、毛管泳動(「CE」)、毛管電気クロマトグラフィ(「CEC」)、および高性能液体クロマトグラフィ(「HPLC」)用の装置がある(Harrisonら、Science 261: 859-97(1993)、Jacobsonら、Anal. Chem. 66: 1114-18(1994)、Jacobsonら、Anal. Chem. 66: 2367-73(1994)、Kutterら、Anal. Chem. 69: 5165-71 (1997)、およびHeら、Anal. Chem. 70: 3790-97 (1998))。このような分離装置は、分析を高速に行うことができ、他の従来の分析機器と比べて精度および信頼性を向上させる。
【0008】
ずっと高速で感度の高いシステムが、化合物標的反応を、高スループットを維持しつつスクリーニングし同定して、潜在的な薬物候補を同定するように設計されている。このうような改良されたシステムの例には、2000年12月22日に出願された「Multiple Electrospray Device, Systems, and Methods」という名称の米国特許出願第09/748,518号、2001年1月18日に出願された「Separation Media, Multiple Electroscopy Nozzle System and Method」という名称の米国特許第09/764,698号がある。これらの特許はそれぞれ、参照として本明細書に組み入れられる。
【0009】
このような装置によって実現される、潜在的なアレイ・サイズ、高スループット、および速度の面での、従来技術に対する改良は、これらの装置を適切に自動化することによって推進することができる。したがって、複数のエレクトロスプレー装置を有する微小流体チップおよび/または質量分析計などの検出装置とのインタフェースをとる試料分離入口を自動的に操作する必要がある。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明は、ロボット・オートサンプラであって、
試料源とエレクトロスプレーチップ・ホルダとの間を移動することができ、試料源から試料を受け入れ、試料をチップ・ホルダに排出する流体供給プローブを含むプローブ・キャリッジと、
エレクトロスプレーチップ・ホルダと、
プローブをチップ・ホルダに整列させ、チップ・ホルダを検出器に整列させる整列機構とを含むロボット・オートサンプラに関する。
【0011】
本発明の他の局面は、流体供給プローブが、たとえば、96ウェルまたは384ウェル試料・プレート内の複数の試料と、ピペット先端、シリンジ先端、毛管などの試料取込み装置のアレイを取り扱えるように90°にわたって回転するのを可能にする。内部シリンジ・ポンプは、部分真空を形成することによって先端/管に試料を吸入する能力を付加する。このように、本発明は、エレクトロスプレー装置の後部に対して密閉された使い捨て先端に試料を順次取り上げ、したがって、エレクトロスプレー技術だけでなく試料の取扱いも完全に自動化することができる。各試料ごとに新しい先端/管を使用することによって、試料間の相互汚染が無くなる。
【0012】
本発明の他の局面は、流体供給プローブから電気的に絶縁されかつ流体供給プローブに取り付けられた電圧プローブに関する。
【0013】
本発明の他の局面は、チップ・ホルダに取り付けられたエレクトロスプレーチップに関する。
【0014】
本発明の他の局面は、エレクトロスプレーチップとエレクトロスプレー連絡する検出器に関する。この検出器は、質量分析計であってよい。
【0015】
本発明の他の局面は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように自動的に操作する方法であって、上記で指摘したロボット・オートサンプラを設ける段階と、エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階とを含む方法に関する。
【0016】
本発明の他の局面は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように生成するように複数の試料を自動的に操作する方法であって、
流体供給プローブ上に先端を係合させ、少なくとも1つの分析物を含む試料を先端に装填し、試料が装填された先端を移送して、少なくとも1つのエレクトロスプレー装置を含むエレクトロスプレーチップと連絡させ、少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーし、使用済みの先端を廃棄し、プローブ上に他の先端を係合させて取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返すようにプログラムすることのできるロボット・オートサンプラを設ける段階と、
オートサンプラ・プローブ上に先端を係合させる段階と、
少なくとも1つの分析物を含む試料をプローブ先端に装填する段階と、
少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置に移送する段階と、
エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、
エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階と、
係合・取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返す段階とを含む方法に関する。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、ピペット先端に係合し、試料をピペット先端に取り込み、試料が装填されたピペット先端をエレクトロスプレーチップと連絡させる流体供給プローブ・キャリッジを有するロボット・オートサンプラに関する。任意に、ピペット先端には事前に試料が装填されている。エレクトロスプレーチップは、噴霧された分析物・試料を分析する検出装置と連絡させられる。プローブ・キャリッジは、気密連結によってプローブに連結されたシリンジ・ポンプを含んでいる。プローブ・キャリッジは、試料を試料・トレイから取り外し、ピペット先端に試料を装填し、試料をピペット先端からチップに排出する。一態様では、オートサンプラはチップに電流を与える。オートサンプラは、試料を検出器装置、たとえば質量分析計にエレクトロスプレーする。噴霧後、使用済みのピペット先端は廃棄され、新しいピペット先端が取り上げられ別のサイクルが回避される。オートサンプラは、複数のピペット先端を保持するピペット先端トレイと、複数の試料を含む試料・トレイとを含んでいる。他の態様では、オートサンプラは、事前にピペット先端に試料が装填されるピペット先端トレイを含んでいる。チップ・ホルダは、チップを検出器と連絡させるオートサンプラ上に取り付けられている。
【0018】
本発明は、複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように自動的に操作する方法であって、プローブ先端に係合し、先端に試料を装填し、試料をエレクトロスプレーチップに移動することのできるロボット・オートサンプラを設ける段階と、エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階とを含む方法にも関する。任意に、係合したプローブ先端には、事前に試料が装填されている。
【0019】
図1〜5を参照すると、オートサンプラ1は、チップ・ホルダ4に隣接してZ軸に沿って延びるブラケット3と、先端17を含むピペット・トレイ5と、この特定の例では試料ウェル18を含む試料・トレイ6とを有するハウジング2を含んでいる。3つの区間を有するトラック7は、ブラケット3の頂部に沿って延びている。ただし、トラック7の区間の数は変えることができる。アイドラ・ローラ12は、ブラケット3から延びるシャフト10上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト9は、プローブ・キャリッジ・モータ11に連結されている。駆動ローラ8は、駆動シャフト9に取り付けられている。ベルト14は、アイドラ・ローラ12および駆動ローラ8上に位置し、Z軸に沿って延びている。プローブ・キャリッジ・モータ11は、駆動シャフト9をプローブ・キャリッジ15の所望の移動に応じて2つの方向に回転させるように連結されている。
【0020】
プローブ・キャリッジ15は、カム従動子16を有するプローブ・キャリッジ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、プローブ・キャリッジ駆動システムは、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。カム従動子16は、プローブ・キャリッジ15から延び、トラック7に沿って移動できるようにトラック7内に位置している。プローブ・キャリッジ駆動システムは、プローブ・キャリッジ15をZ軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト14に連結されている。
【0021】
プローブ・キャリッジ15は、図6に示されているように、プローブ・ラック31に連結されたプローブ30も含んでいる。この態様では1つのプローブしか示されていないが、同様に複数のプローブをプローブ・キャリッジ上に取り付けることができる。プローブ・ラック31は、プローブ駆動歯車34の歯33と噛合う歯32を含んでいる。プローブ駆動歯車34は、プローブ・モータ36に連結された回転可能な駆動シャフト35に取り付けられている。プローブ・モータ36は、駆動シャフト35をプローブ30の所望の移動に応じて2つの方向に回転させるように連結されている。プローブ30は、一方の端部では第1の保持カラー39によって円筒状のプローブ絶縁体38内に滑り可能に保持され、他方の端部では、管37を囲み、プローブ絶縁体38と中空の管37を両方向に引っ張るように位置する第2の保持カラー41との間に延びるばね40によって、円筒状のプローブ絶縁体38内に摺動可能に保持された中空の管37を含んでいる。先端17は、プローブ30のばね付き端部に取り付けられており、ピペット先端であってもその他の先端であってもよい。プローブ端部42は、先端17に挿入され、先端17の一端に取り付けられるような形にされている。可動管43は、気密シールを形成するように圧縮管継手44によって中空の管37の他方の端部に取り付けられている。可とう性の配管の他方の端部は、管内に部分真空を形成するようにシリンジ・ポンプ(図示せず)に取り付けられ、正圧を与えて試料を排出するように調整可能な圧力調整器46に取り付けられている。シリンジ・ポンプおよび圧力調整器46は、それぞれ切り換わるように作動させることのできる2つの弁によって可とう性の配管に連結されている。
【0022】
シリンジ・ポンプは、任意の数の市販のシリンジ・ポンプを含んでよい。本発明を実施するのに適した当技術分野で知られている従来のシリンジ・ポンプは、プランジャを変位させて体積を増し、したがって、先端に液体が引き込まれるように圧力を低下させることによって部分真空を生成するピペッタであって、「Small Volume Pipetting」(T.W. Astie著、Journal of the Association of Laboratory Automation (JALA)、第3巻、第3号、1998年)に記載されたピペットを含む。この文献は参照として本明細書に組み入れられる。
【0023】
図3〜5に示されているトラック7の第1の区間60は、この例では、ピペット・トレイ5および試料・トレイ6に隣接している。任意に、ピペット・トレイ5は、事前に試料110が装填されたピペット17を含んでよく、第1の区間60は、事前に装填された先端を含むピペット・トレイ5に隣接している。シリンジ・ポンプまたはその他の液体ポンプは、試料をチップに供給する流体を供給することができる。トラック7の第1の区間60は、Z軸に平行な線を形成している。図1、4、および5に示されているトラック7の第3の区間61は、チップ・ホルダ4に隣接しており、Z軸に平行な線を形成している。トラック7の第2の区間62は、第1の区間60と第3の区間61との間に挿入されている。第2の区間62は、Z−Y平面内に900の弧を形成している。カム従動子16は、プローブ30がトラック7の第1の区間60に沿って移動する場合にプローブ30をY軸に平行に維持し、プローブ・キャリッジ15がトラック7の第3の区間61に沿って移動する場合にプローブ30をZ軸に平行に維持するようにプローブ・キャリッジ15に連結されている。プローブ・キャリッジ15がトラック7の第2の区間62に沿って移動する際、カム従動子16はZ−Y平面内に900の弧を形成し、プローブ30をZ軸に平行な位置とY軸に平行な位置との間を遷移させる。
【0024】
試料・トレイ6は、オートサンプラ・ハウジング2内の一対の支持シャフト63上にスライド可能に取り付けられている。試料・トレイ6は、複数の試料ウェル18を含んでおり、たとえば、標準96ウェル試料・プレートや384ウェル試料・プレートである。アイドラ・ローラ(図示せず)は、ハウジング2から延びるシャフト(図示せず)上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)は、試料・トレイ・モータ(図示せず)に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト(図示せず)はアイドル・ローラおよび駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。試料・トレイ・モータは、試料・トレイ6の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。試料・トレイ6は、試料・トレイ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。試料・トレイ駆動システムは、試料・トレイをX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルトに連結されている。
【0025】
ピペット先端トレイ5は、オートサンプラ・ハウジング2内の一対の支持シャフト64上にスライド可能に取り付けられている。ピペット先端トレイ5は複数のピペット先端17を含んでおり、たとえば標準96ピペット先端トレイである。アイドラ・ローラ(図示せず)は、ハウジング2から延びるシャフト(図示せず)上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)は、ピペット先端トレイ・モータ(図示せず)に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト(図示せず)はアイドル・ローラおよび駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。ピペット先端トレイ・モータは、ピペット先端トレイ5の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。ピペット先端トレイ5は、ピペット先端トレイ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。ピペット先端駆動システムは、試料・トレイをX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルトに連結されている。
【0026】
図7に示されているように、イジェクタ・プレート70は、トラック7に隣接して試料・トレイ6に連結されている。イジェクタ・プレート70は、作動時にプローブ30のピペット先端17に係合するように位置させられたV字形二又切欠き71を有している。切欠き71の各又72は、Z軸に沿って位置し、プローブ・モータ36が作動するとプローブ30の走行方向を横切る。
【0027】
図8に示されているように、エレクトロスプレーチップ8は、チップ・ホルダ4に取り付けられている。チップ・ホルダ4は一対の支持シャフト81上でチップ・ホルダ・ハウジング82にスライド可能に取り付けられている。アイドラ・ローラ83は、チップ・ホルダ・ハウジング82から延びるシャフト84上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト85はチップ・ホルダ・モータ86に連結されている。駆動ローラ87は駆動シャフト85に取り付けられている。ベルト88はアイドル・ローラ83および駆動ローラ87上に位置し、Y軸に沿って延びている。チップ・ホルダ・モータ86は、チップ・ホルダ4の所望の移動に応じて駆動シャフト85を2つの方向に回転させるように連結されている。チップ・ホルダ4は、チップ・ホルダ駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。チップ・ホルダ駆動システムは、チップ・ホルダをY軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト88に連結されている。
【0028】
図2および8に示されているように、チップ・ホルダ・ハウジング82は、一対の支持シャフト100上でオートサンプラ・ハウジング2にスライド可能に取り付けられている。アイドラ・ローラ101は、チップ・ホルダ・ハウジング82から延びるシャフト102上に回転可能に取り付けられている。回転可能な駆動シャフト(図示せず)はチップ・ホルダ・ハウジング・モータ103に連結されている。駆動ローラ(図示せず)は駆動シャフトに取り付けられている。ベルト104はアイドル・ローラ101および駆動ローラ上に位置し、X軸に沿って延びている。チップ・ホルダ・ハウジング・モータ103は、チップ・ホルダ・ハウジング82の所望の移動に応じて駆動シャフトを2つの方向に回転させるように連結されている。チップ・ホルダ・ハウジング82は、チップ・ホルダ・ハウジング駆動システム(図示せず)を含んでいる。ただし、他のおよび/または異なる構成要素を含んでよい。チップ・ホルダ・ハウジング駆動システムは、チップ・ホルダ・ハウジング82をX軸に沿って移動させるように、たとえばベルト・クランプによってベルト104に連結されている。
【0029】
好ましくは、チップ・ホルダおよびチップ・ホルダ・ハウジング・モータは、10マイクロメートル未満の分解能を有する。整列全体精度は好ましくは、40マイクロメートルを超える。この公差内のピペット先端は通常、市販されていない。このような場合、整列機構は、好ましい仕様を超えているピペット先端における公差限界を補正することが好ましい。適切な整列機構は、先端端部を正しい位置に移動させる機械装置を含んでいる。整列機構(図示せず)は、チップ・ホルダ4とプローブ・キャリッジ15との間でブラケット3に取り付けられている。整列機構は、プローブ先端の製造分散を補正するようにZ軸に平行である場合にプローブ先端の中心に対して位置させられるプレートの孔である。
【0030】
チップ・ホルダ4、チップ・ホルダ・ハウジング82、プローブ30、プローブ・キャリッジ15、ピペット先端トレイ5、ブラケット3、および試料・トレイ6システムは、オートサンプラ・ハウジング2内に取り付けられており、システムを、オートサンプラ装置1の外側ケーシング112を移動させずに検出器111に対するチップ80の所望の位置に応じてX軸に沿って移動させるように、ラック・アンド・ピニオン連結部(図示せず)によってモータに連結されている。図10に示されるようにこのシステムも、オートサンプラ装置1の外側ケーシング112を移動させずに検出器111に対するチップ80の所望の位置に応じてY軸に沿って移動するように、ラック・アンド・ピニオン連結部(図示せず)によってモータに連結されている。
【0031】
図1に示されているように、アセンブラ制御システム120は、電気リード線121によってコントローラ・ボックス122に結合されている。コントローラ・ボックスは、マイクロプロセッサ、駆動モータ用の電源、エレクトロスプレーチップ用の制御電圧およびエレクトロスプレー電圧を含んでいる。アセンブラ制御システム120は、所望の試料分析順序に従って駆動モータを制御する。コントローラ・ボックス122は、オートサンプラ1の駆動モータ、チップ、およびプローブに接続された電気リード線127によってオートサンプラ1に結合されている。アセンブラ制御システム120は、それぞれバス・システムまたはその他のリンクによって互いに結合された中央演算処理装置(CPU)すなわちプロセッサ、メモリ、グラフィカル・ユーザ・インタフェースすなわちディスプレイ、およびユーザ入力装置を含んでいる。ただし、アセンブラ制御システムは、他の構成要素、他の数の構成要素、および各構成要素の他の組合せを含んでよい。
【0032】
プロセッサは、本明細書に記載された本発明の一態様によって複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように生成するように複数の試料を自動的に操作する方法のための記憶された命令から成る1つまたは複数のプログラムを実行することができる。この特定の態様では、CPUによって実行されるプログラムされた命令はメモリに記憶される。ただし、プログラムされた命令のいくつかまたはすべてを他の位置に記憶し、他の位置から検索し、また他の位置で実行することができる。
【0033】
システム内のランダム・アクセス・メモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM)や、フロッピィ・ディスク、ハード・ディスク、CD ROM、またはプロセッサに結合された磁気、光学、またはその他の読取りおよび/または書込みシステムによって読取りおよび/または書込みが行われるその他のコンピュータ可読媒体のような、様々な異なる種類のメモリ記憶装置をメモリ用に使用することができる。グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、試料、ピペット先端、チップ位置データなどの情報をオペレータに表示する。陰極線管表示装置のような様々な異なる種類のディスプレイを使用することができる。ユーザ入力装置は、オペレータが、選択された試料やチップ位置のような信号またはコマンドを生成しCPUに送信することを可能にする。キーボード、オンスクリーン・タッチ・パッド、コンピュータ・マウスのような様々な異なる種類のユーザ入力装置を使用することができる。
【0034】
動作時に、プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11を作動させることによってZ軸に沿って移動し、分析サイクルを開始するために最初は、ピペット・トレイ5の事前に選択された1つのピペット先端17上に懸垂される。プローブ30の移動は、プローブ・モータ36によって作動させられ、プローブ30は、Y軸に沿って移動し延びて、事前に選択されたピペット先端17に係合し、ピペット先端17をプローブ30の端部42に取り付ける。プローブ・モータ36は反転され、プローブ30をY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15内に引き込み、ピペット先端トレイ5から引き離す。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿って移動し、試料・トレイ6の事前に選択された試料ウェル18上に懸垂される。プローブ・モータ36が作動してプローブ30をY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15から延ばし、ピペット先端17を試料溶液110に接触させる。
【0035】
シリンジ・ポンプが作動して部分真空を形成し、試料110を、選択された試料プ・トレイウェル18からピペット先端17に引き込む。プローブ30は、プローブ・モータ36によってY軸に沿ってプローブ・キャリッジ15に引き込まれる。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿ってチップ・ホルダ4の方へ移動する。プローブ・キャリッジ15は、チップ・ホルダ4に接近するにつれて、プローブ30をY軸に平行な向きからZ軸に平行な向きに変えるカム従動子16によってZ軸に対して900回転する。
【0036】
図2、4、および5を見ると分かるように、カム従動子16は、プローブ・キャリッジ15をチップ・ホルダ4端部でZ軸に対して900回転させるトラック7に取り付けられている。プローブ・キャリッジ15をトラック7内でZ軸に沿って移動させるプローブ・キャリッジ・モータ11が図3および4に示されている。
【0037】
図2に示されているように、プローブ・キャリッジ15のカム従動子16がトラック7の第2の区間62に係合すると、プローブ・キャリッジ15は、Z軸に対して900回転し、プローブ30をチップ・ホルダ4にかつZ軸に平行に整列させる。プローブ・モータ36が作動してプローブ30をプローブ・キャリッジ15から延ばし、試料が装填されたピペット先端17をチップ80の事前に選択されたエレクトロスプレー受けウェル130に接触させる。圧力調整器が作動して試料110をエレクトロスプレーチップ80の受けウェル130に排出し、エレクトロスプレーチップ80の電極114へ電気接触させ、試料110の、隣接する検出装置111への噴霧を推進する。作動後、シリンジ・ポンプを用いてピペット先端内に部分真空を形成し、残りの試料を引き戻し、チップを試料で濡らすのを回避することができる。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によってZ軸に沿ってチップ・ホルダ4から離れる方向へ移動し、トラック7内のカム従動子16の経路に従ってZ軸に沿って900回転し、プローブ30をY軸に平行にする。
【0038】
図1に示されているピペット・トレイ5は、2つの平行なシャフト64上に取り付けられており、ピペット・トレイ5をX軸に沿って移動させるピペット・トレイ・モータによって駆動されるベルト・プーリ・システムに連結されている。イジェクタ・プレート70は、ピペット先端トレイ5がX軸に沿ってプローブ・キャリッジ15から離れる場合にプローブ・キャリッジ15に整列するピペット先端トレイ5の縁部に取り付けられている。プローブ・キャリッジ15は、プローブ・キャリッジ・モータ11によって、伸長位置にあるプローブ30と共にZ軸に沿って移動する。
【0039】
図7に示されているように、ピペット先端17は、Z軸に沿って移動するプローブ・キャリッジ15がイジェクタ・プレート70をプローブ30に係合させた場合に取り外される。プローブ30は、プローブ・モータ36によってプローブ・キャリッジ15に引き込まれ、ピペット先端17はイジェクタ・プレート70の二又71に係合し、プローブ30から取り外される。こうして、プローブ・キャリッジ15は、ピペット・トレイ5からの事前に選択されたピペット先端17に係合し、次の試料110を分析するサイクルを再開する準備を整える。または、先端を突き出す前に試料を保存するために、ピペット先端内の残りの試料を最初の試料ウェルに戻すことができる。
【0040】
図8に示されているように、エレクトロスプレーチップ80はチップ・ホルダ4に取り付けられている。チップ・ホルダ4およびチップ・ホルダ・ハウジング82は、チップ80の所望のエレクトロスプレー装置115に整列するように検出器111に対して移動することができる。チップ・ホルダ、チップ・ホルダ・キャリッジ、プローブ、プローブ・キャリッジ、ピペット先端トレイ、および試料・トレイは、ハウジング内に取り付けられており、図9および10に示されているように、オートサンプラ1の外側ケーシング112を移動させずにチップを質量分析計111に整列させるようにシステムをX軸およびY軸に沿って移動させることのできるモータに連結されている。
【0041】
2段階の動きによって、質量分析計111入口の前方におけるチップ80のX・Y軸位置が決定され、第3段階の動きによって、プローブ30はZ軸に沿って試料110およびピペット先端トレイ5上をチップ80の方へ移動する。プローブ30がこの段階に沿って移動する際、プローブ30は試料110および先端トレイ5を横切る場合にY−Z平面内に保持され、次いで、プローブ30がチップ80に接近するにつれてカム従動子16がプローブをY−Z平面内で900回転させる。第4段階の動きでは、プローブは、プローブ30の向きに応じて、Y軸に沿って移動して試料および先端を取り上げるか、またはZ軸に沿って移動してチップ80の後部に係合する。第5段階の動きでは、試料・トレイ6および先端トレイ5が、プローブ30の下方でX軸に沿って移動し、この段階を、プローブ30をZ軸に沿って移動させる段階と共に使用することによって、各試料/先端を割り出すことができる。さらなる2段階の動きによって、アセンブリ全体がZ軸およびX軸に沿って移動し、エレクトロスプレー位置を質量分析計入口に対して最適化することができる。第8段階の動きでは、シリンジ・ポンプが移動し、試料を吸引し供給することが可能になる。
【0042】
すべての段階の動きは好ましくは、コンピュータによって制御される。これによって、微小流体チップ上の複数のエレクトロスプレー装置のグリッド・アレイから1つまたは複数のエレクトロスプレーを与えることができる。好ましくは、エレクトロスプレーチップ80は、エレクトロスプレー装置115の高密度アレイまたは数群の装置115を有する。各エレクトロスプレー装置115は、流路117によって連結された少なくとも1つのエレクトロスプレー出口116と流体入口113とを有しており、入口113と出口116は微小流体チップ80の同じ側に位置しても、両側に位置してもよい。好ましくは、複数の出口が単一の流体流110と流体連通する。
【0043】
このX・Y・Z軸自動化線形運動装置は、流体供給装置が質量分析オリフィスの方向に移動できるように構成されている。微小流体チップは、質量分析計オリフィスおよび流体供給プローブに対してX軸方向およびY軸方向に移動する。したがって、流体供給プローブは、質量分析計に対して一定のX軸・Y軸位置に残り、Z軸方向に移動して、微小流体チップの後部にエレクトロスプレーを供給する流体流を連結するか切り離すことができる。チップは、質量分析計のオリフィスから一定のZ軸距離に残り、エレクトロスプレー装置のグリッド・アレイが順次エレクトロスプレーを行い、かつ各エレクトロスプレー装置からのエレクトロスプレーが空間内の同じ点から放出されるように、複数のエレクトロスプレー装置が流体プローブの前方でX軸方向およびY軸方向に移動する。
【0044】
他の線形運動段階によって、質量分析計の前方でこのアセンブリ全体を移動させることができる。これによって、エレクトロスプレーが行われている間質量分析計の性能が最大になるように装置を最適な位置に位置させることができる。図1に示されている装置では、エレクトロスプレーが行われている間、検出器のイオン応答を最適化するように流体プローブおよびチップが移動できるように、流体プローブおよびチップを、その互いの位置を移動させずにX軸方向およびY軸方向に移動させる2段階の移動がある。これらの移動段階は、質量分析計信号からのフィードバックと共に、検出器に対するエレクトロスプレーの位置を自動的に最適化するのを可能にする。
【0045】
好ましくは軟性材料で作られたシール118を用いて流体110をチップ80に密封供給することができる。流体プローブは、Oリングまたはガスケット・シールを用いて微小流体チップに対して密封することができる。または、流体が自己持続エレクトロスプレー要件と同じ流量で入口に供給されるように、入口流がエレクトロスプレー流の需要に一致している場合は密封材料は必要とされない。さらに、流体プローブ材料が、エレクトロスプレーを効率的に行うのに必要な圧力でチップの直接シールを形成できる場合は、密封材料は必要とされない。
【0046】
流体プローブは、各試料および/またはエレクトロスプレー装置に新しいプローブが使用されるように再使用可能または使い捨てであってよい。プローブには、成分を分離するかまたは試料を精製するためにクロマトグラフィ材料を装填することができる。プローブに事前に試料を装填するか、または適切なポンプまたはその他の圧力装置を用いて、試料を溶液の形で容器からプローブに供給することができる。溶液の組成は時間の経過と共に変化し、クロマトグラフィ分離を容易にすることができる。プローブは、事前に容器に試料が装填された微小流体チップに、清浄な溶媒を供給することもできる。事前に装填された試料は、依然として溶液の形であってよく、分離装置のクロマトグラフィ材料に吸着させることも、プローブから供給される溶媒によって再溶媒化される乾燥形にすることもできる。クロマトグラフィ材料/固定相をピペット先端またはエレクトロスプレーチップ内に配置することができる。さらに、複数の流体プローブを同時に用いて複数のエレクトロスプレー装置に試料を供給することができる。
【0047】
流体プローブは、戻って試料を取り上げると、一態様では、水平平面から垂直平面に移動する。プローブ次に、上下に移動して新しいピペット先端、または毛管柱、またはその他の試料・ハンドリング装置を取り上げることができる。試料が事前に装填されていない場合、プローブは、チップに戻る前に、多重ウェル試料・トレイに移動し、ウェルから試料を取り込むことができる。試料がチップの後部に対して密封された後、エレクトロスプレーを開始するために少量の上部圧力、通常5ポンド/平方インチ(「psi」)未満の上部圧力が圧力調整器46によって与えられる。このように、各試料ごとに新しい試料容器およびエレクトロスプレーノズルを用いて相互汚染を無くすことができる。分析後、使用済みのプローブ先端/毛管は、たとえば機械的捕捉装置を用いることによって自動的に排出され、新しい次の試料を吸引する前に新しいプローブ先端が装填される。
【0048】
エレクトロスプレー用の制御電圧は、微小流体チップ・マウントまたは流体供給プローブから与えられる。エレクトロスプレー電圧は、プローブがその下流側の流体と導電状態にあるかまたはこの流体に接触している場合に、図11に示されているように、流体供給プローブから与えることができる。または、図12に示されているようにチップ80上の導電面123と接触するプローブ30の電気絶縁接続装置119からこの電圧を供給してもよい。これは、この電圧をエレクトロスプレーイオン化チップ80の流体入口113に供給するという利点を有し、流体プローブ30内で起こる電気浸透または電気クロマトグラフィを最小限に抑える。
【0049】
この電圧は、チップ・マウント125を通じて電圧を印加できるように、チップ・マウント125に接触するチップの縁部まで延びる導電面124から供給することもできる。これは、電圧を任意の時間に印加できるようにプローブを必要としないという利点を有する。電圧は、図13に示されているように、任意の数のエレクトロスプレー装置に同時に印加し、たとえば個別に印加したり、群単位で印加することも、チップの入口面全体を覆う導電層124を示す図14に示されているように、チップ上のすべてのエレクトロスプレー装置に同時に印加することもできる。
【0050】
他の電圧も、図15に示されているようにチップ・ホルダ125から供給することができる。必要な基板電圧、チップ全体または各エレクトロスプレー装置または装置群の周りについての、チップの表面上またはチップ内の各層126内の電極に対する制御電圧を印加する他の例は図16A〜16Cに示されている。これらの電圧を用いてイオンを操作し、空間電荷を排除し、表面電荷を排除し、したがってエレクトロスプレー装置の感度を最大にすることができる。
【0051】
流体プローブは、クロマトグラフィ・カラム、脱塩カラム、または充填材料または表面コーティングを含む他の固定相を含んでよい。流体プローブは、毛管試料容器であっても、より内径の大きな試料容器であってもよい。流体プローブは、黒鉛を含浸させたポリプロピレンで作られたピペット先端などの導電ピペット先端でもよい。流体プローブは、それ自体が再使用可能または使い捨てであってよく、または再使用可能または使い捨て先端を有することができる。
【0052】
エレクトロスプレーは、流体とチップの基板との間に調節された電界が生成されるために行われる。チップ・ホルダはチップの基板に電圧を供給することができる。チップ・ホルダが導電状態である場合、ホルダを接地電位に結合することができ、基板電圧は単に、チップの縁部をチップ・マウントに保持することによって印加される。これは、任意の既知の方法により、たとえば、機械的に行ったり、導電ペーストまたはエポキシを用いることによって行うことができる。特に、チップ・ホルダは、エレクトロスプレー電圧を、チップの流体に供給することも、個々のノズルに供給することも、すべてのノズルに一度に供給することもできる。または、プローブ/カラム/試料毛管を用いてエレクトロスプレー電圧を供給することができる。流体プローブに取り付けられているが、流体プローブから電気的に絶縁されており流体プローブと共に移動する小形プローブを用いて、個別に、またはまとめて、または群単位でエレクトロスプレー電圧を供給することができる。これによって、カラム/プローブがエレクトロスプレー電圧からある程度絶縁され、したがって、電気浸透または電気クロマトグラフィが抑制される。
【0053】
チップの後部に個々の導電パッドを取り付け、各ノズルに個別に電圧を印加することができる。同様に、チップの前部に金属コーティングを塗布して各ノズルに電圧を印加することができる。
【0054】
各ノズルの周りの電界は好ましくは、ノズル先端の流体・基板電圧によって形成されるので、複数のノズルを数十ミクロンのオーダーで近接させて配置することができる。これによって、単一の流体流の複数のノズルから複数のエレクトロスプレーを形成し、したがって、マイクロチップ・ベースのエレクトロスプレー装置で得られるエレクトロスプレー感度を大幅に向上させることができる。互いに流体連通するエレクトロスプレー装置の複数のノズルは、感度を改善するだけでなく、装置の流量能力も向上させる。たとえば、内径10ミクロン、外径20ミクロン、長さ50ミクロンの寸法を有する1つのノズルを通る単一の流体流の流量は約1μL/分であり、200個のこのようなノズルの流量は約200μL/分である。したがって、最大で約2μL/分の流量能力、約2μL/分から約1mL/分の流量能力、約100nL/分から約500nL/分の流量能力、約2μL/分を超える流量能力を有する装置を製造することができる。
【0055】
任意のノズル数および形式を有する複数のエレクトロスプレー装置のアレイを製造することができる。エレクトロスプレー装置は、装置の低密度アレイから高密度アレイまでを形成するように位置させることができる。たとえば、互いに隣接する装置間の間隔として、それぞれ、液体を取り扱うかまたはエレクトロスプレーシステムから試料を受け入れるための市販の計器で使用される間隔に対応する、9mm、4.5mm、2.25mm、1.12mm、0.56mm、0.28mm、およびそれ以下から、約50μm程度までの間隔を有するアレイを製造することができる。同様に、装置密度が約5個/cm2を超えるアレイ、約16個/cm2を超えるアレイ、約30個/cm2を超えるアレイ、約81個/cm2を超えるアレイ、好ましくは約30個/cm2から約100個/cm2のアレイとしてエレクトロスプレー装置のシステムを製造することができる。
【0056】
エレクトロスプレー装置の寸法は、特定の用途や、レイアウト設計や、エレクトロスプレー装置とのインタフェースをとるかまたはエレクトロスプレー装置が一体化された上流側および/または下流側装置のような様々な因子に従って決定することができる。さらに、流路およびノズルの寸法は、流体試料の所望の流量に対して最適化することができる。反応性イオン・エッチングを用いると、直径が小さく、たとえば内径が2μmで外径が5μmのノズルを再現可能にかつ費用有効に作製することができる。このような各ノズルは、20μmほどの密な間隔で製造することができ、その場合、密度は約160,000個/cm2になる。それぞれ約10,000/cm2までのノズル密度、約15,625/cm2までのノズル密度、約27,566/cm2までのノズル密度、約40,000/cm2までのノズル密度をエレクトロスプレー装置内で実現することができる。同様に、排出面上の、噴霧ユニットの互いに隣接する出口オリフィスの中心間間隔がそれぞれ、約500μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約50μm未満であるノズルを設けることができる。たとえば、外径が20μmの1つのノズルを有するエレクトロスプレー装置はそれぞれ、周囲に、幅が30μmの試料ウェルを有する。そのようなノズルが密に充填されたアレイは、ノズルの中心から測定した場合の間隔が25μmほどの密な間隔であってよい。
【0057】
たとえば、現在好ましい一態様では、エレクトロスプレー装置のシリコン基板は厚さが約250〜500μmであり、貫通基板流路の表面積は約2,500μm2未満である。流路が円形の断面形状を有する場合、流路とノズルは最大で50μm、より好ましくは最大で30μmの内径を有し、ノズルは最大で60μm、より好ましくは最大で40μmの外径を有し、ノズルは最大で100μmの高さを有する(かつ環状領域は最大で100μmの深さを有する)。凹部は好ましくは、ノズルから外側に最大で300μm延びる。二酸化ケイ素層は、約1〜4μm、好ましくは1〜3μmの厚さを有する。窒化ケイ素層は約2μm未満の厚さを有する。本発明のオートサンプラは、サンプリング・プロセスを自動化しこのような高密度システムの利点を実現するように、上記のノズル密度および流量を有するエレクトロスプレー装置とのインタフェースをとるように製造することができる。
【0058】
さらに、エレクトロスプレー装置は、より大きく、最低限に荷電された液滴を生成するように操作することができる。これは、ノズル出口の所の電界を、所与の流体のエレクトロスプレーを生成するのに必要な値よりも小さな値に縮小することによって行われる。流体の電位電圧と基板の電位電圧との比を調整することによって電界が調節される。液滴を形成するには、流体・基板電位電圧比が約2未満であることが好ましい。この動作モードでの液滴直径は、流体の表面張力、印加電圧、および液滴受けウェルまたはプレートまでの距離によって調節される。この動作モードは、理想的には多数の離散量の流体の搬送および/または配分に適しており、インク・ジェット・プリンタや、流体の制御された分配を必要とする機器および計器などに使用することができる。
【0059】
本発明を例示を目的として詳しく説明したが、このような説明が例示のためのものに過ぎず、当業者なら、特許請求の範囲で定義される本発明の要旨および範囲から逸脱せずに変形を加えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】プローブ・キャリッジ・アセンブリがチップを取り扱うのに適した位置にある、本発明の一態様によるロボット・オートサンプラの一側面からの斜視図である。
【図2】プローブ・キャリッジ・アセンブリが回転位置にある、ロボット・オートサンプラの一側面からの部分斜視図である。
【図3】プローブ・キャリッジ・アセンブリが試料を取り扱うのに適した位置にある、ロボット・オートサンプラの一側面からの斜視図である。
【図4】プローブ・キャリッジ・カム・トラックを示す、ロボット・オートサンプラの他の側面からの斜視図である。
【図5】プローブ・キャリッジ・カム・トラックを示すようにロボット・オートサンプラの一部が取り外された、他の側面からの斜視図である。
【図6】プローブ・キャリッジ・アセンブリの断面図である。
【図7】プローブ・キャリッジ・アセンブリが先端吐出アセンブリに係合した様子を示す斜視図である。
【図8】チップ・ホルダ・アセンブリを示す、ロボット・オートサンプラの他の側面からの部分斜視図である。
【図9】チップ・ホルダ・アセンブリおよびプラットフォーム調整アセンブリを示す、ロボット・オートサンプラの他の態様の切取り部分の部分斜視図である。
【図10】ロボット・オートサンプラのある構成要素の相対的な移動機能の斜視図である。
【図11】流体プローブによって流体に電圧を印加する様子を示す断面図である。
【図12】電圧プローブをエレクトロスプレーイオン化(「ESI」)チップの導電表面に接触するように用いることによって流体に電圧を印加する様子を示す断面図である。
【図13】電圧が任意の数のエレクトロスプレー装置に同時に、個別に、または群単位で印加されるチップ回路の平面図である。
【図14】電圧がチップ上のすべてのエレクトロスプレー装置に同時に印加される電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。
【図15】エレクトロスプレーイオン化チップ・ホルダがチップに電圧を与える様子を示す断面図である。
【図16】図16Aは、環状電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。図16Bは、表面電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。図16Cは、積層電極を有するエレクトロスプレーイオン化チップの断面図である。
Claims (24)
- ロボット・オートサンプラであって、
試料源とエレクトロスプレーチップ・ホルダとの間を移動することができ、試料源から試料を受け入れ試料をチップ・ホルダ内のチップに排出する少なくとも1つの流体供給プローブを含むプローブ・キャリッジと、
エレクトロスプレーチップ・ホルダと、
プローブをチップ・ホルダに整列させ、チップ・ホルダを検出器に整列させる整列システムとを含むロボット・オートサンプラ。 - 流体供給プローブから電気的に絶縁され該流体供給プローブに取り付けられた電圧プローブをさらに含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- チップ・ホルダに取り付けられたエレクトロスプレーチップをさらに含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- エレクトロスプレーチップとエレクトロスプレー連絡する検出器をさらに含む、請求項3記載のロボット・オートサンプラ。
- 検出器が質量分析計を含む、請求項4記載のロボット・オートサンプラ。
- 流体供給プローブがクロマトグラフィ・カラムまたは脱塩カラムを含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- 流体供給プローブが、毛管試料容器またはより大きな内径を有する試料容器を含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- 流体供給プローブが、再使用可能なプローブ、使い捨てプローブ、再使用可能な先端、または使い捨て先端を含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- チップ・ホルダが、チップ・マウントを通じてチップの基板にエレクトロスプレー電圧を供給する、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- チップ・ホルダが、チップの基板、少なくとも1つのノズルに電圧または接地電位を供給してエレクトロスプレーを生成または制御する、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- 流体供給プローブが流体にエレクトロスプレー電圧を供給する、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- 電圧プローブが、エレクトロスプレー電圧をチップの表面に供給するか、個々のノズルに独立に供給するか、各ノズル群に供給するか、またはすべてのノズルに一度に供給する、請求項2記載のロボット・オートサンプラ。
- エレクトロスプレーチップが、電圧を印加するためにチップの後部に取り付けられた複数の個々の導電パッドをさらに含む、請求項3記載のロボット・オートサンプラ。
- エレクトロスプレーチップが、電圧を印加するためにチップの前部に塗布された金属コーティングをさらに含む、請求項3記載のロボット・オートサンプラ。
- 流体供給プローブが、流体をチップに供給する間の漏れを防止するシールをさらに含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- エレクトロスプレーチップが、各々が作動時に1つまたは複数のエレクトロスプレーを生成する複数のエレクトロスプレー装置を含む、請求項3記載のロボット・オートサンプラ。
- エレクトロスプレーチップが、各々が作動時に1つまたは複数のエレクトロスプレーを生成する、高密度アレイとしてまとめられた複数のエレクトロスプレー装置を含む、請求項3記載のロボット・オートサンプラ。
- オートサンプラと連絡するアセンブラ制御ユニットをさらに含む、請求項1記載のロボット・オートサンプラ。
- 複数のエレクトロスプレーを検出器と連絡するように生成するように複数の試料を自動的に操作する方法であって、
流体供給プローブ上に先端を係合させ、少なくとも1つの電解質を含む試料を先端に装填し、試料が装填された先端を移送して、少なくとも1つのエレクトロスプレー装置を含むエレクトロスプレーチップと連絡し、少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーし、使用済みの先端を廃棄し、プローブ上に他の先端を係合させて取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返すようにプログラムすることのできるロボット・オートサンプラを設ける段階と、
オートサンプラ・プローブ上に先端を係合させる段階と、
少なくとも1つの分析物を含む試料をプローブ先端に装填する段階と、
少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置に移送する段階と、
エレクトロスプレーチップ上の少なくとも1つのエレクトロスプレー装置から少なくとも1つの分析物をエレクトロスプレーする段階と、
エレクトロスプレーから分析物を検出するようにエレクトロスプレーチップを検出器と連絡するように操作する段階と、
係合・取込み・移送・エレクトロスプレーサイクルを繰り返す段階とを含む方法。 - 検出器が質量分析計である、請求項19記載の方法。
- 先端には、少なくとも1つの分析物を含む試料が事前に装填される、請求項19記載の方法。
- 先端が再使用される、請求項19記載の方法。
- オートサンプラによってエレクトロスプレー装置に制御電圧が印加される、請求項19記載の方法。
- 自動操作が、プログラム可能なコンピュータ・ソフトウェアによって制御される、請求項19記載の方法。
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